JPH10317252A - 扁平糸供給方法と装置及びその織物製造方法と装置 - Google Patents

扁平糸供給方法と装置及びその織物製造方法と装置

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JPH10317252A
JPH10317252A JP13781797A JP13781797A JPH10317252A JP H10317252 A JPH10317252 A JP H10317252A JP 13781797 A JP13781797 A JP 13781797A JP 13781797 A JP13781797 A JP 13781797A JP H10317252 A JPH10317252 A JP H10317252A
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yarn
flat
flat yarn
weft
warp
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JP13781797A
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Kiyoshi Honma
清 本間
Akira Nishimura
明 西村
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 扁平糸の扁平状態を潰さずに解舒し、薄い扁
平糸織物を安定して製造する。 【解決手段】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲に
あるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数3
/100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り
解舒するに際し、ボビン上に形成されたパッケージにタ
ッチローラを接触させながら扁平糸を解舒することを特
徴とする、扁平糸の供給方法と装置、およびその扁平糸
織物の製造方法と装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化複合材料
に用いて優れた特性を発揮する扁平糸の供給方法および
供給装置、その扁平糸を用いて扁平糸織物を製造する方
法および装置に関する。さらに詳しくは、炭素繊維マル
チフィラメント等からなる扁平糸を巻回したボビンから
扁平糸を横取り解舒しながらよこ糸または/およびたて
糸として供給し、薄くて繊維密度の均一な織物を安定し
て製造できる方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】補強繊維織物、たとえば炭素繊維織物
は、通常、一般のシャトル織機やレピア織機により製織
されており、複合材料用補強基材として多用されてい
る。通常の炭素繊維織物は、ほぼ円形断面に収束させた
炭素繊維糸を織物にしているので、織り込まれた状態に
おいては、断面が楕円形で、その糸に直交する糸が大き
くクリンプしている。このため、炭素繊維の特徴である
高強度特性が充分に発揮できない上、空隙も大きいので
炭素繊維含有率の高いプラスチックが得られないという
欠点がある。
【0003】このような欠点に対して、薄くて幅の広い
扁平な炭素繊維糸をそのまま織物にすれば織糸のクリン
プが小さくなるので、高い補強効果が得られるととも
に、炭素繊維含有率の高いプラスチックが得られる。こ
のように扁平な炭素繊維糸を用いた炭素繊維織物の製織
方法は、炭素繊維糸が必要本数巻かれたたて糸ビーム、
またはクリールに掛けられた炭素繊維糸ボビンから供給
されるたて糸シートを綜絖により順次開口させ、その開
口にシャトルまたはレピアでよこ糸を挿入させるもので
ある。
【0004】たて糸に関しては、ビーム供給とボビンか
ら直接供給する方法があるが、どちらにしても炭素繊維
糸ボビンをゆっくり回転させながら解舒させる横取り解
舒、あるいはボビンの軸方向に解舒させる縦取り解舒の
2つの方法が採られている。また、よこ糸に関しては、
供給速度がたて糸に比べて一段と速いため、通常は繊維
糸ボビンから縦取り解舒させる方法が採られている。こ
れに対し、扁平糸に撚が掛からないようよこ糸を横取り
解舒させる方法として、特開平2−74645号公報に
は、ボビンをモーターで積極的に回転させ、重力を利用
してよこ糸挿入に必要な長さを貯溜させる方法が提案さ
れている。
【0005】ところで、たて糸に関し、扁平糸が巻かれ
たボビンを縦取り解舒させるとボビンが一周する毎に1
回の撚が掛かり、扁平状態が潰されて部分的に収束して
しまう問題がある。一方、横取り解舒させて撚が掛から
ないように供給しても、たて糸密度を揃えるコームなら
びに綜絖のメールによって扁平状態が潰されてしまい糸
幅が均一に拡がった織物が得られない。
【0006】また、よこ糸に関しては、特開平2−74
645号公報に開示された方法によると、横取り解舒さ
せるのでよこ糸に撚が掛かることはないが、積極的にボ
ビンを回転させる方式では巻量によって解舒速度が異な
るため、起動・停止が頻繁に起こり、特に停止動作の遅
れによる弛みで扁平糸が捩じれてしまうという問題が起
こる。
【0007】上記のような問題を解消するために、先に
本出願人により次のような提案がなされている(特願平
5−172156号)。すなわち、扁平な炭素繊維糸か
らなるたて糸および/またはよこ糸を横取り解舒し、そ
れぞれ扁平状態を保持しながらたて糸およびよこ糸とし
て供給しながら製織する方法であり、得られる織物は薄
く、繊維密度が均一であり、炭素繊維強化プラスチック
を製造したとき、非常に高い強度特性を発揮する優れた
材料になる得るものである。そしてこの方法によれば、
ボビンに巻かれた扁平な炭素繊維糸を横取り解舒するの
で解舒撚りが入ることはない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】炭素繊維からなる扁平
糸は多数本のフィラメントが扁平状に並列し、0.5〜
1.5%のサイジング剤によって形態が保たれているだ
けであり、形態が非常に不安定であり、僅かな外力によ
