JPH1040760A - 真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器 - Google Patents

真空遮断器用接点材料,その製造方法および真空遮断器

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JPH1040760A
JPH1040760A JP8197774A JP19777496A JPH1040760A JP H1040760 A JPH1040760 A JP H1040760A JP 8197774 A JP8197774 A JP 8197774A JP 19777496 A JP19777496 A JP 19777496A JP H1040760 A JPH1040760 A JP H1040760A
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chromium
aluminum
phase
circuit breaker
powder
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JP8197774A
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English (en)
Inventor
Akihisa Nitta
晃久 新田
Yoshiko Minami
淑子 南
Hiromichi Horie
宏道 堀江
Junichi Sato
純一 佐藤
Kenji Watanabe
憲治 渡辺
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料の導電性を殆ど損なうことなく、大電流遮
断特性および耐電圧特性を改善した真空遮断器用接点材
料およびその効果的な製造方法を提供する。 【解決手段】高導電成分としての銅相と耐弧成分として
のクロム相とから成り、30〜70重量%のクロムと
0.02〜2重量%のアルミニウムとを含有することを
特徴とする。また高導電成分としての銅相と耐弧成分と
してのクロム相とから成り、さらに0.02〜2重量%
のアルミニウムを含有し、かつ上記アルミニウムが実質
的にクロム相の内部にのみ存在することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空遮断器用接点材
料,その製造方法および真空遮断器に係り、特に材料の
導電性を損うことなく、大電流遮断特性および耐電圧特
性を改善した真空遮断器用接点材料,その効果的な製造
方法および真空遮断器に関する。
【0002】
【従来の技術】遮断器は平常状態の電路を開閉したり、
接地事故や短絡事故などの異常時に,故障状態を検知す
る過電流継電器などと組み合わされて、自動的に瞬時に
電路を遮断するために、電力設備,変電所内機器,高速
鉄道車輌等に広く使用されている。特に真空遮断器は、
10-4Pa程度の高真空に維持した容器(真空バルブ)
内に対向配置した1対の接点部材を開閉することによ
り、電路の開閉を行うものである。
【0003】図1は一般的な真空遮断器の構造例を示す
断面図である。図1において接点の開閉動作が行われる
遮断室1は、絶縁材料から成り略円筒状に形成された絶
縁容器2と,この絶縁容器2の上下端に封止金属3a,
3bを介して設けた金属製の蓋体4a,4bとによって
区画形成され真空気密に構成されている。遮断室1内に
は軸方向に対向するように1対の導電棒5,6が配置さ
れ、その各導電棒5,6の対向する端部に、一対の電極
7,8が取付けられている。図においては上部側の電極
7を固定電極とする一方、下部側の電極8を可動電極と
している。また可動電極8の導電棒6には、伸縮自在の
ベローズ9が装着されており、遮断室1内を真空気密に
保持した状態で、可動電極8の軸方向における往復動を
可能にしている。このベローズ9の上部には金属製のア
ークシールド10が設けられており、このアークシール
ド10によってベローズ9がアーク蒸気によって覆われ
ることを防止している。
【0004】また遮断室1内には、対向する一対の電極
7,8を覆うように金属製のアークシールド11が配設
されており、このアークシールド11によって絶縁容器
2がアーク蒸気によって覆われることが防止される。
