JPH10314813A - プラグの冷却方法および装置 - Google Patents

プラグの冷却方法および装置

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JPH10314813A
JPH10314813A JP13241897A JP13241897A JPH10314813A JP H10314813 A JPH10314813 A JP H10314813A JP 13241897 A JP13241897 A JP 13241897A JP 13241897 A JP13241897 A JP 13241897A JP H10314813 A JPH10314813 A JP H10314813A
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cooling liquid
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誠 中世古
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晃夫 藤林
Tatsuro Katsumura
龍郎 勝村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピアサーおよびエロンゲータ用の穿孔プラグ
の冷却効率を向上し、耐用回数を増加する。 【解決手段】 筒状の二重容器2の内管7には、複数の
噴射孔3が穿設されている。噴射孔3の各々は、砲弾型
の外形を有するプラグ1の表面に対して冷却液10がほ
ぼ垂直に噴射されるように角度を変えて穿設されてい
る。外管6には、冷却水を供給するための送水管4が外
側から貫通して設けられている。外管6、内管7および
側壁フランジ12によって形成された空間に冷却水10
が充填される。二重容器2によってプラグを被覆し、冷
却水供給機構から送水管4を介して冷却水10を前記空
間に供給し、噴射孔3から冷却水10を前記プラグの表
面に、0.2kgf/cm2 G以上の噴射圧で衝突させ
る。各噴射孔3は角度を変えてあるのでプラグ1の表面
に対してほぼ垂直に冷却水が衝突し高い熱伝達率が得ら
れ冷却効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、広くは継目無管
の製造技術に関し、特に、ピアサーおよびエロンゲータ
用の穿孔プラグ、特に砲弾型の形状を有しているプラグ
の冷却をその球型のプラグ先端部および円筒状のプラグ
基部のいずれも効率よく実施することができる、プラグ
の冷却方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マンネスマンミル方式による継目無鋼管
の製造は、普通、丸鋼(以下、「ビレット」という)を
加熱炉に装入し、約1100〜1300℃近辺の温度に
加熱し、穿孔用のマーク(例えば、案内孔)を設けてか
ら、第1穿孔機(以下、「ピアサー」という)でプラグ
をそのマークに合わせて押し込むことにより、穿孔され
ホローシェルを製造する。更に、第2穿孔機(以下、
「エロンゲータ」という)でホローシェルを拡管、延伸
され、パイプが形成される(以下、「継目無鋼管製造」
という)。このピアサーおよびエロンゲータによって穿
孔する際、プラグはビレットから受ける熱と、加工発熱
および摩擦熱とによって高温となり、溶損等の傷害が発
生する。
【0003】そこで、製造コストを削減するためには、
プラグの寿命(ここでは、「耐用回数」という)の向
上、即ち、1つのプラグで如何に多くのビレットを穿孔
できるかが重要である。
【0004】そのプラグの耐用回数向上のために、現在
までに、プラグの内面に冷却水等の冷却液を送り込んで
冷却することが行われてきたが、プラグ外面を積極的に
冷却することは従来行われていなかった。
【0005】また、近年、高クロム鋼等の高強度の継目
