JPH10338115A - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JPH10338115A
JPH10338115A JP15134297A JP15134297A JPH10338115A JP H10338115 A JPH10338115 A JP H10338115A JP 15134297 A JP15134297 A JP 15134297A JP 15134297 A JP15134297 A JP 15134297A JP H10338115 A JPH10338115 A JP H10338115A
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hydraulic
brake
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はプロポーショニングバルブを用いる
ことなく前輪のホイルシリンダ圧と後輪のホイルシリン
ダ圧とを適当な比率に制御する液圧ブレーキ装置に関
し、ブレーキペダルに伝達されるショックを抑制するこ
とを目的とする。 【解決手段】 マスタシリンダと後輪のホイルシリンダ
との間に保持ソレノイドを配設する。後輪の車輪速Vw
rと前輪の車輪速Vwfとの間にVwf−Vwr>V1
が成立するまでは保持ソレノイドを開弁状態に維持す
る。上記の条件が成立した後、Vwr−Vwf>V2が
成立するまで保持ソレノイドを閉弁状態に制御する。そ
の後、Vwf≧Vwrが成立するまで保持ソレノイドを
デューティ駆動する。以後、VwrがVwf+V2≧V
wr>Vwfの条件を満たすように保持ソレノイドを閉
弁状態またはデューティ駆動状態に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液圧ブレーキ装置
に係り、特に、前輪のホイルシリンダ圧および後輪のホ
イルシリンダ圧を適当な比率に制御する装置として好適
な液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平4−21845
3号に開示される如く、プロポーショニングバルブを用
いることなく、前輪のホイルシリンダ圧および後輪のホ
イルシリンダ圧を適当な比率に制御する液圧ブレーキ装
置が知られている。上記従来の液圧ブレーキ装置は、マ
スタシリンダを備えている。マスタシリンダには、それ
ぞれ、前輪側保持ソレノイドまたは後輪側保持ソレノイ
ドを介して前輪および後輪のホイルシリンダが接続され
ている。
【0003】上記従来の液圧ブレーキ装置において、マ
スタシリンダにはブレーキペダルが連結されている。マ
スタシリンダは、ブレーキペダルが踏み込まれた場合
に、ブレーキ踏力に応じたマスタシリンダ圧を発生し、
その液圧を前輪および後輪のホイルシリンダに供給す
る。前輪側保持ソレノイドおよび後輪側保持ソレノイド
は、常態では開弁状態に維持されている。このため、ブ
レーキペダルが踏み込まれると、その後、前輪および後
輪のホイルシリンダには、等しくマスタシリンダ圧が導
かれる。
【0004】従来の液圧ブレーキ装置において、後輪側
保持ソレノイドは、ブレーキペダルが踏み込まれた後、
後輪の車輪速が前輪の車輪速に比して低速になると、す
なわち、ブレーキ操作が開始された後、前輪に比して後
輪が大きく減速されると、その時点で閉弁状態とされ
る。後輪側保持ソレノイドが閉弁状態とされると、後輪
のホイルシリンダ圧の増圧が阻止される。従って、上記
の処理が実行されると、以後、前輪の車輪速が後輪の車
輪速に比して大きく減速され始める。
【0005】後輪側保持ソレノイドは、後輪の車輪速が
前輪の車輪速に比して低速である間は閉弁状態に維持さ
れる。そして、前輪の車輪速が後輪の車輪速に比して低
速となると、以後、後輪側保持ソレノイドは、所定のデ
ューティ比で開閉を繰り返すようにデューティ駆動され
る。後輪側保持ソレノイドがデューティ駆動されている
間は、後輪のホイルシリンダ圧が緩やかに増圧される。
従来の液圧ブレーキ装置において、後輪側保持ソレノイ
ドのデューティ駆動は、前輪の車輪速が後輪の車輪速に
比して低速である間継続される。そして、後輪の車輪速
が再び前輪の車輪速に比して低速になると、後輪のホイ
ルシリンダ圧を保持すべく、後輪側保持ソレノイドが閉
弁状態とされる。
【0006】上記の処理によれば、ブレーキペダルの踏
み込みが開始された後、前輪のホイルシリンダ圧は、ほ
ぼマスタシリンダ圧と等圧に制御される。また、後輪の
ホイルシリンダ圧は、後輪の車輪速が前輪の車輪速に比
して低速とならないように、前輪のホイルシリンダ圧に
比して低い圧力に制御される。従って、上記従来の液圧
ブレーキ装置によれば、ブレーキ操作の実行中に前輪お
よび後輪において、効率良く制動力を発生させることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の液圧ブ
レーキ装置において、後輪側保持ソレノイドが開弁状態
から閉弁状態に、または、閉弁状態から開弁状態に変化
すると、その変化の前後でマスタシリンダから流出する
ブレーキフルードの量に急激な変化が生ずる。このた
め、上記従来の液圧ブレーキ装置において、ブレーキペ
ダルには、後輪側保持ソレノイドがデューティ駆動され
ている間、後輪側保持ソレノイドの状態変化と同期した
ショックが伝達される。このため、前輪のホイルシリン
ダ圧と後輪のホイルシリンダ圧とを、後輪側保持ソレノ
イドを開閉制御することで適正な比率に制御する場合
は、後輪側保持ソレノイドが閉弁状態に維持される期
間、すなわち、後輪のホイルシリンダ圧が保持される期
間が長く、後輪側保持ソレノイドがデューティ駆動され
る期間が短いことが望ましい。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ブレーキペダルに伝達されるショックを抑制し
