JPH10287988A - 硫酸第二鉄溶液への再生方法及びそれに用いる再生装置 - Google Patents

硫酸第二鉄溶液への再生方法及びそれに用いる再生装置

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JPH10287988A
JPH10287988A JP10056497A JP10056497A JPH10287988A JP H10287988 A JPH10287988 A JP H10287988A JP 10056497 A JP10056497 A JP 10056497A JP 10056497 A JP10056497 A JP 10056497A JP H10287988 A JPH10287988 A JP H10287988A
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sulfate
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Takayuki Akizuki
孝之 秋月
Yoshinori Tanimoto
好則 谷本
Yutaka Yamazaki
裕 山崎
Katsutoshi Itani
勝利 井谷
Toshiichi Kikuchi
敏一 菊池
Tadahiro Fukai
忠広 深井
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    • C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 例えばステンレス鋼などに付着する酸化スケ
ールなどを酸洗除去するために用いられる硫酸第二鉄溶
液を、効率よく再生しうる硫酸第二鉄溶液への再生方法
及びそれに用いる再生装置に関する。 【解決手段】 原液として、硫酸第一鉄を含む硫酸第二
鉄の混合溶液から、前記硫酸第一鉄の余剰分を予め除去
するとともに、該混合溶液内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄
に再生する硫酸第二鉄溶液への再生方法であって、前記
原液を、外原液中の硫酸第一鉄が結晶化する温度以下の
所定温度に冷却することにより、前記硫酸第一鉄を結晶
化させその結晶核を有する結晶核混合溶液を形成する結
晶核生成工程と、この結晶核混合溶液を、晶析槽にて硫
酸第一鉄の余剰分を分離し非余剰混合溶液とする分離工
程と、前記晶析槽から流出した非余剰混合溶液に過酸化
水素及び硫酸を加えることによって混合溶液内の硫酸第
一鉄を硫酸第二鉄に再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばステンレス
鋼などの金属材料表面に形成した酸化スケールを酸洗除
去するために用いる硫酸第二鉄溶液を、効率よく再生し
うる無公害型の硫酸第二鉄溶液への再生方法及びそれに
用いる再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ステンレス鋼線は、通常、ビレ
ットの熱間圧延加工によって、例えば直径6mmのロッド
に仕上げられるが、特にCr系ステンレス鋼の場合に
は、大気中で熱処理されるため表面に比較的厚い酸化ス
ケール、即ち酸化皮膜が発生する。
【0003】従来、このような酸化皮膜は、アルカリ溶
融塩に浸漬する一次脱スケール処理と、その後の硝弗酸
による酸洗い処理の2段階処理により除去してきた。
【0004】しかしながら、この方法では、処理溶液に
硝酸を用いることから、発生するNOxガスや、処理排
水中にチッ素を含むことによる高富養化などの環境破壊
の原因とされ、西暦1998年以降は硝酸の使用が実質
的に制限されることが決定しており、これに変わる方法
が望まれている。
【0005】ところで特公昭57−1590号公報は、
Cr系ステンレス鋼のスマット除去のために硫酸第二鉄
などが0.5wt%以上含有される溶液により処理する
ことを提案している。
【0006】この方法においては、硫酸第二鉄と鉄との
反応に際して、硫酸第二鉄が減少して、硫酸第一鉄、硫
酸クロム、硫酸ニッケルなどが蓄積されることを示して
いる。
【0007】一方、特公昭56−8109号公報では、
このような硫酸第二鉄溶液の使用に伴う液の老化物とし
て内部に蓄積した硫酸第一鉄に、過酸化水素と硫酸を加
