JPH10298077A - 心筋症の治療、予防剤 - Google Patents

心筋症の治療、予防剤

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JPH10298077A
JPH10298077A JP9107335A JP10733597A JPH10298077A JP H10298077 A JPH10298077 A JP H10298077A JP 9107335 A JP9107335 A JP 9107335A JP 10733597 A JP10733597 A JP 10733597A JP H10298077 A JPH10298077 A JP H10298077A
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cardiomyopathy
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Hisashi Kawasumi
恒 川住
Yoshi Kitada
好 喜多田
Naoya Sato
尚哉 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 心筋症患者において心機能の改善作用を有
し、かつ延命作用をも併せ持つことが期待される心筋症
の治療または予防を可能にする医薬が求められていた。 【解決手段】 2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼン
スルホン酸誘導体、その塩、それらの水和物又は溶媒和
物を有効成分とする心筋症の治療又は予防剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、心筋症の治療又は
予防剤に関し、より詳細には2-(1- ピペラジニル)-5-メ
チルベンゼンスルホン酸誘導体、その塩、それらの水和
物又は溶媒和物を有効成分とする心筋症の治療又は予防
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】突発性心筋症、特定心筋症等の心筋症
は、それぞれ原因不明、もしくはある特定の原因によっ
てその病態症状が出現し、いったん発症すると極めて致
死性の高い疾患群の総称として定義されており、この疾
患群に対する早急な治療法の確立が求められている(R
eport of the 1995 WHO/ISF
Ctask force on the defini
tion and classification o
f cardiomyopathy.Circulat
ion.93:841−842,1996; 厚生省特
定疾患突発性心筋症調査研究班(班長:戸嶋裕徳、第
I,II期班長:河合忠一):突発性心筋症(idio
pathic cardiomyopathy)診断の
手引き 1986)。この疾患群の代表例の一つとして
挙げられる突発性拡張型心筋症については、その治療法
として米国など海外では心移植による治療法が一般化し
ているが、現在、我が国では心移植による心筋症患者の
治療は事実上不可能に近く、毎年多くの国内患者が移植
手術を求めて海外に渡っている。また一方では、突発性
心筋症を含む全ての心筋症症候群に対して、薬剤治療に
よる有効な治療法の確立が強く求められている。現在臨
床的には、この疾患群の病態症状に対する対症療法とし
て、心臓の急性ポンプ不全にはβ受容体刺激剤や強心剤
などが、また心筋エネルギー代謝の改善作用を目的とし
てβ受容体遮断剤が、又は局所心筋血流量の改善を目的
としてCaチャネル拮抗剤などがそれぞれ心機能の改善
を目的として用いられている。
【0003】しかし、上記のような既存薬は一時的には
心臓の機能、エネルギー代謝、もしくは局所血流量を改
善する効果を有するものの、心機能の改善効果と相関し
て最終的に患者の生存率を明確に延長する様な効果は得
られていない。致死性の極めて高い心筋症患者の治療に
おいてはまず患者を延命させることが第一であり、直接
に心機能を改善し、かつ患者を延命させるような効果を
併せ持った薬剤は未だ存在しない。すなわち、現状にお
いて心筋症患者についての薬物学的な治療は依然として
不十分であるとされており、上記のような条件を満たし
た薬剤の開発は医療上の急務とされている。
【0004】ところで、心筋又は血管平滑筋の細胞内カ
ルシウムイオンの過蓄積を抑制する作用を有するアミノ
ベンゼンスルホン酸誘導体が知られている(特開平3-72
63号公報)。これらの化合物については、β受容体刺激
剤様の作用、β受容体遮断剤様の作用、またはCa2+チャ
ネル拮抗剤様の作用を有さずに心筋障害、心臓刺激伝導
障害等を抑制または軽減し、虚血性心疾患、心不全、高
血圧あるいは不整脈等に対して有用な予防又は治療剤と
なりうる事が開示されている(特開平3-7263号公報及び
特開平4-139127号公報)。しかしながら、これらの刊行
物には、2-(1-ピペラジニル)-5-メチルベンゼンスルホ
ン酸誘導体、その塩、それらの水和物又は溶媒和物が突
発性心筋症、特定心筋症等の心筋症の治療または予防に
有用であること、心筋症に対する延命効果を有すること