って簡単に扁平状態が潰されるものである。
【0009】また、前記扁平糸は工業的に使われる材料
であることから巻量の多いラージパッケージに形成する
ことが望ましいが、そうすると一定のワインド数でトラ
バースさせながら巻き取ることが必須となる。
【0010】しかし、幅の広い扁平糸をトラバースさせ
ながらボビンに巻き取ると、トラバース反転箇所におい
ては、扁平糸を幅方向に屈曲させる訳であるから、当然
屈曲の内角に近いフィラメントを緩んだ状態で、屈曲の
外角に近いフィラメントは緊張状態で巻き取られ、その
状態で仮セットされることになる。
【0011】そのような状態で巻かれているボビンから
扁平糸を引き出しながら解舒させると、前記トラバース
反転部の扁平糸幅方向屈曲の外角に近いフィラメントに
だけ引き出し張力が作用するために扁平糸は簡単に捻じ
れ、その捻じれが織物に混入して細糸となる問題があ
り、厚みの均一な織物を安定して得ることが難しいこと
が判った。
【0012】また、ボビンから糸道規制ガイドに向かう
糸道、すなわち引き取り方向がボビン面に対して垂直で
あれば、扁平糸の幅方向両端部における糸道長さはほぼ
等しいため、扁平糸の幅方向端部のどちらかのフィラメ
ントが緩むことなく安定して解舒され、捻じれたりする
ことはない。
【0013】しかし、解舒の起点がボビンの端部になる
と、扁平糸はボビン面に対して斜めに引き出され、扁平
糸の幅方向における両端部の糸道長さは異なる。従っ
て、そのような状態で扁平糸を引き出しながら解舒させ
ると、扁平糸の幅方向におけるボビン中央側のフィラメ
ントが緩み状態、ボビン端部側のフィラメントは緊張状
態となるので、扁平糸の扁平状態が保たれないばかり
か、扁平糸が簡単に捻じれる問題が生じる。
【0014】このような問題は、特に炭素繊維糸のよう
な伸縮性のない糸に起こりうる問題で、伸縮性を有する
合成繊維では伸びることによって、各フィラメントに作
用する張力のアンバランスを吸収させることが可能であ
る。
【0015】このように、ボビンに巻かれたとくに炭素
繊維からなる扁平糸に捻じれが入ることなく解舒させる
満足な方法がなく、その提案が望まれていた。
【0016】そこで本発明は、上記のような問題点に鑑
みてなされたもので、前記従来技術の欠点を改善し、扁
平糸の扁平状態を潰さずに解舒させることができる方法
および装置を提供し、その方法および装置を用いて優れ
た特性の扁平糸織物を得ることを目的とするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る扁平糸の供給方法は、糸幅/糸厚み比
が30〜150の範囲にあるマルチフィラメントからな
る扁平糸をワインド数3/100mm以下で巻回したボ
ビンから扁平糸を横取り解舒するに際し、ボビン上に形
成されたパッケージにタッチローラを接触させながら扁
平糸を解舒することを特徴とする方法からなる。
【0018】また、本発明に係る扁平糸の供給方法は、
糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲にあるマルチフィ
ラメントからなる扁平糸をワインド数3/100mm以
下で巻回したボビンから扁平糸を横取り解舒し、解舒し
た扁平糸を糸道規制ガイドに通すに際し、ボビンと糸道
規制ガイドとの間に設けた、糸道を横断する方向に延び
る弓形ガイドに扁平糸を接触させることを特徴とする方
法からなる。
【0019】さらに、本発明に係る扁平糸の供給方法
は、糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲にあるマルチ
フィラメントからなる扁平糸をワインド数3/100m
m以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り解舒し、解
舒した扁平糸を所定の位置まで導くに際し、少なくとも
3本の円筒状ガイドにより扁平糸の幅方向の水平方向ま
たは鉛直方向に対してなす角度を順次変更し、それによ
って糸道を規制しながら扁平糸を供給することを特徴と
する方法からなる。
【0020】上記各供給方法は、いずれか少なくとも2
つの方法を組み合わせることができる。また、本発明方
法は、扁平糸が炭素繊維糸である場合にとくに有効であ
る。
【0021】本発明に係る扁平糸織物の製造方法は、上
記いずれかの扁平糸の供給方法をよこ糸供給工程または
/およびたて糸供給工程に含むものである。
【0022】より具体的な態様として、本発明に係る扁
平糸織物の製造方法は、扁平糸からなるよこ糸を巻回し
たよこ糸ボビンからよこ糸を横取り解舒し、ガイド手段
によってよこ糸をよこ糸供給位置において水平方向に位
置決めするとともに、前記よこ糸ボビンとガイド手段と
の間で、たて糸に対する1回のよこ糸供給に必要な長さ
のよこ糸を保留しつつ緊張下によこ糸を供給するととも
に、前記よこ糸ボビンとガイド手段との間において、上
述のいずれかの方法により扁平糸を供給するよこ糸供給
工程を含む方法からなる。
【0023】また、本発明に係る扁平糸織物の製造方法
は、扁平糸からなるたて糸を巻回した複数のたて糸ボビ
ンのそれぞれからたて糸を横取り解舒し、これら複数本
のたて糸をコームを用いて、たて糸の扁平面がコームの
ワイヤ以外には接触しないようにしながら所望の密度に
引き揃え、それぞれのたて糸の扁平面を水平方向に変換
して綜絖に導くとともに、前記たて糸ボビンからの扁平
糸の供給を、上述のいずれかの方法により行うたて糸供
給工程を含む方法からなる。もちろん、このたて糸供給
工程と上記よこ糸供給工程をともに含む方法とすること
もできる。
【0024】本発明に係る扁平糸の供給装置は、糸幅/
糸厚み比が30〜150の範囲にあるマルチフィラメン
トからなる扁平糸をワインド数3/100mm以下で巻
回したボビンから扁平糸を横取り解舒して供給する装置
であって、ボビン上に形成されたパッケージに接触され
るタッチローラを備えたことを特徴とするものからな
る。
【0025】また、本発明に係る扁平糸の供給装置は、
糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲にあるマルチフィ
ラメントからなる扁平糸をワインド数3/100mm以
下で巻回したボビンから扁平糸を横取り解舒し、解舒し
