JPH1046330A - 対向ターゲット式スパッタ装置 - Google Patents

対向ターゲット式スパッタ装置

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JPH1046330A
JPH1046330A JP20332296A JP20332296A JPH1046330A JP H1046330 A JPH1046330 A JP H1046330A JP 20332296 A JP20332296 A JP 20332296A JP 20332296 A JP20332296 A JP 20332296A JP H1046330 A JPH1046330 A JP H1046330A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投入電力を大きくしても膜質低下のない工業
生産に適した対向ターゲット式スパッタ装置。 【解決手段】 真空槽内に所定の間隔を隔てて一対のタ
ーゲットを対向配置し、該ターゲットの外周に沿ってそ
の外側に永久磁石からなる磁界発生手段を設けて該ター
ゲット間の対向空間を囲むようにプラズマ捕捉用磁界を
形成して、該対向空間内にスパッタプラズマを生成し、
該対向空間の測方に配置した基板上に薄膜形成するよう
にした対向ターゲット式スパッタ装置において、該ター
ゲット及びその支持部を囲むようにその外周に沿って真
空槽壁面から槽内側に突き出した、槽外から出し入れす
る槽内と遮断された収納部を設け、該収納部に磁界発生
手段の永久磁石を収納したことを特徴とする対向ターゲ
ット式スパッタ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空槽内に所定の
間隔を隔てて一対のターゲットを対向させて配置し、そ
の間の空間にスパッタプラズマを生成し、この空間に対
面するようにその側方に配置した基板上に膜形成するよ
うにした対向ターゲット式スパッタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記対向ターゲット式スパッタ装置は、
本発明者らが出願した特公昭63ー20303号、特公昭63ー203
04号、特公昭62ー14633号等の公報で既に公知であり、図
1の構成を基本構成にしている。すなわち、真空槽10内
に所定距離の空間120を隔てて対向するように配置され
たターゲット110a、110bと、該対向空間120の外縁部の側
面を磁束が均一に覆うように磁界を発生させるターゲッ
ト110a、110bのそれぞれの背面に設けた磁界発生手段130
a、130bとからなるスパッタ部を設け、その側方に設けた
基板ホルダー21により基板20を該対向空間120に対面す
るように配置した構成になっている。なお、図の140a、1
40bは、ターゲット部100a、100bのターゲット110a、110b
の前面以外の部分がスパッタされないように保護するた
めのシールドである。
【0003】従って、図示省略した排気系により排気口
30を通して真空槽10内を排気した後、図示省略したガス
導入手段により導入口40からアルゴン等のスパッタガス
を導入し、図示の如く直流電源からなるスパッタ電源50
によりシールド140a、140b従って真空槽10をアノード
(陽極)(接地)に、ターゲット110a、110bをカソード
(陰極)にしてスパッタ電力を供給すると、ターゲット
110a、110bの間の対向空間120にスパッタプラズマが形成
されてスパッタが行われ、基板20上にターゲット110a、1
10bの組成に対応した組成の薄膜が形成される。
【0004】この際、前述の構成によりターゲット110
a、110bの面と垂直方向に磁界が形成されているので、タ
ーゲット110a、110b間の対向空間120内に高エネルギーの
電子が閉じ込められてスパッタプラズマが生成し、ここ
でのスパッタガスのイオン化が促進されてスパッタ速度
が高くなり高速の膜形成ができる。その上、基板20は、
従来の代表的なスパッタ装置である基板とターゲットを
対向配置した2極のスパッタ装置の如く、ターゲット11
0a、110bに対面せずターゲット110a、110bの側方に配置さ
れたているので、基板20へのイオンや電子の衝突が非常
に少なくなり、かつターゲット110a、110bからの熱輻射
も小さく基板温度の上昇も小さくなる。よって低温の膜
形成ができる。このように、従来のマグネトロン式スパ
ッタ法では高速成膜が困難であった磁性材を含め各種材
