JPH10325835A - ガスクロマトグラフシステムの保持時間の予測方法 - Google Patents

ガスクロマトグラフシステムの保持時間の予測方法

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JPH10325835A
JPH10325835A JP10105122A JP10512298A JPH10325835A JP H10325835 A JPH10325835 A JP H10325835A JP 10105122 A JP10105122 A JP 10105122A JP 10512298 A JP10512298 A JP 10512298A JP H10325835 A JPH10325835 A JP H10325835A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスクロマトグラフシステムにおいて動作条
件が変化したときに保持時間をより正確に予測できる方
法を提供することである。 【解決手段】 上記課題は本発明により、a)分析物
を複数の所定の条件セットの下で検出し、b)システム
固有の種々のパラメータに対する値を数学モデルに基づ
いて算出し、該モデルは前記キャリアガスに対する前記
カラムの透過率を含んでおり、c)前記モデルに、シス
テム固有のパラメータに対する前記値を、少なくとも1
つの別の条件セットで代入し、d)前記モデルをステッ
プa)以外の条件に対して保持時間の予測に使用するよ
うに構成して解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フ装置において種々のシステム動作条件、例えばカラム
温度、キャリアガス入口圧力および出口圧力、キャリア
ガスフロー速度およびカラムディメンションにより変化
する保持時間の予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスクロマトグラフシステムは、キャリ
アガス中のサンプルの組成成分を物理的に分離する手段
と分離した組成成分を測定する手段とを含む。このキャ
リアガスはカラムを通流する。サンプルのパルスがキャ
リアガス流に注入され、組成成分はカラムの固定相物質
と相互作用する。カラムの終端部では個々の組成成分が
それぞれの時間で別個に分離される。分離された組成成
分を有するキャリアの検出により保持時間のパターンが
得られる。このパターンを較正、または既知のサンプル
と比較することにより、サンプルの組成成分を定量的お
よび定性的に示すことができる。このようなシステムの
主要構成部は、カラム、サンプルをキャリアガスに導入
するための混合室を有するインジェクタ、カラムの出口
端部における検出器、流体制御部、および検出器の出力
を処理および表示するためのコンピュータである。ディ
スプレイは一般的に各ピークレベル対保持時間を示す。
オーブンは一般的に温度を上昇させ、サンプルを揮発状
態に維持し、組成成分の弁別を促進するために使用す
る。典型的なガスクロマトグラフシステムは米国特許第
5476000号明細書に記載されている。
【0003】保持時間が、カラム温度、入口キャリアガ
ス圧力の変化に応答してどのように変化するか予測でき
ることがしばしば所望される。これのいくつかの場合を
以下にリストアップする。
【0004】例えばあるガスクロマトグラフシステムの
ユーザーが別のシステムで開発された手法を用いたいと
思い、この別のシステムで得られるサンプル組成成分に
対する保持時間と同じか又はほぼ同じ保持時間を得たい
と思うことがある。2つのガスクロマトグラフシステム
が非常に正確に較正されていても、このことは一般的に
はカラムの幾何学的形状がサンプルの種類ごとに異なる
ため不可能である。
【0005】択一的にユーザーが、種々のサンプルの保
持時間を最小の分析時間で十分に区別できるように温度
および圧力の値を最適化するためにこの温度および圧力
の値変化させても類似の結果を得たいと思うことがあ
る。このことを達成するための手段は本願の並行出願に
記載されている。本発明以外にも、このことを達成しよ
うとする多くの製品が市場に出回っている。
【0006】このような予測を願う別の理由は、1つの
カラムの手法を別の形状のカラムに移植する場合であ
り、異なるキャリアガスを使用して同じ保持時間パター
ンを得たいと思う場合である。これを達成するための手
段は米国特許第5405432号明細書に記載されてい
る。
【0007】別の状況は、カラム出口圧力を含めた圧力
の変化が保持時間の変化に及ぼす作用を予測したい場合
である。この圧力は多くの場合大気圧である。これら状
況の1つは自然に発生する大気圧の変動を含む。出口圧
力に対する補償により、所定のシステムでの実行ごとの
保持時間がさらに一定する。米国特許第5476000