【0005】また図2に拡大して示すように、電極8は
導電棒6の端部に形成されるろう付け部12に加熱接合
により固定されるか、または、かしめ加工によって圧着
接続される。接点部材13aは電極8の端面中央部にろ
う材14を介して一体に固着されている。なお、図2に
示す固定側接点部材13bも同様に、固定電極7の端面
にろう材を介して一体に接合されている。
【0006】上記構成の真空遮断器によれば、高真空中
における高い絶縁耐力を利用できるため、対向する接点
部材の開閉ストロークを短くできる特徴を有している。
【0007】上記接点部材としては、高頻度にわたる接
点の開閉時に発生するアークによって溶着しないように
耐アーク性(耐弧性)や耐溶着性が必須となる一方、低
接触抵抗性を維持するために高い導電特性を有すること
が必須の要件とされる。この耐弧性と高導電性とを共に
満たす具体的な接点構成材料としては、例えば、Ag
系,Ag−Cu系材料,Ag−CdO系材料,30%C
u−W系材料,50%Cu−Cr系材料などが使用されて
いる。特にCu−W系接点材料は導電性に優れている一
方、Cu−Cr系接点材料は耐電圧特性に優れているた
め、特に高出力用電気機器の接点材料として普及してい
る。
【0008】このCu−Cr系接点材料は、高い導電性
を有するCuと、Cuと比較して導電性は劣るが高融点
で耐弧性や耐圧性に優れたCrとを主体にして構成され
ており、接点材料に要求される高耐圧性と大電流遮断性
とを両立させたものである。このような高耐圧性と大電
流遮断性とを併せ持つCu−Cr系接点材料は、今後も
電力設備、変電設備、鉄道車輌などへの用途の拡大が予
想される一方で、真空遮断器自体の小型化への技術的要
請もあり、より一層の性能向上が求められている。
【0009】従来、このCu−Cr系接点材料の遮断性
能を向上させるひとつの手段として、特定の第3成分を
添加することが広く試行されている。例えば特公平6−
12649号公報においては、所定量のアルミニウム
(Al)を第3成分として添加したCu−Cr系接点材
料が開示されている。このAl含有Cu−Cr系接点材
料は、Cu粉末とCr粉末とAl粉末との混合粉を成形
した後に焼結する粉末冶金法または多孔質のCr仮焼体
の空孔部にCuおよびAlを溶浸させる方法もしくはC
r,Cu,Al成分を溶解する方法等によって製造され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Al成
分を添加した上記従来の接点材料においては、Alを添
加しない接点材料と比較して導電性および熱伝導性が大
幅に劣化する傾向があり、良好な遮断特性が得られない
という技術上の課題があった。
【0011】前記特公平6−12649号公報の記載に
よれば、Alを僅かに0.1重量%添加しただけで接点
材料の導電率が大幅に低下してしまう旨が報告されてい
る。すなわちAlの添加によって接点材料の導電率が低
下すると、遮断器の接点における接触抵抗が増大し、電
流遮断時に発生するジュール熱が大きくなる。しかも接
点材料の熱伝導性が低下しているため、外部への放熱が
不十分となり、その結果として遮断器の大電流遮断特性
が大幅に低下する問題点がある。
【0012】また遮断特性を向上させるためのAlの添
加量には最適値が存在することが本願発明者の実験によ
って確認されているが、一方で、その最適値の幅(範
囲)が狭いために、僅かな添加量の差異によって遮断性
能が大幅に変動してしまう問題点もあり、特性が良好で
安定した接点材料を量産することは極めて困難であっ
た。
【0013】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、材料の導電性を損なうことなく、大電
流遮断特性および耐電圧特性を改善した真空遮断器用接
点材料,その効果的な製造方法および真空遮断器を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、まず最初に接点材料中におけるアル
ミニウムの存在形態に着目し、その存在形態が接点材料
の導電性および電流遮断特性に及ぼす影響について鋭意
研究を行った結果、以下に示すような知見を得た。
【0015】すなわち、従来の製法によって製造された
接点材料において、Alを添加することにより接点材料
