JPH10289997A - 半導体量子構造およびその製造方法 - Google Patents
半導体量子構造およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH10289997A JPH10289997A JP9113627A JP11362797A JPH10289997A JP H10289997 A JPH10289997 A JP H10289997A JP 9113627 A JP9113627 A JP 9113627A JP 11362797 A JP11362797 A JP 11362797A JP H10289997 A JPH10289997 A JP H10289997A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- strain
- semiconductor
- growth
- substrate
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Light Receiving Elements (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 各種電子・光デバイスに実用的に適用でき
る、均一な量子箱構造が得られるようにする。 【解決手段】 まず半導体基板101上に、微小な凸状
の部分からなる歪み導入体102を格子配列にて配置す
る。次に、半導体基板101に格子整合した半導体材料
からなるバッファ層103を形成し、これで歪み導入体
102を完全に埋め込む。次に、結晶成長装置中で、以
下の工程を連続的に行う。まず、半導体基板101にほ
ぼ格子整合する障壁材料層(バリア層)104を、バッ
ファ層103上に成長する。引き続いて、このバリア層
104上に歪み量子井戸層105を成長する。
る、均一な量子箱構造が得られるようにする。 【解決手段】 まず半導体基板101上に、微小な凸状
の部分からなる歪み導入体102を格子配列にて配置す
る。次に、半導体基板101に格子整合した半導体材料
からなるバッファ層103を形成し、これで歪み導入体
102を完全に埋め込む。次に、結晶成長装置中で、以
下の工程を連続的に行う。まず、半導体基板101にほ
ぼ格子整合する障壁材料層(バリア層)104を、バッ
ファ層103上に成長する。引き続いて、このバリア層
104上に歪み量子井戸層105を成長する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、量子効果を発現
する量子箱構造を備える半導体量子構造およびその製造
方法に関する
する量子箱構造を備える半導体量子構造およびその製造
方法に関する
【0002】
【従来の技術】半導体微細構造の厚みと幅が、半導体結
晶中の電子の波長程度になると、一次元あるいは0次元
に閉じこめられたキャリアによる量子効果が現れる。こ
のような構造は、量子細線,量子箱といわれ、その低次
元での量子効果を利用することにより、従来にはない高
性能な光デバイスや電子デバイスの実現が期待されてい
る。このような中で、半導体量子箱の製法として、2次
元の量子井戸膜をリソグラフィー技術により箱構造に加
工する手法が代表的であった。近年では、これに変わ
り、1回の結晶成長工程の中で、量子箱構造を自己組織
的に形成する手法が出現している。この新たな手法で
は、従来ではさけられなかった、主にリソグラフィー工
程の際に副次的に発生する損傷や汚染導入の問題が解消
されている。
晶中の電子の波長程度になると、一次元あるいは0次元
に閉じこめられたキャリアによる量子効果が現れる。こ
のような構造は、量子細線,量子箱といわれ、その低次
元での量子効果を利用することにより、従来にはない高
性能な光デバイスや電子デバイスの実現が期待されてい
る。このような中で、半導体量子箱の製法として、2次
元の量子井戸膜をリソグラフィー技術により箱構造に加
工する手法が代表的であった。近年では、これに変わ
り、1回の結晶成長工程の中で、量子箱構造を自己組織
的に形成する手法が出現している。この新たな手法で
は、従来ではさけられなかった、主にリソグラフィー工
程の際に副次的に発生する損傷や汚染導入の問題が解消
されている。
【0003】上述した量子箱製造法において、特に化合
物半導体へテロ構造の結晶成長中に量子箱構造を自己整
合的に形成する場合、最も有望でかつ現実的である手段
は、基板に対して格子整合しない歪み膜を成長する際に
生じる3次元島構造を利用するものである。よく知られ
ているように、一般に半導体基板上への化合物半導体薄
膜の結晶成長は、3つの結晶成長モードの1つであるS
K(Stranski−Krastrnov)モードに
属する。
物半導体へテロ構造の結晶成長中に量子箱構造を自己整
合的に形成する場合、最も有望でかつ現実的である手段
は、基板に対して格子整合しない歪み膜を成長する際に
生じる3次元島構造を利用するものである。よく知られ
ているように、一般に半導体基板上への化合物半導体薄
膜の結晶成長は、3つの結晶成長モードの1つであるS
K(Stranski−Krastrnov)モードに
属する。
【0004】図8は、SKモードの説明図である。図8
(a)に示すように、半導体基板801上に、無歪み半
導体バリア層802を形成した後、成長層803を成長
させると、その初期段階においては、成長層803はそ
の表面が平坦で2次元的な層をなしている。ここで、ホ
モエピタキシャル成長のように、成長層が無歪みの場合
は、成長終了までこの状況が保たれる。しかし、異種材
料によるヘテロエピタキシャル成長で格子不整合などに
よる歪みが存在する場合、成長層803は、初期段階を
経て、2次元3次元相転移を生じて第2の段階へ移行す
る。この、初期段階から第2の段階への相転移の結果、
図8(b)に示すように、一様だった成長層803は、
濡れ層と呼ばれるごく薄い2次元層804を残し、多数
の3次元的な島構造805に凝集する。この島構造80
5においては、格子定数が基板のものからずれること
で、歪みが緩和している。
(a)に示すように、半導体基板801上に、無歪み半
導体バリア層802を形成した後、成長層803を成長
させると、その初期段階においては、成長層803はそ
の表面が平坦で2次元的な層をなしている。ここで、ホ
モエピタキシャル成長のように、成長層が無歪みの場合
は、成長終了までこの状況が保たれる。しかし、異種材
料によるヘテロエピタキシャル成長で格子不整合などに
よる歪みが存在する場合、成長層803は、初期段階を
経て、2次元3次元相転移を生じて第2の段階へ移行す
る。この、初期段階から第2の段階への相転移の結果、
図8(b)に示すように、一様だった成長層803は、
濡れ層と呼ばれるごく薄い2次元層804を残し、多数
の3次元的な島構造805に凝集する。この島構造80
5においては、格子定数が基板のものからずれること
で、歪みが緩和している。
【0005】この相転移は、よく知られているように、
成長層の自由エネルギーを最小化する作用に基づくもの
である。具体的には、表面エネルギーと結晶歪みとのバ
ランスで決定される。そして、ミスフィット転位という
結晶欠陥による歪み緩和がおこらない範囲に、結晶歪み
を制御することで得た島構造は、コヒーレント島と呼ば
れる。そして、図8(c)に示すように、以上のことに
より得たコヒーレント島からなる島構造805上に、バ
リア層806を形成すれば、その島構造805からなる
量子箱が得られる。上述したことが、量子箱の「SKモ
ード自己形成法」として最近脚光を浴びている一連の手
法である。
成長層の自由エネルギーを最小化する作用に基づくもの
である。具体的には、表面エネルギーと結晶歪みとのバ
ランスで決定される。そして、ミスフィット転位という
結晶欠陥による歪み緩和がおこらない範囲に、結晶歪み
を制御することで得た島構造は、コヒーレント島と呼ば
れる。そして、図8(c)に示すように、以上のことに
より得たコヒーレント島からなる島構造805上に、バ
リア層806を形成すれば、その島構造805からなる
量子箱が得られる。上述したことが、量子箱の「SKモ
ード自己形成法」として最近脚光を浴びている一連の手
法である。
【0006】例えば、傾斜していない(100)面基板
上に、MBE法を用い、低い基板温度で成長速度を遅く
してV族原子安定化条件で成長を行えば、極微細かつ高
密度な量子箱、すなわち、コヒーレント島が得られる。
この場合、(100)面を主面とした基板を用いること
により、基板上のステップ密度が最小となり、微小島形
成が起きやすくなる。また、低い基板温度とV族原子安
定化条件により、微小島が安定に成長する。そして、低
い基板温度で成長速度を遅くすることにより、原料の表
面マイグレーション長が小さくなり、高密度で微小なコ
ヒーレント島を発生させるのに役立つ。
上に、MBE法を用い、低い基板温度で成長速度を遅く
してV族原子安定化条件で成長を行えば、極微細かつ高
密度な量子箱、すなわち、コヒーレント島が得られる。
この場合、(100)面を主面とした基板を用いること
により、基板上のステップ密度が最小となり、微小島形
成が起きやすくなる。また、低い基板温度とV族原子安
定化条件により、微小島が安定に成長する。そして、低
い基板温度で成長速度を遅くすることにより、原料の表
面マイグレーション長が小さくなり、高密度で微小なコ
