JPH10324590A - 単結晶作製装置 - Google Patents
単結晶作製装置Info
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- JPH10324590A JPH10324590A JP12908697A JP12908697A JPH10324590A JP H10324590 A JPH10324590 A JP H10324590A JP 12908697 A JP12908697 A JP 12908697A JP 12908697 A JP12908697 A JP 12908697A JP H10324590 A JPH10324590 A JP H10324590A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 上部ルツボにおける原材料の溶け残りを大幅
に低減する。 【解決手段】 本実施例の単結晶作製装置は、上部ルツ
ボおよび下部ルツボから成る二重ルツボにより構成さ
れ、上部ルツボの下端部には注ぎ口2が形成されてい
る。この注ぎ口2は、円錐部4と、その頂部(下端)に
鉛直下方に突設されたパイプ6とを含み、漏斗状を呈し
ている。そして、パイプ下端の開口面8は、従来と異な
り、水平面に対して角度θを成すように形成され、角度
θは45°以上となっている。その結果、上部ルツボ内
の溶融した原材料はパイプ6を通じて円滑に下部ルツボ
内に流動落下し、上部ルツボにおける原材料の溶け残り
を大幅に低減することができる。
に低減する。 【解決手段】 本実施例の単結晶作製装置は、上部ルツ
ボおよび下部ルツボから成る二重ルツボにより構成さ
れ、上部ルツボの下端部には注ぎ口2が形成されてい
る。この注ぎ口2は、円錐部4と、その頂部(下端)に
鉛直下方に突設されたパイプ6とを含み、漏斗状を呈し
ている。そして、パイプ下端の開口面8は、従来と異な
り、水平面に対して角度θを成すように形成され、角度
θは45°以上となっている。その結果、上部ルツボ内
の溶融した原材料はパイプ6を通じて円滑に下部ルツボ
内に流動落下し、上部ルツボにおける原材料の溶け残り
を大幅に低減することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フェライトなどの
単結晶を作製する装置に関し、特に二重ルツボ方式のブ
リッジマン法を用いた単結晶作製装置に関するものであ
る。
単結晶を作製する装置に関し、特に二重ルツボ方式のブ
リッジマン法を用いた単結晶作製装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、フェライトなどの単結晶を作
製する方法として、操作が容易で設備も簡素なブリッジ
マン法が広く用いられている。ブリッジマン法では、フ
ェライトの単結晶だけでなく、金属や塩類などの大きな
単結晶を作製することが可能であり、光学用材料や磁性
材料の単結晶、さらには半導体や各種合金などの単結晶
を作製するために活用されている。
製する方法として、操作が容易で設備も簡素なブリッジ
マン法が広く用いられている。ブリッジマン法では、フ
ェライトの単結晶だけでなく、金属や塩類などの大きな
単結晶を作製することが可能であり、光学用材料や磁性
材料の単結晶、さらには半導体や各種合金などの単結晶
を作製するために活用されている。
【0003】ブリッジマン法は、温度勾配を利用して結
晶化を進行させるものであり、例えば、原材料を溶融
し、その一端を冷却して結晶化させ、これを除々に成長
させて大きい単結晶を得るというものである。原材料の
溶融は通常白金製のルツボ内で行うが、その際、溶融帯
(メルトゾーンとも呼ばれる)の幅が大きすぎると単結
晶中への白金の混入量が増加したり、また、得られる単
結晶中の組成の偏析が大きくなったりする。そのため、
原材料の溶融帯の幅を一定に保つ目的で、上部ルツボお
よび下部ルツボの上下2段にルツボを配置したいわゆる
