JPH1045490A - 化学的気相成長法 - Google Patents

化学的気相成長法

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JPH1045490A
JPH1045490A JP20035796A JP20035796A JPH1045490A JP H1045490 A JPH1045490 A JP H1045490A JP 20035796 A JP20035796 A JP 20035796A JP 20035796 A JP20035796 A JP 20035796A JP H1045490 A JPH1045490 A JP H1045490A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】CVD法の利点である低真空度成長・低温成長
と高度被覆性を満足すると同時に、結晶性や電気特性に
おいてPVD膜に劣らないヘテロエピタキシャル膜を形
成することが可能な新規なCVD法を提供する。 【解決手段】CVDの成長期間を少なくとも2つに分割
し、原料蒸気の輸送量を抑制して極めて緩やかに成長を
行う「緩成長期間」と、これに引続き、原料蒸気の輸送
量を抑制せず高速で成長を行う「急成長期間」とに分け
て薄膜形成するように構成した化学的気相成長法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶基板に基板
と異種の単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させるこ
とが可能な化学的気相成長(CVD)法と、それを実現
するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単結晶膜は、一般に、アモルファス膜や
多結晶膜に比べて、結晶構造的に平坦で、その材料特有
の物理的諸特性、即ち、導電性や誘電性、絶縁性、強誘
電性、超電導性、半導体特性、光透過性、光磁気特性
等、が強く鋭く現れるという特長を有している。そのた
め様々な工業分野で有用であり、その実現が強く望まれ
ている。
【0003】単結晶膜は通常、類似した結晶構造(晶系
と格子定数)を持つ単結晶基板上にエピタキシャル成長
させることによって形成されるが、近年、単結晶基板上
に基板と異種の単結晶膜を形成する技術、すなわちヘテ
ロエピタキシャル成長技術の確立が、マイクロエレクト
ロニクスの分野を中心として強く希求されている。
【0004】ヘテロエピタキシーに広く用いられている
方法は、MBE(分子線エピタキシ)法や電子ビーム蒸
着法、抵抗線加熱蒸着法、イオンビームスパッタリング
法、ICB(イオンクラスタビーム)法などの物理的気
相成膜法(PVD法)である。 PVD法のエピタキシ
ーに共通する問題点は、もちろん例外はあるが、成膜に
高真空(〜10~5Torr)と高温(〜800℃)が必要な
ことと、成膜メカニズムが物理的凝集に基づいているた
め蒸発源から眺めて影になる部分での被覆性が芳しくな
いことである。すなわち高真空は成膜装置の価格や保全
費用を高価なものとし、薄膜の成膜費用を押し上げる要
因になっている。また高温は基板自体や、成膜時点で基
板に形成されている構造物や回路素子に、熱損傷を与え
る危険があり、単結晶膜の応用を著しく制限している。
また被覆性の低さは陥没部に膜を形成させるような用途
の場合には深刻な問題となる。その典型的な例は半導体
集積回路である。半導体集積回路(基板)は、コンタク
トホール、ビアホール、キャパシタ溝、フィールド段
差、配線段差、ゲート段差などの微細な陥没部が密集し
た構造になっている。PVD法では、このような基板の
陥没部の側面や底面に被覆性良く単結晶膜を形成するこ
とは困難である。
【0005】上記のように、PVD法には種々の難点あ
ることから、成膜機構を異にするCVD法による単結晶
膜作成の確立が切望されている。
【0006】CVD法は原料(化学)蒸気を所定の圧力
に維持した反応器に輸送し、混合し、所定の温度に保持
された基板上で化学反応させることによって薄膜の堆積
を進行させる方法であり、アモルファス膜や多結晶膜の
成膜手段として数多くの実用実績を誇っている。
【0007】以下、10%の酸化イットリウムを含有す
るイットリア安定化ジルコニア膜(以下YSZ膜)を単
結晶Si基板に形成する場合を例にして、成膜法を具体
的に説明する。使用するCVD原料は、たとえばイット
リウム・トリディピバロイルメタン:Y(DPM)3、ジ
ルコニウム・テトラディピバロイルメタン:Zr(DP
M)4、および酸素:O2である。ここで、DPMはC11
192基を意味する。図10は、成膜に供されるCV
D装置の一例を示す模式断面図である。これは伝統的な
コールドウォール型の減圧CVD装置である。図10に
おいて、50は反応器である。反応器50は、Si基板
51を支持し所定の温度に保持するサセプタ52と、原
料蒸気の導入口53と、堆積反応で生じた生成ガスや過
剰な原料蒸気を器外に導く排気口54を備えている。
【0008】また、55は原料Y(DPM)3の蒸気発生
器、56は原料Zr(DPM)4(両原料はともに常温固
体)の蒸気発生器であり、流量調節機能と温度調節機能
を有している。蒸気発生器55、56にはArキャリア
ガスが導入され、原料蒸気はここからArキャリアガス
によって搬送され、前記導入口53に導かれる。導入口
53には、このほか、O2ガス発生器57から送出され
たO2も導入される。
【0009】また、蒸気発生器55、56と導入口53
を結ぶ導管は原料蒸気発生器の容器の温度よりも約10
℃高い温度に保温されている。58a〜58cは各原料
の供給バルブである。また、反応器50の生成ガスや過
剰原料蒸気は真空排気装置59によって、排気主バルブ
60を経由して器外に排出される。また、61は成膜
中、反応器内の圧力を一定に保つための、排気速度調節
器である。
【0010】成長の手順はつぎのとおりである。まずR
CA洗浄(アンモニア水と過酸化水素水の混合液による
洗浄と、塩酸と過酸化水素水の混合液による洗浄と、か
らなる汚染物質除去法)と希フッ酸洗浄(5%濃度程度
のHF水溶液に数10秒浸漬した後、純水で短時間リン
スして乾燥する洗浄法)とでSi基板の表面の汚染物お
よび自然酸化物を除去する。
【0011】洗浄を終えたSi単結晶基板51をサセプ
タ52に乗せ、全入口バルブ58a〜58cを閉じ、排
気主バルブ60を開けて反応器内を一旦真空にする。次
に、サセプタの温度を所定の成膜温度に安定させた後、
排気速度調節器61を作動させ、入口バルブ58a〜5
8cを開いて、各原料蒸気を原料蒸気導入口53から供
給して成膜を開始する。
【0012】本例における代表的な成膜条件を下記の表
1に示す。 表1 YSZ成膜条件 成膜圧力 2Torr 成膜温度 600℃(基板温度) シャワヘッドと基板間の距離 3cm 原 料 原料温度 流 量 Y(DPM)3 138℃ 50sccm(Arキャリア) Zr(DPM)4 160℃ 50sccm(Arキャリア) O2 100sccm ここで、成膜圧力、成膜温度、原料温度、原料流量は終
始一定である。膜厚が所望の値になったところで入口バ
ルブ58a〜58cを閉じ、排気速度調節器61を停止
させ、排気主バルブ60を開け、反応器50を真空排気
しながら基板51を徐冷する。基板温度が十分低くなっ
てから基板51を反応器50から取出す。こうして、単
結晶Si基板上へのYSZ膜の成膜が終る。
【0013】上記のごときCVD法は成膜メカニズムが
基板表面近傍で起こる化学プロセスに基づいているの
で、成膜温度は比較的低く、高々650℃、成膜圧力は
常圧〜10~3Torrの間である。上述のYSZ膜の例はま
