JPH1035638A - 耐熱耐圧性に優れた自立容器 - Google Patents

耐熱耐圧性に優れた自立容器

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JPH1035638A
JPH1035638A JP19891996A JP19891996A JPH1035638A JP H1035638 A JPH1035638 A JP H1035638A JP 19891996 A JP19891996 A JP 19891996A JP 19891996 A JP19891996 A JP 19891996A JP H1035638 A JPH1035638 A JP H1035638A
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穂高 深堀
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2949/00Indexing scheme relating to blow-moulding
    • B29C2949/07Preforms or parisons characterised by their configuration
    • B29C2949/0861Other specified values, e.g. values or ranges
    • B29C2949/0862Crystallinity

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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 底部全体が延伸により薄肉化されながら足部
の過度の薄肉化が防止され、加熱殺菌時における底部の
熱クリープ現象が完全に防止され、且つ容器底部の凹凸
部を含む部位にて欠陥を生じることがなく、総合的に優
れた耐熱耐圧性、耐衝撃性及び自立性の組み合わせを有
する二軸延伸樹脂容器を提供するにある。 【解決手段】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
された口頚部、肩部、胴部及び複数の谷部及び足部とよ
りなる底部を備えた自立性容器において、前記足部が、
底部中央にて谷部に接続する足部付け根部と、該足部付
け根部の中央より放射状に延びている細溝部と、該細溝
部を間に挟んで細溝部より外方に張り出した一対の凸状
部とから構成され、且つ前記足部の一対の凸状部と谷部
とは前記足部付け根部の位置で不連続な曲線となるよう
に接続されていることを特徴とする耐熱耐圧性に優れた
自立容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂の二軸延伸ブロー
成形により形成されていて、耐熱耐圧性と自立性に優れ
た耐熱耐圧自立容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
の如き熱可塑性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形容器
は、優れた透明性や表面光沢を有すると共に、瓶に必要
な耐衝撃性、剛性、ガスバリヤー性をも有しており、各
種液体の瓶詰容器、即ちボトルとして利用されている。
【0003】一般に、瓶詰製品の製造に際しては、内容
物の保存性を高めるために、内容物を熱間充填し或いは
内容物を充填した後、加熱殺菌乃至滅菌することが必要
である。しかしながら、ポリエステル製ボトルは耐熱性
に劣るという欠点があり、内容物を熱間充填する際の熱
変形や容積の収縮変形を生じるため、二軸延伸ブロー容
器を成形後に熱固定(ヒート・セット)する操作が行わ
れている。
【0004】しかしながら、自生圧力を有する内容物を
充填密封後、加熱殺菌乃至滅菌する用途(耐熱圧ボト
ル)では、ボトル底部に圧力と熱とが同時に作用して熱
クリープ現象により膨出変形を生じるため、前述した熱
固定程度では不十分であり、ボトル底部を丸底とし、こ
の底に別体のハカマ部品(ベースカップ)を取り付ける
ことが行われている(実開昭55−142433号公
報、及び特公昭61−30982号公報)。
【0005】また、このようなツーピース型の耐熱圧ボ
トルにおいて、底部の熱及び圧力による変形を最小限に
とどめるため、特公平6−22862号公報には、未延
伸乃至低延伸の底中心部を加熱により熱結晶化させるこ
とが記載され、更に底中央部および口頸部を熱結晶化さ
せたプリフォーム成形体を二軸延伸ブロー成形すること
により、熱結晶化部を除く容器全体を高延伸倍率にて延
伸加工でき、特に、半球状の底部が延伸加工により、底
中央部を除き薄肉化できることが記載されている。
【0006】ワンピース構造で耐圧性を有するポリエス
テルボトル、即ちペタロイドタイプのボトルも既に提案
されており、例えば特開平4−154535号公報に
は、複数の脚片を等間隔に膨出設すると共に該脚片の間
に谷線壁を形成したペタロイドタイプの底部を有する二
軸延伸ブロー成形瓶体であって、前記底部の延伸中心点
を含む中央平坦部の周囲に位置する未延伸周縁部を含む
中央部分を、該中央部分の壁の内面側よりも外面側の密
度を高めた形態で結晶化させた二軸延伸ブロー成形瓶体
が記載されている。
【0007】また、特開平5−147637号公報に
は、二軸延伸されたビン本体と、該ビン本体の下方に膨
出する曲面底及び該曲面底の周辺部に該曲面底を一体的
に下方に突出させて設けたビン本体を自立させる複数の
中空の脚部を有する二軸延伸された底部と、該ビン本体
の情報の外周部に設けたネジ形成部を有する無延伸の口
部とから成るポリエチレンテレフタレート樹脂製ビン体
において、該曲面底が最低部ではビン本体との直径と同
一の直径を有する仮想真曲面と一致し、周辺部では該仮
想真曲面よりも下方に膨出する形状を有することを特徴
とするポリエチレンテレフタレート樹脂製ビン体が記載
されている。
【0008】更に、特開平6−032340号公報に
は、接地部を形成する複数の脚部が一体的に形成されて
成る耐圧性の自立容器において、前記容器の底部は、下
方に凸の滑らかな曲面状の底部中央部分と、前記底部中
央部分の周囲に周方向に等間隔に形成された複数の脚部
とを有し、各脚部の下端面は、径外方部分において幅広
く、内方になるにつれてその幅を狭める台形様の輪郭を
有しており、前記脚部の下端面内の径外方部分には、前
記容器の無充填時に容器支持面と接触する平坦な接地面
部が形成されていると共に、前記接地面部の内側に前記
接地面部と連続して、容器内方に向けて上方に傾斜する
実質的に平坦な傾斜面部が形成されており、各脚部と前
記底部中央部分の間には上方に凸の滑らかな曲面部が形
成されて前記脚部と前記底部中央部分とをスムーズに接
続していることを特徴とする耐圧自立容器が記載されて
いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】延伸加工により薄肉化
された半球状底部を有する容器は耐熱耐圧性に優れてお
り、炭酸飲料等の内圧が加わる内容物を充填し、充填品
に上部より熱湯を流す加熱殺菌処理(法上65℃で10
分以上)に十分耐えうるが、容器とは別体としてベース
カップを製造し、これを容器に接着等により固定しなけ
ればならないという煩わしさがある。
【0010】ペタロイド型底部、即ち足一体型底部を有
する自立性容器は、ベースカップの製造やその取り付け
が不要であるという利点を有するが、その耐熱性、特に
底部の耐熱耐圧性が未だ不十分であるという欠点を有し
ている。即ち、このタイプの容器においては、未延伸或
いは低延伸の厚肉部が必ず存在し、この部分が熱と圧力
とが同時に作用する条件では熱クリープ変形を生じて、
容器の自立性を損なうのである。
【0011】すなわち、足一体型底部を有する自立性容
器の成形に際し、口頸部を熱結晶化させたプリフォーム
成形体を一度に二軸延伸ブロー成形すると、底部形状が
複雑であるため底部全体を高延伸下に薄肉化することが
困難であり、どうしても比較的厚肉の低延伸部が残存す
るのを避け得ない。この比較的厚肉の低延伸部は耐熱耐
圧性に劣り、その様な容器に内容品を充填し加熱殺菌処
理すると、自立性を確保することが困難となる。この様
に低延伸状態の厚肉部が残存する底部において、前記の
特開平6−0323340公報の3ページにも記載され
るように、容器の自立性を得るために、いたづらに容器
底部を凹凸に成形しようとすれば、その凹凸部分の境界
に無理が生じて、ストレスクラック、クレーズ等の欠陥
が発生しやすくなる問題が生じる。
【0012】更に、容器に自立性を与える足部は、半球
面上に位置する谷部よりも底方向に突出するように形成
されるため、足部の肉厚がどうしても薄くなり、ブロー
成型時に足部が破裂したり、或いは足部の耐圧強度が低
下するという問題もある。
【0013】従って、本発明の目的は、底部全体が延伸
により薄肉化されながら足部の過度の薄肉化が防止さ
れ、加熱殺菌時における底部の熱クリープ現象が完全に
防止され、且つ容器底部の凹凸部を含む部位にて欠陥を
生じることがなく、総合的に優れた耐熱耐圧性、耐衝撃
性及び自立性の組み合わせを有する二軸延伸樹脂容器を
提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂の
二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩部、
胴部及び複数の谷部及び足部とよりなる底部を備えた自
立性容器において、前記足部が、底部中央にて谷部に接
続する足部付け根部と、該足部付け根部の中央より放射
状に延びている細溝部と、該細溝部を間に挟んで細溝部
より外方に張り出した一対の凸状部とから構成され、且
つ前記足部の一対の凸状部と谷部とは前記足部付け根部
の位置で不連続な曲線となるように接続されていること
を特徴とする耐熱耐圧性に優れた自立容器が提供され
る。
【0015】本発明の自立容器においては、 1.前記細溝部は足部の接地部よりも径内方側で終結し
ていること、 2.前記細溝部は、足部付け根部の中央の位置で、小径
の曲率部(R3 =2〜8mm)を介して谷部と円滑に接
続されていること、 3.前記足部付け根部は、細溝部により、二山の足部付
け根部に分離されていること、 4.足部の一対の凸状部が細溝部に対して実質上対称に
形成されていること、 5.前記細溝部の底部の溝幅が5mm以下であり、底中
心部と底中心部の上方に位置する細溝部の開始端との上
下方向の距離H1 が1乃至4mmの範囲にあること、 6.底中心部を除いて、好適には底中心部をも含めて、
底部全体が20%以上の結晶化を有するように配向結晶
化され、且つその厚みが0.15乃至1mm、特に0.
