JPH1036879A - 高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法 - Google Patents
高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法Info
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- JPH1036879A JPH1036879A JP19917696A JP19917696A JPH1036879A JP H1036879 A JPH1036879 A JP H1036879A JP 19917696 A JP19917696 A JP 19917696A JP 19917696 A JP19917696 A JP 19917696A JP H1036879 A JPH1036879 A JP H1036879A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ドコサヘキサエン酸トリグリセライドで代表
される高度不飽和脂肪酸トリグリセライドを、効率よく
安価に、かつ酸化・熱異性化物の生成を極力防いで製造
する方法を提供する。 【解決手段】 2価金属水酸化物の存在下に加熱し、高
度不飽和脂肪酸モノ及びジグリセライドから高度不飽和
脂肪酸トリグリセライドを製造する。
される高度不飽和脂肪酸トリグリセライドを、効率よく
安価に、かつ酸化・熱異性化物の生成を極力防いで製造
する方法を提供する。 【解決手段】 2価金属水酸化物の存在下に加熱し、高
度不飽和脂肪酸モノ及びジグリセライドから高度不飽和
脂肪酸トリグリセライドを製造する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度不飽和脂肪酸
をふくむモノグリセライド、ジグリセライドをエステル
交換しトリグリセライド化する事で、目的の高度不飽和
脂肪酸から構成されるトリグリセライドを製造する方法
に関する。
をふくむモノグリセライド、ジグリセライドをエステル
交換しトリグリセライド化する事で、目的の高度不飽和
脂肪酸から構成されるトリグリセライドを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ω−3系高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドは、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエ
ン酸を多く含む魚類、鯨油等の海産性油脂や微生物由来
の油脂などに多く含まれ、この濃縮物が市販され、動脈
硬化防止、免疫賦活、抗腫瘍性、脳機能改善などに有用
な物質として健康食品として利用されている。しかしな
がら、この製品は、オレイン酸、リノール酸等を含むた
め、脂質過多の患者には用いることができない。一方、
純粋な高度不飽和脂肪酸のエチルエステルも公知である
が、トリグリセライドより生理活性が劣るとされてお
り、ω−3系高度不飽和脂肪酸を摂取するには、トリグ
リセライドが理想的であるとの報告もあり(Carol
M.Wojenski et al.Biochi
m.Biophys.Acta1081(1991)3
3−38,Larry D.Lawson et a
l.Biochem.Biophys.Res.Com
mun.152,(1988)328−335.)、純
粋なω−3系高度不飽和脂肪酸トリグリセライドが求め
られている。
リセライドは、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエ
ン酸を多く含む魚類、鯨油等の海産性油脂や微生物由来
の油脂などに多く含まれ、この濃縮物が市販され、動脈
硬化防止、免疫賦活、抗腫瘍性、脳機能改善などに有用
な物質として健康食品として利用されている。しかしな
がら、この製品は、オレイン酸、リノール酸等を含むた
め、脂質過多の患者には用いることができない。一方、
純粋な高度不飽和脂肪酸のエチルエステルも公知である
が、トリグリセライドより生理活性が劣るとされてお
り、ω−3系高度不飽和脂肪酸を摂取するには、トリグ
リセライドが理想的であるとの報告もあり(Carol
M.Wojenski et al.Biochi
m.Biophys.Acta1081(1991)3
3−38,Larry D.Lawson et a
l.Biochem.Biophys.Res.Com
mun.152,(1988)328−335.)、純
粋なω−3系高度不飽和脂肪酸トリグリセライドが求め
られている。
【0003】該ω−3系高度不飽和脂肪酸トリグリセラ
イドの製造方法として、モノグリセライド、ジグリセラ
イドをエステル交換反応によってトリグリセライド化す
る方法が行われている。このエステル交換反応として
は、モノ・ジ・トリグリセライド間での酵素によるラン
ダムなエステル交換反応が数多く報告されている。例え
ば、固定化リパーゼを利用したドコサヘキサエン酸トリ
グリセライドの製造方法(特開平5−331105公
報)や高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法
(第29回油化学討論会・油化学研究発表会講演要旨集
p192)が挙げられるが、何れにしても合成反応に酵
素反応独特の長時間処理が必要となり、生産性が非常に
悪かった。
イドの製造方法として、モノグリセライド、ジグリセラ
イドをエステル交換反応によってトリグリセライド化す
る方法が行われている。このエステル交換反応として
は、モノ・ジ・トリグリセライド間での酵素によるラン
ダムなエステル交換反応が数多く報告されている。例え
ば、固定化リパーゼを利用したドコサヘキサエン酸トリ
グリセライドの製造方法(特開平5−331105公
報)や高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法
(第29回油化学討論会・油化学研究発表会講演要旨集
p192)が挙げられるが、何れにしても合成反応に酵
素反応独特の長時間処理が必要となり、生産性が非常に
悪かった。
【0004】非酵素的なエステル交換反応としては、触
媒として水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート等の
ナトリウム塩、水酸化カリウム等のカリウム塩を利用し
た方法が脂肪酸エステル体について知られているが、酸
化や熱異性化による変性が避けられなかった(特開昭6
2−185049号公報等)。また、高温(250〜3
00℃)加熱で無触媒、またはアルカリ金属、同アルコ
ラートを触媒として25〜120℃で5分〜30分反応
させた結果、ランダムなエステル交換が起こることも知
られている(食用油脂加工技術の最近の動向 鈴木一
昭)が、高濃度のトリグリセライドの合成を達成できる
ものではない。さらに、同様の触媒を用いて、パーム油
脂肪酸メチルエステルの水蒸気脱臭法(160℃約10
torr)の結果、グリセロリシス生成物の約8割強程
度のトリグリセライドが得られることも知られている
が、必ずしもトリグリセライド合成濃度は十分ではない
し、高度不飽和脂肪酸での検討もなされていない(J.
Jorand:Olecgineux.10,26
9)。
媒として水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート等の
ナトリウム塩、水酸化カリウム等のカリウム塩を利用し
た方法が脂肪酸エステル体について知られているが、酸
化や熱異性化による変性が避けられなかった(特開昭6
2−185049号公報等)。また、高温(250〜3
00℃)加熱で無触媒、またはアルカリ金属、同アルコ
ラートを触媒として25〜120℃で5分〜30分反応
させた結果、ランダムなエステル交換が起こることも知
られている(食用油脂加工技術の最近の動向 鈴木一
昭)が、高濃度のトリグリセライドの合成を達成できる
ものではない。さらに、同様の触媒を用いて、パーム油
脂肪酸メチルエステルの水蒸気脱臭法(160℃約10
torr)の結果、グリセロリシス生成物の約8割強程
度のトリグリセライドが得られることも知られている
が、必ずしもトリグリセライド合成濃度は十分ではない
し、高度不飽和脂肪酸での検討もなされていない(J.