二重ルツボ方式のブリッジマン法が用いられている。
晶化を進行させるものであり、例えば、原材料を溶融
し、その一端を冷却して結晶化させ、これを除々に成長
させて大きい単結晶を得るというものである。原材料の
溶融は通常白金製のルツボ内で行うが、その際、溶融帯
(メルトゾーンとも呼ばれる)の幅が大きすぎると単結
晶中への白金の混入量が増加したり、また、得られる単
結晶中の組成の偏析が大きくなったりする。そのため、
原材料の溶融帯の幅を一定に保つ目的で、上部ルツボお
よび下部ルツボの上下2段にルツボを配置したいわゆる
二重ルツボ方式のブリッジマン法が用いられている。
【0004】この二重ルツボ方式のブリッジマン法で
は、上部ルツボ内に棒状の例えばフェライトの原材料を
吊るし、上部ルツボおおび下部ルツボを一定の温度勾配
を有する炉中で除々に移動させ、上部ルツボ内の原材料
を下端部より次々に溶融させる。溶融した原材料は上部
ルツボ下部に設けられた注ぎ口から下部ルツボ内に流れ
落ち、下部ルツボ内で溶融帯が形成される。
は、上部ルツボ内に棒状の例えばフェライトの原材料を
吊るし、上部ルツボおおび下部ルツボを一定の温度勾配
を有する炉中で除々に移動させ、上部ルツボ内の原材料
を下端部より次々に溶融させる。溶融した原材料は上部
ルツボ下部に設けられた注ぎ口から下部ルツボ内に流れ
落ち、下部ルツボ内で溶融帯が形成される。
【0005】図2の(A)ないし(E)は、このような
二重ルツボ方式のブリッジマン法を行う場合の各工程を
示す工程図である。ここで用いるブリッジマン法による
単結晶作製装置は、図2の(A)などに示したように、
白金製の上部ルツボ12と、下部ルツボ14とから成る
二重ルツボ16を備え、上部ルツボ12および下部ルツ
ボ14は共に鉛直に延設され、上部ルツボ12内には本
例では棒状のフェライトの原材料18が吊されている。
上部ルツボ12の下端部には、図3の部分斜視図に示し
たような注ぎ口20が設けられ、注ぎ口20は円錐部2
2と、その頂部(下端)に鉛直下方に突設されたパイプ
24とを含んで漏斗状に形成されている。図2に示した
ように、下部ルツボ14は上部ルツボ12の真下に近接
して配置され、上部ルツボ12のパイプ24の先端部
は、下部ルツボ14の上部開口26より下部ルツボ14
内にやや侵入している。
二重ルツボ方式のブリッジマン法を行う場合の各工程を
示す工程図である。ここで用いるブリッジマン法による
単結晶作製装置は、図2の(A)などに示したように、
白金製の上部ルツボ12と、下部ルツボ14とから成る
二重ルツボ16を備え、上部ルツボ12および下部ルツ
ボ14は共に鉛直に延設され、上部ルツボ12内には本
例では棒状のフェライトの原材料18が吊されている。
上部ルツボ12の下端部には、図3の部分斜視図に示し
たような注ぎ口20が設けられ、注ぎ口20は円錐部2
2と、その頂部(下端)に鉛直下方に突設されたパイプ
24とを含んで漏斗状に形成されている。図2に示した
ように、下部ルツボ14は上部ルツボ12の真下に近接
して配置され、上部ルツボ12のパイプ24の先端部
は、下部ルツボ14の上部開口26より下部ルツボ14
内にやや侵入している。
【0006】上部ルツボ12および下部ルツボ14はそ
れらの位置関係を保ったまま不図示の炉内に配置され
る。図2の(A)ないし(E)の各図の右側に示したグ
ラフは、この炉内の温度を示しており、横軸は温度、縦
軸は炉内の位置を表している。炉内の温度は、このグラ
フの曲線Cで示したような温度勾配を有し、炉内の中央
付近で最も高く、その前後では、中央から遠ざかるにし
たがってしだいに低くなっている。そして、位置Xおよ
び位置Yの間では、フェライト原材料の溶融温度以上の
温度であり、その外側ではフェライト原材料の溶融温度
より低い温度となっている。なお、図2の(B)ないし
(E)では図面が不必要に複雑になることを避けるた
め、グラフの横軸および縦軸は省略した。
