【発明の詳細な説明】
酸腐蝕抵抗性自動車用トップコート
本発明の分野
本発明は、優れた酸腐蝕抵抗性と外部耐久性とを持ち、かつ自動車用透明塗料
または単層塗料として用いることが可能な化学的抵抗性高分子に関する。特に、
本発明は、改善された耐腐蝕抵抗性を持つ高分子塗料を提供する架橋されたメラ
ミンであるポリウレタンに関する。
発明の背景
多くの産業において、高分子材料が塗料用物質として使われている。例えば、
自動車産業では高分子塗料(例:単層塗料(single coats)または透明塗料(clear
coats))を用いて環境上の酸に抵抗する性質を自動車製品に付与している。もっ
とも求められてる塗料の用途の一つとして自動車用仕上塗料(トップコート)が
ある。トップコートは、外観が美しく、かつ長期間にわたって外観を保ち、湿気
、紫外線、および温度の影響下であっても光沢を維持しなければならない。さら
に、酸性雨のため、自動車用塗料は酸腐蝕抵抗性を呈するものでなければならな
い。
環境汚染を避けるとともに、安全性を改善するために、揮発性有機溶媒成分(
VOC)が少なく、かつ高い固形分含量(HSC)の自動車用透明塗料が開発さ
れている。HSC塗料は、アクリルポリマーを主成分とする。10年以上にわた
って、高固形分含量と低VOCを達成するために、アクリルポリマーの分子量が
低くされてきており、また低分子量のアクリル樹脂がアミノホルムアルデヒド樹
脂と架橋形成されている。アクリルポリマーの分子量が低いと、高濃度のメラミ
ン架橋剤が許容される特性を達成するのに必要とされる。
例えば、約20〜25%のメラミン樹脂を含有した自動車用事前に低固形分ア
クリルポリマーが用いられる。メラミン樹脂がこのような濃度である場合、塗料
の酸腐蝕性は許容できるものとなる。しかし、高固形分塗料の場合、低分子量樹
枝で十分な架橋形成が達成できるように、また溶媒耐性、および外部耐久性を与
えるために、メラミン樹脂濃度を30〜45%とすることが必要である。分子量
(MW)が100,000の高分子量アクリルポリマーの場合、機械的特性の優
れた膜が架橋剤なしで形成できる。したがって、ポリマーの分子量が低い場合、
連鎖延長剤、すなわち架橋剤を加えてポリマー鎖を延ばす必要がある。
ポリマーの分子量が減少したら、さらに面倒な問題が生ずる。例えば、遊離基
重合によって合成されたアクリルポリマーは、分子量が一定とならない。平均分
子量が2,000のポリマーでは、高分子量の部分と低分子量の部分とができる
。モノマー単位の部分のみに、鎖延長のためのヒドロキシル基のような官能基が
含まれることが知られている。モノマー単位の20%がメラミン樹脂に対して官
能で反応性を示し、またポリマー鎖に5つのモノマー単位しか含まれない場合、
平均して一つの鎖に一つの官能基があることになる。また、所定の割合のポリマ
ーには官能基が含まれないと思われる。官能基を有しないポリマー鎖を可塑化す
ると、外部耐久性が減少することが実験によって明らかにされている。したがっ
て、高固形分アクリルポリマーの低分子量ポリマー鎖上に十分な官能基を存在さ
せるために、官能性モノマーの含有量を増加させる必要がある。官能性モノマー
の含有量を増加させることによって、架橋剤の含有量もまた増加させなければな
らない。
しかし、メラミン架橋剤の濃度が高いと、ポリマーの酸腐蝕耐性が減少すると
いう知見が得られている。メラミン樹脂架橋塗料上で酸腐蝕の試験を行うと、酸
腐蝕耐性とメラミン樹脂含有量との間に明らかな相関関係があることが知られて
いる。また、メラミン樹脂とアクリルポリマーとの間のエーテル結合は、酸性触
媒によって触媒作用を受けることから、酸性条件下で加水分解される。それとは
対照的に、炭素−炭素結合からなるアクリル主鎖それ自体は酸に対する耐性がよ
りいっそう高い。
現在使われているHSC自動車用塗料は、分子量が約2,000〜5,000
で、かつヒドロキシル基の数が150ないし200のヒドロキシル官能基アクリ
ルポリマーを利用する。そのような高固形分含有アクリルポリマーは商業的に入
手可能である。例えば、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)社のアクリロ
イドQR1120(Acryloid QR-1120)、またはデュポン(Dupont)社のエルベロン100
(Elveron 100)が市販されている。メラミン架橋剤は、一般に完全アルキル化ヘ
キサメチロールメラミン樹脂、例えばヘキサキスメトキシメチルメラミン(HM
MM)、そのオリゴマー、またはメチル化/ブチル化樹脂のような混合エーテル
メラミン樹脂である。
典型的な混合エーテルメラミン樹脂の組成は、米国特許第4,374,164
号に記載されている。また、メラミン樹脂の化学および反応性については以下の
文献に記載されている。W.J.Blank,"Reaction Mechanism of Amino Resins",J.Coat.
