JPH10324965A - 薄膜、薄膜形成方法ならびに薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜、薄膜形成方法ならびに薄膜形成装置

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JPH10324965A
JPH10324965A JP9136914A JP13691497A JPH10324965A JP H10324965 A JPH10324965 A JP H10324965A JP 9136914 A JP9136914 A JP 9136914A JP 13691497 A JP13691497 A JP 13691497A JP H10324965 A JPH10324965 A JP H10324965A
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JP
Japan
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thin film
polymer substrate
curved
layer
cooling drum
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Application number
JP9136914A
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English (en)
Inventor
Kaji Maezawa
可治 前澤
Koichi Shinohara
紘一 篠原
Hideki Yoshida
秀樹 吉田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コラムが一方向に揃って配向された高密度な薄
膜の提供。 【解決手段】高分子基体2に形成される薄膜3であっ
て、そのコラムが高分子基体2側で部分円弧状に配向さ
れ、その途中から直柱状に配向されている。このような
コラムの配向性によって膜質が高品質なものとなり、例
えば磁気記録媒体の磁性金属薄膜とする場合では、優れ
た電磁変換特性が得られて高記録密度、高出力化、低ノ
イズ化を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜、薄膜形成方
法ならびに薄膜形成装置に関する。薄膜は、例えば、高
記録密度が要求される磁気テープなどの磁気記録媒体の
金属膜、あるいは液晶表示装置の液晶配向用の膜、太陽
電池を構成する膜などとされる。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の例として、オーディオ、
ビデオ機器など各種情報機器に用いられる磁気テープが
あるが、これら磁気テープにおいては、磁気記録密度の
向上が永遠の課題であり、その技術的発展はめざましい
ものがある。
【0003】従来の磁気テープは、一般的に、ポリエス
テルフィルムなどの高分子基体上に、γ−Fe23
末、CrO2粉末、純鉄粉末などを樹脂などのバインダ
ーを介して膜状に付着した構造になっている。
【0004】このような磁気テープにおいて、記録密度
を高めるために、高分子フィルム上に、真空蒸着、イオ
ンプレーティング、スパッタリング、クラスターイオン
ビームなどの方法で、Fe,Co,Ni,Crなどの磁
性金属を、単独もしくは合金として蒸着することが検討
されている。
【0005】近年では、斜方入射蒸着法により強磁性金
属薄膜を形成した磁気テープが考えられている。この磁
気テープの強磁性金属薄膜を形成するのに用いる装置を
図5に示す。図中、51は磁気テープのベースとなる高
分子基体、52は高分子基体51の送り軸、53は高分
子基体51の巻き取り軸、54は高分子基体51がほぼ
U字形に巻き掛けられる冷却ドラム、55,56は高分
子基体51での薄膜形成範囲を設定する遮蔽板、57は
強磁性金属原料59が収納されるるつぼ、58は酸素ガ
スを供給する酸素ノズルであり、これらは図示しない
が、真空チャンバ内に収納されている。この装置では、
冷却ドラム54の外周面を利用した斜方入射蒸着を行う
ようになっている。
【0006】動作としては、高分子基体51を送り軸5
2と巻き取り軸53とにより順次一定速度で送りつつ冷
却ドラム54で冷却する一方で、るつぼ57内の磁性金
属原料59を電子ビームで溶解して蒸発させ、この蒸気
に対して酸素ノズル58から導入される酸素ガスを反応