ヒーレント島を発生させるのに役立つ。
【0007】そして、分子線エピタキシー(MBE)法
と有機金属気相成長法(MOVPE)などの、高品質な
半導体微小へテロ構造を実現可能な結晶成長法を用いれ
ば、上述した構成の量子箱が実現できる。なお、低い基
板温度で成長を行う場合、MBE法はMOVPE法に比
べて原料の基板表面での分解の制限を受けにくいため、
高品質な量子箱形成に有利である。例えば、MBE法を
用い、図8で説明した手法で製造したInAs/GaA
s量子箱構造からは、極低温における0次元閉じこめ励
起子からの発光が検出されるなど、興味深い現象が観察
されている。上述した「SKモード自己形成法」による
量子箱構造では、材料,膜厚,歪み量,成長条件などを
変化させることで、エネルギー準位,箱密度,間隔など
をある程度制御できる。さらに、基板の面方位やオフ角
によっては、量子箱が特定の方向に整列性を有すると共
に、密度や均一性も高まる現象が報告されている。
と有機金属気相成長法(MOVPE)などの、高品質な
半導体微小へテロ構造を実現可能な結晶成長法を用いれ
ば、上述した構成の量子箱が実現できる。なお、低い基
板温度で成長を行う場合、MBE法はMOVPE法に比
べて原料の基板表面での分解の制限を受けにくいため、
高品質な量子箱形成に有利である。例えば、MBE法を
用い、図8で説明した手法で製造したInAs/GaA
s量子箱構造からは、極低温における0次元閉じこめ励
起子からの発光が検出されるなど、興味深い現象が観察
されている。上述した「SKモード自己形成法」による
量子箱構造では、材料,膜厚,歪み量,成長条件などを
変化させることで、エネルギー準位,箱密度,間隔など
をある程度制御できる。さらに、基板の面方位やオフ角
によっては、量子箱が特定の方向に整列性を有すると共
に、密度や均一性も高まる現象が報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように優れた性質
を有する、化合物半導体歪み膜の結晶成長中に自己組織
的に生じる量子箱構造であるが、これを各種電子・光デ
バイスに適用するためには、以下に示すように、解決し
なければならない重大な問題点があった。第1の問題
は、量子箱の均一性がなお不十分なことである。サイズ
バラツキだけをとっても、10%以内でなければならな
いことが予測されているが、実際にはそれを遥かに越え
るものしか得られていなかった。さらに、組成や歪み量
のバラツキも、量子箱間の準位の均一性を悪化させてい
た。
を有する、化合物半導体歪み膜の結晶成長中に自己組織
的に生じる量子箱構造であるが、これを各種電子・光デ
バイスに適用するためには、以下に示すように、解決し
なければならない重大な問題点があった。第1の問題
は、量子箱の均一性がなお不十分なことである。サイズ
バラツキだけをとっても、10%以内でなければならな
いことが予測されているが、実際にはそれを遥かに越え
るものしか得られていなかった。さらに、組成や歪み量
のバラツキも、量子箱間の準位の均一性を悪化させてい
た。
【0009】第2の問題は、量子箱が自己形成される位
置が、本質的にランダムに決定され、制御性を持たない
ことがある。箱密度や間隔が局所的に揺らいでいること
は、量子箱を活性層とした光デバイスが、既存のデバイ
スを越える性能を発揮することへの障害となっていた。
さらに、個々の量子箱をセルとしたメモリ素子、あるい
は、量子箱間のトンネル効果を利用した電子素子を実現
させるためには、基板上の所定の位置に量子箱を形成さ
せる技術が必要であった。従来より、窓開け選択成長,
V溝などのパターン加工基板,原子ステップや転位線の
利用などにより、特定の狭い領域あるいは線上に量子箱
形成領域を限る試みがなされている。しかし、それらの
試みでは、量子箱形成位置のランダムさを本質的に解決
することはなし得なかった。
置が、本質的にランダムに決定され、制御性を持たない
ことがある。箱密度や間隔が局所的に揺らいでいること
は、量子箱を活性層とした光デバイスが、既存のデバイ
スを越える性能を発揮することへの障害となっていた。
さらに、個々の量子箱をセルとしたメモリ素子、あるい
は、量子箱間のトンネル効果を利用した電子素子を実現
させるためには、基板上の所定の位置に量子箱を形成さ
せる技術が必要であった。従来より、窓開け選択成長,
V溝などのパターン加工基板,原子ステップや転位線の
利用などにより、特定の狭い領域あるいは線上に量子箱
形成領域を限る試みがなされている。しかし、それらの
試みでは、量子箱形成位置のランダムさを本質的に解決
することはなし得なかった。
【0010】ここで、SKモード成長において、量子箱
=コヒーレント島の形成位置が、なぜランダムに決定さ
れるのかを説明する。最近の研究によれば、島の形成は
歪み薄膜における局所的な歪み場の揺らぎ、具体的に
は、微小島の膜厚の揺らぎに支配されていることが明ら
かにされつつある。ここで、図9を用いて、その状況を
説明する。この図9は、GaAsなどのIII−V族化
合物半導体の結晶成長で、一般的なV族原子安定化条件
における成長の微視的モデルを示したものである。II
I族原子面901とV族原子面902とが交互に積層さ
れた状態で、V族原子面902である成長表面上におい
ては、吸着III族原子(III)903が自由にマイ
グレーションしている。これが、III族原子分子90
4と核形成を起こして核905を形成し、それが発展し
て微小島906となる。
=コヒーレント島の形成位置が、なぜランダムに決定さ
れるのかを説明する。最近の研究によれば、島の形成は
歪み薄膜における局所的な歪み場の揺らぎ、具体的に
は、微小島の膜厚の揺らぎに支配されていることが明ら
かにされつつある。ここで、図9を用いて、その状況を
説明する。この図9は、GaAsなどのIII−V族化
合物半導体の結晶成長で、一般的なV族原子安定化条件
における成長の微視的モデルを示したものである。II
I族原子面901とV族原子面902とが交互に積層さ
れた状態で、V族原子面902である成長表面上におい
ては、吸着III族原子(III)903が自由にマイ
グレーションしている。これが、III族原子分子90
4と核形成を起こして核905を形成し、それが発展し
て微小島906となる。
【0011】微小島906は、あくまで準安定な状態で
あり、高い基板温度や成長中断下においては、分解消滅
することもある。また、微小島906は3次元的に凸の
形状となっているが、これは非常に微小であり、結晶成
長における平坦化作用のため高さ数原子層未満に留ま
る。従って、この、微小島906が存在しても、全体的
には2次元的状態と見なされる。この微小島906は、
歪みの有無に関わらず形成されるが、歪み膜成長の際に
おいては、まだ歪みの緩和は生じていないので、SKモ
ード相転移以前の状態と考えられている。ところが、歪
み膜の成長を続け、微小島906が成長し、そこでの局
所歪みが臨界点を超えた場合、ついに歪みが緩和し、コ
ヒーレント島907に変化する。この場合、歪みが微小
島906のところで局所的に大きくなることにより、比
較的薄い歪み膜でSKモード相転移が生じてしまう。
あり、高い基板温度や成長中断下においては、分解消滅
することもある。また、微小島906は3次元的に凸の
形状となっているが、これは非常に微小であり、結晶成
長における平坦化作用のため高さ数原子層未満に留ま
る。従って、この、微小島906が存在しても、全体的
には2次元的状態と見なされる。この微小島906は、
歪みの有無に関わらず形成されるが、歪み膜成長の際に
おいては、まだ歪みの緩和は生じていないので、SKモ
ード相転移以前の状態と考えられている。ところが、歪
み膜の成長を続け、微小島906が成長し、そこでの局
所歪みが臨界点を超えた場合、ついに歪みが緩和し、コ
ヒーレント島907に変化する。この場合、歪みが微小
島906のところで局所的に大きくなることにより、比
較的薄い歪み膜でSKモード相転移が生じてしまう。
【0012】以上示したように、SKモード成長におけ
るコヒーレント島の形成は、局所的な歪み場の揺らぎの
位置に形成されるため、その形成位置は、本質的にラン
ダムに決定されて制御性を持たない。このため、前述し
たように、従来では、均一な量子箱構造が得られていな
く、各種電子・光デバイスに実用的に適用できていない
という問題があった。この発明は、以上のような問題点
を解消するためになされたものであり、各種電子・光デ
バイスに実用的に適用できる、均一な量子箱構造が得ら
れるようにすることを目的とする。
るコヒーレント島の形成は、局所的な歪み場の揺らぎの
位置に形成されるため、その形成位置は、本質的にラン
ダムに決定されて制御性を持たない。このため、前述し
たように、従来では、均一な量子箱構造が得られていな
く、各種電子・光デバイスに実用的に適用できていない
という問題があった。この発明は、以上のような問題点
を解消するためになされたものであり、各種電子・光デ
バイスに実用的に適用できる、均一な量子箱構造が得ら
れるようにすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体量子構
造は、まず、半導体基板主面上に形成された複数の凸状
の部分からなり、凸状の部分上に局所的に歪みを導入す
る歪み導入層を備えた。また、歪み導入層を埋め込むよ
うに半導体基板上に形成され、半導体基板に格子整合す
