JPH1034406A - 中ぐり工具及び拡底孔の形成方法 - Google Patents

中ぐり工具及び拡底孔の形成方法

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JPH1034406A
JPH1034406A JP19591296A JP19591296A JPH1034406A JP H1034406 A JPH1034406 A JP H1034406A JP 19591296 A JP19591296 A JP 19591296A JP 19591296 A JP19591296 A JP 19591296A JP H1034406 A JPH1034406 A JP H1034406A
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blade
hole
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tool body
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JP19591296A
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Kusuo Nakatake
楠夫 中武
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • Processing Of Stones Or Stones Resemblance Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、拡底孔の深さを変化させることが
出来ると共に、該拡底孔の空間容積を大きく構成できる
中ぐり工具及び拡底孔の形成方法を提供することを可能
にすることを目的としている。 【解決手段】 側面部に二重螺旋状スリット1a,1b
を設けた筒状の工具本体1内に刃支持体2が嵌入され、
刃支持体2の先端部に工具本体1の長手方向に回動自在
に構成された一対の刃3が設けられる。中ぐり工具Aの
先端を下孔4a内に挿入し、工具本体1を回転して刃支
持体2の側面部に対角線上に突出するガイドピン2gが
工具本体1の螺旋状スリット1a,1bに係合して工具
本体1が刃支持体2に対して螺旋運動をしてスライド動
作する時、一対の刃3が開いてドーム状の拡底孔5を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ALC等の軽量コ
ンクリートや木材、ゴム、プラスチック等の比較的軟質
な部材にエキスパンションアンカーや薬剤を注入してケ
ミカルアンカーを固着する等の際に必要とされる拡底孔
を形成するための中ぐり工具と、これを用いた拡底孔の
形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】拡底孔を形成する従来の中ぐり工具とし
て、特開平4-360702号公報に開示された技術を図6
(a),(b)を用いて説明する。この工具は、図6
(a)に示すように、鋏状に形成される一対の刃51が外
筒52の小径部53内に支軸54により軸支され、該刃51の一
端に形成された突起55の斜辺56に、外筒52の他方から嵌
入された支杆57の先端に設けられた作用部材58が係合す
るようになっている。
【0003】そして、図示しない電動ドリル等を図6
(b)に示す支杆57の基端の接続部57aに接続し、基盤
59に電動ドリル等を用いて予め形成した基孔60に当接部
材61の先端面61aが基盤59の表面59aに当接するまで外
筒52を差し込む。そして、電動ドリルを回転駆動して支
杆57、外筒52及び刃51を一体的に回転しつつ支杆57を押
し込むことによって、作用部材58が刃51の一端に形成さ
れた突起55の斜辺56に当接摺動して、図6(b)に示す
ように、刃51の先端が開き、基孔60の所定位置を掘削し
て円錐台形の拡大部62が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の技術では、当接部材61の先端面61aを基盤59の表