無管の需要が多くなってきているが、クロムを多く含む
高強度ビレットを穿孔する際は、更に穿孔プラグの温度
上昇によるプラグ表面の溶損が問題視されている。
【0006】中でも、高クロム鋼(例えば、9Cr、1
3Cr)を穿孔中の穿孔プラグの表面温度は、普通鋼の
ビレットを穿孔する場合よりも100〜200K高くな
る。これは、穿孔時間が長くなるためと、加工発熱量が
多くなるためである。特にプラグ先端部は、胴部に比べ
て容積が小さいために、高温になりやすく、プラグ先端
部の溶損が大きな障害となっていた。
【0007】プラグ内に冷却水等を送り込む技術として
は、実開昭56−175101号公報、特開昭58−1
68405号公報等が示されている(以下、「先行技術
1」という)。先行技術1は、マンドレルバーを通じて
プラグ内側に水を送り込み、且つ、プラグ先端部または
外周に設けた開口部より水を噴射することによって、ホ
ローシェル内のデスケーリングおよびホローシェル内面
の冷却を目的として行なわれている。従って、プラグそ
のものを冷却する能力は弱く、また、この技術はエロン
ゲータに関するものであり、プラグ先端部から水を噴射
するために、ビレットを穿孔するピアサー用のプラグに
は使用しにくい技術であった。
【0008】プラグそのものを冷却する技術としては、
特開昭61−219404号公報、特開昭62−259
603号公報等に示されるように、穿孔プラグに通じる
マンドレルバー内に冷却水を送水し、穿孔プラグを冷却
する方法がある(以下、「先行技術2」という)。しか
しながら、穿孔技術2では、冷却に十分な冷却水を送水
することができなかった。また、穿孔中のビレット内に
冷却水を噴射しても、プラグ全体、特に、プラグ先端部
に冷却水が行き渡らないため、プラグ先端部が特に高温
になる現象が発生し、プラグ先端部の溶損は回避できな
かった。この冷却方法は、特に、穿孔をする表面と冷却
をする内面とでは温度差が大きいために、冷却を行なっ
ても表面上の熱を十分に吸収できなかった。
【0009】従って、プラグ内面の冷却能力を高めるた
め、特開平3−291106号公報に示されるように、
プラグ内面に凹凸状の冷却溝を設けた穿孔プラグが開発
された(以下、「先行技術3」という)。しかし、表面
温度と内面温度とには差があるため、内面の冷却効率を
高めても大幅な冷却能力の向上は得られず、特にプラグ
先端部の表面の温度を下げることはできなかった。
【0010】現在では、一般的にクロム鋼(9Crや1
3Cr等)等の高合金鋼に使用される穿孔プラグは数回
使用後、プラグを交換して取り外したプラグを水の中に
漬けておく浸漬冷却を行うことにより、プラグの耐久度
を上げている(以下、「先行技術4」という)。しか
し、この方法は、プラグ交換に時間がかかるために、非
常に圧延能率が悪く、圧延ピッチを長くする原因になっ
ており、ひいては、コストアップの原因になっている。
【0011】現状の一般的に行われているプラグ外面冷
却装置は、円形状に広がるスプレーノズル(以下、「フ
ルコーンノズル」という)をプラグ周囲に配置し冷却を
行うものであるが、この方法では、圧延能率を落とさず
に冷却を行おうとしても、十分な冷却能力を得ることが
できず、高合金鋼管の連続穿孔時のプラグ耐用回数は平
均で5〜7回が限度であった。そのときの穿孔中のプラ
グ温度は、プラグ内部に設置された熱電対の測定による
と、プラグ表面近傍では800℃を超えていた。
【0012】穿孔プラグは一般に、表面温度が高温にな
ると表面性状が劣化し、圧延能率が下がるという知見が
得られている。特に、プラグ先端部の温度上昇は激し
く、著しい劣化が見られる。従って、冷却時間を長くす
ることでプラグの耐用回数向上には有効であるが、生産
効率の面から、外面冷却装置での冷却時間を現状より長
くとることは望ましくない。
【0013】従って、冷却時間は現状と同じ程度で、冷
却装置の冷却能力を強化し、特にプラグ先端部の冷却能
力を強化する方法が求められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らか
