JPH102890A - カチオン交換樹脂の性能評価方法 - Google Patents

カチオン交換樹脂の性能評価方法

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JPH102890A
JPH102890A JP8175989A JP17598996A JPH102890A JP H102890 A JPH102890 A JP H102890A JP 8175989 A JP8175989 A JP 8175989A JP 17598996 A JP17598996 A JP 17598996A JP H102890 A JPH102890 A JP H102890A
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exchange resin
cation exchange
performance
anion exchange
pss
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Takashi Kagawa
喬 香川
Yusuke Nagata
祐輔 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の場合には、例えば高速液体クロマトグ
ラフィーを用いてカチオン交換樹脂の性能を評価してい
る。その評価方法としては、標準品として直鎖状のPS
Sを用いて作成された検量線に基づいてカチオン交換樹
脂から溶出したPSSを定量するようにしているが、カ
チオン交換樹脂から溶出するPSSは、直鎖状のPSS
が少なく、立体的な形状のPSSが多く、しかも分子量
の異なるPSSの混合物であると推定されるため、分子
量の測定精度に問題があり、カチオン交換樹脂の性能を
正確に把握できない。 【解決手段】 本カチオン交換樹脂の性能評価方法は、
使用されているカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂と
を混合し、この混合イオン交換樹脂を水に浸漬した状態
で攪拌した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を
分離し、カチオン交換樹脂から分離されたアニオン交換
樹脂の脱塩性能を測定し、このアニオン交換樹脂の脱塩
性能の低下の度合いに基づいてカチオン交換樹脂の劣化
度合いを判定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理に用いられ
るカチオン交換樹脂の性能を評価する方法、更に詳しく
は、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を混合して用
いる混床型の脱塩装置のカチオン交換樹脂の性能評価方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電所、原子力発電所で発電する場
合には、火力、原子力を利用してボイラ、蒸気発生器等
内において高純度水を加熱して蒸気を作り、この蒸気に
よって発電タービンを駆動し、発電するようにしてい
る。そして、発電時には、発電後の蒸気を復水器におい
て冷却して復水として回収し、この復水を再び加熱して
蒸気を作るというサイクルを繰り返している。この循環
サイクルでは、系内を循環する復水が各種の不純物イオ
ンや金属酸化物等からなる懸濁物質(以下、「クラッ
ド」と称す)で汚染されるため、これらの汚染物を復水
中から除去する必要がある。
【0003】そこで、上述した火力発電所や原子力発電
所の復水系統では、カチオン交換樹脂及びアニオン交換
樹脂が充填された脱塩塔を複数備えた復水脱塩装置を用
いて復水中の不純物イオンやクラッドを除去している。
また、カチオン交換樹脂は水素イオン形とし、アニオン
交換樹脂は水酸基形として用いるH−OH形の復水脱塩
装置と、カチオン交換樹脂はアンモニア形とし、アニオ
ン交換樹脂は水酸基形として用いるアンモニア形の復水
脱塩装置とがある。H−OH形の復水脱塩装置の場合に
は、仮に僅かの海水が復水器から復水中に混入すること
があっても海水に起因するナトリウムイオンや塩化物イ
オンは復水脱塩装置により除去されるのは勿論のこと、
海水が混入しない通常時にも復水に存在するクラッドや
他の微量の重金属、更には腐食抑制剤として添加されて
いるアンモニウムイオン等を復水脱塩装置により除去
