JPH10292543A - 可動床の移動機構、可動床、及びこれを有する建築物 - Google Patents

可動床の移動機構、可動床、及びこれを有する建築物

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JPH10292543A
JPH10292543A JP14081698A JP14081698A JPH10292543A JP H10292543 A JPH10292543 A JP H10292543A JP 14081698 A JP14081698 A JP 14081698A JP 14081698 A JP14081698 A JP 14081698A JP H10292543 A JPH10292543 A JP H10292543A
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floor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集合住宅等の高層建築物や一戸建ての家屋等
の建築物において、建築施工や維持管理が容易で、限ら
れたスペースを有効利用でき、且つ使い勝手や安全性に
ついても非常に優れた建築物を実現し得る可動床の移動
機構の提供。 【解決手段】 可動床の裏面側にラックギアと複数の車
輪とが配置され、ラックギアの歯が、固定して設けられ
ている駆動用モータの回転軸に取りつけられているピニ
オンギアの歯と噛み合わされて可動床がこれらを介して
固定される一方、スイッチを入れて駆動用モータを回転
させると、該回転がピニオンギアに伝達され、ピニオン
ギアを介してラックギアの水平運動に伝達され、該運動
に伴って上記複数の車輪が回転運動することにより床全
体が水平方向に移動できるように構成されたことを特徴
とする可動床の移動機構、これを用いた可動床及び建築
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動床の移動機
構、該移動機構を有する可動床、及び該可動床を有する
建築物に関し、更に詳しくは、スイッチ操作1つで、可
動床を自在な位置に移動及び固定することが可能であっ
て、多様な部屋の使用形態を簡易且つ安全に実現し得る
可動床の移動機構、該移動機構を有する可動床、及び該
可動床を有する建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、狭い国土を集約的に利用して
いる我が国においては、集合住宅やオフィスビル等に用
いられている高層建築物であろうと、個人住宅用の一戸
建ての家屋であろうと、限られたスペースに、いかに効
率的に多くの生活用品や業務用品の収納場所を確保する
ことが出来るか、いかに広い生活空間や作業空間を確保
することが出来るかが、これらの建物を造る上での重要
な要素となる。この為、人間が生活する為の建築物にお
いては、一般家庭やオフィス等で快適な日常を送る為
に、上記の点を考慮した各種の工夫がなされている。例
えば、特開平3−43544号公報には、集合住宅やオ
フィスビル等の鉄筋・鉄骨コンクリート建築物の各階層
に仕切る為のコンクリートスラブの上面に梁を設け、こ
の梁の上に床材を支持させて(以下、逆梁コンクリート
スラブと呼ぶ)、コンクリートスラブの上面と床材との
間に床下空間が形成された建築物の床構造が開示されて
おり、該空間を、生活用品等を収納する収納庫や各種配
管や機材を収納する場所とすることが提案されている。
又、従来より一戸建ての木造等の家屋においては、例え
ば、各種の工夫を凝らした床下収納庫や、掘り炬燵等の
埋め込み型の器材の使用等、地面と床との間の床下の空
間部分を有効に利用する試みが種々知られている。更
に、床下部分の利用のみならず、近年では屋根裏に収納
庫や小屋裏を設けたりして、建物の上部空間を最大限に
利用しようとする試みがなされている。
【0003】しかし、従来から知られているこれらのも
のは、例えば、床下収納庫においては、固定されている
床面に開口部が設けられ、その開口部に開閉可能なハッ
チが設けられた構造をしている為、収納することの出来
る荷物の大きさがハッチの大きさによって限定された
り、ハッチを構成している枠体部分等が荷物の出し入れ
の際に邪魔になったりする場合がある。又、床面の下に
落とし込んで収納された荷物は、床下に潜り込む様にし
て取り出さなければならず、使い勝手が悪いという問題
もある。これに対し、本発明者らは、特願平7−204
030号明細書で2枚の床全体を夫々相互に水平方向に
移動させることが可能な床構造を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
床構造においては、可動床を固定床に連結して動かない
ように固定する方法として、使用態様に応じた位置に鍵
機構を設けて床体の固定を行っている為、特定の数箇所
でしか可動床を固定することが出来ず不便であるという
問題があった。例えば、床下に収納した物を安全に取り
出す為には、必ず一方の可動床を全開した状態で固定床
に固定して使用しなければならなかった。又、上記の可
動床は、下面に設けられている複数の車輪の働きによ
り、軽い力で床体を押すことにより可動床を円滑に移動
することが出来るが、人力によって押す力を調節しなが
ら可動床を移動しなければならず、ボタン操作だけで複
雑な操作を自動的に行うことに慣れ、又、高齢化がすす
む現代にあっては自動化してより使い易くすることが望
まれる。従って本発明の目的は、上記従来技術の課題を
