JPH10340682A - マグネトロン装置及びその製造方法 - Google Patents
マグネトロン装置及びその製造方法Info
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- JPH10340682A JPH10340682A JP6156098A JP6156098A JPH10340682A JP H10340682 A JPH10340682 A JP H10340682A JP 6156098 A JP6156098 A JP 6156098A JP 6156098 A JP6156098 A JP 6156098A JP H10340682 A JPH10340682 A JP H10340682A
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- Microwave Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 組立精度を容易に向上して、安定した動作を
行うことができるマグネトロン装置及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 円筒状の陽極筒体1と、陽極筒体1内で
その中心軸の周りに放射状に配列され、かつ陽極筒体1
の中心部分に圧入されるピン40により陽極筒体1の内
周面に圧接されてその遠端側の端面が内周面に固定され
た複数の板状の陽極ベイン15を備え、陽極ベイン15
がピン40に接する内側端面の中央部分に凹部22を設
ける。
行うことができるマグネトロン装置及びその製造方法を
提供すること。 【解決手段】 円筒状の陽極筒体1と、陽極筒体1内で
その中心軸の周りに放射状に配列され、かつ陽極筒体1
の中心部分に圧入されるピン40により陽極筒体1の内
周面に圧接されてその遠端側の端面が内周面に固定され
た複数の板状の陽極ベイン15を備え、陽極ベイン15
がピン40に接する内側端面の中央部分に凹部22を設
ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子レンジなどに
用いられるマグネトロン装置及びその製造方法に関す
る。
用いられるマグネトロン装置及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】マグネトロン装置は、例えば2,450
MHzの基本周波数で動作するマイクロ波発振管であ
り、マイクロ波加熱器あるいはマイクロ波放電ランプな
どのマイクロ波を用いた電気機器において高周波源とし
て使用されている。このようなマグネトロン装置は、陰
極と陽極とを同軸円筒状に配置した構成が一般的なもの
である。より具体的に言えば、マグネトロン装置は、コ
イル状の陰極、当該陰極を中心軸として配置した円筒状
の陽極筒体、及び前記陽極筒体の内部空間に中心軸の周
りに放射状に配列され共振空洞を形成するための複数の
陽極ベインを備えている。さらに、マグネトロン装置に
は、陽極筒体の上側及び下側の開口端部に設けられ、円
環状の永久磁石に磁気的に接続された一対の磁極片、陽
極ベインを電気的に相互に接続するための複数の均圧
環、及び一端がいずれか一つの陽極ベインに接続され、
マイクロ波を放射するためのアンテナを備えている。上
記のようなマグネトロン装置では、陽極筒体、陽極ベイ
ン、アンテナ、均圧環、及び磁極片を陽極構体として一
体的に組み立てた後、該陽極構体の中心部分に陰極を配
置していた。マグネトロン装置では、周知のように、構
成部材の組立精度が当該装置の性能に大きく影響するも
のであり、特に所望の共振空洞を陽極筒体内に形成する
ための複数の陽極ベインの配置が重要なものであった。
従って、マグネトロン装置では、陰極と所定の距離をお
いて、かつ陽極筒体の内周面に等間隔で複数の各陽極ベ
インを精度よく同軸放射状に固定することが技術的な課
題であった。
MHzの基本周波数で動作するマイクロ波発振管であ
り、マイクロ波加熱器あるいはマイクロ波放電ランプな
どのマイクロ波を用いた電気機器において高周波源とし
て使用されている。このようなマグネトロン装置は、陰
極と陽極とを同軸円筒状に配置した構成が一般的なもの
である。より具体的に言えば、マグネトロン装置は、コ
イル状の陰極、当該陰極を中心軸として配置した円筒状
の陽極筒体、及び前記陽極筒体の内部空間に中心軸の周
りに放射状に配列され共振空洞を形成するための複数の
陽極ベインを備えている。さらに、マグネトロン装置に
は、陽極筒体の上側及び下側の開口端部に設けられ、円
環状の永久磁石に磁気的に接続された一対の磁極片、陽
極ベインを電気的に相互に接続するための複数の均圧
環、及び一端がいずれか一つの陽極ベインに接続され、
マイクロ波を放射するためのアンテナを備えている。上
記のようなマグネトロン装置では、陽極筒体、陽極ベイ
ン、アンテナ、均圧環、及び磁極片を陽極構体として一
体的に組み立てた後、該陽極構体の中心部分に陰極を配
置していた。マグネトロン装置では、周知のように、構
成部材の組立精度が当該装置の性能に大きく影響するも
のであり、特に所望の共振空洞を陽極筒体内に形成する
ための複数の陽極ベインの配置が重要なものであった。
従って、マグネトロン装置では、陰極と所定の距離をお
いて、かつ陽極筒体の内周面に等間隔で複数の各陽極ベ
インを精度よく同軸放射状に固定することが技術的な課
題であった。
【0003】従来のマグネトロン装置の製造方法には、
例えば特公昭57−18823号公報に開示されたよう
に、仮組立用ピンを用いて陽極ベインを陽極筒体の内周
面に圧接し、ろう材により全ての陽極ベインを内周面に
一挙に固定する圧接ろう付け方法が知られている。
例えば特公昭57−18823号公報に開示されたよう
に、仮組立用ピンを用いて陽極ベインを陽極筒体の内周
面に圧接し、ろう材により全ての陽極ベインを内周面に
一挙に固定する圧接ろう付け方法が知られている。
【0004】以下、この従来のマグネトロン装置及びそ
の製造方法について、図16、及び図17を参照して具
体的に説明する。図16は従来のマグネトロン装置のろ
う材を溶解する前の陽極構体の主要部の構成を示す一部
切り欠き斜視図であり、図17は従来のマグネトロン装
置のろう材を溶解した後での陽極構体の主要部の構成を
示す断面図である。図16、及び図17に示すように、
円筒状の陽極筒体51の内部には、複数の陽極ベイン5
2(52a,52b,52c,52d,−−−)が同軸
放射状に配列されている。具体的に言えば、例えば10
枚の陽極ベイン52が、陽極筒体51内で等間隔に配置
されている。各陽極ベイン52は、例えば縦寸法9.5
mm及び横寸法13mmの実質的に矩形に形成され、短
辺側の一端面が陽極筒体51の内周面に固定されてい
る。これらの陽極ベイン52は、図の一点鎖線で示した
仮組立用ピン40によって陽極筒体51の内周面に圧接
され、線状のろう材56(図16)を溶解することによ
って上記一端面が陽極筒体51の内周面に固定される。
また、図示しないコイル状の陰極を陽極筒体51の中心
軸に沿って配置したとき、陽極ベイン52の配列中心側
端面、つまり上記一端面に対向する各陽極ベイン52の
端面(以下、”内側端面”という)は陰極と所定の距離
をおいて配置され、陽極筒体51内に所望の共振空洞が
形成される。各陽極ベイン52の長辺側の相対向する端
面には、2対の均圧環54(54a,54b)及び55
(55a,55b)をろう付けするための均圧環用溝5
3a,53bがそれぞれ設けられている。各陽極ベイン
52の均圧環用溝53aを設けた端面には、図示しない
アンテナの一端を接続するための端子用溝53cが設け
られている。
の製造方法について、図16、及び図17を参照して具
体的に説明する。図16は従来のマグネトロン装置のろ
う材を溶解する前の陽極構体の主要部の構成を示す一部
切り欠き斜視図であり、図17は従来のマグネトロン装
置のろう材を溶解した後での陽極構体の主要部の構成を
示す断面図である。図16、及び図17に示すように、
円筒状の陽極筒体51の内部には、複数の陽極ベイン5
2(52a,52b,52c,52d,−−−)が同軸
放射状に配列されている。具体的に言えば、例えば10
枚の陽極ベイン52が、陽極筒体51内で等間隔に配置
されている。各陽極ベイン52は、例えば縦寸法9.5
mm及び横寸法13mmの実質的に矩形に形成され、短
辺側の一端面が陽極筒体51の内周面に固定されてい
る。これらの陽極ベイン52は、図の一点鎖線で示した
仮組立用ピン40によって陽極筒体51の内周面に圧接
され、線状のろう材56(図16)を溶解することによ
って上記一端面が陽極筒体51の内周面に固定される。
また、図示しないコイル状の陰極を陽極筒体51の中心
軸に沿って配置したとき、陽極ベイン52の配列中心側
端面、つまり上記一端面に対向する各陽極ベイン52の
端面(以下、”内側端面”という)は陰極と所定の距離
をおいて配置され、陽極筒体51内に所望の共振空洞が
形成される。各陽極ベイン52の長辺側の相対向する端
面には、2対の均圧環54(54a,54b)及び55
(55a,55b)をろう付けするための均圧環用溝5
3a,53bがそれぞれ設けられている。各陽極ベイン
52の均圧環用溝53aを設けた端面には、図示しない
アンテナの一端を接続するための端子用溝53cが設け
られている。
【0005】均圧環54b,55aは一つおきの陽極ベ
イン52a,52c,−−−にろう付けされ、均圧環5
4a,55bは残りの陽極ベイン52b,52d,−−
−にろう付けされている。尚、均圧環54,55の表面
にはろう材56のめっき層(図示せず)が形成されてお
り、ろう材56を溶解して陽極筒体51の内周面に陽極
ベイン52の一端面を固定するとき、めっき層もまた溶
解して均圧環54,55を対応する陽極ベイン52に固
定する。上述の陽極筒体51、陽極ベイン52、均圧環
54,55、及びアンテナ(図示せず)は、例えば無酸
素銅により構成されている。また、仮組立用ピン40は
窒化珪素(Si3N4)により構成され、各陽極ベイン5
2の内側端面に接する円柱状部分の表面は鏡面仕上げ状
態で平滑に加工されている。ろう材56は銀と銅との合
金により構成され、又均圧環54,55及びアンテナ
(図示せず)はその表面に銀のめっき層をもつ銅により
構成されている。
イン52a,52c,−−−にろう付けされ、均圧環5
4a,55bは残りの陽極ベイン52b,52d,−−
−にろう付けされている。尚、均圧環54,55の表面
にはろう材56のめっき層(図示せず)が形成されてお
り、ろう材56を溶解して陽極筒体51の内周面に陽極
ベイン52の一端面を固定するとき、めっき層もまた溶
解して均圧環54,55を対応する陽極ベイン52に固
定する。上述の陽極筒体51、陽極ベイン52、均圧環
54,55、及びアンテナ(図示せず)は、例えば無酸
素銅により構成されている。また、仮組立用ピン40は
