JPH10314234A - 動力補助機付き車椅子 - Google Patents

動力補助機付き車椅子

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JPH10314234A
JPH10314234A JP9133235A JP13323597A JPH10314234A JP H10314234 A JPH10314234 A JP H10314234A JP 9133235 A JP9133235 A JP 9133235A JP 13323597 A JP13323597 A JP 13323597A JP H10314234 A JPH10314234 A JP H10314234A
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wheelchair
power
control operation
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frame
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JP9133235A
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English (en)
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Toshiyasu Takura
敏靖 田倉
Yoshifumi Tanabe
佳史 田辺
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助駆動状態を制動作用とともに円滑に行っ
て安全性の高い動力補助を行うことができる車椅子を得
ることである。 【解決手段】 電動機と減速機構と駆動輪34とをユニ
ット化して形成した動力補助機Aを車椅子1の中央下部
に設けた動力補助機付き車椅子において、左右車輪16
のそれぞれを制動するブレーキ手段と前記電動機による
動力補助量を制御する補助量制御手段とを備えた制御操
作ユニット72を前記車椅子1の左右に設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機と減速機構
と駆動輪とをユニット化して形成した動力補助機を車椅
子の中央下部に設けた動力補助機付き車椅子に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電動によって動力が補助される車
椅子として、特開平3−15468号公報に開示されて
いるように、駆動輪にトルク検出手段を介して操作輪を
連結し、そのトルク検出値に基づいてモータを制御する
コントローラを設けたものや、特開平6−86790号
公報に示されているように、一般の車椅子に取り付けて
電動化することができる装置の着脱によって手動と電動
との両方に使い分けすることができるようにした機構な
どが提案されている。
【0003】また、特願平3−15468号において、
車椅子の下部に設けた1輪の駆動補助輪により動力補助
を行うようにした動力補助機付き車椅子が本出願人によ
り出願されている。すなわち、使用者又は介護者による
走行の意志に基づいて駆動力を補助的に与えることがで
きるようにし、かつ、その走行の意志を加速度センサに
より検知して補助動力の付与や遮断を行わせるようにす
るとともに傾斜センサを備えて登り坂では自動的に補助
動力を与えるようにしているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】手動と電動との切り替
えが任意に行える車椅子において、直進時の補助動力制
御は制御可能であるが、左右に転回する場合にその操作
が容易であり、かつ、安全であるように配慮したものは
ない。
【0005】本発明は、安全な旋回操作を行うことがで
きるとともに、加速度に基づく使用者又は介護者による
走行の意志を検知することができ、かつ、坂道での駆動
制御を行う作用を簡単な構造で得ることができるように
した動力補助機付き車椅子を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
電動機と減速機構と駆動輪とをユニット化して形成した
動力補助機を車椅子の中央下部に設けた動力補助機付き
車椅子において、左右車輪のそれぞれを制動するブレー
