JPH10328773A5 - - Google Patents
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- JPH10328773A5 JPH10328773A5 JP1997141707A JP14170797A JPH10328773A5 JP H10328773 A5 JPH10328773 A5 JP H10328773A5 JP 1997141707 A JP1997141707 A JP 1997141707A JP 14170797 A JP14170797 A JP 14170797A JP H10328773 A5 JPH10328773 A5 JP H10328773A5
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 偏平状熱交換管およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、左右両側壁間において上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに、補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる複数の連通孔があけられている偏平状熱交換管であって、
上壁形成部、および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部、下壁形成部の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材とよりなり、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされ、下構成部材の左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上縁にそれぞれ長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成され、上構成部材が下構成部材に被せられてその左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されている偏平状熱交換管。
【請求項2】 上構成部材の左右両側壁形成部の下端部が、下壁よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面に係合させられてろう付されている請求項1記載の偏平状熱交換管。
【請求項3】 各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜40%である請求項1または2記載の偏平状熱交換管。
【請求項4】 各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜30%である請求項1または2記載の偏平状熱交換管。
【請求項5】 複数の補強壁にあけられた連通孔が平面から見て千鳥配置となっている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の偏平状熱交換管。
【請求項6】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた自動車用熱交換器。
【請求項7】 請求項6記載の自動車用熱交換器を用いたカーエアコンが搭載された自動車。
【請求項8】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた電気機器用熱交換器。
【請求項9】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた産業機械用熱交換器。
【請求項10】 請求項1記載の偏平状熱交換管を製造する方法であって、
圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくり、これとは別個に上構成部材をつくり、その後上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合うように上構成部材を下構成部材に被せて両構成部材を組合せ、この状態で両構成部材を相互にろう付することを特徴とする偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項11】 上構成部材を下構成部材に被せる前に、上構成部材および下構成部材にフラックスを塗布することを含む請求項10記載の偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項12】 上構成部材の左右両側壁形成部の垂下長さを、下構成部材の左右両側壁構成部の立上り長さに、下壁形成部の厚さを加えたものよりも長くしておくとともに、下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面を形成しておき、上構成部材を下構成部材に嵌め被せた後、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の傾斜面に密着させて係合させ、これにより両構成部材を仮止めすることを含む請求項10または11記載の偏平状熱交換管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーエアコン用コンデンサ、カーエアコン用エバポレータ、自動車用オイルクーラ等の自動車用熱交換器や、ルームエアコン用コンデンサ等の電気機器用熱交換器や、オイルクーラ等の産業機械用熱交換器に用いられる偏平状熱交換管に関する。
【0002】
この明細書において、図1、図2および図5〜図7の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。但し、図8に関する説明については、同図の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近時、たとえばカーエアコン用コンデンサとして、図8に示すように、互いに間隔をおいて左右に平行に配置された一対のヘッダ(51)(52)と、両端がそれぞれ両ヘッダ(51)(52)に接続された並列状の偏平状冷媒流通管(53)(熱交換管)と、隣り合う冷媒流通管(53)の間の通風間隙に配置されるとともに、両冷媒流通管(53)にろう付されたコルゲート・フィン(54)と、左のヘッダ(51)の周壁上端部に接続された入口管(55)と、右ヘッダ(52)の周壁下端部に接続された出口管(56)と、左ヘッダ(51)の中程より上方位置の内部に設けられた左仕切板(57)と、右ヘッダ(52)の中程より下方位置の内部に設けられた右仕切板(58)とを備えており、入口管(55)と左仕切板(57)間の冷媒流通管(53)の本数、左仕切板(57)と右仕切板(58)間の冷媒流通管(53)の本数、右仕切板(58)と出口管(56)間の冷媒流通管(53)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口管(55)から流入した気相の冷媒が、出口管(56)より液相となって流出するまでに、コンデンサ内を各通路群単位に蛇行状に流れるようになされているいわゆるマルチフロー型と称されるコンデンサ(特公平3−45300号公報参照)が、従来のサーペンタイン型コンデンサに代わり高性能化、低圧力損失化および超コンパクト化を実現しうるものとして広く使用されてきている。
【0004】
上記コンデンサに用いられる偏平状冷媒流通管は、その内部に高圧ガス冷媒が導入されるため、耐圧性が要求される。この要求にこたえるとともに熱交換効率を高めるために、冷媒流通管には、平らな上下壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびた補強壁を備えたアルミニウム中空押出形材よりなるものが用いられていた。ところで、熱交換効率の向上およびコンデンサのコンパクト化の関係上、偏平状冷媒流通管は薄肉で、かつ高さはできるだけ低い方が望ましい。しかしながら、押出形材製の場合、押出技術上の制約から管高さを低くしかつ薄肉化するには限界があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、本出願人は、先に、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる連通孔が長さ方向に間隔をおいて複数あけられている偏平状熱交換管であって、板材を圧延することにより形成され、かつ下壁形成部、下壁形成部に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材と、下構成部材の左右両側壁形成部にまたがる上壁形成部を有する平らな板状上構成部材とよりなり、下構成部材の左右両側壁形成部の肉厚が補強壁形成部の肉厚よりも大きくなされるとともに、左右両側壁形成部の上端に段部を介して補強壁形成部よりも上方に突出した薄肉部が形成され、補強壁形成部の上縁にその長さ方向に間隔をおいて複数の連通孔形成用切欠きが形成され、上構成部材の左右両側縁部が左右両側壁形成部の段部にのせられるとともに薄肉部が内側に折り曲げられて上構成部材に係合させられ、この状態で両構成部材が相互にろう付されている偏平状熱交換管を提案した(特開平9−26278号公報参照)。