た扁平糸を糸道規制ガイドに通す装置であって、ボビン
と糸道規制ガイドとの間に、糸道を横断する方向に延
び、扁平糸に接触する弓形ガイドを設けたことを特徴と
するものからなる。
【0026】さらに、本発明に係る扁平糸の供給装置
は、糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲にあるマルチ
フィラメントからなる扁平糸をワインド数3/100m
m以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り解舒し、解
舒した扁平糸を所定の位置まで導く装置であって、前記
ボビンと前記所定の位置との間に、水平方向または鉛直
方向に対してなす角度が順次変更され、糸道を規制しな
がら扁平糸を案内する少なくとも3本の円筒状ガイドを
設けたことを特徴とするものからなる。
【0027】上記各供給装置は、いずれか少なくとも2
つの装置を組み合わせることができる。また、これら本
発明に係る装置は、扁平糸が炭素繊維糸である場合にと
くに有効である。
【0028】本発明に係る扁平糸織物の製造装置は、上
記いずれかの扁平糸の供給装置をよこ糸供給手段または
/およびたて糸供給手段に含むものである。
【0029】より具体的な態様として、本発明に係る扁
平糸織物の製造装置は、織機の主軸と連動して回転し、
扁平糸からなるよこ糸を巻回したよこ糸ボビンからよこ
糸を定速で引き出す引取りローラと、引き出されたよこ
糸をよこ糸供給位置において水平方向に位置決めするガ
イド手段と、たて糸に対する1回のよこ糸供給に必要な
長さのよこ糸を、前記引取りローラとガイド手段との間
で保留するよこ糸の弾性懸垂機構と、前記ガイド手段か
ら送り出されてくるよこ糸を緊張下に保つ張力付与機構
と、前記よこ糸ボビンとガイド手段との間に設けられ
た、上述のいずれかの扁平糸の供給装置とを含むよこ糸
供給手段を備えたものからなる。
【0030】また、本発明に係る扁平糸織物の製造装置
は、扁平糸からなるたて糸を巻回した複数のたて糸ボビ
ンから引き出されてくる複数本のたて糸を、その扁平面
がワイヤ以外には接触しないようにしながら所望の密度
に引き揃えるコームと、このコームから送り出されてく
るそれぞれのたて糸の扁平面を水平方向に変換するガイ
ドと、このガイドから送り出されてくるそれぞれのたて
糸に水平方向の姿勢を保ちつつ開閉運動を付与する綜絖
と、前記たて糸ボビンからの扁平糸の供給部に設けられ
た、上述のいずれかの扁平糸の供給装置とを含むたて糸
供給手段を備えたものからなる。もちろん、このたて糸
供給手段と上記よこ糸供給手段をともに含む製造装置と
することもできる。
【0031】上記のような方法および装置においては、
ボビンに巻かれたマルチフィラメントからなる扁平糸を
引き出しながら横取り解舒するに際し、ボビンに常に接
しながら回転するタッチローラを介して解舒させると、
タッチローラで常にボビン表面を押しつけながら解舒さ
せることができ、引き取り張力が両者の接触点よりも上
流に及ぶことを阻止できるので、扁平糸にトラバース反
転の際に生じる幅方向における屈曲部があっても、扁平
糸が捩れたりすることがなく、所望の扁平状態のまま解
舒することができる。
【0032】また、ボビンと糸道規制ガイド間に、両端
が湾曲、または屈曲した弓形ガイドを設け、少なくとも
ボビン両端から糸道規制ガイドを結ぶ直線上糸道で、扁
平糸を前記弓形ガイドの湾曲部、または屈曲部に接触さ
せて、扁平糸の幅方向の各フィラメントの糸道長さを制
御しながら解舒することができるから、ボビンの端部か
ら斜めに引き出されても扁平糸の幅方向における各フィ
ラメントの糸道長さを弓形ガイドの湾曲部で揃えること
ができ、扁平糸を、捻じれることなく扁平状態を保持し
ながら製織部へと供給できる。
【0033】さらに、ボビンから解舒された扁平糸を所
定の位置まで導くに際し角度を順次変更した少なくとも
3本の円筒状ガイドを設けておくことにより、扁平糸の
幅方向の水平方向または鉛直方向に対する角度を緩やか
に順次変更させながら、各ガイド上で糸道を規制するこ
とが可能になり、扁平状態を潰すことなく製織等に好都
合な糸道に円滑に規制することが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図5は、
本発明の一実施態様に係る扁平糸織物の製造装置を示し
ている。図1において、この製造装置は、よこ糸供給装
置として、ボビン1、テンションローラ2、引取りロー
ラ3、テンション装置4、S字形に配置されたガイドロ
ーラ5、ガイドローラ群6、S字形に配置されたガイド
ローラ7、板バネテンション装置8、押板ガイド9及び
レピア11等を備えており、たて糸供給装置として、ク
リール20、コーム21、水平ガイド22、綜絖23及
び筬24を備えている。
【0035】先ず、よこ糸供給装置について説明する
と、ボビン1には、炭素繊維扁平糸(以下、単に「扁平
糸」という。)からなるよこ糸Twfが巻回され、よこ糸
wfはテンションローラ2を経て織機の回転主軸で駆動
されている引取りローラ3に案内され、引取りローラ3
の回転により一定速度で解舒される。ここで、テンショ
ンローラ2は、ボビン1からよこ糸Twfを解舒するとき
は上方に位置し、織機が停止すると自動的に下方に下が
ると共に、ブレーキが働いて惰性回転が停止する。
【0036】よこ糸Twfの解舒速度は、織機の回転数
(rpm)と1回転に必要なよこ糸長さ(m)が分かれ
ば容易に求めることができる。よこ糸Twfやたて糸Twr
となる扁平糸は、予め扁平状に加工され、サイジング剤
などで形態保持されて一定のトラバース幅で円筒状の管
であるボビン1や後述するクリール20のボビン20
a、20bに巻かれている。
【0037】ボビン1からの炭素繊維マルチフィラメン
ト扁平糸からなるよこ糸Twfの解舒部は、図2に示すよ
うに構成されている。解舒部は、よこ糸Twfが巻回され
たボビン1を保持するボビンホルダー12と、ボビン1
上に形成されたパッケージに常時押圧接触(接圧)され
るタッチローラ13と、少なくとも両端部が湾曲または
屈曲された弓形ガイド14と、糸道規制ガイド15と、
タッチローラ13および弓形ガイド14を支持する揺動
可能なフレーム16と、フレーム16をタッチローラ1