キ手段と前記電動機による動力補助量を制御する補助量
制御手段とを備えた制御操作ユニットを前記車椅子の左
右に設けたものである。従って、制御操作ユニットが左
右に設けられているため、左右の車輪を独立的に制御し
てその旋回を容易に行うことができるものである。
【0007】請求項2記載の発明は、片側の車輪にブレ
ーキをかけた時の動力補助機の動力補助量をブレーキを
かけない状態の動力補助量よりも減少させるようにした
ものである。従って、旋回時に急転回する危険性を回避
することができる。
【0008】請求項3記載の発明は、両側の車輪への動
力補助機の動力補助量が一定値以下となった時に、動力
補助が完全に行われなくなるようにした動力補助停止手
段を設けたものである。従って、ブレーキをかける前に
動力補助がなされなくなっているため、確実かつ安全に
旋回や停止を行うことができる。
【0009】請求項4記載の発明は、制御操作ユニット
の補助量制御手段を傾斜と加速度とを同時に検出する傾
斜・加速度センサにより形成したものである。従って、
加速度により使用者や介護者の走行の意志を検知して制
御することや坂道での駆動制御を同時に行わせることが
できる。
【0010】請求項5記載の発明は、制御操作ユニット
を車椅子の左右に回動自在に取り付け、これらの制御操
作ユニットに、前方に倒すと補助動力量が増大し手前に
倒すとブレーキがかかるように操作レバーを取り付けた
ものである。従って、車椅子の駆動制御を使用者の感覚
に合わせて自然な状態で行うことができ、非常に操作し
やすい状態を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面に基
づいて説明する。まず、車椅子1は、JIS規格に基づ
いて製作された一般のものであり、この車椅子1は、パ
イプ状の部材によるフレーム2を基礎にして組み立てら
れている。このフレーム2は、両側に位置して互いの間
隔を広げたり縮めたりできるようにX字状の図示しない
連結金具により連結された側枠3よりなっている。これ
らの側枠3は、前方に位置する垂直な前枠4と後方に位
置する垂直な後枠5と上下に位置して前記前枠4と前記
後枠5とを連結する水平な下枠6と上枠7とを備えてい
る。そして、前記前枠4の下端には、直径の小さな前輪
8が取り付けられ、前記後枠5の上端には、上方に延び
てから後方に突出するハンドル部9が設けられ、前記上
枠7には肘掛部10が設けられている。また、前記側枠
3の中間部には、水平部11を有する中枠12が固定さ
れ、これらの中枠12の先端には、前記前枠4より前方
へ下向きに突出するとともに水平状態から垂直状態の間
で回動する足掛け部13が形成されている。さらに、前
記中枠12の前記水平部11には、布等により形成され
た座席シート14が懸け渡されている。前記後枠5にも
布等により形成された背凭れシート15が懸け渡されて
いる。ついで、前記側枠3の後方には、直径の大きな主
駆動輪16(車輪)が回転自在に取り付けられている。
これらの主駆動輪16の外側には、その主駆動輪16の
外径よりも僅かに小さな外径の輪体状のハンドリム17
が固定されている。
【0012】ついで、前記車椅子1に着脱自在に取り付
けられる動力補助機Aが設けられている。まず、左右の
前記側枠3の下方後部には、板材により形成されたステ
ーホルダ18が着脱自在に取り付けられている。これら
のステーホルダ18は、その下縁後方に一体的に屈曲形
成されて前記下枠6に内方から外方に向けて嵌め込まれ
る半円弧状の保持部19と、上方前方に一体的に屈曲形
成されて前記後枠5に内方から外方に向けて嵌め込まれ
る保持部20とを有する。そして、前記保持部20は、
内方からねじ込まれた固定ボルト21により固定され、
これにより、前記ステーホルダ18は前記側枠3に着脱
自在に取り付けられている。すなわち、前記ステーホル
ダ18は、前記後枠5と前記下枠6の交差する後方部分
に固定的に取り付けられている。
【0013】このように形成されたステーホルダ18に
は、円筒状のボス部22が突出形成され、このボス部2
2には、ステーパイプ23が嵌合して固定されている。
このステーパイプ23は、互いに摺動自在に嵌合する大
径の径大ステー24とこの径大ステー24に嵌り込む小
径の径小ステー25とよりなり、中間部にそれぞれ形成
されたピン穴26,27にセンターピン28を嵌め込む
ことにより最も長くなった状態に固定されている。前記
ステーパイプ23の径大ステー24には、ボス29が嵌