る材料から構成されたバリア層を備えた。そして、バリ
ア層を介して、凸状の部分の上に配置された量子箱とな
る凸状の領域と、その凸状の領域より膜厚の薄い濡れ層
とからなり、半導体基板とは格子定数が異なる材料から
構成された半導体層を備えるようにした。このように構
成したので、歪み導入層の凸状の部分を、例えば正方格
子状に規則正しく配列させておけば、量子箱も正方格子
状に規則正しく配列した状態となる。また、この発明の
半導体量子構造の製造方法は、まず、半導体基板主面上
に、複数の凸状の部分からなり、凸状の部分の上に局所
的に歪みを導入する歪み導入層を形成する。次いで、歪
み導入層上を埋め込むように、半導体基板上に半導体基
板に格子整合する材料から構成されたバリア層を形成す
る。そして、半導体基板とは格子定数が異なる材料をそ
のバリア層上に成長し、凸状の部分上に前記バリア層を
介して配置した量子箱となる凸状の領域と、その凸状の
領域より膜厚の薄い濡れ層とからなる半導体層を形成す
るようにした。従って、歪み導入層の凸状の部分を、例
えば正方格子状に規則正しく配列して形成すれば、量子
箱も正方格子状に規則正しく配列した状態に形成され
る。
造は、まず、半導体基板主面上に形成された複数の凸状
の部分からなり、凸状の部分上に局所的に歪みを導入す
る歪み導入層を備えた。また、歪み導入層を埋め込むよ
うに半導体基板上に形成され、半導体基板に格子整合す
る材料から構成されたバリア層を備えた。そして、バリ
ア層を介して、凸状の部分の上に配置された量子箱とな
る凸状の領域と、その凸状の領域より膜厚の薄い濡れ層
とからなり、半導体基板とは格子定数が異なる材料から
構成された半導体層を備えるようにした。このように構
成したので、歪み導入層の凸状の部分を、例えば正方格
子状に規則正しく配列させておけば、量子箱も正方格子
状に規則正しく配列した状態となる。また、この発明の
半導体量子構造の製造方法は、まず、半導体基板主面上
に、複数の凸状の部分からなり、凸状の部分の上に局所
的に歪みを導入する歪み導入層を形成する。次いで、歪
み導入層上を埋め込むように、半導体基板上に半導体基
板に格子整合する材料から構成されたバリア層を形成す
る。そして、半導体基板とは格子定数が異なる材料をそ
のバリア層上に成長し、凸状の部分上に前記バリア層を
介して配置した量子箱となる凸状の領域と、その凸状の
領域より膜厚の薄い濡れ層とからなる半導体層を形成す
るようにした。従って、歪み導入層の凸状の部分を、例
えば正方格子状に規則正しく配列して形成すれば、量子
箱も正方格子状に規則正しく配列した状態に形成され
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は、この発明の実施の形態にお
ける半導体量子構造の製造方法を示す説明図である。こ
の実施の形態においては、図1(a)に示すように、ま
ず半導体基板101上に、微小な凸状の部分からなる歪
み導入体102を格子配列にて配置する。次に、半導体
基板101に格子整合した半導体材料からなるバッファ
層103を形成し、これで歪み導入体102を完全に埋
め込む。次に、結晶成長装置中で、以下の工程を連続的
に行う。まず、半導体基板101にほぼ格子整合する障
壁材料層(バリア層)104を、バッファ層103上に
成長する。引き続いて、このバリア層104上に歪み量
子井戸層105を成長する。
参照して説明する。図1は、この発明の実施の形態にお
ける半導体量子構造の製造方法を示す説明図である。こ
の実施の形態においては、図1(a)に示すように、ま
ず半導体基板101上に、微小な凸状の部分からなる歪
み導入体102を格子配列にて配置する。次に、半導体
基板101に格子整合した半導体材料からなるバッファ
層103を形成し、これで歪み導入体102を完全に埋
め込む。次に、結晶成長装置中で、以下の工程を連続的
に行う。まず、半導体基板101にほぼ格子整合する障
壁材料層(バリア層)104を、バッファ層103上に
成長する。引き続いて、このバリア層104上に歪み量
子井戸層105を成長する。
【0015】このとき、図1(a)に示すように、歪み
導入体102上には、局所的歪み場102aが形成され
ているため、歪み量子井戸層105のSKモード成長に
よるコヒーレント島の形成は、その局所的歪み場102
a上において選択的に行われる。この結果、図1(b)
に示すように、非常に薄い濡れ層106を伴って凸状の
コヒーレント島(凸状の領域)107が形成される。そ
して、この上に、バリア層108を形成することで、コ
ヒーレント島107からなる量子箱構造が形成される。
なお、バッファ層103は必ず必要なものではなく、バ
リア層104を半導体基板101上に形成し、このバリ
ア層104で歪み導入体102を埋め込むようにしても
よい。
導入体102上には、局所的歪み場102aが形成され
ているため、歪み量子井戸層105のSKモード成長に
よるコヒーレント島の形成は、その局所的歪み場102
a上において選択的に行われる。この結果、図1(b)
に示すように、非常に薄い濡れ層106を伴って凸状の
コヒーレント島(凸状の領域)107が形成される。そ
して、この上に、バリア層108を形成することで、コ
ヒーレント島107からなる量子箱構造が形成される。
なお、バッファ層103は必ず必要なものではなく、バ
リア層104を半導体基板101上に形成し、このバリ
ア層104で歪み導入体102を埋め込むようにしても
よい。
【0016】ところで、図9を用いて説明したように、
SKモード成長におけるコヒーレント島の形成は、局所
的な歪み場の揺らぎの位置に形成される。この、SKモ
ード成長の過程にみられる微小島や膜厚揺らぎの発生
は、MBEやMOVPEなどの成長法や、それら成長時
における原料供給量および基板温度、加えて、成長させ
る基板の面方位などによって、大きく影響される。この
ため、同じ基板と同じ材料で、同じ膜厚の成長を行って
も、次に示すように、成長条件が異なれば全く異なった
SKモード成長結果が得られる。
SKモード成長におけるコヒーレント島の形成は、局所
的な歪み場の揺らぎの位置に形成される。この、SKモ
ード成長の過程にみられる微小島や膜厚揺らぎの発生
は、MBEやMOVPEなどの成長法や、それら成長時
における原料供給量および基板温度、加えて、成長させ
る基板の面方位などによって、大きく影響される。この
ため、同じ基板と同じ材料で、同じ膜厚の成長を行って
も、次に示すように、成長条件が異なれば全く異なった
SKモード成長結果が得られる。
【0017】すなわち、微小島などの局所的な歪みの揺
らぎを排除することで、SKモードの2次元3次元相転
移(島形成)の発生を押さえ、比較的厚くしかも高品質
な歪み量子井戸を得る状態である。すなわち、この成長
条件では、コヒーレント島が得られない。すなわち、図
2に示すように、III族原子面201上のV族原子面
202上に原子ステップ208上が高密度で存在する場
合、吸着III族原子203は核を形成する前に原子ス
テップ208に取り込まれる確率が高くなる。この、ス
テップのみでの成長が起きるようにすれば、成長表面は
平坦に保たれる。従って、ステップのみで成長が起きる
ようにした場合では、歪み膜成長時には膜全体で歪みが
一様になるので、かなり厚い膜厚までSKモード相転移
を起こしにくくできる。
らぎを排除することで、SKモードの2次元3次元相転
移(島形成)の発生を押さえ、比較的厚くしかも高品質
な歪み量子井戸を得る状態である。すなわち、この成長
条件では、コヒーレント島が得られない。すなわち、図
2に示すように、III族原子面201上のV族原子面
202上に原子ステップ208上が高密度で存在する場
合、吸着III族原子203は核を形成する前に原子ス
テップ208に取り込まれる確率が高くなる。この、ス
テップのみでの成長が起きるようにすれば、成長表面は
平坦に保たれる。従って、ステップのみで成長が起きる
ようにした場合では、歪み膜成長時には膜全体で歪みが
一様になるので、かなり厚い膜厚までSKモード相転移
を起こしにくくできる。
【0018】このステップのみで成長を起こさせる具体
的な実現方法は、ステップ間隔の狭い傾斜基板を用いる
方法がある。また、その他の実現方法として、前述した
MOVPE法などにおいて、基板温度を高くしておく方
法がある。そして、「surfactant」成長法を
利用することで、ステップのみでの成長を起こさせるこ
とができる。基板温度を高くしておく方法では、吸着原
子のマイグレーションを高め、ステップに取り込まれる
までの時間を短くすることで、ステップのみでの成長を
起こさせるようにできる。
的な実現方法は、ステップ間隔の狭い傾斜基板を用いる
方法がある。また、その他の実現方法として、前述した
MOVPE法などにおいて、基板温度を高くしておく方
法がある。そして、「surfactant」成長法を
利用することで、ステップのみでの成長を起こさせるこ
とができる。基板温度を高くしておく方法では、吸着原
子のマイグレーションを高め、ステップに取り込まれる
までの時間を短くすることで、ステップのみでの成長を
起こさせるようにできる。
【0019】そして、膜成長時の基板温度を高くしてお
くことで、核の形成により微小島が生じても、それを熱
分解させる作用も期待できる。そして、場合によって
は、基板温度がある温度を超えた状態で膜成長を行う