つつ、前輪のホイルシリンダ圧を後輪のホイルシリンダ
圧とを適当な比率に制御することのできる液圧ブレーキ
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、ホイルシリンダに対してブレーキ液圧
を供給する液圧源と、前記液圧源と後輪のホイルシリン
ダとの導通状態を制御する後輪液圧制御機構とを備える
液圧ブレーキ装置において、前輪および後輪の車輪速を
検出する車輪速検出手段と、前記液圧源から前輪および
後輪のホイルシリンダにブレーキ液圧が供給されている
状況下で、後輪の車輪速が第1の所定値を超えて前輪の
車輪速に比して低速となった場合に、前記後輪液圧制御
機構を閉状態とする液圧保持手段と、前記液圧源から前
輪および後輪のホイルシリンダにブレーキ液圧が供給さ
れている状況下で、後輪の車輪速が第2の所定値を超え
て前輪の車輪速に比して高速となった場合に、前記後輪
液圧制御機構を開状態とする液圧増圧手段と、を備える
液圧ブレーキ装置により達成される。
【0010】本発明において、後輪のホイルシリンダ圧
は、後輪液圧制御機構が開状態である場合に増圧され、
また、後輪液圧制御機構が閉状態である場合に保持され
る。後輪液圧制御機構は、後輪の車輪速が前輪の車輪速
に比して第1の所定値を超えて低速となることで閉状態
とされる。後輪液圧制御機構は、その後、後輪の車輪速
が前輪の車輪速に比して第2の所定値を超えて高速とな
るまで閉状態に維持される。すなわち、後輪液圧制御機
構は、液圧源からホイルシリンダに対して液圧が供給さ
れ始めた後、後輪の車輪速が前輪の車輪速に比して大き
く低下した時点で閉状態に変化し、その後、前輪の車輪
速が後輪の車輪速に比して大きく低下するまでの期間
中、長期間にわたって閉状態に維持される。後輪液圧制
御機構が長期間に渡って閉状態に維持されると、ホイル
シリンダ圧が上昇される過程でブレーキペダルにショッ
クが伝達される頻度が低下する。
【0011】上記の目的は、請求項2に記載する如く、
上記請求項1記載の液圧ブレーキ装置において、前記液
圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレーキ液
圧が供給されている状況下で、前記液圧増圧手段によっ
て前記後輪液圧制御機構が開状態とされた後に、後輪の
車輪速が前輪の車輪速以下となった場合に、前記後輪液
圧制御機構を閉状態とする第2の液圧保持手段を備える
液圧ブレーキ装置により達成される。
【0012】本発明において、後輪液圧制御機構は、ホ
イルシリンダが増圧される過程で、先ず、後輪の車輪速
が前輪の車輪速に比して大きく低下した時点で閉状態と
される。その後、後輪液圧制御機構は、前輪の車輪速が
後輪の車輪速に比して大きく低下するまで、比較的長期
に渡って閉状態に維持される。そして、本発明におい
て、後輪液圧制御機構は、前輪の車輪速が後輪の車輪速
に比して大きく低下した時点で開状態とされ、その後、
後輪の車輪速が前輪の車輪速と等しくなるまで開状態に
維持される。以後、後輪液圧制御機構は、後輪の車輪速
が第2の所定値を超えて前輪の車輪速に比して高速とな
らないように、かつ、前輪の車輪速に比して低速となら
ないように、適宜開状態または閉状態に制御される。
【0013】前輪および後輪のホイルシリンダに液圧源
からブレーキ液圧が供給され始めると、車両の荷重が前
輪側に移行する。このため、車輪荷重の少ない後輪の車
輪速は、車輪荷重の大きい前輪の車輪速に比して低速に
なり易い。本発明において、後輪液圧制御機構の制御
は、後輪の車輪速が第1の所定値を超えて前輪の車輪速
に比して低下するまで開始されない。このため、後輪液
圧制御機構は、ホイルシリンダ圧が小さな領域で制御さ
れることがない。また、後輪液圧制御機構は、ホイルシ
リンダ圧が充分に増圧された領域では、後輪の車輪速が
前輪の車輪速に比して低速にならないように制御され
る。このため、前輪に先立って後輪がロック状態に移行
することはない。
【0014】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
ホイルシリンダに対してブレーキ液圧を供給する液圧源
と、前記液圧源と後輪のホイルシリンダとの導通状態を
制御する後輪液圧制御機構とを備える液圧ブレーキ装置
において、前輪および後輪のスリップ率を検出するスリ
ップ率検出手段と、前記液圧源から前輪および後輪のホ
イルシリンダにブレーキ液圧が供給されている状況下
で、後輪のスリップ率が第1の所定値を超えて前輪のス
リップ率に比して大きくなった場合に、前記後輪液圧制
御機構を閉状態とする液圧保持手段と、前記液圧源から
前輪および後輪のホイルシリンダにブレーキ液圧が供給
されている状況下で、後輪のスリップ率が第2の所定値
を超えて前輪のスリップ率に比して小さくなった場合
に、前記後輪液圧制御機構を開状態とする液圧増圧手段
と、を備える液圧ブレーキ装置により達成される。
【0015】本発明において、後輪液圧制御機構は、後
輪のスリップ率が前輪のスリップ率に比して第1の所定
値を超えて大きくなった場合に閉状態とされる。後輪液
圧制御機構は、その後、後輪のスリップ率が前輪のスリ
ップ率に比して第2の所定値を超えて小さくなるまで閉
状態に維持される。すなわち、後輪液圧制御機構は、液
圧源からホイルシリンダに対して液圧が供給され始めた
後、後輪のスリップ率が前輪のスリップ率に比して充分
に大きくなった時点で閉状態に変化し、その後、前輪の
スリップ率が後輪のスリップ率に比して充分に大きくな
るまでの期間中、長期間にわたって閉状態に維持され
る。後輪液圧制御機構が長期間に渡って閉状態に維持さ
れると、ホイルシリンダ圧が上昇される過程でブレーキ
ペダルにショックが伝達される頻度が低下する。
【0016】また、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、上記請求項3記載の液圧ブレーキ装置において、
