JPH10503205A - ジスルフィド結合含有生物活性ペプチドの安定類似体 - Google Patents

ジスルフィド結合含有生物活性ペプチドの安定類似体

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JPH10503205A
JPH10503205A JP8505827A JP50582796A JPH10503205A JP H10503205 A JPH10503205 A JP H10503205A JP 8505827 A JP8505827 A JP 8505827A JP 50582796 A JP50582796 A JP 50582796A JP H10503205 A JPH10503205 A JP H10503205A
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Abstract

(57)【要約】 ジスルフィド結合を含有する安定な環状ペプチド類似体を開示する。このジスルフィド結合は4つの方法のうちの1つで修飾される。それらは(a)スルフィド収縮、(b)同配性置換、(c)チオケタール拡張、または(d)アルキル化拡張である。スルフィド収縮では、ジスルフィド結合(−S−S−)がモノスルフィド結合(−S−)で置換され、2官能性エフェクター分子例えばリガンドあるいは走化性剤が新ペプチド連鎖と結合する。同配性置換では、1つの硫黄原子が炭素原子で置換され、修飾側での少なくとも1つの炭素原子は二官能性エフェクター分子である。チオケタール拡張では、アルキリデン単位(−CR12−)が2つの硫黄原子間に挿入される。アルキル化拡張では、C2ないしC3のアルキル部分が2つの硫黄原子間に挿入される。

Description

【発明の詳細な説明】 ジスルフィド結合含有生物活性ペプチドの安定類似体 1.発明の分野 本発明は、ジスルフィド結合含有生物活性ペプチドの構造的および化学的に安 定な類似体に関する。本発明は、2官能性キレート化剤、抗腫瘍剤、酵素、コエ ンザイム、または走化性剤(ケモトキシン)のような2官能性エフェクター分子を 、ジスルフィド結合が修飾される部位と同じ部位に有する、ジスルフィド結合類 似体に関する。 2.技術的背景 ジスルフィド結合を有する多くの生物活性ペプチドがある。多くの天然に存在 する環状(および構造的に制限された)ペプチドはジスルフィド結合を有する。ジ スルフィド結合を有するペプチドは、通常、10から20員環マクロサイクルと して存在するが、より大きい環サイズも知られており、巨大ポリペプチドまたは タンパク質で一般的である。このような小さな環状ペプチドおよび小さなペプチ ド模倣物は、診断および治療において非常に重要になっている。特に、放射−お よび化学治療剤の標的送達において積極的に検討されている。Fischman,A.J .et al.,“A Ticket to Ride:Peptide Radiopharmaceuticals,”The J ournal of Nuclear Medicine,Vol.34,No.12,1993年12月参照。 これらのジスルフィド架橋の主な欠点は、緩和な還元条件下でさえ、不安定で あることであり、−S−S−結合の分解は通常ペプチドの生物活性を失わせる。 例えば、スズイオンおよびジチオナイトのような還元剤の使用のため、放射標識 条件はしばしばジスルフィド結合を破壊する放射性医薬の製造を必要とする。同 様に、血流成分はジスルフィド結合を分解できる。また、ジスルフィド結合はチ オール含有化合物を容易にチオール−ジスルフィド内部変換をし得る。 診断および治療に使用するために、診断的および治療的に有効な金属イオンと 錯化可能な2官能性キレート化剤、抗腫瘍剤、酵素、コエンザイムまたは走化性 剤(ケモトキシン)のような2官能性エフェクター分子をペプチドに結合すること がしばしば必要である。過去において、アミノおよびカルボキシル基を含む側鎖 を有するEDTA−様2官能性キレート化剤を生物活性ペプチドのアミノまたは カルボキシ末端に挿入している。Warshawskyおよび共同研究者,J.Chem.So c.,Chem.Comm.,1133(1985)およびSynthesis,825(1989);J.Chem.So em.,2,323(1991)参照。 ペプチドのアミノまたはカルボキシ末端はしばしば生物活性に必要であり、ペ プチドの末端へのリガンドの結合はペプチドの生物活性を破壊する。ペプチドの 生物活性が破壊された場合、続いて放射性異性体で標識されたそのペプチドは、 診断または治療適用において僅かな価値しかない。 