面59aに当接した状態で、鋏状に形成される一対の刃51
を開いて円錐台形の拡大部62を形成するように構成され
るため、拡大部62を形成する際の刃51の深さ位置が一定
であるため、拡大部62の深さを変化させることが出来な
い。また、多くの部品によって構成されるため、部品コ
ストが増大すると共に、構造が複雑であるため、中ぐり
工具の組立に手間がかかる。
【0005】また、拡大部62が円錐台形状であるため、
拡大部62の空間容積が比較的小さくなり、エキスパンシ
ョンアンカーや薬剤を注入してケミカルアンカーを固着
する際に十分なスペースが確保できないという問題があ
る。
【0006】本発明は前記課題を解決するものであり、
その目的とするところは、拡底孔の深さを変化させるこ
とが出来ると共に、該拡底孔の空間容積を大きく構成で
きる中ぐり工具及び拡底孔の形成方法を提供せんとする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明に係る中ぐり工具は、一端に回転手段の把持部
を有し、他端から少なくとも中間部まで筒状とされ、且
つその筒状部に二重螺旋状のスリットを設けた工具本体
と、前記工具本体の筒状部に嵌挿すると共に、先端を突
出させてスライド自在に装着された刃支持体と、前記刃
支持体の先端部に同軸的に軸支された一対の刃とを備
え、前記刃支持体の側面から対角線上に前記工具本体の
スリットにガイドされる一対のガイドピンが突出されて
いることを特徴とする。
【0008】上記構成において、工具本体筒状部に嵌入
された刃支持体が、ガイドピンと螺旋状のスリットとの
係合により該スリットに沿って螺旋運動する(回転しつ
つ進行/後退する)。そして、刃支持体の先端部に回動
自在に軸支された一対の刃が、工具本体に対してスライ
ドする刃支持体の工具本体端部からの突出量に対応して
該刃の工具本体側面から半径方向に突出する量が、刃の
軸を中心にして円弧を描いて変化する。
【0009】即ち、刃支持体の工具本体からの突出量が
最大の時、刃は工具本体側及び工具本体と反対側(先端
側)に回動自在で、刃支持体の長手方向に沿って略直線
的に重ねて閉じることが出来、刃支持体の工具本体から
の突出量が最小の時、刃は工具本体の長手方向に対して
直交して開いた状態から工具本体と反対側(先端側)に
刃支持体の長手方向に沿って略直線的に重ねて閉じる状
態まで回動自在となっている。
【0010】また、本発明に係る拡底孔の形成方法は、
中ぐりすべき被加工材に下孔を穿設し、前記中ぐり工具
を、その一対の刃の先端が工具本体側に折り返された状
態で前記下孔内に挿入し、前記工具本体を回転手段で回
転させると共に、前記刃を拡開させて前記被加工材に拡
底孔を形成することを特徴とする。
【0011】上記構成により、先ず、中ぐりすべき被加
工材に下孔を穿設した後、工具本体の端部の把持部を電
気ドリル等の回転手段によって把持する。そして、前述
の中ぐり工具を刃支持体の工具本体からの突出量を最大
にし、且つ一対の刃の先端を工具本体側に折り返して重
ねて閉じた状態で被加工材の下孔内に挿入し、下孔の底
部に刃支持体の先端を当接させる。そして、電気ドリル
等の回転手段によって把持した工具本体を所定方向(進
行方向に対してスリットの螺旋と同方向)に回転駆動す
る。
【0012】切削時には、下孔の底部に先端が当接した
刃支持体が該下孔の底部から受ける摩擦力、或いは刃が
被加工材の下孔の側壁面に引っ掛かって係止されること
で該刃に抵抗力が作用し、刃支持体の回転が抑制され
る。そして上記摩擦力や抵抗力により刃支持体の回転は
工具本体の回転よりも遅くなる。
【0013】一方、刃支持体に突設したガイドピンは工
具本体に形成した螺旋状スリットに係合されており、上
記摩擦力や抵抗力は、ガイドピンから螺旋状スリットに
伝達されるが、工具本体は押し込まれながら回転してい
るため、ガイドピンは螺旋状スリットに沿って該螺旋状
スリットの先端側端部から後端側端部に向かって移動し
ていくことになり、上記摩擦力や抵抗力を逃がすことが
出来る。
【0014】上記移動によって工具本体は刃支持体に対
して刃の方向(進行方向)に螺旋運動をしながらスライ
ドすることになる。この時、工具本体の筒状部の先端が
