JPH10286058A - 鮮魚刺身の包装方法及び包装体 - Google Patents

鮮魚刺身の包装方法及び包装体

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JPH10286058A
JPH10286058A JP9099337A JP9933797A JPH10286058A JP H10286058 A JPH10286058 A JP H10286058A JP 9099337 A JP9099337 A JP 9099337A JP 9933797 A JP9933797 A JP 9933797A JP H10286058 A JPH10286058 A JP H10286058A
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JP
Japan
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container
sashimi
fresh fish
oxygen
package
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Application number
JP9099337A
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English (en)
Inventor
Mikio Tanaka
幹雄 田中
Kazuhiko Hirose
和彦 広瀬
Hidenao Hashiguchi
秀直 橋口
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鮮魚刺身において、とりわけ血合いを多く含
む鮮魚刺身においても、長期間品質保持が可能な鮮魚刺
身の包装方法および包装体を提供する 【解決手段】 包装体1は、トレイ11、トレイ11を
包み込む袋状の容器12、トレイ11上におかれた脱酸
素剤13および吸水シート14とから構成されている。
鮮魚刺身2は、トレイ11内の吸水シート14上に並べ
られており、容器12は、内部を窒素ガス置換された状
態で密封されている。容器12は、温度が30℃かつ相
対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が15
00ml/m2・day・atm以下である酸素ガスバ
リア性材料から形成されている。容器12内は、脱酸素
剤13の封入および窒素ガス置換によって、残留酸素濃
度が0.003%以下に維持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鮮魚刺身の品質保
持のために用いられる包装体及び包装方法に関するもの
であり、特に、血合い部分を多く含む魚種の刺身の品質
保持のために用いられる包装体及び包装方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】昨今の流通システムの発達に伴い、鮮魚
を生の状態で消費地に運ぶことが可能になった。鮮魚を
流通させる際には、鮮度の維持が最重要課題である。鮮
魚を消費地に運ぶ場合、全く加工せずに運ぶことも考え
られるが、鮮度維持、効率の面で問題が多い。そこで通
常は切り身として消費地に運ぶことになる。切り身と
は、鮮魚の魚肉を皮をつけたまま小さなブロックに分割
した鮮魚の切断片のことであり、通常は一片の肉厚が1
cm以上あるものを言う。
【0003】鮮魚の切り身を含気包装した場合、つまり
単純に包装しただけの場合、商品として品質が維持され
る期間(以下シェルフライフ)はせいぜい半日程度であ
る。鮮魚の切り身を冷凍して運ぶ方法もあるが、冷凍に
よって味が落ちるため、鮮魚の商品価値が下がる。
【0004】そこで、切り身の品質を維持するために、
切り身を脱酸素剤と共に非通気性包材に入れる保存方法
(特開昭58−138336号公報)、あるいは包装体
内を窒素ガスあるいは窒素と二酸化炭素との混合ガスで
置換するか、または包装体内に脱酸素剤を同封する保存
方法(特開昭63−307077号公報)などが知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術のよう
