JPH1047265A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH1047265A
JPH1047265A JP19913896A JP19913896A JPH1047265A JP H1047265 A JPH1047265 A JP H1047265A JP 19913896 A JP19913896 A JP 19913896A JP 19913896 A JP19913896 A JP 19913896A JP H1047265 A JPH1047265 A JP H1047265A
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JP
Japan
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seal
tip seal
scroll compressor
pressure
scroll
Prior art date
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Pending
Application number
JP19913896A
Other languages
English (en)
Inventor
Muneo Mizumoto
宗男 水本
Tatsuo Natori
達男 名取
Shigeru Machida
茂 町田
Kazuaki Shiiki
和明 椎木
Isamu Kawano
勇 川野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
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Publication of JPH1047265A publication Critical patent/JPH1047265A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】チップシール100は、旋回スクロール9
のラップ9Aの端部に形成された横断面U字状のシール
溝4内に配置されるものであり、旋回スクロール9のラ
ップ9Aの渦巻き方向に沿ってチップシール上部部材2
及びチップシール下部部材1に分割されるとともに、そ
れら部材1,2の間に圧縮ガスの圧力を導入する圧力室
5,5’が設けられている。チップシール上部部材2の
下面、及びチップシール下部部材1の上面には、矩形状
の凹凸が形成されている。またこれらチップシール上部
・下部部材1、2の渦巻きの内側面には、吹き抜け防止
突起3が形成されている。スクロール圧縮機が運転を開
始すると、チップシール上部部材2が浮上して鏡板8B
に接触摺動して漏れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮ガス供給用と
して使用されるスクロール圧縮機に係わるものであり、
特に、圧縮ガスの漏れを防止するチップシールを備えた
スクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール圧縮機用のチップシールは、
長期運転中にそれが接触摺動するラップ鏡板によって摩
耗し、チップシールの厚みが減少する。従って長期の圧
縮機運転に際してもチップシールの信頼性を維持するた
めには、チップシールが対向する鏡板方向に伸びるか浮
上する必要がある。上記問題を解決するべく考案された
スクロール圧縮機用チップシールに関する公知技術とし
ては、例えば以下のものがある。
【0003】特公平6ー96961号公報 この公知技術によるチップシールは、チップシール表面
に表面に対して斜めに細かい刻みを入れ、圧縮機が作動
してチップシール周囲が高圧になった際に、高圧ガスが
上記刻み内部に侵入して刻みを立てることでチップシー
ルを浮上させ、シール性能を高めるものである。
【0004】特開平7-12064号公報 この公知技術は、吐出室の圧力を、固定スクロールのラ
ップ端面に形成した溝に導き、この溝に嵌装したチップ
シールに背圧を負荷させることにより、対向する鏡板に
安定的に押し付けるものである。
【0005】特開平6-288363号公報 この公知技術は、高圧側のチップシール端部近くのチッ
プシール溝底に、チップシール底面に接して半径方向内
側に向く貫通孔を設けることにより、ラップと鏡板との
間におけるシール性を向上させるものである。
【0006】特開平6-49782号公報 この公知技術は、チップシールが嵌装される溝底面に、
この溝を高圧室に連通する細孔を設けるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知技術には以下の課題がある。公知技術においては、
チップシール表面に対して斜めに切り込まれた刻みが小
さいのでラップ鏡板方向への浮上量(伸び量)が小さ
い。よって、チップシールが長期にわたる使用で摩耗す
る分を補って浮上させるのは困難であり、長期使用に対
する信頼性の向上が困難である。また、斜めの切り込み
に圧力を導入してチップシール全体を浮上させる構造
上、導入した圧力をすべて浮上方向に作用させることが
できず、例えば導入圧力の一部は切り込みを開くために
下方へ向かって作用するので、圧力を浮上に十分有効に
利用していない。したがって結果的に、浮上(伸び)に
要する周囲圧力がある程度大きい必要があり、雰囲気圧
力が構造上高くないスクロール外周部のチップシールと
しては実際上は適用困難である。さらに、斜めに切り込
まれた刻みが非常に細かく多数必要であり、量産するの
が困難であるので、コストアップの要因となる。
【0008】公知技術〜においては、チップシール
を浮上させるときに用いる圧力として、いずれも吐出圧
を利用している。すなわち、せっかく圧縮し生成した高
圧の一部をチップシール浮上のために浪費することとな
るので、その分、圧縮効率の低下を抑制するのが困難で
ある。
【0009】本発明は、上記従来型のチップシールが抱
えている上記課題を解決するために考案されたものであ
り、その目的は、長期の使用に対してもシール性能を維
持でき信頼性が高く、またチップシール周囲圧力が小さ
い場合でも確実に浮上してシール可能であり、さらに製
作上難しくなく量産に適し、かつ、圧縮効率の低下を防
止することができる圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、略渦巻き状の旋回スクロール部材
および固定スクロール部材と、前記旋回スクロール部材
のうち前記固定スクロールの鏡板部と対向する部位、お
よび前記固定スクロール部材のうち前記旋回スクロール
の鏡板部と対向する部位に、前記略渦巻き方向に沿って