刃の曲線部に当接摺動して該刃が刃支持体の先端に設け
られた軸を中心に回動して円弧を描いて開きつつ工具本
体の回転より遅れて回転し、該刃によって下孔の側面内
壁部を円弧状に掘削する。
【0015】特に、ガイドピンが係合するスリットが螺
旋状に形成されていることにより、切削中に刃にかかる
抵抗力を刃支持体のガイドピンを介して工具本体のスリ
ットにスムーズに逃がすことが出来、そのため、刃をス
ムーズに開かせることが出来るようになっている。
【0016】そして、刃支持体の工具本体からの突出量
が最小になった時、刃は工具本体に対して直交して開く
と共に、刃の直線部が下孔の底部に到達した状態とな
り、下孔の底部部位にドーム形状(半球状)の拡底孔が
形成される。
【0017】ここで、更に工具本体を被加工材に対して
回転させつつ押し込むことで、工具本体に対して直交し
て開いた刃の直線部により、前記ドーム形状の拡底孔の
深さを更に延長して釣鐘状の拡底孔を形成することが出
来る。
【0018】所定の拡底孔を形成した後、回転手段の回
転を停止させて拡底孔から工具本体を引き抜くと、拡底
孔を形成した被加工材の入口側曲面部に刃の曲線部が当
接摺動して該刃が工具本体と反対側(先端側)に刃支持
体の長手方向に沿って略直線的に重なって閉じ、拡底孔
を形成した被加工材から引き出すことが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】図により本発明に係る中ぐり工具
及び拡底孔の形成方法の一実施形態を具体的に説明す
る。図1は本発明に係る中ぐり工具の構成を示す側断面
説明図、図2(a)は筒状で構成される工具本体の構成
を示す側断面説明図、図2(b)は工具本体の左断面
図、図2(c)は工具本体側面に設けられた二重螺旋状
のスリットの構成を説明する図、図3(a)は刃支持体
の構成を示す平面図、図3(b)は刃支持体の構成を示
す正面図、図3(c)は一対で用いられる刃の形状を示
す正面図、図3(d)はガイドピンの構成を示す側面
図、図4(a)は被加工材に下孔を穿設する様子を示す
図、図4(b)は下孔に本発明に係る中ぐり工具を挿入
した様子を示す図、図4(c)は本発明に係る中ぐり工
具によりドーム状の拡底孔を形成する様子を示す図、図
4(d)は本発明に係る中ぐり工具を拡底孔から引き抜
く様子を示す図、図5は拡底孔の深さを延長して釣鐘状
の拡底孔を形成する様子を示す図である。
【0020】先ず、図1〜図3を用いて本発明に係る中
ぐり工具の構成を詳細に説明する。図1は本発明に係る
中ぐり工具Aの全体構成を示す図であり、円筒形状で構
成された工具本体1の内部に円柱形状で構成された刃支
持体2が先端部を突出させてスライド自在に嵌入して装
着され、刃支持体2の先端部に一対の刃3が同軸的に回
動自在に軸支されている。
【0021】図2〜図3は中ぐり工具Aを構成する各部
品の構成を示す。図1及び図2(a),(b)に示すよ
うに、工具本体1は、全体に亘って円筒形状で構成され
ており、例えば、全長100mm、外径10mm、内径8mm
でステンレス等の材質で構成される。
【0022】前記工具本体1の略中央部には、図2
(c)に示すように一対の二重螺旋状スリット1a,1
bが穿設されており、該螺旋状スリット1a,1bは、
図1の右から左方向に向かって右回りの螺旋曲線を描い
て形成されている。
【0023】前記工具本体1の長尺方向において、螺旋
状スリット1a,1bが形成された幅寸法L1 は、図3
(c)に示す刃3の長尺方向の長さ寸法L2 に対応して
形成されており、この刃3の長尺方向の長さ寸法L
2 は、図4(c)に示して後述するドーム形状の拡底孔
5の外周径の大きさに対応して設定される。本実施形態
では、前記刃3の長尺方向の長さ寸法L2 を20mmに構
成している。
【0024】図3(a),(b)に示す刃支持体2は、
外径が工具本体1の内径に対応すると共に、該内径より
も僅かに小さい外径を有する円柱形状でステンレス等の
材質で構成され、該刃支持体2が工具本体1内部に嵌入
されてスライド自在になっている。
【0025】刃支持体2の先端部には、刃3の長尺方向
の長さ寸法L2 に対応する寸法を有して刃支持体2の長
さ方向に形成された刃収容スリット2aが設けてあり、