Jorand:Olecgineux.10,26
9)。
【0005】一方、高温加熱(255℃)にてトリグリ
セライドをモノ・ジグリセライドに加水分解する方法に
おいて、触媒として0.06〜0.1%の水酸化カルシ
ウムの利用方法(油脂化学便覧 日本化学協会編改訂三
版等)が知られているが、これはトリグリセライドから
モノグリセライドあるいはジグリセライドへの加水分解
反応であり、モノグリセライド及び/又はジグリセライ
ドから高濃度トリグリセライドへの合成は、今までに報
告されていない。
セライドをモノ・ジグリセライドに加水分解する方法に
おいて、触媒として0.06〜0.1%の水酸化カルシ
ウムの利用方法(油脂化学便覧 日本化学協会編改訂三
版等)が知られているが、これはトリグリセライドから
モノグリセライドあるいはジグリセライドへの加水分解
反応であり、モノグリセライド及び/又はジグリセライ
ドから高濃度トリグリセライドへの合成は、今までに報
告されていない。
【0006】従来の酵素を利用する高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライド合成法では、工業的に生産する場合、設
備面、運用面でのコストが高額になり、実際の高度不飽
和脂肪酸トリグリセライド製造方法としては不適当であ
る。更に、酵素反応故の含有される水分により、脂肪酸
の加水分解が起こり、目的とする脂肪酸の一部又は大部
分を損失する。特に、酵素反応時間が長時間かかる点で
も極めて生産性が悪い。医薬用、医薬品添加物用、食品
用、食品添加物用等へ利用するため、効率よく安価に、
かつ酸化・熱異性化物生成を防いだ高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライドはこれまでに得られていなかった。
リグリセライド合成法では、工業的に生産する場合、設
備面、運用面でのコストが高額になり、実際の高度不飽
和脂肪酸トリグリセライド製造方法としては不適当であ
る。更に、酵素反応故の含有される水分により、脂肪酸
の加水分解が起こり、目的とする脂肪酸の一部又は大部
分を損失する。特に、酵素反応時間が長時間かかる点で
も極めて生産性が悪い。医薬用、医薬品添加物用、食品
用、食品添加物用等へ利用するため、効率よく安価に、
かつ酸化・熱異性化物生成を防いだ高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライドはこれまでに得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ドコサヘキ
サエン酸トリグリセライドで代表される高度不飽和脂肪
酸トリグリセライドを、効率よく安価に、かつ酸化・熱
異性化物の生成を極力防いで製造する方法を提供する。
サエン酸トリグリセライドで代表される高度不飽和脂肪
酸トリグリセライドを、効率よく安価に、かつ酸化・熱
異性化物の生成を極力防いで製造する方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するための研究を鋭意行った結果、驚いたことに
トリグリセライドをモノグリセライド及び/又はジグリ
セライドにする加水分解反応触媒である水酸化カルシウ
ムを用いることによって、ドコサヘキサエン酸モノグリ
セライド及び/又はドコサヘキサエン酸ジグリセライド
から、ドコサヘキサエン酸トリグリセライドを90%以
上の含有率で合成できることを見出した。さらに、この
時、酸化及び熱異性化物を全く生成しないか、あるい
は、少なく制御できることをも見出し、本発明を完成し
た。
を解決するための研究を鋭意行った結果、驚いたことに
トリグリセライドをモノグリセライド及び/又はジグリ
セライドにする加水分解反応触媒である水酸化カルシウ
ムを用いることによって、ドコサヘキサエン酸モノグリ
セライド及び/又はドコサヘキサエン酸ジグリセライド
から、ドコサヘキサエン酸トリグリセライドを90%以
上の含有率で合成できることを見出した。さらに、この
時、酸化及び熱異性化物を全く生成しないか、あるい
は、少なく制御できることをも見出し、本発明を完成し
た。
【0009】すなわち、本発明は以下のとおりである。 (1) 2価金属水酸化物の存在下に、加熱法により高
度不飽和脂肪酸モノグリセライド及び/又は高度不飽和
脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドを製造することを特徴とする高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライド製造方法。 (2) 2価金属水酸化物が水酸化カルシウムである上
記1の高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法。 (3) 加熱法が減圧蒸留法である上記1又は2の高度
不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 (4) 加熱法が分子蒸留法である上記1又は2の高度
不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 (5) 加熱法が減圧蒸留法と分子蒸留法の組み合わせ
である上記1又は2の高度不飽和脂肪酸トリグリセライ
ド製造方法。 (6) 加熱法の加熱温度範囲が2つの温度域を有し、
且つ第1の温度域よりも第2の温度域が高い上記1、
2、3又は5の高度不飽和脂肪酸トリグリセライド製造
方法。
度不飽和脂肪酸モノグリセライド及び/又は高度不飽和
脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドを製造することを特徴とする高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライド製造方法。 (2) 2価金属水酸化物が水酸化カルシウムである上
記1の高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法。 (3) 加熱法が減圧蒸留法である上記1又は2の高度
不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 (4) 加熱法が分子蒸留法である上記1又は2の高度
不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 (5) 加熱法が減圧蒸留法と分子蒸留法の組み合わせ
である上記1又は2の高度不飽和脂肪酸トリグリセライ
ド製造方法。 (6) 加熱法の加熱温度範囲が2つの温度域を有し、
且つ第1の温度域よりも第2の温度域が高い上記1、
2、3又は5の高度不飽和脂肪酸トリグリセライド製造
方法。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化バリウム等の2価金属水酸化物を触媒として用い
る。2価金属酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化バリウム等)、2価金属炭酸化物(炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等)等も触媒と
して用いることができるが、2価金属水酸化物が好まし
く用いられる。2価金属水酸化物は水和物であっても問
題ないが、無水物が好ましい。また、2価金属水酸化物
は、合成反応に用いられる油脂中に元々存在するもので
あっても、また、合成反応を行う前に添加してもかまわ
ない。2価金属水酸化物の中でも水酸化カルシウムが特
に好ましい。
おいては、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化バリウム等の2価金属水酸化物を触媒として用い
る。2価金属酸化物(酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、酸化バリウム等)、2価金属炭酸化物(炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等)等も触媒と
して用いることができるが、2価金属水酸化物が好まし
く用いられる。2価金属水酸化物は水和物であっても問
題ないが、無水物が好ましい。また、2価金属水酸化物
は、合成反応に用いられる油脂中に元々存在するもので
あっても、また、合成反応を行う前に添加してもかまわ
ない。2価金属水酸化物の中でも水酸化カルシウムが特
に好ましい。
【0011】本発明に用いられる触媒濃度は、例えば、
水酸化カルシウムを用いた場合、原料として用いた油脂
重量に対して、0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜
1重量%がより好ましい。本発明において、高度不飽和
脂肪酸としては、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサ
エン酸等が挙げられる。
水酸化カルシウムを用いた場合、原料として用いた油脂
重量に対して、0.1〜5重量%が好ましく、0.3〜
1重量%がより好ましい。本発明において、高度不飽和
脂肪酸としては、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサ
エン酸等が挙げられる。
