JPH10329693A - アンチスキッドブレーキ制御装置 - Google Patents

アンチスキッドブレーキ制御装置

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JPH10329693A
JPH10329693A JP9144189A JP14418997A JPH10329693A JP H10329693 A JPH10329693 A JP H10329693A JP 9144189 A JP9144189 A JP 9144189A JP 14418997 A JP14418997 A JP 14418997A JP H10329693 A JPH10329693 A JP H10329693A
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wheels
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Yasuo Naito
靖雄 内藤
Chiaki Fujimoto
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1761Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to wheel or brake dynamics, e.g. wheel slip, wheel acceleration or rate of change of brake fluid pressure
    • B60T8/17616Microprocessor-based systems

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全車輪駆動車両においてブレーキ圧の減圧制
御時に生じるカスケードを回避して安定性を確保したア
ンチスキッドブレーキ制御装置を得る。 【解決手段】 車輪速検出手段2a〜2dと、ブレーキ
圧を調整する制動力調整手段10a〜10d、16と、
車輪速Vwに基づいて各車輪のロック傾向を防止するよ
うに制動力調整手段の制御量を演算するECU11Aと
を備え、ECUは、各車輪のロック傾向に対応した車輪
減速度Gwを演算する手段31と、基本車速Vrを演算
する手段32と、車輪速および基本車速に基づいてスリ
ップ量SLを演算する手段36と、三輪のスリップ量が
所定値以上の不安定状態を示す場合にカスケードを判定
するカスケード判定手段38Aと、カスケードが判定さ
れたときにブレーキ圧を減圧量増大方向に制御量を変更
する制御量補正手段40Aとを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、全輪駆動車両の
制動時に走行路面に対して車輪がロック傾向になるのを
解消するアンチスキッドブレーキ制御装置に関し、特に
全輪駆動状態を継続したままでブレーキ圧を減圧したと
きのカスケード(不安定状態)を防止可能なアンチスキ
ッドブレーキ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ABSと称されるアンチスキ
ッドブレーキ制御装置はよく知られており、制動時にお
いて車輪速センサから検出される車輪速、または車輪速
に基づいて演算推測されるスリップ量などから、車輪の
ロック傾向が検出された場合には、ABS制御によりブ
レーキ圧の減圧が行われ、ロック状態を回避するように
なっている。
【0003】しかしながら、全輪駆動車両においては、
個々の条件下でエンジントルクが伝達されている各車輪
に対してブレーキ圧が印加されると、他の車輪の影響を
受けて、ロック傾向またはスリップが発生し易くなり、
カスケードと称される不安定状態を招くことになる。
【0004】これを防止するため、たとえば、特開平7
−205790号公報に参照されるように、ABS実行
時に駆動状態を四輪駆動状態から二輪駆動状態に切換可
能なアンチロックブレーキ制御装置が提案されている。
この場合、スリップの発生により車輪速が低減した車輪
のブレーキ圧の減圧を増大させ、その車輪のロック傾向
を解除するようになっている。
【0005】図10は一般的なアンチスキッドブレーキ
制御装置の概略構成を示すブロック図である。また、図
11は図10内のアクチュエータ周辺の油圧経路を具体
的に示す構成図、図12は図11内のアクチュエータを
一車輪に注目してさらに詳細に示す構成図である。
【0006】各図において、全輪駆動車両の4個の車輪
1a〜1dは、前輪1aおよび1bならびに後輪1cお
よび1dの全てが駆動輪となり、エンジン(図示せず)
に連結されている。電磁ピックアップ式などからなる車
輪速センサ(車輪速検出手段)2a〜2dは、各車輪1
a〜1dの回転速度を車輪速信号Va〜Vdとして個別
に検出している。
【0007】ホイールシリンダからなるブレーキ装置7
a〜7dは、各車輪1a〜1dに個別に配設され、アク
チュエータ10a〜10dからのブレーキ圧Pa〜Pd
(油圧)に応じて各車輪1a〜1dに圧接される。ブレ
ーキペダル8に連結されたマスタシリンダ9は、ブレー
キペダル8の踏み込み量に応動してブレーキ圧(油圧)
を生成し、油圧配管を介して、電磁ソレノイドを含むア
クチュエータ10a〜10dに供給する。
【0008】アクチュエータ10a〜10dは、マスタ
シリンダ9からのブレーキ圧を制御信号Ca〜Cdおよ
びCM(後述する)に応じて調整し、各ブレーキ装置7
a〜7dに個別に送出する。これにより、ブレーキ装置
7a〜7dは、ブレーキペダル8の操作量に応動し且つ
制御信号Ca〜CdおよびCMに応じて各車輪1aに制
動力を発生する。
【0009】図10において、車両に装備されたECU
(電子制御ユニット)11は、アンチスキッドブレーキ
制御装置の本体を構成しており、波形整形増幅回路20
a〜20dと、電源回路22と、マイクロコンピュータ
23と、アクチュエータ駆動回路24a〜24dと、モ
ータリレー駆動回路25とを備えている。
【0010】電源回路22は、イグニッションスイッチ
27のオン時に、マイクロコンピュータ23に定電圧を
供給する。マイクロコンピュータ23は、CPU23
a、RAM23bおよびROM23cを含む。
【0011】ECU11は、各車輪速信号Va〜Vdか
ら車輪速Vwa〜Vwdを演算するとともに、車輪速V
wa〜Vwdの微分波形に基づいて、各車輪1a〜1d
のロック傾向に対応した車輪減速度を個別に演算する。
【0012】また、ECU11は、各アクチュエータ1
0a〜10dおよびモータ15(モータリレー16)か
らなる制動力調整手段に対する制御量を演算し、ロック
傾向防止用の制御信号Ca〜CdおよびCMを生成し、
