JPH10291879A - 脂肪含有有機廃棄物の処理方法及び処理装置 - Google Patents

脂肪含有有機廃棄物の処理方法及び処理装置

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JPH10291879A
JPH10291879A JP9100035A JP10003597A JPH10291879A JP H10291879 A JPH10291879 A JP H10291879A JP 9100035 A JP9100035 A JP 9100035A JP 10003597 A JP10003597 A JP 10003597A JP H10291879 A JPH10291879 A JP H10291879A
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JP
Japan
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liquid
fat
organic waste
tank
fermentation
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Application number
JP9100035A
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English (en)
Inventor
Masahiko Ishida
昌彦 石田
Masako Ueda
昌子 上田
Takeshi Takemoto
剛 武本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】脂肪含有廃棄物を効率よく分解して燥粒状の残
渣に転換する。 【解決手段】脂肪含有有機廃棄物原料1を、脂肪資化性
微生物を含む菌群と、好気条件下で、液状で複数段階で
接触させて脂肪を分解し、生成する液状発酵処理液43
を乾燥もしくは乾燥と好気性固体発酵とを進行させるこ
とにより、乾燥した粒状の残渣28に転換する。 【効果】非脂肪成分による脂肪成分の分解阻害を回避し
て、乾燥粒状の残渣に転換できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂肪を含有する有
機廃棄物、特に、魚のあら,肉の脂身,揚げかす,廃食
用油等のように脂肪分の多い有機廃棄物を発酵分解し
て、乾燥した粒状のコンポストに転換する方法及び装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】有機廃棄物の処理方法として、固体の状
態で好気的に発酵分解して堆肥化(コンポスト化)する
方法がある。家庭や食堂から出る生ごみや下水汚泥のよ
うに、動植物性脂肪の少ない有機廃棄物の場合には、一
般にこの方法で堆肥化している。具体的には、廃棄物を
鋸屑等の担体で構成する発酵床に混合して通気と撹拌を
行い、1〜6ヶ月間滞留することにより堆肥化してい
る。このように脂肪含有率の低い固形廃棄物の場合に
は、長期間滞留すれば、分解されにくい脂肪もその大半
が分解されて親水性成分に変化し、その一部は炭酸ガス
と水にまで分解される。
【0003】一方、脂肪含有排水の処理については活性
汚泥処理が知られている。この方法により、実質上、脂
肪を含まない処理水が得られる。しかし、この方法で
は、脂肪は分解されずに、曝気処理の際に水と分離して
いわゆるグリースもしくはスカム層として液面付近の槽
壁に付着するか或いは活性汚泥に付着して余剰汚泥とし
て排出される。排水処理での脂肪の量は水量にくらべて
極めて少いので、グリースや余剰汚泥は通常は別途回収
して焼却等により処分している。
【0004】脂肪分の多い有機廃棄物を発酵分解して堆
肥化する先行技術として、例えば特開昭57−12893 号公
報には、廃魚を粉砕し、水分調整材と混合して回転タン
クに入れ、撹拌下で加熱乾燥して堆肥化する方法が記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来公知の廃棄物堆肥
化方法は、処理対象が主に脂肪含有量の低い有機廃棄物
に限られている。魚のあら,肉の脂身,揚げかす等のよ
うに、脂肪分の量が極めて多い有機廃棄物の堆肥化処理
については、その具体的な処理方法が殆ど提案されてい
ないのが現状である。
【0006】本発明の目的は、魚のあら,肉の脂身,揚