れらの位置関係を保ったまま不図示の炉内に配置され
る。図2の(A)ないし(E)の各図の右側に示したグ
ラフは、この炉内の温度を示しており、横軸は温度、縦
軸は炉内の位置を表している。炉内の温度は、このグラ
フの曲線Cで示したような温度勾配を有し、炉内の中央
付近で最も高く、その前後では、中央から遠ざかるにし
たがってしだいに低くなっている。そして、位置Xおよ
び位置Yの間では、フェライト原材料の溶融温度以上の
温度であり、その外側ではフェライト原材料の溶融温度
より低い温度となっている。なお、図2の(B)ないし
(E)では図面が不必要に複雑になることを避けるた
め、グラフの横軸および縦軸は省略した。
【0007】二重ルツボ16はまず、図2の(A)に示
したように、上部ルツボ12内の原材料18の下端が位
置Xより上方となるように炉内に配置し、その後、ほぼ
一定の速度で炉内を徐々に下降させる。そして、図2の
(B)に示したように、上部ルツボ12内のフェライト
原材料18の下端が位置Xに到達すると、その位置での
温度は、原材料18の溶融温度以上であるため、原材料
18は下端部から溶融し始め、溶融した原材料18は上
部ルツボ12内で注ぎ口20の円錐部22に落下する。
落下した原材料18は円錐部22の内壁に沿って流動し
てパイプ24内に導かれ、パイプ下端の開口28より下
部ルツボ14内に落下する。
したように、上部ルツボ12内の原材料18の下端が位
置Xより上方となるように炉内に配置し、その後、ほぼ
一定の速度で炉内を徐々に下降させる。そして、図2の
(B)に示したように、上部ルツボ12内のフェライト
原材料18の下端が位置Xに到達すると、その位置での
温度は、原材料18の溶融温度以上であるため、原材料
18は下端部から溶融し始め、溶融した原材料18は上
部ルツボ12内で注ぎ口20の円錐部22に落下する。
落下した原材料18は円錐部22の内壁に沿って流動し
てパイプ24内に導かれ、パイプ下端の開口28より下
部ルツボ14内に落下する。
【0008】下部ルツボ14内に落下した原材料18
は、下部ルツボ14内の底部に貯留して溶融帯30を形
成する。すなわち、底部の位置Yより下側の箇所では炉
内の温度が原材料18の溶融温度を下回っているため原
材料18は凝固するが、上部ルツボ12内での原材料1
8の溶融が進んで下部ルツボ14内での貯留量がしだい
に多くなり、位置Yを越えると、位置Yより上側の箇所
では炉内の温度が原材料18の溶融温度以上であるた
め、原材料18は溶融状態を維持し、位置Yを下端とす
る溶融帯30を形成する。
は、下部ルツボ14内の底部に貯留して溶融帯30を形
成する。すなわち、底部の位置Yより下側の箇所では炉
内の温度が原材料18の溶融温度を下回っているため原
材料18は凝固するが、上部ルツボ12内での原材料1
8の溶融が進んで下部ルツボ14内での貯留量がしだい
に多くなり、位置Yを越えると、位置Yより上側の箇所
では炉内の温度が原材料18の溶融温度以上であるた
め、原材料18は溶融状態を維持し、位置Yを下端とす
る溶融帯30を形成する。
【0009】二重ルツボ16がさらに下降すると、図2
の(C)に示したように、溶融帯30の幅はさらに広く
なり、単結晶の作製に適した幅dとなる。以降、図2の
(D)にも示したように、溶融した原材料18の供給量
と晶出量とが均衡してこの幅dが維持される。このよう
な状態では、溶融帯30の下端、したがって位置Yにお
いて、溶融した原材料18は凝固して晶出し始め、位置
Yより下側にフェライトの単結晶32が形成され、二重
ルツボ16の下降と共にしだいに成長する。そして、図
2の(E)に示したように、上部ルツボ12の上端が位
置Xに到達し、上部ルツボ12内の原材料18がすべて
溶融したところで、二重ルツボ16の下降を停止し、そ
の後、ルツボを除々に冷却して下部ルツボ14内から棒
状の単結晶32のインゴットを取り出し、すべての工程
を完了する。
の(C)に示したように、溶融帯30の幅はさらに広く