さにこれに該当する。したがってCVD法は、PVD法
に比べると基板に与える熱損傷は相対的に小さく、高真
空系が不要な分、大規模の成膜装置も比較的安価に実現
できる。
【0014】さらに、CVD法は比較的付着確率の小さ
い「化学的蒸気」を利用するので、PVD法の「物理的
蒸気」に比べて原料の廻り込みが良く、微細な陥没部に
おいても優れた被覆性を示す。たとえは、図10の装置
を用いて底辺長2μm、アスペクト比(底辺長と壁長の
比)1:2の垂直溝構造基板にYSZ膜を成膜すると、
0.9以上の被覆率(=溝内部の最も薄い膜厚値と基板
表面の膜厚値の比)が得られる。同じ基板に電子ビーム
蒸着法やMBE法でYSZ膜を形成したときの被覆率は
どちらも0.2以下であるから、被覆性の面でもCVD
は優れている。
【0015】しかしながら、このようなCVD法の優位
性(低真空・低温成膜と高い被覆性)は、アモルファス
膜や多結晶膜の形成に関しては確かに真であるが、本発
明の主題であるヘテロエピタキシーに関して言えば、非
常に疑わしい。従来例として上に挙げた単結晶Si基板
へのYSZ膜のヘテロエピタキシーにその典型的な例を
見ることができる。
【0016】前記表1の条件で作製したYSZ膜をX線
回折法(θ−2θ法と極点図形法)で分析したところ、
Si基板に対して一応ヘテロエピタキシャル的な成長を
していることが確認された。しかしながら電子ビーム蒸
着法(PVD)で作製した同じ膜厚のヘテロエピタキシ
ャル膜に比べて、(001)面の回折を示すピークの強
度は1桁近く低く、極点図形上の{111}面反射は少
なくとも3倍以上広がっていた。これはCVD膜の結晶
性が電子ビーム蒸着膜のそれよりも劣っていることを意
味している。RHEED(反射高速電子回折法)で表面
の<100>軸に沿った電子反射像を観察してみると、
電子ビーム蒸着膜からはストリーク像が得られたのに対
して、CVD膜からはスポット像が得られた。スポット
像は一般に表面が平坦でなく荒れていることを示唆して
いる。さらに膜厚方向の電気(誘電)特性を評価してみ
ると、CVD膜は誘電損失とリーク電流が大きく、実用
に耐えられない膜であることが判明した。
【0017】ところで、CVDのYSZ膜の結晶性(表
面平坦性含む)と電気特性と改善するためには、実は、
成長温度を上げれば良いことが判っている。PVDと同
じ成長温度(〜800℃)で成膜するとほぼPVDと同
等の膜質が得られる。しかし、成膜温度を上げると原料
の付着確率が急増し、気相での核生成(原料が気相で固
体を形成する現象)が激しくなるため、新たな弊害が生
まれる。すなわち付着確率の増大によって陥没部での被
覆性が悪化するとともに、気相核生成によって成膜速度
が急落し、同時に厄介なパーティクルの発生が起こるの
である。具体例で説明すると、800℃でYSZ膜を形
成した場合、底辺長2μm、アスペクト比(底辺長と壁
長の比)1:2の垂直溝構造での被覆率は0.25まで
低下する。これでは電子ビーム蒸着膜に対する優位性
は、事実上、消失してしまう。また、気相核生成を防ぐ
ためには、原料分子が気相で衝突しない圧力(<10~5
Torr)まで、減圧して成長させることが効果的である
が、これでは低真空度で成膜が出来るというCVDの利
点がなくなってしまう。
【0018】以上を整理すると、CVDによるヘテロエ
ピタキシーの問題点は、CVD法の利点を活かした条件
でヘテロエピタキシーを実施しようとすると、膜の単結
晶性と電気特性がPVD膜に比べて、見劣りするものと
ならざるを得ない。かといって、PVD並みの単結晶性
と電気特性を得ようとして成膜温度を上げようとする
と、今度は、CVD法本来の利点(低温成膜、低真空度
成膜、陥没部高被覆性)が失われる、ということであ
る。ここに従来CVDヘテロエピタキシーが抱える苦し
いジレンマがある。しかも、CVD装置には除害装置の
付設は通常必須であるから、PVD並みの単結晶性と電
気特性を得る場合(=高温・高真空で成長)には、CV
D装置の価格がPVD装置よりむしろ高くなることさえ
ある。
【0019】このようなCVDヘテロエピタキシーが抱
える問題は、例として挙げたYSZ膜に限ったものでは
なく、他の誘電体膜、半導体膜、導体膜、強誘電体膜、
超電導膜などでも見られる共通の問題である。成長温度
や被覆性に難があるPVDヘテロエピタキシーが今日で
も隆盛を誇っているのはこのような事情によるものであ
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のCVD法の問題点を解決するためになされたも
のであり、CVD法の利点である低真空度成長・低温成
長と高度被覆性を満足すると同時に、結晶性や電気特性
においてPVD膜に劣らないヘテロエピタキシャル膜を
形成することが可能な新規なCVD法を提供することを
目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。すなわち、請求項1に記載の発明にお
いては、CVDの成長期間を少なくとも2つに分割し、
原料蒸気の輸送量を抑制して極めて緩やかに成長を行う
「緩成長期間」と、これに引続き、原料蒸気の輸送量を
抑制せず高速で成長を行う「急成長期間」とに分けて薄
膜形成するように構成している。
【0022】また、請求項2〜請求項6に記載の発明
は、上記請求項1に記載の緩成長期間の様々な構成例を
示すものである。
【0023】また、請求項7〜請求項10に記載の発明
は、請求項1〜請求項6に記載のCVD法を実現するた
めの成膜装置の構成例を示している。
【0024】本発明は、本発明者が経験や文献等の実験
事実を整理分析し、推理に基づいて試行を繰り返し重
ね、もたらされたものである。以下に、本発明の原理と
作用を説明する。
【0025】エピタキシーには基板となる単結晶上に、
基板と同じ材料の単結晶膜を成長するホモエピタキシー
と、本発明の対象としているような基板と異質の材料の
単結晶膜を成長するヘテロエピタキシーとがあること
は、周知のとおりである。本発明者は過去の経験から、
同じ膜質の単結晶膜を得るのに、ホモエピタキシーはヘ
テロエピタキシー可能な温度よりかなり低温で実現でき
る傾向があることに気が付いた。たとえばCVD法でS
i単結晶膜を、単結晶Si基板にホモエピタキシーさせ
るには、使用する原料や、前処理方法、成膜装置にもよ
るが、550℃程度の温度で可能である。しかし、サフ
ァイヤ基板にヘテロエピタキシーさせようとすると少な
くとも800℃の温度が必要であった。他の例として
は、図10に示したCVD装置で単結晶膜YSZを、単
結晶YSZ基板にホモエピタキシーさせるには650℃
程度の温度で可能であるが、異種の単結晶Si基板には
800℃以上の高温が必要であった。発明者はこの経験
則が様々な材料で広く成立することを文献調査で確認し
た。
【0026】その後、発明者はヘテロエピタキシーの成
長過程を検討し、成長期間が、異種の単結晶基板全面を
所望の単結晶膜で完全に覆うまでの第1の期間と、単結
晶膜が全面に敷き詰められた基板に同じ単結晶膜を増積
みする第2の期間とに区分けされることに着目した。こ
のような観点からヘテロエピタキシーを再考すると、純
粋なヘテロエピタキシーと言えるのは第1の期間だけで
あり、第2の期間は実際はホモエピタキシーであること
が理解される。第2の期間の低温成長は、成功が確認さ
れているホモエピタキシーの条件で可能である。
【0027】第1の成長期間の低温化が図られれば、本
発明の意図であるCVD法によるヘテロエピタキシーの
低温化が達成されるはずである。この課題を達成するた
めに本発明者は、特に次の点に注目し考察した。
【0028】(1)CVD原料の付着確率は、ヘテロ基
板とホモ基板とでは異なっており、一般に親和性に乏し