解決し、集合住宅等の高層建築物や一戸建ての家屋等の
建築物において、限られたスペースを可能な限り有効に
利用することが出来、更に使い勝手や安全性についても
非常に優れた建築物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、床全体を水
平方向に移動可能にする可動床の移動機構において、可
動床の裏面側にラックギアと複数の車輪とが配置され、
該ラックギアの歯が、固定して設けられている駆動用モ
ータの回転軸に取りつけられているピニオンギアの歯と
噛み合わされて可動床がこれらのギア及びモータを介し
て固定される一方、電動スイッチを入れて駆動電源に通
電して駆動用モータを回転させると、該回転がピニオン
ギアの回転に伝達され、該ピニオンギアを介してラック
ギアの水平運動に伝達され、更に、該水平運動に伴って
上記複数の車輪が回転運動することによって床全体が水
平方向に移動できるように構成されていることを特徴と
する可動床の移動機構、該移動機構を有する可動床、及
び該可動床を有する建築物である。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明者は、上記の従来技術の問
題点を解決すべく鋭意研究の結果、2間続きの部屋の2
枚の床が通常の場合には構造体にしっかりと固定されて
いるが、一方で、2枚の床全体を、水平方向に夫々独立
自在に移動させることを可能な可動床とし、且つこれら
の可動床を電動スイッチ操作だけで自在に移動できる様
に構成すれば、床下部分の空間を有効且つ簡便に利用す
ることが出来、充分な収納部分の確保と多様性ある使用
形態が実現され、更には、安全性が十分に担保された操
作が容易な建築物が得られることを知見して本発明に至
った。
【0007】即ち、本発明の床構造は、2間続きの夫々
の部屋の2枚の床全体が夫々独立に且つ略同一の水平方
向に移動可能な可動床で構成され、更に該可動床を自在
な場所に電動スイッチで動かしたり、所望の位置で可動
床を停止して固定することが可能に構成されている。本
発明は、従来の建築物における床面はコンクリートスラ
ブやコンクリートの基礎の上に固定して支持され、且つ
壁面に対しても固定されて設けられるものであるという
常識を打破し、2間続きの部屋の2枚の床全体を夫々独
立に水平方向にスライド可能に構成して、これらの部屋
の形態を全く異なる様相に変化させることを可能にする
と共に、可動床を電動スイッチ操作だけで自在な位置に
移動したり、停止させて固定したりすることを可能にす
ることによって、限られた空間を可能な限り有効に且つ
便利に利用する。
【0008】以下、好ましい実施態様を挙げて、図面に
基づいて本発明を更に詳細に説明する。本発明の床構造
は、図1に示した様に、例えば、6畳間と4.5畳の和
室が隣接して設けられている様な、2間続きの部屋を有
する建築物に適用される。又、鉄筋・鉄骨コンクリート
製の集合住宅等の高層建築物の場合は、逆梁コンクリー
トスラブ構造の建物に好ましく適用される。尚、本発明
が、上記の例に挙げた部屋の広さに限定されないのは勿
論である。又、6畳間と4.5畳の部屋の構成が図1に
示したのとは左右逆の、向って左側に4.5畳、向って
右側に6畳を設けたものであってもよいのは勿論であ
る。更に、両方の部屋の広さが同じであってもよいが、
後に述べる様に収納庫を出来るだけたくさん採る為に
は、例示した6畳と4.5畳の組み合わせの様に部屋の
広さを異なるものとするのが好ましい。
【0009】ここに挙げた例では、図1に大きな矢印で
示した様に、畳が嵌め込まれている各部屋の2枚の床全
体が略同一の水平方向に、且つ互いに独立自在に移動可
能な可動床で構成されている。図中、1は6畳分の畳が
嵌め込まれた可動床を示し、2は、4.5畳分の畳が嵌
め込まれた可動床を示している。この結果、これらの2
枚の可動床1及び2を適宜に移動することによって次に
述べる異なる使用形態の空間の出現が可能となる。
【0010】先ず、主な使用形態のうちの第1のものと
しては、2枚の可動床1及び2を互いに逆方向に動か
し、双方の可動床の夫々の末端が壁面に到達するまで移
動させ(図2参照)、その位置で夫々の可動床を固定し
たものであり、2間続きの合計が10.5畳の広い床面
を有する和室を出現させることが出来る。この様な広い
スペースは、ゆったりとした落ち着きを与え、且つ大勢
の人数が集う場合には非常に有効である。しかし、特に
人工密度の高い都市近郊の住宅においては、内部にこの
様なスペースを確保しようとすると他の部分が手狭にな
りこれを実現させるのは非常に困難であった。これに対
し、本発明によれば、限られた空間の中に広いスペース
を容易に確保することが可能となる。
【0011】本発明の床構造は、上記した第1の使用形
態に加え、次に述べる多様な使用形態を実現することが
出来る結果、広い多様な居住空間と、広い収納スペース
を確保することが可能となる。第2の使用形様として
は、図3に示す様に、可動床1及び可動床2の2枚の可
動床を重ねて片側に寄せることによって、6畳の和室部
分が4.5畳の和室部分の上に重なってその部分が6畳
の和室になり、該6畳の和室に隣接した所には、フロー
リングを施したスキップフロアの部分が現れる。この結
果、上記で述べた第1の使用形態の場合とは全く異なっ
た様相の部屋となり、利用状態を全く異なるものに出来
る。尚、床面8は、鉄筋・鉄骨コンクリート製等の高層
建物の場合には、逆梁コンクリートスラブの梁よりも下
側のコンクリート面上に、又、1戸建ての木造建築物の
1階部分に設ける場合には、地面の上に設けられた防湿