え、かつ弗酸濃度に対応させて酸化還元電位を所定範囲
に維持することによって硫酸第二鉄に再生し、活性化す
ることで硫酸第二鉄溶液を繰り返し使用することを提案
している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者発
明はスマットの除去のために硫酸第二鉄溶液を用いるも
のであり、その含有量も0.5wt%と低く、またこの
溶液を積極的に再生することについては何ら示されてい
ない。
【0009】また後者発明では再生のために過酸化水素
と硫酸を加え管理することは開示しているが、直接、過
酸化水素と硫酸を混和することは、装置、保守、管理の
手間を低減しうるとはいえ、残存する硫酸第一鉄の量が
温度に応じて変化し、従って再生される硫酸第二鉄の量
が変動するなど、混合溶液の成分の制御を困難とし、酸
洗品質の安定化に欠ける場合も生じる。
【0010】さらに過剰に硫酸第一鉄が残存していると
きには、再生のためには過酸化水素と硫酸などの添加液
の全体量を増やすこととなるなど不経済である他、必要
な程度に硫酸第二鉄を再生しないときには、硫酸第二鉄
の濃度が低く脱スケール処理を困難とする。
【0011】なお、硫酸第1鉄を除去し過ぎて残留する
硫酸第一鉄が不足するときには再生後の硫酸第二鉄をも
減じ、逆に残存硫酸第一鉄が多くしかも添加物を添加し
すぎた過濃度の混合溶液の場合には過酸洗となり製品表
面を粗にする。
【0012】本発明は、硫酸第一鉄の物性に着目し、混
合溶液を取り出しつつ所定の温度範囲で冷却することに
より、硫酸第一鉄の除去量、残存量をともに制御でき、
硫酸第二鉄への再生、精度を向上し酸洗効率、品質を高
めうる硫酸第二鉄溶液への再生方法及びそれを用いる再
生装置の提供を目的としている。さらにクローズド方式
としたときには無公害型の再生方法、装置となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、原液
として、硫酸第一鉄を含む硫酸第二鉄の混合溶液から、
前記硫酸第一鉄の余剰分を予め除去するとともに、該混
合溶液内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に再生する硫酸第二
鉄溶液への再生方法であって、前記原液を、外原液中の
硫酸第一鉄が結晶化する温度以下の所定温度に冷却する
ことにより、前記硫酸第一鉄を結晶化させその結晶核を
有する結晶核混合溶液を形成する結晶核生成工程と、こ
の結晶核混合溶液を、晶析槽の液面下方に設けた流入口
からこの晶析槽に流入させ、この結晶核混合溶液が液面
に上昇する間に前記硫酸第一鉄の結晶核を成長させるこ
とによって硫酸第一鉄の余剰分を分離し非余剰混合溶液
とする分離工程と、前記晶析槽から流出した非余剰混合
溶液に過酸化水素及び硫酸を加えることによって混合溶
液内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に再生した再生溶液とす
る再生工程である。
【0014】酸洗用の硫酸第二鉄の混合溶液、即ち硫酸
第二鉄溶液は、酸洗に伴って副次的に生成された硫酸第
一鉄を余剰に含むこととなる。即ち、この余剰混合溶液
には、硫酸第二鉄への再生に必要な量を越える余剰分の
硫酸第一鉄を含む。従って、この余剰分の混合溶液への
混入が過飽和となって除去しうることとなる温度以下、
例えば液温を50℃程度の所定の温度に冷却し、結晶核
を発生させる結晶核生成工程を施す。これにより前記硫
酸第一鉄が結晶化した結晶核混合溶液となる。
【0015】さらに分離工程において、この結晶核混合
溶液は晶析槽の低所に送り込まれ、混合溶液が液面に上
昇する間に前記硫酸第一鉄の結晶核が互いに結合するこ
とにより結晶成長する。このようにして晶析槽内で成長
した結晶は比重が大きいこともあって槽の下方に堆積す
ることとなり、分離される。その結果、硫酸第一鉄の余
剰分が分離、除去された非余剰混合溶液をこの分離工程
によって形成する。なお余剰分、非余剰分の決定にあた
っては、予め計算や計測などによって堆積層の容量、濃
度などが設定され抑制される。また冷却温度を所定温度
に設定することで、希望比率の硫酸第一鉄が残留した前
記非余剰混合溶液を上澄み溶液として得ることができ
る。なお、硫酸第一鉄として残存させる量は、例えば被
酸洗材料、それに応じて必要となる硫酸第二鉄の濃度な
どに応じて適宜定める。