な方法を用いることにより、鮮魚を切り身として流通さ
せる場合は、シェルフライフを4〜5日にすることは可
能である。しかし、近年の家庭における食生活の改善及
び簡便性の追求によって、鮮魚を刺身として流通させる
ことが必要となってきた。刺身とは、あらかじめ鮮魚の
皮を剥ぎ、一片の厚みが1cm以下になるように切断加
工することによって、家庭において再加工を必要とせ
ず、すぐに食すことができるようにした鮮魚の切断片の
ことである。
【0006】刺身は、切り身と比較して、外気に接触す
る表面積が著しく増加するため、酸化しやすい。また、
特にブリ、ハマチ、カンパチなどの血合いを多く含む鮮
魚の刺身が外気に接触すると、血合いの変色に伴い商品
価値が著しく低下する。かかる鮮魚の刺身の保存方法と
しては、上記従来の保存方法では、未だ十分なものでは
なかった。
【0007】そこで、本発明は、鮮魚刺身において、と
りわけ血合いを多く含む鮮魚刺身においても、長期間品
質保持が可能な鮮魚刺身の包装方法および包装体を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】鮮魚を切り身として流通
させる場合は、一片の大きさが大きいこと、皮がついて
いることなどにより、比較的酸化しにくいため、切り身
を保存するには、容器内の酸素濃度をせいぜい0.01
%程度に維持することで十分であった。これは、従来技
術である特開昭58−138336号公報等を参照して
もわかる。
【0009】しかし、鮮魚を刺身として流通させる場合
は、一片の大きさが小さいこと、皮がついていないこと
などにより、切り身と比較して著しく酸化しやすいた
め、刺身を保存するためには、従来のように容器内部の
酸素濃度を0.01%程度に維持するだけでは不十分で
あり、特にブリ、ハマチ、カンパチなどの血合いを多く
有する鮮魚の刺身に対しては、酸化の度合いが顕著であ
ることを本発明者らは見いだした。本発明者らは、鋭意
研究の結果、従来切り身を保存する場合に採用した酸素
濃度よりも更に著しく高水準の低酸素濃度であって、従
来切り身に対しては必要性が認識されておらず、かつ達
成に必要な条件も厳しいことから従来は採用されていな
かった高水準の低酸素濃度に容器内を維持することによ
って、血合いを多く含む鮮魚の刺身においても長期間品
質保持が可能となることを見いだした。
【0010】すなわち、本発明の鮮魚刺身の包装方法
は、鮮魚刺身を脱酸素剤と共に、温度が30℃かつ相対
湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が150
0ml/m2・day・atm以下である酸素ガスバリ
ア性材料からなる容器内に配置し、容器内を窒素ガス雰
囲気に置換した後、容器を密封して、容器内の残存酸素
濃度が0.003%以下に維持されるようにすることを
特徴としている。
【0011】本発明の鮮魚刺身の包装方法は、鮮魚刺身
が、5〜50重量%の血合い部分を有しかつ5〜30重
量%の脂質を含有する、ブリ、ハマチ及びカンパチから
なる群から選択されるいずれかの鮮魚の刺身である場合
において、特に有効である。
【0012】また、本発明の鮮魚刺身の包装方法は、脱
酸素剤の酸素吸収能力が、容器の容積の0.5倍以上と
なるように脱酸素剤を容器内に配置することを特徴とし
ても良い。
【0013】さらに、本発明の鮮魚刺身の包装方法は、
容器の容積に対して鮮魚刺身の容積が5〜70容量%と
なるように鮮魚刺身を容器内に配置することを特徴とし
ても良い。
【0014】また、本発明の鮮魚刺身の包装方法は、容
器内に吸水シートを配置し、鮮魚刺身を吸水シート上に
配置することを特徴としても良い。
【0015】本発明の鮮魚刺身の包装体は、温度が30
℃かつ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過
度が1500ml/m2・day・atm以下である酸
素ガスバリア性材料からなる容器であって、内部が窒素
ガス雰囲気に置換されている容器と、容器内に配置され
た脱酸素剤とを備え、容器内の残存酸素濃度が0.00
3%以下に維持されていることを特徴としている。
【0016】本発明の鮮魚刺身の包装体は、鮮魚刺身
