JPH10292165A - エポキシ接着剤、注型品、および金属/樹脂界面制御方法 - Google Patents

エポキシ接着剤、注型品、および金属/樹脂界面制御方法

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JPH10292165A
JPH10292165A JP9995797A JP9995797A JPH10292165A JP H10292165 A JPH10292165 A JP H10292165A JP 9995797 A JP9995797 A JP 9995797A JP 9995797 A JP9995797 A JP 9995797A JP H10292165 A JPH10292165 A JP H10292165A
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JP
Japan
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resin
epoxy
epoxy adhesive
adhesive
epoxy resin
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JP9995797A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Nakano
俊之 中野
Masafumi Takei
雅文 武井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】金属部品とエポキシ樹脂間の温度上昇に伴う界
面剥離を効果的に抑制しつつ、長期的にも優れた接着界
面の耐湿特性を得る。 【解決手段】エポキシ接着剤4は、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂及びこのビスフェノール型エポキシ樹脂より
も実質的に剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂を含む
主剤と、この主剤に添加されるレゾール型フェノール樹
脂を有する硬化剤とを備える。このエポキシ接着剤4
を、注型品1の金属部品3とその部品3を埋め込むため
に使用されるエポキシ樹脂2との界面に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エポキシ接着
剤、注型品、および金属/樹脂界面制御方法に係り、特
に金属部品をエポキシ樹脂中に埋め込んで得られる重電
機器注型品に最適なエポキシ接着剤の材料構成及びその
使用法の工夫に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に重電機器は、その通電による内部
での発熱はもちろんのこと、屋内や屋外での設置状況に
よっては夏季や日中時の直射日光等の外部からの入熱に
より室温以上の温度状態で使用される場合が多い。室温
以上の場合には、重電機器注型品の金属部品とこの部品
埋め込み用の注型エポキシ樹脂との界面で互いの線膨脹
係数の違いによる応力が発生し、界面密着性が弱まって
剥離が生じやすくなる。
【0003】そこで、重電機器注型品の温度上昇に伴う
金属/樹脂界面の剥離を抑制する方法として、エポキシ
樹脂でモールドする前の金属部品のインサート表面に接
着剤、例えば1分子中に少なくとも1個のヒドロキシル
基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂50〜90重
量部と、1分子中に1〜6個のメチロール基を有するレ
ゾール型キシレンフェノール樹脂10〜50重量部とを
用いて構成した接着剤を塗布する方法が知られている
(例えば、特公昭61−44370号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例のビスフェノール型エポキシ樹脂を用いた接着剤
では、それ自体のガラス転移温度が低く、耐熱性が低い
ために特に高温時における金属部品と注型エポキシ樹脂
との界面密着性を確保するのが難しいといった問題があ
った。
【0005】この改善策として、上述のビスフェノール
型エポキシ樹脂を耐熱性エポキシ樹脂に置き換えて構成
した接着剤を用いる方法も提案されている(例えば、特
