JPH1029189A - 産業ロボットの関節装置 - Google Patents

産業ロボットの関節装置

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JPH1029189A
JPH1029189A JP9076599A JP7659997A JPH1029189A JP H1029189 A JPH1029189 A JP H1029189A JP 9076599 A JP9076599 A JP 9076599A JP 7659997 A JP7659997 A JP 7659997A JP H1029189 A JPH1029189 A JP H1029189A
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gear
electric motor
reduction
speed reducer
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JP9076599A
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Kazuyuki Matsumoto
和幸 松本
Masataka Hashimoto
正孝 橋本
Mitsuyoshi Iwata
満善 岩田
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Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 最も大きな振動が産業用ロボットに生じると
きの周波数ポイントを、通常の作業領域外にシフトでき
る産業用ロボットの関節装置を提供する。 【構成】 減速装置が前段減速装置と後段減速装置とか
らなり、後段減速装置は遊星歯車装置により構成され、
前段減速装置は遊星歯車装置とは型式の異なる装置によ
り構成されており、前段減速装置によって後段減速装置
への入力回転数をロボットの固有振動数以下とすること
により、電動モータの通常制御回転数領域において共振
を発生しないようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業ロボットの関節
装置、特にロボットアームの共振振動の発生を防止する
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】産業ロボットにおいては、一般に、作業
に適した出力トルクを得るため、アーム等の関節部の駆
動系には、高速低トルクの電動サーボモータまたは電動
パルスモータと、この出力を低速高トルクに変換する減
速装置とを用いている。また、そのような減速装置は、
例えば、減速比1/120程度の大減速比を有している
こと、また、歯車間のガタ、すなわち、いわゆるバック
ラッシュが小さいこと、さらに、慣性を小さくするため
軽量であること等が要求される。
【0003】このような要求を満たす従来の減速装置と
しては、例えば、特開昭59−175986号公報に開
示されているような調和歯車装置(商品名:ハーモニッ
クドライブ)および特開昭59−106744号公報に
開示されているような偏心揺動型の遊星歯車減速機があ
る。前者の減速比は一般に1/80〜1/320程度で
あり、後者の減速比は一般に1/6〜1/200程度で
ある。また、前者は後者に比し減速比当たりの外径、重
量が小さく、かつ、ほとんどのロボットアームの関節部
の駆動用減速装置として必要な減速比および機械的強度
を満足している。従って、ロボットアームの関節部駆動
用減速機のほとんどは調和歯車装置単体が適用され、ま
れに、調和歯車装置でも得られないほどの大減速比を必
要とするもの、すなわち、小容量高速回転(例えば、出
力が1000ワット以下で回転数が5000rpm)型
のモータをロボットアームの駆動に用いる場合のように
1/625程度の減速比を必要とするもの、については
特開昭56−152594号公報に開示されているよう
に調和歯車装置に前段減速装置を結合したものが用いら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各減速装置をロボットの関節装置に用いた場合、減速
装置に入力する電動モータ回転数が低い領域で減速装置
とロボットアーム等がねじり共振を起こすという問題点
があった。共振現象としては、ロボットアームの関節部
近傍にねじり振動が現れることが多く、その結果、ロボ
ットアームの先端位置が定まらなくなる。共振が生じる
理由は、電動モータのトルク伝達機構である上記各減速
装置の剛性が低いため、そのような減速装置を含む駆動
系(電動モータ、減速装置およびロボットアームから構
成される系)の固有ねじり振動数f0 が低くなり、従っ
て、歯切の加工誤差等に起因して振動する減速装置の振
動周波数が、電動モータの低回転数域で上記固有ねじり
振動数f0 と一致するためと考えられていた。
【0005】このような問題点に対し、特開昭58−2
11881号公報には、発生した振動を打ち消すように
電動モータの速度指令信号を変化させる電気的制御方式
が提案されている。しかしながら、このような方式にお
いてはフィードバックゲインを大きくすると系が不安定
となり、特に剛性の低いロボット駆動系においては、逆
に発振し易くなるという問題を生じるため、ゲインを大
きくできず、従って、十分な振動打ち消し効果を得られ
ない。また、特開昭59−175986号公報には高張
力を与えたタイミングベルトで減速機を駆動し、該ベル
トで振動を吸収する方式のものが提案されている。しか
しながら、この方式においてはタイミングベルトが破断
するという危険がある。また、特開昭59−11518
9号公報には減速機の主軸にばねとおもりから成る吸振
器を取り付ける方式が提案されている。しかし、この方
式においては遠心力により吸振器が破損したり、ロボッ
トの負荷荷重に対応しておもり等を調整しなければなら
ないという問題点がある。
【0006】そこで、本発明は、共振現象を実用域から
外すことにより振動を防止するロボットアームの関節装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ロボットア
ームの関節装置に用いる減速機のばね定数、固有ねじり
振動数、トルク変動等と共振現象との関係につき種々研
究を行った。先ず、回転ばね定数の高い減速機をロボッ
トアームの関節装置に用いることによりロボットの駆動
系の固有ねじり振動数f0 を実用域から外すことが可能
か否かについて試算した。しかし、減速機の回転ばね定
数K1 (図9参照)は、大きなものでもロボットアーム
自体の回転ばね定数K2 の1/10〜1/5であるた
め、駆動系全体のばね定数K=K1・K2/(K1+K2
は大して大きくできず、その結果、駆動系の固有ねじり
振動数f0 =1/2・π・(K/J)1/2 (ここに、J
は駆動系の慣性モーメント)も大して大きくできない。
したがって、減速機のばね定数K1 を高めること、すな
わち剛性を高めることによっては、駆動系の固有ねじり
振動数f0 を実用域から外すことは不可能であるとの結
論に達した。
【0008】そこで、発明者等は、振動発生の原因であ
る減速機のトルク変動を無くすことを試みた。具体的に
は偏心揺動型の遊星歯車減速機を用い、トルク変動を阻
止ないし減ずるよう、この減速機の内歯歯車と外歯歯車
の歯に高精度の仕上げ加工を施し、かつ、トルク変動が
生じてもこれを吸収するよう、偏心入力軸の軸受部やト
ルク取り出しピンの軸支部等に環状溝を設け、該溝にゴ
ムリングを装着した。しかしながら、このような対策を
施しても実用域での共振を防ぐことはできず、しかも、
共振が生じるときの電動モータ回転数は、そのような対
策を施さない場合とほとんど同じであることがわかっ
た。
【0009】このような実験結果から、一定の機構の減
速機であれば、ほぼ一定のトルク変動特性、すなわちロ
ボットの駆動系に対する加振周波数特性を有するとの結
論が導かれた。また、斯かる結論から、ロボット駆動系
に組み込む減速装置の機構を変更することによりトルク
変動特性を実用域外におくことができるとの仮説の下に
種々の実験を行った。これらの実験の内容および結果に
ついては後述するが、これらの実験結果から仮説は実証
され、下記の結論に到達した。
【0010】従来の常識では全く考えられなかった構
成、すなわち、偏心揺動型の遊星歯車減速機は、内歯歯
車と外歯歯車の歯数差が1であって、単独でも1/20
0程度の減速比にできるが、この減速比を数十分の一程
度とし、これに所定範囲の減速比を有する前段減速比を
わざわざ設けて歯車装置を構成し、これをロボットアー
ムの駆動系に組み込むという構成により共振現象の生じ
る範囲を電動モータの実用域から外すことができる。
【0011】なお、偏心揺動型の遊星歯車減速機に前段
減速機を設けた減速装置は、米国特許第4,348,9
18号明細書に開示されているようにクローラ車両の走
行装置等に採用されている。しかしながら、そのような
走行装置等は採用する減速機の重量、バックラッシュ等
の問題をほとんど考慮しなくともよい。したがって、単
に減速機の総減速比の変更を容易にするため、あるいは
単に低速大トルクを出力するため、前段減速機を設けて
いるのである。これに対し、高速性、位置精度等を要求
され、且つ、全体構造の剛性が低いロボットにおいて
は、減速機の重量、バックラッシュを小さくすることが
重要であるため、関節部に、減速比当たりの重量が調和
歯車装置より大きい偏心揺動型の遊星歯車減速機を用
い、さらに、重量、バックラッシュを増大させる要素と
なる前段減速機をわざわざ設けることは従来考えられな
かったのである。
【0012】発明者らはさらに種々研究を重ねた結果、