Techn.,Vol.51,No.6567,pp.61-70,Sept.1979;N.Albrecht an
d W.J.Blank,"The Use of Triazine Resins in High Solids Coatings",Proc eedings of the Sixth International Conference in Organic Coatings and Te chnology
,Athens,Greece,1980; W.J.Blank,"Amino Resins in High Solids
Coatings",J .Coat.Techn.,Vol.54; Nu 687; pp.26-41.自動車用塗料の酸
腐蝕については、シュルツらの文献(Alrich Schulz & Peter Trubiroha,"Simul
ated acid precipitations,Advances in the weathering of automotive finis
hes",Europcoat 9/1993,pp.600-602)に記載されている。ヒドロキシル官能基
アクリルポリマーおよびHMMMから調製される配合物は、p-トルエンスルホン
酸またはドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸または
これらの酸のアミン塩等の強スルホン酸触媒による触媒作用を受ける。
従来の低分子量のアクリル/架橋メラミン塗料は、酸性雨による影響を受けや
すいという知見が得られている。その結果、表面にHSC塗料を塗布した場合、
典型的な産業条件、例えば工業的環境下での酸性雨では酸によってHSC塗料表
面が腐蝕する。酸性雨によって、わずかながら塩基性のメラミン樹脂のリーチン
グにより光沢が失われた艶なしの面となり、斑腐蝕の状態となる。
上記問題点を解決するために、アクリル/イソシアネート2成分塗料が開発さ
れている。しかし、このような塗料はイソシアネートが毒性を有すること、また
塗料のポットライフが短いため、塗料産業ではさほど認められていない。
したがって、本発明の目的は、上記問題が生ずるのを回避するポリマー塗料を
提供することである。この目的は、本発明にもとづき、かつ耐酸腐蝕性が改善さ
れたポリウレタン・ポリオール・メラミン架橋ポリマーおよび塗料によって達成
される。
従来技術
本出願人は以下の文献を知っている。
John L.Gordon,"Polyurethane Polyols:Ester-Bond Free Resins For High
Solids Coatings",J .of Coating Technology,Vol.65,No.819,April,199
3,pp.25-33;Werner J.Blank,"Non-Isocyanate Routes To Polyurethanes"
,Water-Borne and Higher Solids Coatings Symosium,February 21-23,1990,
New Orleans,LA.;および
米国特許第5,134,205号、第4,820,830号。
発明の要約
本発明は、耐酸腐蝕性が改善された塗料を提供する。この塗料は、ポリウレタ
ンポリオールポリオールから合成されるもので、既知の溶媒、例えば無色の炭化
水素、ケトン、エステル、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート
、およびアルコールによって溶ける。そのような溶媒の例としては、キシレン、
トルエン、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチルア
セテート、ブチルアセテート、2−メトキシプロパノール、2−メトオキシプロ
ピルアセテートが挙げられる。
本発明のポリウレタンポリオールは、外来の高価な溶媒、例えばメチピロリジ
オン、ジメチルホルアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシ
ドを使用しない。また、本発明のポリウレタンポリオールは、幅広い範囲のメラ
ミンホルムアルデヒド樹脂に対して概して相溶性を示す。このようなメラミンホ
ルムアルデヒド樹脂としては、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、部分的
アルキル化メラミンホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メラミンホルムアルデヒド
樹脂、アルキル化グリコールウリルホルムアルデヒド樹脂、および大部分のアミ
ノホルムアルデヒド樹脂である。メラミンホルムアルデヒドを合成する。なぜな
ら、特性とコストとを組み合わせて考えた場合、もっとも優れているからである
。
本発明の目的は、一つの鎖あたり一つのエーテル基を含む疎水性の側鎖を少な
くとも一つ持つ少なくとも一つのモノマーから合成される平均分子量が約500
ないし約5,000のポリウレタンポリマーを提供することである。
本発明の別の目的は、ジオールまたは少なくとも一つのポリオールを合成する
ための方法を提供する。この方法は、脂肪族またはシクロ脂肪族アミンのポリ(
ヒドロキシルキルカルバメート)およびアルコキシプロピルアミンまたはシクロ
アルコキシプロピルアミンのモノヒドロキシアルキルカルバメートと反応させて
、ポリウレタンポリオールを合成し、つづいて該ポリウレタンポリオールを触媒
とともにメラミン架橋剤と反応させることによって、耐酸腐蝕性が改善された塗
料を提供する。
本発明の別の目的は、疎水性側鎖にエーテル基を持つポリオールを用いてポリ
ウレタンポリマーの耐腐蝕性を改善することである。
本発明のさらに別の目的は、上記ポリオールを酸無水物と反応させ、該無水物
の半エステルを作り、続いて該半エステルをアミン等の揮発性塩基存在下で水に
分散することによって、上記ポリウレタンポリオールに対して水分散性を付与す
ることである。
本発明の概念をより一層完全に理解するために、以下の図面および実施例にお
いて、特に記載しないかぎり、すべての部は重量部である。また、以下の実施例
はただ単に説明のためのものであって、さらに詳細に列挙されたものは特許請求
の範囲に示された範囲内を除いて、いかなる限定を意味するものではない。
図面の簡単な説明
図1は、β−ヒドロキシプロピルカーバメートおよびトリオール、トリメチロ
ールプロパンの反応生成物である。
図2はエーテルアミン、プロピレンカーバメート、トリメチロールプロパン、
およびウレタンジオールから形成されるモノマー単位の型を示す。
図3は、図2のモノマーから形成されるポリマーの一般的な配合を示す。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、従来の溶媒、例えばキシレンに可溶であり、実質的に耐酸腐蝕抵抗
が改善されたポリウレタンポリオールから合成される塗料に関する。この耐酸腐
蝕性が改善されたポリマーは、金属の基板または下塗された基板に対する塗料と
して利用することができる。このような基板としては、鋼板またはエレクトロコ
ーティングされた鋼板が挙げられる。上記塗料によって、酸性雨および/または
苛酷な環境による艶消しや斑腐蝕が生ずるのを防ぎ、光沢に優れた表面が上記基
板に与えられる。
当業者に知られている従来のウレタンポリマーは、ポリエステルまたはポリエ
ーテルウレタンである。このようなポリマーは、通常は以下のようにして合成さ
れる。すなわち、まず、ポリエステルまたはポリエーテルポリオールをジイソシ
アネートと反応させるか、あるいはイソシアネートを用いない反応、例えばカル
ボネートとジアミンとの縮合反応を行い、ジカルバメートをジオールと縮合させ
る。以下の文献を参照せよ。W.J.Blank,preprint,Water-Borne and Higher S olids Coatings Non-Tsocvanate Routes to Polvurethanes
.