願平5−176893号公報)。この方法によれば、接
着剤自体の耐熱性を向上させることができるものの、ガ
ラス転移温度を高めることでエポキシ樹脂硬化物の自由
体積が増加し、その結果、接着界面の吸水率が大きくな
って耐湿特性が劣化するといった問題があった。特に高
湿度の環境下では接着特性が長期的に悪化していく。
【0006】この発明は、このような従来の問題を考慮
してなされたものであり、金属部品とエポキシ樹脂間の
温度上昇に伴う界面剥離を効果的に抑制しつつ、長期的
にも優れた接着界面の耐湿特性を得ることを、目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、金属/樹脂界面の高耐熱化と低吸水率
とを同時に実現可能なエポキシ接着剤の構成材料につい
て種々の検討を行ってきたところ、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂を用いた接着剤の場合にはエポキシ樹脂硬化
物の架橋密度が増大するために、ガラス転移温度以上で
はエポキシ樹脂硬化物の自由体積が小さくなり、その温
度よりも低い領域では逆に硬化物の自由体積が大きくな
ることが分かった。言い換えれば、硬化物の架橋密度が
増大する条件でガラス転移温度を上昇させることは、そ
の温度以下で硬化物の自由体積を増大させることを意味
する。
【0008】このことから発明者は、硬化物の架橋密度
を増大させずにガラス転移温度を高めれば、高耐熱性は
もちろんのこと、硬化物の自由体積増大を抑制して低吸
水率の特性をも同時に実現できることを見い出した。そ
こで、架橋密度を増大させずにガラス転移温度を上昇さ
せる対策として、ビスフェノール型エポキシ樹脂よりも
剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂成分、例えば2官
能ビフェニル型、2官能ナフタレン型、ハイドロキノン
型、およびジフェニエルエーテル型等のエポキシ樹脂を
加えることに着目した。
【0009】この発明に係るエポキシ接着剤は、上述の
着目点に基づいて完成されたものであり、ビスフェノー
ル型エポキシ樹脂及びこのビスフェノール型エポキシ樹
脂よりも実質的に剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂
を含む主剤と、この主剤に添加されるレゾール型フェノ
ール樹脂を有する硬化剤とを用いて構成したことを特徴
とする。
【0010】この発明によれば、ビスフェノール型エポ
キシ樹脂よりも実質的に剛直な分子構造を有するエポキ
シ樹脂の存在により、架橋密度を大きくすることなく接
着剤のガラス転移温度を上昇させることができる。従っ
て、この接着剤を用いれば、例えば金属部品とその部品
を埋め込むために使用されるエポキシ樹脂との界面樹脂
相の高耐熱化と低吸水率を同時に実現できる。
【0011】この発明で使用されるビスフェノール型エ
ポキシ樹脂は、例えば2、2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパンとエピクロヒドリンとを直接反応さ
せて得られる樹脂や、2、2′−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタンとエピクロヒドリンとを直接反応させ
て得られる樹脂などで構成され、一般に広く市販されて
いる樹脂の中では例えば油化シェルエポキシ株式会社製
のエピコート825、エピコート827、エピコート8
28、エピコート807(商品名)などが好ましい。
【0012】この発明で使用されるレゾール型フェノー
ル樹脂は、フェノール、クレゾール、ホルマリンで得ら
れる共縮合物であり、エポキシ成分の硬化剤として働
く。レゾール型フェノール樹脂を有する硬化剤の添加量
は、好ましくは前記主剤に対して0.7等量以上1.0
等量以下である。この添加量が0.7等量よりも少ない
場合には、接着剤が十分に硬化せずに接着強さが低下す
る一方、1.0等量を超える場合には、フェノール樹脂
が折出して不均一になるために接着強さが低下するため
である。この効果は、例えば接着剤をモールド樹脂と硬
化時に一体化させる際に発揮させることができる。
【0013】この発明で使用されるビスフェノール型エ
ポキシ樹脂よりも実質的に剛直な分子構造を有するエポ
キシ樹脂は、好ましくは2官能ビフェニル型エポキシ樹
