JPH10501978A - トレハロース産生トランスジェニック植物 - Google Patents

トレハロース産生トランスジェニック植物

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JPH10501978A
JPH10501978A JP8502849A JP50284996A JPH10501978A JP H10501978 A JPH10501978 A JP H10501978A JP 8502849 A JP8502849 A JP 8502849A JP 50284996 A JP50284996 A JP 50284996A JP H10501978 A JPH10501978 A JP H10501978A
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マンダル,アブール
パルバ,エー・タピオ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トレハロースを産生するトランスジェニック植物および植物のトレハロース含量を増加する方法に関する。本発明によれば、興味のある植物を非構造的植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼをコードする配列で形質転換して、遺伝子の発現に対して時間的、局所的またはストレスの誘発の制御を可能にする。本発明は、渇水、高塩分または極端な温度から特産の農作植物を保護するため、および緑色食材、摘んだ果物および鑑賞植物を含む収穫した植物の貯蔵性を改善するために使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 トレハロース産生トランスジェニック植物発明の分野 本発明は、トレハロース合成能力を挿入するための植物の遺伝子工学に関する 。特に、本発明は増加したトレハロース含量を有する植物およびそれを産生する 方法に関する。本発明はまた寒さおよび渇水のようなストレスに対して植物の耐 性を増加する方法およびトレハロースを産生する方法に関する。発明の背景 トレハロース(α−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノース)は、その還 元基を経由して結合しているグルコース分子の二量体である。還元基の欠損、遅 い加水分解および非潮溶性ガラスを形成する能力を含む、その他の糖と比べて独 特な化学特性の組み合わせのため、タンパク質、細胞膜および他のin vitro生物 学的化合物の最も有効な既知の保存剤の一つである。また、大量のトレハロース を含む生存生物は、特徴的に、昆虫、ある沿岸地域の動物ならびに酵母および真 菌を含む多くの微生物のような浸透、脱水および熱ストレスにしばしばさらされ るものである。パン酵母中のトレハロースの主要な役割は、これらのストレスに 対する耐性を付与することであるという状況証拠がある(Wiemken[1990]Antoni e van Leeuwenhoek 58,209-217要約)。しかしながら、パン酵母中のトレハロ ースの蓄積が、それ自体、ストレス耐性を付与しないこともまた示唆されている (Nwaka et al.[1994]FEBS Letters 344,225-228;Van Dijk et al[1995]Ap plied Environ.Microbiol.61,109-115)。 高濃度のトレハロースは、長期の渇水および熱暴露でも生存できるシダ植物の ようないわゆる復活植物に発生する(Avigad[1982]Encyclopedia of Plant R esearch(New Series)13A,pp217-347でレビュー)。しかしながら、維管束植物の 大半がトレハロースを合成できない。このような植物は、しばしばグルシンベタ イン、プロリンおよび種々のポリオールを含む他の“適合性”溶解物を、利用可 能な細胞内水の減少によりもたらされるようなストレスに反応して合成できる( McCue&Hanson[1990]Trends in Biotechnology 8,358-362)。 被子植物におけるトレハロースについてはほとんど報告がなく、通常、微生物 汚染を反映しているかもしれない少量と記載されている(例えば、Kandler&Se nse[1965]Z.Pflanzenphysiol.53,157-161;Oesch&Meier[1967]Phytoch emistry 6,1147-1148)。実際、トレハロースは、多くの植物組織に対して(Vel uthambi et al.[1981]Plant Physiol.68,1369-1374)、特にトレハラーゼ活 性がないかほんの僅かであるものに対して(トレハラーゼはトレハロースをグル コースに変える酵素である)毒性であると示唆されている。しかしながら、少な くとも一つの被子植物、ミロサムナス・フラベリフォリア(Myrothamnus flabel lifolia)(他の“復活”植物)において、明白な量のトレハロースが蓄積され(Bi anchi et al.[1993]Physiologia Plantarum 87,223-226)、トレハロースと被 子植物の間に適合性の障害が完全にないことを示す。 ほとんどの被子植物におけるトレハロースの非存在および報告された毒性は、 トレハロース合成経路のこれらの植物への挿入は、ある場合、有毒な作用をもた らすかも知れないことをある程度示唆している。一方、植物における充分なトレ ハロースの産生は、実質的な利点になり得る。例えば、サトウダイコン、ジャガ 芋、玉ねぎ等の貯蔵器官に蓄積されたトレハロースは、商業的に抽出されて、あ る使用においてスクロースと同等の費用でトレハロースを提供する。これらの使 用は、経済的に魅力的な乾燥処理において、トレハロースが多くの食品の香りお よび具合を保存するため、およびこの点でスクロースより優れているため、乾燥 食品(牛乳および卵粉末、スープ、果実ピューレ等)の産生を含む(例えば、Rose r[1991]Trends in Food Science&Technology,7月発行、pp.166-169:Ro して、トレハロースの非甘味は多くの場合(スープ、卵粉末)、更なる利点であり 、実際健康に有害と理解されているフルクトースを産生しない。しかしながら、 トレハロースが高価なため、乾燥食品産業での使用は法外に高くつく。第2に、 ある植物の可食部分におけるトレハロースの産生は、トマトのような生産物の貯 蔵寿命を延長し得る。第3に、感受性組織でのトレハロースの蓄積は、霜、渇水 、高塩分および類似のストレスに対する植物の耐性を増加し得る。発明の要約 上記の記載を基にして、新規なトレハロース産生能力を有する植物の提供が本 発明の目的である。特に、植物生育におけるトレハロースの有害な可能性を減少 しながら、トレハロースの商業的原料としての植物組織におけるトレハロースの 制御された蓄積またはストレス耐性もしくは両方を提供するのが本発明の目的で ある。 本発明は、増加したトレハロース含量のトランスジェニック植物を産生するた めの好適な植物プロモーターでの制御下のトレハロース合成のための構造遺伝子 で、興味の対象の植物を形質転換するという考えに基づいている。特に、本発明 の、トレハロース6−ホスフェートまたはトレハロース自体を産生する酵素のポ リペプチドをコードする1個またはそれ以上の遺伝子のコード配列は、特定の種 類の植物プロモーターの制御下に植物内で発現される。 従って、興味の対象の植物を、遺伝子の完全な発現が、成熟植物のみに、また は特異な環境条件に遭遇した場合になされるように、少なくともトレハロース− 6−ホスフェート合成酵素(Tre6Pシンターゼ)の遺伝子のコード配列で形質転 換する。従って、プロモーターは、好ましくは非構造的であり、遺伝子の発現の 、時間的(例えば、昼間)、局所的(例えば、組織特異的)またはストレス−活性化 (または“ストレス−誘発”)制御が可能であるように選択する。植物はまた、ト レハロース−6−ホスファターゼ(Tre6Pase)コード遺伝子またはTre6Pシ ンターゼまたはTre6Paseもしくは両方と相互作用する調節ポリペプチド1個 またはそれ以上で形質転換し得る。 植物の形質転換は、形質転換アグロバクター・ツメファシエンス(Agrobacter tumefaciens)での感染、およびマイクロインジェクション、エレクトロポレーシ ョン、粒子衝撃および直接DNA取り込みによるによる外来DNAの直接挿入を 含む、当分野で利用可能な方法で行い得る。構造遺伝子は、好ましくは、それぞ れ56kDa Tre6Pシンターゼ、102kDa Tre6Paseおよび123kDa 酵母トレハロースシンターゼ制御サブユニットをコードする酵母遺伝子TPS1 、TPS2およびTSL1を含む群から選択する。 興味の対象の植物をトレハロース合成のための構造遺伝子、特にTre6Pシン ターゼで上記のように形質転換し、遺伝子の発現において時間的、局所的または ストレス誘発的な制御が可能なように好適なプロモーターの制御下でこれらの遺 伝子を発現させる工程を含む、増加したトレハロース含量のトランスジェニック 植物を産生する方法を提供するのが本発明の別の目的である。 −トランスジェニック植物を産生するために、Tre6Pシンターゼの少なくと も一つの構造遺伝子で植物を形質転換する、 −植物中のトレハロース合成発現を誘発する条件下でトランスジェニック植物 を栽培する、および −植物の組織からトレハロースを抽出する 工程を含む、トレハロースの産生が本発明の第3の目的である。 本発明の第4の目的は、渇水、高塩分、極端な温度および他のストレスのよう な逆境に対して植物を保護する方法の提供であり、該方法は、少なくとも、遺伝 子の完全な発現が植物が逆境になるまでおきないような植物プロモーターと好適 に融合したトレハロース−6−ホスフェートシンターゼの遺伝子のコード配列で 植物を形質転換することを含む。植物は、所望により、トレハロース−6−ホス フファターゼおよびトレハロース−6−ホスフェートシンターゼまたはトレハロ ース−6−ホスファターゼもしくは両方と相互作用する制御タンパク質をコード する1個またはそれ以上の遺伝子と共形質転換し得る。例えば、本発明は、遺伝 子の完全な発現が、植物が低温に遭遇するまでおきないように植物プロモーター と好適に融合したトレハロース−6−ホスフェート遺伝子で形質転換することを 含む、開花に対する霜害からベリー類または他の果実がなっている植物を守る方 法を提供する。 本発明の第5の目的は、非形質転換植物でなされるような徹底的および高度な 世話を必要としない形質転換観賞用植物の提供であり、本方法は、植物がそのあ る組織内にトレハロースを含むように植物プロモーターと好適に融合したトレハ ロース−6−ホスフェートシンターゼの遺伝子で形質転換することを含む。