させ、この強磁性金属酸化物を冷却ドラム54の外周の
高分子基体51に対して付着させる。
【0007】なお、高分子基体51に対する蒸着範囲
は、遮蔽板55,56により規制されており、磁性金属
原料59の蒸気と酸素ガスと反応した強磁性金属酸化物
が、蒸気流の高入射角θ2側つまり高分子基体51の供
給方向の上流側で付着し、ここから核成長が始まり、こ
れを中心に連続的に低入射角θ1側つまり高分子基体1
の供給方向の下流側へ向けて成長される。これにより、
図6に示すような構造の強磁性金属薄膜60が得られ
る。この強磁性金属薄膜60は、コラムが部分円弧状に
配向されている。
【0008】そして、従来では、高出力化および低ノイ
ズ化を達成できる電磁変換特性を持つ高品質な薄膜を得
るために、前述の低入射角θ1を約40度、高入射角θ
2を約90度にそれぞれ設定している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
では、高品質な強磁性金属薄膜60を得るために、上述
したように、低入射角θ1および高入射角θ2を限定す
る必要があるが、そのために、例えばるつぼ57から蒸
発させた強磁性金属原料59をその全体量の7〜8重量
%しか高分子基体51に対して付着させることができな
いなど、付着効率が非常に悪くなり、量産性が悪く、製
造コストが高騰することが指摘される。
【0010】したがって、本発明は、コラムが一方向に
揃って配向された高密度な薄膜の提供を目的としてい
る。また、本発明は、高分子基体に対する薄膜原料の付
着効率を向上することができる薄膜形成方法ならびに薄
膜形成装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜は、コラム
の配向方向を規定して、高密度化を図るようにしてい
る。本発明の薄膜形成方法は、直線状の受け面を利用し
て上記薄膜を形成する方法に関し、本発明の薄膜形成装
置は、上記薄膜を斜方入射蒸着により形成する装置に関
する。
【0012】
【発明の実施の形態】請求項1の発明は、高分子基体に
形成される薄膜であって、そのコラムが高分子基体側で
部分円弧状に配向され、その途中から直柱状に配向され
ている。
【0013】請求項2の発明は、高分子基体に形成され
る薄膜であって、上下2層の薄膜からなり、高分子基体
側の第1層でのコラムが部分円弧状に配向され、第2層
でのコラムが直柱状に配向されている。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の発明の薄膜
における第1、第2層が、磁性金属酸化物からなり、第
2層の酸素含有量が第1層よりも多く設定されている。
【0015】請求項4の発明は、請求項3の発明の薄膜
における第1層の膜厚と第2層の膜厚との比が、1:1
から1:20の範囲に設定されている。
【0016】請求項5の発明にかかる薄膜形成方法は、
供給される高分子基体を一旦湾曲させてから再度直線的
に案内しつつ冷却し、この高分子基体の湾曲部分から直
線部分までの範囲に対して、当該高分子基体の供給方向
の下流側から上流側へ向けて薄膜原料の蒸気を供給する
ものである。
【0017】請求項6の発明にかかる薄膜形成装置は、
供給される高分子基体を一旦湾曲させるよう案内しつつ
冷却する冷却ドラムと、冷却ドラムで湾曲される高分子
基体を直線的に案内する直線案内部材と、薄膜原料を蒸
気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部分から直線部
分までの範囲に対して当該高分子基体の供給方向の下流
側から上流側へ向けて供給する気化源とを含む。
【0018】請求項7の発明にかかる薄膜形成装置は、
供給される高分子基体を一旦湾曲させるよう案内しつつ
冷却する冷却ドラムと、冷却ドラムで湾曲される高分子
基体を直線的に案内する直線案内部材と、薄膜原料を蒸
気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部分から直線部
分までの範囲に対して当該高分子基体の供給方向の下流
側から上流側へ向けて供給する気化源と、前記高分子基
体に対する薄膜形成範囲の上流側および下流側にそれぞ
れ設けられて蒸気と反応させるガスを導入するガス導入
手段とを含む。
【0019】請求項8の発明にかかる薄膜形成装置は、
供給される高分子基体を一旦湾曲させるよう案内しつつ
冷却する冷却ドラムと、冷却ドラムで湾曲される高分子
基体を直線的に案内する直線案内部材と、薄膜原料を蒸