コンクリートの上に、夫々根太等を設けて、これらの上
に床材を固定することによって設けるのが好ましい。
【0012】以上のようにして形成された一段低くなっ
ている固定床である床面8のレベルと可動床1及び可動
床2との間には、建築条件に応じて異なるが、図9に示
す様に、通常、高さ50〜70cm程度の空間が存在す
る。従って、床面8から可動床1のレベルまでの垂直面
を単なる壁で構成せずに、図3に示す様に、この空間部
分に納めることの出来る適宜な大きさの引き出し式の収
納庫10を複数設ければ、収納場所を充分に確保するこ
とが可能となる。この様にすれば、箪笥に衣類等を入れ
る手軽さで、日用品等を容易に収納し、容易に取り出す
ことが出来る。更に、この部分には、引き出し10の幅
や奥行き等をかなりの自由度を以って作ることが出来る
為、例えば、スキーやゴルフクラブ等の様な長尺物や、
布団や毛布等の様な大きなものを収納する為の大型収納
庫を設けることも可能であり、この様な整理しにくい各
種のものの簡便な収納場所の確保が容易となる。
【0013】次に、本発明の床構造の第3の使用形態に
ついて説明する。第3の使用形態は、図4に示す様に、
2枚の可動床を横並べにした第1の使用形態の場合にお
ける4.5畳の床面2をそのままにしておき、6畳の可
動床1をこの4.5畳の可動床2の方向へと移動し、6
畳の和室部分を4.5畳の和室部分の上に重ねたもの
で、図2の6畳の和室部分のあった位置には、可動床1
によって覆い隠されていた床下部分8’が現れる。この
床下部分8’に、例えば、図4に示した様な収納庫用の
板材を貼り巡らしておけば、広い間口を有する高さが4
0〜70cm程度の非常に広い、収納量の大きな収納庫
を無理なく確保することが出来る。この様にすれば、例
えば、大型の旅行用トランクや長尺のスキー用品等、か
なり大きな物や重いものを、収納庫の入口の大きさに左
右されずに容易に出し入れすることが出来る。
【0014】本発明の床構造においては、後述する様
に、電動スイッチ操作だけで所望の位置に可動床を移動
させて固定することができる構造となっている為、上記
の様に収納庫内から荷物を取り出す場合に、従来のよう
に可動床の端部が壁に到達する迄移動し、そこに設けら
れている鍵機構で可動床を固定する必要がなくなる。例
えば、本発明の床構造においては、図1に示した様に、
荷物を取り出すのに必要な広さの開口部が得られる分だ
け可動床を移動すれば足り、非常に便利である。又、本
発明の床構造においては、可動床を、所謂半開きの状態
のままで使用することも可能である。
【0015】次に、上記した様な多様な使用形態の空間
を電動スイッチ操作だけで自在に出現させることを可能
とする本発明の床構造の構成材料、及び可動床の移動・
固定機構について説明する。本発明の床構造を構成する
2枚の可動床は、図5(a)に示す様に、板体部と該板
体部の上に設けられている床面部とからなり、これらの
2枚の可動床が、電動スイッチのオンオフによって自動
的に移動及び固定することが出来るように構成されてい
る。先ず、板体部の構成について説明する。板体部は、
図5(b)に示した様に、可動床全体と略同一の外形形
状の固定床に隣接している平行な1辺を少なくとも有す
るパネル部と、該パネル部の裏面側に設けられたラック
ギアと複数の車輪とを有する。ラックギアは、図5
(b)に示す様にパネル部の上記辺に沿った位置の裏側
にかけ渡されて設けられている。
【0016】上記の様な板体部を構成するパネル部の構
成材料は特に限定されないが、その上に床面部が乗せら
れて人間が日常生活を送る部屋の床とされる為、板体部
の上に人が乗ったり、その上で激しく動き回ったとして
も可動床が沈み込んだり、振動が激しかったりすること
がないようにする必要がある。又、本発明の床構造は、
その性格上、これを用いた建築物を建てる場合には、建
築物がある程度完成して部屋の壁等が形成された状態の
中で組み立て作業をしなければならない。従って、板体
部の構成材料は、作業性を考慮して重量が軽く取扱い易
いものである必要があり、更に組み立ても簡易であるこ
とが望まれる。この為、パネル部の構成材料に、一般の
建築物に通常使用されてる木材や合成樹脂、或いはこれ
らの組み合わせからなる合板を用いてもよいが、下記に
述べる様なハニカム構造体で構成するのが好ましい。
【0017】本発明でいうハニカム構造体とは、図6
(b)にその概略斜視図を示したが、上下2枚の木製又
は合成樹脂製の板の間に、多数の蜂の巣状の孔を有する
ハニカム状パネルを挟んで相互に固定し、一体化したも
のをいう。例えば、本発明においては、1〜10mm程
度の適宜な大きさのFRP板を2枚用いて上下の表面基
板とし、その間に40〜90mm程度の紙又は合成樹脂
製の材料で作成した多数の支柱と多数の孔からなるハニ
カム状パネルを置いて中芯材とし、上記FRP板でサン
ドイッチ状に挟んだ厚さ60〜100mmのハニカム構
造体を用いるのが好ましい。この様なハニカム構造体
は、重量が軽いにもかかわらず高い強度を有し、更に、
かなりの荷重をかけても撓むことが少ない。この為、可
動床上に複数の人間が乗って激しく動き回ったとしても
可動床が破損したり沈み込むことがない。又、本発明に
おいては、板体部のパネル部に上記の様なハニカム構造
体のみを使用し、これに直接、移動機構部材であるラッ
クギアと複数の車輪とを配置している(図5参照)。こ
の為、ハニカム構造体を枠に嵌め込んで板体部を形成
し、枠に車輪等の移動機構を設ける方式の場合と異な
り、組立を簡易にできると共に、可動床がガタついたり
