【発明の詳細な説明】
G型肝炎ウイルスおよびその分子クローニング
発明の分野
本発明は、非A/非B/非C/非D/非E(N-(ABCDE))型肝炎関連ウイルス因子(HG
V)に関連する核酸、ポリペプチド、抗原、エピトープ、ワクチンおよび抗体組成
物に関する。本発明はまた、診断方法および治療方法に関する。
参考文献
発明の背景
A型肝炎ウイルス(HAV)およびB型肝炎ウイルス(HBV)以外のウイルスから生じ
るウイルス肝炎は、非A型肝炎、非B型肝炎(NANBH)と呼ばれている。NANBHはさ
らに、個々のタイプの伝染の様式(例えば、腸対母体(enteric versus parentera
l))に基づいて規定される。
腸により伝染されるNANBHまたはET-NANBHとして知られているNANBHの1つ形態
は、食物および飲水が排泄物により汚染されている、衛生状態が悪い地域で広く
かかわっている。E型肝炎ウイルスと呼ばれる、原因となる媒介物の分子クロー
ニングが、最近記載されている(Reyesら,1990;Tamら)。
母体により伝染されるNANBH、またはPT-NANBHとして知られているNANBの第二
の形態は、母体経路により、代表的には血液または血液製品に曝されることによ
り伝染される。この肝炎の割合は、(i)現場、(ii)ALT試験を血液バンクで行った
かどうか、および(iii)AIDSについて高リスクの患者の除外によって変化した。
輸血の約10%はPT-NANBH感染を引き起こし、そしてそれらの約半分は慢性疾患状
態に至った(Dienstag)。抗HCV試験の実施の後、1単位の輸血あたり、HCVの血清
型変換(seroconversion)は心臓外科患者において1%以下に低下した(Alter)。
ヒトレシピエントにおいて輸血後NANBHを産生することが確認されたヒト血漿
サンプルを用いて、チンパンジーにPT-NANBHを感染させるのに成功した(Bradley
)。感染したチンパンジー血漿から単離されたRNAを使用して、慢性PT-NANBH感染
を有するヒト被験体からの血清を用いる免疫スクリーニングのための発現ベクタ
ーにおいてcDNAライブラリーを構築した。この手順はPT-NANBH特異的cDNAクロー
ンを同定し、そして続いて、ウイルス配列をプローブとして用いて、連続した7,
300塩基対のPT-NANBHウイルス因子を構成する1セットの重複フラグメントを同
定した。配列決定したウイルス因子はC型肝炎ウイルス(HCV)と名付けられた(例
えば、HCVの配列は、1988年11月18日に出願されたEPO特許出願第88310922.5号に
示されている)。現在、HCVの全長配列(約9,500nt)が入手可能である。
Centers for Disease Control(CDC; Phoenix,AZ,1973-1975; 1978-1983)で
行われた霊長類の伝染研究は、最初に、非A型、非B型肝炎(NANBH)の複合因子
の存在の実質的な証拠を提供した:NANBHの症例の大部分と関連する第1の因子
は、PT-NANBHおよびET-NANBHに関して、それぞれHCVおよびHEV(上記を参照)であ
ると現在確認されている。その後、CDC(Atlanta,GA,1989年に提出)で抗HCV抗
体について研究(原型)および商業試験の両方を用いて行われた疫学研究は、全て
の群集獲得型の(community-acquired)NANBHの約20%もまた、非C型であったこ
とを示した。これらのサンプルのHEVの存在についてのさらなる研究(Ryesら,WO
A 9115603(Genelabs Inc.)1991年10月17日)は、群集獲得型の非A型、非B型、
非C型肝炎のこれらの症例もまた非E型であることを示した。
センチネル郡(Sentinel County)の患者の肝臓生検の標本、血清および血漿(Mi
riam Alter博士およびKris Krawczynski博士の研究)もまた、多くのNANBHの真の
症例も、(血清学的におよびHCV感染の全てのマーカーに対して陰性である逆転写
酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR;Kawasakiら;Wangら、1990)により)結果と
して慢性持続性肝炎(CPH)の症状を有する慢性肝炎またはウイルス感染と一致し
た慢性活動性肝炎(CAH)を発症した非C型肝炎であることを示した。
発明の要旨
本発明は、本明細書中でG型肝炎ウイルス(HGV)と名付けた、新たに発見した
非A/非B/非C/非D/非E(N-(ABCDE))型肝炎関連ウイルス因子の特徴付け
および単離に関する。本明細書には、HGVゲノム部分のcDNAレプリカの一族が開
示される。さらなるHGV配列およびHGV変異体の配列の単離および特徴付けのため
の方法もまた開示される。
本発明は、HGVゲノムポリヌクレオチド、それに対するcDNAおよびそれらの相
補体を包含する。ポリヌクレオチドに関して、本発明のいくつかの局面は以下を
含む:精製されたG型肝炎ウイルスゲノムポリヌクレオチド;HGV由来のRNAおよ
びDNAポリヌクレオチド;組換えHGVポリヌクレオチド;HGVまたはHGV変異体cDNA
またはそれらの相補体に由来する配列を構成する組換えポリヌクレオチド;HGV
のエピトープをコードする組換えポリペプチド;上記組換えポリヌクレオチドの
いずれかを含む組換えベクター、およびこれらのベクターのいずれかで形質転換
された宿主細胞。本発明の別の局面は、HGVおよび/またはその変異体のための
ポリヌクレオチドプローブである。
配列情報を用いてHGVを他のウイルス配列と比較する、HGVのゲノムの性質に対
する現在の研究は、HGVがフラビウイルス科(Flaviviridae)のウイルスのメンバ
ーであることを示唆する。
HGV由来のcDNA配列部分は、天然に存在するウイルスの変異体を単離するため
、またはサンプル中のウイルスの存在を測定するためのプローブとして有効であ
る。これらのcDNAはまた、HGV特異的ポリペプチド抗原を含む、HGVをコードした
ポリペプチド配列の入手を可能にする。これらのコード配列は、診断試験の試薬
および/またはワクチンの成分として、または標準品として有用であるポリペプ
チドの産生を可能にする。さらに、これらのcDNA由来のプローブを利用してHGV
ゲノムの他の部分を単離し、そして配列決定することが可能であり、それにより
、予防、治療および診断の適用に有用である別のプローブおよびポリペプチドを
与える。
本発明の他の局面は以下を含む:HGV cDNAまたはその相補体由来のオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を組み込む組換え発現系(この場合、ORFが、所望の宿
主に適合性の制御配列に作動可能に結合されている)、この組換え発現系で形質
転換された細胞、およびこの形質転換細胞により産生されたポリペプチド。
本発明のさらなる別の局面は、精製されたHGV粒子;精製されたHGVからのポリ
ペプチドの調製;精製されたHGVポリペプチド;精製されたHGVペプチド;および
HGVまたはHGV変異体に含まれたエピトープで免疫学的に同定可能なエピトープを
包含する精製されたポリペプチドである。
本発明に含まれる局面は、HGVポリペプチド;HGVゲノム、HGV cDNAまたはその
相補体由来の配列からなる組換えポリペプチド;HGVエピトープから作られる組
換えポリペプチド、およびHGVポリペプチドから構成される融合ポリペプチドで
ある。
ポリペプチド配列内に含まれるHGVエピトープに向けられるポリクローナル抗
体およびモノクローナル抗体の両方もまた、治療薬剤として、診断試験、HGV因
子(そこから、これらのcDNAが由来する)の単離、および抗ウイルス薬剤のスクリ
ーニングに有用である
本発明はまた、HGVエピトープに向けられるポリクローナル抗体の精製された
調製物;およびHGVエピトープに向けられるモノクローナルを包含する。
キットに関する本発明のいくつかの局面は、以下のことを行うためのものであ
る:適切な容器において、HGV由来の約8個のまたはそれ以上のヌクレオチドの
ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドプローブを含むHGV由来のポリヌクレ
オチドの存在についてサンプルを調べること;適切な容器において、HGV抗原に
存在するHGVエピトープを含有するポリペプチドを構成するHGV抗原に向けられる
抗体の存在についてサンプルを分析すること;および適切な容器において、抗HG
V抗体を構成するHGV抗原の存在についてサンプルを分析すること。
本発明のさらに他の局面は、HGVエピトープから構成されるポリペプチド(これ
は固体基質に付着される);およびHGVエピトープに対する抗体(これは固体基質
に付着される)である。
本発明の他の局面は、発現ベクターで形質転換された、HGVポリペプチドをコ
ードする配列を含有する宿主細胞を、このポリペプチドの発現を可能にする条件
下でインキュベートすることを含むHGVポリペプチドの産生のための技術;およ
びこの方法により産生されたポリペプチド(例えば、HGVエピトープを含有する)
である。
本発明はまた、サンプル中のHGV核酸を検出のための方法を包含し、この方法
は、プローブおよびサンプルからのHGV核酸の間のポリヌクレオチド2本鎖の創
出を可能にする条件下で、サンプルの核酸をHGVポリヌクレオチドのプローブと
反応させる工程、およびこのプローブを含有するポリヌクレオチド2本鎖を検出
する工程を包含する。本発明は、以下のハイブリダイゼーションに基づく検出方
法を包含する:レポーター標識;ポリメラーゼ連鎖反応;自己持続性配列複製;
リガーゼ連鎖反応;およびストランド置換増幅。さらに、検出方法は、シグナル
増幅(例えば、分枝状DNAプローブおよびQ-βレプリカーゼ法)を包含する。
本発明はまた、HGVを検出するための免疫アッセイを含む免疫アッセイを包含
し、この免疫アッセイは、サンプル(これはHGVで感染されたと疑われる)と抗原
/HGVのエピトープ(抗原-抗体複合体の形成を可能にする条件下で検出される)に
向けられるプローブ抗体とをインキュベートする工程;およびプローブ抗体を含
有する抗原-抗体複合体を検出する工程を包含する。HGV抗原に向けられる抗体の
検出のための免疫アッセイは、抗体-抗原複合体の形成を可能にする条件下で、H
GVを含有すると疑われているサンプルとHGVのエピトープを含むプローブポリペ
プチドとをインキュベートする工程;およびプローブ抗原を含有する抗体-抗原
複合体を区別する工程を包含する。
HGV感染の処置および/または予防のためのHGVワクチンもまた、本発明の一部
を形成し、これには、HGVエピトープを含有する免疫原性ペプチド、またはHGVの
不活性化された調製物、またはHGVの低減された調製物を包含する。
さらに別の局面において、本発明は、HGVに感染した、組織培養増殖細胞を含
む。1つの実施態様において、組織培養増殖細胞は霊長類の肝細胞である。
本発明の別の局面は、HGVエピトープを含有する免疫原性ポリペプチドを免疫
応答を引き出すのに適切な量で被験体に投与する工程を包含する、HGV抗体を産
生するための方法である。
本発明はまた、HGVモザイクポリペプチドを包含し、ここで、このモザイクポ
リペプチドは少なくとも2つのHGVのエピトープを含有し、そして、このポリペ
プチドは、本来のHGVコード配列中のエピトープの間に通常存在するアミノ酸を
実質的に欠いている。このようなモザイクポリペプチドは、上述した適用および
方法に有用である。
本発明はさらに、エピトープの提示の間で天然のHGVの抗原性エピトープを模
倣するランダムなペプチドエピトープ(ミミトープ)を包含する。このようなミミ
トープは、上述した適用症および方法に有用である。本発明はまた、ランダムな
ペプチドHGVエピトープを同定するための方法を包含する。この方法では、ラン
ダムなペプチドエピトープのライブラリーが生成されるか、または選択される。
このライブラリーは抗HGV抗体と接触される。この抗体と特異的に免疫反応する
ミミトープが同定される。血清(抗HGV抗体を含有する)または本発明の方法によ