15乃至0.8mmとなるように二軸延伸により薄肉化
されていること、 7.胴径(D0 )の50%の直径の範囲内にある谷部
が、30%以上の結晶化度を有すること、 8.底谷部が70℃で25kg/cm以上、特に30k
g/cm以上の降伏荷重を有すること、 9.少なくとも底中央の谷部が底中心軸上に中心を有す
る仮想球面上に位置していること、 10.前記谷部が仮想球面上に位置する範囲は、少なく
とも仮想曲面の中心と足部の接地部とを結ぶ直線に迄及
んでいること、 11.底中央近傍における底谷部の曲率半径R1 が胴部
半径(D0 /2)の1.3乃至2倍であること、 12.仮想曲面の中心と足部の接地部とを結ぶ直線で規
定される仮想球面の径をD1 とし胴部径をD0 としたと
き、D1 /D0 の比が0.55乃至0.75の範囲にあ
ること、 13.谷部は下に凸状であって、底中心部が最下点であ
り、底中心部より足部付け根部に至るまでの放射状に広
がる谷部では高さが上昇し、足の付け根部より放射状に
延びる足部は谷部とは逆に接地部に至るまで高さが降下
する曲線形状となっていること、 14.足部付け根部の径をDF 及び胴部の径をD0 とし
たとき、下記式 0.35D0 ≧DF ≧0.23D0 を満足する関係にあること、 15.胴径D0 の40%の直径内に含まれる底谷部の合
計表面積をS、及び胴径D0 の40%の直径内に含まれ
る前記仮想曲面の表面積をS0 としたとき、 S/S0 =0.65〜0.9 であること、 16.胴径D0 の80%の直径内に含まれる底谷部の合
計表面積をS’、及び胴径D0 の80%の直径内に含ま
れる前記仮想曲面の表面積をS0 ’としたとき、 S’/S0 ’= 0.2〜0.45 であること、 17.足部間を横切り且つ谷部に垂直な面において谷部
を挟む足部開き角度θが65°乃至90゜であること、 18.足部接地部から底中心部への高さ(H0 )が3〜
6mmであること、 19.足部の数が3〜6本であること、 20.この容器は、有底プリフォームの1次延伸ブロー
成形と、得られる2次成形品の底部及び底部に連なる胴
部の一部の熱収縮及び熱固定と、得られる3次成形品の
2次延伸ブロー成形とにより形成されたものであるこ
と、 21.この容器に内容物を充填し、熱殺菌を施した後
に、底中心部と底中心部の上方に位置する細溝部の開始
端との上下方向の距離H2 が0.5mm以上、特に1m
m以上であること、が好ましい。
【0016】
【発明の実施形態】
[新規な底形状と作用]本発明の耐熱耐圧自立性容器を
示す図1(一部断面側面図)において、この容器は、樹
脂の二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部1、
肩部2、胴部3及び底部4を備えており、底部4は底中
心部5aを含みその近傍に広がる底中央谷部5を有し且
つ周辺に複数の谷部6と複数の足部7とを交互に有して
いる。谷部6は底方向に凸の仮想曲面上に位置してお
り、一方谷部間に位置する足部7は、谷部6よりも底方
向に突出して設けられている。足部7は中央の付け根部
8から径方向且つ下方にのびている先端部9が接地部と
なっている。
【0017】この容器における底部の谷部と足部との配
置の詳細を説明するための図2(底部の底面図)及び図
9(底部の斜視図)において、本発明では、足部7を、
底部中央5にて谷部6に接続する足部付け根部8と、該
足部付け根部8の中央より放射状に延びている細溝部1
0と、該細溝部10を間に挟んで細溝部より外方に張り
出した一対の凸状部11a、11bとから構成する。
【0018】前記足部付け根部8の中央に、細溝部10
が存在することにより、足部付け根部8は、二山の足部
付け根部8a、8bに分離されることになり、また足部
の一対の凸状部11a、11bが細溝部10に対して実
質上対称に形成されていることになる。図2に示すとお
り、細溝部10は足部の接地部9よりも径内方側で終結
していることが好ましい。
【0019】図2のB−B断面を示す図4から明らかな
とおり、前記足部の一対の凸状部11a、11bと谷部
6(底中央5)とは前記足部付け根部8(8a、8b)
の位置で不連続な曲線となるように接続されていること
も重要である。即ち、谷部6は外方に凸な曲面(球面)
となっており、一方足部7も下方に凸な曲面となってい
るが、両者は不連続な曲線、即ち微分係数が不連続な曲
線となって接続される。足部7の断面形状は鷲鼻状(鉤
鼻状)となっていることが了解されよう。
【0020】一方、図2のA−A断面を示す図3から明
らかなとおり、前記細溝部10は、足部付け根部8の中
央の位置で、小径の曲率部(R3 =2〜8mm)12を
介して谷部6と円滑に接続されていることが好ましい。
【0021】本発明では、上記の特定のペタロイド型底
部を形成することにより、耐熱耐圧性と自立性に優れた
二軸延伸ブロー成形容器を提供することができる。即
ち、この底形状では、底部全体を高延伸配向状態に薄肉
化することができ、それにより、底部の70℃における
単位長さ当たりの降伏強度、すなわち耐熱耐圧強度が著
しく向上し、耐熱耐圧容器として使用することができ
る。
【0022】従来公知の低延伸配向部を有するペタロイ
ド型底部では、上記の耐熱耐圧強度が著しく低くなり、
使用の際に、内圧或いは殺菌温度などの制約を受ける。
一方、低延伸配向部を熱固定してその結晶化度を上げれ
ば、底部の耐熱耐圧強度は向上するが、熱固定のさい球
晶化による白化が進行し、白化した部分では耐衝撃性が
著しく低下するという問題を生じる。
【0023】本発明のように、底部の高延伸薄肉化を行
おうとすると、特に耐転倒性の確保と成形性の確保が問
題となる。即ち、容器底部を薄肉化すると、底部が厚肉
のものに比べて、空容器の重心が多少上方に移行し、転
倒しやすくなる。耐転倒性の観点から、底部の接地部径
或いは接地部幅を多少大きくする必要がある。また、容
器底部の耐熱耐圧性を重視しすぎて、例えば足先端部と
底谷部との距離が比較的大きい様なペタロイド型底形状
を採用すると、特に足先端部が過延伸状態にて極端に薄
肉化する或いは白化する傾向があり、足先端部の耐圧強
度が不足したり、美観上好ましくないことがある。さら
に、耐転倒性を考慮して上記のように接地部径或いは接
地部幅を従来のものより多少大きくする必要があるが、
これは足先端部の薄肉化或いは過延伸による白化を助長
することになり、底部の成形性を低下させる方向に作用
する。一方、足先端部の成形性を重視して、ペタロイド
底型を決めた場合、通常耐熱耐圧性及び耐転倒性に対し
ては不利な方向となる。
【0024】本発明の耐熱耐圧自立容器においては、足
先端部の成形性、耐熱耐圧性及び耐転倒性を満足するペ
タロイド型底部形状が提供されるものである。
【0025】本発明者らは、種々の形状のペタロイド型
底形状の耐熱耐圧性の解析シュミレーションを行い、そ
れに基づく幾つかのペタロイド底型を試作し、その耐熱
耐圧性を評価した。その結果、ペタロイド底部に加わる
応力としては、谷部及び谷部と足部の境界に大きな力が
作用しており、さらに、底中央谷部及び底中央から足部
が始まる足付け根部にかけて、特に大きな力が集中して
いること、及び底谷部中央の変形には応力集中の大きな
底谷部の形状及び足付け根部の形状が大きく関与するこ
とが判った。以上のことから、 A.底中央における足付け根部までの底中央谷部の直径
F をできるだけ大きくすること、 B.底中央谷部を耐圧性のある球面状とすること、 C.底中央の足付け根部と底中央谷部との接続幅をでき
るだけ小さくすること、が極めて耐熱耐圧性を向上させ
るために有効であることが判った。
【0026】図15に示すとおり、底中央の足付け根部
8の先端を比較的小さな曲率半径の円弧形状として、底
中央谷部5との接続幅を小さくし、且つ底中央谷部5の
径を大きくすれば、耐熱耐圧性能を向上させることがで
きる。しかし、足の本数が比較的少ないと、上記の底形
状を採用した場合、足部に延伸加工されるべき樹脂の量
が少なくなり、足先端部9の成形性を確保することが難
しくなる。
【0027】一方、図6に示すとおり、ブロー成形性を
考慮した底形状であって、底中央の足付け根部8と底中
央谷部5との接続幅Wを比較的大きくすると、内容品の
充填殺菌後、その接続部の中央の膨らみが特に大きく、
その膨らみが底中心部をさらに下方に膨らます結果とな
り、耐熱耐圧性が低下する。さらに図7に示すとおり、
底中央谷部5を平坦状とすると、内容物の充填殺菌後に
