JPH10296062A - 高分子多孔質管状膜の製造方法 - Google Patents

高分子多孔質管状膜の製造方法

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JPH10296062A
JPH10296062A JP12146197A JP12146197A JPH10296062A JP H10296062 A JPH10296062 A JP H10296062A JP 12146197 A JP12146197 A JP 12146197A JP 12146197 A JP12146197 A JP 12146197A JP H10296062 A JPH10296062 A JP H10296062A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィンによる多孔質管状膜を、容易
に孔径制御しつつ工業的に製造する方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン100重量部に対し、水
溶性高分子化合物10〜55重量部、平均粒径3〜50
μmの水溶性微粉末50〜210重量部、及び分散剤1
〜15重量部を配合してなる混合物を溶融混練したの
ち、管状に成膜し、次いで得られた管状膜を水性溶媒に
浸せきする。分散剤としては高級脂肪酸、高級脂肪族ア
ルコール、パラフィン、高級脂肪酸アミドが、水溶性高
分子化合物としては分子量40万以上のポリエチレンオ
キシドが、水溶性微粉末としてはペンタエリスリトール
が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離膜等として有
用な高分子多孔質管状膜の製造方法、さらに詳しく言え
ば、ポリオレフィンを膜素材に用い、これに所定の水溶
性物質を溶融混練により配合し、成膜したのち、膜中の
該水溶性物質を水性溶媒で溶出して高品質の高分子多孔
質管状膜を工業的に簡単に製造する方法に関するもので
ある。本発明の方法によれば多孔質管状膜の孔径を容易
に制御でき、得られた多孔質管状膜は分離効率に優れる
ものであって、特に金属水酸化物等の工場排水に含まれ
る懸濁物質の分離処理に有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、工程の簡略化、品
質の向上のために食品、製薬、バイオテクノロジー、化
学および電子工業等の多方面の分野で分離膜技術が利用
されている。その中でもポリオレフィンからなる多孔質
分離膜は、耐薬品性に優れているため応用範囲が広く、
その需要は大きい。
【0003】ポリオレフィンによる多孔質物質の製造方
法には、高分子化合物に添加剤を加え成膜した後、添加
剤を適当な方法で抽出する抽出法、有機溶媒に高分子化
合物を溶解して調製した成膜溶液をガラス板などの基板
に流延した後、適当なゲル化液に浸し、相分離により微
細孔を得るキャスト法、高分子化合物を任意の形状に成
形した後、延伸して多孔質化する延伸法などがある。
【0004】しかし、現在用いられているポリオレフィ
ン多孔質膜はほとんど平膜あるいは内径1mm以下の管
状又は中空糸状の形態のものであるために利用方法が制
限されるのを免れない。例えば、分離対象液の組成や物
性によっては処理不能のケースが生じる。他方、1mm
以上の管状の形態の膜は、製造が複雑となり極めて高価
であるか、あるいは、複合膜であるため耐薬品性の点で
制約がある。また、高分子多孔質管状膜は、金属水酸化
物等の工場排水に含まれる懸濁物質の分離処理に分離膜
として用いる場合、このような排水中の金属水酸化物の
粒子径は通常10〜100μm程度であるため、該分離
膜の孔径は5μm程度やそれ以下でろ過分離でき十分な
分離性能を示すが、この孔径がlμm以下のものでは、
分離エネルギーが過大となりすぎるために稼働コストが
上昇しすぎて実用性に欠けるし、またlμm超の孔径の
ものでは空孔率を高くすると強度が低下するので、ろ過
分離の効率向上を図るためにはろ過速度を上昇すべく加
圧ろ過や真空ろ過等のろ過圧力を苛酷にすることが要求
されるが、このような要求特性には十分には応えられな
いなどの膜性能の低下を免れない。
【0005】ポリオレフィンによる多孔質物質の製造方
法として、抽出法は比較的簡単で工業化に適していると
考えられるが、これによる成膜方法では、均一な孔径を
有する多孔質体を製造するのが難しく、また孔径の制御
も被抽出粒子の物理的形状によるところが大きく、技術
的制約が多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の高分子多孔質管状膜やその製造法のもつ欠点を克
服し、ポリオレフィンによる多孔質管状膜を、容易に孔
径制御しつつ工業的に製造する方法を提供することを目
的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
好ましい高分子多孔質管状膜の製造法を開発するために
種々研究を重ねた結果、ポリオレフィンに対し、水溶性
高分子化合物と水溶性微粉末と分散剤とを配合したコン
パウンドを成膜材料に用い、抽出法として水性溶媒で膜
中の水溶性材料を溶出する方法を採ることにより、その
目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、ポリオレフィン10
0重量部に対し、水溶性高分子化合物10〜55重量
部、平均粒径3〜50μmの水溶性微粉末50〜210
重量部、及び分散剤1〜15重量部を配合してなる混合
物を溶融混練したのち、管状に成膜し、次いで得られた
管状膜を水性溶媒に浸せきすることを特徴とする高分子
多孔質管状膜の製造方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、多孔質管
状膜の素材には耐薬品性、熱安定性、成形加工性に優
れ、しかも安価であるのでポリオレフィンが用いられ
る。ポリオレフィンについては特に制限はないが、好ま
しくは例えばメルトインデックス(MI)0.5〜4.