いヘテロ基板の方が低い。 (2)成長前の基板表面には成長を妨害する酸素や水素
や水蒸気が化学吸着している。 (3)CVDの場合も成長初期は3次元的な島状成長
し、後に再構築が起こり、1次元的な成長に移ると報告
されている。 (4)ヘテロエピタキシーには基板と膜との間に必ず格
子不整合が存在する。
【0029】上記(1)〜(4)から推察されること
は、第1の成長期間には単結晶成長を阻害する要因が幾
重にも重なっていて、これらは単結晶成長可能な速度を
大きく減退させる方向に作用していると推察されるこ
と、および、この期間に比較的多い原料を供給して(結
果として無理に)成長させようとすると、エピタキシー
が完成する時間もなく強制的に堆積が進むので、粗悪な
単結晶膜になると推察されることである。このような推
察に基づき、成長速度を遅くする方向で詳細な実験検討
を重ねた結果、発明者は、CVD原料蒸気の輸送量をホ
モエピタキシーの1/5以下、好ましくは1/10以下
に絞ればの第1の期間であっても低温で良質な単結晶膜
成長を実現できることを見い出した。
【0030】以上の経過から作用をまとめると、本発明
においては、CVDの成長期間を少なくとも緩成長期間
と急成長期間に2分割し、緩成長期間では該原料蒸気の
輸送量を極端に制限して非常に緩やかに成長させるとと
もに、引続く急成長期間では、ホモエピタキシーが可能
な最大成長速度まで該原料蒸気の輸送量を増大させ高速
成長させることによって、低真空度・低温成膜性及びと
高被覆性を損なわずに、結晶性や電気特性においてPV
D膜に劣らないヘテロエピタキシャル膜を実現すること
ができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、化学的気相成長法において、成長期間を原料蒸気の
輸送量を抑制して極めて緩やかに成長を行う緩成長期間
と、これに引続き、該原料蒸気の輸送量をホモエピタキ
シー可能な輸送量まで増量し高速成長を行う急成長期間
とに、少なくとも2分割して成長する方式としたため、
CVD法の利点である低温成膜、低真空度成膜、陥没部
高被覆性などの特質を保存したまま、PVD膜と同等も
しくはそれ以上の単結晶性及び電気特性のヘテエピタキ
シャル膜を実現できる、という効果が得られる。
【0032】また、請求項2に記載のように、緩成長期
間の原料蒸気輸送量の抑制が、原料蒸気を間欠的に供給
することによって達成される方法、具体的には、例えば
後記第1の実施の形態に示すように、原料導入工程と希
釈ガス導入工程を周期的に繰り返すことによって1nm以
下の非常に薄い膜を積層させながら成長を進める方法に
よれば、希釈ガス導入工程で成長を一時休止して熱処理
を断続的に繰り返す機構になっているので、同じ材料、
同じ温度で成長した場合、他の方法よりも緩成長期間の
膜質が良好になり、ひいては、急成長期間も含めた膜質
が良好になるという特徴がある。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明のCVD方法及びこ
れを実現する装置を実施の形態及び実施例に基づいて説
明する。
【0034】本発明は様々なCVD原料や膜の種類に関
して適用可能であるから、ここでは一般性を持たせて説
明を行うことにする。説明の前提として、いくつかの定
義を行う。
【0035】本発明においては、単結晶基板Sに、これ
とは異なる単結晶膜Xをヘテロエピタキシーするのに第
1の原料A、第2の原料B、第3の原料Cが用いられる
ものとする。以下、これら原料が気体となったものをA
蒸気、B蒸気、C蒸気と称する。また、希釈や緩衝を目
的として反応器に導入する不活性ガスを希釈ガスと呼
び、以下記号Kで表す。常温で固体または液体の原料
(たとえばA原料)は専用の蒸気発生器で加熱気化さ
れ、蒸気はArなどの不活性なキャリアガスによって反
応器まで搬送される。この場合の「A蒸気」とは、A蒸
気だけではなくキャリアガスを含めたものとする。な
お、本発明は3種類の原料A、B、Cから単結晶膜Xを
得る場合に限定されるものではない。3種類としたのは
実施の形態の説明を簡潔するための便宜であって、以下
の実施の形態は2種類以下の原料からXを合成する場合
も、4種類以上からXを合成する場合も等しく適用でき
る。
【0036】(成長法の第1の実施の形態)図1は、本
発明のCVD方法の第1の実施の形態を説明するための
図であり、成長期間(成長開始から成長終了までに期
間)における反応器に導入される原料蒸気や希釈ガスの
総流量と種類をプロセス時間の関数として示したもので
ある。記号A、B、C、Kは反応器に導入される原料蒸
気と希釈ガスである。
【0037】成長期間は緩成長期間Iと、これにつづく
急成長期間IIからなる。
【0038】急成長期間IIでは原料蒸気AやBやCと希
釈ガスKを一定流量で反応器に導入し、反応器内の圧力
を一定に保って薄膜Xを連続的に成長させる。この時、
成長温度はCVD法の利点である低真空・低温成膜と高
度被覆性が損なわれない温度であり、この温度で同じ組
成・結晶構造の単結晶基板Xに良質なホモエピタキシャ
ル単結晶膜Xが得られるような成長諸条件(成膜圧力、
原料蒸気流量、気化条件など)が選ばれる。このような
ホモエピタキシー条件は、実際に単結晶基板Xを用意し
て種々の条件で成膜(条件振り)し、前もって実験的に
決定される。
【0039】なお、急成長期間IIの成膜方式は、この実
施の形態ばかりでなく、後述するその他の実施の形態で
も全く同じなので、以下、詳細な説明を省略する。
【0040】また、先行する緩成長期間Iは、原料蒸気
の輸送量を急成長期間IIに比べてr=1/5以下に、望
ましくはr=1/10以下に抑制して成長を行う(以下
rを抑制率と称する)。このように設定した場合、供給
量が減少するので、膜の成長速度もまた大幅に(大抵は
供給量の減少と同程度まで)減速し、極めて穏やかな成
長となる。
【0041】本成長法の第1の実施の形態では、この期
間の供給量の抑制を、原料蒸気を周期的に反応器に導入
することによって達成している。図1において、I1
原料A、B、Cを反応器に導入している工程、I2は原
料の導入を停止して替わりに希釈ガスKを反応器に導入
している工程である。I1とI2が1対となって1周期を
成し、これが所定の回数繰り返されることによって、ヘ
テロエピタキシーが進行する。
【0042】原料蒸気流量を始めとするI1工程の成長
諸条件は、全く任意に最適化可能であるが、急成長期間
IIと同じ条件を選ぶのが、最適化が不要であるため、最
も容易である。ここでは期間IIと同じ条件を選んだもの
とする。
【0043】また、I1工程の長さt1は、1周期で成長
する膜厚を実質的に決定する。ここで重要なことは、1
周期の膜厚が結晶構造の1原子層〜数原子層相当厚にな
るよう、t1を定めるということである。t1の典型的な
値は数秒から10数秒の間である。
【0044】一方、I2工程の長さt2は、少なくともI
1工程の4倍、望ましくは9倍以上になるように設定す
る。このようにt1とt2を決めると、期間Iの平均の成
長速度は期間IIのr=t1/(t1+t2)倍に、即ちr
=1/5〜1/10倍以下に抑制されることが理解され
る。
【0045】このようにしてヘテロ基板での膜成長が島
状成長過程から1次元成長過程に移り平坦表面が得られ
るまで、このような周期的成膜を繰り返す。なお、緩成
長期間に成長される単結晶膜の厚さは、概ね5nm〜15
nmの間である。
【0046】この実施の形態では緩成長期間の原料の周
期的に供給するのに、A、B、C原料を同時に供給する
1工程と、希釈ガスを供給するI2工程とを1周期とし
ている。いま、この1周期を簡略化して (1){(A+B+C)→(K)} のように表すことができる。ここで{ }は1周期を意
味し、( )は1周期を構成する1工程意味するものと