脂、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン
型エポキシ樹脂、ジフェニエルエーテル型エポキシ樹脂
の少なくとも1種である。これらの成分は、架橋密度を
大きくすることなくエポキシ接着剤の耐熱性、即ちガラ
ス転移温度を上昇させることができるためである。
【0014】2官能ビフェニル型エポキシ樹脂は、一般
に広く市販されているエポキシ樹脂の中で例えば油化シ
ェルエポキシ株式会社製のYX−4000、YX400
0H(商品名)などが好ましい。この場合の主剤成分中
の配合量は、好ましくは20wt%以上60wt以下と
する。20wt%よりも少ない場合には接着耐熱性を十
分に高めることができず、60wt%を超える場合には
希釈剤への樹脂成分の溶解性が低下するためである。
【0015】2官能ナフタレン型エポキシ樹脂は、一般
に広く市販されているエポキシ樹脂の中で例えば大日本
インキ株式会社製のEX1514(商品名)などが好ま
しい。この場合の主剤成分中の配合量は、好ましくは1
5wt%以上40wt%以下とする。15wt%よりも
少ない場合には接着耐熱性を十分に高めることができ
ず、40wt%を超える場合には希釈剤への樹脂成分の
溶解性が低下するためである。
【0016】ハイドロキノン型エポキシ樹脂は、一般に
広く市販されているエポキシ樹脂の中で例えば東都化成
株式会社製のZX1312(商品名)などが好ましい。
この場合の主剤成分中の配合量は、好ましくは30wt
%以上70wt%以下とする。30wt%よりも少ない
場合には接着耐熱性を十分に高めることができず、70
wt%を超える場合には希釈剤への樹脂成分の溶解性が
低下するためである。
【0017】ジフェニエルエーテル型エポキシ樹脂は、
一般に広く市販されているエポキシ樹脂の中で例えば新
日鉄化学株式会社製のエポキシ当量169のジフェニル
エーテルジグリシジルエーテルなどが好ましい。この場
合の主剤成分中の配合量は、好ましくは20wt%以上
50wt%以下とする。20wt%よりも少ない場合に
は接着耐熱性を十分に高めることができず、50wt%
を超える場合には希釈剤への樹脂成分の溶解性が低下す
るためである。
【0018】この発明で好ましくは、エポキシ接着剤自
体の内部応力を緩和させる応力緩和剤を更に備える。こ
の応力緩和剤は、好ましくはポリビニルブチラールであ
る。ポリビニルブチラールは、ポリビニルブチルアルコ
ールの酸触媒下でブチルアルデヒドを反応させて合成さ
れる樹脂であり、可とう性付与剤として働く。この効果
を最大限に発揮させるためのポリビニルブチラール添加
量は、エポキシ接着剤(主剤+硬化剤)100重量部に
対して10重量部以上20重量部以下が好ましい。10
重量部よりも少ない場合には内部応力を十分に緩和でき
ず、20重量部を超える場合にはエポキシ接着剤への樹
脂成分の溶解性が低下するためである。
【0019】この発明に係る注型品は、金属部品及びそ
の金属部品を埋め込む注型樹脂の界面に上述のいずれか
のエポキシ接着剤が存在することを特徴とする。注型樹
脂はビスフェノール型やクレゾールノボラック型等の汎
用のエポキシ樹脂で構成され、その種類は限定されな
い。
【0020】この発明に係る金属/樹脂界面制御方法
は、上述のいずれかのエポキシ接着剤を金属部品の表面
上に塗布し、そのエポキシ接着剤を介して当該金属部品
を注型樹脂内に固定することにより、上記金属部品およ
び注型樹脂間の界面状態を制御することを特徴とする。
【0021】この発明で好ましくは、前記エポキシ接着
剤を前記金属部品の表面上に塗布する前にアセトンを含
む溶媒で希釈する工程を含む。エポキシ接着剤層の厚さ
は接着界面の耐熱性、耐湿性、接着強さに大きく影響す
るが、従来例ではエポキシ接着剤を加熱による低粘度化
するか、何らかの有機溶媒に溶解したものを金属部品表
面に塗布する方法であったためにエポキシ接着剤層の厚
さを制御することが難しかった。このアセトン溶媒を用
いれば、希釈倍率によりエポキシ接着剤層の厚みを比較
的容易に且つ精度よく制御できる。
【0022】この発明で好ましくは、前記エポキシ接着
剤を前記金属部品の表面上に塗布する前にアセトン及び
プロパノールの混合溶媒で希釈する工程を含む。この混
合溶媒を用いれば、エポキシ接着剤を金属部品の表面に
塗布した後の加熱乾燥時の系外への溶媒散逸がマイルド
になるため、エポキシ接着剤層中のボイド発生が抑制さ