振動することが殆どない。
【0018】本発明で好ましく使用されるハニカム構造
体としては、具体的には例えば、ロービングクロスやチ
ョップドストランドマット等のガラス繊維を強化材とし
て使用したFRP製の3mm厚程度の2枚の板(応力F
=1900kg/cm2、ヤング率1.5×105kg/
cm2、ポアソン比0.12)を表面基板とし、中芯材
として、ペーパーコアS−85(K)(厚さC=77m
m、剪断弾性率=288kg/cm2)を用いたもの等
が挙げられる。例えば、図1に示した様な6畳と4.5
畳の2間続きの可動床を、上記のハニカム構造体で作製
する場合、6畳間用には、174cm×244cmの大
きさのハニカム構造体を2枚、4.5畳間用には127
×229cmのハニカム構造体を2枚を夫々の板体部に
使用する。この上に実際に5〜6人が乗って動き回って
みたところ、可動床が沈み込んだり、振動を生ずること
はなかった。又、6畳用ハニカム構造体について、ハニ
カム構造体上に400kg/cm2の等分布荷をかけた
として試算したところ、ハニカム構造体の強度及び撓み
量は以下の様であり、11,000kg以上の剪断応力
に耐え得る高い強度を有することと、上記の様なハニカ
ム構造体は、計算上でも殆ど撓むことがないことが確認
された。 ・表面基板の強度P≒13,007kg ・中心材の強度P≒11,692kg ・撓みd=0.104cm
【0019】上記の様な板体部のパネル部上に乗せる床
面材料としては、図1〜図4で示した例の様に両方の床
面を畳で構成してもよいが、本発明はこれに限定され
ず、通常一般に用いられている様に、木製、合成樹脂製
シート或いは絨毯等の床材で構成してもよい。更に、双
方の床面を同一の床面材料で作製してもよいし、別々の
材料を用いて作製してもよい。この結果、種々のライフ
スタイルに合致させ得る多種多様な居住空間の提供が可
能となる。
【0020】次に、図1に示した2枚の床全体(可動床
1及び可動床2)を互いに独立に、且つ略同一の水平方
向に、電動スイッチのオンオフによって自動的に移動及
び固定させることを可能とする移動機構について、その
使用部材及び可動装置について説明する。本発明で使用
する可動床の板体部のハニカム構造体等で構成されたパ
ネル部の裏面側には、上記した様に、ラックギアと複数
の車輪とが直接設けられている。本発明で使用されるラ
ックギアは、ピッチ面が平板状で、円板状のピニオンギ
アと噛み合う台形状の歯が該ピッチ面に並んでいる帯状
部材であり、図5(b)に示す様に、駆動用モータが取
り付けられている通常の固定床に隣接した平行なパネル
部の1辺に沿って該辺の両端迄かけ渡して、10〜50
mm程度の幅で設けられている。ピッチとしては、6〜
12程度のものを用いるのが好ましい。ラックギアの材
質としては、可動床の総重量が、数10kg、用いる材
料によっては100kg以上の重さとなり、且つその上
で数十kgの複数の人間が動き回ることを考えると、1
トン以上の重量に耐え、長期間の使用によっても破損や
摩耗が生じない強度の強いものが好ましい。このために
は、例えば、炭素鋼等の金属製、又はこれに代替し得る
各種のエンジニアリングプラスチック製等のものを用い
るのが好ましい。
【0021】本発明の床構造では、上記した様なラック
ギアのピッチ面に並んだ歯と噛み合う位置に、ラックギ
アの歯と同一のピッチを有する円板状のピニオンギアが
設けられている。即ち、図5に示す様に、ピニオンギア
は、固定部分に配置されている駆動用モータの回転軸に
取り付けらており、駆動用モータを駆動させると固定さ
れた位置で回転運動をするように構成されている。従っ
て、本発明の床構造では、駆動用モータを駆動させなけ
ればピニオンギアが回転運動することはなく、ラックギ
アの歯とピニオンギアの歯は、図5(a)に示した様に
しっかりと噛み合わされている為、ラックギアを有する
可動床は、ピニオンギアを介して固定分に強固に固定
された状態が維持される。一方、ピニオンギアを回転さ
せた場合には、ピニオンギアの回転につれて該ピニオン
ギアの歯車と噛み合わされているラックギアの歯がピニ
オンギアの歯車の上を水平方向に進むことになり、ピニ
オンギアの回転運動がラックギアの水平運動へと伝達さ
れる。この結果、ラックギアと一体的に構成されている
可動床は、ピニオンギアの回転の開始及び停止に伴っ
て、固定部分に固定されたり、水平方向に移動可能とな
ったりする。
【0022】しかし、本発明の床構造では、広い面積を
有する重量物である可動床全体を移動させる構成として
いる為、上記した可動床の片側の辺に沿って設けられた
ラックギアとピニオンギアのみでは円滑な移動は困難で
ある。そこで、本発明では、可動床の進行方向の相対す
る2辺に沿った縁端部近傍に、更に詳しくは、板体部の
パネル部の裏面の進行方向に沿った2辺の近傍に、複数
の車輪を設けることによって可動床の移動を容易なもの
としている。例えば、図6に示した例では、一方の辺に
沿って設ける複数の車輪を、ラックギアの内側の側面に
連結具により連結し、ラックギアが設けられていない対
峙する辺の近傍では、複数の車輪を連結具によりパネル
部に直接取り付けている。勿論、全ての車輪をパネル部
の裏面に直接設けてもよい。可動床に取り付ける車輪の
個数としては、走行路に設置した場合に可動床が安定し
て静置されてガタつかず、移動させた場合に可動床が円
滑に移動し得ればいずれでもよい。例えば、図5(b)
に示した様に、6畳の可動床では両側の辺に沿って夫々
6個ずつ、4.5畳の可動床では両側の辺に沿って夫々
4個ずつ設けるのが好ましい(不図示)。