する。さて、本実施の形態の主眼点を再考してみると、
主眼点は原料を間欠的に短い周期で導入して、薄いヘテ
ロエピタキシャル層を極めて緩やかに成長することであ
った。本発明において、これを実現する周期は図1の周
期に限定されるものではない。以下、他の周期例につい
て上記の簡略表記を用いて数例を示す。
【0047】(2){(A)→(K)→(B)→(K)
→(C)→(K)} これは各原料を順次、反応器に導入する周期である。
【0048】 (3){(A+B)→(K)→(C)→(K)} これは(1)と(2)を組み合わせた周期である。
【0049】また、(2)と(3)において、原料導入
工程に不活性ガスM、N、Oを付加して全工程の総流量
を一定にする構成とした例を下記(4)、(5)に示
す。
【0050】(4){(A+M)→(K)→(B+N)
→(K)→(C+O)→(K)} (5){(A+B+M)→(K)→(C+N)→
(K)} (装置の第1の実施の形態)次に、図1に示した本発明
の成膜方法の第1実施の形態を実現する装置の実施の形
態を説明する。図2および図3は、本発明の装置の第1
の実施の形態を示す模式図である。まず、図2におい
て、10はコールドウォール型の反応器である。ただ
し、ホットウォール型の反応器でも構わない。反応器1
0内部には、基板11を支持して所定の温度Tgに保持
するサセプタ12がある。反応器10は、その他に、成
長に使用する原料蒸気A、B、Cを導く蒸気導入口13
a、13b、13cと、希釈に利用する不活性ガスKの
導入口13kと、生成ガスや未反応の反応蒸気を器外に
排出するための排気口14と、器内の圧力を計測する圧
力計15と、を備えている。
【0051】また、16a、16b、16cは原料蒸気
を所定の内圧・温度(ただし液体または固体原料の場
合)、所定の質量流量で発生する原料蒸気発生器、16
kは希釈に使用する不活性ガスを所定の流量で発生する
希釈ガス発生器である。これらの発生器は反応器入口バ
ルブ17a、17b、17c、17kを介して反応器1
0の導入口13a、13b、13c、13kに配管され
ている。
【0052】また、原料蒸気発生器16a、16b、1
6cと希釈ガス発生器16kは、各々、専用のバイパス
バルブ18a、18b、18c、18kを介して排気速
度調節器21に配管されている。また、上記の各入口バ
ルブと、これに対になる上記バイパスバルブに連なって
いる導管の口径は等しくなるように工夫されている。こ
れらの入口バルブとバイパスバルブは電気接点のON/
OFFで遠隔開閉可能な圧空操作式または電磁操作式の
バルブとする。
【0053】反応器10の排気口14は直列に配設され
た排気主バルブ20と排気速度調節器21を介し、導管
で真空排気装置22に結ばれている。この排気速度調節
器21は圧力計15の指針を常時監視して反応器10内
が所定の圧力になるように排気速度を制御する。また、
真空排気装置22から排出されたガス等は除害装置(図
示せず)で純化された後、大気に放出される。
【0054】また、バルブ制御装置23は、前記入口バ
ルブ17a、17b、17c、17kとバイパスバルブ
18a、18b、18c、18kの開閉を予め入力され
たプログラムとおりに精密に行なう装置である。
【0055】CVD装置の全体構成を述べたところで、
前述の原料蒸気発生器16a、16b、16cと、希釈
ガス発生器16kの細部を詳しく説明する。なお、構成
部位の説明では原料や不活性ガスを特定しないが、今後
の解説でその必要があるときは説明した構成部位の番号
に添え字a、b、c…、k、m、n…等を付けて表すこ
とにする(以下同様)。
【0056】成長に使用する原料A、B、Cは常温で気
体の場合と、液体や固体の場合とがある。図3(a)は
気体の原料や希釈ガスの発生器の一例を示した模式図で
ある。図3(a)において、24は原料ガスや不活性ガ
スを充填したボンベ、25はボンベの出口圧力を一定に
する減圧器、26は質量流量調節器である。ここで成長
に重要なパラメータはガスの質量流量Fである。
【0057】また、図3(b)は原料が液体または固体
の場合の原料蒸気発生器の一例を示した模式図である。
図3(b)において、27はキャリアガスとして使用す
るArやHe、N2などの不活性ガスを充填したボン
ベ、28はボンベの出口圧力を一定にする減圧器、29
は質量流量調節器、30は原料容器、31は原料容器3
0の内圧を指示する圧力計、32は圧力計31の圧力指
針を電気的に読み取り原料容器30の内圧を一定に制御
する圧力調節器、33は原料容器30の温度調節器、3
4は原料容器バルブである。
【0058】原料容器30には予め使用する原料が充填
されいる。ボンベ27のキャリアガスは減圧器28で減
圧された後、質量流量調節器29で所定の流量に調節さ
れてキャリアガス導入口から原料容器30に入り、原料
容器30内に滞留する原料蒸気を取り込み、原料蒸気導
出口から出て、圧力調整器32を通り、反応器10など
送られる。
【0059】上記のごとき図3(b)の原料蒸気発生器
における重要な成長パラメータは、キャリアガスの質
量流量Fと、原料容器温度Tsと、原料容器内圧P
sである。図中には示していないが、液体及び固体の原
料蒸気発生器と反応器10及び排気速度調節器21を結
ぶ導管には温度調節機能が付設されており、成長中は少
なくとも原料容器30の設定温度Tsよりも10℃高い
温度に維持されているものとする。これは気化された原
料蒸気がパイプ内で凝結するのを防ぐためである。ま
た、反応器10には、基板11を器外に取り出すことを
目的として、内圧を速やかに大気圧にするためのリーク
機構と基板搬入搬出機構が設けられているものとする
(図示省略)。
【0060】以下、上記のごとき図2、図3に示した装
置が如何にして成長方法の第1の実施の形態の動作を実
現するかを説明する。
【0061】ヘテロエピタキシー開始前に、基板11
は、所定の成長温度Tg、所定の成長圧力Pgに維持さ
れた反応器10内に置かれ、図3に示した原料蒸気発生
器も所定の温度、圧力、流量に保持され、あるいは、設
定されて、スタンバイ状態にあるものとする。また、排
気主バルブ20は開、原料蒸気の入口バルブ17a、1
7b、17cはすべて閉、希釈ガスの入口バルブ17k
は開、原料蒸気のバイパスバルブ18a、18b、18
cはすべて開、希釈ガスのバイパスバルブ18kは閉に
なっているものとする。このとき原料蒸気はバイパスバ
ルブを経由して所定の質量流量Fa、Fb、Fcで真空
排気装置22から排気されている。一方、希釈ガスはす
べて反応器10を通ってそれぞれ所定の質量流量Fkで
真空排気装置22から排出されている。そして原料蒸気
の総流量と希釈ガスの総流量が等しくなるように設定さ
れている。
【0062】図1の緩成長期間のI1工程は、図2の原
料蒸気の入口バルブ17a、17b、17cと希釈ガス
のバイパスバルブ18kを開けると同時に原料蒸気のバ
イパスバルブ18a、18b、18cと希釈ガスの入口
バルブ18kを閉じることにより達成される。このとき
希釈ガスはバイパスバルブを経由して真空排気装置22
から排出される。原料蒸気はすべて反応器10に導入さ
れ、基板11上ではヘテロエピタキシャル成長が短時間
進む。ここで、原料蒸気の総流量と希釈ガスの流量は等
しくなるように設定されているので、バルブの切り替え
に際して反応器内の圧力が変動することはない。この状
態で予め定められた時間t1を経過したところで、I1
程が終る。
【0063】I2工程は、I1工程で開けた入口バルブ1
7a、17b、17cとバイパスバルブ18kを閉じる
と同時に、バイパスバルブ18a、18b、18cと入
口バルブ18kを開けることにより達成できる。この切
り替えで原料蒸気はすべてバイパスバルブを経由して真