が、5〜50重量%の血合い部分を有しかつ5〜30重
量%の脂質を含有する、ブリ、ハマチ及びカンパチから
なる群から選択されるいずれかの鮮魚の刺身である場合
に特に有効である。
【0017】また、本発明の鮮魚刺身の包装体は、脱酸
素剤の酸素吸収能力が、容器の容積の0.5倍以上とな
るように脱酸素剤が容器内に配置されていることを特徴
としても良い。
【0018】さらに、本発明の鮮魚刺身の包装体は、容
器の容積に対して鮮魚刺身の容積が5〜70容量%とな
るように鮮魚刺身が容器内に配置されていることを特徴
としても良い。
【0019】また、本発明の鮮魚刺身の包装体は、容器
内に配置された吸水シートをさらに備え、鮮魚刺身が吸
水シート上に配置されていることを特徴としても良い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の鮮魚刺身の包装方
法並びに鮮魚刺身の包装体の好適な実施形態について説
明する。
【0021】まず、本発明の実施形態にかかる鮮魚刺身
の包装体について説明する。図1は、本実施形態にかか
る鮮魚刺身の包装体の断面図である。包装体1は、トレ
イ11、トレイ11を包み込む袋状の容器12、トレイ
11上に配置された脱酸素剤13および吸水シート14
とから構成されている。鮮魚刺身2は、トレイ11内に
配置された吸水シート14上に並べられており、容器1
2は、内部を窒素ガス置換された状態でヒートシール部
15をヒートシールすることにより密封されている。
【0022】容器12は、温度が30℃かつ相対湿度が
80%の条件下において酸素ガス透過度が1500ml
/m2・day・atm以下である酸素ガスバリア性材
料から形成されていることが必要であり、好ましくは、
温度が30℃かつ相対湿度が80%の条件下において酸
素ガス透過度が400ml/m2・day・atm以
下、特に好ましくは100ml/m2・day・atm
以下である酸素ガスバリア性材料から形成されているこ
とが望ましい。容器12を形成する材料の酸素ガス透過
度が1500ml/m2・day・atmよりも大きい
と、容器12内に酸素が侵入し、鮮魚刺身2の血合い部
分21の変色が激しくなる。
【0023】容器12は、上記の酸素ガス透過度に関す
る条件を満たせば、材質、厚み、構成は特に問わない。
ナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール
などの単層フィルムから構成されているものや、ナイロ
ン/ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデンコートナイロ
ン/ポリオレフィン、ポリオレフィン/ポリ塩化ビニリ
デン/ポリオレフィンなどの積層フィルムから構成され
ているものなどから任意に選択できる。尚、上記のポリ
オレフィンの中には、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリスチレンなどが含まれる。
【0024】包装対象となる鮮魚2は、刺身の形状をし
ているものである。通常、刺身とは、鮮魚の皮を剥ぎ、
一片の厚みが1cm以下になるように小さく切断され
た、鮮魚の切断片で、家庭において再加工することなく
食すことができる状態にあるものをいう。たたきと呼ば
れている鮮魚の切断片も刺身に含まれる。また、刺身に
対して、切り身とは、通常、皮付きのまま、刺身よりも
厚く切断された鮮魚の切断片であり、家庭において再加
工した後に食されるものを言う。3枚おろしや切り身ブ
ロックなどは切り身に含まれる。
【0025】包装対象となる鮮魚2はまた、5〜50重
量%の血合い部分を有し、かつ5〜30重量%の脂質を
有する魚種である場合に、本実施形態にかかる包装方法
および包装体を使用することが特に効果的である。この
ような鮮魚としては、ブリ、ハマチ、カンパチなどが挙
げられる。血合い部分と脂質がこの範囲を超えると、食
味が劣り、刺身としては不適当になる。また、血合い部
分と脂質がこの範囲よりも小さいときは、従来の切り身
の保存方法においてもある程度は対応可能となる。
【0026】また、本実施形態において、容器12内の
残留酸素濃度を必要レベルまで下げるためには、窒素置
換のみでは十分でなく、脱酸素剤13を容器12内に封
