JPH10316770A - 抄造法スタンパブルシート、軽量スタンパブルシートおよびその製造方法 - Google Patents

抄造法スタンパブルシート、軽量スタンパブルシートおよびその製造方法

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JPH10316770A
JPH10316770A JP13057797A JP13057797A JPH10316770A JP H10316770 A JPH10316770 A JP H10316770A JP 13057797 A JP13057797 A JP 13057797A JP 13057797 A JP13057797 A JP 13057797A JP H10316770 A JPH10316770 A JP H10316770A
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fibers
fiber
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雅美 藤巻
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Yukio Nagashima
之夫 永島
Shigeru Takano
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Yoshinori Sugano
吉則 菅野
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捷平 桝井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比強度、比剛性に優れ、皮膚刺激性が少な
く、ハンドリング性に優れた軽量スタンパブルシートの
提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とす
る繊維強化熱可塑性樹脂シートであって、前記強化用繊
維が無機繊維と有機繊維とからなり、該強化用有機繊維
の融点または分解温度のうち、いずれか低い方の温度
が、前記熱可塑性樹脂の融点よりも高い抄造法スタンパ
ブルシート、および該抄造法スタンパブルシートの製造
方法、並びに、熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とす
る繊維強化多孔質材料であって、前記強化用繊維が無機
繊維と有機繊維とからなり、該強化用有機繊維の融点ま
たは分解温度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱
可塑性樹脂の融点よりも高い軽量スタンパブルシート、
および該軽量スタンパブルシートの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スタンパブルシー
トおよび該スタンパブルシートを素材とした軽量スタン
パブルシートに関するものであり、さらに詳しくは抄造
法で得られるスタンパブルシート、および該スタンパブ
ルシートを素材として得られる高い曲げ剛性、曲げ強度
を有し、さらには、ハンドリング性に優れた軽量スタン
パブルシートに関するものである。
【0002】本発明の軽量スタンパブルシートは、特に
天井材、ドアトリム、エンジンカバー用吸音材などの自
動車用内装品として有用である。
【0003】
【従来の技術】スタンパブルシートを製造する方法とし
て、熱可塑性樹脂と繊維状強化材(以下強化用繊維と記
す)を原料とする、抄造法に基づく方法が知られてい
る。抄造法においては、微少気泡を含む界面活性剤水溶
液中に、長さ5〜50mmの強化用繊維(ガラス繊維)と熱
可塑性樹脂を分散させ、この分散液を多孔性支持体上で
抄くことによりシート状のウエブを調製し、このウエブ
を熱可塑性樹脂の融点以上かつ分解温度未満の温度に加
熱した後に圧力を加えて、その後冷却することにより固
化した緻密なシート、いわゆる抄造法スタンパブルシー
トを製造する。
【0004】次いで得られたシートを熱可塑性樹脂の融
点以上かつ分解温度未満に再加熱し、樹脂が溶融するこ
とによって、樹脂に拘束されていた強化用繊維がスプリ
ングバックを起こして、元の厚さの数倍に膨張したシー
ト(以下膨張シートと記す)となる。引き続き、この膨
張シートを金型上に配置し、圧縮成形または真空成形ま
たは圧空成形などの成形法により、所望の形状が付与で
きる。
【0005】すなわち成形時に、金型のクリアランスを
理論厚さ、すなわち成形品の空隙率をゼロとした時の厚
さより大きな間隔に調整することによって、上記抄造法
スタンパブルシートよりも密度が小さく、面剛性の高い
軽量スタンパブルシートを得ることができる。これら軽
量スタンパブルシートおよびその製造方法は、例えば特
開昭60−179234号公報および特開昭62−161529号公報に
開示されているが、抄造法で得られた従来の軽量スタン
パブルシートは、原料として通常、比重の大きいガラス
繊維を用いており、軽量化が不十分であったため、単位
目付量当たりの強度、剛性(以下比強度、比剛性と記
す)が低かった。
【0006】このような問題を解決するため、これまで
軽量スタンパブルシートの強度向上方法が検討されてき
た。この強度向上の方法の一つとして、特開昭63−4112
8 号公報に開示されているように、シランカップリング
剤をウエブに添加する方法が知られている。しかしシラ
ンカップリング剤の添加により、軽量スタンパブルシー
トの比強度、比剛性を向上させるには、限界があった。
【0007】また、軽量スタンパブルシートは、ガラス
繊維を主体とする多孔質体のため、ハンドリング時にガ
ラス繊維による皮膚刺激(痛み)が生じるという問題も
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
した従来技術の問題点を解決することにあり、特に比強