該刃収容スリット2aの刃支持体2本体側の端部には、
刃3の曲線部3aの形状に対応する傾斜面2bが形成さ
れている。
【0026】刃支持体2の刃収容スリット2aにより分
離された一対の刃支持部2cの先端には、刃支持体2の
径方向に孔2dが形成されており、該孔2dに嵌挿され
る固定ピン2eにより、一対の刃3が同軸的に回動自在
に軸支される(図1参照)。
【0027】刃支持体2の後端部には、刃支持体2の径
方向に孔2fが形成されており、工具本体1の側面外側
から螺旋状スリット1a,1bを介して対角線上に、図
3(d)に示す一対のガイドピン2gが前記孔2fに嵌
入されて固定され突設される。前記ガイドピン2gは、
例えば2.6×8のビス等で構成され、ネジ孔2fに螺
合して突設することが出来る。
【0028】これにより、一対のガイドピン2gが螺旋
状スリット1a,1bに沿って移動することで、刃支持
体2が工具本体1に対して螺旋運動をして移動する(回
転しつつ進行/後退する)。
【0029】刃支持体2に対して回動自在に軸支される
一対の刃3は、図3(c)に示すように、曲線部3aと
直線部3bとを有して先端部3dが尖鋭形状で構成され
ており、刃3の後端部には孔3cが形成されている。そ
して、刃支持体2の刃収容スリット2a内に2枚の刃3
を互いに表裏反対に重ねて挿入し、各刃3の孔3c及び
刃支持部2cの孔2dに固定ピン2eを貫通して嵌挿
し、固定ピン2eを刃支持部2cに固定することで、図
1に示すように、一対の刃3が表裏反対向きに刃支持体
2に対して回動自在に軸支される。
【0030】上記の如く構成された中ぐり工具Aを用い
て、ALCパネル等の軽量コンクリートや木材、ゴム、
プラスチック等の比較的軟質な部材で構成される被加工
材4に拡底孔5を形成する方法を図4(a)〜(d)を
用いて詳細に説明する。
【0031】先ず、図4(a)に示すように、例えば、
電気ドリルに把持した10mmのドリル歯6により被加工
材4に所定の深さの下孔4aを開孔する。
【0032】中ぐり工具Aの工具本体1の後端部は、回
転手段となる電動ドリル等のチャックに把持される把持
部1cとなっており、該把持部1cを例えば図示しない
電気ドリルのチャックにより把持する。
【0033】一方、中ぐり工具Aの一対の刃3は、螺旋
状スリット1a,1bの先端側端部1a1 ,1b1 にガイド
ピン2gが位置して刃支持体2が工具本体1から最大突
出した状態で、刃支持体2に対して略360°回動自在
になっており、該一対の刃3を図4(b)に示す状態、
即ち、一対の刃3の先端部3dを工具本体1側に折り返
して重ねて閉じ、刃3の曲線部3aが刃支持体2の傾斜
面2bに当接した状態で、電気ドリルに把持した中ぐり
工具Aを被加工材4に開孔した下孔4a内に挿入し、下
孔4aの底面4bに刃支持体2の刃支持部2cの先端2
hを当接させる。
【0034】次に、図示しない電気ドリルのチャックに
より把持した工具本体1を、図4(b)の右から左方向
(中ぐり工具Aを被加工材4の下孔4aに押し込む方
向)に向かって右回りに回転させることで、工具本体1
及び刃支持体2が進行方向(図4(b)の右から左方
向)に向かって右回りに回転しようとする。
【0035】この時、刃支持体2の刃支持部2cの先端
2hが下孔4aの底面4bから受ける摩擦力、或いは、
刃3が被加工材4の下孔4aの側壁面4cに引っ掛かっ
て係止される抵抗力により、刃支持体2の回転が抑制さ
れる。これ等の摩擦力や抵抗力により刃支持体2の回転
は、工具本体1の回転よりも遅くなる。
【0036】上記摩擦力や抵抗力はガイドピン2gから
螺旋状スリット1a,1bに伝達されるが、工具本体1
は押し込まれながら回転しているため、ガイドピン2g
は螺旋状スリット1a,1bに沿って該螺旋状スリット
1a,1bの先端側端部1a1,1b1 から後端側端部1a2
,1b2 に向かって移動する。この螺旋移動によって、
上記摩擦力や抵抗力を逃がすことが出来る。
【0037】そして、工具本体1が回転を抑制された刃
支持体2に対して進行方向(図4(b)の右から左方
向)に向かって右回りに回転し、螺旋状スリット1a,
1bとガイドピン2gとの係合により、工具本体1が刃
