JPH103464A - プロセス状態認識方法、プロセス状態認識装置及びデータ蓄積装置並びに学習装置 - Google Patents

プロセス状態認識方法、プロセス状態認識装置及びデータ蓄積装置並びに学習装置

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JPH103464A
JPH103464A JP8154205A JP15420596A JPH103464A JP H103464 A JPH103464 A JP H103464A JP 8154205 A JP8154205 A JP 8154205A JP 15420596 A JP15420596 A JP 15420596A JP H103464 A JPH103464 A JP H103464A
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class
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JP8154205A
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Takeshi Terasaki
健 寺崎
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Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Fuji Facom Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセスの状態監視には、特殊なデータ解析
や専門家の知識が必要である。プロセスデータの変化傾
向の認識やその修正、変更、定性表現が困難であり、専
門家にとって大きな負担となる。 【解決手段】 時系列プロセスデータの時間的な変化傾
向に基づいて特徴ベクトルの列を生成する特徴抽出処
理、前記特徴ベクトルに類似する参照ベクトルを検索す
るベクトル検索処理、前記参照ベクトルに対応するクラ
ス列を特徴ベクトルクラス列としてこれに対応する定性
表現を検索する定性表現検索処理、前期定性表現を類似
度を付して出力する処理等を実行する処理装置100
と、入力装置200及び出力装置300と、前期参照ベ
クトルが、対応するクラス及び発火領域半径と共に格納
された参照ベクトル辞書510と、特徴ベクトルクラス
列が、対応する定性表現と共に格納された定性表現辞書
520とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラントの状態や
制御状況等を監視するプラント状態監視システムや、プ
ラントの状態制御を行うプラント状態制御システム等に
適用されるプロセス状態認識方法、及び、この認識方法
の実施に直接使用されるプロセス状態認識装置、データ
蓄積装置並びに学習装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
プラントの運転監視形態は、アナログ式のパネル計器を
用いた運転監視から、分散形制御システムを用いる方向
に変わりつつある。分散形制御システムによるプラント
のプロセス監視は、プロセスの状態監視に関する専門的
知識に精通した数人の熟練運転員によって行われるのが
普通であるが、その専門的知識をもって異常兆候をとら
えるべくすべてのプロセスデータを常時監視すること
は、一分散形制御システムが管理するプロセスデータの
膨大さゆえに極めて困難である。
【0003】また、最近の熟練運転者の減少傾向は、プ
ラントの運転監視形態の変化に拍車をかけていると思わ
れる。プロセスデータの時間的変化傾向とプロセス状態
との関係についての専門的知識を非熟練者に修得させる
としても、相当の時間が必要である。
【0004】上記の点に鑑み、一般にこれらの専門的知
識、例えばプロセスデータごとの時間的変化傾向の捉え
方を書類等の形式で予め整理しておくことが考えられ
る。しかし、一般にこれらの情報量は膨大であり、ま
た、プロセスごとに生じる微妙な違いで変化傾向の捉え
方が不適当であるときに、その都度、利用者自身が捉え
方を任意に修正変更したりすることは難しいといった問
題がある。
【0005】加えて、過去に獲得したプロセスデータの
時間的変化傾向の捉え方を再利用するためにも、書類な
どの何らかの形で記録しておかなくてはならないが、こ
れらの記録作業には多くの労力が必要である。仮に、経
験やノウハウに基づくプロセスデータの変化傾向の捉え
方を知識ベースとして作成する場合でも、プロセスごと
の微妙な違いが生じた場合、その都度、対象とするプロ
セスについて整理し直すことが求められ、これらは専門
家にとって大きな負担となっている。特に、他の者に先
駆けて最初にプロセスデータの変化傾向の捉え方を整理
する専門家の負担は極めて大きなものであった。
【0006】なお、他の従来技術として、 (1)特開平1−300397号公報 突変判定装置、レベル判定装置、不動判定装置を備え、
これら三つの判定装置からのプロセス信号の変動特性を
監視してプラントの異常を監視するプロセス信号多重監
視装置。 (2)特開平6−20173号公報 プロセス状態値が時間経過に伴って変化していく様子を
記号化情報として編集し表示出力するプロセス情報表示
システム。 (3)特開平3−25601号公報 制御系の入出力信号に基づき制御系の安定性を判別し、
その判別結果に応じて制御系を調整すると共に、安定性
判別手段に判別結果を適正化する学習機能を持たせたプ
ロセス制御装置。
【0007】(4)特開平3−166601号公報 プロセス状態の時系列な変化パターンの特徴量を曖昧な
記号に変換する記号化部と、これを用いるプロセス制御
装置等。 (5)特開平5−52606号公報 プロセス状態量のヒストリカルデータを所定周期により
抽出し、その変化パターンを文字列により表現して運転
員に報告するプラント監視システム。 (6)特願平7−87605号 プロセス状態認識方法、プロセス状態認識装置及びデー
タ蓄積装置並びに学習装置等が知られている。
【0008】しかるに、これらの従来技術は、いずれも
本発明が目指す理想的なプラント状態監視またはプロセ
ス状態認識の部分的な機能を有するのみであり、プロセ
ス状態認識機能、プロセス状態を定性表現するための学
習機能、学習のためのデータ蓄積機能等を一体的に結合
させたものは未だに提供されていない。
【0009】本発明は、上述したようなプロセスデータ
の状態変化の監視に関する種々の問題を解決するために
なされたもので、利用者に代わってプロセスデータの時
間的変化を監視すると共に、その変化傾向等を常時監視
して異常兆候を早期に発見でき、また、対象とする領域