度、比剛性に優れ、皮膚刺激性が少なく、ハンドリング
性に優れた軽量スタンパブルシートを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、熱可塑性
樹脂と強化用繊維を主成分とする繊維強化熱可塑性樹脂
シートであって、前記強化用繊維が無機繊維と有機繊維
とからなり、該強化用有機繊維の融点または分解温度の
うち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹脂の融
点よりも高いことを特徴とする抄造法スタンパブルシー
トである。
【0010】前記第1の発明においては、前記強化用有
機繊維の融点または分解温度のうち、いずれか低い方の
温度が、前記熱可塑性樹脂の融点に対して10℃以上高い
ことが好ましい。また、前記第1の発明においては、前
記強化用有機繊維の含有量が、前記強化用繊維の合計量
100 重量部に対して5〜30重量部であることが好まし
い。
【0011】さらに、前記第1の発明においては、前記
熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることが好ましい。
なお、前記第1の発明の抄造法スタンパブルシートは、
前記強化用無機繊維および強化用有機繊維のいずれも
が、マトリックスである前記熱可塑性樹脂中に繊維形状
で存在するものである。
【0012】第2の発明は、熱可塑性樹脂と強化用繊維
を主成分とする繊維強化多孔質材料であって、前記強化
用繊維が無機繊維と有機繊維とからなり、該強化用有機
繊維の融点または分解温度のうち、いずれか低い方の温
度が、前記熱可塑性樹脂の融点よりも高いことを特徴と
する軽量スタンパブルシートである。前記第2の発明に
おいては、前記強化用有機繊維の融点または分解温度の
うち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹脂の融
点に対して10℃以上高いことが好ましい。
【0013】また、前記第2の発明においては、前記強
化用有機繊維の含有量が、前記強化用繊維の合計量100
重量部に対して5〜30重量部であることが好ましい。ま
た、前記第2の発明においては、前記熱可塑性樹脂がポ
リプロピレンであることが好ましい。なお、前記第2の
発明の軽量スタンパブルシートは、前記強化用無機繊維
および強化用有機繊維のいずれもが、マトリックスであ
る前記熱可塑性樹脂中に繊維形状で存在するものであ
る。
【0014】第3の発明は、熱可塑性樹脂と強化用繊維
とからなる主原料を抄造して得られるウエブを加熱、加
圧し、固化することにより、スタンパブルシートを製造
する方法において、前記強化用繊維が無機繊維と有機繊
維とからなり、前記ウエブを、前記熱可塑性樹脂の融点
以上、分解温度未満、かつ前記強化用有機繊維の融点ま
たは分解温度のうち、いずれか低い方の温度未満になる
ように加熱することを特徴とする抄造法スタンパブルシ
ートの製造方法である。
【0015】前記第3の発明においては、前記強化用有
機繊維の融点または分解温度のうち、いずれか低い方の
温度が、前記熱可塑性樹脂の融点に対して10℃以上高い
ことが好ましい。また、前記第3の発明においては、前
記強化用有機繊維の含有量が、前記強化用繊維の合計量
100 重量部に対して5〜30重量部であることが好まし
い。
【0016】さらに、前記第3の発明においては、前記
熱可塑性樹脂がポリプロピレンであることが好ましい。
第4の発明は、熱可塑性樹脂と強化用繊維とからなる主
原料を抄造して得られるウエブを加熱、加圧し、固化し
て得られるスタンパブルシートを再加熱して膨張させた
後、成形することにより、軽量スタンパブルシートを製
造する方法において、前記強化用繊維が無機繊維と有機
繊維とからなり、前記ウエブおよびスタンパブルシート
を、前記熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度未満、かつ
前記強化用有機繊維の融点または分解温度のうち、いず
れか低い方の温度未満になるように加熱することを特徴
とする軽量スタンパブルシートの製造方法である。
【0017】第5の発明は、熱可塑性樹脂と強化用繊維
とからなる主原料を抄造して得られるウエブを加熱、圧
着し、シートの厚み方向に膨張させ、冷却、固化するこ
とにより、軽量スタンパブルシートを製造する方法にお
いて、前記強化用繊維が無機繊維と有機繊維とからな
り、前記ウエブを、前記熱可塑性樹脂の融点以上、分解
温度未満、かつ前記強化用有機繊維の融点または分解温
度のうち、いずれか低い方の温度未満になるように加
熱、圧着することを特徴とする軽量スタンパブルシート
の製造方法である。
【0018】前記第4の発明または第5の発明において
は、前記強化用有機繊維の融点または分解温度のうち、
いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹脂の融点に対
して10℃以上高いことが好ましい。また、前記第4の発
明または第5の発明においては、前記強化用有機繊維の
含有量が、前記強化用繊維の合計量100 重量部に対して
5〜30重量部であることが好ましい。
【0019】また、前記第4の発明または第5の発明に
おいては、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンであるこ
とが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、抄造法により軽量スタンパブルシ
ートを製造する際に、強化用繊維として従来の無機繊維
と併用して、ウエブをシート化および膨張シート化する
温度で融解もしくは分解しない有機繊維を用いることよ
り、軽量スタンパブルシートの強度特性、膨張特性を維
持しつつ、重量を大きく低減でき、さらには、皮膚刺激
性が少なくなることを見い出し、本発明に至った。
【0021】以下、本発明に係わる〔A〕強化用繊維
(無機繊維)、〔B〕強化用繊維(有機繊維)、〔C〕
