JPH10298202A - セルロース系粒子体及びその製造方法 - Google Patents

セルロース系粒子体及びその製造方法

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JPH10298202A
JPH10298202A JP12297097A JP12297097A JPH10298202A JP H10298202 A JPH10298202 A JP H10298202A JP 12297097 A JP12297097 A JP 12297097A JP 12297097 A JP12297097 A JP 12297097A JP H10298202 A JPH10298202 A JP H10298202A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高流速処理が可能であり、機械的強度に優
れ、より表面積が大きいセルロース系粒子体、及び、用
途に応じて粒子の大きさを比較的自由に設計することが
できる該セルロース系粒子体の新規な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アルカリ性溶液中にセルロース系小粒子
を懸濁させて懸濁液とし、上記懸濁液を、pHが8以下
であり、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を
示す溶液に接触させて、上記セルロース系小粒子の粒子
間に空隙を設けるように、上記セルロース系小粒子を相
互に連結させてなるセルロース系粒子体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系粒子
体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロース系粒子体は、菌体・酵素の固
定化担体、香料・薬品等の吸着用担体、体液浄化用担
体、化粧品添加剤等として、また、各種官能基を導入し
て種々のイオン交換体として多くの分野で広く使用され
ている。
【0003】このためセルロース系粒子体については、
現在までに多くの研究がなされている。特開昭63−9
0501号公報には、ビスコース及び水溶性高分子化合
物の混合物にアニオン性水溶性高分子化合物を混合して
微粒子分散液を作製し、加熱することにより又は凝固剤
を使用することにより凝固させ、酸で再生させた後、つ
いで凝固、再生、水洗の工程を経ることにより水溶性高
分子を除去し、平均粒径が300×10-6m以下で、孔
径0.02×10-6〜0.8×10-6mの区間に孔容積
の極大値を有し、上記区間にある孔の全孔容積が25×
10-63 /kg以上である多孔性微小セルロース粒子
を得る方法が開示されている。この方法により得られる
粒子は、微小セルロース粒子そのものに微小な孔が存在
しているものである。
【0004】特開昭63−92602号公報には、ビス
コースと炭酸カルシウムと水溶性のアニオン性高分子化
合物とを混合して炭酸カルシウムを含有するビスコース
微粒子分散液を作製し、これを凝固・中和した後、炭酸
カルシウムを酸分解して多孔性球状セルロース系粒子を
得る方法が開示されている。
【0005】しかしながら、これらの技術では、得られ
るセルロース系粒子は、比較的粒子径が小さいため、こ
のようなセルロース系粒子を、例えば、充填剤等の用途
に使用した場合、高流速で大量処理することは困難であ
り、強制的に高流速で処理しようとすると、セルロース
系粒子が壊れるおそれがある。また、このようなセルロ
ース系粒子を体液処理に使用すると、血球が目詰まりす
るおそれがある。従って、機械的強度が充分であり、高
流速処理が可能であって、より表面積が大きく、体液処
理等に使用しても目詰まりを起こさないセルロース系粒
子の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、高流速処理が可能であり、機械的強度に優れ、より
表面積が大きいセルロース系粒子体、及び、用途に応じ
て粒子の大きさを比較的自由に設計することができる該
セルロース系粒子体の新規な製造方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ性溶
液中にセルロース系小粒子を懸濁させて懸濁液とし、上
記懸濁液を、pHが8以下であり、かつ、上記懸濁液の
pH値より小さいpH値を示す溶液に接触させて、上記
セルロース系小粒子の粒子間に空隙を設けるように、上
記セルロース系小粒子を相互に連結させてなるセルロー