【0006】
上述した従来の偏平状熱交換管は、次のようにして製造される。すなわち、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部形成用環状溝を、両環状溝の深さが等しくなるように形成しておき、全ての補強壁形成部成形用環状溝の幅および深さを等しくするとともに、左右両側壁形成部成形用環状溝の幅を補強壁形成部形成用環状溝の幅よりも大きくし、左右両側壁形成部成形用環状溝の底面に薄肉部成形用幅狭環状溝を形成し、さらに補強壁形成部成形用環状溝の底面に周方向に間隔をおいて複数の切欠き成形用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくる。また、これとは別個に上構成部材をつくる。その後、上構成部材の左右両側縁部を左右両側壁形成部の段部にのせるとともに薄肉部を内側に折り曲げて上構成部材に係合させ、この状態で両構成部材を相互にろう付することにより製造される。
【0007】
しかしながら、従来の偏平状熱交換管の製造方法では、左右両側壁形成部成形用環状溝の幅が補強壁形成部形成用環状溝の幅よりも大きくなっているとともに、薄肉部成形用幅狭環状溝を含めた左右両側壁形成部成形用環状溝の深さが補強壁形成部形成用環状溝の深さよりも大きくなっており、しかも補強壁形成部形成用環状溝の底面には切欠き形成用凸部が設けられているので、左右両側壁形成部成形用環状溝の容積が補強壁形成部形成用環状溝の容積よりも大きくなり、その結果圧延のさいに金属素板から流れる金属材料が、左右両端の補強壁形成部成形用環状溝、すなわち左右両側壁形成部成形用環状溝の隣に位置する補強壁形成部成形用環状溝よりも左右両側壁形成部成形用環状溝内に流入し易くなる。したがって、成形された下構成部材において、両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部よりも低くなるという問題があった。
【0008】
しかも、成形された下構成部材において、両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部よりも低くなっているので、両端の補強壁形成部の上端と上構成部材の上壁形成部との間に大きな隙間が生じ、製造された偏平状熱交換管においては、両端の補強壁形成部と、上構成部材の上壁形成部との間にろう付不良が発生して、要求される耐圧性が得られないという問題があった。また、ろう付不良の発生した部分が起点となって、両構成部材が剥離するおそれもあった。
【0009】
この発明の目的は、上記問題を解決し、補強壁と上壁形成部との間にろう付不良が発生することなく、耐圧性が向上した偏平状熱交換管およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による偏平状熱交換管は、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、左右両側壁間において上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに、補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる複数の連通孔があけられている偏平状熱交換管であって、上壁形成部、および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部、下壁形成部の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材とよりなり、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされ、下構成部材の左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上縁にそれぞれ長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成され、上構成部材が下構成部材に被せられてその左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されているものである。
【0011】
請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされているので、上構成部材が下構成部材に被せられた状態において、左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上端が上構成部材の上壁形成部の下面に当接する。そして、この状態で両構成部材が相互にろう付されているので、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止される。したがって、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。しかも、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止されるので、ろう付不良が発生した部分を起点とする上下両構成部材の剥がれを防止することができる。
【0012】
また、請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、左右両側壁形成部および補強壁形成部の高さが等しく、かつ左右両側壁形成部および補強壁形成部の上縁にそれぞれその長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成されているので、全ての補強壁形成部の高さを等しくすることができる。すなわち、この偏平状熱交換管は、請求項10記載の方法で製造されるが、この場合、一方のワークロールの周面に形成される全ての環状溝の容積を等しくすることができる。したがって、金属素板から流れた金属材料は、左右両側壁形成部成形用環状溝と左右両端の補強壁形成部成形用環状溝とに均等に流れ込み、成形された下構成部材の左右両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部の高さと等しくなる。その結果、上述したような効果が導出される。
【0013】
また、請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されているので、左右両側壁形成部の切欠きからの流体の漏れが防止される。
【0014】
請求項2の発明による偏平状熱交換管は、請求項1の発明による偏平状熱交換管において、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部が、下壁よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面に係合させられてろう付されているものである。
【0015】
請求項3の発明による偏平状熱交換管は、請求項1または2の発明による偏平状熱交換管において、各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜40%であるものである。
【0016】
請求項4の発明による偏平状熱交換管は、請求項11または2の発明による偏平状熱交換管において、各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜30%であるものである。
【0017】
請求項5の発明による偏平状熱交換管は、請求項1〜4のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管において、複数の補強壁にあけられた連通孔が平面から見て千鳥配置となっているものである。
