JPH10317041A - ダスト発生の少ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法 - Google Patents
ダスト発生の少ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法Info
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- JPH10317041A JPH10317041A JP29261097A JP29261097A JPH10317041A JP H10317041 A JPH10317041 A JP H10317041A JP 29261097 A JP29261097 A JP 29261097A JP 29261097 A JP29261097 A JP 29261097A JP H10317041 A JPH10317041 A JP H10317041A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ダスト発生を抑制し、クロム、炭材歩留りを
改善するクロム鉱石の溶融還元精錬方法を提案する。 【解決手段】 上吹きまたは底吹きもしくは上底吹きの
機能を有する精錬反応容器を用いたクロム鉱石の溶融還
元精錬方法において、溶融還元期でのスラグ中残留炭材
量を2〜20wt%の範囲の好ましくは低い側に制御して、
スラグフォーミングを促進する。また、さらに、スラグ
塩基度(wt%CaO )/(wt%SiO2)を2.5以下とするの
がより好ましい。また、スラグ中残留炭材量を、マスバ
ランスから計算されるスラグ中残留炭材量の参照値に基
づいて原料の投入速度を調整するのがスラグ中残留炭材
量の安定制御の点から好ましい。溶融還元期の末期には
スラグ中残留炭材量を7〜20wt%とすることにより、ク
ロム歩留り等還元状況を良好にできる。炭材は無煙炭と
するのが好ましい。
改善するクロム鉱石の溶融還元精錬方法を提案する。 【解決手段】 上吹きまたは底吹きもしくは上底吹きの
機能を有する精錬反応容器を用いたクロム鉱石の溶融還
元精錬方法において、溶融還元期でのスラグ中残留炭材
量を2〜20wt%の範囲の好ましくは低い側に制御して、
スラグフォーミングを促進する。また、さらに、スラグ
塩基度(wt%CaO )/(wt%SiO2)を2.5以下とするの
がより好ましい。また、スラグ中残留炭材量を、マスバ
ランスから計算されるスラグ中残留炭材量の参照値に基
づいて原料の投入速度を調整するのがスラグ中残留炭材
量の安定制御の点から好ましい。溶融還元期の末期には
スラグ中残留炭材量を7〜20wt%とすることにより、ク
ロム歩留り等還元状況を良好にできる。炭材は無煙炭と
するのが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロム鉱石に炭素
含有物質(炭材)を添加してクロム鉱石を溶融還元する
クロム鉱石の溶融還元精錬に係り、とくに溶湯浴面から
の炭材およびメタル系ダストの発生の抑制と、Cr、C等
の歩留り向上に関する。
含有物質(炭材)を添加してクロム鉱石を溶融還元する
クロム鉱石の溶融還元精錬に係り、とくに溶湯浴面から
の炭材およびメタル系ダストの発生の抑制と、Cr、C等
の歩留り向上に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の主原料の一つであるフェ
ロクロムは、従来、電力を熱源とする電気炉法で製造さ
れてきたが、高価な電力を多量に使用することから、フ
ェロクロムのコストは高くなり、その結果、ステンレス
鋼の製造コストを高くしていた。そこで、電力を使用し
ない脱電力型精錬法として、転炉によるクロム鉱石の溶
融還元精錬法が注目されている。
ロクロムは、従来、電力を熱源とする電気炉法で製造さ
れてきたが、高価な電力を多量に使用することから、フ
ェロクロムのコストは高くなり、その結果、ステンレス
鋼の製造コストを高くしていた。そこで、電力を使用し
ない脱電力型精錬法として、転炉によるクロム鉱石の溶
融還元精錬法が注目されている。
【0003】この転炉によるクロム鉱石の溶融還元精錬
法では、主原料のクロム鉱石を安価な炭材により還元
し、酸素を上吹きまたは底吹きにより供給して脱炭反応
(1次、2次酸化反応)による発熱で酸化物の還元吸熱
を補う熱補償を行って、浴温を維持している。しかし、
この溶融還元精錬法では、クロム鉱石の還元量が多く吸
熱量が大きくなるため、上吹き酸素ガス量を増加して熱
補償を大きくする必要がある。上吹き酸素ガス量を増加
すると、浴面からのダスト発生が問題となる。ダストの
発生は、脱炭反応により生成されるCOガス気泡の崩壊に
よる飛沫、および上吹き酸素ガスによる浴面上の反応火
点(上吹き酸素火点)からの金属の蒸発に起因するもの
が主であると言われている。
法では、主原料のクロム鉱石を安価な炭材により還元
し、酸素を上吹きまたは底吹きにより供給して脱炭反応
(1次、2次酸化反応)による発熱で酸化物の還元吸熱
を補う熱補償を行って、浴温を維持している。しかし、
この溶融還元精錬法では、クロム鉱石の還元量が多く吸
熱量が大きくなるため、上吹き酸素ガス量を増加して熱
補償を大きくする必要がある。上吹き酸素ガス量を増加
すると、浴面からのダスト発生が問題となる。ダストの
発生は、脱炭反応により生成されるCOガス気泡の崩壊に
よる飛沫、および上吹き酸素ガスによる浴面上の反応火
点(上吹き酸素火点)からの金属の蒸発に起因するもの
が主であると言われている。
【0004】したがって、ダスト発生を抑制するために
は、上吹き酸素ガスを浴面に強く吹きつけないようにソ
フトブロー化すること、および上吹き酸素火点を溶融ス
ラグで浴面と遮断することが必要となる。上吹き酸素ガ
スをソフトブロー化する方法として、浴面からの上吹き
ランスの高さを上昇する方法、あるいは上吹きランス孔
を多孔化しランス孔の断面積を増加させ、吐出孔のガス
流速を低下させる方法が一般的である。しかし、これら
の方法では2次燃焼が促進されるため、排ガス温度が上
