JPH10340830A - 固体電解コンデンサ - Google Patents

固体電解コンデンサ

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JPH10340830A
JPH10340830A JP16523197A JP16523197A JPH10340830A JP H10340830 A JPH10340830 A JP H10340830A JP 16523197 A JP16523197 A JP 16523197A JP 16523197 A JP16523197 A JP 16523197A JP H10340830 A JPH10340830 A JP H10340830A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 巻回型のコンデンサ素子の内部に、緻密で均
一な導電性高分子からなる固体電解質層を生成し、電気
的特性に優れかつ大容量の固体電解コンデンサを得る。 【解決手段】 陽極電極箔1と陰極電極箔2とをセパレ
ータ3を介して巻回したコンデンサ素子10に、3,4
−エチレンジオキシチオフェンと、溶媒に対して40重
量%を超える濃度の酸化剤とを含浸して化学重合反応に
より生成したポリエチレンジオキシチオフェンをセパレ
ータ3で保持する。前記酸化剤により重合度が上昇し、
緻密で均一な固体電解質層が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体電解コンデ
ンサおよびその製造方法にかかり、特に導電性高分子を
電解質に用いた固体電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、タンタル、アルミニ
ウム等の弁作用金属からなるとともに微細孔やエッチン
グピットを備える陽極電極の表面に、誘電体となる酸化
皮膜層を形成し、この酸化皮膜層から電極を引き出した
構成からなる。
【0003】そして、酸化皮膜層からの電極の引出し
は、導電性を有する電解質層により行っている。したが
って、電解コンデンサにおいては電解質層が真の陰極を
担うことになる。例えば、アルミニウム電解コンデンサ
では、液状の電解質を真の電極として用い、陰極電極は
この液状電解質と外部端子との電気的な接続を担ってい
るにすぎない。
【0004】真の陰極として機能する電解質層は、酸化
皮膜層との密着性、緻密性、均一性などが求められる。
特に、陽極電極の微細孔やエッチングピットの内部にお
ける密着性が電気的な特性に大きな影響を及ぼしてお
り、従来数々の電解質層が提案されている。
【0005】固体電解コンデンサは、イオン伝導である
ために高周波領域でのインピーダンス特性に欠ける液状
の電解質の替わりに導電性を有する固体の電解質を用い
るもので、なかでも二酸化マンガンや7、7、8、8−
テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られて
いる。
【0006】二酸化マンガンからなる固体電解質層は、
硝酸マンガン水溶液に、タンタルの焼結体からなる陽極
素子を浸漬し、300℃〜400℃前後の温度で熱分解
して生成している。このような固体電解質層を用いたコ
ンデンサでは、硝酸マンガンの熱分解の際に酸化皮膜層
が破損し易く、そのため漏れ電流が大きくなる傾向が見
られ、また二酸化マンガン自体の比抵抗も高いためにイ
ンピーダンス特性において充分満足できる特性を得るこ
とは困難であった。また熱処理によるリード線の損傷も
あり、後工程として接続用の外部端子を別途設ける必要
があった。
【0007】TCNQ錯体を用いた固体電解コンデンサ
としては、特開昭58−191414号公報に記載され
たものなどが知られており、TCNQ錯体を熱溶融して
陽極電極に浸漬、塗布して固体電解質層を形成してい
る。このTCNQ錯体は、導電性が高く、周波数特性や
温度特性において良好な結果を得ることができる。
【0008】しかし、TCNQ錯体は溶融したのち短時
間で絶縁体に移行する性質があるため、コンデンサの製
造過程における温度管理が困難であるほか、TCNQ錯
体自体が耐熱性に欠けるため、プリント基板に実装する
際の半田熱により著しい特性変動が見られる。
【0009】これら二酸化マンガンやTCNQ錯体の持
つ不都合を解決するため、ポリピロール等の導電性高分
子を固体電解質層として用いることが試みられている。