め込まれており、このボス29も前記センターピン28
により前記ステーパイプ23に固定されている。
【0014】前記ボス29の両端には、ベアリング30
を介してフレームステー31が回動自在に取り付けられ
ている。これらのフレームステー31は、互いに相対向
しているものであり、この下端には、軸受ホルダ32が
取り付けられ、これらの軸受ホルダ32に保持されたベ
アリング33により駆動輪34が回転自在に保持されて
いる。
【0015】前記ステーホルダ18には、電動機35が
固定されており、この電動機35と前記駆動輪34と
は、動力伝達機構36により連結されている。すなわ
ち、前記電動機35の駆動軸37には、前記電動機35
の回転を検出する検出手段を備えてこの検出手段の出力
に基づいて動力伝達を断続する遠心クラッチ38が連結
されている。この遠心クラッチ38は、一対の引張ばね
39で中心方向に付勢された検出手段として作用する一
対のクラッチウェイト40を有する。これらのクラッチ
ウェイト40は、そのクラッチウェイト40に形成され
た外方へ突出する係合突起41が摺動自在に挿入される
ガイド切欠42を有する駆動側輪体43に取り付けられ
ている。この駆動側輪体43の外側には、前記クラッチ
ウェイト40の前記係合突起41が係脱する多数のクラ
ウン状の歯44を有する従動側輪体45が設けられてい
る。従って、前記遠心クラッチ38は、一対のクラッチ
ウェイト40を保持する駆動側輪体43とこの駆動側輪
体43が回動自在に嵌合する従動側輪体45とよりなっ
ている。
【0016】しかして、一方の前記フレームステー31
の内面側には、サブフレーム46が固定され、このサブ
フレーム46と前記フレームステー31との間には、減
速機構Bが設けられている。すなわち、前記サブフレー
ム46と前記フレームステー31との間には、軸受4
7,48,49によりそれぞれ回転自在に支持された第
一中間歯車50、第二中間歯車51、第三中間歯車52
が設けられている。前記第一中間歯車50は、大径の従
動歯車部53と小径の駆動歯車部54とが同心的に一体
形成されたものであり、前記第二中間歯車51は、大径
の従動歯車部55と小径の駆動歯車部56とが同心的に
一体形成されたものであり、前記第三中間歯車52は、
大径の従動歯車部57と小径の駆動側歯車部58とが同
心的に一体形成されたものである。そして、前記遠心ク
ラッチ38の前記従動側輪体45は、軸受45aにより
保持されており、前記従動側輪体45の背面には、小径
の駆動歯車59が形成されている。この駆動歯車59
は、前記第一中間歯車50の大径の従動歯車部53に噛
み合わされている。この第一中間歯車50の小径の駆動
歯車部54は、第二中間歯車51の大径の従動歯車部5
5に噛み合わされている。この第二中間歯車51の小径
の駆動歯車部56は、第三中間歯車52の大径の従動歯
車部57に噛み合わされている。さらに、前記駆動輪3
4の一側には、受動歯車部60が形成され、この受動歯
車部60には、前記第三中間歯車52の小径の駆動側歯
車部58が噛み合わされている。
【0017】前記ボス29の角柱部61には、コの字形
に形成されたホルダ62が固定されている。このホルダ
62は、板金材料によりプレス成型されたものであり、
その一側には、ストッパー部を兼ねたスプリング掛け部
63が一体形成されている。また、前記フレームステー
31の下方には、スプリング掛け部64が屈曲形成され
ている。しかして、前記ボス29の円柱部65には、コ
イル状に巻回されたスプリング66が取り付けられ、こ
のスプリング66の一方の脚67は前記スプリング掛け
部63に係止され、他方の脚68は前記スプリング掛け
部64に係止されている。そのため、前記フレームステ
ー31は、駆動輪34が前方へ移動する方向に付勢され
ている。すなわち、前記フレームステー31の回動中心
は、ステーパイプ23であり、このステーパイプ23の
位置よりも前記駆動輪34は後方へ変位した位置に位置
決めされており、前記駆動輪34に地表69に対する圧
接力を増加する方向に前記フレームステー31は前記ス
プリング66により付勢されているものである。そし
て、前記フレームステー31の上縁には、両側のフレー
ムステー31を連結する状態で上板70が固定されてい
る。また、前記フレームステー31は、車椅子1のフレ
ーム2の一部に当接することにより前方への移動を停止
させて位置決めされている。
【0018】さらに、前記フレームステー31には、磁
