JPH1031239A - 高効率光スイッチング及びディスプレイ装置 - Google Patents

高効率光スイッチング及びディスプレイ装置

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JPH1031239A
JPH1031239A JP9085441A JP8544197A JPH1031239A JP H1031239 A JPH1031239 A JP H1031239A JP 9085441 A JP9085441 A JP 9085441A JP 8544197 A JP8544197 A JP 8544197A JP H1031239 A JPH1031239 A JP H1031239A
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optical switching
switching device
electronic
protein
colored
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JP9085441A
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Paul Robert Kolodner
ロバート コロドナー ポール
Dennis Lawrence Rousseau
ローレンス ローゼウ デニス
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Lucent Technologies Inc
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    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/15Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect
    • G02F1/1514Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on an electrochromic effect characterised by the electrochromic material, e.g. by the electrodeposited material
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電子有色たんぱく質からなる活性
層を使用した新規なタイプの光スイッチング及びディス
プレイ装置を提供する。 【解決手段】 本質において、本装置は、電極化裏面壁
と透明電極領域を含む透明前面壁とから構成されるセル
からなる。電子有色たんぱく質からなる薄膜は2電極間
に配置される。2電極間に電圧がない時は、薄膜は第1
の色の光を反射する。電圧が印加されると、反射光の光
は変化する。本装置は伝搬光よりむしろ反射光を使用し
ているので、バックライティングが不要であり、本装置
は従来のLCDと比べて高効率になっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高効率光スイッチン
グ及びディスプレイ装置に関し、特に、電子有色たんぱ
く質からなる活性層を使用した前記装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】マイク
ロエレクトロニック回路とフラットパネルディスプレイ
の組合せは、多方面にわたるさまざまな携帯用電子製品
に導いた。これらの製品は、電子腕時計から手持ち式テ
レビ受像機やラップトップコンピュタまでの範囲にわた
っている。低電力消費がこれらの各々の重要な必要条件
になっている。
【0003】最もポピュラーなフラットパネルディスプ
レイは液晶ディスプレイ(LCD)である。典型的なL
CDセルでは、電圧印加が、ディスプレイセルの領域
を、視覚的背景を構成する透明状態から視覚的メッセー
ジを表わす暗黒状態に切り換える。
【0004】LCDの主要な欠点はその低い光効率であ
る。ディスプレイの活性部分と非活性部分間の視覚的コ
ントラストは比較的低くなっている。その結果、このデ
ィスプレイは、典型的に、視覚的コントラストを強調す
るためにバックライティングを必要とする。残念なこと
に、バックライティングはかなりの電力を消費する。携
帯用コンピュータのように複雑な電子装置においてさ
え、ディスプレイ バックライティングに消費される電