窒化珪素(Si3N4)により構成され、各陽極ベイン5
2の内側端面に接する円柱状部分の表面は鏡面仕上げ状
態で平滑に加工されている。ろう材56は銀と銅との合
金により構成され、又均圧環54,55及びアンテナ
(図示せず)はその表面に銀のめっき層をもつ銅により
構成されている。
【0006】このような従来のマグネトロン装置の製造
方法では、まず図示しない仮組立用治具を用いて、複数
の陽極ベイン52、及び均圧環54,55を陽極筒体5
1内の所定位置に配置する。そして、仮組立用ピン40
を陽極筒体51の中心軸方向に動かして、各陽極ベイン
52の内側端面に接しつつ、図16の矢印”Y”で示す
ように仮組立用ピン40を陽極ベイン52の配列中心部
分(陽極筒体51の中心部分)に下方から圧入する。こ
れにより、陽極構体は、仮組立用ピン40によって陽極
筒体51の内周面に各陽極ベイン52の一端面を圧接し
た仮組立状態で維持される。その後、上記仮組立用治具
だけを取り外して、図16に示すように、ろう材56を
陽極筒体51の内周面に接して陽極ベイン52の長辺側
の端面上に配置し陽極筒体51の上側の開口端部に磁極
片(図示せず)を圧入した後、図示しないアンテナの一
端を一つの陽極ベイン52に固定している。次に、図示
しない炉内で所定の温度(例えば、800〜900℃)
に仮組立状態の陽極構体を加熱する。これにより、ろう
材56は溶解して、膨張によって生じた陽極筒体51の
内周面と各陽極ベイン52の一端面との隙間に溶け込
む。このとき、均圧環54,55及び図示しないアンテ
ナのめっき層もまた溶解する。その後、この仮組立状態
を保って陽極構体を炉外に取り出して冷却することによ
り、陽極筒体51の内周面と各陽極ベイン52の一端
面、均圧環用溝53a,53bと均圧環54,55、及
び陽極ベイン52とアンテナ(図示せず)とがそれぞれ
固定される。続いて、仮組立用ピン40を下方に抜き取
った後、磁極片(図示せず)を陽極筒体51の下側の開
口端部に取り付けて、陽極構体の組立を終了する。
方法では、まず図示しない仮組立用治具を用いて、複数
の陽極ベイン52、及び均圧環54,55を陽極筒体5
1内の所定位置に配置する。そして、仮組立用ピン40
を陽極筒体51の中心軸方向に動かして、各陽極ベイン
52の内側端面に接しつつ、図16の矢印”Y”で示す
ように仮組立用ピン40を陽極ベイン52の配列中心部
分(陽極筒体51の中心部分)に下方から圧入する。こ
れにより、陽極構体は、仮組立用ピン40によって陽極
筒体51の内周面に各陽極ベイン52の一端面を圧接し
た仮組立状態で維持される。その後、上記仮組立用治具
だけを取り外して、図16に示すように、ろう材56を
陽極筒体51の内周面に接して陽極ベイン52の長辺側
の端面上に配置し陽極筒体51の上側の開口端部に磁極
片(図示せず)を圧入した後、図示しないアンテナの一
端を一つの陽極ベイン52に固定している。次に、図示
しない炉内で所定の温度(例えば、800〜900℃)
に仮組立状態の陽極構体を加熱する。これにより、ろう
材56は溶解して、膨張によって生じた陽極筒体51の
内周面と各陽極ベイン52の一端面との隙間に溶け込
む。このとき、均圧環54,55及び図示しないアンテ
ナのめっき層もまた溶解する。その後、この仮組立状態
を保って陽極構体を炉外に取り出して冷却することによ
り、陽極筒体51の内周面と各陽極ベイン52の一端
面、均圧環用溝53a,53bと均圧環54,55、及
び陽極ベイン52とアンテナ(図示せず)とがそれぞれ
固定される。続いて、仮組立用ピン40を下方に抜き取
った後、磁極片(図示せず)を陽極筒体51の下側の開
口端部に取り付けて、陽極構体の組立を終了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のマ
グネトロン装置及びその製造方法では、仮組立用ピン4
0を中心軸方向に動かして圧入しまたは抜き取るさい、
当該仮組立用ピン40が各陽極ベイン52の内側端面の
中心軸方向での全面に渡って接触して互いにこすれあっ
た。すなわち、従来のマグネトロン装置及びその製造方
法では、仮組立用ピン40と各陽極ベイン52との接触
面は、上記内側端面の中心軸方向での長さ寸法に等しく
なり、長い接触長(図16の”A”にて図示)をもつよ
う構成された。このため、従来のマグネトロン装置及び
その製造方法では、仮組立用ピン40を圧入しまたは抜
き取るさい、上述の接触面を介して陽極ベイン52に作
用する(接触)圧力が大きくなり、その陽極ベイン52
に変形を生じやすかった。このような変形が陽極ベイン
52に生じた場合、溶解したろう材56が陽極ベイン5
2の一端面の全面に溶着せずに陽極ベイン52のろう接
外れを生じた。さらに、陽極ベイン52が変形すること
により、その均圧環用溝53a,53bの形状が変わっ
て均圧環54,55の変形や均圧環54,55が均圧環
用溝53a,53bに固定されない均圧環54,55の
ろう接外れを生じた。
グネトロン装置及びその製造方法では、仮組立用ピン4
0を中心軸方向に動かして圧入しまたは抜き取るさい、
当該仮組立用ピン40が各陽極ベイン52の内側端面の
中心軸方向での全面に渡って接触して互いにこすれあっ
た。すなわち、従来のマグネトロン装置及びその製造方
法では、仮組立用ピン40と各陽極ベイン52との接触
面は、上記内側端面の中心軸方向での長さ寸法に等しく
なり、長い接触長(図16の”A”にて図示)をもつよ
う構成された。このため、従来のマグネトロン装置及び
その製造方法では、仮組立用ピン40を圧入しまたは抜
き取るさい、上述の接触面を介して陽極ベイン52に作
用する(接触)圧力が大きくなり、その陽極ベイン52
に変形を生じやすかった。このような変形が陽極ベイン
52に生じた場合、溶解したろう材56が陽極ベイン5
2の一端面の全面に溶着せずに陽極ベイン52のろう接
外れを生じた。さらに、陽極ベイン52が変形すること
により、その均圧環用溝53a,53bの形状が変わっ
て均圧環54,55の変形や均圧環54,55が均圧環
用溝53a,53bに固定されない均圧環54,55の
ろう接外れを生じた。
【0008】また、複数の陽極ベイン52などの構成部
材を量産したとき、これらの外形寸法を均一に形成する
ことは困難なものであり、外形寸法のばらつきの発生を
完全に防止することは不可能であった。このため、従来
のマグネトロン装置及びその製造方法では、外形寸法の
ばらつきによって、陽極と陰極とが短絡する場合があっ
た。具体的に言えば、陽極ベイン52が所定の外形寸法
より大きく、あるいは陽極筒体51の内周面が所定の外
形寸法より小さく形成された場合、仮組立用ピン40を
下方から圧入したとき、陽極ベイン52の内側端面が仮
組立用ピン40の圧入の応力により仮組立用ピン40の
移動方向に引き延ばされ、図18に例示するような銅箔
のバリ57が内側端面の上端部に生じた。その結果、陽
極構体(陽極筒体51)の中心軸に沿って陰極を配置し
たとき、バリ57が陰極に接触して短絡を発生する事故
がしばしば生じた。さらに、上記のように、陽極筒体5
1あるいは陽極ベイン52が所定の外形寸法と異なる寸
法に形成された場合、仮組立用ピン40を圧入しまたは
抜き取るときより大きな力を必要とし、仮組立用ピン4
0にも傷や凹みなどが生じて、仮組立用ピン40を新し
いものに交換することが要求された。
材を量産したとき、これらの外形寸法を均一に形成する
ことは困難なものであり、外形寸法のばらつきの発生を
完全に防止することは不可能であった。このため、従来
のマグネトロン装置及びその製造方法では、外形寸法の
ばらつきによって、陽極と陰極とが短絡する場合があっ
た。具体的に言えば、陽極ベイン52が所定の外形寸法
より大きく、あるいは陽極筒体51の内周面が所定の外
形寸法より小さく形成された場合、仮組立用ピン40を
下方から圧入したとき、陽極ベイン52の内側端面が仮
組立用ピン40の圧入の応力により仮組立用ピン40の
移動方向に引き延ばされ、図18に例示するような銅箔
のバリ57が内側端面の上端部に生じた。その結果、陽
極構体(陽極筒体51)の中心軸に沿って陰極を配置し
たとき、バリ57が陰極に接触して短絡を発生する事故
がしばしば生じた。さらに、上記のように、陽極筒体5
1あるいは陽極ベイン52が所定の外形寸法と異なる寸
法に形成された場合、仮組立用ピン40を圧入しまたは
抜き取るときより大きな力を必要とし、仮組立用ピン4
0にも傷や凹みなどが生じて、仮組立用ピン40を新し
いものに交換することが要求された。
【0009】さらに、各陽極ベイン52には、上述した
ように、その長辺側の一方の端面にには均圧環用溝53
a及び端子用溝53cが設けられ、他方の端面には均圧
環用溝53bが設けられている。このため、従来のマグ
ネトロン装置及びその製造方法では、陽極ベイン52の
内側端面に接して仮組立用ピン40を圧入したとき、各
陽極ベイン52が仮組立用ピン40と陽極筒体51の内
周面から受ける圧接力は中心軸方向において均一なもの
でなかった。詳細に言えば、陽極ベイン52を中心軸方
向に3つの領域、例えば図17に示すように、上側領域
Va、中央領域Vb、及び下側領域Vcに分けた場合、
中央領域Vbには上述の溝53a,53b,53cが設
けられていない。このため、中央領域Vbに作用する圧
接力は上側領域Va、及び下側領域Vcのものに比べて
大きくなった。また、仮組立状態の陽極構体を加熱した
とき、陽極ベイン52が膨張し、かつろう材56が陽極
筒体51と陽極ベイン52との隙間に溶け込むため、上
側領域Va、及び下側領域Vcでの仮組立用ピン40か
ら受ける圧接力は、中央領域Vbのものに比べて小さく
なった。このように、陽極ベイン52に作用する圧接力
が中心軸方向において均一なものでない状態となると、
仮組立用ピン40が鏡面仕上げ状態で平滑なことも相ま
って、陽極ベイン52は内周面上を滑って、陽極ベイン
52の一端面が中心軸方向から傾いて陽極筒体51の内
周面に固定された。その結果、従来のマグネトロン装置
及びその製造方法では、隣り合う2つの陽極ベイン52
の間隔寸法、すなわちピッチ寸法が、図19のP1,P
2,P3で例示するよう互いに異なる値となり、複数の
陽極ベイン52が陽極筒体51内で等間隔に配置されな
かった。
ように、その長辺側の一方の端面にには均圧環用溝53
a及び端子用溝53cが設けられ、他方の端面には均圧
環用溝53bが設けられている。このため、従来のマグ
ネトロン装置及びその製造方法では、陽極ベイン52の
内側端面に接して仮組立用ピン40を圧入したとき、各
陽極ベイン52が仮組立用ピン40と陽極筒体51の内
周面から受ける圧接力は中心軸方向において均一なもの
でなかった。詳細に言えば、陽極ベイン52を中心軸方
向に3つの領域、例えば図17に示すように、上側領域
Va、中央領域Vb、及び下側領域Vcに分けた場合、
中央領域Vbには上述の溝53a,53b,53cが設
けられていない。このため、中央領域Vbに作用する圧