ス系粒子体である。
【0008】また、本発明は、アルカリ性溶液中にセル
ロース系小粒子を懸濁させて懸濁液とし、上記懸濁液
を、pHが8以下であり、かつ、上記懸濁液のpH値よ
り小さいpH値を示す溶液に接触させて、上記セルロー
ス系小粒子の粒子間に空隙を設けるように、上記セルロ
ース系小粒子を相互に連結させるセルロース系粒子体の
製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0009】本発明で使用されるアルカリ性溶液として
は特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、
水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化
セシウム水溶液、水酸化ルビジウム水溶液等を挙げるこ
とができる。上記アルカリ性溶液には、粘度調整のた
め、グリセリン、水溶性高分子等を添加してもよい。
【0010】本発明で使用されるアルカリ性溶液は、p
Hが12以上であることが好ましい。ここで、pHと
は、水素イオンのモル濃度を[H+ ]とするとき、pH
=−log10[H+ ]で定義される値である。
【0011】本発明で使用されるセルロース系小粒子と
しては、ゲル濾過剤、セルロース性イオン交換体の原
料、アフィニティークロマトグラフィー用担体、高分子
担体、体液浄化用担体、化粧品添加剤等の用途に従来よ
り使用されているものを使用することができる。
【0012】上記セルロース系小粒子は、例えば、セル
ロース、セルロース誘導体、再生セルロース等のセルロ
ース系材料から構成される。上記セルロースとしては特
に限定されず、例えば、木綿繊維を脱脂したもの、麻
類、木材から得られるパルプ、パルプを精製して得られ
る精製セルロース等の天然型セルロース等を挙げること
ができる。
【0013】上記セルロース誘導体としては特に限定さ
れず、例えば、セルロースの水酸基の一部がエステル化
されたもの(エステル誘導体)、セルロースの水酸基が
エーテル化されたもの(エーテル誘導体)等を挙げるこ
とができる。上記セルロースのエステル誘導体としては
特に限定されず、例えば、酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、ニトロセルロース、りん酸セルロース、
酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、セルロースのジ
チオカルボン酸エステル(ビスコースレーヨン)等を挙
げることができる。上記セルロースのエーテル誘導体と
しては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ベンジルセルロース、トリチルセルロ
ース、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース、カルボキシエチルセルロース、アミノエチルセ
ルロース、オキシエチルセルロース等を挙げることがで
きる。
【0014】上記再生セルロースは、上記セルロース
を、一度、成形しやすいセルロース誘導体とし、成形し
た後に再びセルロースに変換したものであり、具体的に
は、例えば、酢酸セルロースやプロピオン酸セルロース
等のセルロースのエステル誘導体等を加水分解すること
により調製したもの等である。
【0015】上記セルロース系小粒子は、多孔質である
ものが好ましい。上記多孔質のセルロース系小粒子は、
例えば、特開昭63−90501号公報、特開昭63−
92602号公報等に開示されている方法により製造す
ることができる。具体的には、例えば、以下の方法等に
より上記セルロース系小粒子を製造することができる。
【0016】(1)セルロースザンテートと水溶性高分
子化合物とを含むアルカリ性高分子水溶液及び水溶性の
アニオン性高分子化合物を混合して、該アルカリ性高分
子水溶液の微粒子分散液を調製し、上記分散液を加熱
し、又は、セルロースザンテートの凝固剤と混合して、
分散液中のセルロースザンテートを微粒子として凝固さ
せる。このとき、上記セルロースザンテートの微粒子
は、水溶性高分子化合物を含有しているので、これを除
去する。ついで、上記セルロースザンテートの微粒子を
酸で中和してセルロースを再生させ、上記セルロース系
小粒子を得る。
【0017】上記セルロースザンテートの微粒子を凝固
させる場合、上記のほか、上記分散液に酸を添加するこ
とによって行うことができる。この場合には、上記水溶
性高分子化合物を除去した後、添加した酸を中和させる