力は装置バッテリの主要な消費のもとになる。したがっ
て、電力消費の減少した、改良されたフラットパネル
ディスプレイ装置が要求されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】出願人は、電子有色たん
ぱく質を使用した新しいタイプの光スイッチング及びデ
ィスプレイ装置を発見した。本質において、本装置は、
電極化裏面壁と、透明電極領域を含む透明前面壁とから
なる。電子有色たんぱく質からなる薄膜が2つの電極間
に配置されている。2電極間に電圧がない時は、薄膜は
第1の色の光を反射する。電圧が印加されると、反射光
の色が変化する。本装置は伝搬光よりむしろ反射光を使
用しているので、バックライティングが必要なく、本装
置は従来のLCDと比較した場合高効率になっている。
【0006】本発明の利点、特質及び種々の追加的特徴
は、添付図面に関して詳細に説明される実施例の考察に
基づいてより十分に明らかになるだろう。
【0007】
【発明の実施の形態】これらの図面は、本発明の概念を
説明するためのものであり、グラフのほかは縮尺がされ
ていないことを理解すべきである。
【0008】この説明は3つのパートに分けられてい
る。パートIは新規なディスプレイの構造を説明する。
パートIIはディスプレイがどのようにして作成される
かについて説明し、また、本発明の拡張を行なうのに役
立つパートIIIは、バクテリオロドプシンの動作の裏
の理論を説明する。
【0009】I.ディスプレイ構造 図面を参照すると、図1は、電極領域12を有する裏面
壁11(好適には平坦になっている)と、好適には電極
12の一部と重複する透明電極領域14を有する透明前
面壁13とからなる単一の光スイッチングセル10の略
断面図である。セル裏面壁11とセル前面壁13の間に
は、電子有色たんぱく質からなる薄膜15が配置されて
いる。セルは、側壁16及び17で任意に密閉されてい
る。切り換え可能な電圧源18が電極12と14間に接
続されている。
【0010】好適な実施例では、裏面壁11は、インジ
ウム−すず−酸化物(ITO)からなるフォトリソグラ
フ的に限定された電極12を備えたガラスにすることが
できる。好適には、壁11の裏面部分には、黒色または
反射性のどちらかの被覆19が備えられている。透明前
面壁は、ITOからなる透明電極14を備えたガラスに
することができる。前面壁と裏面壁間の間隔は、好適に
は1〜100マイクロメートルの範囲になっている。
【0011】電極12、14は、好適には図1に示され
るように対向する壁上にあるが、一方の壁、例えば裏面
壁11、上に両電極を配置することもでき、それでも薄
膜15に活性化電圧を印加することができる。
【0012】電子有色たんぱく質の薄膜は、好適には、
レチナールまたはレチナール類縁化合物のような発色団
を含む埋め込まれたたんぱく質を含む脂質二重層からな
る。前記物質の最も手近な供給源は、バクテリア エイ
チ・サリナリウム(H.Salinarium)のある突然変異形態、
例えば単一突然変異D85Nや二重突然変異D85,9
6N、の細胞膜である。これらの突然変異形態は、共に
参照によりここに含まれる、ジー・ジェイ・ターナー
(G.J.Turner)等によるBiochem. 32,1332(1993)やジェイ
・チター(J.Tittor)等によるBiophys J. 67,1682(1994)
にさらに詳細に述べられている。さらに有効なものとし
て可能性のある突然変異形態は、参照によりここに含ま
れる、エイチ・オットー(H.Otto)等によるJ.Biol.Chem.
226,18764(1991)に述べられているD85A,D82D
/D85R,R82Q/D85N及びD85N/D21
2Nである。これらのバクテリア細胞膜は、レチナール
のシッフ塩基誘導体からなる発色団を含む電子有色たん
ぱく質バクテリオロドプシンからなる。
【0013】かけがえとして、この物質は、突然変異し
たまたは突然変異していないエイチ・サリナリウムから
なる化学処理された細胞膜、例えばレチナール発色団が
レチナール類縁化合物と置換された細胞膜、から得るこ
とができる。レチナール抽出及び置換に関する技術は、
参照によりここに含まれる、ビー・エム・ベチャー(B.
M.Becher)等によるBiophys. 19,285(1977) やイー・ロ
ンドン(E.London)等によるJ.Biol.Chem. 257,7003(198
2) に述べられている。典型的なレチナール類縁化合物
は、エム・シーブス(M.Sheves)等によるProc.Nat.Acad.
