JPH10310855A - 析出硬化型銅合金条の製造方法 - Google Patents
析出硬化型銅合金条の製造方法Info
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Abstract
の製造を可能にする。 【解決手段】 析出硬化型銅合金からなる厚さ0.5m
m以下の条材T1を走行させつつ、この条材T1を析出
硬化型銅合金の固溶化温度以上に連続的に急速加熱し、
続いて、急速加熱された条材を急速冷却する溶体化処理
工程と、急速冷却された条材T2を加熱して析出硬化さ
せる析出硬化処理工程とを具備する。前記急速加熱にお
ける300℃から前記固溶化温度までの条材T1の昇温
速度は40℃/秒以上であり、かつ、600℃以上での
保持時間は1〜60秒であり、前記急速冷却における固
溶化温度から300℃までの降温速度は40℃/秒以上
である。
Description
有する析出硬化型銅合金条の製造方法に関する。
下で使用されるようになるに伴い、電子部品、リードフ
レーム材、または端子コネクターの導電部品などの使用
条件も過酷化する傾向にあり、従来よりも薄くて強度が
高く、しかも高い導電性と熱伝導性を有し、かつバネ
性、滑り性、めっき性、および耐食性など用途に応じた
特性を併せ持つ金属材料が強く要望されている。
て、本願出願人らは、析出硬化型銅合金に注目してい
る。析出硬化型銅合金とは、析出硬化元素を含有する銅
合金をいい、材料によって決まる固溶化温度まで加熱す
ることにより析出硬化元素を母相中に過飽和に固溶させ
た後、固溶度曲線より低い温度に一定時間保持すると、
飽和固溶体の結晶に金属間化合物の微粒子が析出し、こ
れにより析出硬化を図ることができるという特徴を有し
ている。例えば、代表的な0.1%Zr−Cu合金の場
合には、固溶化温度:940℃まで加熱してZrを過飽
和に固溶させた後、400〜500℃程度の温度に3時
間ほど保持することにより、ZrCuの微粒子が析出し
て強度が増加する。
合金は、極めて高い強度を有するため、薄板として様々
な用途が期待されているが、熱処理時に特殊な高温急速
加熱を要するうえ、硬度が高く加工が難しいため薄板を
得ることが難しく、仮に加工できても強度や品質が十分
に確保できないという問題があった。例えば、従来の析
出硬化型銅合金材の製造方法では、比較的厚い、例えば
2〜15mm程度の析出硬化型銅合金材に固溶化処理を
行った後、さらに圧延して製品の厚さとし、その後に析
出硬化処理を行っていたのであるが、製品が例えば0.
25mmといった極薄いものであると、固溶化処理後に
強度の熱間圧延を行う必要が生じ、析出硬化の効果が薄
れるという問題が見いだされた。
で、極薄で高い強度を有する析出硬化型銅合金条の製造
を可能にすることを課題としている。
め、本発明に係る析出硬化型銅合金条の製造方法は、析
出硬化型銅合金からなる厚さ0.5mm以下の条材を走
行させつつ、この条材を前記析出硬化型銅合金の固溶化
温度以上に連続的に急速加熱し、続いて、前記急速加熱
された条材を急速冷却する溶体化処理工程と、前記急速
冷却された条材を加熱して析出硬化させる析出硬化処理
工程とを具備し、前記急速加熱における300℃から前
記固溶化温度までの前記条材の昇温速度は40℃/秒以
上であり、かつ、600℃以上での条材保持時間は1〜
60秒であり、前記急速冷却における前記固溶化温度か
ら300℃までの降温速度は40℃/秒以上であること
を特徴としている。
合金条の製造方法の一実施形態を説明する。この実施形
態の方法では、まず、析出硬化型銅合金からなる厚さ
0.5mm以下の条材を圧延加工により製造する(圧延
工程)。次に、この条材を走行させつつ前記析出硬化型
銅合金の固溶化温度以上に連続的に急速加熱し、続い
て、急速加熱された条材を連続的に急速冷却して溶体化
処理を施す(溶体化処理工程)。さらに、溶体化処理が
施された条材を再度加熱して析出硬化させて析出硬化処
理を施す(析出硬化処理工程)。本発明が適用可能な析