図面の簡単な説明 図1は、Tre6PシンターゼサブユニットをコードするTPS1酵母遺伝子に 融合したアラビドプシス・サリアナ・ルビスコ(A.thaliana Rubico)小サブユ ニットプロモーター(pats1A)およびアグロバクテリウム・ツメファシエンのノパ リンシンターゼ遺伝子(nos)由来の転写停止シグナルを含むキメラ遺伝子構築物 の模式図を記載する。キメラ遺伝子とプラスミドpKOH51の部分のみ示す。キメラ 遺伝子構築物の独特な制限酵素開裂部位を示す。 図2は、矢印で記した56kDa TPS1生産物を示すトランスジェニックタバコ 植物のウェスタン・ブロット分析の結果を示す。タンパク質は、図1に示す構築 物(ライン1、3、4、5、6、8、10、12、15、16および19)または 同じベクター内のβ−グルコニダーゼ遺伝子(UIDA)と融合したカリフラワー ・モザイウクウィルス35Sプロモーターでのキメラ遺伝子(GUS)または非形 質転換タバコ植物(SR1)から抽出した。 図3は、トレハロースのクロマトグラフィー同定を示す。タバコ葉の水抽出物 のサンプル(20μl)を一般的材料および方法に記載のようにHPLCで分析し た。抽出物AおよびBは、トレハロース処理(A)前および(B)後の温室栽培形質 転換体19生重量192mg ml-1を含んだ。抽出物CおよびDは、両方とも滅菌 条件下で成育させた(C)形質転換体4または(D)TPS1遺伝子を欠くプラスミ ドpDE1001で形質転換した対照植物からの葉149mg ml-1を含んだ。トレハロ ースピークをTで示す。約25分の二つの大きなピーク(ピーク7および8)はグ ルコースおよびスクロースである。 図4 ats1-TPS1形質転換ライン4を分析したTPS1−サブユニットの組織 局在を示すタンパク質免疫ブロットである。野生型タバコ(SR1)の葉を陰性対 照としておよび酵母(TPS1)から精製したTre6Pシンターゼサブユニット0 .1μgを陽性対照として使用した。同じ組織のトレハロース含量を免疫ブロッ トの上にmg/g乾燥重量で示す。nt、試験せず。以下の略語を使用する:FT はつぼみ、ULは上部の葉、MLは真ん中の葉、LLは下の葉、USは上部幹、 Rは根およびECは酵素対照。 図5 トレハロース産生植物における促進された渇水耐性。in vitro繁殖植物 の6から8週令の同じ発育段階の別の葉を空気乾燥にさらした(25%RH)。( A)示唆した時間に葉を秤量し、結果を各時点の葉の相対的生重量として表す。 各葉の乾燥重量は葉を+60℃で48時間乾燥した後に得た。野生型対照タバコ をSR1で示し、トレハロース産生トランスジェニックライン1、4および8を その各ライン番号で示す。(B)ストレス処置の間の選択した時にトランスジェニ ックライン4および対照植物から得た別の葉の見かけ。 図6 対照およびトレハロース産生タバコ植物の渇水生存。(A)6から8週令in vitro繁殖全植物を空気乾燥(D)に示唆した時間暴露した。ストレス処理17時 間後、非形質転換対照植物(SR1)およびトレハロース産生トランスジェニック 植物ライン4および8をそれぞれ水中に入れることにより再給水(R)した。(B) トランスジェニックライン8および、非形質転換(SR1)およびベクター形質転 換(C)対照植物の両方の3週令の苗木を空気乾燥(D)に示唆した時間暴露した。 続いて苗木を7時間後水中に入れることにより再給水(R)した。 図7 第1ヘパリン−セパロースカラムから溶出したミコバクテリウム・スメグ マティス(M.smegmatis)Tre6Pシンターゼ含有フラクションのSDS−PA GE分析。レーン1から4はそれぞれH33(7.0mU)、H35(20mU)、H 36(21mU)およびH37(12mU)のサンプルを含む(表3)。8%アクリルア ミドでのSDS−PAGE後、ゲルをクマーシー・ブリリアント・ブルーで染色 した。レーン5の分子量標準のサイズはkDaで示す。55kDa Tre6Pシンタ ーゼポリペプチドの位置を矢印で示す。 図8 第2ヘパリン−セパロースカラムから溶出したミコバクテリウム・スメグ マティスTre6PシンターゼのピークフラクションのSDS−PAGE分析。フ ラクションT21(表3)をCentricon10管で濃縮し、次いでその半量の3倍濃 縮SDS−PAGEサンプル緩衝液と混合した。全濃度は6倍であった。Tre6 Pシンターゼの(レーン1)2.9mUおよび(レーン3)8.7mUを含むサンプルを 8%アクリルアミドのSDS−PAGEに付し、クマーシー・ブリリアント・ブ ルーで染色した。レーン2の分子量標準は、上から下に109、84、47、3 3、24および16kDaである。 図9 ミコバクテリウム・スメグマティスから精製したTre6Pシンターゼのウ ェスタン分析である。8%アクリルアミドゲルを染色前分子量マーカー(レーン 1:200、117、80および47kDa;レーン10:唯一の可視マーカーは 84kDa)、フラクションT21(表3)由来の純粋Tre6Pシンターゼ(レーン7 および8:2.9mU;レーン3、4および9:8.7mU)およびG100セフェ アデックス由来の貯蔵活性フラクション(表3)(レーン6:全タンパク質7.8μ g;レーン2および5:全タンパク質23μg)と流した。電気泳動およびニトロ セルロースへのブロッティング後、ニトロセルロース膜をレーン3と4および7 と8の間で切断した。レーン1から3をクマーシー・ブリリアント・ブルーで染 色し、レーン4から7を酵母由来の精製56kDaTre6Pシンターゼサブユニッ トに対して発生した抗−57血清とプローブし、レーン8から10を前免疫血清 とプローブした。免疫反応性バンドを、Promega由来のヤギ抗ウサギIgGアル カリホスファターゼ接合体を使用して、産生者の指示に従って、両方とも発色時 間は2.8分で可視化した。レーン4から7を横切る斜線は、ニトロセルロース への転移中の突発的な膜の折り目である。 図10 アラビドプシス・サリナ(Arabidopsis thalina)の8種のトランスジェ ニックラインのウェスタン分析。一次形質転換体の種子から成育した植物を抽出 し、本質的に図2で述べたように酵母由来の精製56kDaTre6Pシンターゼサ ブユニットに対して発生した抗血清で分析した。酵母(0.1μg)から精製したT re6Pシンターゼサブユニットを陽性対照として使用した。非形質転換アラビド プシス・サリナはシグナルがなかった。発明の詳細な説明 以下の記載において、“構造的植物プロモーター”は、その関連するコード配 列の連続的および一般的発現の原因となり、その配列の生産物が植物の全ての細 胞および成育の全ての段階で見られる、植物プロモーターを意味する。対照的に 、非構造的プロモーターは、植物が生育および成熟するにつれて明確な組織を形 成するために細胞が分化することまたは植物環境の変化することのような特異的 な内部および外界の事象により活性化される。多くの種類の環境変化が、あるプ ロ モーターを活性化することが知られている。例は、実施例1−3に使用のats1 Aプロモーターのようなリブロース−1,5−ビホスフェートカルボキシラーゼ の小サブユニットの光誘発活性化(Krebbers et al.[1988]Plant Mol.Biol .11,745-759)並びにLTI78(Nordin et al.[1933]Plant Mol.Biol.2 1,641-653)およびRAB18(Lang&Plava[1992]Plant Mol.Biol.20,9 51-962)のようなプロモーターの種々のストレスによる活性化を含む。しかしな がら、我々の発明は非構造的プロモーターのこれらの例に限定されない。むしろ 、本発明の重要で新規な部分は、植物によるトレハロースの構造的合成が常に不 経済であり、ある場合有害であるという概念であり、そのため、本明細書に記載 のトレハロース産生の利点が非構造的プロモーターの使用により最も良く理解で きる。これらの非構造的プロモーターの手段により、トランスジェニック植物中 のトレハロースの生合成が時間的制御(即ち、ある時期にしか起こらない)、局所 的制御(即ち、植物のある部分に限定されている)または両方に付すことができる 。 本明細書で使用の植物器官の名前は、一般に通常の青果商および消費者が使用 しているものである。従って、例えば、“果実”は、種子を含むこれらの貯蔵組 織は厳密な植物学的意味からはそれ自体果実ではないが、食べるために売られて いるリンゴまたはイチゴ植物を含む。 維管束植物の大半がトレハロース合成能を欠くようであることは既に述べられ ており、従って“トレハロース産生”植物は、量的定義を要しない。しかしなが ら、ある普通の植物(いわゆる復活植物以外)がストレス中にトレハロースを産生 し得ることは、研究されていないように思える。本願発明は、トレハロース合成 のための異種能力を挿入するための植物の遺伝子工学に関する(本明細書におい て、トレハロース合成を“新規”能力とまた呼ぶ)。同様の条件下で成育させた 非形質転換植物と比較して、必要とされるトレハロースの増加は、ストレス耐性 の有用な改善をもたらすか、または商業的使用のために植物から有利に抽出でき るようになることのいずれかである。 多くの微生物は、トレハロース−6−ホスフェート(Tre6P)を産生する酵素 系を含有し、それをトレハロースに加水分解する。例えば、サッカロマイセス・ セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)は、56、102および123kDa サブユニットを含むトレハロースシンターゼ複合体を含有し(Londesborough& Vuorio[1993]Eur.J.Biochem.216,841-848)、それらはウリジンジホスホ グルコース(UDPG)およびグルコース−6−ホスフェート(Glc6P)を最初にTr e6Pに(Tre6P合成反応)、次いで遊離トレハロースに縮合する(Tre6Pase 反応)。Tre6PシンターゼおよびTre6Pase活性は、それぞれ56および10 2kDaサブユニットに帰し、123kDaサブユニットは錯体上で制御的特性を付 与し、それを安定するように思える。カンジダ・ユティリス(Candida utilis)( Soler et al[1989]FEMS Micobiol.Letters 61,273-278)、エシェリキア・ コリ(E.coli)(Glaever et al[1988]J.Bacteriol.170,2841-2849),ディ クチオステリウム・ジスコイデウム(Dictyostelium discoideum)(Killick[197 9]Arch.Biochem.Biophys.196,121-133)およびミクオバクテリウム・スメ グマティス(Lapp et al[1971]J.Biol.Chem.246,4567-4579)を含む他の 微生物系は、後の二つはUDPGの代わりにアデニンジホスホグルコース(AD PG)を使用できる。