【0023】又、本発明で用いる車輪の形成材料として
は、いずれのものでもよいが、ラックギアと同様に大重
量を支えることが出来、且つ走行路上を円滑に回転して
大重量の可動床を容易に移動させることが出来るものを
使用する必要がある。この様な車輪としては、例えば、
円滑に回転することが可能な内部にベアリングを有した
構造の鋼等の金属製のものや、或いはエンジニアプラス
チック製のもの等、強度が強く材料の摩耗や劣化の少な
いものを使用するのが好ましい。例えば、本発明におい
ては、直径が37mmφ程度の車輪の幅が10〜20m
mの大きさの鋼製の車輪を好ましく使用することが出来
る。
【0024】本発明の床構造においては、上記した複数
の車輪部分が、可動床1又は可動床2の進行方向の部屋
の両端部に沿って設けられている走行路3上に置かれ、
駆動用モータ4の駆動に応じて該走行路3上を回転運動
し、床全体を移動可能な可動床にする。よって、走行路
3には、これらの車輪を介して可動床の大重量の負荷が
かかり、長期の走行によっては走行路が沈みこんだり破
損したりする可能性がある。特に、走行路3が木材で形
成されている場合には、この問題が顕著となる。そこ
で、本発明においては、木製等の走行路上に、金属製、
或いはポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテ
レフタレート、FRP、ABS樹脂等の硬質プラスチッ
クからなるシートを、木製等の走行路上に貼り付けてお
くのが好ましい。このように構成すれば、車輪の滑り性
も向上し、可動床の円滑な移動が可能となる。
【0025】更に、図1に示した例では、2枚の可動床
1及び可動床2のうちの上部に設けられている6畳間の
可動床1の場合は、可動床の側面に直立した壁がなく可
動床が走行路3から横にそれる可能性がある。この為、
この様な場合には特に、上記した走行路3上に設ける金
属製或いは硬質プラスチックシートに車輪7の幅に該当
する幅の凹状の溝を形成しておくのが好ましい。この様
にすれば、図6(a)に示した様に、車輪は、この溝に
嵌り込み外れることなく溝内を安定して走行し得る。例
えば、幅20mmの厚さ4.5mmの金属製或いは硬質
プラスチックシート9の中央部に、12mmの幅の1m
mの深さの浅い溝を形成し、これを走行路3上に接着剤
やネジ等の接着具で強固に接着させれば、上記で述べた
車輪のガタつきはなく、車輪が溝内を安定且つ円滑に走
行し得る。
【0026】尚、上記の走行路3の形成材料及びこれに
設ける溝は、本発明の必須の条件ではなく、例えば、車
輪7が、走行路3から外れたりガタついたりしない様に
する為に、走行路の側壁に近接して垂直の壁面を有して
いる場合には、該壁面上を車輪が走行する様な向きのガ
イドローラーを適宜な位置に設けておくのも好ましい
(図示なし)。この様にしておけば、壁面に可動床が衝
突することなく円滑に走行させることが可能になる。
【0027】次に、上記の様な移動機能を有する可動床
に使用される駆動用モータ4、及びこれに取り付けられ
ているピニオンギア6について説明する。これらは、先
に述べた板体部に取り付けられているラックギア5と複
数の車輪7と共に、本発明で使用する可動床の移動を可
能とする必須の可動部材である。図6に示す様に、駆動
用モータ4は、固定床の框の側面等にボルト等の締結具
によって固定して設置されており、該モータ4の回転軸
にピニオンギア6が取り付けられている。駆動用モータ
4を取り付ける位置としては、例えば、図7に示した様
に、2枚の可動床が重なっている2つの部屋の中央部近
傍に、6畳用及び4.5畳用のモータを夫々1個ずつ設
けるのが好ましい。モータの数は、図に示した例では、
可動床の片側の1箇所のみに設けたが、本発明はこれに
限定されず、例えば、可動床の対峙する2辺に夫々設け
てもよい。
【0028】本発明で使用する駆動用モータとしては、
通常はブレーキによって固定されており、該ブレーキが
解除された場合のみモータが回転し、該回転によって重
量物である可動床を移動し得るものであればいずれのも
のでもよいが、例えば、三相ブレーキ付ギアモータGM
T010U50B(椿本チェーン製)等が挙げられる。
当該モータは、通電時以外は常時ブレーキが掛けられた
状態となっており、大きさが135mmφ×283mm
程度であり、出力が0.1kWの小型モータで、騒音が
小さく、減速比が1/5〜1/1200と大きい。又、
モータの回転速度を適宜に変えることができ、可動床の
自在な移動及び固定を可能とし得る。この様なモータの
回転速度を適宜に変える制御装置としては、例えば、ト
ルク制御付三相インバータ VR002BL(椿本チェ
ーン製)が挙げられる。この装置は、障害物を感知した
場合に、設定以上のトルクを出さない様に設計されてい
る。本発明における具体的な制御例については後述す
る。
【0029】上記の様な駆動用モータ4の回転軸に取り
付けられるピニオンギア6は、上記で述べたラックギア
5の歯の数よりも歯車が少なく、ラックギア5の歯のピ
ッチと同様のピッチを有する円板状の歯車であればいず
れのものでもよい。ピニオンギアの構成材料もいずれの
ものでもよいが、これと噛み合わされて使用されるラッ
クギアと同様の材料で構成するのが好ましい。又、円滑
な移動を可能とする為には、歯車の数が40程度のもの
を使用するのが好ましい。
【0030】上記した様な部材で構成される本発明の床
構造で使用する可動床の作製方法としては、例えば、図
1に示した6畳間の床体1の床面を畳で構成する場合に
は、先ず、上記した大きさの2枚のハニカム構造体等か