接力は上側領域Va、及び下側領域Vcのものに比べて
大きくなった。また、仮組立状態の陽極構体を加熱した
とき、陽極ベイン52が膨張し、かつろう材56が陽極
筒体51と陽極ベイン52との隙間に溶け込むため、上
側領域Va、及び下側領域Vcでの仮組立用ピン40か
ら受ける圧接力は、中央領域Vbのものに比べて小さく
なった。このように、陽極ベイン52に作用する圧接力
が中心軸方向において均一なものでない状態となると、
仮組立用ピン40が鏡面仕上げ状態で平滑なことも相ま
って、陽極ベイン52は内周面上を滑って、陽極ベイン
52の一端面が中心軸方向から傾いて陽極筒体51の内
周面に固定された。その結果、従来のマグネトロン装置
及びその製造方法では、隣り合う2つの陽極ベイン52
の間隔寸法、すなわちピッチ寸法が、図19のP1,P
2,P3で例示するよう互いに異なる値となり、複数の
陽極ベイン52が陽極筒体51内で等間隔に配置されな
かった。
【0010】以上のように、従来のマグネトロン装置及
びその製造方法では、陽極ベイン52、及び均圧環5
4,55の変形やろう接外れを生じやすく、さらにバリ
57あるいは複数の陽極ベイン52のピッチ寸法にずれ
を発生した。このため、従来のマグネトロン装置及びそ
の製造方法では、陽極筒体51内に所望の共振空洞を形
成することができず、基本周波数のマイクロ波を安定し
て発振することができなかった。さらに、マグネトロン
効率の低下や著しい高周波ノイズの発生を招いた。
びその製造方法では、陽極ベイン52、及び均圧環5
4,55の変形やろう接外れを生じやすく、さらにバリ
57あるいは複数の陽極ベイン52のピッチ寸法にずれ
を発生した。このため、従来のマグネトロン装置及びそ
の製造方法では、陽極筒体51内に所望の共振空洞を形
成することができず、基本周波数のマイクロ波を安定し
て発振することができなかった。さらに、マグネトロン
効率の低下や著しい高周波ノイズの発生を招いた。
【0011】仮組立用ピン40と陽極ベイン52との接
触圧力を低減しようとした従来のマグネトロン装置とし
て、例えば特開昭64−52365号公報に開示された
ものがある。この従来のマグネトロン装置では、仮組立
用ピン40の円柱状部分を陽極ベイン52の内側端面の
50〜70%の寸法となるよう短く構成して、仮組立用
ピン40を圧入しまたは抜き取るときに生じる接触圧力
を低減しようとしていた。しかしながら、この従来のマ
グネトロン装置では、陽極ベイン52を陽極筒体51の
内周面に圧接するとき、陽極ベイン52の内側端面にお
いて、仮組立用ピン40の円柱状部分と接触して押圧さ
れる領域と円柱状部分に接触せず押圧されない領域とを
生じた。このため、この従来のマグネトロン装置では、
陽極ベイン52が受ける圧接力は中心軸方向においてア
ンバランスなものとなり、上述の陽極ベインが等間隔に
配置されないという問題点だけでなく、複数の陽極ベイ
ン52の内側端面により構成される内接円の径が中心軸
方向(上下方向)でばらつくという新たな問題点を生じ
て、実用化には至らなかった。
触圧力を低減しようとした従来のマグネトロン装置とし
て、例えば特開昭64−52365号公報に開示された
ものがある。この従来のマグネトロン装置では、仮組立
用ピン40の円柱状部分を陽極ベイン52の内側端面の
50〜70%の寸法となるよう短く構成して、仮組立用
ピン40を圧入しまたは抜き取るときに生じる接触圧力
を低減しようとしていた。しかしながら、この従来のマ
グネトロン装置では、陽極ベイン52を陽極筒体51の
内周面に圧接するとき、陽極ベイン52の内側端面にお
いて、仮組立用ピン40の円柱状部分と接触して押圧さ
れる領域と円柱状部分に接触せず押圧されない領域とを
生じた。このため、この従来のマグネトロン装置では、
陽極ベイン52が受ける圧接力は中心軸方向においてア
ンバランスなものとなり、上述の陽極ベインが等間隔に
配置されないという問題点だけでなく、複数の陽極ベイ
ン52の内側端面により構成される内接円の径が中心軸
方向(上下方向)でばらつくという新たな問題点を生じ
て、実用化には至らなかった。
【0012】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたものであり、組立精度を容易に向上し
て、安定した動作を行うことができるマグネトロン装置
及びその製造方法を提供することを目的とする。また、
この発明は、従来から使用してきた既存の組立治具を変
更することなくそのまま用いることができ、かつ不良品
の発生率を低減することができるマグネトロン装置及び
その製造方法を提供すること目的とする。
るためになされたものであり、組立精度を容易に向上し
て、安定した動作を行うことができるマグネトロン装置
及びその製造方法を提供することを目的とする。また、
この発明は、従来から使用してきた既存の組立治具を変
更することなくそのまま用いることができ、かつ不良品
の発生率を低減することができるマグネトロン装置及び
その製造方法を提供すること目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のマグネトロン装
置は、円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内でその中心
軸の周りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒体の中心
部分に圧入されるピンにより前記陽極筒体の内周面に圧
接されてその遠端側の端面が前記内周面に固定された複
数の板状の陽極ベインを備え、前記陽極ベインが前記ピ
ンに接する内側端面の中央部分に凹部を設けた。このよ
うに構成することにより、従来から使用してきた既存の
組立治具を変更することなくそのまま用いることがで
き、さらにマグネトロン装置の組立精度を容易に向上し
て、安定した動作を行うことができる。
置は、円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内でその中心
軸の周りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒体の中心
部分に圧入されるピンにより前記陽極筒体の内周面に圧
接されてその遠端側の端面が前記内周面に固定された複
数の板状の陽極ベインを備え、前記陽極ベインが前記ピ
ンに接する内側端面の中央部分に凹部を設けた。このよ
うに構成することにより、従来から使用してきた既存の
組立治具を変更することなくそのまま用いることがで
き、さらにマグネトロン装置の組立精度を容易に向上し
て、安定した動作を行うことができる。
【0014】別の観点による発明のマグネトロン装置
は、前記凹部の中心軸方向の長さが、前記内側端面の中
心軸方向の長さの20〜50%となるよう構成した。こ
のように構成することにより、マグネトロン効率の低下
を抑えることができる。
は、前記凹部の中心軸方向の長さが、前記内側端面の中
心軸方向の長さの20〜50%となるよう構成した。こ
のように構成することにより、マグネトロン効率の低下
を抑えることができる。
【0015】別の観点による発明のマグネトロン装置
は、前記内側端面の中心軸方向での少なくとも一の角部
に面取り部を設けた。このように構成することにより、
さらに組立精度の高いマグネトロン装置を得ることがで
きる。
は、前記内側端面の中心軸方向での少なくとも一の角部
に面取り部を設けた。このように構成することにより、
さらに組立精度の高いマグネトロン装置を得ることがで
きる。
【0016】本発明のマグネトロン装置の製造方法は、
円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内でその中心軸の周
りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒体の中心部分に
圧入されるピンにより前記陽極筒体の内周面に圧接され
てその遠端側の端面が前記内周面に固定された複数の板
状の陽極ベインを有するマグネトロン装置の製造方法で
あって、前記陽極ベインの前記ピンに接する内側端面の
中央部分に凹部を設ける工程、及び前記陽極筒体の中心
部分に前記ピンを圧入して、前記遠端側の端面を前記陽
極筒体の内周面に圧接して固定する工程を備えている。
このように構成することにより、従来から使用してきた
既存の組立治具を変更することなくそのまま用いること
ができ、さらにマグネトロン装置の組立精度を容易に向
上して、安定した動作を行うことができる。
円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内でその中心軸の周
りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒体の中心部分に
圧入されるピンにより前記陽極筒体の内周面に圧接され
てその遠端側の端面が前記内周面に固定された複数の板
状の陽極ベインを有するマグネトロン装置の製造方法で
あって、前記陽極ベインの前記ピンに接する内側端面の
中央部分に凹部を設ける工程、及び前記陽極筒体の中心
部分に前記ピンを圧入して、前記遠端側の端面を前記陽
極筒体の内周面に圧接して固定する工程を備えている。
このように構成することにより、従来から使用してきた
既存の組立治具を変更することなくそのまま用いること
ができ、さらにマグネトロン装置の組立精度を容易に向
上して、安定した動作を行うことができる。
【0017】別の観点による発明のマグネトロン装置の
製造方法は、前記凹部の中心軸方向の長さが前記内側端
面の中心軸方向の長さの20〜50%となるよう構成す
る工程を備えている。このように構成することにより、
組立用部材による陽極ベインへの圧力を充分に低減で
き、組立精度の高いマグネトロン装置を得ることができ
る。
製造方法は、前記凹部の中心軸方向の長さが前記内側端
面の中心軸方向の長さの20〜50%となるよう構成す
る工程を備えている。このように構成することにより、
組立用部材による陽極ベインへの圧力を充分に低減で
き、組立精度の高いマグネトロン装置を得ることができ
る。
【0018】別の観点による発明のマグネトロン装置の
製造方法は、前記内側端面の中心軸方向での少なくとも
一の角部に面取り部を設ける工程を備えている。このよ
うに構成することにより、陽極筒体の中心部分への組立
用部材の挿入圧力をさらに低減することができる。
製造方法は、前記内側端面の中心軸方向での少なくとも
一の角部に面取り部を設ける工程を備えている。このよ
うに構成することにより、陽極筒体の中心部分への組立
用部材の挿入圧力をさらに低減することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマグネトロン装置
及びその製造方法を示す好ましい実施形態について、図
面を参照しながら説明する。
及びその製造方法を示す好ましい実施形態について、図
面を参照しながら説明する。