出硬化型銅合金の種類は限定されないが、好ましい合金
組成の例を表1に挙げ、それぞれの固溶化温度も併記し
ておく。
り得られた析出硬化型銅合金材を熱間または/および冷
間圧延し、最終製品に近い厚さの条材とする。具体的に
は、この段階で肉厚0.5mm以下、より好ましくは
0.3mm以下、さらに好ましくは0.2mm以下に圧
延する。0.5mmより厚いと、次の溶体化処理工程に
おいて、条材の連続急速加熱および連続急速冷却が困難
になり、昇温中に結晶が成長して結晶組織が粗くなるお
それがある。同時に、圧延加工後の厚さは最終製品の厚
さの2倍以下であることが望ましい。溶体化処理を施す
条材の下限厚さは特に限定されないが、実用上は0.0
7mm程度であると考えられる。圧延条件は特に限定さ
れないが、一般には、800〜980℃程度で熱間圧
延、または冷間圧延することが好ましい。圧延後の条材
はリコイラなどに巻き取って次工程へ移送してもよい
し、連続的に次工程へ流してもよい。
前記条材を連続的に走行させつつ、連続加熱炉により条
材を析出硬化型銅合金の固溶化温度以上に急速加熱し、
析出硬化元素を母相中に過飽和に固溶させたうえ、連続
してこの条材を急速冷却し、固溶化した析出硬化元素が
析出しないようにする。
までの範囲での条材の昇温速度が40℃/秒以上、より
好ましくは60℃/秒以上、さらに好ましくは100℃
/秒以上になるように行う。40℃/秒未満では結晶成
長により組織が粗大化する問題が生じる。同様に、前記
急速冷却は、固溶化温度から300℃までの範囲での条
材の降温速度が40℃/秒以上、より好ましくは60℃
/秒以上、さらに好ましくは100℃/秒以上となるよ
うに行う。40℃/秒未満では組織が粗大化する傾向が
生じる。
以上での保持時間は1〜60秒であることが必要で、よ
り好ましくは1〜20秒である。1秒未満では十分に溶
体化させることが難しく、60秒より長いと結晶が成長
して結晶組織が粗くなるおそれがある。
化処理装置の一例を示している。ただし、本発明はこの
装置の使用のみに限定されるものではなく、他形式の連
続加熱炉も同様に使用可能である。溶体化処理装置1
は、圧延により製造された固溶化前の条材T1を、図示
しないアンコイラ等から水平に繰り出し、ガイドロール
2により上方へ進路変更して加熱室4内に導入する。加
熱室4への入口には、図示していないがシール手段が設
けられて、加熱室4が気密的に塞がれている。
平にして配置されており、この加熱ロール6は、図示し
ない駆動機構により条材T1の走行速度に合わせて回転
される。加熱室4には窒素やアルゴン等の不活性ガス、
水素や一酸化炭素等の還元性ガス、もしくはそれらの混
合ガスが供給され、不活性または還元性の雰囲気に保た
れている。
等による加熱手段が設けられ、この加熱手段によって、
加熱ロール6の外周面温度が析出硬化型銅合金T1の固
溶化温度以上の一定温度に加熱されている。加熱ロール
6を条材T1に当接させて加熱する方法によれば、通常
の加熱炉に比して伝熱効率が5倍以上もあり、通常の加
熱炉では困難なほどの急速加熱が可能であるだけでな
く、伝熱が条材T1の全域に亘って均等に行われるため
均一加熱が可能であり、さらに加熱中に条材T1にかか
る張力を正確に調整しやすい。このため、難加工材の薄
板を対象とする本発明の加熱手段として特に好適であ
る。加熱室4内にはまた、バーナーや高周波誘導加熱装
置等の補助加熱手段が設けられていてもよい。
般には、耐熱性に優れた金属から形成されていることが
望ましく、さらにその外周面は、条材T1と密着するよ
うに鏡面加工されていることが好ましい。加熱ロール6
の外径は本発明では限定されないが、加熱しやすさや、
処理すべき条材T1の厚さや走行速度を考慮して一般に
は50〜100cm程度、より好ましくは60〜90c
m程度に設定される。
いが、アンコイラ等からの条材T1の繰り出し速度より
も若干大きい速度に設定されていることが望ましく、具
体的には0.1〜10%程速くされているとよい。これ