【0018】
請求項6の発明による自動車用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0019】
請求項7の発明による自動車は、請求項6の発明による自動車用熱交換器を用いたカーエアコンが搭載されたものである。
【0020】
請求項8の発明による電気機器用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0021】
請求項9の発明による産業機械用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0022】
請求項10の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項1記載の偏平状熱交換管を製造する方法であって、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくり、これとは別個に上構成部材をつくり、その後上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合うように上構成部材を下構成部材に被せて両構成部材を組合せ、この状態で両構成部材を相互にろう付することを特徴とするものである。
【0023】
請求項10の発明の偏平状熱交換管の製造方法によれば、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けているので、このワークロールの周面に形成される全ての環状溝の容積が等しくなっており、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくると、金属素板から流れた金属材料は左右両側壁形成部成形用環状溝と左右両端の補強壁形成部成形用環状溝とに均等に流れ込み、その結果成形された下構成部材の左右両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部の高さと等しくなる。したがって、上述したように、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良が発生することが防止され、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。しかも、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止されるので、ろう付不良が発生した部分を起点とする上下両構成部材の剥がれを防止することができる。
【0024】
請求項11の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項10の発明による偏平状熱交換管の製造方法において、上構成部材を下構成部材に被せる前に、上構成部材および下構成部材にフラックスを塗布することを含むものである。
【0025】
請求項12の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項10または11の発明による偏平状熱交換管の製造方法において、上構成部材の左右両側壁形成部の垂下長さを、下構成部材の左右両側壁構成部の立上り長さに、下壁形成部の厚さを加えたものよりも長くしておくとともに、下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面を形成しておき、上構成部材を下構成部材に嵌め被せた後、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の傾斜面に密着させて係合させ、これにより両構成部材を仮止めすることを含むものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0027】
図1はこの発明の偏平状熱交換管の全体構成を示し、図2および図3はその要部を拡大して示し、図4〜図7はその製造方法を示す。
【0028】
図1〜図3において、偏平状熱交換管(A)は、平らな上下壁(1)(2)と、上下壁(1)(2)の左右両側縁にまたがる2重構造の左右両側壁(3)(4)と、左右両側壁(3)(4)間において上下壁(1)(2)にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(5)とを備え、内部に並列状の流体通路(6)を有するものであり、下壁(2)、左右両側壁(3)(4)および補強壁(5)を構成するアルミニウム製下構成部材(10)と、上壁(1)および左右両側壁(3)(4)を構成する板状のアルミニウム製上構成部材(20)とにより形成されたものである。
【0029】
下壁(2)内面における隣接する補強壁(5)どうしの間の部分および左右両側壁(3)(4)と左右両端の補強壁(5)との間の部分には、それぞれ伝熱面積を増大させる目的で、長さ方向に間隔をおいて複数の突起(7)が上方隆起状に一体に形成されている。
【0030】
左右両側壁(3)(4)は、上壁(1)の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部(22)と、下壁(2)の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部(12)とが、垂下状左右両側壁形成部(22)が外側にくるように重なり合った状態で相互に接合されて形成されたものである。上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部は下壁(2)よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材(10)下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面(15)に係合させられてろう付されている。また、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)の上縁に、長さ方向に所定間隔をおいて複数の台形状切欠き(16)が形成されている。
【0031】
補強壁(5)は、下壁(2)に一体に形成された補強壁形成部(13)が上壁(1)内面に接合されて形成されたものである。補強壁(5)には、並列状の流体通路(6)どうしを通じさせる複数の連通孔(8)があけられている。連通孔(8)は、平面から見て千鳥配置となっている。連通孔(8)があけられていると、並列状の流体通路(6)をそれぞれ流通する流体は、連通孔(8)を通じて偏平状熱交換管(A)の幅方向に流れ、すべての流体通路(6)に行き渡って混合され、流体通路(6)間で流体に温度差が生じることはなくなる。したがって、熱交換効率が向上する。各補強壁(5)におけるすべての連通孔(8)の占める割合である開口率は、10〜40%、特に10〜30%の範囲内であることが好ましく、20%程度であることが望ましい。この場合に、連通孔(8)を形成することによる熱交換効率向上効果が顕著なものとなる。連通孔(8)は、補強壁形成部(13)の上縁に所定間隔おきに形成された台形状の切欠き(14)が、上壁(1)によりその開放部が塞がれることによって形成されたものである。この場合、複数の補強壁(5)にあけられた連通孔(8)が平面から見て千鳥配置となっているので、偏平状熱交換管(A)の幅方向において、両構成部材(10)(20)どうしの接合部が存在することになり、十分な接合強度が確保される。
【0032】
偏平状熱交換管(A)は、次のようにして製造される。
【0033】
まず、図4〜図6に示す装置を用いて、図7に示すような板状のアルミニウム製下構成部材(10)を形成する。また、ロールフォーミングにより図7に示すような板状のアルミニウム製上構成部材(20)を形成する。
【0034】
図7において、下構成部材(10)は、平らな下壁形成部(11)と、下壁形成部(11)の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部(12)と、下壁形成部(11)の両左右両側壁形成部(12)間に相互に所定間隔をおいて立上り状に一体成形された長さ方向にのびる複数の補強壁形成部(13)とよりなり、左右両側壁形成部(12)および補強壁形成部(13)の上縁にそれぞれその長さ方向に所定間隔をおいて台形状の切欠き(16)(14)が、平面から見て千鳥配置となるように形成されている。また、下構成部材(10)の全ての補強壁形成部(13)の高さ、および左右両側壁形成部(12)と補強壁形成部(13)の高さがそれぞれ等しくなっている。さらに、下壁形成部(11)の上面に突起(7)が一体に形成されているとともに、下壁形成部(11)の下面の左右両側縁部に傾斜面(15)が形成されている。
