JPH10289996A - 半導体量子ドット及びその製造方法 - Google Patents

半導体量子ドット及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体量子ドット及びその製造方法に関し、
S−K型成長島からなる半導体量子ドットの配置を制御
できるようにし、ダメージがない半導体量子ドットを均
一サイズで均一な密度で生成させることを可能にして、
量子ドットを複数個連結(配列)したデバイス、例えば
単電子素子を実現できるようにする。 【解決手段】 歪み系ヘテロ結晶(例えば下地のGaA
sに対するInAs)を成長させる際の初期に生成され
るS−K型成長島13Aを形成し、S−K型成長島13
Aの構成材料とは異なる材料(例えばGaAs)であっ
て、且つ、厚さがS−K型成長島13Aの高さ以下であ
る第1オーバ・グロース層14を形成し、熱処理を施し
てS−K型成長島13Aの頂部を蒸発若しくは横方向に
展延して高さを第1オーバ・グロース層14の表面に合
わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体から
なる量子ドット、例えばInAs/GaAsなどの歪み
系ヘテロ結晶を成長させる際の初期に出現するS−K
(Stransky−Krastanov)型成長島を
利用する半導体量子ドット及びその製造方法に関する。
【0002】現在、個別の半導体量子ドットが実現さ
れ、多くの実験や測定がなされているところであるが、
これをデバイスとして用いるには、アレイ化することが
必要であり、しかも、成長島の形状を均一にしなければ
ならない。
【0003】然しながら、均一な半導体量子ドットを制
御された状態に配列してアレイ化することは甚だ困難で
あって、これが実用化を妨げる主因になっているので、
この問題を解消しなければならず、本発明は、それに応
える一手段を提供することができる。
【0004】一般に、半導体量子ドット(箱)を形成す
る方法としては、大別して二種類の方法が知られてい
る。即ち、 リソグラフィ技術などで加工することに依って構造
を実現する方法 結晶成長時の表面現象(自然現象)を利用して自己
形成的に構造を成長する方法である。
【0005】具体的に説明すると、 (1)分子線エピタキシャル成長(molecular
beam epitaxy:MBE)法や有機金属化
学気相堆積(metalorganic chemic
al vapour deposition:MOCV
D)法などを適用することに依り、基板上に必要な半導
体層を積層形成し、これをリソグラフィ技術、特に電子
ビーム・リソグラフィやイオン・ビーム・リソグラフィ
などを適用し、エッチングを行なって箱状に加工する。
【0006】(2)前記(1)と同様にして基板の加工
を行い、その後、MBE法やMOCVD法などに於ける
成長の選択性を利用して箱状構造を形成する。
【0007】(3)微傾斜基板上の表面ステップやキン
クを利用し、結晶成長を横方向にも制御して箱を形成す
る。
【0008】(4)InAs/GaAs等の高歪み系ヘ
テロ構造の成長初期に出現するS−K型成長島を利用し
て箱を得る。などが挙げられる。
【0009】ところで、前記(1)及び(2)に挙げた
手段を採った場合、半導体層の表面から内部に向かって
ダメージが入り易く、そして、箱のサイズが現用加工技
術の精度に依存するので、100〔nm〕以下のサイズ
制御は難しく、また、サイズのばらつきが大きい。
【0010】また、前記(3)に挙げた手段を採った場
合、表面ステップの形状制御が難しいのに加えて横方向
で材料のミキシングが起こる為、サイズ、組成、横方向
界面の急峻性を精密に制御することができない。
【0011】更にまた、前記(4)に挙げた手段を採っ
た場合、加工プロセスを一切用いていない為、加工ダメ
ージはなく、成長島形成が表面エネルギや歪みエネルギ
に起因している為、平衡状態に近付けることに依り、箱
のサイズをかなり揃えることができ、実験レベルではあ
るが、標準偏差10〔%〕程度が得られている。
【0012】このように、前記(4)に挙げた手段に
は、前記(1)乃至(3)の手段にはない利点があるも
のの、成長島の生成が、下地の表面状態、即ち、ステッ
プ或いはキンク、表面に於ける原子の再配列構造、表面
ディフェクトなどに強く依存することから、様々な問題