空排気装置22から排出される。I2工程では基板11
に原料が供給されないので、実質、成長は進まないが、
無駄に費やされるのではない。すなわち、この期間では
1工程で形成された極めて薄い単結晶膜の膜質改善が
行われる。そして定められた時間t2を経過したところ
で、I2工程が終る。
【0064】緩成長期間Iは、上記のバルブ操作を周期
的に所定回数行うことにより実現されるが、これを正確
に行うのがバルブ制御装置23である。
【0065】緩成長期間Iの最後のI2工程が終了した
ところで、CVD装置は直ちに急成長期間IIに移行す
る。
【0066】急成長期間IIは、最後のI2工程で閉じた
原料蒸気入口バルブ17a、17b、17cを開け、同
時に原料蒸気バイパスバルブ18a、18b、18cと
希釈ガス入口バルブ18kを閉じることにより達成でき
る。このとき原料蒸気は連続的に反応器10に導入さ
れ、緩成長期間Iで生成された基板11上の単結晶膜X
にホモエピタキシーが進む。一方、希釈ガスの発生は完
全に停止され、無駄に消費しないように工夫されてい
る。単結晶膜が所望の膜厚になったら、原料蒸気入口バ
ルブ17a、17b、17cを閉じて、急成長期間IIを
終える。
【0067】この後、サセプタ12(ホットウォール型
CVDの場合は電気炉)の温度を下げ、反応器10に不
活性ガスを導入して大気圧にして、基板11を反応器1
0から取り出し、全エピタキシー工程を完了する。
【0068】(成長法の第2の実施の形態)図4は、本
発明のCVD方法の第2の実施の形態を説明するための
図であり、成長開始から成長終了まで反応器内に導入さ
れる原料蒸気A、B、Cと希釈ガスKの流量の和をプロ
セス時間の関数として示したものである。
【0069】本成長方法の実施の形態も緩成長期間I
と、これにつづく急成長期間IIから成長期間が構成され
ている。
【0070】ホモエピタキシーとなる急成長期間IIの成
長方式及び成長条件の決定法は、成長方法の第1の実施
の形態の急成長期間IIのそれと全く同じなので説明を省
略する。
【0071】また、本成長法の実施の形態の緩成長期間
Iでも原料蒸気の輸送量を期間IIに比べてr=1/5以
下に、望ましくはr=1/10以下に抑制して成長を行
う。これに伴って膜の成長速度も輸送量減少と同程度に
減速する。輸送量の抑制は反応器10に導入する原料蒸
気(原料が固体または液体原料の場合はキャリアガス)
A、B、Cの質量流量を一定の比率(抑制率r)で減少
させるとともに、反応器10に希釈ガスKを付加導入す
ることによって達成される。
【0072】具体的には、急成長期間IIの原料A、B、
Cの質量流量をFa、Fb、Fcとすると、この緩成長
期間Iの両原料の質量流量は、それぞれr×Fa、r×
Fb、r×Fc、希釈ガスの質量流量は(1−r)×
(Fa+Fb+Fc)になるように設定される。緩成長
期間Iは膜成長が島状成長から1次元成長に移り、ヘテ
ロ基板が平坦な単結晶膜で完全に覆われるまで続けられ
る。このような緩成長期間Iに成長される単結晶膜の厚
さは、概ね5nm〜15nmの間である。
【0073】(装置の第2の実施の形態)つぎに、図4
で示した本発明成膜方法の第2実施の形態を実現する装
置を説明する。
【0074】図5および図6(a)、(b)は本発明の
装置の第2の実施の形態を示す模式図である。前記図2
と同じ番号を付した各部の構造と機能は図2の場合と同
じであり、繰り返しになるので、説明を省略する。
【0075】図5および図6において、16a’、16
b’、16c’は原料蒸気を所定の容器温度・容器内圧
(ただし、液体または固体原料の場合)、所定の質量流
量で発生する原料蒸気発生器、16k’は希釈に使用す
る不活性ガスを所定の流量で発生する希釈ガス発生器で
ある。26’と29’は質量流量調節器であるが、原料
蒸気発生器外部に設けられた流量設定変更器35から流
量が成長途中に遠隔操作で変更できる点と、最大許容流
量が急成長期間IIの必要流量に等しいか僅かに高い値に
なるような機種が注意深く選ばれている点とが、図2の
26および29とは異なっている。
【0076】次に、動作を説明する。
【0077】成長開始前に基板11は充分洗浄され、真
空排気され所定の温度Tgに維持された反応器10内に
置かれており、図6に示す原料蒸気発生器も所定の温
度、圧力に保持されているものとする。このとき、排気
主バルブ20は開、原料蒸気の入口バルブ17a、17
b、17cと希釈ガスの入口バルブ17kはすべて閉に
なっている。
【0078】図4の緩成長期間Iは、設定流量変更器3
5を作動させ、原料蒸気A、B、Cと希釈ガスKの質量
流量をそれぞれr×Fa、r×Fb、r×Fc、(1−
r)×(Fa+Fb+Fc)に設定すると同時に、入口
バルブ17a、17b、17kを開けることにより達成
できる。ここでFa、Fb、Fcは急成長期間IIでホモ
エピタキシー可能として設定される原料蒸気A、B、C
の流量、rは原料蒸気輸送抑制率である。
【0079】輸送量を抑制された原料蒸気が反応器10
に導入され、基板11上ではゆっくりとヘテロエピタキ
シャル成長が起こる。この際、AとBとCの輸送量の比
は急成長期間IIにおけるそれぞれの比と等しくなるよう
に一様に抑制されているので、形成される膜の組成が成
長期間のそれとずれることはない。この状態で定められ
た時間が経過したところで、直ちに急成長期間IIに移行
する。
【0080】急成長期間IIは、設定流量変更器35を再
び作動させ、原料蒸気A、B、Cと希釈ガスKの質量流
量をそれぞれFa、Fb、Fc、0(ゼロ)に設定する
と同時に、入口バルブ17kを閉じることにより達成で
きる。急成長期間IIでは高速なホモエピタキシャル成長
が起こる。そして単結晶膜の厚みが所望の厚みになった
ら入口バルブ17a、17bを閉じて急成長期間IIを終
える。
【0081】この後、サセプタ(ホットウォール型CV
Dの場合は電気炉)の温度を下げ、反応器10に不活性
ガスをリークして大気圧にして、基板11を反応器10
から取り出し、エピタキシー全工程を完了する。
【0082】(成長法の第3の実施の形態)本発明CV
D方法の第3の実施の形態は、特に固体または液体原料
を用いるときに有効な方法である。ここでは例として
A、Bが固体または液体原料、Cが気体原料であるとし
て説明する。なお、Cが固体または液体原料であるとき
はAとBと同様な方法を用いればよい。また、Kは希釈
ガスである。
【0083】図7はこの実施の形態を説明するための図
であり、成長開始から成長終了まで、原料蒸気Aまたは
Bの原料蒸気発生器の原料容器温度と、AとBとCとK
の総流量を、プロセス時間の関数として示している。図
7を見て分かるように、本成長方法の成長期間は緩成長
期間Iと急成長期間IIのほかに、両期間の間に成長待機
期間IIIを設けているのが特徴である。
【0084】本成長法の実施の形態でも緩成長期間Iの
成長速度を充分に低減するためにつぎに述べる方法を用
いて、原料蒸気A、B、Cの輸送量を期間IIに比べてr
=1/5以下に、望ましくはr=1/10以下に抑制す
る。
【0085】A、Bの抑制はキャリアガス流量を一定に
したまま、図7のグラフに示すように、期間IIに対して
原料容器温度(気化温度)を降下させることによって行
う。原料の気化速度は絶対温度の減少に対して指数関数
的に減少するので、このような輸送量の抑制が可能であ
る。降下させる温度幅は、使用する原料によって大きく
異なるので一慨には言えないが、概ね数℃〜10数℃の
範囲である。
【0086】ところで、相転移点(たとえば液相から固
相への転移点)の前後では原料の気化速度が不連続的に
大きく減少することが広く知られている。そのため降下
させたい予想温度域に相転移点がある場合には、原料温
度だけで輸送量を所定の値に設定するのは困難である。