入する必要がある。本実施形態で用いる脱酸素剤13
は、容器容積の0.5倍以上の酸素吸収能力を持つこと
が望ましく、容器容積の1.0倍以上の酸素吸収能力を
持つことが特に望ましい。酸素吸収能力が容器容積の
0.5倍未満である場合は、容器内の残留酸素濃度を、
必要とされるレベルに維持することが難しくなる傾向に
ある。このような脱酸素剤13としては、三菱ガス化学
(株)製、商品名:エージレスSS−200などが考え
られる。
【0027】吸水シート14は、刺身から生じた水分ド
リップを十分吸収できるものであれば特に種類は問わな
い。例えば、昭和電工(株)製、商品名:レッドキーパ
ーなどが考えられる。吸水シートを用いずに、刺身2の
血合い部分21が水分ドリップに接すると、血合い部分
21が変色し、刺身2の外観が悪くなり易くなる傾向に
ある。また、吸水シート14を用いることで、刺身2の
血合い部分21が直接トレイ11に接することによる血
合い部分21の変色も防止できる。
【0028】トレイ11は、容器12内の残留酸素濃度
の低減に悪影響を及ぼさない材質のものであれば良く、
発泡性材料以外の材料で形成されていることが望まし
い。これらの材料には例えばポリプロピレン、ポリスチ
レンなどが考えられる。
【0029】容器12内は、脱酸素剤13の封入および
窒素ガス置換によって、残留酸素濃度が0.003%以
下になっている必要がある。また、容器12内の残留酸
素濃度が0.001%以下になっていることが特に望ま
しい。容器12内の残存酸素濃度が0.003%より大
きいと、周囲温度が5℃の状態において、刺身の鮮度を
2日間以上維持することができなくなり、刺身の流通に
おいて必要なシェルフライフを満たすことができなくな
る。
【0030】また、容器12内に刺身を配置する場合、
容器12の内容積に対して、刺身2の容積の占める割合
が5〜70容積%の範囲であることが好ましく、10〜
50容積%の範囲であることが特に好ましい。容器12
の容積に対する刺身2の容積の占める割合が70%より
大きいと、刺身2の血合い部分21が容器12と接触し
易くなり、接触部分の変色によって、刺身2の商品価値
が下がってしまう傾向にあるからである。また、容器1
2の容積に対する刺身2の容積の占める割合が5%未満
であると、流通時における単位魚肉あたりの占有スペー
スが大きくなり、流通コストが大きくなると共に、容器
12内の絶対酸素量が大きくなり、容器12内の残留酸
素濃度を必要なレベルに維持することが困難になる、と
いった問題が生じる傾向がある。
【0031】次に、本発明の実施形態にかかる鮮魚刺身
の包装方法について説明する。本実施形態にかかる鮮魚
刺身の包装方法の第1の工程では、トレイ11上に脱酸
素剤13および吸水シート14を配置する。第2の工程
では、吸水シート14上に鮮魚刺身2を並べる。その
際、容器12の内容積に対して、刺身2の容積の占める
割合が5〜70容積%の範囲となるように刺身2をトレ
イ11内に配置していく。第3の工程では、第2の工程
にて刺身2を並べられたトレイ11を袋状の容器12に
挿入する。第4の工程では、ガス置換兼用真空包装機を
用いて、容器12内を窒素ガスで置換し、容器12を密
封して完了する。
【0032】本実施形態において、容器12内の残留酸
素濃度を必要レベルまで下げるためには、脱酸素剤13
の封入のみでは十分ではなく、脱酸素剤13の封入と窒
素ガス置換との併用が必要である。容器12内の残留酸
素濃度を低減するために、脱酸素剤13と窒素ガス置換
とを併用するため、窒素ガス置換直後の容器12内の残
留酸素濃度は0.07%以下であれば良く、残りは、脱
酸素剤13によって残留酸素濃度が必要レベルまで低減
される。
【0033】窒素ガス置換方法としては、容器12内を
減圧せずに窒素ガスを吹き込み密封する方法や、容器1
2内を減圧して窒素ガスを吹き込み密封する方法などが
ある。この場合、減圧および窒素ガス吹き込みの回数は
特に制限しない。
【0034】以上、本発明の好適な実施形態について説
明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。すな
わち、例えば上記の実施形態において、容器12として
は袋状のものを用いて、刺身の並べられたトレイ11全