は、加熱ロール6の外周に条材T1が当接し昇温してい
く過程で、条材T1が徐々に熱膨張し、加熱ロール6と
固溶化前の条材T1との間に弛みによる剥離が生じるお
それがあるからである。そのような剥離が生じると、加
熱ロール6から条材T1への熱伝導が阻害されて条材T
1の温度が不均一になるため、極力避けなければならな
い。
外周面に中心角180゜分だけ巻回され、条材T1の他
端は鉛直下方へ延ばされている。これにより、条材T1
は加熱ロール6と広い面積で密着し、直接的な熱伝導に
より加熱ロール6の外周面温度とほぼ等しくなるまで急
速に加熱されるから、ライン速度が速くても条材T1を
均一にかつ高い精度を以て加熱することができる。しか
も、このロール当接による加熱方法は、気相加熱方法よ
りも熱効率が数倍も高いため、加熱コストが安く済むだ
けでなく、加熱ロール6により加熱過程で条材T1にか
かる張力を均一に調整することができるので、薄い条材
T1を変形させることなく高温に均一加熱することが可
能である。したがって、特に700℃以上の固溶化温度
まで急速加熱する本発明には、ロール当接による加熱方
法が適している。
れ、条材T1はこの冷却室10を通されている。冷却室
10内には、条材T1の表裏面のそれぞれに対向して多
数の冷却ノズル12が配列され、図示しない供給機構か
ら送られた冷却水または冷却ガス等の冷却媒体が、これ
ら冷却ノズル12から条材T1に吹き付けられる。この
構成によれば、いったん固溶化温度以上に加熱された条
材T1を急冷することができ、結晶成長が防止できるの
で、固溶化済み条材T2中の結晶粒径を十分に微細化
(例えば5〜15μm)することが可能である。
槽14内に配置され、冷却水槽14に循環供給されてい
る冷却液に浸漬されて、気密的に塞がれている。これに
より加熱室4および冷却室10内が不活性雰囲気または
還元性雰囲気に維持されている。冷却液中には冷却ロー
ル16が浸漬され、冷却液で十分に冷却された後に、固
溶化済み条材T2が冷却ロール16により上方へ送り出
される。送り出された固溶化済み条材T2は、図示しな
い酸洗い装置、水洗装置、および乾燥装置等を経て、リ
コイラでコイル状に巻き取られる。
使用することもできるが、より好ましくは遊離酸素抑制
剤の水溶液が使用される。遊離酸素抑制剤は、水中の酸
素を除去するための薬剤であり、一例としてヒドラジン
が挙げられる。遊離酸素抑制剤の濃度は5〜30wt%
程度でよい。遊離酸素抑制剤を添加することにより、固
溶化済み条材T2の表面の酸化を効果的に抑制すること
が可能である。
この溶体化処理装置1は、加熱室4内に第1加熱ロール
6Aおよび第2加熱ロール6Bを平行に配置し、条材T
1を第1加熱ロール6Aの下側および第2加熱ロール6
Bの上側に巻いたことを特徴としている。他の構成は図
1の装置と同様である。
ば、第1加熱ロール6Aで条材T1を予備加熱した後、
第2加熱ロール6Bで本加熱することができる。この場
合、第1加熱ロール6Aと第2加熱ロール6Bの外周面
温度は同一であっても異なっていてもよい。例えば、第
1加熱ロール6Aの温度を固溶化温度より低い温度に設
定しておく一方、第2加熱ロール6Bの温度を固溶化温
度より高く設定しておくことが可能である。このような
方法によれば、条材T1とロール6A,6Bとの合計当
接面積を広く確保することが可能であるから、条材T1
の走行速度を大きくした場合にも十分均一に加熱するこ
とが可能である。条材T1の厚さが比較的大きい場合に
も、均一加熱が容易であるという利点も有する。
材T1を固溶化温度以上に加熱する一方、第2ロール6
Bにより予備冷却することも可能である。この場合、第
2ロール6Bの内部には冷却水等の冷却媒体を循環供給
してもよい。冷却ロール6Bを加熱ロールに隣接して配
置することにより、溶体化処理が完了した条材T1をよ
り速やかに冷却できる利点がある。
完了した条材T2に対して、析出硬化処理の前もしくは
後に圧延加工してもよい。実際には、少なくともいずれ