げかす等のように脂肪分の多い有機廃棄物を発酵分解し
て、乾燥した粒状のコンポストに転換する処理方法及び
処理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の処理方法は、脂
肪分を含む有機廃棄物を微生物によって発酵分解してコ
ンポストに転換する方法において、前記有機廃棄物を流
動状態で脂肪資化性微生物を含む水性液に充填し、好気
条件下で液状で脂肪分を分解した後に、乾燥した粒状の
コンポストに転換することにある。
【0008】また、本発明の処理装置は、脂肪分を含有
する有機廃棄物を微生物と接触させて発酵分解して粒状
のコンポストに転換する装置において、前記有機廃棄物
を脂肪資化性微生物を含む水性液に充填して好気条件下
で脂肪を分解させる液状発酵槽と、該発酵槽での処理を
終えた液状処理物を乾燥して粒状のコンポストに転換す
る発酵槽とを備えたことにある。
【0009】本発明者らは、破砕処理した魚のあらを栄
養源とする培養により脂肪資化性微生物を得た。ここ
で、脂肪資化性微生物とは、脂肪を栄養源とする微生物
を意味し、廃棄物中の脂肪分を分解する能力を有する。
そして、本菌に富む微生物群の細胞を分散した水性液を
充填した発酵槽に、魚のあらを半連続的に供給して微生
物と接触させ、好気的に発酵した。その間、原料の供給
に連動して生成する余分のスラリーを抜き出しつつ、脂
肪の分解状況を観察した。その結果、以下の(1)〜
(6)のことがわかった。
【0010】(1)蛋白やグリコーゲン等は分解する
が、脂肪は実質的に分解されずに排出される。
【0011】(2)原料の供給を停止し、培養を続けて
蛋白やグリコーゲンが消失した後も、さらに引き続き運
転を続行すると脂肪の分解が始まる。
【0012】(3)脂肪の分解中に原料を供給すると、
脂肪の分解が阻害される。
【0013】(4)発酵槽内に供給した原料の魚のあら
は発酵の進行に伴い液状化し、ペースト状態からスラリ
ー状態になる。
【0014】(5)脂肪の完全分解には脂肪重量当り約
3倍の量の溶存酸素を供給する必要がある。
【0015】(6)液体培養では空気を液面下のノズル
から吐出して液中に気泡を分散する方法が常法となって
いるが、本発明の処理法におけるスラリーは固形粒子を
含みかつ粘性であるため、ノズルの孔径を小さくしても
気泡が途切れずに径の大きな気泡になる。このため、従
来の空気供給方法では酸素溶解効率が著しく低い。
【0016】さらに、従来の空気供給方法を適用する場
合には、給気を加圧する必要があり、加圧のために高価
で、寿命が短く、騒音を伴いやすく、電力を消費する加
圧ポンプを使わざるを得なくなり、実用上不利である。
また、液中を上昇して液面で生じる泡は自然破泡せず泡
沫層となって槽から溢流する。このため運転の継続が困
難になる。
【0017】本発明者らは、以上の結果をふまえ、鋭意
検討を重ねた結果、以下の(i),(ii)の知見を得て
本発明を見い出した。
【0018】(i)発酵槽を複数の槽に分割して液相部
を直列に接続し、最上流の槽に廃棄物原料を入れ、各槽
に処理物を滞留させながら順次に下流側の槽に移送する
と、上流の槽で脂肪の分解を阻害する蛋白やグリコーゲ
ンが分解して消耗し、下流の槽で脂肪の分解が生じる。
【0019】(ii)各槽の液面下に液案内筒を設置し、
該液案内筒内に回転翼を設置して、回転翼の回転により
液案内筒内に下降流を生じさせると、液面にボルテック
スが形成される。このボルテックスの部分で、気相部の
空気が液中に気泡となって引き込まれ、回転翼で微細に
分散されるため、固形分濃度の高いスラリーでも酸素を
効率よく溶解できるようになる。さらに、液面上に生成
する泡抹層も液流に同伴して液中に引き込まれるために
効果的に消泡できる。
【0020】本発明の特徴は、脂肪含有廃棄物を液状に
し、好気条件下で脂肪資化性微生物によって発酵分解し
て脂肪を分解した後に、該液を乾燥もしくは乾燥と好気
性固体発酵とを同時に進行させて、乾燥した粒状のコン
ポストに転換することにある。
【0021】本発明の処理方法を具現化する有力な方法
として、以下に(I)〜(III)の三つの例を示す。
【0022】(I)複数の発酵槽を直列に接続し、各槽
に液案内筒と、該液案内筒内に回転翼を設置する。液案
内筒は上面が液面下にくるようにする。回転翼の回転に
より、液案内筒内に下降流を生じさせ、これにより、気
相の酸素含有気体を液に同伴させ且つ気泡を分散させて