ことにより、セルロースを再生させ、上記セルロース系
小粒子を得る。
【0018】(2)ビスコース、炭酸カルシウム及び水
溶性のアニオン性高分子化合物を混合して、炭酸カルシ
ウムを含有するビスコースの微粒子分散液を生成させ、
上記分散液を加熱又は凝固剤を混合することにより上記
分散液中のビスコースを凝固させ、ついで、酸で中和し
てセルロースの微粒子を生成させる。その後、上記セル
ロースの微粒子を分散液から分離し、酸分解によって炭
酸カルシウムを除去した後乾燥させることにより、上記
セルロース系小粒子を得る。
【0019】本発明のセルロース系粒子体は、上記アル
カリ性溶液中に上記セルロース系小粒子を懸濁させて懸
濁液とし、上記懸濁液を、pHが8以下であり、かつ、
上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す溶液に接触
させることにより形成される。
【0020】本発明において、上記アルカリ性溶液のp
Hが12以上である場合、上記セルロース系小粒子の懸
濁濃度は、40体積%以上であることが好ましい。
【0021】上記懸濁濃度とは、懸濁液の体積に対する
懸濁液中におけるセルロース系小粒子の全体積の割合で
ある。懸濁液を濾過してなる堆積物は、懸濁濃度100
体積%である。上記アルカリ性溶液のpHが12以上で
ある場合、上記セルロース系小粒子の懸濁濃度が40体
積%未満であると、上記セルロース系小粒子を相互に充
分に連結させるのが困難となる。より好ましくは、60
体積%以上である。
【0022】上記アルカリ性溶液にセルロース系小粒子
を懸濁させる時間は、1分以上が好ましい。1分未満で
あると、上記セルロース系小粒子を充分に連結させるこ
とが困難である。より好ましくは、1時間以上である。
【0023】本発明において、pH8以下であり、か
つ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す溶液と
しては特に限定されず、例えば、低濃度のアルカリ性溶
液、純水、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、りん
酸水溶液等を挙げることができる。上記したpH8以下
であり、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を
示す溶液には、粘度調整のため、グリセリン、水溶性高
分子等を添加してもよい。
【0024】上記懸濁液を、上記したpH8以下であ
り、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す
溶液と接触させる方法としては特に限定されず、例え
ば、上記したpH8以下であり、かつ、上記懸濁液のp
H値より小さいpH値を示す溶液中に上記懸濁液を浸す
方法;上記したpH8以下であり、かつ、上記懸濁液の
pH値より小さいpH値を示す溶液を微細化、例えば、
霧状にして、上記懸濁液と接触させる方法等を挙げるこ
とができる。
【0025】上記懸濁液を、上記したpH8以下であ
り、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す
溶液と接触させる時間は、1分以上が好ましい。1分未
満であると、上記セルロース系小粒子を充分に連結させ
ることが困難である。より好ましくは、1時間以上であ
る。
【0026】本発明において、上記したpH8以下であ
り、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す
溶液として酸性溶液を用い、上記懸濁液を液滴として上
記酸性溶液に接触させる場合、上記セルロース系小粒子
の懸濁濃度は、50〜75体積%であることが好まし
い。上記セルロース系小粒子の懸濁濃度が50体積%未
満であると、懸濁液の液滴を酸性溶液に接触させた場
合、断片状のセルロース系粒子体を得ることとなり、そ
の機械的強度も弱く、75体積%を超えると、滑らかな
面を有する液滴が得られず、セルロース系粒子体の形状
が塊状となってしまうおそれがある。より好ましくは、
60〜70体積%である。
【0027】上記液滴の大きさは、直径が3×10-3
以下であることが好ましい。直径が3×10-3mを超え
ると、表面張力の及ぼす作用が小さくなり、液滴が形成
されにくくなる。
【0028】上記懸濁液を液滴とする方法としては特に
限定されず、例えば、キャピラリーから上記懸濁液を気
相中に吐出する方法、噴霧器を利用する方法等を挙げる
ことができる。なかでも、微小化した液滴を得ることが
できるので、噴霧器等を利用することが好ましい。