従って、当分野において、改善された化学的および生物学的安定性を有するジ スルフィド結合を含有し、一方全三次元ペプチド構造および生物活性を実質的に 残した環状生物活性の類似体を提供することは明白な利点である。このようなペ プチド類似体に2官能性エフェクター分子を結合することもまた当分野において 明白な利点である。 このような生物活性ペプチドの安定な類似体を本明細書に記載し、請求する。 発明の要約 本発明は、ジスルフィド結合を有する環状生物活性ペプチドの安定類似体を指 向する。本発明により、−S−S−結合を4つの方法のうちの一つで修飾する: (a)スルフィド収縮、(b)同配性置換、(c)チオケタール拡張または(d)アルキ ル化拡張。これらの方法を一般的に下記に図説する: 本発明のスルフィド収縮は、ジスルフィド結合(−S−S−)のモノスルフィド 結合(−S−)での置換であり、下記に図説のように2官能性キレート、抗腫瘍剤 または走化性剤(ケモトキシン)のような2官能性エフェクター分子を修飾部位で 新規ペプチドに結合させる。 式中、R1またはR2の少なくとも一つは2官能性エフェクター分子であり、他 のR1またはR2は、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、アミノアルキル 、カルボキシルおよびカルボキシアルキル(ここで、炭素含有部分は1ないし1 0炭素原子を含む)からなる群から選択される。 本明細書で使用の同配性置換は、ジスルフィド結合の一つの硫黄原子の炭素原 子での置換である。下記に図説のように、ペプチドの修飾部位の少なくとも一つ の炭素原子は2官能性エフェクター分子を有する: 式中、R3、R4またはR5の少なくとも一つは2官能性エフェクター分子であ り、他のR3、R4またはR5は、H、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ア ミノアルキル、カルボキシルおよびカルボキシアルキル(ここで、炭素含有部位 は1ないし10の炭素原子を含む)からなる群から選択される。 本発明のチオケタール拡張は、二つの硫黄原子の間へのアルキリデン単位(− CR67−)の挿入を含む。下記のように、チオケタール拡張は、還元とそれに 続く、得られたジチオールのアルデヒドまたはケトンとの反応により達成できる 。: 式中、R6およびR7は同一または異なって、水素、アルキル、アリール、ヒド ロキシアルキル、アルコキシル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、カルボ キシル、カルボキシアルキル(ここで、炭素含有部分は1ないし10の炭素原子 を含む)、および−(CH2)n−Y(ここで、Yは2官能性エフェクター分子であり 、 nは0から6である)からなる群から選択され:そしてDTTはジチオスレイト ールである。 R6およびR7は、共に結合し、3から7員の環を形成し得る。このような環系 を形成するための一つの方法を下記に図説する。: 式中、Rは水素、アルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル 、カルボキシル、カルボキシアルキル(ここで、炭素含有部分は1ないし10の 炭素原子を含む)、および−(CH2)n−Y(ここで、Yは2官能性エフェクター分 子であり、nは0から6である)からなる群から選択される置換基である。 あるペプチドがジスルフィド還元に耐性であるか、または厳しい条件下でのみ 還元が起こるかのいずれかである。このような場合、保護チオール基を有する対 応する直鎖ペプチドを標準ペプチド合成法により製造し、保護基を硫黄から除去 し、直ぐにジチオールと好適な環状または非環状カルボニル化合物の縮合を行う ことが好ましい。 本明細書で使用するアルキル化拡張は、C2からC3のアルキル分子の2個の硫 黄原子の間への挿入を含む。大きいアルキル分子(C3以上)を硫黄原子の間に挿 入することが可能であるが、ペプチドの構造的配置が大きいアルキル分子により 明らかに変わることがあり、それによりこのような変化がなされた場合、生物活 性の損失を導く。アルキル化拡張は、下記のように、還元、続くジチオールの求 電子またはアルキル化剤によるアルキル化により達成する: 式中、R8およびR9は、上記でR6およびR7について定義したのと同じ意味で ある。Xはハロゲン、トシルまたはメシル基のような好適な遊離基である。 R8およびR9は、共に結合し、3から7員の環を形成し得る。