【0016】さらにこの工程後の非余剰混合溶液に過酸
化水素及び硫酸を加える酸化再生工程によって混合溶液
内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に酸化再生した再生溶液を
うることができる。このように、予め余剰分の硫酸第一
鉄を結晶として分離しておくことから、より少ない過酸
化水素水と硫酸で効率よく溶液を再生することが可能と
なる。しかも、晶析槽から分離して取り出された硫酸第
一鉄は再生資源として活用できる。なお晶析槽とは、硫
酸第一鉄を結晶として除去できる槽体であり、各種の形
態のものが採用できる。
【0017】請求項2の発明は、前記晶析槽の液面と底
部との間の全高さH、混合溶液の流入口と前記液面との
間の高さhに対する全高さHの比を所定の範囲とし流入
口も実質的に底部近傍に近づけることにより、過剰の硫
酸第一鉄を効率よく沈降分離させことができる。そし
て、晶析槽の胴部の横断面積と前記流入口の管路の横断
面積との比を10〜40倍範囲に設定することにより、
流入口から入る冷却された混合溶液の流速が緩和され硫
酸第一鉄の流出を防ぎ結晶成長を促進して分離をより効
率よく行うことができる。
【0018】なお、本発明の請求項3〜6の発明のよう
に、酸洗槽内の混合溶液(原液)を順次取り出しつつ前
記再生が行われる再生処理と、酸洗槽内での酸洗処理と
をともに連続して行うことによって所定量ずつの混合溶
液が常に循環するクローズドサイクルとすることもでき
る。さらに、混合溶液内の前記硫酸第一鉄の濃度を定常
的に測定することも、その測定により求められる量に応
じて過酸化水素及び硫酸を前記再生槽に加えることも可
能であり、特に、ステンレス鋼酸洗い用の混合溶液の再
生のために好適に利用できる。
【0019】さらに、請求項7の再生装置は、冷却部
と、晶析槽と、再生手段とを具え、硫酸第二鉄溶液への
再生方法の実施のために便宜に直接的に利用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1は、本発明の硫酸第二鉄溶液へ
の再生方法に用いうる再生装置1を酸洗処理に接続した
酸洗ラインの一実施例を線図により示している。酸洗ラ
インは、例えばハンガによって吊り下げられ金属材料、
例えばステンレス鋼線のコイルである被処理材2を酸洗
処理する酸洗槽10を用いる酸洗部Aに接続される。酸
洗部Aは、酸洗槽10内の劣化した混合溶液(原液)を
順次取り出し、この再生装置1で再生する。
【0021】また再生処理された再生溶液は、前記酸洗
槽10に戻され酸洗処理に供せられることにより、前記
再生処理と、酸洗処理とをへて連続的に循環供給するク
ローズドサイクルを構成している。
【0022】被処理材2は、例えば前記ステンレス鋼以
外にも、鉄、クロム、ニッケルなど、その他の各種合金
を含む各種金属材料であって、硫酸第二鉄溶液によって
酸化皮膜(酸化スケール)を取り除きうる各種の金属材
料が含まれる。
【0023】前記酸洗槽10は、ストランドまたはバッ
チ方式など、種々な方式のものが採用でき、目的に応じ
た形状、構造のものが選択される。
【0024】この酸洗処理として用いる溶液について
は、目的に応じて硫酸第二鉄以外に弗酸や硝酸などが添
加され、また硫酸第一鉄を所定温度で結晶化させるため
に必要な硫酸第一鉄を加えたものであって配合をバラン
スした溶液としてもよく、被処理用によっても変わるも
のである。ステンレス鋼については、例えば特公平4−
20996号公報などにより知られている。
【0025】このように酸洗溶液の硫酸第二鉄の濃度、
建浴は、被処理材2の材質、酸化皮膜の性質、状態、製
品の仕上がり品質、精度などに応じて所定の比率範囲の
ものを予め設定する。なお、硫酸第二鉄の濃度が低い溶
液にあっては一般に処理能率に劣る反面、逆に過濃度の
溶液は、過酸洗を惹起し製品表面を粗にする。酸洗処理
における混合溶液の濃度を管理するため、硫酸第二鉄、
弗酸など必要な成分は、通常、別個に測定して所定量を
添加し混合することによって調整する。
【0026】通常、酸洗は、促進のために40゜C〜8
0゜C程度の温度範囲において所定の時間、例えば撹拌
しつつ行われる。酸洗処理に伴って、酸洗液は被処理材
の酸化皮膜中の鉄分との反応により、硫酸第二鉄が硫酸
第一鉄に変質して蓄積され、即ち、溶液は余剰の硫酸第
一鉄を含み、前記硫酸第二鉄が減じた余剰混合溶液とな