は、何ら示唆ないし教示されていない。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、突発性心
筋症、特定心筋症等の心筋症の治療または予防を可能に
する医薬を提供することを目的としている。より具体的
には、これらの心筋症患者において心機能の改善作用を
有し、かつ延命作用をも併せ持つ心筋症の治療または予
防を可能にする医薬を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意努力した結果、上記の2-(1- ピペラジ
ニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体、その塩、そ
れらの水和物又は溶媒和物が心筋症症状に対しても心機
能改善作用等の好ましい作用を有し、かつ心筋症患者に
対する延命効果をも併せ持つことを見い出し本発明を完
成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、2-(1- ピペラ
ジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体、その塩、
それらの水和物又は溶媒和物を有効成分とする心筋症の
治療又は予防剤に関する。
【0008】本発明の好ましい様態としては、2-(1- ピ
ペラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体一水和
物を有効成分とする心筋症の治療又は予防剤が挙げら
れ、さらには(1) 上記の有効成分を含む突発性心筋症の
治療又は予防剤、(2) 上記の有効成分を含む特定心筋症
の治療又は予防剤が挙げられる。
【0009】また、本発明の別の様態として、上記の医
薬を哺乳類動物に投与することにより心筋症を予防及び
治療する方法、上記の医薬を哺乳類動物に投与すること
により心筋症における低下した心機能を改善する方法、
上記の医薬を哺乳類動物に投与することにより心筋症に
おける生存率を改善する方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における心筋症とは、突発
性心筋症、特定心筋症を広く含む心筋症症候群をさす。
突発性心筋症の具体的な例としては、拡張型心筋症、閉
塞性肥大型心筋症、非閉塞性肥大型心筋症、拘束型心筋
症等が挙げられ、特定心筋症の具体的な例としては、産
褥心、アルコール性心筋疾患、原発性心内膜線維弾性
症、心筋炎、神経・筋疾患に伴う心筋疾患、結合織病に
伴う心筋疾患、栄養性心疾患、代謝性疾患に伴う心疾
患、アミロドーシス・サルコイドーシスに伴う心疾患等
が挙げられる。
【0011】本発明の医薬の有効成分である2-(1- ピペ
ラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体は、下記
式で表される。
【化1】
【0012】上記2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼ
ンスルホン酸誘導体の塩としては、塩酸塩、硫酸塩等の
鉱酸塩や、酢酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン
酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、メタスルホン酸塩等の有機
酸塩が挙げられる。塩や遊離形態の化合物の他、これら
の任意の水和物あるいは溶媒和物を本発明の有効成分と
して用いてもよい。上記の溶媒和物を形成し得る溶媒と
しては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、アセトン、酢酸エチル、塩化メチレン等が挙げ
られる。本発明の医薬の有効成分としては、2-(1- ピペ
ラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体一水和物
が最も好ましい。
【0013】本発明の医薬の有効成分である2-(1- ピペ
ラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体は、それ
自身が特開平3-7263号公報及び特開平4-139127号公報に
開示された公知の化合物であり、例えば特開平3-7263号
公報の実施例1に記載の方法により容易に合成すること
ができ、当業者が容易に入手することができる化合物で
ある。なお、その塩、それらの水和物又は溶媒和物は、
公知の方法に従って合成することができる。
【0014】いかなる特定の理論に拘泥するわけではな
いが、上記の2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼンス
ルホン酸誘導体は、遺伝的に突発性心筋症を発症する動
物モデルにおいて、その病態症状の悪化と共に進行する
心機能の低下を改善する作用を有しているので、本発明
の医薬は突発性の心筋症症候群の予防や治療に有効であ
る。
【0015】特に、本発明の医薬は遺伝的に突発性心筋
症を発症する動物モデルにおいて、上記の様な好ましい
薬理作用を有する上に、この病態動物の死亡率を減少さ
せる作用を有している。従って、本発明の医薬は、突発