し、電気伝導率が一般に0.1μS/cm以下になるよ
うに復水を精製し、この精製水を発電用水として使用し
ている。一方、アンモニア形の復水脱塩装置の場合に
は、カチオン交換樹脂をアンモニア形にすることによっ
て復水中のアンモニウムイオン以外の全ての不純物イオ
ンと懸濁物質を除去するように工夫されている。
【0004】しかし、いずれのタイプの復水脱塩装置で
あっても一定量の復水を精製するとイオン交換樹脂がブ
レークするが、その時にはイオン交換樹脂の再生を行
う。この再生を行う場合には、まずイオン交換樹脂を復
水脱塩装置の脱塩塔から再生設備の再生塔へ移送する。
そして、再生塔内で空気攪拌(エアスクラビング)と逆
洗を行うことによりイオン交換樹脂の表面に付着したク
ラッドを除去した後、この再生塔内で比重差を利用して
逆洗によりカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂に分離
する。イオン交換樹脂を分離した後、アニオン交換樹脂
には水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ再生剤を通薬
し、カチオン交換樹脂には硫酸水溶液または塩酸水溶液
等の酸再生剤を通薬し、両イオン交換樹脂に付着した不
純物イオンを脱着して両イオン交換樹脂を再生してい
る。
【0005】両イオン交換樹脂の再生が終了すると、次
の脱塩塔が通水終点に達するまでの間、再生後の両イオ
ン交換樹脂を貯蔵タンクに貯蔵して待機させておく。そ
して、通水終点に達したらその脱塩塔のイオン交換樹脂
を脱塩塔から取り出して再生塔へ移送する。その後、空
になった脱塩塔へ貯蔵タンクで待機中の両イオン交換樹
脂を移送し、その脱塩塔内でカチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂を十分に混合した後、復水の脱塩処理に使用
する。
【0006】一方、復水脱塩装置の処理水に要求される
水質は、ボイラ、蒸気発生器、原子炉等の腐食防止やス
ケール付着防止の観点から最近益々高純度化する傾向に
ある。例えばNaイオン、Clイオン、SO4イオンの
場合には、それぞれの濃度が0.01ppb以下の純度
を目標としている。そのため、復水脱塩装置においては
このような高純度の処理水を得るために種々の改善がな
されており、その結果、現在では上述した目標の純度は
達成できる段階にある。
【0007】ところが、再生して繰り返し使用されるイ
オン交換樹脂は、繰り返し使用する間に経年的に劣化
し、その浄化能力が低下することが知られている。最近
のイオン交換樹脂の劣化に関する研究によれば、経年使
用し、酸化劣化したカチオン交換樹脂について以下の点
が指摘されている。即ち、酸化劣化したカチオン交換樹
脂からはポリスチレンスルホン酸(以下、「PSS」と
称す。)等の有機物(以下の説明では、「PSS」でカ
チオン交換樹脂から溶出した有機物を代表する。)の溶
出量が増加し、この溶出物がアニオン交換樹脂に吸着
し、アニオン交換樹脂の脱塩性能、特に物質移動係数等
の動的性能を低下させる。その結果、溶出物に対するア
ニオン交換樹脂の吸着性能が低下し、処理水中へのPS
Sの漏出量が増加することになる。
【0008】復水脱塩装置の処理水の場合には、処理水
が前述のようにボイラ、蒸気発生器、原子炉等の蒸気発
生装置へ供給されるが、蒸気発生装置の内部は高温、高
圧になっているため、脱塩塔から漏出されるPSSが処
理水中に含まれていると、これらの漏出物は蒸気発生装
置内で高温、高圧の作用により分解されてSO4イオン
等を生成し、SO4イオン等が蒸気発生装置等を腐食
し、蒸気発生装置等に悪影響を及ぼすことが明らかにな
ってきた。
【0009】特に、アニオン交換樹脂の脱塩性能が低下
した場合には処理水へのPSSの漏出量が増加する。こ
のように処理水の水質がPSSにより悪化した場合に
は、カチオン交換樹脂の経年劣化によりアニオン交換樹
脂の脱塩性能が低下しているのが普通である。ところ
が、従来はカチオン交換樹脂の劣化に対する適切な評価
方法がないため、処理水中へのPSSの漏出量が増加し
た場合にはアニオン交換樹脂のみを新品のアニオン交換
樹脂と交換し、PSSの漏出を防止するのが一般的であ
った。
【0010】しかし、劣化したカチオン交換樹脂から溶
出したPSSのうち、分子量の大きいPSSはアニオン
交換樹脂に吸着するとその脱塩性能を短期間で低下させ
る傾向があるため、アニオン交換樹脂を新品のアニオン