体を覆って密封していたが、図2に示すように、容器本
体12aを、上記容器12と同様な、温度が30℃かつ
相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が1
500ml/m2・day・atm以下である酸素ガス
バリア性材料から形成し、容器本体12aの内部を窒素
ガスで置換した後、容器本体12aの上部に、同様の酸
素ガスバリア性材料から形成された容器蓋部12bを張
り付けて容器12を形成し、密封しても良い。このよう
にしても、容器12内の残留酸素濃度を0.003%以
下に維持することが可能となり、上記実施形態と同様の
効果が得られる。
【0035】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。
【0036】実施例1〜2および比較例1〜3 容器12内の残存酸素濃度をそれぞれ0.001%以下
(実施例1)、0.002%(実施例2)、0.005
%(比較例1)、0.01%(比較例2)、0.02%
(比較例3)に維持した状態で、鮮魚刺身2を保存し、
血合いa値の測定および外観、臭い、味、水分ドリップ
の評価を実施した。
【0037】評価対象の鮮魚刺身は、ハマチの皮を剥
ぎ、厚さが6〜8mmになるように切断した切断片であ
る。全部で6〜7切れ、重量にして90〜100gの刺
身を、大きさが14.7cm×8.7cm×3.0cm
のトレイ11に並べ、そのトレイ11の外側を、袋状の
容器12で覆った。トレイ11はポリプロピレンで形成
されており、袋状の容器12は、温度が30℃かつ相対
湿度が80%の条件下において酸素ガス透過度が60m
l/m2・day・atmであるエチレンビニルアルコ
ール共重合体/ポリオレフィン/ポリオレフィンの積層
フィルムから構成されている。容器12の容積は420
cm3となり、容器12内における刺身2の容積占有率
は22%程度である。尚、本実施例および比較例におい
ては、吸水シートは用いていない。
【0038】比較例1〜3における残留酸素濃度を実現
するためには、脱酸素方法として窒素ガス置換のみで十
分であるが、実施例1および実施例2の残留酸素濃度を
実現するためには、脱酸素方法として、窒素ガス置換と
脱酸素剤の併用が必要であった。
【0039】上記それぞれの残留酸素濃度を維持し、外
気温5℃の暗所に約2日間保存後、血合いa値の測定、
外観、臭い、味、水分ドリップの評価および総合評価を
以下のように実施した。評価結果を表1に示す。
【0040】(血合いa値)包装体を開封して10分経
過後に、日本電色製SE2000型分光式測色色差計を
用いて、血合い部分21の下面(トレイ11との接触
面)と上面についてそれぞれ3カ所(計6カ所)のa値
を測定し、平均値を求めた。a値とは、色差表示方法
(JIS Z 8730)の「ハンターの色差式による
色差」の項に示されているように、JIS Z 872
2に規定される色の三刺激値から計算された値であり、
この数値が大きいほど血合い部分21の赤みが強く、変
色度合いが小さいことを意味する。
【0041】(外観の評価)3人のパネラーによる官能
検査を行った。具体的には、包装体1を開封して10分
経過後に、各パネラーに、鮮魚刺身2の外観について、
下記の評価基準: 5:保存前と比較して全く変化が認められず、商品とし
て大変優れている 4:保存前と比較してほとんど変化が認められず、商品
として問題はない 3:保存前と比較してわずかに変化が認められ、商品と
しては若干問題がある 2:保存前と比較して著しい変化が認められ、商品とし
ては明らかに問題がある 1:保存前の状態をとどめておらず、商品価値は無い に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0042】(臭いの評価)3人のパネラーによる官能
検査を行った。具体的には、包装体1を開封して直後
に、各パネラーに、鮮魚刺身2の臭いを嗅いでもらい、
下記の評価基準: 5:全く無臭であり、商品として大変優れている 4:ほとんど無臭であり、商品として問題はない 3:魚臭さが感じられ、商品としては若干問題がある 2:魚臭さに加え、異臭が感じられ、商品としては明ら