性心筋症において心機能の低下を改善するだけでなく、
この致死性の高い疾患群の治療上もっとも重要かつ最終
的な目標である生存率の改善効果をも併せ持っていると
いえる。
【0016】また、本発明の医薬は、低下した心機能の
改善効果と心筋症における延命効果を有することから、
上記の様な遺伝的に発症する突発性の心筋症に限定され
ることなく、他の突発性心筋症、特定心筋症、および同
様の病態生理を示す心筋炎等の心疾患の予防や治療に用
いることが可能である。
【0017】本発明の医薬の有効成分である2-(1- ピペ
ラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体、その
塩、それらの水和物又は溶媒和物は、それ自身を医薬と
して患者に投与してもよいが、一般には、これらの有効
成分の一種または2種以上を含む医薬組成物を製造して
患者に投与することが好適である。このような医薬組成
物として、錠剤、カプセル剤、細粒剤、散剤、丸剤、ト
ローチ、舌下剤、又は液剤などの経口投与の製剤、ある
いは注射剤、座剤、軟膏、貼付剤などの非経口投与用の
製剤を例示することができる。
【0018】経口投与用の錠剤又はカプセル剤は、通常
は単位投与物として提供され、結合剤、充填剤、希釈
剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤及び湿潤
剤のような通常の製剤用担体を添加して製造することが
できる。錠剤は、この当業界で周知の方法に従って、例
えば、腸溶性コーティング剤を用いてコーティングする
ことができ、例えばセルロース、マンニトール、又はラ
クトース等の充填剤;澱粉、ポリビニルポリピロリド
ン、澱粉誘導体、又はナトリウム澱粉グリコラート等の
崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;ラウリ
ル硫酸ナトリウム等の湿潤剤を用いて製造してもよい。
【0019】経口投与用の液剤は、例えば水性又は油性
懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシ
ル剤等の他、使用前に水又は適当な媒体により再溶解さ
れうる乾燥製剤として提供される。このような液剤に
は、通常の添加剤、例えばソルビール、シロップ、メチ
ルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミ
ニウムゲル又は水素化食用脂肪のような沈殿防止剤、レ
シチン、ソルビタンモノオレート、アラビアゴムのよう
な乳化剤、アーモンド油、精製ココナッツ油、油状エス
テル(例えばグリセリンのエステル)、プロピレングリ
コール、エチルアルコールのような(食用油も包含しう
る)非水性媒体、p-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステ
ル、エチルエステル、もしくはプロピルエステル、又は
ソルビン酸のような保存剤及び必要に応じて通常の香味
剤又は着色剤を配合することができる。
【0020】経口投与剤の製剤は、混合、充填、又は打
錠などの当業界で周知の方法により製造することができ
る。また、反復配合操作を用いて多量の充填剤等を使用
した製剤中に有効成分を分布させてもよい。非経口投与
用の製剤は、一般には有効成分である化合物と滅菌媒体
とを含有する液体担体投与量製剤として提供される。非
経口投与用の溶剤は、通常、化合物を媒体に溶解させて
滅菌濾過し、次に適当なバイアル又はアンプルに充填し
て密封することにより製造される。安定性を高めるため
に組成物を凍結させた後にバイアル中に充填し、水を真
空下で除去してもよい。非経口懸濁液は実質的に非経口
溶液の場合と同じ方法で製造されるが、有効成分を媒体
に懸濁させてエチレノキシド等により滅菌することによ
り好適に製造できる。また、有効成分が均一分布となる
ように必要に応じて界面活性剤、湿潤剤等を添加しても
よい。
【0021】有効成分である上記化合物の投与量は、治
療や予防の目的、治療または予防すべき疾患の種類、患
者の症状、体重、年齢や性別等を考慮して適宜決定すれ
ばよいが、通常の場合、成人一日あたり経口投与により
0.01mg〜1000mg程度を投与することができる。このよう
な投与量を1日あたり1〜数回に分けて投与するのが望
ましい。
【0022】
【実施例】
合成例1:2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼンスル
ホン酸誘導体一水和物の製造 特開平3-7263号公報の実施例1に記載された方法に従っ
て、2-フルオロ-5- メチルベンゼンスルホン酸 0.76gと
ピペラジン 3.44gとをヨウ化銅 0.76gおよび銅粉 0.26g
の共存下で封管中 160℃で8時間反応させた後、反応生
成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒;クロロホルム:メタノール:酢酸=100 :100 :3
)で精製して、2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼ
ンスルホン酸誘導体の無水晶を得た(0.67g 、収率 65.