れ、金属/樹脂界面の電気特性を高めることができる。
【0023】この発明で好ましくは、前記エポキシ接着
剤を前記金属部品の表面上に塗布した後に半硬化状態と
なるように加熱する工程を含む。エポキシ接着剤は通常
は金属部品のエポキシ樹脂と接する面に塗布した後に熱
乾燥により完全に硬化させて皮膜化し、その後でエポキ
シ樹脂で埋め込まれるが、完全硬化状態よりも半硬化状
態で注型樹脂をモールドすれば、エポキシ接着剤とモー
ルド樹脂との相溶や化学結合が可能であり、その結果、
金属/樹脂界面の電気特性や接着強度をより高めること
ができる。
【0024】この発明に用いる金属部品のエポキシ樹脂
と接する面には、その表面洗浄後にサンドブラスト処理
等の表面の凹凸処理を行ってもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)ここでは、この発明に係るエポキシ接
着剤を具体的に適用した重電用注型品の突き合わせ接着
試験片(以下「試験片」)を作製し、この試験片に対し
て各種試験を行う。この試験で重電用注型品の金属/樹
脂界面における機械的強度、高温接着クリープ特性、湿
熱劣化後の接着強さ等を測定し、その結果に基づいて金
属/樹脂界面における接着耐熱性、耐湿特性等を評価す
る。
【0026】実施例1 図1は、試験片の概要を説明するものである。この試験
片1は、図示の如く、注型用のエポキシ樹脂2を挟んで
対向する両側に2個の金属部品3、3を突き合わせるよ
うに接合し、この金属部品3、3とエポキシ樹脂2との
間に本発明に係るエポキシ接着剤4の界面層(接着剤
層)が存在するものである(図中の符号5、5は雌ネジ
を示す)。
【0027】この試験片1を次の工程で作製する。ま
ず、エポキシ樹脂2の組成物は、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂(チバガイギー社製、
商品名:CT200)90重量部、脂環式エポキシ樹脂
(チバガイギー社製、商品名:CT179)10重量
部、酸無水物硬化剤(チバガイギー社製、商品名:HT
901)35重量部、粒子状アルミナ(昭和電工社製、
平均粒径12μm)300重量部の条件であらかじめ調
整する。硬化条件は、120℃で10時間、130℃で
10時間とする。
【0028】エポキシ接着剤4は、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂よりも剛直な分子構造を有する2官能ビフェ
ニル型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品
名:YX4000)30g、ビスフェノール型エポキシ
樹脂(油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート8
28)70gの主剤に対してレゾール型フェノール樹脂
の硬化剤0.9等量を添加して調整する。
【0029】このエポキシ接着剤4を100℃に加熱
し、金属部品3のエポキシ樹脂2側の当接する表面に塗
布し、120℃で2時間の条件で硬化させることによ
り、厚さ30μmの接着剤層を形成する。金属部品3の
エポキシ樹脂3側の表面にはサンドブラスト処理を施
す。そこで、このようにエポキシ接着剤4を塗布した2
個の金属部品3、3を注型法を用いてエポキシ樹脂2を
介して接合して試験片1を得た。
【0030】比較のため、ビスフェノール型エポキシ樹
脂よりも剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂成分を含
まないエポキシ接着剤を用いた場合の比較例1、2を用
意した。
【0031】比較例1では、上記と同様のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂100g、ポリビニルブチラール20
g、エポキシに対してレゾール型フェノール樹脂0.9
等量の条件でエポキシ接着剤を調整し、上記と同様の工
程で試験片1を得た。
【0032】比較例2では、上記と同様のビスフェノー
ル型エポキシ樹脂70g、オルソクレゾールノボラック
型多官能エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:EOC
N1020)30g、エポキシに対してレゾール型フェ
ノール樹脂0.9等量の条件でエポキシ接着剤を調整