下記の構成を有する本発明に到達した。本発明に係る産
業ロボットの関節装置は、ロボットの第1部材と、第1
部材に回動自在に支持されたロボットの第2部材と、第
1部材に一体的に取り付けられた電動モータの回転を減
速して第2部材に伝達する歯車減速装置と、を備えた産
業ロボットの関節装置において、前記歯車減速装置が、
前記電動モータの回転数を減速する前段減速機と、前段
減速機の出力の回転数をさらに減速する後段の遊星歯車
減速機と、から構成され、前記電動モータが前記電動モ
ータ、歯車減速装置および第2部材を含んで構成される
駆動系のねじり発振周波数に対応する回転数を通常制御
域内に有し、前記前段減速機が、前記電動モータの通常
制御域における毎秒最高回転数を前記ねじり発振周波数
以下になるように減速する、減速比を有し、前記遊星歯
車減速機が、前記前段減速機の出力が入力される偏心入
力軸、偏心入力軸の回転により偏心揺動させられる外歯
歯車、外歯歯車と噛み合い外歯歯車の歯数より1つ多い
歯数を有する内歯歯車および外歯歯車に係合するキャリ
アを有することを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、本発明に係る産業ロボット
の関節装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
【実施例1】図1ないし図3は本発明の第1実施例を示
す図である。まず、構成について説明する。図1は本発
明に係る産業ロボットの関節装置を用いたロボットの関
節部の全体概略図である。1は電動モータであり、電動
モータ1のフランジ2は減速装置3の筒体4に固定され
ている。筒体4は第1部材としての第1アーム5の先端
部5aに固定されている。電動モータ一の出力の回転軸
7は減速装置3の入力回転軸8に連結され、減速装置3
の出力は軸10に伝達され、軸10は円筒体11を貫通
して第2部材としての第2アーム12に固定されてい
る。第2アーム12の端部の筒状体13と第1アーム5
の先端部5aの下面から下方に突出する円筒型の突出体
15との間には一対のベアリング16が介装されてい
る。したがって、減速装置3は電動モータ1の回転数を
減速してロボットの被駆動部すなわち第2アーム12を
回動させる。また、電動モータ1、減速装置3、第2ア
ーム12および第2アームに接続された負荷は駆動系を
構成する。
【0015】減速装置3は図2および図3に示すよう
に、電動モータ1の回転数を減速する前段減速機20
と、前段減速機20に連結され、回転数をさらに減速す
る後段減速機21と、から構成されている。前段減速機
20は平行軸型減速機である。後段減速機21は固定し
ている内歯歯車28と内歯歯車28に噛み合う外歯歯車
29と、外歯歯車29に係合して外歯歯車29を揺動回
転させる偏心入力軸としての入力クランク軸30と、を
有する偏心揺動型の遊星歯車装置によって構成されてい
る。また、内歯歯車28はピン歯31を用いたピン歯車
で構成され、且つ外歯歯車29の歯数より一つだけ多い
歯数を有している。また、前段減速機20は通常の平行
軸型減速機であり平歯歯車により構成されている。
【0016】前段減速機20の減速比i1 と後段減速機
21の減速比i2 とは電動モータ1の通常制御回転数の
範囲内でロボットすなわち、第1アーム5および第2ア
ーム12と、後段減速機21との共振が起きないように
選択している。すなわち、電動モータ1の実用域では、
前段減速機20の毎秒当たり回転数が電動モータ1、減
速装置3、第2アーム12および第2アーム12に接続
された負荷から構成される駆動系のねじり発振周波数
(固有ねじり振動数f0 付近の周波数をいう。以下同
じ)以下になるよう、前段減速機20の減速比i1 を選
択する。この実施例においては、電動モータ1の通常制
御回転数が0〜1000rpm、前段減速機20の減速
比i1 が1/3および後段減速機21の減速比i2 は1
/40であり、減速装置3の全体の減速比iは1/12
0になるよう選択されている。前記駆動系の固有ねじり
振動数f0 は、共振ピーク点における電動モータ1の回
転数、前段減速機20の減速比i1 および減速装置3に
関して後述するトルク変動特性から逆算でき、この実施
例においては約8.4Hzである。
【0017】前段減速機20の減速比i1 が1/5未満
(分母が大きくなることを意味する。以下同じ)または
後段減速機21の減速比i2 が1/25を超える(分母
が小さくなることを意味する。以下同じ)と、前段減速
機20に構造の簡単な平行軸減速機を採用して1/12
0の総減速比iを得ることは困難となるので、設計的経
済的に不利となる。また、後段減速機21の減速比i2
が1/60未満または前段減速機20の減速比i1 が1
/2を超えて1/120の総減速比iを得る場合は、電
動モータ1の実用域において、前段減速機20の毎秒当
たり回転数が前記駆動系の固有ねじり振動数f0 (8.
4Hz)近辺あるいはそれ以上となるので、共振を防ぐ
効果が少ない。
【0018】次に、作用について説明する。電動モータ
1を0〜1000rpmの通常回転数で回転させると、
減速比i1が1/3の前段減速機20の出力回転数は0
〜333rpmとなり、減速比i2が1/40の後段減
速機21の出力回転数は0〜8.3rpmとなり、この
範囲では共振現象が生じない。共振は実用域外、すなわ
ち電動モータ1の出力回転数が1500rpm近辺(こ
のときの前段減速機20の出力回転数は1500rpm
×1/3=500rpm近辺、遊星歯車減速機21の出
力回転数は1500rpm×1/3×1/40=12.
5rpm近辺)で生じる。このように共振現象が電動モ
ータ1の実用域外で生じる理由は明らかではないが、実
験結果から推定すると上記実施例のように内歯歯車と外
歯歯車の歯数差が1の遊星差動歯車装置は入力軸(クラ
ンク軸30)の1回転当たり1のトルク変動が生じ、し
たがって、これに減速比i1 が1/3の前段減速機20
を取り付けると電動モータ1の回転数が実用域外である
1500rpmを中心とした付近で1500×(1/
3)×1=500程度の毎分当たりトルク変動が生じ、
このトルク変動数が駆動系の固有振動数8.4ヘルツ
(500振動/分)にほぼ一致して共振を起こすものと
考えられる。
【0019】これに対し、内歯と外歯の歯数差が2の調
和歯車装置の場合は、実験結果から推定すると、入力軸
(ウェーブジェネレータ)の1回転当たり2のトルク変
動が生じ、したがって、これに減速比1/3の前段減速
機を取り付けると、電動モータの回転数が750rpm
付近で750×1/3×2=500の毎分当たりトルク
変動が生じ、駆動系の固有振動数f0 が上記実施例と同
様8.4ヘルツ(500振動/毎分)であるならば電動
モータの回転数が実用域内である750rpm付近で共
振が生じるものと考えられる。この場合、毎分当たり加
振数がおおよそ500の時に共振が生じるのであるか
ら、調和歯車減速機に減速比i=1/6程度の前段減速
機を設けることにより共振時の電動モータの回転数を実
用域外である1500rpmを中心とする付近にまで上
げることも考えられる。しかし、調和歯車減速機の減速
比i2 は最小でも1/480となり、1〜1000rp
mを実用域とする電動モータが一般に必要とする減速比
i(1/120程度)を満足できないため、実用できな
いことになる。
【0020】なお、電動モータ1および前段減速機20
の振動は駆動系の発振に影響を及ぼさない。これは、こ
れらの振動は小さいこと、後段部21を介することによ
り吸収されること等によるものと考えられる。
【0021】(実験例)前述の実施例の減速装置のほか
に次表の比較例1〜3に示す減速装置について実施した
振動測定試験について説明する。前述の実施例および比
較例1、2の偏心揺動型の遊星歯車減速機は、クランク
軸および外歯歯車の揺動によるアンバランスを防いで振
動の振幅を小さくするため、後述する第2〜第3実施例
同様に外歯歯車を2枚としこれらを180度の位相差を
もって組み付けたもので、かつ、内歯歯車が外歯歯車の
歯数より1つ多い歯数を有するものを用いた。それぞれ
の減速装置の減速段数、減速比i1、i2、回転ばね定数
1 (図9参照)および慣性モーメントJは次の表1に
示してある。
【0022】
【表1】 (注1):遊星歯車減速は偏心揺動型の遊星歯車減速機を、平歯歯車減速は
平 行軸型の平歯歯車列減速機を示す。
【0023】実験は図5に示す全体構成図によって実施
した。すなわち、電動サーボモータ51の出力軸51a
に減速装置52を取り付け、減速装置52の出力軸52
aにロボットの被駆動部(第2アーム)の慣性モーメン
トJに相当する慣性負荷としてフライホイール53が取
り付けられた。フライホイール側面53aの半径上の位
置に、円周方向の加速度および振幅を測定できる圧電素
子を利用した加速度ピックアップ54を取り付けた。こ
の加速度ピックアップ54の出力はインジケータ56に
連結されている。モータ51、減速装置52およびフラ
イホイール53から成る駆動系の固有振動数f0 は約
8.4ヘルツになるよう調整してある。電動モータの回
転数を変化させて、その時のフライホイールの加速度の
大きさを測定した。測定結果は図4に示す。横軸は電動
サーボモータ51の回転数であり、縦軸は加速度ピック
アップ54で検出された円周方向の加速度(単位:G)
を示す。
【0024】比較例1、比較例2および比較例3におい
ては、共振のピークはそれぞれ、電動モータ51の回転
数が、略750rpm、略500rpmおよび略250
rpmのときであり、電動モータ51の通常制御回転数
0〜1000rpmの範囲で共振が起こっている。しか
しながら、本発明に係る減速装置を用いた実施例の場合