交換樹脂と交換しても劣化したカチオン交換樹脂から漏
出するPSSが新品のアニオン交換樹脂を短期間で汚染
し、アニオン交換樹脂の脱塩性能が短期間で低下する虞
のあることが明らかになってきた。従って、アニオン交
換樹脂の性能低下を抑制するにはカチオン交換樹脂の劣
化状態を把握し、その性能を客観的に評価することが極
めて重要である。そこで、カチオン交換樹脂の性能を評
価する方法として例えば高速液体クロマトグラフィーを
用いる方法が提案されている。この評価方法は、カチオ
ン交換樹脂からのPSSの分子量と溶出量を測定し、カ
チオン交換樹脂の性能を評価する方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カチオン交換樹脂の性能評価方法の場合には、上述のよ
うに例えば高速液体クロマトグラフィーを用いてカチオ
ン交換樹脂の性能を評価しており、その評価を行なう場
合、標準品として直鎖状のPSSを用いて作成された検
量線に基づいてカチオン交換樹脂から溶出したPSSを
定量するようにしているが、カチオン交換樹脂から溶出
するPSSは、直鎖状のPSSが少なく、立体的なPS
Sが多く、しかもそのPSSは分子量の異なるPSSの
混合物であると推定されるため、分子量の測定精度に問
題があり、カチオン交換樹脂の性能を正確に評価できな
いという課題があった。また、従来の高速液体クロマト
グラフィーによる評価方法の場合には、PSS以外の溶
出物もPSSとして検出してしまう可能性があり、更
に、PSSの検出下限も十分とは云い難く、カチオン交
換樹脂の酸化劣化の度合いによっては正確な評価が難し
い。
【0012】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、使用中のカチオン交換樹脂の性能を適切に
評価することができると共に使用中のカチオン交換樹脂
に起因したアニオン交換樹脂の汚染を防止することがで
き、ひいては処理水の水質を向上させることができるカ
チオン交換樹脂の性能評価方法を提供することを目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のカチオン交換樹脂の性能評価方法は、使用されている
カチオン交換樹脂の性能を評価する方法において、使用
されているカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂とを混
合し、この混合イオン交換樹脂を水に浸漬した状態で攪
拌した後、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を分離
し、カチオン交換樹脂から分離されたアニオン交換樹脂
の脱塩性能を測定し、このアニオン交換樹脂の脱塩性能
の低下の度合いに基づいてカチオン交換樹脂の劣化度合
いを判定することを特徴とするものである。
【0014】また、本発明の請求項2に記載のカチオン
交換樹脂の性能評価方法は、請求項1に記載の発明にお
いて、上記アニオン交換樹脂として新品のアニオン交換
樹脂を用いることを特徴とするものである。
【0015】また、本発明の請求項3に記載のカチオン
交換樹脂の性能評価方法は、請求項1または請求項2に
記載の発明において、上記カチオン交換樹脂とアニオン
交換樹脂の混合比が容積比で1/3〜3であることを特
徴とするものである。
【0016】本発明に用いられるカチオン交換樹脂は、
例えば復水脱塩装置等の水処理装置において実際に脱塩
処理に使用されている強酸性のカチオン交換樹脂であ
り、使用中に経年的に酸化劣化等により劣化したカチオ
ン交換樹脂である。また、このようなカチオン交換樹脂
はMR型、ゲル型のいずれであっても良く、このことは
後述するアニオン交換樹脂についても云えることであ
る。
【0017】また、本発明に用いられるアニオン交換樹
脂は、上記カチオン交換樹脂から溶出したPSSを吸着
してカチオン交換樹脂の性能を評価するためのもので、
例えば上記カチオン交換樹脂と一緒に使用されている強
塩基性のアニオン交換樹脂を利用できるが、カチオン交
換樹脂の性能を適切に評価するためには実際に使用され
ているものと同一種類の新品のアニオン交換樹脂が好ま
しい。
【0018】そして、本発明を実施する際には、まず上
記カチオン交換樹脂を水処理装置からサンプリングし、
このカチオン交換樹脂と上記アニオン交換樹脂を混合す
るが、混合操作に先立ち、上記カチオン交換樹脂は酸再
生剤を用いてH形に、上記アニオン交換樹脂はアルカリ