これらの微生物酵素系のサブユニット構造についてほとん ど情報がない。線虫類、昆虫および復活植物を含むトレハロースを産生する多細 胞生物は、Tre6PシンターゼおよびTre6Pase活性の酵素を含むとまた考え られ得る。 原則として、これらのTre6Pシンターゼの植物への伝達は、植物にTre6P を合成する新規能力を与える。タバコのような植物がTre6Pをトレハロースに 変換する内在能力を有することが記載されており、驚くべきことに、例えば、タ バコのTre6Pシンターゼ単独での形質転換が、トレハロースそれ自体の有効な 産生を導く。しかしながら、Tre6Pのトレハロースへの内因性転換は遅いかま たは欠けているときは、好適な源からのTre6Paseでまた形質転換し得る。Tr e6PシンターゼおよびTre6Paseがトレハロース合成のサブユニットである酵 母酵素のような系で、天然酵素複合体が形成できるように、植物を同じ源由来の Tre6PシンターゼおよびTre6Paseの遺伝子で共形質転換するのが好ましい 。酵素の源が何であれ、トランスジェニック植物中で形成されたトレハロースを 、 次いで、抽出でき、またはあるストレスに対して増加した耐性を付与し得る。あ る酵母遺伝子でこの方法で形質転換した植物中でのトレハロースの産生は、既に 記載されている(PCT/FI93/00049)。 しかしながら、ある場合(例えば、ストレスにさらされた場合または成熟植物 中)およびある組織(例えば、貯蔵器官、または、好適な時期の霜感受性組織)の トレハロースの蓄積は植物にとって有益であり、または少なくとも害がないと考 えれるが、他の時期または他の組織におけるトレハロースの蓄積が植物に有害で あり得る明白な可能性がある(Veluthambi et al.[1971]前掲)。従って、植物が 成熟するかまたは、渇水および低温を含む環境条件に遭遇するまで、植物へのト レハロースの利点がその不利益より勝るまでは、トレハロース合成の原因となる 遺伝子の完全な発現を行わない、植物プロモーター(植物プロモーターは、コー ド配列の転写を促進する遺伝子の一部である)の使用が有利である。 RUBISCOの小サブユニットの光誘発発現を動かすリブロース−1,5−ビスホス フェートカルボキシラーゼ(Rubiscoプロモーター)(Krebbers et al.[1988]Pl ant Mol.Biol.11,745-759)を含む、このような非構造的植物プロモーター の幾つかの例が、当業者に既知である。 Rubisco小サブユニットのats1プロモーターに正確に融合した酵母TPS1遺 伝子のコード配列(解放読み取り枠、ORF)で形質転換したタバコおよびアラビ ドプシス植物を開示する。TPS1は酵母トレハロースシンターゼの56kDaを コードする。形質転換植物は健康であり、繁殖力があり、その葉にトレハロース を含む。非形質転換タバコまたはTPS1遺伝子を欠く同様のベクターで形質転 換したタバコはトレハロースを含まない。開示のトランスジェニック植物は、形 質転換の媒体にアグロバクター・ツメファシエンスを使用して得たが、マイクロ インジェクション、エレクトロポレーションまたは粒子衝撃を含むDNAの直接 挿入を含む当分野で実行可能な方法を利用し得る(Gasser&Fraley[1989]Scie nce 244,1293)。 これらの形質転換タバコ植物の一つ(形質転換体4)はTre6Pシンターゼ活性 を含むことが示される。遊離56kDaサブユニットは、酵母の無傷トレハロース シンターゼ錯体から単離した場合、不安定であることが知られている(Londesbo rough&Vuorio[1993]前掲)。方法は、同業者が、植物プロモーター、例えばats 1Aプロモーターまたは構造的であり得る他の簡便なプロモーターの制御下に、 TPS1遺伝子および他の酵母トレハロースシンターゼ遺伝子(TPS2および TSL1)の一つまたは両方で植物を共形質転換できるように記載されている。 このような共形質転換は、TPS2およびTSL1がコードするサブユニットが 56kDaサブユニットを安定化するため、TPS1のみを含有する植物と比較して 、植物のトレハロース含量を増加し得る。 誘導可能プロモーターで制御されたTre6Pシンターゼ遺伝子を、構造的プロ モーターで制御されたTre6Paseまたは制御タンパク質の1個またはそれ以上 の遺伝子と共に共形質転換した植物において、トレハロース産生は、Tre6Pシ ンターゼがトレハロース生合成の最初の独特な工程を触媒するため、誘導可能プ ロモーターで制御される。 トレハロース産生形質転換タバコ植物は、促進された渇水耐性を示すことを明 らかにする。これは、切り取った葉および全植物体の両方の実験で示される。改 善された渇水耐性は、形質転換体の自己授粉子孫の成熟植物および若い苗木で示 される。これらの子孫において、渇水耐性は、子孫の緑色組織中の52kDaシン ターゼサブユニットの存在により明らかであるTPS1+特性と共遺伝する。 開示のトランスジェニック植物の水ストレス耐性は、細胞内容物の浸透圧緩衝 化を提供するには、組織内で見られるトレハロースの量が少なすぎるように思え るため、驚きである。恐らく、トレハロースは、膜のような特殊な部位を保護す るように働くか、または恐らくトレハロースまたはその前駆体であるPre6Pが 植物代謝を乱し、細胞をストレスから防御する二次的な変化をもたらす。 キメラTPS1遺伝子を含む一次形質転換体において、ほとんど、またトレハ ロースを産生する子孫では見られない、槍形葉、減少した頂点優勢および減少し た高さのような僅かな形態的変化が見られることを記載する。これらの変化は、 主に組織培養による人工品に現れる。しかしながら、自己授粉子孫を含むトレハ ロース産生タバコ植物は、生育が遅く、最適条件下で8週間成育させた後、対照 植物より1から2週間の遅れがあることを明らかにする。これは、植物中でのト レハロースの合成が、ats1Aプロモーターの制御下でさえ、成育を遅らせ得るこ とを示唆する。従って、LT178(Nordin et al[1993]Plant Mol.Biol.21,641-65 3)のようなストレス誘発プロモーターが、正常成育速度を維持するために更に有 利に使用し得、および実施例5に記載のように、ストレス下でトレハロース誘発 防御を提供するが、非ストレス条件下で産生する。 これらのトランスジェニック植物は、Tre6PaseをコードするTPS遺伝子 ではなく、Tre6Pシンターゼをコードする酵母TPS1遺伝子でのみ形質転換 しているが、トレハロースを合成する。従って、ある植物は、Tre6Pをトレハ ロースに変換する内在性能力を有する。ある場合、Tre6PaseをコードするT PS2のような遺伝子と共にまた植物を共転換するのが有利であり得、Tre6P のトレハロースへの変換速度を増加する。更に、同様の結果が、酵母以外の微生 物由来のTre6Pシンターゼ(およびTre6Pase)の遺伝子で得られ得ることが 明白である。これらの遺伝子の多くがTPS1(およびTPS2)に相同であり、 酵母系の酵素および遺伝子由来の免疫学的またはオリゴヌクレオチドプローブを 使用して容易にクローン化し得る。例えば、ミコバクテリウム・スメグマティス 由来のTre6Pシンターゼは、酵母トレハロースシンターゼの精製56kDa Tre 6Pシンターゼサブユニットに対して発生した抗血清と交差反応する約55kDa ポリペプチドであることを開示する。ミコバクテリウム・スメグマティス酵素由 来のトリプティック(tryptic)ペプチドが開示され、酵母酵素との緊密配列相同 性が明らかである。当業者は、Tre6PシンターゼおよびTre6Pase遺伝子を 、これらの試みを使用して多くの生物から容易にクローンできる。我々の発明は 、好適な生物から得、好適な植物プロモーターに融合したTre6Pシンターゼお よびTre6Paseの遺伝子での植物の形質転換を含む。 トレハロースシンターゼの1個またはそれ以上の遺伝子での形質転換の結果ト レハロースを含む植物は、幾つかの方法に使用できる。例えば、トレハロースが 商業的規模で植物から抽出できる。このようなトレハロースは、乾燥中の植物の 香りおよび具合の保持を含む大量使用なし得るほど安い。この使用において、ト レハロースは、好ましくはジャガ芋の塊茎、サトウダイコンまたはカブの根ある いは玉ねぎの球根のような貯蔵器官に蓄積する。方法は、これらの例および多く の他の農作物(Lindsey[1992]J.Biotechnol.26,1-28)の形質転換について 記載されているが、我々の発明は分子生物学者に頻繁にモデルとして使用されて いる植物に限定されない。モデル植物について開発された方法は、当業者は他の 植物に適用できる。従って、本発明は、例えば、形質転換サトウキビの幹または 葉もしくはバナナの果実において、また実行される。特異的に貯蔵器官での発現 をもたらす植物プロモーターは当業者に既知である(例えば、パタティンプロモ ーター)。本発明の一つの態様において、TPS1のようなTre6Pシンターゼ の遺伝子のコード配列は、このようなプロモーターに、TPS1コード配列がat s1Aプロモーターに融合したのと同じ方法でこのようなプロモーターに融合し 、好適な植物をこれらのDNA構築物で形質転換する。次いで、貯蔵器官に蓄積 されたトレハロースを抽出し得る。 本発明の他の態様において、植物組織に蓄積されたトレハロースは、収穫後の 貯蔵特性を改善し得る。従って、形質転換タバコの切り取った葉は、非形質転換 タバコと比較してゆっくり水分を失い、水分を失った後でさえ、変色しない(図 5)。この態様は、可食植物および観賞植物の両方に適用可能である。可食植物 に関して、収穫後に起こる種々の種類のレタス商品のしなびることおよび変色が 、特に小売店において重大な経済的負担である。最終費用は消費者の負担となる 。トレハロース産生レタスは、安くてより魅力的なレタスを提供する。同様の考 えが、食用植物、特にキャベッツ、ブロッコリー、ホウレンソウ、イノンドまた はパセリのような葉生産物およびエンドウ豆およびベニバナインゲンのような緑 色野菜に適用される。バラ、チューリップ、ラッパズイセンのような多くの観賞 植物は、切った後に輸送される。高価な輸送(冷蔵、空輸)でさえ、多くの浪費が 起こる。再び、費用は消費者が負担するが、この消費者に、水分含量を良好に維 持し、乾燥への感受性が低いトレハロース産生観賞植物により、安くてより快適 な生産物が提供されることになる。本願発明のこの態様において、Tre6Pシン ターゼ遺伝子を、トレハロースが植物の収穫すべき部位に蓄積するように選択し た 植物プロモーターと融合する。例えば、ats1Aプロモーターは、タバコの葉、 茎上部およびつぼみでのTre6Pの発現をもたらし、トレハロースはこれらの部 位に蓄積する。しかしながら、発明者は、タバコのような植物が、トレハロース をその合成部位からトレハロースを合成しない組織に輸送することを明らかにす る。