なり、単結晶の作製に適した幅dとなる。以降、図2の
(D)にも示したように、溶融した原材料18の供給量
と晶出量とが均衡してこの幅dが維持される。このよう
な状態では、溶融帯30の下端、したがって位置Yにお
いて、溶融した原材料18は凝固して晶出し始め、位置
Yより下側にフェライトの単結晶32が形成され、二重
ルツボ16の下降と共にしだいに成長する。そして、図
2の(E)に示したように、上部ルツボ12の上端が位
置Xに到達し、上部ルツボ12内の原材料18がすべて
溶融したところで、二重ルツボ16の下降を停止し、そ
の後、ルツボを除々に冷却して下部ルツボ14内から棒
状の単結晶32のインゴットを取り出し、すべての工程
を完了する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のブリッジマン法による単結晶作製方法では、上部ル
ツボ12内に原材料18の溶け残りが生じるという問題
があった。図4はこの原材料18の溶け残しを示す上部
ルツボ12の部分拡大断面図である。この図に示すよう
に、下部ルツボ14内で溶融した原材料18は、完全に
は下部ルツボ14に落下せず、一部は注ぎ口20の円錐
部22の下端部やパイプ24の内壁に付着し、上部ルツ
ボ12内に残留する。
来のブリッジマン法による単結晶作製方法では、上部ル
ツボ12内に原材料18の溶け残りが生じるという問題
があった。図4はこの原材料18の溶け残しを示す上部
ルツボ12の部分拡大断面図である。この図に示すよう
に、下部ルツボ14内で溶融した原材料18は、完全に
は下部ルツボ14に落下せず、一部は注ぎ口20の円錐
部22の下端部やパイプ24の内壁に付着し、上部ルツ
ボ12内に残留する。
【0011】そのため従来は、このような溶け残りによ
って下部ルツボ14への原材料18の供給量が減り、下
部ルツボ14に形成される単結晶インゴットが短くなっ
て規定値を満たさなくなる場合があり、製造歩留りの低
下を招いていた。また、上部ルツボ12は通常同一の上
部ルツボを数回繰り返して使用するが、このような溶け
残りが生じるため、従来は2回目以降では、上部ルツボ
12内に配置する棒状の原材料18を溶け残りの分だけ
短くしてやる必要があり、手間がかかっていた。さら
に、溶け残りの原材料18と新しい原材料18とでは溶
け方が異なるため、上部ルツボ12から溶融原材料が供
給されるタイミングのズレや溶融帯30の幅の変動が発
生し、得られた単結晶32の品質が低下する一要因とな
っていた。本発明の目的は、このような問題を解決する
ため、上部ルツボにおける原材料の溶け残りを大幅に低
減することが可能なブリッジマン法による単結晶作製装
置を提供することにある。
って下部ルツボ14への原材料18の供給量が減り、下
部ルツボ14に形成される単結晶インゴットが短くなっ
て規定値を満たさなくなる場合があり、製造歩留りの低
下を招いていた。また、上部ルツボ12は通常同一の上
部ルツボを数回繰り返して使用するが、このような溶け
残りが生じるため、従来は2回目以降では、上部ルツボ
12内に配置する棒状の原材料18を溶け残りの分だけ
短くしてやる必要があり、手間がかかっていた。さら
に、溶け残りの原材料18と新しい原材料18とでは溶
け方が異なるため、上部ルツボ12から溶融原材料が供
給されるタイミングのズレや溶融帯30の幅の変動が発
生し、得られた単結晶32の品質が低下する一要因とな
っていた。本発明の目的は、このような問題を解決する
ため、上部ルツボにおける原材料の溶け残りを大幅に低
減することが可能なブリッジマン法による単結晶作製装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、固体の原材料を上部ルツボ内に収容し、前記
上部ルツボの下方に下部ルツボを設け、上部ルツボ下端
に鉛直下方に向けて突設されたパイプを通じて、前記上
部ルツボ内で溶融した前記原材料を前記下部ルツボ内に