各車輪1a〜1dに対するブレーキ圧Pa〜Pdを調整
する。
【0013】各アクチュエータ駆動回路24a〜24d
は、マイクロコンピュータ23からの制御指令に応じ
て、各アクチュエータ10a〜10dの電磁ソレノイド
に対する制御信号Ca〜Cdを個別に出力する。
【0014】モータリレー駆動回路25は、ブレーキ圧
の調整時に、モータリレー16に対する制御信号CMを
出力し、モータリレー16内のコイル16bに通電して
常開接点16aをオンさせ、モータ15を駆動する。こ
れにより、ブレーキ圧調整ポンプを構成するモータ15
は、アクチュエータ10a〜10dと関連して、ブレー
キ圧Pa〜Pdを調整する。
【0015】図11において、モータ15に連通された
リザーバタンク14は、モータ15と各アクチュエータ
10a〜10dとを連通する油圧経路を介して、各アク
チュエータ10a〜10dに対して油圧の供給および回
収を行う。
【0016】図11内の1つのアクチュエータ(たとえ
ば、10a)に注目した図12において、アクチュエー
タ10aは、ブレーキ圧保持用のソレノイドバルブ12
と、ブレーキ圧減圧用のソレノイドバルブ13とを備え
ている。なお、図示されない他のアクチュエータ10b
〜10dも同一構成を有する。
【0017】保持用ソレノイドバルブ12は、マスタシ
リンダ9からブレーキ装置7aまでのインレット油圧管
経路に設けられ、減圧用ソレノイドバルブ13は、ブレ
ーキ装置7aからリザーバタンク14へのアウトレット
油圧管に設けられている。すなわち、減圧用ソレノイド
バルブ13は、リザーバタンク14と、液圧供給および
回収用のモータ15とを介して、マスタシリンダ9に至
る液圧回収経路中に設けられている。
【0018】これにより、各ソレノイドバルブ12およ
び13は、ECU11からの制御信号Caに応答して通
電または遮断され、ブレーキ圧の保持、加圧または減圧
などの切り換えを行う。通常、非駆動時において、保持
用ソレノイドバルブ12は開放され、減圧用ソレノイド
バルブ13は閉成されている。
【0019】次に、一般的なABS制御動作について説
明する。図12において、運転者がブレーキペダル8を
踏み込むと、マスタシリンダ9に圧力が供給され、マス
タシリンダ9から送出されたブレーキ液は、アクチュエ
ータ10a内の保持用ソレノイド12を介してブレーキ
装置7aに流入し、ブレーキ圧Paが上昇する。
【0020】ここで、ロック状態に相当する車輪減速度
が検出されて、ECU11から減圧指令を示す制御信号
Caが生成されると、保持用ソレノイドバルブ12およ
び減圧用ソレノイドバルブ13の電磁ソレノイドが通電
により駆動される。
【0021】これにより、保持用ソレノイドバルブ12
が閉成されて、マスタシリンダ9からブレーキ装置7a
までの間の油圧経路は遮断され、また、減圧用ソレノイ
ドバルブ13が開放されて、ブレーキ装置7aからリザ
ーバタンク14までの間の油圧経路が接続される。
【0022】したがって、ブレーキ装置7a内のブレー
キ圧Paは、リザーバタンク14内に流出して減少す
る。同時に、ECU11は、制御信号CMを生成してモ
ータ15を作動させることにより、リザーバタンク14
に流出したブレーキ液を高圧にしてマスタシリンダ9側
の主管路に戻し、次回のブレーキ制御に備える。
【0023】その後、ECU11から保持用の制御信号
Caが生成されて、保持用ソレノイドバルブ12のみが
通電(経路が閉成)されると、他のバルブはオフのため
全ての油圧経路が遮断されて、車輪1aに対するブレー
キ圧Paは保持される。
【0024】また、ECU11から増圧用の制御信号C
aが生成されて、保持用ソレノイドバルブ12および減
圧用ソレノイドバルブ13への通電電流を遮断すると、
マスタシリンダ9とブレーキ装置7aとの間の油圧経路
が再び接続される。
【0025】これにより、マスタシリンダ9側の主管路
に戻された高圧のブレーキ液は、モータ15から吐出さ
れるブレーキ液とともに、再びブレーキ装置7aに流入
されるので、車輪1aに対するブレーキ圧Paは増加す
る。
【0026】このように、従来よりロック傾向を回避し
ながらブレーキ圧を制御しているが、走行条件および路
面条件が各車輪毎に異なるので、全輪駆動車両において
は、全車輪に対して最適にロック回避することは困難で
ある。
【0027】特に、全輪駆動車両においては、1つの車
輪のブレーキ圧が大きいために他の車輪でスリップが発
生することがあるが、このような場合に適正なブレーキ
圧力を調整することはできない。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンチスキッド
ブレーキ制御装置は以上のように、各車輪毎にスリップ
状態を検出してブレーキ圧の減圧および増圧調整をして
いるが、四輪駆動車両においては、各車輪に動力が伝達
されるように、1つの車輪が他の車輪の非差動制限機構
を介して(または、直接)連結されているので、全車輪
について適性にブレーキ圧を調整してロック回避するこ
とができないという問題点があった。
【0029】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、全車輪駆動車両においてブレー
キ圧の減圧制御時に生じるカスケード(不安定状態)を
回避することのできるアンチスキッドブレーキ制御装置
を得ることを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明に係るアンチス
キッドブレーキ制御装置は、全輪駆動車両の複数の車輪
の回転速度を車輪速として個別に検出する車輪速検出手
段と、ブレーキ操作に応動して各車輪に対するブレーキ
圧を調整する制動力調整手段と、ブレーキ操作時の車輪
速に基づいて、各車輪のロック傾向を防止するように、
制動力調整手段に対する制御量を演算するECUとを備
えたアンチスキッドブレーキ制御装置であって、ECU
は、車輪速に基づいて各車輪のロック傾向に対応した車
輪減速度を演算する車輪減速度演算手段と、車輪速に基
づいて基本車速を演算する基本車速演算手段と、車輪速
および基本車速に基づいてスリップ量を演算するスリッ
プ量演算手段と、複数の車輪のうちのすくなくとも三輪
のスリップ量が所定値以上の不安定状態を示す場合にカ
スケードを判定するカスケード判定手段と、カスケード
が判定されたときにブレーキ圧を減圧量増大方向に制御
量を変更する制御量補正手段とを含むものである。
【0031】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の制御量補正手段は、車輪速に基づいて、
各車輪のロック傾向を防止する範囲内で複数の車輪に対