マトリックス樹脂、〔D〕スタンパブルシートの製造方
法、および軽量スタンパブルシートの製造方法である
〔E〕膨張成形方法について順に説明する。 〔A〕強化用繊維(無機繊維):強化用繊維のうち、無
機繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、お
よび他の各種無機繊維から選ばれた1種または2種以上
が用いられるが、特性対価格の面からガラス繊維を用い
ることが好ましい。
【0022】強化用無機繊維(以下無機繊維と記す)の
長さは、十分な補強効果を得、かつ成形時の成形性を確
保する上で、5〜50mmが好ましい。さらに、好ましく
は、10〜26mmである。無機繊維の長さが5mm未満の場
合、十分な補強効果が得られず、抄紙工程で断紙し易く
なる。また無機繊維の長さが50mmを超えると、抄紙工程
で無機繊維が十分に解繊せず、膨張が不均一になるとと
もに、成形時の賦形性も悪化する。
【0023】無機繊維の繊維径は、繊維による補強効果
と膨張効果を確保する上で5〜30μmであることが好ま
しい。さらに好ましくは、10〜25μmである。繊維径が
5μm未満の場合、十分な膨張倍率が得られず、逆に繊
維径が30μmを超えると、十分な補強効果が得られず、
さらには皮膚刺激性が大きくなる。 〔B〕強化用繊維(有機繊維):強化用繊維のうち、有
機繊維としては、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリアミド、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリ
フッ化エチレン系樹脂などのフッ素樹脂などの樹脂、並
びにこれらの樹脂のモノマーを主成分とした共重合体
や、これらの樹脂を主成分とするグラフト化合物、もし
くはこれらの樹脂の混合物などの熱可塑性樹脂からなる
有機繊維が用いられる。
【0024】また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂など
の熱硬化性樹脂からなる有機繊維および羊毛、綿、絹
糸、セルロース繊維などの天然繊維が使用できる。さら
に、前記熱可塑性樹脂からなる有機繊維、熱硬化性樹脂
からなる有機繊維、天然繊維を混合して用いることも可
能である。また、抄紙時の分散性を向上させるために、
有機繊維に表面処理を行っても良い。
【0025】強化用繊維として用いられる有機繊維(以
下強化用有機繊維と記す)の繊維径は、繊維の補強効果
と良好な分散性を保つ上で、5〜30μmであることが好
ましい。繊維径が5μm未満の場合、膨張性が悪くな
り、逆に繊維径が30μm超えの場合、繊維の分散性が悪
くなる。
【0026】また、強化用有機繊維の繊維長は5〜30mm
であることが好ましい。強化用有機繊維の繊維長が5mm
未満の場合、十分な補強効果が得られず、抄紙工程で繊
維が抜け落ちやすくなる。また、繊維長が30mm超えの場
合、抄紙工程で強化用有機繊維が十分に解繊せず、膨張
が不均一になり、成形時の賦形性も悪化する。
【0027】強化用有機繊維の融点および分解温度は、
マトリックスとして用いられる熱可塑性樹脂の融点より
も高くなければならない。強化用有機繊維の融点および
分解温度がマトリックス樹脂の融点以下の場合、ウエブ
からスタンパブルシートを製造する際に、加熱により強
化用有機繊維が融解もしくは分解し、膨張成形後に強化
用繊維としての効果が無くなる。
【0028】ウエブまたはスタンパブルシートの加熱温
度の制御精度の面からも、強化用有機繊維の融点および
分解温度は、マトリックスとして用いられる熱可塑性樹
脂の融点よりも10℃以上高いことが好ましい。〔強化用
有機繊維の融点−マトリックスとして用いられる熱可塑
性樹脂の融点〕および〔強化用有機繊維の分解温度−マ
トリックスとして用いられる熱可塑性樹脂の融点〕のい
ずれかが10℃未満の場合、スタンパブルシートを製造す
る際に、ウエブの加熱温度の制御精度の面から強化用有
機繊維が融解もしくは分解し、膨張成形後に強化用繊維
としての効果が無くなる。
【0029】強化用有機繊維の融点および分解温度の上
限は、その目的とするところから特に制限はない。例え
ば、マトリックス樹脂である熱可塑性樹脂としてポリプ
ロピレンを用いる場合には、ポリプロピレンの融点135
〜160 ℃と比較して十分に融点が高いポリエチレンテレ
フタレート、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリフッ化エ
チレン系樹脂などのフッ素樹脂などから選ばれる樹脂か
らなる繊維、絹などの繊維を用いることが好ましく、こ
れらの繊維を併用してもよい。
【0030】また、本発明においては、熱硬化性樹脂か
らなる繊維など実質的に溶融状態を示さない強化用有機
繊維を単独で、または併用して用いる場合は、該強化用
有機繊維の分解温度が、マトリックスとして用いる熱可
塑性樹脂の融点に対して前記範囲を満足していればよ
い。なお、本発明における融点は、JIS K7121(-1987)の
DSC 曲線の融解ピーク温度TpmまたはTpm1 を、分解温
度は、JIS K7120(-1987)のTG曲線の中点温度Eまたは第
一次中点温度E1 を示す。
【0031】また、分解温度測定時の流入ガスの雰囲気
は、スタンパブルシート製造時およびスタンパブルシー
ト膨張成形時の雰囲気が、空気雰囲気の場合は、乾燥空
気雰囲気下、両製造工程が窒素などの不活性ガス雰囲気
下で行われる場合は、不活性ガス雰囲気下、すなわち両
製造工程の製造雰囲気ガスに即した測定雰囲気下とし、
さらに両製造工程の製造雰囲気ガスが異なる場合は、酸
化条件の厳しい工程に合わせた測定雰囲気下とする。
【0032】次に、無機繊維と有機繊維とからなる強化
用繊維の好適配合量などについて述べる。本発明の抄造
法スタンパブルシートにおいては、強化用繊維の合計量
100 重量部に対する有機繊維の含有量が5〜30重量部で