り産生される抗体は使用され得る。ランダムなペプチドライブラリーは、例えば
、ファージで提示され得るか、または組み合わせライブラリーとして産生され得
る。
別の局面では、本発明は、HGV感染の予防および/または処置のための治療化
合物および方法を包含する。
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、本発明の以下の詳細な説明を添
付の図面とともに読むと、より充分に理解される。
図面の簡単な説明
図1:配列番号14オープンリーディングフレームと470-20-1クローンとの関係
。
図2:グルタチオンアフィニティーカラムから溶出したグラジエント画分由来
の代表的なタンパク質プロファイルを示す。
図3:図2からの画分サンプルの代表的なドデシル硫酸ナトリウムポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動分析を示す。
図4A:アニオン交換カラムから溶出したグラジエント分画由来の代表的なタン
パク質プロファイルを示す。
図4Bおよび4C:図4Aからの分画サンプルの代表的なドデシル硫酸ナトリウムポ
リアクリルアミドゲル電気泳動分析を示す。
図5Aおよび5B:HGVとフラビウイルス科の2つの他のメンバー(ブタコレラウイ
ルスおよびC型肝炎ウイルス)とのアミノ酸アライメント。
図6は、HGVエピトープを有する細菌性発現プラスミドであるベクターpGEX-Hi
sb-GE3-2の部分地図を示す。
図7A〜7Dは、精製されたHGV GE3-2タンパク質のウェスタンブロット分析の結
果を示す。
図8A〜8Dは、精製されたHGV Y5-10抗原のウェスタンブロット分析の結果を示
す。
図9A〜9Dは、以下の抗原:Y5-5、GE-3およびY5-10のウェスタンブロット分析
の結果を示す。
図10A〜10Fは、抗原GE-NS2bおよびGE-NS5aのウェスタンブロット分析の結果を
示す。
図11は、HGVのコード配列のKyte-Doolittle疎水性プロットを表す。
図12は、抗T7.Tagモノクローナル抗体を有するHGV pETクローンのウェスタン
ブロット分析の結果を示す。
図13A〜13Dは、HGV pETクローンGE-NS5bのウェスタンブロット分析の結果を示
す。図13Eは、対応するクマシー染色ゲルを示す。
図14A〜14Cは、HGV pETクローンGE-E2のウェスタンブロット分析の結果を示す
。図14Dは、対応するクマシー染色ゲルを示す。
図15A〜13Cは、HGV pETクローンGE-NS5bのウェスタンブロット分析の結果を示
す。図15Dは、対応するクマシー染色ゲルを示す。
図16は、HGVのコード領域の略図表示を示す。
発明の詳細な説明
I.定義
以下で定義される用語は、本明細書中では以下の意味を有する:
1.本明細書中で暫定的にHGVと名付けた、「非A/非B/非C/非D/非E型肝
炎ウイルス因子{N-(ABCDE)}」は、(i)マイスタックス(mystax)、チンパンジーま
たはヒトを含むいくつかの霊長類で伝染可能であり、(ii)血清学的に、A型肝炎
ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウ
イルス、およびE型肝炎ウイルス(HEV)と異なり(しかし、HGVはこれらのウイル
スと同時に被験体に感染し得る)、そして(iii)フラビウイルス科のウイルスのメ
ンバーであるウイルス、ウイルス型、またはウイルスクラスを意味する。
2.「HGV変異体」は、本明細書中に開示されているHGVポリヌクレオチド配列
(例えば、配列番号14)に対して、少なくとも約40%、好ましくは55%または65%
、あるいはより好ましくは80%の全配列相同性、すなわち、ウイルスゲノムポリ
ヌクレオチド配列の長さの全体での配列同一性を有するウイルス単離体として定
義される。
「配列相同性」は本質的に以下のように決定される。類似した長さ(好ましく
はウイルスゲノム全体)の2つのポリヌクレオチド配列は、これらがALIGNプログ
