JPH10289645A - 陰極加熱用ヒータ及びそれを用いたブラウン管 - Google Patents
陰極加熱用ヒータ及びそれを用いたブラウン管Info
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- JPH10289645A JPH10289645A JP9093929A JP9392997A JPH10289645A JP H10289645 A JPH10289645 A JP H10289645A JP 9093929 A JP9093929 A JP 9093929A JP 9392997 A JP9392997 A JP 9392997A JP H10289645 A JPH10289645 A JP H10289645A
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- dark layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高い熱放散特性と優れた絶縁特性のダーク層
を備え、低消費電力で長寿命、且つ信頼性の高い陰極加
熱用ヒータを提供すること。 【解決手段】 ヒータコイルとなる金属線1に、絶縁膜
2とダーク層3が施こされヒータHを、先端部に含浸形
カソード部材5を有するスリーブ4内に有するカソード
において、ダーク層3を酸化ハフニウム又は炭化ケイ素
で構成したもの。 【効果】 ダーク層3に高い熱放射率が得られるので、
ヒータ温度を低下させることができ、この結果、低消費
電力化が図られ、ヒータ負荷が減少し、高信頼性で、長
寿命の陰極加熱用ヒータが得られる。
を備え、低消費電力で長寿命、且つ信頼性の高い陰極加
熱用ヒータを提供すること。 【解決手段】 ヒータコイルとなる金属線1に、絶縁膜
2とダーク層3が施こされヒータHを、先端部に含浸形
カソード部材5を有するスリーブ4内に有するカソード
において、ダーク層3を酸化ハフニウム又は炭化ケイ素
で構成したもの。 【効果】 ダーク層3に高い熱放射率が得られるので、
ヒータ温度を低下させることができ、この結果、低消費
電力化が図られ、ヒータ負荷が減少し、高信頼性で、長
寿命の陰極加熱用ヒータが得られる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子管の傍熱型陰
極に使用するヒータに係り、特にブラウン管の電子銃陰
極加熱用に好適なヒータに関する。
極に使用するヒータに係り、特にブラウン管の電子銃陰
極加熱用に好適なヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般の電子管は熱陰極型が主流であり、
特に、ブラウン管などでは、傍熱型の陰極が用いられる
のが通例であり、このため、陰極加熱用のヒータが用い
られている。図1は、ブラウン管の電子銃に使用する陰
極の中で、含浸形カソードと呼ばれている陰極を示した
もので、まず、ヒータHとして、コイル状に巻いた金属
線1を用い、これに絶縁膜2を被覆し、この絶縁膜2の
外側にダーク層(輻射膜)3を設けたものが用意され、こ
れを、筒状の金属部材からなるスリーブ4の中に挿入す
るようになっている。
特に、ブラウン管などでは、傍熱型の陰極が用いられる
のが通例であり、このため、陰極加熱用のヒータが用い
られている。図1は、ブラウン管の電子銃に使用する陰
極の中で、含浸形カソードと呼ばれている陰極を示した
もので、まず、ヒータHとして、コイル状に巻いた金属
線1を用い、これに絶縁膜2を被覆し、この絶縁膜2の
外側にダーク層(輻射膜)3を設けたものが用意され、こ
れを、筒状の金属部材からなるスリーブ4の中に挿入す
るようになっている。
【0003】そして、この含浸形カソードでは、スリー
ブ4の頂部に含浸形カソード部材5が設けられていて、
ヒータHによりスリーブ4が加熱されることにより、こ
の含浸形カソード部材5を、例えば1000℃近い所定
の温度に保持し、必要な電子放射機能が得られるように
するのである。
ブ4の頂部に含浸形カソード部材5が設けられていて、
ヒータHによりスリーブ4が加熱されることにより、こ
の含浸形カソード部材5を、例えば1000℃近い所定
の温度に保持し、必要な電子放射機能が得られるように
するのである。
【0004】ここで、このヒータHを構成する金属線1
は、例えばタングステン(W)やレニウム−タングステン
合金(Re−W)などの耐熱性を有する導電性材料の線材
が用いられ、これを図示のようにコイル状に成型した
後、水素雰囲気中で加熱し、表面を清浄化してから、そ