かの時点で適度な圧延を行ったほうが固溶化済み条材の
応力を解放できるので好ましい。析出硬化処理の前に圧
延を行う場合には圧延率が4〜90%、より好ましくは
20〜60%の冷間圧延であると好ましく、析出硬化処
理の後に圧延を行う場合には圧延率が5〜60%、より
好ましくは30〜50%の冷間圧延であると好ましい。
いずれの場合にも、圧延率が前記下限値未満では応力を
解放することができず、割れ限界値が相対的に低下す
る。一方、圧延率が前記上限値より大では、圧延後の条
材に方向性が生じて割れやすくなる。
は次に、析出硬化処理工程に供される。この工程では、
固溶化済み条材T2を固溶度曲線より低い温度に一定時
間保持し、飽和固溶体の結晶に金属間化合物の微粒子を
析出させ、これにより析出硬化を図ることを目的として
いる。
50〜600℃、より好ましくは300〜600℃に加
熱することにより行い、加熱時間は0.1〜10時間、
より好ましくは0.5〜5時間とされる。
(焼鈍炉)の一例を示している。この焼鈍炉20は、い
わゆるベル型焼鈍炉であり、一般的な連続焼鈍炉に比べ
て加熱温度を高精度に制御できる特徴を有している。た
だし、一般的な連続焼鈍炉やその他の加熱炉を用いて
も、本発明における析出硬化工程は実施可能である。
は同軸状に複数個積層され、気密的な金属製の内容器2
2に収容されて、内容器22の内部は窒素やアルゴン等
の不活性ガスまたは水素や一酸化炭素等の還元性ガスで
満たされている。そのなかでも特に、水素ガスを用いる
ことが好ましい。熱伝導性が良好である上に、比重が軽
いために循環用の消費電力を削減できるからである。内
容器22の下部には循環用ファン28が設けられ、この
循環用ファン28により、図中矢印の通りにガスが循環
される。内容器22はさらに外容器24に収容されてお
り、この外容器24内には内容器22を外側から加熱す
るためのバーナー26等の加熱手段が多数設けられてい
る。これらバーナー26で内容器22を加熱すると、内
容器22の内部のガスが加熱され、循環用ファン28に
よる循環につれて固溶化済み条材T2が均一に加熱され
る。
条件で析出硬化処理を行うことにより、飽和固溶体の結
晶に金属間化合物の微粒子を析出させ、これにより析出
硬化を図ることが可能である。析出硬化処理が完了した
ら、外容器24および内容器22を開けて条材T2を取
り出し、必要に応じて前述の圧延を施し製品とする。
法によれば、製品の最終肉厚に近い厚さまで圧延を施し
て析出硬化型銅合金条T1を製造した後、この薄い条材
T1を固溶化温度まで急激に加熱し、さらにそれを急冷
するため、最終製品の状態においても析出硬化状態が良
好に保たれ、析出硬化型銅合金本来の高強度が得られ
る。
温度に加熱された加熱ロール6を条材T1に当接させ、
熱伝導により条材T1を加熱する構成であるから、条材
T1の薄さと相まって、条材T1を均一に、かつ加熱ロ
ール6の外周面温度を正確に反映した温度まで加熱する
ことができる。よって、析出硬化状態を正確に制御する
ことが可能であるし、ライン速度の高速化も図れる。さ
らに、条材T1を加熱ロール6で支持した状態で加熱す
るため、条材T1に波打ち状等の変形が生じにくく、薄
い状態で加熱するにも拘わらず、最終製品の形状精度が
高められる。
に対し、すぐに冷却ノズル12から冷却水等を吹きかけ
て冷却するので、条材T1の薄さと相まって、条材T1
を急激に冷却することが可能である。したがって、冷却
中の結晶成長を抑制することが可能であり、結晶粒径の
粗大化が防止できる。この点からも、析出硬化型銅合金
本来の高強度が得られる。さらに、加熱ロール6により
伝導加熱する構成であるから、バーナーを多数配置した
構成に比して装置全体を小型化することができ、省スペ
ース化が図れ、不活性ガス等のランニングコストも低減
できる。
る。以下の組成(全てwt%)を有する3種類の析出硬
化型銅合金A〜Cを用い、本発明に係る実施例の方法お
よび3種の比較例の方法によりそれぞれ析出硬化型銅合
金条を製造し、特性を比較した。