は底中央谷部5は平坦状から概ね球面状にまで変形す
る。その結果、始めから球面状である底中央谷部に比べ
て、平坦状である底中央谷部の変形量は相対的に大きく
なり、耐熱耐圧性が低下する。従って、図7のように底
中央谷部が平坦状であり、且つ図6のように比較的広い
接続幅Wにて底中央部と足付け根部が接続している底形
状では、本発明におけるように底部全体を高延伸配向さ
せ高強度化したとしても、好ましい耐熱耐圧性能を得る
ことが難しい。特に、内容物充填殺菌工程にて比較的厳
しい条件、例えば充填ガス圧が比較的高い或いは熱水シ
ャワー温度が比較的に高いような場合では、空容器では
底中央谷部5と足接地部9との間に高さH0 を維持しう
るとしても(図7)、内容物の充填殺菌時には図8に示
すとおり、底中心部5aの変形が大きくなり、逆に接地
部9よりも中心部5aが高さHだけ違法に突出するよう
になって、自立性を保持することが難しくなる。
【0028】本発明者らは、鋭意検討の結果、底中央の
足付け根部8と底中央谷部5との接続幅Wを比較的大き
くし、その接続部の中央に細幅の溝部10を設けること
により、容器の耐熱耐圧性と足先端部の成形性の両方を
満足させうることを見いだした。図2に示すとおり、足
7中央の細幅の溝部10は足付け根部8(8a、8b)
の中央より接地部9に向かって放射状に延びており、好
ましくは接地部9の手前にて終了している。
【0029】足中央の細溝部10は、耐熱耐圧性の向上
に大きく寄与するものである。容器に内容物を充填殺菌
した場合、最も大きな力が底中央谷部5及び足付け根部
8近傍に作用する。この際、足中央の細溝部10はその
両脇の凸状部11a、11bよりも少し奥まって底中央
谷部5と滑らかに接続されており、その結果、足付け根
部8の内でも、最も直径の小さな一対の凸状部8a、8
b近傍に力が集中する。その際、図2に示されるように
足付け根部8の一対の凸状部8a、8bと底中央谷部5
とは各々が比較的小さな曲率半径の曲線にて接続されて
おり、それらの間の細溝部10は谷部6並の強度を有す
ることから、これらの局部的な変形量は比較的小さくな
り、結果的に耐熱耐圧性が向上することになる。
【0030】実際に、底中心部5aと底中心部の上方に
位置する細溝部10の開始端(径内方向の端部)との上
下方向の距離H1 (図3)と内容物を充填殺菌後の底中
心部5aと底中心部の上方に位置すると細溝部10の開
始端との上下方向の距離H2と(図5)の変化量は、底
中心部と接地部9の上下方向の距離(空容器では図3の
0 、加熱充填後では図5のH)の変化量に比較して、
極めて小さくなっており、足中央の細溝部10により、
足付け根部8の変形が抑えられている。この様に足付け
根部8の変形を抑えることにより、底中心部5aと接地
部9の上下方向の距離の変化量が比較的少なくなってお
り、足中央の細溝部10が耐熱耐圧性の確保に対して有
効に作用することが了解される。
【0031】さらに、足中央の細溝部10を挟む部位1
1a、11bを外方に凸状の形状とし、足付け根部8
a、8bにおいて底中央谷部5と不連続な曲線にて接続
することは、二軸延伸ブロー成形の際の足部7の成形性
を向上する上で極めて有効に作用する。
【0032】すなわち、ペタロイド型底部のブロー成形
過程において、最初にブロー成形品は底中央及び谷部に
て金型に接触し、その接触位置が足先端部の方向に放射
状に広がる。そのブロー成形段階で、一旦金型と接触し
た成形品の部位は金型にて拘束され、冷却されるので、
その後の延伸が限定される。ブロー成形段階にて、底足
部での金型と成形品の接触が底中央から周辺部に時間差
をつけて順次に行われた場合、足先端部では、局部的な
延伸状態にて過大な延伸度となり、厚みが極端に薄くな
り、好ましい成形が行われない。
【0033】これに対し、足部底形状を外方に凸状にし
且つ不連続な曲線にて足部と谷部とを接続させると、ブ
ロー成形段階にて足底面に成形品が到達する時間を遅ら
せることができ、その結果として、足先端部が局部的な
過延伸状態になるのを防止することが可能となる。かく
して、本発明によれば、足先端部が過延伸になるのを抑
制し、その足先端部の肉厚を厚くし、成形性を向上させ
るという作用を得ることができる。
【0034】本発明の場合、凸状部11a、11bの中
央に細溝部10が存在し、上記のブロー成形段階にて、
成形品は細溝部10に対応する金型部分に早い段階にて
接触するが、溝の底部の幅が細く接触面積が小さいた
め、冷却の程度が比較的少ないこと、及び溝の存在のた
めに返って、その両脇の凸状部11a、11bが対応す
る金型部分に接触する時間が遅れることのために、足中
央の細溝部10の存在は足先端部の成形性を向上させる
上で有効に作用する。
【0035】また、本発明の容器における二山の下方に
凸状の足底形状は、直線形状である場合に比べて長さが
長いので、内容物の充填及びその後の熱殺菌処理に伴う
相対的な変形度合いが大きく、底谷中央部5と足接地部
9との距離である足高さHが増加する方向に変形する。
その結果、耐熱耐圧性能の向上をもたらす効果を有す
る。
【0036】本発明の足中央細溝部10は、特に底中央
足部にて有効に作用するものであり、接地部9の手前に
て終了することが好ましい。特に、接地部9にまで或い
は接地部外方にまで延びる細溝部を有する場合、その両
脇の一対の接地部の成形時の賦形性が左右にて異なる現
象が生じやすい。その結果、極端な場合には、一対の接
地部の片方のみが接地することになり、空容器の耐転倒
性が低下することになる。
【0037】本発明の容器において、前記細溝部10の
底部の溝幅は5mm以下、特に2mm以下であり、底中
心部5aと底中心部の上方に位置する細溝部の開始端と
の上下方向の距離H1 が1乃至4mm、特に1乃至3m
mの範囲にあることが好ましい。さらに、内容物を充填
後殺菌を施した容器において、底中心部5aと底中心部
の上方に位置する細溝部の開始端との上下方向の距離H
2 が0.5mm以上、特に1mm以上の範囲にあること
が好ましい。また、細溝部10によって分離された二山
の足付け根部8a、8bはその先端において1乃至10
mm程度の曲率半径(図2のR4 )を有していることが
好ましい。
【0038】[ペタロイド型底部の物性]本発明の容器
では、底中心部5aを除き、底部全体が高延伸配向状態
にて薄肉化されている。即ち、底中心部5aを除き、結
晶化度が20%以上、特に25%以上となるように高配
向結晶化され、肉厚が0.15〜1.0mm、好ましく
は0.2〜0.8mmになるように延伸により薄肉化さ
れている。底中心部5a(ゲート部)も、上記の配向結
晶化度及び薄肉範囲となるように延伸薄肉化されている
ことが好ましい。
【0039】ブロー成形工程或いはそれに続く熱処理工
程で底部を加熱して、結晶化をさらに向上させることも
重要である。延伸部を加熱することにより、実質的に白
化のない透明な底部を形成させることができる。少なく
とも胴径D0 の50%以内に含まれる谷部の結晶化度を
30%以上とすることが、耐熱耐圧性の点で好ましい。
なお、容器各部の結晶化度Xc は、密度法により測定さ
れるが、測定部位の密度ρ(g/cm3 )を密度勾配管
により測定し、結晶体密度ρc (1.455g/c
3 )および非晶体密度ρam(1.335g/cm3
の値を使用し、下記の式にて換算して求める。
【0040】本発明では、底部を高延伸配向状態とし、
さらに加熱により結晶化度を向上させることにより、底
谷部を高強度にすることができ、底谷部の70℃での降
伏荷重を25kg/cm以上、特に30kg/cm以上
とすることができる。上記の底谷部の70℃での降伏荷
重値を満足するには、底中央谷部5を含む底谷部の厚み
は0.3mm以上とすることが好ましい。この際、底谷
部、特に底中央部5の厚みが0.3mmを下回り、その
薄肉谷部位が比較的広範囲に存在する場合、70℃での
降伏荷重値が低下するため、充填殺菌後にその部位の変
形が過大となり好ましくない。
【0041】一方、底部の厚みが1mmを越えるときに
は、通常延伸加工に伴う配向結晶化度は10%以下の数
値となり、60〜70℃の温度域での好ましい降伏応力
強度を得ることが難しくなる。また、底部に比較的大き
な未配向の或いは低配向の厚肉部が存在すると、熱処理
に際して熱結晶化(白化)が進行して、耐熱性は向上す
るとしても、耐衝撃性が低下する。さらに、低延伸配向
厚肉部が底部の凹凸部に来る場合、その凹凸部分の境界