【0012】本発明の原料である高度不飽和脂肪酸含有
油脂としては、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエ
ン酸等を多く含む高度不飽和脂肪酸モノグリセライド及
び/又はジグリセライドなどを使用することができる。
例えば、天然魚油をリパーゼを用いて加水分解した高度
不飽和脂肪酸モノグリセライド、ジグリセライド等であ
る。ただし、その起源については特に限定されるもので
はない。また、原料としての試料油は、本発明において
触媒として作用する2価金属水酸化物を含んでいても良
いが、他の夾雑物についてはできるだけ少ないか、ある
いは全く含まない方が好ましい。特に、水が存在すると
脂肪酸が遊離脂肪酸として除去され、トリグリセライド
合成反応に利用される脂肪酸の損失となるため、反応液
中に水はない方が好ましい。また、低沸点の夾雑物、例
えば、水、遊離脂肪酸、脂肪酸エステル等のように、高
度不飽和脂肪酸グリセライドより沸点の低いものは、加
熱合成反応を開始する前に、減圧あるいは、不活性ガス
(例えば、窒素、アルゴン等)で置換除去するのが好ま
しい。
油脂としては、エイコサペンタエン酸やドコサヘキサエ
ン酸等を多く含む高度不飽和脂肪酸モノグリセライド及
び/又はジグリセライドなどを使用することができる。
例えば、天然魚油をリパーゼを用いて加水分解した高度
不飽和脂肪酸モノグリセライド、ジグリセライド等であ
る。ただし、その起源については特に限定されるもので
はない。また、原料としての試料油は、本発明において
触媒として作用する2価金属水酸化物を含んでいても良
いが、他の夾雑物についてはできるだけ少ないか、ある
いは全く含まない方が好ましい。特に、水が存在すると
脂肪酸が遊離脂肪酸として除去され、トリグリセライド
合成反応に利用される脂肪酸の損失となるため、反応液
中に水はない方が好ましい。また、低沸点の夾雑物、例
えば、水、遊離脂肪酸、脂肪酸エステル等のように、高
度不飽和脂肪酸グリセライドより沸点の低いものは、加
熱合成反応を開始する前に、減圧あるいは、不活性ガス
(例えば、窒素、アルゴン等)で置換除去するのが好ま
しい。
【0013】本発明における加熱法としては、高度不飽
和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸ジグリ
セライドへの合成反応が主として起こる温度域(第1温
度域)である100〜250℃と、高度不飽和脂肪酸ジ
グリライドから高度不飽和脂肪酸トリグリライドへの合
成反応が主として起こる温度域(第2温度域)である1
40〜250℃の2段加熱を行う方法と、140〜25
0℃の温度域で1段加熱を行う方法とがあるが、熱異性
化物の生成が少ないことから2段加熱で行うことが好ま
しい。加熱方法としては、常圧における蒸留法、減圧蒸
留法、分子蒸留法等が挙げられるが、構成脂肪酸の酸化
や熱異性化物の生成が少ないことから減圧蒸留法、分子
蒸留法が好ましく、更に、減圧蒸留法と分子蒸留法を組
み合わせる方法はトリグリセライドの収率を上げること
ができることから好ましい。
和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸ジグリ
セライドへの合成反応が主として起こる温度域(第1温
度域)である100〜250℃と、高度不飽和脂肪酸ジ
グリライドから高度不飽和脂肪酸トリグリライドへの合
成反応が主として起こる温度域(第2温度域)である1
40〜250℃の2段加熱を行う方法と、140〜25
0℃の温度域で1段加熱を行う方法とがあるが、熱異性
化物の生成が少ないことから2段加熱で行うことが好ま
しい。加熱方法としては、常圧における蒸留法、減圧蒸
留法、分子蒸留法等が挙げられるが、構成脂肪酸の酸化
や熱異性化物の生成が少ないことから減圧蒸留法、分子
蒸留法が好ましく、更に、減圧蒸留法と分子蒸留法を組
み合わせる方法はトリグリセライドの収率を上げること
ができることから好ましい。
【0014】常圧における蒸留法とは、高度不飽和脂肪
酸トリグリセライドの合成反応中の反応系の圧力を常圧
(外部の大気圧等と同等)に設定する加熱蒸留法であ
る。上記加熱温度の最適温度は反応系の圧力によって異
なり、常圧における蒸留法において、2段加熱法では第
1温度域として150〜200℃、第2温度域として1
80〜200℃が、1段加熱法では150〜200℃が
より好ましい。熱異性化物の生成を抑制するため、常圧
蒸留中に不活性ガスで反応系を送風置換することが好ま
しい。
酸トリグリセライドの合成反応中の反応系の圧力を常圧
(外部の大気圧等と同等)に設定する加熱蒸留法であ
る。上記加熱温度の最適温度は反応系の圧力によって異
なり、常圧における蒸留法において、2段加熱法では第
1温度域として150〜200℃、第2温度域として1
80〜200℃が、1段加熱法では150〜200℃が
より好ましい。熱異性化物の生成を抑制するため、常圧
蒸留中に不活性ガスで反応系を送風置換することが好ま
しい。
【0015】減圧蒸留法とは、高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドの合成反応中の反応系の圧力を減圧にして行
う加熱蒸留法である。通常、圧力は、数100torr
〜約100mtorr、好ましくは1〜100mtor
rで行う。また、加熱温度は、2段加熱法では第1温度
域として140〜170℃、第2温度域として170〜
190℃で行うことがより好ましく、1段加熱法では1
40〜190℃で行うことがより好ましい。また、減圧
蒸留法と分子蒸留法を組み合わせて高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライドを合成する際には、減圧蒸留法は数10
0torr〜数100mtorrの圧力で行うことが好
ましく、より好ましくは数torr〜数100mtor
rの圧力である。
リセライドの合成反応中の反応系の圧力を減圧にして行
う加熱蒸留法である。通常、圧力は、数100torr
〜約100mtorr、好ましくは1〜100mtor
rで行う。また、加熱温度は、2段加熱法では第1温度
域として140〜170℃、第2温度域として170〜
190℃で行うことがより好ましく、1段加熱法では1
40〜190℃で行うことがより好ましい。また、減圧
蒸留法と分子蒸留法を組み合わせて高度不飽和脂肪酸ト
リグリセライドを合成する際には、減圧蒸留法は数10
0torr〜数100mtorrの圧力で行うことが好
ましく、より好ましくは数torr〜数100mtor
rの圧力である。
【0016】これらの常圧又は減圧蒸留法に用いる装置
としての形態は特に指定しないが、合成中の反応油を均
一に保ち、副生成物であるグリセリン等の蒸発を促進す
るため、攪拌の可能な装置であることが好ましい。ま
た、蒸発したグリセリン等の還流によってジグリセライ
ドまたはトリグリセライドへの合成が阻害されるのを防
ぐため、加熱合成を行う反応油のはいっている応容器部
分以外にも、グリセリン等の還流が問題とならない構造
部まで蒸発を促進する温度(90℃以上)に保持する事
が好ましい。
としての形態は特に指定しないが、合成中の反応油を均
一に保ち、副生成物であるグリセリン等の蒸発を促進す
るため、攪拌の可能な装置であることが好ましい。ま
た、蒸発したグリセリン等の還流によってジグリセライ
ドまたはトリグリセライドへの合成が阻害されるのを防
ぐため、加熱合成を行う反応油のはいっている応容器部
分以外にも、グリセリン等の還流が問題とならない構造
部まで蒸発を促進する温度(90℃以上)に保持する事
が好ましい。
【0017】分子蒸留法とは、高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドの合成反応中の反応系の圧力を減圧(真空ポ
ンプとオイル拡散ポンプとの組み合わせにより、通常の
減圧より低い圧力)、例えば、約100mtorr以下
程度の真空状態にして行う加熱蒸留法である。具体的に
は、回転薄膜型分子蒸留装置のように、強度な真空状態
を保ち、且つ、加熱反応部で物理的に薄膜を調製せしめ
る構造になっているものが挙げられるが、その形態は特
に限定されない。分子蒸留法においては、現在のとこ
ろ、1段加熱法のみが可能であり、加熱温度は140〜
230℃がより好ましい。
リセライドの合成反応中の反応系の圧力を減圧(真空ポ
ンプとオイル拡散ポンプとの組み合わせにより、通常の
減圧より低い圧力)、例えば、約100mtorr以下
程度の真空状態にして行う加熱蒸留法である。具体的に
は、回転薄膜型分子蒸留装置のように、強度な真空状態
を保ち、且つ、加熱反応部で物理的に薄膜を調製せしめ
る構造になっているものが挙げられるが、その形態は特
に限定されない。分子蒸留法においては、現在のとこ
ろ、1段加熱法のみが可能であり、加熱温度は140〜
230℃がより好ましい。
【0018】製品中の熱異性化物は、できるだけ少ない
方が好ましいことから、酸素が混入しない様な状態にす
ることが望ましい。本発明の高度不飽和脂肪酸トリグリ
セライド合成反応において、加熱温度が高温であれば、
目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの濃度は
高まるが、熱異性化物の生成濃度も高まる。逆に、熱異
性化物の生成濃度を抑制する目的で加熱温度を低くすれ