5のポリプロピレンやプロピレン系ランダム共重合体、
メルトインデックス(MI)3〜7のポリエチレンなど
が挙げられ、中でも上記ポリプロピレン、特にアタクチ
ックポリプロピレンや、プロピレン系ランダム共重合
体、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体が好ま
しい。
【0010】溶出性物質には、膜素材として選んだポリ
オレフィンに対し、所期の多孔質構造を形成しうるもの
が用いられる。このような溶出性物質としては、水溶性
高分子化合物及び水溶性微粉末が用いられる。この水溶
性高分子化合物は、水性溶媒、中でも水で溶解しうる高
分子化合物で、しかもその溶融温度がポリオレフィンの
溶融温度以下のものであって、例えばポリエチレンオキ
シド、ポリエチレングリコール、パオゲン(第一工業製
薬社製)等が挙げられ、中でもポリエチレンオキシド、
特に分子量40万以上の高分子量のものが好ましく、さ
らにこのような高分子量ポリエチレンオキシドの中でも
分子量100万〜500万、特に分子量200万〜40
0万のものが所要の管状膜の成形性に優れるので好まし
い。
【0011】また、水溶性微粉末は、水性溶媒、中でも
水で溶解しうる平均粒径3〜50μmの微粉末で、しか
もポリオレフィンの溶融温度において安定であり、好ま
しくは不活性であるものであって、このようなものとし
ては、例えば塩化アンモニウム、硫酸カリ、塩化カルシ
ウム、臭化カリなどの無機塩類、チオ尿素、ペンタエリ
スリトールが挙げられる。水溶性微粉末は、ポリオレフ
ィンの溶融温度から加工温度までの温度範囲でも安定で
あるものが好ましい。水溶性微粉末として特に好ましい
のはペンタエリスリトールであり、これを用いると、高
分子多孔質管状膜として無数の繊維が綿密に絡み合った
ような孔構造を有するものが得られる。これは、ペンタ
エリスリトールが熱安定性が良くポリオレフィンに対し
て不活性でかつ自己分散性が高い物質であることに起因
すると推測される。水溶性微粉末は、その粒子形状や粒
子径、その物性、例えば熱安定性等や、素材の種類等を
種々変えたものとして用いることにより、高分子多孔質
管状膜の内部構造を変化させることができる。
【0012】本発明方法においては、先ず、これらポリ
オレフィン、水溶性高分子化合物、水溶性微粉末及び分
散剤を溶融混練する。この際、水溶性高分子化合物とし
て分子量100万〜500万、特に200万〜400万
のポリエチレンオキシドを、また水溶性微粉末としてペ
ンタエリスリトールを用いるのが好ましい。溶融混練処
理は、水溶性高分子化合物、水溶性微粉末及び分散剤を
水溶性高分子化合物の溶融点まで加熱混合し、これを十
分な溶融状熊のポリオレフィンに投入し混練することに
よって行うのが好ましい。水溶性高分子化合物を配合す
るのは、水溶性微粉末だけでは、管状膜中からこの水溶
性微粉末を溶出した後の粒子孔が十分には連続化せず、
分離膜としての機能が低下するのを防止するためであっ
て、水溶性高分子化合物によって粒子孔の十分な連続化
を起こすことができる。
【0013】この溶融混練処理においては、ポリオレフ
ィン中に水溶性高分子化合物及び水溶性微粉末を均一に
分散させることが肝要であり、このために分散剤が用い
られる。この分散剤としては、例えばステアリン酸など
の高級脂肪酸、ステアリルアルコールなどの高級脂肪族
アルコール、パラフィン、ステアロアミド、パルミチル
アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスス
テアロアミドなどの高級脂肪酸アミド等が挙げられ、好
ましくは高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、パラフィ
ン及び高級脂肪酸アミドの中から選ばれた少なくとも1
種が挙げられ、特に高級脂肪酸アミドが好適である。分
散剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。また、分散剤は、一般に粒子は粒径が微小
なほど凝集力が増す傾向にあるが、これを分散化して、
多孔質管状膜の連続気泡構造を縮小化し、孔径をより均
一化するのに有効である。
【0014】この溶融混練処理には、本発明の目的を損
なわない範囲で、必要に応じ、酸化防止剤、金属劣化防
止剤のような金属不活性剤等の樹脂に安定性を付与する
添加剤を添加することができる。
【0015】この溶融混練処理に用いられる各材料の配
合割合は重量基準で、ポリオレフィン100部に対し、
水溶性高分子化合物は10〜55部、好ましくは25〜
45部、水溶性微粉末は50〜210部、好ましくは1
10〜160部、分散剤は1〜15部、好ましくは6〜
9部の範囲で選ばれる。水溶性高分子化合物の割合がこ
の範囲より少なすぎると孔の連続化が困難になるし、ま
た多すぎてもコンパウンドの粘性が低下するため、管状