あることが好ましい。5重量部未満の場合は、強化用有
機繊維による高剛化と皮膚刺激性低下の両立が難しい。
【0033】一方、30重量部超えの場合は、十分な膨張
性および補強効果が期待できない。また、マトリックス
である熱可塑性樹脂と強化用繊維の合計量100 重量部に
対する強化用繊維の合計量(無機繊維+有機繊維)は、
20〜70重量部であることが好ましい。20重量部未満、す
なわち強化用繊維が過少の場合は、十分な補強効果が期
待できず、一方、70重量部超え、すなわち強化用繊維が
過剰の場合は、抄紙後のウエブがもろく、ハンドリング
性が悪くなると共に、膨張させた場合に、バインダー成
分としての熱可塑性樹脂が不足し、熱可塑性樹脂を強化
用繊維の接合点に均一に含浸することが難しくなるた
め、強度の低下を招く。
【0034】強化用繊維の表面は、必要によりカップリ
ング剤および/または集束剤による処理が施される。特
に、強化用繊維における無機繊維がガラス繊維の場合に
は、濡れ性や接着性を改良するために、シランカップリ
ング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤と
しては、ビニルシラン系、アミノシラン系、エポキシシ
ラン系、メタクリルシラン系、クロロシラン系、メルカ
プトシラン系が好ましい。
【0035】シランカップリング剤によるガラス繊維の
処理方法は、ガラス繊維を混合しながら、シランカップ
リング剤溶液を噴霧する方法や、シランカップリング剤
溶液中に浸漬するなどの方法で行うことができる。シラ
ンカップリング剤のガラス繊維への付着量は、ガラス繊
維100 重量部に対して、0.001 〜 0.3重量部であること
が好ましい。さらに、好ましくは、0.005〜 0.2重量部
である。 0.001重量部未満では、強度の向上効果が小さ
く、0.3 重量部超えでは強度の向上効果が平衝に達し、
それ以上添加した場合経済的でない。
【0036】抄造法スタンパブルシートの強度と膨張性
を向上させるために、強化用繊維は単繊維に解繊させる
ことが好ましい。このため、強化用繊維は、水溶性の集
束剤で処理されることが好ましい。これらの集束剤とし
ては、ポリエチレンオキシド系、ポリビニルアルコール
系などが例示される。
【0037】集束剤の強化用繊維への付着量は、強化用
繊維100 重量部に対して、0.03〜0.3 重量部である。さ
らに好ましくは、0.05〜 0.2重量部である。0.03重量部
未満の場合、収束剤としての効果が小さく、0.3 重量部
超えの場合、抄紙工程での解繊が難しくなる。 〔C〕マトリックス樹脂:本発明においてマトリックス
として使用する熱可塑性樹脂としては、好ましくは、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセター
ル、アクリル樹脂、ポリフッ化エチレン系樹脂など熱可
塑性フッ素樹脂などの樹脂、並びにこれらの樹脂のモノ
マーを主成分とする共重合体や、これらの樹脂を主成分
とするグラフト化合物、もしくはこれらの樹脂の混合物
も好ましく用いることができる。
【0038】なお、前記共重合体としては、例えば、エ
チレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体などが挙げられる。前記熱可塑性樹脂の中でも、
さらに好ましい熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンであ
る。これは、熱可塑性樹脂としてポリプロピレンを用い
た場合、特に、抄紙法スタンパブルシートおよび軽量ス
タンパブルシートの強度特性が優れ、かつポリプロピレ
ンが安価に入手できるためである。
【0039】熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、
50,000〜700,000 であることが好ましい。Mwが50,000未
満の場合、溶融粘度が低く、ガラス繊維など強化用繊維
の濡れ性、接着性は良くなるが、樹脂が脆化するため、
軽量スタンパブルシートの機械的特性が低下する。Mwが
700,000 超えの場合、ガラス繊維など強化用繊維の接合
点へのマトリックス樹脂の含浸性、濡れ性が低下し、軽
量スタンパブルシートの機械的特性が低下する。さらに
成形時の流動性も低下する。
【0040】マトリックス樹脂とガラス繊維などの強化
用繊維との接着性をさらに向上させるために、前記熱可
塑性樹脂を酸やエポキシ樹脂などの種々の化合物で変性
したものを併用できる。ポリプロピレンの場合、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、アクリル酸などで変性すること
ができ、変性後の官能基が酸無水物基、カルボキシル基
となる化合物を用いることが好ましい。
【0041】変性した熱可塑性樹脂(以下変性熱可塑性
樹脂と記す)の重量平均分子量(Mw)は、20,000〜200,
000 であることが好ましい。Mwが20,000未満の場合、溶
融粘度が低いため、ガラス繊維などの強化用繊維に対す
る濡れ性と接着性は良くなるが、樹脂が脆化するため、
軽量スタンパブルシートの機械的特性は低下する。
【0042】逆に、Mwが200,000 超えの場合、ガラス繊
維などの強化用繊維の接合点への変性熱可塑性樹脂の含
浸性が低下し、軽量スタンパブルシートの機械的特性は
低下する。さらに、成形時の流動性も低下する。変性熱
可塑性樹脂の官能基の量は、〔(官能基の重量/変性熱
可塑性樹脂の重量)×100 〕として、0.02〜3.0wt %で
あることが好ましい。より好ましくは0.05〜2.0wt %で
ある。0.02wt%未満の場合は、シランカップリング剤と
の接着性が不十分となり。強度向上効果が小さくなる。
3wt%超えの場合は、熱可塑性樹脂の脆化やシートの着
色などの不都合を招く。
【0043】マトリックスとして使用する熱可塑性樹脂
の形状は粒子状、繊維状、ペレット状などいかなる形状
でもよいが、強化用繊維の絡み合い構造を緻密化し、高