ば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの濃
度が抑制される。そのため、製品の使用目的により熱異
性化物の許容上限濃度を設定し、加熱時間、加熱温度を
決める必要がある。加熱温度及び加熱時間を除く他の条
件、例えば、存在せしめる2価金属水酸化物の濃度、減
圧度、攪拌速度、不活性ガスと反応油の接触スタイル
(反応油表面に吹き付ける、反応油上部を通過する、あ
るいは、反応油とのバブリング等)および不活性ガスの
流速を一定に調整し、加熱時間、加熱温度を決める。
方が好ましいことから、酸素が混入しない様な状態にす
ることが望ましい。本発明の高度不飽和脂肪酸トリグリ
セライド合成反応において、加熱温度が高温であれば、
目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの濃度は
高まるが、熱異性化物の生成濃度も高まる。逆に、熱異
性化物の生成濃度を抑制する目的で加熱温度を低くすれ
ば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの濃
度が抑制される。そのため、製品の使用目的により熱異
性化物の許容上限濃度を設定し、加熱時間、加熱温度を
決める必要がある。加熱温度及び加熱時間を除く他の条
件、例えば、存在せしめる2価金属水酸化物の濃度、減
圧度、攪拌速度、不活性ガスと反応油の接触スタイル
(反応油表面に吹き付ける、反応油上部を通過する、あ
るいは、反応油とのバブリング等)および不活性ガスの
流速を一定に調整し、加熱時間、加熱温度を決める。
【0019】加熱温度を一定した時、熱異性化物の増加
濃度と加熱時間との間に次式で表される相関関係があ
る。 C=α・logH+β ・・・・(1) (ここで、Cは生成した熱異性化物の増加濃度(%)、
Hは時間(hr)但し、0≦Cで、αおよびβは各係数
を示す。) 例えば、後述する実施例(実施例3および5)の製造条
件を前提に、製造事例に基づいて実際に本発明者らが得
た結果を例示すると、下記のように表される。ここで、
加熱温度は175℃に保持し、反応系の圧力を加熱反応
前に、次式(2)は約0.5torr、(3)は約3t
orrに調製したもので、反応中は成り行き状態でそれ
ぞれ、約1.5、約10torrに到達したものであ
る。 C=0.499×logH+0.329 ・・・・(2) C=0.499×logH+0.449 ・・・・(3) 式(2)から4時間後においても熱異性化物の増加濃度
は0.629%であることが判る。
濃度と加熱時間との間に次式で表される相関関係があ
る。 C=α・logH+β ・・・・(1) (ここで、Cは生成した熱異性化物の増加濃度(%)、
Hは時間(hr)但し、0≦Cで、αおよびβは各係数
を示す。) 例えば、後述する実施例(実施例3および5)の製造条
件を前提に、製造事例に基づいて実際に本発明者らが得
た結果を例示すると、下記のように表される。ここで、
加熱温度は175℃に保持し、反応系の圧力を加熱反応
前に、次式(2)は約0.5torr、(3)は約3t
orrに調製したもので、反応中は成り行き状態でそれ
ぞれ、約1.5、約10torrに到達したものであ
る。 C=0.499×logH+0.329 ・・・・(2) C=0.499×logH+0.449 ・・・・(3) 式(2)から4時間後においても熱異性化物の増加濃度
は0.629%であることが判る。
【0020】一方、加熱時間を一定にした時、熱異性化
物の増加濃度と加熱温度との間に次式で表される相関関
係がある。 logC=γ・T+δ ・・・・(4) (ここで、Cは生成した熱異性化物の増加濃度(%)、
Tは摂氏温度(℃)、γおよびδは各係数を示す。) 同様に、実際に我々で得た結果(実施例4)から例示す
ると、下記のように表される。ここで、次式(4)は、
加熱時間を30分間にし、反応系の圧力を加熱反応前は
約0.5torrに調整し、反応中は成り行き状態で約
1.5torrに到達したものである。 logC=0.033×T−6.481 ・・・・(4) 前記の熱異性化物の説明でもふれたように、加熱温度が
高温であれば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの濃度は高まるが、熱異性化物の生成濃度も高ま
る。逆に、熱異性化物の生成濃度を抑制する目的で加熱
温度を低くすれば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドの濃度が抑制される。そのため、熱異性化物
の許容上限濃度を設定した後、トリグリセライド合成反
応のための加熱温度及び時間を設定することが極めて有
効である。
物の増加濃度と加熱温度との間に次式で表される相関関
係がある。 logC=γ・T+δ ・・・・(4) (ここで、Cは生成した熱異性化物の増加濃度(%)、
Tは摂氏温度(℃)、γおよびδは各係数を示す。) 同様に、実際に我々で得た結果(実施例4)から例示す
ると、下記のように表される。ここで、次式(4)は、
加熱時間を30分間にし、反応系の圧力を加熱反応前は
約0.5torrに調整し、反応中は成り行き状態で約
1.5torrに到達したものである。 logC=0.033×T−6.481 ・・・・(4) 前記の熱異性化物の説明でもふれたように、加熱温度が
高温であれば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの濃度は高まるが、熱異性化物の生成濃度も高ま
る。逆に、熱異性化物の生成濃度を抑制する目的で加熱
温度を低くすれば、目的とする高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドの濃度が抑制される。そのため、熱異性化物
の許容上限濃度を設定した後、トリグリセライド合成反
応のための加熱温度及び時間を設定することが極めて有
効である。
【0021】本発明におけるモノグリセライド及び/又
はジグリセライドからトリグリセライドへの合成反応は
反応励起温度(トリグリセライド合成反応を目的とした
ときの、モノグリセライドからジグリセライド、ジグリ
セライドからトリグリセライドへのエステル交換反応を
引き起こす温度閾値)以上の温度値と時間との積でトリ
グリセライド合成濃度を管理できる。ここで、モノグリ
セライドからジグリセライドへの合成反応を主として引
き起こす温度とジグリセライドからトリグリセライドへ
の合成反応を主として引き起こす温度、つまりそれぞれ
の反応励起温度は異なる。高度不飽和脂肪酸モノグリセ
ライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反
応が主として起こる温度域(第1温度域)は、100〜
250℃で、高度不飽和脂肪酸ジグリセライドから高度
不飽和脂肪酸トリグリセライドへの合成反応が主として
起こる温度域(第2温度域)は、140〜250℃であ
る。上記反応励起温度は、反応系の圧力が異なれば、例
えば、数10torrと数100mtorrとでは異な
る。そのため、加熱温度及び加熱時間を除く他の製造条
件、例えば、存在せしめる2価金属水酸化物の濃度、減
圧度、攪拌速度、不活性ガスと反応油の接触スタイル
(反応油表面に吹き付ける、反応油上部を通過する、あ
るいは、反応油とのバブリング等)および不活性ガスの
流速を一定に調整する。
はジグリセライドからトリグリセライドへの合成反応は
反応励起温度(トリグリセライド合成反応を目的とした
ときの、モノグリセライドからジグリセライド、ジグリ
セライドからトリグリセライドへのエステル交換反応を
引き起こす温度閾値)以上の温度値と時間との積でトリ
グリセライド合成濃度を管理できる。ここで、モノグリ
セライドからジグリセライドへの合成反応を主として引
き起こす温度とジグリセライドからトリグリセライドへ
の合成反応を主として引き起こす温度、つまりそれぞれ
の反応励起温度は異なる。高度不飽和脂肪酸モノグリセ
ライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反
応が主として起こる温度域(第1温度域)は、100〜
250℃で、高度不飽和脂肪酸ジグリセライドから高度
不飽和脂肪酸トリグリセライドへの合成反応が主として
起こる温度域(第2温度域)は、140〜250℃であ
る。上記反応励起温度は、反応系の圧力が異なれば、例
えば、数10torrと数100mtorrとでは異な
る。そのため、加熱温度及び加熱時間を除く他の製造条
件、例えば、存在せしめる2価金属水酸化物の濃度、減
圧度、攪拌速度、不活性ガスと反応油の接触スタイル
(反応油表面に吹き付ける、反応油上部を通過する、あ
るいは、反応油とのバブリング等)および不活性ガスの
流速を一定に調整する。
【0022】真空度を一定にした時、トリグリセライド
の合成濃度と、反応励起温度以上の温度と加熱時間の積
算値(温度×時間の面積値等)との間に次式で表される
相関関係がある。 c1/(t1−t2)×h1=k1 ・・・・(6) c2/(t3−t4)×h2=k2 ・・・・(7) (ここで、t1は高度不飽和脂肪酸モノグリセライドか
ら高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反応を主に