に成形しにくくなる。水溶性微粉末の割合がこの範囲よ
り少なすぎると気孔率が低下するため、膜性能が低下す
るし、また多すぎても管状膜の強度が低下する。分散剤
の割合がこの範囲より少なすぎるとその添加効果が不十
分となり、孔の均一性が低下するし、また多すぎてもそ
の量の割りには添加効果の向上が見られず、経済的でな
くなる。
【0016】本発明方法においては、次に、このように
溶融混練された成膜用材料すなわちコンパウンドを、管
状に成膜する。この成膜は押出成形によるのが好まし
い。このようにして得られる管状膜としては、例えばチ
ューブやパイプなどが挙げられる。管状膜のサイズは、
使用目的やろ過分離される懸濁物質の種類や粒径等によ
り適宜選ばれる。例えば、工場排水中の懸濁物質のろ過
分離に用いられる分離膜としては、内径2〜8mm好ま
しくは3〜6mm及び肉厚0.5〜3mm好ましくは1
〜2mm、中でも内径3〜6mm及び肉厚1〜2mmの
サイズを有するものが有利である。成膜、特に押出成形
による成膜においては、一般的に膜の形態が、平膜か、
あるいは管状膜かによって成形性に対しコンパウンドの
物性が関連してくる。平膜成形は所定のコンパウンドを
溶融混練し、これを型にいれて固化成形する方法も用い
うるのに対して、管状膜成形は、例えばチューブ成形の
ように押出成形機を使用して所定形状に溶融成形するた
め、コンパウンドの溶融特性の成形に与える影響が大き
くなる。このコンパウンド中の水溶性高分子化合物につ
いては、その種類により溶融時の粘度が異なり、その代
表例であるパオゲン、ポリエチレングリコール、ポリエ
チレンオキシドにおいては、この順に溶融時の粘度が高
くなり、このような水溶性高分子化合物の粘性の違いが
成形加工性に影響する。水溶性高分子化合物の中には基
材樹脂の成形加工条件下では柔らかくなりすぎて成形温
度によっては層分離を起こし水溶性高分子化合物が流出
しやすくなったり、コンパウンドの粘性を低下させすぎ
て管状膜の成形加工自体を困難とするものもあるが、上
記代表例のうちで最も高粘性のポリエチレンオキシドは
成形安定性に優れているので好ましい。押出成形におい
ては、押し出された高温軟質管状膜を短時間好ましくは
15秒以内に50℃以上降温させるように乾式冷却する
ことにより硬化させて管状膜を形成させるのが好まし
く、例えば、内径2〜8mm及び肉厚0.5〜3mmの
サイズの管状膜は、上記高温軟質管状膜を3〜7秒以内
に50〜100℃降温させるように乾式冷却し硬化させ
ることによって有利に得られる。このようにすることに
より、管状膜成形と、後述の所期の孔形成に有効な溶出
成分の均質な分布状態とを共に達成することができる。
乾式冷却には除湿した窒素ガスを使用するのが望ましい
が、除湿した大気を用いても差し支えない。
【0017】本発明方法においては、次いで、このよう
にして形成された管状膜を溶出液としての水性溶媒中に
入れて浸せきし、膜中の水溶性高分子化合物や水溶性微
粉末等の溶出性物質を水性溶媒で溶出して取り除き多孔
質管状膜を形成させる。この際用いられる水性溶媒とし
ては、水溶性高分子化合物や水溶性微粉末を溶解しうる
水性溶媒、好ましくは水が用いられる。
【0018】この水性溶媒としては、水の他に、水と水
溶性有機溶媒との混合溶媒が用いられる。この水溶性有
機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1‐
プロパノール、2‐プロパノール、1‐ブタノール、2
‐ブタノール、イソブチルアルコール、tert‐ブチ
ルアルコールなどのアルコール、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン
などのケトン、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
が挙げられる。この混合溶媒中の水溶性有機溶媒の含有
割合は30重量%を超えない範囲とするのがよい。
【0019】溶出処理は、有利には、成形された管状膜
を液温40〜60℃の流出水槽中に投入し、浸せきする
ことにより行われる。この溶出処理時間は通常12時間
以上であり、好ましくは18〜54時間の範囲で選ばれ
る。
【0020】本発明方法において、水溶性高分子化合物
及び水溶性徴粉末の種類及び物性や製造条件等を適当に
選ぶことにより、多孔質管状膜の孔径を任意に、例えば
5〜50μmの範囲で制御することができ、膜に連続気
泡構造をもたせることができる。本発明方法において、
内径2〜8mm及び肉厚0.5〜3mmの管状膜、特に
チューブを得るのに有利なのは、ポリオレフィン100
重量部に対し、水溶性高分子化合物10〜55重量部、
平均粒径3〜50μmの水溶性微粉末50〜210重量
部、及び分散剤1〜15重量部を配合してなる混合物を
溶融混練したのち、押出成形に付し、押し出された高温
軟質管状膜を3〜7秒以内に50〜100℃降温させる