前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
ーキ液圧が供給されている状況下で、前記液圧増圧手段
によって前記後輪液圧制御機構が開状態とされた後に、
後輪のスリップ率が前輪のスリップ率以上となった場合
に、前記後輪液圧制御機構を閉状態とする第2の液圧保
持手段を備える液圧ブレーキ装置により達成される。
【0017】本発明において、後輪液圧制御機構は、ホ
イルシリンダが増圧される過程で、先ず、後輪のスリッ
プ率が前輪のスリップ率に比して充分に大きくなった時
点で閉状態とされる。その後、後輪液圧制御機構は、前
輪のスリップ率が後輪のスリップ率に比して充分に大き
くなるまで、比較的長期に渡って閉状態に維持される。
そして、本発明において、後輪液圧制御機構は、前輪の
スリップ率が後輪のスリップ率に比して充分に大きくな
った時点で開状態とされ、その後、後輪のスリップ率が
前輪のスリップ率と等しくなるまで開状態に維持され
る。以後、後輪液圧制御機構は、後輪のスリップ率が第
2の所定値を超えて前輪のスリップ率に比して小さくな
らないように、かつ、前輪のスリップ率に比して大きく
ならないように、適宜開状態または閉状態に制御され
る。上記の処理によれば、ホイルシリンダ圧が小さな領
域で後輪液圧制御機構が制御されるのを防止することが
できると共に、前輪に先立って後輪がロック状態に移行
するのを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
液圧ブレーキ装置のシステム構成図を示す。液圧ブレー
キ装置は、電子制御ユニット10(以下、ECU10と
称す)を備えている。液圧ブレーキ装置は、ECU10
により制御される。尚、図1は、液圧ブレーキ装置のう
ち、左前輪FLおよび右後輪RRに対応する構成を表し
ている。
【0019】液圧ブレーキ装置は、ブレーキペダル12
を備えている。ブレーキペダル12の近傍には、ブレー
キスイッチ14が配設されている。ブレーキスイッチ1
4は、ブレーキペダル12が踏み込まれることによりオ
ン信号を出力する。ブレーキスイッチ14の出力信号は
ECU10に供給されている。ECU10はブレーキス
イッチ14の出力信号に基づいてブレーキペダル12が
踏み込まれているか否かを判別する。
【0020】ブレーキペダル12は、ブレーキブースタ
12に連結されている。ブレーキブースタ16にはマス
タシリンダ18が固定されている。マスタシリンダ18
は、その内部に液圧室を備えている。マスタシリンダ1
8の液圧室には、ブレーキペダル12に加えられたブレ
ーキ踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ
圧PM/C が発生する。
【0021】マスタシリンダ18の液圧室には、液圧通
路22が連通している。液圧通路22には、保持ソレノ
イド24,26および逆止弁28,30が連通してい
る。保持ソレノイド24,26は、外部から駆動信号が
供給されることにより閉弁状態となる2位置の電磁弁で
ある。保持ソレノイド24および逆止弁28は右後輪R
Rのホイルシリンダ32に連通している。逆止弁28
は、ホイルシリンダ32から液圧通路22側へ向かう流
体の流れのみを許容する一方向弁である。また、保持ソ
レノイド26および逆止弁30は左前輪FLのホイルシ
リンダ34に連通している。逆止弁30は、ホイルシリ
ンダ34から液圧通路22側へ向かう流体の流れのみを
許容する一方向弁である。
【0022】ホイルシリンダ32には、保持ソレノイド
24に加えて減圧ソレノイド36が接続されている。ま
た、ホイルシリンダ34には、保持ソレノイド26に加
えて減圧ソレノイド38が接続されている。減圧ソレノ
イド36,38は、外部から駆動信号が供給されること
により開弁状態となる2位置の電磁弁である。減圧ソレ
ノイド36,38は、共に補助リザーバ40に連通して
いる。補助リザーバ40の内部には、ピストン42およ
びスプリング44が配設されている。ピストン42は、
スプリング44によって補助リザーバ40の容積が最小
となる方向に付勢されている。
【0023】補助リザーバ40は、逆止弁46を介して
ポンプ機構48に連通している。また、ポンプ機構48
は、逆止弁50を介して上述した液圧通路22に連通し
ている。逆止弁46および50は、それぞれ、ポンプ機
構48に流入する流体の流れのみを、または、ポンプ機
構48から液圧通路22に向かう流体の流れのみを許容
する一方向弁である。ポンプ機構48には、その動力源
としてモータ(図示せず)が連結されている。ポンプ機
構48は、ECU10からモータに駆動信号が供給され
ることにより作動状態となる。
【0024】本実施例の液圧ブレーキ装置において、各
車輪RR,FLの近傍には車輪速センサ54,56が配
設されている。車輪速センサ54,56は、各車輪の回
転速度に応じた周期でパルス信号を発生する。ECU1
0は、車輪速センサ54,56の出力値に基づいて右後
輪RRの車輪速Vwrおよび左前輪FLの車輪速Vwf
を検出する。
【0025】本実施例の液圧ブレーキ装置は、右後輪R
Rおよび左前輪FLのそれぞれについて、増圧モー
ド、保持モードおよび減圧モードを実現することが
できる。液圧ブレーキ装置は、これらのモードを適宜実
現することで、右後輪RRのホイルシリンダ圧PW/C
および、左前輪FLのホイルシリンダ圧PW/C を適当な
圧力に制御する。
【0026】増圧モードは、保持ソレノイド24,2
6を開弁状態(オフ状態)とし、かつ、減圧ソレノイド
36,38を閉弁状態(オフ状態)とすることで実現さ
れる。増圧モードによれば、ホイルシリンダ32,34
とマスタシリンダ18とを導通状態とすることができ
る。このため、増圧モードによれば、各車輪においてホ
イルシリンダ圧PW/C をマスタシリンダ圧PM/C と等圧
に制御することができる。