形成されたチップシール挿入用溝と、前記チップシール
挿入用溝に装着されて、高圧側から低圧側へのガスの漏
れを防止するチップシールと、を備えたスクロール圧縮
機において、前記チップシールの前記略渦巻き方向に、
互いの連通が略阻止された複数個の圧力室を設け、か
つ、それぞれの前記圧力室が設けられた渦巻き方向位置
における高圧側圧力を、該圧力室に導入することを特徴
とするスクロール圧縮機が提供される。すなわち、チッ
プシールの略渦巻き方向、例えばチップシール内部やチ
ップシールと溝との間に複数個の圧力室を設け、この圧
力室に、その渦巻き方向位置における高圧側圧力を導入
する。この高圧側圧力×面積の力が、圧力室上壁に対し
てチップシールを上方に持ち上げるように作用すること
になる。一方このとき、その圧力室のある渦巻き方向位
置において、チップシール上面側の圧力×面積の力が、
チップシール上面に対してチップシールを下方に押し下
げるように作用している。しかし、このチップシール上
面側の圧力は、チップシールを挟んで高圧側と低圧側と
の圧力差による圧力勾配によって、高圧側の圧力よりも
低圧となる。したがって、チップシールを下方に押し下
げようとする力は、上方へ押し上げようとする力よりも
小さくなるので、チップシールのうち少なくとも圧力室
より上方部分、例えばチップシールを2分割構造とする
場合の上部部材や、チップシール挿入用溝に凹凸を形成
する場合のチップシールや、チップシール内部をくり貫
く場合の圧力室上壁が浮上し、シールを行う。このとき
の圧力室の構成及び浮上方法としては、チップシールを
下部部材と上部部材との2つに分割してこれら部材の間
に圧力室を形成し、上部部材を浮上させる構成、チップ
シール下面及びチップシール挿入用溝の上面に凹凸を形
成してこれらを略嵌合させる間隙部分に圧力室を構成
し、チップシール全体を浮上させる構成、チップシール
挿入用溝の両壁方向に連通する圧力室をチップシールの
内部をくりぬくように形成し、相対的に壁厚さの薄い下
壁を変形させて一部をチップシール挿入用溝に密着させ
つつ上壁を浮上させる構成があるが、いずれの場合も、
切り込まれた刻み部分を浮上させる従来構造よりも大き
な浮上量を得ることができる。よって、チップシールが
長期にわたる使用で摩耗したとしても、その摩耗分を補
うように大きく浮上させることができるので、長期使用
に対する信頼性を向上することができる。また、上記い
ずれの構成にあっても、高圧側圧力が圧力室上壁に対し
上方に作用するので、この圧力を浮上のために有効に利
用することができる。したがって、切り込まれた刻み部
分を浮上させる従来構造に比し、比較的小さい周囲圧力
でも確実に浮上し、浮上特性を向上させることができ
る。さらに、斜めに刻みを入れておいて雰囲気圧力の変
化による変形で浮上する従来構造と異なり、上記いずれ
の構成も、運転前のチップシール固有の形状によって浮
上する。よっていずれの構成も、チップシール形状を型
で成形することが可能となるので、従来構造のような製
造上の難しさは無く、量産に適している。
【0011】また、チップシールを挟んで高圧側と低圧
側との圧力差を利用して浮上させることにより、チップ
シールを浮上させるときに用いる圧力として吐出圧を利
用し高圧を浪費する従来構造に比し、圧縮効率の低下を
防止することができる。
【0012】好ましくは、前記スクロール圧縮機におい
て、前記チップシールは、前記チップシール挿入用溝の
底部側に装着される下部部材と、この下部部材の上に載
置される上部部材との2つに分割された構造となってお
り、かつ、前記複数の圧力室は、前記下部部材と前記上
部部材との間に形成されていることを特徴とするスクロ
ール圧縮機が提供される。
【0013】さらに好ましくは、前記スクロール圧縮機
において、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面
にそれぞれ略矩形状の凹凸を形成してこれらを略嵌合さ
せ、この略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成
したことを特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0014】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面に
それぞれ略鋸歯状の凹凸を形成してこれらを略嵌合さ
せ、この略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成
したことを特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0015】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシールの下面及び前記チップシール
挿入用溝の上面にそれぞれ凹凸を形成してこれらを略嵌
合させ、この略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を
構成したことを特徴とするスクロール圧縮機が提供され
る。
【0016】さらに好ましくは、前記スクロール圧縮機
において、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面
にそれぞれ形成された凹凸は、略矩形状であることを特
徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0017】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面に
それぞれ形成された凹凸は、略鋸歯状であることを特徴
とするスクロール圧縮機が提供される。
【0018】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシールの下面に形成される凹凸は、
円柱状突起であり、前記チップシール挿入用溝の上面に
形成される凹凸は、前記円柱状突起が略嵌合される円筒
状孔であることを特徴とするスクロール圧縮機が提供さ
れる。
【0019】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシール挿入用溝の両壁方向に連通す
るようにかつ前記チップシールの内部をくりぬくよう
に、前記複数の圧力室のそれぞれを形成し、かつ、該圧
力室の上壁の厚さよりも下壁の厚さを小さくしたことを
特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0020】さらに好ましくは、前記スクロール圧縮機
において、前記圧力室の下壁のうち、前記チップシール
挿入用溝に接する部分の近傍が切り欠かれていることを