料を低温、高速で膜形成できる特徴を有し、磁性薄膜、
薄膜型磁気記録媒体等の製造に利用されている。
【0005】しかし、通常この方式には矩形、円形のタ
ーゲットが用いられるがターゲットの形状に係わらず、
スパッタされて浸食されるターゲット表面についてはそ
の中心部に侵食が集中し易く、ターゲットの利用効率を
改善する必要があることが分かった(IEEE Trans on Ma
gnetics MAGー17, pp.3175ー3177 (1981))。又、長方形
ターゲットを使用した場合には、ターゲット侵食パター
ンがターゲット中央部に対して非対称となり、基板の幅
方向においても膜厚分布が生じ、生産性及び薄膜の均一
性についても改善を必要とすることが分かった。
【0006】これに対して、本発明者らは特公平3ー2231
号公報及び特公昭63ー54789号公報において、ターゲット
浸食特性をターゲット面全域に拡大する改良技術とし
て、各ターゲットの外側周囲に磁界発生手段を設け、そ
の磁界発生部である磁極端部にコアを配置し、磁界をタ
ーゲットの周囲に発生させるようにした構成を提案し
た。
【0007】この構成により、磁界はターゲットを経由
しないで直接対向して配置したコア間に形成されるの
で、磁界分布がターゲット材の透磁率、飽和磁化、ター
ゲットの厚みに影響されにくくなり、且つスパッタプラ
ズマ拘束用磁界がターゲット外周に沿ってその外側周囲
に形成され、その侵食領域がターゲットの中央部から外
縁周辺部まで拡大してターゲット利用効率が大きく改善
した。しかしながら、スパッタの際、放電電圧が高くな
り、高いスパッタガス圧でないと安定なスパッタができ
ない欠点があることが分かった。
【0008】更に、これを解決するものとして対向ター
ゲット式スパッタ法の特長であるプラズマ拘束条件をタ
ーゲット面全域に亘ってより一層均一に発現させる技術
を、本発明者らは特公平4ー11624号、特公平5ー75827号等
の公報で提案した。これら技術はスパッタプラズマを生
成・拘束する技術として従来の対向ターゲット式スパッ
タにおけるターゲット面に垂直な磁力線(磁場)に加え
てターゲット面の外縁部全周の近傍空間にターゲット面
に閉じる円弧状の磁力線を形成するとともに磁極端部近
傍に電子を反射する電子反射手段を設けることを特徴に
している。この技術においては対向したターゲットの間
の空間を飛び交う高エネルギー電子は該空間をドリフト
するとともにターゲット外縁部表面近傍の電磁界により
ターゲット外縁部を全周に亙って磁極に吸収されること
なくドリフトするので全体的にスパッタガスのイオン化
効率が著しく高まり、前述の問題の無い技術が実現し
た。
【0009】この結果、ターゲット全域に渡ってスパッ
タ効率を高めることが可能になった。この技術のスパッ
タ装置を用いて超高密度記録材料として期待されている
CoーCr、CoーCrーTa等の合金薄膜をポリエチレンテレフタ
レート(PET)フィルムやポリエチレンナフタレート(P
EN)フィルムに形成した結果、150℃の低温基板に磁気
特性、微細構造ともに優れた磁性薄膜を作製できること
が確認された(J.Mag.Soc.Jpn.,18,Suppl.S1,pp.19ー2,p
p.331ー334、他)。本スパッタ技術により、基板とスパ
ッタ源が対向する従来のスパッタ法では実現できない微
細構造等の特性の優れた薄膜が形成できるとともに、タ
ーゲット全域で一様な侵食が可能になり、長方形ターゲ
ットを使用した場合にもターゲット侵食パターンのター
ゲット中央部に対する対称性も飛躍的に改善した。
【0010】しかし、この改良された対向ターゲット式
スパッタ装置においても、ターゲット表面からスパッタ
される反跳ガス粒子やスパッタ粒子はターゲット間の空
間の全ての側面から真空槽内に飛散する状態には変わり
ない。このため、ターゲット全面から均一にスパッタが
出来、基板上に一様な膜厚分布の薄膜を制御良く実現す
ることは出来ても、ターゲットの側方空間のうち基板に
面する一部しか薄膜形成に使用できないこと、真空槽壁
に飛散した粒子により真空槽壁に内蔵されるガスがスパ
ッタ中に放出される結果、基板に形成される薄膜の膜質
が低下するといった問題があった。
【0011】これに対して、本発明者らは、先に特願平
8ー162676号明細書で以下の構成の対向空間を基板側を除
いてターゲットにより区画した対向空間区画型の対向タ
ーゲット式スパッタ装置を提案した。すなわち、所定距
離の空間を隔てて対向配置した一対の第1のターゲット
と該空間の基板に対面する開口部を除いた側面を覆うよ