らなるパネル部を作成し、パネル部の裏面側に下記で詳
述する車輪等の移動機構を設けた後、2枚の板体を繋ぎ
合わせて6畳の広さの1枚の板として板体部を作製し、
これを建物に固定して設けられている走行路上に乗せ、
この板体部の上の周囲に沿って木製の枠を形成して固定
し、該枠内に畳を6枚嵌め込んで完成させる。尚、板体
部と床面部とは直接重ね合わせてもよいがこれに限定さ
れずに、間に、例えば、断熱シートや防音シート等を設
けてもよいのは勿論である。
【0031】この様な構成の可動床を有する本発明の床
構造では、先に述べた様に、駆動用モータ4に電源を入
れてモータを回転させると、該モータの回転軸に取り付
けられているピニオンギア6が回転する。すると、図5
(a)に示した様に、該ピニオンギア6の歯と噛み合わ
されているラックギア5の平板上の歯がピニオンギアの
回転に伴って回転方向に水平に移動する。この結果、ラ
ックギアが取り付けられている可動床は水平方向に移動
する。従って、駆動用モータ4の回転速度を適宜に制御
すれば、可動床の水平方向への進行速度を自在に制御す
ることが可能となる。又、先に述べた様に、本発明にお
いては、重量物からなる可動床を移動させている為に、
移動操作中に生じる恐れのある指や腕等の身体を挟むと
いった事故の発生を完全に防止する必要がある。そこ
で、本発明においては、駆動用モータに、先に述べた様
な制御装置を接続し、可動床の移動速度を状況に合わせ
た制御を行い得るように構成するのが好ましい。例え
ば、本発明で使用する可動床の移動及び停止を下記に述
べる様に制御すれば、安全且つ円滑な操作が可能とな
る。
【0032】先ず、駆動用モータ4には先に述べた様な
モータを使用し、常時ブレーキによって固定され、通電
時のみブレーキが解除される様な構成のものを使用する
のが好ましい。更に、安全性を高めるために、図7に示
す様に、電動スイッチの構造を、中央にあるモータ4の
ブレーキ解除ボタンと、その両側に左右の進行方向への
移動開始ボタンを夫々1つずつ設けておき、中央のブレ
ーキ解除ボタンと移動開始ボタンの両方を同時に押した
場合に限り、且つ押し続けた間だけ駆動用モータが作動
する様に構成するのが好ましい。この様にすれば、以下
に述べる如く安全性に優れた駆動が行える。6畳の可動
床1の動きを示した図7を参照しながら説明する。
【0033】図7の実線で示した可動床1及び可動床2
は、第1の使用態様の夫々の可動床が固定部に接地して
いる状態を示すものである。この状態で、図7で示した
ブレーキ解除ボタンと向って左方向への移動開始ボタン
を同時に押すと、両方のボタンを押している間だけ向か
って右側に位置している6畳用の可動床1は、図中に点
線の枠で示した様に、図中、矢印で示した左側に向って
移動する。従って、移動開始ボタン又はブレーキ解除ボ
タンのいずれかから手を離せば、瞬時に可動床の移動は
停止する。可動床の移動速度としては、例えば、4.6
m/min程度のゆっくりとした速さで、10kg程度
の推進力で移動させるのが好ましい。この様にして可動
床1を左側に移動させると、可動床1の下部に設けられ
ている図4に示した様な床下収納庫の上部が開口し、収
納庫内の荷物を容易に取り出すことが可能となる。
【0034】更に上記の様にして左側に移動させた可動
床1を右側に移動させて元の状態に戻す為には、上記し
た場合と同様に、図7に示した中央のブレーキ解除ボタ
ンと右方向への移動開始ボタンを同時に押して移動を開
始させ、両方のボタンを押して続けて可動床1を右側に
向けて移動させる。図8に4.5畳の可動床2の移動状
態を示したが、図7の左端の固定床に接していた4.5
畳の床体2も、上記の場合と同様に、中央のブレーキ解
除ボタンと右方向への移動開始ボタンを同時に押して移
動を開始させ、両方のボタンを押して続けることによっ
て、図8に示したて位置まで可動床1を右側に向けて移
動させることが出来る。可動床1又は可動床2を上記の
様にして移動させ、固定部9に到達させる場合に、固定
部9と可動床との間に人がいたり、手や足があると、固
定部9と可動床との間に挟まれる恐れがある。そこで、
この様な万が一の事故を想定して本発明においては、図
7〜図9に示した固定部9の可動床と接することとなる
位置にテープスイッチ14を設けておくのが好ましい。
テープスイッチ14としては、例えば、OT−07L−
B等を使用することができ、この結果、どこの部分で挟
まれる事故が生じても確実にスイッチを切れ、可動床の
移動を瞬時に停止させることが出来る。
【0035】本発明においては、上記した様に、可動床
の移動の際に腕や指等を可動床と固定されている壁や床
(以下、固定部という)との間に挟んでしまい怪我をす
るという従来の固定された床では考えられない問題があ
る。そこで、本発明ではこの様な事故を未然に防止する
為、更に、固定部9の手前で、自動的に可動床の移動速
度が減速する様に構成するのが好ましい。例えば、人の
手や足等の身体の一部が挟まる場合を想定して、固定部
の約300mm手前に移動速度減速用センサーを設けて
おき、この地点を通過した後は、通常の移動速度の半分
程度の2.3m/min程度に減速してゆっくりとした
速度となる様に移動速度を制御するのが好ましい。又、
推進力も、この地点から人の腕や指等に損傷を与えない
力以下の5kg程度に低下させた後、ゆっくり静かに可
動床1を移動して固定部に到着させるようにする。この
結果、可動床が固定部に到着する寸前の移動速度は、非
常に速度が遅く、更に推進力も小さい為、例え、移動中