って酸洗処理能力を低下させることとなる。
【0027】この混合溶液は、酸洗槽10から所定量ず
つ取り出され再生装置1で再生処理され再生溶液として
酸化槽10に還流する。なお「余剰混合溶液」とは、硫
酸第一鉄が過剰となり酸洗能力に劣ることとなったもの
の他、クローズドサイクルを行う本例の場合のように、
ある程度の酸洗能力は具えるものの予め設定する基準範
囲から、硫酸第一鉄が余剰となった混合溶液をも包含
し、原液ともいう。
【0028】前記再生装置1は、酸洗槽10から取り出
された前記余剰混合溶液、即ち原液を、硫酸第一鉄が結
晶化する温度以下に冷却し結晶核が生じた結晶核混合溶
液を生じさせる冷却工程を行う冷却部20と、この結晶
核混合溶液を、液面下方に設けた流入口30Aから流入
させ、上昇する間に結晶核を成長させて硫酸第一鉄の余
剰分を分離除去し非余剰混合溶液を得る分離工程を行う
晶析槽30と、晶析槽30の流出口30Bから流出した
非余剰混合溶液に過酸化水素及び硫酸を加えて再生した
再生溶液をうる酸化再生手段を行う再生手段50とを具
備する。
【0029】また本例では、酸化再生手段50には、非
余剰混合溶液に過酸化水素および硫酸を混和するための
再生槽60が設けられている。硫酸は、酸洗槽10に注
入することもでき、そのときには、酸洗槽10は、前記
再生手段50の一部をなすと考える。また特に再生槽を
設けることなく、図1の導管15に直接流入させてもよ
い。
【0030】前記酸洗槽10底部の出口10Aは、第1
のポンプP1を介在する第1の導管11、及び第2のポ
ンプP2を介在する第2の導管12をへて冷却部20に
通じている。又第1の導管11、及び第2の導管12の
間には、本例では前記晶析槽30の受け部37が介在す
る。第1の導管11と第2の導管12との間は前記受け
部37で選択的に導通されることによって、本例では、
酸洗槽10の原液溶液を直接冷却部20へ送給すること
も、また前記受け部37内の晶析槽30の上澄み混合溶
液をも第2の導管12から再度冷却部20に送給するこ
ともできる。
【0031】前記冷却部20は、温度可変かつ調整され
た温度の冷媒が通るコイル21と、堰状の仕切板22と
を箱体23内に配置し、第2の導管12からの原液がオ
ーバーフロする間に、前記コイル21により、50℃以
下、好ましくは0〜30℃の所望の結晶率となる温度に
冷却する。0℃以下は経済的にも通常好ましくない。こ
れにより、原液は硫酸第一鉄の結晶核が生じた結晶核混
合溶液となり、箱体23の底部から延びる第3の導管1
3に流出させる。導管13の結晶核混合溶液は前記晶析
槽30上端の取入口30Cに導かれる。硫酸第一鉄の結
晶は、その一部が冷却部20、導管13などに付着して
残留するものもあるが、大部分は前記晶析槽30の取入
口30Cに導入される。
【0032】このように、結晶核生成工程は、余剰混合
溶液に、硫酸第一鉄が結晶化する温度以下に冷却するこ
とにより、該原液内に前記硫酸第一鉄の結晶核を生じさ
せた結晶核混合溶液を形成するのであり、次の晶析槽3
0を用いる分離工程においてこの結晶核を成長させて沈
降し、余剰分を除去できるのである。
【0033】晶析槽30は、本例では、筒状の胴部31
の下方に、小径の取出し部33を設けた主部34と、こ
の主部34の上端下方でこの胴部31の外周面から外に
張り出す底部35の周囲に周囲壁36を形成した受け部
37とからなる基体40、及び受け部37の上方から垂
下し主部34の内部を通り底部付近に至る長尺の管状の
流入筒42を具える。
【0034】このように、流入筒42の下端、即ち前記
流入口30Aは、晶析槽30の底部であって、液面Eの
下方に位置する。
【0035】このように流入筒42の下端の流入口30
Aを排出溶液の液面Eよりも下方に位置させることによ
って、第3の導管13からの結晶核混合溶液は、流入口
30Aから静かに主部34内に流入する。さらに、前記
液面Eまで静流により上昇し、その間に、硫酸第一鉄の
結晶核が凝集して成長する。成長した結晶核は比重差に
よって沈降し、主部34の下方で堆積した堆積層44を
形成する。なお、前記流入口30Aは、この堆積層44
の上面44Aよりも下方に位置させる。また、前記取出
し部33はバルブ47が適宜開放されることによって、
硫酸第一鉄を、結晶受け槽49に流下させる。
【0036】又前記晶析槽30は、主部34における硫
酸第一鉄の沈降を円滑とするために、例えば流入口30