【0029】上記噴霧器の種類としては、液滴の直径を
3×10-3m以下に細分化させることができる装置であ
れば特に限定されず、例えば、回転円盤型、圧力ノズル
型、2流体ノズル型等のものを挙げることができる。
【0030】上記回転円盤型噴霧器は、高速円盤上に溶
液を流して、遠心力により溶液を振り飛ばし、空気等の
気体と衝突させて噴霧化させるものである。上記圧力ノ
ズル型噴霧器は、高圧の溶液を小孔から吐出させて、溶
液を周囲の空気等の気体と衝突させて噴霧化させるもの
である。上記2流体ノズル型噴霧器は、溶液自体は低圧
でも、圧縮ガスにより高速のガスで吹き飛ばして噴霧化
させるものである。
【0031】上記懸濁液のpHの値より小さいpHの値
を示す溶液が酸性溶液であり、上記懸濁液を液滴として
上記酸性溶液に接触させる場合において、上記アルカリ
性溶液としては、溶液濃度が0.1規定より大きいもの
が好ましい。より好ましくは、溶液濃度が1規定以上で
ある溶液である。溶液濃度が0.1規定以下であると、
セルロース系小粒子を含む懸濁液として酸性溶液に接触
させる場合、上記セルロース系小粒子が相互に分散した
状態となり、連結させることが困難となる。
【0032】上記酸性溶液としては、溶液濃度が1×1
-6規定より大きいものが好ましい。より好ましくは、
溶液濃度が1規定以上の溶液である。溶液濃度が1×1
-6規定以下であると、上記セルロース系小粒子が相互
に分散した状態となり、連結させることが困難である。
【0033】上記酸性溶液としては特に限定されず、例
えば、塩酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、りん酸水
溶液等を挙げることができる。上記酸性溶液には、粘度
調整のため、グリセリン、水溶性高分子等を添加しても
よい。
【0034】上記懸濁液の液滴を上記酸性溶液に接触さ
せる方法としては特に限定されず、例えば、上記酸性溶
液中に上記液滴を浸す方法;上記酸性溶液を微細化、例
えば、霧状にして、上記液滴に接触させる方法等を挙げ
ることができる。上記液滴を上記酸性溶液に接触させる
時間は、1分以上が好ましい。1分未満であると、上記
セルロース系小粒子を充分に連結させることができな
い。より好ましくは、1時間以上である。
【0035】本発明のセルロース系粒子体は、粒子間に
空隙を設けるように相互に連結された複数のセルロース
系小粒子からなり、その形状としては特に限定されるも
のではないが、例えば、上記懸濁液の液滴を上記酸性溶
液に接触させる場合においては、通常、回転楕円体状又
は球状である。本発明のセルロース系粒子体は、上記セ
ルロース系小粒子を相互に連結させてなるものである。
上記セルロース系小粒子を相互に連結させることによ
り、各々のセルロース系小粒子の粒子間に空隙が形成さ
れる。上記空隙は、本発明のセルロース系粒子体の内部
に形成された孔であり、微細孔を多数有する粒子体とす
ることができる。
【0036】なお、本発明のセルロース系粒子体におい
て、上記セルロース系小粒子が相互に連結されている態
様は、必ずしも共有結合によるものである必要はなく、
実質的に、粒子間の結合状態を安定して維持することが
できる状態であればよい。例えば、セルロース系小粒子
の連結という場合、粒子間のセルロース分子の絡み合い
による連結、水素結合等の化学結合による連結等も含ま
れる。
【0037】本発明のセルロース系粒子体の粒子径は、
用途に応じて適宜設定される。通常、20×10-6〜3
×10-3mであることが好ましい。
【0038】本発明のセルロース系粒子体は、乾燥時の
比表面積が2×104 2 /kg以上であることが好ま
しい。2×104 2 /kg未満であると、用途に応じ
る作用面積が小さくなる。より好ましくは、5×104
2 /kg以上である。
【0039】本発明の製造方法は、上記セルロース系粒
子体を、アルカリ性溶液中にセルロース系小粒子を懸濁
させて懸濁液とし、上記懸濁液を、pH8以下であり、
かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す溶液
に接触させて、上記セルロース系小粒子の粒子間に空隙
を設けるように、上記セルロース系小粒子を相互に連結
させて製造するものである。
【0040】本発明のセルロース系粒子体の製造方法に
おいて、上記アルカリ性溶液のpHが12以上である場
合には、上記懸濁液を、単に、上記したpH8以下であ
り、かつ、上記懸濁液のpH値より小さいpH値を示す
溶液と接触させるだけで、上記セルロース系小粒子を容