【0020】《第1の実施形態》 [構成]図1は、本発明の第1の実施形態であるマグネ
トロン装置の構成を示す断面図である。図2は、図1に
示したマグネトロン装置のろう材を溶解する前の陽極構
体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜視図である。図
3は、図1に示したマグネトロン装置のろう材を溶解し
た後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図である。
図1において、本発明のマグネトロン装置は、円筒状の
陽極筒体1と、陽極筒体の1の上側、及び下側の開口端
部にそれぞれ取り付けられた第1、及び第2の磁極片
2,3と、第1、及び第2の磁極片2,3にそれぞれ装
着されたはと目状の第1、及び第2の金属筒体4,5を
備えている。第1の磁極片2の外端面は第1の金属筒体
4の一方の端部に設けられたフランジ部4aによって覆
われ、さらにフランジ部4aの外周縁が陽極筒体1の上
側の開口端部に固定されている。第1の金属筒体4の他
方の端部には、マイクロ波出力端子7が絶縁環6を介し
て封着されている。同様に、第2の磁極片3の外端面は
第2の金属筒体5の一方の端部に設けられたフランジ部
5aによって覆われ、さらにフランジ部5aの外周縁が
陽極筒体1の下側の開口端部に固定されている。第2の
金属筒体5の他方の端部には、陰極端子導出用のステム
8が封着されている。
トロン装置の構成を示す断面図である。図2は、図1に
示したマグネトロン装置のろう材を溶解する前の陽極構
体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜視図である。図
3は、図1に示したマグネトロン装置のろう材を溶解し
た後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図である。
図1において、本発明のマグネトロン装置は、円筒状の
陽極筒体1と、陽極筒体の1の上側、及び下側の開口端
部にそれぞれ取り付けられた第1、及び第2の磁極片
2,3と、第1、及び第2の磁極片2,3にそれぞれ装
着されたはと目状の第1、及び第2の金属筒体4,5を
備えている。第1の磁極片2の外端面は第1の金属筒体
4の一方の端部に設けられたフランジ部4aによって覆
われ、さらにフランジ部4aの外周縁が陽極筒体1の上
側の開口端部に固定されている。第1の金属筒体4の他
方の端部には、マイクロ波出力端子7が絶縁環6を介し
て封着されている。同様に、第2の磁極片3の外端面は
第2の金属筒体5の一方の端部に設けられたフランジ部
5aによって覆われ、さらにフランジ部5aの外周縁が
陽極筒体1の下側の開口端部に固定されている。第2の
金属筒体5の他方の端部には、陰極端子導出用のステム
8が封着されている。
【0021】陽極筒体1の外周面上には、陽極筒体1の
内部で生じた熱を放熱するために、複数のフィン9が多
段に取り付けられている。第1の磁極片2の外周端面上
には、円環状の第1の永久磁石10がフランジ部4aの
上に同軸的に置かれ、一方の磁極面10aと第1の磁極
片2とが磁気的に結合している。同様に、第2の磁極片
3の外周端面上には、円環状の第2の永久磁石11がフ
ランジ部5aの上に同軸的に置かれ、一方の磁極面11
aと第2の磁極片3とが磁気的に結合している。第1、
及び第2の永久磁石10,11の他方の磁極面10b,
11bは、フィン9を包囲している枠状継鉄12によっ
て相互に磁気的に結合されている。この枠状継鉄12の
下部には、高周波ノイズの漏洩を防止するために、上述
のステム8や既知のLCフィルター回路部材(図示せ
ず)などを内蔵した金属製のシールドケース13が取り
付けられている。陽極筒体1の内部には、その中心軸に
沿って配置されたコイル状の陰極14、及び陰極14の
周りに同軸放射状に配置され、共振空洞を形成するため
の複数の陽極ベイン15が設けられている。陰極14
は、陽極筒体1の内部で一対の陰極端子14a,14b
に接続されている。一対の陰極端子14a,14bは、
ステム8を介して陽極筒体1の内部から引き出されて、
図示しない高周波電源に接続される。陽極筒体1の内部
では、マイクロ波出力端子7に一端が接続されたアンテ
ナ16がいずれか一つの陽極ベイン15に接続されてい
る。これにより、マグネトロン装置は、例えば2,45
0MHzの基本周波数を有するマイクロ波をマイクロ波
出力端子7から放射する。
内部で生じた熱を放熱するために、複数のフィン9が多
段に取り付けられている。第1の磁極片2の外周端面上
には、円環状の第1の永久磁石10がフランジ部4aの
上に同軸的に置かれ、一方の磁極面10aと第1の磁極
片2とが磁気的に結合している。同様に、第2の磁極片
3の外周端面上には、円環状の第2の永久磁石11がフ
ランジ部5aの上に同軸的に置かれ、一方の磁極面11
aと第2の磁極片3とが磁気的に結合している。第1、
及び第2の永久磁石10,11の他方の磁極面10b,
11bは、フィン9を包囲している枠状継鉄12によっ
て相互に磁気的に結合されている。この枠状継鉄12の
下部には、高周波ノイズの漏洩を防止するために、上述
のステム8や既知のLCフィルター回路部材(図示せ
ず)などを内蔵した金属製のシールドケース13が取り
付けられている。陽極筒体1の内部には、その中心軸に
沿って配置されたコイル状の陰極14、及び陰極14の
周りに同軸放射状に配置され、共振空洞を形成するため
の複数の陽極ベイン15が設けられている。陰極14
は、陽極筒体1の内部で一対の陰極端子14a,14b
に接続されている。一対の陰極端子14a,14bは、
ステム8を介して陽極筒体1の内部から引き出されて、
図示しない高周波電源に接続される。陽極筒体1の内部
では、マイクロ波出力端子7に一端が接続されたアンテ
ナ16がいずれか一つの陽極ベイン15に接続されてい
る。これにより、マグネトロン装置は、例えば2,45
0MHzの基本周波数を有するマイクロ波をマイクロ波
出力端子7から放射する。
【0022】ここで、本実施形態のマグネトロン装置の
陽極構体について、図1乃至図3を参照してさらに詳細
に説明する。図1乃至図3において、陽極構体は、マグ
ネトロン装置の製造時での組立単位の一つであり、陽極
筒体1、第1、及び第2の磁極片2,3、複数の陽極ベ
イン15、アンテナ16、及び陽極筒体1の内部で複数
の陽極ベイン15を相互に接続するための2対の均圧環
17(17a,17b)及び18(18a,18b)を
一体的に組み立てたものである。このような陽極構体を
構成することにより、マグネトロン装置の組立精度を向
上することが可能となる。陽極筒体1、陽極ベイン1
5、及び均圧環17,18は、同一の金属材料、例えば
無酸素銅により構成され、銀と銅の合金からなるろう材
を用いた圧接ろう付け方法により固定されている。ま
た、アンテナ16は例えば無酸素銅により構成され、第
1、及び第2の磁極片17,18は鉄などの磁性材料に
より構成されている。
陽極構体について、図1乃至図3を参照してさらに詳細
に説明する。図1乃至図3において、陽極構体は、マグ
ネトロン装置の製造時での組立単位の一つであり、陽極
筒体1、第1、及び第2の磁極片2,3、複数の陽極ベ
イン15、アンテナ16、及び陽極筒体1の内部で複数
の陽極ベイン15を相互に接続するための2対の均圧環
17(17a,17b)及び18(18a,18b)を
一体的に組み立てたものである。このような陽極構体を
構成することにより、マグネトロン装置の組立精度を向
上することが可能となる。陽極筒体1、陽極ベイン1
5、及び均圧環17,18は、同一の金属材料、例えば
無酸素銅により構成され、銀と銅の合金からなるろう材
を用いた圧接ろう付け方法により固定されている。ま
た、アンテナ16は例えば無酸素銅により構成され、第
1、及び第2の磁極片17,18は鉄などの磁性材料に
より構成されている。
【0023】陽極筒体1の内部では、複数、例えば10
枚の陽極ベイン15(15a,15b,15c,15
d,−−−)が等間隔に配置されている。各陽極ベイン
15は、例えば縦寸法9.5mm、横寸法13mm、及
び厚さ寸法2mmの板状に形成されている。これらの陽
極ベイン15は、図の一点鎖線で示した仮組立用ピン4
0によって陽極筒体1の内周面に圧接され、線状のろう
材19(図2)を溶解することにより、短辺側の一端面
が陽極筒体1の内周面に固定されている。各陽極ベイン
15の長辺側の相対向する端面には、2対の均圧環17
(17a,17b)及び18(18a,18b)をろう
付けするための均圧環用溝20a,20bがそれぞれ設
けられている。各陽極ベイン15の均圧環用溝20aを
設けた端面には、アンテナ16の一端を接続するための
端子用溝20cが設けられている。均圧環17b,18
aは一つおきの陽極ベイン15a,15c,−−−にろ
う付けされ、均圧環17a,18bは残りの陽極ベイン
15b,15d,−−−にろう付けされている。尚、均
圧環17,18の表面にはろう材19のめっき層(図示
せず)が形成されており、ろう材19を溶解して陽極筒
体1の内周面に陽極ベイン15の一端面を固定すると
き、めっき層もまた溶解して均圧環17,18を対応す
る陽極ベイン15に固定する。
枚の陽極ベイン15(15a,15b,15c,15
d,−−−)が等間隔に配置されている。各陽極ベイン
15は、例えば縦寸法9.5mm、横寸法13mm、及
び厚さ寸法2mmの板状に形成されている。これらの陽
極ベイン15は、図の一点鎖線で示した仮組立用ピン4
0によって陽極筒体1の内周面に圧接され、線状のろう
材19(図2)を溶解することにより、短辺側の一端面
が陽極筒体1の内周面に固定されている。各陽極ベイン
15の長辺側の相対向する端面には、2対の均圧環17
(17a,17b)及び18(18a,18b)をろう
付けするための均圧環用溝20a,20bがそれぞれ設
けられている。各陽極ベイン15の均圧環用溝20aを
設けた端面には、アンテナ16の一端を接続するための
端子用溝20cが設けられている。均圧環17b,18
aは一つおきの陽極ベイン15a,15c,−−−にろ
う付けされ、均圧環17a,18bは残りの陽極ベイン
15b,15d,−−−にろう付けされている。尚、均
圧環17,18の表面にはろう材19のめっき層(図示
せず)が形成されており、ろう材19を溶解して陽極筒
体1の内周面に陽極ベイン15の一端面を固定すると
き、めっき層もまた溶解して均圧環17,18を対応す
る陽極ベイン15に固定する。
【0024】陽極ベイン15の配列中心側端面、すなわ
ち上記短辺側の一端面に対向し仮組立用ピン40に接触
する内側端面21には、陽極筒体1の中心軸方向(図の
矢印”F”にて図示)における中央部分に、矩形状の開
口形状を有する凹部22が設けられている。尚、ここで
いう開口形状とは、陽極ベイン15の厚さ方向でみたと
きの凹部22の形状をいう。また、この凹部22は、図