の表面にアルミナなどの絶縁膜2を形成し、更にこの絶
縁膜2の表面にダーク層3を形成することにより、ヒー
タHが作成される。
は、例えばタングステン(W)やレニウム−タングステン
合金(Re−W)などの耐熱性を有する導電性材料の線材
が用いられ、これを図示のようにコイル状に成型した
後、水素雰囲気中で加熱し、表面を清浄化してから、そ
の表面にアルミナなどの絶縁膜2を形成し、更にこの絶
縁膜2の表面にダーク層3を形成することにより、ヒー
タHが作成される。
【0005】ここで、ダーク層3は、絶縁膜2の表面の
色調を黒くして熱放射率を高め、ヒータから放散される
熱がスリーブ4やカソード部材5に効率良く伝達される
ようにする働きをするもので、例えばタングステンとア
ルミナが従来から用いられている。
色調を黒くして熱放射率を高め、ヒータから放散される
熱がスリーブ4やカソード部材5に効率良く伝達される
ようにする働きをするもので、例えばタングステンとア
ルミナが従来から用いられている。
【0006】そして、これらの絶縁膜2やダーク層3
は、形成すべき膜の使用環境や生産性に応じて、溶射、
蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition)、吹き付
け、浸漬塗布、電着(電気泳動法)など、各種の方法によ
り形成されているのが通例であった。
は、形成すべき膜の使用環境や生産性に応じて、溶射、
蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition)、吹き付
け、浸漬塗布、電着(電気泳動法)など、各種の方法によ
り形成されているのが通例であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、ダー
ク層による陰極加熱用ヒータの熱放散特性の向上につい
て充分な配慮がされているとはいえず、以下に説明する
ように、省エネルギー化と信頼性について問題があっ
た。ブラウン管など熱陰極を用いた電子管では、陰極加
熱用電力の低減が要望されており、このため、ヒータ自
体の小型化の促進と共に、効率良くカソードを加熱する
ことができる高熱効率のヒータが求められている。
ク層による陰極加熱用ヒータの熱放散特性の向上につい
て充分な配慮がされているとはいえず、以下に説明する
ように、省エネルギー化と信頼性について問題があっ
た。ブラウン管など熱陰極を用いた電子管では、陰極加
熱用電力の低減が要望されており、このため、ヒータ自
体の小型化の促進と共に、効率良くカソードを加熱する
ことができる高熱効率のヒータが求められている。
【0008】陰極でのヒータからの主な熱の流れは、絶
縁膜とダーク層には熱伝導で流れ、その後は、スリーブ
に真空中を熱輻射により伝達し、スリーブからは熱伝導
でカソード部材に伝達される。そこで、ヒータの加熱効
率を高めるためには、ダーク層からスリーブへの熱の伝
達が効率的に得られるようにする必要があり、この結
果、ダーク層の放射率を高めることが重要である。
縁膜とダーク層には熱伝導で流れ、その後は、スリーブ
に真空中を熱輻射により伝達し、スリーブからは熱伝導
でカソード部材に伝達される。そこで、ヒータの加熱効
率を高めるためには、ダーク層からスリーブへの熱の伝
達が効率的に得られるようにする必要があり、この結
果、ダーク層の放射率を高めることが重要である。
【0009】従来技術でヒータに用いられているダーク
層の材料は、上記したように、タングステンとアルミナ
が一般的であるが、これは、ブラウン管用ヒータの使用
環境が高真空、高温度であるのに加え、ブラウン管内部
の汚染を避けるため、低蒸気圧を要求されるからで、こ
こで、ヒータ材料としてのタングステンと、絶縁膜材料
としてのアルミナを採用することにより、信頼性の点で
問題が無く、材料入手の容易なことなどの理由から選択
されているものである。
層の材料は、上記したように、タングステンとアルミナ
が一般的であるが、これは、ブラウン管用ヒータの使用
環境が高真空、高温度であるのに加え、ブラウン管内部
の汚染を避けるため、低蒸気圧を要求されるからで、こ
こで、ヒータ材料としてのタングステンと、絶縁膜材料
としてのアルミナを採用することにより、信頼性の点で
問題が無く、材料入手の容易なことなどの理由から選択
されているものである。
【0010】なお、従来技術では、タングステンの粒子
をアルミナに混合して使用しているが、これは、タング
ステン粒子単独では絶縁膜のアルミナとの付着性が劣
り、ヒータ動作中に絶縁膜内部に拡散し、絶縁性の低下
要因となる虞れがあるためで、絶縁膜の構成材と同じア