するブレーキ圧を増圧側に復帰させる増圧復帰手段と、
カスケード判定手段がカスケードを判定したときに、ブ
レーキ圧の増圧側への復帰を抑制するための増圧抑制手
段とを含むものである。
【0032】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置のカスケード判定手段は、複数の車輪のう
ちの他の三輪のスリップ量に応じてカスケードを判定
し、制御量補正手段は、複数の車輪のうちのいずれかの
車輪減速度が第1の閾値を越えたときに減圧量増大制御
を開始し、カスケードが判定されたときに、第1の閾値
のレベルを低減するものである。
【0033】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の制御量補正手段は、スリップ量に応じて
減圧量増大制御の終了タイミングを決定する第2の閾値
を第1の閾値以下のレベルに設定し、減圧量増大制御の
期間を延長する方向に可変するものである。
【0034】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置のカスケード判定手段は、複数の車輪のう
ちの前輪の1つが第1の所定値以上のスリップ量を示
し、且つ複数の車輪のうちの後輪の2つが第2の所定値
以上のスリップ量を示すときに、カスケードを判定する
ものである。
【0035】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置のカスケード判定手段は、複数の車輪のう
ちの後輪の1つが第1の所定値以上のスリップ量を示
し、且つ複数の車輪のうちの前輪の2つが第2の所定値
以上のスリップ量を示すときに、カスケードを判定する
ものである。
【0036】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置の第1の所定値のレベルは、第2の所定値
のレベルよりも大きく設定されたものである。
【0037】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置は、路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数
推定手段を備え、カスケード判定手段は、路面摩擦係数
が所定値以下を示すときに、カスケードを判定するもの
である。
【0038】また、この発明に係るアンチスキッドブレ
ーキ制御装置のカスケード判定手段は、複数の車輪のう
ちの後輪の低速側の車輪速が減速中を示すときに、カス
ケードを判定するものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図につ
いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1によるE
CU11Aの構成を示す機能ブロック図であり、車輪速
センサ2a〜2d、アクチュエータ10a〜10dおよ
びモータリレー16は、前述と同様のものである。
【0040】また、この発明の実施の形態1の全体構
成、ならびにアクチュエータ10a〜10dおよびモー
タ15の周辺構成は、図10〜図12に示した通りであ
る。
【0041】各車輪1a〜1dのロック傾向を防止する
ためのECU11Aは、各車輪速センサ2a〜2dから
の車輪速信号Va〜Vdに基づいて車輪速Vwa〜Vw
dを演算する車輪速演算手段30と、車輪速Vwa〜V
wdに基づいて各車輪1a〜1dのロック傾向に対応し
た車輪減速度Gwa〜Gwdを演算する減速度演算手段
31と、車輪速Vwa〜Vwdに基づいて基本車速Vr
を演算する基本車速演算手段32とを備えている。
【0042】また、ECU11Aは、車輪速Vwa〜V
wdおよび基本車速Vrに基づいてスリップ量SLa〜
SLdを演算するスリップ量演算手段36と、車輪1a
〜1dのうちのすくなくとも三輪のスリップ量が所定値
以上の不安定状態を示す場合に、カスケードを判定して
フラグ信号からなるカスケード信号Fを出力するカスケ
ード判定手段38Aとを備えている。
【0043】さらに、ECU11Aは、すくなくともブ
レーキ操作時の車輪速Vwa〜Vwdおよび車輪減速度
Gwa〜Gwdに基づいて各制動力調整手段10a〜1
0dおよび16に対する制御量を演算する制御量演算手
段40と、すくなくともカスケード信号Fに応答してブ
レーキ圧Pa〜Pdを減圧量増大方向に制御量を変更す
る制御量補正手段40Aとを備えている。
【0044】制御量補正手段40Aは、制御量演算手段
40に属しており、カスケード信号Fに応じて、制御量
演算手段40からの制御量を減圧方向に変更し、変更後
の制御信号Ca〜CdおよびCMを各アクチュエータ1
0a〜10dおよびモータリレー16に出力する。
【0045】図2は図1内の制御量演算手段40および
制御量補正手段40AによるABS制御(アンチスキッ
ドブレーキ制御)の一例を示すタイミングチャートであ
り、車輪速Vwa〜Vwdのうちの1つの波形Vwと、
車輪減速度Gwa〜Gwdのうちの1つの波形Gwと、
カスケード信号Fとに基づいて、ブレーキ圧Pの減圧補
正および増圧補正を行う処理動作を示している。
【0046】図2において、一点鎖線b1およびb2
は、車輪速Vwに対する閾値、一点鎖線a1〜a3は、
車輪減速度Gwに対して可変設定される閾値である。な
お、ブレーキ圧Pの減圧または増圧条件として用いられ
る閾値b1、b2は、実質的にスリップ量SLの閾値に
対応する。
【0047】ここでは、車輪速Vwが閾値b1を越えた
時点でブレーキ圧Pを減圧制御しているが、車輪速Vw
の微分波形からなる車輪減速度Gw(車輪速Vwよりも
位相が進んでいる)と閾値a1との比較に基づいて減圧
制御を開始してもよい。
【0048】制御量演算手段40の機能の一部を構成す
る制御量補正手段40Aは、基本車速Vrに基づいて各
車輪1a〜1dのロック傾向を防止する範囲内でブレー
キ圧Pを増圧側に復帰させる増圧復帰手段と、カスケー
ド信号Fに応答してブレーキ圧Pの増圧側への復帰を抑
制するための増圧抑制手段とを含んでいる。
【0049】制御量演算手段40および制御量補正手段
40Aは、通常の減圧開始条件として、各閾値a1〜a
3、b1およびb2、スリップ量SLの閾値(許容値)
などを設定する閾値設定手段と、車輪速Vw、車輪減速
度Gwおよびスリップ量SLなどの各パラメータを各閾
値と比較する比較手段とを含む。
【0050】また、制御量補正手段40Aは、他の車輪
のスリップ量SLに応じてカスケード信号Fが生成され
たときに第1の閾値a1のレベルを第2の閾値a2に低
減させるとともに、各車輪1a〜1dのうちのいずれか
の車輪減速度Gwが第2の閾値a2を越えたときに減圧
量増大制御を開始し、減圧量増大制御の期間を延長する