このような場合には容器温度の降下とともに原料容器の
内圧の増減を併用することによって、輸送量を調節する
ことができる。なぜならば、原料の気化速度は容器内圧
に強く依存し、圧力の上昇とともに減少するからであ
る。原料の種類にもよるが、調節可能な常圧〜成長圧力
までの間で、最大数倍から5倍くらいまでの気化速度の
可変が可能である。なお、容器の圧力と温度の設定には
事前に最適化することが必要である。
【0087】また、気体原料Cの輸送量の抑制は成長法
の第1の実施の形態で説明した質量流量の低減(r)と
希釈ガスの付加によって行う。
【0088】この実施の形態のように固体あるいは液体
原料と気体原料が混在している時にも忘れてはならない
のは、原料A、B、Cの間の輸送比を急成長期間の比と
同じにしなくてはならないという事である。
【0089】緩成長期間に成長される単結晶膜の厚さ
は、概ね5nm〜15nmの間である。そして気化速度膜成
長が島状成長から1次元成長に移り、ヘテロ基板全面が
が平坦な単結晶膜で完全に覆われるようになったら緩成
長期間Iが終わり、成長待機期間IIIに移る。
【0090】成長待機期間IIIは、降下させた原料温度
を急成長期間IIの設定値に復帰させるための移行期間で
ある。この期間は原料蒸気の供給を完全に停止して、成
長は行わない。希釈ガスの供給は図7のように行なって
もよいし、行なわなくてもよい。また、原料容器温度の
設定からの偏差や不安定は、組成ずれや膜質の低下を招
くので、少なくともこの成長待機期間IIIの長さは10
分以上に取るのが望ましい。緩成長期間Iで原料容器内
圧力を変更していた場合にはこの期間に設定を戻してお
く。
【0091】次に、原料A、Bの容器温度が充分安定し
たところで急成長期間IIでの成長を開始する。ホモエピ
タキシーとなるこの期間の成長方法及び成長条件の決定
法は成長方法の第1の実施の形態の急成長期間IIの場合
と全く同じなので説明を省略する。
【0092】(装置の第3の実施の形態)つぎに、上述
の成膜方法の第3の実施の形態を実現する装置を説明す
る。
【0093】図8および図9(a)、(b)は本発明の
成長装置の第3の実施の形態を示す模式図である。前記
図2、図3と同じ番号を付した各部の構造と機能は同じ
であり、繰り返しになるので、説明を省略する。
【0094】図8および図9において、16a”、16
b”、16c”は原料蒸気を所定の容器温度・圧力(液
体または固体原料の場合)、所定の質量流量で発生する
原料蒸気発生器、16k”は不活性ガスを所定の流量で
発生する希釈ガス発生器である。また、26”は気体原
料に使用する質量流量調節器であるが、その機種は最大
許容流量が急成長期間IIの必要流量より僅かに高い値に
なるように注意深く選ばれる。
【0095】また、図9(b)は液体原料または固体原
料の原料蒸気発生器の構成を示している。32”は原料
容器内の圧力を調節する圧力調節器、33”は原料の容
器温度調節器である。質量流量調節器26”及び容器圧
力調節器32”、容器温度調節器33”の設定値は原料
蒸気発生器外に設けられた設定変更器35”から遠隔操
作で変更される。
【0096】つぎに動作を説明する。ここではA原料、
B原料が常温で固体もしくは液体、C原料が気体として
説明を行う。成長開始前に基板11は充分洗浄され、真
空排気されて所定の温度Tgに維持された反応器10内
に置かれている。A原料、B原料の原料蒸気発生器の温
度、圧力は、原料輸送量が急成長期間IIの輸送量のr倍
に抑制されるように設定されているものとする。このと
き、排気主バルブ20は開、原料蒸気と希釈ガスの入口
バルブ17a、17b、17c、17kはすべて閉にな
っている。
【0097】緩成長期間Iは、設定変更器35”を作動
させ、原料蒸気A、B、Cの質量流量をそれぞれFa、
Fb、(1−r)×Fcに、希釈ガスKの質量流量をr
×Fcに設定すると同時に、入口バルブ17a、17
b、17c、17kを開けることにより達成できる。こ
こでFa、Fb、Fcは急成長期間IIで設定される原料
蒸気A、B、Cの流量、rは緩成長期間Iの急成長期間
IIに対する原料蒸気輸送抑制率である。
【0098】次に、輸送量が抑制された原料蒸気A、
B、Cが反応器10に導入され、基板11上では緩やか
なヘテロエピタキシャル成長が起こる。この際、Aと
B、Cの輸送量の比が急成長期間IIにおけるそれらの比
と等しくなるように抑制されているので、形成される単
結晶膜の組成が成長期間のそれとずれることはない。そ
して定められた時間が経過したところで、直ちに成長待
機期間IIIに移行する。
【0099】成長待機期間IIIに入ると直ちに設定変更
器35”を再び作動させ、原料蒸気A、Bの容器温度と
容器内圧力ならびに原料蒸気Cの流量を急成長期間IIの
設定に戻すと同時に、入口バルブ17a、17b、17
cを閉とする。なお、この期間に希釈ガスを反応器10
に流さなくてもよい。この場合は、入口バルブ17kを
閉めておく。時間が経過し、原料A、Bの容器温度が充
分安定したら急成長期間IIに移行する。
【0100】急成長期間IIは入口バルブ17a、17
b、17cを開、入口バルブ17kを閉とすることで開
始される。この期間は高速なホモエピタキシャル成長が
起こる。そして単結晶膜の厚みが所望の厚みになったら
入口バルブ17a、17b、17cを閉じて急成長期間
IIを終える。
【0101】この後、サセプタ12(ホットウォール型
CVDの場合は電気炉)の温度を下げ、反応器10に不
活性ガスをリークして大気圧にし、基板11を反応器1
0から取り出し、エピタキシー全工程を完了する。
【0102】以上、本発明の成膜方法ならびに成長装置
の実施の形態を説明し終えたところで、ヘテロエピタキ
シャル成長の実施例を示す。 (実施例1)本実施例は、前記CVD方法の第1の実施
の形態(図1)とCVD装置の第1の実施の形態(図
2、図3)を用いて、10%のイットリヤを含有する厚
さ150nmの(100)YSZ単結晶膜を(100)S
i単結晶基板上にヘテロエピタキシャル成長する例であ
る。A原料は常温固体のY(DPM)3、B原料は常温固
体のZr(DPM)4、C原料はO2、希釈ガスKはArで
ある。なお、既に述べたように、A、Bは固体なので図
3(b)の蒸気発生器を、Cは気体なので図3(a)の
蒸気発生器を用いる。
【0103】RCA洗浄と希弗酸洗浄で表面を仕上げた
Si単結晶基板11を反応器10に収め、CVD方法の
第1の実施の形態とCVD装置の第1の実施の形態で説
明した要領に従って単結晶膜の成長を行う。本実施例に
おける緩成長期間Iと急成長期間IIの成長条件を下記表
2に示す。
【0104】
【表2】
【0105】表2において、Pgは成長圧力(反応器の
圧力)、Tgは成長温度、tgは処理時間、THはその
期間の成長膜厚、t1は緩成長期間の原料導入工程I1
長さ、t2は緩成長期間の希釈ガス導入工程I2の長さ、
Nは1周期(I1+I2)の繰り返し数である。また、F
A、TA、PAはA原料蒸気発生装置の質量流量(キャ
リアガス流量)、容器温度、容器内圧力、FB、TB、
PBはB原料蒸気発生装置の質量流量(キャリアガス流
量)、容器温度、容器内圧力、FCはC原料蒸気発生装
置の質量流量、FKは希釈ガス発生器の質量流量であ
る。
【0106】この条件で緩成長期間IにI1工程とI2
程を1サイクル実施すると、合計21秒(3+18秒)
で約0.68nmのYSZ膜が生成される。緩成長期間I
の原料輸送量抑制率は、およそr=0.14である。
【0107】次に、表3は、上記実施例で実際にCVD
成長させた単結晶YSZ膜と、文献(A. Bardal et a
l., Journal of Applied Physics, 75, 2902 (1994).)