気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部分から直線部
分までの範囲に対して当該高分子基体の供給方向の下流
側から上流側へ向けて供給する気化源と、前記高分子基
体に対する薄膜形成範囲の上流側および下流側にそれぞ
れ設けられて蒸気と反応させるガスを導入するガス導入
手段と、高分子基体の湾曲部分と直線部分とを仕切るよ
うに設けられかつ蒸気の一部を高分子基体の湾曲部分側
に導く開口を有する遮蔽部材とを含む。
【0020】請求項9の発明は、請求項7,8の発明の
薄膜形成装置でのガス導入手段によるガス導入量が、薄
膜形成範囲の下流側が上流側よりも多く設定されるもの
である。
【0021】請求項10の発明は、請求項8の発明の薄
膜形成装置での遮蔽部材の開口幅寸法が、気化源の蒸気
放出開口の開口幅寸法の1/2以下に設定されるもので
ある。
【0022】以下、本発明の詳細を、図1ないし図4に
示す実施形態に基づいて説明する。下記する実施形態で
は、本発明の薄膜を磁気テープなどの強磁性金属薄膜と
する場合を例に挙げている。
【0023】図1および図2は本発明の実施形態1にか
かり、図1は、磁気テープの断面構造を模式的に示した
図、図2は、薄膜形成装置の概略構成図である。
【0024】図1に示す磁気テープ1は、ポリエステル
フィルムなどの高分子基体2の表面に強磁性金属酸化物
からなる薄膜3を付着した構造になっている。
【0025】薄膜3は、上下の2層4,5からなり、下
層つまり高分子基体2側の第1層4よりも上層の第2層
5の酸素含有量を多く設定している。つまり、この上下
2層4,5は酸素含有量が異なっており、それによって
上下の層の境界ができているのである。この薄膜3の構
造は、オージェ電子分光計で薄膜3を表面側からエッチ
ングしていくと酸素ピークが2カ所現れることから確認
することができる。なお、上記第1、第2層4,5の酸
化状態は、要求される電磁変換特性、信頼性、耐食性の
バランスを考慮して適宜設定すればよい。また、第1層
4については、非磁性金属酸化物とすることができる。
【0026】高分子基体2は、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、
ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどか
ら適宜選択されるもので、帯状フィルムとされる。薄膜
3は、例えばCo,Fe、Ni、Cr、あるいはこれら
をベースにした各種の合金(例えばCo−Ni,Co−
Fe,Co−Cr,Co−Cu,Co−Pt,Co−P
d,Co−Sn,Co−Ni−Crなど)の酸化物とさ
れる。
【0027】この薄膜3において高分子基体2側の第1
層4は、コラムが部分円弧状に、また、第2層5は、コ
ラムが直柱状に、それぞれ配向されている。この構造
は、例えば透過型電子顕微鏡で50万倍に拡大すること
により観察することができる。
【0028】そして、2つの層4,5の膜厚は、同じか
あるいは第2層5を第1層4よりも厚く設定するのが好
ましい。具体的に例えば、第1層4と第2層5との膜厚
比は、1:1〜1:20の範囲、好ましくは1:3〜
1:10の範囲に設定される。また、第1、第2層4,
5を合わせた厚み寸法は、例えば300〜5000Å、
好ましくは500〜3000Åに設定される。
【0029】次に、上述した磁気テープ1の薄膜3を形
成する方法を説明する。薄膜3を形成するのに用いる装
置を図2に示す。図中、11は高分子基体2の送り軸、
12は高分子基体2の巻き取り軸、13は上部冷却ドラ
ム、14は下部冷却ドラム、15は両冷却ドラム13,
14間にループ状に巻き掛けられる板状のエンドレスベ
ルト、16は高分子基体2を上部冷却ドラム13の外周
のエンドレスベルト15に沿わせるローラ、17は下部
冷却ドラム14の外周のエンドレスベルト15から高分
子基体2を引き離すローラ、18,19は高分子基体2
での薄膜形成範囲を設定する遮蔽板、20は強磁性金属
原料23が収納されるるつぼ、21,22は酸素ガスを
供給する酸素ノズルであり、これらは図示しないが、真
空チャンバ内に収納されている。この装置では、斜め姿
勢としたエンドレスベルト15を利用した斜方入射蒸着
を行うようになっている。
【0030】上記2つの遮蔽板18,19は、上部冷却
ドラム13側と下部冷却ドラム14側とに離れて配設さ
れており、上方の遮蔽板18には、るつぼ20から発生
される強磁性金属原料23の蒸気の一部を上部冷却ドラ