の導電率が低下する原因は、接点材料の導電性に大きく
寄与するCu相中にAl成分が阻害物質として存在する
ためであることが判明した。したがって、接点材料の導
電性の低下を最小限にするためには、Al成分を実質的
にCr相のみに存在させることが有効である。またCu
−Cr系接点材料の大電流遮断特性を劣化させる要因が
Cr相であるため、その内部にAl成分を封じ込めるこ
とにより、Alの添加結果をより一層高めることが可能
になる。
【0016】但し、上記のような組織形態を形成するた
めには、一旦Cr相中に封じ込めたAl成分が製造工程
において再びCu相中に拡散固溶することを抑制する手
段を講じることが肝要である。しかしながら、従来の接
点材料の製造方法においては、Al成分のCu相中への
拡散固溶を完全に防止することは不可能であった。例え
ば、AlがCr中において、合金または金属間化合物の
形態で存在しているCr粉末とAlを含まないCu粉末
とを用いて粉末冶金法等によりCu−Cr系接点材料を
製造した場合においても、加熱工程においてCu相中へ
のAlの拡散固溶を完全に抑制することは極めて困難で
あった。
【0017】また、仮に製造工程においてCu相中への
Alの拡散固溶を抑制した接点材料が製造できた場合に
おいても、実際に遮断器の接点として使用したときに、
遮断時にAlが固溶してしまう難点があった。そして接
点の開閉動作を繰り返すうちに遮断性能が大幅に劣化し
てしまう傾向があった。
【0018】そこで本願発明者らは、酸化クロム(Cr
2 3 )とアルミニウム(Al)とを予め反応させて形
成したクロムと酸素とアルミニウムとから成る複合酸化
物の形態でAlを存在させたクロム原料粉末と銅粉末と
を使用することにより、製造工程におけるCu相中への
Alの拡散固溶を効果的に防止できることを見い出し
た。このようにAl成分を実質的にCr相中にのみ含有
させることにより、接点材料の導電性の低下を防止し、
同時に、遮断性能を大幅に向上させることが可能となっ
た。
【0019】さらに上記のような形態でAl成分を材料
組織中に含有させた場合には、Alの添加量は公知の含
有量と比較して格段に微小量で済み、材料の導電性を劣
化させることなく十分な遮断性能を安定して付与できる
ことが判明した。
【0020】本発明は上記各知見に基づいて完成された
ものである。すなわち本願第1の発明に係る真空遮断器
用接点材料は、高導電成分としての銅相と耐弧成分とし
てのクロム相とから成り、30〜70重量%のクロムと
0.02〜2重量%のアルミニウムとを含有することを
特徴とする。
【0021】また本願第2の発明に係る真空遮断器用接
点材料は、高導電成分としての銅相と耐弧成分としての
クロム相とから成り、さらに0.02〜2重量%のアル
ミニウムとを含有し、かつ上記アルミニウムが実質的に
クロム相の内部にのみ存在することを特徴とする。
【0022】さらに上記第1および第2の発明におい
て、アルミニウムは酸素とクロムと化合した複合酸化物
として存在させることが好ましい。
【0023】また本発明に係る真空遮断器用接点材料の
製造方法は、耐弧成分としての酸化クロム粉末とアルミ
ニウム粉末とを加熱反応させてクロム粉末およびクロム
−酸素−アルミニウム系の複合酸化物粉末を調製する工
程と、得られたクロム粉末および複合酸化物粉末と高導
電成分としての銅粉末とを混合して原料混合体を調製す
る工程と、この原料混合体を成形して成形体を形成する
工程と、得られた成形体を非酸化性雰囲気中で焼結する
工程とを備えることを特徴とする。
【0024】ここで耐弧成分としてのCr相は、耐弧性
および耐溶着性に優れ、接点の長寿命化を図るための成
分であり、原料混合体中に30〜70重量%の範囲で含
有される。含有量が30重量%未満においては、耐弧性
が低下して接点の長寿命化が困難である。一方、含有量
が70重量%を超える場合には、後述する高導電成分と
してのCuの含有量の相対的低下を招き、接触抵抗の増
大により接点としての通電機能が低下してしまう。
【0025】また高導電成分としてのCuは高い導電率
を有し、接点の接触抵抗値を下げるために上記Cr成分
および後述するAl成分を除く残余成分として約70〜
30重量%(wt%)含有される。Cu含有量が30重
量%未満の場合には導電性が低下し接触抵抗が増大し接
点材料としての機能が低下する。一方、含有量が70重