落下させる二重ルツボ方式のブリッジマン法によって単
結晶を作製する装置において、前記パイプ下端の開口面
が、水平面に対して45°以上の角度を成して形成され
ていることを特徴とする。
するため、固体の原材料を上部ルツボ内に収容し、前記
上部ルツボの下方に下部ルツボを設け、上部ルツボ下端
に鉛直下方に向けて突設されたパイプを通じて、前記上
部ルツボ内で溶融した前記原材料を前記下部ルツボ内に
落下させる二重ルツボ方式のブリッジマン法によって単
結晶を作製する装置において、前記パイプ下端の開口面
が、水平面に対して45°以上の角度を成して形成され
ていることを特徴とする。
【0013】本発明では、下部ルツボのパイプ下端の開
口面を、水平面に対して45°以上の角度を成すように
形成するので、溶融した原材料は円滑に流動落下し、そ
の結果、下部ルツボにおける原材料の溶け残り量が大幅
に減少する。
口面を、水平面に対して45°以上の角度を成すように
形成するので、溶融した原材料は円滑に流動落下し、そ
の結果、下部ルツボにおける原材料の溶け残り量が大幅
に減少する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を実施例
にもとづき図面を参照して説明する。図1は、本発明に
よる単結晶作製装置の1例を構成する上部ルツボの注ぎ
口の箇所を示す部分斜視図である。以下ではこの図を参
照して実施例の単結晶作製装置について説明すると同時
に本発明の単結晶作製方法の実施例についても説明す
る。ブリッジマン法を行うための本実施例の単結晶作製
装置は、従来と同様、上部ルツボおよび下部ルツボから
成る二重ルツボにより構成され、図1に示したように、
上部ルツボの下端部には注ぎ口2が形成されている。こ
の注ぎ口2は、円錐部4と、その頂部(下端)に鉛直下
方に突設されたパイプ6とを含み、漏斗状を呈してい
る。そして、パイプ下端の開口面8は、従来と異なり、
水平面9に対して角度θを成すように形成され、角度θ
は45°以上となっている。したがって、パイプ6の下
端は図のように斜めに切断した形状となっている。パイ
プ6の下端をこのような形状にした結果、上部ルツボ内
の溶融した原材料は円滑に流動落下し、上部ルツボにお
ける原材料の溶け残りを大幅に低減することができる。
にもとづき図面を参照して説明する。図1は、本発明に
よる単結晶作製装置の1例を構成する上部ルツボの注ぎ
口の箇所を示す部分斜視図である。以下ではこの図を参
照して実施例の単結晶作製装置について説明すると同時
に本発明の単結晶作製方法の実施例についても説明す
る。ブリッジマン法を行うための本実施例の単結晶作製
装置は、従来と同様、上部ルツボおよび下部ルツボから
成る二重ルツボにより構成され、図1に示したように、
上部ルツボの下端部には注ぎ口2が形成されている。こ
の注ぎ口2は、円錐部4と、その頂部(下端)に鉛直下
方に突設されたパイプ6とを含み、漏斗状を呈してい
る。そして、パイプ下端の開口面8は、従来と異なり、
水平面9に対して角度θを成すように形成され、角度θ
は45°以上となっている。したがって、パイプ6の下
端は図のように斜めに切断した形状となっている。パイ
プ6の下端をこのような形状にした結果、上部ルツボ内
の溶融した原材料は円滑に流動落下し、上部ルツボにお
ける原材料の溶け残りを大幅に低減することができる。
【0015】本実施例の効果を調べるため実験を行っ
た。実験では、パイプ6の長さを30mm、内径を8m
mとし、パイプ下端の開口面8の角度を0°(従来の上
部ルツボ)、15°、30°、45°、60°、75°
と変えて6種類の上部ルツボを用意し、それぞれについ
て同一の条件で単結晶を作製して溶け残り量を測定し
た。なお、原材料は、組成がFe2 O3 :52mol
%、ZnO:22mol%、MnO:24mol%であ
るMn−Znフェライトとした。実験結果を下表に示
す。
た。実験では、パイプ6の長さを30mm、内径を8m