液中に溶解させる。液案内筒内に生じた下降流を槽底よ
り吐出させて、槽内に循環流を形成させ、液の撹拌を促
進する。
【0023】脂肪資化性微生物を分散する水性液は、最
上流の槽好ましくは全ての槽に充填し、最上流の槽には
脂肪含有廃棄物を連続的或いは間歇的に投入する。これ
により、最上流の槽或いはその次の槽で、蛋白やグリコ
ーゲン等の非脂肪成分の分解が進行し、下流側の槽で脂
肪成分の分解を進行する。
【0024】最下流の槽から処理液を抜き出したなら
ば、乾燥もしくは乾燥と好気性固体発酵とを同時に進行
させて乾燥した粒状の残渣すなわちコンポストにする。
【0025】(II)脂肪資化性微生物を分散する水性液
を充填した槽を複数の区画に仕切り、各区画を水平方向
に貫通する回転軸を設けて、それに複数枚の円盤を取り
付ける。円盤は、一部分のみ液中に浸漬し、他の部分は
気相にあるようにする。これにより気液接触が良好に行
われるようにする。
【0026】最上流の区画に原料を供給し、蛋白やグリ
コーゲン等の非脂肪成分の分解を進ませてから次の区画
に移送して滞留させる。このようにして上流側の区画で
非脂肪成分の分解をまず進行させ、次いで下流側の区画
で脂肪成分の分解を進行させる。最下流の区画から処理
液を抜き出して、乾燥もしくは乾燥と好気性固体発酵と
を同時に進行させて、乾燥した粒状の残渣を得る。
【0027】本方法は、前記(I)の方法に比べて容積
効率は劣るが、原料の適用粒径を比較的大きくとれ、液
を円滑に混合できる利点がある。
【0028】(III)脂肪資化性微生物を分散する水性液
を槽底部に充填した縦形円筒槽を複数個用意し、液相
側,気相側を各々直列に接続する。槽内の中心部に垂直
にスクリュウフィーダを設置し、該フィーダと槽内壁と
の空間部に溢流孔を有する皿を水平方向に多段に設置す
る。
【0029】槽底部の液はスクリュウフィーダ内を上昇
して最上段の皿に供給され、皿の溢流孔から順次に下の
皿へと流下して槽内を循環する。最上流の槽に原料を供
給して所望の時間滞留させてから順次に下流側の槽へと
移送し、各槽で所望の時間滞留させる。このようにして
脂肪を分解させる。脂肪が分解した処理液は、最下流槽
から抜き出して乾燥もしくは乾燥と好気性固体発酵を行
い、乾燥した粒状の残渣にする。
【0030】本法は、前記(I)の方法に比べて容積効
率は劣るが、液の移動が円滑である利点を有する。
【0031】各槽或いは各区画の滞留時間は、原料の投
入量や槽或いは区画の容積によっても変わるが、槽或い
は区画が3個以上ある場合には、おおよそ一つの槽或い
は区画に12時間から24時間程度滞留させればよい。
【0032】本発明に適用できる原料の種類は、脂肪を
固形物の10%以上含み、かつ微生物の増殖を著しく阻
害する成分を含まない脂肪含有物であれば特に限定され
ない。例えば、魚貝類のあら等の水産廃棄物,動物の肉
脂身や臓器等の畜産廃棄物,揚げ物,揚げかす,廃油脂
を含む厨房もしくは食品加工の廃棄物,脂肪含有排水で
副生するグリース,スカムや汚泥等があげられる。
【0033】原料が脂肪や脂肪以外の炭素栄養源のほか
に微生物の増殖に必要な窒素源や燐源等の副成分を含む
場合には、そのままで処理できる。廃食油や揚げかす等
のように上記の副成分が極端に不足する原料の場合に
は、アンモニウム塩や燐酸塩等の廉価な副原料や上記副
成分に富む汚泥や水産廃棄物等の廃棄物を添加すると好
都合である。
【0034】通常の原料には処理するに必要な量の水分
が含まれているが、水を含まないかもしくは不足する場
合には、例えば廃食油や揚げかす等では、適宜に水分を
補充するとよい。
【0035】本発明が適用できる原料の固形分濃度は、
4重量%以上,35重量%以下が好適であり、特に好ま
しくは10重量%以上で、35重量%以下である。固形
分濃度が4重量%未満になると、乾燥工程での負荷が大
きくなるし、35重量%を超えると槽内の液の流動性が
著しく悪くなり、撹拌,混合及び酸素供給に不利にな
る。
【0036】発酵槽に供給する原料の粒径は装置の規模
により異なるが、一般には20mm以下がよい。骨等の硬
組織を含む場合には、10mm以下にした方がよい。粒径
が小さいほど液中に容易に分散するので分解されやす
い。粒径が上記の範囲外にあれば、例えば魚のあらや肉
の脂身等は、あらかじめ破砕して発酵槽に供給するとよ
い。
【0037】本発明で用いる脂肪資化性微生物は、糸状
菌以外の脂肪分解能力を有する好気性で常温で増殖する