と、微小島が全く生じないようにすることもできる。一
方、「surfactant」成長法、とくに「sur
factant mediated epitaxy」
法では、成長表面をTeなどの偏析性の高い「surf
actant」で被覆し、3次元化に伴う表面エネルギ
ーの増加を強調することによって、島発生を抑制するよ
うにしている。
くことで、核の形成により微小島が生じても、それを熱
分解させる作用も期待できる。そして、場合によって
は、基板温度がある温度を超えた状態で膜成長を行う
と、微小島が全く生じないようにすることもできる。一
方、「surfactant」成長法、とくに「sur
factant mediated epitaxy」
法では、成長表面をTeなどの偏析性の高い「surf
actant」で被覆し、3次元化に伴う表面エネルギ
ーの増加を強調することによって、島発生を抑制するよ
うにしている。
【0020】また「surfactant」成長法のな
かには、化合物半導体層の結晶成長において、III族
原子とV族原子の同時供給をやめ、核形成を本質的に排
除する方法もある。MBE法で、GaAs基板上にIn
Asを成長する場合、通常のAs安定化条件では、1原
子層前後で3次元化する。ところが、As原料供給を停
止してIn安定化条件で成長すると、3次元化が起こら
ず、また、ミスフィット転位も4原子層まで発生しない
ことが報告されている(文献:Tournie他、Eu
rophyscs Lett.25(1994)66
6,同じく26(1994)315に訂正)。In安定
下面に吸着したIn原子は、単にマイグレーションが大
きいだけでなく、蒸発脱離までの寿命がきわめて短く、
過剰供給でのドロップレット発生も起こりにくい。この
ため、図2に示すような、基板ステップのみでの成長が
起きているものと考えられる。
かには、化合物半導体層の結晶成長において、III族
原子とV族原子の同時供給をやめ、核形成を本質的に排
除する方法もある。MBE法で、GaAs基板上にIn
Asを成長する場合、通常のAs安定化条件では、1原
子層前後で3次元化する。ところが、As原料供給を停
止してIn安定化条件で成長すると、3次元化が起こら
ず、また、ミスフィット転位も4原子層まで発生しない
ことが報告されている(文献:Tournie他、Eu
rophyscs Lett.25(1994)66
6,同じく26(1994)315に訂正)。In安定
下面に吸着したIn原子は、単にマイグレーションが大
きいだけでなく、蒸発脱離までの寿命がきわめて短く、
過剰供給でのドロップレット発生も起こりにくい。この
ため、図2に示すような、基板ステップのみでの成長が
起きているものと考えられる。
【0021】以上説明したように、SKモード成長にお
いて、局所的な歪みの揺らぎを排除した状態では、島発
生が抑制される。そして、この発明では、このようなS
Kモード成長において、所定の位置によりSKモード成
長における2次元3次元相転移が発生しやすくなる箇所
を設けるようにしたものである。すなわち、基板と同じ
格子定数の上よりも、歪み場がある基板から格子定数が
ずれている場所の方が島の歪み量(自由エネルギー)が
小さくなり、SKモード成長における2次元3次元相転
移がより発生しやすくなる。この歪み場は、例えば、前
述したように、歪み導入体を所定の間隔で配置しておく
ことで、歪み量子井戸層を成長させる下地の所定位置に
用意しておくことができる。
いて、局所的な歪みの揺らぎを排除した状態では、島発
生が抑制される。そして、この発明では、このようなS
Kモード成長において、所定の位置によりSKモード成
長における2次元3次元相転移が発生しやすくなる箇所
を設けるようにしたものである。すなわち、基板と同じ
格子定数の上よりも、歪み場がある基板から格子定数が
ずれている場所の方が島の歪み量(自由エネルギー)が
小さくなり、SKモード成長における2次元3次元相転
移がより発生しやすくなる。この歪み場は、例えば、前
述したように、歪み導入体を所定の間隔で配置しておく
ことで、歪み量子井戸層を成長させる下地の所定位置に
用意しておくことができる。
【0022】ここで、上述したことにより量子箱構造の
形成における重要な点として、コヒーレント島が、歪み
導入体の上以外には形成されないようにしなければなら
ないことが挙げられる。このためには、以下に示す複数
のことが必要となる。まず、第1に、歪み導入体の配列
の最適化が重要である。すなわち、歪み導入体の間隔が
大きすぎると、歪み導入体が下層に形成されていない中
間位置にも、無秩序に島が形成されてしまう。また、量
子箱のサイズを均一にするためには、コヒーレント島に
凝集する材料の量を均一にする必要があるので、歪み導
入体間隔を均一にしておく必要がある。
形成における重要な点として、コヒーレント島が、歪み
導入体の上以外には形成されないようにしなければなら
ないことが挙げられる。このためには、以下に示す複数
のことが必要となる。まず、第1に、歪み導入体の配列
の最適化が重要である。すなわち、歪み導入体の間隔が
大きすぎると、歪み導入体が下層に形成されていない中
間位置にも、無秩序に島が形成されてしまう。また、量
子箱のサイズを均一にするためには、コヒーレント島に
凝集する材料の量を均一にする必要があるので、歪み導
入体間隔を均一にしておく必要がある。
【0023】次に、第2として、図9を用いて説明した
ような、SKモード成長における不規則な場所への核形
成→微小島→コヒーレント島形成の現象を排除すること
が必要となる。このためには、基板や材料および成長条
件などの組み合わせに応じて、種々の対応を選ぶ必要が
ある。まずは、ランダムに発生する微小島がすぐに熱分
解するか、原料種が核形成する前に基板面ステップに取
り込まれてしまうように、高い基板温度で成長する方法
がある。この方法は、ステップ間隔が狭い傾斜基板にお
いてはより有効である。ただし、III族原子の種類に
よっては、高い基板温度では基板からの再蒸発が大きく
なりすぎ、所望の成長が得られない場合もある。このよ
うな場合は、「surfactant」成長法を用い、
核形成を抑制しつつ、かつ低い基板温度で成長する方法
がある。
ような、SKモード成長における不規則な場所への核形
成→微小島→コヒーレント島形成の現象を排除すること
が必要となる。このためには、基板や材料および成長条
件などの組み合わせに応じて、種々の対応を選ぶ必要が
ある。まずは、ランダムに発生する微小島がすぐに熱分
解するか、原料種が核形成する前に基板面ステップに取
り込まれてしまうように、高い基板温度で成長する方法
がある。この方法は、ステップ間隔が狭い傾斜基板にお
いてはより有効である。ただし、III族原子の種類に
よっては、高い基板温度では基板からの再蒸発が大きく
なりすぎ、所望の成長が得られない場合もある。このよ
うな場合は、「surfactant」成長法を用い、
核形成を抑制しつつ、かつ低い基板温度で成長する方法
がある。
【0024】さらに、通常の結晶成長を行い、島形成す
る前に成長を中断し、微小島の熱分解を促進させる方法
もある。いずれにせよ、基板や材料および成長条件など
の組み合わせに応じて、核形成の抑制あるいは微小島の
分解を実現できる技術を適用すればよい。以上のことに
より、図3(a)に示すように、微小なコヒーレント島
が格子整列した状態を形成することが可能となる。これ
に対して、従来のようにSKモード成長のみでコヒーレ
ント島を形成すると、図3(b)に示すように、そのコ
ヒーレント島は、ランダムに形成されてしまう。なお、
この図3は、原子間力顕微鏡により微細なパターンを観
察した結果を示す写真である。
る前に成長を中断し、微小島の熱分解を促進させる方法
もある。いずれにせよ、基板や材料および成長条件など
の組み合わせに応じて、核形成の抑制あるいは微小島の
分解を実現できる技術を適用すればよい。以上のことに
より、図3(a)に示すように、微小なコヒーレント島
が格子整列した状態を形成することが可能となる。これ
に対して、従来のようにSKモード成長のみでコヒーレ
ント島を形成すると、図3(b)に示すように、そのコ
ヒーレント島は、ランダムに形成されてしまう。なお、
この図3は、原子間力顕微鏡により微細なパターンを観
察した結果を示す写真である。
【0025】ところで、歪み導入体としては、次に示す
ように、歪み化合物半導体からなる微小ドットを用いる
ようにしてもよい。例えば、基板に格子整合しない歪み
化合物半導体膜を形成し、これを電子線リソグラフィー
により、断面長100nm以下で所定の配置として形成
した微小ドットが、歪み導入体となる。図4(a)に示
すように、2次元3次元相転移が生じず、また、ミスフ
ィット転位も生じない状態で、基板に格子整合した層4
01上に基板に格子整合しない歪み半導体膜402を成
長した場合、この歪み半導体膜402の面内格子定数は
基板と一致している。この状態では、歪み半導体膜40
2の歪みは、一切緩和していない。ところが、図4
(b)に示すように、この歪み半導体膜402を微細加
工することで、微小ドット403を形成すると、微小ド
ット403の上部では歪みが緩和する。これにより、こ
の微小ドット403は、この上にこの微小ドット403
を埋め込むように成長した半導体層に対し、歪み導入体
となりうる。
ように、歪み化合物半導体からなる微小ドットを用いる
ようにしてもよい。例えば、基板に格子整合しない歪み