量%を超える場合は、前記耐弧成分の含有量が相対的に
低下し接点開閉動作時に発生するアーク(電弧)によっ
て接点が溶着し易くなり耐消耗性が低下してしまう。
【0026】ここで上記Cu粉末としては、電解法によ
って製造されたCu粉末やアトマイズ法で製造されたC
u粉末を使用することができる。これらの製法で得られ
たCu粉末は、純度が良好であり、一般に高純度材とし
ての特性が要求される接点部材には好適なCu粉末材料
である。ここで使用するCu粉末の平均粒径は、Alを
含有するCr粉末の平均粒径の1/20〜1/3の範囲
であり、この粒径範囲に調整することにより、Cu粉末
とAl含有のCr粉末とが均一に分散した原料混合体が
得られ易くなる。すなわち、混合操作後におけるCu粉
末の平均粒径がCr粉末の平均粒径の1/3を超えるよ
うに粗大となる場合には、Cr粉末表面にCu粉末を均
一に付着配置することが困難になる一方、1/20未満
の微細粉となる場合には、Cu粉末の再凝集が起こり易
くなり、いずれにしても各成分が均一に分散した状態が
得られにくくなる。より好ましい粒径比率は1/10〜
1/5の範囲である。
【0027】またアルミニウム(Al)は接点材料を遮
断器の接点として使用した場合に遮断性能および耐電圧
特性を改善する成分であり、接点材料に対して0.02
〜2重量%の範囲で含有される。Alの含有量が0.0
2重量%未満の場合には、上記改善効果が不十分であ
り、適当ではない。一方、含有量が2重量%を超える過
量となると、耐電圧特性が低下する。
【0028】本発明に係る真空遮断器用接点材料は、例
えば以下の手順によって製造される。まず酸化クロム
(Cr2 3 )粉末と適量のアルミニウム(Al)粉末
とを混合して容器内に充填し、加熱発火させる。このと
き、AlはCrよりも酸化物生成エネルギーが低いた
め、容易に酸化クロムの酸素と反応して結合し、金属ク
ロムと、クロム,酸素,アルミニウムから成る複合酸化
物と酸化アルミニウム(Al2 3 )と未反応アルミニ
ウムとから成る反応生成物が形成される。ここで酸化ク
ロム粉末に配合するアルミニウム粉末の量は、Cr粉末
とCu粉末との配合比によって変化するが、最終的に接
点材料中に含有されるアルミニウム量の1.5〜1.7
倍の過剰量に設定する。
【0029】次に反応生成物を冷却し、この際に反応生
成物から比重差によって酸化アルミニウムと未反応のA
l粉末とを分離することにより、Alを複合酸化物とし
て含有するCr粉末を調製する。さらにAlを含有する
Cr粉末を150μm以下の粒径となるように粉砕す
る。
【0030】次にCu粉末に対して上記Alを含有する
Cr粉末を30〜70重量%の割合で配合し、ボールミ
ル等の機械的混合機によって均一に混合し、原料混合体
を調製する。
【0031】次に調製した原料混合体をプレス成形機の
金型に充填し、600〜1000MPa程度の加圧力で
プレス成形して所定形状のCu−Cr成形体を調製し、
さらに得られた成形体を水素雰囲気などの非酸化性雰囲
気中で温度900〜1050℃で焼結して接点材料が形
成される。
【0032】こうして形成した、Al含有Cu−Cr焼
結体を所定形状に加工して接触子(接点部材)とし、こ
の接触子を図1〜2に示すように対向する電極の端面に
ろう材を使用して一体に接合し、さらに接触子をそれぞ
れ接合した電極を導電棒の端部に接合することにより、
真空遮断器が形成される。
【0033】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下の実施例を参照して説明する。
【0034】実施例1〜12 Al成分を含有しない酸化クロム(Cr2 3 )粉末に
対して、表1に示す重量割合のアルミニウム粉末と助燃
剤とを配合して各混合体とした。次に各混合体を耐熱容
器内に収容して発火させることにより、金属クロムとC
r−O−Al系複合酸化物と酸化アルミニウムとから成
る反応生成物を得た。
【0035】次に、この反応生成物を冷却し、比重差に
よって酸化アルミニウムを反応生成物から分離すること
により、Alを複合酸化物として含有する各種のCr粉
末を調製し、このCr粉末を平均粒径が110μmとな
るように粉砕した。このとき、各Cr粉末に含有される
Al量は、表1に示すように0.031〜1.842重
量%の範囲であった。