Aと、前記液面Eとの間の高さhを、主部34の全高さ
(液面Eまで)Hの80〜98%とし、かつ全高さHを
800mm以上とする。さらに上昇する流速を緩和させ得
る為に、好ましくは、流入口30Aの開口面積に対して
胴部31の横断面面積を10〜40倍(好ましくは20
〜30倍)としている。
【0037】この面積比率が10倍より小さい場合、溶
液の流速が大きく流入口30Aから流入し上昇する際に
結晶の成長、分離が十分には行えず、オーバーフローし
て次段階に流れ出しやすくなり、一方40倍より大きく
すると処理能力に比べ必要以上のスペースを必要とする
こととなる。
【0038】このように、主部34は、結晶核の成長、
分離を制御できるように各部寸法が設定され、本例で
は、主部34は、縦型円筒形(外径300mm、高さ1
000mm)の槽で形成し、また、口径50mmの流入
口30Aを底部近くに設けて、流入口30Aと、前記液
面Eとの間の前記高さHを850mmとしている。
【0039】また、主部34は、例えば図2に示すよう
に前記流入口30Aを実質的に底部付近にまで延長させ
た半球状とし、かつ図1の小筒状の取出し部33を省略
することもできるとともに、図1の流入筒42を導管と
して直接冷却槽20に接続するのもよい。
【0040】又前記堆積層44は、前記結晶核が徐々に
結合することで成長するが、この際、この堆積層44
は、流入する溶液のフィルタとして結晶核を捕獲すると
ともに、上昇流速を緩和して静流化する作用をもたら
す。
【0041】このように、分離工程は、結晶核混合溶液
を、晶析槽30の液面E下方に設けた流入口30Aから
流入させ、この結晶核混合溶液が液面Eに上昇し上澄み
溶液となる間に前記硫酸第一鉄の結晶核の余剰分を分離
した非余剰混合溶液となる。なお晶析槽30として、硫
酸第一鉄の結晶核を成長させ、粗大化して分離できさえ
すれば、種々な形式のものが採用できる。
【0042】次に、所定の硫酸第一鉄の余剰分が分離さ
れた非余剰混合溶液は、主部34の上端から受け部37
内に溢流し、再生手段50の前記再生槽60に第4の導
管14をへて流入する。また再生槽60は、第5の導管
15を介して、前記酸洗槽10に通じている。なお、前
記のように、第2の導管12をへて再度、冷却部20に
送り、再処理することもできる。
【0043】再生槽60には、好ましくは撹拌装置60
Aが配されるとともに、本例では過酸化水素と、硫酸と
の薬注ポンプ61、62からの注出口が開口している。
なお、硫酸の薬注ポンプ62は、前記酸化槽10で開口
させることもでき、そのとき、前記のように、この酸洗
槽10は、再生手段50の一部を構成することとなる。
【0044】再生槽60において非余剰混合溶液に過酸
化水素及び硫酸を加えることによって混合溶液内の硫酸
第一鉄を硫酸第二鉄に酸化再生した再生溶液をうる。
【0045】前記再生溶液は、前記酸洗槽10に戻され
酸洗処理に供せられることにより循環使用されるととも
に、酸洗槽内の原液を順次取り出し前記再生が行われる
再生処理と、酸洗槽内での酸洗処理とを連続するようク
ローズドサイクルで行われる。
【0046】これらのサイクルを行うために、酸洗槽1
0には、酸洗い工程における混合溶液の組成分布、例え
ば硫酸第一鉄の濃度を測定するための濃度測定手段70
が取り付けられ、硫酸第一鉄の濃度などが定常的に測定
される。また再生手段40における酸化槽60において
も同様に、濃度測定手段70が設けられる。双方で測定
することが好ましいが、いずれか一方でもよい。また硫
酸第一鉄の他、硫酸第二鉄、硫酸、弗酸濃度を測定する
こともできる。これらの濃度測定手段70として、硫酸
第二鉄については、三塩化チタン滴定法を用いる自動分
析装置、硫酸第一鉄の測定には、過マンガン酸カリウム
滴定法を用いる自動分析装置を採用できる。さらに硫酸
などは周知の適宜の手段を用いうる。
【0047】又濃度測定手段70の他、各部の温度、液
量、流量、堆積層44の高さ、結晶粒度など種々な要因
を測定し、図示しない制御装置にそれらの測定値を与え
る。又制御装置には被処理物の酸化被膜の性状、仕上げ
精度、品質、量、時間などの情報を予め付与されること
によって、該制御装置は、各部に必要な制御信号を与
え、又測定値を受けてフィードバックなど、各種の制御
理論に基づいて制御し、再生装置1を与えられた条件に
従って、運転を自動化し、濃度を所定の範囲に保つ。