昇して炉体耐火物の損耗が激しくなるという問題があ
る。
は、上吹き酸素ガスを浴面に強く吹きつけないようにソ
フトブロー化すること、および上吹き酸素火点を溶融ス
ラグで浴面と遮断することが必要となる。上吹き酸素ガ
スをソフトブロー化する方法として、浴面からの上吹き
ランスの高さを上昇する方法、あるいは上吹きランス孔
を多孔化しランス孔の断面積を増加させ、吐出孔のガス
流速を低下させる方法が一般的である。しかし、これら
の方法では2次燃焼が促進されるため、排ガス温度が上
昇して炉体耐火物の損耗が激しくなるという問題があ
る。
【0005】また、上吹き酸素火点を溶融スラグにより
浴面と遮断する方法として、例えば、特開平1-215949号
公報には、炉内に常に50kg/t以上の溶融スラグを存在さ
せることにより、ダストの発生を抑制する方法が提案さ
れている。この方法では、炉内に常にスラグを存在させ
るために、前チャージのスラグを炉内に残留させる方法
が採られている。しかしながら、吹錬開始前に炉内にス
クラップを装入する際に、残留するスラグの一部がスク
ラップによって局部的に冷却され、塊状化しスクラップ
溶解を著しく妨げるという問題があった。ステンレス鋼
精錬ではコスト低減のため、安価なCr, Ni源としてスク
ラップを使用しているが、スクラップ溶解が妨げられる
と精錬効率上問題となる。また、スクラップ昇温後に精
錬を中断してスラグ装入を行なう方法が考えられるが、
精錬時間の増加に繋がり問題がある。また、スラグを残
留させずにスラグを増量させる手段としては、吹錬中に
添加するフラックス量を増加する方法があるが、コスト
増となる問題を残していた。
浴面と遮断する方法として、例えば、特開平1-215949号
公報には、炉内に常に50kg/t以上の溶融スラグを存在さ
せることにより、ダストの発生を抑制する方法が提案さ
れている。この方法では、炉内に常にスラグを存在させ
るために、前チャージのスラグを炉内に残留させる方法
が採られている。しかしながら、吹錬開始前に炉内にス
クラップを装入する際に、残留するスラグの一部がスク
ラップによって局部的に冷却され、塊状化しスクラップ
溶解を著しく妨げるという問題があった。ステンレス鋼
精錬ではコスト低減のため、安価なCr, Ni源としてスク
ラップを使用しているが、スクラップ溶解が妨げられる
と精錬効率上問題となる。また、スクラップ昇温後に精
錬を中断してスラグ装入を行なう方法が考えられるが、
精錬時間の増加に繋がり問題がある。また、スラグを残
留させずにスラグを増量させる手段としては、吹錬中に
添加するフラックス量を増加する方法があるが、コスト
増となる問題を残していた。
【0006】また、クロム鉱石の溶融還元精錬において
重要なもうひとつのポイントは、クロム還元の強化があ
る。還元強化の方法としては、還元材である炭素含有
物資を十分供給する、還元反応を悪化させるスラグ中
の高融点化合物の生成をさけるスラグ組成とする、等の
方法が一般的である。例えば、特公昭62-50544号公報に
は、上底吹き転炉での半還元クロムペレットを溶融還元
するに際し、クロムペレットを供給したのち最終還元工
程を設け、その最終還元工程において底吹きガス量をス
ラグ重量あたり300 〜1800Nl/min/t-slag 、スラグ中遊
離炭材量をスラグに対し2wt%以上、スラグ組成を{(C
aO%)+1.39(MgO%) }/ {(SiO2%)+1.18(Al2O3%)}=0.7
〜1.2 とすることにより、クロム還元を強化する精錬方
法が提案されている。しかしながら、この方法では、Cr
の歩留り向上やスロッピングの防止は可能であるが、過
剰な炭素含有物質(以下、炭材ともいう)供給となり炭
材歩留りが低下し、さらに積極的なスラグフォーミング
促進とならず、ダスト発生の抑制が不十分となるなどの
問題を残していた。
重要なもうひとつのポイントは、クロム還元の強化があ
る。還元強化の方法としては、還元材である炭素含有
物資を十分供給する、還元反応を悪化させるスラグ中
の高融点化合物の生成をさけるスラグ組成とする、等の
方法が一般的である。例えば、特公昭62-50544号公報に
は、上底吹き転炉での半還元クロムペレットを溶融還元
するに際し、クロムペレットを供給したのち最終還元工
程を設け、その最終還元工程において底吹きガス量をス
ラグ重量あたり300 〜1800Nl/min/t-slag 、スラグ中遊
離炭材量をスラグに対し2wt%以上、スラグ組成を{(C
aO%)+1.39(MgO%) }/ {(SiO2%)+1.18(Al2O3%)}=0.7
〜1.2 とすることにより、クロム還元を強化する精錬方
法が提案されている。しかしながら、この方法では、Cr
の歩留り向上やスロッピングの防止は可能であるが、過
剰な炭素含有物質(以下、炭材ともいう)供給となり炭
材歩留りが低下し、さらに積極的なスラグフォーミング
促進とならず、ダスト発生の抑制が不十分となるなどの
問題を残していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
有利に解決し、ダスト発生を抑制し、さらにCrや炭材等
の歩留りを改善したクロム鉱石の溶融還元精錬方法を提
案することを目的とする。
有利に解決し、ダスト発生を抑制し、さらにCrや炭材等
の歩留りを改善したクロム鉱石の溶融還元精錬方法を提
案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】溶融還元精錬において
は、還元強化の目的で、通常、還元材である炭材が十分
に供給されている。還元反応はスラグ中の炭材表面で進
行するといわれており、クロム酸化物、炭材種によって
スラグ中に残留する残留炭材量を規定している。従来、
スラグ中の残留炭材量は、還元強化の目的に加えてスロ
ッピング防止のため、ある濃度以上とされていた。
は、還元強化の目的で、通常、還元材である炭材が十分
に供給されている。還元反応はスラグ中の炭材表面で進
行するといわれており、クロム酸化物、炭材種によって
スラグ中に残留する残留炭材量を規定している。従来、
スラグ中の残留炭材量は、還元強化の目的に加えてスロ