再生剤を用いてOH形に再生しておく。上記各イオン交
換樹脂を再生することによりPSS以外のイオン等の不
純物の影響を防止し、カチオン交換樹脂から溶出したP
SSのみをアニオン交換樹脂側へ移動させ、吸着させる
ようにする。この場合、酸再生剤としては例えば塩酸、
硫酸等従来公知のものを用いることができ、アルカリ再
生剤としては例えば水酸化ナトリウム等従来公知のもの
を用いることができる。。
【0019】再生後の上記カチオン交換樹脂と上記アニ
オン交換樹脂との混合比は、カチオン交換樹脂から溶出
したPSSの略全てが確実にアニオン交換樹脂へ移動、
吸着される混合比であれば良く、その混合比(カチオン
交換樹脂/アニオン交換樹脂、但し、湿潤樹脂の容積
比)としては例えば1/3〜3/1が好ましく、1/1
〜2/1がより好ましい。混合比が1/3未満であると
アニオン交換樹脂が過剰になってアニオン交換樹脂の脱
塩性能の低下度合いが測定し難く、カチオン交換樹脂の
性能を適切に評価ができなくなる虞がある。また、混合
比が3を超えるとアニオン交換樹脂が過少になってアニ
オン交換樹脂とカチオン交換樹脂とが十分に接触せずカ
チオン交換樹脂から溶出したPSSがアニオン交換樹脂
側へ確実に移動できず、カチオン交換樹脂の性能を適切
に評価ができなくなる虞がある。
【0020】上記カチオン交換樹脂と上記アニオン交換
樹脂とを混合した後、この混合イオン交換樹脂を水に浸
漬した状態で例えば気体を吹き込んで攪拌する。この攪
拌操作は、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を十分
に接触させ、カチオン交換樹脂から溶出したPSSをア
ニオン交換樹脂へ移動、吸着させる操作で、カチオン交
換樹脂とアニオン交換樹脂とを可能な限り均等に分散さ
せることが好ましい。
【0021】上記攪拌時の浸漬用の水はカチオン交換樹
脂及びアニオン交換樹脂を汚染しない清澄な水であれば
良く、このような浸漬水としては例えば純水が好ましく
用いられる。また、攪拌操作として気体攪拌を例に挙げ
たが、機械的攪拌を用いても良い。気体攪拌を行う場合
に用いられる気体としては各イオン交換樹脂に悪影響を
与えない気体であれば良く、このような攪拌用気体とし
ては例えば空気や窒素が用いられる。尚、攪拌用気体と
して空気を用いる操作は実際の復水脱塩装置の再生時に
行われているエアスクラビングと実質的に同じ操作であ
る。
【0022】上記攪拌操作で気体による攪拌を行う場
合、気体の吹き込み流量としてはカチオン交換樹脂とア
ニオン交換樹脂とを十分に混合できる流量であれば良い
が、本発明が復水脱塩装置等の水処理に使用されている
カチオン交換樹脂の寿命を予測することを目的とするた
めには、実際の復水脱塩装置等と同様の条件、例えば2
Nm3/m2・分が好ましい。また、攪拌時間は評価対象
となるカチオン交換樹脂の劣化程度によって異なるが、
攪拌時間があまり少ないとアニオン交換樹脂に吸着され
るPSSの量が少ないためにアニオン交換樹脂の性能低
下が顕著に現れないので、アニオン交換樹脂の性能に顕
著な差が認められる時間、例えば1時間以上が好まし
く、3時間以上がより好ましく、10〜20時間が更に
好ましい。
【0023】上記攪拌操作が終了した後、カチオン交換
樹脂とアニオン交換樹脂を分離する。この分離操作とし
ては例えば混合イオン交換樹脂層の下側から例えば純水
を供給する逆洗操作が好ましい。この逆洗操作により混
合イオン交換樹脂層が分離し、下層にカチオン交換樹脂
層が形成され、上層にアニオン交換樹脂層が形成され
る。分離後のアニオン交換樹脂には、もしカチオン交換
樹脂が酸化劣化しているならばカチオン交換樹脂から溶
出したPSSが吸着し、イオン交換基がPSSの吸着で
被われアニオン交換樹脂の脱塩性能が低下している。従
って、分離後のアニオン交換樹脂の脱塩性能の低下の度
合いによりPSSの吸着の度合いが判り、ひいてはカチ
オン交換樹脂の酸化劣化の度合いが判ることになる。
【0024】上記分離操作が終了した後、カチオン交換
樹脂から分離されたアニオン交換樹脂の脱塩性能を測定
する。アニオン交換樹脂の脱塩性能を測定する方法とし
ては、その脱塩性能(特に動的性能)を測定できる方法
であれば特に制限されるものではないが、物質移動係数
(MTC)や反応速度を測定する方法が好ましい。その
他、カラムにカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂を充