Symposium at University of Southern Mississippi(Feb.1990).
上記ウレタン塗料は優れた可塑性と耐摩耗性とを有する。しかし、エステル基
を酸加水分解に対して抵抗性のあるウレタン基に置き換えたにも関わらず耐酸腐
蝕性は何等改善されない。キシレンやトルエンのような低極性溶媒に対しては、
一般にウレタン基のみを含むポリマーは溶解性が低いことが知られている。この
ように溶解性が低いことによって、自動車用塗料にウレタンポリマーを使用する
ことができない。
また、アルキド樹脂合成から得られた知見によれば、長鎖石油アルキドは短鎖
石油アルキドまたはポリエステル樹脂と比べて良好な溶解性を呈する。長鎖アル
キドまたは短鎖石油アルキドはポリマーの脂肪酸の量(重量)に関係する。アル
キドに用いられる脂肪酸は、一般に鎖の長さが12ないし18である。短鎖アル
キドは約30ないし50%の脂肪酸含有量であり、また長鎖石油アルキドは60
ないし75%の脂肪酸含有量である。自動車産業で一般に用いられる溶媒に対す
るポリウレタン樹脂の溶解性を改善する試みがなされている。しかし、高温にお
けるキシレンに対する溶解性が改善されても、得られた溶液はもやのかかったよ
うなゲル状のもので、室温で結晶化してしまう。したがって、長いアルキル側鎖
を導入すると自動車用塗料としては許容されない原料となる。したがって、その
ようなポリウレタン樹脂の商業的利用は限られたものとなる。
予想外にも、ポリウレタンポリオールに導入された長アルキル側鎖にエーテル
基が存在すると、上記問題点、例えば曇り、ゲル化、および結晶化を克服するこ
とができることを発見することがきた。また、それによって、疎水性溶媒に対し
て優れた溶解性を持つポリウレタンポリオールが与えられる。さらに、そのよう
なポリウレタンポリオール樹脂から形成されたフィルムは、優れた耐酸腐蝕性を
有する。
本発明にもとづくポリマーを、以下の式によって定義することができる。
式中、DはOH基、カルボキシルアルキルエステル、またはC4ないしC20の
アクリル脂肪族、C4ないしC20のシクロ脂肪族、またはC8の芳香族酸無水基O
H基との反応によって得られるカルボキシアリルエステルまたはカルボキシルア
ルキルエステル、および上記カルボキシアルキルエステルまたはカルボキシアリ
ルエステル基;
nは少なくとも2、好ましくは3またはそれ以上で、最大平均が約10;
pはC2〜C10脂肪族またはC3〜C10シクロ脂肪族部分で、ジオールまたは
ポリオールから誘導;
Bは、ジまたはトリ官能脂肪族またはシクロ脂肪族ウレタンおよび/または以
下の構造を有するウレア部分:
式中、R1はC2ないしC18、または
式中、R1はC2ないしC18、または
式中R1はC2ないしC18;およびポリヒドロキシアルキルカルバメートとの反応
から誘導;
Aは以下の式によって定義されるもので、
式中、R2はアミンと環状カーボネートとの反応生成物から誘導されたC6ないし
C18脂肪族直鎖状または分枝鎖状アルキル基、あるいは
−(CH2)3O−R2
であり、式中R2はエーテルアミンから誘導されたC6ないしC18脂肪族直鎖状ま
たは分岐鎖状アルキル基、および任意に少なくとも上記エーテルアミンの一部
が以下の式で定義されるA’によって置換されており、
式中、R2はアミンと環状カーボネートとの反応生成物から誘導されたC6ないし
C18の脂肪族直鎖状または分枝鎖状アルキル基、またはアミンから誘導されたC6
ないしC18の脂肪族直鎖状または分枝鎖状アルキル基;さらに、zは平均して
少なくとも1。
本発明によれば、ポリウレタンポリオールの合成は、ジオールまたはポリオー
ルまたはポリオールの組み合わせを、(1)脂肪族またはシクロ脂肪族のポリ(
ヒドロキシアルキルカーバメート)および/または(2)アルコキシルアミンの
モノヒドロキシアルキルカーバメートと反応させることによって行う。任意に、
アルコキシアルキルアミンのいくつかをアルキルアミンに置換することができる
。
概して、ポリマーは一分子あたり少なくとも一つの疎水性側鎖を有する。該側
鎖の少なくとも一部分は、一鎖あたり一つのエーテル基を有する。これらのポリ
ウレタンの平均ヒドロキシル官能性(average hydroxyl functionality)は、少な
くとも2、好ましくは2.5以上である。上記ポリマーの分子量は、500ない
し5,000、好ましくは800ないし3,000であり、もっとも好ましくは
1,000ないし2,000である。上記ポリマーが水分散性を呈する場合、カ
ルボキシル基含有量はポリマーあたり0.5から約1.5MEQ/g、好ましく
は0.8ないし1.2 COOH MEQ/g(グラムあたりのミリ当量)でな
ければならない。
本発明にもとづくポリウレタンは、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、また
はアルコールに溶解する。本発明のポリウレタンポリオールは、本質的にエステ
ル基を欠いている。しかし、ウレタン基に加えて、ウレア基を含むことができる
。
ポリウレタンポリオールを合成する好ましい方法は、直鎖状脂肪族またはシク
ロ脂肪族ジアミンのビス(β−ヒドロキシアルキルカルバナート)を、一つのポ