【0010】ポリピロールに代表される導電性高分子
は、主に化学的酸化重合法(化学重合)や電解酸化重合
法(電解重合)により生成されるが、化学重合では、強
度の強い皮膜を緻密に生成することは困難であった。一
方、電解重合では、皮膜を生成する対象物に電圧を印加
する必要があり、そのため表面に絶縁体である酸化皮膜
層が形成された電解コンデンサ用の陽極電極に適用する
ことは困難で、酸化皮膜層の表面に、予め導電性のプレ
コート層、例えば酸化剤を用いて化学重合した導電性高
分子膜をプレコート層とし、その後このプレコート層を
電極として電解重合による電解質層を形成する方法など
が提案されている(特開昭63−173313号公報、
特開昭63−158829号公報:二酸化マンガンをプ
レコート層とする)。
【0011】しかし、予めプレコート層を形成するため
製造工程が煩雑となるほか、電解重合では、陽極電極の
被皮膜面に配置した重合用の外部電極の近傍から固体電
解質層が生成されるため、広範囲にわたって均一な厚さ
の導電性高分子膜を連続的に生成することは非常に困難
であった。
【0012】そこで、箔状の陽極電極及び陰極電極を、
セパレータを介して巻き取って、いわゆる巻回型のコン
デンサ素子を形成し、このコンデンサ素子にピロール等
のモノマー溶液と酸化剤を含浸して化学重合のみにより
生成した導電性高分子膜からなる電解質層を形成するこ
とを試みた。
【0013】このような巻回型のコンデンサ素子は、ア
ルミニウム電解コンデンサにおいて周知であるが、導電
性高分子層をセパレータで保持することで電解重合の煩
雑さを回避するとともに、併せて表面積の大きい箔状の
電極により容量を拡大させることが期待された。更に、
巻回型のコンデンサ素子を用いることで、両極の電極と
セパレータが一定の緊締力で保持され、両極の電極と電
解質層との密着性に貢献することが期待された。
【0014】しかし、モノマー溶液と酸化剤とを混合し
た混合溶液をコンデンサ素子に含浸したところ、コンデ
ンサ素子の内部にまで固体電解質層が形成されておら
ず、期待された電気的特性を得ることはできないことが
判明した。
【0015】そこで、モノマー溶液と酸化剤を別々に含
浸したり、反応の際の溶液の重合温度を低くしたとこ
ろ、ある程度良好な電気的特性が得られたが、耐圧特性
だけは不充分であるという問題点があった。その原因
は、これらの手段によっても、コンデンサ素子の端面付
近に生成された固体電解質層がそれ以降の溶液の浸透を
妨害してその内部にまで充分な溶液が浸透しておらず、
結果として緻密で均一な固体電解質層を形成するには至
っていないことが原因と考えられた。また、低温で化学
重合をする場合、厳重な温度制御が必要であるほか、製
造装置が複雑になり、結果として製品コストが高くなっ
てしまう問題点もあった。
【0016】一方で、各種の導電性高分子について検討
を重ねたところ、反応速度が緩やかで、かつ陽極電極の
酸化皮膜層との密着性に優れたポリエチレンジオキシチ
オフェン(PEDT)に着目し(特開平2−15611
号公報)、その結果、陽極電極箔と陰極電極箔とを、セ
パレータを介して巻回したコンデンサ素子に、モノマー
と酸化剤とを含浸し、その後緩やかに起きるモノマーと
酸化剤との化学重合反応で固体電解質であるポリエチレ
ンジオキシチオフェンをコンデンサ素子内部で生成させ
ることを特徴とする発明を出願した(特願平8−131
374号)。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明によれば、ポ
リエチレンジオキシチオフェンの重合反応速度が緩やか
なため、巻回型のコンデンサ素子の内部に、緻密で均一
な導電性高分子からなる固体電解質層が生成され、電気
的特性に優れかつ大容量の固体電解コンデンサを得るこ
とができる。
【0018】しかし、このようなポリエチレンジオキシ
チオフェンを固体電解質に用いた固体電解コンデンサで
あっても、なおESR特性において満足できるものでは
なかった。また、静電容量や寿命特性のバラツキもなお
大きいことから、その原因としては、ポリマーの重合度
がなお十分ではなく、コンデンサ素子内での固体電解質
が十分に緻密かつ均一に生成されていないことが考えら
れた。
【0019】この発明は、コンデンサ素子内でのポリエ
チレンジオキシチオフェンからなる固体電解質を緻密で
均一に生成することによりESR特性を向上させること
を目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明は、陽極電極箔