【0048】
【実施例】酸洗槽10に、硫酸第二鉄と弗酸及び水を
3:1:16で調合した酸洗溶液により、SUS430
のCr系ステンレス鋼線5.0mmφ線材の脱スケール処
理を液温65℃で行った。
【0049】なお、この酸洗槽には処理に伴う処理溶液
の濃度変化を処理量毎に測定する為の自動分析計を設置
して液中の硫酸第二鉄と同第一鉄の濃度の変化を調べ
た。
【0050】図3はその結果をまとめたものであって、
新浴での硫酸第二鉄15.0wt%は処理量の増加に伴
って急激に減少し、酸洗い回数10回処理した時にはそ
の濃度は2%にまで低下しており、逆に硫酸第一鉄の増
加が顕著であることが分かる。
【0051】この濃度の低下を補い、酸洗い処理促進の
為に実験プラントである再生装置によって再生するた
め、酸化槽10から1リットル/分の原液を取り出し
た。再生装置では、原液を15℃に冷却し、30g/リ
ットルの硫酸第一鉄を除去しかつ170g/リットルを
残留させるよう設定した。この条件で晶析処理した後、
得られた非余剰混合溶液に過酸化水素10kgと硫酸9kg
をそれぞれ添加することで液の再生を行った。これらの
添加量については、予め濃度から求めた量であり、得ら
れた再生溶液は硫酸第二鉄溶液濃度が14.9%とほぼ
新液に近く、従って酸洗槽10内の混合溶液の濃度は図
3に一点鎖線Aで示すように、バッジの再生処理によっ
ても大巾に低下することなく持続し、数回再生しても処
理能力が継続した。なお一点鎖線Bはクローズドシステ
ムによるものであるが、予め硫酸第二鉄を10.0wt
%としてもほぼ安定的に持続させることもできた。な
お、この処理の選択は当業者により容易になしうる。
【0052】このように、酸洗処理を行いつつ再生処理
を20回くり返し行っても作業性への影響は見られず良
好な結果を得ることができた。
【0053】また、本実験例では硫酸第一鉄の余剰分を
検知、制御する方法として、晶析槽20の硫酸第一鉄の
堆積層44の高さを調節することもできる。なお予め求
めた濃度範囲から算出した前記高さに到達した段階で再
生処理を停止するのもよい。
【0054】本発明のその他の応用例として、例えば晶
析槽30の外周にも冷却手段を設けて晶析処理をより促
進させ、あるいは槽内部に不溶性材料からなるフィルタ
ー部材を配置し、第一鉄の分離効率をより高めることも
好ましく、また配管回路のいずれか途中に分析装置を併
設して、分析しつつそれに適した濃度に再生させるなど
の自動化にすることも可能となる。
【0055】
【発明の効果】このように、本発明の硝酸第二鉄溶液の
再生方法は、老化した原液を所定温度以下に冷却するこ
とで、該溶液中の過飽和の硫酸第一鉄を結晶として晶析
させ分離除去させた後、過酸化水素水と硫酸を添加剤と
して加え再生する方法であり、少量の添加で効率的な再
生が可能となり、酸洗品質、能率の改善にも役立つ。
【0056】また、分離された同第一鉄もこれを取り出
して新たな資源として活用するもでき、省資源化に寄与
するとともに再生濃度の維持制御が容易となる他、この
方法を酸洗い処理に応用展開することによって、酸洗い
処理と再生処理を循環させながら行うクローズドシステ
ムを確立でき、従来のように液更新の為に作業を中断す
る必要もなく、安定的な連続作業を行うことができる。
【0057】また、本発明による再生装置についても、
構造簡単にして安価に採用できるとともに、本発明によ
る技術は無公害化という側面からも有効であって産業上
大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の処理工程を示すフロー図であ
る。
【図2】晶析槽の一例を示す正面図である。
【図3】酸洗い処理に伴う、濃度の変化を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
10 酸洗槽 20 冷却部 30A 流入口 30B 取出し口 30C 取入口 31 胴部 40 晶析槽 50 再生手段 60 再生槽 70 測定手段 E 液面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷本 好則 大阪府枚方市池ノ宮4丁目17番1号 日本 精線株式会社枚方工場内 (72)発明者 山崎 裕 東京都台東区東上野1丁目1番12号 アデ カエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 井谷 勝利 静岡県富士市富士岡580 東海電化工業株 式会社吉原工場内 (72)発明者 菊池 敏一 静岡県富士市富士岡580 東海電化工業株 式会社吉原工場内 (72)発明者 深井 忠広 静岡県富士市富士岡580 東海電化工業株 式会社吉原工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原液として、硫酸第一鉄を含む硫酸第二鉄