に無理が生じて、ストレスクラック、クレーズ等の欠陥
が発生しやすくなる。これに対して、本発明では、前記
底形状を採用することにより、足部の局部的な薄肉化を
防止しながら、底部の高度の延伸配向が可能となり、こ
れを高配向結晶化させることにより、70℃の温度での
降伏応力強度を十分高めて、65〜70℃程度温度で熱
殺菌処理を行う耐熱耐圧容器として十分に使用できるの
である。さらに、本発明容器の底部では高強度であると
ともに柔軟性に富んでおり、底部の凹凸部位でのストレ
スクラック、クレーズ等の欠陥の発生は皆無となる。
【0042】上記したように、本発明容器では底部全体
が高延伸状態にて1mm以下の肉厚に薄肉化されること
が好ましいが、70℃での降伏荷重が25kg/cm以
上である限りにおいて、比較的小さな領域にて1mmを
越える厚肉部が存在してもかまわない。特に、底中心部
5a(ゲート部)が厚肉部として残存している場合に
は、その厚肉部の径が比較的小さく且つ底谷部の降伏荷
重が本発明の範囲を満足する限りにおいて、比較的に好
ましい耐熱耐圧性能を有することができる。
【0043】[底谷部及び底中央足付け根部の寸法関
係]本発明の容器では、底中央の谷部5が球面の一部か
らなっている。足先端部の肉厚を確保する成形上の観点
から、図3において、底中央付近の谷部の曲率半径R1
を胴部の半径R0 (D0 /2)よりも大きくし、底部周
縁の谷部の曲率半径R2 を小さくして胴部と滑らかに接
続することが好ましい。即ち、底中央谷部5は、底中心
軸上に中心を有する曲率半径R1 である球面上に位置し
ており、その球面の範囲は底中心部5aを含み、球面の
中心点と足先端部を結ぶ直線上にその球谷面が含まれる
ことが好ましい。また、底中央谷部5の曲率半径R1
胴部半径 R0 の1.3乃至2倍が好ましい。
【0044】底中央付近の谷部の曲率半径R1 が1.3
×R0 を下回ると足部の成形性が劣り、足先端部の肉厚
を確保することが難しくなる。一方、谷部の曲率半径R
1 が2×R0 を上回ると、底部の耐熱耐圧強度が低下
し、充填後の谷部の変形が大きくなりすぎる傾向にあ
る。
【0045】曲率半径R1 である谷部6の範囲は、その
谷球面の中心と足接地部とを結ぶ直線と仮想谷球面とが
交わる円の直径をD1 としたとき、式 D1 /D0 =0.55〜0.75 を満足する範囲となっていることが好適である。
【0046】谷部6は下に凸状で底中心部5aが最下点
であり、底中心部5aより底中央5にて足部が始まる足
付け根部8に至るまでは球面に沿って谷部は上昇すると
共に、足付け根部よりも径方向外方では放射状に上昇
し、足の付け根部より放射状に延びる足部は谷部とは逆
に接地部に至るまで降下する曲線形状より成る。
【0047】[その他の底形状]本発明の容器では、耐
熱圧性の点で、成形性を損なわない範囲で谷部の表面積
を増加させるように配慮している。
【0048】容器底部における諸寸法の説明をも兼ねる
図2(要部拡大断面図)において、この容器の底部直上
の胴部3はD0 の胴径を有しており、底部4はDF の底
中央部直径を有している。底の中心から胴径D0 の40
%の直径の円を描き、この円内に含まれる谷部4の表面
積をSとし、その胴径40%の直径内に含まれる底部全
体を谷部曲面にて覆った仮想曲面の表面積をS0 とす
る。また、底の中心から胴径D0 の80%の直径の円を
描き、この円内に含まれる谷部4の表面積をS’とし、
その胴径80%の直径内に含まれる底部全体を谷部曲面
にて覆った仮想曲面の表面積をS0 ’とする。
【0049】本発明では、谷部形状を、足部の成形性を
損なわない範囲で谷部の面積を増やすように寸法を定め
る。即ち、底中央足付け根部の径DF を適正値に保つこ
と、即ち、耐熱圧性の向上、成形性の確保を目的とし
て、下記式 0.35D0 ≧DF ≧0.23D0 を満足する範囲としている。
【0050】また、胴径D0 の40%の直径に含まれる
谷部の表面積Sを S/S0 =0.65〜0.9、好ましくは0.7〜0.
85 とし、胴径D0 の80%の直径に含まれる谷部の表面積
S’ S’/S0 ’=0.2〜0.45、好ましくは0.3〜
0.40 としている。
【0051】本発明では、図9に示すとおり、隣り合っ
た足部間7,7を横切り且つ谷部6に垂直な面におい
て、谷部6の一方の端とこれに対応する足部7の端とを
結ぶ線aと、谷部6の他方の端とこれに対応する足部7
の端とを結ぶ線a’との間に、足部を挟む足部開き角度
θを規定する。
【0052】本発明者らは、鋭意研究を行った結果、特
に足部間を横切り且つ谷部に垂直な面において足先端部
に至る谷部を挟む足部開き角度θに着目した。例えば上
記足部開き角度θが55°である容器に3ガスボリュー
ムの内容物を充填すると、足部開き角度θは58°に広
がった。その充填品に70℃の熱水シャワーを掛けて、
底中心部が65℃の温度で15分間となる条件にて熱殺
菌を行った場合、底部が変形して上記の足部開き角度θ
が90°にまで広がってしまう観測結果が得られた。
【0053】本発明者らは熱殺菌時の上記足部開き角度
θの著しい拡大が谷部の比較的大きな変形、すなわち谷
部の膨張を生じさせると考えた。そこで、足先端部に至
る足部位における谷部を挟む足部開き角度θを予めある
程度以上に大きくしておけば、結果的に熱殺菌時の谷部
の変形が抑制できることを思いつき、実験を行った。実
験の結果、上記足部開き角θを65°以上とした容器で
は、熱殺菌処理時の谷部の変形が極めて小さくできるこ
とを見いだしたのである。
【0054】谷部を挟む足部開き角θを大きくすること
は、例えば球面等の曲面の一部からなる谷部を足部が引
っ張り上げるように作用する力の作用方向を球面の方向
に近づけるものであり、そのため、球面状谷部に垂直に
働く力成分、すなわち谷部を変形させる力成分を減じる
ことになる。その結果、谷部の変形を減じることができ
るのである。
【0055】本発明では、足部間を横切り且つ谷部に垂
直な面において足先端部に至る底谷部を挟む足部開き角
度θを65°以上、特に好ましくは70°乃至90°の
範囲とする。足部開き角度θが65°を下回った容器で
は、内容物の充填、熱殺菌処理後の足部開き角度θが大
きく拡大し、それに伴って谷部の変形量も大きくなりす
ぎる。以上のように耐熱耐圧性能上は足部開き角度θを
大きくすることが好ましいが、一方、足部開き角度θが
大きくなりすぎると足先端接地部の幅が細くなる傾向に
ある。この足先端接地部が細くなりすぎると、特に充填
前の空容器にて転倒しやすくなる傾向にあり、好ましく
ない。従って、足部開き角度θは90°以下とすること
が好ましい。
【0056】本発明では、さらに、底中心から足接地部
までの高さである足高さH0 (図3)は3mm乃至6m
mであることが好ましい。足高さH0 が3mmを下回る
と、内容物の充填及び熱殺菌処理後の容器の自立性を有
効に確保することが難しく、また、足高さH0 が6mm
を上回ると、谷部から足部までの距離が長くなり、足部
先端の厚みを確保することが難しくなる。
【0057】足部の本数は3乃至6本、特に4乃至5本
であることが好ましい。足部の本数があまりにも少ない
場合、足角度θを比較的大きく取るため、足接地部の幅
を大きくすることが難しく、そのため空容器が転倒しや
すくなる問題が生じる。一方、足部の本数を7本以上と
すると、足角度θ及び谷部幅を好ましい範囲に収めるこ
とが難しくなり、さらに足部の幅が狭くなることによ
り、足部の成形性が劣ることになる。
【0058】[容器の製造法]本発明の自立容器は、一
度のブロー成形にて最終製品形状とする1段ブロー成形
法或いは二度のブロー成形にて製品を得る2段ブロー成
形法において、最終段のブロー成形型として、前述した
容器底形状に対応した底形状の金型を用いることにより
製造できる。
【0059】一般に2段ブロー成形法を用いることが好
ましく、1次ブロー成形にてプリフォーム成形品から概
ね底がフラットな2次成形品を作成し、その2次成形品
の底部及び底部に連なる胴部の一部を加熱収縮させて3
次成形品とし、さらにその3次成形体品を前記底形状の
金型内で2次ブロー成形して最終形状とする工程を採用
するのがよい。
【0060】[プリフォーム]本発明において、プラス
チック材料としては、延伸ブロー成形及び熱結晶化可能
なプラスチック材料であれば、任意のものを使用し得る
が、熱可塑性ポリエステル、特にエチレンテレフタレー