い強度特性を得るためには、細かい粒子、または繊維状
であることが好ましく、これら粒子状、繊維状の熱可塑
性樹脂の両者を併用してもよい。粒子状熱可塑性樹脂を
用いた場合の粒子径は、50〜2,000 μmであることが好
ましい。粒子径が50μm未満の場合、後述する抄紙後の
脱水工程において、圧力損失が大きくなり、製造上のト
ラブルの原因となる。また、粒子径が2,000 μm超えの
場合、樹脂がガラス繊維などの強化用繊維中に均一に分
散したスタンパブルシートを得にくい。
【0044】〔D〕スタンパブルシートの製造方法: [A] 強化用無機繊維、好ましくはガラス繊維のチョップ
ドストランドと、[B]強化用有機繊維、好ましくは熱可
塑性樹脂からなる繊維と、[C] マトリックスである熱可
塑性樹脂、好ましくは粒子状の熱可塑性樹脂と、場合に
よっては、さらに変性熱可塑性樹脂を、空気の微小気泡
が分散した界面活性剤含有水溶液中に分散させる。
【0045】本発明において用いられる界面活性剤とし
ては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが好
ましく用いられるが、これらに限定されるものではな
い。得られた分散液を多孔性支持体を介して脱水するこ
とにより、均一なウエブを得ることができる。ウエブ
は、強化用繊維と熱可塑性樹脂などから構成され、強化
用繊維の中に熱可塑性樹脂が均一に分散している。ウエ
ブの厚さは、1〜10mmであることが好ましい。
【0046】次に、得られたウエブを乾燥後、加熱し、
樹脂を溶融させ、冷却盤間で圧力を加え、緻密な固化し
たスタンパブルシートを得る。ウエブを加熱、加圧して
スタンパブルシートを製造する際の加熱温度は、マトリ
ックスである熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度未満、
かつ強化用有機繊維の融点未満、分解温度未満である。
【0047】すなわち、マトリックスである熱可塑性樹
脂がポリプロピレンの場合、加熱温度は170 〜240 ℃が
好ましく、特に好ましくは、190 〜220 ℃である。加熱
温度が170 ℃未満の場合、樹脂の溶融が不十分となり、
強度低下が生じ、240 ℃超えの場合、ポリプロピレンの
分解による着色、強度低下が生じる。ウエブを加圧する
際の圧力は、緻密なスタンパブルシートを得る目的で、
3〜50kgf/cm2 とするのが好ましい。圧力が3kgf/cm2
未満の場合、緻密なスタンパブルシートが得られず、50
kgf/cm2 超えの場合、ガラス繊維などの強化用繊維の破
損が生じる可能性がある。
【0048】本発明の高強度軽量スタンパブルシート
は、用途によっては非通気性を持たせる。すなわち、真
空成形時に必要な圧損を確保し、真空成形を容易とする
ためである。その他、表皮材と基材との接着性を持たせ
るか、もしくは単に表面の感触を改良するなどの目的
で、単層もしくは多層の熱可塑性樹脂フィルムをスタン
パブルシート製造時に同時に貼合することが可能であ
る。
【0049】また、これらの熱可塑性樹脂フィルム、非
通気性フィルム、ホットメルト層を有したフィルムを貼
合したスタンパブルシートを製造する場合にも、加熱温
度、圧力ともに前記のスタンパブルシートの製造条件を
適用できる。なお、スタンパブルシートには、酸化防止
剤、耐光安定剤、金属不活性化剤、難燃剤、カーボンブ
ラックなどの添加剤や着色剤などを含有することができ
る。
【0050】これらの添加剤および着色剤は、例えば熱
可塑性樹脂にあらかじめ配合するか、またはコーティン
グしたり、スタンパブルシート製造工程中に、スプレー
などで添加することによりスタンパブルシート中に含有
させることができる。また、前記したように、軽量スタ
ンパブルシートに非通気性および良好な表皮接着性を持
たせる場合には、スタンパブルシートを予熱する際に同
時に非通気フィルムおよび表皮接着のためのホットメル
ト層を有したフィルムを同時貼合することが可能であ
る。
【0051】〔E〕膨張成形方法:以上のようにして製
造されたスタンパブルシートは、例えば公知の方法で膨
張成形させ、軽量スタンパブルシートを得ることができ
る。すなわち、スタンパブルシートを、マトリックスで
ある熱可塑性樹脂の融点以上に加熱後、成形金型上に配
置し、金型のクリアランスを調整し、所定の厚みと密度
を有する高強度軽量スタンパブルシートを得ることがで
きる。
【0052】スタンパブルシートの膨張成形時の加熱温
度は、マトリックスである熱可塑性樹脂の融点以上、分
解温度未満、かつ強化用有機繊維の融点未満、分解温度
未満であることが好ましい。すなわち、マトリックスで
ある熱可塑性樹脂がポリプロピレンの場合、加熱温度は
170〜240 ℃が好ましい。
【0053】170 ℃未満の場合、シートの溶融、膨張が
不十分となり強度低下が生じ、240℃超えの場合、ポリ
プロピレンの分解による着色、強度低下が生じる。な
お、本発明においては、強化用有機繊維として、熱硬化
性樹脂からなる繊維など実質的に溶融状態を示さない有
機繊維を単独で用いる場合は、スタンパブルシートの膨
張成形時の加熱温度は、マトリックスである熱可塑性樹
脂の融点以上、分解温度未満、かつ該強化用有機繊維の
分解温度未満であることが好ましい。
【0054】スタンパブルシートの加熱方法は、熱盤加
熱、遠赤外線加熱、通風式加熱などがあり、特に限定さ
れない。前記のようにして製造されたスタンパブルシー
トは、加熱時にガラス繊維など強化用繊維のスプリング
バックにより膨張する。膨張倍率、すなわち膨張材の厚
みを空隙率がゼロの時の理論厚みで除した値は、好まし
くは1.1 〜25倍である。
【0055】膨張倍率が1.1 倍未満の場合、必要厚みに
おける軽量化の効果が少なく、逆に25倍超えの場合、目
付量が大きい場合には、加熱時の表面温度と内部温度の
差が大きくなり、均一な加熱が困難となり、厚みの不均
一を生じる。膨張倍率は、より好ましくは1.5 〜10倍、