固有の言葉により通知するべき定性表現の内容を設定変
更することが可能であり、特殊なデータ解析や専門家の
知識を必要とすることなく定性表現を抽出して利用者が
希望する形で類似度付きの定性表現を出力することがで
きるプロセス状態認識方法及びその実施に直接使用され
るプロセス状態認識装置を提供しようとするものであ
る。
【0010】更に、本発明は、上記プロセス状態認識方
法の実施に直接使用される装置として、仮にプロセス変
数ごとにプロセスデータの変化傾向が微妙に異なる場合
でも、その変化傾向の把握に使用する参照ベクトル辞書
や定性表現辞書の内容を学習処理により自動的に洗練可
能とした学習装置、及び、この学習処理に使用されるデ
ータを蓄積するデータ蓄積装置を提供しようとするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載のプロセス状態認識方法は、時系列プ
ロセスデータの時間的な変化傾向に基づいて特徴ベクト
ルの列を生成する特徴抽出処理と、この特徴抽出処理に
より得られた前記特徴ベクトルと参照ベクトル辞書内の
複数の参照ベクトルとの類似度を計算し、類似度が高い
参照ベクトルを検索するベクトル検索処理と、このベク
トル検索処理により得られた前記参照ベクトルに対応す
るクラス(類似度がしきい値以上で、類似度の高い順か
ら上位の任意個数を抽出)の列を特徴ベクトルクラス列
として、この特徴ベクトルクラス列に対応する定性表現
を検索する定性表現検索処理と、この定性表現検索処理
により得られた定性表現を類似度を付して出力する出力
処理とを有するものである。
【0012】請求項2記載のプロセス状態認識装置は、
請求項1記載の特徴抽出処理、ベクトル検索処理、定性
表現検索処理及び出力処理を実行し、かつ、必要に応じ
て前記参照ベクトル及び定性表現の修正等の編集処理を
実行する処理装置と、前記各処理動作に伴う入力操作を
行う入力装置と、前記出力処理に使用される出力装置
と、前記ベクトル検索処理において特徴ベクトルと比較
される参照ベクトルが、対応するクラス及び発火領域半
径と共に格納された参照ベクトル辞書と、前記特徴ベク
トルクラス列が、対応する定性表現と共に格納された定
性表現辞書とを備えたものである。
【0013】これらの請求項1及び請求項2記載の発明
においては、プラント等の測定点における時系列プロセ
スデータについてその時間的変化傾向の数値化を逐次行
い、そこで得られる特徴ベクトルに基づき時間的変化傾
向のクラス列(属性値列)を求め、このクラス列に基づ
いて変化傾向を表すのに適当な定性表現を辞書から検索
する。そして、この検索結果に応じて、時系列プロセス
データの時間的変化傾向を表す類似度付きの定性表現及
び必要に応じて関連情報を出力装置から出力する。
【0014】請求項3記載のデータ蓄積装置は、請求項
2記載のプロセス状態認識装置の出力装置により出力さ
れた定性表現について、その通知日時と、当該定性表現
のプロセス変数と、このプロセス変数の前記通知日時ま
での時系列プロセスデータの時間的変化傾向に基づき生
成される特徴ベクトルに関する情報と、当該定性表現に
関する情報と、当該定性表現に代えて提示を希望する定
性表現とを、通知履歴データとして蓄積するものであ
る。この発明では、請求項1及び請求項2の発明により
出力される類似度付きの定性表現の通知時刻等の関連情
報を学習用のデータとして蓄積する。
【0015】請求項4記載の学習装置は、請求項3記載
のデータ蓄積装置により蓄積された通知履歴データを用
い、時系列プロセスデータの時間的変化傾向に対して利
用者の意図に一致した定性表現が得られるように、前記
参照ベクトルの移動及び発火領域半径の修正を行う学習
処理を実行するものである。
【0016】請求項5記載の学習装置は、請求項3記載
のデータ蓄積装置により蓄積された通知履歴データを用
い、時系列プロセスデータの時間的変化傾向に対して利
用者の意図に一致した定性表現が得られるように、前記
参照ベクトルを自動的に生成する学習処理を実行するも
のである。
【0017】請求項6記載の学習装置は、請求項3記載
のデータ蓄積装置により蓄積された通知履歴データを用
い、時系列プロセスデータの時間的変化傾向に対して利
用者の意図に一致した定性表現が得られるように、前記
参照ベクトルを自動的に消滅させる学習処理を実行する
ものである。
【0018】これら請求項4〜6記載の発明では、請求
項3のデータ蓄積装置により蓄積されたデータを用いて
学習処理を実行し、定性表現の検索時に利用される参照
ベクトル辞書内の参照ベクトルの移動、生成、消去並び
に発火領域半径の更新を行う。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。まず、図1〜図8に基づいて請求項1,
2記載の発明の実施形態を説明する。図1はプロセス状
態認識装置の構成を示しており、100は計算機からな
る処理装置であって、プロセス状態認識プログラムを備
えている。
【0020】500は用語辞書であり、この用語辞書5
00は参照ベクトル辞書510と定性表現辞書520と
からなっている。参照ベクトル辞書510には、後述す
る図5に示すように参照ベクトルの成分と発火領域半径
とを前件部に有し、各参照ベクトルの属性値(以下、ク
ラスとも称し、データの変化具合を表すものとする)を
後件部に有する複数の組み合わせが格納されている。な
お、各クラスに属する参照ベクトルから算出したベクト
ル成分の重心も格納されている。
【0021】定性表現辞書520には、後述する図8
(c)に示すように、前記属性値の列(以下、特徴ベク
トルクラス列とも称す)を前件部に有し、プロセスデー
タの変化傾向を示す定性表現を後件部に有する組み合わ
せが多数格納されている。なお、定性表現辞書520の
前件部において、特徴ベクトルクラス列の長さ(以下、
クラス列定義長とも称し、特徴ベクトルクラス列を構成
するクラスの個数を表すものである)に関する設定基準
(最大数等)は利用者が任意に設定可能である。
【0022】再び図1に戻って、処理装置100は、プ
ラントの測定点から時系列プロセスデータが入力される
と、そのデータの変化傾向について特徴を抽出する処理
を行い、時系列プロセスデータの変化傾向として抽出し
た特徴(参照ベクトル辞書510のクラスにより表現さ
れた属性値列)と定性表現辞書520との前件部とを照
合し、両者が一致したら検索結果として後件部の定性表
現を出力装置300に出力する。なお、用語辞書500
の内容の設定や変更、編集処理に必要なデータは入力装
置200により入力される。
【0023】以下、処理装置100における処理の詳細
を説明する。始めに、時系列プロセスデータの特徴抽出