微生物、すなわち好気性で20〜40℃で増殖し脂肪を
分解する細菌,酵母,放線菌が好ましい。特に液中に分
散する油滴の表面に付着して増殖しやすい桿状細胞の酵
母を含む菌群を用いるのがよい。糸状菌は細胞が機械的
に剪断されやすく使用に適さない。
【0038】液状発酵における発酵温度は20〜40℃
の範囲が好ましい。20℃未満では発酵の効率が低く、
40℃を越えると排気に伴う熱損失が大きく経済的に不
利となる。
【0039】上記の脂肪資化性微生物の他に脂肪非資化
性微生物を混合して用いると、脂肪分解を阻害する非脂
肪成分の消耗を促進し、脂肪分解を加速できる。両菌は
単一種である必要はなく複数種の菌の混合物、すなわち
菌群として使用できる。
【0040】液面にボルテックスを形成して気相の酸素
含有ガスを液中に引き込み、液案内筒中の撹拌翼で気泡
を微細化し、かつ液面の泡沫層をも効果的に吸引するに
は、次の条件を満たすことが好ましい。
【0041】(a)静止液面から液案内筒の上端までの
液深が1cm以上で、且つ液案内筒の内径に対する液深の
比が0.05〜0.5の範囲にある。
【0042】(b)液案内筒内の下降流の線速度は槽の
容量に影響されるが、少なくとも0.5m/s以上とす
る。液深が1cm以下になると、液案内筒中に流入する液
量が減少して循環流量が減るだけでなく、液案内筒の上
縁に粒状固形物や泡沫層が係留されて液面を覆うため
に、酸素の溶解が阻害されやすい。
【0043】上記した下降線速度を得るための翼の回転
は、翼の構造および数にもよるが、少なくとも液案内筒
半径の二分の一の半径における周速が1〜10m/sの
範囲にあることが望ましい。
【0044】液案内筒は、円筒が好ましいが、これに限
定されるものではなく、任意に選定できる。
【0045】翼はその翼片が少なくとも3枚以上で、翼
片の面が傾斜していることが望ましい。また、翼数は槽
の容量によるが、吸入された気泡を効果的に微細化する
ために回転軸の垂直方向に少なくとも3段以上、好まし
くは4段以上配置するのがよい。
【0046】槽の形状は特に限定されず、例えば、円筒
形,角筒形,六角筒形等でもよい。槽数は脂肪の分解方
法によらず、できれば3槽以上にした方がよい。槽の配
置も特に限定されず、直線状もしくは弧状でも良い。ま
た、同一面上で上下に配置しても良い。
【0047】各槽は槽壁を共有しても良い。槽間の連絡
方法も特に限定しない。槽壁を共有する場合は側壁に貫
通孔や配管を設けて連絡できるようにするとよい。貫通
孔や配管には弁を設けるとよい。槽間の液面差で開閉す
る扉付きの貫通孔などを設けるのも好ましい。その他、
配管中にポンプを挿入しても良い。
【0048】給気には通常、空気が用いられる。給気の
経路も特に限定されない。各槽に並列に供給してもよい
が、下流槽側もしくは上流槽側から供給すると、酸素の
利用率を高くとれ、脱臭への流量負荷を軽減できる。
【0049】脂肪を分解した処理液を乾燥もしくは乾燥
と好気性固体発酵とを同時に進行する方法も特に限定さ
れない。好気性固体発酵の方法及び菌も特に限定されな
い。好ましくは、45〜65℃で増殖する高温発酵菌を
含有する堆肥を発酵床とする方法が乾燥も同時に進行で
きる点で有利である。
【0050】排気の脱臭も特に限定されるものではな
く、触媒脱臭,微生物脱臭などを適宜選択して用いるこ
とができる。
【0051】一つの発酵槽で液状発酵を完結させる方法
もあるが、非脂肪成分が分解によって消失した後でなけ
れば、脂肪成分の分解が開始されず、非脂肪成分の分解
にともなって脂肪成分分解菌が増殖するので、非脂肪成
分の分解が進みにくいという問題がある。また、廃棄物
は日々排出されるので、処理が滞るという問題も懸念さ
れる。
【0052】複数の発酵槽を準備するか或いは発酵槽を
複数の区画に仕切って直列に繋ぎ、順次に各槽或いは区
画へ移送されるようにすれば、上流側の槽或いは区画で
は脂肪成分分解菌が増殖し、下流側の槽或いは区画では
脂肪資化性微生物すなわち脂肪成分分解菌の増殖が進行
するので、容易に脂肪の分解を行うことができる。
【0053】上流側の槽或いは区画で処理された処理物
を下流側の槽或いは区画に移送するときに、その一部を
残して来るようにすれば、その残留物に含まれる微生物
によって新たに導入される処理物の発酵分解を促進する
ことができる。
【0054】魚のあら等の脂肪分を多量に含む廃棄物
は、普通は、脂肪資化性微生物を含む水性液中におい
て、団子状態になりやすい。団子の表面は脂肪で覆われ