なように、プラグ内縁の冷却はプラグ全体を冷却する能
力が不十分で、また、浸漬冷却はコストアップの要因と
なっている。プラグ外面からの既存の冷却装置では十分
な冷却を行うことは、圧延時間間隔等から限界であり、
より高い冷却能力を有するプラグ外面の冷却方法の開発
が必要となってきている。
【0015】従って、この発明の目的は、上述の課題を
解決することができる強冷却型のプラグの冷却方法、特
にプラグ先端部の冷却能力を高める冷却方法および冷却
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ピアサーおよびエロンゲータ用の砲弾型のプラグの冷却
方法において、前記プラグの表面に対してほぼ垂直に冷
却液を噴射することに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の発明は、前記プラグの表面
に衝突させる前記冷却液の衝突圧が0.2kgf/cm
2 G以上であることに特徴を有するものである。請求項
3記載の発明は、前記プラグの一部または全体を被覆可
能な、円筒状の内壁、前記内壁の外側の外壁、および、
側壁を有し、前記内壁、前記外壁および前記側壁により
形成された空間に前記冷却液を充填可能な、前記内壁に
複数の噴射孔が設けられた二重容器を用い、前記プラグ
を前記二重容器内に配置し、前記空間内に前記冷却液を
供給し前記内壁の複数の噴射孔から前記冷却液を前記プ
ラグの表面に対してほぼ垂直に噴射して冷却することに
特徴を有するものである。
【0018】請求項4記載の発明は、ピアサーおよびエ
ロンゲータ用の砲弾型のプラグの冷却装置において、前
記プラグの一部または全体を被覆可能な、円筒状の内
壁、前記内壁の外側の外壁、および、側壁からなり、前
記内壁に複数の噴射孔が設けられた、前記内壁、前記外
壁および前記側壁によって形成された空間に冷却液を充
填可能な、二重容器と、前記空間内に冷却液を供給する
ための冷却液供給機構とからなり、前記噴射孔は、前記
プラグの表面に対してほぼ垂直に前記冷却液を噴射可能
に設けられていることに特徴を有するものである。
【0019】請求項5記載の発明は、前記内壁の前記噴
射孔は、砲弾型の外形を有する前記プラグの表面に対し
て前記冷却液がほぼ垂直に噴射可能な角度で穿設されて
おり、前記噴射孔から前記プラグの表面に対してほぼ垂
直に前記冷却液が噴射されることに特徴を有するもので
ある。
【0020】請求項6記載の発明は、前記内壁はその一
部が、前記プラグの先端を除き前記プラグの長手方向の
どの位置においても前記プラグの外径の1.2〜3.0
倍の内径を有する前記プラグの砲弾型の外形と相似する
形状に設けられており、前記噴射孔は前記内壁の表面に
対してほぼ垂直に穿設されており、前記噴射孔から前記
プラグの表面に対してほぼ垂直に前記冷却液が噴射され
ることに特徴を有するものである。
【0021】請求項7記載の発明は、前記噴射孔は、前
記内壁の外周部の冷却液流入口がすり鉢状に形成されて
おり、且つ、内壁厚み内の前記噴射孔の直線部は、前記
噴射孔の冷却液出口部の内径の2倍以上の長さを有して
いることに特徴を有するものである。
【0022】請求項8記載の発明は、請求項4、5、6
または7記載の冷却装置をピアサーおよびエロンゲータ
の位置に配設し、前記ピアサーおよび前記エロンゲータ
においてプラグを用いてビレットから継目無鋼管を製造
し、次いで、前記プラグを前記冷却装置まで移動して前
記プラグの冷却を行ない、次いで、次のビレットにおい
ても再度継目無鋼管の製造および前記プラグの冷却を行
ない、かくして、プラグ冷却を連続的に行うことに特徴
を有するものである。
【0023】一般に、高温部で冷却能力が低下する原因
は、沸騰の状態の違いにある。特に、冷却面表面温度が
約500〜600℃を超えるところで、水(以下、「冷
却水」という)による冷却を行うと、冷却水は直ぐに被