【0027】保持モードは、保持ソレノイド24,2
6を閉弁状態(オン状態)とし、かつ、減圧ソレノイド
36,38を閉弁状態(オフ状態)とすることで実現さ
れる。保持モードによれば、ホイルシリンダ32,34
を液圧回路から切り離すことができる。このため、保持
モードによれば、各車輪においてホイルシリンダ圧P
W/C を保持することができる。
【0028】減圧モードは、保持ソレノイド24,2
6を閉弁状態(オン状態)とし、かつ、減圧ソレノイド
36,38を開状態(オン状態)とすることで実現され
る。減圧モードによれば、ホイルシリンダ32,34を
液圧回路から切り離し、それらを補助リザーバ40に接
続することができる。このため、減圧モードによれば、
各車輪においてホイルシリンダ圧PW/C を低下させるこ
とができる。
【0029】本実施例の液圧ブレーキ装置において、E
CU10は、配分制御とABS制御とを実行する。配分
制御は、各車輪のスリップ率が所定値に満たない場合に
実行される。配分制御は、前輪側の液圧回路を増圧モー
ドに維持し、かつ、後輪側の液圧回路において増圧モー
ドと保持モードとを繰り返すことにより実現される。配
分制御によれば、前輪のホイルシリンダ圧PW/C をマス
タシリンダ圧PM/C と等圧に制御すると共に、後輪のホ
イルシリンダ圧PW/C を前輪のホイルシリンダ圧PW/C
に比して低圧に制御することができる。
【0030】車両の走行中に液圧ブレーキ装置が制動力
を発生すると、車両の荷重は前輪側に移行する。このた
め、前輪のホイルシリンダ圧PW/C と後輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C とが等圧であると、後輪のスリップ率が前
輪のスリップ率に比して大きな値となり易い。安定な車
両挙動を維持したまま大きな制動力を発生させるうえで
は、前輪のスリップ率と後輪のスリップ率とが同等であ
ることが望ましい。本実施例において、ECU10は、
配分制御の実行中に、後輪のスリップ率が前輪のスリッ
プ率と同等または僅かに小さくなるように後輪のホイル
シリンダ圧PW/ C を制御する。従って、本実施例の液圧
ブレーキ装置によれば、車両挙動を安定に維持しつつ前
輪および後輪において効率良く大きな制動力を発生させ
ることができる。
【0031】ABS制御は、各車輪において所定値を超
えるスリップ率が発生した場合に実行される。ABS制
御は、スリップ率が所定値を超えた車輪において、所定
期間減圧モードを実行した後、保持モードと増圧モード
とを繰り返し実行することで実現される。ABS制御に
よれば、ホイルシリンダ圧PW/C の減圧と緩増圧とを繰
り返すことができる。従って、ABS制御によれば、過
大なスリップ率を発生させることなく、大きな制動力を
発生させることができる。上述の如く、配分制御の実行
中は、後輪のスリップ率が前輪のスリップ率以下に制御
される。このため、本実施例の液圧ブレーキ装置によれ
ば、ABS制御が開始される前後においても安定した車
両挙動を維持することができる。
【0032】ところで、本実施例の液圧ブレーキ装置に
おいては、配分制御の実行中に、後輪側の液圧回路にお
いて増圧モードと保持モードとを繰り返す処理が実行さ
れる。具体的には、後輪側の保持ソレノイド24を繰り
返し開閉させる処理が実行される。ブレーキペダル12
が踏み込まれた状態で保持ソレノイド24が開弁状態か
ら閉弁状態に、または、閉弁状態から開弁状態に変化す
ると、マスタシリンダ18から流出するブレーキフルー
ドの量が変化する。マスタシリンダ18から流出するブ
レーキフルードの量が変化すると、ブレーキペダルにシ
ョックが伝達される。このため、本実施例の液圧ブレー
キ装置において、ブレーキペダル12には、配分制御の
実行中にショックが伝達される。
【0033】配分制御の実行中にブレーキペダル12に
ショックが伝達される頻度は、配分制御の実行中に保持
ソレノイド24が開閉される回数が多いほど高くなる。
従って、配分制御の実行中に運転者が感ずる違和感を小
さくするためには、後輪のホイルシリンダ圧PW/C を前
輪のホイルシリンダ圧PW/C に比して低圧に制御するに
あたり、保持ソレノイド24が開閉される回数を少なく
することが適切である。
【0034】本実施例の液圧ブレーキ装置は、上記の要
求を満たすべく、配分制御の実行中に、制御性が損なわ
れない範囲で保持ソレノイド24を開弁状態または閉弁
状態に保持する点に特徴を有している。以下、図2およ
び図3を参照して、本実施例の液圧ブレーキ装置の動作
について説明する。図2は、上記の機能を実現すべく、
ECU10が実行する制御ルーチンの一例のフローチャ
ートを示す。図2に示すルーチンは、所定時間毎に起動
される。図2に示すルーチンが起動されると、先ずステ
ップ100の処理が実行される。
【0035】ステップ100では、ブレーキスイッチ1
4からオン出力が発せられているか否かが判別される。
その結果、オン出力が発せられていないと判別される場
合は、ブレーキペダル12が踏み込まれていないと判断
できる。この場合、次にステップ101の処理が実行さ
れる。一方、ブレーキスイッチ14からオン信号が出力
されていると判別される場合は、ブレーキペダル12が
踏み込まれていると判断できる。この場合、次にステッ
プ102の処理が実行される。
【0036】ステップ101では、フラグXHOLDを
“0”にリセットし、かつ、フラグXDUTYを“0”
にリセットする処理が実行される。フラグXHOLD
は、後輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持することが要
求される場合に、すなわち、保持ソレノイド24を閉弁
状態に維持することが要求される場合に“1”とされる
フラグである。また、フラグXDUTYは、後輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C を緩増圧することが要求される場合