ルミナとの混合物を使用することにより、付着性を高め
るためである。
をアルミナに混合して使用しているが、これは、タング
ステン粒子単独では絶縁膜のアルミナとの付着性が劣
り、ヒータ動作中に絶縁膜内部に拡散し、絶縁性の低下
要因となる虞れがあるためで、絶縁膜の構成材と同じア
ルミナとの混合物を使用することにより、付着性を高め
るためである。
【0011】このように、ダーク層に要求される材料物
性は、高融点、高放射率、そして低蒸気圧、更には高真
空、高温での安定性も具備しなければならない。また、
ダーク層は絶縁性であることが望ましい。そこで、上記
の従来技術以外にも、例えば特開平2−51821号公
報では、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン
(Ti)、ニオブ(Nb)の1種類以上を添加したダーク層に
ついて開示しており、特開昭58−176845号公報
では、タングステン、モリブデン(Mo)とアルミナを用
いたダーク層について開示しているが、いずれも高融点
の金属粒子を添加してダーク層の機能を高めているもの
である。
性は、高融点、高放射率、そして低蒸気圧、更には高真
空、高温での安定性も具備しなければならない。また、
ダーク層は絶縁性であることが望ましい。そこで、上記
の従来技術以外にも、例えば特開平2−51821号公
報では、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、チタン
(Ti)、ニオブ(Nb)の1種類以上を添加したダーク層に
ついて開示しており、特開昭58−176845号公報
では、タングステン、モリブデン(Mo)とアルミナを用
いたダーク層について開示しているが、いずれも高融点
の金属粒子を添加してダーク層の機能を高めているもの
である。
【0012】従って、省エネルギー化と信頼性の見地か
らすれば、ヒータのダーク層としては、絶縁性に優れ、
より一層高放射率の材料が望ましいが、しかし、タング
ステンなどの金属は導電性で、且つ、アルミナの放射率
は0.47程度に過ぎないので、結局、従来技術では、
省エネルギー化と信頼性の点に問題が残ってしまうので
ある。
らすれば、ヒータのダーク層としては、絶縁性に優れ、
より一層高放射率の材料が望ましいが、しかし、タング
ステンなどの金属は導電性で、且つ、アルミナの放射率
は0.47程度に過ぎないので、結局、従来技術では、
省エネルギー化と信頼性の点に問題が残ってしまうので
ある。
【0013】本発明の目的は、高い熱放散特性と優れた
絶縁特性のダーク層を備え、低消費電力で長寿命、且つ
信頼性の高い陰極加熱用ヒータを提供することにあり、
さらに、これにより、同じく低消費電力で長寿命、且つ
信頼性の高いブラウン管を提供することにある。
絶縁特性のダーク層を備え、低消費電力で長寿命、且つ
信頼性の高い陰極加熱用ヒータを提供することにあり、
さらに、これにより、同じく低消費電力で長寿命、且つ
信頼性の高いブラウン管を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、陰極加熱用
ヒータのダーク層の材料として、酸化ハフニウムと炭化
ケイ素を用いることにより達成される。これは、ダーク
層に要求される物性を満足する高熱放射材料として、酸
化ハフニウムと炭化ケイ素が存在することを見い出した
結果によるものである。
ヒータのダーク層の材料として、酸化ハフニウムと炭化
ケイ素を用いることにより達成される。これは、ダーク
層に要求される物性を満足する高熱放射材料として、酸
化ハフニウムと炭化ケイ素が存在することを見い出した
結果によるものである。
【0015】このため、ヒータを模擬した試料を用い、
各試料の熱放射率を測定した。このときの試料は、厚さ
1mmのタングステン板に膜厚100〜150μmの絶
縁膜を設け、その表面にダーク層を膜厚10μmになる
ように形成したものである。このときの試料の膜構成
は、表1の通りである。
各試料の熱放射率を測定した。このときの試料は、厚さ
1mmのタングステン板に膜厚100〜150μmの絶
縁膜を設け、その表面にダーク層を膜厚10μmになる
ように形成したものである。このときの試料の膜構成
は、表1の通りである。
【0016】
【表1】
【0017】次に、この試料を水素中1600℃で焼成
した。試料の中央部に熱電対を10mm間隔で2組取付
け、真空中で試料のタングステン板に通電して加熱し、
熱電対で温度を測定し、測定した結果により、放射率ε