冷却面の温度により蒸発し、冷却面上に蒸気膜を形成
し、冷却水が被冷却面に直接接触できなくなり、冷却能
力が低下する。一般に、この状態を膜沸騰状態という。
特にスプレーノズルは噴射圧が高くても、ノズル噴射孔
より、円錐状に冷却水が拡散されるために、被冷却面接
触時には圧力が低下する。また、一般に冷却水はプラグ
の半径方向から中心に向かって噴射されるために、砲弾
型の形状を有するプラグにおいては、その先端部の球型
の部分は衝突圧が弱まりやすく、図7に示すように数回
穿孔後のプラグ先頭部はかなり温度が高くなる。図7
は、5回穿孔を実施し、5回目の穿孔終了後5秒経過時
のプラグ長手方向の表面温度分布を放射温度計で測定し
た結果を示すグラフである。
【0024】そこで、加熱面に対して垂直に冷却水を噴
射させて、表面温度が800℃での噴射圧と冷却能力と
の関係を調査したところ、噴射圧が0.2kgf/cm
2 G以上になると、膜沸騰の状態が冷却能力が良くなる
遷移沸騰の状態に移行し、冷却能力を表す熱伝達率が良
くなることが見いだされた。図8は、プラグ表面温度が
800℃で胴部で得られた熱伝達率の結果であり噴射圧
力と熱伝達率との関係を示すグラフである。
【0025】また、表面温度が800℃の加熱円柱表面
に対して、冷却水が噴射圧0.4kgf/cm2 Gで、
且つ、冷却水を45〜90度の範囲の角度で衝突させ
て、冷却を行った際の熱伝達率を調査したところ、図1
3に示すように、75〜90度の範囲の衝突角度(噴射
角度)で高い熱伝達率を得ることが見いだされた。図1
3は、加熱円柱に対する様々な衝突角度で冷却を行った
際の熱伝達率(kcal/m2 hr℃)を示すグラフで
ある。特に垂直(90度)になるほど熱伝達率は高い。
【0026】上記の作用を奏するために、常にプラグの
冷却面全体に噴射時の圧力を保って冷却水が掛かるよう
に、プラグ全体または一部を覆うことができる筒状の二
重容器を用いる。二重容器は、内壁、外壁および側壁に
よって空間を形成し、前記空間に冷却液を充填可能な構
造とする。内壁は円筒状とし、更に、所定の肉厚を有す
る内壁に、前記円筒状の内壁の中心方向に冷却液を噴射
可能な複数の噴射孔を穿設する。外壁、内壁および側壁
間の空間に冷却液を送り込み、各々の複数の噴射孔から
プラグ表面に向かって、プラグ表面に対してほぼ垂直の
角度で冷却液を噴射する。
【0027】また、噴射孔の形状は、流入圧力損失を抑
えるために内壁の外周部の冷却液流入口はすり鉢状に形
成し、且つ、噴射圧を保って冷却液を被冷却面に衝突さ
せるために、流入した冷却液を噴射孔から噴射する際に
広がらないように直線状態で冷却液を衝突させることが
必要で、噴射孔出口までの直線部を噴射孔内径の2倍を
超える長さ(L>2D)に設定する。ここで、Lは噴射
孔長手方向直線部長さ、Dは噴射孔内径(直径)であ
る。
【0028】そして、特にプラグ先端部にも高い熱伝達
率を得るためには、プラグ先端部でも噴射された冷却水
の水流が垂直に近い角度でプラグ被冷却面に衝突する必
要がある。そのためには、内壁の表面(プラグ側の表
面)に対する噴射孔の角度をプラグの砲弾型の形状に合
わせて変更する方法(図2参照)、または、噴射孔自体
は内壁の前記表面に対して垂直に設け、内壁そのものを
プラグの外形と相似する形状にする方法(図3参照)の
いずれかを用いることにより、砲弾型の球型の形状を有
するプラグの先端部まで、円筒状のプラグ基部と同じく
高い冷却性能を得ることができる。図3に示す場合にお
いては、内壁は、プラグの砲弾型の外形と相似形状とな
るように設け、且つ、プラグの先端を除きプラグの長手
方向のどの位置においても、内壁の内径がプラグの外径
の1.2〜3.0倍の範囲内となるように設けるのが好
ましい。内壁の内径がプラグの外形の1.2倍未満で
は、プラグと内壁とが接触し破損する可能性がある。ま
た、内壁の内径がプラグ外形の3.0倍超では、冷却液
の噴射の勢いが減少し冷却能力が不足となる。
【0029】なお、一般に冷却液は水(ここでは冷却水