と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデン
サ素子に、3,4−エチレンジオキシチオフェンと溶媒
に対して40重量%を超える濃度の酸化剤とを含浸して
化学重合反応により生成したポリエチレンジオキシチオ
フェンをセパレータで保持したことを特徴としている。
また、ここで用いる溶媒は、ブタノールであり、酸化剤
はp−トルエンスルホン酸第二鉄、ドデシルベンゼンス
ルホン酸第二鉄、塩化第二鉄から選択されたことを特徴
としている。
【0021】
【発明の実施の形態】次いで、本発明の実施の形態を図
面を用いて説明する。図1は、本発明の固体電解コンデ
ンサで、アルミニウム等の弁作用金属からなり表面に酸
化皮膜層が形成された陽極電極箔1と、陰極電極箔2と
を、ビニロン繊維を主体とする不織布からなるセパレー
タ3を介して巻回してコンデンサ素子10を形成する。
そして、このコンデンサ素子10に3,4−エチレンジ
オキシチオフェンと溶媒中の酸化剤とを含浸し、コンデ
ンサ素子10中での化学重合反応により生成したポリエ
チレンジオキシチオフェンを固体電解質層5としてセパ
レータ3で保持している。
【0022】陽極電極箔1は、アルミニウム等の弁作用
金属からなり、図2に示すように、その表面を、塩化物
水溶液中での電気化学的なエッチング処理により粗面化
して多数のエッチングピット8を形成している。更にこ
の陽極電極箔1の表面には、ホウ酸アンモニウム等の水
溶液中で電圧を印加して誘電体となる酸化皮膜層4を形
成している。
【0023】陰極電極箔2は、陽極電極箔1と同様にア
ルミニウム等からなり、表面にエッチング処理のみが施
されているものを用いる。
【0024】陽極電極箔1及び陰極電極箔2にはそれぞ
れの電極を外部に接続するためのリード線6、7が、ス
テッチ、超音波溶接等の公知の手段により接続されてい
る。このリード線6、7は、アルミニウム等からなり、
陽極電極箔1、陰極電極箔2との接続部と外部との電気
的な接続を担う外部接続部からなり、巻回したコンデン
サ素子10の端面から導出される。
【0025】セパレータ3は、ビニロン繊維を主体とす
る不織布で、この他にビニロン繊維と、ガラス繊維、ポ
リエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、マニラ
紙等の紙繊維などとを混抄した不織布を用いることもで
きる。なお、上記不織布は、坪量が6〜36g/m2
繊維径5〜30μm、厚さ30〜150μm、密度0.
2〜0.5g/cm3 のものを用いている。
【0026】コンデンサ素子10は、上記の陽極電極箔
1と陰極電極箔2とを、セパレータ3を間に挟むように
して巻き取って形成している。両極電極箔1、2の寸法
は、製造する固体電解コンデンサの仕様に応じて任意で
あり、セパレータ3も両極電極箔1、2の寸法に応じて
これよりやや大きい幅寸法のものを用いればよい。
【0027】モノマーである3,4−エチレンジオキシ
チオフェンは、特開平2−15611号公報等により開
示された公知の製法により得ることができる。また、酸
化剤は、溶媒であるブタノールに溶解したp−トルエン
スルホン酸第二鉄を用いており、酸化剤はブタノールに
対して40重量%を超える濃度であると良好な結果が得
られた。その理由は明らかではないが、高濃度の酸化剤
が化学重合反応を促進して重合度を高め、結果として固
体電解質層の導電性が改善されるためと思われる。
【0028】ブタノールに対する酸化剤の配分は、40
重量%を超える濃度としたが、40重量%以下では十分
な静電容量特性やESR特性が得られない。また実質的
な上限は60重量%程度で、これを超える酸化剤は合成
が著しく困難になる。所望の特性が得られ、かつ合成も
容易な範囲としては50重量%ないし55重量%の配分
が望ましい。なお、この酸化剤におけるブタノールとp
−トルエンスルホン酸第二鉄の比率は任意でよいが、配
合比は1:3ないし1:15の範囲が好適である。
【0029】
【実施例】次に、発明における固体電解コンデンサの製
造方法と、それによって得られる固体電解コンデンサに
ついて具体的に説明する。陽極電極箔1及び陰極電極箔
2は、弁作用金属、例えばアルミニウム、タンタルから
なり、その表面には予めエッチング処理が施されて表面
積が拡大されている。陽極電極箔1については、更に化
成処理が施され、表面に酸化アルミニウムからなる酸化