このような環系 を形成するための一つの方法を下記に図説する: 式中、Rは水素、アルキル、アリール、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル 、アミノアルキル、カルボキシル、カルボキシアルキル(ここで、炭素含有部位 は1ないし10の炭素原子を含む)、および−(CH2)n−Y(ここで、Yは2官能 性エフェクター分子であり、nは0から6である)からなる群から選択される置 換基;およびXはハロゲン、トシルまたはメシル基のような好適な脱離基である 。 図面の簡単な説明 図1は、ソマトスタチン受容体結合ペプチド、オクトレオチドの三次元構造で ある。 図2は、オクトレオチドのチオケタール類似体の三次元構造である。 発明の詳細な説明 本発明は、ジスルフィド結合を有する環状生物活性ペプチドの構造的および化 学的安定化類似体を提供する。本発明により、−S−S−結合は、以下の技術の 一つで修飾される:(a)スルフィド収縮、(b)同配性置換、(c)チオケタール拡 張または(d)アルキル化拡張。有利には、診断的および治療的に有効な金属イオ ン(例えば、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、Yt、Tb、Sm、Gd、 MnおよびFeを含む)と錯化できるキレート化剤、抗腫瘍剤、酵素、コエンザ イムまたは走化性剤(ケモトキシン)のような2官能性エフェクター分子を、本発 明のジスルフィド架橋類似体に結合可能である。 本発明のスルフィド収縮および同配性置換技術は、下記一般式: 但し、AA1、AA2、およびAA3はα−アミノ酸であり、AA1、Q、AA2、 Z、およびAA3を結合している各結合は通常のペプチド結合であり;k、l、 およびmは0ないし10であることができるがk、l、およびmのうち少なくと も2つはゼロより大であり;WおよびXは、Wが−S−のときXが−CHR10− でありWが−CHR10−のときXが−S−であるような−S−または−CHR10 −であり;R10は−(CH2)n−Yであり;nはないし10であり;Yは−C のような2官能性エフェクター分子と結合し得る反応性官能基であり;そしてQ およびZは同一または異なることができかつ下記一般構造: 式中、pは0ないし3であり、RはH、アルキル、アリール、ヒドロキシアルキ ル、アルコキシアルキル、およびカルボキシルであって各炭素含有部分は1ない し10の炭素原子を含有するものであるか、または、天然に存在するα−アミノ 酸類の側鎖部分であることができる、を有するものである、 により図説される。 本発明のチオケタール拡張およびアルキル化拡張は、下記一般式: 但し、AA1、AA2、AA3、Q、Z、l、kおよびmは上記の定義と同様であ り、AA1、Q、AA2、Z、およびAA3を結合している各結合は通常のペプチ ド結合である、 により図説できる。Lは、 式中、各種のR置換基は同一または異なることができかつ上記Rと同一の意味を 有する、からなる群から選ばれるものであり;そしてYは上記で定義の意味であ る。スルフィド収縮 既知のスルフィド収縮において、システインアミノ酸(ジスルフィド結合を形 成する2つの硫黄の一つを提供する)を最初にセリンで置換する。セリン残基の 脱水によりオレフィンを得る。最後に2重結合上へのチオールのミカエル反応に より、元のペプチドのスルフィド類似体を産生する。この基本工程を、天然環状 ペプチドマルフォーミンを参考にして図説する: マルフォーミンのスルフィド類似体は、最初に、以下のペプチドの一つのよう なセリン含有ペプチドを合成することにより製造する: 式中、PGは保護基である。第2に、セリン基を脱水し、デヒドロアラニル基 を得る。 最後に、保護基(PG)の硫黄からの除去、続く縦の二重結合上でのチオールの ミカエル反応により所望のスルフィド類似体を産生する。 あるいは、スルフィド誘導体を、チオアルキルホスフィンとジスルフィド結合 を有する環状ペプチドの反応により直接製造できる。 本発明のスルフィド収縮は、ペプチド架橋を有するメチレン単位の一つに種々 の2官能性分子を結合させることにより、当分野で既知のものを越える。更に具 体的には、既知のスルフィド収縮工程は、システイン基の代わりに以下の構造を 有するオレフィンアミノ酸を用いることにより、修飾する: 式中、A1は水素、アルキル、カルボキシアルキル、アリール、ヒドロキシア ルキル(ここで、炭素含有部分は1ないし10の炭素原子を含む);A2およびA3 は、同一または異なって、−CO2R、−CO2H、−CNまたは−NO2のよう な電子吸引基である。オレフィン結合は、硫黄求核基を受け取るためのミカエル 受領体として働く。