を次の(1)式により求めた。 ε=VI/σA(T4−T0 4) …… ……(1) ただし、V : 熱電対間の電圧(V) I : 通電電流(A) A : 熱電対間の表面積(m2) T : 熱電対温度(K) σ : ステファン・ボルツマン定数 5.67-8(W/m2K4) T0: 真空容器内の温度(K)
した。試料の中央部に熱電対を10mm間隔で2組取付
け、真空中で試料のタングステン板に通電して加熱し、
熱電対で温度を測定し、測定した結果により、放射率ε
を次の(1)式により求めた。 ε=VI/σA(T4−T0 4) …… ……(1) ただし、V : 熱電対間の電圧(V) I : 通電電流(A) A : 熱電対間の表面積(m2) T : 熱電対温度(K) σ : ステファン・ボルツマン定数 5.67-8(W/m2K4) T0: 真空容器内の温度(K)
【0018】測定結果は図2の通りで、ヒータ動作温度
1250℃のとき、ダーク層が酸化ハフニウムのときの
試料2と、炭化ケイ素のときの試料3の放射率εは、そ
れぞれ0.80、0.85となり、従来技術でのタングス
テンとアルミナの混合物のときの試料1の放射率0.4
6を大きく上回っていた。
1250℃のとき、ダーク層が酸化ハフニウムのときの
試料2と、炭化ケイ素のときの試料3の放射率εは、そ
れぞれ0.80、0.85となり、従来技術でのタングス
テンとアルミナの混合物のときの試料1の放射率0.4
6を大きく上回っていた。
【0019】従って、これらの材料、すなわち、酸化ハ
フニウムと、炭化ケイ素をダーク層に用いると、ヒータ
の熱が効率良くカソードやスリーブに伝わり、カソード
の温度を同等にした場合でのヒータの温度を下げること
ができ、この結果、消費電力の低減による省エネルギー
化と、動作温度の低減によるヒータ線や絶縁膜の信頼性
向上と長寿命化が達成できることが判る。
フニウムと、炭化ケイ素をダーク層に用いると、ヒータ
の熱が効率良くカソードやスリーブに伝わり、カソード
の温度を同等にした場合でのヒータの温度を下げること
ができ、この結果、消費電力の低減による省エネルギー
化と、動作温度の低減によるヒータ線や絶縁膜の信頼性
向上と長寿命化が達成できることが判る。
【0020】ここで、これら酸化ハフニウムと炭化ケイ
素の各々の材料を単独で使用してダーク層を形成しても
良く、絶縁膜との付着性を高めるため、この絶縁膜の構
成材料、例えばアルミナとの混合物として膜を形成して
も良い。しかし、混合物にした場合には、熱放射率が低
い材料と混合することになるので、酸化ハフニウム単独
の場合、又は炭化ケイ素単独の場合よりもヒータの熱効
率を高める効果は減少する。
素の各々の材料を単独で使用してダーク層を形成しても
良く、絶縁膜との付着性を高めるため、この絶縁膜の構
成材料、例えばアルミナとの混合物として膜を形成して
も良い。しかし、混合物にした場合には、熱放射率が低
い材料と混合することになるので、酸化ハフニウム単独
の場合、又は炭化ケイ素単独の場合よりもヒータの熱効
率を高める効果は減少する。
【0021】一方、このとき、ダーク層を構成する粉末
の粒径を細かくすることにより、有効表面積の増大が得
られ、更にヒータの熱放射効率を高めることができる。
次に、図示してないが、温度が1250℃のときの電気
抵抗は、酸化ハフニウムが7×103Ω・cmで、炭化
ケイ素は4×103Ω・cmであり、従って、これらの
材料は絶縁性も兼ね備えており、絶縁膜上に形成する高
放射材料として好適なことが判る。
の粒径を細かくすることにより、有効表面積の増大が得
られ、更にヒータの熱放射効率を高めることができる。
次に、図示してないが、温度が1250℃のときの電気
抵抗は、酸化ハフニウムが7×103Ω・cmで、炭化
ケイ素は4×103Ω・cmであり、従って、これらの
材料は絶縁性も兼ね備えており、絶縁膜上に形成する高
放射材料として好適なことが判る。
【0022】また、特に酸化ハフニウムは、絶縁膜をア
ルミナ、ヒータ線をタングステンとした場合、両者とほ
とんど反応せず、安定である点でも優れている。更に、
これら酸化ハフニウム又は炭化ケイ素によるダーク層
は、溶射、蒸着、CVD、吹き付け、浸漬塗布、電着な
どいずれの方法でも成膜が可能であり、成膜方法に限定
されない点でも有利である。
ルミナ、ヒータ線をタングステンとした場合、両者とほ
とんど反応せず、安定である点でも優れている。更に、
これら酸化ハフニウム又は炭化ケイ素によるダーク層
は、溶射、蒸着、CVD、吹き付け、浸漬塗布、電着な
どいずれの方法でも成膜が可能であり、成膜方法に限定
されない点でも有利である。
【0023】
<実施例1>以下、本発明による陰極加熱用ヒータと、
それを用いたブラウン管について、詳細に説明する。本