うに配置した第2のターゲットとにより該空間を開口部
を除いて区画された区画空間に構成し、スパッタプラズ
マを拘束する磁界を発生する磁界発生手段を第1のター
ゲットのそれぞれの外周に沿ってその外側近傍に磁極が
対向するように配置し、該磁界発生手段により一対の第
1のターゲットを囲む筒状の磁界と、第1のターゲット
の外縁部の表面近傍に前記磁極から内側表面に円弧状に
閉じた磁界と、第2のターゲットの表面近傍にその表面
と平行な磁界と、第2のターゲットの磁界発生手段に隣
接する両側縁部の表面近傍に前記磁極から内側表面に円
弧状に閉じた磁界とを形成すると共に、磁界発生手段の
該区画空間に臨む磁極端部及び第2のターゲットの該区
画空間の開口部端部に電子を反射する電子反射手段を設
け、該区画空間内にスパッタプラズマを生成して、その
開口部の前方に配置した基板上に薄膜を形成するように
した対向ターゲット式スパッタ装置である。
【0012】この装置では、上記の通り、対向した一対
の第1のターゲットの間の空間の基板に面する側の開口
部を除いた全側面を第2のターゲットで囲んだ区画空間
で、電子反射手段を介して上記の各磁界に拘束された電
子の相互作用により各ターゲットのほぼ全表面に高密度
プラズマが生成・拘束され、全ターゲットの全表面のほ
ぼ均一なスパッタが実現され、前述の問題が解決され
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の対向
ターゲット式スパッタ装置においては、製膜速度を上げ
るために投入するスパッタ電力を増加すると、堆積され
る膜の膜質が低下する傾向が認められた。この傾向は、
電子反射手段を設けた装置において、特に顕著であっ
た。この問題は、生産速度が大きなコスト要因である工
業生産においては非常に大きな問題である。本発明はか
かる問題に鑑みて為されたもので、投入電力を大きくし
ても膜質低下のない工業生産に適した対向ターゲット式
スパッタ装置を目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち、本発明は、真空槽内に
所定の間隔を隔てて一対のターゲットを対向配置し、該
ターゲットの外周に沿ってその外側に永久磁石からなる
磁界発生手段を設けて該ターゲット間の対向空間を囲む
ようにプラズマ捕捉用磁界を形成して、該対向空間内に
スパッタプラズマを生成し、該対向空間の測方に配置し
た基板上に薄膜形成するようにした対向ターゲット式ス
パッタ装置において、該ターゲット及びその支持部を囲
むようにその外周に沿って真空槽壁面から槽内側に突き
出した、槽外から出し入れする槽内と遮断された収納部
を設け、該収納部に磁界発生手段の永久磁石を収納した
ことを特徴とする対向ターゲット式スパッタ装置であ
る。
【0015】上記本発明は、以下のようにして為された
ものである。すなわち、前記問題についてその原因を種
々検討したところ、この問題は磁界発生手段の永久磁石
が高温になり発生する不純物ガスが主因であり、場合に
よりこれに更に永久磁石の高温による磁力の低下に基づ
くプラズマ捕捉用磁界の低下に伴う基板へ飛来する電子
の増加も加わって生ずることを見出し、為されたもので
ある。本発明は、上記の構成により磁界発生手段の永久
磁石を実質的に真空槽外の大気下に設けているので、前
述の不純ガスの問題は完全に解決された。更に、この真
空槽外の構成により、自然冷却も槽内の真空下に比べ大
気下では大きく、又スペースに制約がないので必要に応
じて強制冷却の冷却手段も自由に設計でき、永久磁石の
磁力低下の問題も解決した。
【0016】上述の本発明は、その趣旨から、対向した
ターゲットの外周に沿ってその外側に磁界発生手段の永
久磁石を設けた対向ターゲット式スパッタ装置に広く適
用できることは明らかである。中でも、ターゲット全面
が一様にスパッタされるように磁界発生手段の磁極がタ
ーゲット前面より対向空間側に突き出したものにおいて
は、磁界発生手段の突出部がスパッタプラズマに触れて
加熱される問題が顕著であり、その効果は大である。更
に、磁界発生手段の先端部に電子反射手段を備えたもの
では、電子反射手段が場合によりスパッタされることが
有り、前記問題は安定生産面から大きな問題であり、工
業生産では本発明は欠くことができないものとなる。以
下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】本実施例は、前述の図1の従来の
対向ターゲット式スパッタ装置において、ターゲット部