気ホール素子等により形成された回転数検出センサ71
が取り付けられている。この回転数検出センサ71は、
前記減速機構Bの第一中間歯車50の歯数を検出して前
記電動機35の回転数を制御するための信号を得るため
のものである。また、図示しないが、車椅子1の下方空
間部に、電動機35を駆動するための電源となるバッテ
リーが載置されている。そして、回転数検出センサ71
とに接続された制御回路が設けられており、この制御回
路を経て前記電動機35の動作制御がなされている。
【0019】ついで、前記車椅子1のフレーム2には、
前記主駆動輪16の前側に位置させて左右にそれぞれ独
立した制御操作ユニット72が取り付けられている。こ
の制御操作ユニット72は、前記フレーム2に固定され
た制御ボックス73を有し、この制御ボックス73に
は、三本の支軸74,75,76が固定的に設けられ、
第一の支軸74には、ブレーキシュー77を有するブレ
ーキ組立78(ブレーキ手段)の一端が回動自在に取り
付けられ、第二の支軸75には傾斜・加速度センサ79
を保持するセンサユニット80が回動自在に取り付けら
れ、第三の支軸76には、リンク機構81の一方のリン
ク82が回動自在に取り付けられている。そして、前記
ブレーキ組立78には引張ばね83が結合されて時計方
向に付勢されており、かつ、連結軸84により前記リン
ク機構81の他方のリンク85が回動自在に連結されて
いる。このリンク85の他端と前記リンク82の一端と
は結合軸86により回動自在に結合されているととも
に、この結合軸86には操作レバー87も回動自在に結
合されている。また、前記操作レバー87の下端には、
駆動ピン88が固定され、この駆動ピン88は前記セン
サユニット80に形成された縦方向に長い長孔89に摺
動自在に嵌合されている。
【0020】つぎに、前記センサユニット80の具体的
構造を説明する。まず、支持台90には、板ばね91の
上端が固定されている。この板ばね91は、その幅寸法
が大きく形成されており、かつ、その厚さは0.05〜
0.5mm程度である。このような板ばね91の下端に
は、ウェィトとなるマグネット保持台92が固着されて
いる。このマグネット保持台92の手前側に開口する凹
部93内には、前記板ばね91の撓み方向に長い直方体
形状、すなわち、移動方向に長い形状の永久磁石94が
取り付けられている。この永久磁石94の着磁面は、前
後方向(図10においては左右方向、図11においては
前後方向)に位置しているものである。ついで、前記支
持台90には、PC板95の上端が固定されている。こ
のPC板95の前記永久磁石94に近接して対向する位
置には、検出手段としての磁気抵抗素子96が取り付け
られている。この磁気抵抗素子96は、図12に等価的
に示すように、互いにブリッジ結合された4個の可変抵
抗部97を備えているものであり、端子に電圧を印
加した時に、磁界Hの変化に基づいて端子に出力電
圧が発生するものである。具体的には、磁界Hに対して
可変抵抗部97は、左右45°の方向の磁界Hをそれぞ
れ検出するものであり、これらの2つの出力の差が出力
となって現われるものである。
【0021】ついで、前記支持台90は、磁気遮蔽機能
を有するカバー98に取り付けられている。そして、前
記カバー98は、前記板ばね91、前記永久磁石94、
前記PC板95の外周を覆っている。また、前記カバー
98の前記永久磁石94の移動方向の両端に対向する位
置には、その永久磁石94の有効振れ幅を永久磁石94
の長さの1/2以下となるように規制する緩衝規制手段
としてのストッパ99が固定されている。
【0022】このような構成において、その使用方法は
一般の車椅子1を使用する場合と同様である。まず、一
般の車椅子1にユニット化されて形成された動力補助機
Aを取り付けて使用する。その取り付けは、ステーホル
ダ18を側枠3に嵌め込んで固定ボルト21で固定する
ことにより行う。そして、保管時においては、図2に示
すように、折り畳んで幅方向に縮小した状態にしてある
が、使用に当っては図1に示すように幅方向に広げる。
この時、動力補助機Aのステーパイプ23は径大ステー
24と径小ステー25とがスライドして延びるため、側
枠3の間隔が拡大してもそれらの側枠3に取り付けられ
たステーホルダ18がステーパイプ23の伸びに追従し
てそれらの間隔を拡大する。このようにして幅を広げる
ことにより、座席シート14と背凭れシート15とが水
平に展張した緊張状態になり、かつ、ステーホルダ18