    の混合溶液から、前記硫酸第一鉄の余剰分を予め除去す
    るとともに、該混合溶液内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に
    再生する硫酸第二鉄溶液への再生方法であって、 前記原液を、該原液中の硫酸第一鉄が結晶化する温度以
    下の所定温度に冷却することにより、前記硫酸第一鉄を
    結晶化させその結晶核を有する結晶核混合溶液を形成す
    る結晶核生成工程と、 この結晶核混合溶液を、晶析槽の液面下方に設けた流入
    口からこの晶析槽に流入させ、この結晶核混合溶液が液
    面に上昇する間に前記硫酸第一鉄の結晶核を成長させる
    ことによって硫酸第一鉄の余剰分を分離し非余剰混合溶
    液とする分離工程と、 前記晶析槽から流出した非余剰混合溶液に過酸化水素及
    び硫酸を加えることによって混合溶液内の硫酸第一鉄を
    硫酸第二鉄に再生した再生溶液とする再生工程と、 からなることを特徴とする硫酸第二鉄溶液への再生方
    法。
  2. 【請求項2】前記晶析槽は、前記液面と底部との間の全
    高さHが800mm以上であり、かつ前記流入口と前記液
    面との高さhは、全高さHの80〜98%とするととも
    に、晶析槽の胴部の横断面積を、前記流入口の横断面積
    の10〜40倍とした請求項1記載の硫酸第二鉄溶液へ
    の再生方法。
  3. 【請求項3】前記再生溶液は、酸洗槽に送給され酸洗工
    程に供せられるとともに、酸洗槽内の原液を順次取り出
    し前記結晶核生成工程と分離工程と再生工程とからなる
    再生が行われる再生処理、及び酸洗槽内での酸洗処理が
    ともに連続して行われることによって、再生処理と、酸
    洗処理とをクローズドサイクルとしたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の硫酸第二鉄溶液への再生方法。
  4. 【請求項4】前記酸洗処理、又前記再生処理において、
    原液中の前記硫酸第一鉄の濃度が定常的に測定されるこ
    とを特徴とする請求項3記載の硫酸第二鉄溶液への再生
    方法。
  5. 【請求項5】前記再生工程は、再生槽を含むとともに、
    前記測定により求められる量の過酸化水素及び硫酸の少
    なくとも一方が前記再生槽に加えられることを特徴とす
    る請求項4記載の硫酸第二鉄溶液への再生方法。
  6. 【請求項6】酸洗処理される被酸洗物はステンレス鋼で
    あって、前記原液は、ステンレス鋼酸洗い用の混合溶液
    であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記
    載の硫酸第二鉄溶液への再生方法。
  7. 【請求項7】原液として、硫酸第一鉄を含む硫酸第二鉄
    の混合溶液から、前記硫酸第一鉄の余剰分を予め除去す
    るとともに、該混合溶液内の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に
    再生する硫酸第二鉄溶液への再生装置であって、 前記原液を、前記混合溶液中の前記硫酸第一鉄を結晶化
    させその結晶核を有する結晶核混合溶液とする冷却部
    と、 この結晶核混合溶液の前記余剰の硫酸第一鉄の結晶核を
    成長・分離させ非余剰混合溶液とするために前記結晶核
    混合溶液の流入口を前記非余剰混合溶液が排出される液
    面よりも下方に設けた晶析槽と、 該晶析槽から流出した非余剰混合溶液に過酸化水素及び
    硫酸を加えることによって混合溶液内の硫酸第一鉄を硫
    酸第二鉄に再生した再生溶液とする再生手段とを具えて
    なる硫酸第二鉄溶液への再生装置。
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