100a、100bを前記特公平5ー75827号公報開示のものと基本
構成が同じの図2、図3に示す電子反射手段を備えたタ
ーゲット部100a、100bに変更したものであり、図2は実
施例のターゲット部100aの側断面図、図3は図2のA−
B線での断面図である。従って、ターゲット部100a、100
bを除いた構成は、前述した図1の従来例と同様であ
り、その説明は省略する。なお、図1〜図3において記
号は同じものには同じ記号を用いた。図2に示すよう
に、本例のターゲット部100a,100bは、真空槽10の槽壁1
1に取り外し可能に取付けられている。なお、図2は、
ターゲット部100aであるが、ターゲット部100bは磁界発
生手段130a、130bの永久磁石の磁極配置が逆になる点を
除いてこのターゲット部100aと同じ構成である。
【0018】ターゲット110aは、冷却台150aの前面にそ
の周辺部で一定間隔のボルト111aにより交換可能に取付
けられている。冷却台150aの前面には冷却溝151aが図3
に示すように隔壁152aによりジグザグに設けられ、ター
ゲット110aを取付けると冷却ジャケットが形成されるよ
うになっている。冷却溝151aの両端には冷却媒体の供給
口153aと出口154aが設けられ、冷却水を循環させてター
ゲット110aを直接冷却できるようになっている。従っ
て、非常に冷却効率のよい冷却ができ、高速製膜に対応
できる。冷却台150aは、電気絶縁材からなるパッキン15
5aを介して支持板160aに一定間隔のボルト156aにより取
付けられている。
【0019】支持板160aには、磁界発生手段130aを収納
する収納部131aが、図示のように、ターゲット110aの周
囲に沿って所定空隙Gを隔ててその外側を囲むように、
槽内側にターゲット110a前面より所定長dだけ突き出し
て設けられている。図示の通り、収納部131aは槽外から
磁界発生手段130aの永久磁石を出し入れする槽外に開口
した所定深さの穴を所定ピッチでブロック体に穿設した
構造となっており、磁界発生手段130aはこの収納部131a
の穴部の各々に棒状の永久磁石を図示の磁極配置で挿入
して止め具132aで固定し、多数個の永久磁石を一定ピ
ッチでターゲット110aの周囲に並設した構成となってい
る。収納部131aは、導電性材料とし、後述の電子反射手
段の一部としても作用するように構成してある。本例で
は、この収納部131aと支持板160aは、熱伝導性の良い金
属等の構造材料具体的にはアルミニウムブロックからN
C旋盤により図示の断面が逆T字状に削りだして所定の
枠体を製作し、その底辺部を支持部の支持体160aとし、
その垂直部に底辺側から穴を所定ピッチで穿設して収納
部とし、継ぎ目の無い一体構造とした。これにより槽内
とは完全に遮断され、全く真空漏れがなく、支持板160a
からの放熱により収納した永久磁石を自然冷却のみで充
分冷却できる収納部131aが得られた。
【0020】収納部131aの先端部には、ここに到る電子
を反射できる負電位に保持される電子反射手段の電子反
射板170aが、図示のように、ターゲット110aの周辺の取
付け部の取付けのボルト111aを保護するためにこれを覆
うように設けられている。本例ではこの電子反射板170a
は、高透磁率の磁性材具体的にはパーマロイを用いて、
磁界発生手段130aのコアを兼用した構成としている。以
上、ターゲット部100aは、支持板160aにその全部が設け
られたユニット構成となっている。そして、ターゲット
部100aは、図示のように、支持板160aを真空槽10の槽壁
11に電気絶縁材からなるパッキン161aを介して一定間隔
のボルト162aにより取付けることにより、真空槽10に設
置される。従って、清掃時等には、ターゲット部100aを
取り外すことができ、非常に効率良く行うことができ、
保全性更には全体としての生産性向上に大きな効果が得
られる。
【0021】上記の磁界発生手段130a、130bをターゲッ
ト110a、110bの外側に設け、その磁極端部からターゲッ
ト110a、110bの周辺の取付け部に亙って電子反射板170a、
170b設けたターゲット部100a、100bの基本構成は、前記
特公平5ー75827号公報に開示の対向ターゲット式スパッ
タ装置のターゲット部と同じであり、同様の作用によ
り、該公報に開示の通り、以下のように、高品質の薄膜
を形成できると共に、ターゲット110a、110bのほぼ全面
が均一にスパッタされる、ターゲット使用効率の高い膜
作成ができる。すなわち、この構成により、ターゲット