リオールとともに鎖あたり一つのエーテル基が含まれるC6〜C30のモノアミン
のβ−ヒドロキシアルキルカーバメートまたはポリオールと縮合することによる
。任意に、ウレア基が必要な場合、β−ヒドロキシアルキルカルバメートモノマ
ーを遊離のジアミンまたはモノアミンと置換することができる。本発明で用いら
れるβ−ヒドロキシアルキルカルバメートは、環状カーボネートと第一ジアミン
またはモノアミンとを以下に示すように反応させて合成することができ、
また、米国特許第4,820,830 号および第5,134,205 号に開示されており、本願で
はこれらの主題を本願の一部として援用する。本発明で用いられる環状カーボネ
ートは、上記の特許文献に定められている。
本発明で使用可能なジアミンは、(1)C2ないしC12の直鎖状アルキルジア
ミン、(2)米国特許第4,820,830 号および第5,134,205 号に開示されているジ
アミンと同様に、C5ないしC15のシクロ脂肪族アミンおよび直鎖状アミンの組
み合わせである。上記したもの以外のアミンもまた使用することができる。用い
られる好ましいアミンは、米国特許第4,820,830 号に開示された分枝鎖状のアミ
ンである。
本発明で用いられる他のアミンの例としては、エチレンジアミン、1,3−プ
ロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6
−ヘキサン−ジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジ
アミン、1,9−ノナンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタ
ンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1−12−
ドデカンジアミン、および上記アミンの分枝鎖状類似体、例えば2,2,4−ト
リメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン;シクロ脂肪族アミン、
例えば1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1
,3−シクロヘキサンジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル−
シクロヘキシルアミン、4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3−ジ
メチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン;イソデシルオキシプロピル
ジアミノプロパン;アルコキシプロピルアミン、例えばイソヘキシルオキシプロ
ピルアミン、イソデシルオキシプロピルアミン、イソトリデシルオキシプロピル
アミン、ヘキシルオキシプロピルアミン、デシルオキシプロピルアミン、トリデ
シルオキシプロピルアミンである。ポリウレタンを水可溶性あるいは分散性にす
ることに用いることが可能な典型的な無水物は、無水コハク酸;グルタル酸無水
物;無水フタル酸;ヘキサヒドロフタル酸無水物;テトラヒドロフタル酸無水物
;メチルヘキサヒドロフタル酸無水物;置換無水コハク酸、例えば無水アルキレ
ンコハク酸、無水オクテニルコハク酸、テトラデセニルコハク酸無水物、オクテ
ニルコハク酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−カルボン酸無水物、および無
水マレイン酸である。
本発明で用いられるモノアミンは、直鎖状または分枝鎖状脂肪族ルコキシプロ
ピルアミンまたはアルコキシエチルアミンで鎖あたりの全炭素数は、6から30
炭素原子である。好ましくは、炭素原子の数が9ないし20の鎖長を有するモノ
アミンである。
本発明で用いられる典型的なポリオールとしては、トリメチロールプロパン、
トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、グリセリンが挙げられるけれど
も、もちろんこれらに限定されるものではない。
β−ヒドロキシアルキルカーバメートとトリメチロールプロパンとの縮合反応
の一例を以下に示す。
縮合反応は、約120℃から約200℃の間、好ましくは約150℃から約1
80℃の間で行われる。この反応を窒素または減圧下で行うことによって、β−
ヒドロキシアルキルカルバメートとポリオールとの反応によって生ずるグリコー
ルあるいは自己縮合によって生ずるグリコールを除去するのを促進させる。
β−ヒドロキシアルキルカルバメートの自己縮合またはヒドロキシル基との反
応は、触媒を必要とする。適当な触媒の例として、強塩基、例えばアルカリおよ
び土類アルカリの水酸化物;トランスエステル化触媒、例えばジアルキルチンオ
キシド、アセテート、またはラウリエート、亜鉛、および鉛塩が挙げられる。な
お、ここで例示したものは適当な触媒の一例として例示したにすぎに、適当な触
媒はこれらのものに定されるものではない。上記触媒は、通常は約100ppm
ないし10,000ppmの濃度で存在する。縮合反応を進行させるためには、
β−ヒドロキシプロピルカルバメートとヒドロキシル基との反応によって形成さ
れたポリピレングリコールのようなグリコールが蒸留によって、減圧または共沸