ム13側の高分子基体2の湾曲部分側に導く開口24が
設けられている。この開口24の開口幅寸法W1は、る
つぼ20の開口W2に対し1/2以下、好ましくは1/
5に設定されている。この比率を最適化することで薄膜
3の第1層4と第2層5との膜厚比を決定することがで
きる。ここで、るつぼ20から発生される蒸気がエンド
レスベルト15の直線部分で案内される高分子基体2に
対する入射角は、低入射角θ1が約40度、高入射角θ
2が80度以上に設定される。
【0031】上記2つの酸素ノズル21,22は、上部
冷却ドラム13側と下部冷却ドラム14側とに離れて配
設されている。そして、下方の酸素ノズル22からの酸
素ガスの導入量は、上方の酸素ノズル21からの酸素ガ
スの導入量よりも多く設定される。具体的には、上方の
酸素ノズル21からの導入量と下方の酸素ノズル22か
らの導入量との比は、例えば1:15に設定される。
【0032】前述の強磁性金属原料23として、例えば
Co,Fe、Ni、Cr、あるいはこれらをベースにし
た各種の合金(Co−Ni,Co−Fe,Co−Cr,
Co−Cu,Co−Pt,Co−Pd,Co−Sn,C
o−Ni−Cr)、あるいはこれらの酸化物などを用意
する。
【0033】動作としては、高分子基体2を送り軸11
と巻き取り軸12とにより順次一定速度で送り、上部冷
却ドラム13と下部冷却ドラム14によって冷却する一
方で、るつぼ20内の強磁性金属原料23を電子ビーム
で溶解して蒸発させ、この蒸気を酸素ノズル21,22
から供給される酸素ガスと反応させ、この強磁性金属酸
化物を高分子基体2の所要範囲に付着させるようになっ
ている。
【0034】ところで、るつぼ20から発生される蒸気
が上方の遮蔽板18の開口24から上方に回り込んで、
酸素に反応してから、高分子基体2において上部冷却ド
ラム13で湾曲される部分に付着し、ここから核成長が
始まり、高分子基体2においてエンドレスベルト15の
直線部分で案内される範囲(上下2つの遮蔽板18,1
9で規制される範囲)で上流から下流に向けて、蒸気と
酸素ガスとの反応物が順次付着して成長するようにな
る。このようにして、図1に示すような2層構造の薄膜
3が形成される。
【0035】このとき、上方の酸素ノズル21からの酸
素ガスの導入量と下方の酸素ノズル22からの酸素ガス
の導入量とを異ならせているので、高分子基体2の湾曲
部分に付着する強磁性金属酸化物と、高分子基体2の直
線部分の所要範囲に付着する強磁性金属酸化物とは、酸
素含有量が異なるものとなり、結果的に薄膜3が上下2
層構造となるのである。
【0036】図3および図4は本発明の実施形態2にか
かり、図3は、磁気テープの断面構造を模式的に示した
図、図4は、薄膜形成装置の概略構成図である。
【0037】この実施形態2での薄膜3は、上記実施形
態1で説明したもののように上下2層の境界が明確にな
っていずに単層構造になっているが、高分子基体2側で
コラムが部分円弧状に配向され、その途中から直柱状に
配向された構造になっていることにかわりない。
【0038】このような構造の薄膜3を形成する方法を
説明する。この薄膜3を形成するのに用いる装置を図4
に示す。この装置は、上記実施形態1で示したものと基
本構成を同じにしているが、一部が相違している。相違
点は、上方の酸素ノズル21を排除していることと、上
方の遮蔽板18に開口24を設けていないことと、上方
の遮蔽板18を上方にずらしてるつぼ20からの蒸気が
上部冷却ドラム13の湾曲部分にまで届くようにしてい
ることとである。
【0039】つまり、この装置では、高分子基体2にお
いて上下2つの遮蔽板18,19で仕切った範囲に対し
て、るつぼ20から発生される蒸気を、単一の酸素ノズ
ル22から導入される酸素ガスで反応させて、連続的に
蒸着させるようにしており、その結果として薄膜3が単
層構造となるのである。このときの、薄膜3の成長過程
も高分子基体2の供給方向の上流から下流へ向けて発生
する。
【0040】次に、上述した実施形態1,2の磁気テー
プと、従来例の磁気テープとについて、蒸着効率、電磁
変換特性、走行耐久性、錆試験を調べたので、表1に示
す。電磁変換特性と走行耐久性の試験では、市販の8m
mビデオテープレコーダを改造して行った。電磁変換特
性は、9〔MHz〕でのカラー出力とノイズ比を求め、
走行耐久性は、初期出力に対して出力が−5〔dB〕低
下したときの走行回数を調べた。錆試験は、温度60
度、湿度90%の環境において1週間放置し、試験前後
の錆の発生状況を光学顕微鏡で観察した。