号明細書にはそのための手段が記載されている。別の状
況は、同じ手法を2つの別のガスクロマトグラフシステ
ムで著しく異なる高度で使用する場合である。大気圧に
対する補償を、2つのシステムで同じ保持時間を得るた
めに行わなければならない。
【0008】別の状況では出口圧力が含まれる。ある検
出器により開発された手法を、異なる圧力で別の検出器
を使用するシステムに移植する場合である。例えば、マ
ススペクトロメータ検出器を使用して開発された手法で
の出口圧力はほぼゼロである。それを大気圧出口圧力に
よるシステムで使用することはよくある。上記のケース
のいずれでも、動作条件における変化を正確に計算でき
ることが所望され、このことにより出口圧力の変化また
は差を補償することができる。
【0009】キャリアガスホールドアップ時間とは、キ
ャリアガスの少量がカラムの一端から他端まで流れるの
に要する時間である。温度が一定の場合、組成成分の保
持時間はキャリアガスホールドアップ時間に比例する。
温度プログラミングにより、ホールドアップ時間への類
似のしかしより複雑な依存性が生じる。そのため上にリ
ストアップした例のすべては、カラム温度および入口圧
力の変化に伴うキャリアガスホールドアップ時間の変化
を正確に予測することを必要とする。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ガス
クロマトグラフシステムにおいて動作条件が変化したと
きに保持時間をより正確に予測できる方法を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によ
り、 a)分析物を複数の所定の条件セットの下で検出し、 b)システム固有の種々のパラメータに対する値を数学
モデルに基づいて算出し、該モデルは前記キャリアガス
に対する前記カラムの透過率を含んでおり、 c)前記モデルに、システム固有のパラメータに対する
前記値を、少なくとも1つの別の条件セットで代入し、 d)前記モデルをステップa)以外の条件に対して保持
時間の予測に使用するように構成して解決される。
【0012】
【発明の実施の形態】さらにデータ処理システムを有す
るシステムが開示される。このデータ処理システムは、
システムの種々の動作条件下での保持時間を予測するた
めのモデルを含み、前記モデルは、 a)当該システムの複数の動作条件セットの間に検出さ
れた保持時間を含む第1の入力と、 b)カラムの前記キャリアガスに対する透過率を表す第
2の入力とを有し、前記データ処理システムは、前記モ
デルにa)以外の条件セットを入力し、パラメータセッ
トを入力し、a)以外の前記条件に対する保持時間を予
測するための予測手段とを有する。
【0013】保持時間を予測するために容認された理論
は、キャリアガスの流れのPoiseuille理論に基づく。キ
ャリアガスホールドアップ時間の実験的測定とシミュレ
ーション計算との組み合わせがあるが、容認された理論
が不完全であると考える。とくにキャリアガスがヘリウ
ムでありカラムが融解石英から製造される場合はそうで
ある。理論を修正することが、上に述べた例でさらに正
確に適用するために望まれる。さらに、従来の理論を用
いた場合の誤差を計算できることが重要である。
【0014】容認された理論が考慮していないことは、
融解石英または他の材料の、ヘリウムまたは他のキャリ
アガスに対する有限透過率である。そしてこの透過率は
温度によって変動する。この現象を理論に組み込むこと
によって、さらに正確にキャリアガスホールドアップ時
間の予測を行うことができ、従って温度および圧力によ
って変化する、サンプル組成成分の保持時間をさらに正
確に予測することができる。精度の向上によって、上に
述べた保持時間の変化および変動を低減させる方法が改
良される。
【0015】保持時間は、システムに固有のパラメータ
および動作パラメータと関数関係にある。この関数は、
組成成分とカラムの固定相との相互作用に関連する熱力
学的定数を含む。これらパラメータ、例えば温度および
圧力と保持時間との関数は、クロマトグラフシステムの
理論的関係に基づく。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を次に図面に基づいて詳しく
説明する。
【0017】ガスホールドアップ時間、すなわちカラム
内にキャリアが残留している時間の従来の表現は様々な
著者によって異なってはいるが等価な代数的形式で記述
される。例えばG.Guiochon and C.L.Guillemin,“Quant
itive Gas Chromatography”(Elsevier,New York,198
8), Chapter 2 の式(9)及び(17)を参照のこと。
米国特許第5405432号明細書にはホールドアップ
時間は直接的には表現されてはないが、その代わりにカ
ラム出口でのキャリアガス速度及びガス圧縮率に対する