促進する加熱温度、t2は高度不飽和脂肪酸モノグリセ
ライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反
応を主に促進する反応励起温度、t3は高度不飽和脂肪
酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリセライ
ドへの合成反応を主に促進する加熱温度、t4は高度不
飽和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドへの合成反応を主に促進する反応励起温度、
h1は高度不飽和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽
和脂肪酸ジグリセライドへの合成反応を主に促進する加
熱温度の時間、h2は高度不飽和脂肪酸ジグリセライド
から高度不飽和脂肪酸トリグリセライドへの合成反応を
主に促進する加熱温度の時間、c1は高度不飽和脂肪酸
モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライド
への合成反応を主に促進する加熱反応中に合成できた高
度不飽和脂肪酸トリグリセライドの増加濃度(%)、c
2は高度不飽和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂
肪酸トリグリセライドへの合成反応を主に促進する加熱
反応中に合成できた高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
の増加濃度(%)である。また、k1およびk2は、c
1、c2、t1、t2、t3、t4、h1、h2を除い
た、前記の製造条件で決められる定数である。) 高度不飽和脂肪酸モノグリセライド及び/又は高度不飽
和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリ
セライドを合成する反応方法には、前記したように2段
加熱法と1段加熱法があるが、1段加熱法においても高
度不飽和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸
ジグリセライドを経由して、連続的に高度不飽和脂肪酸
トリグリセライドが合成される。減圧蒸留法又は分子蒸
留法の1段加熱法によって高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドを合成する場合には、200℃未満の加熱によっ
て反応を行うことが好ましい。200℃以上の温度で1
段加熱法で合成を行うと沸点の低いモノグリセライドが
留分として除かれ、収率が低くなる。また、全反応時間
としては短い方が好ましく、2段加熱法としては第1温
度域及び第2温度域とも、1時間以内が好ましい。
の合成濃度と、反応励起温度以上の温度と加熱時間の積
算値(温度×時間の面積値等)との間に次式で表される
相関関係がある。 c1/(t1−t2)×h1=k1 ・・・・(6) c2/(t3−t4)×h2=k2 ・・・・(7) (ここで、t1は高度不飽和脂肪酸モノグリセライドか
ら高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反応を主に
促進する加熱温度、t2は高度不飽和脂肪酸モノグリセ
ライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライドへの合成反
応を主に促進する反応励起温度、t3は高度不飽和脂肪
酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリセライ
ドへの合成反応を主に促進する加熱温度、t4は高度不
飽和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライドへの合成反応を主に促進する反応励起温度、
h1は高度不飽和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽
和脂肪酸ジグリセライドへの合成反応を主に促進する加
熱温度の時間、h2は高度不飽和脂肪酸ジグリセライド
から高度不飽和脂肪酸トリグリセライドへの合成反応を
主に促進する加熱温度の時間、c1は高度不飽和脂肪酸
モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸ジグリセライド
への合成反応を主に促進する加熱反応中に合成できた高
度不飽和脂肪酸トリグリセライドの増加濃度(%)、c
2は高度不飽和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂
肪酸トリグリセライドへの合成反応を主に促進する加熱
反応中に合成できた高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
の増加濃度(%)である。また、k1およびk2は、c
1、c2、t1、t2、t3、t4、h1、h2を除い
た、前記の製造条件で決められる定数である。) 高度不飽和脂肪酸モノグリセライド及び/又は高度不飽
和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリグリ
セライドを合成する反応方法には、前記したように2段
加熱法と1段加熱法があるが、1段加熱法においても高
度不飽和脂肪酸モノグリセライドから高度不飽和脂肪酸
ジグリセライドを経由して、連続的に高度不飽和脂肪酸
トリグリセライドが合成される。減圧蒸留法又は分子蒸
留法の1段加熱法によって高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドを合成する場合には、200℃未満の加熱によっ
て反応を行うことが好ましい。200℃以上の温度で1
段加熱法で合成を行うと沸点の低いモノグリセライドが
留分として除かれ、収率が低くなる。また、全反応時間
としては短い方が好ましく、2段加熱法としては第1温
度域及び第2温度域とも、1時間以内が好ましい。
【0023】以下に、具体例として、後述する実施例1
の製造条件を前提に、製造事例について説明する。実際
に我々が得た結果の1つとして、加熱温度と加熱時間
を、熱異性化物を抑制する目的で、真空度を加熱前の脱
気時に0.5torrに調整し、150℃20分(1/
3時間)、その後185℃に昇温後15分(1/4時
間)で維持した場合、 (96.5−5.8)/((150−125)/3+(185−125)/4+ 各昇温時及び降温時積算値)≒1.95(%/(℃・hr))・・・(8) (上記式(8)で、c1=96.5−5.8 t1=1
50及び185、t2=125、h1=1/3及び1/
4を表す。ただし、昇温及び降温中の積算値も分母とし
て含む。) (96.5−37.8)/((185−180)/4+各昇温時及び降温時積算 値)≒46.96(%/(℃・hr))・・・(9) (上記式(9)で、c2=96.5−37.8、t3=
185、t4=180、h2=1/4を表す。ただし、
昇温及び降温中の積算値も分母として含む。) ここで、この反応励起温度以上の温度と時間の積算値を
一定に保てば、加熱温度を上げて時間を短縮しても良い
し、加熱温度を下げて時間を延長しても良い。つまり、
k1≒1.95、k2≒46.96は、加熱温度と加熱
時間以外の製造条件によって決まる一定の値であること
から、反応励起温度以上の温度と時間の積算値を一定に
保てば、合成される高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
の濃度も一定となる。
の製造条件を前提に、製造事例について説明する。実際
に我々が得た結果の1つとして、加熱温度と加熱時間
を、熱異性化物を抑制する目的で、真空度を加熱前の脱
気時に0.5torrに調整し、150℃20分(1/
3時間)、その後185℃に昇温後15分(1/4時
間)で維持した場合、 (96.5−5.8)/((150−125)/3+(185−125)/4+ 各昇温時及び降温時積算値)≒1.95(%/(℃・hr))・・・(8) (上記式(8)で、c1=96.5−5.8 t1=1
50及び185、t2=125、h1=1/3及び1/
4を表す。ただし、昇温及び降温中の積算値も分母とし
て含む。) (96.5−37.8)/((185−180)/4+各昇温時及び降温時積算 値)≒46.96(%/(℃・hr))・・・(9) (上記式(9)で、c2=96.5−37.8、t3=
185、t4=180、h2=1/4を表す。ただし、
昇温及び降温中の積算値も分母として含む。) ここで、この反応励起温度以上の温度と時間の積算値を
一定に保てば、加熱温度を上げて時間を短縮しても良い
し、加熱温度を下げて時間を延長しても良い。つまり、
k1≒1.95、k2≒46.96は、加熱温度と加熱
時間以外の製造条件によって決まる一定の値であること
から、反応励起温度以上の温度と時間の積算値を一定に
保てば、合成される高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
の濃度も一定となる。
【0024】すなわち、反応励起温度以上の温度と時間
の積算値(温度×時間の面積値等:単位は℃・hr)に
より、高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの合成量を管