の可動床と固定部との間に指や腕が挟まれてしまった場
合でも、通常の力で押し返せば可動床を止めることが出
来、容易にその状態を回避することが出来る。勿論、上
記の様な弱い力で移動させれば、子供の力でも容易に可
動床の移動を停止させることが出来る。
【0036】固定部9の手前で、自動的に可動床の移動
速度を減速させる為の具体的な方法としては、例えば、
図7〜図9に示した様に、固定部の手前300mm程度
の所の走行路に直立している壁に、磁性金属に反応する
減速用センサーを設けておけば、下部にラックギア等の
金属製部材が設けられている可動床がこの横を通過する
とセンサーが感応する。そこで、この信号をモータへと
送り、該信号の入力によってその後のモータの回転速度
が減速される様に制御しておけば、容易に駆動用モータ
の回転速度をある地点から自動的に減速させることが可
能となる。この際に使用するセンサーの好ましい例とし
ては、例えば、0〜8mmの範囲にある30×30×1
mmの鉄を検知するオムロン社製のE2E−X10MY
等が挙げられる。
【0037】又、本発明の床構造においては、上記の様
にして固定部9の手前から可動床の移動速度を減速させ
れば、可動床を固定部へと静かに到着させることが出来
るが、更には、図7〜図9に示した様に、固定部の直前
の走行路3に直立している壁に、可動床を停止させた場
合に該可動床が固定部に丁度接する様な位置に、上記と
同様の可動床停止センサーを取り付けておき、該センサ
ーからの信号によって駆動用モータへの通電が切断され
るように制御しておくのが好ましい。この結果、可動床
が固定部9に到達した地点で、可動床をゆっくりと且つ
何らの衝撃を与えることなく停止させることが出来る。
更にこの様な構成としておけば、停止センサー上に可動
床がある場合は、図7及び図8に示したブレーキ解除ボ
タンを誤って押したとしてもモータのブレーキは解除さ
れず、可動床は固定された状態を保つ為、通常の使用形
態で使用する場合における安全性が更に担保される。
【0038】更に、例えば、上記した6畳の可動床を左
方向に移動させる場合は、収納庫の荷物の出し入れに必
要なだけ可動床1を移動することが出来れば十分である
ので、この場合は、可動床の進行方向の停止線となる壁
や床等の固定部まで到達させなくてもよい。従って、こ
の場合には、図7〜図9に示した様に、固定部の手前3
0mm程度の位置に、上記と同様の停止センサーを埋め
込んでおき、その地点で可動床が停止する様に駆動用モ
ータを制御するのが好ましい。この様にしておけば、可
動床と固定部9との間に人の指や腕等が挟まれる機会が
減少するので、安全性が更に向上する。
【0039】更に、本発明の床構造は、従来のものと異
なり、電動で床全体が移動し、その他のモーターに通電
されない場合にはモーターにブレーキがかかって可動床
がその位置で固定される構造となっている為、停電事故
が発生した場合には可動床を移動することが出来ない恐
れがある。手動で可動床を移動させるには、ギアが噛み
合っており、容易には移動させることができないと考え
られる。本発明においては、この様な場合を考慮し、手
動で容易に可動床を移動することが出来る機構を設けて
おくのが好ましい。以下、この様なブレーキを解除機構
について説明する。
【0040】駆動用モータ4は、図5(a)に示す様
に、通常はプレートBを介して木製の框に締結具によっ
て取り付けられて固定されており、該駆動用モータ4の
回転軸に取り付けられているピニオンギアの歯がラック
ギア5の歯と噛み合わされている為、本発明の床構造に
おいては、ピニオンギア6及び駆動用モータ4を介して
可動床が固定部に固定されている。従って、停電した場
合には上記2つのギアが噛み合わされ状態のままとなり
可動床を移動させることが出来ない。そこで、図10に
示す様に、駆動用モータをプレートAに取り付け、該プ
レートAを框(固定部)に取り付けられている取り付け
プレートBに取り付けるが、プレートAを取り付ける際
に、プレートAが回転軸Cを支点としてθの方向に回転
することが出来る様に構成すれば、駆動用モータの位置
を下に下げることが可能となる。この結果、駆動用モー
タに取り付けられているピニオンギアの位置も下がり、
該ピニオンギアとラックギアとの歯の噛み合わせが外れ
る為、可動床を手動で容易に動かすことが可能となる。
【0041】以下、ブレーキ解除機構について図10に
従って説明する。先ず、プレートAをプレートBに取り
付ける場合に、一方の締結具を、プレートAが該締結具
を中心に回転可能な回転軸Cとし、これによって取り付
ける。その際にプレートAがプレートBに対して若干の
遊びをもって取り付けられている。更に、回転軸Cと対
峙する場所の締結具として、中心から数mm手前にずれ
た点を支点とし、該支点を中心としてレバーによって回
転可能に構成されたクランクコマDを使用する。この結
果、通常は、クランクコマDによってプレートAがプレ
ートBに押し付けられて両者は強固に締結されているが
(図10(d)参照)、レバーを引くとクランクコマD
が変則的な回転をし、クランクコマDのプレートAをプ
レートBに押し付けていた面がプレートAから離れる
(図10(c)参照)。この結果、クランクコマDによ
って押し付けられていたプレートAがプレートBから離
れる為、回転軸Cを中心としてプレートAが可動な状態
となり、下側に下がる。この際に、クランクコマDの近
傍に、θ以上はプレートAが回転しない様に構成してお
くのがよい。プレートAが下がると、駆動モータ及びラ
ックギアと噛み合っていたピニオンギアも下がる為、可