余分の−CO2H、−CNまたは−NO2官能基は、種々の2 官能性エフェクター分子を結合するためのハンドルとして働く。下記の図式1は 、スルフィド収縮を有するペプチド類似体を製造するための一つの技術を記載す る。当業者は、同様な技術が、同じ環状ペプチド類似体を達成するために利用し 得ることを認識するであろう。図説した反応工程の全ては当業者に既知である。 式中、EDCはエチルジメチルアミノプロピルカルボジイミドであり、DCC はジシクロヘキシルカルボジイミドである。J.Jones,The Chemical Synt hesis of Peptides,Clarendon Press,1991およびM.Bodanszly,Princi ples of Peptide Synthesis,第2版、Springer-Verlag,1993(これらは参 考としてその内容を本明細書に包含する)に記載のような混合無水物工程のよう な他の通常使用されている結合法もまた本発明で使用できる。 上記図式1において、DMF(5mL)中のN−t−Boc−デヒドログルタミン 酸γ−t−ブチルエステル(1.1mmol)、テトラペプチド()(1.0mmol)および EDC(1.2mmol)を環境温度で24時間撹拌する。反応混合物を水に注ぎ、沈 殿()を濾過して回収し、水で洗浄して乾燥させる。ペプチド()を水性メタノ ール(5mL)に再溶解し、1N水酸化ナトリウム(2.5mL)で処理し、環境温度 で24時間撹拌する。その後、反応混合物を1N HCl(2.5mL)で処理し、 溶媒を減圧下取り除く。残渣を最少量の水(または水性メタノール)に再溶解し、 逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製して酸()を得る。 酸()への2官能性エフェクター分子(BEM)の結合法は下記である:DMF (5mL)中の酸()(1.0mmol)、イミダゾールリガンド(下記)(1.05mmol)お よびジシクロヘキシルカルボジイミド(1.1mmol)を環境温度で24時間撹拌す る。 反応混合物を濾過してジシクロヘキシルウレア(DCU)を除去し、濾液を水に 注ぐ。沈殿を濾過して回収し、乾燥して下記の完全に保護されたペプチド−リガ ント結合体(5)を得る。化合物(5a)について、R"はtBuおよびR'は−C O2tBuである。 式中、THPは2−テトラヒドロピラニルである。 完全に保護されたペプチド−リガント結合体を96%ギ酸(5mL)で処理し、 環境温度に24時間置く。ギ酸を真空蒸発により除去する。反応生産物を水(1m L)に再溶解し、逆相(フラッシュまたはHPLCのいずれか)クロマトグラフィ ーにかけ、所望の環状ペプチド(5b)を得る。化合物(5b)について、R"およ びR'は−Hである。同配性置換 同配性置換(硫黄の−CH2−での置換)は既知であるが、本発明では硫黄を− CH(Y)−単位で、式中、Yは、2官能性エフェクター分子、すなわちYは造影 または放射性治療目的のための2官能性キレートまたは癌化学療法の走化性剤( ケモトキシン)または抗腫瘍剤のような特定の機能の実行が可能なものである、 で置換する。 下記図式2は、ジスルフィド架橋の硫黄原子の一つの同配性置換によるペプチ ドの製造の技術を記載する。当業者は、同様の技術が同様の環状ペプチド類似体 を達成するために行い得ることを認識するであろう。図説した全ての反応工程は 、当業者に既知である。 式中、DMEは1,2−ジメトキシエタン(グリム)、Boc−O−Bocはジ−t −ブチルジカルボネート、TFAはトリフルオロ酢酸であり、Et3SiHはト リエチルシランである。 無水グリム(20mL)中のフタルイミド()(11mmol)およびジエチルブロモ マロネート()(10mmol)混合物を4時間加熱還流した。混合物を濾過してKC lを除去し、濾液を減圧下乾燥した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ ーで精製し、()を得た。 乾燥DMF(10ml)に()(10mmol)と水素化ナトリウム(15mmol)を加えた 混合物に、DMF(5ml)に4−ブロモクロトン酸t−ブチル(11mmol)を溶かし た溶液を加える。次いで、この混合物を55℃ないし60℃で2時間加熱し、氷 冷した水に加える。生成物を塩化メチレン(3x25ml)で抽出し、水(3x50m l)で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、濾過する。