には、電動モータの実用域外である1500rpmを中
心とする近傍で共振現象が生じる。比較例2と比較例3
の対比から、共振時における電動モータ51の回転数は
内歯歯車と外歯歯車の歯数差が1の遊星歯車減速機が歯
数差2の調和歯車装置の2倍となることが認められる。
また、実施例、比較例1および比較例2の対比から、共
振時における電動モータ51の回転数は前段減速機の減
速比iに比例していることが認められる。
【0025】
【実施例2】次に本発明の第2実施例として、前述した
第1実施例の減速装置3を改良した場合について図6、
図7に基づいて説明する。なお、第1実施例と同一構成
については、第1実施例と同一の符号を用いて説明す
る。図6、図7において、40は図1に示した電動モー
タ1によって駆動される減速装置であり、減速装置40
は電動モータ1の回転軸7に連結された平行軸型の前段
減速機20と、この前段減速機20に連結された後段の
遊星歯車減速機21と、から構成されている。
【0026】電動モータ1の回転軸7の先端部7aはテ
ーパ軸であり、先端にねじ7bを有する。ねじ部7bに
はモータ出力軸の一部を構成する連絡軸7cが螺合され
ている。8は入力回転軸であり、先端部8aに前段減速
機20のピニオン22が設けられると共にモータ回転軸
7を貫通させる孔8bを有し、且つ孔8bは回転軸7の
テーパ部と係合するテーパ孔部を有する。入力回転軸8
は電動モータ1の回転軸7の先端部7aにナット23に
よりねじ止めされている。回転軸7の先端部7aは入力
回転軸8に半月キー24により固定されている。このよ
うな構成により入力回転軸8の先端部8aの軸径はモー
タ回転軸7の軸径より小さくすることができ、したがっ
て、ピニオン22の歯数はモータ回転軸7に歯数を直接
装着させる場合に比べ、少なくすることができ、容量の
割に回転軸径の大きい市販電動モータ1を用いる場合で
あっても、所定の前段減速比を得ることができる。ピニ
オン22に噛み合う3個の平歯車25は、後述する3本
の入力クランク軸30にそれぞれ結合している。
【0027】遊星歯車減速機21は筒体4に固定して設
けられた内歯歯車28と、内歯歯車28に噛み合う一対
の外歯歯車29と、外歯歯車29に嵌合して外歯歯車2
9を揺動回転させる偏心入力軸としての3本の入力クラ
ンク軸30と、から構成されている。また、内歯歯車2
8はピン歯31を用いたピン歯車で構成され、かつ外歯
歯車29の歯数より1つだけ多い歯数を有している。3
3は円板部であり、円板部33は遊星歯車減速機21の
前端部を構成し、かつ、入力クランク軸30を円周上に
等配しベアリング34を介して軸支している。35はブ
ロック体であり、ブロック体35はその中心部に軸方向
の円筒状孔36を有し、入力回転軸8が遊嵌されてい
る。同様に外歯歯車29および円板部33の中心部にも
孔が設けられている。ブロック体35はその後端部35
aに凹みを有し、軸10のフランジ部39に対向してい
る。凹み36とフランジ部39とによって形成された空
洞内には、前段減速機20が収納されている。ブロック
体35には入力クランク軸30を円周上に等配しベアリ
ング41を介して軸支している。入力クランク軸30の
延在部30aは凹み36内に突出し、平歯車25に固定
されている。
【0028】入力クランク軸30は円板部33とブロッ
ク体35の中央部に軸支され、入力クランク軸30の中
央には180度の位相差をもつ一対のクランク部42を
有し、各クランク部42はベアリング43を介して外歯
歯車29を偏心揺動させるようにしている。ここで、前
述した円板部33と、ブロック体35とは支持体44を
構成する。円板部33、ブロック体35およびフランジ
部39は複数のボルト46および固定ナット47により
互いに固定されている。
【0029】電動モータ1の回転は回転軸7および入力
軸8を介して前段減速機20のピニオンに伝達され、前
段減速機20で減速される。前段減速機20の出力は平
歯車25により遊星歯車減速機21のクランク軸30に
入力される。次いで、クランク軸30の回転により偏心
揺動させられる外歯歯車29と、この外歯歯車29と噛
み合い外歯歯車29より1つ多い歯数を有する内歯歯車
28とによりさらに減速され、外歯歯車29のゆっくり
した自転運動はキャリアとして作用する支持体44から
軸10に伝達されアーム12が回動される。
【0030】本実施例においては、電動モータ1の通常
制御回転数は(0〜1000rpm、前段減速機20の
減速比i1 は1/3、遊星歯車減速機21の減速比i2
は1/40、減速装置3の総減速比iは1/120、電
動モータ1、減速装置3および第2アーム12を含んで
構成される駆動系の固有ねじり振動数f0 は約8.4ヘ
ルツである。したがって、電動モータ1は産業ロボット
の駆動系の固有ねじり振動数に対応する回転数(8.4
ヘルツに相当する500rpm)を通常制御域(0〜1
000rpm)内に有している。また、前段減速機20
は電動モータ1の通常制御域における毎秒最高回転数
(1000rpmに相当する毎秒16.7回転)を、駆
動系の固有ねじり振動数f0 以下になるよう(毎秒5.
6回転)に減速する減速比i1 (1/3)を有してい
る。減速機40の回転ばね定数K1 は約37.5kg・
m/分である。この実施例の場合の作用および振動特性
は、前述の第1実施例と同様になる。
【0031】
【実施例3】次に本発明の第3実施例を図面に基づいて
説明する。図8において、60は減速装置である。減速
装置60は電動モータ1、前段減速機20および遊星歯
車減速機21が軸方向に順次配設され、電動モータ1の
出力軸7には入力回転軸8が取着されている。入力回転
軸8のモータ1側端には前段減速機20の入力歯車22
が一体に設けられ、その中間には大歯車61aと小歯車
61bを有する第1のアイドルギヤ61が回転自在に支
持されている。遊星歯車減速機21のクランク軸30の
一端はモータ1側に突出した延在部30aを有する。延
在部30aのモータ1側端には第2アイドルギヤ62が
回転自在に支持され、その中間には前段減速機20の出
力歯車25が固着されている。第2のアイドルギヤ62
は入力歯車22と噛み合いこれにより歯数の多い大歯車
62aおよび第1アイドルギヤ61の大歯車61aと噛
み合いこれにより歯数の少ない小歯車62bを有する。
出力歯車25は第1アリドルギヤ61の小歯車61bと
噛み合いこれより多い歯数を有する。入力回転軸8、入
力歯車22、出力歯車25、延在部30a、および第
1、第2のアリドルギヤ61、62は前段減速機20と
しての平行軸減速機を構成する。アイドルギヤ61、6
2を入れることにより、容量の割に回転軸径の大きい市
販電動モータ1を用いる場合であっても、所定の前段減
速比i1 を得ることができる。他の構成および作用は前
述した第1および第2の実施例と同じであるので、該実
施例の説明に用いた符号を図8に付け、その説明を省略
する。
【0032】次に、図10に示す産業ロボット65に用
いた本発明に係る産業ロボットの関節装置の実施例を図
面を用いて説明する。図10において、産業ロボット6
5は第1関節66と、第1関節66に連結する第2関節
67と、第2関節67に連結する第1アーム83および
第2アーム68とから構成されている。第1関節66は
支柱71の上側の旋回盤73を矢印P方向に回動し、第
2関節67は旋回盤73に固定されたブラケット81の
上側の第1アーム83を矢印Q方向に回動し、第2アー
ム68の先端部68aの3次元的移動を可能にする。
【0033】
【実施例4】図11は本発明の第4実施例を示す図であ
り、前述の第3実施例と同一構成については、同一符号
を用いて説明する。
【0034】図11において、70は減速装置であり、
減速装置70は、図10に示す産業ロボットの第1関節
66において、第1部材としての筒状の支柱71の内側
に内装されている。減速装置70は電動モータ1に連結
された平行軸型の前段減速機20と、この前段減速機2
0に連結された後段の遊星歯車減速機21とから構成さ
れている。電動モータ1のフランジ2は、筒体4を介し
て支柱71にボルト4bを用いて固定されている。電動
モータ1の上側のほぼ垂直な回転軸7は前段減速機20
のピニオン22に固定され、ピニオン22に噛み合う3
個の平歯車25は、後述する3本の入力クランク軸30
の延在部30aにそれぞれ固定されている。遊星歯車減
速機21は前段減速機20の上側に配置され、筒体4に
固定して設けられた内歯歯車28と、内歯歯車28に噛
み合う一対の外歯歯車29a、29b(以下、添字をつ
けない29で代表する)と、外歯歯車29に嵌合して外
歯歯車29を揺動回転させる偏心入力軸としての3本の
入力クランク軸30と、から構成されている。入力クラ
ンク軸30は遊星歯車減速機21の下端部を構成する円
板部33にベアリング34を介して軸支され、遊星歯車
減速機の21の上端部および外歯歯車29の円周上に等
配して設けられた貫通孔内を挿通したブロック体35に
ベアリング41を介して軸支されている。ブロック体3
5と円板部33とは円周上に等配された3つのボルト4
6により一体的となり、支持体(キャリア)44を構成
し、支柱71の上側に設けられた代2部材としての円筒
状体の旋回盤73の底部73aに固定されている。底部
73aと支柱71の上部71aとの間にはベアリング7
4が設けられ、支持体(キャリア)44の自転に伴い、
旋回盤73は回転する。前述以外の構成、作用および振
動特性は第3実施例と同じであり省略する。
【0035】
【実施例5】図12は本発明の第5実施例を示す図であ
り、前述の第3実施例と同一構成については、同一符号
を用いて説明する。
【0036】図12において、80は減速装置であり、
減速装置80は図10に示す産業ロボットの第2関節6
7に用いたものである。第1部材としての箱形ブラケッ