特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0021】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシール挿入用溝の高圧力側壁面に対
面する前記チップシール側面に、該チップシール挿入用
溝の深さ方向に沿った線状突起を複数個設け、これらの
突起により、前記複数個の圧力室どうしの連通を略阻止
することを特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
【0022】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシール挿入用溝の高圧側壁面に、該
チップシール挿入用溝の深さ方向に沿った線状突起を複
数個設け、これらの突起により、前記複数個の圧力室ど
うしの連通を略阻止することを特徴とするスクロール圧
縮機が提供される。
【0023】また好ましくは、前記スクロール圧縮機に
おいて、前記チップシール挿入用溝を鋳物成形により構
成したことを特徴とするスクロール圧縮機が提供され
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照しつつ説明する。本発明の第1の実施形態を図1〜
図5により説明する。本実施形態によるスクロール圧縮
機の構造を表す側断面図を図2に示す。図2において、
密閉容器101に固定されたフレーム104に、複数の
ボルト114を介して略渦巻状の固定スクロール8が固
定されている。この固定スクロール8に対し、フレーム
104中央の主軸受104aに挿入されたシャフト11
2の上部の偏心ボス部112aで駆動される略渦巻状の
旋回スクロール9をかみあわせ、圧縮室106を形成す
る。そして、吸い込みパイプ109から吸い込まれたガ
スが、シャフト112の回転駆動による旋回スクロール
9の揺動運動により、圧縮室106内で圧縮され、吐出
孔102kより固定スクロール8の上部に吐出される。
そのガスは、一旦モータ室に入ってモータ冷却とガス内
に含まれる潤滑油を分離した後、吐出パイプ122より
圧縮外部に出るようになっている。ここにおいて、これ
ら旋回スクロール9と固定スクロール8との隙間をいか
に小さくするかは、スクロール圧縮機の圧縮性能を向上
させるための課題である。特に空気等の潤滑油が混在し
ないドライガスを圧縮するスクロール圧縮機の場合、旋
回スクロール9と固定スクロール8によって形成される
隙間には潤滑油等の液膜が形成されないので、この隙間
をできるだけ小さくすることが、圧縮機の性能向上につ
ながる。特に、旋回スクロール9のラップ9A先端部と
固定スクロール8の鏡板8Bが対向した隙間や、固定ス
クロール8のラップ8Aと旋回スクロール9の鏡板9B
が対抗した隙間は、その両サイドの差圧が場合によって
約0.3MPaになる場合がある。そこで、この隙間を
封止するために、シール物体としてのチップシール10
0が設けられている。本実施形態の要部は、このチップ
シール100の構造にある。
【0025】このチップシール100に関し、旋回スク
ロール9のラップ9A端部の固定スクロール8の鏡板8
Bに対向する部分に設けられるものを例に取って図1及
び図3により説明する。図1は、旋回スクロール9及び
チップシールの構造を表す斜視図であり、図3は、図1
中A−A横断面図である。図1及び図3において、チッ
プシール100は、旋回スクロール9のラップ9Aの端
部に渦巻方向に沿って形成された横断面U字状のシール
溝4内に配置され、高圧側から低圧側へのガスの漏れを
防止するものであり、旋回スクロール9のラップ9Aの
渦巻き方向に沿ってチップシール上部部材2及びチップ
シール下部部材1に分割されるとともに、それら部材
1,2の間に圧縮ガスの圧力を導入する圧力室5,5’
が設けられている。
【0026】チップシール下部部材1は、シール溝4の
底部側に装着されており、上部部材2は、この下部部材
1の上に載置されている。またチップシール上部部材2
の下面、及びチップシール下部部材1の上面には、互い
に嵌合する矩形状の凹凸が形成されており、圧力室5,
5’は、この嵌合の隙間部分に形成されるようになって
いる。またこれらチップシール上部・下部部材1、2の
渦巻きの内側面(シール溝4の高圧力側壁面に対面する
側面)には、シール溝4の深さ方向に沿った線状の吹き
抜け防止突起3が形成されており、シール溝4両側の2
つの壁面、すなわち内側シール壁4i及び外側シール壁
4oのうち、外側シール壁4oにチップシール上部・下部
部材1、2を押しつける作用が有るとともに、内側シー
ル壁4iとチップシール上部・下部部材1,2間の隙間
を圧縮ガスが吹き抜けにくいようにする作用もある。さ
らに、チップシール部材1、2は、圧縮機の運転によっ
て旋回スクロール9のラップ9Aやチップシール100
の温度が上昇したときに熱膨張を生じるが、このときの
チップシール上部・下部部材1、2の安定したかみ合い
状態を維持するために、両チップシール部材1,2は、
好ましくは、同じ材質で形成されるか、あるいは同程度
の線膨張係数を有する材料で構成されている。
【0027】圧力室5,5’は、渦巻き方向に交互に複
数個配列されており、それらの厚みd、d’に比べ、渦
巻き方向のギャップc、c’が極めて微小であるように
構成されている。このことと、上述した突起3が設けら
れていることにより、圧力室5,5’は、互いの連通が
ほぼ阻止された状態となり、高圧側のガスがチップシー
ル上部・下部部材1、2の間を吹き抜けないようになっ
ている。上記構成において、スクロール圧縮機が運転を
開始すると、吹き抜け防止突起3によって形成された内
側シール壁4iとチップシール下部部材2との間の隙間
を通って高圧側の圧縮ガスが圧縮室5及び5’に侵入す
る一方、チップシール上部部材2の上面2aと固定スク
ロール8のラップ鏡板8B間の隙間を漏れる。しかし、
チップシール上部・下部部材1,2の両サイドには圧力
差が有ることから、チップシール上部部材2の上面2a
と鏡板8Bの隙間部の圧力は、高圧側圧力よりやや小さ
くなる。この高圧側より小さい圧力の面積和が、チップ
シール上部部材2を下方(溝底部方向)へ押し下げる力
となる。一方、圧力室5、5’に侵入した高圧側圧力の
面積和がチップシール上部部材2を押し上げる。従っ
て、このチップシール上部部材2を押し上げる力は、上
記の押し下げる力に比べて大きくなる。またチップシー
ル上部部材2がシール溝4内側を擦って上昇する際に発
生する摩擦力は、両者間の摩擦係数を約0.1以下にす
ることで十分小さくされている。このような原理によ
り、スクロール圧縮機が運転を開始すると、チップシー
ル上部部材2が浮上して鏡板8Bに接触摺動して漏れを