理できる。また、1段加熱法の分子蒸留法で数10mt
orr以下の減圧度では、連続的あるいは不連続的に2
30℃に加熱し、数分あるいは10数分で高度不飽和脂
肪酸トリグリセライドを合成することが出来る。しかし
ながら、高度不飽和脂肪酸モノグリセライドが高濃度で
残留していれば、該モノグリセライドは、高度不飽和脂
肪酸ジグリセライドあるいはトリグリセライドと比較し
て低沸点物質であるため、留分として除去され、高度不
飽和脂肪酸トリグリセライドの回収率が低下する。その
ため、まず、減圧蒸留法で高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの合成を行ってモノグリセライドを数%未満に減
少させ、続いて、温度170〜230℃の分子蒸留法に
て高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの合成を行えば、
理論収率(反応開始時点の原料としての油脂量に対して
約92〜94%)で高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
を得ることができる。この減圧蒸留は、数100tor
r〜数100mtorrの圧力で行うのが好ましく、数
torr〜数100mtorrがより好ましい。また、
温度は140〜170℃が好ましい。分子蒸留法は17
0〜230℃の温度範囲で行うことが好ましい。
の積算値(温度×時間の面積値等:単位は℃・hr)に
より、高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの合成量を管
理できる。また、1段加熱法の分子蒸留法で数10mt
orr以下の減圧度では、連続的あるいは不連続的に2
30℃に加熱し、数分あるいは10数分で高度不飽和脂
肪酸トリグリセライドを合成することが出来る。しかし
ながら、高度不飽和脂肪酸モノグリセライドが高濃度で
残留していれば、該モノグリセライドは、高度不飽和脂
肪酸ジグリセライドあるいはトリグリセライドと比較し
て低沸点物質であるため、留分として除去され、高度不
飽和脂肪酸トリグリセライドの回収率が低下する。その
ため、まず、減圧蒸留法で高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの合成を行ってモノグリセライドを数%未満に減
少させ、続いて、温度170〜230℃の分子蒸留法に
て高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの合成を行えば、
理論収率(反応開始時点の原料としての油脂量に対して
約92〜94%)で高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
を得ることができる。この減圧蒸留は、数100tor
r〜数100mtorrの圧力で行うのが好ましく、数
torr〜数100mtorrがより好ましい。また、
温度は140〜170℃が好ましい。分子蒸留法は17
0〜230℃の温度範囲で行うことが好ましい。
【0025】上記のそれぞれの製造方法で得られた反応
生成物からのドコサヘキサエン酸トリグリセライドの分
離・精製は、諸反応生成物をアルミナやシリカゲルを用
いた各種クロマトグラフィー、アセトン等の溶媒を用い
た液液分配抽出法等の手段を利用すれば良く、特にその
方法は問わない。
生成物からのドコサヘキサエン酸トリグリセライドの分
離・精製は、諸反応生成物をアルミナやシリカゲルを用
いた各種クロマトグラフィー、アセトン等の溶媒を用い
た液液分配抽出法等の手段を利用すれば良く、特にその
方法は問わない。
【0026】
【発明の実施の形態】高度不飽和脂肪酸モノグリセライ
ド及びジグリセライドを高濃度に含む試料油に、試料油
に対して重量濃度で0.4%の水酸化カルシウムを添加
し、常圧蒸留法、分子蒸留法、減圧蒸留法、または、そ
れら組み合わせを行うことができる。その結果、高度不
飽和脂肪酸トリグリセライドを90%以上で合成でき、
かつ、そのときの熱異性化物の増加濃度を1%以下に抑
制することができた。 《試料油の調製》トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)5
mM、塩化カルシウム150mM、アラビアガム6重量
%からなる水溶液10リットルに、8重量%(800
g)の精製魚油(日本化学飼料株式会社製 DHA20
G 商品名 ドコサヘキサエン酸(DHA)24.1重
量%、エイコサペン酸(EPA)5.9重量%を含有)
を添加し、更にリパーゼ40KU添加反応した。続い
て、この酵素反応液をガーゼで濾過し、その残査に5倍
量のアセトンを添加して抽出された画分を得た。次に6
0℃で画分のアセトンをロータリーエバポレーターで除
去した。この分離してきた水を沈降分離して得た油をヘ
キサンに溶解し、少量の無水硫酸ナトリウムを添加して
真空濾過を行った。濾液からロータリーエバポレーター
でヘキサンを留去し、分別油256gを得た。 《脂質の分析》各脂質の分析は、TLC−FID型イア
トロスキャン(ヤトロン株式会社製)で行った。試料溶
液は、アセトン/酢酸=9/1で20μg/mlに調製
した。展開方法として、3段展開法をとった。3段展開
法は、各展開後ドライヤーにて風乾する操作を繰り返し
た。本法は、1回目がクロロホルム/メタノール=12
/1からなる展開溶媒で2.5分、2回目がベンゼン/
クロロホルム/酢酸=60/10/1からなる展開溶媒
で28分、3回目がベンゼン/ヘキサン=1/1からな
る展開溶媒で33分の展開を行った。各グリセライドの
濃度は、下記式10に示したように、総グリセライドの
ピーク面積中の各グリセライドのピーク面積の面積百分
率で表した。以下には、例として、トリグリセライドの
濃度の求め方を示した。 トリグリセライド濃度(%)=トリグリセライド濃度/(モノ・ジ・トリグリセ ライド濃度) ・・・・(10) 得られた試料油を上記の方法により、その脂質組成を分
析した結果、この時のドコサヘキサエン酸グリセライド
の構成比は、65.6%のモノグリセライド、28.6
%のジグリセライド、及び5.8%のトリグリセライド
であった。 《脂肪酸の分析》脂肪酸及び熱異性化物(熱異性化脂肪
酸)の測定は、次の脂質のエステル化及び脂肪酸の分析
で行った。脂質のエステル化は、試料油40μlをヘキ
サン960μlに添加後、十分混合溶解し、2Nメタノ
ール性水酸化ナトリウム200μlを添加した。本混合
液を50℃で20秒間振とう(170rpmの往復振と
う)加熱した後、再度激しく混合した。このメチルエス
テル化処理した試料液に、2Nメタノール性塩酸200
μlを添加中和した。本処理液を再度混合した後、遠心
分離器を用いて、常温で3000rpm×5分間遠心分
離した。得られたヘキサン層(上清)をガスクロマトグ
ラフィー用試料液とした。
ド及びジグリセライドを高濃度に含む試料油に、試料油
に対して重量濃度で0.4%の水酸化カルシウムを添加
し、常圧蒸留法、分子蒸留法、減圧蒸留法、または、そ
れら組み合わせを行うことができる。その結果、高度不
飽和脂肪酸トリグリセライドを90%以上で合成でき、
かつ、そのときの熱異性化物の増加濃度を1%以下に抑
制することができた。 《試料油の調製》トリス−塩酸緩衝液(pH8.2)5
mM、塩化カルシウム150mM、アラビアガム6重量
%からなる水溶液10リットルに、8重量%(800
g)の精製魚油(日本化学飼料株式会社製 DHA20
G 商品名 ドコサヘキサエン酸(DHA)24.1重
量%、エイコサペン酸(EPA)5.9重量%を含有)
を添加し、更にリパーゼ40KU添加反応した。続い
て、この酵素反応液をガーゼで濾過し、その残査に5倍
量のアセトンを添加して抽出された画分を得た。次に6
0℃で画分のアセトンをロータリーエバポレーターで除
去した。この分離してきた水を沈降分離して得た油をヘ
キサンに溶解し、少量の無水硫酸ナトリウムを添加して
真空濾過を行った。濾液からロータリーエバポレーター
でヘキサンを留去し、分別油256gを得た。 《脂質の分析》各脂質の分析は、TLC−FID型イア
トロスキャン(ヤトロン株式会社製)で行った。試料溶
液は、アセトン/酢酸=9/1で20μg/mlに調製
した。展開方法として、3段展開法をとった。3段展開
法は、各展開後ドライヤーにて風乾する操作を繰り返し
た。本法は、1回目がクロロホルム/メタノール=12
/1からなる展開溶媒で2.5分、2回目がベンゼン/
クロロホルム/酢酸=60/10/1からなる展開溶媒
で28分、3回目がベンゼン/ヘキサン=1/1からな
る展開溶媒で33分の展開を行った。各グリセライドの
濃度は、下記式10に示したように、総グリセライドの
ピーク面積中の各グリセライドのピーク面積の面積百分
率で表した。以下には、例として、トリグリセライドの
濃度の求め方を示した。 トリグリセライド濃度(%)=トリグリセライド濃度/(モノ・ジ・トリグリセ ライド濃度) ・・・・(10) 得られた試料油を上記の方法により、その脂質組成を分
析した結果、この時のドコサヘキサエン酸グリセライド
の構成比は、65.6%のモノグリセライド、28.6
%のジグリセライド、及び5.8%のトリグリセライド
であった。 《脂肪酸の分析》脂肪酸及び熱異性化物(熱異性化脂肪