という)を用いるが、潤滑液等を用いても良い。 〔作用〕穿孔プラグを二重容器によって被覆し、二重容
器の内壁を構成する内管(円筒管)に設けられた複数の
噴射孔から円周方向および長手方向のいずれにも穿孔プ
ラグ表面に対して垂直に近い角度で、且つ、噴射された
冷却液が広がらないように直線状態で噴射し、そして、
噴射圧を0.2kgf/cm2 G以上に保持して冷却液
を衝突させることにより、効率良くプラグを冷却するこ
とができ、かくして、プラグ耐用回数が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら説明する。 〔実施の形態1〕図1は、この発明のプラグ冷却装置を
示す斜視図である。図1は透明部を破線で示す一部透明
図である。図2は、この発明の実施の形態1に係るプラ
グ冷却装置でプラグ進行方向に縦割りした図1のA−A
−A’−A’面に相当する断面図である。図9〜12
は、第一穿孔機(ピアサー)に配設されたこの発明のプ
ラグ冷却装置の各工程を説明する概念図である。図9〜
12において、ホローシェル16と区別するためにビレ
ット15は黒く塗り潰して示した。
【0031】この発明の冷却装置13は、筒状の二重容
器2と、二重容器2に冷却水を供給するための冷却水供
給機構(図示せず)とからなっている。二重容器2は、
円筒管からなる外壁(以下、「外管」という)6と、円
筒管からなる内壁(以下、「内管」という)7と、外管
6と内管7との間の空間の両側を閉塞して側壁を形成す
るフランジ12とからなっている。
【0032】プラグ1は、マンドレルバー8によって支
えられており、ビレット15の穿孔時はマンドレルバー
8によってピアサー14まで押し出され、穿孔終了後、
冷却装置13の中にプラグ1が引き戻されており、所定
の時間、冷却装置13内で冷却される。二重容器2はプ
ラグ1の全体を被覆可能な大きさを有しており、本実施
の形態では冷却装置13の冷却部分の長さが約450m
m、外管6の内径は406.4mm、内管7の内径が2
10.2mm、肉厚が10mmである。なお、プラグ1
の長さは平均で約280mm、プラグ1の底部の径は平
均で約130mmである。
【0033】冷却水供給機構は、図示しないが、二重容
器2を構成する外管6、内管7およびフランジ12によ
って形成された空間内に冷却水を供給する。本実施の形
態では、冷却液として水(以下、「冷却水」という)が
使用される。なお、符号10によって示される矢印は、
冷却水およびその送水方向を示している。
【0034】図4は噴射孔の形状を説明する断面図であ
る。図4に示すように、噴射孔3の各々は、内管7の外
周部7bの冷却水流入口3aをすり鉢状に形成されてい
る。本実施の形態では、図4に示すθを108度とし、
噴射孔3の口径は3mm、更に、長手方向の直線部の長
さLは、内管7の内表面(プラグ側の表面)7aの噴射
孔3の冷却液出口部3bの内径Dの2.5倍の7.5m
mとした。噴射孔3の噴射方向は、円周方向については
内管の中心方向に、従ってプラグに対してはほぼ鉛直の
角度で噴射される。長手方向については、プラグの後方
から約2/3の長さのところまで、つまり、冷却装置1
3の冷却部では後方から約200mmまで相当する部分
については、プラグ進行方法についてほぼ鉛直に噴射し
た。そこからプラグ先端までの部分の冷却部は砲弾型の
プラグの球型の先端部に沿って、プラグ進行方向につい
てもほぼ鉛直に近い角度で噴射できるよう、噴射孔は長
手方向に対して、90〜35度までの角度をつけて、噴
射孔を穿設した。噴射孔は、全部で約210個千鳥配置
を行った。
【0035】フランジ12には片側3ケずつ両側で計6
ケ所送水管4がフランジ12を貫通して設けられてお
り、図示していないポンプによって前記空間内に冷却液
が送水される。供給された冷却液は、前記空間内に充填
され、複数の噴射孔3の各々から、プラグ1の表面に向
けて前記表面に対して垂直に噴射される。