3が常時ボビン表面(ボビン上のパッケージ表面)に接
触するように付勢するスプリング17とを有している。
図に示す装置は、タッチローラ13と弓形ガイド14を
共に取り付けたものであるが、どちらか一方であっても
かまわない。
【0038】ボビン1に巻かれた扁平糸は、フィラメン
ト数が3,000から100,000本からなる炭素繊
維マルチフィラメント糸で、サイジング剤が0.2〜
1.5%付着し、糸幅が5〜20mm、糸幅/糸厚み比
が30〜150の範囲の扁平状にされたものである。こ
こで、糸の厚みはJIS−R3414,第5.4項に準
じ、マイクロメータを用いて、そのスピンドルを静かに
回転させて、測定面が試料面に平行に軽く接触し、ラチ
ェットが3回音を立てたときの目盛りを読み、N=10
の平均値を糸の厚みとする。また、ボビンの巻き方は、
ワインド数が3/100mm幅以下のときに本発明の効
果が発揮されるものである。
【0039】すなわち、巻幅が広い程、糸道規制ガイド
15とボビン1の両端部を結ぶ2つの直線の角度(綾振
り角度)が大きくなり、引き出される扁平糸の幅方向の
フィラメントに張力差が生じ、捻れが発生し易いので、
上記ワインド数の範囲で特に効果がある。
【0040】ここでいうワインド数とは、1綾振り間の
ボビンの回転数の1/2であって、同じ巻径の場合、ワ
インド数が小さくなると綾角は大きくなる。ワインド数
を大きくすれば綾角が小さくなり扁平糸にとっては好ま
しい方向であるが、そうすると、無撚糸の場合には、ボ
ビン端部で繊維が端面と平行に近づくために、端面から
繊維が外れる問題が生じるのでワインド数を余り大きく
は出来ない。
【0041】扁平糸における、トラバース反転時の扁平
糸幅方向の屈曲はそのときの綾角に比例するから、綾角
が大きくなれば扁平糸の扁平状態の乱れも大きくなる。
本発明においては、綾角の大きい条件の際にとくに効果
を発揮でき、特にワインド数が3/100mm以下のと
きに効果が発揮される。このとき、扁平糸を巻く紙管径
が関係するが、ここでは通常炭素繊維に使用されている
3インチ径の紙管である。
【0042】ボビン1はボビンホルダー12にセットさ
れ、引き出し張力によって回転しながら扁平糸Twfが解
舒される。タッチローラ13は、ボビン1の表面に接
し、ボビン1の回転に追従して回転するもので、直径は
出来るだけ小さい方が好ましいが、15〜30mm程度
の直径で、特に表面は扁平糸が滑らないよう摩擦係数が
高く、また炭素繊維を傷つけないゴムやウレタンを貼り
付けておくことが好ましい。
【0043】ボビン1とタッチローラ13の接触位置
は、引き取り高さによって異なるが、引き出される扁平
糸Twfのタッチローラ13の接触角(巻付角)は30°
以上、とくに30〜90°程度になるのが好ましい。
【0044】また、タッチローラ13は常時ボビンの表
面に接触させるためにフレーム16の下端を支点として
ボビン1側に揺動可能とし、スプリング17の力で接圧
されている。
【0045】弓形ガイド14は、直径が6〜20mmの
丸棒が長さ方向において中央部が真っ直ぐで、両端が同
じ方向に曲げられ、丁度弓形の形状に形成され、真っ直
ぐな部分の長さはボビン1の巻幅の30〜70%であ
る。両端の曲げ角度は10〜30°で、中央部の真っ直
ぐな部分から緩やかに湾曲させるのが好ましく、直線的
に曲げられた(屈曲された)ものであってもかまわな
い。また、弓形ガイド14の表面は、摩擦の低いことが
好ましく、梨地加工などを施しておくとよい。
【0046】弓形ガイド14の取り付け位置は、ボビン
1の近傍がよく、ボビン表面から50〜150mm程度
糸道規制ガイド15側の位置であって、高さは引き出さ
れる扁平糸の糸道が、弓形ガイド14の真っ直ぐな部分
で5〜25mm持ち上げられる程度が好ましい。
【0047】糸道規制ガイド15とボビン1間の距離を
長くすることにより引き出し角度が小さくなるので好ま
しいが、あまりに長くするとボビン1と糸道規制ガイド
15間で扁平糸が捩れる問題があり、300〜1000
mm程度が好ましい。
【0048】ボビン1と糸道規制ガイド15間の距離を
大きくする場合、その間に扁平糸の扁平面に平行なガイ
ドバーを数本設け、扁平糸に軽く接触させながら走行さ
せて捩れを防ぐ手段を追加してもかまわない。
【0049】また、図における糸道規制ガイド15は垂
直に設けた2本のバーで水平位置を規制した例を示して
いるが、たとえば図6に示すように、3本ガイドバー1
8a、18b、18cで扁平糸の幅方向を水平方向から
45°程度に傾け、次いで、ガイドバー18c、18
d、18eによって水平方向に戻しながら規制すること
も出来る。
【0050】糸道規制ガイド15とボビン1間の距離を
長くすることが引き出し角度を小さくするためには好ま
しく、具体的には300mm以上の長さとすることが好
ましい。
【0051】図7は、図2に示した態様の作用をさらに
詳しく説明するために、ボビン1とタッチローラ13と
の接点で、扁平糸Twfの幅方向の屈曲部を解舒する寸前
を表したものである。この状態でタッチローラ13がな
いと、引き取り張力は、b点には張力が及ばず、a点に
だけ張力が掛かる。そうするとa点はボビン1の表面を
転がるようにボビン1の中央方向にずれ、捻れが簡単に
生じる。しかし、タッチローラ13で押さえられること
により、a点に張力は掛かるものの扁平糸Twfがボビン
1の中央方向にずれることがなく、捩れも生じない。ま
た、直線距離b〜c<直線距離a〜cであるから、b〜
c側が緩むが、そうすると扁平糸の幅方向の一方だけに
張力が掛かり、扁平状態を保持しながら供給することが
難しいので、弓形ガイド14の湾曲部に接触させること
により扁平糸の幅方向の各フィラメントにほぼ一定の張
力が掛かるようにでき、捩れを防ぐことができる。
【0052】引取りローラ3から引き出されたよこ糸T
wfは、テンション装置4のガイド4aを経て、水平ガイ
ドローラ5、ガイドローラ群6、水平ガイドローラ7に
案内されて板バネテンション装置8へと導かれる。
【0053】それぞれのガイドローラ5〜7は、直径が
10〜20mm程度で、長さが100mm〜300mm
程度のベアリングを内蔵した回転方式が好ましい。直径
があまりにも小さいとよこ糸Twfを構成する炭素繊維が