ト系熱可塑性ポリエステルが有利に使用される。勿論、
ポリカーボネートやアリレート樹脂等を用いることもで
きる。
【0061】本発明に用いるエチレンテレフタレート系
熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、
一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレン
テレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点
(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融
点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至27
0℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0062】ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧
性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以
外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使
用し得る。
【0063】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。
【0064】また、エチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルにガラス転移点の比較的高い例えばポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート或いはポリアリ
レート等を5%〜25%程度をブレンドした複合材を用
いることができ、それにより比較的高温時の材料強度を
高めることができる。さらに、ポリエチレンテレフタレ
ートと上記のガラス転移点の比較的高い材料とを積層化
して用いることができる。
【0065】用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る
分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレー
ド或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘
度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dl/g、
特に0.63乃至1.3dl/gの範囲にあるものが望
ましい。
【0066】本発明の容器の製造では、先ず有底筒状の
プリフォームを成形し、このプリフォームの口頸部を加
熱して、局部的に熱結晶化部を設ける。
【0067】本発明に用いるプリフォームの一例1次ブ
ロー金型と共に示す図10において、このプリフォーム
20は、口部21、胴部22及び閉塞底部23から成っ
ており、口部21には、ネジ等の蓋締結機構24及び容
器保持のためのサポートリング25等(図1参照)が設
けられており、口部21は熱結晶化すなわち球晶化され
ている。この球晶化された口部21は、図1の容器口頸
部1となるものである。
【0068】プラスチック材料のプリフォーム20への
成形には、射出成形を用いることができる。即ち、プラ
スチックを冷却された射出型中に溶融射出して、過冷却
された非晶質のプラスチックプリフォームに成形する。
【0069】射出機としては、射出プランジャーまたは
スクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノ
ズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射
出型中に射出する。これにより、ポリエステル等は射出
型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用
のプリフォームとなる。
【0070】射出型としては、容器形状に対応するキャ
ビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或い
はマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度
は270乃至310℃、圧力は28乃至110kg/c
2 程度が好ましい。
【0071】プリフォーム20の口部21の球晶化は、
これらの部分をそれ自体公知の手段で選択的に加熱する
ことにより行うことができる。ポリエステル等の熱結晶
化は、固有の結晶化温度で顕著に生じるので、一般にプ
リフォームの対応する部分を、結晶化温度に加熱すれば
よい。加熱は、赤外線加熱或いは誘電加熱等により行う
ことができ、一般に延伸すべき胴部を熱源から断熱材に
より遮断して、選択的加熱を行うのがよい。
【0072】上記の球晶化は、プリフォーム20の延伸
温度への予備加熱と同時に行っても或いは別個に行って
もよい。
【0073】プリフォームの延伸温度は、一般に85乃
至135℃、特に90乃至130℃の温度が適当であ
り、その加熱は、赤外線加熱、熱風加熱炉、誘電加熱等
のそれ自体公知の手段により行うことができる。また、
口部球晶化は、プリフォーム口部を、他の部分と熱的に
絶縁した状態で、一般に140乃至220℃、特に16
0乃至210℃の温度に加熱することにより行うことが
できる。プリフォーム口部の結晶化度は25%以上であ
るのがよい。
【0074】尚、プリフォームからの延伸ブロー成形に
は、成形されるプリフォーム成形品に与えられた熱、即
ち余熱を利用して、プリフォーム成形に続いて延伸ブロ
ー成形を行う方法も使用できるが、一般には、一旦過冷
却状態のプリフォーム成形品を製造し、このプリフォー
ムを前述した延伸温度に加熱して延伸ブロー成形を行う
方法が好ましい。
【0075】二段ブロー成形法によれば、このように口
部球晶化及び延伸のための予備加熱を行ったプリフォー
ムを1次ブロー金型内にて二軸延伸ブロー成形して、概
ねフラットな底部を形成すると共に、プリフォームの口
部球晶化及びその近傍以外の部分を高延伸倍率に延伸し
た2次成形品とし(図11);この2次成形品の底部及
び底部に連なった胴部の少なくともその一部を加熱し
て、該底部及び一部胴部が収縮した3次成形品とし(図
12A、B、C);次いでこの3次成形品を2次ブロー
金型内にてブロー成形して、複数の谷部及び足部から成
り、高延伸により薄肉化された底部を有する最終製品と
する(図13及び図14)。
【0076】[1次ブロー成形]1次ブロー成形工程を
示す図10(成形前)及び図11(成形後)において、
プリフォーム20は、コア金型31によりその口部を支
持されており、閉じた割金型32内に保持される。コア
金型の反対側には、2次成形品の底形状を規定する底金
型33も配置されている。プリフォーム20内に延伸棒
34を挿入し、その先端をプリフォーム底部に押し当て
て、プリフォーム20を軸方向に引っ張り延伸すると共
に、プリフォーム20内に流体を吹き込んで、プリフォ
ームを高さ及び周方向に膨張延伸させる。この際、延伸
棒34と同軸に、底金型33の側にプレス棒35を配置
して、引っ張り延伸に際して、プリフォームの底部23
が延伸棒34とプレス棒35とにより狭持され、プリフ
ォームの底部23が形成される2次成形品36の中心に
位置するように位置規制する。底金型33は、2次成形
品36の底形状を、続いて行う熱処理工程で底形状が以
下に説明する好適な形に規制するためのものである。
【0077】即ち、図10に示すとおり、底金型33は
概ねフラットな底形成部37と、その中央において小径
で突出した底凹部形成部38とを備えている。これは、
2次成形品36の底部の収縮に際して、底部の中心側へ
のくぼみを抑制して、最終成形品の底形状に近い半球状
面を形成するように作用するからである。
【0078】更に、図11に示すとおり、1次ブロー成
形に際して、2次成形品36の底部の中央部外面に比較
的小さな凹部39を設けておくと、熱処理工程で、3次
成形品の底肩部が径内方側に過度に引き込まれて底肩部
径が小さくなり過ぎるのを防止する。これは、前記凹部
39が熱収縮時に底中央部を概ね平坦状に収縮させる作
用をしているためと思われる。凹部39の寸法は、径が
最終容器の胴径D0 の15乃至60%程度、深さが0.