溶媒のいずれか一方によって除去されることが必須である。適当な減圧条件は、
0〜400mmHgである。1,2−プロピレングリコールを除去するのに適当
な共沸溶媒は、脂肪族炭化水素および芳香族炭化水素である。反応の終点は、ゲ
ル・フェーズ・クロマトグラフィー、粘度、またはヒドロキシル価を決定するこ
とによって、あるいはこれらの方法の組合せによって決定される。
また、疎水性溶媒による溶解度試験を用いて、反応の程度を定めることができ
る。水分散性を達成するために、ポリウレタンポリオールのヒドロキシル基の一
部を、通常は溶けた状態にある無水物あるいは無光溶媒の存在下で反応させる。
無水物の半エステルおよびウレタンポリオールの形成を達成するために、反応温
度を50〜150℃、好ましくは80〜130℃とした。また、反応時間を30
〜180分、好ましくは60〜120分とした。反応の過程は、酸価滴定によっ
て追跡した。この反応は、好ましくはt-アルキルアミンまたは無機塩基による塩
基性触媒作用を受けるけれども、触媒無しでも進行する。得られたカルボキシル
およびヒドロキシル官能ポリマーは、部分的に、あるいは完全に、アミンによっ
て中和され、水に分散する。水分散性を達成するために、約0.5〜1.5ME
Q/gのカルボキシル含有量が求められる。一般に、カルボキシル含有量を、耐
酸性特性の最適化を確かめるために、可能なかぎり低く抑えることが求められる
。酸価が高いということは、ポリマー上のイオンイオン電荷の増大を意味するも
ので、ポリマーの溶解性が改善される。ポリマーのヒドロキシル基の90〜95
%を無水物に置換することが可能であり、本質的にオールカルボキシル官能ポリ
マーを達成する。そのようなポリマーは、メラミン樹脂やエポキシ樹脂と架橋形
成することができる。ポリウレタンを水に分散するために、アンモニアあるいは
単純な有機アミン等の塩基を用いることができる。そのようなアミンの例として
は、t−アルキルアミンおよびアルカノールアミンであり、例えばトリエチルア
ミン、トリメチルアミン、ジスメチレンエタノールアミン、ジメチルプロパノー
ルアミン、メチルジエタノールアミン;ジイソプロパノールアミンまたは一級ア
ルキルアミンで、例えばエチルアミン、プロピルアミン、エタノールアミン、ま
たはプロパノールアミンである。これらのアミンは室温で気体状、例えばアンモ
ニアであってもよく、あるいは250℃ほどの沸点を有することも可能である。
これらのアミンの多くは、硬化の過程で部分的に、あるいは完全に蒸発し、いく
つかのアミン、例えばジイソプロパノールアミンはメラミン樹脂と共反応し、ポ
リマー・フィルムに取り込まれる。また、メラミン樹脂とポリマーのカルボキシ
ル基およびヒドロキシル基との反応は、硫酸のような強酸の触媒作用を受ける。
カルボキシル基は、ポリオールとメラミン樹脂との反応を触媒する。ヘ
キサメトキメチルメラミン(HMNN)のような完全にアルキル化したメラミン
とポリオールとの反応をカルボキシル基が触媒するためには、150℃以上の高
温が必要となる。スルホン酸触媒は、硬化温度を80℃にまで下げることができ
る。用いられる触媒は、当業者にとって十分既知のものである。そのような典型
的な触媒には、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、ジノニルアプタレンジスルホン酸、ジノニルアプタレンモノスル
ホン酸、およびこれらの酸のルイス酸金属塩およびアミンである。触媒の濃度は
塗料の固形分に対して約0.2〜3%である。高濃度の酸触媒は、耐水性および
耐腐蝕性を劣化させる可能性があるため、使用を避けたほうがよい。
塗料を直接金属基板または下塗済基板に塗布することができる。自動車用塗装
では、一般に金属をアルカリで洗浄した後、鉄りん酸塩または亜鉛りん酸塩によ
って前処理し、続いて水系下塗剤を該金属上にエレクトロコーティングする。塗
装を高温で焼付けし、充填剤とともに下塗剤を塗装が不完全な状態にある金属基
板全体が覆われるように吹き付ける。つぎに、車の色や外観を決定する主塗料を
塗布する。仕上げ塗料として、透明塗料を塗布する。この透明塗料は、塗装の耐
紫外線性を改善する添加剤を配合している。この添加剤としては、紫外線吸収剤
あるいは遊離基脱除剤、例えばヒンダードアミン光安定剤である。この塗料によ
って、紫外線、酸性雨、および環境から車を保護する。用途に対する要求が少な
い場合は、塗料を直接金属に塗布することもできる。
自動車塗料にとって耐酸腐蝕性は重要な問題である。なぜなら、該塗料の高い
パフォーマンスが求められるからである。工業地帯に降る雨のpH値は4と低く
なっている。このような低いpH値は、イオン含有燃料の燃焼によって生ずる硫
酸および亜硫酸が主な原因である。酸が非常に薄まっているにもかかわらず、こ
のような地域では塗装の表面で酸が濃縮され、pHが1というような低い値にな
る。この酸腐蝕は、車の表面温度が65℃に達するような天候に恵まれ、紫外線
照射の多い地域で、特に問題となる。酸腐蝕をシミュレートするために、数多く
の複雑化された研究室実験が開発されてきた。複雑化され加速された試験のほと
んどは、実際に作用を受けた場合の結果と完全に一致するものではない。