Cu 合金B(固溶化温度750℃): 2.0%Ni−0.5%Si−0.5%Sn−残部Cu 合金C(固溶化温度850℃): 0.02%Si−0.3%Cr−0.1%Zr−0.1
%Mg−残部Cu
さ150mm×幅540mmの鋳造塊を作成した。この
鋳造塊を900〜960℃×2時間の条件で均質化した
後、熱間圧延により溶体化処理を図りつつ厚さ11mm
とし、冷却水を用いて冷却した。得られた板材の表面を
面削した後、冷間圧延と固溶化温度未満の焼鈍を繰り返
し、厚さ0.2mm×幅200mmの条材を作成した。
それぞれの固溶化温度まで急速加熱し、さらに冷却水で
急冷して溶体化処理した。その際の300℃から固溶化
温度までの昇温速度は約150℃/秒、固溶化温度から
300℃までの降温速度は約150℃/秒とした。溶体
化処理中の条材走行速度は全て20m/minとした。
加熱ロール6としては、外径が750mmの金属製バー
ナー内蔵型ロールを使用した。
圧延して厚さ0.16mmにし、コイル状に巻き取っ
た。巻き取ったコイルを図3に示すようなベル型焼鈍炉
20に収容し、450℃×3時間の条件で析出硬化処理
を施した。
厚さ150mm×幅540mmの鋳造塊を作成した。こ
の鋳造塊を900〜960℃×2時間の条件で均質化し
た後、熱間圧延により溶体化処理を図りつつ厚さ11m
mとし、冷却水を用いて冷却した。得られた板材の表面
を面削した後、冷間圧延と固溶化温度未満の焼鈍を繰り
返し、厚さ0.16mm×幅200mmの条材を作成し
た。
厚さ150mm×幅540mmの鋳造塊を作成した。こ
の鋳造塊を900〜960℃×2時間の条件で均質化し
た後、熱間圧延により厚さ11mmとし、冷却水を用い
て冷却した。得られた板材の表面を面削した後、冷間圧
延と固溶化温度未満の焼鈍を繰り返し、厚さ1.0mm
の条材を作成し、コイル状に巻き取った。このコイルを
焼鈍炉内において不活性ガス雰囲気下でそれぞれの固溶
化温度まで加熱し、加熱後のコイルを不活性ガスにより
冷却した。この場合、300℃から固溶化温度までの昇
温速度は約0.2℃/秒、固溶化温度から300℃まで
の降温速度は約0.1℃/秒になる。この条材に冷間圧
延を施して厚さ0.16mm×幅200mmの条材を作
成し、この条材をコイル状に巻き取った後に、ベル型焼
鈍炉20に収容し、450℃×3時間の条件で析出硬化
処理を施した。
厚さ150mm×幅540mmの鋳造塊を作成した。こ
の鋳造塊を900〜960℃×2時間の条件で均質化し
た後、熱間圧延により厚さ11mmとし、冷却水を用い
て冷却した。得られた板材の表面を面削した後、冷間圧
延と固溶化温度未満の焼鈍を繰り返し、厚さ1.0mm
の条材を作成し、この条材を走行させつつ連続焼鈍炉を
通してそれぞれの固溶化温度まで加熱し、続いて冷却水
により条材を連続的に急冷した。この場合、300℃か
ら固溶化温度までの昇温速度は約15℃/秒、固溶化温
度から300℃までの降温速度は約15℃/秒になる。
その後、この条材に冷間圧延を施して厚さ0.16mm
とし、コイル状に巻き取った後にベル型焼鈍炉20に収
容し、450℃×3時間の条件で析出硬化処理を行っ
た。
出硬化型銅合金条に対し、電気伝導度測定、引っ張り強
度測定、伸び率測定、結晶粒径測定、W曲げ試験、およ
びめっき性の検査をそれぞれ行った。
片を各合金条から切り出し、各試験片を90゜曲げた場
合に、曲げ部の外側面に肌荒れが生じなかった最小内側
半径(R)を、試験片の肉厚(T)で除した値(R/
T)によって評価した。すなわち、R/T値が小さいほ
ど、曲げ性に優れていることになる。
験片に2μmの厚さで銀を電気めっきした後、これを6
50℃で5分間加熱した場合にめっき表面に生じた膨れ
の発生密度(個/100mm2)で評価し、0個/10
0mm2のものを「◎」、1個/100mm2のものを
「○」、2個/100mm2のものを「△」、3個以上
/100mm2のものを「×」として評価した。合金A
の結果を表2に、合金Bの結果を表3に、合金Cの結果
を表4にそれぞれ示す。