処理の詳細を、図2〜図4に基づいて説明する。まず、
連続量として得られる時系列プロセスデータの変化分
(dy/dt)を離散化するため、プロセス変数の時系
列データy(t)の、時刻tと時刻(t−Δt)におけ
る値から時刻tにおける差分値eを数式1により求め
る。ここで、Δtはプロセス変数ごとのサンプリング間
隔である。
【0024】
【数1】e=y(t)−y(t−Δt)
【0025】次に、上記差分値eに基づいて前記変化分
(dy/dt)についての定性値を求める処理を行う。
まず、処理対象であるプロセスデータについて差分値e
の絶対値が、図2に示すプロセス変数テーブル400に
設定されているしきい値α1の絶対値を超え、かつ、差
分値eが正の値であれば定性値として上昇[+]を与え
る。
【0026】また、差分値eの絶対値がプロセス変数テ
ーブル400に設定されているしきい値α2の絶対値を
超え、かつ、差分値eが負の値であれば定性値として下
降[−]を与える。ここで、しきい値αの数を増やせば
定性値の種類を増やすことができる。なお、上述した上
昇、下降以外の場合には、定性値を平衡[0]とする。
例えば、時系列プロセスデータY(t)が図3(a)の
ように変化する場合、変化分(dy/dt)の定性値は
図3(a)の下段に示すようになる。
【0027】次に、上記処理により求めた時系列プロセ
スデータの変化分(dy/dt)に関する定性値につい
て、時間経過に伴い連続して変化しなかった部分を、次
の統合規則(1)〜(3)に基づいて一つにまとめる処
理を行う。なお、この処理の結果は図3(b)に示され
ている。
【0028】(1)1個以上の連続した[+]は、その
連続回数を後述の特徴ベクトルの生成処理に用いるため
に保持しておくと共に、一つの[+]とする。 (2)1個以上の連続した[−]は、その連続回数を後
述の特徴ベクトルの生成処理に用いるために保持してお
くと共に、一つの[−]とする。 (3)1個以上の連続した[0]は、その連続回数を後
述の特徴ベクトルの生成処理に用いるために保持してお
くと共に、一つの[0]とする。
【0029】次いで、変化分(dy/dt)についての
定性値の符号の変わり目を図3(a)のごとく特徴点と
し、図3(c)におけるa1〜a6のように時系列プロセ
スデータを特徴点により分割されたベクトル系列により
表現する。このベクトル系列は、例えば横軸方向が時間
経過を表し、縦軸方向が時系列プロセスデータの値を表
すようなユークリッド平面上で表現したものである。
【0030】ここで、特徴点は以下のような定性値の符
号変化点とする。 ・[+]→[−]:上昇傾向から下降傾向への変化点 ・[+]→[0]:上昇傾向から不変(平衡、一定)へ
の変化点 ・[−]→[+]:下降傾向から上昇傾向への変化点 ・[−]→[0]:下降傾向から不変(平衡、一定)へ
の変化点 ・[0]→[+]:不変(平衡、一定)から上昇傾向へ
の変化点 ・[0]→[−]:不変(平衡、一定)から下降傾向へ
の変化点
【0031】上記のような定性値の符号変化点が検出さ
れた場合、今回特徴点として記録されていた時刻を前回
特徴点の時刻として置き換えると共に、時刻(t−Δ
t)を今回特徴点の時刻として保存する。併せて、今回
値として記録されていた値を前回値に置き換え、時刻
(t−Δt)でのプロセスデータの値を今回値として保
存する。
【0032】これらの各データの関係を示すと、以下の
ようになる。 ・今回特徴点の時刻→前回特徴点の時刻 ・時刻(t−Δt)→今回特徴点の時刻 ・今回値→前回値 ・時刻(t−Δt)におけるプロセスデータの値→今回
【0033】更に、特徴点と判別された場合、(プロセ
ス値の)前回値と今回値とに基づいて、プロセスデータ
の特徴ベクトル(ΔX,ΔY)を作成する処理を行う。
なお、今回特徴点の時刻とΔtごとに変化する現時刻と
に基づいて、直近の特徴ベクトルは逐次、作成される。
【0034】図4は、特徴ベクトルの作成過程を示して
いる。以下の説明では、クラス列定義長の最大数が利用
者により4と設定され、かつ、定性表現辞書520内の
前件部に設定される特徴ベクトルクラス列の長さも最大
数が4であるとする。
【0035】ここで、特徴ベクトルの一方の成分である
ΔXは、今回特徴点の時刻と前回特徴点の時刻との差Δ
t’の、プロセス変数テーブル400に登録されている
最大変化分設定値ΔX100(+方向の変化の場合)、また
はΔX-100(−方向の変化の場合)に対する比、特徴ベ
クトルの他方の成分であるΔYは、今回特徴点でのプロ
セスデータの値と前回特徴点でのプロセスデータの値と
の差Δyの、プロセス変数テーブル400に登録されて
いる最大変化分設定値ΔY100(+方向の変化の場合)、
またはΔY-100(−方向の変化の場合)に対する比であ
る。つまり、プロセスデータの値は、参照ベクトル辞書
の座標系を構成するΔx成分とΔy成分に、数式2に基
づいてそれぞれリスケーリングされる。
【0036】
【数2】
【0037】図4(a)は図3(c)と同様に表現した
特徴ベクトル列、図4(b),(c)は各ベクトルa1
〜a4につきΔt’とΔyとの関係を示した図、図4
(d)は最終的な特徴ベクトル(ΔX,ΔY)を示した
図である。なお、この例では、ΔX100=2,ΔY100
2.0,ΔY-100=−2.0となっている。
【0038】次に、図8(c)における用語辞書(定性
表現辞書520)を利用した定性表現検索処理の詳細を
説明する。この処理は、プロセス変数ごとに上記特徴抽
出処理により生成した特徴ベクトル列と図5の参照ベク
トル辞書510とを用いたベクトル検索処理と、その検
索結果に応じて時系列プロセスデータの変化傾向を的確
に表す定性表現を図8(c)の定性表現辞書520の中
から検索する狭義の定性表現検索処理とから構成され
る。
【0039】まず、ベクトル検索処理についてその詳細
を述べる。図5は、この処理において使用する参照ベク
トル辞書510の例を示している。辞書の前件部には、
ベクトル成分ΔX,ΔY及び円形発火領域の半径rから
なる参照ベクトルVj(j=1,2,………,n)が多数
定義されており、後件部では、それぞれの参照ベクトル
が変化具合に応じてこの変化具合を表す属性値としての
クラスに分類されていると共に、当該クラスに属する参
照ベクトルにより算出した重心が格納されている。な
お、上記jはインデックスであり、nは参照ベクトル辞
書510内に既に定義されている参照ベクトルの数であ
る。
【0040】図6は、特徴ベクトルの成分ΔXai,ΔY
ai(i=1,2,………,m)から、プロセスデータの
変化傾向を示す属性値列(特徴ベクトルクラス列)を導
出する過程を示している。なお、上記iはインデックス
であり、mはクラス列定義長の最大値である。