化合物半導体膜を形成し、これを電子線リソグラフィー
により、断面長100nm以下で所定の配置として形成
した微小ドットが、歪み導入体となる。図4(a)に示
すように、2次元3次元相転移が生じず、また、ミスフ
ィット転位も生じない状態で、基板に格子整合した層4
01上に基板に格子整合しない歪み半導体膜402を成
長した場合、この歪み半導体膜402の面内格子定数は
基板と一致している。この状態では、歪み半導体膜40
2の歪みは、一切緩和していない。ところが、図4
(b)に示すように、この歪み半導体膜402を微細加
工することで、微小ドット403を形成すると、微小ド
ット403の上部では歪みが緩和する。これにより、こ
の微小ドット403は、この上にこの微小ドット403
を埋め込むように成長した半導体層に対し、歪み導入体
となりうる。
【0026】また、歪み導入体としては、次に示すよう
に、誘電体材料からなる微小ドットを用いるようにして
もよい。これは、誘電体材料自身が歪みを内在している
からである。図5に示すように、基板に格子整合した層
501上に、誘電体からなる微小ドット502を配置形
成すると、微小ドット502が形成されたしたの層50
2を歪ませ、局所歪み場を導入する。このことにより、
この微小ドットを埋め込むように成長した半導体層に対
して、微小ドットが歪み導入体となりうる。
に、誘電体材料からなる微小ドットを用いるようにして
もよい。これは、誘電体材料自身が歪みを内在している
からである。図5に示すように、基板に格子整合した層
501上に、誘電体からなる微小ドット502を配置形
成すると、微小ドット502が形成されたしたの層50
2を歪ませ、局所歪み場を導入する。このことにより、
この微小ドットを埋め込むように成長した半導体層に対
して、微小ドットが歪み導入体となりうる。
【0027】ところで、図2(c)に示すように、局所
的歪み場102aは、バリア層108にも有る。このた
め、このバリア層108上に歪み量子井戸層を形成すれ
ば、局所的歪み場102aの位置に合わせてコヒーレン
ト島が形成されることになる。そして、この上にバリア
層を形成しまた歪み量子井戸層を形成すれば、同様に、
局所的歪み場の位置に合わせてコヒーレント島が形成さ
れる。すなわち、図6に示すように、コヒーレント島は
重畳形成されることになる。
的歪み場102aは、バリア層108にも有る。このた
め、このバリア層108上に歪み量子井戸層を形成すれ
ば、局所的歪み場102aの位置に合わせてコヒーレン
ト島が形成されることになる。そして、この上にバリア
層を形成しまた歪み量子井戸層を形成すれば、同様に、
局所的歪み場の位置に合わせてコヒーレント島が形成さ
れる。すなわち、図6に示すように、コヒーレント島は
重畳形成されることになる。
【0028】
実施例1 以下、この発明の第1の実施例について説明する。この
実施例1においては、InGaAsからなるドットパタ
ーンを歪み導入体として用いた。また、量子箱(コヒー
レント島)形成の材料としてInAsを用いるようにし
た。III−V族化合物半導体であるInAsは、同じ
くIII−V族化合物半導体であるInP基板に対し
3.2%の大きな格子不整合を有している。このため、
InP上に成長したInAsには圧縮歪みが生じる。M
BE法により、InP基板上にまずそれに格子整合した
InAlAsからなるバリア層を成長し、その上にIn
As層を成長すると、InAs層は、典型的なSKモー
ドで成長するので、量子箱の形成が期待できる。
実施例1においては、InGaAsからなるドットパタ
ーンを歪み導入体として用いた。また、量子箱(コヒー
レント島)形成の材料としてInAsを用いるようにし
た。III−V族化合物半導体であるInAsは、同じ
くIII−V族化合物半導体であるInP基板に対し
3.2%の大きな格子不整合を有している。このため、
InP上に成長したInAsには圧縮歪みが生じる。M
BE法により、InP基板上にまずそれに格子整合した
InAlAsからなるバリア層を成長し、その上にIn
As層を成長すると、InAs層は、典型的なSKモー
ドで成長するので、量子箱の形成が期待できる。
【0029】以下より詳細に、この実施例1に関して説
明する。まず、図7(a)に示すように、InPからな
る0.5度微傾斜(100)面を有する基板701上
に、MBE法により厚さ10nmのIn0.7Ga0.3As
からなる層702を結晶成長した。この結晶成長に用い
たMBE装置は、一般的なクヌーセンセルを備えたもの
で、固体のIn,Ga,Al、そしてAsを原料ソース
とした。また、結晶成長時の基板温度は600℃とし
た。In0.7Ga0.3AsはInPに対し1.5%の格子
不整合を有するため、形成した層702は内部に圧縮歪
みを有している。そして、この上に、電子ビームレジス
ト膜703(ZEP−520)を0.2μmの厚さに塗
布した。
明する。まず、図7(a)に示すように、InPからな
る0.5度微傾斜(100)面を有する基板701上
に、MBE法により厚さ10nmのIn0.7Ga0.3As
からなる層702を結晶成長した。この結晶成長に用い
たMBE装置は、一般的なクヌーセンセルを備えたもの
で、固体のIn,Ga,Al、そしてAsを原料ソース
とした。また、結晶成長時の基板温度は600℃とし
た。In0.7Ga0.3AsはInPに対し1.5%の格子
不整合を有するため、形成した層702は内部に圧縮歪
みを有している。そして、この上に、電子ビームレジス
ト膜703(ZEP−520)を0.2μmの厚さに塗
布した。
【0030】次いで、図7(b)に示すように、電子線
リソグラフィーにより、電子ビームレジストからなるマ
スクパターン703aを形成した。このマスクパターン
703aは、図7(f)に示すように、120nm間隔
で正方格子状に配列し、一辺は70nmのサイズとし
た。次に、図7(c)に示すように、マスクパターン7
03aをマスクとして、層702を選択的にエッチング
除去した。このエッチングでは、硫酸:過酸化水素:水
の混合液を用いたウエットエッチングを用いた。この結
果、高さ10nmの微小円柱状の歪み導入体704が形
成された。この歪み導入体704の径は、ウエットエッ
チングの時の再度エッチングにより、マスクパターン7
03aより小さくなり、50nmであった。しかし、そ
の配列は、マスクパターン703aと同一となった。
リソグラフィーにより、電子ビームレジストからなるマ
スクパターン703aを形成した。このマスクパターン
703aは、図7(f)に示すように、120nm間隔
で正方格子状に配列し、一辺は70nmのサイズとし
た。次に、図7(c)に示すように、マスクパターン7
03aをマスクとして、層702を選択的にエッチング
除去した。このエッチングでは、硫酸:過酸化水素:水
の混合液を用いたウエットエッチングを用いた。この結
果、高さ10nmの微小円柱状の歪み導入体704が形
成された。この歪み導入体704の径は、ウエットエッ
チングの時の再度エッチングにより、マスクパターン7
03aより小さくなり、50nmであった。しかし、そ
の配列は、マスクパターン703aと同一となった。
【0031】そして、これらを再び上述したMBE装置
に導入し、歪み導入体704を含む基板701上に、以
下の結晶成長を行った。まず、基板温度を550℃と
し、In0.52Al0.48Asの薄膜を膜厚50nmに成長
した。この結果、図7(d)に示すように、歪み導入体
704を埋め込み、表面が平坦化されたバリア層705
が形成された。このバリア層705は、基板701に格
子整合し、かつ量子閉じ込めのバリアとなる。続いて、
バリア層705上にInAs歪み薄膜を成長した。この
とき、基板温度を400℃に下げ、成長開始と同時にA
s原料の供給を停止した。この結果、図7(e)に示す
ように、濡れ層706を伴ったコヒーレント島707
が、歪み導入体704形成位置に一致して形成された。
に導入し、歪み導入体704を含む基板701上に、以
下の結晶成長を行った。まず、基板温度を550℃と
し、In0.52Al0.48Asの薄膜を膜厚50nmに成長
した。この結果、図7(d)に示すように、歪み導入体
704を埋め込み、表面が平坦化されたバリア層705
が形成された。このバリア層705は、基板701に格
子整合し、かつ量子閉じ込めのバリアとなる。続いて、
バリア層705上にInAs歪み薄膜を成長した。この
とき、基板温度を400℃に下げ、成長開始と同時にA
s原料の供給を停止した。この結果、図7(e)に示す
ように、濡れ層706を伴ったコヒーレント島707
が、歪み導入体704形成位置に一致して形成された。
【0032】このInAs歪み膜成長において、As原
料の供給を停止したことにより、結晶成長雰囲気におけ
るAs圧は、As原料供給時より2桁程度減少したと見
られる。そして、このときの結晶成長面の反射高エネル
ギー電子回折(RHEED)像は、In安定化面特有の
4×2パターンに変化した。そして、InAsを9原子
層分成長したところで、In原料の供給も停止して成長
を終了した。この終了時のRHEED像には、コヒーレ
ント島構造の発生を示すスポットが見られた。ここで、
As原料の供給停止の目的は、前述の通り、歪み導入体
704形成上部以外の領域における核形成、つまり微小
島の発生を抑制することである。
料の供給を停止したことにより、結晶成長雰囲気におけ