屈曲して単糸切れを起こし易く、また、20mm以上に
なると回転の惰性が大きくなって始動、停止時の張力変
動が大きくなる問題がある。また、それぞれのガイドロ
ーラ5〜7の長さは、通過するよこ糸Twfが左右または
上下方向に移動してガイドローラ5〜7を支持する支持
部に接触しない長さが必要である。よこ糸Twfがガイド
ローラ5〜7の支持部に接触すると、扁平状態が潰れて
しまう。
【0054】水平ガイドローラ5およびガイドローラ7
は、案内するよこ糸Twfの高さ方向の位置を決め、ガイ
ドローラ群6はよこ糸Twfの水平方向の位置を決める。
したがって、ガイドローラは、少なくとも水平方向と垂
直方向のものが配置されていればよい。
【0055】ガイドローラ群6は、垂直のガイドローラ
1本で構成することも可能であるが、本実施態様の如
く、図3に拡大して示すように順次角度を変更した数本
のガイドローラ6a、6b、6c、6d、6eで構成
し、その中の1本のガイドローラ6c(送り方向中央部
に配置したガイドローラ)を垂直ガイドローラとするこ
とが好ましい。
【0056】ガイドローラ群6を1本の垂直ガイドロー
ラで構成する場合には、水平ガイドローラ5と垂直ガイ
ドローラとの間および垂直ガイドローラと水平ガイドロ
ーラ7との間で、よこ糸Twfの扁平面を90°捩じる必
要がある。このため、各ガイドローラ間の距離は、よこ
糸Twfの幅によって異なるが、50mm以上離す必要が
ある。ガイドローラ間の距離が50mmより小さいと、
よこ糸Twfが捩じれたまま垂直ガイドローラや水平ガイ
ドローラ7を通過して織り込まれてしまう。また、短い
距離で扁平糸を90°捩じると、扁平糸の両端部に張力
が加わり、毛羽が発生する。
【0057】図3に示したように複数本のガイドローラ
群6を設ける場合には、たとえばガイドローラ6a、6
b(または6d、6e)は水平ガイドローラ5(または
7)または垂直ガイドローラ6cに対し、20〜60°
の範囲で角度を順次変更しておけばよい。このガイドロ
ーラ6a、6b、6d、6eは、丸棒等からなるガイド
バーから構成してもよい。
【0058】各ガイドローラ5〜7はそれぞれ1本で構
成してもよいが、たとえばガイドローラ5、7の構成の
ように、それぞれ2本の組にしてよこ糸TwfをS字状に
通過させると、よこ糸Twfに作用する張力が安定し、よ
こ糸Twfの位置決めを確実に行うことができる。
【0059】糸道の方向を転換させるためには、水平な
ガイドローラ5と垂直なガイドローラ6cがあれば機能
を果たすが、例えば、ガイドローラ5と6c間で扁平糸
wfが緩んだ場合、ガイドローラ5で扁平面が水平方向
に送り出されているから、再度張力が掛かりガイドロー
ラ6cに接触すると、扁平面が反転して扁平糸が捻れる
問題がある。ガイドローラ5と6cの間に、ガイドロー
ラ5と6cのほぼ中間の角度に傾けた補助ガイドロール
(又はガイドバー)6a、6bがあれば扁平面が反転す
ることなく案内させることが出来るものである。
【0060】テンション装置4は、後述するレピア11
による間欠的なよこ糸Twfの挿入に際し、引取りローラ
3によって一定速度で解舒されるよこ糸Twfの引取りロ
ーラ3と水平ガイドローラ5間における弛みをスプリン
グ4bで吸収させて、よこ糸Twfを常に緊張させておく
ものである。よこ糸Twfは、スプリング4bで緊張させ
ておかないと、弛んだ際に捩じれてしまい、捩じれたま
まガイドローラ5〜7を通過して織り込まれてしまう問
題が起こる。そして、スプリング4bの下端に設けたガ
イド4aは、扁平糸の扁平面が水平に案内されるよう
に、横長に配置しておく。
【0061】よこ糸Twfを緊張させておくその他の方法
としては、エアの吸引による方法があるが、この方法で
は吸引中によこ糸Twfが捩じれてしまう問題がある。ま
た、重りによるよこ糸Twfの緊張方法では、張力変動が
大きくなり過ぎ、よこ糸Twfを構成する炭素繊維が損傷
する問題があり、前記スプリングによる方法が最も簡単
で、確実である。
【0062】更に、よこ糸Twfの水平ガイドローラ7の
下流側には、よこ糸Twfの張力を均一にさせるテンショ
ン装置8が配置されている。このテンション装置8は、
幅の広い2枚の板バネ8a、8bでよこ糸Twfを挟み込
むことにより、よこ糸Twfの張力を均一に保持するもの
である。
【0063】本発明の扁平糸織物の製造装置のよこ糸T
wf供給方法においては、原理的には、ガイドローラ群
6、とくに垂直ガイドローラ6cによりよこ糸Twfの糸
道を決めているが、張力変動やレピア11への引っ掛け
動作によりよこ糸Twfの糸道が変わることがある。した
がって、よこ糸Twfが幅方向に移動してもよこ糸Twf
端部と干渉する物がないことが必要であり、そのために
幅の広い板バネ8a、8bを備えたテンション装置8を
用いる。板バネ8a、8bの幅としては、よこ糸Twf
糸幅の5倍以上あればよい。
【0064】押し板ガイド9は、板バネテンション装置
8のよこ糸Twfの下流側に配置されており、先端にV字
形のガイド面9aが形成された板である。このガイド9
は、レピア11への給糸と連動して、織機の回転が伝達
されるカム機構を利用して矢印で示す前後方向に駆動さ
れる。
【0065】また、押し板ガイド9の下流側近傍には、
糸端把持ガイド10が配置されている。糸端把持ガイド
10は、図4に示すように、L字形の受け部材10aと
図示しない駆動手段によって上下方向に駆動される押圧
部材10bとを有している。このガイド10は、レピア
11へのよこ糸Twfの給糸時に、押し板ガイド9の前進
作動と並行して押圧部材10bが下降し、よこ糸Twf
受け部材10aに押しつけて糸端を把持している。
【0066】したがって、よこ糸Twfは、押し板ガイド
9が矢印方向に押し出されて扁平面がV字形のガイド面
9aの斜面に案内されて下降すると共に、糸端把持ガイ
ド10も下降し、扁平状態が潰れずにレピア11の先端
を横切る結果、後述するレピア11の爪11aに具合良
く引っ掛けられる。
【0067】ここで、通常、よこ糸Twfは、糸端把持ガ
イド10とガイド孔を有する給糸ガイドとによって、よ
こ糸Twfがレピア11を斜めに横断するように待機させ
ておき、レピア11が給糸位置に到達したときに、両ガ
イドを下降させてレピア11の爪11aによこ糸Twf