実施例では、何れも図1に示した含浸形カソードに本発
明を適用した場合を例にして説明する。
それを用いたブラウン管について、詳細に説明する。本
実施例では、何れも図1に示した含浸形カソードに本発
明を適用した場合を例にして説明する。
【0024】まず、直径30μmの3%Re−W線を直
径110μmのモリブデン金属芯線に巻き、ヒータコイ
ル(図1の金属線1に相当)とした。次に、電解質成分の
硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをエタノール水溶
液に溶解し、これに無機物として純度99.9%以上の
平均粒径4μmのアルミナ粉末を20 vol %配合して
絶縁膜用分散液とした。また、同じく電解質成分の硝酸
アルミニウム、硝酸マグネシウムをエタノール水溶液に
溶解し、これにダーク材料として純度99%以上の平均
粒径0.6μmの酸化ハフニウム粉末を15 vol %配
合してダーク層用分散液とした。
径110μmのモリブデン金属芯線に巻き、ヒータコイ
ル(図1の金属線1に相当)とした。次に、電解質成分の
硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムをエタノール水溶
液に溶解し、これに無機物として純度99.9%以上の
平均粒径4μmのアルミナ粉末を20 vol %配合して
絶縁膜用分散液とした。また、同じく電解質成分の硝酸
アルミニウム、硝酸マグネシウムをエタノール水溶液に
溶解し、これにダーク材料として純度99%以上の平均
粒径0.6μmの酸化ハフニウム粉末を15 vol %配
合してダーク層用分散液とした。
【0025】次に、図3に示す電着による成膜装置を用
い、30個のヒータコイルを吊り下げ保持して負極6と
し、アルミニウム板を正極7として電源8に接続した。
そして、まず、電着容器9には絶縁膜用分散液10を入
れ、これを電解液として電圧80Vで3秒間、電源8か
ら負極6と正極7に通電し、絶縁膜2を形成した。その
後、電着容器9内の電解液をダーク層用分散液に交換
し、今度は電源電圧30Vで4秒間通電し、ダーク層3
を形成した。
い、30個のヒータコイルを吊り下げ保持して負極6と
し、アルミニウム板を正極7として電源8に接続した。
そして、まず、電着容器9には絶縁膜用分散液10を入
れ、これを電解液として電圧80Vで3秒間、電源8か
ら負極6と正極7に通電し、絶縁膜2を形成した。その
後、電着容器9内の電解液をダーク層用分散液に交換
し、今度は電源電圧30Vで4秒間通電し、ダーク層3
を形成した。
【0026】次いで、これを1600℃の水素雰囲気中
で5分間焼成した。このとき、焼成後のダーク層3を含
む絶縁膜2全体の膜厚は110μmであった。焼成終了
後、モリブデン金属芯線を硝酸と硫酸との混合液により
溶解除去し、水洗い、乾燥して実施例1のヒータを作製
した。
で5分間焼成した。このとき、焼成後のダーク層3を含
む絶縁膜2全体の膜厚は110μmであった。焼成終了
後、モリブデン金属芯線を硝酸と硫酸との混合液により
溶解除去し、水洗い、乾燥して実施例1のヒータを作製
した。
【0027】一方、実施例1と同様な工程で絶縁膜2を
形成した後、電解質成分の硝酸アルミニウム、硝酸マグ
ネシウムをエタノール水溶液に溶解し、ダーク材料とし
ては、純度99%以上の平均粒径1μmのタングステン
粉末を4 vol %と純度99.9%以上の平均粒径4μ
mのアルミナ粉末を20 vol %配合してダーク層用分
散液とし、これを用い、電源電圧30Vで3秒間通電し
ダーク層を形成した。その他の条件は同じにして比較例
1を作成した。
形成した後、電解質成分の硝酸アルミニウム、硝酸マグ
ネシウムをエタノール水溶液に溶解し、ダーク材料とし
ては、純度99%以上の平均粒径1μmのタングステン
粉末を4 vol %と純度99.9%以上の平均粒径4μ
mのアルミナ粉末を20 vol %配合してダーク層用分
散液とし、これを用い、電源電圧30Vで3秒間通電し
ダーク層を形成した。その他の条件は同じにして比較例
1を作成した。
【0028】そして、これら実施例1と比較例1のヒー
タを通電試験に供試し、両者のカソード温度を970℃
b(輝度温度)に調整した。このとき、ヒータの温度の制
御は、電圧を調整して行なった。このときの電圧とヒー
タ温度は、予め図4の関係にあることが確認されている
ので、実施例1ではヒータ温度が1200℃bで、比較
例1では1240℃bと推定できた。従って、この実施
例1によれば、970℃bの同一カソード温度を得るの
に、ヒータ温度は40℃、低くて済み、この結果、消費