James-Martin補正係数などの他の量に関連づけられてい
る。一定温度におけるガスホールドアップ時間t0の便
利な表現は、
【0018】
【数1】
【0019】である。この表現では、ηはカラム温度に
おけるキャリアガス粘度、Lはカラム長、rはカラムの
内側半径、piはカラム入口圧力、poはカラム出口圧力
である。
【0020】式(1)はPoiseuilleの法則から簡単に導
出される。我々の目的にとってはこの法則をP.C.Carman
によって“Flow of Gas Through Porous Media”(Butte
rworths,London,1956),P62 の式(3.1)において与え
られた異なる形式で表現することが便利である。この式
は、
【0021】
【数2】
【0022】である。ここで、x はカラムに沿った位置
を表し、uxはカラムに亘って平均化された x における
キャリアガス速度、pxは x における圧力である。標準
理論では、キャリアは理想ガスであると仮定され、キャ
リアマスフローはカラムに沿ったあらゆる地点において
同一であると仮定されている。これらの仮定によって、
積uxxは x から独立して一定である。この場合、式
(2)は簡単にux及びpxについて解ける。そしてホー
ルドアップ時間に対する式(1)は次式から得られる。
【0023】
【数3】
【0024】上に挙げた例及び状況におけるガスホール
ドアップ時間の重要さゆえに、我々はカラムディメンシ
ョン(半径及び長さ)、入口圧力及び温度の広い範囲に
亘ってヘリウムガスホールドアップ時間を測定すること
によって上記の理論を検査した。ホールドアップ時間は
熱伝導度検出器によって測定されるエアサンプルに対す
る保持時間であると解釈した。この結果は、S.J.Hawke
s, Chromatographia, 37, 399, 1993 によって与えられ
たヘリウムに対する粘度を温度の関数として使用する式
(1)から予期される結果と比較された。
【0025】測定されたガスホールドアップ時間は、温
度が一定の入口圧力において変化する場合、粘度に正変
する(vary as the viscosity)と予期される。この予
期される挙動からの逸脱はキャリアガスとしてヘリウム
を有する融解石英カラムにおいて観察される。カラムの
幾何学的形状及び動作条件の最も実用的な組み合わせの
下では逸脱はあまり大きくない。ガスホールドアップ時
間は大体予期されたよりも10パーセント低く増加す
る。しかし、長いカラム及び低いキャリアガス速度では
逸脱が大きくなり得る。この場合、ホールドアップ時間
は、適度な温度において上昇する温度によって予期され
るよりもはるかに遅く増加する。クリティカルな温度を
越えると、カラムの出口端部からのヘリウムフローは実
際に停止する。
【0026】ガスホールドアップ時間が一定温度におけ
る入口圧力の関数として測定される場合、この現象はPo
iseuilleの法則の圧力依存性からの逸脱として現れる。
高い値から圧力が低下するに従って、ガスホールドアッ
プ時間はまず最初に予期されるよりも遅く増加する。一
定の圧力より下ではこのガスホールドアップ時間は予期
されるよりも急激に増加する。
【0027】従来の理論からの我々の実験結果の逸脱は
カラム壁を透過して放出されるキャリアガスが原因であ
ると我々は推論した。文献を調べると、GCカラムの最
も普通の材料である融解石英は他のガラスに比べてヘリ
ウムに対する高い透過率を有することが分かった。これ
はF.J.Norton, J.Am.Ceram.Soc.36,90,1953によって出
版されたデータに示されている。Nortonによれば透過可
能な材料の層を透過するキャリアガス透過レートは次式
で表される。
【0028】
【数4】
【0029】Fは基準温度及び基準圧力(STP)にお
けるcm3単位の材料を透過するフローレートである。
Kは、cm3ガス(STP)mm厚み/s/cm2面積/c
m Hg(ガス圧力差)における透過速度である。PcmHg
はcm Hg単位の材料に亘るキャリアガス圧力差であ
る。Acm2はcm2単位のさらされた材料(exposed mate
rial)の面積である。tmmはmm単位の厚みである。K
は強く温度に依存する。温度の関数としてのこの値は次
式で表される。
【0030】
【数5】
【0031】我々の目的にとっては理想ガス法則を使用
してuxxの変化に関連してキャリアガスの損失を表現
し、圧力単位をパスカルに変え、カラムの円筒形状の幾
何学的形状を考慮し、長さをメートルで表し、半径をm
mで表すことが便利である。これらの変更を施すと、次
式を得る。
【0032】
【数6】
【0033】d(uxx)は、dxの長さmに亘るPa m
/sの単位におけるuxxの変化である。TsはKにおけ
る通常温度、PsはPa単位の通常圧力、roはカラムの
外側半径である。