で紹介されている電子ビーム蒸着法(PVDの一種)で
成長した単結晶YSZ膜〔ともに(100)Si基板〕
とにおける各種特性を比較した表である。
【0108】
【表3】
【0109】表3においては、上記各種特性として、成
長温度Tg[℃]、成長圧力Pg[Torr]、底辺長2μ
m深さ4μmの溝での段差被覆率η、バルク結晶性BC、
表面結晶性SC、1MHzでの比誘電率εと誘電損失t
anδ、印加電界が0.1MV/cmの時の定常リーク電
流密度J[A/cm2]を比較している。なお、BCはX
線回折θ−2θ法のYSZ膜(001)反射の強さ示し
ており、電子ビーム蒸着膜の回折強度で規格化してい
る。また、SCは<100>軸に沿ったRHEED像の
定性的な評価である。
【0110】なお、前記表2の条件で成長させたYSZ
膜をX線回折法(θ−2θ法と極点図形法)で分析した
ところ、Si基板に対してヘテロエピタキシャル成長し
ていることが確認された。表3から分かるように、本実
施例のCVDはその成長温度Tgが電子ビーム蒸着法よ
りも100℃低く、圧力Pgは6桁以上高いところで成
長が可能である。また、被覆率ηは0.91であって電
子ビームの0.18をはるかに凌駕する値を示してい
る。明らかに、本実施例はPVDに対するCVDの利点
を保持したまま、ヘテロエピタキシーを実現している。
【0111】また、X線(001)反射の強度を見てみ
ると、CVDはPVDと誤差の範囲内で同程度である。
CVD膜のRHEED像は電子ビーム蒸着膜と同様スト
リーク模様であり、表面の結晶構造が平坦であることを
示唆している。したがって、本実施例によるCVD膜の
バルク及び表面の結晶性は電子ビーム蒸着膜と同等であ
ると結論される。
【0112】次に、膜厚方向の電気(誘電)特性を比較
してみると、CVD膜の誘電率と誘電損失は電子ビーム
蒸着膜と殆ど変わらないことが判る。リーク電流は電子
ビーム蒸着膜に対してCVD膜が2桁低く、好ましい結
果を与えた。このように本発明のCVD成長法の第1の
実施の形態並びに成長装置の第1の実施の形態では、C
VD法の利点である低真空・低温成長と高被覆性を失わ
ずに、PVDと少なくとも同等の結晶性と電気特性を有
するヘテロエピタキシャル膜を実現できることが判っ
た。
【0113】(実施例2)本実施例は、本発明のCVD
方法の第2の実施の形態(図4)とCVD装置の第2の
実施の形態(図5、図6)を用いて、(100)SrT
iO3(チタン酸ストロンチウム)単結晶基板にc軸配
向した正方晶PbTiO3(チタン酸鉛)をヘテロエピ
タキシャル成長する例である。正方晶PbTiO3は強
誘電体材料として広く知られている材料である。A原料
は常温液体Pb(H25)4(テトラエチル鉛)、B原料
は常温液体Ti(i−OC37)(チタンイソプロポキシ
ド)、C原料は気体原料のO2である。したがってA、
Bは図6(b)の蒸気発生器を、Cは図6(a)の蒸気
発生器を用いる。
【0114】有機洗浄と希弗酸洗浄で表面を清掃にした
SrTiO3単結晶基板を反応器10に収め、CVD方
法の第2の実施の形態とCVD装置の第2の実施の形態
で述べた手順に従って単結晶膜の成長を行う。本実施例
における緩成長期間Iと急成長期間IIの成長条件を下記
表4に示す。なお、成長パラメータの定義は前記表1と
同じである。
【0115】
【表4】
【0116】この場合、緩成長期間Iの成長速度は0.
05nm/sec、原料輸送量抑制率はおよそr=0.2であ
る。この条件で成長したPbTiO3膜をX線回折法
(θ−2θ法と極点図形法)で分析したところ、単結晶
SrTiO3基板に対してc軸配向したヘテロエピタキ
シャル成長をしていることが確認された。
【0117】表5は、本実施例で実際にCVDで成長さ
せた単結晶PbTiO3膜と、高周波スパッタリング法
(PVD)で成長した単結晶膜の成長条件と膜質の比較
を示す表である。
【0118】
【表5】
【0119】c軸に配向したPbTiO3は強い強誘電
性を発現するので、強誘電性の良し悪しを評価するため
に、本実施例では特に15Vの交番電界を印加したとき
の残留分極Psの大きさを測定した。その他の評価パラ
メータの定義は実施例1と同じである。電気特性(ε、
tanδ、J、Ps)の測定は白金電極を有するキャパ
シタを作製して実施した。即ち、平らなSrTiO3
結晶基板に単結晶Pt膜をマグネトロンスパッタリング
で形成し、この上に本実施例のCVDヘテロエピタキシ
ャルPbTiO3膜(150nm)を形成し、さらにこの
上にPt電極を再び形成した。
【0120】本実施例のCVDでも高周波スパッタリン
グ法に比べて、成長圧力Pgが2桁高く、また50℃程
ではあるが成長温度Tgが低い。段差被覆性ηも0.8
1とPVDに比べて極めて良好であった。このように本
実施例でもPVDに対するCVDの利点を保持したま
ま、ヘテロエピタキシーを実現している。
【0121】また、X線(001)反射の強度はPVD
の約2倍、RHEED像はストリーク模様である。本実
施例によるCVD膜の結晶性はスパッタリング法に比べ
て優れていることが理解される。また、誘電率εと誘電
損失tanδは高周波スパッタリング膜とほぼ同じであ
る。しかし、定常リーク電流密度Jはスパッタリング膜
より3桁低減しており、優れた結果を示している。さら
に残留分極Psの強さはスパッタリング膜に比べて大き
く向上している。これはバルク結晶性の改善と深く関連
しているものと思われる。
【0122】このように本発明のCVD成長法の第2の
実施の形態並びに成長装置の第2の実施の形態によれ
ば、CVD法の利点である低真空・低温成長と高被覆性
を保持したまま、PVDと同等か、これよりも優れた結
晶性と電気特性のヘテロエピタキシャル膜を実現できる
ことが判る。
【0123】(実施例3)つぎの例は、本発明のCVD
方法の第3の実施の形態(図7)とCVD装置の第3の
実施の形態(図8、図9)を用いて、単結晶(100)
GaAs(ガリウム砒素)基板に、(100)MgOを
ヘテロエピタキシャル成長する例である。A原料はMg
(DPM)2(マグネシウムビスジピバロイルメタナー
ト)、B原料はO2である、希釈ガスKはArである。
なお、C原料は用いない。Aは液体なので図9(b)の
蒸気発生器を、Bは図9(a)の蒸気発生器を用いる。
【0124】硫酸過酸化水素水洗浄液に約1分間浸した
後、純水でリンスし、アルコール置換乾燥したGaAs
単結晶基板を反応器10に収め、CVD方法の第3の実
施の形態とCVD装置の第3の実施の形態で述べた手順
に従って単結晶膜の成長を行う。本実施例における緩成
長期間Iと成長待機期間IIと急成長期間IIIの成長条件
を表6に示す。
【0125】
【表6】
【0126】本実施例では緩成長期間Iの輸送量を抑制
するのに、A原料は原料蒸気発生器の原料容器温度の降
下と容器内圧力の上昇とを同時に実施している。また気
体原料であるO2は質量流量の低減で輸送量抑制を実施
している。成長パラメータの定義はこれまでと同じであ
る。
【0127】緩成長期間Iの成長速度は0.045nm/s
ec、原料輸送量抑制率はおよそr=0.15である。こ
の条件で成長したMgO膜をX線回折法(θ−2θ法と
極点図形法)で分析したところ基板に対してヘテロエピ
タキシャル成長をしていることが確認された。