電力が低減され、省エネルギー化を得ることができた。
タを通電試験に供試し、両者のカソード温度を970℃
b(輝度温度)に調整した。このとき、ヒータの温度の制
御は、電圧を調整して行なった。このときの電圧とヒー
タ温度は、予め図4の関係にあることが確認されている
ので、実施例1ではヒータ温度が1200℃bで、比較
例1では1240℃bと推定できた。従って、この実施
例1によれば、970℃bの同一カソード温度を得るの
に、ヒータ温度は40℃、低くて済み、この結果、消費
電力が低減され、省エネルギー化を得ることができた。
【0029】次に、ヒータに5分通電し3分休止する断
続通電試験によれば、ヒータ断続回数6万回時点でのヒ
ータ温度とヒータ断線不良率との関係は、予め図5のよ
うになることが確認されている。従って、この実施例1
によれば、ヒータ温度の低下が得られた結果、ヒータ断
線不良率を大きく減らすことができ、長寿命で高信頼性
のヒータを容易に得ることができることが判る。
続通電試験によれば、ヒータ断続回数6万回時点でのヒ
ータ温度とヒータ断線不良率との関係は、予め図5のよ
うになることが確認されている。従って、この実施例1
によれば、ヒータ温度の低下が得られた結果、ヒータ断
線不良率を大きく減らすことができ、長寿命で高信頼性
のヒータを容易に得ることができることが判る。
【0030】<実施例2>実施例1のダーク層形成を浸
漬塗布で行って実施例2とする。このとき、ダーク層用
分散液として、ニトロセルロースをメチルイソブチルケ
トンに溶解した液に、ダーク材料となる平均粒径0.6
μmで純度99%以上の酸化ハフニウム粉末を15 vol
%配合したものを用いた。
漬塗布で行って実施例2とする。このとき、ダーク層用
分散液として、ニトロセルロースをメチルイソブチルケ
トンに溶解した液に、ダーク材料となる平均粒径0.6
μmで純度99%以上の酸化ハフニウム粉末を15 vol
%配合したものを用いた。
【0031】また、比較例2としては、比較例1のダー
ク層形成を浸漬塗布で行ったものとした。このとき、ダ
ーク層用分散液としては、ニトロセルロースをメチルイ
ソブチルケトンに溶解した液に、ダーク材料となる平均
粒径1μmで純度99%以上のタングステン粉末を2 v
ol %gと、平均粒径4μmで純度99%以上のアルミ
ナ粉末を14 vol %配合したものを用いた。
ク層形成を浸漬塗布で行ったものとした。このとき、ダ
ーク層用分散液としては、ニトロセルロースをメチルイ
ソブチルケトンに溶解した液に、ダーク材料となる平均
粒径1μmで純度99%以上のタングステン粉末を2 v
ol %gと、平均粒径4μmで純度99%以上のアルミ
ナ粉末を14 vol %配合したものを用いた。
【0032】そして、これら実施例2と比較例2を、通
電試験に供試したときのヒータ温度は、両者のカソード
温度を970℃b(輝度温度)に調整したとき、実施例2
では1190℃b、比較例2では1240℃bとなり、
従って、この実施例2によっても、40℃以上もヒータ
温度を低下させることができた。
電試験に供試したときのヒータ温度は、両者のカソード
温度を970℃b(輝度温度)に調整したとき、実施例2
では1190℃b、比較例2では1240℃bとなり、
従って、この実施例2によっても、40℃以上もヒータ
温度を低下させることができた。
【0033】また、この結果を実施例1での結果と比較
してみれば明らかなように、実施例1はダーク層が電着
で形成し、実施例2では浸漬塗布法で形成しにもかかわ
らず、通電試験の結果、両者は同等のヒータ温度低減が
得られており、従って、本発明の効果は成膜方法に依存
しないことが判る。
してみれば明らかなように、実施例1はダーク層が電着
で形成し、実施例2では浸漬塗布法で形成しにもかかわ
らず、通電試験の結果、両者は同等のヒータ温度低減が
得られており、従って、本発明の効果は成膜方法に依存
しないことが判る。
【0034】<実施例3>実施例2のダーク層用分散液
におけるダーク材料を、炭化ケイ素(粒径2μm、純度
99%)にし、実施例1と同様な工程でヒータを作成
し、実施例3とした。そして、比較例1と共に通電試験
を行ない、両者のカソード温度を970℃b(輝度温度)
に調整した場合、ヒータの温度は、この実施例3では1
195℃b、比較例1では1240℃bとなり、従っ
て、この実施例3によれば、ヒータ温度を45℃も低下
させることができることが判った。
におけるダーク材料を、炭化ケイ素(粒径2μm、純度
99%)にし、実施例1と同様な工程でヒータを作成
し、実施例3とした。そして、比較例1と共に通電試験
を行ない、両者のカソード温度を970℃b(輝度温度)