るので、このままでは非常に分解しにくい。そこで、本
発明では、原料を細かく砕いて液中に投入したり、更に
は撹拌を行うことによって団子状態になるのを防止し、
さらさらした液状の状態を保つようにする。
【0055】
【発明の実施の形態】
(実施例1)液面にボルテックスを形成して脂肪含有廃
棄物を分解処理する例を図1及び図2を用いて説明す
る。図1は、図2のB−B断面に相当する側面図を示
し、図2は、図1のA−A断面に相当する平面図を示し
ている。
【0056】原料1として魚のあらを用い、破砕機2で
5mm以下の粒径に破砕し、破砕処理原料を得る。破砕処
理原料を原料投入口9から液状発酵第1槽4に供給す
る。液状発酵槽3は、液状発酵第1槽4と液状発酵第2
槽5と液状発酵第3槽6と液状発酵第4槽7から構成さ
れており、各槽には、あらかじめ脂肪資化性の酵母と細
菌及び非脂肪資化性の細菌とを含む菌群を分散した菌液
すなわち後述する液状発酵処理液43が充填してある。
各槽で処理された処理液は、順次に下流側の槽へと移送
され、液状発酵第4槽7の後は固体発酵槽24へと導入
される。
【0057】液状発酵槽3の各槽には、液面下に液案内
円筒13が設置され、液案内円筒13内には撹拌モータ
11により回転する回転軸12で支持した傾斜付き翼片
4枚からなる撹拌翼14が配置してある。撹拌翼14を
回転することにより、液案内円筒13中に下降流が生じ
て槽内の液が循環し液面にボルテックス15を生じる。
【0058】ボルテックス15により気相部の空気は気
泡16となって液に同伴し、さらに回転する撹拌翼14
により剪断されて粒径2mm以下の微細気泡17になって
分散する。これにより、液中に効率よく溶存酸素を供給
できる。微細気泡17は液中に酸素を溶解しながら液面
に浮上し合体して泡沫18となるが、ボルテックス15
により液中に吸引され破泡する。
【0059】各槽は、液状発酵第1槽4から液状発酵第
4槽7まで、本図面に記載してない液面下にある弁付き
連絡孔により連通している。破砕処理した原料を液状発
酵第1槽4に供給すると、槽内の液はその分だけ下流の
各槽に順次移動し、最終の液状発酵第4槽7に滞留して
いた液状発酵処理液43の一部が槽外へ排出される。次
いで、該液状発酵処理液43は、移送配管21を経て固
体発酵槽24に供給される。
【0060】固体発酵槽24には60℃で増殖する好熱
好気性細菌群に富む乾燥した顆粒状の堆肥が固体発酵床
26として充填してある。固体発酵床26には短絡を防
止するための溢流板25と撹拌腕27,モータ35が設
置されている。固体発酵槽24に供給された液状発酵処
理液43は、所定の時間滞留する過程で発酵と乾燥が進
み、残渣28として残渣貯留箱29に排出される。
【0061】空気10は、液状発酵第1槽4へ供給さ
れ、図示していない連絡路を通り順次下流の槽に供給さ
れ、液状発酵第4槽7を出たあとで液状発酵排気23と
して排出される。一方、固体発酵槽24の気相部に供給
された空気10は、排気31として排出される。両排気
は弁30を経てブロアー32により吸引され、200℃
に加熱した脱臭触媒充填床33で脱臭され脱臭排気34
として系外に排出される。
【0062】固形分20%の原料を液状発酵槽に16日
間,固体発酵槽に2日間滞留して、原料中の脂肪の60
重量%,非脂肪成分の50重量%を分解し、原料の10
重量%に相当する乾燥顆粒状の残渣を得た。
【0063】(実施例2)肉脂身30重量%を含有する
厨芥を原料とし、回転円盤を用いて液状発酵処理する例
を図3〜図5を用いて説明する。
【0064】原料1を破砕機2で20mm以下の粒径に破
砕する。破砕処理した原料を直列に連結した液状発酵槽
3の原料投入口9から液状発酵第1槽4に供給する。液
状発酵槽3の各槽には脂肪資化性微生物を含む液状発酵
処理液43が充填してある。液状発酵槽3の各槽は、水
平方向に設けた回転軸に平行して配列した回転円盤36
を有する。
【0065】回転円盤36を撹拌モータ11で回転する
ことにより、液が回転円盤36の表面に付着し、気相部
で気液接触する過程で分解に必要な溶存酸素が液中に供
給される。液状発酵第1槽4内の回転円盤36の状態を
図4に示す。
【0066】各発酵槽は液状発酵第1槽4から液状発酵
第4槽7まで、本図面に記載のない液面下にある弁付き
連絡孔を通じて、上流の槽から下流の槽へ一方向に連通
している。
【0067】液状発酵第1槽4に破砕処理した原料を供
給すると、その分だけ順次液状発酵処理液43が移動