【0035】
図7において、上構成部材(20)は、平らな上壁形成部(21)と、上壁形成部(21)の両側縁に垂下状に一体に形成されかつ下構成部材(10)の両立上り状左右両側壁形成部(12)の外側に重なる左右両側壁形成部(22)とよりなる。上構成部材(20)の上壁形成部(21)の幅は下構成部材(10)の幅よりも若干広く、下構成部材(10)に被せられるようになっている。また、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の垂下長さは、下構成部材(10)の左右両側壁構成部(12)の立上り長さに、下壁形成部(11)の厚さを加えたものよりも若干長くなっている。上構成部材(20)は、下面、すなわち上壁形成部(21)の下面、および両左右両側壁形成部(22)の内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる。
【0036】
図4において、下構成部材(10)を製造する装置は、アルミニウムシート(30)が巻き取られているアンコイラ(31)、予備圧延機(32)、仕上げ圧延機(33)および複数の送りロール(34)を備えている。そして、アンコイラ(31)に巻き取られているアルミニウムシート(30)がアンコイラ(31)から繰り出されて予備圧延機(32)に送られ、予備圧延機(32)を通過した後、仕上げ圧延機(33)に送られて仕上げ圧延が行われることにより下構成部材(10)が成形される。
【0037】
予備圧延機(32)は、アルミニウムシート(30)の両側縁部に厚肉部を形成するためのものである。
【0038】
仕上げ圧延機(33)は、中心ワークロール(35)と、中心ワークロール(35)の周囲にその周方向に等間隔をおいて配置された複数の衛星ワークロール(36)とを備えている。中心ワークロール(35)は、図示しない駆動手段により回転させられるようになっている。各衛星ワークロール(36)は、図示しない歯車装置により中心ワークロール(35)に連結されており、中心ワークロール(35)が回転することにより、すべての衛星ワークロール(36)が中心ワークロール(35)と等周速で回転するようになっている。なお、各衛星ワークロール(36)が駆動手段を備えており、これにより中心ワークロール(35)と等周速で回転させられるようになっていてもよい。また、仕上げ圧延機(33)は、隣接する衛星ワークロール(36)間に台形状のガイドシュー(37)およびガイドシュー(37)を中心ワークロール(35)に向かって付勢するばね(38)を備えている。ガイドシュー(37)の両側縁部は中心ワークロール(35)と衛星ワークロール(36)との間に入り込んでおり、衛星ワークロール(36)と摺接するようになっている。ガイドシュー(37)は、アルミニウムシート(30)が仕上げ圧延機(33)を通過する間に、アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びを抑制するとともに、隣接する衛星ワークロール(36)間からの膨れ出しを抑制する。アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びの抑制は、すべての衛星ワークロール(36)が中心ワークロール(35)と等周速で回転することによっても行なわれる。その結果、中心ワークロール(35)に形成された後述する各溝(39)(40)、凹所(42)および凸部(43)(44)、ならびに衛星ワークロール(36)に形成された後述する傾斜面(45)がアルミニウムシート(30)に完全に転写され、所望の形状を備えた下構成部材(10)が得られる。また、アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びが抑制されるので、素板であるアルミニウムシート(30)として、従来法で素板として使用される板材に比べて薄肉のものを用いることができ、材料費が安くなる。しかも、圧下率も従来法に比べて小さくてすむ。
【0039】
図5および図6に示すように、仕上げ圧延機(33)の中心ワークロール(35)の周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)および補強壁形成部成形用環状溝(40)を全周にわたって形成しておく。このとき、すべての補強壁形成部成形用環状溝(40)の幅および深さを等しくしておくとともに、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)と補強壁形成部成形用環状溝(40)の幅および深さを等しくしておく。また、中心ワークロール(35)の周面における左右両側壁形成部成形用環状溝(39)とこれに隣接する補強壁形成部成形用環状溝(40)との間、および隣接する補強壁形成部成形用環状溝(40)どうしの間に、それぞれ複数の突起成形用凹所(42)を周方向に間隔をおいて設けておく。さらに、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)および補強壁形成部成形用環状溝(40)の底面にそれぞれ切欠き部成形用凸部(43)(44)を設けておく。
【0040】
また、図5に示すように、仕上げ圧延機(33)の衛星ワークロール(36)の周面における左右両端部に、左右方向外方に向かって径方向外方に傾斜した傾斜面(45)を形成しておく。
【0041】
したがって、アルミニウムシート(30)をこのような中心ワークロール(35)とすべての衛星ワークロール(36)との間に連続的に通過させると、図7に示すような下構成部材(10)が成形される。
【0042】
ついで、上下構成部材(20)(10)に脱脂処理を施した後、これらにろう付用フラックスを塗布する。
【0043】
ついで、上構成部材(20)を下構成部材(10)に嵌め被せた後、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材(10)の傾斜面(15)に密着させて係合させ、これにより両構成部材(10)(20)を仮止めする。
【0044】
ついで、両構成部材(20)(10)を仮止めしたものをろう付温度に加熱する。すると、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)外面と上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)内面、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)の上端および補強壁形成部(13)の上端と上構成部材(20)の上壁形成部(21)の下面とがそれぞれろう付される。こうして、偏平状熱交換管(A)が製造される。
【0045】
上記実施形態においては、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部が左右方向内方に折り曲げられ、下構成部材(10)の傾斜面(15)に密着させられて係合させられているが、これに代えて、下構成部材の下壁形成部の下面全体を平坦にしておき、上構成部材の左右両側壁形成部の下端面を下構成部材の下壁形成部の下面と面一となるようにしておいてもよい。また、上構成部材の左右両側壁形成部により下構成部材の左右両側壁形成部の上縁に形成された切欠きを覆いうるのであれば、上構成部材の左右両側壁形成部の下端が、下構成部材の左右両側壁形成部の高さの中間部に位置していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の偏平状熱交換管の実施形態を示す横断面図である。
【図2】
図1の部分拡大図である。
【図3】
図2のIII-III 線断面図である。
【図4】
図1の偏平状熱交換管の下構成部材を製造する装置の概略を示す図である。
【図5】
図4のV−V線拡大断面図である。
【図6】
図4の装置の中心ワークロールの周面を展開して示す部分拡大斜視図である。
【図7】
図1の偏平状熱交換管を製造する過程において上下両構成部材を組合わせる状態を示す部分拡大斜視図である。
【図8】
偏平状冷媒流通管を備えたカーエアコン用コンデンサの正面図である。
【符号の説明】
(1) 上壁
(2) 下壁
(3) 左側壁