に調整した場合、ヒータの温度は、この実施例3では1
195℃b、比較例1では1240℃bとなり、従っ
て、この実施例3によれば、ヒータ温度を45℃も低下
させることができることが判った。
【0035】<実施例4>実施例2のダーク層用分散液
の材料を、炭化ケイ素(粒径2μm、純度99%)7 vol
%とアルミナ(粒径純度4μm、純度99%以上)8 vo
l %に変えただけで、実施例1と同様な工程によりヒー
タを作成して実施例4とした。比較例1と共に通電試験
を行ない、両者のカソード温度を970℃b(輝度温度)
に調整した場合、ヒータの温度は、実施例4では122
0℃b、比較例1では1240℃bとなり、従って、こ
の実施例4によれば、ヒータ温度を20℃低下できるこ
とが判った。
の材料を、炭化ケイ素(粒径2μm、純度99%)7 vol
%とアルミナ(粒径純度4μm、純度99%以上)8 vo
l %に変えただけで、実施例1と同様な工程によりヒー
タを作成して実施例4とした。比較例1と共に通電試験
を行ない、両者のカソード温度を970℃b(輝度温度)
に調整した場合、ヒータの温度は、実施例4では122
0℃b、比較例1では1240℃bとなり、従って、こ
の実施例4によれば、ヒータ温度を20℃低下できるこ
とが判った。
【0036】<実施例5>図6は、本発明の実施例5
で、本発明をブラウン管に適用した場合一例をしめした
断面図である。この図6において、ガラスバルブ13は
細い円筒状のネック部と膨らんだコーン部とで構成さ
れ、ネック部の内部には電子銃11が設けられ、コーン
部の底には蛍光体(電子銃照射により蛍光する物質)を塗
布した蛍光面12が設けられていて、高真空状態に封止
されている。
で、本発明をブラウン管に適用した場合一例をしめした
断面図である。この図6において、ガラスバルブ13は
細い円筒状のネック部と膨らんだコーン部とで構成さ
れ、ネック部の内部には電子銃11が設けられ、コーン
部の底には蛍光体(電子銃照射により蛍光する物質)を塗
布した蛍光面12が設けられていて、高真空状態に封止
されている。
【0037】電子銃11は、上記実施例1〜4の何れか
によるヒータHを備えた陰極14と、ウエーネルト電極
15、それに電子の加速と収束のための円筒電極16で
構成されていて、その後方には電線接続用のソケットピ
ン20が設けられている。
によるヒータHを備えた陰極14と、ウエーネルト電極
15、それに電子の加速と収束のための円筒電極16で
構成されていて、その後方には電線接続用のソケットピ
ン20が設けられている。
【0038】また、ガラスバルブ13のネック部とコー
ン部の内面には導電膜19(蛍光面12を覆っているア
ルミニウム膜)が設けられ、外側には端子となるアノー
ドボタン18が設けられている。さらに、ガラスバルブ
13のネック部には、偏向ヨーク17が取付けられる。
ン部の内面には導電膜19(蛍光面12を覆っているア
ルミニウム膜)が設けられ、外側には端子となるアノー
ドボタン18が設けられている。さらに、ガラスバルブ
13のネック部には、偏向ヨーク17が取付けられる。
【0039】従って、この実施例5のブラウン管によれ
ば、実施例1〜実施例4の何れかによるヒータHが用い
られているので、ヒータ温度が低くてすみ、この結果、
省エネルギー化と、信頼性の向上を充分に得ることがで
きる。
ば、実施例1〜実施例4の何れかによるヒータHが用い
られているので、ヒータ温度が低くてすみ、この結果、
省エネルギー化と、信頼性の向上を充分に得ることがで
きる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、酸化ハフニウム又は炭
化ケイ素をダーク層に用いたことにより、ヒータの熱を
効率良くカソードやスリーブに伝えることができるの
で、カソードの温度を同等にした場合でのヒータの温度
を下げることができ、この結果、消費電力の低減による
省エネルギー化と、動作温度の低減によるヒータ線や絶
縁膜の信頼性向上と長寿命化を確実に得ることができ
る。
化ケイ素をダーク層に用いたことにより、ヒータの熱を
効率良くカソードやスリーブに伝えることができるの
で、カソードの温度を同等にした場合でのヒータの温度
を下げることができ、この結果、消費電力の低減による
省エネルギー化と、動作温度の低減によるヒータ線や絶
縁膜の信頼性向上と長寿命化を確実に得ることができ
る。
【図1】本発明が適用対象としているヒータの一例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図2】放射率の温度依存性を説明するための特性図で