方向に可変するように構成されていてもよい。
【0051】制御量演算手段40は、ブレーキ操作時の
ブレーキ圧Pの上昇により、車輪速Vwが低レベル側の
閾値b1以下まで下降した時刻t1で、ブレーキ圧Pの
減圧制御を開始し、車輪減速度Gwが第1の閾値a1よ
り小さいレベルまで低下した時刻t2で、ブレーキ圧P
の保持モードに切り換える。
【0052】また、車輪速Vwが高レベル側の閾値b2
以上まで上昇した時刻t3で、制動能力を向上させるた
めに、ブレーキ圧Pの増圧制御を再開する。ここまで
は、カスケード信号Fが発生していないので、通常のA
BS制御が行われている。
【0053】その後、各車輪のうちの他の三輪のスリッ
プ量SLが所定値を越えてカスケード手段38Aからカ
スケード信号Fが生成された時刻t4で、制御量補正手
段40Aによりブレーキ圧Pの増圧が抑制される。ま
た、このとき、制御量補正手段40Aは、車輪減速度G
wに対して、第1の閾値a1よりも小さいレベルの第2
の閾値a2を設定する。
【0054】したがって、車輪減速度Gwのレベルが第
2の閾値a2を越えた時刻t5で、ブレーキ圧Pの減圧
制御が通常よりも早めに開始され、減圧制御が増大方向
に補正される。
【0055】また、制御量補正手段40Aは、自身の車
輪のスリップ量SLが所定値以上を示す場合には、減圧
増大制御の終了タイミングを決定する第2の閾値a2
を、さらに小さいレベルの第3の閾値a3に可変設定す
る。
【0056】したがって、ブレーキ圧Pの減圧増大制御
の終了タイミングは、車輪減速度Gwのレベルが第2の
閾値a2以下となる時刻t6から、第3の閾値a3以下
となる時刻t7まで遅延されて、減圧増大制御の期間が
延長補正される。
【0057】減圧増大制御の終了時刻t7以降は、ブレ
ーキ圧Pの保持モードとなる。なお、時刻t5〜t7の
期間に各車輪のスリップ量SLが小さくなってカスケー
ド信号Fが「0」となった場合には、車輪減速度Gwの
レベルが第1の閾値a1よりも小さければ、直ちにブレ
ーキ圧Pの保持モードに切り換えられる。
【0058】また、第3の閾値a3による減圧期間増大
制御中においても、所定値以上のスリップ量SLが検出
される場合には、さらに小さいレベルの閾値(図示せ
ず)を順次設定してもよい。また、ここでは、第2の閾
値a2よりも小さいレベルの第3の閾値a3を設定した
が、第2の閾値a2の設定によりすでに減圧増大制御期
間が延長されているので、第3の閾値a3を設定せず
に、時刻t6でブレーキ圧Pの保持モードに切り換えて
もよい。
【0059】次に、図3〜図5のフローチャートを参照
しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1の動作
について説明する。図3はこの発明による装置全体の概
略的な処理動作を示し、図4は図3内のカスケード判定
ステップS5の具体的な処理動作の一例を示し、図5は
図3内の制御量演算ステップS6の具体的な処理動作を
示している。また、車輪速Vwa〜Vwdおよび車輪減
速度Gwa〜Gwdを総称して、それぞれVwおよびG
wで示している。
【0060】図3において、まず、ECU11Aは、マ
イクロコンピュータ23内のRAM23b(図10参
照)などを初期設定した後、車輪速演算手段30におい
て、各車輪速信号Va〜Vdから各車輪1a〜1d毎の
車輪速Vwを求める(ステップS1)。
【0061】続いて、ECU11A内の車輪減速度演算
手段31は、車輪速Vwの時間変化(微分値)に基づい
て、各車輪1a〜1d毎の車輪減速度Gwを演算する
(ステップS2)。ここで、車輪減速度Gwは、Gw>
0で車輪の減速状態を示し、Gw<0で車輪の加速状態
を示すものとする。
【0062】また、基本車速演算手段32は、車輪速V
wに基づいて基本車速Vrを推定演算し(ステップS
3)、スリップ量演算手段36は、車輪速Vwと基本車
速Vrとの偏差(Vr−Vw)から、各車輪1a〜1d
のスリップ量SLを推定演算する(ステップS4)。
【0063】また、カスケード判定手段38Aは、車輪
1a〜1dのうちのすくなくとも三輪のスリップ量SL
が所定値(ロック傾向に相当する)以上の不安定状態を
示す場合に、カスケードを判定してカスケード信号Fを
出力する(ステップS5)。
【0064】このとき、カスケード判定手段38Aは、
たとえば、車輪1a〜1dのうちの前輪の1つが第1の
所定値α(たとえば、3km/h程度)以上のスリップ
量を示し、且つ後輪の2つが第2の所定値β(たとえ
ば、2km/h程度)以上のスリップ量を示すときに、
カスケードを判定してもよい。
【0065】また、カスケード判定手段38Aは、後輪
の1つが第1の所定値α以上のスリップ量を示し、且つ
前輪の2つが第2の所定値β以上のスリップ量を示すと
きに、カスケードを判定してもよい。なお、第1の所定
値αのレベルは、上述したように第2の所定値βのレベ
ルよりも大きく設定されているものとする。
【0066】最後に、制御量演算手段40および制御量
補正手段40Aは、各アクチュエータ10a〜10dお
よびモータリレー16に対する制御量を演算し、制御信
号Ca〜CdおよびCMを出力する(ステップS6)。
【0067】図4は図3内のカスケード判定ステップS
5を具体的に示しており、4つの車輪1a〜1dのうち
の三輪が所定値以上のスリップ量SLを示す場合にカス
ケードを判定する場合を示している。
【0068】図4において、まず、カスケード判定手段
38Aは、カスケード信号F(フラグ)のレベルを
「0」にリセットしておき(ステップS10)、車輪1
a(左の前輪)のスリップ量SLaが第1の所定値αを
越えたか否かを判定する(ステップS11)。
【0069】ステップS11において、SLa≦α(す
なわち、NO)と判定されれば、続いて、車輪1b(右
の前輪)のスリップ量SLbが第1の所定値αを越えた
か否かを判定する(ステップS12)。
【0070】もし、前輪のスリップ量SLaおよびSL
bの一方が第1の所定値αを越えており、ステップS1
1またはS12において、SLa>α、または、SLb
>α(すなわち、YES)と判定されれば、続いて、車
輪1c(左の後輪)のスリップ量SLcが第2の所定値
β(<α)を越えたか否かを判定する(ステップS1
3)。
【0071】ステップS13において、SLc>β(す
なわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪1d
(右の後輪)のスリップ量SLdが第2の所定値βを越
えたか否かを判定する(ステップS14)。
【0072】もし、後輪のスリップ量SLcおよびSL
dの両方が第2の所定値βを越えており、ステップS1
4において、SLd>β(すなわち、YES)と判定さ