mとし、パイプ下端の開口面8の角度を0°(従来の上
部ルツボ)、15°、30°、45°、60°、75°
と変えて6種類の上部ルツボを用意し、それぞれについ
て同一の条件で単結晶を作製して溶け残り量を測定し
た。なお、原材料は、組成がFe2 O3 :52mol
%、ZnO:22mol%、MnO:24mol%であ
るMn−Znフェライトとした。実験結果を下表に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】この表からわかるように、パイプ6の開口
面8の角度が0°、15°、30°の場合には(すなわ
ち比較例1、2、3の場合)、溶け残り量はそれぞれ1
49g、140g、113gであり、角度が大きくなる
と溶け残り量は少なくはなるものの高水準である。しか
し、開口面8の角度が45°、60°、75°では(す
なわち実施例1、2、3)、溶け残り量はそれぞれ65
g、51g、35gと大幅に減少している。
面8の角度が0°、15°、30°の場合には(すなわ
ち比較例1、2、3の場合)、溶け残り量はそれぞれ1
49g、140g、113gであり、角度が大きくなる
と溶け残り量は少なくはなるものの高水準である。しか
し、開口面8の角度が45°、60°、75°では(す
なわち実施例1、2、3)、溶け残り量はそれぞれ65
g、51g、35gと大幅に減少している。
【0018】また、単結晶のインゴット長を見ると、溶
け残りがインゴット長のロスにつながり、溶け残り量が
減少するとロスも少なくなるため、開口面8の角度θが
大きくなるほど単結晶インゴット長は長くなっている。
ところで、原材料100gは単結晶インゴットの長さに
して約6mmに相当する。したがって、インゴット長の
ロスを考えるとばらつきも考慮して、溶け残り量は10
0g以下であることが望ましい。また、上部ルツボは上
述のように繰り返し使用するが、2回目以降でも原材料
の重量を1回目と同じにできるようにするためには、溶
け残り量は100g程度以下にする必要がある。これら
の条件を満たすのはパイプ下端の開口面8の傾斜角度θ
を45°以上とした場合である。すなわち、開口面8の
角度を45°以上とすることにより、作製した単結晶イ
ンゴットの長さのロスを許容範囲内に収めることがで
き、かつ上部ルツボを繰り返し使用する際に、2回目以
降で上部ルツボ内にセットする原材料の重量を調整する
必要がなくなる。
け残りがインゴット長のロスにつながり、溶け残り量が
減少するとロスも少なくなるため、開口面8の角度θが
大きくなるほど単結晶インゴット長は長くなっている。
ところで、原材料100gは単結晶インゴットの長さに
して約6mmに相当する。したがって、インゴット長の
ロスを考えるとばらつきも考慮して、溶け残り量は10
0g以下であることが望ましい。また、上部ルツボは上
述のように繰り返し使用するが、2回目以降でも原材料
の重量を1回目と同じにできるようにするためには、溶
け残り量は100g程度以下にする必要がある。これら
の条件を満たすのはパイプ下端の開口面8の傾斜角度θ
を45°以上とした場合である。すなわち、開口面8の
角度を45°以上とすることにより、作製した単結晶イ
ンゴットの長さのロスを許容範囲内に収めることがで
き、かつ上部ルツボを繰り返し使用する際に、2回目以
降で上部ルツボ内にセットする原材料の重量を調整する
必要がなくなる。
【0019】なお、パイプ6の容積は円錐部4の容積に
比べて小さく、上部ルツボ12に溶け残る原材料18の
大半は円錐部4内の残留分が占める。したがって、パイ
プ6先端を斜めに切断した形状とすることでパイプ6の
容積が小さくなり、そのためにパイプ6内の残留分が少
なくなって全体の溶け残り量も減少するが、その影響は
わずかである。よって、溶け残り量の減少は、ほとんど
がパイプ6の下端部において原材料の流動性が向上した
ことを反映したものといえる。また、開口面8の角度θ
を45°以上にすると、その場合のパイプ下端の鋭角的