3に示すように、中心軸方向に長さHb、及び陽極筒体
1の半径方向に深さDとなるよう内側端面21を切り欠
くことにより形成されている。さらに、この凹部22の
中心軸方向の長さHbは、内側端面21の中心軸方向の
長さHaの20〜50%となるよう選択されている。
尚、内側端面21において、中心軸方向での少なくとも
一方の角部21a,21bに面取り加工を施した面取り
部を設けてもよい。以上のように構成することにより、
本実施形態のマグネトロン装置では、陽極ベイン15と
仮組立用ピン40との接触面積を小さくすることがで
き、仮組立用ピン40から陽極ベイン15に作用する圧
力を低減することができる。その結果、本実施形態のマ
グネトロン装置では、上記で説明した従来のマグネトロ
ン装置での陽極ベインの変形やろう接外れ、図18に示
したバリの発生等の問題点を解決することができ、発振
不良を生じることなく基本周波数のマイクロ波を安定し
て発振することができる。さらに、本実施形態のマグネ
トロン装置では、従来から使用してきた仮組立用ピン4
0などの既存の組立治具を変更することなく用いること
ができ、製造設備の変更などによる製造コストの上昇を
防止できる。尚、仮組立用ピン40は、窒化珪素(Si
3N4)を含んだ高価なセラミック部材により構成された
ものであり、内側端面21に接する円柱状部分の表面は
鏡面仕上げ状態で平滑に加工されている。円柱状部分の
外周径は、同軸放射状に配列された複数の陽極ベイン1
5によって構成される内周円の径がマグネトロン装置の
動作理論で決定される値となるように設定されている。
ち上記短辺側の一端面に対向し仮組立用ピン40に接触
する内側端面21には、陽極筒体1の中心軸方向(図の
矢印”F”にて図示)における中央部分に、矩形状の開
口形状を有する凹部22が設けられている。尚、ここで
いう開口形状とは、陽極ベイン15の厚さ方向でみたと
きの凹部22の形状をいう。また、この凹部22は、図
3に示すように、中心軸方向に長さHb、及び陽極筒体
1の半径方向に深さDとなるよう内側端面21を切り欠
くことにより形成されている。さらに、この凹部22の
中心軸方向の長さHbは、内側端面21の中心軸方向の
長さHaの20〜50%となるよう選択されている。
尚、内側端面21において、中心軸方向での少なくとも
一方の角部21a,21bに面取り加工を施した面取り
部を設けてもよい。以上のように構成することにより、
本実施形態のマグネトロン装置では、陽極ベイン15と
仮組立用ピン40との接触面積を小さくすることがで
き、仮組立用ピン40から陽極ベイン15に作用する圧
力を低減することができる。その結果、本実施形態のマ
グネトロン装置では、上記で説明した従来のマグネトロ
ン装置での陽極ベインの変形やろう接外れ、図18に示
したバリの発生等の問題点を解決することができ、発振
不良を生じることなく基本周波数のマイクロ波を安定し
て発振することができる。さらに、本実施形態のマグネ
トロン装置では、従来から使用してきた仮組立用ピン4
0などの既存の組立治具を変更することなく用いること
ができ、製造設備の変更などによる製造コストの上昇を
防止できる。尚、仮組立用ピン40は、窒化珪素(Si
3N4)を含んだ高価なセラミック部材により構成された
ものであり、内側端面21に接する円柱状部分の表面は
鏡面仕上げ状態で平滑に加工されている。円柱状部分の
外周径は、同軸放射状に配列された複数の陽極ベイン1
5によって構成される内周円の径がマグネトロン装置の
動作理論で決定される値となるように設定されている。
【0025】次に、上記凹部22の作用、効果について
具体的に説明する。尚、以下の説明では、図3に示すよ
うに、陽極ベイン15を中心軸方向に3つの領域、すな
わち凹部22を有する中央領域Vyと、その上側及び下
側の上側領域Vx及び下側領域Vzに分けて説明する。
本実施形態の陽極ベイン15では、凹部22の部分を除
いて、上側領域Vxの内側端面21及び下側領域Vzの
内側端面21の2箇所の部分で仮組立用ピン40と接触
する。このため、仮組立用ピン40から受ける圧力は上
側領域Vx及び下側領域Vzだけに作用し、かつ仮組立
用ピン40との接触面積を小さくすることができる。そ
の結果、本実施形態のマグネトロン装置では、仮組立用
ピン40に対して中心軸方向で2つに分けられた上下2
箇所の部分で陽極ベイン15をバランス良く支持するこ
とができ、マグネトロン装置の組立精度を容易に向上す
ることができる。また、仮組立用ピン40との接触面積
を小さくしたことにより、仮組立用ピン40と接触する
接触面の平面度もまた容易に向上することができ、陽極
ベイン15の配列中心部分への仮組立用ピン40の挿入
圧力も小さくできる。さらに、陽極ベイン15の長辺側
の端面には、均圧環用溝20a,20bが設けられてい
る。このため、仮組立用ピン40から上側領域Vx及び
下側領域Vzに作用する圧力が低減され、陽極ベイン1
5の配列中心部分への仮組立用ピン40の挿入圧力をさ
らに小さくすることができる。また、仮に上側領域Vx
と下側領域Vzにおいて、仮組立用ピン40から受ける
圧力にアンバランスが生じたとしても、このアンバラン
スを均圧環用溝20a,20bの部分で吸収することが
できる。このように、本実施形態のマグネトロン装置で
は、凹部22を内側端面21の中心軸方向での中央部分
に設けることにより、仮組立用ピン40から陽極ベイン
15に作用する圧力の減少、及び圧力の均一化を行うこ
とができる。このため、本実施形態のマグネトロン装置
では、組立時に生じる陽極ベイン、及び均圧環の変形や
ろう接外れ、図18に示したバリの発生、及び図19に
示したピッチ寸法が異なる等の従来のマグネトロン装置
での問題点を解決することができる。その結果、本実施
形態のマグネトロン装置は、在来の組立治具をそのまま
用いて、所定周波数の発振不良等のない安定な動作を行
うことができる。
具体的に説明する。尚、以下の説明では、図3に示すよ
うに、陽極ベイン15を中心軸方向に3つの領域、すな
わち凹部22を有する中央領域Vyと、その上側及び下
側の上側領域Vx及び下側領域Vzに分けて説明する。
本実施形態の陽極ベイン15では、凹部22の部分を除
いて、上側領域Vxの内側端面21及び下側領域Vzの
内側端面21の2箇所の部分で仮組立用ピン40と接触
する。このため、仮組立用ピン40から受ける圧力は上
側領域Vx及び下側領域Vzだけに作用し、かつ仮組立
用ピン40との接触面積を小さくすることができる。そ
の結果、本実施形態のマグネトロン装置では、仮組立用
ピン40に対して中心軸方向で2つに分けられた上下2
箇所の部分で陽極ベイン15をバランス良く支持するこ
とができ、マグネトロン装置の組立精度を容易に向上す
ることができる。また、仮組立用ピン40との接触面積
を小さくしたことにより、仮組立用ピン40と接触する
接触面の平面度もまた容易に向上することができ、陽極
ベイン15の配列中心部分への仮組立用ピン40の挿入
圧力も小さくできる。さらに、陽極ベイン15の長辺側
の端面には、均圧環用溝20a,20bが設けられてい
る。このため、仮組立用ピン40から上側領域Vx及び
下側領域Vzに作用する圧力が低減され、陽極ベイン1
5の配列中心部分への仮組立用ピン40の挿入圧力をさ
らに小さくすることができる。また、仮に上側領域Vx
と下側領域Vzにおいて、仮組立用ピン40から受ける
圧力にアンバランスが生じたとしても、このアンバラン
スを均圧環用溝20a,20bの部分で吸収することが
できる。このように、本実施形態のマグネトロン装置で
は、凹部22を内側端面21の中心軸方向での中央部分
に設けることにより、仮組立用ピン40から陽極ベイン
15に作用する圧力の減少、及び圧力の均一化を行うこ
とができる。このため、本実施形態のマグネトロン装置
では、組立時に生じる陽極ベイン、及び均圧環の変形や
ろう接外れ、図18に示したバリの発生、及び図19に
示したピッチ寸法が異なる等の従来のマグネトロン装置
での問題点を解決することができる。その結果、本実施
形態のマグネトロン装置は、在来の組立治具をそのまま
用いて、所定周波数の発振不良等のない安定な動作を行
うことができる。
【0026】これに対して、従来のマグネトロン装置で
は、上記で図17を参照して説明したように、仮組立用
ピン40を陽極ベインの配列中心部分に圧入したとき、
陽極ベインの中心軸方向において、中央領域Vbに作用
する圧接力は上側領域Va、及び下側領域Vcのものに
比べて大きくなった。このため、従来のマグネトロン装
置では、図19に例示したように、陽極ベインのピッチ
寸法にずれを生じて、複数の陽極ベインが等間隔に配置
されなかった。
は、上記で図17を参照して説明したように、仮組立用
ピン40を陽極ベインの配列中心部分に圧入したとき、
陽極ベインの中心軸方向において、中央領域Vbに作用
する圧接力は上側領域Va、及び下側領域Vcのものに
比べて大きくなった。このため、従来のマグネトロン装
置では、図19に例示したように、陽極ベインのピッチ
寸法にずれを生じて、複数の陽極ベインが等間隔に配置
されなかった。
【0027】次に、上述の凹部22の深さD、及び長さ
Hbについて、詳細に説明する。凹部22の深さDは、
陽極ベイン15を陽極筒体1に固定したとき、陽極ベイ
ン15の内側端面21から陽極筒体1の内周面へ向かう
方向での距離(半径方向の距離)を定義するものであ
る。また、上述の仮組立用ピン40から陽極ベイン15
に作用する圧力の減少、及び圧力の均一化の効果は、陽
極ベイン15に凹部22を設けることによって、凹部2
2の部分と仮組立用ピン40とを非接触な状態に保つこ
とで必ず得られるものである。それ故、凹部22の深さ
Dは、常に上記非接触な状態を保つことができる寸法で
あればよい。従って、陽極ベイン15の膨張時での変形
を考慮すると、凹部22の深さDとしては約0.1mm
以上が必要となり、量産的には陽極ベイン15の寸法公
差およびプレス製造工法によるばらつき等を考慮すると
0.2mm以上必要である。
Hbについて、詳細に説明する。凹部22の深さDは、
陽極ベイン15を陽極筒体1に固定したとき、陽極ベイ
ン15の内側端面21から陽極筒体1の内周面へ向かう
方向での距離(半径方向の距離)を定義するものであ
る。また、上述の仮組立用ピン40から陽極ベイン15
に作用する圧力の減少、及び圧力の均一化の効果は、陽
極ベイン15に凹部22を設けることによって、凹部2
2の部分と仮組立用ピン40とを非接触な状態に保つこ
とで必ず得られるものである。それ故、凹部22の深さ
Dは、常に上記非接触な状態を保つことができる寸法で
あればよい。従って、陽極ベイン15の膨張時での変形
を考慮すると、凹部22の深さDとしては約0.1mm
以上が必要となり、量産的には陽極ベイン15の寸法公
差およびプレス製造工法によるばらつき等を考慮すると
0.2mm以上必要である。
【0028】凹部22の長さHbは、陽極ベイン15を