(4) 右側壁
(5) 補強壁
(6) 流体通路
(8) 連通孔
(10) 下構成部材
(11) 下壁形成部
(12) 左右両側壁形成部
(13) 補強壁形成部
(14)(16) 切欠き
(20) 上構成部材
(21) 上壁形成部
(22) 左右両側壁形成部
(35) 中心ワークロール
(39) 左右両側壁形成部成形用環状溝
(40) 補強壁形成部成形用環状溝
(43)(44) 切欠き形成用凸部
【発明の名称】 偏平状熱交換管およびその製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、左右両側壁間において上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに、補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる複数の連通孔があけられている偏平状熱交換管であって、
上壁形成部、および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部、下壁形成部の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材とよりなり、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされ、下構成部材の左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上縁にそれぞれ長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成され、上構成部材が下構成部材に被せられてその左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されている偏平状熱交換管。
【請求項2】 上構成部材の左右両側壁形成部の下端部が、下壁よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面に係合させられてろう付されている請求項1記載の偏平状熱交換管。
【請求項3】 各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜40%である請求項1または2記載の偏平状熱交換管。
【請求項4】 各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜30%である請求項1または2記載の偏平状熱交換管。
【請求項5】 複数の補強壁にあけられた連通孔が平面から見て千鳥配置となっている請求項1〜4のうちのいずれかに記載の偏平状熱交換管。
【請求項6】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた自動車用熱交換器。
【請求項7】 請求項6記載の自動車用熱交換器を用いたカーエアコンが搭載された自動車。
【請求項8】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた電気機器用熱交換器。
【請求項9】 請求項1〜5のうちのいずれかに記載された偏平状熱交換管を用いた産業機械用熱交換器。
【請求項10】 請求項1記載の偏平状熱交換管を製造する方法であって、
圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくり、これとは別個に上構成部材をつくり、その後上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合うように上構成部材を下構成部材に被せて両構成部材を組合せ、この状態で両構成部材を相互にろう付することを特徴とする偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項11】 上構成部材を下構成部材に被せる前に、上構成部材および下構成部材にフラックスを塗布することを含む請求項10記載の偏平状熱交換管の製造方法。
【請求項12】 上構成部材の左右両側壁形成部の垂下長さを、下構成部材の左右両側壁構成部の立上り長さに、下壁形成部の厚さを加えたものよりも長くしておくとともに、下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面を形成しておき、上構成部材を下構成部材に嵌め被せた後、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の傾斜面に密着させて係合させ、これにより両構成部材を仮止めすることを含む請求項10または11記載の偏平状熱交換管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カーエアコン用コンデンサ、カーエアコン用エバポレータ、自動車用オイルクーラ等の自動車用熱交換器や、ルームエアコン用コンデンサ等の電気機器用熱交換器や、オイルクーラ等の産業機械用熱交換器に用いられる偏平状熱交換管に関する。
【0002】
この明細書において、図1、図2および図5〜図7の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。但し、図8に関する説明については、同図の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
近時、たとえばカーエアコン用コンデンサとして、図8に示すように、互いに間隔をおいて左右に平行に配置された一対のヘッダ(51)(52)と、両端がそれぞれ両ヘッダ(51)(52)に接続された並列状の偏平状冷媒流通管(53)(熱交換管)と、隣り合う冷媒流通管(53)の間の通風間隙に配置されるとともに、両冷媒流通管(53)にろう付されたコルゲート・フィン(54)と、左のヘッダ(51)の周壁上端部に接続された入口管(55)と、右ヘッダ(52)の周壁下端部に接続された出口管(56)と、左ヘッダ(51)の中程より上方位置の内部に設けられた左仕切板(57)と、右ヘッダ(52)の中程より下方位置の内部に設けられた右仕切板(58)とを備えており、入口管(55)と左仕切板(57)間の冷媒流通管(53)の本数、左仕切板(57)と右仕切板(58)間の冷媒流通管(53)の本数、右仕切板(58)と出口管(56)間の冷媒流通管(53)の本数がそれぞれ上から順次減少されて通路群を構成しており、入口管(55)から流入した気相の冷媒が、出口管(56)より液相となって流出するまでに、コンデンサ内を各通路群単位に蛇行状に流れるようになされているいわゆるマルチフロー型と称されるコンデンサ(特公平3−45300号公報参照)が、従来のサーペンタイン型コンデンサに代わり高性能化、低圧力損失化および超コンパクト化を実現しうるものとして広く使用されてきている。
【0004】
上記コンデンサに用いられる偏平状冷媒流通管は、その内部に高圧ガス冷媒が導入されるため、耐圧性が要求される。この要求にこたえるとともに熱交換効率を高めるために、冷媒流通管には、平らな上下壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびた補強壁を備えたアルミニウム中空押出形材よりなるものが用いられていた。ところで、熱交換効率の向上およびコンデンサのコンパクト化の関係上、偏平状冷媒流通管は薄肉で、かつ高さはできるだけ低い方が望ましい。しかしながら、押出形材製の場合、押出技術上の制約から管高さを低くしかつ薄肉化するには限界があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、本出願人は、先に、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、上下壁にまたがるとともに長さ方向に伸びかつ相互に間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる連通孔が長さ方向に間隔をおいて複数あけられている偏平状熱交換管であって、板材を圧延することにより形成され、かつ下壁形成部、下壁形成部に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材と、下構成部材の左右両側壁形成部にまたがる上壁形成部を有する平らな板状上構成部材とよりなり、下構成部材の左右両側壁形成部の肉厚が補強壁形成部の肉厚よりも大きくなされるとともに、左右両側壁形成部の上端に段部を介して補強壁形成部よりも上方に突出した薄肉部が形成され、補強壁形成部の上縁にその長さ方向に間隔をおいて複数の連通孔形成用切欠きが形成され、上構成部材の左右両側縁部が左右両側壁形成部の段部にのせられるとともに薄肉部が内側に折り曲げられて上構成部材に係合させられ、この状態で両構成部材が相互にろう付されている偏平状熱交換管を提案した(特開平9−26278号公報参照)。