るAs圧は、As原料供給時より2桁程度減少したと見
られる。そして、このときの結晶成長面の反射高エネル
ギー電子回折(RHEED)像は、In安定化面特有の
4×2パターンに変化した。そして、InAsを9原子
層分成長したところで、In原料の供給も停止して成長
を終了した。この終了時のRHEED像には、コヒーレ
ント島構造の発生を示すスポットが見られた。ここで、
As原料の供給停止の目的は、前述の通り、歪み導入体
704形成上部以外の領域における核形成、つまり微小
島の発生を抑制することである。
【0033】以上の結果得られた、バリア層705上の
コヒーレント島707の状態をSEMにより観察したと
ころ、埋め込まれた歪み導入体704の配列通りに、I
nAsからなるコヒーレント島707の配列が形成され
ていた。観察した5μm×5μmの広い領域にわたっ
て、全てのコヒーレント島707は周期120nmの格
子に配列しており、その格子の格子点を外れたところに
は、島の形成はみられなかった。個々のコヒーレント島
は、観察の結果、高さ10nmで底辺の直径40nmの
円盤状であり、そのサイズのばらつきは10%未満であ
った。そして、このコヒーレント島上にバリア層を形成
すれば、コヒーレント島からなる量子箱構造が完成す
る。
コヒーレント島707の状態をSEMにより観察したと
ころ、埋め込まれた歪み導入体704の配列通りに、I
nAsからなるコヒーレント島707の配列が形成され
ていた。観察した5μm×5μmの広い領域にわたっ
て、全てのコヒーレント島707は周期120nmの格
子に配列しており、その格子の格子点を外れたところに
は、島の形成はみられなかった。個々のコヒーレント島
は、観察の結果、高さ10nmで底辺の直径40nmの
円盤状であり、そのサイズのばらつきは10%未満であ
った。そして、このコヒーレント島上にバリア層を形成
すれば、コヒーレント島からなる量子箱構造が完成す
る。
【0034】比較例1以下、上述した実施例1に対する
比較例1として、歪み導入体を形成せずに、バリア層上
にInAs歪み薄膜を成長するようにした。この結果、
形成されたInAs歪み薄膜の表面は平坦で、島構造は
ひとつも生じていなかった。前述したように、このIn
As歪み薄膜の成長では、In安定化条件で行うように
したので、核形成が抑圧されることにより、不規則な量
子箱の発生も抑圧され、一様な厚さ9原子層のInAs
歪み膜厚が形成されたと考えられる。従って、この比較
例の結果からも明らかなように、実施例1で形成した埋
め込まれた歪み導入体による局所的歪み場が、一様なI
nAs歪み薄膜を量子箱配列に変える原動力になってい
ることを示している。
比較例1として、歪み導入体を形成せずに、バリア層上
にInAs歪み薄膜を成長するようにした。この結果、
形成されたInAs歪み薄膜の表面は平坦で、島構造は
ひとつも生じていなかった。前述したように、このIn
As歪み薄膜の成長では、In安定化条件で行うように
したので、核形成が抑圧されることにより、不規則な量
子箱の発生も抑圧され、一様な厚さ9原子層のInAs
歪み膜厚が形成されたと考えられる。従って、この比較
例の結果からも明らかなように、実施例1で形成した埋
め込まれた歪み導入体による局所的歪み場が、一様なI
nAs歪み薄膜を量子箱配列に変える原動力になってい
ることを示している。
【0035】実施例2 以下、この発明の第2の実施例について説明する。ま
ず、GaAsからなる微傾斜(100)面を有する基板
上に、内部に引っ張り応力を持つSiNからなる歪み導
入体を250nm間隔の正方格子に配列形成した。引っ
張り応力のSiNの膜形成では、高周波プラズマCVD
法を用い、基板温度350℃,プラズマ出力を100W
とした。この条件で5×109dyn・cm-2の引っ張
り応力、比屈折率1.87のSiNの膜が得られる。内
部歪みはSiN膜の化学量論的組成がSi3N4からずれ
ることに起因している。SiN膜が厚いほど導入する歪
み量も大きくできるが、厚すぎると半導体に転位や結晶
欠陥を導入してしまう。本例では適切な厚さとして20
nmを選んだ。
ず、GaAsからなる微傾斜(100)面を有する基板
上に、内部に引っ張り応力を持つSiNからなる歪み導
入体を250nm間隔の正方格子に配列形成した。引っ
張り応力のSiNの膜形成では、高周波プラズマCVD
法を用い、基板温度350℃,プラズマ出力を100W
とした。この条件で5×109dyn・cm-2の引っ張
り応力、比屈折率1.87のSiNの膜が得られる。内
部歪みはSiN膜の化学量論的組成がSi3N4からずれ
ることに起因している。SiN膜が厚いほど導入する歪
み量も大きくできるが、厚すぎると半導体に転位や結晶
欠陥を導入してしまう。本例では適切な厚さとして20
nmを選んだ。
【0036】そして、このSiN膜を電子ビームリソグ
ラフィー技術により加工し、SiNからなる歪み導入体
を形成した。この形成において、レジストパターをマス
クとしたエッチングは、C2F6ガスを用いたRFプラズ
マ反応性イオンエッチングにより行った。加えて、これ
らを、純水で希釈した弗酸にその温度を20℃に保った
状態で軽く浸すことで、直径60nmの歪み導入体を形
成し、それ以外の領域のSiN膜を完全に除去した。そ
の後レジストパターンを完全に除去した。
ラフィー技術により加工し、SiNからなる歪み導入体
を形成した。この形成において、レジストパターをマス
クとしたエッチングは、C2F6ガスを用いたRFプラズ
マ反応性イオンエッチングにより行った。加えて、これ
らを、純水で希釈した弗酸にその温度を20℃に保った
状態で軽く浸すことで、直径60nmの歪み導入体を形
成し、それ以外の領域のSiN膜を完全に除去した。そ
の後レジストパターンを完全に除去した。
【0037】この上に、MOVPE法により次の成長を
行った。まず基板温度を750℃とし、GaAsからな
るバッファ層を10nm成長した。続いて、このバッフ
ァ層上に、Al0.5Ga0.5Asからなる下部バリア層を
50nm成長した。この工程でSiNからなる歪み導入
体は完全に埋め込まれた。さらに、形成された下部バリ
ア層の表面はほぼ平坦化された。続いて、下部バリア層
上にGaAsからなるキャップ層を10nm成長した
後、成長を終了した。このMOVPE成長では、減圧条
件で水素をキャリアガスとして用い、原料ガスとしてト
リメチルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,ア
ルシンを使用した。
行った。まず基板温度を750℃とし、GaAsからな
るバッファ層を10nm成長した。続いて、このバッフ
ァ層上に、Al0.5Ga0.5Asからなる下部バリア層を
50nm成長した。この工程でSiNからなる歪み導入
体は完全に埋め込まれた。さらに、形成された下部バリ
ア層の表面はほぼ平坦化された。続いて、下部バリア層
上にGaAsからなるキャップ層を10nm成長した
後、成長を終了した。このMOVPE成長では、減圧条
件で水素をキャリアガスとして用い、原料ガスとしてト
リメチルガリウム,トリメチルアルミニウム,及び,ア
ルシンを使用した。
【0038】次いで、MBE法により、基板温度600
℃として次に示す成長を行った。まず、キャップ層上に
Al0.5Ga0.5Asからなるバリア層を30nm成長し
た。ここで、このように、下部バリア層,キャップ層,
バリア層と形成していくのは、次に示すことを理由とし
ている。すなわち、MOVPEによる成膜の後、一度大
気に触れてから、MBEによる成膜を行う。このため、
アルミニウムを含む層表面には自然酸化膜が形成され、
この上には歪み層を直接形成できない。このため、MO
VPE法による成膜で、下部バリア層およびその上にキ
ャップ層を形成した状態としておく必要がある。以上示
したように、MBEの形成段階において、キャップ層上
に再度バリア層を形成したら、引き続き、In0.3Ga
0.7As歪み層を12原子層成長し、そこで成長を終了
した。
℃として次に示す成長を行った。まず、キャップ層上に
Al0.5Ga0.5Asからなるバリア層を30nm成長し
た。ここで、このように、下部バリア層,キャップ層,
バリア層と形成していくのは、次に示すことを理由とし
ている。すなわち、MOVPEによる成膜の後、一度大
気に触れてから、MBEによる成膜を行う。このため、
アルミニウムを含む層表面には自然酸化膜が形成され、
この上には歪み層を直接形成できない。このため、MO
VPE法による成膜で、下部バリア層およびその上にキ
ャップ層を形成した状態としておく必要がある。以上示
したように、MBEの形成段階において、キャップ層上
に再度バリア層を形成したら、引き続き、In0.3Ga
0.7As歪み層を12原子層成長し、そこで成長を終了
した。
【0039】III−V族化合物半導体であるIn0.3
Ga0.7Asは、同じくGaAs基板に対し2.2%の
大きな格子不整合を有し、GaAs上に成長したIn
0.3Ga0 .7Asには圧縮歪みが生じる。MBE法によ
り、GaAs基板上にまずそれに格子整合したAlGa
Asバリア層を成長し、その上にIn0.3Ga0.7Asを
成長すると、In0.3Ga0.7Asは、典型的なSKモー
ドで成長するので、量子箱の形成が期待できる。そし
て、この歪み層の成長においては、前述した実施例1と
は異なる手法を用いた。すなわち、InGaAs層の成