さらに好ましくは1.5 〜8倍である。金型温度は、熱可
塑性樹脂の凝固点以下であれば良く、ハンドリング性、
生産性の点から、室温〜60℃の範囲内であることが好ま
しい。
【0056】成形圧力は、製品形状により異なるが、50
kgf/cm2 以下の範囲内であることが好ましい。過剰の圧
力は、強化用繊維を破断させる。高強度軽量スタンパブ
ルシートの密度は、金型のクリアランスにより制御され
る。軽量スタンパブルシートの密度は、理論密度すなわ
ち空隙率がゼロのときの密度よりも小さければ良い。好
ましくは、0.8g/cm3以下、さらに好ましくは0.7 〜0.05
g/cm3 である。
【0057】また、本発明では、ウエブからシートを経
ずに直接軽量スタンパブルシートを製造することが可能
である。すなわち、前述した抄造法で得られたウエブを
加熱、圧着し、シートの厚み方向に膨張させ、冷却、固
化することにより、軽量スタンパブルシートを製造す
る。
【0058】ウエブを加熱、圧着時の加熱温度は、マト
リックスである熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度未
満、かつ強化用有機繊維の融点未満、分解温度未満であ
る。すなわち、マトリックスである熱可塑性樹脂がポリ
プロピレンの場合、加熱温度は 170〜240 ℃が好まし
く、特に好ましくは、190 〜220 ℃である。加熱温度が
170 ℃未満の場合、樹脂の溶融が不十分となり、強度低
下が生じ、240 ℃超えの場合、ポリプロピレンの分解に
よる着色、強度低下が生じる。
【0059】ウエブを圧着する際の圧力は、緻密なスタ
ンパブルシートを得る目的で、3〜50kgf/cm2 とし、強
化用繊維をマトリックスである熱可塑性樹脂で濡らす必
要がある。圧力が3kgf/cm2 未満の場合、強化用繊維が
熱可塑性樹脂で十分に濡れず、強度特性に優れた軽量ス
タンパブルシートが得られず、50kgf/cm2 超えの場合、
ガラス繊維などの強化用繊維の破損が生じる可能性があ
る。
【0060】次に、圧着したシートから圧力を減じさ
せ、シートを膨張させ、所望の厚みになるようにクリア
ランスを調整する。最後にシートを冷却、固化し、軽量
スタンパブルシートを得る。軽量スタンパブルシートの
密度は、理論密度、すなわち、空隙率がゼロのときの密
度よりも小さければよい。
【0061】軽量スタンパブルシートの密度は、好まし
くは、0.8g/cm3以下、さらに好ましくは、0.7 〜0.05g/
cm3 である。本発明においては、スタンパブルシートを
膨張成形する際、金型内に装飾用表皮を挿入し、表皮の
同時貼合を行うことも可能である。用いられる表皮は、
自動車用内装用途に採用されるものであれば、特に限定
されない。
【0062】例えば天井材向けには、ポリエステルやポ
リプロピレンなどの不織布単独およびそれらにバッキン
グ材を有したもの、あるいはさらに各種ホットメルト接
着剤を有したものが好ましく使用される。また、ドアト
リム用途では、PVC(ポリ塩化ビニル)やTPO(熱
可塑性ポリオレフィン)にウレタンまたはポリプロピレ
ンやポリエチレンフォームで裏打ちされたもの、あるい
はこれらにさらに各種ホットメルト接着剤を有したもの
が使用される。
【0063】さらに、これら以外にも、表皮のバッキン
グ材としては、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維
などの繊維形状のものも使用できる。ホットメルト接着
剤は必須ではないが、ホットメルト付きの表皮を使用す
る場合には、例えば、ポリアミド系、変性ポリオレフィ
ン系、ウレタン系、ポリオレフィン系などの各種ホット
メルト接着剤の内から、基材樹脂成分および貼合フィル
ム樹脂成分と親和性および接着性の良いものを選択する
ことが望ましい。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。実施例および比較例で用いたマトリックスであ
る熱可塑性樹脂、強化用無機繊維、強化用有機繊維は下
記のとおりである。 熱可塑性樹脂 :粒子状ポリプロピレン(MFR:20、平均粒
径:500 μm、融点:160 ℃、空気中分解温度:300
℃) 強化用無機繊維: ガラス繊維A(平均繊維長:25mm、平均繊維径:13μ
m) ガラス繊維B(平均繊維長:25mm、平均繊維径:17μ
m) ガラス繊維A:ガラス繊維B=50wt%:50wt%で混合し
て使用した。
【0065】強化用有機繊維: ポリプロピレン繊維(繊維径:15μm、融点:145 ℃、
空気中分解温度:290℃) ポリエチレンテレフタレート繊維(繊維径:15μm、融
点:270 ℃、空気中分解温度:340 ℃) テフロン繊維(繊維径:16μm、空気中分解温度:400
℃) ナイロン6,6 繊維(繊維径:13μm、融点:268 ℃、空
気中分解温度:310 ℃) アラミド繊維(繊維径:18μm、融点:280 ℃、空気中
分解温度:380 ℃) なお、本実施例における融点は、JIS K7121(-1987)のDS
C 曲線の融解ピーク温度を示す。
【0066】また、分解温度は、JIS K7120(-1987)の乾
燥空気流通下のTG曲線の中点温度を示す。 (実施例1)それぞれ乾燥重量でポリプロピレン粒子50
重量部、ポリエチレンテレフタレート繊維5重量部、ガ
ラス繊維45重量部を全目付量が600g/m2 となるように混
合、抄紙し、均質なウエブを得た。
【0067】この場合、強化用繊維100 重量部中の有機
繊維の含有量は10重量部である。得られたウエブを空気
雰囲気下で 210℃で加熱し、加熱したウエブを25℃の冷
却盤間に配置し、5kgf/cm2 の圧力でプレスし、固化し
た緻密なシートを得た。得られた緻密なシートを、遠赤
外線ヒータで 210℃で空気雰囲気下で2分間加熱し、ク
リアランスを2.6mm に設定した金型により圧縮/冷却固
化し、軽量スタンパブルシートを得た。
【0068】得られた軽量スタンパブルシートの厚み