かに問題がある 1:異臭、特に酸化臭が強く感じられ、商品価値は無い に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0043】(味の評価)3人のパネラーによる官能検
査を行った。具体的には、包装体1を開封して10分後
に、各パネラーに、鮮魚刺身2を生のまま食してもら
い、下記の評価基準: 5:保存前と比較して全く味の劣化が認められず、商品
として大変優れている 4:保存前と比較してほとんど味の劣化が認められず、
商品として問題はない 3:保存前と比較してわずかに味の劣化が認められ、商
品としては若干問題がある 2:保存前と比較して著しい味の劣化が認められ、商品
としては明らかに問題がある 1:外観の変化、異臭が強く食べられない に従って5段階に評点してもらい、平均点(四捨五入)
を求めた。
【0044】(水分ドリップの評価)包装体1を開封し
て直後に、トレイ11内に蓄積している水分量を、下記
の評価基準: 5:全く認められない 4:ほとんど認められない 3:少し認められる 2:多く認められる 1:非常に多く認められる に従って5段階に目視評価した。
【0045】(総合評価)上記のa値、外観、臭い、
味、水分ドリップの評価結果を総合し、下記の評価基
準: ◎:商品として優れている ○:商品として問題なし △:商品として若干問題がある ×:商品として明らかに問題がある に従って、4段階に評価した。
【0046】
【表1】
【0047】表1の結果からわかるように、鮮魚刺身2
を最低2日間保存するためには、容器12内の残存酸素
濃度を0.003%以下にすることが必要であることが
分かる。また、残存酸素濃度が0.003%以下のレベ
ルを実現するための脱酸素方法としては、窒素ガス置換
と脱酸素剤との併用が必要であることも分かる。
【0048】参考例1〜5 上記実施例1、2および比較例1〜3と同様の実験を鮮
魚切り身に対して行った。具体的には、容器12内の残
存酸素濃度をそれぞれ0.001%以下(参考例1)、
0.002%(参考例2)、0.005%(参考例
3)、0.01%(参考例4)、0.02%(参考例
5)に維持した状態で、鮮魚切り身を保存し、血合いa
値の測定および外観、臭い、味、水分ドリップの評価を
実施した。
【0049】評価対象の鮮魚切り身は、ハマチを皮付き
のまま、厚さが2cm程度になるように切断した切断片
である。それぞれのトレイ11には、上記実施例1、2
および比較例1〜3においてトレイ11に並べた鮮魚刺
身2との重量を揃えるために、重量が90〜100gで
ある1切れの切り身をそれぞれ挿入した。
【0050】以下、評価結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2から分かるように、鮮魚の切り身に関
しては、容器12内の残存酸素濃度を0.02%程度に
維持しておけば、鮮魚流通時に最低限品質維持が必要な
2日間経過後も商品として優れたレベルを十分維持でき
ている。また、容器12内の残留酸素濃度を0.02%
程度に維持するための脱酸素方法としては、窒素ガス置
換のみで十分であることが分かる。
【0053】比較例4 容器内の脱酸素方法として脱酸素剤のみを用いたもの
(比較例4)において、上記実施例1と同様の実験を行
った。以下、比較例4の結果を実施例1の結果と共に表
3に示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3から分かるように、脱酸素剤単独では
容器12内の残留酸素濃度を必要なレベルに維持するこ
とができない。よって、鮮魚刺身の保存時には、実施例
1のように窒素ガス置換と脱酸素剤との併用が必要であ
る。
【発明の効果】本発明の鮮魚刺身の包装方法および包装
体により、鮮魚の刺身、とりわけ血合いを多く含む鮮魚
を、長期間保存することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる鮮魚刺身の包装体の
断面図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる鮮魚刺身の包装体の
変形例の断面図である。
【符号の説明】
1…包装体、11…トレイ、12…容器、12a…容器
本体、12b…容器蓋部、13…脱酸素剤、14…吸水