ッピング防止のため、ある濃度以上とされていた。
【0009】転炉精錬で見られるスロッピングとは、精
錬中にT.FeやCr酸化物などの酸化性の強い成分を多量に
含むスラグと高炭素濃度の溶湯の反応によって溶湯/ス
ラグ界面で発生したCOガス気泡がスラグ中を容易に通過
できずにスラグレベルを上昇させるスラグフォーミング
ののち、ついに転炉上部の炉口からスラグが溢れ出すこ
とである。
錬中にT.FeやCr酸化物などの酸化性の強い成分を多量に
含むスラグと高炭素濃度の溶湯の反応によって溶湯/ス
ラグ界面で発生したCOガス気泡がスラグ中を容易に通過
できずにスラグレベルを上昇させるスラグフォーミング
ののち、ついに転炉上部の炉口からスラグが溢れ出すこ
とである。
【0010】従来は、還元強化(還元率向上)、スロッ
ピング防止の観点からスラグ中Fe、Cr酸化物濃度を極力
低下させる、すなわちスラグ中残留炭材量を増加させる
ことが行われてきた。本発明者らは、転炉によるクロム
鉱石の溶融還元精錬において、ダストの発生を抑制する
方法について鋭意検討した結果、スラグフォーミングに
着目した。
ピング防止の観点からスラグ中Fe、Cr酸化物濃度を極力
低下させる、すなわちスラグ中残留炭材量を増加させる
ことが行われてきた。本発明者らは、転炉によるクロム
鉱石の溶融還元精錬において、ダストの発生を抑制する
方法について鋭意検討した結果、スラグフォーミングに
着目した。
【0011】スラグフォーミングによればスラグの見
掛け比重が減少し少量のスラグでもスラグ高さを増加で
きること、スラグの見掛け比重の減少により比重の小
さい炭材をスラグ内に巻き込ませることが可能であるこ
とから、スラグフォーミング促進による上吹き酸素火点
と浴面の遮断効果、上吹き酸素火点と炭材の直接接触の
防止を実現でき、スラグ量が少なくても浴面からのメタ
ル系、炭材系ダストの発生を容易に抑制できることに思
い到った。
掛け比重が減少し少量のスラグでもスラグ高さを増加で
きること、スラグの見掛け比重の減少により比重の小
さい炭材をスラグ内に巻き込ませることが可能であるこ
とから、スラグフォーミング促進による上吹き酸素火点
と浴面の遮断効果、上吹き酸素火点と炭材の直接接触の
防止を実現でき、スラグ量が少なくても浴面からのメタ
ル系、炭材系ダストの発生を容易に抑制できることに思
い到った。
【0012】まず、本発明の基礎となった実験結果につ
いて説明する。本発明者らは、図1に模式的に示す上底
吹き転炉を用いてクロム鉱石の溶融還元実験を行った。
ヒートサイズは150 〜170ton/ch として、溶銑4(C:
4.3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:0.02wt%、P:0.015wt
%、S:0.012wt %)を装入し、上吹きガス8(酸素:
2.5Nm3/min/ton)を上吹きランス6から、底吹きガス1
(酸素:0.3Nm3/min/ton)を底吹き羽口2から吹込み、
炉上部から炭材のみを添加しながら、溶銑を1600℃まで
昇温する第1工程と、溶銑温度1600℃に保持しながらク
ロム鉱石投入ランス7からクロム鉱石を、炉上部から炭
材、副原料を投入し溶融還元を行う第2工程からなる操
業を行い、スラグフォーミング状況について調査した。
いて説明する。本発明者らは、図1に模式的に示す上底
吹き転炉を用いてクロム鉱石の溶融還元実験を行った。
ヒートサイズは150 〜170ton/ch として、溶銑4(C:
4.3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:0.02wt%、P:0.015wt
%、S:0.012wt %)を装入し、上吹きガス8(酸素:
2.5Nm3/min/ton)を上吹きランス6から、底吹きガス1
(酸素:0.3Nm3/min/ton)を底吹き羽口2から吹込み、
炉上部から炭材のみを添加しながら、溶銑を1600℃まで
昇温する第1工程と、溶銑温度1600℃に保持しながらク
ロム鉱石投入ランス7からクロム鉱石を、炉上部から炭
材、副原料を投入し溶融還元を行う第2工程からなる操
業を行い、スラグフォーミング状況について調査した。
【0013】クロム鉱石の投入速度を4.80kg/min/t、3.
60kg/min/tの2水準、炭材の投入速度を第1工程では5.
0kg/min/t 、第2工程では4.80kg/min/t、また、第1工
程では6.70kg/min/t、第2工程では6.20kg/min/tとする
2水準に変化させた。添加したクロム鉱石は、T.Cr:32
wt%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、炭材は、粒径10〜20mmのコークスまたは粒径10〜25
mmの無煙炭で、組成がFC:88%、VM:7%、SiO2:2%
のものを使用した。また、溶融還元を行う第2工程での
スラグ組成は、クロム鉱石から混入するAl2O3 、MgO が
スラグ中で Al2O3+MgO =45%となるようにトータルス
ラグ量を決定し、石灰石、砂利の投入量を調整して、Ca
O 、SiO2量の比で定義されるスラグの塩基度を1.0 〜3.
0 の範囲で変化させた。
60kg/min/tの2水準、炭材の投入速度を第1工程では5.
0kg/min/t 、第2工程では4.80kg/min/t、また、第1工
程では6.70kg/min/t、第2工程では6.20kg/min/tとする
2水準に変化させた。添加したクロム鉱石は、T.Cr:32
wt%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、炭材は、粒径10〜20mmのコークスまたは粒径10〜25
mmの無煙炭で、組成がFC:88%、VM:7%、SiO2:2%
のものを使用した。また、溶融還元を行う第2工程での
スラグ組成は、クロム鉱石から混入するAl2O3 、MgO が
スラグ中で Al2O3+MgO =45%となるようにトータルス
ラグ量を決定し、石灰石、砂利の投入量を調整して、Ca
O 、SiO2量の比で定義されるスラグの塩基度を1.0 〜3.