陽極筒体1に固定したとき、中心軸方向での長さを定義
するものである。この長さHbは、仮組立用ピン40に
よる陽極ベイン15への圧力を低減、及び均一化して陽
極構体の組立精度を向上するために、陽極ベイン15の
中心軸方向での長さ、すなわち内側端面21の長さHa
に対する比率が最低でも20%以上必要であることが発
明者らの検討により判明した。さらに、仮組立用ピン4
0から受ける圧力を陽極ベイン15で吸収することを鑑
みて、均圧環用溝20a,20bと対向しない陽極ベイ
ン15の中心軸方向での中央部分の全てに凹部22を設
けることが最も望ましいと考えられる。すなわち、図3
に示したように、均圧環用溝20a,20bの長さHc
とすると、Hb=Ha−2×Hcなる関係を有するよう
に、凹部22を構成することが最も望ましい。一般的な
マグネトロン装置の陽極ベイン15においては、長さH
cは長さHaの10〜30%であるので、長さHbの長
さHaに対する割合は、40〜80%程度となる。
陽極筒体1に固定したとき、中心軸方向での長さを定義
するものである。この長さHbは、仮組立用ピン40に
よる陽極ベイン15への圧力を低減、及び均一化して陽
極構体の組立精度を向上するために、陽極ベイン15の
中心軸方向での長さ、すなわち内側端面21の長さHa
に対する比率が最低でも20%以上必要であることが発
明者らの検討により判明した。さらに、仮組立用ピン4
0から受ける圧力を陽極ベイン15で吸収することを鑑
みて、均圧環用溝20a,20bと対向しない陽極ベイ
ン15の中心軸方向での中央部分の全てに凹部22を設
けることが最も望ましいと考えられる。すなわち、図3
に示したように、均圧環用溝20a,20bの長さHc
とすると、Hb=Ha−2×Hcなる関係を有するよう
に、凹部22を構成することが最も望ましい。一般的な
マグネトロン装置の陽極ベイン15においては、長さH
cは長さHaの10〜30%であるので、長さHbの長
さHaに対する割合は、40〜80%程度となる。
【0029】一方、マグネトロン装置において、陽極ベ
イン15の内側端面21に凹部22を設けた場合、マグ
ネトロン装置の動作時に配列中心部分に配置された陰極
14との間隔が凹部22の部分で広がってしまう。この
ため、該マグネトロン装置のマグネトロン効率が低下す
ることが問題となる。従って、マグネトロン効率の点か
ら考えると、凹部22の長さHbはなるべく小さいこと
が望ましいことになる。
イン15の内側端面21に凹部22を設けた場合、マグ
ネトロン装置の動作時に配列中心部分に配置された陰極
14との間隔が凹部22の部分で広がってしまう。この
ため、該マグネトロン装置のマグネトロン効率が低下す
ることが問題となる。従って、マグネトロン効率の点か
ら考えると、凹部22の長さHbはなるべく小さいこと
が望ましいことになる。
【0030】ここで、発明者等の実験により得られたマ
グネトロン効率と凹部22の深さD、及び長さHbとの
関係について、図4を参照して説明する。図4は、マグ
ネトロン効率と長さHaに対する長さHbの割合との関
係を示すグラフである。尚、図4に示すグラフ31,3
2,33は、凹部22の深さDをそれぞれ0.2mm、
0.3mm、0.4mmとした場合の実験結果である。図
4のグラフ31,32,33から明らかなように、内側
端面21の長さHaに対する凹部22の長さHbの割合
が大きくなればなるほど、マグネトロン効率は低下し、
また、凹部22の深さDが大きくなるほどマグネトロン
効率の低下が著しい。マグネトロン装置では、周知のよ
うに、約70%以上のマグネトロン効率が実用上要求さ
れるので、凹部22の深さDを量産時における寸法公差
等を考慮して0.2mmとすると、凹部22の長さHb
は内側端面21の長さHaの50%未満に設定すること
が望ましい。
グネトロン効率と凹部22の深さD、及び長さHbとの
関係について、図4を参照して説明する。図4は、マグ
ネトロン効率と長さHaに対する長さHbの割合との関
係を示すグラフである。尚、図4に示すグラフ31,3
2,33は、凹部22の深さDをそれぞれ0.2mm、
0.3mm、0.4mmとした場合の実験結果である。図
4のグラフ31,32,33から明らかなように、内側
端面21の長さHaに対する凹部22の長さHbの割合
が大きくなればなるほど、マグネトロン効率は低下し、
また、凹部22の深さDが大きくなるほどマグネトロン
効率の低下が著しい。マグネトロン装置では、周知のよ
うに、約70%以上のマグネトロン効率が実用上要求さ
れるので、凹部22の深さDを量産時における寸法公差
等を考慮して0.2mmとすると、凹部22の長さHb
は内側端面21の長さHaの50%未満に設定すること
が望ましい。
【0031】以上の検討結果により、内側端面21の長
さHaに対する凹部22の長さHbの割合は、20〜5
0%に選択、設定することが望ましいことがわかる。さ
らに、発明者等の実験によれば、例えば、出力500W
〜1000Wの電子レンジ用のマグネトロン装置におい
て、内側端面21の長さHaを9.5mm、均圧環用溝
20a,20bの深さHcを2.6mm、凹部22の深
さDを0.2mm、及び凹部22の長さHbを4.0mm
(Hb/Ha=42%)とした陽極ベイン15を有する
マグネトロン装置(以下、実験品1という)を製作し
た。この実験品1では、十分な組み立て精度で、かつ、
マグネトロン効率が約71%という実用上十分な結果を
得ることができた。
さHaに対する凹部22の長さHbの割合は、20〜5
0%に選択、設定することが望ましいことがわかる。さ
らに、発明者等の実験によれば、例えば、出力500W
〜1000Wの電子レンジ用のマグネトロン装置におい
て、内側端面21の長さHaを9.5mm、均圧環用溝
20a,20bの深さHcを2.6mm、凹部22の深
さDを0.2mm、及び凹部22の長さHbを4.0mm
(Hb/Ha=42%)とした陽極ベイン15を有する
マグネトロン装置(以下、実験品1という)を製作し
た。この実験品1では、十分な組み立て精度で、かつ、
マグネトロン効率が約71%という実用上十分な結果を
得ることができた。
【0032】尚、以上の説明では、陽極ベイン15の凹
部22の開口形状を矩形状に構成した例について説明し
たが、陽極ベイン15の中心軸方向での中央部分に所定
の空間距離を有すればよく、図5、及び図6にそれぞれ
示すようなテーパー形状や円弧形状の開口形状を持つ凹
部を構成してもよい。このとき深さDは、凹部22での
内側端面21から最も深い位置での距離であり、長さH
bは凹部22の最も広い部分、すなわち、陽極ベイン1
5の内側端面21上での凹部22の大きさとなる。ま
た、複数の内側端面21に接する円柱状部分をもつ仮組
立用ピン40によって陽極ベイン15を陽極筒体1の内
周面に圧接する構成について説明したが、円柱状の形状
に何等限定されるものでなく、陽極ベイン15の内側端
面21に接するよう構成された組立用部材であればよ
い。
部22の開口形状を矩形状に構成した例について説明し
たが、陽極ベイン15の中心軸方向での中央部分に所定
の空間距離を有すればよく、図5、及び図6にそれぞれ
示すようなテーパー形状や円弧形状の開口形状を持つ凹
部を構成してもよい。このとき深さDは、凹部22での
内側端面21から最も深い位置での距離であり、長さH
bは凹部22の最も広い部分、すなわち、陽極ベイン1
5の内側端面21上での凹部22の大きさとなる。ま
た、複数の内側端面21に接する円柱状部分をもつ仮組
立用ピン40によって陽極ベイン15を陽極筒体1の内
周面に圧接する構成について説明したが、円柱状の形状
に何等限定されるものでなく、陽極ベイン15の内側端
面21に接するよう構成された組立用部材であればよ
い。
【0033】[製造方法]本実施形態のマグネトロン装
置の製造方法では、まず図示しない仮組立用治具を用い
て、複数の陽極ベイン15、及び均圧環17,18を陽
極筒体1内の所定位置に配置する。そして、仮組立用ピ
ン40を陽極筒体1の中心軸方向に動かして、各陽極ベ
イン15の内側端面21に接しつつ、図2の矢印”Y”
で示すように仮組立用ピン40を陽極ベイン15の配列
中心部分(陽極筒体1の中心部分)に下方から圧入す
る。これにより、陽極構体は、仮組立用ピン40によっ
て陽極筒体1の内周面に各陽極ベイン15の一端面を圧
接した仮組立状態で維持される。その後、上記仮組立用
治具だけを取り外して、図2に示すように、ろう材19
を陽極筒体1の内周面に接して陽極ベイン15の長辺側
の端面上に配置し陽極筒体1の上側の開口端部に磁極片
2を圧入した後、アンテナ16の一端を一つの陽極ベイ
ン15に固定している。次に、図示しない炉内で所定の
温度(例えば、800〜900℃)に仮組立状態の陽極
構体を加熱する。これにより、ろう材19は溶解して、
膨張によって生じた陽極筒体1の内周面と各陽極ベイン
15の一端面との隙間に溶け込む。このとき、均圧環1
7,18及びアンテナ16のめっき層もまた溶解する。
その後、この仮組立状態を保って陽極構体を炉外に取り
出して冷却することにより、陽極筒体1の内周面と各陽
極ベイン15の一端面、均圧環用溝20a,20bと均
圧環17,18、及びアンテナ16と陽極ベイン15と
がそれぞれ固定される。続いて、仮組立用ピン40を下
方に抜き取った後、磁極片3を陽極筒体1の下側の開口
端部に取り付けて、陽極構体の組立を終了する。
置の製造方法では、まず図示しない仮組立用治具を用い
て、複数の陽極ベイン15、及び均圧環17,18を陽
極筒体1内の所定位置に配置する。そして、仮組立用ピ
ン40を陽極筒体1の中心軸方向に動かして、各陽極ベ
イン15の内側端面21に接しつつ、図2の矢印”Y”
で示すように仮組立用ピン40を陽極ベイン15の配列
中心部分(陽極筒体1の中心部分)に下方から圧入す
る。これにより、陽極構体は、仮組立用ピン40によっ
て陽極筒体1の内周面に各陽極ベイン15の一端面を圧
接した仮組立状態で維持される。その後、上記仮組立用
治具だけを取り外して、図2に示すように、ろう材19
を陽極筒体1の内周面に接して陽極ベイン15の長辺側
の端面上に配置し陽極筒体1の上側の開口端部に磁極片
2を圧入した後、アンテナ16の一端を一つの陽極ベイ
ン15に固定している。次に、図示しない炉内で所定の
温度(例えば、800〜900℃)に仮組立状態の陽極
構体を加熱する。これにより、ろう材19は溶解して、
膨張によって生じた陽極筒体1の内周面と各陽極ベイン
15の一端面との隙間に溶け込む。このとき、均圧環1
7,18及びアンテナ16のめっき層もまた溶解する。
その後、この仮組立状態を保って陽極構体を炉外に取り
出して冷却することにより、陽極筒体1の内周面と各陽
極ベイン15の一端面、均圧環用溝20a,20bと均
圧環17,18、及びアンテナ16と陽極ベイン15と
がそれぞれ固定される。続いて、仮組立用ピン40を下
方に抜き取った後、磁極片3を陽極筒体1の下側の開口
端部に取り付けて、陽極構体の組立を終了する。