【0041】ベクトル検索処理では、処理対象であるプ
ロセス変数の特徴ベクトルと、図5の参照ベクトル辞書
510内の参照ベクトルの成分との距離を計算すること
により、類似度判定を行い、類似度の高い順に参照ベク
トルを参照ベクトル辞書510から検索する。参照ベク
トルは、同一の定性表現に分類されるものをいくつかま
とめて一つのクラス(例えば、図5のクラス1に対応す
る定性表現としてクラス“急上昇”など)としている。
特徴ベクトルには、類似度が高い順に参照ベクトルが属
するクラスを付加する。
【0042】図6では、特徴ベクトルa1〜a4につき参
照ベクトル辞書510を用いた類似度判定を行った結
果、各特徴ベクトルa1,a2,a3,a4がそれぞれ参照ベ
クトルV12,V3,V16,V9に最も近いと判定され、これ
らの参照ベクトルの属するクラス5,2,5,4が高適
合度として付加されている。
【0043】次に、図7、図13、図14に基づいて上
記類似度判定の内容を説明する。参照ベクトル辞書51
0の参照ベクトルVjと各特徴ベクトルaiとの類似度判
定を行うことで、各特徴ベクトルaiにクラス適合度が
高い順に最大n(例えば2)個、クラスを割り当てる。
【0044】まず、特徴ベクトルaiに対し最も近い重
心点を持つクラスをm(例えば3)個選択する。次に、
選択した各クラスに所属する参照ベクトルVjのaiに対
する類似度Sijを求める。次に、各クラスCk(例えばク
ラス8ならC8と記述)について、aiに対するクラス適
合度Sikを求める。最後に、aiに対するクラス適合度
ikが高いクラスをn(例えば2)個選択し、これらの
クラスをaiの所属するクラス(特徴ベクトルクラスC1
i及びC2 iと称す)とする。この処理により、特徴ベク
トル列に対応する特徴ベクトルクラス列が割り当てられ
る。
【0045】(1)類似度Sijの導出 各参照ベクトルVjの特徴ベクトルaiに対する類似度S
ijは、参照ベクトル辞書510内に定義されている各参
照ベクトルVjの成分(ΔXvj,ΔYvj)とrjの値、及び
特徴ベクトルaiの成分(ΔXaj,ΔYaj)とを用いて、
以下の数式3の(1),(2)により計算する。 ここで、rjは円形発火領域半径とし、各参照ベクトル
jに一つの発火領域半径を設定する。参照ベクトルの
成分を中心座標とする点から半径rjの円で囲まれた領
域内に特徴ベクトルaiの成分(座標)が存在したと
き、aiに対するVjの類似度Sijは0以上の値となる。
iとVjの座標(ΔXvj,ΔYvj)とが合致した時は、類
似度Sijは最大値の100となる。
【0046】
【数3】 dij(ai,Vj)={(ΔXai−ΔXvj)2+(ΔYai−ΔYvj)2}1/2 …(1) Sij=int[100×{1−(dij/rj)}] …(2)
【0047】数式3において、dijは図7、図13から
もわかるように参照ベクトルVjと特徴ベクトルaiとの
間のユークリッド距離である。また、類似度Sijには負
値を許すものとする。なお、類似度の概念を図13
(b)に示す。
【0048】(2)クラス適合度Sikの導出 各クラスについて、特徴ベクトルaiに対するクラス適
合度Sikを求める。クラスk(Ckと記す)に属するす
べての参照ベクトルの類似度Sijを比較する。そして、
ijの最大値をクラスkの適合度Sikとする。具体例と
して、クラス2(C2と記す)に属する参照ベクトルが
三つあった場合、特徴ベクトルaiに対する各参照ベク
トルの類似度が20,50,0として算出されると、類
似度として最大値50が特徴ベクトルaiに対するC2
クラス適合度(S12と記す)として割り当てられる。
【0049】(3)特徴ベクトルクラスの導出 特徴ベクトルaiごとに適合度の高い上位n(例えば
2)個のクラスを選択し、特徴ベクトルクラスは定性表
現検索で用いる。 (a)特徴ベクトル 各aiに対して最も適合度の高かったクラスを特徴ベク
トルクラスC1 i、2番目に適合度が高かったクラスを特
徴ベクトルクラスC2 iとし、それらのクラスの適合度を
1 i,S2 iと記述する。ここで、C1 iは、適合度S1 i
負値であってもその存在は許すが、C2 iに関しては、適
合度S2iが負値の場合、存在を認めないものとしてお
く。
【0050】例えば、特徴ベクトルa4に対して、クラ
ス1(C1と記す)の適合度が50、クラス2(C2と記
す)の適合度が15、クラス3(C3と記す)の適合度
が40、他のクラスの適合度が0であった場合、クラス
1がC1 4の値、クラス3がC2 4の値となり、クラス1の
適合度50がS1 4の値、クラス3の適合度40がS2 4
値となる。一方、特徴ベクトルa2に対して、クラス7
(C7と記す)の適合度が15、他のクラスの適合度が
0であった場合、クラス7がC1 2の値、最大適合度であ
る15がS1 2の値となる。他に適合度が0を超えるクラ
スが存在しないので、C2 2の値とS2 2の値とは存在しな
い。
【0051】(b)特徴ベクトルクラスが微変の時の処
理 Cn i(n=1あるいは2)が微変を表すクラスの場合、
特徴ベクトルクラス列の中にそのときのCn iは含めな
い。
【0052】(c)特徴ベクトルクラス列 以上の処理により各特徴ベクトルaiに対する特徴ベク
トルクラスC1 i,C2 iが求められ、特徴ベクトル列によ
り表されていたプロセスデータの挙動は「特徴ベクトル
クラス列」として表現することが可能になる。この処理
により、特徴ベクトル列に対応する複数個の特徴ベクト
ルクラス列が得られる。実施形態に即して言えば、特徴
ベクトル列(a1,a2,a3,a4)に対応する特徴ベクトル
クラス列(5254),(5354),(5251),
(5351)を得ることができる。
【0053】次に、狭義の定性表現検索処理につき、そ
の詳細を述べる。この処理では、時系列プロセスデータ
の特徴ベクトルクラス列と一致する前件部を定性表現辞
書520の中から検索し、この前件部に対応する後件部
から時系列プロセスデータの変化傾向を的確に表す定性
表現を検索する。
【0054】図8はこの処理手順の過程を示したもので
ある。まず、前記特徴抽出処理で得た時系列プロセスデ
ータの特徴ベクトル列(図8(a))に基づいて生成し
た特徴ベクトルクラス列(図8(b))を、定性表現辞
書520(図8(c))の前件部に照合する。そして、
合致するものがある場合には、その前件部に対応して定
義された後件部の定性的表現を取り出す。
【0055】次に、特徴ベクトルクラス列に一致した定
性表現を検索する。特徴ベクトルクラス列は、あるプロ
セスデータの特徴ベクトルクラスを現時点から過去に向
かって連続的に並べたものである。但し、一つの特徴ベ
クトルクラスは最大n個(例えばC1 i,C2 iの2個)ま