引っ掛けさせている。
【0068】しかし、レピア11への給糸に際して給糸
ガイドを用いると、よこ糸Twfが扁平糸の場合に、前記
ガイド孔でよこ糸Twfが擦られて扁平形態が潰れてしま
う。このため、本発明の製造装置では、板バネテンショ
ン装置8と糸端把持ガイド10との間に押し板ガイド9
を設け、レピア11への給糸時に糸端把持ガイド10を
下降させると共に、押し板ガイド9を前進させることに
より、織機の後方によこ糸Twfを押し付けてレピア11
に対して横切るようにしたのである。
【0069】レピア11は、図1に示したように、筬2
4の前部に配置される長手状の部材で、間欠的に横方向
に作動して、よこ糸Twfを製織部のたて糸Twr、Twr
に挿入するものである。レピア11は、図5に示すよう
に、扁平なよこ糸Twfを引っ掛ける爪11aが先端に設
けられ、爪11aの近傍には押え具11bが取り付けら
れている。
【0070】本発明の扁平糸織物の製造装置において
は、以上のようなよこ糸供給装置の横糸供給工程によ
り、ボビン1に巻回されたよこ糸Twfが、良好な扁平状
態に維持されたまま解舒され、かつ、引取りローラ3に
よって一定速度で解舒され、レピア11の間欠的なよこ
糸挿入の際の弛みがテンション装置4のスプリング4b
で吸収される。そして、ボビン1から解舒されたよこ糸
wfは、ガイドローラ5〜7で案内されると共に、板バ
ネテンション装置8で均一な張力に保持されながら、押
し板ガイド9と糸端把持ガイド10との協働により、レ
ピア11の爪11aに引っ掛けられ、図1に示すよう
に、製織部のたて糸Twr、Twr間に挿入される。
【0071】このため、扁平糸からなるよこ糸Twfは、
捩じれたり、扁平形態が潰されることなく織物にするこ
とができる。
【0072】次に、たて糸供給装置について説明する
と、クリール20は、多数のボビンが回転自在に支持さ
れており、図1においてはボビン20a、20bのみを
図示しており、ボビン20a、20bには、よこ糸供給
装置のボビン1と同様に、扁平糸からなるたて糸Twr
巻回され、たて糸Twrは、横取り解舒で織機側に導かれ
る。ボビン20a、20bからのたて糸Twrの解舒速度
は、よこ糸Twfに比べて極端に遅く、一定速度であるか
ら、ボビン20a、20bは軽いブレーキ付きであれば
問題ない。
【0073】このたて糸解舒部にも、よこ糸解舒部と同
様の構成を採ることができる。たとえば図8に示すよう
に、たて糸ボビン20a(20b)にタッチローラ31
を常時押圧接触させ、その下流側に弓形ガイド32を設
ける構成である。タッチローラ31と弓形ガイド32は
いずれか一方をを設ける構成としてもよいが、図示の如
く両方を設けることが好ましい。このような構成によ
り、複数本のたて糸Twrは、前述したよこ糸Twfと同
様、捩れることなく、良好な扁平状態を維持されてつつ
解舒される。
【0074】コーム21は、上下に配置された支持枠2
1a、21a間に織物のたて糸Twr間隔と同じ間隔に複
数のワイヤー21bを上下方向に設けたものを多数連結
したもので、ワイヤー21b、21b間にたて糸Twr
1本ずつ通して水平方向の位置を決める。ここにおい
て、ワイヤー21bは、クリール20のボビン20a、
20bから供給される扁平なたて糸Twrが支持枠21
a、21aと接触せず、たて糸Twrの扁平面がワイヤー
21bのみと接触するよう、所定の長さにする必要があ
る。ワイヤー21bの長さが所定長さ以下であると、た
て糸Twrが潰れてしまう。ワイヤー21bの最適な長さ
は、クリール20の高さと、クリール20からコーム2
1ならびに水平ガイド22までの距離によって決まる
が、300mm程度の長さが必要である。
【0075】水平ガイド22は、2本のガイドバー22
a、22aを有し、ボビン20a、20bから解舒され
るたて糸Twr、TwrをS字状に巻回して、上下方向の位
置を規制する。ここで、たて糸Twrは、コーム21と水
平ガイド22との間で扁平面を90°捩じる必要があ
る。このため、コーム21と水平ガイド22との間隔
は、たて糸Twrの幅によって異なるが、50mm以上離
す必要がある。コーム21と水平ガイド22との間隔
が、50mm以下であるとたて糸Twrが捩じれたまま水
平ガイド22を通過して織り込まれてしまう。
【0076】綜絖23は、各たて糸Twrに一つづつ配置
されており、水平ガイド22で上下方向の位置が位置決
めされた各たて糸Twrを筬24へ案内するが、図示しな
い駆動手段によって昇降され、各たて糸Twrの筬24の
下流側によこ糸Twrを通す杼道を作る。ここで、従来の
綜絖においては、メールは隣接する糸と綜絖との間にお
ける干渉を少なくする目的で縦長形状になっている。し
かし、このように縦長形状のメールに扁平糸を通すと、
扁平形状が潰されてしまい、扁平形状のまま製織するこ
とが出来ない。したがって、綜絖23は、メール23a
の形状を横長に形成することが好ましく、メール23a
の横方向の長さは、たて糸Twrとして用いる扁平糸の糸
幅と同等または若干長く設定する。メール23aの形状
としては、矩形あるいは横長楕円が好ましい。
【0077】筬24は、クリール20に設けた複数のボ
ビン20a、20b等から解舒された複数のたて糸Twr
を所定の密度に配列させて、織前へ案内するもので、フ
レーム24aに多数の筬羽24bが上下方向に配置され
ている。ここにおいて、たて糸Twrは、張力をできるだ
け低く設定することが望ましい。これは、綜絖23に案
内されてくるたて糸Twrの筬24の横方向の位置が僅か
にずれて筬羽24bと接触しても、たて糸Twrの張力が
低いと扁平形状が潰されることがなく、また、綜絖23
が揺れてたて糸Twrの位置がずれ、たて糸Twrがメール
23aの片側によっても扁平形状が潰されることがない
からである。
【0078】上記たて糸供給装置においては、以下の工
程に従ってたて糸Twrが織前に導かれ、よこ糸供給装置
から送られてくるよこ糸Twfに織り込まれて炭素繊維扁
平糸織物が製造される。
【0079】先ず、クリール20に設けた複数のボビン
20a、20b等から複数のたて糸Twrが解舒される。
各たて糸Twrは、コーム21で水平方向の位置が位置決
めされた後、90°捩じりを付与されて水平ガイド22
へと導かれる。水平ガイド22へ導かれた各たて糸Twr