防止する。図1はこの浮上した状態を示したものであ
る。
【0028】以上のように構成した本実施形態によれ
ば、以下のような作用効果を奏する。すなわち、チップ
シール100の略渦巻き方向に複数個の圧力室5,5’
を設け、これらの圧力室5,5’に、その渦巻き方向位
置における高圧側圧力を導入してチップシール上部部材
2を浮上させ、シールを行う。これにより、切り込みに
よる刻みをいれておいて雰囲気圧力の変化による変形で
浮上させる従来構造よりも大きな浮上量を得ることがで
きる。よって、チップシール100の長期にわたる使用
でチップシール上部部材2の上面2a部が摩耗したとし
ても、常にチップシール上部部材2は圧縮ガスから力を
受け、その摩耗分を補うように大きく浮上できるので、
鏡板8Bとの間で隙間を作ることなく、安定したシール
性能を発揮することができる。よって長期使用に対する
信頼性を向上することができる。また、高圧側圧力が圧
力室5,5’上壁に対し上方に作用するので、この圧力
を浮上のために有効に利用することができる。したがっ
て、斜めに刻みを入れる従来構造に比し、比較的小さい
周囲圧力でも確実に浮上し、浮上特性を向上させること
ができる。さらに、斜めに刻みを入れる従来構造と異な
り、運転前のチップシール100固有の形状によって浮
上する。よって、チップシール100の形状を型で成形
することが可能となるので、従来構造のような製造上の
難しさは無く、量産に適している。また、チップシール
100を挟んで高圧側と低圧側との圧力差を利用して浮
上させることにより、チップシール100を浮上させる
ときに用いる圧力として吐出圧を利用し高圧を浪費する
従来構造に比し、圧縮効率の低下を防止することができ
る。
【0029】なお、以上の構成、動作及び作用効果は、
チップシール100に関し、旋回スクロール9ラップ9
A先端の固定スクロール8鏡板8Bに対向する部分に設
けられるものを例に取って説明したが、チップシール1
00は、固定スクロール8ラップ8A先端の旋回スクロ
ール9鏡板9Bに対向する部分にも設けられている。特
に説明しないが、これらも同様の構成で同様の動作を行
い、同様の作用効果を奏する。
【0030】なお、本実施形態の構成は上記に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。これら変形
例を図4及び図5により説明する。2つの変形例による
チップシールの構造を表す斜視図をそれぞれ図4及び図
5に示す。これら図4及び図5は、図1の上半分にほぼ
相当する図である。図1と同等の構成要素には同一の符
号を付している。図4および図5に示す構成は、チップ
シール上部・下部部材1、2間の圧力室5又は5’を圧
縮機の運転前から安定して形成できるようにしたもので
ある。即ち、図4では、チップシール下部部材1の矩形
型突起の高さ1eと、チップシール上部部材2の矩形型
突起の高さ2eを異なった値とすることにより、圧縮機
の運転前でも圧力室5を形成し、チップシール上部部材
2の浮上特性を向上する。また図5では、チップシール
上部・下部部材1,2の矩形型凹凸面の間にバネ機構1
fを設けたものであり、この方法によっても圧力室5及
び5’を運転前から積極的に構成でき、チップシール上
部部材2の浮上特性を向上させることができる。なお、
バネ機構1fの他に、小突起等を用いてもチップシール
上部部材2の安定浮上特性を得られ、かつ浮上力を増す
ことができる。
【0031】本発明の第2の実施形態を図6により説明
する。本実施形態によるスクロール圧縮機のうち要部構
造である、チップシール200の構造を表す斜視図を図
6に示す。この図6は、第1の実施形態の図1の上半分
にほぼ相当する図である。第1の実施形態と同等の構成
要素には同一の符号を付している。図6において、第1
の実施形態と異なる点は、図1のチップシール部材1、
2に形成した吹き抜け防止突起3を、一定間隔を隔てて
多数形成したことである。その他の構成は第1の実施形
態とほぼ同様である。
【0032】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様の効果に加え、高圧側の内側シール壁4iとそれに対
向するチップシール上部・下部部材1、2との間の隙間
を渦巻き方向に吹き抜ける圧縮ガス量をより一層低減で
きるので、圧縮性能の向上が可能である。
【0033】本発明の第3の実施形態を図7により説明
する。本実施形態によるスクロール圧縮機のうち要部構
造である、チップシール300の構造を表す斜視図を図
7に示す。この図6は、第1の実施形態の図1上半分や
第2の実施形態の図6にほぼ相当する図である。第1及
び第2の実施形態と同等の構成要素には同一の符号を付
している。図7において、第1の実施形態と異なる主要
な点は、チップシール上部・下部部材1,2の互いに対
向する表面に、鋸歯状(三角状)の突起2g、1gを、
互いにかみ合うようにそれぞれ形成したことである。こ
の結果、チップシール上部・下部部材1,2の間に設け
られ高圧側圧力が導入される圧力室5及び5’は稲妻状
に配置されることとなっている。
【0034】その他の点は、チップシール部材1,2の
うち高圧側の内側シール壁4iに対向する面にのみ吹き
抜け防止用突起3を形成してあることを含み、第1の実
施形態とほぼ同様である。
【0035】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様、圧縮機の運転開始とともに圧力室5に高圧側の圧力
を導入できるので、チップシール上部部材2を安定して
浮上させることができる。また、両チップシール部材
1,2の対向面1h,2h間の隙間を小さくでき、渦巻
き方向の吹き抜けガス量を減らすことができる効果もあ
る。
【0036】なお、本実施形態の構成は上記に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。これら変形
例を図8及び図9により説明する。2つの変形例による
チップシールの構造を表す斜視図をそれぞれ図8及び図
9に示す。これら図8及び図9は、図7にほぼ相当する
図である。図7と同等の構成要素には同一の符号を付し
ている。
【0037】まず、図8に示す構成は、チップシール部
材1、2間の圧力室5に、両チップシール部材1,2が
互いに渦巻き方向に変位するようにバネ機構10を設け
たものである。この構成により、このバネ機構10のバ
ネ力の一部をチップシール上部部材2の浮上力としても
利用できるので、さらに安定した浮上特性を実現でき
る。
【0038】また、図9に示す構成は、図7の実施形態
において吹き抜け防止突起3を、一定間隔を隔てて多数
個形成したものである。この構造により、高圧側の内側
シール壁4iとそれに対向するチップシール上部・下部