し、上記と同様の工程で試験片1を得た。
【0033】このように得られた各試験片に対して85
℃における高温接着クリープ試験を行ったところ、図2
に示すように実施例1では、いずれの破断時間で見ても
応力が比較例1、2よりも高い値を示すことが確認され
た。
【0034】同様の各試験片に対して湿熱劣化(85
℃、90%RH)後の引っ張り接着強さを測定したとこ
ろ、図3に示すように実施例1では、いずれの湿熱劣化
時間で見ても引っ張り接着強さの残率が比較例1と2と
の中間付近またはそれ以上の高い値を示すことが確認さ
れた。
【0035】従って実施例1によれば、ビスフェノール
型エポキシ樹脂よりも剛直な分子構造を有するエポキシ
樹脂成分を含むエポキシ接着剤により、架橋密度を大き
くすることなく接着剤成分のガラス転移温度を上昇させ
ることができる。即ち、このような高耐熱性および低吸
湿性の接着剤を金属部品とその部品埋め込み用のエポキ
シ樹脂との界面に配置することにより、その界面での温
度上昇に伴う剥離を大幅に抑制して高耐熱性を達成する
と共に、従来例と比べて接着界面の長期的な耐湿特性に
も優れた重電機器などの注型品を得ることができる。
【0036】実施例2 実施例2では、2官能ナフタレン型エポキシ樹脂(大日
本インキ社製、商品名:EXA1514)20g、上記
と同様のビスフェノール型エポキシ樹脂80gの主剤に
対してレゾール型フェノール樹脂の硬化剤0.9等量を
添加してエポキシ接着剤を調整する。その他については
上記と同様の条件で試験片を作製し、試験を行ったとこ
ろ、この実施例2でも図2及び図3に示すように実施例
1と略同様の結果が確認された。
【0037】実施例3 実施例3では、ハイドロキノン型エポキシ樹脂(東都化
成社製、商品名:ZX1312)60g、上記と同様の
ビスフェノール型エポキシ樹脂40gの主剤に対してレ
ゾール型フェノール樹脂の硬化剤0.9等量を添加して
エポキシ接着剤を調整する。その他については上記と同
様の条件で試験片を作製し、試験を行ったところ、この
実施例3でも図2及び図3に示すように実施例1と略同
様の結果が確認された。
【0038】実施例4 実施例4では、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂(新
日鉄化学社製、商品名:ジフェニルエーテルジグリシジ
ンエーテル、エポキシ当量169)25g、上記と同様
のビスフェノール型エポキシ樹脂75gの主剤に対して
レゾール型フェノール樹脂の硬化剤0.9等量を添加し
てエポキシ接着剤を調整する。その他については上記と
同様の条件で試験片を作製し、試験を行ったところ、こ
の実施例4でも図2及び図3に示すように実施例1と略
同様の結果が確認された。
【0039】(第2実施形態)ここでは、実施例1と同
様のエポキシ接着剤を使用し、これにポリビニルブチラ
ールを添加させた場合の特性を評価する。
【0040】実施例5〜9 実施例5〜8では、表1に示すように実施例1と同様の
エポキシ接着剤100重量部に対してポリビニルブチラ
ールの添加量をそれぞれ5重量部、10重量部、20重
量部、30重量部の条件で接着剤を調整する。その他に
ついては上記と同様の工程で試験片を得た。実施例9で
は、表1に示すように実施例1と同様の条件で試験片を
得た。比較例3として、上述の比較例2と同様のエポキ
シ接着剤を用いた場合の試験片も作製した。
【0041】
【表1】
【0042】得られた各試験片に対して室温と低温(−
30℃)での引っ張り接着強さをそれぞれ測定したとこ
ろ、表1に示すようにポリビニルブチラール添加によ
り、室温時および低温時のいずれの強度も高くなる傾向
が確認された。
【0043】特に実施例6、7では、室温時よりも低温
時で引っ張り接着強度がより大きい値を示すことが確認
された。ここで、一般に樹脂の機械的強度は測定温度が
低いほど大きくなる傾向を示すが、その引っ張り接着強
度の場合は、多くの場合に金属と樹脂との線膨脹係数差
から生じる熱応力により低温になるほど低下する傾向を
示す。従って、実施例6、7の場合で低温時の低下傾向
が抑制されている理由は、ポリビニルブチラール添加に
より金属/樹脂界面で発生する熱応力がより効果的に緩
和されているためと考えられる。
【0044】実施例8では、室温時および低温時のいず
れの場合でも引っ張り接着強さが低下していた。この理
由は、適正範囲を超えて添加した場合にはポリビニルブ