ように乾式冷却し硬化させて管状膜を形成させ、次いで
得られた管状膜を水性溶媒に浸せきする方法であり、中
でも分散剤として高級脂肪酸、高級脂肪族アルコール、
パラフィン及び高級脂肪酸アミドの中から選ばれた少な
くとも1種を用いるのが好ましく、さらには水溶性高分
子化合物として分子量40万以上、好ましくは分子量1
00万〜500万、特に200万〜400万のポリエチ
レンオキシドを、かつ水溶性微粉末としてペンタエリス
リトールを用いるのが好ましい。
【0021】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。
【0022】実施例1 ポリプロピレン(トクヤマ社製、RV421)100重
量部、ポリエチレンオキシド(住友精化社製、PEO−
15)25重量部、平均粒径30μmのペンタエリスリ
トール125重量部及びステアリン酸7.5重量部を1
75〜200℃で溶融混練して得たコンパウンドを造粒
化したのち、得られたペレットを、チューブダイを取り
付けた押出機(ユニオンプラスチック社製、UEV型)
により、表1に示す成形条件下、外径8mm及び内径5
mmの管状に4m/分の押出速度で内径12mmの冷却
装置内へ押し出し、この冷却装置のリング内へ径方向に
7℃の除湿空気流を9L/秒の流速で噴出させて乾式冷
却し4秒で110℃に低下させて硬化させ、外径8mm
及び内径5mmの管状膜を成形した。次いで、この管状
膜を40℃の温水流出水槽中に十分に潜水した状態で4
8時間浸せきし、膜中の水溶性物質をほとんど溶出さ
せ、多孔質管状膜試料を製造した。このようにして得た
試料について、溶出率及び各種特性を表2に示す。な
お、溶出率とは、浸せき処理前の管状膜中の溶出性物質
の全量に対する、浸せき処理で溶出された溶出性物質の
量(該全量から試料中の溶出性物質の残存量を差し引い
た量)の重量百分率を意味する。
【0023】実施例2〜5 表1に示す配合組成のコンパウンドを用いた以外は実施
例1と同様にして多孔質管状膜試料を得た。この試料に
ついて、溶出率及び各種特性を表2に示す。また、実施
例2の試料の断面構造の電子顕微鏡写真を図1に示す。
図1より、この試料は孔径のよく揃った微細孔を有する
ことが分る。さらに、実施例1及び2の各試料につい
て、その孔径分布をそれぞれ図2及び図3にグラフで示
す。これより、実施例の試料は、その孔径分布が比較的
狭い範囲内にあることが分る。
【0024】実施例6 分散剤の配合量を表1のように変え、浸せき時間を24
時間とした以外は実施例2と同様にして多孔質管状膜試
料を得た。この試料について、溶出率及び各種特性を表
2に示す。
【0025】実施例7 水溶性高分子化合物及び成形条件を表1のように変えた
以外は実施例6と同様にして多孔質管状膜試料を得た。
この試料について、溶出率及び各種特性を表2に示す。
【0026】比較例1〜3 表1に示す配合組成の分散剤を有しないコンパウンドを
用い、造粒化を行わずにコンパウンドを直接押出成形に
付し、成形条件を表1のように変えた以外は実施例1と
同様にして多孔質管状膜試料を得た。この試料につい
て、溶出率及び各種特性を表2に示す。また、比較例1
の試料について、その孔径分布を図4にグラフで示す。
これより、比較例の試料は、その孔径分布が比較的広い
範囲にわたることが分る。
【0027】
【表1】
【0028】表1中の各種符号は以下のとおりの意味を
有する。 RV421 :トクヤマ社製、ポリプロピレン PN110K:トクヤマ社製、ポリプロピレン PN410G:トクヤマ社製、ポリプロピレン PEO−3 :住友精化社製、ポリエチレンオキシド
(平均分子量60万〜110万) PEO−15:住友精化社製、ポリエチレンオキシド
(平均分子量330万〜380万) PEO−18:住友精化社製、ポリエチレンオキシド
(平均分子量430万〜480万) PEO−1105:ユニオン・カーバイド社製、ポリエ
チレンオキシド(平均分子量90万) PET *5 :平均粒径5μのペンタエリスリトール PET *30:平均粒径30μのペンタエリスリトー
ル STM:ステアリン酸アミド MBSTM: メチレンビスステアリン酸アミド
【0029】
【表2】
【0030】なお、透過水量は、クロスフローろ過方式
で、ろ過圧力0.2MPaで試料に水を圧入することに
よって求めた。
【0031】これより、比較例の試料は平均孔径が大き
すぎ、引張強度が低い上に、その調製における浸せき処
理に長時間を要するのに対し、実施例の試料は、平均孔
径を微細化することができ、引張強度に優れ、比較例の
試料と同程度の実用的な溶出率の試料の調製における浸
せき処理を短時間としうるなどの利点を有することが分
る。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、ポリオレフィンに
よる多孔質管状膜を、容易に孔径制御しつつ、実用的な