部材1、2との間の隙間を渦巻き方向に吹き抜ける圧縮
ガス量をより一層低減できるので、圧縮性能を向上でき
る。
【0039】なお、図7〜図9の各構成においても、2
つのチップシール上部・下部部材1、2の材料の線膨張
係数を同じものを使用するか、または同種材料にするほ
うが、温度が変化してもかみ合い状態を良好に維持でき
ることはいうまでもない。
【0040】本発明の第4の実施形態を図10及び図1
1により説明する。本実施形態によるスクロール圧縮機
のうち要部構造である、チップシール400の構造を表
す斜視図を図10に、図10中B−B横断面図を図11
に示す。これら図10及び図11はそれぞれ、第1の実
施形態の図1の上半分及び図3にほぼ相当する図であ
る。第1〜第3の実施形態と同等の構成要素には同一の
符号を付している。図10及び図11において、第1の
実施形態と異なる点は、チップシール下部部材1の溝幅
方向の幅Wをシール溝4内の溝幅と同じにし、チップシ
ール下部部材の側面から吹き抜け防止突起3を無くした
ことである。その他の点は、第1の実施形態とほぼ同様
である。なお、この構造においても上下チップシール部
材1、2の線膨張係数を同程度にするように材料を選定
することが好ましい。
【0041】本実施形態によっても、第1の実施形態と
同様の効果を得る。またこれに加え、高圧側である内側
シール溝壁4iとそれに対向するチップシール上部・下
部部材1、2との間の隙間を渦巻き方向に吹き抜ける圧
縮ガス量を一層低減できるので、圧縮性能を高められ
る。さらに、シール溝4に装着したチップシール下部部
材1がはずれることがないので、シール部材の装着作業
が容易になる効果もある。
【0042】なお、本実施形態の構成は上記に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。これら変形
例を図12〜図14により説明する。3つの変形例によ
るチップシールの構造を表す斜視図をそれぞれ図12〜
図14に示す。これら図12〜図14は、図10にほぼ
相当する図である。図12と同等の構成要素には同一の
符号を付している。
【0043】図12に示す構成は、図10の構成におい
て、チップシール上部部材2の、高圧側の内側シール壁
4iに対向する表面に、吹き抜け防止突起3を、一定間
隔を隔てて多数個形成したものである。この構成によ
り、内側シール壁4iとそれに対向するチップシール上
部・下部部材1、2との間の隙間を渦巻き方向に沿った
圧縮ガスの吹き抜け量をより一層低減できるので、圧縮
性能を向上できる。
【0044】また、図13に示す構成は、本実施形態の
基本概念を、第3の実施形態の構成に応用したもので、
図7に示した第3の実施形態のチップシール300にお
いて、チップシール下部部材1の幅をシール溝4内の溝
幅と同じにするとともに、チップシール下部部材1の吹
き抜け防止突起3を省略した構造である。また、図14
に示す構成は、図13に示す構成において、吹き抜け防
止突起3を一定間隔を隔てて多数個形成したものであ
る。図13及び図14の両構造とも、高圧側の内側シー
ル壁4iとそれと対向するシール上部部材2間の渦巻き
方向の吹き抜けガス量を低減できるので、圧縮機の性能
を向上できる。また、シール溝4に装着したチップシー
ル下部部材1がはずれることがないので、シール下部部
材1の装着作業が容易になる。
【0045】本発明の第5の実施形態を図15及び図1
6により説明する。本実施形態によるスクロール圧縮機
のうち要部構造である、チップシール500の構造を表
す分解斜視図を図15に、図15中D−D横断面図を図
16に示す。これら図15及び図16はそれぞれ、第1
の実施形態の図1の上半分及び図3にほぼ相当する図で
ある。第1〜第4の実施形態と同等の構成要素には同一
の符号を付している。図15及び図16において、第1
の実施形態と異なる主要な点は、チップシール下部部材
1を省略するしていることと、シール溝4内に、チップ
シール上部部材2下面の矩形型凹凸とほぼ嵌合するよう
な矩形凹凸11をシール溝4と同幅に形成し、これら矩
形凹凸11とチップシール上部部材2との間に、圧縮ガ
スを導入する圧力室5,5’を設けていることと、チッ
プシール上部部材2の内側シール壁4iと対抗する面に
のみ、圧縮ガスの渦巻き方向への吹き抜け防止用突起3
が設けられていることである。なお、シール溝4の矩形
凹凸11は、鋳造等の方法を用いることによって容易に
成形できる。
【0046】その他構成は、第1の実施形態とほぼ同様
である。
【0047】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様、圧縮機の運転開始とともにチップシール上部部材2
が浮上し、安定したシール特性を得ることができる。
【0048】なお、上記第5の実施形態において、旋回
・固定スクロール9,8をアルミやその他金属材料と
し、チップシール上部・下部部材1,2の材質を樹脂系
材料にする場合には、温度変化による熱膨張差により矩
形型凹凸がかみ合わなくなる可能性がありうるので、ギ
ャップc、c’(図15参照)を多少大きくする必要が
ある。但し、ラップ8A,9Aを樹脂系材料で成形する
場合には、チップシール上部部材2と矩形凹凸11との
線膨張係数がほぼ同じとなるので、ギャップc,c’を
大きくせずに済む。また、第1の実施形態と同様に厚み
d、d’及び渦巻き方向のギャップc、c’を決定し、
チップシール上部部材2と矩形凹凸11との間に若干の
隙間をもたせる構成でもよい。
【0049】なお、本実施形態の構成は上記に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。これら変形
例を図17〜図19により説明する。3つの変形例によ
るチップシールの構造を表す斜視図をそれぞれ図17〜
図19に示す。これら図17〜図19は、図15にほぼ
相当する図である。図15及び図16と同等の構成要素
には同一の符号を付している。
【0050】図17に示す構成は、図15の構成におい
て、チップシール上部部材2の、高圧側の内側シール壁
4iに対向する表面に設けられる吹き抜け防止突起3
を、一定間隔を隔てて多数個形成したものである。この
構成により、内側シール壁4iとそれに対向するチップ
シール上部部材2との間の隙間を渦巻き方向に沿った圧
縮ガスの吹き抜け量をより一層低減できるので、圧縮性
能を向上できる。
【0051】また、図18に示す構成は、本実施形態の
基本概念を、第3の実施形態の構成に応用したもので、
図7に示した第3の実施形態のチップシール300にお
いて、チップシール上部部材2の幅をシール溝4内の溝
幅と同じにし、チップシール下部部材1を省略し、か
つ、シール溝4内にチップシール上部部材2の鋸歯状
(三角状)の突起2gとほぼ嵌合するような鋸歯状凹凸