酸)の測定は、次の脂質のエステル化及び脂肪酸の分析
で行った。脂質のエステル化は、試料油40μlをヘキ
サン960μlに添加後、十分混合溶解し、2Nメタノ
ール性水酸化ナトリウム200μlを添加した。本混合
液を50℃で20秒間振とう(170rpmの往復振と
う)加熱した後、再度激しく混合した。このメチルエス
テル化処理した試料液に、2Nメタノール性塩酸200
μlを添加中和した。本処理液を再度混合した後、遠心
分離器を用いて、常温で3000rpm×5分間遠心分
離した。得られたヘキサン層(上清)をガスクロマトグ
ラフィー用試料液とした。
【0027】脂肪酸の分析は次のように行った。脂肪酸
は、エステル化した試料液をGC−14A(島津製作所
社製)で分析した。試料液1μlをガスクロマトグラフ
ィーに供した。分析モードは、スプリット比1/100
のFIDモードで行った。分離用カラムには、DB−W
AX(ID 0.25mm;30m×25μm)を用い
た。検出器及び導入部は250℃に設定した。溶出は、
210℃の恒温モードで行った。熱異性化物の濃度は、
下記式11に示したようにリテンションタイムとしての
32分前後のメインピークで表されるドコサヘキサエン
酸よりも、ピークとして遅く検出するピーク面積を、ヘ
キサン溶媒のピーク面積を除いた全体の面積で除した、
面積百分率で表した。 熱異性化物の濃度(%)=熱異性化物/(全体のピーク面積−溶媒のピーク面積 ) ・・・・(11) 前述した試料油を本法により、その熱異性化物の分析を
行った結果、この時生成した熱異性化物は0.29%で
あった。
は、エステル化した試料液をGC−14A(島津製作所
社製)で分析した。試料液1μlをガスクロマトグラフ
ィーに供した。分析モードは、スプリット比1/100
のFIDモードで行った。分離用カラムには、DB−W
AX(ID 0.25mm;30m×25μm)を用い
た。検出器及び導入部は250℃に設定した。溶出は、
210℃の恒温モードで行った。熱異性化物の濃度は、
下記式11に示したようにリテンションタイムとしての
32分前後のメインピークで表されるドコサヘキサエン
酸よりも、ピークとして遅く検出するピーク面積を、ヘ
キサン溶媒のピーク面積を除いた全体の面積で除した、
面積百分率で表した。 熱異性化物の濃度(%)=熱異性化物/(全体のピーク面積−溶媒のピーク面積 ) ・・・・(11) 前述した試料油を本法により、その熱異性化物の分析を
行った結果、この時生成した熱異性化物は0.29%で
あった。
【0028】
【実施例1】減圧蒸留法でドコサヘキサエン酸トリグリ
セライドの合成を以下のように行った。リアクターとし
ては500ml容の耐圧用丸底フラスコ及びセパラブル
カバーを用いた。このリアクターに、調製された試料油
250gを秤り取り、水酸化カルシウム1.0gを添加
した。常温で残留する溶媒等を除くため十分に脱気を行
い、0.5torrとした。試料油の加熱は、フラスコ
対応のマントルヒーターで行った。試料油は、プロペラ
攪拌機を用い350rpmで攪拌した。反応留分として
蒸発したグリセリンのリアクター上部における冷却・還
流を危惧したため、リアクター上部に別のリボンヒータ
ー(蒸発促進用として)を巻いた。この蒸発促進用ヒー
ターは、加熱反応中は93℃に設定した。リアクターと
プロペラ軸の接点にはバキュームスタラー(東京理科機
械社製)を用い、更に、回転部には窒素ガスを吹き付け
た。リアクターから真空ポンプまでの間に、ベーパー温
度測定用温度計、冷却管、留分トラップ用フラスコ、ド
ライアイス/アルコールのコールドトラップ(−80
℃)を設置した。加熱温度のパターンは、常温から20
分かけて150℃に昇温し、150℃で20分維持し、
25分かけて185℃に昇温し、185℃で15分維持
し、その後、常温まで降温させた。
セライドの合成を以下のように行った。リアクターとし
ては500ml容の耐圧用丸底フラスコ及びセパラブル
カバーを用いた。このリアクターに、調製された試料油
250gを秤り取り、水酸化カルシウム1.0gを添加
した。常温で残留する溶媒等を除くため十分に脱気を行
い、0.5torrとした。試料油の加熱は、フラスコ
対応のマントルヒーターで行った。試料油は、プロペラ
攪拌機を用い350rpmで攪拌した。反応留分として
蒸発したグリセリンのリアクター上部における冷却・還
流を危惧したため、リアクター上部に別のリボンヒータ
ー(蒸発促進用として)を巻いた。この蒸発促進用ヒー
ターは、加熱反応中は93℃に設定した。リアクターと
プロペラ軸の接点にはバキュームスタラー(東京理科機
械社製)を用い、更に、回転部には窒素ガスを吹き付け
た。リアクターから真空ポンプまでの間に、ベーパー温
度測定用温度計、冷却管、留分トラップ用フラスコ、ド
ライアイス/アルコールのコールドトラップ(−80
℃)を設置した。加熱温度のパターンは、常温から20
分かけて150℃に昇温し、150℃で20分維持し、
25分かけて185℃に昇温し、185℃で15分維持
し、その後、常温まで降温させた。
【0029】得られた反応液の脂質の分析結果、表1に
示したように、トリグリセライド含量96.5%、モノ
グリセライド+ジグリセライド含量が3.5%となっ
た。この時の熱異性化物としての増加率は、脂肪酸の分
析結果から判断して、0.2%以下に抑制できた。ま
た、合成終了後の試料油の回収率は、92.6%であっ
た。ここで、理論数値を考えてみると次のようになる。
トリグリセライド/ジグリセライド/モノグリセライド
=5.8/28.6/65.6のグリセライド組成から
なる試料油を、完全にドコサヘキサエン酸トリグリセラ
イド100%へと合成したとき、副生成物として生成す
るグリセリンの濃度約7%を除き、残分回収率は約93
%となる。つまり、本実施例は、理論収率を達成し、か
つ、熱異性化物の増加濃度を0.2%未満に抑制するこ
とができた。
示したように、トリグリセライド含量96.5%、モノ
グリセライド+ジグリセライド含量が3.5%となっ
た。この時の熱異性化物としての増加率は、脂肪酸の分
析結果から判断して、0.2%以下に抑制できた。ま
た、合成終了後の試料油の回収率は、92.6%であっ
た。ここで、理論数値を考えてみると次のようになる。
トリグリセライド/ジグリセライド/モノグリセライド
=5.8/28.6/65.6のグリセライド組成から
なる試料油を、完全にドコサヘキサエン酸トリグリセラ
イド100%へと合成したとき、副生成物として生成す
るグリセリンの濃度約7%を除き、残分回収率は約93
%となる。つまり、本実施例は、理論収率を達成し、か
つ、熱異性化物の増加濃度を0.2%未満に抑制するこ
とができた。
【0030】
【表1】
【0031】
【実施例2】試料油は実施例1で記載した同じものを用
いた。試料油200gに水酸化カルシウム0.8gを添
加し、分子蒸留法で以下のようにドコサヘキサエン酸ト
リグリセライドの合成を行った。分子蒸留装置(柴田化
学株式会社製 回転薄膜式分子蒸留装置MS−300型
システム)の試料供給フラスコに触媒を添加した試料油
を入れ、常温で残留する溶媒等を除くため十分に脱気を
行い、60mtorrとした。引き続き次の条件で反応
を開始した。供給フラスコ及び薄膜調製部(反応塔)の
温度を、それぞれ、100〜120℃、227〜233
℃に調整した。薄膜調製のためのプロペラ回転数は、1
80〜220rpmに調整した。留分冷却用の循環水
は、22℃に調整した。試料油の供給速度は、2g/分
になるよう、供給コックで調整した。得られた合成反応
液(残分側)を再度供給フラスコに戻し、一連(減圧、
昇温、リアクター通過による反応)の操作を繰り返し、
目的とする反応終了レベル(TG率90%以上)に導い
た。
いた。試料油200gに水酸化カルシウム0.8gを添
加し、分子蒸留法で以下のようにドコサヘキサエン酸ト
リグリセライドの合成を行った。分子蒸留装置(柴田化
学株式会社製 回転薄膜式分子蒸留装置MS−300型
システム)の試料供給フラスコに触媒を添加した試料油
を入れ、常温で残留する溶媒等を除くため十分に脱気を
行い、60mtorrとした。引き続き次の条件で反応
を開始した。供給フラスコ及び薄膜調製部(反応塔)の
温度を、それぞれ、100〜120℃、227〜233
℃に調整した。薄膜調製のためのプロペラ回転数は、1
80〜220rpmに調整した。留分冷却用の循環水
は、22℃に調整した。試料油の供給速度は、2g/分
になるよう、供給コックで調整した。得られた合成反応
液(残分側)を再度供給フラスコに戻し、一連(減圧、
昇温、リアクター通過による反応)の操作を繰り返し、
目的とする反応終了レベル(TG率90%以上)に導い
た。
【0032】各種分析は、実施例1で記載した方法と同
様に行った。その結果、表2に示したように、3サイク
ル目(試料油の単位重量gあたり加熱時間3分に該当)
にてトリグリセライド含量90%、モノグリセライド+
ジグリセライド含量が10%となった。この時の熱異性
化物としての増加率は0.1%未満に抑制できた。
様に行った。その結果、表2に示したように、3サイク
ル目(試料油の単位重量gあたり加熱時間3分に該当)
にてトリグリセライド含量90%、モノグリセライド+
ジグリセライド含量が10%となった。この時の熱異性
化物としての増加率は0.1%未満に抑制できた。
【0033】
【表2】
【0034】