れれば、カスケード判定手段38Aは、カスケード信号
Fを「1」に設定し(ステップS15)、リターンす
る。
【0073】このときのカスケードの状況は、たとえ
ば、前輪のスリップ量SLaおよびSLbが第1の所定
値αを挟んで大小2つに分かれており、且つ、後輪のス
リップ量SLcおよびSLdが第2の所定値β以上の値
で、前輪のスリップ量SLaおよびSLbの間の値を示
す場合が考えられる。
【0074】一方、ステップS12〜S14のうちのい
ずれかにおいて、SLb≦α、SLc≦β、SLd≦β
(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、車輪1a
(左の前輪)のスリップ量SLaが第2の所定値βを越
えたか否かを判定する(ステップS16)。
【0075】ステップS16において、SLa>β(す
なわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪1b
(右の前輪)のスリップ量SLbが第2の所定値βを越
えたか否かを判定する(ステップS17)。
【0076】もし、前輪のスリップ量SLaおよびSL
bの両方が第2の所定値βを越えており、ステップS1
7において、SLb>β(すなわち、YES)と判定さ
れれば、続いて、車輪1c(左の後輪)のスリップ量S
Lcが第1の所定値αを越えたか否かを判定する(ステ
ップS18)。
【0077】ステップS18において、SLc≦α(す
なわち、NO)と判定されれば、続いて、車輪1d(右
の後輪)のスリップ量SLdが第1の所定値αを越えた
か否かを判定する(ステップS19)。
【0078】もし、後輪のスリップ量SLcおよびSL
dの一方が第1の所定値αを越えており、ステップS1
8またはS19において、SLd>α、またはSLd>
α(すなわち、YES)と判定されれば、カスケード判
定手段38Aは、カスケード信号Fを「1」に設定し
(ステップS15)、リターンする。
【0079】このときのカスケードの状況は、たとえ
ば、後輪のスリップ量SLcおよびSLdが第1の所定
値αを挟んで大小2つに分かれており、且つ、前輪のス
リップ量SLaおよびSLbが第2の所定値β以上の値
で、後輪のスリップ量SLcおよびSLdの間の値を示
す場合が考えられる。
【0080】図3内の制御量演算ステップS6を具体的
に示した図5において、まず、制御量演算手段40と協
動する制御量補正手段40Aは、カスケード信号Fのレ
ベルが「1」(フラグがオンしている)か否かを判定す
る(ステップS20)。
【0081】ステップS20において、F=0(すなわ
ち、NO)と判定されれば、不安定状態ではないので、
続いて、車輪減速度Gwの閾値低減用のフラグFL(後
述する)を「0」にクリアし(ステップS20A)、続
いて、通常のABS制御を行うために、スリップ量SL
が閾値Srよりも大きいか否かを判定する(ステップS
21)。このとき、スリップ量SLの閾値Srは、通常
の減圧開始条件に対応しており、たとえば3km/h程
度の許容値に設定されている。
【0082】ステップS21において、SL>Sr(す
なわち、YES)と判定されれば、続いて、車輪減速度
Gwが最大レベルの閾値a1を越えたか否かを判定する
(ステップS22)。閾値a1は、通常の減圧開始条件
に対応しており、制動能力を損なわないように、最大レ
ベルに設定されている。
【0083】ステップS22において、Gw>a1(す
なわち、YES)と判定されれば、通常のABS制御に
よるブレーキ圧Pの減圧を指示して(ステップS2
3)、ステップS1(図3参照)にリターンする。
【0084】一方、ステップS21またはS22におい
て、SL≦SrまたはGw≦a1(すなわち、NO)と
判定されれば、続いて、ブレーキ圧Pの保持または増圧
を行うために、スリップ量SLを所定値ΔSL(最小許
容範囲内の値、たとえば、1km/h程度)よりも大き
いか否かを判定する(ステップS24)。
【0085】もし、ステップS24において、SL>Δ
SL(すなわち、YES)と判定されれば、ロック傾向
に至らない程度のスリップが発生している状態なので、
ロック傾向が判定されるまでABS処理を実行せずに、
ブレーキ圧Pの保持を指示して(ステップS25)、ス
テップS1にリターンする。
【0086】また、ステップS24において、SL≦Δ
SL(すなわち、NO)と判定されれば、スリップ量S
Lが最小レベルの許容範囲内にあるので、続いて、制動
能力を高める(ブレーキ圧を増圧する)ために、まず、
カスケード信号Fのレベルが「1」か否かを再度判定す
る(ステップS26)。
【0087】ステップS26において、F=1(すなわ
ち、YES)と判定されれば、車輪状態が不安定なの
で、通常よりも増圧レベルの低い緩やかな増圧を指示し
(ステップS27)、また、F=0(すなわち、NO)
と判定されれば、安定状態と見なされるので、通常のA
BS制御によるブレーキ圧Pの増圧を指示して(ステッ
プS28)、ステップS1にリターンする。
【0088】一方、ステップS20において、F=1
(すなわち、YES)と判定されれば、車輪が不安定状
態にあるので、ブレーキ圧Pを減圧方向に補正するため
に、車輪減速度Gwが閾値a1よりもレベルの低い閾値
a2を越えたか否かを判定する(ステップS29)
【0089】ステップS29において、Gw>a2(す
なわち、YES)と判定されれば、フラグFLを「1」
に設定し(ステップS30)、減圧指示ステップS23
に進む。また、ステップS29において、Gw≦a2
(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、フラグF
Lが「1」に設定されているか否かを判定する(ステッ
プS31)。
【0090】ステップS31において、FL=1(すな
わち、YES)と判定されれば、続いて、検出対象の車
輪のスリップ量SLが閾値Srよりも大きいか否かを判
定する(ステップS32)。また、ステップS32にお
いて、SL>Sr(すなわち、YES)と判定されれ
ば、続いて、検出対象の車輪の車輪減速度Gwが最小レ
ベルの第3の閾値a3を越えたか否かを判定する(ステ
ップS33)。
【0091】ステップS33において、Gw>a3(す
なわち、YES)と判定されれば、減圧指示ステップS
23に進む。一方、ステップS31〜S33において、
FL=0、SL≦Sr、または、Gw≦a3(すなわ
ち、NO)と判定されれば、フラグFLをクリアするス
テップS20Aを介して、スリップ量SLの判定ステッ
プS21に進む。
【0092】車輪減速度Gwの判定ステップS29によ
り、カスケード時にはレベルの低い閾値a2と比較され
るので、減圧指示ステップS23に進み易くなり、路面