【0034】uxを計算するために式(4)及び(5)
を同時に解かねばならない。これらの式は現代の図書館
又はオフィスPCを使用して容易に数値積分される。こ
うして計算されたuxの値は次いで式(3)に代入さ
れ、ガスホールドアップ時間を計算する。この場合、式
(3)は閉じた形式(closed form)では解けないの
で、数値積分しなくてはならない。
【0035】等温クロマトグラフィ(isothermal chrom
atography)において、キャリアガスホールドアップ時
間の計算の修正は保持時間を計算するために必要な唯一
の変更のみである。温度プラグラミングに対しては状況
はこれほど簡単ではない。サンプルの所与の組成成分に
対する保持時間tRは次の積分方程式から計算される。
【0036】
【数7】
【0037】ここでa,b及びcはこの組成成分及びこ
の組成成分の固定相物質との相互作用に対する熱力学的
パラメータである。βはカラムの相比率であり、r/2
dに等しい。このdは固定相の厚みである。キャリアガ
ス速度uxは温度の関数であり、温度は温度プログラミ
ング時の時間の関数である。式(7)を解くには、時間
の関数としてのこの組成成分の位置 x を見失ってはな
らない。
【0038】従来の理論では、温度Tにおけるカラムに
沿った平均キャリアガス速度、uav g=L/t0が、式
(7)の中のuxの代わりに使用される。すると保持時
間は次式(8)から計算される。
【0039】
【数8】
【0040】これは式(7)を解くよりも簡単である。
というのも、uは x に依存せず、組成成分の位置を気
にする必要がないからである。従来の理論の枠内ではこ
れは妥当である。というのも、カラムに沿った速度のパ
ターンは温度によって変化しないからである。前述のよ
うに透過を考慮に入れる場合、速度のパターンは温度に
よって変化する。この理由から式(7)を使用しなくて
はならない。
【0041】上記の場合、固定相の効果又はカラムのキ
ャリアガス透過に関するカラムのポリイミド外部コーテ
ィングの効果を考察していない。これらの層に対して2
つの可能なアプローチがある。1つは、キャリア透過に
対するこれらのインピーダンスは融解石英に比べて無視
できると仮定しこれらを無視することである。もう1つ
は、文献探索又は実験によってこれらがどんなものかを
求め、必要とあればこれらを含めることである。
【0042】本発明の他の側面は、キャリアガス透過率
を最小化するために他のカラム材料及びコーティングを
使用することを含む。我々は、小さい注目すべきヘリウ
ム透過量が発生することを示す極めて長いステンレスス
チールに関する実験データを持っている。時々融解石英
カラムに載置されるアルミニウムコーティングはキャリ
アガス透過を著しく阻止すると思われる。
【0043】Norton(前述)は、多くの様々なガラスが融
解石英よりも著しく小さいヘリウム透過率を示すと述べ
ている。透過率のより小さい他のガラスがキャリアガス
透過を低減又は排除するのに使用されうることも本発明
の部分である。1つの方法は、より透過率の小さいガラ
スの層によって囲まれた融解石英の内側表面によって合
成カラムを製造することである。これは融解石英の望ま
しい内側表面特性を保持しながらも、著しくキャリア透
過を低減する。
【0044】上記の発明は、従来技術においてアウトラ
インを示した事例及び状況においていくつもの方法で利
用される。最も率直なのは上述したように理論を直接的
に使用することである。これは、式(2)及び(6)を
使用してx及びTの関数としてuxの値を解き、これら
の値を利用して熱力学的特性に対して式(7)を解くこ
とである。ついで、これらの熱力学的特性は、所望の条
件セットに対する標準保持時間を求めるために再び式
(7)を解くのに使用される。これは、一般的に周知で
あることの全てであるカラムの公称幾何学的形状パラメ
ータが実際に充分に近く良好な正確さを持つと仮定する
ことを必要とする。不完全であっても、これは従来の理
論よりも良好な精度をもたらす。
【0045】他にも利用できる近似的なアプローチがい
くつかある。例えば、正確にホールドアップ時間を計算
するための上述の手順によって、広い範囲の状況に対す
るホールドアップ時間がシミュレートできる。ついでこ
の結果をその妥当性の範囲とともに式(1)に対する補
正を推論するために使用する。これは式(7)において
保持時間を推定するために使用されうる。この手順は単
に近似的なものでしかないが、既存のプログラムに対す
る僅かな修正しか必要としないという利点を有する。こ
の発明は前述の米国特許第5476000号明細書に記
述されている従来のガスクロマトグラフシステムにおい
て利用されている。
【0046】図1には、典型的なGCシステム10が図
示されている。圧力調整源12からキャリアガスがイン
ジェクタ装置14に供給される。GCシステム10にお