な形状と結晶育成条件下での溶融原材料の粘度との兼合
いから、溶融原材料の流動性が向上するものと考えられ
る。
比べて小さく、上部ルツボ12に溶け残る原材料18の
大半は円錐部4内の残留分が占める。したがって、パイ
プ6先端を斜めに切断した形状とすることでパイプ6の
容積が小さくなり、そのためにパイプ6内の残留分が少
なくなって全体の溶け残り量も減少するが、その影響は
わずかである。よって、溶け残り量の減少は、ほとんど
がパイプ6の下端部において原材料の流動性が向上した
ことを反映したものといえる。また、開口面8の角度θ
を45°以上にすると、その場合のパイプ下端の鋭角的
な形状と結晶育成条件下での溶融原材料の粘度との兼合
いから、溶融原材料の流動性が向上するものと考えられ
る。
【0020】なお、実験では得られた単結晶インゴット
の結晶性についても判定し、比較した。そして、[表
1]の結晶性の欄に、異相がまったくない場合には○を
記載し、異相の占める面積がインゴットの横断面積の1
0%以下である場合には△を、異相の占める面積がイン
ゴットの横断面積の10%を越える場合には×を記載す
ることにした。その結果、[表1]に示したように、い
ずれの場合にも○となり、開口面8の角度θを45°以
上としても結晶性になんら影響が現れないことを確認で
きた。
の結晶性についても判定し、比較した。そして、[表
1]の結晶性の欄に、異相がまったくない場合には○を
記載し、異相の占める面積がインゴットの横断面積の1
0%以下である場合には△を、異相の占める面積がイン
ゴットの横断面積の10%を越える場合には×を記載す
ることにした。その結果、[表1]に示したように、い
ずれの場合にも○となり、開口面8の角度θを45°以
上としても結晶性になんら影響が現れないことを確認で
きた。
【0021】実験では、パイプ開口面の角度θの最大値
は75°としたが、この値をさらに大きくすることで、
より一層の効果を得ることも期待できる。この実験で角
度θの最大値を75°としたのは、パイプ6の内径が上
述のように8mmでパイプ6の長さが30mmという寸
法上の制約によるものであり、パイプ6の寸法を適切に
選定することで開口面8の角度θを75°より大きくす
ることも可能である。
は75°としたが、この値をさらに大きくすることで、
より一層の効果を得ることも期待できる。この実験で角
度θの最大値を75°としたのは、パイプ6の内径が上
述のように8mmでパイプ6の長さが30mmという寸
法上の制約によるものであり、パイプ6の寸法を適切に
選定することで開口面8の角度θを75°より大きくす
ることも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、下部ル
ツボのパイプ下端の開口面を、水平面に対して45°以
上の角度を成すように形成するので、溶融した原材料は
円滑に流動落下し、その結果、下部ルツボにおける原材
料の溶け残り量が大幅に減少する。したがって、上部ル
ツボでの原材料の溶け残りによって下部ルツボへの原材
料の供給量が減り、下部ルツボに形成される単結晶イン
ゴットが短くなって製造歩留りが低下するという問題を
解決できる。また、上部ルツボを数回繰り返して使用す
る場合にも、溶け残り量が少ないので、2回目以降に上
部ルツボ内に配置する原材料の量を調整する必要がな
く、手間がかからなくなる。さらに、上部ルツボを数回
繰り返して使用する場合、溶け残り量が少ないので、原
材料と新しい原材料とで溶け方が異なるために、上部ル
ツボから溶融原材料が供給されるタイミングのズレや、
溶融帯の幅の変動が発生し、単結晶の品質が低下すると
いう問題も大幅に緩和できる。
ツボのパイプ下端の開口面を、水平面に対して45°以
上の角度を成すように形成するので、溶融した原材料は
円滑に流動落下し、その結果、下部ルツボにおける原材
料の溶け残り量が大幅に減少する。したがって、上部ル
ツボでの原材料の溶け残りによって下部ルツボへの原材