が発生する。
【0013】即ち、形成される量子ドットに疎密が発生
し、均一な密度にならず、そして、これに起因してサイ
ズにも若干のばらつきが生じ、しかも、通常の方法で得
られる発光半値幅(PL)は80〔meV〕〜100
〔meV〕になっている。
【0014】この発光半値幅は、現在、半導体レーザの
活性層として実用化の域にある量子井戸に比較して遙に
大きく、従って、前記S−K型成長島をもつ半導体レー
ザを作製したとしても、期待されるほどの特性改善、例
えば、しきい値が低下するなどの効果は得られない。
【0015】前記(4)の手段を採った場合に於いて、
若し、量子ドットの配置制御が可能となり、ダメージが
ない量子ドットを均一サイズで均一な密度で生成させる
ことができれば、量子ドットを複数個連結(配列)した
デバイス、例えば単電子素子への応用も可能になる。
【0016】これまでに、前記(4)の手段を採って、
且つ、均一な形状の半導体量子ドットを制御された状態
に配列することについて、種々な試みがなされていて、
例えば、
【0017】(A)基板表面に段差が生成されるように
加工し、段差近傍に半導体量子ドットを生成させる方法
(要すれば、「D.S.L.Mui et al.,A
ppl.Phys.Lett.66(1995)」、を
参照)。
【0018】(B)パターンを形成した基板上に選択成
長法を適用してV字型の溝を形成し、その底部に半導体
量子ドットを配列する方法(要すれば、「IPRM′9
5 Late Newsにて口頭発表」、を参照)。
【0019】(C)ステップ・バンチングを生じた多段
ステップを形成し、半導体量子ドットを前記多段ステッ
プ上に優先的に生成させる(要すれば、「M.Kita
muraet al.,Proc. of IPRM′
95,(1995)p.736」、を参照)。が知られ
ている(尚、前記記述に於いて、「IPRM′95」
は、「The Seventh Internatio
nal Conference on Indium
Phosphide and Related Mat
erials」、である)。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】前記(A)の問題点
は、半導体量子ドットを配列する為の段差形状の制御が
難しいことである。
【0021】前記(B)の問題点は、V字型の溝を形成
するのに費やされる領域、即ち、半導体量子ドットが生
成されない領域を広く必要とし、従って、高密度化する
ことができず、しかも、加工の工程が煩雑であり、そし
て、平坦(Planer)にならない。
【0022】前記(C)の問題点は、表面ステップのバ
ンチング制御が難しく、バンチング面に局所的にキンク
が集中したり、バンチング面にゆらぎが生じたりする
為、均一サイズの量子ドットを均一間隔で形成すること
ができない。
【0023】本発明は、S−K型成長島からなる半導体
量子ドットの配置を制御できるようにし、ダメージがな
い半導体量子ドットを均一サイズで均一な密度で生成さ
せることを可能にして、量子ドットを複数個連結(配
列)したデバイス、例えば単電子素子を実現できるよう
にする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明では、InAs/
GaAs等の高歪み系ヘテロ構造の成長初期に出現する
S−K型成長島からなる半導体量子ドットを形成してか
ら、成長島を構成する材料に比較して蒸気圧が低く、且
つ、熱的に安定な材料を用い、第1オーバ・グロース層
を成長島の高さよりも低く形成し、熱処理を行なって、
第1オーバ・グロース層から突出した部分を再蒸発、若
しくは、周囲に散らせてしまうことで、成長島の高さを
均一化することが基本になっている。
【0025】図4はS−K型成長島の高さについて説明
する為の半導体量子ドットの要部説明図であり、図に於
いて、1はGaAs基板、2はInAs層、3はInA
s成長島、Hは成長島の高さ、Dは成長島3に於ける底
面の直径をそれぞれ示している。
【0026】通常、S−K型成長で生成される成長島、
例えば、図4に見られるようなGaAs基板1上のIn
As成長島3に於いては、高さHが3〔nm〕〜5〔n
m〕の範囲で、また、直径Dが20〔nm〕〜25〔n
m〕の範囲で分布が見られ、また、成長島3の切断側面
は扁平である。