Sci.USA 83,3262(1986)で記載されている13−トリフ
ルオロメチルレチナールを含む。2つの追加的類縁化合
物(デメチル−11,14−エポキシレチナール及び1
3−デメチル−9,12−エポキシレチナール)は、エ
ム・シーブス(M.Sheves)等によるBiochem.24,1260(198
5) に記載されている。
【0014】好適な薄膜は突然変異D85Nバクテリア
からの細胞膜物質である。この薄膜は、細胞膜の細胞外
表面の50%以上、好適には75%以上が同一方向に向
くように好適に方向づけられている。
【0015】バクテリア物質は最も便利であるが、脂質
二重層もたんぱく質も必ずしも出所はバクテリアではな
い。たんぱく質は分離して、真核または合成脂質二重層
に結合することができる。共に参照によりここに含まれ
る、エイ・ダブリュ・スコット(A.W.Scotto)等によるBi
ochem.29,7244(1990) やエム・ティーンツェ(M.Teintz
e) 等によるBiophys.J.62,54(1992) を参照されたい。
さらに、従来の再結合性技術によるたんぱく質はイー・
コリ(E.Coli)または真核細胞で表現することができる。
例えば、参照によりここに含まれる、エム・ポンペジャ
ス(M.Pompejus)等によるEur.J.Biochem.211,27(1993)を
参照されたい。
【0016】電極12と14の間に電圧がない時は、バ
クテリオロドプシン薄膜は反射光で青色になる。100
Vの範囲内の低電圧がたんぱく質に印加されると、薄膜
は黄色になる。この効果の実質的な部分の切り換え時間
は10msec以下である。下記のセクションIIIに
述べられるように、この色切り換えは電界誘導シッフ塩
基プロトネーション及びデプロトネーションに帰因す
る。
【0017】光学ディスプレイは、前記セルのアレイを
形成することによって作ることができる。図2は、共通
裏面壁11と共通前面壁13で形成された複数の前記セ
ル(例えば20、21、22、23及び24)からなる
このようなアレイを示す。スペーサーまたは柱16が壁
の間隔を維持するために各セルの周囲に備えられてい
る。各セルの寸法は、各セルが画素を限定するように選
択することができる。電圧信号は、光学ディスプレイを
提供するために技術上周知の技術にしたがって各画素セ
ルに切り換え可能に印加される。
【0018】従来のLCDに勝るこのディスプレイの利
点は、本発明のディスプレイが反射性である…画素は着
色したインクのように見える…ことである。したがっ
て、視覚コントラストは、ちょうど印刷したページを見
るように、反射した周囲光のなかで見られる。したがっ
て、このディスプレイはそれ自身の光を必要とせず、電
力消費は非常に低く…本質的には画素静電容量を充放電
するのに必要なエネルギーのみに…なっている。対照的
に、LCDは典型的に専用光源を必要とし、1%以下の
光効率を有している。
【0019】II.ディスプレイ製作 典型的なセルを製作する第1の工程は、セル壁を形成し
て組み立てることである。前面及び裏面壁は、各壁に望
ましい電極構造を限定するために従来のフォトリソグラ
フィック処理を使用することにより形成することができ
る。
【0020】次の工程は、電子有色たんぱく質を含む懸
濁液を用意することである。この懸濁液は突然変異D8
5N エイチ・サリナリウムからプラズマ 細胞膜物質
の懸濁液として非常に容易に得られる。細胞膜物質は、
洗浄剤を使用してバクテリアを溶解し、遠心分離で細胞
膜成分を分離することによって得られる。次いで、細胞
膜成分は低イオン伝導率媒体中に浮遊させられる。バク
テリアを成長させ、それらの細胞膜を抽出することは、
参照によりここに含まれる、ビーアイエム・ベッチャー
(BIM.Becher)等によるPrep.Biochem.5,161(1975)に記載
されている。
【0021】次いで、懸濁液が電極の1つに注がれる。
第2の電極は懸濁液に接触するように当てられ、3〜5
Vの電位が、どちらかの電極を陽極として使用して30
〜90秒間電極間に印加される。プラズマ細胞膜の斑点
は両方とも負に充電され極性を与えられているので、電
界内で向きを合わせ、刺さっている陽極の方へ移動す
る。薄膜は乾かすことができ、電子有色バクテリオロド
プシンを含む高度に方向づけられた薄膜が形成される。
この被覆技術は、参照によりここに含まれる、エイ・エ
イ・コノネンコ(A.A.Kononenko) 等によるBiochem.Biop
hys.Acta 850,162(1986)に記載されている。次いで、光
セルは、例えば適所に側壁を接着することによって密閉
される。
【0022】かけがえとして、プラズマ細胞膜懸濁液
が、プラズマ 細胞膜斑点のそれぞれ対向する側面に当
たる異なる反応分子で処理される異なる技術がもくろま
れる。次いで、電極の1つは、反応分子に選択的に結合
する連結体物質で被覆され、望ましい方向性薄膜の1層
が形成される。この処理は、光学的に厚い(濃く着色さ