料の供給量が減り、下部ルツボに形成される単結晶イン
ゴットが短くなって製造歩留りが低下するという問題を
解決できる。また、上部ルツボを数回繰り返して使用す
る場合にも、溶け残り量が少ないので、2回目以降に上
部ルツボ内に配置する原材料の量を調整する必要がな
く、手間がかからなくなる。さらに、上部ルツボを数回
繰り返して使用する場合、溶け残り量が少ないので、原
材料と新しい原材料とで溶け方が異なるために、上部ル
ツボから溶融原材料が供給されるタイミングのズレや、
溶融帯の幅の変動が発生し、単結晶の品質が低下すると
いう問題も大幅に緩和できる。
【図1】本発明による単結晶作製装置の1例を構成する
上部ルツボの注ぎ口の箇所を示す部分斜視図である。
上部ルツボの注ぎ口の箇所を示す部分斜視図である。
【図2】(A)ないし(E)は、二重ルツボ方式のブリ
ッジマン法を行う場合の各工程を示す工程図である。
ッジマン法を行う場合の各工程を示す工程図である。
【図3】従来の単結晶作製装置を構成する上部ルツボの
注ぎ口の箇所を示す部分斜視図である。
注ぎ口の箇所を示す部分斜視図である。
【図4】原材料の溶け残りを示す上部ルツボの部分拡大
断面図である。
断面図である。
2……注ぎ口、4……円錐部、6……パイプ、8……開
口面、12……上部ルツボ、14……下部ルツボ、16
……二重ルツボ、18……原材料、20……注ぎ口、2
2……円錐部、24……パイプ、26……上部開口、2
8……開口、30……溶融帯、32……単結晶。
口面、12……上部ルツボ、14……下部ルツボ、16
……二重ルツボ、18……原材料、20……注ぎ口、2
2……円錐部、24……パイプ、26……上部開口、2
8……開口、30……溶融帯、32……単結晶。
Claims (2)
- 【請求項1】 固体の原材料を上部ルツボ内に収容し、
前記上部ルツボの下方に下部ルツボを設け、上部ルツボ
下端に鉛直下方に向けて突設されたパイプを通じて、前
記上部ルツボ内で溶融した前記原材料を前記下部ルツボ
内に落下させる二重ルツボ方式のブリッジマン法によっ
て単結晶を作製する装置において、 前記パイプ下端の開口面が、水平面に対して45°以上
の角度を成して形成されている、 ことを特徴とする単結晶作製装置。 - 【請求項2】 前記原材料はフェライトであることを特
徴とする請求項1記載の単結晶作製装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12908697A JPH10324590A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 単結晶作製装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12908697A JPH10324590A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 単結晶作製装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10324590A true JPH10324590A (ja) | 1998-12-08 |
Family
ID=15000739
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12908697A Pending JPH10324590A (ja) | 1997-05-20 | 1997-05-20 | 単結晶作製装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10324590A (ja) |
-
1997
- 1997-05-20 JP JP12908697A patent/JPH10324590A/ja active Pending
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