は、約 2.4mmであった。また、軽量スタンパブルシート
を素手で触った時に痛みが殆ど無かった。次に、得られ
たサンプルから、長さ150mm 、幅50mmの試験片を作成
し、スパン100mm、クロスヘッドスピード50mm/minで3
点曲げ試験を実施し、弾性勾配を測定した。
【0069】得られた試験結果を表1に示す。軽量スタ
ンパブルシートの微細構造を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリエチレンテレフタレート繊維は、繊維形状で成
形品中に存在していることがわかった。 (実施例2〜4)有機繊維を表1に示すものに代えた以
外は実施例1と同様の方法で軽量スタンパブルシートを
試作した。
【0070】得られた軽量スタンパブルシートの厚み
は、約 2.4mmであった。また、軽量スタンパブルシート
を素手で触った時に、実施例2〜4いずれの場合も痛み
が殆ど無かった。次に、得られた軽量スタンパブルシー
トを、実施例1と同様の方法で試験し、評価を行った。
【0071】試験結果を表1に示す。軽量スタンパブル
シートの微細構造を光学顕微鏡で観察したところ、有機
繊維は、繊維形状で成形品中に存在していることがわか
った。 (実施例5)実施例1と同様の原料、同様の方法でウエ
ブを製造した。
【0072】得られたウエブを空気雰囲気下で 210℃の
熱盤で加熱し、5kgf/cm2 の圧力で圧着後、クリアラン
スを2.6mm に設定した金型により圧縮/冷却固化し、軽
量スタンパブルシートを得た。得られた軽量スタンパブ
ルシートの厚みは約 2.4mmであった。また、軽量スタン
パブルシートを素手で触った時に痛みが殆ど無かった。
【0073】次に、得られた軽量スタンパブルシート
を、実施例1と同様の方法で試験し、評価を行った。試
験結果を表1に示す。軽量スタンパブルシートの微細構
造を光学顕微鏡で観察したところ、ポリエチレンテレフ
タレート繊維は、繊維形状で成形品中に存在しているこ
とがわかった。
【0074】(比較例1)有機繊維としてポリプロピレ
ン繊維を用いた以外は実施例1と同様の方法で軽量スタ
ンパブルシートを試作し、評価を行った。試験結果を表
1に示す。このときシートは膨張性が不十分であり、成
形品の目標厚みの約 2.4mmに到達せず、軽量性の面で不
適であった。
【0075】軽量スタンパブルシートの微細構造を光学
顕微鏡で観察したところ、ポリプロピレン繊維は、加熱
により融解し、成形品中に繊維形状で存在していないこ
とがわかった。 (比較例2)表1に示す原料の配合量で実施例1と同様
の方法で軽量スタンパブルシートを試作した。
【0076】得られた軽量スタンパブルシートの厚みは
約 2.4mmであった。次に、得られた軽量スタンパブルシ
ートを、実施例1と同様の方法で試験し、評価を行っ
た。試験結果を表1に示す。シートは強化用繊維の補強
効果で剛性は十分であったが、サンプルを素手で触った
ときに痛みがあった。
【0077】(比較例3)表1に示す原料の配合量で実
施例1と同様の方法で軽量スタンパブルシートを試作し
た。得られた軽量スタンパブルシートの厚みは約 2.4mm
に到達せず、軽量性の面で不適であった。
【0078】また、サンプルを素手で触ったときに痛み
があった。次に、得られた軽量スタンパブルシートを、
実施例1と同様の方法で試験し、評価を行った。試験結
果を表1に示す。表1に示されるように、強化用繊維と
して、温度特性を規定した有機繊維を併用することによ
り、成形品の軽量性、剛性が大幅に向上し、さらには、
皮膚刺激性の少ない軽量スタンパブルシートが得られ
た。
【0079】
【表1】
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、軽量で高い剛性を有し
ながらも皮膚刺激性が少ない軽量スタンパブルシートを
提供することが可能となった。本発明の軽量スタンパブ
ルシートは、特に、天井材、ドアトリムなどの自動車内
装品などとして有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤巻 雅美 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 長山 勝博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 永島 之夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 高野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 菅野 吉則 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 ケープ ラシート株式会社内 (72)発明者 桝井 捷平 東京都中央区新川2丁目27番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 船越 覚 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とす
    る繊維強化熱可塑性樹脂シートであって、前記強化用繊
    維が無機繊維と有機繊維とからなり、該強化用有機繊維
    の融点または分解温度のうち、いずれか低い方の温度
    が、前記熱可塑性樹脂の融点よりも高いことを特徴とす
    る抄造法スタンパブルシート。
  2. 【請求項2】 前記強化用有機繊維の融点または分解温
    度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹脂
    の融点に対して10℃以上高いことを特徴とする請求項1
    記載の抄造法スタンパブルシート。
  3. 【請求項3】 前記強化用有機繊維の含有量が、前記強
    化用繊維の合計量100 重量部に対して5〜30重量部であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の抄造法スタ