濾液を減圧で乾固し、残渣 をシリカゲルによるクロマトグラフで精製して、()を得る。 メタノール(20ml)に()(10ml)とヒドラジンヒドラート(15ml)を加えた 混合物を2時間還流下に加熱する。溶媒を減圧下に蒸発させて除去し、残渣を水 (25ml)に再溶解し濃塩酸(1ml)を添加する。混合物を濾過してフタリルヒドラ ジドを除き、濾液を水酸化ナトリウム(22ml)を添加する。この溶液を室温で1 5−20時間攪拌し、濃塩酸(2ml)で処理し、55−60℃で1時間加熱する。 減圧下に水を除去し、残渣を逆相フラッシュクロマトグラフで精製して、5−ア ミノ−2−ヘキセンジオイック酸t−ブチルを得る。アセトニトリル(20ml)に このアミノ酸(10mmol)、ジ−t−ブチルジカーボネイト(Boc−O−Boc)(1 1mmol)およびトリエチルアミン(11mmol)を加え、室温で24時間攪拌する。 溶媒を減圧下に除き、残渣を水に溶かし、6N塩酸(2ml)で処理し、逆相のフラ ッシュクロマトグラフして(10)を得る。 テトラペプチド()(1mmol)と酸(10)(1.05mmol)をDMF(5mmol)に加 えた混合物にEDC(1.1mmol)を添加し、室温で24時間攪拌する。反応混合 物を水に注ぎ、析出物を濾取し、十分水洗し、乾燥する。固形物にトリフルオロ 酢酸(5ml)とトリエチルシラン(1ml)を添加し、室温に1時間保持する。TFA を減圧下に蒸発させて除去する。残渣を1N水酸化ナトリウム(1ml)に再溶解し 、トリフェニルメタンを濾去し、逆相でフラッシュクロマトグラフして所望のペ プチド(11)を得る。 チオケタール拡張 本発明によるチオケタール拡張は、2個の硫黄原子の間に アルキリデン・ユニット(−CR12−)を挿入することを含む。下記の図式3は 、チオケタール拡張ジスルフィド橋アナログで環状ペプチド製造する方法を説明 する。当業者は、この技術がジスルフィド結合を有する多くのペプチドに使用で きることを理解するであろう。式示されている反応工程はすべて、当業者によく 知 られているものである。 化合物(14a)では、R1=R2=−H;化合物(14b)では、R1=R2=−CH3 ;化合物(14c)では、R1=−CH3、R2=−(CH2)3CO2H;化合物(14 1とR2が水素である化合物(14a)は次のようにして製造され得る。水性エ タノール(1:1、10ml)にマルフォリンA(1.0mmol)を溶かした溶液に水素 化ホウ素ナトリウム(1.1mmol)を加え、この混合物を室温で4時間攪拌する。 次いで、この反応混合物に濃塩酸(1ml)を加え、減圧下に乾固する。残渣を水( 1ml)に再溶解し、逆相のフラッシュクロマトグラフで精製して(13)を得る 。 このジチオール(13)(1.0mmol)をフォルムアルデヒド・ジメチルアセター ル(10ml)に懸濁し、ボロントリフルオライド・エーテレート(1滴)を加え、室 温で16時間攪拌する。減圧下に、溶媒を蒸発させ、残渣に1N水酸化ナトリウ ム(1.1ml)を添加し、この溶液を逆相でフラッシュクロマトグラフして所望の 環状ペプチド(14a)を得る。 R1とR2がメチルである化合物(14b)は、化合物(14a)を製造するのと実 質的に同じ操作で製造される。ただし、ジチオール(13)は、フォルムアルデヒ ド・ジメチルアセタールでなく、アセトン(10ml)に懸濁する。 R1がメチルで、R2が−(CH2)3CO2Hである化合物(14c)は次のように して製造され得る。テトラペプチド(13)(1.0mmol)とt−ブチル5−ケトヘ キサン酸(1.1mmol)をジオキサン(10ml)に溶かした溶液にボロントリフルオ ライド・エーテレート(1滴)を加えて、室温で16時間攪拌する。減圧下に溶媒 を蒸発させ、残渣に1N水酸化ナトリウム(1ml)を加え、この溶液を次いで逆相 でフラッシュクロマトグラフして所望の環状ペプチド(14c)を得る。 キサン酸に代えて4−カルボキシベンズアルデヒドを使用する以外は、化合物(14c )を製造するのと実質的に同じ操作で製造される。 スルフィド・コントラクションに関連して前述したイミダゾール・リガンドの ような二官能性エフェクター分子は、次のようにして化合物(14d)に結合させ 得る。該酸(1.0mmol)、イミダゾール・リガンド(下記)(1.05mmol)およびジ シクロヘキシルカルボキイミド(1.1mmol)をDMF(5ml)に加えた混合物を室 温で24時間攪拌する。 反応混合物を濾過してジシクロヘキシル尿素(DCU)を除き、濾液を水に注ぐ。 析出物を濾取し、乾燥して、下式のペプチド・リガンド・コンジュゲイト(14 )を得る。 