0 %)。
【0023】5ml のナスフラスコに、上記の2-(1- ピペ
ラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体の無水晶
0.4506g及び蒸留水 1.35ml を加え、5℃で2時間攪拌
した。吸引濾過により懸濁液から結晶を回収し、次い
で、ナスフラスコに残った結晶を濾液で洗い込み回収し
た。あわせた結晶を 50 ℃、90mmHgで3時間乾燥し、白
色の2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸
誘導体一水和物 0.4485g(収率 93.0 %)を得た。下記
に示す元素分析の結果から、本化合物が一水和物である
ことが確認された。 元素分析:一水和物結晶理論値: C: 48.16 、H: 6.62 、N: 10.21、S: 11.69 実測値 : C: 48.16 、H: 6.55 、N: 10.09、S: 11.87 (参考)無水物結晶理論値 : C: 51.54 、H: 6.29 、N: 10.93、S: 12.51
【0024】以下、実施例においては薬物として2-(1-
ピペラジニル)-5-メチルベンゼンスルホン酸誘導体一水
和物を用いた。 実施例1:心筋症における心機能低下に対する改善効果 日本チャールズリバー株式会社より購入した自然発症心
筋症ハムスター(Bio.14.6)30匹を無作為に3群に分
け、その内2群については、本発明の医薬3mg/kg/day
(薬物低用量群)、及び本発明医薬10mg/kg/day (薬物
高用量群)を飲水投与し、また残り1群については水道
水を与えた(障害対照群)。また、正常対照群として、
同様に日本チャールズリバー株式会社より購入した正常
対照ハムスター(F1B )10匹を用い、計4群の実験と
した。
【0025】この自然発症の心筋症ハムスターのモデル
においては生後日数30日前後から150日前後にかけ
て心筋症症状が遺伝的に発現することが知られている
(Canadian Journal of Phys
iology and Pharmacology.6
2(7):891―898、1983)。薬物はこの心
筋症が発症する期間である生後日数30日から150日
まで連続投与し、投与終了日に心臓を摘出した。摘出し
た心臓をランゲンドルフ法に従いクレブスーヘンゼライ
ト液(37℃、95%O2―5%C O2を通気)で灌流し
た。灌流圧は100mmHgとした。心基部に2本の白金電
極をつけ電気刺激装置で刺激し(毎分280拍、刺激時
間3ミリ秒)、その時の左心室の内圧変化をクレブスー
ヘンゼライト液を充填したポリエチレンチューブを介し
て血圧測定用トランスデューサーに導き左心室内圧変化
を測定した。また、同左心室内圧信号を微分アンプに入
力して、左心室内圧上行脚、並びに下行脚の最大変化率
(LV(+)dP/dtmax 、 LV(-)dP/dtmax)を測定した。さら
に左心室内圧、及びその変化率の波形の対応から拡張終
期を定め、左心室拡張終期圧(LVEDP) を測定した。心機
能の指標としては、上記の3つ( LV(+)dP/dtmax、 LV
(-)dP/dtmax、及びLVEDP )の値を用いた。一方、同様
に購入したF1B ハムスター、及びBio14.6 ハムスター
(各10匹)について、それぞれ生後日数30日の段階
で、上記の方法と同様に3つの指標について測定した。
【0026】この結果、正常対照群(F1B )において
は、生後日数150日における心機能の値は、30日齢
における前値と同様に生理学的に正常な範囲内( LV(+)
dP/dtmaxの変化:110.62% 、 LV(-)dP/dtmaxの変化:8
6.52%)にあるのに対して、障害対照群における150
日齢での値は LV(+)dP/dtmaxに関しては心筋症発症前値
の43.89%、 LV(-)dP/dtmaxに関しては前値の34.71%、と
大幅かつ有意な減少が認められた。この大幅な心機能の
低下に対して本発明の医薬は用量依存的に有意な改善作
用を示した。この改善度を150日齢における障害対照
群から正常対照群までの回復率として表すと、LV(+)dP/
dtmax に関してはそれぞれ低用量群で78.33%、高用量群
で102.32% 、またLV(-)dP/dtmax に関してはそれぞれ低
用量群で92.37%、高用量群で113.99% であった。結果を
下記表1及び表2に示す。一方、左心室拡張終期圧(LVE
DP) は正常対照群においては生後日数30日、並びに1
50日においても生理的な範囲である5mmHg 以下の値を
示したのに対し、障害対照群においては生後30日(6.