    ンパブルシート。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンであ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の抄造
    法スタンパブルシート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂と強化用繊維を主成分とす
    る繊維強化多孔質材料であって、前記強化用繊維が無機
    繊維と有機繊維とからなり、該強化用有機繊維の融点ま
    たは分解温度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱
    可塑性樹脂の融点よりも高いことを特徴とする軽量スタ
    ンパブルシート。
  6. 【請求項6】 前記強化用有機繊維の融点または分解温
    度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹脂
    の融点に対して10℃以上高いことを特徴とする請求項5
    記載の軽量スタンパブルシート。
  7. 【請求項7】 前記強化用有機繊維の含有量が、前記強
    化用繊維の合計量100 重量部に対して5〜30重量部であ
    ることを特徴とする請求項5または6記載の軽量スタン
    パブルシート。
  8. 【請求項8】 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンであ
    ることを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の軽量
    スタンパブルシート。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とからなる主
    原料を抄造して得られるウエブを加熱、加圧し、固化す
    ることにより、スタンパブルシートを製造する方法にお
    いて、前記強化用繊維が無機繊維と有機繊維とからな
    り、前記ウエブを、前記熱可塑性樹脂の融点以上、分解
    温度未満、かつ前記強化用有機繊維の融点または分解温
    度のうち、いずれか低い方の温度未満になるように加熱
    することを特徴とする抄造法スタンパブルシートの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 前記強化用有機繊維の融点または分解
    温度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹
    脂の融点に対して10℃以上高いことを特徴とする請求項
    9記載の抄造法スタンパブルシートの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記強化用有機繊維の含有量が、前記
    強化用繊維の合計量100 重量部に対して5〜30重量部で
    あることを特徴とする請求項9または10記載の抄造法ス
    タンパブルシートの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンで
    あることを特徴とする請求項9〜11いずれかに記載の抄
    造法スタンパブルシートの製造方法。
  13. 【請求項13】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とからなる
    主原料を抄造して得られるウエブを加熱、加圧し、固化
    して得られるスタンパブルシートを再加熱して膨張させ
    た後、成形することにより、軽量スタンパブルシートを
    製造する方法において、前記強化用繊維が無機繊維と有
    機繊維とからなり、前記ウエブおよびスタンパブルシー
    トを、前記熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度未満、か
    つ前記強化用有機繊維の融点または分解温度のうち、い
    ずれか低い方の温度未満になるように加熱することを特
    徴とする軽量スタンパブルシートの製造方法。
  14. 【請求項14】 熱可塑性樹脂と強化用繊維とからなる
    主原料を抄造して得られるウエブを加熱、圧着し、シー
    トの厚み方向に膨張させ、冷却、固化することにより、
    軽量スタンパブルシートを製造する方法において、前記
    強化用繊維が無機繊維と有機繊維とからなり、前記ウエ
    ブを、前記熱可塑性樹脂の融点以上、分解温度未満、か
    つ前記強化用有機繊維の融点または分解温度のうち、い
    ずれか低い方の温度未満になるように加熱、圧着するこ
    とを特徴とする軽量スタンパブルシートの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記強化用有機繊維の融点または分解
    温度のうち、いずれか低い方の温度が、前記熱可塑性樹
    脂の融点に対して10℃以上高いことを特徴とする請求項
    13または14記載の軽量スタンパブルシートの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記強化用有機繊維の含有量が、前記
    強化用繊維の合計量100 重量部に対して5〜30重量部で
    あることを特徴とする請求項13〜15いずれかに記載の軽
    量スタンパブルシートの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレンで
    あることを特徴とする請求項13〜16いずれかに記載の軽
    量スタンパブルシートの製造方法。
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