【0027】この成長島3に於ける量子レベルに関して
は、成長島3の高さHが支配的であり、高さHのゆらぎ
が生む量子レベルのゆらぎの方が、直径Dのゆらぎが生
む量子レベルのゆらぎよりも遙に大きく、発光半値幅
は、高さのゆらぎに支配されているものと考えられる。
【0028】従って、成長島3の高さHを均一化するこ
とができれば、これまでに実現されている発光半値幅を
大きく低減することができる。因みに、直径Dのゆらぎ
で決定される発光半値幅は約10〔meV〕であり、こ
の値は、量子井戸の半値幅と略等しい。
【0029】前記したところから、本発明に依る半導体
量子ドット及びその製造方法に於いては、(1)歪み系
ヘテロ結晶(例えばGaAsとInAs)を成長させる
初期に生成され且つ高さが全面を覆う第1オーバ・グロ
ース層(例えば第1オーバ・グロース層14)の厚さに
合わせて均一化されたS−K型成長島(例えば成長島1
3A)からなることを特徴とするか、又は、
【0030】(2)前記(1)に於いて、第1オーバ・
グロース層がS−K型成長島の構成材料に比較して蒸気
圧が低い構成材料(例えば成長島がInAsである場
合、GaAsとする)からなることを特徴とするか、又
は、
【0031】(3)歪み系ヘテロ結晶を成長させる初期
に生成されるS−K型成長島を形成する工程と、該S−
K型成長島の構成材料とは異なる材料からなり且つ厚さ
が該S−K型成長島の高さ以下である第1オーバ・グロ
ース層を形成する工程と、熱処理を施して該S−K型成
長島の頂部を蒸発若しくは横方向に展延して高さを該第
1オーバ・グロース層の表面に合わせる工程とが含まれ
てなることを特徴とする。
【0032】前記手段を採ることに依り、S−K型成長
島からなる半導体量子ドットの配置を制御でき、ダメー
ジがない半導体量子ドットを均一サイズで均一な密度で
生成させることが可能となり、量子ドットを複数個連結
(配列)したデバイス、例えば単電子素子を実現した
り、しきい値電流が小さく、温度特性に優れた半導体レ
ーザなどを実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は方法の発明に関す
る実施の形態を説明する為の工程要所に於ける半導体量
子ドットを表す要部切断側面図であり、以下、これ等の
図を参照しつつ説明する。
【0034】図1(A)参照 1−(1) 面指数が(001)であるGaAs基板11をMBE
(molecularbeam epitaxy)装置
に於ける成長室内にセットし、温度を680〔℃〕で熱
処理することで酸化膜を除去する。
【0035】1−(2) MBE法を適用することに依り、GaAs基板11上に
厚さが例えば400〔nm〕のGaAs層12を形成す
る。
【0036】この時の主な成長条件を列挙すると、 成長温度:620〔℃〕 成長速度:0.8〔μm/時間〕 As圧:6×10-6〔Torr〕 である。
【0037】図1(B)参照 1−(3) MBE装置に於けるGa分子線セルのシャッタを閉じ
て、GaAs層12上に厚さが例えば約1.8分子層相
当分のInAs層13を成長させる。
【0038】この時の主な成長条件を列挙すると、 成長温度:510〔℃〕 成長速度:0.1〔分子層/秒〕 As圧:6×10-6〔Torr〕 である。
【0039】これに依って、底面の直径Dが20〔n
m〕〜25〔nm〕程度、そして、高さHが3〔nm〕
〜5〔nm〕程度に分布している円錐状の成長島13A
が1×1011〔cm-2〕の密度で形成される。
【0040】図2(A)参照 2−(1) Asのみを照射した状態で、同一温度、即ち、510
〔℃〕を維持した状態で30〔秒〕間放置する。
【0041】2−(2) MBE法を適用することに依り、厚さが例えば2〔n
m〕であるGaAsからなる第1オーバ・グロース層1
4を形成する。
【0042】成長島13Aの高さHには、ばらつきが在
るので、その頂部は第1オーバ・グロース層14から突
出するものがあり、また、その突出した部分の高さにつ
いてもばらつきが在る。
【0043】図2(B)参照 2−(3) Asのみを照射した状態で、同一温度、即ち、510
〔℃〕を維持した状態で3〔分〕間放置する。尚、この
際に適用する温度は、第1オーバ・グロース層14がダ
メージを受けないように選択しなければならない。
【0044】これに依って、第1オーバ・グロース層1