異なる温度下で20%硫酸による単純なスポット試験によって、ポリマー塗料
は酸性雨に対して耐性を示すかどうかを検出可能であることがわかった。この酸
スポット試験は、研究室内で行われるもので、パネル上に20%硫酸を一滴置い
て、15分間パネルを加熱する。この際、温度を50℃、60℃、または75℃
とする。各酸スポット試験ごとにパネルが必要となる。試験方法は、温度勾配の
あるオーブンを用いることによって単純化することができる。このオーブンは、
温度調節ができるホット・プレートに類似したものである。温度勾配が可能なオ
ーブンの異なるゾーンを、50、60、および75℃に合わせる。パネル上の適
当な位置に20%硫酸のスポット(斑点)を3つ形成する。このパネルを15分
間にわたって放射オーブンに置く。パネルの温度は、熱電対によってモニタする
。照射後、パネルを水洗いし、その表面を直ちに試験した。格付けは以下の通り
である。
0− 目視可能な腐蝕なし;
1− 水分が存在する場合のみにわずかながら目視可能な腐蝕あり;
2− 溶媒存在下で、わずかながら表面が曇った部分が目視可能;
3− 表面が曇っているが、変色なし;
4− 変色あり、表面が膨潤;
5− 膜腐蝕、部分的に溶解。
自動車用用途のほかに、耐薬品性が高い塗料を求める他のエンドユーザもいる
。それらには、航空宇宙用塗料、研究室器具用塗料が含まれる。
以下、本発明を以下の実施例にもとづいて説明するが、もちろん本願発明は該
実施例に限定されるものではない。実施例1
アルコキシルアキルアミンからのモノβ−ヒドロキシアルキルカルバメートの合
成
アミン当量216とC6〜C10のn−アルコキシプロピルアミンとかからなる
216重量部(1モル)の混合物を、撹拌装置、温度制御器、および窒素ガス導
入口を備えた適当な反応器に投入した。この反応器に窒素を流し込み、さらに1
12重量部(1.1モル)のポリピレンカーボネートを徐々に反応器に加え
た。この反応は発熱を伴うため、温度を120℃以下に抑えた。3ないし5時間
にわたって、あるいはアミン含有量が0.15MEQ/g以下まで低下するまで
、混合物を120℃に保った。得られたモノカルバメート物質は琥珀色の粘性を
有する液体で、25℃での粘度は142cpsであった。実施例2
ポリウレタンポリオールの合成
実施例1のモノカルバメート1272重量部(約4モル)と、トリメチロール
プロパン1072重量部(8モル)とを、適当な反応器に投入し、窒素雰囲気下
で160℃に加熱した。この溶液を約70℃でクリアとなった。この時、5重量
部のメタノールに溶解した0.1重量部のKOH触媒を添加した。減圧し、約2
8.5”のHgで蒸留を開始した。この温度を徐々に170℃に上げ、約317
重量部の留出物(1,2−プロピレングリコール)を回収した。反応混合物を1
50℃まで冷却し、2−メチル−1.5−ペンタンジアミンのビスヒドロキシプ
ロピルカルバメートを2550重量部添加した。この反応混合物を徐々に175
℃まで加熱し、減圧した。得られた樹脂は、75℃でのICI溶融粘度が4.9
ポワズであった。反応を続行し、さらに538重量部の留出物を回収した。IC
I溶融粘度は100℃で5.1ポワズであった。混合物を140℃まで冷却し、
キシレンで稀釈して加熱残分を75.5%(60分、110℃)とし、ブルック
フィールド粘度を250℃で16,900cpsとした。樹脂は、ガードナー色
数が約3〜4であった。留出物のIR分析によれば、1,2−プロピレングリコ
ールが主成分である。実施例3
ポリウレタンポリオールの合成
実施例1のモノカルバメート318重量部(1.0モル)を201重量部(1
.5モル)のトリメチロールプロパンとともに適当な反応器に充填した。この混
合物を窒素ブランケット下で170℃まで加熱した。1部のメタノールに溶解し
た約0.1重量部の水酸化カリウムを触媒として添加した。徐々に減圧し、
約110部の留出物を回収した。第2の反応段階では、そのようにして形成され
たアルキルウレタン置換トリメチロールプロパンを2−メチル−1.5−ペンタ
ンジアミンのビスヒドロキシプロピルカルバメート348重量部と反応させた。
この反応を160〜170℃で進行させた。図1にこの樹脂を模式的に示す。完
全真空を実施し、約179部の留出物を回収した。この回収物はビスヒドロキシ
アルキルカルバメートとトリメチロールプロパンの残存ヒドロキシル基との完全
反応に概略一致する。反応混合物を140℃まで冷却し、150重量部のキシレ
ンを充填した。得られた樹脂は固形成分が78.6%で、キシレンに完全に溶け
る。この樹脂の粘度は25℃で約50,600cpsであった。実施例4
β−ヒドロキシプロピルカルバメート(エーテル置換アルキル側鎖欠損)を合成
する比較例
一級アルキルアミンをプロピレンカーボネートと反応させてβ−ヒロドキシプ
ロピルカルバメートを得た。185重量部(1.0モル)のドデシルアミンを1
12部のプロピレンカーボネートと実施例1の指示に従って反応させた。得られ
たモノβ−ヒドロキシプロピルカルバメートは、残留アミン含有量が0.15M
EQ/gであり、室温で固化した。融点は約40〜50℃で、加熱残分は96.
6%であった。実施例5
ポリウレタンポリオールの合成の比較例
溶融した実施例4のβ−ヒドロキシプロピルカルバメート143重量部(0.