支持体2に対して図4(b)の右から左方向に向かって
右回転しつつ進行する螺旋運動を行なう。
【0038】この時、工具本体1の先端1dが一対の刃
3の夫々の曲線部3aに当接しつつ刃支持体2に対して
図4(c)の左方向に移動し、これによって、一対の刃
3が固定ピン2eを中心に図4(c)の矢印で示す左方
向に回動しつつ図4(c)の右から左方向に向かって右
回りに回転して円弧を描いて開き、刃3が被加工材4の
下孔4aの側壁面4cに食い込んで該刃3及び刃支持体
2の回転が抵抗力を受ける。
【0039】この抵抗力により刃支持体2と工具本体1
との螺旋運動のスライドが抑制され、刃支持体2と工具
本体1とが一体となって該工具本体1に付与された回転
駆動力が刃支持体2に伝達される。そして、工具本体1
の回転駆動力の方が、刃3が被加工材4の下孔4aの側
壁面4cに食い込んで該刃3及び刃支持体2の回転を抑
制しようとする抵抗力に勝って刃3が被加工材4の下孔
4aの側壁面4cを切削し、前述のように、工具本体1
が刃支持体2に対して螺旋運動してスライドし、一対の
刃3が更に開く。
【0040】この一連の動作の間に一対の刃3によって
被加工材4の下孔4aの側壁部が図4(c)に示すよう
に、円弧状に切削され、刃支持体2の工具本体1からの
突出量が最小になった時、ガイドピン2gは螺旋状スリ
ット1a,1bの後端側端部1a2 ,1b2 に位置し、一対
の刃3は工具本体1に対して直交して開くと共に、一対
の刃3の直線部3bが下孔4aの底面4bに到達した状
態となり、下孔4aの底部部位にドーム形状(半球状)
の拡底孔5が形成される(図4(c)参照)。
【0041】上述のように、工具本体1に形成した二重
螺旋状スリット1a,1bに刃支持体2に設けたガイド
ピン2gが係合して、該工具本体1が刃支持体2に対し
て螺旋運動をしてスライド可能に構成したことで、拡底
孔5の切削中に刃3にかかる抵抗力をスムーズに逃がす
ことが出来、そのため刃3をスムーズに開かせることが
出来るようになっている。
【0042】即ち、拡底孔5の切削中に刃3にかかる抵
抗力は、ガイドピン2gから螺旋状スリット1a,1b
に伝達されるが、工具本体1は押し込まれながら回転し
ているため、ガイドピン2gは螺旋状スリット1a,1
bに沿って該螺旋状スリット1a,1bの先端側端部1a
1 ,1b1 から後端側端部1a2 ,1b2 に向かって移動して
いくことになり、上記抵抗力を逃がすことが出来る。
【0043】特に、ガイドピン2gが係合するスリット
が螺旋状に形成されていることにより、切削中に刃3に
かかる抵抗力を刃支持体2のガイドピン2gを介して工
具本体1のスリットにスムーズに逃がすことが出来、そ
のため、刃3をスムーズに開かせることが出来るように
なっている。
【0044】そして、ドーム形状の拡底孔5を形成した
後、図示しない電気ドリル等の回転手段の回転を停止さ
せて工具本体1を拡底孔から引き抜くと、拡底孔5が形
成された後の被加工材4の入口側曲面部4dに一対の刃
3の曲線部3aが当接摺動して、該一対の刃3が工具本
体1と反対側(先端側)に刃支持体2の長手方向に沿っ
て略直線的に重なって閉じ、拡底孔5を形成した被加工
材4から引き出すことが出来る(図4(d)参照)。
【0045】ここで、図4(c)の状態から、更に工具
本体1を被加工材4に対して進行方向(図4(c)の右
から左方向)に押し込むことで、工具本体1に対して直
交して開いた一対の刃3の直線部3bにより、前記ドー
ム状の拡底孔5の深さを更に延長して釣鐘状の拡底孔7
を形成することが出来る(図5参照)。
【0046】尚、前記実施形態では、工具本体1の側面
部に形成した螺旋状スリット1a,1bが、図4(b)
の右から左方向(中ぐり工具Aを被加工材4の下孔4a
に押し込む方向)に向かって右回りの螺旋曲線を描いて
形成された場合について説明したが、他の構成として、
工具本体1の側面部に二重螺旋状のスリットを、図4
(b)の右から左方向に向かって左回りの螺旋曲線を描
いて形成し、図示しない電気ドリルのチャックにより把
持した工具本体1を、図4(b)の右から左方向に向か
って左回りに回転させることで、工具本体1及び刃支持
体2を進行方向(図4(b)の右から左方向)に向かっ