に、すなわち、保持ソレノイド24をデューティ駆動す
ることが要求される場合に“1”とされるフラグであ
る。本ステップ101の処理が終了すると、今回のルー
チンが終了される。
【0037】ステップ102では、ABS制御の実行条
件が成立しているか否かが判別される。本実施例におい
ては、何れかの車輪において、所定値を超えるスリップ
率が発生した後、所定のABS終了条件が成立するまで
の間、ABS制御の実行条件が成立していると判別され
る。本ステップ102でかかる判別がなされた場合、次
にステップ104の処理が実行される。一方、ABS制
御の実行条件が成立していないと判別される場合は、次
にステップ106の処理が実行される。
【0038】ステップ106では、フラグXDUTYに
“1”がセットされているか否かが判別される。フラグ
XDUTYは、ブレーキペダル12が踏み込まれた直後
は“0”とされている。この場合、XDUTY=1は成
立しないと判別される。本ステップ106でXDUTY
=1が成立しないと判別された場合は、次にステップ1
08の処理が実行される。一方、XDUTY=1が成立
すると判別される場合は、ステップ108〜118がジ
ャンプされ、次にステップ120の処理が実行される。
【0039】ステップ108では、フラグXHOLDに
“1”がセットされているか否かが判別される。フラグ
XHOLDは、ブレーキペダル12が踏み込まれた直後
は“0”とされている。この場合、XHOLD=1は成
立しないと判別される。本ステップ108でXHOLD
=1が成立しないと判別された場合は、次にステップ1
10の処理が実行される。一方、XHOLD=1が成立
すると判別される場合は、ステップ110および112
がジャンプされ、次にステップ114の処理が実行され
る。
【0040】ステップ110では、初回保持要求が生じ
ているか否かが判別される。上述の如く、本実施例の液
圧ブレーキ装置は、ブレーキ操作が開始された後、後輪
のホイルシリンダ圧PW/C を適当に保持または緩増圧す
ることで、前輪のホイルシリンダ圧PW/C と後輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C とを適当な比率に制御する。初回保
持要求は、ブレーキ操作が開始された後、後輪のホイル
シリンダ圧PW/C を保持すべき状況が初めて生じた時点
で発生する。
【0041】上記ステップ110では、具体的には、後
輪の車輪速Vwrが第1の所定値V1を超えて前輪の車
輪速Vwfに比して低いか否か、すなわち、Vwf−V
wr>V1が成立するか否かが判別される。その結果、
Vwf−Vwr>V1が成立すると判別される場合は、
後輪が前輪に比して大きく減速されていると判断でき
る。この場合、初回保持要求が発生したと判断され、次
にステップ112の処理が実行される。一方、Vwf−
Vwr>V1が成立していないと判別された場合は、未
だ後輪のホイルシリンダ圧PW/C を保持すべき状況が生
じていないと判断される。この場合、以後、何ら処理が
進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0042】ステップ112では、フラグXHOLDに
“1”がセットされる。本ステップ112の処理が実行
されると、次回以降、XHOLDが“0”にリセットさ
れるまで、本ルーチンが起動される毎に上記ステップ1
08でXHOLD=1が成立すると判別される。ステッ
プ114では、後輪側の保持ソレノイド24がオン状
態、すなわち、閉弁状態とされる。本ステップ114の
処理が実行されると、後輪側の液圧回路において保持モ
ードが実現され、後輪のホイルシリンダ圧PW/C の保持
が図られる。
【0043】ステップ116では、緩増要求が生じてい
るか否かが判別される。緩増要求は、上記ステップ11
4の処理が実行されることにより後輪側の液圧回路にお
いて保持モードが実現された後、後輪のホイルシリンダ
圧PW/C を緩増圧すべき状況が生じた時点で発生する。
上記ステップ116では、具体的には、後輪の車輪速V
wrが第2の所定値V2を超えて前輪の車輪速Vwfに
比して高速であるか否か、すなわち、Vwr−Vwf>
V2が成立するか否かが判別される。その結果、Vwr
−Vwf>V2が成立すると判別される場合は、後輪の
ホイルシリンダ圧PW/C が保持された後、前輪が大きく
減速されたと判断することができる。この場合、緩増要
求が発生したと判断され、次にステップ118の処理が
実行される。一方、Vwr−Vwf>V2が成立してい
ないと判別された場合は、未だ後輪のホイルシリンダ圧
W/C を保持すべき状況が継続していると判断される。
この場合、以後、何ら処理が進められることなく今回の
ルーチンが終了される。
【0044】ステップ118では、フラグXHOLDが
“0”にリセットされると共に、フラグXDUTYに
“1”がセットされる。本ステップ118の処理が実行
されると、次回以降、XDUTYが“0”にリセットさ
れるまで、本ルーチンが起動される毎に上記ステップ1
06でXDUTY=1が成立すると判別される。ステッ
プ120では、後輪側の保持ソレノイド24のデューテ
ィ駆動が実行される。本ステップ120では、保持ソレ
ノイド24を所定のデューティ比で開閉させるための処
理が実行される。本ステップ120の処理によれば、後
輪のホイルシリンダ圧PW/C を適当な増圧勾配で段階的
に緩増圧させることができる。
【0045】ステップ122では、保持要求が生じてい
るか否かが判別される。初回保持要求は、上記ステップ
120の処理が実行されることにより後輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C の緩増圧が開始された後、再び後輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C を保持すべき状況が生じた時点で発