長は、As原料は供給したままのAs安定化条件で行っ
た。また、核形成に伴う微小島発生の抑制には、高い基
板温度と、基板の微傾斜を用いた。この基板の傾斜に関
しては、[0−11]方向に2度傾斜させることで、ス
テップ間隔を約10nmまで狭めた。これらの条件は、
後述するように、歪み導入体が形成されている格子点以
外への、コヒーレント島形成の抑圧に効果的であった。
Ga0.7Asは、同じくGaAs基板に対し2.2%の
大きな格子不整合を有し、GaAs上に成長したIn
0.3Ga0 .7Asには圧縮歪みが生じる。MBE法によ
り、GaAs基板上にまずそれに格子整合したAlGa
Asバリア層を成長し、その上にIn0.3Ga0.7Asを
成長すると、In0.3Ga0.7Asは、典型的なSKモー
ドで成長するので、量子箱の形成が期待できる。そし
て、この歪み層の成長においては、前述した実施例1と
は異なる手法を用いた。すなわち、InGaAs層の成
長は、As原料は供給したままのAs安定化条件で行っ
た。また、核形成に伴う微小島発生の抑制には、高い基
板温度と、基板の微傾斜を用いた。この基板の傾斜に関
しては、[0−11]方向に2度傾斜させることで、ス
テップ間隔を約10nmまで狭めた。これらの条件は、
後述するように、歪み導入体が形成されている格子点以
外への、コヒーレント島形成の抑圧に効果的であった。
【0040】以上示したことにより、バリア層上には、
規則正しく格子配列されたコヒーレント島が濡れ層を伴
って形成された。この状態をSEMにより観察したとこ
ろ、バッファ層に埋め込まれた歪み導入体配列の通り
に、In0.3Ga0.7Asからなるコヒーレント島が形成
されていた。観察した5μm×5μmの広い領域にわた
って全ての量子箱は周期250nmの格子に配列してお
り、格子点を外れたところに量子箱は見られなかった。
個々の量子箱は高さ20nm、底辺の直径120nmの
ディスク状であり、そのサイズのばらつきは10%未満
であった。そして、このコヒーレント島上にバリア層を
形成すれば、コヒーレント島からなる量子箱構造が完成
する。
規則正しく格子配列されたコヒーレント島が濡れ層を伴
って形成された。この状態をSEMにより観察したとこ
ろ、バッファ層に埋め込まれた歪み導入体配列の通り
に、In0.3Ga0.7Asからなるコヒーレント島が形成
されていた。観察した5μm×5μmの広い領域にわた
って全ての量子箱は周期250nmの格子に配列してお
り、格子点を外れたところに量子箱は見られなかった。
個々の量子箱は高さ20nm、底辺の直径120nmの
ディスク状であり、そのサイズのばらつきは10%未満
であった。そして、このコヒーレント島上にバリア層を
形成すれば、コヒーレント島からなる量子箱構造が完成
する。
【0041】比較例2 以下、上述した実施例2に対する比較例2として、Si
Nからなる歪み導入体を形成せずに、バリア層上にIn
GaAs歪み薄膜を成長するようにした。この結果、成
長した歪み膜表面には、わずかながら島構造が観察され
たものの、全体的には平坦であった。すなわち、この比
較例2においては、核形成および微小島の効果的抑制に
より、一様な厚さ12原子層の歪みIn0.3Ga0.7As
層が形成されたと考えられる。ここで、この比較例2に
おいてわずかながらコヒーレント島が形成されたが、こ
れは次に示す理由によるものと考えられる。すなわち、
この比較例2では、比較例1ほど完全には核形成が抑制
できないことと、また、実施例2のような量子箱配列に
おける歪みの緩和がない分、より歪みが大きいことなど
が考えられる。
Nからなる歪み導入体を形成せずに、バリア層上にIn
GaAs歪み薄膜を成長するようにした。この結果、成
長した歪み膜表面には、わずかながら島構造が観察され
たものの、全体的には平坦であった。すなわち、この比
較例2においては、核形成および微小島の効果的抑制に
より、一様な厚さ12原子層の歪みIn0.3Ga0.7As
層が形成されたと考えられる。ここで、この比較例2に
おいてわずかながらコヒーレント島が形成されたが、こ
れは次に示す理由によるものと考えられる。すなわち、
この比較例2では、比較例1ほど完全には核形成が抑制
できないことと、また、実施例2のような量子箱配列に
おける歪みの緩和がない分、より歪みが大きいことなど
が考えられる。
【0042】以上説明したように、この比較例2の結果
からも明らかなように、バリア層下に埋め込まれた歪み
導入体の作る歪み場が、一様な歪み薄膜をコヒーレント
島に変える原動力になっていることを示している。な
お、この発明は、上述した実施例のみに限定されるもの
ではない。例えば、次に示す材料の構成においても、歪
み導入体の配列に一致したコヒーレント島の配列が得ら
れる。すなわち、歪み導入体配列を設けたGaAs基板
の上に、基板に格子整合するAlGaAsまたはInG
aPからなる半導体層を設け、基板に格子整合するAl
GaAsまたはAlInGaAsからなるバリア層を設
け、この上に、InAsまたはInGaAsからなるコ
ヒーレント島(量子箱)を形成する場合である。
からも明らかなように、バリア層下に埋め込まれた歪み
導入体の作る歪み場が、一様な歪み薄膜をコヒーレント
島に変える原動力になっていることを示している。な
お、この発明は、上述した実施例のみに限定されるもの
ではない。例えば、次に示す材料の構成においても、歪
み導入体の配列に一致したコヒーレント島の配列が得ら
れる。すなわち、歪み導入体配列を設けたGaAs基板
の上に、基板に格子整合するAlGaAsまたはInG
aPからなる半導体層を設け、基板に格子整合するAl
GaAsまたはAlInGaAsからなるバリア層を設
け、この上に、InAsまたはInGaAsからなるコ
ヒーレント島(量子箱)を形成する場合である。
【0043】また、歪み導入体配列を設けたInP基板
の上に、基板に格子整合する、InGaAs,InAl
As,AlGaP,InGaAsP,もしくは,AlG
aAsPのいずれか一つからなる半導体層を設け、基板
に格子整合するInGaAs,InAlAs,InGa
AsP,AlGaAsPのいずれか一つからなるバリア
層を設け、InAs,InGaAs,InGaAsPの
いずれか一つからなるコヒーレント島を形成する場合に
ついても同様である。また、歪み導入体としては、基板
に格子整合しないInGaAs,InAlAs,InG
aAsP,AlGaAsPのいずれか一つからなり、そ
の断面長が最大100nmを越えない微小ドット形状を
備えるものであってもよい。さらに、歪み導入体が、例
えば、高解像度リソグラフィーを施すことで作成され
た、内部歪みを有する誘電体材料からなる微小ドットで
あってもよい。
の上に、基板に格子整合する、InGaAs,InAl
As,AlGaP,InGaAsP,もしくは,AlG
aAsPのいずれか一つからなる半導体層を設け、基板
に格子整合するInGaAs,InAlAs,InGa
AsP,AlGaAsPのいずれか一つからなるバリア
層を設け、InAs,InGaAs,InGaAsPの
いずれか一つからなるコヒーレント島を形成する場合に
ついても同様である。また、歪み導入体としては、基板
に格子整合しないInGaAs,InAlAs,InG
aAsP,AlGaAsPのいずれか一つからなり、そ
の断面長が最大100nmを越えない微小ドット形状を
備えるものであってもよい。さらに、歪み導入体が、例
えば、高解像度リソグラフィーを施すことで作成され
た、内部歪みを有する誘電体材料からなる微小ドットで
あってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、ま
ず、半導体基板主面上に、複数の凸状の部分からなり、
凸状の部分の上に局所的に歪みを導入する歪み導入層を
備えるようにした。また、歪み導入層上を埋め込むよう
に、半導体基板に格子整合する材料から構成されたバリ
ア層を備えるようにした。そして、バリア層を介して、
凸状の部分の上に配置された量子箱となる凸状の領域
と、その凸状の領域より膜厚の薄い濡れ層とからなり、
半導体基板とは格子定数が異なる材料から構成された半
導体層を備えるようにした。この結果、この発明によれ
ば、歪み導入層の凸状の部分を、例えば正方格子状に規
則正しく配列させておけば、量子箱も正方格子状に規則
正しく配列した状態となり、各種電子・光デバイスに実
用的に適用できる、均一な量子箱構造を得ることができ
る。
ず、半導体基板主面上に、複数の凸状の部分からなり、
凸状の部分の上に局所的に歪みを導入する歪み導入層を
備えるようにした。また、歪み導入層上を埋め込むよう
に、半導体基板に格子整合する材料から構成されたバリ
ア層を備えるようにした。そして、バリア層を介して、
凸状の部分の上に配置された量子箱となる凸状の領域
と、その凸状の領域より膜厚の薄い濡れ層とからなり、
半導体基板とは格子定数が異なる材料から構成された半
導体層を備えるようにした。この結果、この発明によれ
ば、歪み導入層の凸状の部分を、例えば正方格子状に規
則正しく配列させておけば、量子箱も正方格子状に規則
正しく配列した状態となり、各種電子・光デバイスに実
用的に適用できる、均一な量子箱構造を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における半導体量子構
造の製造方法を示す説明図である。
造の製造方法を示す説明図である。