溶出率のものとして短時間の浸せき処理で工業的に製造
することができるという顕著な効果を奏する。本発明方
法により得られた高分子多孔質管状膜は、平均孔径が微
細化され、分離効率に優れ、特に金属水酸化物等の工場
排水に含まれる懸濁物質の分離処理に有用である。ま
た、本発明は、この高分子多孔質管状膜として、強度的
に優れ、孔径分布が比較的狭いなどのさらに優れた特性
を示すものも随時提供しうるという点でも有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2における多孔質管状膜試料の断面構
造の電子顕微鏡写真。
【図2】 実施例1の試料の孔径分布を示すグラフ。
【図3】 実施例2の試料の孔径分布を示すグラフ。
【図4】 比較例1の試料の孔径分布を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大野 隆三郎 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2107番地3 日本フイルター株式会社内 (72)発明者 大場 直樹 神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2107番地3 日本フイルター株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン100重量部に対し、水
    溶性高分子化合物10〜55重量部、平均粒径3〜50
    μmの水溶性微粉末50〜210重量部、及び分散剤1
    〜15重量部を配合してなる混合物を溶融混練したの
    ち、管状に成膜し、次いで得られた管状膜を水性溶媒に
    浸せきすることを特徴とする高分子多孔質管状膜の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 分散剤が高級脂肪酸、高級脂肪族アルコ
    ール、パラフィン及び高級脂肪酸アミドの中から選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子化合物が分子量40万以上
    のポリエチレンオキシドである請求項1又は2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 水溶性高分子化合物が分子量100万〜
    500万のポリエチレンオキシドである請求項3記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 水溶性微粉末がペンタエリスリトールで
    ある請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 水性溶媒が水である請求項1ないし5の
    いずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 高分子多孔質管状膜が内径2〜8mm及
    び肉厚0.5〜3mmを有する請求項1ないし6のいず
    れかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 成膜が押出成形で行われる請求項1ない
    し7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン100重量部に対し、水
    溶性高分子化合物10〜55重量部、平均粒径3〜50
    μmの水溶性微粉末50〜210重量部、及び分散剤1
    〜15重量部を配合してなる混合物を溶融混練したの
    ち、押出成形に付し、押し出された高温軟質管状膜を3
    〜7秒以内に50〜100℃降温させるように乾式冷却
    し硬化させて管状膜を形成させ、次いで得られた管状膜
    を水性溶媒に浸せきすることを特徴とする内径2〜8m
    m及び肉厚0.5〜3mmの高分子多孔質管状膜の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 分散剤が高級脂肪酸、高級脂肪族アル
    コール、パラフィン及び高級脂肪酸アミドの中から選ば
    れた少なくとも1種である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 水溶性高分子化合物が分子量40万以
    上のポリエチレンオキシドであり、かつ水溶性微粉末が
    ペンタエリスリトールである請求項9又は10記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 水溶性高分子化合物が分子量100万
    〜500万のポリエチレンオキシドである請求項11記
    載の方法。
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