摩擦係数が小さくて車輪速Vwが徐々に低下していく
(ロック傾向に向かう)状態であっても、ロック傾向を
速やかに回避することができる。
【0093】また、車輪減速度Gwの判定ステップS3
3により、カスケード時に閾値Sr以上のスリップ量S
Lが検出された場合には、さらにレベルの低い閾値a3
と比較されるので、増圧への復帰が抑制されて減圧増大
期間が延長され、実質的に、さらに減圧増大制御される
ことになる。
【0094】また、カスケード時の緩やかな増圧指示ス
テップS27においては、スリップ量SLの増大を防止
するために、たとえば、増圧周期を長く設定して増大ゲ
インを低下させる制御が行われる。ブレーキ圧Pの各指
示ステップS23、S25、S27およびS28におい
ては、各指示に応じた制御信号Ca〜CdおよびCMが
生成される。
【0095】このように、四輪駆動車両において、四輪
のスリップ状態を検出することにより、車輪速Vwが急
減せずに基本車速Vrから徐々に分離して、スリップ量
SLが増大していく不安定状態をカスケードとして検出
することにより、的確に減圧方向に制御を行うことがで
き、スリップ量SLを小さくして車体の安定性を確保す
ることができる。
【0096】また、たとえば、三輪のスリップ量SLが
ロック傾向を示す場合として、前輪の1つおよび後輪の
2つがロック傾向にある場合、または、前輪の2つおよ
び後輪の1つがロック傾向にある場合にカスケードを判
定することにより、車両の旋回状態においてはあり得な
い車輪状況をカスケードとして判定することができる。
【0097】すなわち、左右の前輪の車輪速と左右の後
輪の車輪速との間に、前後で反対の左右車輪速の関係が
成り立つ状況を検出することにより、旋回状態ではなく
カスケードであると判定して、ブレーキ圧Pを減圧(緩
め)方向に補正することができる。
【0098】たとえば、上述したように、左右の前輪の
車輪速VwaおよびVwbの間に左右の後輪の車輪速V
wcおよびVwdが存在する場合、または、左右の後輪
の車輪速VwcおよびVwdの間に左右の前輪の車輪速
VwaおよびVwdが存在する場合は、旋回中ではない
状態と見なして、カスケードと判定される。
【0099】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、カスケード判定条件としてスリップ量SLのみを考
慮したが、カスケード判定時には減圧増大制御されて本
来の制動能力が低減するので、制動能力が低減されにく
くするために、カスケード判定条件に路面摩擦係数μを
付加してもよい。
【0100】図6はカスケード判定条件に路面摩擦係数
μを付加したこの発明の実施の形態2を示す機能ブロッ
ク図であり、前述と同様の構成要素については、同一符
号を付してここでは詳述しない。
【0101】この場合、ECU11Bは、ブレーキ操作
時の基本車速Vrの時間変化に基づいて路面摩擦係数μ
を推定する路面摩擦係数推定手段33を備えており、カ
スケード判定手段38Bは、スリップ量SLのみなら
ず、路面摩擦係数μに応じてカスケード信号Fを生成し
ている。
【0102】路面摩擦係数推定手段33は、たとえば、
基本車速Vrを微分してフィルタ処理を行うことにより
路面摩擦係数μを求める。なお、路面摩擦係数推定手段
33に代えて加速度センサ(図示せず)を用い、加速度
センサの検出値に基づいて路面摩擦係数μを求めてもよ
い。
【0103】以下、図7のフローチャートを参照しなが
ら、図6に示したこの発明の実施の形態2の動作につい
て説明する。図7において、各ステップS10〜S19
は前述(図4参照)と同様のステップである。
【0104】前述のステップS14またはS19におい
て、SLd>β、またはSLd>α(すなわち、YE
S)と判定され、三輪のスリップ量がカスケードを示す
と判定された場合、続いて、路面摩擦係数μが所定値μ
o(たとえば、0.5程度)よりも小さいか否かを判定
する(ステップS35)。
【0105】ステップS35において、μ<μo(すな
わち、YES)と判定されれば、カスケード信号Fを
「1」に設定するステップS15に進み、μ≧μo(す
なわち、NO)と判定されれば、そのままリターンす
る。
【0106】これにより、カスケード判定手段38B
は、三輪のスリップ量がカスケードを示し、且つ路面摩
擦係数μが所定値μo以下を示すときに、カスケード信
号Fを生成する。
【0107】このように、カスケード判定用の限定条件
として、路面摩擦係数μが小さい場合を付加することに
より、カスケードに陥り易い状況を限定することがで
き、且つカスケードの判定精度を高めることができる。
【0108】また、ここでは図示しないが、路面摩擦係
数推定手段33のみならず、加速度センサを並設して、
路面摩擦係数推定手段33から求められた路面摩擦係数
μと加速度センサから求められた路面摩擦係数とがとも
に所定値μo以下を示す場合に、カスケード判定条件を
成立させてもよい。この場合、路面摩擦係数μの判定に
冗長性が付加されて、さらにカスケードに陥りにくくす
ることができる。
【0109】実施の形態3.なお、上記実施の形態2で
は、カスケード判定条件として路面摩擦係数μを付加し
たが、後輪の減速状態を付加してもよい。図8はカスケ
ード判定条件として後輪の減速状態を付加したこの発明
の実施の形態2を示す機能ブロック図であり、前述と同
様の構成要素については、同一符号を付してここでは詳
述しない。
【0110】この場合、ECU11C内のカスケード判
定手段38Cは、カスケード判定条件として、スリップ
量SLのみならず、車輪減速度Gwを用いており、後輪
の低速側の車輪速Vwが減速中を示すときに、カスケー
ド信号Fを生成する。
【0111】以下、図9のフローチャートを参照しなが
ら、図8に示したこの発明の実施の形態2の動作につい
て説明する。図9において、各ステップS10〜S19
は前述(図4参照)と同様のステップである。
【0112】前述のステップS14またはS19におい
て、SLd>β、またはSLd>α(すなわち、YE
S)と判定され、三輪のスリップ量がカスケードを示す
と判定された場合、続いて、後輪1cおよび1dのうち
の低速側の車輪を判定する(ステップS40)。
【0113】ここでは、ステップS40において、左右
の後輪のスリップ量SLcおよびSLdを比較し、左の
後輪のスリップ量SLcが右の後輪のスリップ量SLd
よりも小さいか否かを判定する。
【0114】もし、SLc<SLd(すなわち、YE
S)と判定されれば、大きいスリップ量SLdを示す右
の後輪1dが低速側であると特定されるので、続いて、
右の後輪1dの車輪減速度Gwdが正(減速中である)
か否かを判定する(ステップS41)。