生する。上記ステップ122では、具体的には、前輪の
車輪速Vwfが後輪の車輪速Vwr以上であるか否か、
すなわち、Vwf≧Vwrが成立するか否かが判別され
る。その結果、Vwf≧Vwrが成立すると判別される
場合は、後輪の減速度合いが前輪の減速度合いに勝って
いる、すなわち、後輪が前輪に比して大きくスリップし
ていると判断できる。この場合、保持要求が発生したと
判断され、次にステップ124の処理が実行される。一
方、Vwf≧Vwrが成立しないと判別される場合は、
未だ後輪のホイルシリンダ圧PW/C を緩増圧すべき状況
が継続していると判断される。この場合、以後、何ら処
理が進められることなく今回のルーチンが終了される。
【0046】ステップ124では、フラグXHOLDに
“1”がセットされると共に、フラグXDUTYが
“0”にリセットされる。本ステップ124の処理が実
行されると、次回以降、XHOLDが“0”にリセット
されるまで、本ルーチンが起動される毎に上記ステップ
108でXHOLD=1が成立すると判別される。本ス
テップ124の処理が終了すると、今回のルーチンが終
了される。
【0047】図3は、ECU10が上記の処理を実行す
ることにより実現されるタイムチャートを示す。図3
(A)は、前輪の車輪速Vwf(同図中に実線で示す波
形)および後輪の車輪速Vwr(同図中に一点鎖線で示
す波形)の変化を示す。また、図3(B)は、車輪速V
wf,Vwrが図3(A)に示す如く変化する場合に後
輪のホイルシリンダ圧PW/C に生ずる変化を示す。
【0048】本実施例の液圧ブレーキ装置において、ブ
レーキ操作が開始された後、Vwf−Vwr>V1が成
立するまでの間(図3に示す期間)は、前輪側の液圧
回路および後輪側の液圧回路が共に増圧モードに維持さ
れる(上記ステップ100〜110参照)。このため、
上記の期間中は前輪のホイルシリンダ圧PW/C と同様
に後輪のホイルシリンダ圧PW/C もマスタシリンダ圧P
M/C と等圧に制御される。
【0049】前輪のホイルシリンダ圧PW/C および後輪
のホイルシリンダ圧PW/C が共にマスタシリンダ圧P
M/C に制御されると、車両の荷重が前輪側に移行してい
ることに起因して、後輪の車輪速Vwrが前輪の車輪速
Vwrに比して早期に低下する。このため、ブレーキ操
作が開始された後、マスタシリンダ圧PM/C が適当な圧
力まで増圧されると、前輪の車輪速Vwfと後輪の車輪
速Vwrとの間にVwf−Vwr>V1なる関係が成立
する。
【0050】液圧ブレーキ装置において、上記の関係が
成立すると、後輪側の液圧回路において保持モードが実
現される(上記ステップ110〜114)。後輪側の液
圧回路において保持モードが実現されると、以後、前輪
の車輪速Vwfに比して、後輪の車輪速Vwrが緩やか
に低下する現象が生ずる。このため、後輪側の液圧回路
において保持モードが実現された後ある程度の期間が経
過すると、前輪の車輪速Vwfと後輪の車輪速Vwrと
の間にVwr−Vwf>V2なる関係が成立する。
【0051】液圧ブレーキ装置において、後輪側の液圧
回路において実現された保持モードは、前輪の車輪速V
wfと後輪の車輪速Vwrとの間に上記の関係が成立す
るまで継続される。このため、後輪のホイルシリンダ圧
W/C は、前輪の車輪速Vwfと後輪の車輪速Vwrと
の間にVwf−Vwr>V1が成立した後、Vwr−V
wf>V2が成立するまでの比較的長い期間中(図3に
示す期間)ほぼ一定値に保持される。
【0052】前輪の車輪速Vwfと後輪の車輪速Vwr
との間にVwr−Vwf>V2なる関係が成立すると、
後輪側の保持ソレノイド24のデューティ駆動が開始さ
れる(上記ステップ116〜120参照)。後輪側の保
持ソレノイド24のデューティ駆動が開始されると、以
後、後輪のホイルシリンダ圧PW/C が緩やかに増圧され
る。後輪のホイルシリンダ圧PW/C が増圧すると、後輪
の車輪速Vwrの減速勾配が増加する。このため、保持
ソレノイド24のディーティ駆動が開始された後、ある
程度の期間が経過すると、後輪の車輪速Vwrが前輪の
車輪速Vwfまで低下することがある。
【0053】液圧ブレーキ装置において、保持ソレノイ
ド24のディーティ駆動は、前輪の車輪速Vwfと後輪
の車輪速Vwrとが等しくなるまで、すなわち、Vwf
=Vwrが成立するまで継続される(図3に於ける期間
)。そして、Vwf=Vwrが成立すると、再び後輪
側の液圧回路において保持モードが実現される(上記ス
テップ122,124参照)。
【0054】後輪側の液圧回路における保持モードは、
後輪の車輪速Vwfと後輪の車輪速Vwrとの間に再び
Vwr−Vwf>V2なる関係が成立するまで継続され
る(図3に於ける期間)。この間、後輪のホイルシリ
ンダ圧PW/C がほぼ一定値に保持される。以後、保持ソ
レノイド24は、後輪の車輪速Vwrが第2の所定値V
2を超えて前輪の車輪速Vwfに比して大きな値となら
ないように、かつ、後輪の車輪速Vwrが前輪の車輪速
Vwfに比して低速とならないように、適宜開弁状態ま
たは閉弁状態に制御される(図3における期間)。
【0055】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
によれば、ブレーキ操作が開始された後、後輪の車輪速
Vwrが前輪の車輪速Vwfに比して大きく低下するま
での間は、保持ソレノイド24を開弁状態に維持するこ
とができる。制動時における車両挙動を安定に維持する
ためには、後輪が前輪に先立ってロック状態に移行しな
いことが望ましい。上記の要求は、例えば、後輪の車輪
速Vwrが常に前輪の車輪速Vwf以上となるように後
輪のホイルシリンダ圧PW/C を制御することによっても
実現できる。
【0056】しかし、常にVwr≧Vwfを成立させる
ためには、ブレーキ操作が開始された後、ホイルシリン