0 の範囲で変化させた。
【0014】各水準における精錬中のスラグ中残留炭材
量とスラグ見掛け比重の関係を求め、図2に示す。ここ
で示すスラグ中残留炭材量は、供給した炭材量からダス
トによる飛散量、および脱炭反応における消費量を差し
引いた量と、投入原料、フラックス量により求まるスラ
グ重量との重量比である。ダストによる飛散量は、排ガ
ス集塵水を10min 間隔で採取して得られたダスト中の炭
材分を分析し求めた。また、ここで示すスラグ見掛け比
重は、実績の副原料投入量から算出されるスラグ量、ス
ラグ高さ、炉内径より計算されたものである。スラグ高
さは、サブランス先端に取付けたMo電極間の電圧降下に
より測定した。
量とスラグ見掛け比重の関係を求め、図2に示す。ここ
で示すスラグ中残留炭材量は、供給した炭材量からダス
トによる飛散量、および脱炭反応における消費量を差し
引いた量と、投入原料、フラックス量により求まるスラ
グ重量との重量比である。ダストによる飛散量は、排ガ
ス集塵水を10min 間隔で採取して得られたダスト中の炭
材分を分析し求めた。また、ここで示すスラグ見掛け比
重は、実績の副原料投入量から算出されるスラグ量、ス
ラグ高さ、炉内径より計算されたものである。スラグ高
さは、サブランス先端に取付けたMo電極間の電圧降下に
より測定した。
【0015】図2より、スラグ中残留炭材量を制御する
ことにより、スラグ見掛け比重が低下しスラグフォーミ
ングが促進されるが、炭材の種類により、スラグ見掛け
比重とスラグ中残留炭材量との関係が異なる。とくに炭
材がコークスの場合には、残留炭材量を20wt%以下、炭
材が無煙炭の場合には、残留炭材量を15wt%以下とする
ことによりスラグ見掛け比重が低下し、スラグフォーミ
ングが促進されることがわかる。
ことにより、スラグ見掛け比重が低下しスラグフォーミ
ングが促進されるが、炭材の種類により、スラグ見掛け
比重とスラグ中残留炭材量との関係が異なる。とくに炭
材がコークスの場合には、残留炭材量を20wt%以下、炭
材が無煙炭の場合には、残留炭材量を15wt%以下とする
ことによりスラグ見掛け比重が低下し、スラグフォーミ
ングが促進されることがわかる。
【0016】スラグ中残留炭材量を低下しすぎると、ス
ラグが炉口よりあふれだすスロッピングが発生するが、
図2の結果から、スラグフォーミングおよびスロッピン
グ発生とスラグ中残留炭材量の関係を図3に示す。図3
から、炭材がコークスの場合には、スロッピングを発生
することなくスラグフォーミングを促進できる範囲(適
正領域)が狭いのに対し、炭材が無煙炭の場合には、そ
の範囲が広い。このように、スラグ中残留炭材量を制御
することにより、スラグフォーミングを安定して制御で
き、とくに、炭材に無煙炭を使用すれば、より安定して
スラグフォーミングを制御できるという知見を得た。
ラグが炉口よりあふれだすスロッピングが発生するが、
図2の結果から、スラグフォーミングおよびスロッピン
グ発生とスラグ中残留炭材量の関係を図3に示す。図3
から、炭材がコークスの場合には、スロッピングを発生
することなくスラグフォーミングを促進できる範囲(適
正領域)が狭いのに対し、炭材が無煙炭の場合には、そ
の範囲が広い。このように、スラグ中残留炭材量を制御
することにより、スラグフォーミングを安定して制御で
き、とくに、炭材に無煙炭を使用すれば、より安定して
スラグフォーミングを制御できるという知見を得た。
【0017】本発明は、上記した知見に基づき構成され
たものである。すなわち、本発明は、上吹きまたは底吹
きもしくは上底吹きの機能を有する精錬反応容器にクロ
ム鉱石を炭素含有物質(炭材)とともに投入しつつ酸素
を供給してクロム鉱石を溶融還元するクロム鉱石の溶融
還元精錬方法において、溶融還元期でのスラグ中残留炭
素含有物質(炭材)量を2〜20wt%の範囲に制御して精
錬することを特徴とするダスト発生の少ないクロム鉱石
の溶融還元精錬方法であり、本発明では、前記炭素含有
物質(炭材)を熱崩壊性を有する無煙炭とするのが好適
である。
たものである。すなわち、本発明は、上吹きまたは底吹
きもしくは上底吹きの機能を有する精錬反応容器にクロ
ム鉱石を炭素含有物質(炭材)とともに投入しつつ酸素
を供給してクロム鉱石を溶融還元するクロム鉱石の溶融
還元精錬方法において、溶融還元期でのスラグ中残留炭
素含有物質(炭材)量を2〜20wt%の範囲に制御して精
錬することを特徴とするダスト発生の少ないクロム鉱石
の溶融還元精錬方法であり、本発明では、前記炭素含有
物質(炭材)を熱崩壊性を有する無煙炭とするのが好適
である。
【0018】また、本発明では、前記溶融還元期でのス
ラグ中残留炭素含有物質(炭材)量を、精錬中に供給量
と排出量のマスバランスから計算されるスラグ中残留炭
素含有物質(炭材)量の参照値に基づいてクロム鉱石お
よび炭素含有物質(炭材)の供給速度を調整して、制御
するのが好ましく、さらに、本発明では、前記溶融還元
期でのスラグ中のCaO 量と SiO2 量の比、(wt%CaO )
/(wt%SiO2)で2.5以下とするのが好ましい。
ラグ中残留炭素含有物質(炭材)量を、精錬中に供給量
と排出量のマスバランスから計算されるスラグ中残留炭
素含有物質(炭材)量の参照値に基づいてクロム鉱石お
よび炭素含有物質(炭材)の供給速度を調整して、制御
するのが好ましく、さらに、本発明では、前記溶融還元
期でのスラグ中のCaO 量と SiO2 量の比、(wt%CaO )
/(wt%SiO2)で2.5以下とするのが好ましい。
【0019】また、本発明では、前記溶融還元期でのス
ラグ中残留炭素含有物質(炭材)量を2〜20wt%の範囲
の低い側に制御して溶融還元期での精錬を行い、該溶融
還元期の終わりにスラグ中残留炭素含有物質(炭材)量
を7〜20wt%としたのち、仕上げ還元を行うのが好まし
い。
ラグ中残留炭素含有物質(炭材)量を2〜20wt%の範囲
の低い側に制御して溶融還元期での精錬を行い、該溶融
還元期の終わりにスラグ中残留炭素含有物質(炭材)量
を7〜20wt%としたのち、仕上げ還元を行うのが好まし
い。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の限定理由について説明す
る。上吹きまたは底吹きもしくは上底吹きの機能を有す
る精錬反応容器を用い、クロム鉱石とともに炭材を投入
し、酸素を供給してクロム鉱石を溶融還元する。投入す
る炭材には、無煙炭あるいはコークス、あるいはコーク
スと無煙炭の混合したものを使用できる。
る。上吹きまたは底吹きもしくは上底吹きの機能を有す