填し、原水にNaClまたはNa2SO4を用い、一定流
速でカラムに通水し、カラムの出口水の電気伝導率を測
定し、この電気伝導率を例えば新品のカチオン交換樹脂
を用いて同様の通水試験を行った時の出口水の電気伝導
率と比較してカチオン交換樹脂の劣化度合いを判定する
方法等がある。そして、このアニオン交換樹脂の脱塩性
能を上記混合処理を行う前のアニオン交換樹脂の脱塩性
能と比較し、その低下の度合いに基づいてカチオン交換
樹脂の劣化度合いを判定する。尚、このように試験した
カチオン交換樹脂の劣化度合いが予め定めた基準値を超
えている場合は、使用されているカチオン交換樹脂を新
品と交換するようにする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、表1〜表3及び図1、図2
に示すグラフを参照しながら本発明の実施形態について
説明する。尚、図1は本発明のカチオン交換樹脂の性能
評価方法に用いられたアニオン交換樹脂のMTCとエア
スクラビング時間との関係を示すグラフ、図2は本発明
のカチオン交換樹脂の性能評価方法に用いられたアニオ
ン交換樹脂のMTCとイオン交換樹脂の混合比との関係
を示すグラフである。
【0026】
【実施例】
実施例1 本実施例では、発電所の復水脱塩装置で約2年間使用し
た強酸性カチオン交換樹脂(アンバーライト(登録商
標、以下同様)200CP)と新品の強塩基性アニオン
交換樹脂(アンバーライトIRA−900CP)を表1
に示した条件で各々のイオン交換樹脂を再生した後、表
2に示した条件でカチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂
の混合比(容積比、以下同様)を変えて内径47mm、
長さ1500mmのアクリル製カラムに充填した。その
後、充填樹脂層に純水を300mL添加した後、カラム
の下部から2Nm3/m2・分の流量で空気を注入した。
この際、空気の注入 時間を図1に示すように変えてエ
アスクラビングを行った。
【0027】上記エアスクラビングを終了した後、カチ
オン交換樹脂とアニオン交換樹脂をカラム内で逆洗分離
し、更に、分離したアニオン交換樹脂を表1に示した条
件で再生した後、このアニオン交換樹脂の物質移動係数
(MTC)を以下のようにして求めた。即ち、新品のカ
チオン交換樹脂(アンバーライト200CP)を表1に
示した条件で再生したものを用意し、この樹脂と上述の
ようにして分離され、再生されたアニオン交換樹脂を2
/1の混合比で混合してカラムに充填し、NH3濃度が
1500ppb、Na2SO4濃度が300ppbの原水
を線速度(LV)140m/時間の通水速度でカラムに
通水し、カラム出口の処理水のSO4濃度を測定し、S
O4濃度が一定になった時の処理水のSO4濃度とカラ
ム入口の原水のSO4濃度をそれぞれ測定した。その
後、これらの測定値、及び別途測定したカラム内のイオ
ン交換樹脂の空隙率、樹脂粒径を用いて下記の計算式に
よりMTCを求めた。そして、アニオン交換樹脂のMT
Cとエアスクラビング時間との関係を図1に示し、アニ
オン交換樹脂のMTCとイオン交換樹脂の混合比との関
係を図2に示した。但し、下記計算式の各記号はそれぞ
れ次に示した通りである。 K={1/6(1−ε)
R}・{F/(A×L)}・d・ln(C0/C) K :物質移動係数(m/秒) ε :空隙率 R :アニオン交換樹脂の比率 F :原水の流速(m3/秒) A×L:混合樹脂量(m3) d :樹脂の粒径(m) C0 :カラム入口のSO4濃度 C :カラム出口のSO4濃度
【0028】実施例2 本実施例では、実施例1で用いたカチオン交換樹脂に代
え、発電所の復水脱塩装置で約1年間使用したカチオン
交換樹脂(アンバーライト200CP)を使用し、この
カチオン交換樹脂と新品のアニオン交換樹脂を2/1の
混合比で混合し、実施例1の場合と同一の条件で実験を
行ない、このアニオン交換樹脂のMTCとエアスクラビ
ング時間との関係を図1に示した。
【0029】参考例1 本参考例では、実施例1で用いたカチオン交換樹脂に代
え、新品のカチオン交換樹脂(アンバーライト200C
P)を使用し、このカチオン交換樹脂と新品のアニオン
交換樹脂を2/1の混合比で混合し、実施例1の場合と
同一の条件で実験を行ない、このアニオン交換樹脂のM
TCとエアスクラビング時間との関係を図1に示した。
【0030】本実施形態によれば、図1に示すように使
用年数が長い程、即ち、実施例1の約2年使用したカチ