易に連結させることができ、また、上記セルロース系小
粒子の粒子間に空隙を形成することができる。従って、
表面積が大きく、高流速処理が可能であるセルロース系
粒子体を得ることができる。
【0041】本発明のセルロース系粒子体の製造方法に
おいて、セルロース系小粒子の懸濁濃度が、50〜75
体積%であり、上記したpH8以下であり、かつ、上記
懸濁液のpH値より小さいpH値を示す溶液として、酸
性溶液を用いる場合には、上記懸濁液は、液滴として上
記酸性溶液に接触させるので、上記液滴の製法を変える
ことによって、得られるセルロース系粒子体の粒子径を
比較的自由に設計することができる。
【0042】本発明のセルロース系粒子体は、セルロー
ス系小粒子を相互に連結させることにより、連結後のセ
ルロース系小粒子の粒子間の空隙が孔となるので、セル
ロース系粒子体の体積に対する表面積が大きく、高流速
処理が可能であり、菌体・酵素の固定化担体、香料・薬
品等の吸着用担体、化粧品添加剤等として好適に使用す
ることができる。これらの用途は、本発明のセルロース
系粒子体の大きさや内部構造によって、適宜選択するこ
とが可能である。
【0043】また、本発明のセルロース系粒子体は、上
記セルロース系小粒子を相互に連結させるため、上記セ
ルロース系小粒子が多孔質である場合には、本発明のセ
ルロース系粒子体に、上記空隙に加えてこれらの孔が存
在するので、セルロース系粒子体の体積に対する表面積
をより大きくすることができる。
【0044】本発明のセルロース系粒子体の製造方法
は、セルロース系小粒子を容易に連結させることがで
き、かつ、上記セルロース系小粒子の粒子間に空隙を形
成させることができるので、本発明のセルロース系粒子
体を製造するのに好適である。また、本発明のセルロー
ス系粒子体の製造方法は、製造工程において有機溶剤を
使用しておらず、洗浄も容易であり、環境汚染を防止す
るうえで非常に好ましい。
【0045】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0046】実施例1 平均直径40×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が7.5体積%となるよう
に6規定のNaOH水溶液(pH=14.8)2.5×
10-63 中に混入し攪拌しながら1時間接触させた。
その後、ガラスフィルターに上記の懸濁液を通し、懸濁
濃度を100体積%にした。セルロース小粒子の塊をス
パチュラで掻き取り、0.2規定のHCl水溶液(pH
=0.7)に接触させて、セルロース系粒子体を得た。
なお、pHの値は、NaOH水溶液及びHCl水溶液の
解離度=1、[H+ ]×[OH- ]=10-14 としてp
H=−log10[H+ ]の式より求めた。以下、同様に
してpHの値を求めた。
【0047】得られたセルロース系粒子体内の液体をエ
タノールで置換してから、2−メチル−2−プロパノー
ルで置換し、凍結乾燥機(Eiko Eng.CO L
td.社製)を用いて凍結乾燥させ、金を蒸着させた
後、走査型電子顕微鏡(トプコン社製)で観察したとこ
ろ、図1及び図2に示すように、連結させたセルロース
小粒子間の空隙があった。また、図3に示すように、連
結後において、多孔質セルロース系小粒子に存在する孔
も観察できた。
【0048】実施例2 平均直径40×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が7.5体積%となるよう
に6規定のNaOH水溶液(pH=14.8)2.5×
10-63 中に混入し攪拌しながら1時間接触させた。
その後、ガラスフィルターに上記の懸濁液を通し、懸濁
濃度を100体積%にした。セルロース小粒子の塊をス
パチュラで掻き取り、純水(pH=7)に接触させて、
セルロース系粒子体を得た。
【0049】比較例1 平均直径40×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が7.5体積%となるよう
に純水(pH=7)2.5×10-63 中に混入し、攪
拌しながら1時間接触させた。その後、ガラスフィルタ
ーに上記の懸濁液を通し、懸濁濃度を100体積%にし
た。セルロース小粒子の塊をスパチュラで掻き取り、
0.2規定のHCl水溶液(pH=0.7)に接触させ
たところ、セルロース小粒子はそれぞれ分散した状態に
なった。
【0050】比較例2 平均直径40×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が7.5体積%となるよう