る精錬反応容器を用い、クロム鉱石とともに炭材を投入
し、酸素を供給してクロム鉱石を溶融還元する。投入す
る炭材には、無煙炭あるいはコークス、あるいはコーク
スと無煙炭の混合したものを使用できる。
【0021】炭材は、クロム鉱石の溶融還元精錬では、
熱源および還元剤として作用する。炭材によるスラグ中
クロム酸化物の還元は、スラグ中炭材の表面で進行する
といわれており、還元に対しては炭材の粒度(表面積)
が大きく影響する。また、スラグフォーミングを決定す
る溶融スラグ中の気泡の破壊に対しては、炭材の粒径、
炭材とスラグの濡れ性、炭材のスラグ中への巻き込み量
等が複雑に影響している。このようなことから、投入す
る炭材として、熱崩壊性を有する無煙炭を使用するのが
もっとも好ましい。無煙炭が炉内で微細化し炭材の表面
積が増加し、熱崩壊性のないコークスにくらべ、還元反
応に対し優位となる。さらに、炭材として無煙炭を使用
すると、スラグフォーミングを適正に促進できる範囲が
拡大し、少ないスラグ量でスラグレベルを高くすること
ができ、還元率を低下させることなくダストの発生を効
果的に抑制できる。炭材として投入する無煙炭の粒径は
炉内での熱崩壊後に2〜5mmとなるものが好適である。
この範囲より粒径が大きい場合では、還元反応、スラグ
フォーミング制御が不十分となる。
熱源および還元剤として作用する。炭材によるスラグ中
クロム酸化物の還元は、スラグ中炭材の表面で進行する
といわれており、還元に対しては炭材の粒度(表面積)
が大きく影響する。また、スラグフォーミングを決定す
る溶融スラグ中の気泡の破壊に対しては、炭材の粒径、
炭材とスラグの濡れ性、炭材のスラグ中への巻き込み量
等が複雑に影響している。このようなことから、投入す
る炭材として、熱崩壊性を有する無煙炭を使用するのが
もっとも好ましい。無煙炭が炉内で微細化し炭材の表面
積が増加し、熱崩壊性のないコークスにくらべ、還元反
応に対し優位となる。さらに、炭材として無煙炭を使用
すると、スラグフォーミングを適正に促進できる範囲が
拡大し、少ないスラグ量でスラグレベルを高くすること
ができ、還元率を低下させることなくダストの発生を効
果的に抑制できる。炭材として投入する無煙炭の粒径は
炉内での熱崩壊後に2〜5mmとなるものが好適である。
この範囲より粒径が大きい場合では、還元反応、スラグ
フォーミング制御が不十分となる。
【0022】一方、熱崩壊性のないコークスでもスラグ
フォーミングを適正に促進できる範囲が狭いが、スラグ
レベルを高くし、還元率を低下することなくダストの発
生を抑制できる。炭材として投入するコークスの粒径
は、還元強化、歩留り向上のため5〜25mmとしたものが
好適である。また、無煙炭とコークスとを混合したもの
でもよいのは言うまでもない。
フォーミングを適正に促進できる範囲が狭いが、スラグ
レベルを高くし、還元率を低下することなくダストの発
生を抑制できる。炭材として投入するコークスの粒径
は、還元強化、歩留り向上のため5〜25mmとしたものが
好適である。また、無煙炭とコークスとを混合したもの
でもよいのは言うまでもない。
【0023】溶融還元期でのスラグ中残留炭材量は、2
〜20wt%の範囲に制御する。スラグ量をほぼ一定(40〜
50ton )とした場合のスラグ高さとダスト発生速度の関
係を図4に示す。スラグ高さが大きくなるにしたがいダ
スト発生速度が低下している。スラグ中残留炭材量を適
正量にして、スラグフォーミングを適正に促進させるこ
とにより、少ないスラグ量でもスラグ高さが高くなり、
上吹き酸素火点を浴面と効果的に遮断することができ、
それにより浴面からのメタル系、炭材系ダストの発生を
抑制できる。
〜20wt%の範囲に制御する。スラグ量をほぼ一定(40〜
50ton )とした場合のスラグ高さとダスト発生速度の関
係を図4に示す。スラグ高さが大きくなるにしたがいダ
スト発生速度が低下している。スラグ中残留炭材量を適
正量にして、スラグフォーミングを適正に促進させるこ
とにより、少ないスラグ量でもスラグ高さが高くなり、
上吹き酸素火点を浴面と効果的に遮断することができ、
それにより浴面からのメタル系、炭材系ダストの発生を
抑制できる。
【0024】スラグ中残留炭材量が2wt%未満では、ス
ラグフォーミングが過剰となりスロッピングが生じる。
一方、20wt%を超えるとスラグフォーミングが発生しな
い。スラグ中残留炭材量と炭材歩留りの関係を図6に示
す。図6から、スラグ中残留炭材量が多いと、炭材歩留
りが低下する。これは、スラグ中残留炭材量が多いと、
スラグ表面に過剰な炭材が蓄積し、上吹き酸素ガスによ
り飛散するためである。
ラグフォーミングが過剰となりスロッピングが生じる。
一方、20wt%を超えるとスラグフォーミングが発生しな
い。スラグ中残留炭材量と炭材歩留りの関係を図6に示
す。図6から、スラグ中残留炭材量が多いと、炭材歩留
りが低下する。これは、スラグ中残留炭材量が多いと、
スラグ表面に過剰な炭材が蓄積し、上吹き酸素ガスによ
り飛散するためである。
【0025】このようなことから、溶融還元期でのスラ
グ中残留炭材量は、2〜20wt%の範囲に限定した。な
お、炭材が無煙炭の場合には、好適なスラグ中残留炭材
量は、2〜15wt%の範囲であり、一方炭材がコークスの
場合には、15〜20wt%の範囲が好適である。溶融還元期
でのスラグは、CaO 量と SiO2 量の比、(wt%CaO )/
(wt%SiO2)で定義される塩基度が2.5 以下となる組成
に調整するのが好ましい。
グ中残留炭材量は、2〜20wt%の範囲に限定した。な
お、炭材が無煙炭の場合には、好適なスラグ中残留炭材
量は、2〜15wt%の範囲であり、一方炭材がコークスの
場合には、15〜20wt%の範囲が好適である。溶融還元期
でのスラグは、CaO 量と SiO2 量の比、(wt%CaO )/
(wt%SiO2)で定義される塩基度が2.5 以下となる組成
に調整するのが好ましい。
【0026】塩基度が、2.5 を超えると図5に示すよう
に、スラグ見掛け比重が高くなり、スラグフォーミング
が促進されないため、スラグの塩基度を2.5 以下とする
のが好ましい。本発明では、溶融還元期には、温度一定
の条件でクロム鉱石、炭材を一定供給する。しかし、炭
材の種類、スラグ組成によりスラグ中残留炭材量がばら
つく場合がある。このような場合には、精錬中に供給量
と排出量のマスバランスから計算されるスラグ中残留炭
材量の参照値に基づいてクロム鉱石および炭素含有物質
の供給速度を調整して、溶融還元期でのスラグ中残留炭
素含有物質量を制御するのが好ましい。