ダ圧PW/C がさほど上昇していない段階から後輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C を前輪のホイルシリンダ圧PW/C
比して低圧とすること、すなわち、後輪側の保持ソレノ
イド24を閉弁状態とすることが必要である。この場
合、ブレーキ操作が開始された直後から、ブレーキペダ
ル12にショックが伝達され始める。
【0057】ところで、車両の制動時において後輪の車
輪速Vwrが前輪の車輪速Vwfに比して高速であるこ
とが望まれるのは、前輪に先立って後輪をロック状態に
移行させないためである。従って、後輪がロック状態に
移行する可能性のない段階、すなわち、ホイルシリンダ
圧PW/C が充分に低圧である段階では、必ずしもVwr
≧Vwfの関係が満たされる必要がない。
【0058】一方、本実施例の液圧ブレーキ装置によう
に、ブレーキ操作が開始された後、Vwf−Vwr>V
1が成立するまで後輪側の保持ソレノイド24を開弁状
態に維持することとすると、ホイルシリンダ圧PW/C
低い領域で保持ソレノイド24の状態が変化するのを防
止することができる。このため、本実施例のブレーキ装
置によれば、ブレーキペダル12が僅かに踏み込まれる
だけでブレーキペダル12にショックが伝達されるのを
防止することができる。
【0059】上述の如く、本実施例の液圧ブレーキ装置
においては、ブレーキ操作が開始された後、初めてVw
f−Vwr>V1が成立した後、Vwr−Vwf>V2
が成立するまでの間、保持ソレノイド24を閉弁状態に
維持することができる。すなわち、保持ソレノイド24
は、ブレーキ操作が開始された後、後輪の車輪速Vwr
が前輪の車輪速Vwfに比して大きく低下した時点で閉
弁状態とされ、その後、前輪の車輪速Vwfが後輪の車
輪速Vwrに比して大きく低下するまでの期間中、長期
間にわたって閉弁状態に維持される。
【0060】このように、本実施例の液圧ブレーキ装置
においては、第1の所定値V1を用いて設定された第1
の条件が成立した後、第2の所定値V2を用いて設定さ
れた第2の条件が成立するまで保持ソレノイド24が閉
弁状態に維持される。そして、それらの条件は、第1の
条件が成立した後第2の条件が成立するまでに、必然的
に長い期間が要するように設定されている。このため、
本実施例の液圧ブレーキ装置によれば、保持ソレノイド
24が初めて閉弁状態とされた後、長期に渡ってブレー
キペダル12にショックが伝達されるのを防止すること
ができる。
【0061】また、本実施例の液圧ブレーキ装置におい
て、保持ソレノイド24は、Vwr−Vwf>V2が成
立した後、後輪の車輪速Vwrが前輪の車輪速Vwfと
等速となるまではデューティ駆動される。そして、Vw
f≧Vwrが成立すると、以後、再びVwr−Vwf>
V2が成立するまで保持ソレノイド24が閉弁状態に維
持される。上記の処理によれば、ホイルシリンダ圧P
W/C が充分に増圧された段階では、常に後輪の車輪速V
wrを前輪の車輪速Vwf以上に維持することができ
る。このため、本実施例の液圧ブレーキ装置によれば、
制動時における車両挙動を安定に維持することができ
る。
【0062】本実施例の液圧ブレーキ装置においては、
例えば、後輪の車輪速Vwrが前輪の車輪速Vwf以上
か否かのみを基準として保持ソレノイド24を制御して
も、すなわち、Vwf≧Vwrが成立する場合に保持ソ
レノイド24を閉弁状態とし(後輪のホイルシリンダ圧
W/C を保持し)、Vwf≧Vwrが成立しない場合に
保持ソレノイド24をデューティ駆動する(後輪のホイ
ルシリンダ圧PW/C を緩増圧する)ことによっても、後
輪の車輪速Vwrを前輪の車輪速Vwf以上に制御する
ことができる。
【0063】しかし、Vwf≧Vwrが成立するか否か
のみに基づいて保持ソレノイド24を制御すると、保持
ソレノイド24が閉弁状態に維持される期間が極めて短
時間となる。これに対して、本実施例の如く、保持ソレ
ノイド24の制御に2つの基準(Vwr−Vwf≧V2
およびVwf≧Vwr)が用いられると、保持ソレノイ
ド24が閉弁状態に維持される期間を長期間確保するこ
とができる。従って、本実施例の液圧ブレーキ装置によ
れば、Vwf≧Vwrが成立するか否かのみに基づいて
保持ソレノイド24が制御される場合に比して、ブレー
キペダル12にショックが伝達される頻度を下げること
ができる。
【0064】ところで、上記の実施例においては、前輪
の車輪速Vwfおよび後輪の車輪速Vwrに基づいて、
保持ソレノイド24を制御することとしているが、本発
明はこれに限定されるものではなく、前輪の車輪速Vw
fおよび後輪の車輪速Vwrに代えて、前輪のスリップ
率および後輪のスリップ率に基づいて保持ソレノイド2
4を制御することとしてもよい。
【0065】尚、上記の実施例においては、マスタシリ
ンダ18が前記請求項1または3記載の「液圧源」に、
後輪側の保持ソレノイド24が前記請求項1または3記
載の「後輪液圧制御機構」に、車輪速センサ54,56
が前記請求項1または3記載の「車輪速検出手段」にそ
れぞれ相当していると共に、ECU10が、上記ステッ
プ100および108〜114の処理を実行することに
より前記請求項1記載の「液圧保持手段」が、上記ステ
ップ100、106および116〜120の処理を実行
することにより前記請求項1記載の「液圧増圧手段」
が、それぞれ実現されている。
【0066】また、上記の実施例においては、ECU1
0が、前輪および後輪のスリップ率に基づいて上記ステ
ップ100および108〜114の処理、および、上記
ステップ100、106および116〜120の処理を
実行することにより前記請求項3記載の「液圧保持手
段」および「液圧増圧手段」が実現される。更に、上記
の実施例においては、ECU10が、上記ステップ12
2および124の処理を実行することにより前記請求項
2記載の「第2の液圧保持手段」が実現されている。そ