し、最終の液状発酵第4槽7に滞留していた液状発酵処
理液43の一部が槽外に排出され、固体発酵槽24に供
給される。固体発酵槽24には、撹拌腕27が図5に示
すように取り付けられている。
【0068】固体発酵槽24に供給された液状発酵処理
液43は、実施例1と同じ要領で固体発酵処理され、乾
燥した顆粒状の残渣28になる。排気も実施例1と同じ
要領で収集される。発酵排気はブロアー32により微生
物脱臭槽37に導入され、循環ポンプ42,循環水移送
配管41,散水ノズル39により循環水40が散水され
る微生物付着担体充填床38を通過させて脱臭し、脱臭
排気34として系外に排出される。
【0069】本方法により、固形分25重量%の原料を
液状発酵槽に20日間,固体発酵槽に3日間滞留するこ
とにより、原料中の脂肪の61重量%,非脂肪成分の6
0重量%を分解し、原料の8重量%の乾燥した粉粒状の
残渣を得た。
【0070】(実施例3)植物性脂肪を固形分基準で3
0重量%を含有する厨芥を原料とし、積層した回転皿を
用いて液状発酵する例を図6と図7を用いて説明する。
【0071】原料1を破砕機2で3mm以下の粒径に破砕
して液状発酵第1槽4の底部に供給する。液状発酵槽は
三つの槽を直列に連結したものからなる。各槽は、図7
に液状発酵第1槽4の平面図を示すように、縦形円筒状
をしており、中心部にスクリュウフィーダ44が配置し
てある。槽の底部には、脂肪資化性微生物を含む液状発
酵処理液43が充填してある。
【0072】撹拌モータ11でスクリュウ45を回転す
ることにより、槽上部に液が移送される。スクリュウフ
ィーダ44の回転軸48には、上下に間隔を置いて複数
の回転皿46が層状に支持腕50により懸垂されてお
り、この皿は撹拌モータ11により回転数60rpm で回
転する。回転皿46には流下孔47が開口している。液
状発酵処理液43はスクリュウフィーダ44により最上
段の回転皿46に供給され、順次下段の回転皿46に流
下して槽内に循環流を形成する。その過程で溶存酸素が
液中に供給される。
【0073】液状発酵処理液43及び空気10は、順
次、液状発酵第2槽5,液状発酵第3槽6へと移動して
最終的に槽外へ排出される。次いで、液状発酵処理液4
3は図中に記載していない乾燥手段に供給され、乾燥粒
状の残渣になる。
【0074】
【発明の効果】本発明により、従来、分解処理が困難で
あった魚のあら,肉の脂身等の脂肪含有廃棄物を分解処
理して減容化し、取り扱いが容易な乾燥粒状の残渣に転
換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による脂肪含有廃棄物処理方法を実施す
る処理装置の一実施例を示す側面図。
【図2】図1のA−A面に相当する平面図。
【図3】本発明による脂肪含有廃棄物処理方法を実施す
る処理装置の他の実施例を示す正面図。
【図4】図3における液状発酵第1槽の側面図。
【図5】図3における固体発酵槽の側面図。
【図6】本発明による脂肪含有廃棄物処理方法を実施す
る処理装置の他の実施例を示す側面図。
【図7】図6における液状発酵第1槽の平面図。
【符号の説明】 1…原料、2…破砕機、3…液状発酵槽、10…空気、
13…液案内円筒、14…撹拌翼、15…ボルテック
ス、16…気泡、17…微細気泡、24…固体発酵槽、
26…固体発酵床、27…撹拌腕、28…残渣、36…
回転円盤、43…液状発酵処理液、44…スクリュウフ
ィーダ、46…回転皿、47…流下孔。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪分を含む有機廃棄物を微生物によって
    発酵分解してコンポストに転換する方法において、前記
    有機廃棄物を流動状態で脂肪資化性微生物を含む水性液
    に充填し、好気条件下で液状で脂肪分を分解した後に、
    乾燥した粒状のコンポストに転換することを特徴とする
    脂肪含有有機廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、前記有機
    廃棄物を液状下で発酵分解させる工程を複数段階に分
    け、最上流の段階で前記脂肪資化性微生物を含む水性液
    中に前記有機廃棄物を充填し、該最上流の段階で得られ
    た処理物を順次に下流側の段階に移送して処理すること
    を特徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の方法において、前記最上