110a、110bと対向空間120には以下のプラズマ捕捉用の磁
力線が形成される。その1は、磁界発生手段130a、130b
により、その磁極間にターゲット110a、110b及び対向空
間120を囲むようにターゲット110a、110bの垂直方向に筒
状に形成される垂直磁力線である。その2は、ターゲッ
ト110a、110bのそれぞれの外縁部に磁界発生手段130a、13
0bのコアを兼ねる電子反射板170a、170bの先端部からタ
ーゲット110a、110bの前面に円弧状に形成される補助磁
力線である。
【0022】この垂直磁力線により、ターゲット110a、1
10bの表面の中央部から放射され、陰極電位降下部で加
速されるγ電子は、この垂直磁力線に弦巻状に拘束さ
れ、ターゲット110a、110bの間を往復運動する。一方、
ターゲット110a、110bの外縁部で生ずるγ電子は、補助
磁力線に拘束されてこの電子を反射できる負電位の電子
反射板170a、170bに到り、ここで反射されてその方向に
より一部はこの補助磁力線に拘束されて戻り、一部は対
向空間120の中央部に戻される。
【0023】従って、対向空間120にγ電子が蓄積され
て高密度プラズマが生成され、低電圧、低ガス圧のスパ
ッタが実現され、内部歪みやスパッタガス等の混入の少
ない高品質薄膜の形成ができる。また、補助磁力線によ
りターゲット110a、110bのそれぞれの外縁部には周知の
平板型マグネトロンスパッタと同様なプラズマ捕捉磁界
が形成され、電子反射板170a、170bで反射されたγ電子
等が効果的にターゲット110a、110bのそれぞれの外縁部
表面近傍に捕捉されてこの外縁部のプラズマ密度が高く
でき、よって外縁部まで略均一のスパッタが実現され、
ターゲット110a、110bがほぼ全面均一に使用される使用
効率の高い膜形成ができる。
【0024】ところで、上述の構成において、磁界発生
手段130a、130bの先端部はターゲット110a、110bの前面よ
り突き出しており、また電子反射板170a、170bが設けら
れているので、磁界発生手段130a、130b、特にその先端
部はターゲット110a、110bからの輻射熱、電子反射板170
a、170bへの電子等の衝突により加熱されるが、本実施例
では大気下の槽外に直結した熱伝導性の良い収納部131
a、131bに収納されているので、実用上支障の無い温度に
維持できる。なお、自然冷却で不十分な場合には支持板
160a、160bに冷却管を配設する、さらには収納部131a、13
1bをジャケット構成にする等して強制冷却すればよい。
なお、本実施例では、ガス漏れの全く心配ない収納部及
び支持板を一体成形したものを示したが、各部を溶接等
により接続した構造も適用できることは、本発明の趣旨
から明らかである。また、冷却性も良く、棒状磁石の収
納に適した穴をブロックに穿設した収納部を示したが、
収納部の構造は限定されず、連続溝等用いる永久磁石の
形状に適したもの、或は冷却が容易な構造等目的に応じ
て適用できる。
【0025】さらに、保全作業性の良いターゲット部全
体を真空槽から取り外しできるものを示したが、収納部
を真空槽壁に直接突設し、ターゲット冷却台も真空槽壁
に設置する構成でも良い。本発明では、磁界発生手段の
永久磁石を真空槽外から対向したターゲットのそれぞれ
の回りに磁極が対向するように真空槽内と遮断して真空
槽外から配置できる構成であれば適用できる。
【0026】上述したところより、本収納部構成は、更
に側面ターゲットからの輻射熱も加わり、区画空間内に
収納部の先端部が位置し、磁界発生手段の永久磁石に対
する熱的条件の厳しい対向空間120の基板20に面する側
面を除いた側面にもターゲットを設けて基板20に面する
側面の開口部を除いてターゲットで区画された区画空間
にスパッタプラズマを形成するようにした前記特願平8ー
162676号明細書で提案したスパッタ装置に特に好ましく
適用される。
【0027】
【発明の効果】本発明、以上の通り、磁界発生手段の永
久磁石を、真空槽内と遮断され、槽外から収納するよう
にした収納部を真空槽の槽壁から内側に突設してターゲ
ット周囲に配置することにより、永久磁石からの放出ガ
スの膜形成への影響が無くなり、更に永久磁石の熱劣化
も防止されるものであり、対向ターゲット式スパッタ装
置の性能向上特に長期安定性の向上に大きな効果を奏す
るものである。以上、本発明は高速製膜が要求される工
業規模の対向ターゲット式スパッタ装置の実現に大きな