4から突出している成長島13Aに於ける頂部が再蒸発
されたり、或いは、横方向に拡がって平坦化され、成長
島13Aの高さHは均一化され、第1オーバ・グロース
層14の厚さに略一致することになる。
【0045】また、GaAsからなる第1オーバ・グロ
ース層14とInAs層13或いは成長島13Aとの間
の歪みに依る効果で成長島13Aの移動を生じて等間隔
化、即ち、配列が起こる。尚、記号15で指示した部分
はInAs層13から供給されるInAsで構成された
二次元の成長島である。
【0046】図3参照 3−(1) MBE法を適用することに依り、GaAsからなる第2
オーバ・グロース層16を形成して成長島13Aを完全
に覆う。
【0047】前記のようにして作製した成長島13Aに
於けるPL半値幅は、従来の技術に依存した成長島に比
較し、1/2〜1/3程度に小さくなっているので、サ
イズの均一化が起こっていることを確認できる。
【0048】本発明では、前記説明した実施の形態に限
られることなく、他に多くの改変を実現することができ
る。
【0049】例えば、下地結晶及び第1オーバ・グロー
ス層の主組成としては、GaAsの他にAlGaAs、
InGaPを用いることができ、その場合、成長島の主
組成としては、InAsの他にInP、GaSb、In
Sb、或いは、それ等の混合物を用いることができる。
【0050】また、このような材料の選択は、他の材料
系に於いても可能であり、下地結晶及び第1オーバ・グ
ロース層の主組成をSiとし、成長島の主組成をSiG
e、Geなどを用いることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明に依る半導体量子ドット及びその
製造方法に於いては、歪み系ヘテロ結晶を成長させる初
期に生成され且つ高さが全面を覆う第1オーバ・グロー
ス層の厚さに合わせて均一化されたS−K型成長島を形
成する。
【0052】前記構成を採ることに依り、S−K型成長
島からなる半導体量子ドットの配置を制御でき、ダメー
ジがない半導体量子ドットを均一サイズで均一な密度で
生成させることが可能となり、量子ドットを複数個連結
(配列)したデバイス、例えば単電子素子を実現した
り、しきい値電流が小さく、温度特性に優れた半導体レ
ーザなどを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】方法の発明に関する実施の形態を説明する為の
工程要所に於ける半導体量子ドットを表す要部切断側面
図である。
【図2】方法の発明に関する実施の形態を説明する為の
工程要所に於ける半導体量子ドットを表す要部切断側面
図である。
【図3】方法の発明に関する実施の形態を説明する為の
工程要所に於ける半導体量子ドットを表す要部切断側面
図である。
【図4】S−K型成長島の高さについて説明する為の半
導体量子ドットの要部説明図である。
【符号の説明】
11:GaAs基板 12:GaAs層 13:InAs層 13A:成長島 14:第1オーバ・グロース層 15:二次元の成長島 16:第2オーバ・グロース層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】歪み系ヘテロ結晶を成長させる初期に生成
    され且つ高さが全面を覆う第1オーバ・グロース層の厚
    さに合わせて均一化されたS−K型成長島からなること
    を特徴とする半導体量子ドット。
  2. 【請求項2】第1オーバ・グロース層がS−K型成長島
    の構成材料に比較して蒸気圧が低い構成材料からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体量子ドット。
  3. 【請求項3】歪み系ヘテロ結晶を成長させる初期に生成
    されるS−K型成長島を形成する工程と、 該S−K型成長島の構成材料とは異なる材料からなり且
    つ厚さが該S−K型成長島の高さ以下である第1オーバ
    ・グロース層を形成する工程と、 熱処理を施して該S−K型成長島の頂部を蒸発若しくは
    横方向に展延して高さを該第1オーバ・グロース層の表
    面に合わせる工程とが含まれてなることを特徴とする半
    導体量子ドットの製造方法。
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