皮膜層4が形成されている。この陽極電極箔1及び陰極
電極箔2を、ビニロン繊維を主体とする不織布からなる
セパレータ3を介して巻回し、コンデンサ素子10を得
る。
【0030】この実施例において、コンデンサ素子10
は、径寸法が4φ、縦寸法が7mm、また定格電圧は
6.3WV、定格静電容量は33μFのものを用いてい
る。なおコンデンサ素子10の陽極電極箔1、陰極電極
箔2にはそれぞれリード線6、7が電気的に接続され、
コンデンサ素子10の端面から突出している。
【0031】次いで、コンデンサ素子10に、3,4−
エチレンジオキシチオフェンと酸化剤とを含浸する。酸
化剤は、ブタノールに対して52重量%の配分で溶解し
たp−トルエンスルホン酸第二鉄を用い、3,4−エチ
レンジオキシチオフェンに対して酸化剤を1:5で含浸
して固体電解質であるポリエチレンジオキシチオフェン
を生成する。
【0032】このようにして陽極電極箔1と陰極電極箔
2との間に介在したセパレータ3に固体電解質層5が形
成されたコンデンサ素子10は、例えばその外周に外装
樹脂を被覆して固体電解コンデンサを形成する。
【0033】次に、実施例による固体電解コンデンサに
おいて、溶媒中の酸化剤の配合による特性の変化を示
す。ここでは、実施例によるコンデンサ素子に、酸化剤
としてブタノールに40重量%〜60重量%の配分で溶
解したp−トルエンスルホン酸第二鉄を用いた。その結
果を以下に示す。
【0034】
【0035】表1から明らかなように、溶媒に対してp
−トルエンスルホン酸第二鉄を40重量%溶解した酸化
剤では十分なESR特性が得られず、また静電容量特性
においても、定格静電容量に対して93%程度の出現率
しかない。一方、40重量%を超える濃度の酸化剤で
は、ESR特性が飛躍的に向上しており、コンデンサ素
子内の固体電解質が緻密で均一に生成されていることが
理解される。
【0036】
【発明の効果】この発明は、固体電解質として、3,4
−エチレンジオキシチオフェンと、溶媒に対して40重
量%を超える濃度の酸化剤とによる化学重合反応により
生成したポリエチレンジオキシチオフェンをセパレータ
で保持しているので、コンデンサ素子の内部における固
体電解質層が緻密かつ均一であり、その結果としてES
R特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるコンデンサ素子の分解斜視図で
ある。
【図2】本発明で用いる陽極電極箔の概念図である。
【符号の説明】
1 陽極電極箔 2 陰極電極箔 3 セパレータ 4 酸化皮膜層 5 固体電解質層 6、7 リード線 8 エッチングピット 10 コンデンサ素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータ
    を介して巻回したコンデンサ素子に、3,4−エチレン
    ジオキシチオフェンと、溶媒に対して40重量%を超え
    る濃度の酸化剤とを含浸して化学重合反応により生成し
    たポリエチレンジオキシチオフェンをセパレータで保持
    した固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 前記溶媒がブタノールである請求項1記
    載の固体電解コンデンサ。
  3. 【請求項3】 酸化剤がp−トルエンスルホン酸第二
    鉄、ドデシルベンゼンスルホン酸第二鉄、塩化第二鉄か
    ら選択された請求項1記載の固体電解コンデンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002110467A (ja) * 2000-09-29 2002-04-12 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサとその製造方法
JP2002110466A (ja) * 2000-09-29 2002-04-12 Nippon Chemicon Corp 固体電解コンデンサとその製造方法
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JP2007031488A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Showa Denko Kk 複合材料の製造方法

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