ける典型的なキャリアガスはアルゴン、ヘリウム、水
素、メタン又は窒素である。キャリアの一部はインジェ
クタ14からクロマトグラフィックカラム16を通過す
る。圧力トランスデューサ18はカラムの入口における
圧力を測定するために接続されている。
【0047】サンプルのパルスがインジェクタ装置のキ
ャリアの中へと注入され、このインジェクタ装置でキャ
リアガスとの混合物が形成される。特徴づけ(characte
rization)のために使用されるサンプルは塩素、酸素、
窒素又は硫黄と結合した有機分子を含む。規則的に送ら
れる混合物は通常数分かけてカラムを通過する。内側カ
ラム壁の適当な物質の固定層はサンプルの化学成分と相
互作用する。異なる組成成分は固定層に対する異なる親
和性を有し、それゆえ異なる特性保持時間でカラムに存
在する。キャリアガスの速度は全保持時間に寄与する。
【0048】第2の圧力トランスデューサ20がカラム
出口における圧力を測定するために接続されている。カ
ラム出口の検出器22はキャリア及び混合物の物理的特
性、各組成成分が通過することによる特性変化の規模
(magnitude)を測定する。ホットワイヤ、炎イオン
化、電子捕獲、熱電子及び炎光度測定などのさまざまな
検出器が使用される。検出器はライン24に信号を送出
し、この信号は保持時間を表す。カラム16はオーブン
26に納められている。
【0049】コンピュータ28は、キャリアガス源12
の圧力を調整し、入口トランスデューサ18からの圧力
情報を受信し、オーブン26の温度を制御し、出口トラ
ンスデューサ20からの圧力情報を受信し、ライン28
の信号を受信して、サンプル組成成分を表す一連のピー
クに処理する。組成成分のプロットされた位置が相応す
る保持時間を表す。入口圧力はキャリアガス源の圧力の
制御により制御される。キャリアガス源は、一定圧力を
維持するか又は圧力を変化させる圧力プログラムによっ
て制御される。オーブンは温度プログラムによって制御
される。この温度プログラムは等温法(isothermal met
hod)か又は開始温度及び終了温度、各温度におけるラ
ンプレート(ramp rate)及び滞留時間(dwell time)
を制御することによって温度を変化させる方法を含む。
カラム出口圧力も一定圧力を維持するか又は圧力を変化
させる圧力プログラムによって制御される。キャリアガ
ス源、入口圧力及び出口圧力はキャリアガスフロー速度
プログラムによっても制御される。このキャリアガスフ
ロー速度プログラムはカラム内で一定の又は可変のキャ
リアガスフロー速度を発生させる。コンピュータは直接
保持時間か又はこの保持時間から計算処理された他のイ
ンジケータを表示する。次いで組成成分はオペレータ又
はコンピュータによって周知の化学組成成分として識別
され、ピークレベル(ピークの高さ)によって定量的測
定が得られる。
【0050】図2は本発明の方法の1つの実施例を図示
する。主要システム10は図1に図示された典型的なガ
スクロマトグラフである。第1のステップはこのシステ
ムにテストサンプル30を供給し、入口圧力32及び様
々な温度プログラム34を含む動作パラメータを入力す
ることである。次いでシステムは動作36し、保持時間
38を発生する。次にこの保持時間38は各温度プログ
ラムの下でテストサンプルの各組成成分に対して識別4
0される。出口圧力42も読み出される。次のステップ
は、システム動作温度の予期される範囲に亘る幾つかの
温度の各々におけるカラムに沿った幾つかの異なる距離
(x)の各々でのキャリアガス速度44を計算すること
である。我々は、位置 x の数は200より大きい数で
あると実験的に測定した。結果は値を2次元で配列す
る。これらの速度を求める(solve)46にはカラムデ
ィメンション48、圧力の関数としてのキャリアガスに
対するカラム材料の透過率50、入口圧力32、出口圧
力42ならびに式(2)52及び式(6)54を必要と
する。温度プログラム34及び各温度プログラムの下で
の各サンプル組成成分に対する保持時間38とともに速
度44は式(7)56に代入される。式(7)が3つの
異なるデータセットの各々に対して解かれる。次いで熱
力学的パラメータa、b及びcが各サンプル組成成分に
対して計算される。熱力学的定数a及びbはエンタルピ
ー及びエントロピーに関連し、温度に依存する。熱力学
的定数cはこの温度依存性を補償するために導入され
る。a、b及びcの全ては各サンプル組成成分に対して
一定だと考えられるが、一般的には異なる組成成分及び
固定相に対して異なる。次いで熱力学的定数a、b及び
cは、他の動作条件61に対する保持時間を予測するた
めに1つのモデルの部分として再び式(7)を解くため
に使用される。
【0051】図3はカラムの構造を図示している。管6
2は融解石英又は他の適当な材料から構成されている。
適当な固定相64がこの管の内側表面に存在する。コー