は、上下方向の位置が位置決めされた後、綜絖23に案
内され、図示しない駆動手段によって昇降されて筬24
の下流側によこ糸Twfを通す杼道を形成する。
【0080】このようにしてクリール20の複数のボビ
ン20a、20b等から解舒された複数のたて糸T
wrは、筬24で所定密度に配列されて、織前へ案内され
る。そして、綜絖23によって杼道が形成されたとき
に、レピア11の間欠作動により多数のたて糸Twr間に
よこ糸Twfが挿入され、図1に示すように、扁平糸織物
が製造されてゆく。このたて糸供給工程により、各たて
糸Twrは等間隔でシート状に揃えられ、安定した製織が
可能になる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の扁平糸の
供給方法および装置、扁平糸織物の製造方法と製造装置
によれば、扁平糸が捩れたり、その扁平状態が潰される
ことなく製織することができ、非常に薄い織物が安定し
て得られ、この織物を補強基材として炭素繊維強化プラ
スチックを製造したとき、捩れ部の厚みムラで表面に凹
凸ができたり、捩れ部の空隙に樹脂過多な部分が生じた
り、ボイドが発生するなどの不都合や、捩れ部の応力集
中による強度低下を回避することができる。とくに本発
明の扁平糸の解舒方法によれば、扁平な糸にとって悪条
件で巻かれた扁平糸のボビンであっても、その扁平状態
が潰されたり、捻れたりすることなく解舒することがで
き、非常に薄い織物を、欠点を作ることなく安定して得
ることができる。
【0082】特に、薄地の炭素繊維織物は、従来高価な
細い炭素繊維糸を高密度で製織していたので非常に高価
な織物であったが、本発明の製造方法によれば安価な太
い炭素繊維糸を用いて、しかも粗密度で製織するので生
産性が高く、製造原価が安価となる。また、扁平状態の
糸が粗密度で織られているので織糸のクリンプが小さ
く、かつ空隙が小さいので炭素繊維強化プラスチックに
した場合に非常に高い強度特性を発揮する等の優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扁平糸織物の製造方法を適用して扁平
糸織物を製織する製造装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置のよこ糸解舒部の拡大斜視図であ
る。
【図3】図1の装置のよこ糸方向変換部の拡大斜視図で
ある。
【図4】図1の装置における糸端把持ガイドの斜視図で
ある。
【図5】図1の装置のレピアの先端部の拡大側面図であ
る。
【図6】図1の装置におけるよこ糸用糸道規制ガイド部
の別の構造例を示す斜視図である。
【図7】図1の装置のよこ糸解舒部の作用を説明するた
めの概略平面図である。
【図8】たて糸解舒に本発明方法を適用する場合の一例
を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 ボビン(よこ糸用) 2 テンションローラ 3 引取りローラ 4 テンション装置(弾性懸垂機構) 4a ガイド 4b スプリング 5〜7 ガイドローラ 8 板バネテンション装置(張力付与機構) 9 押し板ガイド 10 糸端把持ガイド 11 レピア 12 ボビンホルダー 13 タッチローラ 14 弓形ガイド 15 糸道規制ガイド 16 フレーム 17 スプリング 18a〜18e ガイドバー 20 クリール 20a、20b ボビン(たて糸用) 21 コーム 22 水平ガイド 23 綜絖 23a メール 24 筬 31 タッチローラ 32 弓形ガイド Twf よこ糸 Twr たて糸

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲に
    あるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数3
    /100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り
    解舒するに際し、ボビン上に形成されたパッケージにタ
    ッチローラを接触させながら扁平糸を解舒することを特
    徴とする、扁平糸の供給方法。
  2. 【請求項2】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲に
    あるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数3
    /100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り
    解舒し、解舒した扁平糸を糸道規制ガイドに通すに際
    し、ボビンと糸道規制ガイドとの間に設けた、糸道を横
    断する方向に延びる弓形ガイドに扁平糸を接触させるこ
    とを特徴とする、扁平糸の供給方法。
  3. 【請求項3】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲に
    あるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数3
    /100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取り
    解舒し、解舒した扁平糸を所定の位置まで導くに際し、
    少なくとも3本の円筒状ガイドにより扁平糸の幅方向の
    水平方向または鉛直方向に対してなす角度を順次変更
    し、それによって糸道を規制しながら扁平糸を供給する
    ことを特徴とする、扁平糸の供給方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の方
    法のうち、少なくとも2つの方法を含む扁平糸の供給方
    法。
  5. 【請求項5】 扁平糸が炭素繊維糸である、請求項1な
    いし4いずれかに記載の扁平糸の供給方法。
  6. 【請求項6】 よこ糸供給工程に、請求項1ないし5の
    いずれかに記載の扁平糸の供給方法を含む、扁平糸織物
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 たて糸供給工程に、請求項1ないし5の