に6規定のNaOH水溶液(pH=14.8)2.5×
10-63 中に混入し、攪拌しながら1時間接触させ
た。上記懸濁液を1×10-4規定のNaOH水溶液(p
H=10)に接触させたところ、セルロース小粒子はそ
れぞれ分散した状態になった。
【0051】実施例3 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液(pH=14.8)に
混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径0.7×
10-3mのキャピラリーで本懸濁液を5規定の塩酸水溶
液(pH=−0.7)に滴下したところ、球形のセルロ
ース系粒子体を得た。粒子径は約2×10-3mであっ
た。得られたセルロース系粒子体を純水で洗浄した後
に、純水中の本セルロース系粒子体を振盪しても、形状
は崩れなかった。
【0052】得られたセルロース系粒子体内の液体をエ
タノールで置換してから、2−メチル−2−プロパノー
ルで置換し、凍結乾燥機(Eiko Eng.CO L
td.社製)を用いて凍結乾燥させ、金を蒸着させた
後、走査型電子顕微鏡(トプコン社製)で観察したとこ
ろ、図4に示すように、得られたセルロース系粒子体の
形状は球状であった。図5及び図6に示すように、連結
させたセルロース小粒子間の空隙があった。また、図7
に示すように、連結後において、多孔質セルロース系小
粒子に存在する孔も観察できた。
【0053】比較例3 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
純水に混入した。スターラーで充分攪拌した後、穴径
0.7×10-3mのキャピラリーで本懸濁液の液滴を5
規定の塩酸水溶液に接触させたところ、セルロース小粒
子はそれぞれ分散した状態になった。
【0054】実施例4 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液に混入した。スターラ
ーで充分攪拌した後、穴径0.7×10-3mのキャピラ
リーで本懸濁液の液滴を純水に接触させたところ、回転
楕円状のセルロース系粒子体が得られた。得られたセル
ロース系粒子体を強く振盪したところ、粒子体の形状は
崩れ、セルロース小粒子はそれぞれ分散した状態になっ
たが、実用に耐えるものであった。
【0055】実施例5 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が40体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液に混入した。スターラ
ーで充分攪拌した後、穴径0.7×10-3mのキャピラ
リーで本懸濁液の液滴を5規定の塩酸水溶液に接触させ
たところ、回転楕円状のセルロース系粒子体が得られ
た。得られたセルロース系粒子体を強く振盪したとこ
ろ、粒子体の形状は崩れ、セルロース小粒子はそれぞれ
分散した状態になったが、実用に耐えるものであった。
【0056】実施例6 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が80体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液に混入した。スターラ
ーで充分攪拌した後、穴径0.7×10-3mのキャピラ
リーで本懸濁液の液滴を5規定の塩酸水溶液に接触させ
ようとしたところ、滑らかな面を有しない液滴が形成さ
れ、塊状のセルロース系粒子体を得た。
【0057】実施例7 平均直径20×10-6mの多孔質のセルロース小粒子
(チッソ社製)を、懸濁濃度が70体積%となるように
6規定の水酸化ナトリウム水溶液に混入して懸濁液を作
製し、スターラーで充分攪拌した。2流体ノズル(同心
円上に内ノズルと外ノズルを有するもの)の外ノズルか
ら圧縮窒素ガスを噴出すると同時に内ノズルから上記懸
濁液を吐出した。窒素噴射圧は5×103 kg/m
2 で、懸濁液の吐出速度は5.19×10-43 /sで
あった。内ノズルの直径は2.6×10-3m、外ノズル
の直径は4.4×10-3mの2流体ノズルを使用した。
吐出高さは4mであった。酸性溶液中に本発明のセルロ
ース系粒子体を得た。粒子径は約200×10-6mであ
った。
【0058】得られたセルロース系粒子体内の液体をエ
タノールで置換してから、2−メチル−2−プロパノー
ルで置換し凍結乾燥機(Eiko Eng.CO Lt
d.社製)を用いて凍結乾燥させ、金を蒸着させた後、
走査型電子顕微鏡(トプコン社製)で観察したところ、