ティング66はこの管の外部表面に存在し、この管をキ
ャリアガスが透過するのを阻止する。このコーティング
層はキャリアガスに対する所望の透過インピーダンスを
得るのに必要な厚みしかない。コーティング材料は例え
ばアルミニウム、ガラス又はステンレススチールであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を組み込んだクロマトグラフシステムの
概略図である。
【図2】本発明の方法の実施例のフローチャートであ
る。
【図3】図1のシステムで使用されるクロマトグラフィ
ックカラムの部分の長手方向断面図である。
【符号の説明】
10 GCシステム 12 圧力調整源 14 インジェクタ装置 16 クロマトグラフィックカラム 18 圧力トランスデューサ 20 第2の圧力トランスデューサ 22 検出器 24 ライン 26 オーブン 28 コンピュータ 62 管 64 固定相 66 コーティング

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種々の条件下での分析物に対する保持時
    間の予測方法であって、 ガスクロマトグラフシステムがカラムを有し、該カラム
    はその中に固定相を有し、 キャリアガスが該カラム内を移動し、前記固定相に接触
    し、 前記システムはこのシステムに注入されるサンプル内の
    分析物を検出するために使用される、ガスクロマトグラ
    フシステムにおける種々の条件下での分析物に対する保
    持時間の予測方法において、 a)前記分析物を複数の所定の条件セットの下で検出
    し、 b)システム固有の種々のパラメータに対する値を数学
    モデルに基づいて算出し、該モデルは前記キャリアガス
    に対する前記カラムの透過率を含んでおり、 c)前記モデルに、システム固有のパラメータに対する
    前記値を、少なくとも1つの別の条件セットで代入し、 d)前記モデルをステップa)以外の条件に対して保持
    時間の予測に使用することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記所定の条件セットは、前記カラムに
    対する温度プログラムを含む、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記温度プログラムは等温である、請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記温度プログラムは、各温度における
    開始温度と終了温度とランプレートと滞留時間を含む、
    請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記所定の条件セットはカラム入口圧力
    プログラムを含む、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記カラム入口圧力プログラムは一定の
    カラム入口圧力を維持する、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記カラム入口圧力プログラムによりカ
    ラム入口圧力が変化される、請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記所定の条件セットはキャリアガスフ
    ロー速度プログラムを含む、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記フロー速度プログラムは一定のキャ
    リアガスフロー速度を維持する、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記フロー速度プログラムによりキャ
    リアガスフロー速度が変化される、請求項8記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 前記所定の条件セットはカラム出口圧
    力プログラムを含む、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記カラム出口圧力プログラムは一定
    のカラム出口圧力を維持する、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記カラム出口圧力プログラムにより
    カラム出口圧力が変化される、請求項11記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記所定の条件セットはカラムディメ
    ンションを含む、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記カラムディメンションはカラム
    長、カラム直径、および該カラム固定相の厚さを含む、