【0036】この冷却装置13を用いて、図9〜12に
示す工程により、クロム鋼(13Cr鋼)用のプラグ1
の冷却を実施した。被穿孔ビレット15は、13Cr鋼
で、約1270℃の温度まで十分に加熱したものを用い
た。冷却を行ったプラグ1の最大直径は140mmであ
った。本実施の形態での1回当たり消費時間は全工程で
約30秒であった。その内訳(各工程時間)は、ビレッ
ト前までの押し出し工程(図9)が約5秒、穿孔工程
(図10)が約13秒、穿孔後のホローシェルからの引
き抜き工程(図11)が約5秒、本発明冷却装置での冷
却工程(図12)が約7秒であった。
【0037】本実施の形態では、冷却液に水(冷却水)
を用いた。また、総冷却水量は1100l/minで、
このときの噴射圧は約0.7kgf/cm2 Gであっ
た。この条件で冷却実験を繰り返した結果、穿孔プラグ
は平均で36回まで穿孔することができた。
【0038】なお、本実施の形態では、プラグの引き抜
き側に冷却装置を固定したが、冷却時間等を更に得るた
めに、冷却装置を任意の位置に配置、あるいは移動させ
てもよい。例えば、押し出し工程の際も、プラグと追従
して冷却装置を移動させる等、の方法を用いても差し支
えない。
【0039】〔実施の形態2〕図3は、この発明の実施
の形態2に係るプラグ冷却装置を示しプラグ進行方向に
縦割りした図1のA−A−A’−A’面に相当する断面
図である。本実施の形態では、実施の形態1で示した内
管を、プラグ1と相似する形状に形成し、フランジ12
を入れ替えたものである。
【0040】図3に示すように、噴射孔3の各々は内管
7のプラグ側の表面7aに対して垂直に設けられてい
る。内管7は、噴射孔3からの冷却水が、長手方向に常
にプラグ1に対して鉛直に近い角度で噴射できるよう、
その(内管7の)一部分を砲弾型のプラグ1の形状に合
わせた相似形状に形成されている。冷却装置の長さは4
50mm、マンドレルバー側の冷却装置後端側の内管7
の最大内径は260mm、反対側の先頭側の内管7の内
径は190mmである。
【0041】内管7の内径は、後端側(図3の右側)か
ら約150mmの長さまで内径260mmで一定とし
た。また、先頭側(図3の左側)は約100mmの長さ
を内径190mm一定とした。先頭側から約100mm
のところから後端側から約150mmの部分までをプラ
グの相似形状に合わせた。そして、プラグ1の先端を除
きプラグ1の長手方向のどの位置においても、内管7の
内径がプラグ1の外径の1.2〜3.0倍の範囲内とな
るように設けた。また、後端側から25mmの部分と先
頭側から100mmの部分は非冷却部とした。
【0042】噴射孔3は実施の形態1の噴射孔と同じ
く、内管7の外周部の冷却水流入口3aをすり鉢状に形
成されている。噴射孔流入角度のθは108度とし、噴
射孔3の口径は3mm、更に、長手方向の直線部の長さ
はLは、噴射孔の内径の約2.5倍の7.5mmとし
た。噴射孔3は、全部で約190個千鳥配置を行った。
【0043】この冷却装置13を用いて、図9〜12に
示す工程により、クロム鋼(13Cr鋼)用のプラグ1
の冷却を実施した。被穿孔ビレット15は、13Cr鋼
で、約1270℃の温度まで十分に加熱したものを用い
た。冷却を行ったプラグ1の最大直径は140mmであ
った。本実施の形態での1回当たりの消費時間は全工程
で約30秒であった。その内訳(各工程時間)は、ビレ
ット前までの押し出し工程(図9)が約5秒、穿孔工程
(図10)が約13秒、穿孔後のホローシェルからの引
き抜き工程(図11)が約5秒、本発明冷却装置での冷
却工程(図12)が約7秒であった。
【0044】本実施の形態でも、冷却液に水(冷却水)
を用いた。また、総冷却水量は980l/minで、こ
のときの噴射圧は約0.7kgf/cm2 Gであった。
この条件で冷却実験を繰り返した結果、穿孔プラグは平
均で36回まで穿孔することができた。
【0045】〔比較例〕図5は従来から一般に行なわれ
ているフルコーンスプレーノズルタイプの冷却装置によ