【0034】本実施形態のマグネトロン装置の製造方法
では、各陽極ベイン15の内側端面21の中央部分に設
けた凹部22により、内側端面21と仮組立用ピン40
との接触面積が従来のものに比べて減少して、仮組立用
ピン40から陽極ベイン15に作用する圧力が低減す
る。このため、陽極ベイン15の中心軸方向での上下端
部に位置する2対の均圧環17,18に作用する圧力も
従来のものに比べて低減し、ろう付けの精度を向上する
とともに、仮組立用ピン40の圧入、及び抜き取り時
に、均圧環17,18の変形やろう接外れの発生を防止
できる。さらに、陽極ベイン15が仮組立用ピン40か
ら受ける圧力は、凹部22が中心軸方向の中心部分に設
けられているので、中心軸方向での上側領域Vx、及び
下側領域Vzに分散均等化される。さらに、上側領域V
x、及び下側領域Vzには、均圧環用溝20a,20b
が設けられているので、ろう付けする際の温度上昇によ
り陽極ベイン15が膨張してもこの膨張分が均圧環用溝
20a,20bで吸収され、かかる圧力が均等に作用す
る。特に、陽極ベイン15の中央領域Vyでは、凹部2
2の深さDによる空間距離を仮組立用ピン40との間に
有しているため、陽極ベイン15の外形寸法のばらつき
や膨張が生じたとしても、仮組立用ピン40から中央領
域Vyに圧力が作用することはない。したがって、加熱
された陽極ベイン15が膨張しても、上側領域Vx、及
び下側領域Vzに作用する圧力は同程度となる。その結
果、上側領域Vx、及び下側領域Vzの両端部の2箇所
において、各陽極ベイン15は常に安定した状態で仮組
立用ピン40と圧接することができるため、仮組立用ピ
ン40が鏡面仕上げ状態で平滑な表面を有するものであ
っても図19に例示したようなピッチ寸法にずれを生じ
ない。つまり、本実施形態のマグネトロン装置の製造方
法では、複数の陽極ベイン15を陽極筒体1に等間隔に
配置することができ、安定した動作を行うマグネトロン
装置を得ることができる。
では、各陽極ベイン15の内側端面21の中央部分に設
けた凹部22により、内側端面21と仮組立用ピン40
との接触面積が従来のものに比べて減少して、仮組立用
ピン40から陽極ベイン15に作用する圧力が低減す
る。このため、陽極ベイン15の中心軸方向での上下端
部に位置する2対の均圧環17,18に作用する圧力も
従来のものに比べて低減し、ろう付けの精度を向上する
とともに、仮組立用ピン40の圧入、及び抜き取り時
に、均圧環17,18の変形やろう接外れの発生を防止
できる。さらに、陽極ベイン15が仮組立用ピン40か
ら受ける圧力は、凹部22が中心軸方向の中心部分に設
けられているので、中心軸方向での上側領域Vx、及び
下側領域Vzに分散均等化される。さらに、上側領域V
x、及び下側領域Vzには、均圧環用溝20a,20b
が設けられているので、ろう付けする際の温度上昇によ
り陽極ベイン15が膨張してもこの膨張分が均圧環用溝
20a,20bで吸収され、かかる圧力が均等に作用す
る。特に、陽極ベイン15の中央領域Vyでは、凹部2
2の深さDによる空間距離を仮組立用ピン40との間に
有しているため、陽極ベイン15の外形寸法のばらつき
や膨張が生じたとしても、仮組立用ピン40から中央領
域Vyに圧力が作用することはない。したがって、加熱
された陽極ベイン15が膨張しても、上側領域Vx、及
び下側領域Vzに作用する圧力は同程度となる。その結
果、上側領域Vx、及び下側領域Vzの両端部の2箇所
において、各陽極ベイン15は常に安定した状態で仮組
立用ピン40と圧接することができるため、仮組立用ピ
ン40が鏡面仕上げ状態で平滑な表面を有するものであ
っても図19に例示したようなピッチ寸法にずれを生じ
ない。つまり、本実施形態のマグネトロン装置の製造方
法では、複数の陽極ベイン15を陽極筒体1に等間隔に
配置することができ、安定した動作を行うマグネトロン
装置を得ることができる。
【0035】以上のように、本発明のマグネトロンの製
造方法によれば、既存の組立治具を変更することなくそ
のまま使用して仮組立からろう付けまでの工程を何等変
更することなく、陽極構体の組立精度を容易に向上でき
る。特に、高耐熱性で耐磨耗性の高いものが要求される
ため高価な仮組立用ピン40を、従来のものから変更す
ることなくそのまま使用できるので、製造コストの大幅
な上昇を防ぐことができる。
造方法によれば、既存の組立治具を変更することなくそ
のまま使用して仮組立からろう付けまでの工程を何等変
更することなく、陽極構体の組立精度を容易に向上でき
る。特に、高耐熱性で耐磨耗性の高いものが要求される
ため高価な仮組立用ピン40を、従来のものから変更す
ることなくそのまま使用できるので、製造コストの大幅
な上昇を防ぐことができる。
【0036】《第2の実施形態》図7は、本発明の第2
の実施形態であるマグネトロン装置の陽極構体の主要部
の構成を示す断面図である。この実施形態では、マグネ
トロン装置の構成において、陽極ベインの内側端面の少
なくとも一の角部に面取り加工を施した面取り部を設け
た。それ以外の各部については、第1の実施形態のもの
と同様であるのでそれらの重複した説明は省略する。図
7に示すように、本実施形態のマグネトロン装置では、
テーパー形状の面取り部26が陽極ベイン25,25’
の内側端面21の一の角部に設けられ、面取り部26が
中心軸方向の上側に配置されるように、陽極ベイン2
5,25’が陽極筒体1の内周面に固定されている。つ
まり、陽極ベイン25では、面取り部26は内側端面2
1と均圧環用溝20aを設けた端面との交叉部分である
角部に面取り加工を施すことにより形成され、陽極ベイ
ン25’では、面取り部26は内側端面21と均圧環用
溝20bを設けた端面との交叉部分である角部に面取り
加工を施すことにより形成されている。このような面取
り部26を設けることにより、本実施形態のマグネトロ
ン装置では、第1の実施形態のものに比べて仮組立用ピ
ン40と陽極ベイン25,25’との接触面積を低減す
ることができ、仮組立用ピン40から陽極ベイン25,
25’に作用する圧力を小さくすることができる。
の実施形態であるマグネトロン装置の陽極構体の主要部
の構成を示す断面図である。この実施形態では、マグネ
トロン装置の構成において、陽極ベインの内側端面の少
なくとも一の角部に面取り加工を施した面取り部を設け
た。それ以外の各部については、第1の実施形態のもの
と同様であるのでそれらの重複した説明は省略する。図
7に示すように、本実施形態のマグネトロン装置では、
テーパー形状の面取り部26が陽極ベイン25,25’
の内側端面21の一の角部に設けられ、面取り部26が
中心軸方向の上側に配置されるように、陽極ベイン2
5,25’が陽極筒体1の内周面に固定されている。つ
まり、陽極ベイン25では、面取り部26は内側端面2
1と均圧環用溝20aを設けた端面との交叉部分である
角部に面取り加工を施すことにより形成され、陽極ベイ
ン25’では、面取り部26は内側端面21と均圧環用
溝20bを設けた端面との交叉部分である角部に面取り
加工を施すことにより形成されている。このような面取
り部26を設けることにより、本実施形態のマグネトロ
ン装置では、第1の実施形態のものに比べて仮組立用ピ
ン40と陽極ベイン25,25’との接触面積を低減す
ることができ、仮組立用ピン40から陽極ベイン25,
25’に作用する圧力を小さくすることができる。
【0037】また、図8に示すように、面取り部26が
中心軸方向での下側に配置されるように、上記陽極ベイ
ン25,25’を陽極筒体1の内周面に固定する構成で
もよい。さらに、図9、及び図10に示すように、上記
2種類の陽極ベイン25,25’のうち、いずれか1種
類の陽極ベイン25,25’だけを陽極筒体1の内周面
に固定する構成でもよい。また、図11に示すように、
内側端面21の中心軸方向での上下端の両方の角部に面
取り部26を設けた陽極ベイン27を陽極筒体1の内周
面に固定する構成でもよい。図7乃至図10に示した陽
極構体では、ほぼ同じ程度の接触面積を低減する効果を
得ることができた。図8及び図11に示した陽極構体で
は、仮組立用ピン40の挿入側に面取り部26が配置さ
れているため、他のものに比べて仮組立用ピン40をさ
らに挿入しやすくなるという効果が得られた。また、在
来のマグネトロン装置の陽極構体では、一般に同一形状
の陽極ベインを上下反転して隣り合わせに配置している
が、図7及び図8に示した陽極ベイン25,25’を用
いた場合、それらの陽極ベイン25,25’を選択して
交互に配置しなくてはならない。ところが、図11に示
した陽極ベイン27を用いた場合、面取り部26が内側
端面21の上下端の両方の角部に設けられているので、
陽極ベインを選択する必要がなく、陽極構体の組立時間
を最も短縮することが可能である。さらに、上記接触面
積を最も低減することができ、かつ仮組立用ピン40の
挿入も容易なものとなり、最も実用に適したものであ
る。発明者等の実験によれば、例えば出力500W〜1
000Wの電子レンジ用のマグネトロン装置に使用する
陽極ベイン27では、内側端面21の上下端にC=0.
2〜0.6mmの面取り部26を設けた場合、マグネト
ロン装置を動作したときの第5高調波のノイズレベルを
低減することができた。
中心軸方向での下側に配置されるように、上記陽極ベイ
ン25,25’を陽極筒体1の内周面に固定する構成で
もよい。さらに、図9、及び図10に示すように、上記
2種類の陽極ベイン25,25’のうち、いずれか1種
類の陽極ベイン25,25’だけを陽極筒体1の内周面
に固定する構成でもよい。また、図11に示すように、
内側端面21の中心軸方向での上下端の両方の角部に面
取り部26を設けた陽極ベイン27を陽極筒体1の内周
面に固定する構成でもよい。図7乃至図10に示した陽
極構体では、ほぼ同じ程度の接触面積を低減する効果を
得ることができた。図8及び図11に示した陽極構体で
は、仮組立用ピン40の挿入側に面取り部26が配置さ
れているため、他のものに比べて仮組立用ピン40をさ
らに挿入しやすくなるという効果が得られた。また、在
来のマグネトロン装置の陽極構体では、一般に同一形状
の陽極ベインを上下反転して隣り合わせに配置している
が、図7及び図8に示した陽極ベイン25,25’を用
いた場合、それらの陽極ベイン25,25’を選択して
交互に配置しなくてはならない。ところが、図11に示
した陽極ベイン27を用いた場合、面取り部26が内側
端面21の上下端の両方の角部に設けられているので、
陽極ベインを選択する必要がなく、陽極構体の組立時間
を最も短縮することが可能である。さらに、上記接触面
積を最も低減することができ、かつ仮組立用ピン40の
挿入も容易なものとなり、最も実用に適したものであ
る。発明者等の実験によれば、例えば出力500W〜1
000Wの電子レンジ用のマグネトロン装置に使用する
陽極ベイン27では、内側端面21の上下端にC=0.