に、スラグ見掛け比重が高くなり、スラグフォーミング
が促進されないため、スラグの塩基度を2.5 以下とする
のが好ましい。本発明では、溶融還元期には、温度一定
の条件でクロム鉱石、炭材を一定供給する。しかし、炭
材の種類、スラグ組成によりスラグ中残留炭材量がばら
つく場合がある。このような場合には、精錬中に供給量
と排出量のマスバランスから計算されるスラグ中残留炭
材量の参照値に基づいてクロム鉱石および炭素含有物質
の供給速度を調整して、溶融還元期でのスラグ中残留炭
素含有物質量を制御するのが好ましい。
【0027】スラグ中残留炭材量の参照値は、精錬中連
続して吹錬開始からの積算値として、供給量と排出量
(溶融鉄中への溶解量、CO、CO2 等の排ガスおよびダス
トとして排ガス中に逸散する量など)のマスバランスか
ら計算され、表示される。この計算されたスラグ中残留
炭材量の参照値に基づいて、クロム鉱石および炭材の供
給速度を変化してスラグ中残留炭材量を上記した好適範
囲に制御する。スラグ中残留炭材量の参照値は供給量と
排出量のマスバランス、すなわち、供給した炭材量から
ダストによる飛散量、脱炭反応における消費量および溶
融鉄中への溶解量を差し引いた量と、投入原料、フラッ
クス量により求まるスラグ重量との重量比で算出され
る。上記した量を計算するために必要な値は、炭材添加
量(歩留り)、炭材燃焼分(酸素供給量、クロム鉱石供
給量、排ガス量組成)、スラグ量(炭材、クロム鉱石供
給量、副原料供給量)である。
続して吹錬開始からの積算値として、供給量と排出量
(溶融鉄中への溶解量、CO、CO2 等の排ガスおよびダス
トとして排ガス中に逸散する量など)のマスバランスか
ら計算され、表示される。この計算されたスラグ中残留
炭材量の参照値に基づいて、クロム鉱石および炭材の供
給速度を変化してスラグ中残留炭材量を上記した好適範
囲に制御する。スラグ中残留炭材量の参照値は供給量と
排出量のマスバランス、すなわち、供給した炭材量から
ダストによる飛散量、脱炭反応における消費量および溶
融鉄中への溶解量を差し引いた量と、投入原料、フラッ
クス量により求まるスラグ重量との重量比で算出され
る。上記した量を計算するために必要な値は、炭材添加
量(歩留り)、炭材燃焼分(酸素供給量、クロム鉱石供
給量、排ガス量組成)、スラグ量(炭材、クロム鉱石供
給量、副原料供給量)である。
【0028】本発明では、前記溶融還元期でのスラグ中
残留炭素含有物質量を2〜20wt%の範囲の低い側に制御
して溶融還元期での精錬を行い、該溶融還元期の終わり
にスラグ中残留炭素含有物質量を7〜20wt%としたの
ち、仕上げ還元を行うのが好ましい。溶融還元期の精錬
中は、スラグフォーミング促進のためスロッピングしな
い範囲、すなわち2〜20wt%の低い側に極力スラグ中の
残留炭材量を低下させる。好ましくは2〜7wt%の範囲
とするのがよい。その後、溶融還元期の末期には還元強
化のためスラグ中残留炭材量を7〜20wt%の範囲に増加
する。スラグ中の残留炭材量が7wt%未満では、還元力
が弱くCrの歩留りが低い。一方20wt%を超えると、炭材
飛散量が増大する。溶融還元期末期(仕上げ還元期)の
スラグ中残留炭材量と溶湯中のS濃度の関係を図7に示
す。スラグ中残留炭材量を7%以上とすることにより、
S濃度が0.010 wt%以下となることがわかる。
残留炭素含有物質量を2〜20wt%の範囲の低い側に制御
して溶融還元期での精錬を行い、該溶融還元期の終わり
にスラグ中残留炭素含有物質量を7〜20wt%としたの
ち、仕上げ還元を行うのが好ましい。溶融還元期の精錬
中は、スラグフォーミング促進のためスロッピングしな
い範囲、すなわち2〜20wt%の低い側に極力スラグ中の
残留炭材量を低下させる。好ましくは2〜7wt%の範囲
とするのがよい。その後、溶融還元期の末期には還元強
化のためスラグ中残留炭材量を7〜20wt%の範囲に増加
する。スラグ中の残留炭材量が7wt%未満では、還元力
が弱くCrの歩留りが低い。一方20wt%を超えると、炭材
飛散量が増大する。溶融還元期末期(仕上げ還元期)の
スラグ中残留炭材量と溶湯中のS濃度の関係を図7に示
す。スラグ中残留炭材量を7%以上とすることにより、
S濃度が0.010 wt%以下となることがわかる。
【0029】
(実施例1)図1に模式的に示す上底吹き転炉を用いて
クロム鉱石の溶融還元を行った。ヒートサイズは150 〜
170ton/ch として、C:4.3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:
0.02wt%、P:0.015wt %、S:0.012wt %の溶銑を装
入し、上吹き酸素ガス(流量:2.5Nm3/min/ton)、底吹
き酸素ガス(流量:0.3Nm3/min/ton)を吹込み、炉上部
から炭材のみを添加しながら、溶銑を1600℃まで昇温す
る工程ののち、溶銑温度1600℃に保持しながら投入ラン
スからクロム鉱石を、炉上部から炭材、副原料を投入し
クロム鉱石の溶融還元を行う溶融還元期を、スラグ組
成、スラグ中残留炭材量を変化して操業した。これら操
業に際し、ダスト発生状況について調査した。
クロム鉱石の溶融還元を行った。ヒートサイズは150 〜
170ton/ch として、C:4.3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:
0.02wt%、P:0.015wt %、S:0.012wt %の溶銑を装
入し、上吹き酸素ガス(流量:2.5Nm3/min/ton)、底吹
き酸素ガス(流量:0.3Nm3/min/ton)を吹込み、炉上部
から炭材のみを添加しながら、溶銑を1600℃まで昇温す
る工程ののち、溶銑温度1600℃に保持しながら投入ラン
スからクロム鉱石を、炉上部から炭材、副原料を投入し
クロム鉱石の溶融還元を行う溶融還元期を、スラグ組
成、スラグ中残留炭材量を変化して操業した。これら操
業に際し、ダスト発生状況について調査した。
【0030】なお、投入したクロム鉱石は、T.Cr:32wt
%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、投入した炭材は、粒径10〜25mmの無煙炭で、組成が
FC:88%、VM:7%、SiO2:2%のものを使用した。な
お、この無煙炭は、あらかじめ小型溶解炉を用いた熱崩
壊性テストで2〜5mmに微細化する性質を有するもので
あった。また、一部には粒径5〜25mmのコークスで、重
量%でF.C.=87%、 Ash=12%、SiO2=7.1 %、S=0.