して、上記の実施例においては、ECU10が、前輪お
よび後輪のスリップ率に基づいて上記ステップ122お
よび124の処理を実行することにより前記請求項4記
載の「第2の液圧保持手段」が実現される。
【0067】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明または
請求項3記載の発明によれば、ホイルシリンダ圧の増圧
過程で、後輪液圧制御機構を長期間に渡って閉状態に維
持することができる。このため、本発明によれば、ホイ
ルシリンダ圧の増圧過程でブレーキペダルにショックが
伝達される頻度を低下させることができる。発明によれ
ば、することができるという特長を有している。
【0068】また、請求項2記載の発明または請求項4
記載の発明によれば、ホイルシリンダ圧の小さな領域で
後輪液圧制御機構が制御されるのを禁止すること、すな
わち、ホイルシリンダ圧の小さな領域でブレーキペダル
にショックが伝達されるのを防止することができると共
に、後輪が前輪に先立ってロック状態に移行するのを防
止して、制動時に、車両挙動の安定化を図る上で好適な
状況を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置のシ
ステム構成図である。
【図2】本実施例の液圧ブレーキ装置において実行され
る制御ルーチンの一例のフローチャートである。
【図3】本実施例の液圧ブレーキ装置の動作を説明する
ためのタイムチャートである。
【符号の説明】
10 電子制御ユニット(ECU) 14 ブレーキスイッチ 18 マスタシリンダ 24,26 保持ソレノイド 36,38 減圧ソレノイド 32,34 ホイルシリンダ 40 補助リザーバ Vwr 後輪の車輪速 Vwf 前輪の車輪速 V1 第1の所定値 V2 第2の所定値

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイルシリンダに対してブレーキ液圧を
    供給する液圧源と、前記液圧源と後輪のホイルシリンダ
    との導通状態を制御する後輪液圧制御機構とを備える液
    圧ブレーキ装置において、 前輪および後輪の車輪速を検出する車輪速検出手段と、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、後輪の車輪速が第
    1の所定値を超えて前輪の車輪速に比して低速となった
    場合に、前記後輪液圧制御機構を閉状態とする液圧保持
    手段と、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、後輪の車輪速が第
    2の所定値を超えて前輪の車輪速に比して高速となった
    場合に、前記後輪液圧制御機構を開状態とする液圧増圧
    手段と、 を備えることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液圧ブレーキ装置におい
    て、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、前記液圧増圧手段
    によって前記後輪液圧制御機構が開状態とされた後に、
    後輪の車輪速が前輪の車輪速以下となった場合に、前記
    後輪液圧制御機構を閉状態とする第2の液圧保持手段を
    備えることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 ホイルシリンダに対してブレーキ液圧を
    供給する液圧源と、前記液圧源と後輪のホイルシリンダ
    との導通状態を制御する後輪液圧制御機構とを備える液
    圧ブレーキ装置において、 前輪および後輪のスリップ率を検出するスリップ率検出
    手段と、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、後輪のスリップ率
    が第1の所定値を超えて前輪のスリップ率に比して大き
    くなった場合に、前記後輪液圧制御機構を閉状態とする
    液圧保持手段と、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、後輪のスリップ率
    が第2の所定値を超えて前輪のスリップ率に比して小さ
    くなった場合に、前記後輪液圧制御機構を開状態とする
    液圧増圧手段と、 を備えることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の液圧ブレーキ装置におい
    て、 前記液圧源から前輪および後輪のホイルシリンダにブレ
    ーキ液圧が供給されている状況下で、前記液圧増圧手段
    によって前記後輪液圧制御機構が開状態とされた後に、
    後輪のスリップ率が前輪のスリップ率以上となった場合
    に、前記後輪液圧制御機構を閉状態とする第2の液圧保
    持手段を備えることを特徴とする液圧ブレーキ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001260838A (ja) * 2000-03-16 2001-09-26 Aisin Seiki Co Ltd 車両の制動力配分制御方法
JP2002002466A (ja) * 2000-06-15 2002-01-09 Toyota Motor Corp ブレーキ装置,積載状態検出方法および液圧制御方法
JP2009190489A (ja) * 2008-02-13 2009-08-27 Honda Motor Co Ltd ブレーキ装置
JP2012136045A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Toyota Motor Corp 制動力制御装置

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