ここに記載しているチオケタール拡張で得られる環状ペプチドは、生物活性を 保持しており、これらがさらに二官能性エフェクター分子を含んでいなくても、 ある種の治療に適用するうえで有用である。エフェクター分子は、ペプチドが目 的とする治療効果を発揮し得ないときに、造影もしくは放射線療法の目的のため に放射性原子核を、また化学療法のために走化性剤(ケモトキシックエージェン ト)もしくは抗新生物剤を、標的に移送するために導入される。これは、レセプ ターへの結合が起っているにもかかわらず、所望の治療的生物効果が認められな いような場合である。 アルキル化拡張 ここで使用されるアルキル化拡張は、2個の硫黄原子の間にC2ないしC3のア ルキル基を挿入することを含む。より長いアルキル鎖を導入することもできる。 しかし、元のペプチドと修飾したアナログとの間の位相的類似性を保存できる可 能性は、大きなユニットによって有意に減少するであろう。アルキル化拡張は、 上記チオケタール拡張の場合のように還元し、次いでアルキル化することによっ て実施される。下記の図式4は、アルキル化拡張ジスルフィド橋アナログで環状 ペプチドを製造する技術を説明する。当業者は、この技術がジスルフィド結合を 有する多くのペプチドに使用できることを理解するであろう。式示されている反 応工程はすべて、当業者によく知られているものである。 (13)(1mmol)と炭酸水素ナトリウム(3mmol)を水(5ml)に加えた溶液に2− ブロモメチルアクリル酸メチル(1.1mmol)を加え、全体の混合物を室温で24 時間攪拌する。その後、1N水酸化ナトリウム(1ml)を加え、室温で24時間攪 拌する。反応混合物に1N塩酸(3.2ml)を加え、始めの容積の約半量まで濃縮 する。この溶液を、逆相でフラッシュクロマトグラフし、所望の環状ペプチド(15 )を得る。 これまでの上記記載は、環状ペプチドマルフォルミンAとの関連において本発 明を説明してきたが、当業者は、本発明の教示がジスルフィド結合を有する他の 小型ペプチド用の使用に適合することを理解するであろう。例えば、オクトレオ チド、[D−Pen2'5,p−Cl−Phe4]−エンケファリン、[D−Pen2' 5]−エン ケファリン、オキシトシンおよび他の既知のあるいは新規のペプチドが本発明の 方法で使用され得る。さらに、2個のシステイン残基が1個のアミノ酸単位で分 けられている化学走性サイトカイン(またはケモカイン)の“CXC”属あるいは 2個のシステインが相互に結合しているケモカインの“CC”属に属する長鎖の 断片もまた使用され得る。 化学走性のサイトカインのCXC属にはインターロイキン−8、マクロファー ジ炎症性蛋白−2(MIP−2)、GROα、GROβおよびGROγを含む成長 制限遺伝子産物(GRO)、メラノーマ成長促進活性(MGSA)、血小板ファクタ ー4(PF−4)、ガンマインターフェロン誘導蛋白(gamma−IP)、血小板基礎 蛋白、結合組織活性化蛋白(CTAP−III)、β−トロンボグロブリン(β−TG )、好中球活性化蛋白(NAP−2)、ニワトリv−src−v−誘導蛋白(93)、内 皮細胞由来好中球活性化因子−78(ENA−78)およびここに引用する米国特 許5,079,228に記載されている関連ペプチドが含まれるが、これらに限定 されものではない。 典型的なCCケモカインには化学親和性蛋白(MCP)物質、例えば単球化学親 和性蛋白−1(MCP−1)、MIPα、MIPβ、RANTES、I−309、 MCP−2(HC−14としても知られる)およびMCP−3などが含れるが、こ れらに限定されるものではない。 環状ペプチドアナログの化学的安定性当業者には理解されるように、前述の環 状ペプチドアナログを製造する方法は、ジスルフィド結合を1またはそれ以上の チオエーテル基に変換するものである。チオエーテルは、ジスルフィドが不安定 であるような条件下で化学的に安定であることがよく知られている。 環状ペプチドアナログの立体的近似性 オクトレオチド(16)、ジスルフィド結合を有する環状オクタペプチドおよび その対応するチオケタールおよびそのチオケタールアナログ(17)を分子模型で 比較検討した。 図1および図2に描かれている構造に示されているように、これらの構造間には 驚くべき3次元的位相類似性がある。本発明によるたの環状ペプチドの分子模型 は、原環状ペプチドと修飾環状ペプチドの間に非常に近い位相的類似性があるこ とを示した。 以上の記載から、本発明は、全体としてペプチドの3次元的立体構造を実質的 に保ちながら、化学的および生物学的安定性を改善したジスルフィド結合を含む 環状ペプチドのアナログを提供するものであることが理解されるであろう。