のピン穴26,27にセンターピン28を挿入すること
によりステーホルダ18の径大ステー24と径小ステー
25との位置が固定されて最も長くなった状態に固定さ
れる。逆に、車椅子1を折り畳む場合には、ステーホル
ダ18からセンターピン28を抜き取ることで動力補助
機Aを取り付けたままで行うことができる。そして、折
り畳み時には不要となるセンターピン28は、その紛失
を防ぐために、鎖等を用いてフレームステー31に連結
しておくことが望ましい。
【0023】前述のように、使用可能な状態にセットす
ると、通常の使用状態、すなわち、患者や歩行不能な
人、すなわち、使用者が座席シート14に座り、自らハ
ンドリム17を操作して主駆動輪16を回すか、介護者
がハンドル部9を把持して押すかして使用される。ま
た、操作レバー87を操作する使用方法もある。いずれ
の場合にも、車椅子1が静止状態から動きだすと、傾斜
・加速度センサ79がその動きを検出する。この時、操
作レバー87を操作しない使用状態においては、操作レ
バー87の位置は、図9(b)に示す状態であり、傾斜・
加速度センサ79は垂直状態にあるものとする。この始
動時においては、遠心クラッチ38が切断状態にあるた
めに動力補助機Aがない状態と同様であり、動力伝達機
構36は関係のない状態にあり、動作時の抵抗はない。
そして、傾斜・加速度センサ79からの信号が制御回路
に与えられると、電動機35が回転を始める。この電動
機35の回転により、駆動軸37に固定された駆動側輪
体43が同速回転を始める。この駆動側輪体43ととも
にクラッチウェイト40も同速回転するため、それらの
クラッチウェイト40には遠心力が発生し、回転数が所
定値に達すると、引張ばね39の引張力に抗してクラッ
チウェイト40は互いに離反する外側方向に移動する。
すなわち、クラッチウェイト40の係合突起41が駆動
側輪体43のガイド切欠42に案内されて互いのクラッ
チウェイト40が離反する方向に移動する。この移動が
進行すると、クラッチウェイト40の係合突起41が従
動側輪体45の歯44に係合する。これにより、静止し
ていた従動側輪体45がクラッチウェイト40を介して
駆動側輪体43に機械的に結合され、これにより、両者
は一体となって回転する。この従動側輪体45が回転す
ることにより、減速機構Bを介して駆動輪34が駆動さ
れることになる。すなわち、従動側輪体45が回転する
と、第一中間歯車50、第二中間歯車51、第三中間歯
車52の順に動力が伝達され、かつ、その回転数は順次
減速される。そして、第三中間歯車52の小径の駆動側
歯車部58が駆動輪34と一体の受動歯車部60に噛み
合っているため、駆動輪34が電動機35の駆動力を受
けて回転することになる。なお、電動機35の回転が停
止すると、車椅子1の走行は減速され、遠心クラッチ3
8は切れる。すなわち、クラッチウェイト40に作用す
る遠心力が弱くなるため、引張ばね39の力によりクラ
ッチウェイト40は中心方向に移動し、その係合突起4
1が従動側輪体45の歯44から外れる。そのため、従
動側輪体45に駆動力が作用せず、車椅子1は自由状態
になる。
【0024】このようにして駆動輪34は回転駆動され
るが、動力補助機Aは、ステーパイプ23を中心にして
その駆動輪34が地表69に接するようにスプリング6
6で付勢されているため(図4にβ方向として示す)、
駆動輪34は適当な接地圧をもって車椅子1を駆動す
る。この駆動は、車椅子1の左右方向中心部で行われる
ため、直進性が良好であるとともに、車椅子1側で図示
しない操縦装置を使用して左右方向に旋回する場合でも
良好な駆動状態を示す。特に、地表69に凹凸があった
場合などには、動力補助機Aが回動(図4のα方向)し
て駆動輪34が一時的に上昇してその凸部を乗り上げ
る。そして、凸部を超えたときには、スプリング66の
力により、再び動力補助機Aは原位置に復帰する。
【0025】また、電動機35の回転数、すなわち、駆
動輪34の回転数は、回転数検出センサ71による検出
信号により予め定めた一定値に設定されている。すなわ
ち、回転数検出センサ71は、動力伝達機構36の第一
中間歯車50の大径の従動歯車部53の歯を検出してい
るものであり、所定時間内の歯数をカウントすることに
より駆動輪34の回転数が検出される。これにより、駆
動輪34の回転数を予め定めた一定回転数に設定するこ
とが可能である。このようにして制御される走行速度
は、安全性を確保するために、6km/h以下であるよ