ト81は前述の第1関節66の旋回盤73の上側に一体
的に固定されている。減速装置80は電動モータ1に連
結された平行軸型の前段減速機20とこの前段減速機2
0に連結された後段の遊星歯車減速機21とから構成さ
れている。電動モータ1のフランジ2はブラケット81
にボルト4bを用いて固定され、電動モータ1の回転軸
7は前段減速機20のピニオン22に固定され、ピニオ
ン22に噛合う3個の平歯車25は後述する3本の入力
クランク軸30の延在部30aにそれぞれ固定されてい
る。遊星歯車減速機21の入力クランク軸30の前端部
はベアリング41を介してブロック体35に軸支され、
その後端部はベアリング34を介して円板部33に軸支
されている。ブロック体35と円板部33はボルト46
で一体的に固定されて支持体44を構成し、さらにボル
ト82によりブラケット81に固定されている。遊星歯
車減速機21の内歯歯車28は支持体44の外周部にベ
アリング84を介して回動自在に支持されている。内歯
歯車28は、第2部材としての第1アーム83の端部8
3aに一体的に固定されている。
【0037】電動モータ1の回転は回転軸7を介して前
段減速機20のピニオン22に伝達され、前段減速機2
0で減速される。前段減速機20の出力は平歯車25に
より遊星歯車減速機21の入力クランク軸30に入力さ
れる。次いで、入力クランク軸30の回転により偏心揺
動させられる一対の外歯歯車29a、29b(以下、2
9で代表する)と、この外歯歯車29と噛み合い外歯歯
車29より一つ多い歯数を有する内歯歯車28とにより
さらに減速され、内歯歯車28のゆっくりした自転は第
2アーム83を回動させる。前述以外の構成、作用およ
び振動特性は第3実施例と同じであり、同じ符号をつけ
て説明を省略する。
【0038】
【実施例6】図13は本発明の第6実施例を示す図であ
り、これは、前述の第5実施例の構成の一部を変更した
ものであり、第5実施例と同一の構成には同一の符号を
つけて説明する。
【0039】図13において、90は減速装置であり、
減速装置90は、第5実施例と同様に、図10に示す、
産業ロボットの第2関節67に用いたものである。第6
実施例では、減速装置90は電動モータ1に連結された
前段減速機20と前段減速機20に連結された後段の遊
星歯車減速機21とから構成されている。電動モータ1
の出力軸の回転軸7は前段減速機20の太陽歯車91に
連結され、太陽歯車91に噛合い円周上に等配された3
個の遊星歯車92は、ブロック体35の前端部から前方
に連結された円筒部35aの内側に設けられた内歯歯車
93とも噛合い遊星運動する。遊星歯車減速機21の偏
心入力軸としての入力クランク軸30は回転軸7の軸線
と同一軸線上でブロック体35の軸芯上に配置され、入
力クランク軸30の延在部30aはベアリング94を介
してブロック体35に軸支されている。延在部30aの
前端部にはフランジ部95が設けられ、フランジ部95
の周辺に設けられた孔96に前段減速機20の遊星歯車
92の軸92aが嵌合する。入力クランク軸30の後段
部は、円板部33にベアリング98を介して軸支されて
いる。ブロック体35および円板部33はボルト82に
よりブラケット81に一体的に固定されている。
【0040】電動モータ1の回転は回転軸7を介して太
陽歯車91に伝達され、太陽歯車91の自動運動に伴
い、遊星歯車92は、太陽歯車91の自転運動に伴い、
遊星歯車92は、太陽歯車91と内歯歯車93との間を
減速されて遊星運動する。遊星歯車92の遊星運動の中
公転運動はフランジ部95を介して入力クランク軸30
に伝達される。前述以外の構成、作用および振動特性は
第5実施例と同じであり、同じ符号をつけて説明を省略
する。
【0041】なお、本発明においては、前段減速機の減
速比は電動モータの毎秒当たり最高回転数を、共振現象
の生じ始めるときの振動数相当(前述した「ねじり発振
周波数」付近)、すなわち駆動系の固有振動数より若干
小さな振動数相当、に減速する値であればよい。例えば
駆動系の固有ねじり振動数f0 が5〜9Hzの場合であ
って、電動モータの最高回転数が1000rpm、総減
速比iが1/60〜1/320のときは前段最小減速比
1 を約1/1.9〜約1/6、後段の減速比i2 を1
/25〜1/60とすることにより共振現象を実用域か
ら外すことができる。また駆動系の固有ねじり振動数f
0 が5〜9ヘルツの場合であって、電動モータの回転数
が最高2000rpm、総減速比iが1/110〜1/
320のときは、前段最小減速比i1 を約1/3.7〜
約1/6.7、後段減速比i2 を約1/25〜約1/6
0とすることにより共振現象の起きないロボットの関節
装置を得る。同様(f0 =5〜9Hz)の場合であって
電動モータ回転数が最高4000rpm、総減速比iが
1/210〜1/640のときは、前段最小減速比i1
を約1/7.4〜約1/13.3、後段減速比i2 を約
1/30〜約1/60とすればよい。また、駆動系の固
有ねじり振動数f0 が10〜15Hzの場合であって、
電動モータの最高回転数が1000rpm、総減速比i
が1/80〜1/300のときは前段最小減速比i1
1/1.5〜1/4、後段の減速比i2 を1/25〜1
/60とすることにより共振現象を実用域から外すこと
ができる。同様(f0 =10〜15Hz)の場合であっ
て、電動モータの最高回転数が4000rpm、総減速
比iが1/125〜1/600のときは、前段減速比i
1 を約1/4.5〜約1/10、後段の減速比i2 を約
1/30〜1/100とすればよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ロボットの駆動系の共振現象を実用域から外すことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の産業ロボットの関節装置の全体概略
説明図である。
【図2】実施例1の減速装置の一部断面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】実施例1および比較例の性能を説明する図であ
る。
【図5】図4に係る実験例の全体構成図である。
【図6】第2実施例の要部断面図である。
【図7】図6のB−B矢視断面図である。
【図8】第3実施例の要部断面図である。
【図9】減速装置一般の回転ばね定数の特性図である。
【図10】本発明に係る産業ロボットの関節装置を用い
た産業ロボットの全体概念図である。
【図11】図10の第1関節に用いた本発明の第4実施
例の要部断面図である。
【図12】図10の第2関節に用いた本発明の第5実施
例の要部断面図である。
【図13】図10の第2関節に用いた本発明の第6実施
例の要部断面図である。
【符号の説明】
1 電動モータ 3、40、60、70、80、90 減速装置 5、71、81 第1部材 12、73、83 第2部材 20 前段減速機 21 後段減速機 28 内歯歯車 29 外歯歯車 30 入力クランク軸
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年4月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 産業ロボットの関節装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業ロボットの関節
装置、特にロボットアームの共振振動の発生を防止する
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】産業ロボットにおいては、一般に、作業
に適した出力トルクを得るため、アーム等の関節部の駆
動系には、高速低トルクの電動サーボモータまたは電動
パルスモータと、この出力を低速高トルクに変換する減
速装置とを用いている。また、そのような減速装置は、
例えば、減速比1/120程度の大減速比を有している
こと、また、歯車間のガタ、すなわち、いわゆるバック
ラッシュが小さいこと、さらに、慣性を小さくするため
軽量であること等が要求される。
【0003】このような要求を満たす従来の減速装置と
しては、例えば、特開昭59−175986号公報に開
示されているような調和歯車装置および特開昭59−1
06744号公報に開示されているような偏心揺動型遊
星歯車装置がある。前者の減速比は一般に1/80〜1
/320程度であり、後者の減速比は一般に1/6〜1
/200程度である。また、前者は後者に比し減速比当
たりの外径、重量が小さく、かつ、ほとんどのロボット
アームの関節部の駆動用減速装置として必要な減速比お
よび機械的強度を満足している。従って、ロボットアー
ムの関節部駆動用減速装置のほとんどは調和歯車装置単
体が適用され、まれに、調和歯車装置でも得られないほ
どの大減速比を必要とするもの、すなわち、小容量高速
回転(例えば、出力が1000ワット以下で回転数が5
000rpm)型のモータをロボットアームの駆動に用
いる場合のように1/625程度の減速比を必要とする
もの、については特開昭56−152594号公報に開
示されているように調和歯車装置に前段減速装置を結合
したものが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各減速装置をロボットの関節装置に用いた場合、減速
装置に入力する電動モータ回転数が低い領域で減速装置
とロボットアーム等がねじり共振を起こすという問題点
があった。共振現象としては、ロボットアームの関節部
近傍にねじり振動が現れることが多く、その結果、ロボ
ットアームの先端位置が定まらなくなり、ロボットによ
る作業のうち溶接、シーリング、組立等、一般に電動モ
ータの低回転数領域で行われる作業において、正確な作