従って、非構造的ats1Aプロモーターが根でのTre6Pシンターゼの発現 をもたらさないが、少量のトレハロースが、これらのトランスジェニックタバコ 植物の根にも見られた。 本発明の関連の態様において、トマト、ベリーおよび他の果実のような、形質 転換植物のトレハロース含有可食部位は、またそのトレハロース含量のために新 鮮で豊かな香りを有するピューレ、ペースト、ゼリーおよびジャムを産生するた めに処理される。このような植物へのトレハロースの添加は、特に処理が乾燥工 程を含む場合、その香りの保持を改善することが示されている(WO89/00012)。本 願発明は、トレハロースを既に含む植物を提供することにより、トレハロース添 加の必要性を回避する。標的植物の貯蔵器官でのトレハロース合成を主に指示す るパタティンプロモーターのようなプロモーターの使用が、本発明の本態様で有 利であり得る。 トレハロース産生形質転換タバコが増加した渇水耐性を有することが開示され る。一般に、トレハロース含有形質転換植物は、渇水、霜、高塩分および他のス トレスに、非形質転換植物よりもより耐性であり得る。従って、渇水、霜および 浸透ストレスは、全て植物を主に細胞内水を取り除くことにより苦しめ、膜およ びタンパク質の障害の原因となり、それをトレハロースがin vitroで軽減するこ とが知られている(Crowe et al[1992]Annu.Rev.Physiol.54,579)。本発明のこ の態様において、使用する植物プロモーターは、ストレスにより誘発されるもの である。このようなプロモーターは、当分野で既知であり、例えばLT178( Nordin et al.[1993]Plant Mol.Biol.21,641-653)およびRAB18(La ng&Palva[1992]Plant Mol.Biol.20,951-962)である。これは、トレハロ ース合成を必要になるまで阻止する。トレハロースを含むが、よく成育する植物 について、本発明のこの態様は、ストレス誘発プロモーターの手段なしに達成で き る。しかしながら、必要になるまでトレハロース産生を阻止するストレス誘発プ ロモーターの使用は、そうでなければ光合成能力のトレハロース合成への転換を もたらす産生の不利益を避け、pats1A−TPS1キメラ含有タバコで明らかよ うな成育の起こり得る遅延を避けるのに更に有利である。この態様は、食用植物 だけでなく、庭または室内装飾を意図する観賞植物にも適用される。形質転換ス トレス耐性観賞植物は、対応する非形質転換植物よりも集中および専門的扱いが 必要でない。少なくとも一次形質転換体に見られるあるトレハロース産生植物に おける生育遅延および僅かな形態学的変化は、観賞植物で不利ではないことがあ る:成育遅延および新しい外観は、特に室内装飾について魅力的特性となること ができる。 本発明の更に別の態様において、Tre6Pシンターゼは、特異的事象または条 件設定(例えば、寒冷または渇水ストレス)により活性化する植物プロモーター( 例えば、LTI78またはRAB18)と好適に融合し、商業的に抽出可能な量 のトレハロースの植物中への蓄積が、収穫直前に成熟植物で起こるように引金を 引くことができ、ある植物の発育初期のトレハロースの有害作用を避ける。 上記の記載を基に、本発明のトランスジェニック植物は、トウモロコシ、オー ト麦、キビ、小麦、米、大麦、モロコシ、アマランス、玉ねぎ、アスパラガスま たはサトウキビのような単子葉植物またはアルファルファ、大豆、ペチュニア、 綿、サトウダイコン、ヒマワリ、ニンジン、セロリ、キャベツ、キュウリ、胡椒 、トマト、ジャガ芋、レンズ豆、アマ、ブロッコリー、タバコ、豆、レタス、ア ブラナ、コラード、カリフラワー、ホウレンソウ、芽キャベツ、アーティチョー ク、エンドウ豆、オクラ、カボチャ、ケール、紅茶またはコーヒーのような双子 葉植物であることができる。 酵母遺伝子TPS1およびその生産物がタバコの生化学的組織と適合性がある ことが開示される:遺伝子は、高度に発現され、56kDaサブユニットがトレハ ロースの発現をもたらした。しかしながら、当分野で、植物遺伝子が、例えば、 微生物遺伝子と比較して低いA+T割合をしばしば有することが知られており、 植物中の異種遺伝子の発現レベルがコドン使用を、特にコード配列の開始点付近 を、植物で見られるもののように変えることにより増加できる(Perlak et al.[1 991]88,3324-3328)。我々は、遺伝子のこれらおよび同様の修飾が本願発明で有 用であり得ることを予想する。 自然変異が遺伝子で起きることもまたよく知られている。DNA配列のこれら および人工変化が、コードポリペプチドのアミノ配列を変化し得る。本明細書で の使用において、TPS1(またはTPS2またはTSL1)は、酵母トレハロー スシンターゼの56kDa(または102kDaまたは123kDa)サブユニットの所 望の機能または構造特性のポリペプチドをコードするTPS1(またはTPS2 またはTSL1)と相同の全てのDNA配列を含む。同様に、“Tre6Pシンタ ーゼ(またはTre6Paseまたは制御ポリペプチド)の遺伝子”は、天然生物から 容易に単離し得るこのような遺伝子(例えば、TPS1またはTPS2またはT SL1の既知の遺伝子から設計されたヌクレオチドプローブを使用して)だけで なく、本来単離された遺伝子によりコードされるポリペプチドの所望の機能また は構造特性のポリペプチドをコードする天然および人工変異も含む。実施例 一般的材料および方法 材料 使用した植物はNicotiana tabacum cv.SR1およびArabidopsis thalian a L.Heyng.ecotype C-24であった。 トレハロースシンターゼの56kDa Tre6Pシンターゼサブユニットをコー ドする酵母遺伝子TPS1(以前はTSS1と呼ばれていた)、トレハロースシン ターゼの123kDa制御サブユニットをコードする酵母遺伝子TPL1は、Vuo rio et al.([1993]Eur.J.Biochem.216,849-861)記載のプラスミドpAL K752およびpALK754から得た。酵母遺伝子TPS2は、スイスのBot よびAndres Wiemken博士から得、プラスミドYCplac111のSacI部位にクロー ン化したTPS2遺伝子を含有した。本遺伝子(De Virgilio et al.[1993]Eu r.J.Biochem.212,315-323記載)は、Vuorio et al.(1993、前掲)の表1に 示すように、102kDa由来のアミノ酸配列をコードする。酵母トレハロースシ ンターゼ(抗TPS/P)および56kDaサブユニット(抗57K)に対して産生し た抗血清および一般的生化学物質は、Vuorio et al.(1993前掲)に記載の源由来 であった。小空胞トレハラーゼは、suc-gal-mel-mal-酵母株(ALKO2967)からLon desborough&Varimo([1984]Biochem.J.219,511-518)に記載のように部分 的に精製され、スクロース、マルトースまたはメリビオースを加水分解しなかっ た。DNA操作 全DNA操作は、確立された研究室方法にしたがって行った(Samb rook et al.[1989]Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spr ing Harbor,New York)。エシェリキア・コリ株DH5αおよびMC1061 をプラスミド産生に使用した。TPS1発現の制御に使用したプロモーターは、 Rubiscoの小サブユニットをコードする、アラビドプシス・サリアナのats1A 遺伝子由来であった(Krebbers et al[1988]前掲)。 キメラats1A−TPS1遺伝子を構築するために、転移ペプチドの配列を欠 く、ats1AプロモーターフラグメントをプラスミドpGSFR401からPCRで増幅 した。合成オリゴヌクレオチドプライマーを、増幅フラグメントの5'にEcoR I部位および3'末端にXbaI部位を産生するために使用した。PCR増幅生産 物を好適な制限酵素で消化し、続いてアガロースゲルで精製し、EcoRIおよび MluI消化pUC19プラスミドにライゲートした。酵母TPS1遺伝子を上記 のようにプラスミドpALK752から増幅した。得られたフラグメントは5'MluIお よび3'XbaI部位を含んだ。消化および精製後、フラグメントをpUC19のp ats1Aの後ろにライゲートした。プロモーター−TPS1構築物のフラグメン トをEcoRIおよびXbaIで切断し、次いでそのポリアデニル化信号およびT− DNA右端を含むT−DNA遺伝子G7の3'末端を含むプラスミド由来のpBl uescriptII SK+(Stratagene)に挿入した。最後に、完全キメラ遺伝子をEco RI−SacIフラグメントとして、キメラカナマイシン耐性遺伝子pNOS−N EO−3'OCSを選択マーカーとして含む植物形質転換ベクターpDE100 1(Denecke et al[1992]EMBO J.11,2345-2355)に挿入した。この得られたプ ラスミドpKOH51はキメラpats1A-TPS-1-3'G7遺伝子を含む。構築物は、形 質転換によりエシェリキア・コリ株DH5αにクローン化し、次いでエレクトロ ポレーション(Dower,Miller&Ragsdale[1988]Nucl.Acids Res.16,612 7-6145)により、非癌原性TiプラスミドpGV2260(Deblare et al[1995] Nucl.Acids Res.13,2777-2788)含有アグロバクテリウム・ツメファシエン ス(C58C1 rifR)に移入した。 他の構築物は同様の方法で産生した。植物の生育 無菌成育のため、ニコチアナ・タバクム(SR1)由来滅菌外植体を 2%シュークロース添加固体MS(Murashige&Skoog[1962]Physiol.Plant 15,473-497)培地(MS−2)を含むガラスジャーに植えた。これらのジャーを、 次いで、植物が22℃で16時間光時間で成育できる培養室中の制御成育条件下 に置いた。外植体を無菌物質の連続成育のために、新しいジャーおよびMS−2 培地に定常的に移した。温室植物を植木鉢中の土で成育させ、毎日水をやった。 形質転換アラビドプシス・サリアナ植物を最初、タバコについて上記のような制 御環境下でベビーフードシャーで無菌的に成育させたが、後に種産生のために音 質中の植木鉢の土壌に移植した。一次形質転換体の種は、新しい種子産生のため に土壌に直接蒔くか、分子分析のために表面滅菌し24ウェル組織培養プレート で無菌的に成育させるかいずれかであった。植物形質転換 タバコおよびアラビドプシス・サリアナの両方を、以下のプロト コールに従い、出発物質はタバコの切り取った葉およびアラビドプシス・サリア ナの根で、形質転換した。