本発 明は、さらに二官能性エフェクター分子を結合している環状ペプチドアナログを 提供する。 本発明は、その精神と本質を離れることなく、他の特定の形態に具体化される ことができる。ここに記載された具体例は、あらゆる観点において、単なる例示 であり、限定的な意図はないものと考えられるべきである。従って、本発明の範 囲は前述の説明よりは、むしろ付属する請求項によって示されている。請求項に は、その均等的意味と範囲に含まれる限り、あらゆる変形がその範囲に包括され るべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 45/00 7419−4H C09K 3/00 108C 51/00 9051−4C A61K 37/02 C09K 3/00 108 8615−4C 43/00 (72)発明者 ライル,レオン・アール アメリカ合衆国63119ミズーリ州 ウェブ スター・グローブス、ウェブスター・パ ス・ドライブ1319番 (72)発明者 ラジャゴパラン,ラガバン アメリカ合衆国63043ミズーリ州 メリー ランド・ハイツ、ビンソン・コート 13031番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.下記一般式: 但し、(AA1)k、(AA2)l、および(AA3)mはペプチド中のα−アミノ酸であり 、(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mを結合している各結合は通常の ペプチド結合であり;k、l、およびmはα−アミノ酸の数であってその数は0 ないし15であることができるがk、l、およびmのうち少なくとも2つはゼロ より大であり;WおよびXは、Wが−S−のときXが−CHR1−でありWが− CHR1−のときXが−S−であるような−S−または−CHR1−であり;R1 は−(CH2)n−Yであり;nは0ないし10であり;Yは2官能性エフェクター 分子と結合し得る反応性官能基であり;そしてQおよびZは同一または異なるこ とができかつ下記一般構造: 式中、pは0ないし3であり、R2はH、アルキル、アリール、ヒドロキシアル キル、アルコキシアルキル、およびカルボキシルであって各炭素含有部分は1な いし10の炭素原子を含有するものであるか、または、天然に存在するα−アミ ノ酸類の側鎖部分であることができる、を有するものである、 を有する環状ペプチド類似体。 2.Yが の群から選ばれる、請求項1に記載の環状ペプチド類似体。 3.さらに官能性基Yに結合した2官能性エフェクター分子を含んでなる、請 求項1に記載の環状ペプチド類似体。 4.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、オクトレオチ ドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項3に記載の環状ペプチド類似体 。 5.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、Y t、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官能 性キレート化剤である、請求項4に記載の環状ペプチド類似体。 6.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、エンケファリ ンのアミノ酸配列を形成するものである、請求項3に記載の環状ペプチド類似体 。 7.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、Y t、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官能 性キレート化剤である、請求項6に記載の環状ペプチド類似体。 8.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、オキシトシン のアミノ酸配列を形成するものである、請求項3に記載の環状ペプチド類似体。 9.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、Y t、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官能 性キレート化剤である、請求項8に記載の環状ペプチド類似体。 10.