    流の段階で得られた処理物を順次に下流側の段階に移送
    して行くに当たって、該処理物の一部を残留させること
    を特徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の方法において、前記脂肪
    資化性微生物として、魚のあらを栄養源とする培養によ
    り得た微生物を用いることを特徴とする脂肪含有有機廃
    棄物の処理方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の方法において、前記有機
    廃棄物を流動状態で脂肪資化性微生物を含む水性液に充
    填することによって、固形分濃度が4重量%以上,35
    重量%以下のスラリーを生成させることを特徴とする脂
    肪含有有機廃棄物の処理方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の方法において、前記有機
    廃棄物の液状下での発酵分解を20〜40℃の温度で行
    い、得られた処理物の乾燥を45〜65℃の温度で行う
    ことを特徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理方法。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の方法において、前記有機
    廃棄物を液状下で撹拌しながら発酵分解させることを特
    徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理方法。
  8. 【請求項8】脂肪資化性微生物を分散する水性液を充填
    した槽の液面下に、液案内筒を縦に配置し、該液案内筒
    中に配置した回転翼の回転により、該液案内筒中に下降
    流を発生させ、それに伴い気相の酸素含有気体を液に同
    伴させて、強制的に気泡の分散と気液接触とを行わせ、
    生成する気液混合物を槽底に吐出して、槽内に循環流を
    形成するようにした槽を複数個用意し、これらの槽を液
    面下で直列に接続し、最上流の槽に油脂含有廃棄物の流
    動物を供給するようにして該液を各槽に順次滞留させ、
    最下流の槽から処理液を抜き出し、該処理液を乾燥もし
    くは乾燥と好気性固体発酵とを同時に進行させて乾燥し
    た粒状の残渣を得ることを特徴とする脂肪含有有機廃棄
    物の処理方法。
  9. 【請求項9】脂肪分を含有する有機廃棄物を微生物と接
    触させて発酵分解して粒状のコンポストに転換する装置
    において、前記有機廃棄物を脂肪資化性微生物を含む水
    性液に充填して好気条件下で脂肪を分解させる液状発酵
    槽と、該発酵槽での処理を終えた液状処理物を乾燥して
    粒状のコンポストに転換する発酵槽とを備えたことを特
    徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の装置において、前記液
    状発酵槽を複数の区画に仕切るか或いは複数個の発酵槽
    を直列に接続し、最上流の区画或いは発酵槽に有機廃棄
    物の投入口を設け、下流側の区画或いは発酵槽には上流
    の区画或いは発酵槽から排出された処理物が導入される
    ようにしたことを特徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理
    装置。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の装置において、前記液
    状発酵槽の内部に液案内筒を縦向きに配置し、且つ該液
    案内筒内に下降流が生じるように回転翼を設けたことを
    特徴とする脂肪含有有機廃棄物の処理装置。
  12. 【請求項12】請求項9に記載の装置において、前記液
    状発酵槽内に縦型に円筒を設けて該円筒内にスクリュウ
    フィーダを上昇流が生じるように設け、該円筒の外側に
    溢流孔を有する皿を水平に多段に設け、該円筒の上部に
    溢れ出た液を該皿で一時的に滞留させつつ下方へ落下さ
    せるようにしたことを特徴とする脂肪含有有機廃棄物の
    処理装置。
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