JPH10330381A - トリアリールボランアミン錯体の製造法 - Google Patents

トリアリールボランアミン錯体の製造法

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JPH10330381A
JPH10330381A JP15313197A JP15313197A JPH10330381A JP H10330381 A JPH10330381 A JP H10330381A JP 15313197 A JP15313197 A JP 15313197A JP 15313197 A JP15313197 A JP 15313197A JP H10330381 A JPH10330381 A JP H10330381A
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忠 番能
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、船底塗料や漁網処理剤などの防汚
成分として有用なトリアリールボランアミン錯体を工業
的かつ有利に製造する方法を提供することにある。 【解決手段】 エーテル系溶媒の単独あるいはエーテル
系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒中で、式(1)のテ
トラアリールボレートのアルカリ金属塩に(2)の無機
酸または有機酸を作用させて、式(3)のトリアリール
ボランを生成した後、式(5)で示される第1級アミン
〜第3級アミンまたは式(6)で示される芳香族アミン
を反応させることを特徴とする、式(4)のトリアリー
ルボランアミン錯体の製造法。 【化1】 (式中、Arはアリール基を示し、Mはアルカリ金属を
示す。) 【化2】 (式中、R1〜R3は、同一または異なって水素、シクロ
アルキル基、アルキル基、アラルキル基を示し、R4
6は、同一または異なって水素、アルキル基、アラル
キル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船底塗料や漁網処
理剤などの防汚成分として有用なトリアリールボランア
ミン錯体を工業的かつ有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリアリールボランアミン錯体の合成法
としては以下の方法が知られている。
【0003】従来法1 3フッ化ホウ素の無水エーテル溶液中にフェニルマグネ
シウムの無水エーテル溶液を滴下してトリアリールボラ
ンの無水エーテル溶液を調製し、これにアミンを反応さ
せる方法(ベリヒテ第57巻第813頁 1924
年)。
【0004】従来法2 フェニルナトリウムとオルトホウ酸エステルの反応でト
リフェニルボランの苛性ソーダ付加体を合成し(米国特
許第4046815号明細書)、このトリフェニルボラ
ンの苛性ソーダ付加体の水溶液にアミンを加えて、トリ
アリールボランアミン錯体を得る方法(特開平8−31
1074号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来法1の場合、ハロ
ゲン化アリールマグネシウムとハロゲン化ホウ素のモル
比が3対1とする必要があるが、ハロゲン化アリールマ
グネシウムを少しでも過剰に反応させたり、ハロゲン化
アリールマグネシウムの滴下が速い場合には、テトラア
リールホウ酸イオンの生成により、トリアリールボラン
の収率が低下することが知られている。
【0006】また、従来法2の場合には、反応に用いら
れる金属ナトリウムは、水の存在で激しく反応して発熱
するので、可燃性の有機溶剤の存在下では発火のおそれ
がある。そのため、工業的スケールでの多量の取り扱い
は、火災の危険性を増加させる問題があった。
【0007】従って、これらの技術に代わって、新しい
アリールボラン錯体の開発が望まれている。本発明はこ
のような要望に合致した、トリアリールボランアミン錯
体の新規な製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決し
て、高収率でトリアリールボランアミン錯体を製造する
方法について検討した。その結果、本発明をするに至っ
た。すなわち、本発明の特徴は、下記の反応式で示され
るように、第1の工程、すなわち、エーテル系溶媒の単
独か、あるいは、これに炭化水素系溶媒を加えた混合溶
媒中で式(1)で表されるテトラアリールボレートのア
ルカリ金属塩を、(2)の無機酸または有機酸を反応さ
せて式(3)表されるトリアリールボランを得る工程、
そして第2工程として、当該アリールボランを含む反応
液をアミン類、すなわち、式(5)で表される第1級ア
ミン〜第3級アミン、または式(6)で表される芳香族
アミンと反応させることを特徴とする、式(4)で表さ
れるトリアリールボランアミン錯体の製造法に関する。
【0009】
【化4】 [式中、Mはアルカリ金属を示し、Arはアリール基を
示す。Amineは(5)式で示される第1〜3級アミ
ンまたは(6)式で示される芳香族アミンをいう。]
【化5】 (式中、R1〜R3は、同一または異なって、水素、シク
ロアルキル基、アルキル基、アラルキル基を示し、R4
〜R6は、同一または異なって水素、アルキル基、アラ
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子を
示す。)
【0010】式(1)の中でMはアルカリ金属であり、
具体例にはリチウムとナトリウムである。
【0011】式(1)、式(3)、式(4)の中で、A
rはアリール基であり、具体例として、フェニル基、p
−トリル基、m−トリル基、メシチル基、キシリル基、
ビフェニル基、ナフチル基、ペンタフルオロフェニル
基、p−クロロフェニル基、o−クロロフェニル基等が