ある。
ある。
【図3】電着による膜形成装置の一例を示す説明図であ
る。
る。
【図4】ヒータ電圧とヒータ温度の関係を示す特性図で
ある。
ある。
【図5】ヒータ温度とヒータ断線不良率の関係を示す特
性図である。
性図である。
【図6】本発明が適用対象としているブラウン管の一例
を示す断面図である。
を示す断面図である。
H ヒータ 1 金属線 2 絶縁膜 3 ダーク層 4 スリーブ 5 含浸形カソード部材 6 負極 7 正極 8 電源 9 電着容器 10 分散液 11 電子銃 12 蛍光面 13 ガラスバルブ 14 陰極 15 ウエーネルト電極 16 円筒電極 17 偏向ヨーク 18 アノードボタン 19 導電膜 20 ソケットピン
Claims (2)
- 【請求項1】 通電発熱用の金属線の表面に絶縁膜とダ
ーク層を有する陰極加熱用ヒータにおいて、 前記ダーク層が、酸化ハフニウム又は炭化ケイ素の少な
くとも一方を含む層で構成されていることを特徴とする
陰極加熱用ヒータ。 - 【請求項2】 通電発熱用の金属線の表面に絶縁膜とダ
ーク層を備え、該ダーク層が、酸化ハフニウム又は炭化
ケイ素の少なくとも一方を含む層で構成された陰極加熱
用ヒータを電子銃のカソードに備えたことを特徴とする
ブラウン管。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9093929A JPH10289645A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 陰極加熱用ヒータ及びそれを用いたブラウン管 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9093929A JPH10289645A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 陰極加熱用ヒータ及びそれを用いたブラウン管 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10289645A true JPH10289645A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14096132
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9093929A Pending JPH10289645A (ja) | 1997-04-11 | 1997-04-11 | 陰極加熱用ヒータ及びそれを用いたブラウン管 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10289645A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1117116A3 (en) * | 2000-01-11 | 2003-10-15 | Hitachi, Ltd. | Cathode ray tube having an improved indirectly heated cathode structure |
| JP2008096373A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Shimadzu Corp | ナノ粒子の測定方法および装置 |
| CN105244244A (zh) * | 2015-10-13 | 2016-01-13 | 甘肃虹光电子有限责任公司 | 一种氧化物阴极 |
-
1997
- 1997-04-11 JP JP9093929A patent/JPH10289645A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1117116A3 (en) * | 2000-01-11 | 2003-10-15 | Hitachi, Ltd. | Cathode ray tube having an improved indirectly heated cathode structure |
| JP2008096373A (ja) * | 2006-10-16 | 2008-04-24 | Shimadzu Corp | ナノ粒子の測定方法および装置 |
| CN105244244A (zh) * | 2015-10-13 | 2016-01-13 | 甘肃虹光电子有限责任公司 | 一种氧化物阴极 |
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