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、「CXC」 走化性サイトカインペプチドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項3に 記載の環状ペプチド類似体。 11.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項10に記載の環状ペプチド類似体。 12.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、「CC」ケ モカインペプチドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項3に記載の環状 ペプチド類似体。 13.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項12に記載の環状ペプチド類似体。 14.下記一般式: 但し、(AA1)k、(AA2)l、および(AA3)mはペプチド中のα−アミノ酸であり 、(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mを結合している各結合は通常の ペプチド結合であり;k、l、およびmはα−アミノ酸の数であってその数は0 ないし15であることができるがk、l、およびmのうち少なくとも2つはゼロ より大であり;そしてQおよびZは同一または異なることができかつ下記一般構 造: 式中、pは0ないし3であり、RはH、アルキル、アリール、ヒドロキシアルキ ル、アルコキシアルキル、およびカルボキシルであって各炭素含有部分は1ない し10の炭素原子を含有するものであるか、または、天然に存在するα−アミノ 酸類の側鎖部分であることができる、を有するものであり、Lは 式中、各種のR置換基は同一または異なることができかつ上記Rと同一の意味を 有する、からなる群から選ばれるものであり;そしてYは水素または2官能性エ フェクター分子と結合し得る官能性基である、 を有する環状ペプチド類似体。 15. Yが の群から選ばれる、請求項14に記載の環状ペプチド類似体。 16.さらに官能性基Yに結合した2官能性エフェクター分子を含んでなる、 請求項14に記載の環状ペプチド類似体。 17.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、オクトレオ チドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項16に記載の環状ペプチド類 似体。 18.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項17に記載の環状ペプチド類似体。 19.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、エンケファ リンのアミノ酸配列を形成するものである、請求項16に記載の環状ペプチド類 似体。 20.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項19に記載の環状ペプチド類似体。 21.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、オキシトシ ンのアミノ酸配列を形成するものである、請求項16に記載の環状ペプチド類似 体。 22.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項21に記載の環状ペプチド類似体。 23.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、「CXC」 走化性サイトカインペプチドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項16 に記載の環状ペプチド類似体。 24.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項23に記載の環状ペプチド類似体。 25.(AA1)k、Q、(AA2)l、Z、および(AA3)mが、全体で、「CC」ケ モカインペプチドのアミノ酸配列を形成するものである、請求項16に記載の環 状ペプチド類似体。 26.2官能性エフェクター分子が、Tc、Re、In、Ga、Co、Cu、 Yt、Tb、Sm、Gd、Mn、およびFeから選ばれる金属を錯化し得る2官 能性キレート化剤である、請求項25に記載の環状ペプチド類似体。
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