動床を手動で容易に移動させることが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、集
合住宅等の高層建築物や一戸建ての家屋等の建築物にお
いて、限られたスペースを可能な限り有効に利用するこ
とが出来、更に電動スイッチの操作だけで可動床の移動
が円滑且つ安全になされ容易に使用形態を変更し得る、
使い易さ及び安全性に優れた建築物が提供される。又、
本発明によれば、床全体が移動可能に構成されているに
もかかわらず、どの段階においても常に可動床が強固に
固定されており、更に使用時に可動床が沈み込んだり破
損したりすることがなく、可動床の上で通常の固定され
ている床と同様の安定した生活を営むことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動床の使用状態を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の可動床の別の使用形態の場合の斜視図
である。
【図3】本発明の可動床の別の使用形態の場合の斜視図
である。
【図4】本発明の可動床の別の使用形態の場合の斜視図
である。
【図5】可動床の移動機構を説明する断面図である。
【図6】可動床の移動機構を説明する為の平面図であ
る。
【図7】可動床の移動状態及び速度制御を説明する為の
平面図である。
【図8】可動床の移動状態及び速度制御を説明する為の
平面図である。
【図9】本発明の建築物の構造を示す断面図である。
【図10】可動床を手動で動かす場合のブレーキ解除機
構を説明する図である。
【符号の説明】 1、2:可動床 3:走行路 4:駆動用モータ 5:ラックギア 6:ピニオンギア 7:車輪 8、8’:可動床の下にある固定床の床面 9:固定部 10:引き出し式収納庫 11:箪笥置き場 12:速度減少用センサー 13:停止用センサー 14:テープスイッチ A:取り付け用のプレートA B:取り付け用のプレートB C:回転軸 D:クランプコマ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床全体を水平方向に移動可能にする可動
    床の移動機構において、可動床の裏面側にラックギアと
    複数の車輪とが配置され、該ラックギアの歯が、固定し
    て設けられている駆動用モータの回転軸に取りつけられ
    ているピニオンギアの歯と噛み合わされて可動床がこれ
    らのギア及びモータを介して固定される一方、電動スイ
    ッチを入れて駆動電源に通電して駆動用モータを回転さ
    せると、該回転がピニオンギアの回転に伝達され、該ピ
    ニオンギアを介してラックギアの水平運動に伝達され、
    更に、該水平運動に伴って上記複数の車輪が回転運動す
    ることによって床全体が水平方向に移動できるように構
    成されていることを特徴とする可動床の移動機構。
  2. 【請求項2】 駆動用モータが常時ブレーキによって固
    定されており、ブレーキ解除ボタンと同時に移動開始ボ
    タンを押し、且つこれらのボタンを押し続けている間の
    み駆動用モータのブレーキが解除されてモータが回転し
    て可動床が水平方向に移動する請求項1に記載の可動床
    の移動機構。
  3. 【請求項3】 駆動用モータのブレーキを駆動電源とは
    無関係に手動で解除し、可動床を手動で移動できるよう
    に構成した請求項1に記載の可動床の移動機構。
  4. 【請求項4】 可動床の走行路近傍の固定床に到着する
    手前の地点に設けられている速度センサーによって、駆
    動用モータの回転に伴って水平方向に移動する可動床の
    移動速度が自動的に減速するように駆動用モータの回転
    が制御されている請求項1に記載の可動床の移動機構。
  5. 【請求項5】 可動床が走行路近傍の固定床に到着する
    手前の地点に設けられているセンサーによって、駆動用
    モータの回転に伴って水平方向に移動する可動床の移動
    が自動的に停止するように駆動用モータの駆動が制御さ
    れている請求項1に記載の可動床の移動機構。
  6. 【請求項6】 可動床の進行方向の先端部が接する固定
    床の側面にテープ状スイッチが設けられ、該スイッチに
    接触することによって駆動用モータの回転が停止するよ
    うに駆動用モータが制御されている請求項1に記載の可
    動床の移動機構。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の可動床の移動機構を有
    し、且つ可動床が1つの部屋の床面全体を構成している
    ことを特徴とする可動床。
  8. 【請求項8】 請求項8に記載の可動床を有することを
    特徴とする建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006152626A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sekisui Chem Co Ltd 床下収納装置
JP2020169504A (ja) * 2019-04-04 2020-10-15 富士ゼロックス株式会社 床構造
CN119434515A (zh) * 2024-12-12 2025-02-14 中国一冶集团有限公司 一种装配式带支撑的钢筋桁架楼承板及其安装方法

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