【0006】
上述した従来の偏平状熱交換管は、次のようにして製造される。すなわち、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部形成用環状溝を、両環状溝の深さが等しくなるように形成しておき、全ての補強壁形成部成形用環状溝の幅および深さを等しくするとともに、左右両側壁形成部成形用環状溝の幅を補強壁形成部形成用環状溝の幅よりも大きくし、左右両側壁形成部成形用環状溝の底面に薄肉部成形用幅狭環状溝を形成し、さらに補強壁形成部成形用環状溝の底面に周方向に間隔をおいて複数の切欠き成形用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくる。また、これとは別個に上構成部材をつくる。その後、上構成部材の左右両側縁部を左右両側壁形成部の段部にのせるとともに薄肉部を内側に折り曲げて上構成部材に係合させ、この状態で両構成部材を相互にろう付することにより製造される。
【0007】
しかしながら、従来の偏平状熱交換管の製造方法では、左右両側壁形成部成形用環状溝の幅が補強壁形成部形成用環状溝の幅よりも大きくなっているとともに、薄肉部成形用幅狭環状溝を含めた左右両側壁形成部成形用環状溝の深さが補強壁形成部形成用環状溝の深さよりも大きくなっており、しかも補強壁形成部形成用環状溝の底面には切欠き形成用凸部が設けられているので、左右両側壁形成部成形用環状溝の容積が補強壁形成部形成用環状溝の容積よりも大きくなり、その結果圧延のさいに金属素板から流れる金属材料が、左右両端の補強壁形成部成形用環状溝、すなわち左右両側壁形成部成形用環状溝の隣に位置する補強壁形成部成形用環状溝よりも左右両側壁形成部成形用環状溝内に流入し易くなる。したがって、成形された下構成部材において、両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部よりも低くなるという問題があった。
【0008】
しかも、成形された下構成部材において、両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部よりも低くなっているので、両端の補強壁形成部の上端と上構成部材の上壁形成部との間に大きな隙間が生じ、製造された偏平状熱交換管においては、両端の補強壁形成部と、上構成部材の上壁形成部との間にろう付不良が発生して、要求される耐圧性が得られないという問題があった。また、ろう付不良の発生した部分が起点となって、両構成部材が剥離するおそれもあった。
【0009】
この発明の目的は、上記問題を解決し、補強壁と上壁形成部との間にろう付不良が発生することなく、耐圧性が向上した偏平状熱交換管およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
請求項1の発明による偏平状熱交換管は、上下壁と、上下壁の左右両側縁にまたがる左右両側壁と、左右両側壁間において上下壁にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁とを備え、内部に並列状の流体通路を有するとともに、補強壁に並列状の流体通路どうしを通じさせる複数の連通孔があけられている偏平状熱交換管であって、上壁形成部、および上壁形成部の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部を有する板状上構成部材と、下壁形成部、下壁形成部の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部、および左右両側壁形成部間において長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおくように下壁形成部に立上り状に一体成形された複数の補強壁形成部を有する板状下構成部材とよりなり、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされ、下構成部材の左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上縁にそれぞれ長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成され、上構成部材が下構成部材に被せられてその左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されているものである。
【0011】
請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、下構成部材の全ての補強壁形成部の高さ、および左右両側壁形成部と補強壁形成部の高さがそれぞれ等しくなされているので、上構成部材が下構成部材に被せられた状態において、左右両側壁形成部および全ての補強壁形成部の上端が上構成部材の上壁形成部の下面に当接する。そして、この状態で両構成部材が相互にろう付されているので、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止される。したがって、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。しかも、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止されるので、ろう付不良が発生した部分を起点とする上下両構成部材の剥がれを防止することができる。
【0012】
また、請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、左右両側壁形成部および補強壁形成部の高さが等しく、かつ左右両側壁形成部および補強壁形成部の上縁にそれぞれその長さ方向に間隔をおいて複数の切欠きが形成されているので、全ての補強壁形成部の高さを等しくすることができる。すなわち、この偏平状熱交換管は、請求項10記載の方法で製造されるが、この場合、一方のワークロールの周面に形成される全ての環状溝の容積を等しくすることができる。したがって、金属素板から流れた金属材料は、左右両側壁形成部成形用環状溝と左右両端の補強壁形成部成形用環状溝とに均等に流れ込み、成形された下構成部材の左右両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部の高さと等しくなる。その結果、上述したような効果が導出される。
【0013】
また、請求項1の発明の偏平状熱交換管によれば、上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合った状態で両構成部材が相互にろう付されているので、左右両側壁形成部の切欠きからの流体の漏れが防止される。
【0014】
請求項2の発明による偏平状熱交換管は、請求項1の発明による偏平状熱交換管において、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部が、下壁よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面に係合させられてろう付されているものである。
【0015】
請求項3の発明による偏平状熱交換管は、請求項1または2の発明による偏平状熱交換管において、各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜40%であるものである。
【0016】
請求項4の発明による偏平状熱交換管は、請求項11または2の発明による偏平状熱交換管において、各補強壁におけるすべての連通孔の占める割合である開口率が10〜30%であるものである。
【0017】
請求項5の発明による偏平状熱交換管は、請求項1〜4のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管において、複数の補強壁にあけられた連通孔が平面から見て千鳥配置となっているものである。
【0018】
請求項6の発明による自動車用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0019】