5乃至5mm程度が適当である。この凹部39の形成
は、底金型33の中央部内面に内向きの突起38を形成
しておくことにより達成される。
【0079】延伸倍率は、軸方向延伸倍率を2乃至5
倍、特に2.2乃至4倍、周方向延伸倍率を2.5乃至
6.6倍、特に3乃至6倍とするのがよい。軸方向延伸
倍率は、プリフォーム成形品の軸方向の長さと延伸棒の
ストローク長とによって決定されるが、周方向の延伸倍
率は、プリフォームの径と金型キャビティの径とにより
決定される。圧力流体としては、室温或いは加熱された
空気や、その他のガス、例えば窒素、炭酸ガス或いは水
蒸気等を使用することができ、その圧力は、通常10乃
至40kg/cm2 ゲージ、特に15乃至30kg/c
2 ゲージの範囲にあるのがよい。
【0080】本発明では一次ブロー成形工程にて底部を
比較的高延伸にて薄肉化することが好ましい。本発明で
は、延伸加工が終了する直前までの間でのプリフォーム
底部の延伸棒とプレス棒とでの挟み込み部の温度低下を
40℃以内、より好ましくは25℃以内とすることによ
り、その挟み込み部及びその周縁を比較的に高延伸状態
にて薄肉化できる。上記温度低下が25℃以下の場合、
底中心部5aを含めた底全体が比較的高延伸状態にて、
通常1mm以下の肉厚に薄肉化することができ、最終的
に好ましい耐熱耐圧性能を有する容器を得ることができ
る。また、上記温度低下が25℃を越え40℃以内の場
合、通常延伸棒とプレス棒とでの挟み込み部、すなわち
底中心部5aの周辺は比較的高延伸状態にて薄肉化され
るが、その挟み込み部はその周辺よりも比較的厚肉状に
て残る。しかし、その挟み込み部の肉厚は通常1.5m
m以下で、且つ比較的小径であるため、底中心部5aが
完全に高延伸状態に薄肉化された場合よりも多少性能が
低下するが、最終的に比較的に好ましい耐熱耐圧性能を
有することができる。
【0081】延伸加工が終了する直前までの間に、プリ
フォーム底部の挟み込み部の温度低下が40℃を越える
と、ブロー成形時のその挟み込み部周縁の延伸が困難と
なり、比較的低延伸状態で比較的厚肉のままで残ってし
まう。すなわち、底中央以外の温度低下の少ない部分の
みが比較的高延伸状態に延伸加工されることになる。
【0082】プリフォーム底部の挟み込み部の温度低下
を低くするための手段として、延伸棒及びプレス棒から
の過剰な熱伝導を防止することが有効である。具体的に
は、少なくとも延伸棒或いはプレス棒の先端部を断熱性
能を有する耐熱性プラスチック材またはセラミック材と
することが好ましい。また、プレス棒或いは延伸棒を加
温し、比較的高温に温度制御する手段も有効である。プ
レス棒及び延伸棒の加温は、通常プリフォームの延伸温
度に対応して60℃乃至130℃とすることが好まし
い。その加温方式としては、電気ヒータ、高周波誘導加
熱などによる電気的加熱方式、高温液体の循環による流
体加熱方式、ヒートパイプなどの熱伝導方式等を採用す
ることができる。
【0083】熱処理工程の詳細を示す図12Aにおい
て、2次成形品36はコア金型31に支持させて自転し
ており、この2次成形品の底部37及び底部に連なった
胴部の少なくとも一部と対面するように第1の赤外線放
射体42が設けられている。第1の赤外線放射体42
は、2次成形品36の底部40の上方に位置し、胴部4
1に概ね垂直に置かれており、この底部用赤外線放射体
42により、2次成形品の底部及び底部に連なる胴部の
一部を最初に加熱収縮させる。
【0084】底部用赤外線放射体42により先行して行
われる2次成形品の加熱では、図12のBに示すとお
り、主に2次成形品の底部及び胴部と底部の連結部が収
縮するが、底部が中心部に向かって収縮し、且つ胴部と
底部の連結部は底部用赤外線放射体42に近い部位、即
ち中心部に近い部位からその外側の部位に順次に収縮す
る。この段階では、胴部の円周方向への収縮は少ないた
め、底部の収縮形状は比較的径の大きな制御された底肩
部43を有するものとなる。
【0085】次に、少なくとも胴部の周囲に位置し、胴
部に概ね平行に置かれた胴部用赤外線放射体44によ
り、2次成形品の底部に連なる胴部の一部を加熱収縮さ
せる。12図のB及びCにおいて、胴部の他の部分を胴
部用赤外線放射体44から遮蔽するために熱遮蔽板45
が設けられている。
【0086】底部が収縮して得られた底肩部43は、次
の胴部用赤外線放射体44による加熱において、さほど
収縮することなく概ねその形状を確保することができ
る。胴部用赤外線放射体44による加熱は、底部が収縮
して得られた底肩部43より下方の胴部を加熱収縮させ
ること及び底肩部43近傍の温度を上昇させることに寄
与する。
【0087】この様にして得られた3次成形品46の加
熱収縮部は、図12のCに示すとおり、底面が中心部よ
り底肩部43にかけて概ね平坦状乃至は凸状の比較的大
きな曲率半径を有する曲面であり、底肩部43より外側
の部分47は概ね円筒状乃至円錐台に近い形状にて急激
に折れ曲がっている。さらに、3次成形品46の加熱さ
れた底肩部より内側の成分、底肩部近傍及び底肩部下方
の円筒部は、2次ブロー成形に最適な温度レベルに保持
される。
【0088】続いて行う2次ブロー成形において、3次
成形品の底肩部43及びその近傍が最終成形品の足先端
部に来ることになる。従って、この底肩部43を2次ブ
ロー底型の谷部及び足先端部にできるだけ接近させるこ
と、及び底肩部を挟む底部及び円筒部の温度を上げて延
び易くすることが重要であり、それにより2次ブロー成
形時の好ましい成形性を確保することができる。
【0089】2次成形品36の底部及び一部胴部の加熱
は、120乃至200℃の温度で行うのがよく、これに
より、これらの部分の熱収縮と熱固定を有効に行うこと
ができる。赤外線放射体からの加熱では、非接触式加熱
であるので、底部及び一部胴部の収縮が、拘束なしに行
われ、また、2次成形品の表面に照射された赤外線は、
その一部が板厚分を通過し、照射部位に対向する反対側
の内面側に至ってその一部がさらに吸収され内面側から
器壁の赤外線による加熱が極めて効率良く短時間内に均
一に行われる。
【0090】また、前記熱処理工程の赤外線放射体4
2、44を、2次成形品が移動する通路にそって、該通
路の上部及び側面に配置し、該赤外線放射体で囲まれた
空間内を2次成形品を軸方向に自転させて加熱しながら
移動すれば、2次成形品の加熱収縮と工程間の移動が同
時にできるので、ロスタイムなしで熱処理を行うことが
できると共に、生産性を向上させることができる。
【0091】赤外線放射体は400〜1000℃程度に
加熱された比較的放射効率に優れた且つ比較的表面積の
大きな面状の表面を有するものを組み合わせて使用する
とよい。これにより、比較的高エネルギー密度の赤外線
を2次成形品に照射することができ、短時間加熱が可能
となる。特に、2次成形品の加熱部位は高延伸により薄
肉化されているため、前記赤外線加熱体により例えば1
0秒以下の短時間にて所定の温度とすることができる。
その赤外線加熱体としては具体的には炭素鋼或いはステ
ンレス鋼等の金属面、アルミナ、マグネシア或いはジル
コニア等のセラミック面、セラミックとカーボン等の複
合材面などの固体表面或いはガスを燃焼して得られる気
体表面などが利用できる。固体からなる赤外線加熱体の
表面は埋め込んだ電熱ヒータによる加熱或いは高周波誘
導加熱などにより所定の温度とする。
【0092】一次ブロー成形にて高延伸により薄肉化さ
れた2次成形品の底部は比較的成形性に乏しく、2次ブ
ロー成形を良好に行うためには成形部の温度を120〜
200℃とすることが必要である。また、3次成形品の
加熱部位を120〜200℃の温度に加熱して熱固定を
行うことにより、最終的に容器の底谷部の結晶化度を前
述した範囲にすることができる。底部高延伸配向による
耐熱圧強度の向上を加えて、この底部結晶化によりさら
に耐熱圧強度を高めることができる。
【0093】2次ブロー成形工程の詳細を示す図13に
おいて、3次成形品46は、コア金型31によりその首
部を支持されており、閉じた割金型51内に保持され
る。コア金型の反対側には、最終容器の底形状を規定す
る底金型52も配置されている。3次成形品46内に流
体を吹き込んで、3次成形品を2次ブロー成形し、所定
の谷部及び足部を備えた最終容器(5本足)50の底形
状に形成する。成形された容器50は、それ自体公知の
取り出し機構(図示せず)により、開いた2次ブロー金
型51から外部に取り出される。
【0094】2次ブロー成形工程では、熱処理工程での
成形品(3次成形品)を2次ブロー成形型中でブロー成
形して、前記足部と谷部とが交互に配置された底部に成
形する。この2次ブロー成形に際して、当然のことなが
ら、用いる2次ブロー成形金型のキャビテイは3次成形
品よりも大きく、自立性底形状を含めて、最終成形品の
寸法及び形状に合致するものでなければならない。
【0095】また、3次成形品では、熱処理による結晶