れた)膜を作りあげるために多数回繰り返される。
【0023】III.電子有色 バクテリオロドプシン
の理論 以下は、バクテリオロドプシン等の電子有色たんぱく質
が電界誘導シッフ塩基プロトネーション及びデプロトネ
ーションを使用してどのように電子有色 光スイッチン
グを発生するかについて、出願人が現在最も良く理解し
ているものである。
【0024】A.バクテリオロドプシンの構造及び作用
バクテリオロドプシン(BR)は、塩好きなバクテリア
エイチ・サリナリウムの細胞膜中に見い出されるたん
ぱく質である。BRは、その中を陽子が移動することが
できる交差細胞膜溝の周りに境界線を描く、細胞膜を横
切る7個のαらせんからなる。BR分子は細胞膜内で三
分子体になり、バクテリアから容易に分離することがで
きる大きな斑点を形成する。これらの斑点は紫色であ
り、したがってBR紫色細胞膜として知られている。B
Rの活性エレメントは、レチナール、すなわちポリエン
(polyene) 鎖を有する小さな発色団、のシッフ塩基誘導
体である。この発色団の構造は図3に示される。レチナ
ールは、たんぱく質のアミノ酸への非接合力とシッフ塩
基(NH+ )結合の両方によってたんぱく質に結合され
る。通常、発色団のポリエン鎖は全トランス異性化を示
し、細胞膜平面に対してある角度に位置している。BR
が黄色光で照射されると、発色団の光異性化が全トラン
スから13シスへの構造変化を引き起こし、陽子が溝を
通って細胞膜を横断してポンプされている時に最高潮に
達する光サイクルをトリガする。これは、バクテリアに
よるエネルギーの発生に利用される、細胞膜を横切るp
H勾配を作り出す。
【0025】溶解状態で分離されたレチナールは、38
0nmに集中する紫外線吸収ピークを示す無色になる。
しかしながら、BRに結合されたレチナールは、570
nmに集中するシフトされた吸収ピークに対応する濃い
紫色を示す。このオプシンシフトは、たんぱく質環境
と、発色団がたんぱく質の残りに結合されるプロトネー
トされたシッフ塩基の形成とによって引き起こされたレ
チナールの静電的ゆがみに起因する。オプシン シフト
は、BRがその成分部分を溶解状態に混合することによ
り作られる実験で実時間で追うことができる。まず、レ
チナールはBRから化学的に除去され、したがって、バ
クテリア−オプシンとして知られているたんぱく質部分
が分離される。次いで、バクテリア−オプシンの溶液に
レチナールまたはレチナール類縁化合物を加えることに
より、全分子を再構成することができ、たんぱく質中に
含まれているのと同様の時間関数で発色団の吸収を観測
することができる。これが起こるにつれて、発色団の吸
収ピークは衰え、細胞膜溝の内側で遭遇する静電力を表
わす、シフトされたピークに取って代わる。このタイプ
の実験は、異なる光学的及び化学的性質を有するレチナ
ール類縁化合物をたんぱく質に含めることができること
を証明した。
【0026】紫色細胞膜(PM)の非常に重要な性質
は、BRの生物学的活動の間細胞膜を横切って発生する
電界である。この電界は104 乃至105 V/cmの範
囲内にある。逆に言えば、外部電界の印加は、吸収最高
点にわずかな逆にすることができるシフトを引き起こ
し、これは分光器で容易に検出することができるが、視
覚的観測で検知するにはわずか過ぎる。このシフトは、
薄膜中のある程度の水分の存在に依存し、レチナールの
運動の結果である及び/またはアミノ酸の近くにあると
仮定される。
【0027】BR光サイクルは、図4のブロック図のよ
うに示され、bR570 基底状態における光子の吸収でト
リガされる。図4に示されるように、この出来事はレチ
ナールを光異性化させ、K610 状態における13シス異
性体を形成する。次いで、これは光サイクルの残部をト
リガし、光サイクルは室温での熱処理により終了まで進
められる。
【0028】吸収スペクトラムは図5に示される。BR
で指定された曲線は、励起のない場合のスペクトラムを
示す。Mで指定された曲線は励起された物質のスペクト
ラムを示す。光サイクルの最も目立ちかつ重要な分光器
の特徴は、最初のK610 及びL550 中間体の赤−緑領域
からM412 状態の青領域への吸収ピークの過渡的シフト
である。このシフトは、部分的にBRオプシン シフト
を元に戻すシッフ塩基のデプロトネーションで引き起こ
されることが知られている。続いて起こるN56 0 状態は
シッフ塩基のリプロトネーションで発生し、これは吸収
ピークを赤色の方へ戻るようにシフトさせる。これは、
通常状態の下で5〜10msを費やす光サイクルの最も
遅いステップである。続いて、発色団はその元の異性化
状態に復帰し、分子はその基底状態に戻って、光サイク
ルを終了する。シッフ塩基のデプロトネーション及びリ
プロトネーションは、陽子が細胞膜を横切って移動して
BRの生理学的作用を遂行する“バケット団”処理で引
き起こされる。
【0029】図6(a)乃至6(d)は、チョウ(K.C.