    いずれかに記載の扁平糸の供給方法を含む、扁平糸織物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6のよこ糸供給工程と請求項7の
    たて糸供給工程を含む、扁平糸織物の製造方法。
  9. 【請求項9】 扁平糸からなるよこ糸を巻回したよこ糸
    ボビンからよこ糸横取り解舒し、ガイド手段によってよ
    こ糸をよこ糸供給位置において水平方向に位置決めする
    とともに、前記よこ糸ボビンとガイド手段との間で、た
    て糸に対する1回のよこ糸供給に必要な長さのよこ糸を
    保留しつつ緊張下によこ糸を供給するとともに、前記よ
    こ糸ボビンとガイド手段との間において、請求項1ない
    し5のいずれかに記載の方法により扁平糸を供給するよ
    こ糸供給工程を含む、扁平糸織物の製造方法。
  10. 【請求項10】 扁平糸からなるたて糸を巻回した複数
    のたて糸ボビンのそれぞれからたて糸を横取り解舒し、
    これら複数本のたて糸をコームを用いて、たて糸の扁平
    面がコームのワイヤ以外には接触しないようにしながら
    所望の密度に引き揃え、それぞれのたて糸の扁平面を水
    平方向に変換して綜絖に導くとともに、前記たて糸ボビ
    ンからの扁平糸の供給を、請求項1ないし5のいずれか
    に記載の方法により行うたて糸供給工程を含む、扁平糸
    織物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項9のよこ糸供給工程および請求
    項10のたて糸供給工程を含む、扁平糸織物の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲
    にあるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数
    3/100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取
    り解舒して供給する装置であって、ボビン上に形成され
    たパッケージに接触されるタッチローラを備えたことを
    特徴とする、扁平糸の供給装置。
  13. 【請求項13】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲
    にあるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数
    3/100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取
    り解舒し、解舒した扁平糸を糸道規制ガイドに通す装置
    であって、ボビンと糸道規制ガイドとの間に、糸道を横
    断する方向に延び、扁平糸に接触する弓形ガイドを設け
    たことを特徴とする、扁平糸の供給装置。
  14. 【請求項14】 糸幅/糸厚み比が30〜150の範囲
    にあるマルチフィラメントからなる扁平糸をワインド数
    3/100mm以下で巻回したボビンから扁平糸を横取
    り解舒し、解舒した扁平糸を所定の位置まで導く装置で
    あって、前記ボビンと前記所定の位置との間に、水平方
    向または鉛直方向に対してなす角度が順次変更され、糸
    道を規制しながら扁平糸を案内する少なくとも3本の円
    筒状ガイドを設けたことを特徴とする、扁平糸の供給装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項12ないし14のいずれかに記
    載の装置のうち、少なくとも2つの装置を含む扁平糸の
    供給装置。
  16. 【請求項16】 扁平糸が炭素繊維糸である、請求項1
    2ないし15のいずれかに記載の扁平糸の供給装置。
  17. 【請求項17】 よこ糸供給手段に、請求項12ないし
    16のいずれかに記載の扁平糸の供給装置を含む、扁平
    糸織物の製造装置。
  18. 【請求項18】 たて糸供給手段に、請求項12ないし
    16のいずれかに記載の扁平糸の供給装置を含む、扁平
    糸織物の製造装置。
  19. 【請求項19】 請求項17のよこ糸供給手段と請求項
    18のたて糸供給手段を含む、扁平糸織物の製造方法。
  20. 【請求項20】 織機の主軸と連動して回転し、扁平糸
    からなるよこ糸を巻回したよこ糸ボビンからよこ糸を定
    速で引き出す引取りローラと、引き出されたよこ糸をよ
    こ糸供給位置において水平方向に位置決めするガイド手
    段と、たて糸に対する1回のよこ糸供給に必要な長さの
    よこ糸を、前記引取りローラとガイド手段との間で保留
    するよこ糸の弾性懸垂機構と、前記ガイド手段から送り
    出されてくるよこ糸を緊張下に保つ張力付与機構と、前
    記よこ糸ボビンとガイド手段との間に設けられた、請求
    項12ないし16のいずれかに記載された扁平糸の供給
    装置とを含むよこ糸供給手段を備えた、扁平糸織物の製
    造装置。
  21. 【請求項21】 扁平糸からなるたて糸を巻回した複数
    のたて糸ボビンから引き出されてくる複数本のたて糸
    を、その扁平面がワイヤ以外には接触しないようにしな
    がら所望の密度に引き揃えるコームと、このコームから
    送り出されてくるそれぞれのたて糸の扁平面を水平方向
    に変換するガイドと、このガイドから送り出されてくる
    それぞれのたて糸に水平方向の姿勢を保ちつつ開閉運動
    を付与する綜絖と、前記たて糸ボビンからの扁平糸の供
    給部に設けられた、請求項12ないし16のいずれかに
    記載された扁平糸の供給装置とを含むたて糸供給手段を
    備えた、扁平糸織物の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項20のよこ糸供給手段および請
    求項21のたて糸供給手段を含む、扁平糸織物の製造方
    法。
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