オン交換樹脂の方が実施例2の約1年使用したカチオン
交換樹脂よりエアスクラビング時間に対する物質移動係
数の低下の度合いが大きく、それだけ前者のカチオン交
換樹脂の方が酸化劣化が進み、時間の経過に連れてカチ
オン交換樹脂からアニオン交換樹脂へ移動するPSSの
量が多くなることが判る。これに対して参考例1の場合
には新品のカチオン交換樹脂について試験を行ったた
め、物質移動係数が殆ど低下せず、カチオン交換樹脂が
劣化していないことが判る。従って、本実施形態により
カチオン交換樹脂の劣化の度合いに応じてその性能を適
切に評価できる。
【0031】また、従来の場合には、復水脱塩装置の処
理水質が悪化し、アニオン交換樹脂の脱塩性能が低下し
た場合に、アニオン交換樹脂を新品のアニオン交換樹脂
に交換しても劣化したカチオン交換樹脂の溶出物により
短期間でアニオン交換樹脂が汚染され、アニオン交換樹
脂を再び交換しなくてはならなかったが、本実施形態に
よりカチオン交換樹脂の性能劣化の度合を適切に評価す
ることができ、従って、カチオン交換樹脂の交換時期を
適切に管理することができるので、アニオン交換樹脂の
再汚染を確実に防止することができる。また、本発明の
性能評価方法において行う、カチオン交換樹脂とアニオ
ン交換樹脂との混合樹脂を気体の吹き込みによって攪拌
する操作は、前述のように実際の復水脱塩装置において
行われているスクラビング操作と同じであるから、例え
ば図1に示したようなエアスクラビング時間とアニオン
交換樹脂のMTCとの関係を求めることにより、現在使
用されているカチオン交換樹脂をそのまま使い続けた場
合にこのカチオン交換樹脂と共に使用されているアニオ
ン交換樹脂の脱塩性能が実機におけるエアスクラビング
操作によって今後どのよう低下するかを事前に予測する
ことができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】尚、上記の各実施例においては、アニオン
交換樹脂の脱塩性能を表す指標としてMTCを用いた
が、本発明はこれに何等制限されるものではなく、カチ
オン交換樹脂からの溶出物を吸着させたアニオン交換樹
脂の脱塩性能の低下の度合いを知ることができる指標で
あれば如何なる指標を用いても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、使
用中のカチオン交換樹脂の性能を適切に評価することが
できると共に使用中のカチオン交換樹脂に起因したアニ
オン交換樹脂の汚染を防止することができ、ひいては処
理水の水質を向上させることができるカチオン交換樹脂
の性能評価方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカチオン交換樹脂の性能評価方法に用
いられたアニオン交換樹脂のMTCとエアスクラビング
時間との関係を示すグラフである。
【図2】本発明のカチオン交換樹脂の性能評価方法に用
いられたアニオン交換樹脂のMTCとイオン交換樹脂の
混合比との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 使用されているカチオン交換樹脂の性能
    を評価する方法において、使用されているカチオン交換
    樹脂とアニオン交換樹脂とを混合し、この混合イオン交
    換樹脂を水に浸漬した状態で攪拌した後、カチオン交換
    樹脂とアニオン交換樹脂を分離し、カチオン交換樹脂か
    ら分離されたアニオン交換樹脂の脱塩性能を測定し、こ
    のアニオン交換樹脂の脱塩性能の低下の度合いに基づい
    てカチオン交換樹脂の劣化度合いを判定することを特徴
    とするカチオン交換樹脂の性能評価方法。
  2. 【請求項2】 上記アニオン交換樹脂として新品のアニ
    オン交換樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載
    のカチオン交換樹脂の性能評価方法。
  3. 【請求項3】 上記カチオン交換樹脂とアニオン交換樹
    脂の混合比が容積比で1/3〜3であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のカチオン交換樹脂の
    性能評価方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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