で取り得るものとする。よって、特徴ベクトル列は一通
りであるのに対し、特徴ベクトルクラス列は図6のよう
に一通り以上、生成することができる。
【0056】(a)特徴ベクトルクラス列の生成基準 特徴ベクトルクラス列の生成時、必要以上に多い特徴ベ
クトルクラス列の生成を防ぐために、基準を設ける。例
えば、C1 iだけを使えば特徴ベクトルクラス列は一通り
しか生成されない。どれか一カ所の特徴ベクトルについ
てのみC1 i,C2 iを考慮したなら、特徴ベクトルクラス
列は二通り生成できる。図6の例では二カ所の特徴ベク
トルについてC1 i,C2 iを考慮しているから、四通りの
特徴ベクトルクラス列が生成されている。ここでは、C
2 iをクラス列の二カ所で考慮に入れ、生成される特徴ベ
クトルクラス列の数を四通りに制限した例を示してい
る。
【0057】まず、C2 iを考慮に入れる特徴ベクトルク
ラスの位置(aiのインデックスi)の選択基準を、適
合度S1 iとS2 iとの差が小さい位置とする。次に、生成
された各特徴ベクトルクラス列について、各クラス列を
構成するクラスの中に微小変化を表すクラスがあった場
合、当該クラス列に代えて微小変化クラスを除いたクラ
ス列をクラス列辞書照合処理に用いる。例えば、獲得し
た特徴ベクトルクラス列が(9294)であり、微小変
化を表すクラスが9であった場合、クラス列辞書との照
合処理に用いるクラス列は(24)とする。併せて、ク
ラス列辞書に登録するクラス列には、微小変化を表すク
ラスを含めない。
【0058】(b)特徴ベクトルクラス列とクラス列辞
書との照合処理 このような方法によって生成/選択された特徴ベクトル
クラス列を使い、次に特徴ベクトルクラス列辞書(以
下、クラス列辞書とも称す)との照合処理を行なう。ク
ラス列辞書には、プロセスデータの挙動パターンを表す
クラス列が定義されている。この辞書に登録されている
クラス列は、その挙動パターンに相応しい定性表現が図
8(c)のように登録されている。もし、生成した特徴
ベクトルクラス列(現時点から、または利用者指定の時
点から過去へ任意個数)とクラス列辞書に登録されてい
るクラス列とが一致した場合には、そのクラス列に関係
付けられている定性表現が利用者に提示されることにな
る。
【0059】(c)定性表現検索処理 定性表現検索の処理手順は、次の通りである。まず、生
成した特徴ベクトルクラス列の中から一つ抜き出して
(図8では(5254))それを照合対象とする。な
お、以下の処理は生成した全ての特徴ベクトルについて
同様に行なうものとする。特徴ベクトル列は、ベクトル
検索処理によってクラス列に置き換えられているので、
そのクラス列の現時刻側から定性表現辞書との照合を行
なう。クラス列に対して複数の定性表現が一致した場合
は、最も長期的な傾向(定性表現辞書内部の特徴ベクト
ルクラスの長さが最も長いもの)に関する定性表現を選
択する。
【0060】(1)クラス列辞書との照合 生成した特徴ベクトルクラス列を、クラス列辞書に照合
する(クラス列辞書は特徴ベクトルクラスと定性表現の
組みを集めたもの)。まず、特徴ベクトルクラス列から
部分クラス列を導く。部分クラス列は特徴ベクトルクラ
ス列の内、現時点から過去に向かって連続的に並べたク
ラスの列で、その長さ(クラス列を構成するクラスの
数)は、一つだけのものから最大定義長分の長さを持つ
ものまで用意してある。最大定義長とは、クラス列辞書
に登録可能なクラス列の長さの最大値(例えば、8)で
ある。
【0061】図8には、最大定義長が4で、特徴ベクト
ルクラス列(5254)について照合を行なう例を示し
ている。特徴ベクトル列(5254)から生成される4
つの部分のクラス列について各々がクラス列辞書内容と
照合を行ない、一致した部分クラス列については、辞書
内のクラス列に関係付けされている定性表現が割り当て
られる。
【0062】(2)定性表現の獲得 クラス列辞書内に定義されているクラス列と合致した部
分クラス列のうち、最も長い部分クラス列について関係
付けられた定性表現を獲得し出力とする。 (3)適合度の演算 この時、選択した(長さが最長の)クラス列を構成する
各クラスに付加されたクラス適合度を用い、定性表現
(出力)のデータ挙動に対する適合度を計算して、定性
表現と併せて出力する。
【0063】選択したクラス列についての定性表現の適
合度は、選択した部分クラス列を構成するクラスが持つ
クラス適合度の総和を当該部分クラス列の長さ(定義
長)で平均した値とする(図8(d)の例では「52
5」が選択されたことになる)。なお、特徴ベクトルク
ラス列に合致する定性表現辞書520の前件部が複数個
存在する場合には、例えば、定性表現辞書520内でク
ラス列の定義長が最も長い特徴ベクトルクラス列と一致
したものを選択する(図8(d))などの選択基準を用
いて決定する。
【0064】以上の処理により、前記特徴抽出処理で生
成した時系列プロセスデータの特徴ベクトル列及び特徴
ベクトルクラス列から、時系列プロセスデータの変化傾
向を表す定性表現を定性表現辞書520の中から検索す
ることができる。
【0065】次に、用語辞書編集処理について、その処
理の詳細を示す。この実施形態の用語辞書編集処理で
は、利用開始前にプロセス変数の基本的な変化パターン
を初期の用語辞書内容として登録することができ、ま
た、既に登録されている内容を適宜、修正変更すること
ができるようになっている。まず、参照ベクトル辞書5
10を対象とした編集処理では、参照ベクトルの成分
(ΔXvj,ΔYvj,rvj)及び、そのベクトルの属するク
ラスを設定変更することで、参照ベクトル辞書510を
作成することができる。
【0066】加えて、この処理では、利用者が後述する
学習装置を用いた参照ベクトル辞書510内のデータの
修正、つまり学習処理を要求することができる。そし
て、定性表現の用語辞書520を対象とした編集処理で
は、特徴ベクトルクラス列ai及びそれに対応する定性
表現を利用者が設定変更することで、定性表現辞書52
0を作成することができる。
【0067】このように第1及び第2の発明では、プラ
ント内の測定点から得られる時系列プロセスデータにつ
いて、そのデータの変化傾向を特徴ベクトル列(a1,a
2,…)として捉え、さらに、特徴ベクトル列と参照ベク
トル辞書510の各参照ベクトルとの類似度判定を行な
うことで、時系列プロセスデータの特徴ベクトルクラス
列を生成し、この特徴ベクトルクラス列を利用して定性
表現辞書520を検索することで、時系列プロセスデー
タの変化傾向を的確に表す定性表現を検索可能である。
【0068】次に、図9〜図11に基づいて請求項3記
載の発明の実施形態を説明する。図9は、請求項3記載
の発明に係わるデータ蓄積装置の構成を示している。請