49モル)を適当な容器に充填した。この反応器にトリメチロールプロパン13
4重量部(1モル)と2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのビスヒドロキシ
プロピルカルバメート486重量部(0.152モル)とを充填した。さらに、
メタノールに溶解したKOH触媒0.1重量部を加えた。反応混合物を165℃
に加熱して減圧した。反応生成物を蒸留処理した。反応温度を徐々に170℃に
上昇させた。合計で215重量部の留出物を回収した。樹脂溶融物を140℃に
冷却し、150部のキシレンを添加した。際祖yに、キシレンによる稀釈で、樹
脂がキシレンに可溶化した。しかし、キシレンをさらに添加して冷却すると、樹
脂は不溶化する。実施例6
ポリウレタンポリオールを合成する比較例
実施例1のβ−ヒドロキシプロピルカルバメートを等モル量の実施例4のβ−
ドロキシプロピルカルバメートと置き換えた以外は、実施例2と同様に行った。
得られた樹脂は、加温されたキシレンでは可溶性を示した。しかし、室温に冷却
すると結晶化がはじまった。実施例7
塗料の配合No.1およびNo.2を実施例3のポリウレタンポリオールを用
いて調製し、その評価を表1に示した。架橋剤として、商用銘柄のヘキサメトキ
メチルメラミン(HMMM)(モンサント(Monsanto)のレジミン(Resimine)74
7)を用いた。配合物に触媒として市販のドデシルベンゼンスルホン酸触媒(キ
ング・インダストリーズ(King Industries)のナキューレ(NACURE)5076)を
作用させた。
塗料の配合No.3および4を実施例3のポリウレタンポリオールを用いて合
成し、その評価を表2に示した。架橋剤として、実施例7と同様のヘキサメトキ
メチルメラミン(HMMM)を添加したが、より高い濃度で添加した(モンサン
ト(Monsanto)のレジミン(Resimine)747を使用)。配合物に触媒として市販の
ドデシルベンゼンスルホン酸触媒(キング・インダストリーズ(King Industries
)のナキューレ(NACURE)5076)を作用させた。
実施例9
アクリルポリマーを用いた比較例
耐酸腐蝕性についての比較例として、高固形分アクリルメラミン樹脂架橋塗料
を合成した。市販のヘキサメトキメチルメラミン(HMMM)(シーメル303
(Cymel 303)、アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid Co.))を架橋剤
として用いた。また、配合物に触媒として市販のドデシルベンゼンスルホン酸触
媒(キング・インダストリーズ(King Industries) のナキューレ(NACURE)522
5)を作用させた。実施例9の配合および評価結果を表3に示す。アクリル樹脂
は、ローム・アンド・ハス社(Rohm & Haas)から以下の性質を有するものが入手
可能である。すなわち、該性質は、加熱残留分84%;溶媒n−ブチルアセテー
ト;粘度6,000〜1,000cps 比重1.08;ヒドロキシル価(固形
分)155;酸価(固形分)5である。この樹脂を特に低VOC高固形分耐薬品
性塗料と呼ぶ。DISLONは、商業的に入手可能なアクリル流動およびwas a commer
cially available acrylic flow and leveling agent available from Kusomoto
Chemical(Tokyo,Japan).耐酸腐蝕性についての比較例として、高固形分アク
リルメラミン樹脂架橋塗料を合成した。市販のヘキサメトキメチルメラミン(H
MMM)(シーメル303(Cymel 303)、アメリカン・シアナミド社(American Cy
anamid Co.))を架橋剤として用いた。また、配合物に触媒として市販のドデシル
ベンゼンスルホン酸触媒(キング・インダストリーズ(King Industries)のナキ
ューレ(NACURE)5225)を作用させた。実施例9の配合および評価結果を表3
に示す。アクリル樹脂は、ローム・アンド・ハス社(Rohm & Haas)から以下の性
質を有するものが入手可能である。すなわち、該性質は、加熱残留分84%;溶
媒n−ブチルアセテート;粘度6,000〜1,000cps比重 1.08;
ヒドロキシル価(固形分)155;酸価(固形分)5である。この樹脂を特に低
VOC高固形分耐薬品性塗料と呼ぶ。DISLONは、商業的に入手可能なアクリル流
動およびレベリング剤であり、クサモト・ケミカル(東京)から入手可能である
。
実施例11
疎水性側鎖を持たないポリウレタンポリオールを用いた比較例
ポリウレタンポリオールを、2−メチル−1,5−ペンタン−エジアミンのビ
ス(β−ヒドロキシプロピルカルバメート)を自己縮合することによって合成し
た。2811重量部の上記ビスカルバメートを適当な反応容器に充填し、0.0
9重量部の水酸化カリウムによる触媒作用を与えた。この混合物を180℃に加
熱した。145℃で減圧し、プロピレングリコールを留出させた。試料を直径ま
たは約564の分子量に相当するコンバージョンで得た。この物質を2−メトオ
キシプロピルアセテートに溶解し、固形分含有量を85.3%、粘度を14,0
00cpsとした。試料のヒドロキシ含有量を3.546MEQ/g(ミリ当量
)またはヒドロキシル価198とした。この試料をAとする。反応をさらに進行
させ、重合度3.07に相当するコンバージョンで得た。これは、分子量822
およびヒドロキシ含有量2.430MEQ/gまたはヒドロキシル価136に一
致する。2−メトキシプロピルアセテートに溶解した試料は、固形分89.1%
で粘度が40,400cpsであった。この試料をBとする。実施例11
透明塗料の配合No.5を実施例11にもとづいてポリウレタンポリオールA
を用いて合成し、その評価を表4に示した。このポリウレタンでは、市販のHM
M架橋剤(モンサント社のResimene 747)を用いている。この配合に対する触媒