形質転換および組織培養は、基本的にValvekens et al([1988]Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85,5536-5540)の記載の通りで あり、以下の修飾をなした。単離根または葉を固化カルス誘発培地(CIM)で4 日間予備インキュベーションし、根を小さいセグメント(1−2mm)に切断し、葉 を大きな片(10−20mm)に切断し、液体CIM20mlに移した。3',5'−ジ メトキシ−4'−ヒドロキシアセトフェノン(0.2mg/l)をアグロバクテリウム (C56C1 rifR)感染前に添加した。感染に使用した細菌は、一晩、好適な抗生物質 を含むYEB培地(Vervliet et al[1975]J.Gen.Virol.26,33-48)で28 ℃で繁殖させ、遠心して回収した。細菌ペレットを10mM MgSO4に再懸濁 し、植物組織に加え、穏やかに約15分撹拌した。過剰な液体を流して捨て、根 を滅菌濾紙にブロットした。2日間、固体CIMで共培養後、植物組織を3−4 回液体CIMで濯いで細菌を洗い、選択的発芽誘発培地(SIM)に移した。7日 成育後、分化形態学的セクターの外植体を新鮮SIMに移した。ウェスタン分析のためのタンパク質抽出 生重量100−200mgの植物サンプ ルを、タンパク質抽出緩衝液(50mMトリス/HCl pH7.2、250mMス クロース、5mM EDTA、10mM MgCl2、1mM CaCl2、10mM β−メルカプトエタノール、1mM フェニルメチルスルホニルフロリド(PM SF)、30μM ペプスタチン、50μM ロイペプチンおよび15μM ア プロチニン)100μl含有1.5ml微小遠心管中のガラス棒で均質化した。不溶 性物質を2回の遠心(13,000g、10分)で除去した。上清のタンパク質濃 度をBradford([1976]Anal.Biochem.72,248-254)に従い、ウシアルブミン を標準として測定した。等量の可溶性タンパク質を免疫学的研究のためにSDS −PAGEにかけた。SDS−PAGEおよび免疫学的技術 タンパク質をSDS−PAGEで分離し た(Laemmli[1970]Nature 227,680-685)。タンパク質の検出のために、免疫ブ ロッティンを抗血清抗57(1/1000希釈)および抗ウサギアルカリホスファ ターゼ接合第2抗体で行った。ウェスタンブロッティングのために、タンパク質 をニトロセルロースフィルターに電気泳動で移し、5%酢酸中の0.5%Poncea u Redで染色し、サンプルの等量充填および移動の成功を確認した。続いてフィ ルターを5%脱脂粉乳で一晩ブロックし、標準法でプローブおよび染色した。Tre6Pシンターゼ検定 約500mgの凍結植物材料を秤量し、次いで乳鉢およ び乳棒で微粉末まで、固体CO2上で挽いた。粉末を1mM PMSFならびにペ プスタチンAおよびロイペプチンのいずれか10μg/ml含有1mM ベンズアミ ジン、2mM MgCl2、1mM EDTAおよび1mMジチオスレイトール含有 50mM HEPES/KOH、pH7.0(HBMED)0.7mlに移し、溶かし た。得られた均質物を17,000gで10分遠心し、上清をTre6Pシンター ゼについて、本質的にLapp et al.([1971]J.Biol.Chem.246,4567-4579) に従って検定した。サンプル(10μl)を、40mM HEPES/KOH、pH 7.0、10mg MgCl2、10mM グルコース6−ホスフェート、5mM フルクトース6−ホスフェート、5mM ウリジンジホスホグルコース(UDPG )および1mg/mlウシアルブミン含有反応混合物90μlに添加し、30℃で必要 な時間インキュベートした。トレハロースおよびトレハロース6−ホスフェート 以外の糖誘導体(形成されたスクロースを含む)を0.6M HCl50μlを添加 し、100℃で5分および次いで8%NaOH50μlおよび100℃で15分 の加熱により破壊した。次いで、残った炭水化物(即ち、トレハロースおよびト レハロース6−ホスフェート)をアンスロン検定(anthrone)(Trevelyan&Harri son[1956]Biochem.J.63,23-33)で測定した。トレハロース検定 約500mgの凍結植物材料を素早くガラス管に量り入れる。 熱い蒸留水(1ml)を添加し、混合物を20分沸騰させ、葉材料を平ガラス棒で時 折破壊する。液相をパスツールピペットで回収し、固体を水0.5mlで再抽出し た。合わせた液相を遠心して透明にした。合わせた固体残渣を一定重量になるま で107℃で乾燥させた(葉の乾燥重量は、生重量の平均5.1%である)。上清 を、Dionexパルス電気化学検出器付きDionex DX-300液体クロマトグラフィー( PED−2)を使用して分析した。サンプル(20μl:3つずつ)をCarbopac PA -1(4×50mm)プレカラムを経由してCarbopac PA-1(4×250mm)カラムに 注入し、水で1ml/分で溶出した。溶出物をポストカラム試薬(0.6ml/分の0 .3M NaOH)と混合した。トレハロースは、約20分に溶出するグルコース およびスクロースピークより十分前の約3分に溶出した。実施例1.ats1Aプロモーター下、酵母TPS1遺伝子で形質転換したタバコ 植物によるトレハロース生産 タバコ形質転換体および対照植物を滅菌インビトロ条件と温室の両方で生育さ せた。成熟形質転換体は、非形質転換対照またはベクターpDE1001(TP S1を欠く)で形質転換した対照と比較して、なんら明らかな表現型を持たなか った。葉を0900時間で集め、分析に先立ち凍結し、−70℃またはそれ以下 で貯蔵した。 試験した26種のカナマイシン耐性形質転換体のうち20種が、酵母トレハロ ースシンターゼの精製56kDa Tre6Pシンターゼサブユニットに対して生じ る抗血清でプローブした場合に予想サイズの、検出可能レベルの免疫反応性ポリ ペプチドを生産することが分かった。実施例は、図2に示している。表1は、葉 のトレハロース含量をまとめたものである。 これらの結果は、酵母TPS1遺伝子が、そのプロモーターをats1Aプロモ ーターで置き換えると、タバコ中で効果的に発現することを明らかにするもので ある。ウェスタンブロットで観察された特定のシグナルは、正確な分子量を有す る。最強のシグナル(例えば、インビトロで生育させた形質転換体4由来のもの) は、静止期の酵母から得られたシグナルよりも、ゲルに載せたタンパク質単位当 たりで、わずかに弱いだけであった。TPS1の発現は、葉組織中にトレハロー スが生じることに付随するものであり、そのHPLC挙動およびそれが高度に特 異的なトレハラーゼにより分解したという事実の両方によって同定した(図3も 参照)。様々な形質転換体が、理由はまだ確立されていないが、様々なレベルで TPS1産物を発現し、(形質転換体8の明らかな例外は除いて)葉中に見いださ れたトレハロース量は、ウェスタンにおける56kDaシグナルの強度とおおよそ 相互関係にあった(図2と表1を比較)。これらの形質転換体は、組換Tre6P アーゼをコードする遺伝子を持たなかったが、その植物がトレハロースよりもT re6Pをより多く蓄積するという証拠はなんら発見されなかった。明らかに、タ バコは、Tre6Pをトレハロースに変換する能力のあるホスファターゼを有し、 少なくともこの植物の場合、トレハロース合成経路を導入するのに必要な鍵とな る酵素はTre6Pシンターゼであること、および必ずしも最適ではないが、この 酵素単独の導入が適切であることを示している。 トランスジェニック系列4の56kDaTre6Pシンターゼサブユニットの組織 分布の測定は、このポリペプチドの実質的な総量は、植物の下部茎を除く全ての 緑色部分にあり得るが、根にはないことを示した。この分布は、ats1A遺伝子 発現の組織特異性によるものである(De Almeida等[1989]Mol.Gen.Genet.218, 78)。図4も、Tre6Pシンターゼを発現した組織もトレハロースを含有したこ とを示す。更に、より少ない量のトレハロースが根にも見られ、トランスジェニ ックタバコがトレハロースをその合成部位から他の組織へ移送することを示して いる。 この結果は、ats1Aプロモーター下でTPS1を発現し、日中、それらの緑 色組織にトレハロースを蓄積するタバコ植物は、外観上は自然で正常であること を明らかにしている。キメラTPS1遺伝子を含有する主要な形質転換体は、槍 型葉のような若干の形態学上の変化を有し、頂部優性を低減し、および高さを下 げた(図5および6参照)が、変化の殆どが、自家受粉TPS1−陽性後代には 示されず、これは依然トレハロースを生産した(図6参照)。従って、主たる形 質転換体における形態学上の変化は、トレハロース生産の結果というよりもむし ろ組織培養の人工産物であるようである。しかしながら、Tre6Pシンターゼサ ブユニットの高レベル生産およびトレハロースの存在は、トランスジェニック植 物の正常条件下での生育速度を非形質転換対照と比較して20ないし50%減少 せしめた。これらの見かけ上正常な表現型のトランスジェニック植物は、ある植 物に外来的にトレハロースを加えた場合に報告された毒性とは対照的である(Ve luthambi等[1981]上記引用)。これらの結果は、ats1Aプロモーターの 制御下のトレハロース植物内生産は、生育速度を若干減少させることもあるが、 タバコにとって毒性がないことを明らかにしている。渇水または寒冷を含む特定 の事象により誘発される誘導性プロモーターを用いて、必要なときにトレハロー スのみの生産を引き起こすことにより、生育速度の低減を最小化することができ る。タンパク質ベースで、表1における最良の形質転換体のトレハロース含量( 例えば、形質転換体4の場合16mg/gタンパク質)は、既に、酵母において 熱耐性の明確な向上が観察されるレベルの少なくとも20%である(De Virgili o等[1990]FEBS Letters 273,107-110)。 あるTPS1−形質転換体および対照をTre6Pシンターゼ活性について検定 した。表2に示した結果は、2回のゼロおよび15または30分アッセイの平均 ±最大範囲である。対照では、Tre6Pシンターゼ活性は、ゼロ分の場合と違わ なかった。形質転換体4では、酸およびアルカリ安定性炭水化物がUDPGおよ びGlc6Pの存在下で蓄積した。この蓄積は、Glc6Pを必要とするが、フルク トース6−ホスフェート(Fru6P;このヘキソースホスフェートは、酵母の天 然トレハロースシンターゼ複合体を活性化する)を必要とせず、UDPGをAD PGで置き換えると妨げられた(酵母から精製した酵素もADPGを使用できな い)。蓄積した炭水化物は、おそらくトレハロースか、またはTre6Pであると 思われ、なぜなら他の考えられる生成物は加水分解により破壊されているからで ある。HPLC分析により、それがトレハロースでないことが示された。