求項2記載の発明に係わるプロセス状態認識装置により
選択された、時系列プロセスデータの変化傾向を表す定
性表現が出力装置300より出力された後、運転オペレ
ータ等の利用者により上記定性表現が誤っていたことが
通知されたとする。このとき、入力装置200を介して
上記定性表現が誤っていた旨の修正入力が行なわれる
と、誤りであると指定された定性表現、通知された日
時、プロセス変数名、利用者が望む正しい定性表現等が
処理装置100により作成され、学習処理に利用される
通知履歴データ600に追加蓄積される。
【0069】以下、前記同様にクラス列定義長の最大数
が利用者によって既に4と設定されているものとして説
明する。図10は用語辞書500の修正手段の例であ
る。請求項2の発明のプロセス状態認識装置における処
理装置100により生成された特徴ベクトル(a1,a2,
3,a4)が特徴ベクトルクラス列(5252)であ
り、運転オペレータ等の利用者が入力装置200を介し
て、提示を望む正しい定性表現に選択した場合、次のよ
うな修正処理を行なう。
【0070】(1)修正方法1 クラス列(5252)が定性表現辞書520内に未定義
であった場合に定性表現辞書520内に新規にクラス列
(5252)を挿入し、それに対応する定性表現(定常
3)を設定する。 (2)修正方法2 クラス列(5252)は定性表現辞書520内に定義さ
れているが、設定されている定性表現が(ハンチング)
となっていて利用者が提示を希望する定性表現(定常
3)とは異なる場合で、かつ、定性表現辞書520内の
定性表現の変更を利用者が選択した場合、定性表現辞書
520内で前記設定済みの定性表現(ハンチング)を利
用者が希望する定性表現である(定常3)に書き換え
る。
【0071】(3)修正方法3 クラス列(5252)は定性表現辞書520内に定義さ
れているが、設定されている定性表現が(ハンチング)
となっていて利用者が提示を希望する定性表現(定常
3)とは異なる場合で、かつ、定性表現辞書520内の
定性表現の変更を利用者が選択しなかった場合、後述す
る学習装置によって参照ベクトル辞書510の内容を更
新する。前記通知履歴データ600の一部を図11に示
す。このような通知履歴データ600が蓄積されること
により、次に述べるように用語辞書500の更新に利用
できることとなる。
【0072】次に、図12に基づいて請求項4記載の発
明の実施形態を説明する。図12は請求項4記載の発明
に係わる学習装置の構成を示している。この学習装置に
おける処理装置100は、請求項3の発明に係わるデー
タ蓄積装置によって蓄積される通知履歴データ600
と、データベース700に蓄積してある、プラントの計
測点から過去に得られた時系列プロセスデータとを用い
て、用語辞書500の内容を修正する学習プログラムを
備えている。
【0073】以下、処理装置100により行なわれる学
習処理について説明する。請求項2の発明に係わるプロ
セス状態認識装置の処理装置100が行なう用語辞書編
集処理にて学習処理の要求があった際、参照ベクトル辞
書510内のデータを修正し、特徴ベクトル列に対して
望ましいクラスが付加されるようにする。
【0074】仮に、図11において利用者が選択した修
正方法3の通知履歴データ600に登録されているプロ
セス変数名の時系列プロセスデータについて、同じく前
記通知履歴データ600に登録されている通知日時以前
のプロセスデータから、請求項1及び2の発明を使って
生成した特徴ベクトル列をA(a1,a2,a3,…)、生成
ベクトルクラス列(以後、特徴ベクトル列Aに対して請
求項1及び2の発明が付加したクラス列であることを明
記する場合に、こう呼ぶものとする。)をP(p1,p2,
3,…)、一方、利用者がAの挙動として表現を望む特
徴ベクトルクラス列をQ(q1,q2,q3,…)とすると、
具体的な参照ベクトルの移動処理手順は、次の通りであ
る。
【0075】(1)特徴ベクトル列Aと生成ベクトルク
ラス列Pとを用意する。この際、Aを構成するベクトル
の数とPを構成するクラスの数は、この処理の開始時点
において利用者が既に設定しているクラス列定義長の最
大数以上の数である。この実施形態においてはその最大
数が4であり、かつAのベクトル数とPのクラス数が4
とする。
【0076】(2)通知履歴データ600内の望ましい
定性表現を基に、その定性表現と対(ペア)をなしてい
るクラス列を定性表現辞書520内から抜出し出力装置
300に表示する。 (3)表示されたクラス列の中から、時系列プロセスデ
ータの挙動(Aの挙動)として望ましい表現のクラス列
Qを利用者が指定する。
【0077】(4)クラス列PとQを比較し、両クラス
列の中で異なるクラスの部分に対して、以下の処理を行
なう。例えばP(p1,p2,p3,p4)が(5252)であ
り、Q(q1,q2,q3,q4)が(5153)である場合、
異なるクラスの部分である(p2とq2)及び(p4とq 4)
について、以下の学習処理を行なう。
【0078】(5)pi,qiの各クラスに属する参照ベ
クトルVjの中で特徴ベクトルaiに対し最も類似度が高
い(Sが最大の)ものをそれぞれ一つ、合計2つ用意す
る。ここで、d2の算出は数式4、類似度Sの算出は数
式5による。なお、数式5において、rvは各参照ベク
トルの持つ発火領域の半径である。
【0079】
【数4】d2(ai,V)=(ΔXai−ΔXv)2+(ΔY
ai−ΔYv)2
【0080】
【数5】 S(ai,V)=int[100×{1−(d/rv)}]
【0081】(6)用意されたベクトルについて、クラ
スpiに属し、かつ、特徴ベクトルaiに最も近い参照ベ
クトルVp(ΔXp,ΔYp)とし、一方、クラスqiに属
し、かつ、特徴ベクトルaiに最も近い参照ベクトルを
q(ΔXq,ΔYq)とする。 (7)aiに対する類似度SpとSqについて、Vp(誤
り)よりもVq(正解)の方が高くなるまで図15の要領
にて、数式6の処理を繰り返す。
【0082】
【数6】ΔXp=ΔXp−α(1−Sp)(ΔXa−ΔXp) ΔYp=ΔYp−α(1−Sp)(ΔYa−ΔYp) ΔXq=ΔXq+α(1−Sq)(ΔXa−ΔXq) ΔYq=ΔYq+α(1−Sq)(ΔYa−ΔYq) rq-new=γ×rqp-new=β×rp
【0083】なお、数式6において処理終了条件はSq
>Spとする。また、α,β,γは学習パラメータとし
て予め設定されている修正率である。この結果、学習処
理により参照ベクトル辞書510の内容は新しいものに
自動修正されることになる。
【0084】このため、利用者は直接的に参照ベクトル
辞書510を更新する必要がなくなり、請求項3の発明
によって通知履歴データ600が蓄積され、この通知履