チラールがエポキシ接着剤中で不均一に存在するためと
考えられる。
【0045】(第3実施形態)ここでは、実施例1と同
様のエポキシ接着剤を使用し、これをアセトン溶剤で添
加量を変えて希釈させた場合の膜厚状態を評価する。
【0046】実施例10〜14 実施例10〜13では、表2に示すように実施例1と同
様のエポキシ接着剤100重量部をアセトン溶剤500
重量部、600重量部、1000重量部、1500重量
部にそれぞれ溶解希釈し、この各エポキシ接着剤を室温
で塗布し、120温度で2時間の条件で硬化させること
により、接着剤層の皮膜を形成する。その他については
上記と同様の工程で試験片を得た。
【0047】
【表2】
【0048】実施例14では、表2に示すように実施例
1と同様の工程で試験片を得た。比較例4として、上述
の比較例2と同様のエポキシ接着剤を用いた場合の試験
片も用意した。なお、実施例14、比較例4については
膜厚条件を上記と同様に30μmとする。
【0049】得られた各試験片のエポキシ接着剤層の膜
厚を測定したところ、アセトン溶剤添加量が600重量
部〜1500重量部の場合の実施例11〜13では、溶
剤希釈量と膜厚とがほぼ直線的な相関関係を示すことが
確認された。言いかえれば、室温でのエポキシ接着剤の
塗布作業において、アセトン溶剤の添加量を適正範囲内
で調整することにより、接着剤の膜厚を一層容易に制御
でき、作業効率をより高めることが可能となる。
【0050】同様の各試験片に対して室温での引っ張り
接着強さを測定したところ、特に適正範囲内のアセトン
溶剤を用いた場合の実施例11、12では、同レベルの
膜厚を有する比較例4と比べ、接着強度が高く、破壊の
バラツキ(標準偏差)が小さいことが確認された。
【0051】なおアセトン溶剤添加量が500重量部の
実施例10では、接着剤層の膜厚が大きいために接着特
性が低下する傾向を示した。
【0052】(第4実施形態)ここでは、実施例1〜4
と同様の各エポキシ接着剤を使用し、硬化条件(接着剤
乾燥条件)を変えた場合の特性を評価する。
【0053】実施例15〜18 実施例15〜18では、表3に示すように実施例1〜4
と同様の各エポキシ接着剤を使用し、その乾燥条件(硬
化条件)を上記と同様の120℃で2時間の場合(完全
硬化状態)と、120℃で1時間の場合(半硬化状態)
とにそれぞれ設定し、その他については上記と同様の工
程で試験片を得た。
【0054】
【表3】
【0055】得られた各試験片に対して室温での引っ張
り接着強さを測定したところ、実施例15〜18のいず
れでも、接着剤の乾燥条件が完全硬化状態よりも半硬化
状態で接着強度が高い値を示すことが確認された。これ
は、半硬化状態のエポキシ接着剤とモールド樹脂との間
で相溶や化学結合が生じるためと考えられる。
【0056】(第5実施形態)ここでは、実施例1と同
様のエポキシ接着剤を使用し、これをアセトンとプロパ
ノールの混合溶媒で添加量を変えて希釈した場合の特性
を評価する。
【0057】実施例19〜23 実施例19〜23では、図4に示す注型電極モデル1a
を作製する。このモデル1aは、金属部品としてのアル
ミ電極3a、3a及びこれを埋め込むための上記と同様
の注型エポキシ樹脂2aを備え、両者2a、3aの界面
にエポキシ接着剤4aが存在するものである(図中の符
号5aは雌ネジを示す)。
【0058】実施例19〜22では、表4に示すように
実施例1と同様のエポキシ接着剤100重量部に対して
アセトンとプロパノールの1対1の混合溶媒500重量
部、600重量部、1000重量部、1500重量部に
それぞれ溶解希釈してエポキシ接着剤4aを調整し、そ
の他は上記と同様の工程で注型電極モデルを得た。
【0059】
【表4】
【0060】実施例23では、表4に示すように実施例
1と同様のエポキシ接着剤を用いて注型電極モデルを得
た。比較例5として、上述の比較例2と同様のエポキシ
接着剤を用いた場合の注型電極モデルも作製した。
【0061】得られた各モデルに対して絶縁特性試験を
行ったところ、部分放電開始電界の測定値は、特に混合
溶媒の添加量が600重量部以上の実施例20〜22で
は、部分放電開始電界、ワイブル分布の形状係数が共に
高い値を示し、絶縁特性に優れ、破壊のバラツキが小さ
い特性が確認された。この理由は、エポキシ接着剤をア
ルミ製金属電極表面に塗布した後の加熱乾燥時における