るプラグの冷却方法(以下、「比較例」という)を示す
概念図である。円錐状に冷却水10が広がる噴射角90
度のフルコーンスプレーノズル11をプラグ1の先頭部
側と後部側の上下左右4ヶ所ずつ、計8ヶ所配置し、総
冷却水流量を合計800l/minで噴射した。図6は
この比較例と、本発明の実施の形態1とを、同工程(押
し出し工程約5秒、穿孔工程約13秒、引き抜き工程約
5秒、冷却工程約7秒、)で行った試験結果について、
プラグ表面最高温度と穿孔耐用回数との関係で示すグラ
フである。図6中の白抜きが比較例、黒塗りが実施の形
態1である。
【0046】図6に示すように、フルコーンスプレーノ
ズによる冷却方法では、プラグ表面最高温度が数回の穿
孔回数で800℃を超え、且つ、平均で約7回しか穿孔
できなかった。
【0047】これに対して、実施の形態1では、プラグ
表面最高温度が殆ど800℃以下であり、且つ、平均で
約36回の使用に耐えた。また、プラグ交換には約40
秒の時間が必要なので、交換時間を含めたビレット1本
当たりにかかる生産時間はフルコーンスプレーノズルに
よる冷却方法では約35.7秒であったのに対して、本
発明による実施の形態1では約31.1秒で、大幅に生
産効率が向上した。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、以下に示す工業上有用な効果がもたらされ
る。 プラグに冷却水を噴射するに当たり、プラグの表面
に対して常に垂直に衝突させるので冷却効率がより良化
しプラグの耐用回数を大幅に向上させることができ、こ
れにより、プラグのコスト、プラグの交換回数、およ
び、それにかかる工数を減らすことができ、ビレット1
本当たりにかかる生産時間が大幅に削減され、生産効率
を向上することができる。 特に、13Cr等の高合金鋼管用のビレット穿孔に
おいて、穿孔ピッチを短くすることができ、且つ、穿孔
プラグの耐用回数が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のプラグ冷却装置を示す斜視図であ
る。
【図2】この発明の実施の形態1に係るプラグ冷却装置
で図1のA−A−A’−A’面に相当する断面図であ
る。
【図3】この発明の実施の形態2に係るプラグ冷却装置
で図1のA−A−A’−A’面に相当する断面図であ
る。
【図4】噴射孔の形状を説明する断面図である。
【図5】従来のフルコーンスプレーノズルタイプの冷却
装置を示す概念図である。
【図6】比較例によるフルコーンスプレーノズルタイプ
の冷却装置とこの発明に係る冷却装置とによる耐用度回
数を比較するグラフである。
【図7】5回穿孔を実施し、5回目の穿孔終了後5秒経
過時のプラグ長手方向の表面温度分布を放射温度計で測
定した結果を示すグラフである。
【図8】噴射圧力と熱伝達率との関係を示すグラフであ
る。
【図9】第一穿孔機(ピアサー)での各工程を説明する
概念図である。
【図10】第一穿孔機(ピアサー)での各工程を説明す
る概念図である。
【図11】第一穿孔機(ピアサー)での各工程を説明す
る概念図である。
【図12】第一穿孔機(ピアサー)での各工程を説明す
る概念図である。
【図13】加熱円柱に対する様々な衝突角度で冷却を行
った際の熱伝達率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 プラグ 2 二重容器 3 噴射孔 3a 冷却液流入口 3b 冷却液出口部 4 送水管 6 外管 7 内管 7a 内管のプラグ側の表面 7b 内管の外周部 8 マンドレルバー 10 冷却水およびその送水方向 11 フルコーンスプレーノズル 12 フランジ 13 冷却装置 14 穿孔機 15 ビレット 16 ホローシェル θ 冷却水流入角度 D 噴射孔内径(直径) L 噴射孔直線部長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有泉 孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピアサーおよびエロンゲータ用の砲弾型