3 %、P=0.020 %のものを使用した。
%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、投入した炭材は、粒径10〜25mmの無煙炭で、組成が
FC:88%、VM:7%、SiO2:2%のものを使用した。な
お、この無煙炭は、あらかじめ小型溶解炉を用いた熱崩
壊性テストで2〜5mmに微細化する性質を有するもので
あった。また、一部には粒径5〜25mmのコークスで、重
量%でF.C.=87%、 Ash=12%、SiO2=7.1 %、S=0.
3 %、P=0.020 %のものを使用した。
【0031】溶融還元期でのスラグ中残留炭材量は、投
入炭材量を変化して調整し、溶融還元期でのスラグの塩
基度は、石灰石、砂利の投入量を変化して調整した。ク
ロム鉱石、炭材の投入量およびスラグ塩基度、スラグ中
残留炭材量、ダスト発生速度を表1に示す。また、本発
明例1、2と比較例についてスラグ量とダスト発生量の
関係を図8に示す。
入炭材量を変化して調整し、溶融還元期でのスラグの塩
基度は、石灰石、砂利の投入量を変化して調整した。ク
ロム鉱石、炭材の投入量およびスラグ塩基度、スラグ中
残留炭材量、ダスト発生速度を表1に示す。また、本発
明例1、2と比較例についてスラグ量とダスト発生量の
関係を図8に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1および図8から、本発明範囲内の本発
明例(本発明例1、2)は、ダスト発生速度が低くダス
ト発生が抑制されている。これは、スラグの比重が低下
したことにより同一スラグ量でのスラグ高さが増加し、
上吹ジェットから浴面を覆う効果のためである。とく
に、スラグ塩基度を低くした本発明例2では、ダスト発
生速度が著しく低減されている。
明例(本発明例1、2)は、ダスト発生速度が低くダス
ト発生が抑制されている。これは、スラグの比重が低下
したことにより同一スラグ量でのスラグ高さが増加し、
上吹ジェットから浴面を覆う効果のためである。とく
に、スラグ塩基度を低くした本発明例2では、ダスト発
生速度が著しく低減されている。
【0034】また、炭材としてコークスを使用した本発
明例3、本発明例4においても、ダスト発生速度は低
い。一方、スラグ中残留炭材量が多く本発明範囲を外れ
る比較例では、本発明例に比べダスト発生速度は高い。
本発明範囲であれば、スラグ量に係わらず、ダスト発生
速度は低い。なお、スラグフォーミングが促進された場
合には炉体耐火物にスラグコーティングがみられ、従来
にくらべ耐火物の損耗に差異はなかった。また、吹錬後
のスラグ中の全Cr量は比較例、本発明例とも1wt%以下
であった。 (実施例2)図1に模式的に示す上底吹き転炉を用いて
クロム鉱石の溶融還元を行った。
明例3、本発明例4においても、ダスト発生速度は低
い。一方、スラグ中残留炭材量が多く本発明範囲を外れ
る比較例では、本発明例に比べダスト発生速度は高い。
本発明範囲であれば、スラグ量に係わらず、ダスト発生
速度は低い。なお、スラグフォーミングが促進された場
合には炉体耐火物にスラグコーティングがみられ、従来
にくらべ耐火物の損耗に差異はなかった。また、吹錬後
のスラグ中の全Cr量は比較例、本発明例とも1wt%以下
であった。 (実施例2)図1に模式的に示す上底吹き転炉を用いて
クロム鉱石の溶融還元を行った。
【0035】ヒートサイズは160ton/ch として、C:4.
3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:0.02wt%、P:0.015wt
%、S:0.012wt %の溶銑を装入し、上吹き酸素ガス
(流量:2.5Nm3/min/ton)、底吹き酸素ガス(流量:0.
3Nm3/min/ton)を吹込み、炉上部から炭材のみを添加し
ながら、溶銑を1600℃まで昇温する工程ののち、溶銑温
度1600℃に保持しながら投入ランスからクロム鉱石を、
炉上部から炭材、副原料を投入しクロム鉱石の溶融還元
を行う溶融還元期を行った。溶融還元期の操業は、 スラグ中残留炭材量を7.5 wt%を目標に一定の原料投
入速度で操業する(本発明例5)、原料供給量と排出
量からマスバランスで計算されるスラグ中残留炭材量の
参照値に基づいてスラグ中残留炭材量が7.5 wt%一定と
なるように、原料投入速度を調整する(本発明例6)、
の2水準で操業した。これら操業に際し、ダスト発生状
況および炭材歩留り、スラグ中クロム量、溶湯中クロム
量、溶湯中S量について調査した。
3 wt%、Si:0.01wt%、Cr:0.02wt%、P:0.015wt
%、S:0.012wt %の溶銑を装入し、上吹き酸素ガス
(流量:2.5Nm3/min/ton)、底吹き酸素ガス(流量:0.