金においても、実施例の方法によって得られた条材は、
比較例1〜3の方法で得られた条材より、めっき性、曲
げ性、および引張強度が優れていた。また、電気伝導度
や伸び率においても遜色がなく、結晶粒径も小さかっ
た。
硬化型銅合金条の製造方法によれば、製品の最終肉厚に
近い薄い条材を固溶化温度まで加熱し、さらにそれを急
冷するため、最終製品の状態においても析出硬化状態が
良好に保たれ、析出硬化型銅合金本来の高強度が得られ
る。
に使用される溶体化処理装置の一例を示す概略図であ
る。
る。
の一例を示す概略図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 析出硬化型銅合金からなる厚さ0.5m
m以下の条材を走行させつつ、この条材を前記析出硬化
型銅合金の固溶化温度以上に連続的に急速加熱し、続い
て、前記急速加熱された条材を急速冷却する溶体化処理
工程と、前記急速冷却された条材を加熱して析出硬化さ
せる析出硬化処理工程とを具備し、前記急速加熱におけ
る300℃から前記固溶化温度までの前記条材の昇温速
度は40℃/秒以上であり、かつ、600℃以上での保
持時間は1〜60秒であり、前記急速冷却における前記
固溶化温度から300℃までの降温速度は40℃/秒以
上であることを特徴とする析出硬化型銅合金条の製造方
法。 - 【請求項2】 前記急速冷却された条材を4〜90%の
圧延率で圧延する圧延工程をさらに具備し、この圧延工
程の後に、前記析出硬化処理工程を行うことを特徴とす
る請求項1記載の析出硬化型銅合金条の製造方法。 - 【請求項3】 前記析出硬化処理工程を経た条材を5〜
60%の圧延率で圧延する圧延工程をさらに具備するこ
とを特徴とする請求項1または2に記載の析出硬化型銅
合金条の製造方法。 - 【請求項4】 前記溶体化処理工程の前に、析出硬化型
銅合金材を圧延して厚さ0.5mm以下の前記条材を得
る圧延工程をさらに具備することを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の析出硬化型銅合金条の製造方
法。 - 【請求項5】 前記析出硬化処理工程では、溶体化処理
済みの条材を250〜600℃に0.1〜10時間保持
することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
析出硬化型銅合金条の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11730797A JP3746873B2 (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 析出硬化型銅合金条の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11730797A JP3746873B2 (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 析出硬化型銅合金条の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10310855A true JPH10310855A (ja) | 1998-11-24 |
| JP3746873B2 JP3746873B2 (ja) | 2006-02-15 |
Family
ID=14708517
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11730797A Expired - Lifetime JP3746873B2 (ja) | 1997-05-07 | 1997-05-07 | 析出硬化型銅合金条の製造方法 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3746873B2 (ja) |
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