業軌跡を得られない等の問題が生じる。共振が生じる理
由は、電動モータのトルク伝達機構である上記各減速装
置の剛性が低いため、そのような減速装置を含む駆動系
(電動モータ、減速装置およびロボットアームから構成
される系)の固有ねじり振動数fが低くなり、従っ
て、歯切の加工誤差などに起因して振動する減速装置の
振動周波数が、電動モータの低回転数域で上記固有ねじ
り振動数fと一致するためと考えられていた。特に、
第2アームが電動モータの出力回転軸の延長方向に対し
て直角方向に延在している産業ロボットの関節装置にお
いては、電動モータの回転時、第2アームの先端部が電
動モータの出力回転軸線を中心に振れ回るので、その振
れ回りによる振動が起因し、ロボットによる作業のうち
容接作業のように正確な作業軌跡を要する作業には問題
となっていた。
【0005】このような問題点に対し、特開昭58−2
11881号公報には、発生した振動を打ち消すように
電動モータの速度指令信号を変化させる電気的制御方式
が提案されている。しかしながら、このような方式にお
いてはフィードバックゲインを大きくすると系が不安定
となり、特に剛性の低いロボット駆動系においては、逆
に発振し易くなるという問題を生じるため、ゲインを大
きくできず、従って、十分な振動打ち消し効果を得られ
ない。また、特開昭59−175986号公報には高張
力を与えたタイミングベルトで減速装置を駆動し、該ベ
ルトで振動を吸収する方式のものが提案されている。し
かしながら、この方式においてはタイミングベルトが破
断するという危険がある。また、特開昭59−1151
89号公報には減速装置の主軸にばねとおもりから成る
吸振器を取り付ける方式が提案されている。しかし、こ
の方式においては遠心力により吸振器が破損したり、ロ
ボットの負荷荷重に対応しておもり等を調整しなければ
ならないという問題点がある。
【0006】そこで、本発明は、大きな共振現象の生じ
る時の電動モータ回転数を、所望のモータ回転数領域に
シフトさせて、ロボットにその先端部で正確な軌跡を描
くことを必要とする作業を行わせる時において大きな振
動の発生を防ぐことにより、ロボットの作業性が向上す
ると共に、ロボットの耐久性を向上させることができる
産業ロボットの関節装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ロボットア
ームの関節装置に用いる減速装置のばね定数、固有ねじ
り振動数、トルク変動等と共振現象との関係につき種々
研究を行った。先ず、回転ばね定数の高い減速装置をロ
ボットアームの関節装置に用いることによりロボットの
駆動系の固有ねじり振動数fを実用域から外すことが
可能か否かについて試算した。しかし、減速装置の回転
ばね定数K(図9参照)は、大きなものでもロボット
アーム自体の回転ばね定数Kの1/10〜1/5であ
るため、駆動系全体のばね定数K=K・K/(K
+K)は大して大きくできず、その結果、駆動系の固
有ねじり振動数f=1/2・π・(K/J)
1/2(ここに、Jは駆動系の慣性モーメント)も大し
て大きくできない。したがって、減速装置のばね定数K
を高めること、すなわち剛性を高めることによって
は、駆動系の固有ねじり振動数fを実用域から外すこ
とは不可能であるとの結論に達した。
【0008】そこで、発明者等は、振動発生の原因であ
る減速装置のトルク変動を無くすことを試みた。具体的
には偏心揺動型遊星歯車装置を用い、トルク変動を阻止
ないし減ずるよう、この減速装置の内歯歯車と外歯歯車
の歯に高精度の仕上げ加工を施し、かつ、トルク変動が
生じてもこれを吸収するよう、偏心入力軸の軸受部やト
ルク取り出しピンの軸支部等に環状溝を設け、該溝にゴ
ムリングを装着した。しかしながら、このような対策を
施しても実用域での共振を防ぐことはできず、しかも、
共振が生じるときの電動モータ回転数は、そのような対
策を施さない場合とほとんど同じであることがわかっ
た。
【0009】このような実験結果から、一定の機構の減
速装置であれば、ほぼ一定のトルク変動特性、すなわち
ロボットの駆動系に対する加振周波数特性を有するとの
結論が導かれた。また、斯かる結論から、ロボット駆動
系に組み込む減速装置の機構を変更することによりトル
ク変動特性を実用域外におくことができるとの仮説の下
に種々の実験を行った。これらの実験の内容および結果
については後述するが、これらの実験結果から仮説は実
証され、下記の結論に到達した。
【0010】従来の常識では全く考えられなかった構
成、すなわち、偏心揺動型遊星歯車装置は、内歯歯車と
外歯歯車の歯数差が1であって、単独でも1/200程
度の減速比にできるが、この減速比を数十分の一程度と
し、これに所定範囲の減速比を有する前段減速比をわざ
わざ設けて歯車装置を構成し、これをロボットアームの
駆動系に組み込むという構成により共振現象の生じる範
囲を電動モータの実用域から外すことができる。
【0011】なお、偏心揺動型遊星歯車装置に前段減速
機を設けた減速装置は、米国特許第4,348,918
号明細書に開示されているようにクローラ車両の走行装
置等に採用されている。しかしながら、そのような走行
装置等は採用する減速装置の重量、バックラッシュ等の
問題をほとんど考慮しなくともよい。したがって、単に
減速装置の総減速比の変更を容易にするため、あるいは
単に低速大トルクを出力するため、前段減速機を設けて
いるのである。これに対し、高速性、位置精度等を要求
され、且つ、全体構造の剛性が低いロボットにおいて
は、減速装置の重量、バックラッシュを小さくすること
が重要であるため、関節部に、減速比当たりの重量が調
和歯車装置より大きい偏心揺動型遊星歯車装置を用い、
さらに、重量、バックラッシュを増大させる要素となる
前段減速機をわざわざ設けることは従来考えられなかっ
たのである。
【0012】発明者らはさらに種々研究を重ねた結果、
下記の構成を有する本発明に到達した。本発明に係る産
業ロボットの関節装置のうち請求項1記載のものは、第
1部材と、第1部材の先端部に回動自在に支持された第
2部材と、その第1部材の先端部に配置された電動モー
タと、その第1部材の先端部に取り付き、電動モータの
回転数を減速し、その回転を第2部材に伝達する減速装
置と、からなる産業ロボットの関節装置において、 A.前記減速装置が、(1)前記電動モータの回転数を
減速する前段減速機と、(2)該前段減速機の出力回転
数を減速する後段減速機と、を有し、 B.前記前段減速機が(1)電動モータの回転軸線と同
一軸線上で、電動モータの出力回転軸に結合された入力
歯車と、(2)該入力歯車に噛み合う複数の出力歯車
と、を有する平行軸型歯車装置からなり、 C.前記後段減速機が、(1)前記出力歯車にそれぞれ
結合され、前記電動モータの回転軸線と平行な回転軸線
を有するクランク軸と、(2)各クランク軸に係合して
偏心揺動させられる外歯歯車と、(3)外歯歯車に噛み
合う内歯歯車と、(4)各クランク軸を回転自在に支持
するとともに、外歯歯車の公転運動を被駆動部に伝達す
る出力部材としての支持体と、を有する偏心揺動型遊星
歯車装置からなり、 D.前記後段減速機の減速比をほぼ1/40に設定し、
前記前段減速機の減速比を1/2〜1/5の範囲内で設
定することにより、前記減速装置の総減速比を得るよう
にしたことを特徴とするものである。請求項2記載の発
明に係る産業ロボットの関節装置は、請求項1記載の産
業ロボットの関節装置のうち、前記前段減速機の減速比
に前記電動モータの通常制御回転数領域における毎秒当
たりの最高回転数と前記クランク軸の一回転当たりにお
ける前記後段減速機の実質トルク変動数とを乗じた値が
電動モータ、減速装置および第2部材を含んで構成され
る駆動系の固有ねじり振動数より小さくなるようにした
ことを特徴とするものである。そして本発明によれば、
特に産業ロボットにおいては重量や累積バックラッシュ
を小さくして制御性能を良好にすることを要求されるの
に対して、本来、調和歯車装置等のような単一の遊星歯
車装置により必要な減速比を満足するようにその減速装
置部を構成できる産業ロボットの関節装置において、そ
の減速装置部を偏心揺動型遊星歯車装置(後段減速機)
の入力側にわざわざ平行軸型歯車装置(前段減速機)を
設けて前段減速機と後段減速機とにより上記必要な減速
比を得るようにしているので、ロボットに共振が生じる
としても、大きな共振現象の生じる時の電動モータ回転
数を、所望のモータ回転数領域にシフトさせることがで
きる。その結果、ロボットにその先端部(工具把持部
等)で正確な軌跡を描くことを必要とする作業を行わせ
る時において大きな振動の発生を防ぐことができるの
で、ロボットの作業性が向上すると共に、ロボットの耐
久性を向上させることができる。また、後段減速機の減
速比をほぼ1/40という1つの値に設定して、前段減
速機の減速比を1/2〜1/5の範囲内から選択して総
減速比を得るようにしているので、つまり、構造の複雑
な偏心揺動型遊星歯車装置である後段減速機を同一の減
速機とし、構造の簡単な平行軸型歯車装置である前段減
速機の減速比を変えるだけで総減速比が得られるので、
産業ロボットの関節装置として要求される総減速比をそ
の都度選ぶに当たり、減速装置の製造コストを安価にす
ることができる。さらに、後段減速機の減速比をほぼ1
/40という一つの値に設定して、前段減速機の減速比
を1/2〜1/5の範囲内から選択するようにしている
ので、減速装置の総減速比はおよそ1/80〜1/20
0となり、産業ロボットにおいて必要とされる大半の減
速比を容易に得ることができるので、構造が簡単かつ共
振の発生を防止し易い関節装置を得ることができるの
で、関節装置の設計が容易となる。さらにまた、前段減
速機の減速比を通常好ましく使用される1/2、2.