3mmHg )に比べ150日齢では約2.73倍(17.2mmHg)ま
で上昇した。対照的に、薬物投与群におけるLVEDP 値は
それぞれ、低用量においては2.6mmHg 、高用量では2.0m
mHg の低値にとどまった。結果を下記表3に示す。以上
より、本発明の医薬は心筋症における心機能の低下に対
して、強力な改善作用を有することが示唆された。
【0027】
【表1】 *値は平均値±標準誤差で表した。(以下の結果についても同様)
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】実施例2:心筋症における長期延命効果 実施例1と同様に購入した心筋症ハムスター(Bio.14.
6)285 匹を無作為に3群に分け、その内2群について
は、本発明の医薬3mg/kg/day(薬物低用量群)、及び本
発明医薬10mg/kg/day (薬物高用量群)を飲水投与し、
また残り1群については水道水を与え(障害対照群)、
計3群の実験とした。薬物は心筋症がほぼ完全に発症し
た時期(生後日数150日)から投与を始め、投与の終
了を障害対照群の動物が100%死亡する時点までとし
た。期間中の群ごとの死亡例を時間に対してプロットし
て生存曲線を描き、生存率を算出した。
【0031】この結果、障害対照群の中で初めて死亡例
が観察された日(初死亡日)は生後193日であったの
に対し、薬物投与した群では低用量群において生後21
3日(障害対照群に対して20日延長)、高用量群では
243日(同様に50日延長)になった。また、各群の
死亡率が75%に達した時、すなわち生存率が25%に
まで低下した日(25%生存時間)は障害対照群におい
ては生後411日であったのに対して、低用量の本発明
の医薬を投与した群では439日(障害対照群に対して
28日延長)であった。高用量群では試験期間の終了時
(生後日数467日)までに生存率が25%まで低下し
なかった(最終生存率=25.3%)ため、薬物高用量
群における25%生存時間は467日以上(障害対照群
に対して56日以上延長)となった。また、この時点で
最終的に生き残った動物数(生存匹数)は、それぞれ低
用量群においては14匹、高用量群においては24匹と
なった。試験期間中の生存曲線を各群間で統計学的に比
較検討した結果、本発明の医薬を投与した群の生存率は
障害対照群の生存率に対して有意に改善されていた(P
<0.0001、検定:Log−rank Testの後に多
重比較により有意水準の調整(Bonferoni型の
調整)を行った。)。結果を図1に示す。
【0032】
【発明の効果】本発明の医薬は、心筋症病態下における
心機能の低下を顕著に改善する作用を有するとともに、
突発性の心筋症において長期的に生存率を改善し、延命
させる効果を有している。従って、本発明の医薬は突発
性の心筋症に限らず同様な心機能の低下が起こる他の心
筋症疾患、例えば種々の特定心筋症及び心筋炎などに対
しても広く有効であり、予防的にも治療的にも極めて優
れた有効性を持つものである。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医薬が、心筋症における長期延命試験
において延命作用を有することを示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼン
    スルホン酸誘導体、その塩、それらの水和物又は溶媒和
    物を有効成分とする心筋症の治療又は予防剤。
  2. 【請求項2】 2-(1- ピペラジニル)-5-メチルベンゼン
    スルホン酸誘導体一水和物を有効成分とする心筋症の治
    療又は予防剤。
  3. 【請求項3】心筋症が突発性心筋症である請求項1又は
    2記載の心筋症の治療又は予防剤。
  4. 【請求項4】心筋症が特定心筋症である請求項1又は2
    記載の心筋症の治療又は予防剤。
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