系外への溶媒の散逸がマイルドになる結果、エポキシ接
着剤中のボイド発生が抑制されためと考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係るエ
ポキシ接着剤によれば、ビスフェノール型エポキシ樹脂
よりも剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂、好ましく
は2官能ビフェニル型、2官能ナフタレン型、ハイドロ
キノン型、ジフェニルエーテル型の各エポキシ樹脂の少
なくとも1種を含むため、架橋密度を大きくすることな
くガラス転移温度を上昇させることができ、その結果、
高耐熱化と低吸水率とを両立させた優れた特性を実現で
きる。
【0063】この特性は、例えば金属部品とこれを埋め
込むために使用されるエポキシ樹脂との界面樹脂層とし
て用いる場合に最大限に発揮させることができ、この場
合には温度上昇に伴う界面剥離を大幅に抑制し、同時に
接着界面の耐湿特性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】突き合わせ接着試験片の概要を示す概略断面
図。
【図2】高温クリープ特性を説明するグラフ。
【図3】湿熱劣化後の接着強さを説明するグラフ。
【図4】注型電極モデルの概要を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 突き合わせ接着試験片 2、2a エポキシ樹脂 3 金属部品 4、4a エポキシ接着剤 5、5a 雌ネジ 1a 注型電極モデル 3a アルミ電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノール型エポキシ樹脂及びこの
    ビスフェノール型エポキシ樹脂よりも実質的に剛直な分
    子構造を有するエポキシ樹脂を含む主剤と、この主剤に
    添加されるレゾール型フェノール樹脂を有する硬化剤と
    を用いて構成したことを特徴とするエポキシ接着剤。
  2. 【請求項2】 前記硬化剤の添加量は、前記主剤に対し
    て0.7等量以上1.0等量以下である請求項1記載の
    エポキシ接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ビスフェノール型エポキシ樹脂より
    も実質的に剛直な分子構造を有するエポキシ樹脂は、2
    官能ビフェニル型エポキシ樹脂、2官能ナフタレン型エ
    ポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、およびジ
    フェニエルエーテル型エポキシ樹脂の少なくとも1種で
    ある請求項1又は2記載のエポキシ接着剤。
  4. 【請求項4】 エポキシ接着剤自体の内部応力を緩和さ
    せる応力緩和剤を更に備えた請求項1記載のエポキシ接
    着剤。
  5. 【請求項5】 前記応力緩和剤は、ポリビニルブチラー
    ルである請求項4記載のエポキシ接着剤。
  6. 【請求項6】 金属部品及びその金属部品を埋め込む注
    型樹脂を備え、その金属部品と注型樹脂との界面に請求
    項1から5までのいずれか1項記載のエポキシ接着剤が
    存在することを特徴とする注型品。
  7. 【請求項7】 請求項1から5までのいずれか1項記載
    のエポキシ接着剤を金属部品の表面上に塗布し、そのエ
    ポキシ接着剤を介して当該金属部品を注型樹脂内に固定
    することにより、上記金属部品と注型樹脂との界面状態
    を制御することを特徴とする金属/樹脂界面制御方法。
  8. 【請求項8】 前記エポキシ接着剤を前記金属部品の表
    面上に塗布する前にアセトンを含む溶媒で希釈する工程
    を含む請求項7記載の金属/樹脂界面制御方法。
  9. 【請求項9】 前記エポキシ接着剤を前記金属部品の表
    面上に塗布する前にアセトン及びプロパノールの混合溶
    媒で希釈する工程を含む請求項7記載の金属/樹脂界面
    制御方法。
  10. 【請求項10】 前記エポキシ接着剤を前記金属部品の
    表面上に塗布した後に半硬化状態となるように加熱する
    工程を含む請求項7記載の金属/樹脂界面制御方法。
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