5、3、…、4.5、5を用いれば、減速装置の総減速
比をおよそ1/80、100、120、…、180、2
00とすることができ、産業ロボットの関節装置の設計
(減速比の選択)が容易かつ加工にも好都合(コストメ
リット良好)である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る産業ロボット
の関節装置を図面に基づいて説明する。
【0014】
【実施例1】図1ないし図3は本発明の第1実施例を示
す図である。まず、構成について説明する。図1は本発
明に係る産業ロボットの関節装置を用いたロボットの関
節部の全体概略図である。1は電動モータであり、電動
モータ1のフランジ2は減速装置3の筒体4に固定され
ている。筒体4は第1部材としての第1アーム5の一端
部(先端部)5aに固定されている。電動モータ1の出
力回転軸7は減速装置3の入力回転軸8に連結され、減
速装置3の出力は軸10に伝達され、軸10は円筒体1
1を貫通して第2部材としての第2アーム12に固定さ
れている。第2アーム12の一端部の筒状体13と第1
アーム5の先端部5aの下面から下方に突出する円筒型
の突出体15との間には一対のベアリング16が介装さ
れ、第2アーム12は第1アーム5に回動自在に支持さ
れている。突出体15の内周面と円筒体11の中央部の
外周面との間には一対のベアリング17が介装されてい
る。円筒体11の上部および下部の内面と軸10との間
にはそれぞれ一対のベアリング18が介装されている。
したがって、減速装置3は電動モータ1の回転数を減速
してロボットの被駆動部すなわち第2アーム12を回動
させる。また、電動モータ1、減速装置3、第2アーム
12および第2アームに接続された負荷は駆動系を構成
する。
【0015】減速装置3は図2および図3に示すよう
に、電動モータ1の回転数を減速する前段減速機20
と、前段減速機20に連結され、回転数をさらに減速す
る後段減速機21と、から構成されている。前段減速機
20は平行軸型歯車装置である。後段減速機21は固定
している内歯歯車28と内歯歯車28に噛み合う外歯歯
車29と、外歯歯車29に係合して外歯歯車29を揺動
回転させる偏心入力軸としての入力クランク軸30と、
を有する偏心揺動型遊星歯車装置によって構成されてい
る。また、内歯歯車28はピン歯31を用いたピン歯車
で構成され、例えば、外歯歯車29の歯数より一つだけ
多い歯数を有している。また、前段減速機20は通常の
平行軸型歯車装置であり平歯車により構成されている。
【0016】前段減速機20の減速比iと後段減速機
21の減速比iとは電動モータ1の通常制御回転数
(ロボットの通常作業時、例えば溶接ロボットに主たる
溶接作業を行わしめる時、のモータ回転数)の範囲内で
ロボットすなわち、第1アーム5および第2アーム12
と、後段減速機21との共振が起きないように選択して
いる。電動モータ1の通常制御回転数領域あるいはロボ
ットによる正確な作業軌跡を要する領域(溶接作業等を
行う作業領域)では、前段減速機20の毎秒当たり最高
回転数に前段減速機20の減速比を乗じた値(その値に
更に後述するクランク軸30の一回転当たりのトルク変
動回数である1を乗じた値に相当する)が、電動モータ
1、減速装置3、第2アーム12および第2アーム12
に接続された負荷から構成される駆動系のねじり発振周
波数(固有ねじり振動数f付近の周波数をいう。以下
同じ)より小さくなるよう、前段減速機20の減速比i
を選択する。この実施例においては、電動モータ1の
通常制御回転数が0〜1000rpm、前段減速機20
の減速比iが1/3および後段減速機21の減速比i
は1/40((内歯歯車の歯数一外歯歯車の歯数)/
内歯歯車の歯数)であり、減速装置3の全体の減速比i
は1/120になるよう選択されている。前記駆動系の
固有ねじり振動数fは、共振ピーク点における電動モ
ータ1の回転数、前段減速機20の減速比iおよび減
速装置3に関して後述するトルク変動特性から逆算で
き、この実施例においては約8.4Hzである。すなわ
ち、減速装置の総減速比が遊星歯車装置単体で実在する
減速比の範囲内に設定され、前段減速機の減速比を1/
2〜1/5、後段減速機の減速比を1/25〜1/60
の範囲内でそれぞれ設定することにより、総減速比を満
足するようにし、前段減速機の減速比に電動モータの通
常制御回転数領域における毎秒当たりの最高回転数とク
ランク軸の一回転当たりにおける後段減速機の実質トル
ク変動数とを乗じた値が電動モータ、減速装置および第
2部材を含んで構成される駆動系の固有ねじり振動数よ
り小さくなるように、前段減速機の減速比が設定されて
いるのである。
【0017】前段減速機20の減速比iが1/5未満
(分母が大きくなることを意味する。以下同じ)または
後段減速機21の減速比iが1/25を超える(分母
が小さくなることを意味する。以下同じ)と、前段減速
機20に構造の簡単な平行軸型歯車装置を採用して1/
120の総減速比iを得ることは困難となるので、設計
的経済的に不利となる。また、後段減速機21の減速比
が1/60未満または前段減速機20の減速比i
が1/2を超えて1/120の総減速比iを得る場合
は、電動モータ1の実用域において、前段減速機20の
毎秒当たり回転数が前記駆動系の固有ねじり振動数f
(8.4Hz)近づきあるいはそれ以上となるので、共
振を防止できる範囲が狭くなる。つまり、例をあげて説
明すると、後段減速機の減速比を1/25とした場合
は、減速装置の減速比を1/200程度のものを得るた
めには、前段減速機の減速比を1/8とせねばならず、
前段減速機を遊星歯車装置などのような複雑なものを採
用する必要がある。その結果、減速装置が複雑で大型の
ものとなる。また、後段減速機の減速比を1/60とし
た場合は、減速装置の減速比を1/100程度のものを
得るためには、前段減速機の減速比を1/1.7とせね
ばならず、共振を防止できる範囲が小さくなる。そこ
で、後段減速機の減速比を1/40とすれば、減速装置
の減速比を1/200程度のものを得るためには、前段
減速機の減速比は1/5とすることができ、また、減速
装置の減速比を1/100程度のものを得るためには、
前段減速機の減速比は1/2.5とすることができる。
よって、後段減速機の減速比を1/40としたものだけ
で産業ロボットにおいて必要とされる大半の減速比が得
られることになる。
【0018】次に、作用について説明する。電動モータ
1を0〜1000rpmの通常制御回転数で回転させる
と、減速比iが1/3の前段減速機20の出力回転数
は0〜333rpmとなり、減速比iが1/40の後
段減速機21の出力回転数は0〜8.3rpmとなり、
この範囲では大きな振動は生じない。電動モータ1の出
力回転数が1500rpm近辺(このときの前段減速機
20の出力回転数は1500rpm×1/3=500r
pm近辺、後段減速機21の出力回転数は1500rp
m×1/3×1/40=12.5rpm近辺)で最大共
振現象が生じ、この時の振動が最も大きい。このように
共振現象が電動モータ1の実用域外で生じる理由は明ら
かではないが、実験結果から推定するとそのような共振
現象の主因となるトルク変動が前段減速機20ではなく
後段減速機21に生じ、そのトルク変動が実施例のよう
な偏心揺動型遊星歯車装置では入力軸(クランク軸3
0)1回転当たりに1回(一定回数)を生じ、前記駆動
系に対する加振作用をなすためと考えられる。
【0019】調和歯車装置(撓み噛み合い式遊星歯車装
置)の場合は、実験結果から推定すると、入力軸(ウェ
ーブジェネレータ)の1回転当たり2回(一定回数)の
トルク変動が生じ、したがって、これに減速比1/3の
前段減速機を取り付けると、電動モータの回転数が75
0rpm付近で750×1/3×2=500の毎分当た
りトルク変動が生じ、駆動系の固有ねじり振動数f
上記実施例と同様8.4Hz(500振動/毎分)であ
るならば電動モータの回転数が実用域内である750r
pm付近で共振が生じるものと考えられる。この場合、
毎分当たり加振数がおおよそ500のときに共振が生じ
るのであるから、調和歯車装置に減速比i=1/6程度
の前段減速機を設けることにより共振時の電動モータの
回転数を実用域外である1500rpmを中心とする付
近にまで上げることができる。
【0020】なお、電動モータ1および前段減速機20
の振動は駆動系の発振に影響を及ぼさないのは、これら
の振動は小さいこと、後段減速機21を介することによ
り吸収されること等によるものと考えられる。
【0021】(実験例)前述の実施例の減速装置のほか
に次表の比較例1〜3に示す減速装置について実施した
振動測定試験について説明する。前述の実施例および比
較例1、2の偏心揺動型遊星歯車装置は、クランク軸お
よび外歯歯車の揺動によるアンバランスを防いで振動の
振幅を小さくするため、後述する第2〜第3実施例同様
に外歯歯車を2枚としこれらを180度の位相差をもっ
て組み付けたもので、かつ、内歯歯車が外歯歯車の歯数
より1つ多い歯数を有するものを用いた。また、調和歯
車装置は内歯歯車が外歯歯車の歯数より2つ多い歯数を
有するものを用いた。それぞれの減速装置の減速段数、
減速比i、i、回転ばね定数K(図9参照)およ
び慣性モーメントJは次の表1に示してある。
【0022】
【表1】 (注1):遊星歯車減速は偏心揺動型遊星歯車装置を、
平歯車減速は平歯車列からなる平行軸型歯車装置を示
す。
【0023】実験は図5に示す全体構成図によって実施
した。すなわち、電動サーボモータ51の出力軸51a
に減速装置52を取り付け、減速装置52の出力軸52
aにロボットの被駆動部(第2アーム)の慣性モーメン
トJに相当する慣性負荷としてフライホイール53が取
り付けられた。フライホイール側面53aの半径上の位
置に、円周方向の加速度および振幅を測定できる圧電素
子を利用した加速度ピックアップ54を取り付けた。こ
の加速度ピックアップ54の出力はインジケータ56に
連結されている。モータ51、減速装置52およびフラ
イホイール53からなる駆動系の固有ねじり振動数f
は約8.4Hzになるよう調整してある。電動モータの
回転数を変化させて、その時のフライホイールの加速度
の大きさを測定した。測定結果は図4に示す。横軸は電
動サーボモータ51の回転数であり、縦軸は加速度ピッ
クアップ54で検出された円周方向の加速度(単位:
G)を示す。
【0024】比較例1、比較例2および比較例3におい
ては、共振のピークはそれぞれ、電動モータ51の回転
数が、略750rpm、略500rpmおよび略250
rpmのときであり、電動モータ51の通常制御回転数
0〜1000rpmの範囲で最も大きな振動が生じてい
る。しかしながら、本発明に係る減速装置を用いた実施
例の場合には、電動モータの実用域外である1500r
pmを中心とする近傍で共振ピークが生じ、この時の振
動が最も大きい。また、実施例、比較例1、および比較