【0041】実施形態1での磁気テープは、全厚を20
00Å、薄膜3の第1層4と第2層5との厚み比を1:
4、上方の酸素ノズル21と下方の酸素ノズル22との
酸素ガスの導入量の比を1:15としている。実施形態
2での磁気テープおよび従来例での磁気テープは、それ
ぞれ全厚を2000Åとしている。これらはすべて強磁
性金属原料23としてCo−Ni合金を用いている。
【0042】
【表1】
【0043】結果は、上記表1のように、実施形態1お
よび実施形態2が従来例に比べて優れており、なかでも
実施形態1が最も優れていた。特に、蒸着効率では、実
施形態1,2が従来例の2.5倍も向上する。これはつ
まり、従来例で高分子基体2を単一の円筒形の冷却ドラ
ムに巻き付けた状態で蒸着していたのに対して、実施形
態1,2では板状のエンドレスベルト15を用いて蒸着
範囲を広げているからである。錆については、従来例の
場合、表面全体にわたり面状態で発生しているが、実施
形態2の場合、表面に点状態で発生する程度であり、さ
らに実施形態1の場合、表面にわずかに点状態で発生す
る程度である。この状況に基づいて上記表1のような形
態で評価した。これは、実施形態1のように高次の酸化
物で保護することが錆に対して有効であることを示して
いる。
【0044】また、周知のVSM(Vibrating Sample M
agnetmeter)を用いて磁気特性を調べた結果、実施形態
1,2が従来例に比べて、保磁力で300〔Oe〕、角
形比で0.3改善されていた。
【0045】以上の結果は、薄膜3のコラム構造による
ものと考えられる。特に、実施形態1が優れているの
は、薄膜3を上下2層として上層である第2層5のコラ
ムを高次の酸化物で保護するためと考えられる。
【0046】なお、第1層4と第2層5との膜厚比は、
第2層5を第1層4の20倍以上厚くしても、特に電磁
変換特性の向上が図れない。一方、第1層4を厚くして
ゆくと、蒸着効率が減少し、磁気特性と電磁変換特性の
バランスが損なわれる。このことから、第1層4と第2
層5との膜厚比を、上述したように、1:1〜1:20
の範囲、好ましくは1:3〜1:10の範囲に設定して
いるのである。
【0047】なお、本発明は上記実施形態のみに限定さ
れるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0048】(1) 上記実施形態では、磁気テープ1
に本発明を適用した例を挙げているが、カード、デスク
等の磁気記録媒体に本発明を適用することができる。そ
の他、液晶表示装置の液晶配向用のSiO膜など、太陽
電池を構成するCu−In−Se系膜など、あるいはエ
レクトロルミネッセンス(EL)、超伝導薄膜などとい
った高機能性薄膜にも本発明を適用することができる。
つまり、本発明の薄膜は、金属や合金などの無機物質に
限らず、有機物質も含む。
【0049】(2) 上記実施形態では、磁気テープ1
の薄膜3を得るために、酸素ガスを用いているが、その
他、必要に応じて、窒素、水素、オゾン、アルゴン等の
ガスあるいは反応性ガスを用いてもよい。
【0050】(3) 上記実施形態では、磁気テープ1
の薄膜3を形成するにあたって斜方入射蒸着法を採用し
ているが、垂直蒸着法を採用することも可能である。そ
の他、上記実施形態での薄膜形成装置において、冷却ド
ラム13,14、エンドレスベルト15、遮蔽板18,
19、酸素ノズル21,22などの位置関係は特に限定
されない。
【0051】
【発明の効果】請求項1,2の発明の薄膜は、コラムが
一方向に揃って配向されて高密度となるなど、膜質が高
品質なものとなる。特に、請求項3,4の発明のよう
に、薄膜を磁気記録媒体の磁性金属薄膜とする場合で
は、優れた電磁変換特性が得られて高記録密度、高出力
化、低ノイズ化を図ることができる。
【0052】請求項5の発明の薄膜形成方法では、高分
子基体に対する薄膜形成範囲を従来例に比べて広くでき
るようになって薄膜の付着効率を高めることができるの
で、量産性の向上に貢献できるようになる。
【0053】請求項6,7,8の発明の薄膜形成装置で
は、請求項1〜4の薄膜を効率良く形成することができ
る。特に、請求項9,10の発明では、薄膜において特
に直柱状に配向されるコラムについて高次の酸化物で保
護することができるから、例えば磁気記録媒体の薄膜と
して耐腐食性、耐久性などの向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の磁気テープの断面構造を
模式的に示した図
【図2】図1の強磁性金属薄膜の形成に用いる薄膜形成