【図2】 SKモード成長の1例を説明するための斜視
図である。
図である。
【図3】 微小なコヒーレント島が格子整列して形成さ
れた状態を示す原子間力顕微鏡による写真である。
れた状態を示す原子間力顕微鏡による写真である。
【図4】 格子定数が異なる材料を積層した状態を示す
説明図である。
説明図である。
【図5】 内部に歪みを内在する微小ドットにより結晶
が歪んだ状態を示す説明図である。
が歪んだ状態を示す説明図である。
【図6】 コヒーレント島は重畳形成され状態を示す透
過型電子顕微鏡写真である。
過型電子顕微鏡写真である。
【図7】 この発明の実施例1における製造方法を説明
するための説明図である。
するための説明図である。
【図8】 SKモード成長を示す説明図である。
【図9】 SKモード成長の1例を説明するための斜視
図である。
図である。
101…半導体基板、102…歪み導入体、102a…
局所的歪み場、103…バッファ層、104…障壁材料
層(バリア層)、105…歪み量子井戸層、106…濡
れ層、107…コヒーレント島、108…バリア層。
局所的歪み場、103…バッファ層、104…障壁材料
層(バリア層)、105…歪み量子井戸層、106…濡
れ層、107…コヒーレント島、108…バリア層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 裕充 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 半導体基板主面上に形成された複数の凸
状の部分からなり、前記凸状の部分の上に局所的に歪み
を導入する歪み導入層と、 前記歪み導入層を埋め込むように前記半導体基板上に形
成され、前記半導体基板に格子整合する材料から構成さ
れたバリア層と、 前記バリア層を介して、前記凸状の部分の上に配置され
た量子箱となる凸状の領域と、前記凸状の領域より膜厚
の薄い濡れ層とからなり、前記半導体基板とは格子定数
が異なる材料から構成された半導体層とを少なくとも備
えたことを特徴とする半導体量子構造。 - 【請求項2】 請求項1記載の半導体量子構造におい
て、 前記半導体基板の主面は、(100)より傾斜している
ことを特徴とする半導体量子構造。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体量子構造
において、 前記歪み導入層は、前記半導体基板と格子定数が異なる
材料から構成されていることを特徴とする半導体量子構
造。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の半導体量子構造
において、 前記歪み導入層は、歪みを内在する材料から構成されて
いることを特徴とする半導体量子構造。 - 【請求項5】 半導体基板主面上に、複数の凸状の部分
からなり、前記凸状の部分上に局所的に歪みを導入する
歪み導入層を形成する第1の工程と、 前記歪み導入層上を埋め込むように、前記半導体基板上
に前記半導体基板に、格子整合する材料から構成された
バリア層を形成する第2の工程と、 前記半導体基板とは格子定数が異なる材料を前記バリア
層上に成長し、前記凸状の部分上に前記バリア層を介し
て配置した量子箱となる凸状の領域と、前記凸状の領域
より膜厚の薄い濡れ層とからなる半導体層を形成する第
3の工程とを備えたことを特徴とする半導体量子構造の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9113627A JPH10289997A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 半導体量子構造およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9113627A JPH10289997A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 半導体量子構造およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10289997A true JPH10289997A (ja) | 1998-10-27 |
Family
ID=14617025
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9113627A Pending JPH10289997A (ja) | 1997-04-16 | 1997-04-16 | 半導体量子構造およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10289997A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005294510A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体装置 |
| JP2013026496A (ja) * | 2011-07-22 | 2013-02-04 | Nikon Corp | 量子ドット構造体の製造方法、量子ドット構造体、半導体デバイス及び量子ドット構造体の製造装置 |
-
1997
- 1997-04-16 JP JP9113627A patent/JPH10289997A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005294510A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体装置 |
| JP2013026496A (ja) * | 2011-07-22 | 2013-02-04 | Nikon Corp | 量子ドット構造体の製造方法、量子ドット構造体、半導体デバイス及び量子ドット構造体の製造装置 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6586819B2 (en) | Sapphire substrate, semiconductor device, electronic component, and crystal growing method | |
| KR102698244B1 (ko) | 그라파이트 기판 상에 나노와이어 또는 나노피라미드를 성장시키는 방법 | |
| Tomioka et al. | Selective-area growth of vertically aligned GaAs and GaAs/AlGaAs core–shell nanowires on Si (111) substrate | |
| ES2363089T3 (es) | Método para producir sustratos de ge virtuales para la integración iii/v sobre si (001). | |
| US7632695B2 (en) | Semiconductor device manufacturing method | |
| KR20030093341A (ko) | 반도체 장치 및 그의 제조 방법 | |
| JPH05166724A (ja) | シリコン基板化合物半導体装置とその製造方法 | |
| JP2001093837A (ja) | 半導体薄膜構造とその作製法 | |
| CN111564756B (zh) | 一种硅基无磷激光器及其制备方法 | |
| JPH05283336A (ja) | 化合物半導体層の形成方法 | |
| KR101021775B1 (ko) | 에피택셜 성장 방법 및 이를 이용한 에피택셜층 적층 구조 | |
| JPH06296060A (ja) | 半導体可視光レーザダイオードの製造方法 | |
| JPH1079501A (ja) | 量子ドット形成方法及び量子ドット構造体 | |
| Chyi et al. | Formation of self-organized In0. 5Ga0. 5As quantum dots on GaAs by molecular beam epitaxy | |
| US8242003B1 (en) | Defect removal in Ge grown on Si | |
| CN113445130A (zh) | 一种AlGaN基紫外激光器的生长方法 | |
| JPH10289997A (ja) | 半導体量子構造およびその製造方法 | |
| KR100833897B1 (ko) | 에피택셜 성장 방법 | |
| JP2001308464A (ja) | 窒化物半導体素子、窒化物半導体結晶の作製方法および窒化物半導体基板 | |
| CN100550440C (zh) | 半导体元件以及半导体元件的制造方法 | |
| KR101020498B1 (ko) | 에피택셜 성장 방법 | |
| JP2001126985A (ja) | 化合物半導体基板 | |
| JP2560601B2 (ja) | 元素半導体基板上の金属膜/化合物半導体積層構造の製造方法 | |
| JPH0434920A (ja) | 異種基板上への3―v族化合物半導体のヘテロエピタキシャル成長法 | |
| JP3642659B2 (ja) | 半導体量子構造の製造方法及び半導体量子構造 |