歴データ600を用いた学習処理により参照ベクトル辞
書510を改善することができる。従って、類似度判定
により特徴ベクトル列に対して最適なクラスが付加され
ることになり、特徴ベクトルクラス列に応じた定性表現
も定性表現辞書520によって別ものに更新されること
になる。
【0085】次に、図12に基づいて請求項5記載の発
明の実施形態を説明する。この実施形態の構成も図12
と同様であり、以下、処理装置100により行なわれる
学習処理について説明する。請求項2の発明に係わるプ
ロセス状態認識装置の処理装置100が行なう用語辞書
編集処理にて学習処理の要求があった際、参照ベクトル
辞書510内のデータを修正し、特徴ベクトル列に対し
て望ましいクラスが付加されるようにする。
【0086】仮に、図11において利用者が選択した修
正方法3の通知履歴データ600に登録されているプロ
セス変数名の時系列プロセスデータについて、同じく前
記通知履歴データ600に登録されている通知日時以前
のプロセスデータから、請求項1及び2の発明を使って
生成した特徴ベクトル列をA(a1,a2,a3,…)、生成
ベクトルクラス列をP(p1,p2,p3,…)、一方利
用者がAの挙動として表現を望む特徴ベクトルクラス列
をQ(q1,q2,q3,…)とすると、具体的な参照ベ
クトル生成の処理手順は、次の通りである。
【0087】学習処理において、誤りクラスと正解クラ
スから一つずつ、修正対象とする参照ベクトルを選択し
た後、学習に入る前に次の条件が満たされているなら
ば、参照ベクトル生成処理を行なう。図16に示すよう
に、正解クラスに属する修正対象の参照ベクトル(正解
ベクトルと称す)vq(ΔXq,ΔYq)と特徴ベクトル(正
解ベクトル学習目標)ai(ΔXa,ΔYa)との間の距離d
がしきい値φ1・rq以上の値である場合、特徴ベクトル
の位置に正解クラス所属の新たな参照ベクトルを生成す
る。ここでφ1は、正解ベクトルのもつ発火領域半径rq
に対する距離dの比である。この距離d及びしきい値φ
1を数式7に示す。なお、参照ベクトルの新規生成の
後、学習処理は行なわずに終了する。
【0088】
【数7】d={(ΔXq−ΔXa)2+(ΔYq−ΔYa)2}1/2 φ1=1.4
【0089】新たに生成するベクトルは、そのベクトル
の成分(ΔXq-new,ΔYq-new)を特徴ベクトルの成分
(ΔXa,ΔYa)と同一とし、数式8に示すように、発火
領域半径rq-newを正解ベクトルvqのもつ発火領域半径
qのφ2倍の値とする。
【0090】
【数8】φ2=0.4 ΔXq-new=ΔXa ΔYq-new=ΔYaq-new=φ2q
【0091】次に、図12に基づいて請求項6記載の発
明の実施形態を説明する。この実施形態の構成も図12
と同様であり、以下、処理装置100により行なわれる
学習処理について説明する。請求項2の発明に係わるプ
ロセス状態認識装置の処理装置100が行なう用語辞書
編集処理にて学習処理の要求があった際、参照ベクトル
辞書510内のデータを修正し、特徴ベクトル列に対し
て望ましいクラスが付加されるようにする。
【0092】仮に、図11において利用者が選択した修
正方法3の通知履歴データ600に登録されているプロ
セス変数名の時系列プロセスデータについて、同じく前
記通知履歴データ600に登録されている通知日時以前
のプロセスデータから、請求項1及び2の発明を使って
生成した特徴ベクトル列をA(a1,a2,a3,…)、生成
ベクトルクラス列をP(p1,p2,p3,…)、一方利用者
がAの挙動として表現を望む特徴ベクトルクラス列をQ
(q1,q2,q3,…)とすると、具体的な参照ベクトル消
滅の処理手順は、次の通りである。
【0093】正解ベクトルと誤りベクトルの修正(学
習)が完了した後、各ベクトルについて、発火領域半径
rの値が極端に小さくなった場合、あるいは、同じクラ
スに所属する他の参照ベクトルと極端に近くなってしま
った場合に、参照ベクトルの消滅/更新を行なう。
【0094】(1)発火領域半径r基準による消滅(図
17(b)) 学習処理対象であった参照ベクトル(誤りベクトルvp
正解ベクトルvq)の各々について、学習処理後の発火領
域半径(rp,rq)がしきい値φ3以下となった場合(r
≦φ3)に、当該参照ベクトルを参照ベクトル辞書から除
く。ここで、φ 3=0.1とする。
【0095】(2)類似度基準Sjj'による消滅/更新
(図17(c)) 同じく学習処理対象であった参照ベクトルの各々につい
て、学習処理後の誤り(正解)ベクトルの発火領域内に
誤り(正解)クラス所属の他の参照ベクトルv p'(vq')
が存在し、vpのvp'に対する類似度Spp'(rpを基準と
して求める値)しきい値φ4(以下の数式9に例示)以上
となった場合(Spp'≧φ4)、vpの成分の更新およびv
p'の参照ベクトル辞書からの消去を行なう。
【0096】
【数9】φ4=0.95×類似度最大値の100 Spp'=int[100×{1−(dpp'/rp)}] ΔXp-new=ΔXp+η{rp'/(rp'+rp)}(ΔXp'
−ΔXp) ΔYp-new=ΔYp+η{rp'/(rp'+rp)}(ΔYp'
−ΔYp) rp-new=max(rp',rp)
【0097】なお、φ1234,ηの値は全プロセ
ス変数にて共通とする。これにより、時系列プロセスデ
ータの時間的変化傾向を自動的に認識できるようにな
り、利用者の負担が大幅に軽減される。
【0098】
【発明の効果】以上のように請求項1及び請求項2の発
明は、処理装置が導出した時系列プロセスデータのクラ
ス列と一致する前件部を定性表現の用語辞書から検索し
てその後件部に記述されている定性表現を検索結果とし
て出力することで、時系列プロセスデータの変化傾向を
表すにふさわしい定性表現を利用者に提供するものであ
る。また、一つの時系列プロセスデータの挙動に関し
て、複数の定性表現を出力することを可能とし、加えて
前記定性表現の各々に前記データ挙動に対する表現上の
合致の度合を表す表現適合度を付加することで、出力に
対する信頼性を向上させるものである。
【0099】また、請求項3の発明は、請求項2の発明
のプロセス状態認識装置から出力される定性表現につい
て、運転オペレータ等の利用者がプロセス状態認識結果
の正誤を指摘することにより、正しく通知されるべき定
性表現やその通知された通知時刻等を学習用データとし
て蓄積するものである。
【0100】そして、請求項4〜6の発明は、請求項3
の発明により蓄積された上記学習用データを用いて学習
処理を実行することにより、用語辞書の内容を改善して
洗練化し、以後のプロセス状態の認識に役立てるもので
ある。
【0101】従って、これらの発明によれば、多数のプ
ロセスデータを監視する際に必要である変化傾向を把握