装置の概略構成図
【図3】本発明の実施形態2の磁気テープの断面構造を
模式的に示した図
【図4】図3の強磁性金属薄膜の形成に用いる薄膜形成
装置の概略構成図
【図5】従来の薄膜形成装置の概略構成図
【図6】従来例の磁気テープの断面構造を模式的に示し
た図
【符号の説明】
1 磁気テープ 2 高分子基体 3 薄膜 4 薄膜の第1層 5 薄膜の第2層 13 上部冷却ドラム 14 下部冷却ドラム 15 エンドレスベルト 18 上部遮蔽板 19 下部遮蔽板 20 るつぼ 21,22 酸素ノズル 23 強磁性金属原料

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子基体に形成される薄膜であって、
    そのコラムが高分子基体側で部分円弧状に配向され、そ
    の途中から直柱状に配向されている、ことを特徴とする
    薄膜。
  2. 【請求項2】 高分子基体に形成される薄膜であって、
    上下2層の薄膜からなり、高分子基体側の第1層でのコ
    ラムが部分円弧状に配向され、第2層でのコラムが直柱
    状に配向されている、ことを特徴とする薄膜。
  3. 【請求項3】 前記第1、第2層は、磁性金属酸化物か
    らなり、第2層の酸素含有量が第1層よりも多く設定さ
    れている、請求項2記載の薄膜。
  4. 【請求項4】 前記第1層の膜厚と第2層の膜厚との比
    は、1:1から1:20の範囲に設定されている、請求
    項3記載の薄膜。
  5. 【請求項5】 供給される高分子基体を一旦湾曲させて
    から再度直線的に案内しつつ冷却し、この高分子基体の
    湾曲部分から直線部分までの範囲に対して、当該高分子
    基体の供給方向の下流側から上流側へ向けて薄膜原料の
    蒸気を供給する、ことを特徴とする薄膜形成方法。
  6. 【請求項6】 供給される高分子基体を一旦湾曲させる
    よう案内しつつ冷却する冷却ドラムと、 冷却ドラムで湾曲される高分子基体を直線的に案内する
    直線案内部材と、 薄膜原料を蒸気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部
    分から直線部分までの範囲に対して当該高分子基体の供
    給方向の下流側から上流側へ向けて供給する気化源と、 を含むことを特徴とする薄膜形成装置。
  7. 【請求項7】 供給される高分子基体を一旦湾曲させる
    よう案内しつつ冷却する冷却ドラムと、 冷却ドラムで湾曲される高分子基体を直線的に案内する
    直線案内部材と、 薄膜原料を蒸気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部
    分から直線部分までの範囲に対して当該高分子基体の供
    給方向の下流側から上流側へ向けて供給する気化源と、 前記高分子基体に対する薄膜形成範囲の上流側および下
    流側にそれぞれ設けられて蒸気と反応させるガスを導入
    するガス導入手段と、 を含むことを特徴とする薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 供給される高分子基体を一旦湾曲させる
    よう案内しつつ冷却する冷却ドラムと、 冷却ドラムで湾曲される高分子基体を直線的に案内する
    直線案内部材と、 薄膜原料を蒸気としかつこの蒸気を高分子基体の湾曲部
    分から直線部分までの範囲に対して当該高分子基体の供
    給方向の下流側から上流側へ向けて供給する気化源と、 前記高分子基体に対する薄膜形成範囲の上流側および下
    流側にそれぞれ設けられて蒸気と反応させるガスを導入
    するガス導入手段と、 高分子基体の湾曲部分と直線部分とを仕切るように設け
    られかつ蒸気の一部を高分子基体の湾曲部分側に導く開
    口を有する遮蔽部材と、 を含むことを特徴とする薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記ガス導入手段によるガス導入量は、
    薄膜形成範囲の下流側が上流側よりも多く設定される、
    請求項7または8に記載の薄膜形成装置。
  10. 【請求項10】 前記遮蔽部材の開口幅寸法は、気化源
    の蒸気放出開口の開口幅寸法の1/2以下に設定され
    る、請求項8に記載の薄膜形成装置。
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