請求項7の発明による自動車は、請求項6の発明による自動車用熱交換器を用いたカーエアコンが搭載されたものである。
【0020】
請求項8の発明による電気機器用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0021】
請求項9の発明による産業機械用熱交換器は、請求項1〜5のうちのいずれかの発明による偏平状熱交換管を用いたものである。
【0022】
請求項10の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項1記載の偏平状熱交換管を製造する方法であって、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けておき、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくり、これとは別個に上構成部材をつくり、その後上構成部材の左右両側壁形成部が下構成部材の左右両側壁形成部の外側に重なり合うように上構成部材を下構成部材に被せて両構成部材を組合せ、この状態で両構成部材を相互にろう付することを特徴とするものである。
【0023】
請求項10の発明の偏平状熱交換管の製造方法によれば、圧延機の一方のワークロールの周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝および複数の補強壁形成部成形用環状溝を、両環状溝の幅および深さが等しくなるように形成するとともに、両環状溝の底面にそれぞれ周方向に間隔をおいて複数の切欠き形成用凸部を設けているので、このワークロールの周面に形成される全ての環状溝の容積が等しくなっており、この圧延機に金属素板を通すことにより下構成部材をつくると、金属素板から流れた金属材料は左右両側壁形成部成形用環状溝と左右両端の補強壁形成部成形用環状溝とに均等に流れ込み、その結果成形された下構成部材の左右両端の補強壁形成部の高さが、他の補強壁形成部の高さと等しくなる。したがって、上述したように、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良が発生することが防止され、偏平状熱交換管の耐圧性が向上する。しかも、下構成部材の全ての補強壁形成部と上構成部材の上壁形成部との間でのろう付不良の発生が防止されるので、ろう付不良が発生した部分を起点とする上下両構成部材の剥がれを防止することができる。
【0024】
請求項11の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項10の発明による偏平状熱交換管の製造方法において、上構成部材を下構成部材に被せる前に、上構成部材および下構成部材にフラックスを塗布することを含むものである。
【0025】
請求項12の発明による偏平状熱交換管の製造方法は、請求項10または11の発明による偏平状熱交換管の製造方法において、上構成部材の左右両側壁形成部の垂下長さを、下構成部材の左右両側壁構成部の立上り長さに、下壁形成部の厚さを加えたものよりも長くしておくとともに、下構成部材の下壁形成部下面の左右両側縁部に左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面を形成しておき、上構成部材を下構成部材に嵌め被せた後、上構成部材の左右両側壁形成部の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材の傾斜面に密着させて係合させ、これにより両構成部材を仮止めすることを含むものである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。以下の説明において、「アルミニウム」という語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0027】
図1はこの発明の偏平状熱交換管の全体構成を示し、図2および図3はその要部を拡大して示し、図4〜図7はその製造方法を示す。
【0028】
図1〜図3において、偏平状熱交換管(A)は、平らな上下壁(1)(2)と、上下壁(1)(2)の左右両側縁にまたがる2重構造の左右両側壁(3)(4)と、左右両側壁(3)(4)間において上下壁(1)(2)にまたがるとともに長さ方向にのびかつ相互に所定間隔をおいて設けられた複数の補強壁(5)とを備え、内部に並列状の流体通路(6)を有するものであり、下壁(2)、左右両側壁(3)(4)および補強壁(5)を構成するアルミニウム製下構成部材(10)と、上壁(1)および左右両側壁(3)(4)を構成する板状のアルミニウム製上構成部材(20)とにより形成されたものである。
【0029】
下壁(2)内面における隣接する補強壁(5)どうしの間の部分および左右両側壁(3)(4)と左右両端の補強壁(5)との間の部分には、それぞれ伝熱面積を増大させる目的で、長さ方向に間隔をおいて複数の突起(7)が上方隆起状に一体に形成されている。
【0030】
左右両側壁(3)(4)は、上壁(1)の左右両側縁に垂下状に一体成形された左右両側壁形成部(22)と、下壁(2)の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部(12)とが、垂下状左右両側壁形成部(22)が外側にくるように重なり合った状態で相互に接合されて形成されたものである。上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部は下壁(2)よりも下方に伸ばされるとともに、下構成部材(10)下面の左右両側縁部に形成されかつ左右方向外方に向かって上方に傾斜した傾斜面(15)に係合させられてろう付されている。また、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)の上縁に、長さ方向に所定間隔をおいて複数の台形状切欠き(16)が形成されている。
【0031】
補強壁(5)は、下壁(2)に一体に形成された補強壁形成部(13)が上壁(1)内面に接合されて形成されたものである。補強壁(5)には、並列状の流体通路(6)どうしを通じさせる複数の連通孔(8)があけられている。連通孔(8)は、平面から見て千鳥配置となっている。連通孔(8)があけられていると、並列状の流体通路(6)をそれぞれ流通する流体は、連通孔(8)を通じて偏平状熱交換管(A)の幅方向に流れ、すべての流体通路(6)に行き渡って混合され、流体通路(6)間で流体に温度差が生じることはなくなる。したがって、熱交換効率が向上する。各補強壁(5)におけるすべての連通孔(8)の占める割合である開口率は、10〜40%、特に10〜30%の範囲内であることが好ましく、20%程度であることが望ましい。この場合に、連通孔(8)を形成することによる熱交換効率向上効果が顕著なものとなる。連通孔(8)は、補強壁形成部(13)の上縁に所定間隔おきに形成された台形状の切欠き(14)が、上壁(1)によりその開放部が塞がれることによって形成されたものである。この場合、複数の補強壁(5)にあけられた連通孔(8)が平面から見て千鳥配置となっているので、偏平状熱交換管(A)の幅方向において、両構成部材(10)(20)どうしの接合部が存在することになり、十分な接合強度が確保される。
【0032】
偏平状熱交換管(A)は、次のようにして製造される。
【0033】
まず、図4〜図6に示す装置を用いて、図7に示すような板状のアルミニウム製下構成部材(10)を形成する。また、ロールフォーミングにより図7に示すような板状のアルミニウム製上構成部材(20)を形成する。
【0034】
図7において、下構成部材(10)は、平らな下壁形成部(11)と、下壁形成部(11)の左右両側縁に立上り状に一体成形された左右両側壁形成部(12)と、下壁形成部(11)の両左右両側壁形成部(12)間に相互に所定間隔をおいて立上り状に一体成形された長さ方向にのびる複数の補強壁形成部(13)とよりなり、左右両側壁形成部(12)および補強壁形成部(13)の上縁にそれぞれその長さ方向に所定間隔をおいて台形状の切欠き(16)(14)が、平面から見て千鳥配置となるように形成されている。また、下構成部材(10)の全ての補強壁形成部(13)の高さ、および左右両側壁形成部(12)と補強壁形成部(13)の高さがそれぞれ等しくなっている。さらに、下壁形成部(11)の上面に突起(7)が一体に形成されているとともに、下壁形成部(11)の下面の左右両側縁部に傾斜面(15)が形成されている。