21を形成し、これら鋸歯状凹凸21とチップシール上
部部材2との間に、圧縮ガスを導入する圧力室5,5’
を設けた構造である。また、図19に示す構成は、図1
8に示す構成において、吹き抜け防止突起3を一定間隔
を隔てて多数個形成したものである。図18及び図19
の両構造とも、高圧側の内側シール壁4iとそれと対向
するシール上部部材2間の渦巻き方向の吹き抜けガス量
を低減できるので、圧縮機の性能を向上できる。なお、
チップシール上部部材2とスクロールラップの材料を同
種にする等で線膨張係数をあわせることにより、温度上
昇した際の鋸歯状凹凸のかみ合いを常に良好な状態に維
持できる。
【0052】本発明の第6の実施形態を図20及び図2
1により説明する。本実施形態によるスクロール圧縮機
のうち要部構造である、チップシール600の構造を表
す斜視図を図20に、図20中E−E横断面図を図21
に示す。これら図20及び図21はそれぞれ、第1の実
施形態の図1の上半分及び図3にほぼ相当する図であ
る。第1〜第5の実施形態と同等の構成要素には同一の
符号を付している。図20及び図21において、第1の
実施形態と異なる主要な点は、チップシール上部部材2
の下面に円柱状突起33を形成していること、チップシ
ール下部部材1を省略していること、シール溝4内にチ
ップシール上部部材2下面の円柱状突起33とほぼ嵌合
するような円筒状孔33を形成し、シール上部部材2と
シール溝4とのの間に、圧縮ガスを導入する圧力室5,
5’を設けていること、チップシール上部部材2(含む
円柱状突起33)のうち内側シール壁4iと対抗する面
にのみ、圧縮ガスの渦巻き方向への吹き抜け防止用突起
3が設けられていることである。なおこのとき、円柱状
突起33の直径dはチップシール上部部材2の幅にほぼ
等しくする。その他の構成は、第1の実施形態とほぼ同
様である。本実施形態によっても、第1の実施形態と同
様、チップシール上部部材2とシール溝4との間に圧縮
室が形成され、この圧縮室に高圧側のガスが導入されて
シール部材が安定に浮上する。また、シール溝4の底部
に形成された円筒状孔31は、シール溝4をエンドミル
で加工する際に、エンドミルの軸方向(シール溝4の深
さ方向)送りを断続的に変化させることによって簡単に
加工することができる。あるいは、このシール溝4の円
筒状孔31は、スクロールのラップ9A成形時に、鋳造
で簡単に成形することができる。
【0053】なお、上記第6の実施形態においても、部
材の線膨張率を同程度にするか、円筒孔31と円柱突起
33の径方向ギャップを大きくすることによって、スク
ロールのラップ9Aやチップシール600の温度上昇に
よる熱膨張差により円筒孔31と円柱突起33のかみ合
いが狂わないようにすることができる。
【0054】本発明の第7の実施形態を図22により説
明する。本実施形態によるスクロール圧縮機のうち要部
構造である、チップシール700の構造を表す斜視図及
びF−F横断面図を図22に示す。この図22は、第1
の実施形態の図1の上半分及び図3にほぼ相当する図で
ある。第1〜第6の実施形態と同等の構成要素には同一
の符号を付している。図22において、第1の実施形態
と異なる主要な点は、上・下に分割されないチップシー
ル部材42がシール溝4に挿入され、そのチップシール
部材42の内部に、チップシール部材42の高圧側から
低圧側に連通するようにかつチップシール部材42をく
り貫くように、複数の角筒型空間である圧力室41が形
成され、圧力室上壁部分42Uの厚さよりも下壁部分4
2Lの厚さを小さくしたことである。また、チップシー
ル部材42のうち高圧側の内側シール壁4iと対向した
面に吹き抜け防止用突起3が複数形成されている。その
他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0055】本実施形態によれば、第1の実施形態と同
様、チップシール部材42が突起3により低圧側の外側
シール壁4oに押しつけられ、圧縮機の運転開始ととも
に高圧ガスが圧力室41に侵入し、チップシール部材4
2のうち厚さの薄い下壁部分42Lを変形させ一部をシ
ール溝4底部に密着させつつ、上壁部分42Uを浮上さ
せるので、良好なシール特性を達成できる。
【0056】なお、本実施形態の構成は上記に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。これら変形
例を図23〜図27により説明する。5つの変形例によ
るチップシールの構造を表す斜視図(一部横断面図も含
む)をそれぞれ図23、図24、図25、図26、図2
7に示す。これらはすべて、図22にほぼ相当する図で
ある。図22と同等の構成要素には同一の符号を付して
いる。図23に示す構成は、図22の圧力室41の形状
を円筒状にしたものであり、この形状によっても同じく
チップシールの安定浮上および良好なシール性能が達成
できる。
【0057】図24および図25に示す構成は、それぞ
れ図22、図23の構成において、チップシール部材4
2の側面の吹き抜け防止用突起3を所定間隔で多数個設
けたものである。これらにより、スクロールの渦巻き方
向の圧縮ガス吹き抜け量が減少し、圧縮機の性能を一層
向上させることができる。
【0058】図26および図27に示す構成は、それぞ
れ図24、図25に示した構成において、チップシール
部材42の底部に、渦巻き方向と直角の方向にカット部
43を形成したものである。この構成により、チップシ
ール部材42の圧力室下壁42Lが変形しやすくなるの
で、チップシール部材42の浮上特性が一層向上しシー
ル特性がより良好となるという効果がある。
【0059】本発明の第8の実施形態を図6により説明
する。本実施形態によるスクロール圧縮機のうち要部構
造である、チップシール800の構造を表す斜視図を図
28に示す。本実施形態は、図23に示した第7のチッ
プシール700の変形例の構成をさらに変形させたもの
に相当する。第1〜第7の実施形態と同等の構成要素に
は同一の符号を付している。図28において、図23の
構成と異なる主要な点は、以下のようである。すなわ
ち、チップシール部材42の内部に、スクロールの渦巻
き方向と直角の方向に連通するように形成した略円筒形
の圧力室41が設けられ、この圧力室41下方の下壁4
2Lのうち、シール溝4底面近傍部分は、圧力室41の
外延を縁どるようにその壁厚が薄くなって弧状となって
おり、さらにシール溝4底面に接触する部分近傍には切
り欠き42Laが形成されている。また、チップシール
部材42のうち、高圧側の内側シール壁4iと対向する
側面には、図23同様、スクロールラップの渦巻き方向
の圧力ガス吹き抜けを防止するための突起3が設けられ
ているが、この吹き抜け防止用突起3は、チップシール