3Nm3/min/ton)を吹込み、炉上部から炭材のみを添加し
ながら、溶銑を1600℃まで昇温する工程ののち、溶銑温
度1600℃に保持しながら投入ランスからクロム鉱石を、
炉上部から炭材、副原料を投入しクロム鉱石の溶融還元
を行う溶融還元期を行った。溶融還元期の操業は、 スラグ中残留炭材量を7.5 wt%を目標に一定の原料投
入速度で操業する(本発明例5)、原料供給量と排出
量からマスバランスで計算されるスラグ中残留炭材量の
参照値に基づいてスラグ中残留炭材量が7.5 wt%一定と
なるように、原料投入速度を調整する(本発明例6)、
の2水準で操業した。これら操業に際し、ダスト発生状
況および炭材歩留り、スラグ中クロム量、溶湯中クロム
量、溶湯中S量について調査した。
【0036】なお、投入したクロム鉱石は、T.Cr:32wt
%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、投入した炭材は、粒径10〜25mmの無煙炭で、組成が
FC:88%、VM:7%、SiO2:2%のものを使用した。な
お、この炭材は、あらかじめ小型溶解炉を用いた熱崩壊
性テストで2〜5mmに微細化する性質を有するものであ
った。
%、SiO2:2wt%、Al2O3 +MgO =25wt%の組成を有
し、投入した炭材は、粒径10〜25mmの無煙炭で、組成が
FC:88%、VM:7%、SiO2:2%のものを使用した。な
お、この炭材は、あらかじめ小型溶解炉を用いた熱崩壊
性テストで2〜5mmに微細化する性質を有するものであ
った。
【0037】なお、溶融還元期でのスラグの塩基度は、
石灰石、砂利の投入量を変化して調整した。クロム鉱
石、炭材の投入量およびスラグ塩基度、スラグ中残留炭
材量、ダスト発生速度、炭材歩留り、クロム量(スラグ
中、溶湯中)、S量(溶湯中)を表2に示す。
石灰石、砂利の投入量を変化して調整した。クロム鉱
石、炭材の投入量およびスラグ塩基度、スラグ中残留炭
材量、ダスト発生速度、炭材歩留り、クロム量(スラグ
中、溶湯中)、S量(溶湯中)を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2から、原料の投入速度を一定として、
スラグ中残留炭材量を本発明の範囲に制御した本発明例
5は、ダスト発生速度も低く、炭材歩留りも高いが、本
発明例6におけるようにスラグ中残留炭材量の参照値に
基づいて原料の投入速度を調整することにより、スラグ
中残留炭材量が安定し、クロム、炭材歩留りがさらに高
くなり、ダスト発生量も少なく、還元状況もさらに良く
なる。
スラグ中残留炭材量を本発明の範囲に制御した本発明例
5は、ダスト発生速度も低く、炭材歩留りも高いが、本
発明例6におけるようにスラグ中残留炭材量の参照値に
基づいて原料の投入速度を調整することにより、スラグ
中残留炭材量が安定し、クロム、炭材歩留りがさらに高
くなり、ダスト発生量も少なく、還元状況もさらに良く
なる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、副原料の増加や煩雑な
作業を伴うことなくスラグレベルを増加し、浴面からの
ダスト発生を抑制することができ、炭材、金属の歩留り
が向上するという、産業上多大な貢献が期待できる。
作業を伴うことなくスラグレベルを増加し、浴面からの
ダスト発生を抑制することができ、炭材、金属の歩留り
が向上するという、産業上多大な貢献が期待できる。
【図1】上底吹き転炉を用いたクロム鉱石の溶融還元精
錬の1実施例を示す概念図である。
錬の1実施例を示す概念図である。
【図2】スラグ中残留炭材量とスラグ見掛け比重との関
係を示すグラフである。
係を示すグラフである。
【図3】炭材によるスラグフォーミング適正領域を示す
グラフである。
グラフである。
【図4】スラグ高さとダスト発生速度の関係を示すグラ
フである。
フである。
【図5】スラグ塩基度とスラグ見掛け比重の関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図6】スラグ中残留炭材量と炭材歩留りの関係を示す
グラフである。
グラフである。
【図7】溶融還元期終了時のスラグ中残留炭材量と溶湯
中S量の関係を示すグラフである。
中S量の関係を示すグラフである。
【図8】ダスト発生速度とスラグ量の関係を示すグラフ
である。
である。
1 底吹きガス 2 底吹き羽口 3 転炉 4 溶銑 5 溶融スラグ 6 上吹きランス 7 クロム鉱石投入ランス 8 上吹きガス 9 クロム鉱石 10 炭材 11 副原料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鍋島 祐樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 森岡 宏泰 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 岸本 康夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 竹内 秀次 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 上吹きまたは底吹きもしくは上底吹きの
機能を有する精錬反応容器にクロム鉱石を炭素含有物質
とともに投入しつつ酸素を供給してクロム鉱石を溶融還
元するクロム鉱石の溶融還元精錬方法において、溶融還
元期でのスラグ中残留炭素含有物質量を2〜20wt%の範
囲に制御して精錬することを特徴とするダスト発生の少
ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法。 - 【請求項2】 前記炭素含有物質を熱崩壊性を有する無
煙炭とすることを特徴とする請求項1に記載のクロム鉱
石の溶融還元精錬方法。 - 【請求項3】 前記溶融還元期でのスラグ中残留炭素含
有物質量を、精錬中に供給量と排出量のマスバランスか
ら計算されるスラグ中残留炭素含有物質量の参照値に基
づいてクロム鉱石および炭素含有物質の供給速度を調整
して、制御することを特徴とする請求項1または2に記
載のクロム鉱石の溶融還元精錬方法。 - 【請求項4】 前記溶融還元期でのスラグ中のCaO 量と
SiO2量の比、(wt%CaO )/(wt%SiO2)で2.5 以下と
することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
載のクロム鉱石の溶融還元精錬方法。 - 【請求項5】 前記溶融還元期でのスラグ中残留炭素含
有物質量を2〜20wt%の範囲の低い側に制御して溶融還
元期での精錬を行い、該溶融還元期の終わりにスラグ中
残留炭素含有物質量を7〜20wt%としたのち、仕上げ還
元を行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
に記載のクロム鉱石の溶融還元精錬方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29261097A JPH10317041A (ja) | 1997-03-17 | 1997-10-24 | ダスト発生の少ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6308797 | 1997-03-17 | ||
| JP9-63087 | 1997-03-17 | ||
| JP29261097A JPH10317041A (ja) | 1997-03-17 | 1997-10-24 | ダスト発生の少ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10317041A true JPH10317041A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=26404170
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29261097A Pending JPH10317041A (ja) | 1997-03-17 | 1997-10-24 | ダスト発生の少ないクロム鉱石の溶融還元精錬方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10317041A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020001158A (ko) * | 2000-06-26 | 2002-01-09 | 이구택 | 무연탄을 이용한 용강의 정련방법 |
| JP2013151747A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-08-08 | Jfe Steel Corp | 溶融還元製錬方法 |
-
1997
- 1997-10-24 JP JP29261097A patent/JPH10317041A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20020001158A (ko) * | 2000-06-26 | 2002-01-09 | 이구택 | 무연탄을 이용한 용강의 정련방법 |
| JP2013151747A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-08-08 | Jfe Steel Corp | 溶融還元製錬方法 |
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