うに設定されている。
【0026】さらに、傾斜・加速度センサ79は、車椅
子1の傾斜をも検出している。この傾斜が登り坂である
場合には、電動機35の出力を増加させる。すなわち、
駆動輪34の回転数が一定であるように制御する。ま
た、下り坂である場合には、電動機35を停止させて動
力伝達を遮断する。この動力遮断は、平坦地を走行中で
あってもなんらかの理由により、車椅子1を制動した場
合にも行われる。すなわち、車椅子1を制動すると、傾
斜・加速度センサ79により加速度としてマイナスの加
速度が検出され、検出信号がマイナス加速度である場合
には、電動機35に対する通電を遮断して停止させる。
【0027】しかして、前記傾斜・加速度センサ79の
動作をさらに詳細に説明する。まず、車椅子1が水平の
状態においては、図11(a)に示す状態であるが、その
車椅子1が前又は後に角度θだけ傾いたとすると、図1
1(b)又は図11(c)に示すように支持台90も傾斜
し、板ばね91が変形して磁気抵抗素子96に対しては
永久磁石94の位置が変位する。この永久磁石94の着
磁面は、図13に示すように、磁気抵抗素子96にN極
が面するように位置している。図13には磁気抵抗素子
96自体を図示していないが、永久磁石94が基準位置
Oからmだけ移動した状態が示されており、磁気抵抗素
子96は基準位置Oを基準として45°異なった方向の
磁界の強さを検出する。すなわち、永久磁石94が基準
位置Oに位置している時に、磁気抵抗素子96の45°
異なった方向の可変抵抗部97のそれぞれが磁界Hを検
出しているものとすると、図13に示す状態おいては、
永久磁石94がmだけ変位しているため、可変抵抗部9
7により検出値は、一方がHcosθとなり、他方がH
sinθとなる。そのため、図12に示す回路からの出
力は、これらの両者の差に相当する出力、すなわち、H
×(cosθ−sinθ)の値に比例した電圧となる。
従って、車椅子1が水平な状態の図11(a)の時に、一
定の出力が発生しているものとすると、図11(b)のよ
うに永久磁石94が前方方向に変位した時には出力電圧
は減少し、図11(c)に示すように永久磁石94が後方
方向に変位した時には出力電圧は増加する。
【0028】また、図11においては、車椅子1が傾斜
したものとして説明したが、車椅子1の動きに加速度が
存する場合には、加速度が作用する方向と逆方向に永久
磁石94が移動するため、前述の車椅子1が傾斜した時
と全く同様に加速度を検出することができる。
【0029】なお、永久磁石94の形状は、移動方向に
長いものであればよく、上方から見て円盤状の円形に形
成することも可能である。いま、永久磁石94の直径を
4dとし、その永久磁石94と磁気抵抗素子96との距
離がd、1.5d、2d と変化した時の観測点における
磁束密度の分布状態を図14に示す。そして、このよう
な磁束密度の分布を示す永久磁石94が移動した時の出
力変化の状態を図15に示す。すなわち、図15におい
ては、横軸が直径4dの永久磁石94の移動距離を示
し、縦軸がその時の出力を示す。そのため、移動量が小
さい状態においては、移動量と出力との関係は直線性を
示しているものであるが、移動量が大きくなると検出出
力の値は低下するため、直線性はなくなる。図15に示
す状態においては、永久磁石94と磁気抵抗素子96と
の距離がd、1.5d、2d と三種に変化しても、いず
れの場合にも直径の1/2程度までの移動量の範囲であ
れば直線性を示しているものである。
【0030】しかして、実施に当っては、永久磁石94
の振れ量は、ストッパ99によりその長さの1/2以下
であるように規定されている。このように規定する必要
性は、強い衝撃や加速度を受けた時に、永久磁石94の
振動の減衰を早める作用を得ると云う第一の理由と、磁
気抵抗素子96の出力に直線性を持たせるためと云う第
二の理由とによるものである。
【0031】まず、第一の理由については、永久磁石9
4の振れ量が小さいことから必然的に板ばね91の変形
量が少なくなり、可動部分に過大な力が作用することが
なく、また、振動の減衰も速い。従って、構造的な強度
も高いものである。つぎに、第二の理由については、前
述のように、図15に基づいて説明した通りである。
【0032】つぎに、使用者が操作レバー87を操作し
た時の動作について説明する。まず、図9(b)に示す状
態は中立位置であり、傾斜・加速度センサ79の動作に
ついては前述の通りである。そして、図9(a)に示すよ