Chou,Amino Acids 7,1(1994)) の“分子ピストン”モデ
ルから採用された、その光サイクル中にBRで示された
構造状態のうちのいくつかの表現を示す。この機械論的
モデルはむしろ簡単に割り切り過ぎているが、外部電界
に反応してシッフ塩基のプロトネーション状態を作るた
めに、BRがどのように変わり得るかを見通している。
基底状態(図6(a))において、発色団はその全トラ
ンス異性化状態にあり、プロトネートされたシッフ塩基
によりたんぱく質の残余216に結びつけられている。
交差細胞膜溝は閉じられ、水分及び陽子を通さない。ア
スパラギン酸残余85及び96のカルボキシ団は、それ
ぞれ陽子アクセプター及びドナーとして光サイクルにお
ける重要な役割を演じるために用意される。
【0030】このモデルでは、場所13の回りのレチナ
ールの光異性化は機械的ポンプのハドルのように働く。
吸収された光子から蓄積されたエネルギーはこの段階で
“パワーストローク”に導き、シッフ塩基の陽子が残余
85(図6(b))の方向に解放されるようにする。次
いで、光サイクルの残部は熱処理によって進行する。分
光器的M412 状態は、陽子が残余216のシッフ塩基か
ら残余85のカルボキシ アクセプター団へ(中間溝水
分子網を介して)転送される(図6(b)から図6
(c)へ進む)時に形成される。続いて、たんぱく質構
造変化は、シッフ塩基を残余96のカルボキシ ドナー
団からの陽子の転送で再プロトネートさせ(図6(c)
→図6(d))、N560 状態を形成する。これらの事象
は、残余85から細胞膜の細胞外側への陽子移動(図6
(c))と、細胞膜の細胞質側から残余96への陽子移
動(図6(d))とによって達成される。次いで、光サ
イクルは、レチナールの再異性化で終了する(図6
(d)→図6(a))。
【0031】このモデルに関して、我々は、BR分子の
2つの変質は、M412 状態の形成及び崩壊に対応するス
ペクトルシフトの外部制御を許すかもしれないことがわ
かる。(1)シッフ塩基の陽子へのオープンアクセスの
維持が光異性化を必要としないような−例えば13シス
類縁化合物とレチナールの置換による−発色団の化学的
一時変異と、(2)たんぱく質の包括的変質であり、そ
のため、ドナーとアクセプターの交換によるシッフ塩基
のプロトネーション及びデプロトネーションはもはや熱
力学的に有利にならない。これらの変化により、シッフ
塩基のプロトネーション状態は外部電界で制御すること
ができる。
【0032】電界がプロトネーション状態を変えること
ができる方法は、シッフ塩基のプロトネーション/デプ
ロトネーションの平衡をシフトさせることである。この
シフトは、酸/塩基滴定の中間点pHであるpKに関し
て表現される。したがって、陽子結合現場が〜8のpK
を有し、電界がpKを〜6までシフトさせることができ
るならば、pH7の現場は、電界がない時にプロトネー
トされ、電界がある時にデプロトネートされるだろう。
熱力学的にいうと、電界は、kTのオーダーの大きさだ
け陽子の結合エネルギーを変更させなければならない。
この電界が作用するに違いない間隔に細胞膜厚(5n
m)を選ぶと、この電界で5×104 V/cmのより低
い結合が与えられる。5〜10μm以下の厚さを有する
PM薄膜が不透明でないと仮定すれば、これはスイッチ
ングに必要な25Vの合計電圧を発生する。しかしなが
ら、BRにおける陽子結合平衡の電界誘導変化は非常に
小さな電界を必要とする。懸濁液において、1pH単位
までのpK変化は、2×104 V/cmの電界で誘導さ
れた(ケイ・ツジ(K.Tsuji) 等によるEur.Biophys.J.1
8,63(1990)参照)。これらは、電圧パルスの間及び後の
溶液のpHを監視することによって検出された。電界に
対して異なる感度を有する2つの異なる陽子結合現場が
検出された。非常に高い電界評価が今与えられたと仮定
すると、どれくらいの熱雑音がこのように大きなpK変
化を与えるために克服されたかがこれらの実験であるか
は明らかでない。
【0033】B.D85N BR薄膜 低いpK値(野生型たんぱく質に観測されるpK>1
2.5に対抗するものとして約10以下のpK)のシッ
フ塩基プロトネーション平衡を有するBR変体は、電子
有色バクテリオロドプシンの最も有望な候補を提供する
だろう。低いシッフ塩基pK値を有する突然変異は、エ
イチ・オットー(H.Otto)等によるProc.Nat.Acad.Sci.US
A 87,1018(1990) やティ・マーチ(T.Marti) 等によるJ.