シート、15…ヒートシール部、2…鮮魚刺身、21…
血合い部分、22…血合い以外の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 85/50 A23B 4/00 E 4/06 502Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鮮魚刺身を脱酸素剤と共に、温度が30
    ℃かつ相対湿度が80%の条件下において酸素ガス透過
    度が1500ml/m2・day・atm以下である酸
    素ガスバリア性材料からなる容器内に配置し、前記容器
    内を窒素ガス雰囲気に置換した後、該容器を密封して、
    該容器内の残存酸素濃度が0.003%以下に維持され
    るようにすることを特徴とする、鮮魚刺身の包装方法。
  2. 【請求項2】 前記鮮魚刺身が、5〜50重量%の血合
    い部分を有しかつ5〜30重量%の脂質を含有する、ブ
    リ、ハマチ及びカンパチからなる群から選択されるいず
    れかの鮮魚の刺身であることを特徴とする、請求項1に
    記載の鮮魚刺身の包装方法。
  3. 【請求項3】 前記脱酸素剤の酸素吸収能力が、前記容
    器の容積の0.5倍以上となるように該脱酸素剤を前記
    容器内に配置することを特徴とする、請求項1または請
    求項2に記載の鮮魚刺身の包装方法。
  4. 【請求項4】 前記容器の容積に対して前記鮮魚刺身の
    容積が5〜70容量%となるように前記鮮魚刺身を前記
    容器内に配置することを特徴とする、請求項1から請求
    項3のうちのいずれか1項に記載の鮮魚刺身の包装方
    法。
  5. 【請求項5】 前記容器内に吸水シートを配置し、前記
    鮮魚刺身を該吸水シート上に配置することを特徴とす
    る、請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載
    の鮮魚刺身の包装方法。
  6. 【請求項6】 温度が30℃かつ相対湿度が80%の条
    件下において酸素ガス透過度が1500ml/m2・d
    ay・atm以下である酸素ガスバリア性材料からなる
    容器であって、内部が窒素ガス雰囲気に置換されている
    容器と、該容器内に配置された脱酸素剤とを備え、前記
    容器内の残存酸素濃度が0.003%以下に維持されて
    いることを特徴とする、鮮魚刺身の包装体。
  7. 【請求項7】 前記鮮魚刺身が、5〜50重量%の血合
    い部分を有しかつ5〜30重量%の脂質を含有する、ブ
    リ、ハマチ及びカンパチからなる群から選択されるいず
    れかの鮮魚の刺身であることを特徴とする、請求項6に
    記載の鮮魚刺身の包装体。
  8. 【請求項8】 前記脱酸素剤の酸素吸収能力が、前記容
    器の容積の0.5倍以上となるように該脱酸素剤が前記
    容器内に配置されていることを特徴とする、請求項6ま
    たは請求項7に記載の鮮魚刺身の包装体。
  9. 【請求項9】 前記容器の容積に対して前記鮮魚刺身の
    容積が5〜70容量%となるように前記鮮魚刺身が前記
    容器内に配置されていることを特徴とする、請求項6か
    ら請求項8のうちのいずれか1項に記載の鮮魚刺身の包
    装体。
  10. 【請求項10】 前記容器内に配置された吸水シートを
    さらに備え、前記鮮魚刺身が該吸水シート上に配置され
    ていることを特徴とする、請求項6から請求項9のうち
    のいずれか1項に記載の鮮魚刺身の包装体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002300847A (ja) * 2001-04-04 2002-10-15 Showa Denko Plastic Products Co Ltd 食品の加工・保存方法および加工食品
JP2003321068A (ja) * 2002-05-01 2003-11-11 Tokan Kogyo Co Ltd 刺身包装容器と刺身包装方法並びに刺身包装体

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