作用は、キング・インダストリーズ社のドデシルベンゼンスルホン酸触媒を用い
て行った。
実施例12
透明塗料の配合No.6を実施例11のポリウレタンポリオールBを用いて合
成し、その評価を表5に示した。このポリウレタンでは、市販のHMM架橋剤(
モンサント社のResimene 747)を用いている。この配合に対する触媒作用は、キ
ング・インダストリーズ社のドデシルベンゼンスルホン酸触媒を用いて行った。
この配合では架橋剤の濃度をポリオールのより低いヒドロキシル価を占めるよう
に調整した。
実施例14
透明塗料の配合No.7を実施例11のポリウレタンポリオールを用いて合成
し、その評価を表5に示した。このポリウレタンでは、市販の混合メチレート/
ブチル化メラミン架橋剤(モンサント社のResimene 755)を用いて架橋を行った
。このより一層疎水性の架橋剤が耐酸腐蝕性を改善することが報告されている。
この配合に対する触媒作用は、キング・インダストリーズ社のドデシルベンゼン
スルホン酸触媒を用いて行った。この配合では架橋剤の濃度をポリオールのより
低いヒドロキシル価を占めるように調整した。
実施例14
(比較例)ポリエステルウレタン
ポリエステルウレタンポリオールを、シクロヘキサンジメタノール(5モル)
、およびコハク酸ジメチルエステル(DMS)とグルタル酸ジメチルエステル(
DMG)とアジピン酸ジメチルエステル(DMA)(DMS22%,DMG62
%およびDMA16%)(7モル)と−メチル−1,5−ペンタンジアミン(4
.5モル)のビス、−β−ドロキシプロピルカルバメートとの混合物を縮合して
合成した。これによって得られた生成物は、キシレン中で74.0%の固形分率
、かつ25℃で4,000cpsの粘度を示した。樹脂固形分のヒドロキシル価
は、109であった。このポリウレタンを、市販のHMM架橋剤(モンサント社
のResimine 747)によって架橋形成した。配合物は、キング・インダストリーズ
社のアミン阻害ドデシルベンゼンスルホン酸触媒による触媒作用を受けた。この
配合における架橋剤の濃度はポリオールのより低いヒドロキシル価を占めるよう
に調整した。実施例15のポリエステルウレタンを用いた配合No.8ついての
記載およびその評価を表7に示す。
実施例16
(ウレアおよびウレタン基を有するポリウレタンポリオールの合成)
403重量部のトリメチロールプロパン(3モル)と432重量部のイソデシ
ルオキシプロピルアミン(1.8モル)とを、2−メチル−1,5−ペンタンジ
アミンのビス(ヒドロキシプロピル)カルバメート1,440重量部と混合した
。この混合物に、0.3gの水酸化カリウムからなる触媒を加えた。この混合物
をさらに窒素導入口および攪拌手段を有する適当な反応容器に入れて150℃に
加熱した。この温度を165℃まで徐々に上げた。反応混合物のアミン含有量を
測定した。初期の滴定ではMEQ/gが0.88であった。165℃、5時間の
反応後では、MEQ/gは低下して0.9以下となった。反応容器を徐々に減圧
して完全な真空状態に徐々に近づけた。未反応のアミンを再利用するために、分
縮器を用いた。プロピレングリコールを留出物として回収した。582gの留出
物を回収した。この留出物は主にプロピレングリコールである。アミン滴定の最
終樹脂を130℃に冷却し、520重量部のキシレンで稀釈した。実施例16を
、表8の配合No.9および10に記載するとともに、その評価を示した。
実施例16
(水−分散性)
トリメチロールプロパン403重量部とイソデシルオキシプロピルアミン(2
.5ル)のヒドロキシプロピルカルバメート862重量部と2−メチル−1,5
−ペンタンジアミンのビス(ヒドロキシプロピルカルバメート)800重量部と
を適当な反応器に充填し、0.2gの水酸化カリウム触媒存在下で150℃に加
熱した。徐々に減圧してプロピレングリコールを反応器から除去した。温度を徐
々に170℃まで上げることによって約460部の留出物を回収した。最終樹脂
は、粘度が100℃で40ポワズであった。この反応混合物に100重量部の無
水コハク酸を加え、約2時間にわたって100℃に保った。その後、樹脂をジメ
チルアミノエタノール存在下で水に分散した。
水−分散ポリウレタン樹脂を実施例16のHMMM架橋剤とともに配合し、2
50℃で硬化させた。この樹脂をジメチレルエタノールで100%中和し、何等
溶媒が存在しない状態で分散ホット(dispersed hot)した。酸腐蝕結果は、1
,2および5で、それぞれ50℃、60℃、および75℃で得た。
図2は、ポリマー鎖の非限定的実施例を模式的に示すもので、エーテルアミン
プロピレンカルバメート、トリメチロールプロパンウレタンジオール、およびヒ
ドロキシル基等の単位から形成される。図3は、ウレタンジオール、ポリオール
、およびエーテルアミンプロピレンカルバメートから誘導されたポリマーを示す
ものである。
本発明を特定の実施態様とともに説明した。上述のことから当業者は容易に数
多くの他の実施例および変形例を想到することができよう。したがって、本発明
には特許請求の範囲の精神および範囲のなかに含まれる他の実施例および変形例
のすべてが含まれる。さらに、参照した米国特許出願の主題を本願の一部として
援用する。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AM,AT,AU,BB,B
G,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,DK
,EE,ES,FI,GB,GE,HU,JP,KE,
KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LU,L
V,MD,MG,MN,MW,MX,NO,NZ,PL
,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK,TJ,
TT,UA,US,UZ,VN