挙げられる。
【0012】本発明で使用される(2)の無機酸として
は、例えば、塩酸、希硫酸、臭化水素等が、また(2)
の有機酸としては、トルエンスルホン酸、トリフルオロ
酢酸等を用いることができ、特に塩酸が好適である。
【0013】本発明で使用されるエーテル系溶媒として
は、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これらは単独で
用いてもよいが、炭化水素系溶媒、例えば、ベンゼン、
トルエン、キシレン等を加えた混合溶媒として用いても
よい。
【0014】一般式(1)の化合物の具体例としては、
ナトリウムテトラフェニルボレート、リチウムテトラフ
ェニルボレート、ナトリウムテトラ−m−トリルボレー
ト、リチウムテトラフェニルボレート、リチウムテトラ
−m−トリルボレート等が挙げられる。
【0015】前記の式(5)中でR1、R2、R3は同一
または相互に異なってもよく、水素、アルキル基、シク
ロアルキル基、アラルキル基である。また、R4、R5
6は同一または相異なって水素原子、アルキル基、シ
クロアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキ
シ基またはハロゲン原子を示す。式(5)または式
(6)中で、アルキル基とは炭素数1〜30個のアルキ
ル基であり、シクロアルキル基とは炭素数3〜7個のシ
クロアルキル基であり、アルコキシ基とは、炭素数1〜
8個のアルコキシ基であり、アリール基とは無置換のフ
ェニル基を示すか、あるいはアルキル基、アルコキシ
基、またはハロゲン原子のうちの1種またはそれ以上に
よって置換されたフェニル基であり、ハロゲン原子とは
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、アラルキル基とは
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などで
ある。
【0016】式(5)の具体例としては、エチルアミ
ン、プロピルアミンなどの低級アルキル(C 1〜7)ア
ミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、ジオクチルア
ミン、フェネチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジル
アミン等が挙げられる。
【0017】また、一般式(6)の具体例としては、ピ
リジン、4−メチルピリジン、2,4−ジクロロピリジ
ン等が挙げられる。そして、目的化合物である式(4)
の具体例としては、オクチルアミントリフェニルボラ
ン、ジオクチルアミントリフェニルボラン、ドデシルア
ミントリフェニルボラン、オクチルアミントリ(p−ト
リル)ボラン、ヘキシルアミントリ(m−トリル)ボラ
ン、ヘプチルアミントリ(m−トリル)ボラン、ピリジ
ントリフェニルボラン、4−メチルピリジントリ(m−
トリル)ボラン、2,4−ジクロロピリジントリフェニ
ルボラン、フェネチルアミントリフェニルボラン、等が
挙げられる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する具体的な
方法について説明する。
【0019】式(1)化合物(原料)の合成法 本発明に用いられる式(1)のテトラアリールボレート
のリチウムまたはナトリウム塩は公知の化合物であり、
3フッ化ホウ素のエーテル錯体とアリールマグネシウム
との反応により容易に合成される。
【0020】第1工程[式(3)化合物の合成] 本発明では、最初に式(1)のテトラアリールボレート
のリチウム塩か、またはナトリウム塩をエーテル系の溶
媒単独か、またはこれに炭化水素系溶媒を加えた混合溶
媒に溶かしておき、この溶液に、式(1)化合物と等モ
ル量の(2)の無機酸または有機酸を40℃以下の温度
を保って滴下して、式(3)のトリアリールボランを生
成させる。
【0021】第2工程[式(4)化合物の合成] 次に、この反応混合物に式(5)の第1級アミン〜第3
級アミンまたは式(6)の芳香族アミンの単独か、また
は第1工程で使用した溶剤と同一の溶媒に溶かして滴下
することにより、式(4)のトリアリールボランアミン
錯体が生成する。このとき、結晶が析出した場合には、
結晶をろ過して過剰のアミンや副生するアルカリ金属の
塩を除くために十分に水洗を行い、乾燥すると目的とす
る式(4)化合物が得られる。また、生成物が有機層に
溶解している場合には、水層を分液して除き、さらに塩
を除くために水洗を行った後、有機溶媒を留去すること
により、目的とする式(4)化合物が得られる。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を示すが、本発明は以
下の実施例のみに限定されるものではない。
【0023】実施例1 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラフェニ
ルボレート(34.2g、0.1mol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.5ml、0.1mol)を40℃以下で1時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後、反応液
を攪拌しながらオクチルアミン(12.9g、0.1m
ol)を室温で30分かけて滴下した。滴下後、さら
に、2時間室温で攪拌を続け、熟成した。熟成後水層を
分液して除き、有機層中の塩を除去するために十分に水
洗を行った。有機層から溶剤を留去することにより、オ
クチルアミントリフェニルボランの白色結晶が35g
(収率95%)得られた。
【0024】実施例2 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラフェニ
ルボレート(34.2g、0.1mol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.2ml、0.1ml)を40℃以下で1時間かけて
滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後反応液を攪
拌しながらドデシルアミン(18.5g、0.1mo
l)のトルエン(100ml)溶液を室温で30分かけ
て滴下した。滴下後、さらに2時間室温で攪拌を続け、
熟成した。熟成後水層を分液して除き、有機層中の塩を
除去するために十分に水洗を行った。有機層から溶剤を
留去することにより、ドデシルアミントリフェニルボラ
ンの白色結晶が40.6g(収率90%)得られた。
【0025】実施例3 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラp−ト
リルボレート(38.4g、0.1mol)を仕込み、
テトラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.5ml、0.1mol)を40℃以下で1時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後反応液を
攪拌しながらドデシルアミン(18.5g、0.1mo
l)のトルエン(100ml)溶液を室温で30分かけ
て滴下した。滴下後、さらに2時間室温で攪拌を続け、
熟成した。熟成後水層を分液して除き、有機層中の塩を
除去するために十分に水洗を行った。有機層から溶剤を
留去することにより、ドデシルアミントリp−トリルボ
ランの白色結晶が42.0g(収率93%)得られた。
【0026】実施例4 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラフェニ
ルボレート(34.2g、0.1mol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.5ml、0.1mol)を40℃以下で1時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後反応液を
攪拌しながらピリジン(7.9g、0.1mol)を室
温で30分かけて滴下した。滴下後、さらに2時間室温
で攪拌を続け、熟成した。熟成後水層を分液して除き、
有機層中の塩を除去するために十分に水洗を行った。有
機層から溶剤を留去することにより、ピリジントリフェ
ニルボランの白色結晶が30.5g(収率92%)得ら
れた。
【0027】実施例5 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラフェニ
ルボレート(34.2g、0.1mol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.5ml、0.1mol)を40℃以下で1時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後反応液を
攪拌しながらシクロヘキシルアミン(9.9g、0.1
mol)を室温で30分かけて滴下した。滴下後、さら
に2時間室温で攪拌を続け、熟成した。熟成後水層を分
液して除き、有機層中の塩を除去するために十分に水洗
を行った。有機層から溶剤を留去することにより、シク
ロヘキシルアミントリフェニルボランの白色結晶が3
2.4g(収率95%)得られた。
【0028】実施例6 メカニカルスターラー、温度計、滴下ロートを取り付け
て窒素置換した4径フラスコにナトリウムテトラフェニ
ルボレート(34.2g、0.1mol)を仕込み、テ
トラヒドロフラン(100ml)とトルエン(50m
l)を加えて溶解した。この溶液に、10%塩酸(3
6.5ml、0.1mol)を40℃以下で1時間かけ
て滴下した。滴下後、1時間攪拌した。その後反応液を
攪拌しながらフェネチルアミン(12.1g、0.1m
ol)を室温で30分かけて滴下した。滴下後、さらに
2時間室温で攪拌を続け、熟成した。熟成後水層を分液
して除き、有機層中の塩を除去するために十分に水洗を
行った。有機層から溶剤を留去することにより、フェネ
チルアミントリフェニルボランの白色結晶が34.5g
(収率96%)得られた。
【0029】
【発明の効果】本発明の方法により、船底塗料、漁網防
汚剤などの有効成分として有用な、トリアリールボラン
アミン錯体を工業的に容易にかつ有利に製造できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エーテル系溶媒の単独あるいはエーテル
    系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒中で、式(1)のテ
    トラアリールボレートのアルカリ金属塩に(2)の無機
    酸または有機酸を作用させて、式(3)のトリアリール
    ボランを生成した後、式(5)で示される第1級アミン
    〜第3級アミンまたは式(6)で示される芳香族アミン
    を反応させることを特徴とする、式(4)のトリアリー
    ルボランアミン錯体の製造法。 【化1】 (式中、Arはアリール基を示し、Mはアルカリ金属を
    示す。) 【化2】 (式中、R1〜R3は、同一または異なって水素、シクロ
    アルキル基、アルキル基、アラルキル基を示す。) 【化3】 (式中、R4〜R6は、同一または異なって水素、アルキ
    ル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロ
    ゲン原子を示す。)
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