部材42上端から圧力室下壁42Lの先端まで連続的に
形成されており、渦巻き方向の圧力ガス吹き抜け量をさ
らに低減するようになっている。その他の構成は、図2
3の構成とほぼ同様である。
【0060】本実施形態によっても、第1の実施形態と
同様の効果を得る。またこれに加え、チップシール部材
42をシール溝4に装着する際に、圧力空間41を形成
する下壁42Lの弧状部分を屈曲させることで、その弾
性復元力をチップシールの浮上力として利用できるの
で、より一層シール性能が良好となる。
【0061】なお、以上第1〜第8の実施形態におい
て、チップシール上部・下部部材1,2やチップシール
部材42の側面に渦巻き方向の圧縮ガス吹き抜け防止用
突起3を形成したが、これを設けず、他の構成でこの吹
き抜けを防止する構成も考えられる。この変形例を図2
9により説明する。すでに説明した図と同等の構成要素
には同一の符号を付す。図29は、この変形例による旋
回スクロール9及びチップシールの構造を表す斜視図で
あり、スクロールラップ9Aのシール溝4における高圧
側の内側シール壁4i内面に、溝4の深さ方向に沿って
線状の突起83を複数個形成したものである。なお、こ
れらのシール溝4内壁に形成する吹き抜け防止突起83
は、シール溝4を機械加工で形成する際に切削工具を振
りながら製作したり、あるいは鋳造等でシール溝4を作
る際に一体で成形することが可能である。
【0062】この構成により、チップシール側の吹き抜
け防止用突起3(既述)が不要となる。なお、図29で
は旋回スクロール9ラップ9A先端のシール溝4を例に
取って説明したが、固定スクロール8ラップ8A先端に
設けられるシール溝に同様の構成を適用できることはい
うまでもない。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、チップシールのうち少
なくとも圧力室より上方部分が浮上し、シールを行うの
で、切り込まれた刻み部分を浮上させる従来構造よりも
大きな浮上量を得ることができる。よって、長期使用に
対する信頼性を向上することができる。また、高圧側圧
力を浮上のために有効に利用することができるので、比
較的小さい周囲圧力でも確実に浮上し、浮上特性を向上
させることができる。さらに、チップシール形状を型で
成形することが可能となるので、量産に適している。ま
た、チップシールを挟んで高圧側と低圧側との圧力差を
利用して浮上させるので、圧縮効率の低下を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるスクロール圧縮
機に備えられる旋回スクロール及びチップシールの構造
を表す斜視図である。
【図2】スクロール圧縮機の構造を表す側断面図であ
る。
【図3】図1中A−A横断面図である。
【図4】変形例によるチップシールの構造を表す斜視図
である。
【図5】変形例によるチップシールの構造を表す斜視図
である。
【図6】本発明の第2の実施形態によるスクロール圧縮
機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す斜
視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態によるスクロール圧縮
機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す斜
視図である。
【図8】変形例によるチップシールの構造を表す斜視図
である。
【図9】変形例によるチップシールの構造を表す斜視図
である。
【図10】本発明の第4の実施形態によるスクロール圧
縮機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す
斜視図である。
【図11】図10中B−B横断面図である。
【図12】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図13】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図14】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図15】本発明の第5の実施形態によるスクロール圧
縮機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す
分解斜視図である。
【図16】図15中D−D横断面図である。
【図17】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図18】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図19】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図20】本発明の第6の実施形態によるスクロール圧
縮機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す
斜視図である。
【図21】図20中E−E横断面図である。
【図22】本発明の第7の実施形態によるスクロール圧
縮機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す
斜視図及びF−F横断面図である。
【図23】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図及びG−G横断面図である。
【図24】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図及びH−H横断面図である。
【図25】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図及びJ−J横断面図である。
【図26】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図27】変形例によるチップシールの構造を表す斜視
図である。
【図28】本発明の第8の実施形態によるスクロール圧
縮機のうち要部構造である、チップシールの構造を表す
斜視図である。
【図29】変形例による旋回スクロール及びチップシー
ルの構造を表す斜視図である。
【符号の説明】