寄与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の対向ターゲット式スパッタ装置
の基本構成の説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施例のターゲット部の概略
側断面図である。
【図3】図3は、図2のA−B線での概略断面図であ
る。
【符号の簡単な説明】 10 真空槽 20 基板 30 排気口 40 導入口 50 スパッタ電源 100a、100b ターゲット部 110a、100b ターゲット 120 対向空間 130a、130b 磁界発生手段 140a、140b シールド 150a、150b 冷却台 160a、160b 支持板 170a、170b 電子反射板
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月19日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の対向ターゲット式スパッタ装置
の基本構成の説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施例のターゲット部の概略
側断面図である。
【図3】図3は、図2のA−B線での概略断面図であ
る。
【符号の説明】 10 真空槽 20 基板 30 排気口 40 導入口 50 スパッタ電源 100a、100b ターゲット部 110a、10b ターゲット 120 対向空間 130a、130b 磁界発生手段 140a、140b シールド 150a、150b 冷却台 160a、160b 支持板 170a、170b 電子反射板

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内に所定の間隔を隔てて一対のタ
    ーゲットを対向配置し、該ターゲットの外周に沿ってそ
    の外側に永久磁石からなる磁界発生手段を設けて該ター
    ゲット間の対向空間を囲むようにプラズマ捕捉用磁界を
    形成して、該対向空間内にスパッタプラズマを生成し、
    該対向空間の測方に配置した基板上に薄膜形成するよう
    にした対向ターゲット式スパッタ装置において、該ター
    ゲット及びその支持部を囲むようにその外周に沿って真
    空槽壁面から槽内側へ突き出した、槽外から出し入れす
    る槽内と遮断された収納部を設け、該収納部に磁界発生
    手段の永久磁石を収納したことを特徴とする対向ターゲ
    ット式スパッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記収納部の先端部がターゲット面より
    対向空間側に突き出しており、永久磁石がその磁極がこ
    の突き出した位置に位置するように収納され、ターゲッ
    トの周縁部前面近傍に平板マグネトロンスパッタモード
    の磁界を形成した請求項1記載の対向ターゲット式スパ
    ッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記収納部の先端部の槽内側にスパッタ
    プラズマ中の電子を反射する電子反射手段を備えた請求
    項2記載の対向ターゲット式スパッタ装置。
  4. 【請求項4】 前記収納部が継ぎ目の無い一体成形体で
    ある請求項1〜請求項3記載のいずれかの対向ターゲッ
    ト式スパッタ装置。
  5. 【請求項5】 前記収納部とこれを支持して真空槽に取
    り付ける支持部とが一体成形体である請求項4記載の対
    向ターゲット式スパッタ装置。
  6. 【請求項6】 前記一体成形体がアルミニウムブロック
    から削り出した断面逆T字状の成形体であり、その底辺
    部を支持部とし、垂直部に永久磁石を収納する穴を底辺
    部側から一定ピッチで穿設して収納部とした請求項5記
    載のいずれかの対向ターゲット式スパッタ装置。
  7. 【請求項7】 ターゲット部が支持部に取り付けたユニ
    ット構成で、支持部を介して真空槽に取り外し出来るよ
    うに取り付けられている請求項1〜請求項6記載のいず
    れかの対向ターゲット式スパッタ装置。
  8. 【請求項8】 前記対向空間の基板に面する側面を除い
    た側面を囲む側面ターゲットを備えた請求項1〜請求項
    7記載のいずれかの対向ターゲット式スパッタ装置。
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