2〜0.6mmの面取り部26を設けた場合、マグネト
ロン装置を動作したときの第5高調波のノイズレベルを
低減することができた。
【0038】以上のように、本実施形態のマグネトロン
装置では、面取り部26を内側端面21の少なくとも一
の角部に設けた。このため、第1の実施形態のものに比
べて、陽極ベインと仮組立用ピン40との接触面積を小
さくでき、上述の陽極ベイン、及び均圧環17,18の
変形やろう接外れ、及び構成部品のばらつき等によるバ
リの発生等を更に低減することができる。
装置では、面取り部26を内側端面21の少なくとも一
の角部に設けた。このため、第1の実施形態のものに比
べて、陽極ベインと仮組立用ピン40との接触面積を小
さくでき、上述の陽極ベイン、及び均圧環17,18の
変形やろう接外れ、及び構成部品のばらつき等によるバ
リの発生等を更に低減することができる。
【0039】尚、上述の説明では、仮組立用ピン40に
面する内側端面21にテーパー形状の面取り部26を設
けた構成について説明したが、仮組立用ピン40に面す
る内側端面21の中心軸方向での寸法を短くできる構成
であれば何等テーパー形状に限定されるものでなく、例
えば円弧状の面取り部を設けた構成でもよい。さらに、
内側端面21の中心軸方向での上下端の少なくとも一方
に面取り部26を設けた構成について説明したが、内側
端面21の凹部22に面する角部に面取り部を設けた構
成でもよい。
面する内側端面21にテーパー形状の面取り部26を設
けた構成について説明したが、仮組立用ピン40に面す
る内側端面21の中心軸方向での寸法を短くできる構成
であれば何等テーパー形状に限定されるものでなく、例
えば円弧状の面取り部を設けた構成でもよい。さらに、
内側端面21の中心軸方向での上下端の少なくとも一方
に面取り部26を設けた構成について説明したが、内側
端面21の凹部22に面する角部に面取り部を設けた構
成でもよい。
【0040】次に、図12乃至図15を参照して、本発
明のマグネトロン装置のノイズ特性に関する試験結果に
ついて説明する。図12は、第5高調波でのノイズレベ
ルの測定結果を示すグラフである。図13は図16に示
した従来のマグネトロン装置での第5高調波の近傍での
ノイズ特性を示す測定結果であり、図14は第1の実施
形態のマグネトロン装置での第5高調波の近傍でのノイ
ズ特性を示す測定結果である。図15は第2の実施形態
のマグネトロン装置での第5高調波の近傍でのノイズ特
性を示す測定結果である。この試験では、第1の実施形
態の上述の実験品1と、実験品1の陽極ベインにC=
0.5mmの面取り部26を設けた第2の実施形態の実
験品2と、図16に示した従来品との3種類のマグネト
ロン装置を2,450MHzの基本周波数で動作し、そ
の第5高調波である12.25GHzとその近傍の周波
数でのノイズレベルを測定した。それというのは、この
ようなマグネトロン装置の第5高調波が、近年特に厳し
く規制されている衛星放送帯域の周波数範囲(11.7
〜12.7GHz)内にあるからであり、この試験では
CISPR(国際無線障害特別委員会)の規格を満たし
ているかどうかについて検証した。具体的には、半波長
ダイポールアンテナを基準として、11.7〜12.7G
Hzの周波数範囲における電磁波の実効放射電力を測定
し、測定結果が上記規格により定められた電波放射妨害
波の電力許容値57dB以下であるかどうかについて調
べた。その結果、実験品1、及び実験品2では、図12
のB、及びEにそれぞれ示すように、第5高調波のノイ
ズレベルの測定結果は47〜51dB、及び43〜48
dBであり、ともに許容値の57dBを下回ってCIS
PR規格を満足できた。また、実験品1に比べ面取り部
26を設けた陽極ベイン27を有する実験品2の方が第
5高調波のノイズレベルの低減に効果があることがわか
った。これに対して、図12のAに示すように、従来品
の測定結果は55〜58dBであり、CISPR規格を
満足できなかった。
明のマグネトロン装置のノイズ特性に関する試験結果に
ついて説明する。図12は、第5高調波でのノイズレベ
ルの測定結果を示すグラフである。図13は図16に示
した従来のマグネトロン装置での第5高調波の近傍での
ノイズ特性を示す測定結果であり、図14は第1の実施
形態のマグネトロン装置での第5高調波の近傍でのノイ
ズ特性を示す測定結果である。図15は第2の実施形態
のマグネトロン装置での第5高調波の近傍でのノイズ特
性を示す測定結果である。この試験では、第1の実施形
態の上述の実験品1と、実験品1の陽極ベインにC=
0.5mmの面取り部26を設けた第2の実施形態の実
験品2と、図16に示した従来品との3種類のマグネト
ロン装置を2,450MHzの基本周波数で動作し、そ
の第5高調波である12.25GHzとその近傍の周波
数でのノイズレベルを測定した。それというのは、この
ようなマグネトロン装置の第5高調波が、近年特に厳し
く規制されている衛星放送帯域の周波数範囲(11.7
〜12.7GHz)内にあるからであり、この試験では
CISPR(国際無線障害特別委員会)の規格を満たし
ているかどうかについて検証した。具体的には、半波長
ダイポールアンテナを基準として、11.7〜12.7G
Hzの周波数範囲における電磁波の実効放射電力を測定
し、測定結果が上記規格により定められた電波放射妨害
波の電力許容値57dB以下であるかどうかについて調
べた。その結果、実験品1、及び実験品2では、図12
のB、及びEにそれぞれ示すように、第5高調波のノイ
ズレベルの測定結果は47〜51dB、及び43〜48
dBであり、ともに許容値の57dBを下回ってCIS
PR規格を満足できた。また、実験品1に比べ面取り部
26を設けた陽極ベイン27を有する実験品2の方が第
5高調波のノイズレベルの低減に効果があることがわか
った。これに対して、図12のAに示すように、従来品
の測定結果は55〜58dBであり、CISPR規格を
満足できなかった。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明のマグネトロン装
置及びその製造方法によれば、陽極筒体内に組立用部材
(ピン)により圧接して同軸放射状に配列、固定される
複数の各陽極ベインにおいて、陽極筒体に固定される端
面に対向する内側端面の中央部分に所定寸法を有する凹
部を設けた。このように構成することにより、本発明の
マグネトロン装置及びその製造方法では、陽極ベインと
組立用部品との接触面積を低減し組立用部品から陽極ベ
インに作用する圧力もまた低減することができる。この
ことにより、本発明のマグネトロン装置及びその製造方
法では、既存の製造設備や組立用治具を変更することな
く、陽極ベイン、及び均圧環の変形やろう接外れ、構成
部品のばらつき等によるバリの発生、及びピッチ寸法の
ずれの発生を低減することができ、組立精度の高い陽極
構体を容易に得ることができる。その結果、本発明のマ
グネトロン装置及びその製造方法では、所定周波数のマ
イクロ波を安定して発振でき、しかも近年、特に規格の
厳しい衛星放送帯域の第5高調波でのノイズレベルを低
減できる。また、本発明のマグネトロン装置及びその製
造方法は、陽極ベインの内側端面に設けた凹部の中心軸
方向での長さが前記内側端面の中心軸方向での長さの2
0〜50%に選択、設定されている。これにより、陽極
構体の組立精度をさらに向上すると共に、マグネトロン
効率の低下を抑えることができる。さらに、本発明のマ
グネトロン装置及びその製造方法は、陽極ベインの内側
端面における中心軸方向での少なくとも一の角部に面取
り部を設けた。これにより、陽極構体の組立精度を向上
すると共に、不良品の発生率を大幅に低減できる。さら
に、所定周波数のマイクロ波を安定して発振できる共
に、第5高調波でのノイズレベルをさらに低減できる。
置及びその製造方法によれば、陽極筒体内に組立用部材
(ピン)により圧接して同軸放射状に配列、固定される
複数の各陽極ベインにおいて、陽極筒体に固定される端
面に対向する内側端面の中央部分に所定寸法を有する凹
部を設けた。このように構成することにより、本発明の
マグネトロン装置及びその製造方法では、陽極ベインと
組立用部品との接触面積を低減し組立用部品から陽極ベ
インに作用する圧力もまた低減することができる。この
ことにより、本発明のマグネトロン装置及びその製造方
法では、既存の製造設備や組立用治具を変更することな
く、陽極ベイン、及び均圧環の変形やろう接外れ、構成
部品のばらつき等によるバリの発生、及びピッチ寸法の
ずれの発生を低減することができ、組立精度の高い陽極
構体を容易に得ることができる。その結果、本発明のマ
グネトロン装置及びその製造方法では、所定周波数のマ
イクロ波を安定して発振でき、しかも近年、特に規格の
厳しい衛星放送帯域の第5高調波でのノイズレベルを低
減できる。また、本発明のマグネトロン装置及びその製
造方法は、陽極ベインの内側端面に設けた凹部の中心軸
方向での長さが前記内側端面の中心軸方向での長さの2
0〜50%に選択、設定されている。これにより、陽極
構体の組立精度をさらに向上すると共に、マグネトロン
効率の低下を抑えることができる。さらに、本発明のマ
グネトロン装置及びその製造方法は、陽極ベインの内側
端面における中心軸方向での少なくとも一の角部に面取
り部を設けた。これにより、陽極構体の組立精度を向上
すると共に、不良品の発生率を大幅に低減できる。さら
に、所定周波数のマイクロ波を安定して発振できる共
に、第5高調波でのノイズレベルをさらに低減できる。
【図1】本発明の第1の実施形態であるマグネトロン装
置の構成を示す断面図
置の構成を示す断面図
【図2】図1に示したマグネトロン装置のろう材を溶解
する前の陽極構体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜
視図
する前の陽極構体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜
視図
【図3】図1に示したマグネトロン装置のろう材を溶解
した後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図
した後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図
【図4】マグネトロン効率と長さHaに対する長さHb
の割合との関係を示すグラフ
の割合との関係を示すグラフ
【図5】図3に示した陽極ベインの変形例の構成を示す
構造図
構造図
【図6】図3に示した陽極ベインの別の変形例の構成を
示す構造図
示す構造図
【図7】本発明の第2の実施形態であるマグネトロン装
置の陽極構体の主要部の構成を示す断面図
置の陽極構体の主要部の構成を示す断面図
【図8】図7に示した陽極構体の変形例の構成を示す構
造図
造図
【図9】図7に示した陽極構体の別の変形例の構成を示
す構造図
す構造図
【図10】図7に示した陽極構体の別の変形例の構成を
示す構造図
示す構造図
【図11】図7に示した陽極構体の別の変形例の構成を
示す構造図
示す構造図
【図12】第5高調波でのノイズレベルの測定結果を示
すグラフ
すグラフ
【図13】図16に示した従来のマグネトロン装置での
第5高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
第5高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
【図14】第1の実施形態のマグネトロン装置での第5
高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
【図15】第2の実施形態のマグネトロン装置での第5
高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
高調波の近傍でのノイズ特性を示す測定結果
【図16】従来のマグネトロン装置のろう材を溶解する
前の陽極構体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜視図
前の陽極構体の主要部の構成を示す一部切り欠き斜視図
【図17】従来のマグネトロン装置のろう材を溶解した
後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図
後での陽極構体の主要部の構成を示す断面図
【図18】従来のマグネトロン装置でのバリの発生を示
す説明図
す説明図
【図19】従来のマグネトロン装置での陽極ベインのピ
ッチ寸法のずれを示す説明図
ッチ寸法のずれを示す説明図
1 陽極筒体 15,25,25’27 陽極ベイン 21 内側端面 22 凹部 26 面取り部 40 仮組立用ピン
Claims (6)
- 【請求項1】 円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内で
その中心軸の周りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒
体の中心部分に圧入されるピンにより前記陽極筒体の内
周面に圧接されてその遠端側の端面が前記内周面に固定
された複数の板状の陽極ベインを備え、 前記陽極ベインが前記ピンに接する内側端面の中央部分
に凹部を有することを特徴とするマグネトロン装置。 - 【請求項2】 前記凹部の前記中心軸方向の長さが、前
記内側端面の前記中心軸方向の長さの20〜50%とな
るよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載
のマグネトロン装置。 - 【請求項3】 前記内側端面の前記中心軸方向での少な
くとも一の角部に面取り部を設けたことを特徴とする請
求項1または請求項2に記載のマグネトロン装置。 - 【請求項4】 円筒状の陽極筒体と、前記陽極筒体内で
その中心軸の周りに放射状に配列され、かつ前記陽極筒
体の中心部分に圧入されるピンにより前記陽極筒体の内
周面に圧接されてその遠端側の端面が前記内周面に固定
された複数の板状の陽極ベインを有するマグネトロン装
置の製造方法であって、 前記陽極ベインの前記ピンに接する内側端面の中央部分
に凹部を設ける工程、及び前記陽極筒体の中心部分に前
記ピンを圧入して、前記遠端側の端面を前記陽極筒体の
内周面に圧接して固定する工程を備えたことを特徴とす
るマグネトロン装置の製造方法。 - 【請求項5】 前記凹部の中心軸方向の長さが前記内側
端面の中心軸方向の長さの20〜50%となるよう構成
する工程を備えたことを特徴とする請求項4に記載のマ
グネトロン装置の製造方法。 - 【請求項6】 前記内側端面の中心軸方向での少なくと
も一の角部に面取り部を設ける工程を備えたことを特徴
とする請求項4または請求項5に記載のマグネトロン装
置の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6156098A JPH10340682A (ja) | 1997-04-11 | 1998-03-12 | マグネトロン装置及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9-93480 | 1997-04-11 | ||
| JP9348097 | 1997-04-11 | ||
| JP6156098A JPH10340682A (ja) | 1997-04-11 | 1998-03-12 | マグネトロン装置及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10340682A true JPH10340682A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=26402608
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6156098A Pending JPH10340682A (ja) | 1997-04-11 | 1998-03-12 | マグネトロン装置及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10340682A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003518319A (ja) * | 1999-12-21 | 2003-06-03 | マルコニ アップライド テクノロジーズ リミテッド | マグネトロンアノード |
-
1998
- 1998-03-12 JP JP6156098A patent/JPH10340682A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003518319A (ja) * | 1999-12-21 | 2003-06-03 | マルコニ アップライド テクノロジーズ リミテッド | マグネトロンアノード |
| JP5007008B2 (ja) * | 1999-12-21 | 2012-08-22 | イー2ヴイ テクノロジーズ (ユーケイ) リミテッド | マグネトロンアノード |
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