Biol.Chem.266,18764(1991)に開示されている。D85
N突然変異エイチ・サリナリウムは、電子有色 活性層
を作るのに使用することができるD85N BRからな
る青色細胞膜を提供する。
【0034】図7はD85N BRからなる無方向性薄
膜のpH誘導差スペクトラムを示す。この薄膜は、D8
5N細胞膜の微量の懸濁液を薄い透明なインジウム−す
ず酸化物電極で覆われたガラススライド上で乾かして用
意された。この方法は無方向性薄膜を作り出す。すなわ
ち、それは、基板の方へ向かう(“アップ”)及び基板
から離れる(“ダウン”)細胞質側を有するほぼ等しい
数のBR細胞膜からなる。波長の関数として記入されて
いるのは、2つの異なるpH値、pH8及びpH12、
における緩衝溶液との平衡後に測定された光吸収間の差
である。8から12へpHを増加させることの明白な効
果は、BR分子の留分中のシッフ塩基陽子を除去するこ
とである。これは、600nm近くに中心がある吸収ピ
ーク(プロトネートされたシッフ塩基)の高さの減少
と、400nm近くに中心があるピーク(デプロトネー
トされたシッフ塩基)の高さの増加を引き起こす。
【0035】図8は、同様の無方向性D85N BR薄
膜を使用して作られた電界誘導差スペクトラムを示す。
記入された量は、電界がある時とない時の吸収スペクト
ラムの差である。pH差と電界誘導差スペクトラムのほ
ぼ同等の形状は、電界が薄膜中のBR分子のある程度の
留分のシッフ塩基から陽子を除去するように作用するこ
とを示している。これは電子有色効果の根拠となる。
【0036】図9は、方向性D85N BR薄膜の光吸
収スペクトラムにおける電界極性の効果を示す。実線の
曲線は、正の基板電極の吸収スペクトラムを示す。点線
の曲線は負の基板のスペクトラムを示す。
【0037】図7〜図9の結果は、D85N BRの薄
膜への電界の印加が、大きな電子有色色変化を作り出す
BR分子の留分中のシッフ塩基のデプロトネーションに
至ることを明瞭に示している。
【0038】上記に説明した実施例は、本発明の応用を
表わすことができる多くの可能な特定の実施例のうちの
いくつかだけの例示であることを理解すべきである。多
くの変更された他の配置が、本発明の精神及び範囲から
逸脱することなく当業者によって行なわれ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による単一の光スイッチングセルの略断
面図である。
【図2】図1に示されたタイプのスイッチングセルから
構成された光ディスプレイ装置の断面図である。
【図3】レチナール、すなわち電子有色バクテリオロド
プシンの発色団の構造図である。
【図4】バクテリオロドプシンの光サイクルを示すブロ
ック図である。
【図5】バクテリオロドプシンの吸収スペクトラムであ
る。
【図6】その光サイクルの間にバクテリオロドプシンで
示される構造状態の順序を示す。
【図7】D85Nバクテリオロドプシンからなる無方向
性薄膜のpH誘導差スペクトラムを示す。
【図8】D85Nバクテリオロドプシンからなる無方向
性薄膜の電界誘導差スペクトラムを示す。
【図9】D85Nバクテリオロドプシンからなる方向性
薄膜の光吸収スペクトラムへの電界極性の効果を示す。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧印加により色を変化させる光スイッ
    チング装置であって、裏面壁と、透明前面壁と、前記裏
    面壁と前記前面壁間に配置された電子有色たんぱく質か
    らなる層と、前記層に電圧を印加することにより前記層
    より反射される光の色を変化させる一対の電極とからな
    る光スイッチング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光スイッチング装置に
    おいて、前記一対の電極のうちの第1の電極は前記裏面
    壁に配置され、前記一対の電極のうちの第2の電極は前
    記前面壁に配置され、前記第2の電極は透明伝導領域か
    らなる光スイッチング装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光スイッチング装置に
    おいて、前記電子有色たんぱく質は発色団を含むたんぱ
    く質からなる光スイッチング装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光スイッチング装置に
    おいて、電子有色たんぱく質からなる前記層は脂質二重
    層を含み、前記電子有色たんぱく質は前記二重層に埋め