例2の対比から、共振時における電動モータ51の回転
数は前段減速機の減速比iに反比例していることが認
められる。
【0025】
【実施例2】次に本発明の第2実施例として、前述した
第1実施例の減速装置3を改良した場合について図6、
図7に基づいて説明する。なお、第1実施例と同一構成
については、第1実施例と同一の符号を用いて説明す
る。図6、図7において、40は図1に示した電動モー
タ1によって駆動される減速装置であり、減速装置40
は電動モータ1の出力回転軸7に連結された平行軸型の
前段減速機20と、この前段減速機20に連結された後
段の遊星歯車減速装置21と、から構成されている。
【0026】電動モータ1の出力回転軸7の先端部7a
はテーパ軸であり、先端にねじ7bを有する。ねじ部7
bには電動モータの出力回転軸の一部を構成する連絡軸
7cが螺合されている。8は入力回転軸であり、先端部
8aに前段減速機20のピニオン22が設けられると共
にモータ回転軸7を貫通させる孔8bを有し、且つ孔8
bは電動モータの出力回転軸7のテーパ部と係合するテ
ーパ孔部を有する。入力回転軸8は電動モータ1の回転
軸7の先端部7aにナット23によりねじ止めされてい
る。電動モータの出力回転軸7の先端部7aは入力回転
軸8に半月キー24により固定されている。このような
構成により入力回転軸8の先端部8aの軸径は電動モー
タの出力回転軸7の軸径より小さくすることができ、し
たがって、ピニオン22の歯数はモータ回転軸7に歯数
を直接装着させる場合に比べ、少なくすることができ、
容量の割に回転軸径の大きい市販電動モータ1を用いる
場合であっても、所定の前段減速比を得ることができ
る。ピニオン22に噛み合う3個の平歯車25は、後述
する3本の入力クランク軸30にそれぞれ結合してい
る。
【0027】偏心揺動型遊星歯車装置21は筒体4に固
定して設けられた内歯歯車28と、内歯歯車28に噛み
合う一対の外歯歯車29と、外歯歯車29に嵌合して外
歯歯車29を揺動回転させる偏心入力軸としての3本の
入力クランク軸30と、から構成されている。また、内
歯歯車28はピン歯31を用いたピン歯車で構成され、
例えば、外歯歯車29の歯数より1つだけ多い歯数を有
している。33は円板部であり、円板部33は遊星歯車
減速装置21の前端部を構成し、かつ、入力クランク軸
30を円周上に等配しベアリング34を介して軸支して
いる。35はブロック体であり、ブロック体35はその
中心部に軸方向の円筒状孔36を有し、入力回転軸8が
遊嵌されている。同様に外歯歯車29および円板部33
の中心部にも孔が設けられている。ブロック体35はそ
の後端部35aに凹みを有し、軸10のフランジ部39
に対向している。凹み36とフランジ部39とによって
形成された空洞内には、前段減速機20が収納されてい
る。ブロック体35には入力クランク軸30を円周上に
等配しベアリング41を介して軸支している。入力クラ
ンク軸30の延在部30aは凹み36内に突出し、平歯
車25に固定されている。
【0028】入力クランク軸30は円板部33とブロッ
ク体35の中央部に軸支され、入力クランク軸30の中
央には180度の位相差をもつ一対のクランク部42を
有し、各クランク部42はベアリング43を介して外歯
歯車29を偏心揺動させるようにしている。ここで、前
述した円板部33と、ブロック体35とは支持体44を
構成する。円板部33、ブロック体35およびフランジ
部39は複数のボルト46および固定ナット47により
互いに固定されている。すなわち、前段減速機は、電動
モータの回転軸線と同一軸線上で、該電動モータの出力
回転軸に結合された入力歯車8、22と該入力歯車に噛
み合う出力歯車25とを有する平行軸型歯車装置からな
っており、後段減速機は、各出力歯車25にそれぞれ結
合され、前記電動モータの回転軸線と平行な回転軸線を
有するクランク軸30と、各クランク軸に係合して偏心
揺動させられる外歯歯車29と、該外歯歯車に噛み合う
内歯歯車28を有すると共に、該電動モータの回転軸線
とほぼ直交する、第1部材への取付面を有する筒体4
と、各クランク軸を回転自在に支持するとともに、該電
動モータの回転軸線とほぼ直交する端面を有し、外歯歯
車の公転運動を被駆動部に伝達する出力部材としての支
持体44とを有する偏心揺動型遊星歯車装置21からな
っている。電動モータの回転軸線と前記偏心揺動型遊星
歯車装置の支持体の回転軸線とは同一軸線上に配設さ
れ、第1部材の延在する方向に対して支持体の回転軸線
がほぼ直角になるように、筒体の取付面が第1部材の一
端部5aに取り付けられ、支持体の回転軸線に対して第
2部材の延在する方向がほぼ直角になるように、該第2
部材の一端部39が支持体の端面に取り付けられてい
る。入力歯車22および出力歯車25を外歯歯車29よ
りも反電動モータ側に配置し、支持体の端面は入力歯車
および出力歯車よりも反電動モータに設けられている。
筒体の反電動モータ側端面を筒体の取付面となし、支持
休の端面は筒体の取付面より反電動モータ側に位置させ
ている。
【0029】電動モータ1の回転は出力回転軸7および
入力回転軸8を介して前段減速機20のピニオンに伝達
され、前段減速機20で減速される。前段減速機20の
出力は平歯車25により偏心揺動型遊星歯車装置21の
クランク軸30に入力される。次いで、クランク軸30
の回転により偏心揺動させられる外歯歯車29と、この
外歯歯車29と噛み合い外歯歯車29より1つ多い歯数
を有する内歯歯車28とによりさらに減速され、外歯歯
車29のゆっくりした公転運動はキャリアとして作用す
る支持体44から軸10に伝達されアーム12が回動さ
れる。
【0030】本実施例においては、電動モータ1の通常
制御回転数(0〜1000rpm、前段減速機20の減
速比iは1/3、偏心揺動型遊星歯車装置21の減速
比iは1/40、減速装置3の総減速比iは1/12
0、電動モータ1、減速装置3および第2アーム12を
含んで構成される駆動系の固有ねじり振動数fは約
8.4Hzである。したがって、電動モータ1は産業ロ
ボットの駆動系の固有ねじり振動数に対応する回転数
(8.4Hzに相当する500rpm)を通常制御回転
数領域(0〜1000rpm)内に有している。また、
前段減速機20は電動モータ1の通常制御回転数領域に
おける毎秒最高回転数(1000rpmに相当する毎秒
16.7回転)を、駆動系の固有ねじり振動数f以下
になるよう(毎秒5.6回転)に減速する減速比i
(1/3)を有している。減速装置40の回転ばね定
数K1は約37.5kg・m/分である。この実施例の
場合の作用および振動特性は、前述の第1実施例と同様
になる。
【0031】
【実施例3】次に本発明の第3実施例を図面に基づいて
説明する。図8において、60は減速装置である。減速
装置60は電動モータ1、前段減速機20および偏心揺
動型遊星歯車装置21が軸方向に順次配設され、電動モ
ータ1の出力回転軸7には入力回転軸8が取着されてい
る。入力回転軸8のモータ1側端には前段減速機20の
入力歯車22が一体に設けられ、その中間には大歯車6
1aと小歯車61bを有する第1のアイドルギヤ61が
回転自在に支持されている。遊星歯車減速装置21のク
ランク軸30の一端はモータ1側に突出した延在部30
aを有する。延在部30aのモータ1側端には第2アイ
ドルギヤ62が回転自在に支持され、その中間には前段
減速機20の出力歯車25が固着されている。第2のア
イドルギヤ62は入力歯車22と噛み合いこれにより歯
数の多い大歯車62aおよび第1アイドルギヤ61の大
歯車61aと噛み合いこれにより歯数の少ない小歯車6
2bを有する。出力歯車25は第1アイドルギヤ61の
小歯車61bと噛み合いこれより多い歯数を有する。入
力回転軸8、入力歯車22、出力歯車25、延在部30
a、および第1、第2のアイドルギヤ61、62は前段
減速機20としての平行軸型歯車装置を構成する。アイ
ドルギヤ61、62を入れることにより、容量の割に回
転軸径の大きい市販電動モータ1を用いる場合であって
も、所定の前段減速比iを得ることができる。他の構
成および作用は前述した第1および第2の実施例と同じ
であるので、該実施例の説明に用いた符号を図8に付
け、その説明を省略する。
【0032】次に、図10に示す産業ロボット65に用
いた本発明に係る産業ロボットの関節装置の実施例を図
面を用いて説明する。図10において、産業ロボット6
5は第1関節66と、第1関節66に連結する第2関節
67と、第2関節67に連結する第1アーム83および
第2アーム68とから構成されている。第1関節66は
支柱71の上側の旋回盤73を矢印P方向に回動し、第
2関節67は旋回盤73に固定されたブラケット81の
上側の第1アーム83を矢印Q方向に回動し、第2アー
ム68の先端部68aの3次元的移動を可能にする。
【0033】
【実施例4】図11は本発明の第4実施例を示す図であ
り、前述の第3実施例と同一構成については、同一符号
を用いて説明する。
【0034】図11において、70は減速装置であり、
減速装置70は、図10に示す産業ロボットの第1関節
66において、第1部材としての筒状の支柱71の内側
に内装されている。減速装置70は電動モータ1に連結
された前段減速機としての平行軸型歯車装置20と、こ
の前段減速機20に連結された後段の偏心揺動型遊星歯
車装置21とから構成されている。電動モータ1のフラ
ンジ2は、筒体4を介して支柱71にボルト4bを用い
て固定されている。電動モータ1の上側のほぼ垂直な出
力回転軸7は前段減速機20のピニオン22に固定さ
れ、ピニオン22に噛み合う3個の平歯車25は、後述
する3本の入力クランク軸30の延在部30aにそれぞ
れ固定されている。偏心揺動型遊星歯車装置21は平行
軸型歯車装置20の上側に配置され、筒体4に固定して
設けられた内歯歯車28と、内歯歯車28に噛み合う一
対の外歯歯車29a、29b(以下、添字をつけない2
9で代表する)と、外歯歯車29に嵌合して外歯歯車2
9を揺動回転させる偏心入力軸としての3本の入力クラ
ンク軸30と、から構成されている。入力クランク軸3
0は偏心揺動型遊星歯車装置21の下端部を構成する円
板部33にベアリング34を介して軸支され、偏心揺動
型遊星歯車装置21の上端部および外歯歯車29の円周
上に等配して設けられた貫通孔内を挿通したブロック体
35にベアリング41を介して軸支されている。ブロッ
ク体35と円板部33とは円周上に等配された3つのボ
ルト46により一体的となり、支持体(キャリア)44
を構成し、支柱71の上側に設けられた第2部材として
の円筒状体の旋回盤73の底部73aに固定されてい
る。底部73aと支柱71の上部71aとの間にはベア
リング74が設けられ、支持体(キャリア)44の自転
に伴い、旋回盤73は回転する。前述以外の構成、作用
および振動特性は第3実施例と同じであり省略する。
【0035】