従って 、これらのインビトロアッセイ条件下では、Tre6Pがトレハロースに変換され るよりも早く、形質転換体4の抽出物によりTre6Pが合成される。このことは 、葉におけるトレハロース合成の全体速度がTre6Pサブユニットをコードする TPS2での同時形質転換により増大し得ることを示している。 表2で用いた方法により見いだされた酵母抽出物のTre6Pシンターゼ活性は 、Londesborough & Vuorio([1991]J.Gen.Microbiol.137,323-330)に記載のよ うにUDPの出現を測定することにより見いだされたものと一致した。更に、タ バコ植物の抽出物の存在下で測定した酵母抽出物は、阻害されなかった。従って 、表2の対照植物に活性がないのは、タバコ抽出物に存在する何等かの要因によ る干渉が原因ではない。 形質転換体4で見られたTre6Pシンターゼ活性は、不安定であった。幾つか の抽出物では、活性は氷で数時間貯蔵中に消失した。しかしながら、ウェスタン 分析で見られた特定のバンドは、室温で24時間貯蔵した抽出物においてその元 の強度近くで依然存在した。従って、Tre6Pシンターゼサブユニットのコンホ ーメーションは、タバコ抽出物の貯蔵中に変化するようである。これらの結果は 、Tre6Pシンターゼ活性の増大がタバコをTPS1および酵母トレハロースシ ンターゼの1またはそれ以上の他のサブユニットで同時に形質転換し、それによ ってTre6Pシンターゼサブユニットのコンホーメーション安定性を増大するこ とによって達成されることを示している。実施例2.トランスジェニックArabidopsis thaliana ats1Aプロモーター下、TPS1を含有するA.thaliana植物を上記のタバコ 形質転換体と同様の方法で構築した。これらの形質転換したArabidopsis植物も また外観上は自然かつ正常であり、受精種子を産生した。主たる形質転換体の種 子から生育した植物のウェスタン分析は、それらが酵母トレハロースシンターゼ の56kDaサブユニットを含有することを示した(図10)。これらの植物がそ の緑色組織中にトレハロースを蓄積するという予想は、明らかである。実施例3.トレハロース−生産タバコ植物の乾燥耐性 トランスジェニックタバコ中で生産されるトレハロースの量がそれらの渇水耐 性を高めるのに十分であるかどうかを測定するために、インビトロ増殖させた対 照およびトランスジェニック系列由来の分離葉を空気乾燥にかけた(相対湿度R H25%)(図5)。対照植物の分離葉が迅速に水分損失して、3時間のストレス 後に明らかな褐変兆候を示したのに対し、トレハロース生産植物の葉は、最初に 明らかな水分損失の低減を示したものの24時間まで緑色のままであった。従っ て、トレハロースの保護効果は、二重のようである:まず、トレハロースを合成 するトランスジェニック植物由来の分離葉は、初期に水分保持力を向上するよう であった。渇水処理を延長した後のみ、トレハロース生産植物と対照植物との相 異が無くなった。第2に、対照の葉は、老化および褐変の明らかな兆候を示した 。反対に、トレハロース含有植物由来の葉は、少なくとも24時間緑色のようで あり、渇水状態処理を(数日間)延長した場合に若干の褐変が生じた。トレハロ ー ス生産植物と対照植物とは同じ水分含量でさえ明らかな相異があった。従って、 トレハロースは、植物組織を脱水作用から保護するのと同様、水分損失速度を低 減するようである。褐変は、少なくとも部分的に、還元糖がポリペプチドの遊離 のアミノ基と反応して、アミノ酸が茶色を生じる、メイラード反応によるもので あり得る。トレハロースは非還元糖としてこの反応に関与せず、他の糖とタンパ ク質との反応を阻害しさえするのである(Roser & Colaco[1993]New Scientist 1873,24)。 摘出葉のトレハロースによる渇水損傷からの保護は、トレハロースが植物個体 のレベルでさえ同様の作用を有することを示した。トレハロースが無傷植物の渇 水耐性を高めるかどうかを評価するために、インビトロ増殖させた植物個体を空 気乾燥(RH30%、図6A)にさらした。3ないし4時間以内に、対照植物は 、膨圧を失い、しおれた。反対に、トレハロース生産トランスジェニック植物は 、空気乾燥を延長した後に膨圧損失の兆候を示しただけであった。17時間乾燥 処理の後、植物を再水和させ、植物の生存を詳細に記録した(図6A)。非形質 転換対照植物は、再水和を延長してもなんら回復が認められず、この処理に耐え なかった。反対に、トレハロース生産トランスジェニック系列は、明らかにしぼ んでおり、それらの組織水分の殆どを損失していた(残生鮮重量30%まで低下 )が、17時間の乾燥処理に耐えた。 高い渇水生存力は、若い苗においても示された(図6B)。トランスジェニッ ク系列由来の3週齢の苗を、非形質転換およびベクター形質転換対照苗と共に、 空気乾燥(RH50%)にさらすと、トレハロース生産植物と対照植物とでは渇 水耐性において明確な相異を示した。トランスジェニックトレハロース陽性系列 8は、対照植物と比較して、膨圧の損失遅延および脱水ストレスに対する生存力 の増大の両方を示した(図6B)。実施例4.Tre6Pシンターゼをコードする遺伝子およびTre6Pアーゼまたは 調節ポリペプチドをコードする1またはそれ以上の遺伝子での同時形質転換植物 によるトレハロース生産 当業者は、ats1Aプロモーターの制御下で酵母遺伝子TPS2およびTSL 1のコード配列を含有するベクターを調製でき、General Materials and Method sおよび実施例1に記載の方法により、タバコ、Arabidopsis、および他の植物を 形質転換するのにそれらを使用できる。TPS1および他の遺伝子、TPS2お よびTSL1の1つまたは両方で同時に形質転換させた植物は、個々の形質転換 体の交雑、第2の遺伝子での1の形質転換植物の更なる形質転換、または適切な プロモーターと連結した2または3の遺伝子;例えばTPS1を非構成性ats1 Aプロモーターに連結させて、トレハロース合成についての対照を提供できる、 および構成性プロモーターにより作動される他の遺伝子を含有するベクターでの 形質転換により、得ることができる。 酵母トレハロースシンターゼ複合体の2またはそれ以上のサブユニット、ただ し少なくとも1つは56kDaサブユニットである、に対する遺伝子の制御化発現 の結果、56kDaサブユニットが他のサブユニットの存在により安定化されるこ とから、植物の緑色組織におけるトレハロースの蓄積が増大されることが予想さ れる。更に、102kDaのTre6Pアーゼサブユニットの導入は、Tre6Pシン ターゼサブユニットの安定性が増大する場合に予想されるTre6Pの潜在的な蓄 積を低減するので、有益である。 この種の構築の場合、TPS1コード配列をその他のTre6Pシンターゼ構造 遺伝子のコード配列に置き換え、TPS2配列を他のTre6Pアーゼ配列に置き 換え、更にTSL1配列を、Tre6PシンターゼおよびTre6Pアーゼに調節特 性または安定性をTSL1産物が天然酵母トレハロースシンターゼの他のサブユ ニットにかかる特性を与えるのと同様の方法で与えるポリペプチドをコードする 他の遺伝子の配列に置き換えることができるのは明らかである。実施例5.ストレス誘導プロモーターの制御下、Tre6Pシンターゼの遺伝子で の植物の形質転換 LTI78(Nordin等[1993]Plant Mol.Biol.21,641-653)およびRAB1 8(Lang & Palva[1992]Plant Mol.Biol.20,951-962)などの植物プロモータ ーは、渇水および寒冷ストレスに応答して誘導されることが知られている。タバ コ、Arabidopsisおよび他の植物を、かかるストレス誘導プロモーターの制御下 、 TPS1などのTre6Pシンターゼ遺伝子のコード配列単独で、または簡便な植 物プロモーターの制御下、Tre6Pアーゼまたは調節ポリペプチドまたは両方の 遺伝子のコード配列、例えばTPS2およびTSL1と共に形質転換することに より、植物組織におけるトレハロースの蓄積を、これらのストレスに応答しての み生じさせることができる。利点は、トレハロースレベルがある植物のある組織 に対して有害な場合もあり、光合成能力の収量低下になることもあり、恐らく植 物生育を遅延させることにもなるが、(1)植物が偶然ストレスにさらされたと き(トレハロースによって与えられる、有害作用を克服する保護効果)または( 2)後に収穫した植物から抽出されるトレハロースの蓄積をもたらすために植物 に故意にストレスを与えたとき、のみにこのトレハロースが蓄積するということ である。実施例6.他のTre6Pシンターゼの精製、分析、およびクローニング トレハロースの他の代謝経路があり得る一方で、Cabib & Leloir(1958,上記 )に記載のように、主要合成経路がTre6Pを介することは明らかなようである 。この経路の鍵となる酵素は、上記に明らかにしたように、一旦Tre6Pが作ら れると、多くの細胞がそれを遊離のトレハロースへと脱リン酸化する能力を持つ こととなることから、Tre6Pシンターゼである。したがって、本発明の主要な 概念は、Tre6Pシンターゼ活性を標的植物へ導入することである。この活性が 何に由来するかはそれほど重要ではない。我々は、たまたま酵母トレハロースシ ンターゼ複合体のサブユニットであり、少なくとも2つの他のサブユニットを含 有する酵母の酵素を用いた。このような場合では、Tre6Pシンターゼサブユニ ットの最適活性のために、酵母由来の56kDa Tre6Pシンターゼサブユニッ トは、一見すればタバコ中で102および123kDaサブユニットなしでも効果 的に機能しているが、1またはそれ以上の他のサブユニットの存在を必要とし得 る場合もありうる。 広範囲の様々な有機体において同じ反応を触媒する酵素は、しばしば同族であ ることがよく知られており、そのため、一旦ファミリーの一員をクローンすれば 、他の構成員をクローニングするのは容易である。酵母Tre6Pシンターゼはク ロ ーンされた(Londesborough & Vuorio,[1992]USPA 07/836,021)ので、E.coli由 来のTre6Pシンターゼ、およびメタノバクテリウム・サーモオートトロフィカ ム(Methanobacterium thermoautotrophicum)由来のタンパク質を含む同族タン パク質のファミリーがあることが明らかになった(McDougall等、[1993]FEMS Mi crobiology Letters 107,25-30)。我々は、その他の有機体も同族Tre6Pシン ターゼを含有するかどうかを試験することに決めた。 