て左回りに回転して前述と略同様にして拡底孔5,7を
形成することでも良い。
【0047】また、前記実施形態では、工具本体の全体
が筒状に形成された場合の一例について説明したが、他
の構成として、工具本体の一端部が柱状で形成されて回
転手段の把持部を構成し、該工具本体の他端から少なく
とも中間部までが筒状に形成され、その筒状部に前述の
二重螺旋状のスリットを設けて構成しても良い。
【0048】
【発明の効果】本発明は、事前に被加工材に所定の深さ
の下孔を開孔させておき、上述の如く構成した中ぐり工
具を用いて拡底孔を形成することで、拡底孔の深さを自
由に変化させることが出来、更には、拡底孔がドーム形
状若しくは釣鐘形状で形成できるので、拡底孔の空間容
積が比較的大きく構成でき、エキスパンションアンカー
や薬剤を注入してケミカルアンカーを固着する際に十分
なスペースが確保出来る。
【0049】また、中ぐり工具を構成する部品構成が比
較的簡単であるため、中ぐり工具の製造コストを低減す
ることが出来る。
【0050】また、前記中ぐり工具を用いて拡底孔を形
成する際の形成方法が比較的簡便であるので拡底孔の形
成手間が低減出来る。
【0051】また、工具本体に設けた二重螺旋状のスリ
ットに、一対の刃を支持する刃支持体に設けたガイドピ
ンが係合して螺旋運動するように構成したことで、被加
工材を切削する際に刃にかかる抵抗力をスムーズに逃が
すことが出来ると共に、一対の刃をスムーズに開閉させ
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中ぐり工具の構成を示す側断面説
明図である。
【図2】(a)は筒状で構成される工具本体の構成を示
す側断面説明図、(b)は工具本体の左断面図、(c)
は工具本体側面に設けられた二重螺旋状のスリットの構
成を説明する図である。
【図3】(a)は刃支持体の構成を示す平面図、(b)
は刃支持体の構成を示す正面図、(c)は一対で用いら
れる刃の形状を示す正面図、(d)はガイドピンの構成
を示す側面図である。
【図4】(a)は被加工材に下孔を穿設する様子を示す
図、(b)は下孔に本発明に係る中ぐり工具を挿入した
様子を示す図、(c)は本発明に係る中ぐり工具により
ドーム状の拡底孔を形成する様子を示す図、(d)は本
発明に係る中ぐり工具を拡底孔から引き抜く様子を示す
図である。
【図5】拡底孔の深さを延長して釣鐘状の拡底孔を形成
する様子を示す図である。
【図6】従来例を示す図である。
【符号の説明】
A…中ぐり工具 1…工具本体 1a,1b…螺旋状スリット 1a1 ,1b1 …先端側端部 1a2 ,1b2 …後端側端部 1c…把持部 1d…先端 2…刃支持体 2a…刃収容スリット 2b…傾斜面 2c…刃支持部 2d…孔 2e…固定ピン 2f…孔 2g…ガイドピン 2h…先端 3…刃 3a…曲線部 3b…直線部 3c…孔 3d…先端部 4…被加工材 4a…下孔 4b…底面 4c…側壁面 4d…入口側曲面部 5…拡底孔 6…ドリル歯 7…拡底孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に回転手段の把持部を有し、他端か
    ら少なくとも中間部まで筒状とされ、且つその筒状部に
    二重螺旋状のスリットを設けた工具本体と、前記工具本
    体の筒状部に嵌挿すると共に、先端を突出させてスライ
    ド自在に装着された刃支持体と、前記刃支持体の先端部
    に同軸的に軸支された一対の刃とを備え、前記刃支持体
    の側面から対角線上に前記工具本体のスリットにガイド
    される一対のガイドピンが突出されていることを特徴と
    する中ぐり工具。
  2. 【請求項2】 中ぐりすべき被加工材に下孔を穿設し、
    請求項1に記載の中ぐり工具を、その一対の刃の先端が
    工具本体側に折り返された状態で前記下孔内に挿入し、
    前記工具本体を回転手段で回転させると共に、前記刃を
    拡開させて前記被加工材に拡底孔を形成することを特徴
    とする拡底孔の形成方法。
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