1 チップシール下部部材 1f ばね機構 1g 鋸歯状の突起 1h チップシール下部部材対向面 2 チップシール上部部材 2a チップシール上部部材上面 2g 鋸歯状の突起 2h チップシール上部部材対向面 3 吹き抜け防止突起 4 シール溝 4i 内側シール壁 4o 外側シール壁 5、5’ 圧力室 8 固定スクロール 8A スクロールラップ 8B 鏡板 9 旋回スクロール 9A スクロールラップ 9B 鏡板 10 バネ機構 11 矩形凹凸 21 鋸歯状凹凸 31 円筒状孔 33 円柱状突起 41 圧力室 42 チップシール部材 43 カット部 63A 壁 83 突起 100 チップシール 200 チップシール 300 チップシール 400 チップシール 500 チップシール 600 チップシール 700 チップシール 800 チップシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椎木 和明 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 川野 勇 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略渦巻き状の旋回スクロール部材および固
    定スクロール部材と、 前記旋回スクロール部材のうち前記固定スクロールの鏡
    板部と対向する部位、および前記固定スクロール部材の
    うち前記旋回スクロールの鏡板部と対向する部位に、前
    記略渦巻き方向に沿って形成されたチップシール挿入用
    溝と、 前記チップシール挿入用溝に装着されて、高圧側から低
    圧側へのガスの漏れを防止するチップシールと、 を備えたスクロール圧縮機において、 前記チップシールの前記略渦巻き方向に、互いの連通が
    略阻止された複数個の圧力室を設け、かつ、それぞれの
    前記圧力室が設けられた渦巻き方向位置における高圧側
    圧力を、該圧力室に導入することを特徴とするスクロー
    ル圧縮機。
  2. 【請求項2】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシールは、前記チップシール挿入用溝の
    底部側に装着される下部部材と、この下部部材の上に載
    置される上部部材との2つに分割された構造となってお
    り、かつ、前記複数の圧力室は、前記下部部材と前記上
    部部材との間に形成されていることを特徴とするスクロ
    ール圧縮機。
  3. 【請求項3】請求項2記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面にそれ
    ぞれ略矩形状の凹凸を形成してこれらを略嵌合させ、こ
    の略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成したこ
    とを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】請求項2記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面にそれ
    ぞれ略鋸歯状の凹凸を形成してこれらを略嵌合させ、こ
    の略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成したこ
    とを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシールの下面及び前記チップシール挿入
    用溝の上面にそれぞれ凹凸を形成してこれらを略嵌合さ
    せ、この略嵌合した間隙部分に前記複数の圧力室を構成
    したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】請求項5記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面にそれ
    ぞれ形成された凹凸は、略矩形状であることを特徴とす
    るスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】請求項5記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記上部部材の下面及び前記下部部材の上面にそれ
    ぞれ形成された凹凸は、略鋸歯状であることを特徴とす
    るスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】請求項5記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシールの下面に形成される凹凸は、円柱
    状突起であり、前記チップシール挿入用溝の上面に形成
    される凹凸は、前記円柱状突起が略嵌合される円筒状孔
    であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  9. 【請求項9】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシール挿入用溝の両壁方向に連通するよ
    うにかつ前記チップシールの内部をくりぬくように、前
    記複数の圧力室のそれぞれを形成し、かつ、該圧力室の
    上壁の厚さよりも下壁の厚さを小さくしたことを特徴と
    するスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】請求項9記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記圧力室の下壁のうち、前記チップシール挿入用
    溝に接する部分の近傍が切り欠かれていることを特徴と
    するスクロール圧縮機。
  11. 【請求項11】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシール挿入用溝の高圧力側壁面に対面す
    る前記チップシール側面に、該チップシール挿入用溝の
    深さ方向に沿った線状突起を複数個設け、これらの突起
    により、前記複数個の圧力室どうしの連通を略阻止する
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  12. 【請求項12】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシール挿入用溝の高圧側壁面に、該チッ
    プシール挿入用溝の深さ方向に沿った線状突起を複数個
    設け、これらの突起により、前記複数個の圧力室どうし
    の連通を略阻止することを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  13. 【請求項13】請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、前記チップシール挿入用溝を鋳物成形により構成し
    たことを特徴とするスクロール圧縮機。
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