Mycobacterium smegmatisは、ヘパリン活性化Tre6Pシンターゼを含有し、 これが部分的に精製されて、Elbeinのグループにより研究された(Liu等[1969]J .Biol.Chem.44,3728-3791;Lapp等[1971]J.Biol.Chem.246,4567-4579;Elbein & Mitchell[1975]Arch.Biochem.Biophys.168,369-377;Pan等[1978]Arch.B iochem.Biophys.186,392-400)。これらの研究者により精製された酵素は、Glc 6PおよびUDPGを基質として、最適ヘパリンの存在下、37℃で0.8U/m gタンパク質の比活性を有した(この酵素は、ヌクレオシドジホスホグルコース 誘導体のスペクトルを使用できる)。調製物は、SDS−PAGEで分子量約4 5および90kDaの2つのポリペプチドを含有した。我々は、プロテアーゼ阻害 因子および他のタンパク質保護試薬を、使用した緩衝液中に含ませ、非イオン性 洗剤、トリトンX−100の存在下での最終クロマトグラフィー工程を加えるこ とにより、先の研究者らの精製法を改良した。我々の最終処理は以下の通りであ った: 1)M.smegmatis細胞(ルリア(Luria)ブロス中3日間生育させ、凍結貯蔵した 、生鮮重量28g)を1mMベンズアミジン、2mM MgCl2、1mM EDTA、 1mM ジチオトレイトール、1mMフェニルメチルスルホニルフルオリド(PM SF)および10μgペプスタチンA/mlを含有する50mM HEPES/KO H、pH7.5、40mlに溶かし、次いでフレンチ・プレス中で破壊した。ホモ ジェネートを28000gで20分間遠心分離した。(NH4)2SO4(100ml毎 に30g)を上清に加えた。沈殿したタンパク質を集め、0.1mM EDTAを含 有する20mM HEPES/KOH、pH7.5および1mM PMSFおよび1 0μgペプスタチンA/mlを含有する0.2mMジチオトレイトール(HED緩衝 液)に溶解 させ、HED緩衝液で一晩透析した。 2)透析物をDEAE−セルロースの3.4×25cmカラムにかけると、酵素が HED緩衝液1.2L中0.9M NaClまでの直線勾配で20ml/hで溶出した。 ピーク酵素画分(0.2M NaCl)を集め(33ml)、0.5mMPMSFおよび 5μgペプスタチンA/mlに適合させた。(NH4)2SO49.9gの添加によりタン パク質を沈殿させ、50mM NaCl、0.1mM EDTAおよび0.2mMジチオ トレイトールを含有する50mMトリス/HCl、pH7.5(TNED緩衝液) に溶解した。 3)溶解させたタンパク質(3.7ml)を、TNED緩衝液で平衡化したセファ デックスG100の2.8×34cmに36ml/hで通した。ピーク酵素画分を素早 くTNED緩衝液中ヘパリンセファロースの1.5×8.5cmカラムにかけた。カ ラムを100ml中1.0M NaClまでの勾配で5ml/hで展開した。酵素が約0. 5M NaClで溶出した。 4)ヘパリンセファロース溶出物の試料(表3の画分H37)をアミンコン・セ ル中PM10膜上のTNED/0.1%(v/v)トリトンX100に移し、次い で、0.1%(v/v)トリトンX100を含有するTNEDで平衡化したヘパリ ンセファロースの0.7×8cmのカラムにかけ、同じ緩衝液50ml中1.0M Na Clまでの勾配で溶出した。 1回目のヘパリンセファロース工程後の比活性は、Pan等(1978)により報告 されたものよりもずっと高かったが、SDS−PAGE(図7)は、これらの画 分が純粋ではないことを示した。驚いたことに、約55kDaのバンドは、強度が 酵素活性と十分に相関した唯一の主たるバンドであった。55kDaバンドを削り 取り、ゲル中、トリプシンで消化し、トリプシン作用ペプチドをHPLCにより 分離して、(LondesboroughおよびVuorio,1993、上記)記載のように配列決定 した。配列は、表4および配列表に示す。二重配列を与えるペプチドピーク29 と31については、アミノ酸を、表4に示したのと同じ方法で、任意に、配列番 号3および4(ピーク29由来)および配列番号6および7(ピーク31由来) に与えている。ペプチド13の最初の9残基は、酵母由来の56kDa Tre6P シンターゼの残基250−258(VGAFPIGID;Vuorio等,1993,上記 ;EMBL受託番号X67499、参照)と89%同一である。 この約55kDaバンドがTre6Pシンターゼを表していることを確認するため に、更に精製を試みた。酵素は、UDP−グルクロネートアガロースカラムに強 く結合していたが、回収できなかった。それ故に、画分H37を、0.1%トリ トンX100を含有する緩衝液に移し(活性の3分の2はこの移送中に損失した )、トリトンX100の存在下、ヘパリン・セファロースで再クロマトグラフィ ーにかけた。図8は、シトクロームcよりも小さい2つのかすかなバンドを除け ば、約55kDaバンドが活性画分に存在する唯一のクマシーブルー反応性物質で あることを示す。明らかに、Pan等(1978;上記)により報告された90kDaポリ ペプチドは、このM.smegmatis由来のTre6Pシンターゼの必須成分ではなく、 また必須ポリペプチドのサイズ、約55kDaは、これらの研究者らにより報告さ れたより小さい45kDaの成分のサイズよりも顕著に大きい。図9は、このポリ ペプチドが、酵母トレハロースシンターゼの56kDa Tre6Pシンターゼサブ ユニッ トに対して生じた抗血清により認識されるが、免疫前血清によっては認識されな いことを示し、M.smegmatisのTre6Pシンターゼが抗原性決定因子を酵母酵素 と共有することを示している。比較的粗雑な酵素調製物に存在する他の免疫反応 性バンド(図9のレーン5および6参照)の性質は、調査されていない:それらの 全てがラージタンパク質荷重による人工産物とは限らないが、関連タンパク質を 表している。それにもかかわらず、酵母酵素に対して生じる抗血清を用いて、M. smegmatis遺伝子バンクで形質転換させた宿主細胞から陽性クローンを検出およ び単離できる。同様に、表4のアミノ酸配列データを用いて、単離した遺伝子の 配列をチェックできる。酵母由来の酵素とM.smegmatisとの免疫学的およびアミ ノ酸配列類似性は、TPS1遺伝子から設計したヌクレオチドプローブをうまく 用いて、M.smegmatis遺伝子についてスクリーンすることもできることを示す。 結論として、M.smegmatis酵素の免疫学的および配列決定研究は、様々な有機 体由来のTre6Pシンターゼが一ファミリーの構成員であることを確認するもの である。これらの酵素の遺伝子をTPS1と同様に用いて、トレハロースを合成 し、増進したストレス耐性を有するトランスジェニック植物を作ることもできる 。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1996年9月9日 【補正内容】 請求の範囲 1.形質転換植物がトレハロース合成の新規能力を有するような、非構造的植物 プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの遺伝子を コードする配列で形質転換した植物。 2.植物プロモーターが特異組織である、請求項1の植物。 3.植物プロモーターが光活性である、請求項1の植物。 4.植物プロモーターが乾燥、高塩分または極端な温度などのストレスにより活 性化され得る、請求項1の植物。 5.トレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子が微生物からである、請 求項1から4のいずれかの植物。 6.トレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子が酵母トレハロースの5 6kDaをコードする酵母TPS1である、請求項5の植物。 7.トレハロースー6−ホスファターゼ、または導入されたトレハロースー6− ホスフェートシンターゼまたはトレハロースー6−ホスファターゼと相互作用す る調節ポリペプチドをコードする、少なくとも1つの遺伝子で形質転換した請求 項1から6のいずれかの植物。 8.トレハロースー6−ホスファターゼをコードする遺伝子が酵母TPS2遺伝 子であり、調節ポリペプチドをコードする遺伝子が酵母TSL1遺伝子である、 請求項7の植物。 9.植物プロモーターがpats1Aである、請求項6の植物。 10.用いられた植物プロモーターがLTI78またはRAB18などのストレ ス活性である、請求項1から8のいずれかの植物。 11.植物が非形質転換植物よりも一層ストレス耐性である、請求項1から10 のいずれかの植物。 12.トウモロコシ、オート麦、キビ、小麦、米、大麦、モロコシ、アマランス 、玉ねぎ、アスパラガスまたはサトウキビなどの単子葉植物である、請求項1か ら11のいずれかの植物。 13.アルファルファ、大豆、ペチュニア、綿、サトウダイコン、ヒマワリ、ニ ンジン、セロリ、キャベツ、キュウリ、胡椒、トマト、ジャガ芋、レンズ豆、ア マ、ブロッコリー、タバコ、豆、レタス、アブラナ、コラード、カリフラワー、 ホウレンソウ、芽キャベツ、アーティチョーク、エンドウ豆、オクラ、カボチャ 、ケール、紅茶またはコーヒーなどの双子葉植物である、請求項1から11のい ずれかの植物。 14.請求項1から13のいずれかの植物からのトレハロースの産生。 15.請求項1から13のいずれかの植物から産生された種子。 16.−興味のある植物を少なくとも1つのトレハロースー6−ホスフェートシ ンターゼの構造遺伝子で形質転換し、そして ーその遺伝子を、遺伝子の発現に対して時間的、局所的またはストレス誘発の制 御を可能にするのに好適なプロモーターの制御下に発現する、 工程を含む、植物のトレハロース含量を増加せしめる方法。 17.遺伝子が酵母トレハロースシンターゼの56 kDa をコードする酵母遺伝 子TPS1である請求項16の方法。 18.トレハロースの合成がトレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子 を制御するプロモーターで調節されるように、pats1Aなどの非構造的プロモー ターの制御下にトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの遺伝子で、および 適当なプロモーターの制御下にトレハロースー6−ホスファターゼまたはトレハ ロースシンターゼの調節サブユニットの少なくとも1つの遺伝子で植物を形質転 換する、請求項16または17の方法。 19.トレハロースー6−ホスファターゼまたは調節サブユニットの遺伝子がそ れぞれ、酵母遺伝子TPS2またはTPS1である、請求項18の方法。 20.トレハロースシンターゼの遺伝子をコードする配列が貯蔵器官で特異的に 発現をおこす植物プロモーターと融合している、請求項16から19のいずれか の方法。 21.