図8に示すように、得られたセルロース系粒子体の形状
は球状であった。図9に示すように、連結させたセルロ
ース小粒子間の空隙があった。また、図10に示すよう
に、連結後のセルロース系小粒子の孔も観察できた。
【0059】
【発明の効果】本発明のセルロース系粒子体は上述の構
成よりなるので、その大きさ及び内部構造に応じて、菌
体・酵素の固定化担体やイオン交換体、香料・薬品等の
吸着用担体、体液浄化用体体等の用途に好適に使用する
ことができる。また、本発明のセルロース系粒子体の製
造方法は上述のとおりであるので、本発明のセルロース
系粒子体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のセルロース系粒子体の粒子表面を5
0倍に拡大した写真である。
【図2】実施例1のセルロース系粒子体の粒子表面を5
00倍に拡大した写真である。
【図3】実施例1のセルロース系粒子体の粒子表面を5
000倍に拡大した写真である。
【図4】実施例3のセルロース系粒子体の粒子表面を4
0倍に拡大した写真である。
【図5】実施例3のセルロース系粒子体の粒子断面を4
0倍に拡大した写真である。
【図6】実施例3のセルロース系粒子体の粒子断面を5
00倍に拡大した写真である。
【図7】実施例3のセルロース系粒子体の粒子断面を5
000倍に拡大した写真である。
【図8】実施例7のセルロース系粒子体の粒子表面を2
00倍に拡大した写真である。
【図9】実施例7のセルロース系粒子体の粒子表面を1
000倍に拡大した写真である。
【図10】実施例7のセルロース系粒子体の粒子表面を
5000倍に拡大した写真である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性溶液中にセルロース系小粒子
    を懸濁させて懸濁液とし、前記懸濁液を、pHが8以下
    であり、かつ、前記懸濁液のpH値より小さいpH値を
    示す溶液に接触させて、前記セルロース系小粒子の粒子
    間に空隙を設けるように、前記セルロース系小粒子を相
    互に連結させてなることを特徴とするセルロース系粒子
    体。
  2. 【請求項2】 アルカリ性溶液は、pHが12以上であ
    る請求項1記載のセルロース系粒子体。
  3. 【請求項3】 セルロース系小粒子の懸濁濃度は、40
    体積%以上である請求項2記載のセルロース系粒子体。
  4. 【請求項4】 セルロース系小粒子の懸濁濃度は、50
    〜75体積%であり、懸濁液は、液滴として酸性溶液に
    接触させるものである請求項1記載のセルロース系粒子
    体。
  5. 【請求項5】 懸濁液の液滴は、直径が3×10-3m以
    下である請求項4記載のセルロース系粒子体。
  6. 【請求項6】 セルロース系小粒子は、多孔質である請
    求項1、2、3、4又は5記載のセルロース系粒子体。
  7. 【請求項7】 アルカリ性溶液中にセルロース系小粒子
    を懸濁させて懸濁液とし、前記懸濁液を、pHが8以下
    であり、かつ、前記懸濁液のpH値より小さいpH値を
    示す溶液に接触させて、前記セルロース系小粒子の粒子
    間に空隙を設けるように、前記セルロース系小粒子を相
    互に連結させることを特徴とするセルロース系粒子体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ性溶液は、pHが12以上であ
    る請求項7記載のセルロース系粒子体の製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロース系小粒子の懸濁濃度は、40
    体積%以上である請求項8記載のセルロース系粒子体の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 セルロース系小粒子の懸濁濃度は、5
    0〜75体積%であり、懸濁液は、液滴として酸性溶液
    に接触させるものである請求項7記載のセルロース系粒
    子体の製造方法。
  11. 【請求項11】 懸濁液の液滴は、直径が3×10-3
    以下である請求項10記載のセルロース系粒子体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】 セルロース系小粒子は、多孔質である
    請求項7、8、9、10又は11記載のセルロース系粒
    子体の製造方法。
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