【0035】
図7において、上構成部材(20)は、平らな上壁形成部(21)と、上壁形成部(21)の両側縁に垂下状に一体に形成されかつ下構成部材(10)の両立上り状左右両側壁形成部(12)の外側に重なる左右両側壁形成部(22)とよりなる。上構成部材(20)の上壁形成部(21)の幅は下構成部材(10)の幅よりも若干広く、下構成部材(10)に被せられるようになっている。また、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の垂下長さは、下構成部材(10)の左右両側壁構成部(12)の立上り長さに、下壁形成部(11)の厚さを加えたものよりも若干長くなっている。上構成部材(20)は、下面、すなわち上壁形成部(21)の下面、および両左右両側壁形成部(22)の内面にろう材層を有するアルミニウムブレージングシートからなる。
【0036】
図4において、下構成部材(10)を製造する装置は、アルミニウムシート(30)が巻き取られているアンコイラ(31)、予備圧延機(32)、仕上げ圧延機(33)および複数の送りロール(34)を備えている。そして、アンコイラ(31)に巻き取られているアルミニウムシート(30)がアンコイラ(31)から繰り出されて予備圧延機(32)に送られ、予備圧延機(32)を通過した後、仕上げ圧延機(33)に送られて仕上げ圧延が行われることにより下構成部材(10)が成形される。
【0037】
予備圧延機(32)は、アルミニウムシート(30)の両側縁部に厚肉部を形成するためのものである。
【0038】
仕上げ圧延機(33)は、中心ワークロール(35)と、中心ワークロール(35)の周囲にその周方向に等間隔をおいて配置された複数の衛星ワークロール(36)とを備えている。中心ワークロール(35)は、図示しない駆動手段により回転させられるようになっている。各衛星ワークロール(36)は、図示しない歯車装置により中心ワークロール(35)に連結されており、中心ワークロール(35)が回転することにより、すべての衛星ワークロール(36)が中心ワークロール(35)と等周速で回転するようになっている。なお、各衛星ワークロール(36)が駆動手段を備えており、これにより中心ワークロール(35)と等周速で回転させられるようになっていてもよい。また、仕上げ圧延機(33)は、隣接する衛星ワークロール(36)間に台形状のガイドシュー(37)およびガイドシュー(37)を中心ワークロール(35)に向かって付勢するばね(38)を備えている。ガイドシュー(37)の両側縁部は中心ワークロール(35)と衛星ワークロール(36)との間に入り込んでおり、衛星ワークロール(36)と摺接するようになっている。ガイドシュー(37)は、アルミニウムシート(30)が仕上げ圧延機(33)を通過する間に、アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びを抑制するとともに、隣接する衛星ワークロール(36)間からの膨れ出しを抑制する。アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びの抑制は、すべての衛星ワークロール(36)が中心ワークロール(35)と等周速で回転することによっても行なわれる。その結果、中心ワークロール(35)に形成された後述する各溝(39)(40)、凹所(42)および凸部(43)(44)、ならびに衛星ワークロール(36)に形成された後述する傾斜面(45)がアルミニウムシート(30)に完全に転写され、所望の形状を備えた下構成部材(10)が得られる。また、アルミニウムシート(30)の長さ方向の伸びが抑制されるので、素板であるアルミニウムシート(30)として、従来法で素板として使用される板材に比べて薄肉のものを用いることができ、材料費が安くなる。しかも、圧下率も従来法に比べて小さくてすむ。
【0039】
図5および図6に示すように、仕上げ圧延機(33)の中心ワークロール(35)の周面に、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)および補強壁形成部成形用環状溝(40)を全周にわたって形成しておく。このとき、すべての補強壁形成部成形用環状溝(40)の幅および深さを等しくしておくとともに、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)と補強壁形成部成形用環状溝(40)の幅および深さを等しくしておく。また、中心ワークロール(35)の周面における左右両側壁形成部成形用環状溝(39)とこれに隣接する補強壁形成部成形用環状溝(40)との間、および隣接する補強壁形成部成形用環状溝(40)どうしの間に、それぞれ複数の突起成形用凹所(42)を周方向に間隔をおいて設けておく。さらに、左右両側壁形成部成形用環状溝(39)および補強壁形成部成形用環状溝(40)の底面にそれぞれ切欠き部成形用凸部(43)(44)を設けておく。
【0040】
また、図5に示すように、仕上げ圧延機(33)の衛星ワークロール(36)の周面における左右両端部に、左右方向外方に向かって径方向外方に傾斜した傾斜面(45)を形成しておく。
【0041】
したがって、アルミニウムシート(30)をこのような中心ワークロール(35)とすべての衛星ワークロール(36)との間に連続的に通過させると、図7に示すような下構成部材(10)が成形される。
【0042】
ついで、上下構成部材(20)(10)に脱脂処理を施した後、これらにろう付用フラックスを塗布する。
【0043】
ついで、上構成部材(20)を下構成部材(10)に嵌め被せた後、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部を左右方向内方に折り曲げて下構成部材(10)の傾斜面(15)に密着させて係合させ、これにより両構成部材(10)(20)を仮止めする。
【0044】
ついで、両構成部材(20)(10)を仮止めしたものをろう付温度に加熱する。すると、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)外面と上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)内面、下構成部材(10)の左右両側壁形成部(12)の上端および補強壁形成部(13)の上端と上構成部材(20)の上壁形成部(21)の下面とがそれぞれろう付される。こうして、偏平状熱交換管(A)が製造される。
【0045】
上記実施形態においては、上構成部材(20)の左右両側壁形成部(22)の下端部が左右方向内方に折り曲げられ、下構成部材(10)の傾斜面(15)に密着させられて係合させられているが、これに代えて、下構成部材の下壁形成部の下面全体を平坦にしておき、上構成部材の左右両側壁形成部の下端面を下構成部材の下壁形成部の下面と面一となるようにしておいてもよい。また、上構成部材の左右両側壁形成部により下構成部材の左右両側壁形成部の上縁に形成された切欠きを覆いうるのであれば、上構成部材の左右両側壁形成部の下端が、下構成部材の左右両側壁形成部の高さの中間部に位置していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の偏平状熱交換管の実施形態を示す横断面図である。
【図2】
図1の部分拡大図である。
【図3】
図2のIII-III 線断面図である。
【図4】
図1の偏平状熱交換管の下構成部材を製造する装置の概略を示す図である。
【図5】
図4のV−V線拡大断面図である。
【図6】
図4の装置の中心ワークロールの周面を展開して示す部分拡大斜視図である。
【図7】
図1の偏平状熱交換管を製造する過程において上下両構成部材を組合わせる状態を示す部分拡大斜視図である。
【図8】
偏平状冷媒流通管を備えたカーエアコン用コンデンサの正面図である。
【符号の説明】
(1) 上壁
(2) 下壁
(3) 左側壁
(4) 右側壁
(5) 補強壁
(6) 流体通路
(8) 連通孔
(10) 下構成部材
(11) 下壁形成部
(12) 左右両側壁形成部
(13) 補強壁形成部
(14)(16) 切欠き
(20) 上構成部材
(21) 上壁形成部
(22) 左右両側壁形成部
(35) 中心ワークロール
(39) 左右両側壁形成部成形用環状溝
(40) 補強壁形成部成形用環状溝
(43)(44) 切欠き形成用凸部
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