−トランスジェニック植物を産生するために、トレハロースー6−ホスフ ェートシンターゼの構造的遺伝子で植物を形質転換し(該遺伝子は、遺伝子の発 現に対して時間的、局所的またはストレス誘発の制御を可能にするプロモーター の制御下に発現される)、 ー植物内でトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの発現を起こす条件下に トランスジェニック植物を栽培し、 ー植物組織からトレハロースを抽出する、 工程を含むトレハロースを産生する方法。 22.トランスジェニック植物が貯蔵器官内にトレハロースを蓄える、請求項2 1の方法。 23.植物がジャガイモ、砂糖ダイコンまたはカブなどの根農作物である、請求 項23の方法。 24.植物が渇水、高塩分または極端な温度に遭遇するまでは、遺伝子の完全な 発現が起きないように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフ ェートシンターゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換 することを含む、渇水、高塩分または極端な温度から特産の農作植物を保護する 方法。 25.植物が低温に遭遇するまでは、遺伝子の完全な発現が起きないように、植 物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの少なく とも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含む、開花に対 する霜害から食用果実植物を保護する方法。 26.収穫部分が改善水分保持、改善脱水耐容またはその両者を有する植物を提 供するように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシ ンターゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換すること を含む、緑色食材、摘んだ果物および鑑賞植物を含む収穫した植物の貯蔵性を改 善する方法。 27.非形質転換植物に比して改善されたストレス耐容性を有する植物を提供す るように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンタ ーゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含 む、鑑賞植物の栽培および維持を容易にする方法。 28.植物の食用部分にトレハロースの蓄積がなされるように、植物プロモータ ーと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの少なくとも1つの遺 伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含む、植物の食用部分からつ くられたピューレ、ペースト、ゼリーおよびジャムの香りおよび具合を改善する 方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12N 5/10 9735−4B C12N 5/00 C (C12N 9/00 C12R 1:91) (C12N 9/16 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,US,UZ,VN (72)発明者 メンテュレー,エイナル スウェーデン、エス−750 07ウプサラ、 ボックス7010(番地の表示なし) スウェ ーディッシュ・ユニバーシティ・オブ・ア グリカルチュラル・サイエンシーズ、ウプ サラ・ジェネティック・センター (72)発明者 ウェリン,ビヨルン スウェーデン、エス−756 54ウプサラ、 セロベーゲン5コー番 (72)発明者 マンダル,アブール スウェーデン、エス−756 54ウプサラ、 ディリゲントベーゲン179番 (72)発明者 パルバ,エー・タピオ スウェーデン、エス−753 10ウプサラ、 ドロットニングガータン5番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.形質転換植物がトレハロース合成の新規能力を有するような、非構造的植物 プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの遺伝子を コードする配列で形質転換した植物。 2.植物プロモーターが特異組織である、請求項1の植物。 3.植物プロモーターが光活性である、請求項1の植物。 4.植物プロモーターが乾燥、高塩分または極端な温度などのストレスにより活 性化され得る、請求項1の植物。 5.トレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子が微生物からである、請 求項1から4のいずれかの植物。 6.トレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子が酵母トレハロースの5 6kDaをコードする酵母TPS1である、請求項5の植物。 7.トレハロースー6−ホスファターゼ、または導入されたトレハロースー6− ホスフェートシンターゼまたはトレハロースー6−ホスファターゼと相互作用す る調節ポリペプチドをコードする、少なくとも1つの遺伝子で形質転換した請求 項1から6のいずれかの植物。 8.トレハロースー6−ホスファターゼをコードする遺伝子が酵母TPS2遺伝 子であり、調節ポリペプチドをコードする遺伝子が酵母TSL1遺伝子である、 請求項7の植物。 9.植物プロモーターがpats1Aである、請求項6の植物。 10.用いられた植物プロモーターがLTI78またはRAB18などのストレ ス活性である、請求項1から8のいずれかの植物。 11.植物が非形質転換植物よりも一層ストレス耐性である、請求項1から10 のいずれかの植物。 12.トウモロコシ、オート麦、キビ、小麦、米、大麦、モロコシ、アマランス 、玉ねぎ、アスパラガスまたはサトウキビなどの単子葉植物である、請求項1か ら11のいずれかの植物。 13.アルファルファ、大豆、ペチュニア、綿、サトウダイコン、ヒマワリ、ニ ンジン、セロリ、キャベツ、キュウリ、胡椒、トマト、ジャガ芋、レンズ豆、ア マ、ブロッコリー、タバコ、豆、レタス、アブラナ、コラード、カリフラワー、 ホウレンソウ、芽キャベツ、アーティチョーク、エンドウ豆、オクラ、カボチャ 、ケール、紅茶またはコーヒーなどの双子葉植物である、請求項1から11のい ずれかの植物。 14.請求項1から13のいずれかの植物からのトレハロースの産生。 15.請求項1から13のいずれかの植物から産生された種子。 16.−興味のある植物を少なくとも1つのトレハロースー6−ホスフェートシ ンターゼの構造遺伝子で形質転換し、そして ーその遺伝子を、遺伝子の発現に対して時間的、局所的またはストレス誘発の制 御を可能にするのに好適なプロモーターの制御下に発現する、 工程を含む、植物のトレハロース含量を増加せしめる方法。 17.遺伝子が酵母トレハロースシンターゼの56 kDa をコードする酵母遺伝 子TPS1である請求項16の方法。 18.トレハロースの合成がトレハロースー6−ホスフェートシンターゼ遺伝子 を制御するプロモーターで調節されるように、pats1Aなどの非構造的プロモー ターの制御下にトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの遺伝子で、および 適当なプロモーターの制御下にトレハロースー6−ホスファターゼまたはトレハ ロースシンターゼの調節サブユニットの少なくとも1つの遺伝子で植物を形質転 換する、請求項16または17の方法。 19.トレハロースー6−ホスファターゼまたは調節サブユニットの遺伝子がそ れぞれ、酵母遺伝子TPS2またはTPS1である、請求項18の方法。 20.トレハロースシンターゼの遺伝子をコードする配列が貯蔵器官で特異的に 発現をおこす植物プロモーターと融合している、請求項16から19のいずれか の方法。 21.−トランスジェニック植物を産生するために、トレハロースー6−ホスフ ェートシンターゼの構造的遺伝子で植物を形質転換し、 ー植物内でトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの発現を起こす条件下に トランスジェニック植物を栽培し、 ー植物組織からトレハロースを抽出する、 工程を含むトレハロースを産生する方法。 22.遺伝子を、遺伝子の発現に対して時間的、局所的またはストレス誘発の制 御を可能にするプロモーターの制御下に発現する、請求項21の方法。 23.トランスジェニック植物が貯蔵器官内にトレハロースを蓄える、請求項2 1の方法。 24.植物がジャガイモ、砂糖ダイコンまたはカブなどの根農作物である、請求 項23の方法。 25.植物が渇水、高塩分または極端な温度に遭遇するまでは、遺伝子の完全な 発現が起きないように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフ ェートシンターゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換 することを含む、渇水、高塩分または極端な温度から特産の農作植物を保護する 方法。 26.植物が低温に遭遇するまでは、遺伝子の完全な発現が起きないように、植 物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの少なく とも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含む、開花に対 する霜害から食用果実植物を保護する方法。 27.収穫部分が改善水分保持、改善脱水耐容またはその両者を有する植物を提 供するように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシ ンターゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換すること を含む、緑色食材、摘んだ果物および装飾植物を含む収穫した植物の貯蔵性を改 善する方法。 28.非形質転換植物に比して改善されたストレス耐容性を有する植物を提供す るように、植物プロモーターと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンタ ーゼの少なくとも1つの遺伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含 む、鑑賞植物の栽培および維持を容易にする方法。 29.植物の食用部分にトレハロースの蓄積がなされるように、植物プロモータ ーと融合したトレハロースー6−ホスフェートシンターゼの少なくとも1つの遺 伝子をコードする配列で植物を形質転換することを含む、植物の食用部分からつ くられたピューレ、ペースト、ゼリーおよびジャムの香りおよび具合を改善する 方法。
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