化で、弾性率が増加しているので、高い流体圧を用いて
行うのがよく、一般に15乃至45kg/cm2 の圧力
を用いるのが好ましい。
【0096】2次ブロー成形に際して、金型の温度は、
5乃至135℃の温度に維持して、成形後直ちに冷却が
行われるようにしてもよいし、或いは、最終成形品中に
冷風等を流して冷却が行われるようにしてもよい。
【0097】本発明の耐熱圧ポリエステルボトルは、自
生圧力を有する内容物を充填し、加熱殺菌乃至滅菌する
用途に有用であり、炭酸入り飲料や窒素充填飲料乃至調
味料等を充填保存する容器として有用である。耐熱耐圧
用容器として、ガス容量は3VOL程度まで可能であ
り、加熱殺菌温度は、60乃至80℃が適当である。
【0098】
【実施例】本発明を次の具体例及び比較例により、更に
説明する。
【0099】比較試験1 図10乃至図13に示されるような2段ブロー成形法の
装置を用いて、最終成形品の最大胴径D0 が92.5m
m、全高さが303mm、容量が1500mlで、底部
が5本の足部及び谷部とから構成される図1に示される
ようなポリエチレンテレフタレート(PET)製の容器
を作成した。
【0100】有底状のプリフォームを用意し、図10に
示されるような、高さが318mmで、底部に連なる胴
部の直径が92.5mmであり、且つ中央部が内方に、
径が30mmで深さが2mmの凹状部を有する底型より
なるブロー金型を用いて、1次ブロー成形を行った。そ
の1次ブロー成形では、最初にプリフォームを100℃
の延伸温度に加熱して金型内に導入し、次にプリフォー
ムの底部を内部に設置された延伸棒と外部に設置された
プレス棒とで挟み込み、延伸棒でプリフォーム底部を突
き上げながら同時に20kgf/cm2 の圧縮空気をプ
リフォーム内に吹き込んでブロー成形し、2次成形品を
得た。その際、延伸棒及びプレス棒の先端の材質を断熱
性の良好なポリテトラフルオロエチレン製(TF製)と
した。得られた2次成形品の底部は中央に凹み(径が3
0mm、深さが2mm)を有し、且つ底中心部を含んで
0.35〜0.6mmの肉厚に高延伸配向されていた。
その際の底部の結晶化度は25〜35%であった。
【0101】次に、セラミック内に電熱ヒータを組み込
んだ面状の赤外線加熱体を第1段階の底面に平行に配置
した底部用赤外線放射体と、第2段階の底面に平行な底
部用赤外線放射体と胴面に平行に配置した胴部用赤外線
放射体とを組み合わせて成るトンネル状の熱処理装置中
を2次成形品を自転させながら移動させることにより、
2次成形品の底部及び底部に連なる胴部の一部を図12
に示すように加熱収縮させて、3次成形品を得た。赤外
線加熱体の温度は底部用が950℃で、胴部用が900
℃であり、トータルの加熱時間は8秒間であった。得ら
れた3次成形品の加熱部位は2次ブロー成形金型の底谷
曲面に極く近接しており、且つ十分収まる形状であっ
た。
【0102】最後に、加熱状態にある3次成形品を所定
の5足の底形状を有する2次ブロー金型を用いて、40
kgf/cm2 の圧縮空気にて2次ブロー成形して前記
容器を得た。その際、2次ブロー金型の5足底型とし
て、図2に示されるように5本の足部中央に底幅が0.
5〜1mmで深さH1 が1.6mmの細溝を有してお
り、且つ底中央部が球面の一部である底形状の実施例1
の底型と、図6に示されるように比較的大きな幅の足部
付け根部を有し、且つ底中央部が平坦状である、すなわ
ち底中心部と足付け根部が同一平面上にある底形状の比
較例1の底型とを用意した。また、いずれの底型におい
ても底中心部から足接地部までの高さH0 が4.5m
m、足付け根部幅Wが10mm、底中央を横切る谷部の
曲率半径R1 が85mm、足部間を横切り且つ谷部に垂
直な面において谷部を挟む足角度が70°、胴径D0
40%の直径内に含まれる底谷部の合計表面積Sと胴径
0 の40%の直径内に含まれる底部仮想曲面の表面積
0 との比S/S0 が0.8、胴径D0の80%の直径
内に含まれる底谷部の合計表面積S’と胴径D0 の80
%の直径内に含まれる底部仮想曲面の表面積S0 ’との
比S’/S0 ’が0.34、及び足付け根部内側にある
底中央谷部の直径を28mmとした。
【0103】いずれの場合も得られた容器の底部の肉厚
は0.22〜0.6mmの範囲であった。その内、底中
央谷部の肉厚は0.45〜0.5mmであり、その部位
の結晶化度は40〜45%であった。また、足先端部の
肉厚は0.22〜0.3mmであり、過延伸に伴う白化
は一切見られなかった。
【0104】得られた容器の性能試験として、各例とも
10本の容器に2.8ガスボリューム(GV)及び2.
3ガスボリューム(GV)の炭酸水を充填してキャッピ
ングした後、70℃の熱湯を容器上部から30分間流す
ことにより内容物の加熱殺菌処理を行った。その加熱殺
菌処理において底中心部は最大69℃までの温度上昇が
見られた。加熱殺菌処理の終了し冷却した容器底部の変
形量を測定し、足高さ(H)がマイナスである、すなわ
ち底中心部が足よりも下方に出ている自立性に欠ける容
器の本数を調べた。結果を表1に示す。また、実施例1
の容器では、2.8GVのガス圧にて加熱殺菌処理した
容器底部の底足高さHが0.5乃至0.7mmであり、
底中心部と足付け根部中央の細溝部の最上部との高さ方
向の距離H2 が1.2乃至1.5mmであった。このよ
うに、実施例1の本発明容器では充填殺菌後も上記の細
溝部の深さが余り変化することなく残されており、それ
が足付け根部及びそれに連なる底中心部の充填殺菌後の
変形を抑制して、好ましい耐熱耐圧性が得られた。一
方、比較例1の容器では、2.8GVのガス圧にて加熱
殺菌処理した容器底部の底足高さHは−0.3乃至−
0.8mmと、底中心部が足部よりも下方に突出してお
り、さらに底中心部の変形に同期して足付け根部も下方
に大きな変形を生じていた。このように、比較例1の容
器では充填殺菌に伴い底中央平坦部が概ね球面状に変形
を行い、足付け根部にはその変形を抑制する能力が欠け
ていた。
【0105】
【表1】
【0106】比較試験2 2段ブロー成形法により、最終成形品の最大胴径D0
92.5mm、全高さが303mm、容量が1500m
lで、底部が5本の足部及び谷部とから構成されポリエ
チレンテレフタレート(PET)製容器を作成した。容
器の作成は比較試験1に準じて行った。その際、容器の
底形状となる2次ブロー金型の底型として、実施例2、
実施例3及び比較例2からなる3種類の底型を用意し
た。その内、実施例2及び実施例3では、図2に示され
るような5本の足部中央に底幅が0.5〜1mmで底中
心部からの深さH1 が約1.6mmの細溝を設けた。一
方、比較例2では、図15に示されるように底中央の足
付け根部が比較的小さな曲率半径の円弧からなるように
した。さらに、その3種類の底型にて、足部間を横切り
且つ谷部に垂直な面において谷部を挟む足角度θ、底中
央近傍における谷底部の曲率半径R1 と胴部半径R0
の比率R1 /R0 、足付け根部の径DF (mm)、胴径
0 の40%の直径内に含まれる底谷部の合計表面積S
と胴径D0 の40%の直径内に含まれる底部仮想曲面の
表面積S0 との比S/S0 、及び胴径D0 の80%の直
径内に含まれる底谷部の合計表面積S’と胴径D0 の8
0%の直径内に含まれる底部仮想曲面の表面積S0 ’と
の比S’/S0 ’の数値を適当に組み合わせた。本比較
試験に供した3つの2次ブロー金型の底形状の数値を表
2に示す。なお、その3種類の底型では底中心部から足
接地部までの高さH0 を4.5mmとした。
【0107】何れの場合も得られた容器の底中心部を含
めた半径30mm内の底谷部の厚みは0.4〜0.6m
mであり、その部位の結晶化度は30〜47%であっ
た。得られた容器の足先端部の厚みTの測定値を表2に
併せて示す。
【0108】容器性能評価試験として、試作した各例と
も10本の容器に2.6ガスボリューム(GV)の炭酸
水を充填してキャッピングした後、70℃の熱湯を容器
上部から30分間流すことにより内容物の加熱殺菌処理
を行った。その加熱殺菌処理において底中心部は最大6
9℃までの温度上昇が見られた。加熱殺菌処理の終了し
冷却した容器底部の変形量を測定し、足高さ(H)がマ
イナスである、すなわち底中央が足よりも下方に出てい
る自立性に欠ける容器の本数を調べた。その結果を表2
に併せて示す。
【0109】
【表2】
【0110】以上の比較試験1及び2の試験結果から本
発明容器は耐熱耐圧性に優れていることが理解される。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂の二軸延伸ブロー
成形によって形成された口頚部、肩部、胴部及び複数の
谷部及び足部とよりなる底部を備えた自立性容器におい
て、前記足部を、底部中央にて谷部に接続する足部付け
根部と、該足部付け根部の中央より放射状に延びている
細溝部と、該細溝部を間に挟んで細溝部より外方に張り