【0115】また、SLc≧SLd(すなわち、NO)
と判定されれば、大きいスリップ量SLcを示す左の後
輪1cが低速側であると特定されるので、続いて、左の
後輪1cの車輪減速度Gwcが正(減速中である)か否
かを判定する(ステップS42)。
【0116】ステップS41またはS42において、G
wd>0、またはGwc>0(すなわち、YES)と判
定されれば、カスケード信号Fを「1」に設定するステ
ップS15に進み、Gwd≦0、またはGwc≦0(す
なわち、NO)と判定されれば、そのままリターンす
る。
【0117】このように、後輪の減速中のみにカスケー
ドを判定することにより、カスケードを示す状況であっ
ても、カスケードの状況から脱しようとしているときに
減圧し過ぎとなることを防ぐ目的で、後輪の車輪減速度
を参照することにより、現在の状況がカスケード状態か
ら脱しようとしているのか否かを判定することができ
る。
【0118】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、全輪駆動車両の複数の車輪の回転速度を車輪速とし
て個別に検出する車輪速検出手段と、ブレーキ操作に応
動して各車輪に対するブレーキ圧を調整する制動力調整
手段と、ブレーキ操作時の車輪速に基づいて、各車輪の
ロック傾向を防止するように、制動力調整手段に対する
制御量を演算するECUとを備えたアンチスキッドブレ
ーキ制御装置であって、ECUは、車輪速に基づいて各
車輪のロック傾向に対応した車輪減速度を演算する車輪
減速度演算手段と、車輪速に基づいて基本車速を演算す
る基本車速演算手段と、車輪速および基本車速に基づい
てスリップ量を演算するスリップ量演算手段と、複数の
車輪のうちのすくなくとも三輪のスリップ量が所定値以
上の不安定状態を示す場合にカスケードを判定するカス
ケード判定手段と、カスケードが判定されたときにブレ
ーキ圧を減圧量増大方向に制御量を変更する制御量補正
手段とを含むので、全車輪駆動車両においてブレーキ圧
の減圧制御時に生じるカスケード(不安定状態)を回避
して安定性を確保したアンチスキッドブレーキ制御装置
が得られる効果がある。
【0119】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、制御量補正手段は、車輪速に基づいて、
各車輪のロック傾向を防止する範囲内で複数の車輪に対
するブレーキ圧を増圧側に復帰させる増圧復帰手段と、
カスケード判定手段がカスケードを判定したときに、ブ
レーキ圧の増圧側への復帰を抑制するための増圧抑制手
段とを含むので、全車輪駆動車両において安定性を確保
したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果が
ある。
【0120】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1において、カスケード判定手段は、複数の車輪のう
ちの他の三輪のスリップ量に応じてカスケードを判定
し、制御量補正手段は、複数の車輪のうちのいずれかの
車輪減速度が第1の閾値を越えたときに減圧量増大制御
を開始し、カスケードが判定されたときに、第1の閾値
のレベルを低減するようにしたので、全車輪駆動車両に
おいてカスケードを確実に回避して安定性を確保したア
ンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【0121】また、この発明の請求項4によれば、請求
項3において、制御量補正手段は、スリップ量に応じて
減圧量増大制御の終了タイミングを決定する第2の閾値
を第1の閾値以下のレベルに設定し、減圧量増大制御の
期間を延長する方向に可変するようにしたので、全車輪
駆動車両においてカスケードを確実に回避して安定性を
確保したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効
果がある。
【0122】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、カスケード
判定手段は、複数の車輪のうちの前輪の1つが第1の所
定値以上のスリップ量を示し、且つ複数の車輪のうちの
後輪の2つが第2の所定値以上のスリップ量を示すとき
に、カスケードを判定するようにしたので、全車輪駆動
車両においてカスケードを確実に回避して安定性を確保
したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果が
ある。
【0123】また、この発明の請求項6によれば、請求
項1から請求項4までのいずれかにおいて、カスケード
判定手段は、複数の車輪のうちの後輪の1つが第1の所
定値以上のスリップ量を示し、且つ複数の車輪のうちの
前輪の2つが第2の所定値以上のスリップ量を示すとき
に、カスケードを判定するようにしたので、全車輪駆動
車両においてカスケードを確実に回避して安定性を確保
したアンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果が
ある。
【0124】また、この発明の請求項7によれば、請求
項5または請求項6において、第1の所定値のレベル
は、第2の所定値のレベルよりも大きく設定されたの
で、全車輪駆動車両においてカスケードを確実に回避し
て安定性を確保したアンチスキッドブレーキ制御装置が
得られる効果がある。
【0125】また、この発明の請求項8によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、路面摩擦係
数を推定する路面摩擦係数推定手段を備え、カスケード
判定手段は、路面摩擦係数が所定値以下を示すときに、
カスケードを判定するようにしたので、信頼性の高いカ
スケード判定を行うことのできるアンチスキッドブレー
キ制御装置が得られる効果がある。
【0126】また、この発明の請求項9によれば、請求
項1から請求項7までのいずれかにおいて、カスケード
判定手段は、複数の車輪のうちの後輪の低速側の車輪速
が減速中を示すときに、カスケードを判定するようにし
たので、カスケード判定の信頼性をさらに向上させたア
ンチスキッドブレーキ制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す機能ブロック
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による減圧増大補正
動作を示すタイミングチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態1による減圧増大補正
動作を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1によるカスケード判