するための膨大な量の知識を書類等により記憶しておか
なくても、自動的に変化傾向を認識し、分かりやすい表
現でその認識結果を提供することができる。このため、
利用者の負担が軽減され、特殊なデータ解析や専門家の
知識も不要になる。また、学習機能によりプロセスデー
タの変化傾向を表す表現を推定する際のノウハウや、プ
ラント毎に生じる微妙な違いを吸収することができ、し
かも定性表現検索に誤りがあった場合には、定性表現の
修正や検索に用いた用語辞書の内容の修正を容易に行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の発明の実施形態に係わるプロセス状
態認識装置の構成図である。
【図2】プロセス変数テーブルの説明図である。
【図3】プロセス状態認識装置による特徴抽出処理過程
の説明図である。
【図4】プロセス状態認識装置による特徴ベクトルの成
分導出過程の説明図である。
【図5】参照ベクトル辞書の説明図である。
【図6】プロセス状態認識装置による特徴ベクトルクラ
ス列導出過程の説明図である。
【図7】特徴ベクトルと参照ベクトルとの間の距離dの
説明図である。
【図8】プロセス状態認識装置による定性表現検索処理
過程の説明図である。
【図9】請求項3の発明の実施形態に係わるデータ蓄積
装置の構成図である。
【図10】用語辞書の修正方法の説明図である。
【図11】蓄積された通知履歴データの説明図である。
【図12】請求項4の発明の実施形態に係わる学習装置
の構成図である。
【図13】類似度の概念の説明図である。
【図14】特徴ベクトルクラスの導出過程の説明図であ
る。
【図15】学習による参照ベクトルの移動過程の説明図
である。
【図16】学習による参照ベクトルの生成過程の説明図
である。
【図17】学習による参照ベクトルの消滅過程の説明図
である。
【符号の説明】
100 処理装置 200 入力装置 300 出力装置 400 プロセス変数テーブル 500 用語辞書 510 参照ベクトル辞書 520 定性表現辞書 600 通知履歴 700 データベース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時系列プロセスデータの時間的な変化傾
    向に基づいて特徴ベクトルの列を生成する特徴抽出処理
    と、 この特徴抽出処理により得られた前記特徴ベクトルと参
    照ベクトル辞書内の複数の参照ベクトルとの類似度を計
    算し、類似度が高い参照ベクトルを検索するベクトル検
    索処理と、 このベクトル検索処理により得られた前記参照ベクトル
    に対応するクラスの列を特徴ベクトルクラス列として、
    この特徴ベクトルクラス列に対応する定性表現を検索す
    る定性表現検索処理と、 この定性表現検索処理により得られた定性表現を類似度
    を付して出力する出力処理と、 を有することを特徴とするプロセス状態認識方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の特徴抽出処理、ベクトル
    検索処理、定性表現検索処理及び出力処理を実行し、か
    つ、必要に応じて前記参照ベクトル及び定性表現の修正
    等の編集処理を実行する処理装置と、 前記各処理動作に伴う入力操作を行う入力装置と、 前記出力処理に使用される出力装置と、 前記ベクトル検索処理において特徴ベクトルと比較され
    る参照ベクトルが、対応するクラス及び発火領域半径と
    共に格納された参照ベクトル辞書と、 前記特徴ベクトルクラス列が、対応する定性表現と共に
    格納された定性表現辞書と、 を備えたことを特徴とするプロセス状態認識装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のプロセス状態認識装置の
    出力装置により出力された定性表現について、その通知
    日時と、当該定性表現のプロセス変数と、このプロセス
    変数の前記通知日時までの時系列プロセスデータの時間
    的変化傾向に基づき生成される特徴ベクトルに関する情
    報と、当該定性表現に関する情報と、当該定性表現に代
    えて提示を希望する定性表現とを、通知履歴データとし
    て蓄積することを特徴とするデータ蓄積装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のデータ蓄積装置により蓄
    積された通知履歴データを用い、時系列プロセスデータ
    の時間的変化傾向に対して利用者の意図に一致した定性
    表現が得られるように、前記参照ベクトルの移動及び発
    火領域半径の修正を行う学習処理を実行することを特徴
    とする学習装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のデータ蓄積装置により蓄
    積された通知履歴データを用い、時系列プロセスデータ
    の時間的変化傾向に対して利用者の意図に一致した定性
    表現が得られるように、前記参照ベクトルを自動的に生
    成する学習処理を実行することを特徴とする学習装置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載のデータ蓄積装置により蓄
    積された通知履歴データを用い、時系列プロセスデータ
    の時間的変化傾向に対して利用者の意図に一致した定性
    表現が得られるように、前記参照ベクトルを自動的に消
    滅させる学習処理を実行することを特徴とする学習装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002007436A (ja) * 2000-06-21 2002-01-11 Beacon Information Technology:Kk 動的に変化するデータの管理方法及び装置、記録媒体
JP2002055853A (ja) * 2000-05-31 2002-02-20 Toshiba Corp ログ比較デバッグ支援装置および方法およびプログラム
WO2005073890A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology イベントシークエンサー
JP2007058366A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Yokogawa Electric Corp プロセスデータ管理システムおよびプロセスデータ管理方法

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