    請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 当該システムの種々のシステム固有の
    パラメータは熱力学的特性を含む、請求項1記載の方
    法。
  17. 【請求項17】 前記熱力学的特性は、前記キャリアガ
    スのエントロピーおよびエンタルピーに対する係数、お
    よび温度に関連した前記エントロピーおよびエンタルピ
    ーの変化を説明する係数を含む、請求項16記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 前記少なくとも1つの別の条件セット
    は前記カラムに対する温度プログラムを含む、請求項1
    記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記温度プログラムは等温である、請
    求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記温度プログラムは、各温度におけ
    る開始温度および終了温度、ランプレート、滞留時間を
    含む、請求項18記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記少なくとも1つの別の条件セット
    はカラム入口圧力プログラムを含む、請求項1記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 前記カラム入口圧力プログラムは一定
    のカラム入口圧力を維持する、請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記カラム入口圧力プログラムにより
    カラム入口圧力が変化される、請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記少なくとも1つの別の条件セット
    はキャリアガスフロー速度プログラムを含む、請求項1
    記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記フロー速度プログラムは一定のキ
    ャリアガスフロー速度を維持する、請求項24記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 前記フロー速度プログラムによりキャ
    リアガスフロー速度が変化される、請求項24記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 前記少なくとも1つの別の条件セット
    はカラム出口圧力プログラムを含む、請求項1記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 前記カラム出口圧力プログラムは一定
    のカラム出口圧力を維持する、請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記カラム出口圧力プログラムにより
    カラム出口圧力が変化される、請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記少なくとも1つの別の条件セット
    はカラムディメンションを含む、請求項1記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記カラムディメンションは、カラム
    長、カラム直径、および前記カラム固定相の厚さを含
    む、請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記キャリアガスは、アルゴン、ヘリ
    ウム、水素、メタン、窒素の群から選択されたガスであ
    る、請求項1記載の方法。
  33. 【請求項33】 種々の条件下での保持時間の予測方法
    であって、ガスクロマトグラフシステムが温度プログラ
    ム可能なオーブンを有し、カラムがオーブンの内側に配
    置されており、該カラムは入口と出口を有し、 さらに前記ガスクロマトグラフシステムは、キャリアガ
    スを前記カラムに通過させるための手段と、前記入口に
    おける圧力を制御するための手段と、前記出口のおける
    圧力を測定するための手段と、組成成分を有するサンプ
    ルのパルスを前記キャリアガスへ前記入口にて注入し、
    混合ガスを前記カラムに通過させ、前記組成成分に対す
    る保持時間が生じるようにするための注入手段と、前記
    組成成分を受容し信号を発生する検出器手段と、該信号
    はピークレベル対前記組成成分の保持時間を表し、前記
    ピークレベル対保持時間を表すため前記信号を受信する
    処理手段とを有する、ガスクロマトグラフシステムにお