    のプラグの冷却方法において、前記プラグの表面に対し
    てほぼ垂直に冷却液を噴射することを特徴とするプラグ
    の冷却方法。
  2. 【請求項2】 前記プラグの表面に衝突させる前記冷却
    液の衝突圧が0.2kgf/cm2 G以上である請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記プラグの一部または全体を被覆可能
    な、円筒状の内壁、前記内壁の外側の外壁、および、側
    壁を有し、前記内壁、前記外壁および前記側壁により形
    成された空間に前記冷却液を充填可能な、前記内壁に複
    数の噴射孔が設けられた二重容器を用い、前記プラグを
    前記二重容器内に配置し、前記空間内に前記冷却液を供
    給し前記内壁の複数の噴射孔から前記冷却液を前記プラ
    グの表面に対してほぼ垂直に噴射して冷却する請求項1
    または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ピアサーおよびエロンゲータ用の砲弾型
    のプラグの冷却装置において、前記プラグの一部または
    全体を被覆可能な、円筒状の内壁、前記内壁の外側の外
    壁、および、側壁からなり、前記内壁に複数の噴射孔が
    設けられた、前記内壁、前記外壁および前記側壁によっ
    て形成された空間に冷却液を充填可能な、二重容器と、
    前記空間内に冷却液を供給するための冷却液供給機構と
    からなり、前記噴射孔は、前記プラグの表面に対してほ
    ぼ垂直に前記冷却液を噴射可能に設けられていることを
    特徴とするプラグの冷却装置。
  5. 【請求項5】 前記内壁の前記噴射孔は、砲弾型の外形
    を有する前記プラグの表面に対して前記冷却液がほぼ垂
    直に噴射可能な角度で穿設されており、前記噴射孔から
    前記プラグの表面に対してほぼ垂直に前記冷却液が噴射
    される請求項4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記内壁はその一部が、前記プラグの先
    端を除き前記プラグの長手方向のどの位置においても前
    記プラグの外径の1.2〜3.0倍の内径を有する前記
    プラグの砲弾型の外形と相似する形状に設けられてお
    り、前記噴射孔は前記内壁の表面に対してほぼ垂直に穿
    設されており、前記噴射孔から前記プラグの表面に対し
    てほぼ垂直に前記冷却液が噴射される請求項4記載の装
    置。
  7. 【請求項7】 前記噴射孔は、前記内壁の外周部の冷却
    液流入口がすり鉢状に形成されており、且つ、内壁厚み
    内の前記噴射孔の直線部は、前記噴射孔の冷却液出口部
    の内径の2倍以上の長さを有している請求項4、5また
    は6記載の装置。
  8. 【請求項8】 請求項4、5、6または7記載の冷却装
    置をピアサーおよびエロンゲータの位置に配設し、前記
    ピアサーおよび前記エロンゲータにおいてプラグを用い
    てビレットから継目無鋼管を製造し、次いで、前記プラ
    グを前記冷却装置まで移動して前記プラグの冷却を行な
    い、次いで、次のビレットにおいても再度継目無鋼管の
    製造および前記プラグの冷却を行ない、かくして、プラ
    グ冷却を連続的に行うことを特徴とするプラグの冷却方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116000116A (zh) * 2022-12-31 2023-04-25 北京科技大学 一种铝合金管材行星轧制生产工艺及铝合金管材

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