うに、操作レバー87を前方に倒すと、電動機35は駆
動状態になり、図9(c)に示すように、操作レバー87
を後方に倒すと、ブレーキシュー77が主駆動輪16の
外周面に圧接されて制動作用を示す。
【0033】すなわち、図9(a)に示すように、操作レ
バー87を前方に倒すと、その操作レバー87は結合軸
86を中心に回動し、駆動ピン88が長孔89を介して
センサユニット80を押圧してそのセンサユニット80
は支軸75を中心にして時計方向にα度だけ回動する。
この状態は、車椅子1が登り坂に位置する時、あるい
は、使用者若しくは介護者により駆動力を与えられて加
速された状態に等しいものであり、電動機35により補
助動力を与えるように制御する。すなわち、磁気抵抗素
子96からの出力は、図示しない補助量制御手段として
作用する演算処理回路で演算処理されて制御出力が出力
される。そのため、使用者が操作レバー87の操作量を
適宜調節することにより、使用者の意志により任意レベ
ルの動力補助量を選択することができる。もちろん、セ
ンサユニット80に設けられた傾斜・加速度センサ79
は、前述のように、車椅子1の傾斜や加速度を検出する
ため、操作レバー87を操作した時の駆動制御は、傾斜
や加速度に重畳した状態でその制御が行われる。
【0034】ついで、右又は左の操作レバー87を図9
(c)に示すように手前に引いて片側の主駆動輪16を制
動する状態を説明する。操作レバー87を手前側に引く
と、駆動ピン88が支軸75を中心にセンサユニット8
0を反時計方向にβ度だけ回動させる。同時に、センサ
ユニット80の回動は図示しないストッパにより一定範
囲に限定されているので、操作レバー87は駆動ピン8
8を中心に回動して結合軸86が右方へ移動し、ブレー
キ組立78を反時計方向に回動させてブレーキシュー7
7を主駆動輪16に圧接し、制動作用を示す。しかし
て、この時のセンサユニット80の傾斜は、車椅子1が
下り坂にかかった状態と同様であり、電動機35による
駆動は停止状態となる。
【0035】このようにして一方の操作レバー87の操
作により片側の主駆動輪16が制動された時、電動機3
5の駆動は、他方のセンサユニット80の姿勢に基づく
制御、すなわち、駆動状態に変化が生じない状態で継続
すると、旋回状態にありながら走行速度に変化がないこ
とになり、危険である。そこで、本実施の形態において
は、片側の主駆動輪16が制動されたときには、電動機
35による補助駆動を弱い状態で行うようにして走行速
度を低下させる。これにより、緩やかな速度で駆動され
るため、横転するようなことがなく、安全性は確保され
る。
【0036】つぎに、走行中において停止しようとする
場合には、両側の操作レバー87を同時に手前側に引
く。これにより、両側の主駆動輪16はブレーキシュー
77により同時に制動されるが、本実施の形態において
は、両側の操作レバー87を手前側に引いた場合には、
ブレーキシュー77が主駆動輪16の外周に接する直前
において、動力補助停止手段により電動機35による駆
動が解除されるように設定されている。そのため、効率
良く制動することが可能なものである。そのため、ブレ
ーキをかけながら下り坂を安全に下ることができ、しか
も、ブレーキをかける前に補助動力駆動を停止している
ため、無駄な電池の消耗を防止する。
【0037】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、電動機と減速機
構と駆動輪とをユニット化して形成した動力補助機を車
椅子の中央下部に設けた動力補助機付き車椅子におい
て、左右車輪のそれぞれを制動するブレーキ手段と前記
電動機による動力補助量を制御する補助量制御手段とを
備えた制御操作ユニットを前記車椅子の左右に設けたの
で、制御操作ユニットが左右に設けられているため、左
右の車輪を独立的に制御してその旋回を容易に行うこと
ができると云う効果を有する。
【0038】請求項2記載の発明は、片側の車輪にブレ
ーキをかけた時の動力補助機の動力補助量をブレーキを
かけない状態の動力補助量よりも減少させるようにした
ので、旋回時に急転回して横転するような危険性を回避
することができると云う効果を有する。
【0039】請求項3記載の発明は、両側の車輪への動
力補助機の動力補助量が一定値以下となった時に、動力
補助が完全に行われなくなるようにした動力補助停止手
段を設けたので、ブレーキをかける前に動力補助がなさ