    ける種々の条件下での保持時間の予測方法において、 前記オーブンに対して複数の温度プログラムを定め、 入口圧力を定め、 組成成分を有するサンプルを各温度プログラムの間に注
    入し、 前記組成成分の保持時間を各温度プログラムごとに測定
    し、 出口圧力を測定し、 前記カラムのディメンションを検出し、 前記キャリアガスに対するカラム材料の透過率を圧力の
    関数として検出し、 前記カラムの長さを複数の均等な間隔に分割し、 複数の温度を前記温度プログラムから選択し、 前記キャリアガスの、各選択された温度における粘度を
    検出し、 キャリアガス速度を、前記複数の均等な間隔のそれぞれ
    に相応する地点および前記複数の温度の各々において、
    前記入口圧力、前記出口圧力、前記カラムディメンショ
    ンおよび前記透過率の関数として計算し、 各組成成分の熱力学的パラメータを、前記キャリアガス
    速度、前記温度プログラム、前記保持時間、前記カラム
    ディメンションおよび前記粘度の関数として計算し、 保持時間を前記熱力学的パラメータの関数として計算す
    ることを特徴とする方法。
  34. 【請求項34】 前記キャリアガスは、アルゴン、ヘリ
    ウム、水素、メタンおよび窒素からなる群から選択され
    たガスである、請求項33記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記複数の均等な間隔は200以上で
    ある、請求項33記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記熱力学的パラメータは前記組成成
    分のエントロピーおよびエンタルピーに関連する、請求
    項33記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記カラムは固定相を含み、該固定相
    は有効相厚を有し、前記カラムディメンションは前記相
    厚、カラム長、カラム半径を含む、請求項33記載の方
    法。
  38. 【請求項38】 ガスクロマトグラフシステムがカラ
    ム、このカラム内の固定相およびキャリアガスを有し、
    該キャリアガスは分析物を含むサンプルが前記固定相を
    通過するように搬送するためのものであり、 データ処理システムが、システムの種々の動作条件下で
    の保持時間を予測するためのモデルを含み、 前記モデルは、 a)前記システムの複数の動作条件セットの間に検出さ
    れた保持時間を含む第1の入力と、 b)カラムの前記キャリアガスに対する透過率を表す第
    2の入力とを有し、 前記データ処理システムは、前記モデルにa)以外の条
    件セットを入力し、さらにパラメータセットを入力し、
    さらにa)以外の前記条件に対して保持時間を予測する
    ための予測手段を有することを特徴とする方法。
  39. 【請求項39】 前記複数の動作条件セットは前記カラ
    ムに対する温度プログラムを含む、請求項38記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 前記複数の動作条件セットはカラム入
    口圧力プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記複数の動作条件セットはキャリア
    ガスフロー速度プログラムを含む、請求項38記載の方
    法。
  42. 【請求項42】 前記複数の動作条件セットはカラム出
    口圧力プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記複数の動作条件セットはカラムデ
    ィメンションを含む、請求項38記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記a)以外の条件は前記カラムに対
    する温度プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記a)以外の条件はカラム入口圧力
    プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記a)以外の条件はキャリアガスフ
    ロー速度プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記a)以外の条件はカラム出口圧力
    プログラムを含む、請求項38記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記a)以外の条件はカラムディメン
    ションを含む、請求項38記載の方法。
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