【0128】表7は本実施例に基づいて成長させたMg
O膜と、高周波スパッタリング法(PVD)で成長した
単結晶MgO膜の成長条件と膜質(150nm)の比較で
ある。その他の評価パラメータの定義は前記実施例1と
同じである。
【0129】
【表7】
【0130】表7に示すように、本実施例のCVDは高
周波スパッタリング法に比べて、成長温度Tgは同じで
あるが、成長圧力Pgは4桁高い。さらに段差被覆性η
は0.85とスパタリング法の0.2に比べて極めて良好
である。したがって本実施例もPVDに対するCVDの
利点を保持したまま、ヘテロエピタキシーを実現してい
ることが判る。
【0131】また、CVD膜のX線(001)反射の強
度はPVDより30%強く、RHEED像はストリーク
模様である。すなわち本実施例によるCVD膜の結晶性
はスパッタリング膜と同程度か若干優れている。誘電率
εと誘電損失tanδは高周波スパッタリング膜とほぼ
同じである。また定常リーク電流密度Jはスパッタリン
グ膜より2桁低い。したがってCVD膜の電気特性はス
パッタリング膜と同程度か若干優れている。
【0132】このように本発明のCVD成長法の第3の
実施の形態並びに成長装置の第3の実施の形態によれ
ば、CVD法の利点である低真空・低温成長と高被覆性
を保持したまま、PVDと同等がこれよりも優れた結晶
性と電気特性のヘテロエピタキシャル膜を実現できるこ
とが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCVD成長法の第1の実施の形態を説
明するための図。
【図2】本発明のCVD成長装置の第1の実施の形態の
全体構成を示す模式断面図。
【図3】本発明のCVD成長装置の第1の実施の形態の
一部の構成を示す模式断面図。
【図4】本発明のCVD成長法の第2の実施の形態を説
明するための図。
【図5】本発明のCVD成長装置の第2の実施の形態の
全体構成を示す模式断面図。
【図6】本発明のCVD成長装置の第2の実施の形態の
一部の構成を示す模式断面図。
【図7】本発明のCVD成長法の第3の実施の形態を説
明するための図。
【図8】本発明のCVD成長装置の第3の実施の形態の
全体構成を示す模式断面図。
【図9】本発明のCVD成長装置の第3の実施の形態の
一部の構成を示す模式断面図。
【図10】従来のCVD装置をの模式断面図。
【符号の説明】
10…反応器 11…単結晶基板 12…サセプタ 13a〜13c、
13k…導入口 14…排気口 15…反応器圧力
計 16a〜16c…原料蒸気発生器 16k…希釈ガス
発生器 17a〜17c、17k…入口バルブ 18a〜18c、18k…バイパスバルブ 20…排気主バルブ 21…排気速度調
節器 22…真空排気装置 23…バルブ制御
装置 24、27…ガスボンベ 25、28…減圧
器 26、29…質量流量調節器 27…キャリアガ
スボンベ 30…原料容器 31…容器圧力計 32…容器圧力調節器 33…容器温度調
節器 I…緩成長期間 II…急成長期間 III…成長待機期間 I1…原料導入工程 I2…希釈ガス導
入工程

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つまたは複数の化学的原料蒸気を、反応
    器に輸送し、反応器内に設置した単結晶基板の近傍で化
    学反応させ、該単結晶基板に基板とは異種の単結晶膜を
    ヘテロエピタキシャル成長させる化学的気相成長法にお
    いて、 該単結晶膜をヘテロエピタキシャル成長させる成長期間
    を、該原料蒸気の輸送量を抑制して極めて緩やかに成長
    を行う緩成長期間と、これに引続き、該原料蒸気の輸送
    量を抑制せず高速で成長を行う急成長期間とに、少なく
    とも2分割したことを特徴とする化学的気相成長法。
  2. 【請求項2】前記緩成長期間の原料蒸気輸送量の抑制
    が、原料蒸気を間欠的に供給することによって達成され
    ることを特徴とする請求項1に記載の化学的気相成長
    法。
  3. 【請求項3】前記緩成長期間の原料蒸気輸送量の抑制
    が、原料蒸気流量を直接減じるか、原料蒸気の不活性キ
    ャリアガス流量を減じるか、の何れか一方あるいは両方
    によって達成されることを特徴とする請求項1に記載の
    化学的気相成長法。
  4. 【請求項4】前記緩成長期間の原料蒸気輸送量の抑制
    が、原料気化装置の気化温度の降下もしくは気化圧力の
    上昇によって達成されることを特徴とする請求項1に記
    載の化学的気相成長法。
  5. 【請求項5】前記緩成長期間の成長膜厚が5nm以上に設
    定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の
    何れかに記載の化学的気相成長法。
  6. 【請求項6】前記緩成長期間の平均原料蒸気輸送量が、
    前記急成長期間の輸送量の少なくとも1/5以下、望ま
    しくは1/10以下に抑制されることを特徴とする請求
    項1乃至請求項5の何れかに記載の化学的気相成長法。
  7. 【請求項7】原料蒸気並びに不活性希釈ガスを導入する
    一つ或は複数の蒸気導入口と、基板を支持するサセプタ
    と、生成ガス及び未反応の原料蒸気を排出する排気口
    と、該基板あるいは該サセプタの加熱手段と、を備えた
    反応器と、 複数の原料ガスボンベあるいは不活性ガスボンベに減圧
    器を介して接続された流量調節器と、原料が液体もしく
    は固体の場合には、該不活性ガスの流量調節器出口に接
    続された内部温度及び内部圧力が調節可能な気密型原料
    容器と、を備えた原料蒸気発生器と、 反応器内の生成ガス及び未反応原料蒸気を該排気口から
    器外に排出させる真空排気装置と、該排気口と該真空排
    気装置とを結ぶ排気導管途上に設けられた排気主バルブ
    と排気速度調節器と、を備えた排気系と、 該反応器の蒸気導入口と該原料蒸気発生器出口を結ぶ導
    管途上に設けられた反応器入口バルブと、該反応器を迂
    回して該原料蒸気発生器出口と該排気速度調節器とを結
    ぶ導管途上に設けられたキャリアガスバルブと、該反応
    器の蒸気導入口と該原料蒸気発生器出口とを結ぶ導管の
    過熱手段と、を備えた蒸気搬送系と、 成長期間中、該反応器への該原料蒸気輸送量を遠隔操作
    によって抑制する原料供給抑制手段と、 から構成される化学的気相成長装置。
  8. 【請求項8】前記原料抑制手段が、定められたシーケン
    スに従って前記入口バルブと前記バイパスバルブとを自
    動開閉する機能を備えていることを特徴とする請求項7
    に記載の化学的気相成長装置。
  9. 【請求項9】前記原料抑制手段が、原料ガス及び不活性
    キャリアガスの前記流量調節器を直接制御する機能を備
    えていることを特徴とする請求項7に記載の化学的気相
    成長装置。
  10. 【請求項10】前記原料抑制手段が、前記原料容器の内
    部温度及び内部圧力を遠隔制御する機能を備えているこ
    とを特徴とする請求項7に記載の化学的気相成長装置。
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