    込まれている光スイッチング装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光スイッチング装置に
    おいて、前記電子有色たんぱく質はバクテリオロドプシ
    ンである光スイッチング装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光スイッチング装置に
    おいて、電子有色たんぱく質からなる前記層はバクテリ
    ア細胞膜物質からなる光スイッチング装置。
  7. 【請求項7】 電圧印加により色を変化させる光スイッ
    チング装置であって、 裏面壁と、 透明前面壁と、 前記裏面壁と前記前面壁間に配置された電子有色物質か
    らなる層であって、前記電子有色物質が電圧印加に応じ
    て反射光の色を変化させるために電界誘導シッフ塩基プ
    ロトネーション及びデプロトネーションが可能な物質か
    らなる層と、 電子有色物質からなる前記層に電圧を印加する第1及び
    第2の電極とからなる光スイッチング装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光スイッチング装置に
    おいて、前記第1の電極は前記裏面壁に配置され、前記
    第2の電極は前記前面壁に配置され、前記第2の電極は
    透明伝導領域からなる光スイッチング装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の光スイッチング装置に
    おいて、前記電子有色層は脂質二重層を含む光スイッチ
    ング装置。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層はバクテリア 細胞膜物質か
    らなる光スイッチング装置。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は電子有色たんぱく質を含む
    脂質二重層からなる光スイッチング装置。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層はバクテリオロドプシンから
    なる光スイッチング装置。
  13. 【請求項13】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は、細胞膜物質と、発色団を
    含む電子有色たんぱく質とからなる光スイッチング装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層はレチナールまたはレチナー
    ル類縁化合物を含むたんぱく質からなる光スイッチング
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は13トリフルオロメチルレ
    チナールを含むたんぱく質からなる光スイッチング装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は11−14エポキシレチナ
    ールを含むたんぱく質からなる光スイッチング装置。
  17. 【請求項17】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は13−デメチル1−9,1
    2−レチナールを含むたんぱく質からなる光スイッチン
    グ装置。
  18. 【請求項18】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は突然変異D85N エイチ
    ・サリナリウム バクテリアからの細胞膜物質からなる
    光スイッチング装置。
  19. 【請求項19】 請求項7に記載の光スイッチング装置
    において、前記電子有色層は、細胞質基質面と細胞外面
    を有するバクテリア 細胞膜物質からなり、前記層は、
    前記細胞外面の75%以上が同一方向を向くように方向
    づけられている光スイッチング装置。
  20. 【請求項20】 請求項1、2、3、4、5または6に
    よる複数の光スイッチング装置からなる光ディスプレイ
    装置。
  21. 【請求項21】 請求項7、8、9、10、11、1
    2、13、14、15、16、17、18または19に
    よる複数の光スイッチング装置からなる光ディスプレイ
    装置。
JP9085441A 1996-04-05 1997-04-04 高効率光スイッチング及びディスプレイ装置 Pending JPH1031239A (ja)

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