【実施例5】図12は本発明の第5実施例を示す図であ
り、前述の第3実施例と同一構成については、同一符号
を用いて説明する。
【0036】図12において、80は減速装置であり、
減速装置80は図10に示す産業ロボットの第2関節6
7に用いたものである。第1部材としての箱形ブラケッ
ト81は前述の第1関節66の旋回盤73の上側に一体
的に固定されている。減速装置80は電動モータ1に連
結された前段減速機としての平行軸型歯車装置20とこ
の前段減速機20に連結された後段の偏心揺動型遊星歯
車装置21とから構成されている。電動モータ1のフラ
ンジ2はブラケット81にボルト4bを用いて固定さ
れ、電動モータ1の回転軸7は前段減速機20のピニオ
ン22に固定され、ピニオン22に噛み合う3個の平歯
車25は後述する3本の入力クランク軸30の延在部3
0aにそれぞれ固定されている。偏心揺動型遊星歯車装
置21の入力クランク軸30の前端部はベアリング41
を介してブロック体35に軸支され、その後端部はベア
リング34を介して円板部33に軸支されている。ブロ
ック体35と円板部33はボルト46で一体的に固定さ
れて支持体44を構成し、さらにボルト82によりブラ
ケット81に固定されている。偏心揺動型遊星歯車装置
21の内歯歯車28は支持体44の外周部にベアリング
84を介して回動自在に支持されている。内歯歯車28
は、第2部材としての第1アーム83の端部83aに一
体的に固定されている。
【0037】電動モータ1の回転は出力回転軸7を介し
て平行軸型歯車装置20のピニオン22に伝達され、平
行軸型歯車装置20で減速される。平行軸型歯車装置2
0の出力は平歯車25により偏心揺動型遊星歯車装置2
1の入力クランク軸30に入力される。次いで、入力ク
ランク軸30の回転により偏心揺動させられる一対の外
歯歯車29a、29b(以下、29で代表する)と、こ
の外歯歯車29と噛み合い外歯歯車29より一つ多い歯
数を有する内歯歯車28とによりさらに減速され、内歯
歯車28のゆっくりした自転は第2アーム83を回動さ
せる。前述以外の構成、作用および振動特性は第3実施
例と同じであり、同じ符号をつけて説明を省略する。
【0038】
【実施例6】図13は本発明の第6実施例を示す図であ
り、これは、前述の第5実施例の構成の一部を変更した
ものであり、第5実施例と同一の構成には同一の符号を
つけて説明する。
【0039】図13において、90は減速装置であり、
減速装置90は、第5実施例と同様に、図10に示す、
産業ロボットの第2関節67に用いたものである。第6
実施例では、減速装置90は電動モータ1に連結された
前段減速機としての平行軸型歯車装置20と平行軸型歯
車装置20に連結された後段の偏心揺動型遊星歯車装置
21とから構成されている。電動モータ1の出力回転軸
7は平行軸型歯車装置20の太陽歯車91に連結され、
太陽歯車91に噛み合い円周上に等配された3個の遊星
歯車92は、ブロック体35の前端部から前方に連結さ
れた円筒部35aの内側に設けられた内歯歯車93とも
噛み合い遊星運動する。偏心揺動型遊星歯車装置21の
偏心入力軸としての入力クランク軸30は電動モータの
出力回転軸7の回転軸線と同一軸線上でブロック体35
の軸芯上に配置され、入力クランク軸30の延在部30
aはベアリング94を介してブロック体35に軸支され
ている。延在部30aの前端部にはフランジ部95が設
けられ、フランジ部95の周辺に設けられた孔96に平
行軸型歯車装置20の遊星歯車92の軸92aが嵌合す
る。入力クランク軸30の後段部は、円板部33にベア
リング98を介して軸支されている。ブロック体35お
よび円板部33はボルト82によりブラケット81に一
体的に固定されている。
【0040】電動モータ1の回転は出力回転軸7を介し
て太陽歯車91に伝達され、太陽歯車91の自転運動に
伴い、遊星歯車92は、太陽歯車91と内歯歯車93と
の間を減速されて遊星運動する。遊星歯車92の遊星運
動の中公転運動はフランジ部95を介して入力クランク
軸30に伝達される。前述以外の構成、作用および振動
特性は第5実施例と同じであり、同じ符号をつけて説明
を省略する。
【0041】なお、後段に偏心揺動型遊星歯車装置を用
いた場合においては、前段減速機の減速比は電動モータ
の毎秒当たり最高回転数を駆動系の固有ねじり振動数よ
り若干小さな値に減じる減速比であることが好ましい。
例えば駆動系の固有ねじり振動数fが5〜9Hzの場
合であって、電動モータの通常制御回転数領域での最高
回転数が1000rpm、総減速比iが1/60〜1/
320のときは前段最小減速比iを約1/1.9〜約
1/6、後段減速比iを1/25〜1/60とするの
が好ましい。また駆動系の固有ねじり振動数fが5〜
9Hzの場合であって、電動モータの通常制御回転数領
域での最高回転数2000rpm、総減速比iが1/1
10〜1/320のときは、前段の最小減速比iを約
1/3.7〜約1/6.7、後段減速比iを約1/2
5〜約1/60とするのが好ましい。同様(f=5〜
9Hz)の場合であって電動モータの通常制御回転数領
域での最高回転数が4000rpm、総減速比iが1/
210〜1/640のときは、前段最小減速比iを約
1/7.4〜約1/13.3、後段減速比iを約1/
30〜約1/60とするのが好ましい。また、駆動系の
固有ねじり振動数fが10〜15Hzの場合であっ
て、電動モータの最高回転数が1000rpm、総減速
比iが1/80〜1/300のときは前段最小減速比i
を1/1.5〜1/4、後段の減速比iを1/25
〜1/60とするのが好ましい。同様(f=10〜1
5Hz)の場合であって、電動モータの通常制御回転数
領域での最高回転数が4000rpm、総減速比iが1
/125〜1/600のときは、前段減速比iを約1
/4.5〜約1/10、後段減速比iを約1/30〜
1/100とするのが好ましい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、特に産業ロボットにお
いては重量や累積バックラッシュを小さくして制御性能
を良好にすることを要求されるのに対して、本来、調和
歯車装置等のような単一の遊星歯車装置により必要な減
速比を満足するようにその減速装置部を構成できる産業
ロボットの関節装置において、その減速装置部を偏心揺
動型遊星歯車装置(後段減速機)の入力側にわざわざ平
行軸型歯車装置(前段減速機)を設けて前段減速機と後
段減速機とにより必要な減速比を得るようにしているの
で、ロボットに共振が生じるとしても、大きな共振現象
の生じる時の電動モータ回転数を、所望のモータ回転数
領域にシフトさせることができる。その結果、ロボット
にその先端部(工具把持等)で正確な軌跡を描くことを
必要とする作業を行わせる時において大きな振動の発生
を防ぐことができるので、ロボットの作業性が向上する
と共に、ロボットの耐久性を向上させることができる。
また、後段減速金減速比をほぼ1/40という1つの値
に設定して、前段減速機の減速比を1/2〜1/5の範
囲内から選択して総減速比を得るようにしているので、
つまり構造の複雑な偏心揺動型遊星歯車装置である後段
減速機を同一の減速機とし、構造の簡単な平行軸型歯車
装置である前段減速機の減速比を変えるだけで総減速比
が得られるので、産業ロボットの関節装置として要求さ
れる総減速比をその都度選ぶに当たり、減速装置の製造
コストを安価にすることができる。さらに、後段減速機
の減速比を1/40という1つの値に設定して、前段減
速機の減速比を1/2〜1/5の範囲内から選択するよ
うにしているので、減速装置の総減速比はおよそ1/8
0〜1/200となり、産業ロボットにおいて必要とさ
れる大半の減速比を容易に得ることができるので、構造
が簡単かつ共振の発生を防止し易い関節装置を得ること
ができるので、関節装置の設計が容易となる。さらにま
た、前段減速機の減速比を通常好ましく使用される1/
2、2.5、3、…、4.5、5を用いれば、減速装置
の総減速比をおよそ1/80、100、120、…、1
80、200とすることができ、産業ロボットの関節装
置の設計(減速比の選択)が容易かつ加工にも好都合
(コストメリット良好)である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の産業ロボットの関節装置の全体概略
説明図である。
【図2】実施例1の減速装置の一部断面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】実施例1および比較例の性能を説明する図であ
る。
【図5】図4に係る実験例の全体構成図である。
【図6】第2実施例の要部断面図である。
【図7】図6のB−B矢視断面図である。
【図8】第3実施例の要部断面図である。
【図9】減速装置一般の回転ばね定数の特性図である。
【図10】本発明に係る産業ロボットの関節装置を用い
た産業ロボットの全体概念図である。
【図11】図10の第1関節に用いた本発明の第4実施
例の要部断面図である。
【図12】図10の第2関節に用いた本発明の第5実施
例の要部断面図である。
【図13】図10の第2関節に用いた本発明の第6実施
例の要部断面図である。
【符号の説明】 1 電動モータ 3、40、60、70、80、90 減速装置 5、71、81 第1アーム(第1部材) 12、73、83 第2アーム(第2部材) 20 前段減速機 21 後段減速機 28 内歯歯車 29 外歯歯車 30 入力クランク軸(カム軸)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットの第1部材と、第1部材に回動
    自在に支持されたロボットの第2部材と、第1部材に一
    体的に取り付けられた電動モータの回転を減速して第2
    部材に伝達する歯車減速装置と、を備えた産業ロボット
    の関節装置において、前記歯車減速装置が、前記電動モ
    ータの回転数を減速する前段減速機と、前段減速機の出
    力の回転数をさらに減速する後段の遊星歯車減速機と、
    から構成され、前記電動モータが前記電動モータ、歯車
    減速装置及び第2部材を含んで構成される駆動系のねじ
    り発振周波数に対応する回転数を通常制御域内に有し、
    前記前段減速機が、前記電動モータの通常制御域におけ
    る毎秒最高回転数を前記ねじり発振周波数以下になるよ
    うに減速する、減速比を有し、前記遊星歯車減速機が、
    前記前段減速機の出力が入力される偏心入力軸、偏心入
    力軸の回転により偏心揺動させられる外歯歯車、外歯歯
    車と噛み合い外歯歯車の歯数より一つ多い歯数を有する
    内歯歯車および外歯歯車に係合するキャリアを有するこ
    とを特徴とする産業ロボットの関節装置。
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