【0036】次に、この耐弧成分としての各Cr粉末
と、平均粒径が50μmである高導電成分としての電解
Cu粉とを、表1に示す重量比でそれぞれ秤量した。そ
してボールミルのポット中に、上記各Cr粉と電解Cu
粉とを投入して、不活性ガス雰囲気中で回転混合して各
原料混合体とした。
【0037】次に、得られた各原料混合体を金型プレス
機に充填して、700MPaの加圧力でプレス成形して
Cu−Cr成形体とした。さらに、このCu−Cr成形
体を加熱炉に挿入し、窒素ガス雰囲気中で温度1050
℃で3時間焼結して実施例1〜12に係る接点材料を調
製した。
【0038】従来例1〜5 アルミニウム成分を含有せず、平均粒径が110μmで
ある耐弧成分としてのCr粉末と、平均粒径が50μm
である高導電成分としての電解Cu粉とを、表1に示す
重量割合でそれぞれ秤量し、ボールミルによって均一に
混合して各原料混合体とした。次に得られた各原料混合
体を実施例1と同様な条件で成形・焼結することによ
り、それぞれ従来例1〜5に係る接点材料をそれぞれ調
製した。
【0039】従来例6〜7 アルミニウム成分を含有せず、平均粒径が110μmで
ある耐弧成分としてのCr粉末と、平均粒径が50μm
である高導電成分としての電解Cu粉とを、1:1の重
量比でそれぞれ秤量し、得られた混合体に対してアルミ
ニウム粉末をそれぞれ0.105重量%(従来例6),
1.506重量%(従来例7)配合し、ボールミルによ
って均一に混合して各原料混合体とした。次に得られた
各原料混合体を実施例1と同様な条件で成形・焼結する
ことにより、従来例6〜7に係る接点材料をそれぞれ調
製した。
【0040】比較例1〜18 実施例1において使用した酸化クロム(Cr2 3 )粉
末に対して、表1に示す重量割合のアルミニウム(A
l)粉末と助燃剤とを配合して混合体とし、この混合体
を発火させて反応生成物を得た。反応生成物を充分な時
間をかけて冷却し、比重差により酸化アルミニウム(A
2 3 )を分離し、残った粉末を平均粒径が110μ
mとなるように粉砕した。この粉砕した各Cr粉のAl
含有量は、表1に示すように0.008〜3.271重
量%の範囲であった。
【0041】次に、この耐弧成分としての各Cr粉末
と、平均粒径が50μmである高導電成分としての電解
Cu粉とを、表1に示す重量比でそれぞれ秤量した。そ
してボールミルのポット中に、上記各Cr粉と電解Cu
粉とを投入して、不活性ガス雰囲気中で回転混合して各
原料混合体とした。
【0042】次に、得られた各原料混合体を金型プレス
機に充填して、700MPaの加圧力でプレス成形して
Cu−Cr成形体とした。さらに、各Cu−Cr成形体
を加熱炉に挿入し、窒素ガス雰囲気中で温度1050℃
で3時間焼結して比較例1〜12に係る接点材料をそれ
ぞれ調製した。
【0043】上記のように調製した実施例1〜12,従
来例1〜7,比較例1〜18の各接点材料(Cu−Cr
焼結体)を加工して図1〜2に示す接触子(接点部材)
13a,13bとし、対向する電極7,8の端面にろう
材14を使用して一体に接合し、さらにこれらの接点部
材13a,13bを接合した電極7,8を真空バルブ内
の導電棒5,6の端部に接合することにより、それぞれ
対応する真空遮断器を組み立てた。
【0044】そして各接点材料の遮断特性を比較評価す
るために、接点部材の導電率を、JIS規格に規定する
方法で測定するとともに、各真空遮断器について繰り返
して遮断操作を実施し、その最大遮断電流値および耐電
圧を測定して、下記表1に示す結果を得た。なお、各測
定値は、従来例1〜5の各組成比に対応する接点材料を
使用した場合の値をそれぞれ基準値1.00として相対
値で示している。
【0045】
【表1】
【0046】上記表1に示す結果から明らかなように、
各実施例に係る接点部材においては、Al成分を添加し
ているにも拘らず、従来例および比較例の接点材料と比
較して導電率がほとんど低下しておらず、アークによる
熱拡散が容易であり、遮断性能の低下が少ないことが実
証された。
【0047】一方、Al成分を含まない高純度のCu粉
末およびCr粉末と、所定量のAl粉末とから成る成形
体を同時に焼結して調製した従来例6〜7に係る接点材
料においては、Cu相に多くのAl成分が混入するた
め、導電率,最大遮断電流値、耐電圧性などの特性が大