定動作を示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1による制御量演算動
作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2を示す機能ブロック
図である。
【図7】 この発明の実施の形態2によるカスケード判
定動作を示すフローチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態3を示す機能ブロック
図である。
【図9】 この発明の実施の形態3によるカスケード判
定動作を示すフローチャートである。
【図10】 一般的なアンチスキッドブレーキ制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図11】 図10内のアクチュエータの周辺の油圧経
路を示す構成図である。
【図12】 図11内の油圧経路を一系統に注目して詳
細に示す構成図である。
【符号の説明】
1a〜1d 車輪、2a〜2d 車輪速センサ、8 ブ
レーキペダル、10a〜10d アクチュエータ、11
A〜11C ECU、15 モータ、16 モータリレ
ー、31 車輪減速度演算手段、32 基本車速演算手
段、33 路面摩擦係数推定手段、36 スリップ量演
算手段、38A〜38C カスケード判定手段、40
制御量演算手段、40A 制御量補正手段、a1〜a3
閾値、Ca〜Cd、CM 制御信号、Gw、Gwa〜
Gwd 車輪減速度、P、Pa〜Pd ブレーキ圧、S
L、SLa〜SLd スリップ量、Va〜Vd 車輪速
信号、Vw、Vwa〜Vwd 車輪速、Vr 基本車
速、μ 路面摩擦係数、α第1の所定値、β 第2の所
定値。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全輪駆動車両の複数の車輪の回転速度を
    車輪速として個別に検出する車輪速検出手段と、 ブレーキ操作に応動して前記各車輪に対するブレーキ圧
    を調整する制動力調整手段と、 前記ブレーキ操作時の前記車輪速に基づいて、前記各車
    輪のロック傾向を防止するように、前記制動力調整手段
    に対する制御量を演算するECUとを備えたアンチスキ
    ッドブレーキ制御装置であって、 前記ECUは、 前記車輪速に基づいて前記各車輪のロック傾向に対応し
    た車輪減速度を演算する車輪減速度演算手段と、 前記車輪速に基づいて基本車速を演算する基本車速演算
    手段と、 前記車輪速および前記基本車速に基づいてスリップ量を
    演算するスリップ量演算手段と、 前記複数の車輪のうちのすくなくとも三輪のスリップ量
    が所定値以上の不安定状態を示す場合にカスケードを判
    定するカスケード判定手段と、 前記カスケードが判定されたときに前記ブレーキ圧を減
    圧量増大方向に制御量を変更する制御量補正手段とを含
    むことを特徴とするアンチスキッドブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御量補正手段は、 前記車輪速に基づいて、前記各車輪のロック傾向を防止
    する範囲内で前記複数の車輪に対するブレーキ圧を増圧
    側に復帰させる増圧復帰手段と、 前記カスケード判定手段が前記カスケードを判定したと
    きに、前記ブレーキ圧の増圧側への復帰を抑制するため
    の増圧抑制手段とを含むことを特徴とする請求項1に記
    載のアンチスキッドブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記カスケード判定手段は、前記複数の
    車輪のうちの他の三輪のスリップ量に応じて前記カスケ
    ードを判定し、 前記制御量補正手段は、 前記複数の車輪のうちのいずれかの車輪減速度が第1の
    閾値を越えたときに前記減圧量増大制御を開始し、 前記カスケードが判定されたときに、前記第1の閾値の
    レベルを低減することを特徴とする請求項1に記載のア
    ンチスキッドブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御量補正手段は、 前記スリップ量に応じて減圧量増大制御の終了タイミン
    グを決定する第2の閾値を前記第1の閾値以下のレベル
    に設定し、前記減圧量増大制御の期間を延長する方向に
    可変することを特徴とする請求項3に記載のアンチスキ
    ッドブレーキ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記カスケード判定手段は、前記複数の
    車輪のうちの前輪の1つが第1の所定値以上のスリップ
    量を示し、且つ前記複数の車輪のうちの後輪の2つが第
    2の所定値以上のスリップ量を示すときに、前記カスケ
    ードを判定することを特徴とする請求項1から請求項4
    までのいずれかに記載のアンチスキッドブレーキ制御装
    置。
  6. 【請求項6】 前記カスケード判定手段は、前記複数の
    車輪のうちの後輪の1つが第1の所定値以上のスリップ
    量を示し、且つ前記複数の車輪のうちの前輪の2つが第
    2の所定値以上のスリップ量を示すときに、前記カスケ
    ードを判定することを特徴とする請求項1から請求項4
    までのいずれかに記載のアンチスキッドブレーキ制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1の所定値のレベルは、前記第2
    の所定値のレベルよりも大きく設定されたことを特徴と
    する請求項5または請求項6に記載のアンチスキッドブ
    レーキ制御装置。
  8. 【請求項8】 路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推
    定手段を備え、 前記カスケード判定手段は、前記路面摩擦係数が所定値
    以下を示すときに、前記カスケードを判定することを特
    徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の
    アンチスキッドブレーキ制御装置。
  9. 【請求項9】 前記カスケード判定手段は、前記複数の
    車輪のうちの後輪の低速側の車輪速が減速中を示すとき
    に、前記カスケードを判定することを特徴とする請求項
    1から請求項7までのいずれかに記載のアンチスキッド
    ブレーキ制御装置。
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