出した一対の凸状部とから構成し、且つ前記足部の一対
の凸状部と谷部とを前記足部付け根部の位置で不連続な
曲線となるように接続したことにより、底部全体が延伸
により薄肉化されながら足部の過度の薄肉化が防止さ
れ、加熱殺菌時における底部の熱クリープ現象が完全に
防止され、しかも優れた耐熱耐圧性、耐衝撃性及び自立
性の組み合わせを有する二軸延伸樹脂容器を提供するこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自立容器の一部断面側面図である。
【図2】図1の自立容器の底面図である。
【図3】容器底部の図2におけるA−A断面図である。
【図4】容器底部の図2におけるB−B断面図である。
【図5】内容物充填状態での容器底部の図3に対応する
断面図である。
【図6】容器底部の足部と底中央谷部との接続幅を示す
説明図である。
【図7】底中央谷部が平坦となった容器底部(比較例)
の断面図である。
【図8】内容物充填状態での図7の容器底部の断面図で
ある。
【図9】図1の自立容器の底部の斜視図である。
【図10】1次ブロー成形工程を説明するための断面図
であって、成形開始前の状態を示す。
【図11】1次ブロー成形工程を説明するための断面図
であって、成形開始後の状態を示す。
【図12】熱処理工程を説明するための断面図であっ
て、Aは一段目の熱処理、Bは二段目の熱処理、Cは熱
処理終了後の状態を示す。
【図13】2次ブロー成形工程を説明するための断面図
であって、成形終了後の状態を示す。
【図14】最終成形品を示す側面図である。
【図15】容器底部の足部と底中央谷部との接続幅(本
発明範囲外)を示す説明図である。
【記号の説明】
1 口頚部 2 肩部 3 胴部 4 底部 5 底中央谷部 5a 底中心部 6 谷部 7 足部 8 付け根部 9 接地部 10 細溝部 11a、11b 凸状部 20 プリフォーム20 21 口部 22 胴部 23 閉塞底部 24 蓋締結機構 25 サポートリング 31 コア金型 32 割金型 33 底金型 34 延伸棒 36 2次成形品 37 底形成部 38 底凹部形成部 39 凹部 40 底部 41 胴部 42 底部用赤外線放射体 43 底肩部 44 赤外線放射体 45 熱遮蔽板45 46 3次成形品 47 部分 50 容器 51 割金型 52 底金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 和久 神奈川県横浜市西区西戸部町2−206 (72)発明者 竹内 公生 神奈川県川崎市宮前区野川2297−5

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
    された口頚部、肩部、胴部及び複数の谷部及び足部とよ
    りなる底部を備えた自立性容器において、前記足部が、
    底部中央にて谷部に接続する足部付け根部と、該足部付
    け根部の中央より放射状に延びている細溝部と、該細溝
    部を間に挟んで細溝部より外方に張り出した一対の凸状
    部とから構成され、且つ前記足部の一対の凸状部と谷部
    とは前記足部付け根部の位置で不連続な曲線となるよう
    に接続されていることを特徴とする耐熱耐圧性に優れた
    自立容器。
  2. 【請求項2】 前記細溝部は足部の接地部よりも径内方
    側で終結している請求項1記載の自立容器。
  3. 【請求項3】 前記細溝部は、足部付け根部の中央の位
    置で、小径の曲率部(R3 =2〜8mm)を介して谷部
    と円滑に接続されている請求項1または2記載の自立容
    器。
  4. 【請求項4】 前記足部付け根部は、細溝部により、二
    山の足部付け根部に分離されている請求項1乃至3の何
    れかに記載の自立容器。
  5. 【請求項5】 足部の一対の凸状部が細溝部に対して実
    質上対称に形成されている請求項1乃至4の何れかに記
    載の自立容器。
  6. 【請求項6】 前記細溝部の底部の溝幅が5mm以下で
    あり、底中心部と底中心部の上方に位置する細溝部の開
    始端との上下方向の距離H1 が1乃至4mmの範囲にあ
    る請求項1乃至5の何れかに記載の自立容器。
  7. 【請求項7】 底中心部を除いて、底部全体が20%以
    上の結晶化を有するように配向結晶化され、且つその厚
    みが0.15乃至1mm以下となるように二軸延伸によ
    り薄肉化されている請求項1乃至6の何れかに記載の自
    立容器。
  8. 【請求項8】 底中心部を除いて、底部の厚みが0.1
    5mm乃至0.8mmの範囲にある請求項7記載の耐熱
    耐圧自立容器。
  9. 【請求項9】 底中心部をも含めて、底部全体が20%
    以上の結晶化を有するように配向結晶化され、且つその
    厚みが0.15乃至1mm以下となるように二軸延伸に
    より薄肉化されている請求項1乃至6の何れかに記載の
    自立容器。
  10. 【請求項10】 底中心部をも含めて、底部の厚みが
    0.15mm乃至0.8mmの範囲にある請求項9記載
    の耐熱耐圧自立容器。
  11. 【請求項11】 胴径(D0 )の50%の直径の範囲内
    にある谷部が、30%以上の結晶化度を有する請求項1
    乃至10の何れかに記載の自立容器。
  12. 【請求項12】 底谷部が70℃で25kg/cm以上
    の降伏荷重を有する請求項1乃至11の何れかに記載の
    自立容器。
  13. 【請求項13】 少なくとも底中央の谷部が底中心軸上
    に中心を有する仮想球面上に位置している請求項1乃至
    12の何れかに記載の自立容器。
  14. 【請求項14】 前記谷部が仮想球面上に位置する範囲
    は、少なくとも仮想曲面の中心と足部の接地部とを結ぶ
    直線に迄及んでいる請求項13記載の自立容器。
  15. 【請求項15】 底中央近傍における底谷部の曲率半径
    1 が胴部半径(D 0 /2)の1.3乃至2倍である請
    求項13記載の自立容器。
  16. 【請求項16】 仮想曲面の中心と足部の接地部とを結
    ぶ直線で規定される仮想球面の径をD1 とし胴部径をD
    0 としたとき、D1 /D0 の比が0.55乃至0.75
    の範囲にある請求項13記載の自立容器。
  17. 【請求項17】 谷部は下に凸状であって、底中心部が
    最下点であり、底中心部より足部付け根部に至るまでの
    放射状に広がる谷部では高さが上昇し、足の付け根部よ
    り放射状に延びる足部は谷部とは逆に接地部に至るまで
    高さが降下する曲線形状となっている請求項1記載の自
    立容器。
  18. 【請求項18】 足部付け根部の径をDF 及び胴部の径
    をD0 としたとき、下記式 0.35D0 ≧DF ≧0.23D0 を満足する請求項1記載の自立容器。
  19. 【請求項19】 胴径D0 の40%の直径内に含まれる
    底谷部の合計表面積をS、及び胴径D0 の40%の直径
    内に含まれる前記仮想曲面の表面積をS0 としたとき、 S/S0 =0.65〜0.9 である請求項1記載の自立容器。
  20. 【請求項20】 胴径D0 の80%の直径内に含まれる
    底谷部の合計表面積をS’、及び胴径D0の80%の直
    径内に含まれる前記仮想曲面の表面積をS0’としたと
    き、 S’/S0 ’= 0.2〜0.45 である請求項1記載の自立容器。
  21. 【請求項21】 足部間を横切り且つ谷部に垂直な面に
    おいて谷部を挟む足部開き角度θが65°乃至90゜で
    ある請求項1記載の自立容器。
  22. 【請求項22】 足部接地部から底中心部への高さ(H
    0 )が3〜6mmである請求項1記載の自立容器。
  23. 【請求項23】 足部の数が3〜6本である請求項1記
    載の自立容器。
  24. 【請求項24】 前記容器が、有底プリフォームの1次
    延伸ブロー成形と、得られる2次成形品の底部及び底部
    に連なる胴部の一部の熱収縮及び熱固定と、得られる3
    次成形品の2次延伸ブロー成形とにより形成されたもの
    である請求項1記載の自立容器。
  25. 【請求項25】 前記容器に内容物を充填し、熱殺菌を
    施した後に、底中心部と底中心部の上方に位置する細溝
    部の開始端との上下方向の距離H2 が0.5mm以上で
    ある請求項1記載の自立容器。
  26. 【請求項26】 前記容器に内容物を充填し、熱殺菌を
    施した後に、底中心部と底中心部の上方に位置する細溝
    部の開始端との上下方向の距離H2 が1mm以上である
    請求項25記載の自立容器。
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