【実施例3】1段反応の温度を変化させたときの熱異性
化物の生成濃度を確認するため、実施例1と同様に減圧
蒸留法でドコサヘキサエン酸トリグリセライドの合成反
応を行った。この時、加熱反応を開始する前の真空度を
充分な脱ガス処理した後、約0.5torrで有ること
を確認して、目的の温度まで昇温させた。目的の温度に
到達した後、30分維持して、その後常温まで降温させ
た(加熱反応中は約1.5torr以下)。本実施例で
は、同一加熱時間、真空度で温度を変えて3系列で実施
した。これら目的の温度を150、175、185℃と
して、その生成される熱異性化物の濃度を測定した。そ
の結果を表3に示す。
化物の生成濃度を確認するため、実施例1と同様に減圧
蒸留法でドコサヘキサエン酸トリグリセライドの合成反
応を行った。この時、加熱反応を開始する前の真空度を
充分な脱ガス処理した後、約0.5torrで有ること
を確認して、目的の温度まで昇温させた。目的の温度に
到達した後、30分維持して、その後常温まで降温させ
た(加熱反応中は約1.5torr以下)。本実施例で
は、同一加熱時間、真空度で温度を変えて3系列で実施
した。これら目的の温度を150、175、185℃と
して、その生成される熱異性化物の濃度を測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【実施例4】1段反応での加熱時間を変化させたときの
熱異性化物の生成濃度を確認するために、実施例1と同
様に減圧蒸留法でドコサヘキサエン酸トリグリセライド
の合成反応を行った。この時、加熱反応を開始する前の
真空度を充分な脱ガス処理した後、約0.5torrで
あることを確認して、175℃まで昇温させた。本実施
例では、175℃に到達した後、0.33、0.5、
3.47時間の3系列で時間を変えて実施し、その生成
される熱異性化物の濃度を測定した。その結果を表4に
示す。
熱異性化物の生成濃度を確認するために、実施例1と同
様に減圧蒸留法でドコサヘキサエン酸トリグリセライド
の合成反応を行った。この時、加熱反応を開始する前の
真空度を充分な脱ガス処理した後、約0.5torrで
あることを確認して、175℃まで昇温させた。本実施
例では、175℃に到達した後、0.33、0.5、
3.47時間の3系列で時間を変えて実施し、その生成
される熱異性化物の濃度を測定した。その結果を表4に
示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【実施例5】真空度を変化させ、かつ、1段反応での加
熱時間を変化させたときの熱異性化物の生成濃度を確認
するために、実施例1と同様に減圧蒸留法でドコサヘキ
サエン酸トリグリセライドの合成反応を行った。この
時、加熱反応を開始する前の真空度を充分な脱ガス処理
した後、約3torrであることを確認し、175℃ま
で昇温させた。本実施例では175℃に到達した後、
0.21、0.92時間の2系列で時間を変えて実施
し、その生成される熱異性化物の濃度を測定した。その
結果を表5に示す。
熱時間を変化させたときの熱異性化物の生成濃度を確認
するために、実施例1と同様に減圧蒸留法でドコサヘキ
サエン酸トリグリセライドの合成反応を行った。この
時、加熱反応を開始する前の真空度を充分な脱ガス処理
した後、約3torrであることを確認し、175℃ま
で昇温させた。本実施例では175℃に到達した後、
0.21、0.92時間の2系列で時間を変えて実施
し、その生成される熱異性化物の濃度を測定した。その
結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
【発明の効果】本発明の高度不飽和脂肪酸トリグリセラ
イド製造方法は、反応系に水を全く必要としないため構
成脂肪酸の加水分解による損失を防ぐことができるこ
と、また、加熱(蒸留)法で従来問題であった、好まし
くない熱異性化物の生成を極力抑え、熱異性化物含量を
増加濃度として1%以下、更には0.1%以下にするこ
とも可能であることから、高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの代表とされるドコサヘキサエン酸トリグリセラ
イドを、高純度で、効率よく製造できる。更に、酵素反
応を利用する従来方法と比較し、設備面、運用面でのコ
ストを非常に低く抑えることができる。この結果、ドコ
サヘキサエン酸の機能性食品や医薬品への応用に大きく
貢献でき、産業上大いに有用である。
イド製造方法は、反応系に水を全く必要としないため構
成脂肪酸の加水分解による損失を防ぐことができるこ
と、また、加熱(蒸留)法で従来問題であった、好まし
くない熱異性化物の生成を極力抑え、熱異性化物含量を
増加濃度として1%以下、更には0.1%以下にするこ
とも可能であることから、高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライドの代表とされるドコサヘキサエン酸トリグリセラ
イドを、高純度で、効率よく製造できる。更に、酵素反
応を利用する従来方法と比較し、設備面、運用面でのコ
ストを非常に低く抑えることができる。この結果、ドコ
サヘキサエン酸の機能性食品や医薬品への応用に大きく
貢献でき、産業上大いに有用である。
Claims (6)
- 【請求項1】 2価金属水酸化物の存在下に、加熱法に
より高度不飽和脂肪酸モノグリセライド及び/又は高度
不飽和脂肪酸ジグリセライドから高度不飽和脂肪酸トリ
グリセライドを製造することを特徴とする高度不飽和脂
肪酸トリグリセライド製造方法。 - 【請求項2】 2価金属水酸化物が水酸化カルシウムで
ある請求項1記載の高度不飽和脂肪酸トリグリセライド
の製造方法。 - 【請求項3】 加熱法が減圧蒸留法である請求項1又は
2記載の高度不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 - 【請求項4】 加熱法が分子蒸留法である請求項1又は
2記載の高度不飽和脂肪酸トリグリセライド製造方法。 - 【請求項5】 加熱法が減圧蒸留法と分子蒸留法の組み
合わせである請求項1又は2の高度不飽和脂肪酸トリグ
リセライド製造方法。 - 【請求項6】 加熱法の加熱温度範囲が2つの温度域を
有し、且つ第1の温度域よりも第2の温度域が高い請求
項1、2、3又は5記載の高度不飽和脂肪酸トリグリセ
ライド製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19917696A JPH1036879A (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19917696A JPH1036879A (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1036879A true JPH1036879A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16403419
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19917696A Withdrawn JPH1036879A (ja) | 1996-07-29 | 1996-07-29 | 高度不飽和脂肪酸トリグリセライドの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1036879A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000290681A (ja) * | 1999-04-09 | 2000-10-17 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | 油脂組成物 |
| JP2001139983A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂組成物 |
| CN108882735A (zh) * | 2016-04-27 | 2018-11-23 | 株式会社艾迪科 | 风味改善材料 |
-
1996
- 1996-07-29 JP JP19917696A patent/JPH1036879A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000290681A (ja) * | 1999-04-09 | 2000-10-17 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | 油脂組成物 |
| JP2001139983A (ja) * | 1999-11-17 | 2001-05-22 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 油脂組成物 |
| CN108882735A (zh) * | 2016-04-27 | 2018-11-23 | 株式会社艾迪科 | 风味改善材料 |
| CN108882735B (zh) * | 2016-04-27 | 2023-03-31 | 株式会社艾迪科 | 风味改善材料 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031007 |