幅に低下した。
【0048】また各実施例に係る接点材料を接触子(接
点部材)として組み込んだ真空遮断器においては、各従
来例および各比較例の接点材料を組み込んだ真空遮断器
と比較して、大電流遮断性および耐電圧特性が共に良好
であることが判明した。
【0049】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る真空遮断
器用接点材料によれば、アルミニウムを0.02〜2重
量%含有させており、しかも、このアルミニウム成分が
クロム−酸素−アルミニウムから成る複合酸化物の形態
で,実質的にクロム相のみに存在する組織形態を有して
いるため、接点材料としての導電性の低下が少なく、大
電流遮断性を向上させることができ、大電流遮断性およ
び耐電圧特性に優れた接点材料が得られる。すなわち、
この接点材料を使用して真空遮断器を形成することによ
り、遮断性能や耐圧性能の劣化が少なく、特性が安定し
た信頼性の高い真空遮断器を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る接点材料を適用する真空遮断器の
構造を示す断面図。
【図2】図1に示す接点および電極部を拡大して示す断
面図。
【符号の説明】
1 遮断室 2 絶縁容器(真空容器,真空バルブ) 3a,3b 封止金属 4a,4b 蓋体 5 導電棒 6 導電棒 7 電極(固定電極) 8 電極(可動電極) 9 ベローズ 10 アークシールド 11 アークシールド 12 ろう付け部 13a,13b 接点部材 14 ろう材(Agろう材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 純一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 渡辺 憲治 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高導電成分としての銅相と耐弧成分とし
    てのクロム相とから成り、30〜70重量%のクロムと
    0.02〜2重量%のアルミニウムとを含有することを
    特徴とする真空遮断器用接点材料。
  2. 【請求項2】 高導電成分としての銅相と耐弧成分とし
    てのクロム相とから成り、さらに0.02〜2重量%の
    アルミニウムを含有し、かつ上記アルミニウムが実質的
    にクロム相の内部にのみ存在することを特徴とする真空
    遮断器用接点材料。
  3. 【請求項3】 アルミニウムは酸素とクロムと化合した
    複合酸化物として存在することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の真空遮断器用接点材料。
  4. 【請求項4】 耐弧成分としての酸化クロム粉末とアル
    ミニウム粉末とを加熱反応させてクロム粉末およびクロ
    ム−酸素−アルミニウム系の複合酸化物粉末を調製する
    工程と、得られたクロム粉末および複合酸化物粉末と高
    導電成分としての銅粉末とを混合して原料混合体を調製
    する工程と、この原料混合体を成形して成形体を形成す
    る工程と、得られた成形体を非酸化性雰囲気中で焼結す
    る工程とを備えることを特徴とする真空遮断器用接点材
    料の製造方法。
  5. 【請求項5】 真空容器内に対向して配置した1対の接
    触子の開閉動作によって電路を開閉する真空遮断器にお
    いて、上記接触子が、高導電成分としての銅相と耐弧成
    分としてのクロム相とから成り、30〜70重量%のク
    ロムと0.02〜2重量%のアルミニウムとを含有する
    接点材料から成ることを特徴とする真空遮断器。
  6. 【請求項6】 真空容器内に対向して配置した1対の接
    触子の開閉動作によって電路を開閉する真空遮断器にお
    いて、上記接触子が、高導電成分としての銅相と耐弧成
    分としてのクロム相とから成り、さらに0.02〜2重
    量%のアルミニウムを含有し、かつ上記アルミニウムが
    実質的にクロム相の内部にのみ存在する接点材料から成
    ることを特徴とする真空遮断器。
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