れなくなっているため、確実かつ安全に旋回や停止を行
うことができると云う効果を有する。
【0040】請求項4記載の発明は、制御操作ユニット
の補助量制御手段を傾斜と加速度とを同時に検出する傾
斜・加速度センサにより形成したので、加速度により使
用者や介護者の走行の意志を検知して制御することや坂
道での駆動制御を同時に行わせることができると云う効
果を有する。
【0041】請求項5記載の発明は、制御操作ユニット
を前方に倒すと補助動力量が増大し、手前に倒すとブレ
ーキがかかるように操作レバーを付けて車椅子の左右に
回動自在に取り付けたので、車椅子の駆動制御を使用者
の感覚に合わせて自然な状態で行うことができ、非常に
操作しやすい状態を得ることができると云う効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す使用状態における
斜視図である。
【図2】収納するために折り畳んだ状態の斜視図であ
る。
【図3】車椅子に取り付けた動力補助機部分の側面図で
ある。
【図4】車椅子に取り付けた動力補助機部分で一方のフ
レームステーを取り去った状態の側面図である。
【図5】動力補助機の減速機構部分の縦断背面図であ
る。
【図6】車椅子に取り付けられた動力補助機のステーパ
イプ部分を切り欠いた縦断側面図である。
【図7】動力切断状態の遠心クラッチの正面図である。
【図8】動力接続状態の遠心クラッチの正面図である。
【図9】制御操作ユニットを示すもので、(a)は操作レ
バーを前方へ倒した状態の縦断側面図、(b)は中立位置
の縦断側面図、(c)は操作レバーを手前側に引いた制動
状態の縦断側面図である。
【図10】傾斜・加速度センサの縦断側面図である。
【図11】そのPC板を取り外した状態を示すもので、
(a)は被検出体が水平状態であった場合の正面図、(b)
は被検出体が前方へ傾斜した状態の正面図、(c)は被検
出体が後方へ傾斜した状態の正面図である。
【図12】磁気抵抗素子の構成を等価的に示した回路図
である。
【図13】永久磁石が移動した時に45°異なった方向
で検出される磁束の状態を示す説明図である。
【図14】永久磁石の磁束の分布状態を示すもので、
(a)は永久磁石と磁気抵抗素子との距離がdの場合の説
明図、(b)は永久磁石と磁気抵抗素子との距離が1.5
d の場合の説明図、(c)は永久磁石と磁気抵抗素子と
の距離が2dの場合の説明図である。
【図15】永久磁石の移動と検出出力との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 車椅子 16 車輪 34 駆動輪 35 電動機 72 制御操作ユニット 78 ブレーキ手段 79 傾斜・加速度センサ A 動力補助機 B 減速機構

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機と減速機構と駆動輪とをユニット
    化して形成した動力補助機を車椅子の中央下部に設けた
    動力補助機付き車椅子において、左右車輪のそれぞれを
    制動するブレーキ手段と前記電動機による動力補助量を
    制御する補助量制御手段とを備えた制御操作ユニットを
    前記車椅子の左右に設けたことを特徴とする動力補助機
    付き車椅子。
  2. 【請求項2】 片側の車輪にブレーキをかけた時の動力
    補助機の動力補助量をブレーキをかけない状態の動力補
    助量よりも減少させるようにしたことを特徴とする請求
    項1記載の動力補助機付き車椅子。
  3. 【請求項3】 両側の車輪への動力補助機の動力補助量
    が一定値以下となった時に、動力補助が完全に行われな
    くなるようにした動力補助停止手段を設けたことを特徴
    とする請求項1記載の動力補助機付き車椅子。
  4. 【請求項4】 制御操作ユニットの補助量制御手段を傾
    斜と加速度とを同時に検出する傾斜・加速度センサによ
    り形成したことを特徴とする請求項1記載の動力補助機
    付き車椅子。
  5. 【請求項5】 制御操作ユニットを車椅子の左右に回動
    自在に取り付け、これらの制御操作ユニットに、前方に
    倒すと補助動力量が増大し手前に倒すとブレーキがかか
    るように操作レバーを取り付けたことを特徴とする請求
    項1又は4記載の動力補助機付き車椅子。
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