ラムを用いてアライメントされるときに、最も高い得点のアライメントにおける
核酸の、40%、好ましくは55%または65%、またはより好ましくは80%より多く
が、ktupを1とすること、省略時(default)のパラメーターおよび省略時のPAM行
列を用いて同一的にアライメントされるならば、互いに相同と考えられる。
ALIGNプログラムは、配列比較プログラムのFASTAバージョン1.7セットに見出
される(Pearsonら、1988;Pearson、1990;William R.Pearsonから入手可能な
プログラム、Department of Biological Chemistry,Box 440,Jordan Hall,Ch
arlottesville,VA)。
2つのウイルスが互いに「高度に相同的」であるかどうかを決定する際、1つ
のウイルスの全てのウイルスタンパク質(またはそのポリタンパク質)の完全な配
列は、ktupを1とすること、省略時のパラメーターおよび省略時のPAM行列を用
いて上記セットのALIGNプログラムを用いて、他のウイルスのウイルスタンパク
質またはポリタンパク質と最適に、全体的にアライメントされる。非類似または
類似の領域はこの分析から除外されない。2つの配列の間の長さの相違は、ミス
マッチと考えられる。あるいは、ウイルスの構造タンパク質領域は、代表的に、
ウイルス単離体間の関連性を決定するために使用される。高度に相同的ウイルス
は、40%、あるいは好ましくは55%または65%、あるいはより好ましくは80%を
越える完全なポリペプチド配列同一性を有する。
3.2つの核酸フラグメントが、以下の条件下で、これらが、HGVポリヌクレ
オチドまたはその変異体に特異的にハイブリダイズし得るか(例えば、HGV核酸に
ハイブリダイズするが、フラビウイルス科のウイルスの他のメンバー由来のポリ
ヌクレオチドにハイブリダイズしないプローブ)、またはポリメラーゼ連鎖反応
を特異的に開始させ得る場合、HGVポリヌクレオチドに「選択的にハイブリダイ
ズ可能」であると考えられる:(i)例えば、Maniatisら、320-328頁、および382-
389頁に記載されているような代表的なハイブリダイゼーションおよび洗浄条件
下で、(ii)多くても約25〜30%塩基対のミスマッチを可能にする低いストリンジ
ェンシー洗浄条件を用いること(例えば:2×SSC、0.1%SDS、室温で2回、30分
間ずつ;続いて、2×SSC、0.1%SDS、37℃で1回、30分間;続いて、2×SSC、
室温で2回、10分間ずつ)、または(iii)標準的条件下(例えば、Saiki,R.Kら)で
の代表的なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)における使用のためのプライマー(これは
HGVまたはその変異体の配列の特異的増幅を生じる)を選択すること。
好ましくは、高度に相同的な核酸鎖は、20〜30%未満の塩基対ミスマッチ、さ
らに好ましくは、5〜20%未満の塩基対ミスマッチを含有する。これらの程度の
相同性は、当該分野で周知のように、遺伝子ライブラリー(または他の供給源の
遺伝子物質)由来のクローンの同定のための適切なストリンジェンシーの洗浄条
件を用いることにより選択され得る。
4.本明細書中で使用されている「HGVポリヌクレオチド」は、以下のように
定義される。約100ヌクレオチドよりも大きいポリヌクレオチドについては、HGV
ポリヌクレオチドは、HGV変異体および上記「2」で定義されているような相同
的配列によりコードされるポリヌクレオチド配列を包含する。長さが約100ヌク
レオチド未満のポリヌクレオチドについては、HGVポリヌクレオチドは、HGVまた
はその変異体の配列に選択的にハイブリダイズする配列を包含する。さらに、HG
Vポリヌクレオチドは、HGVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを包含す
る(以下を参照のこと)。
本明細書中で使用されている用語「ポリヌクレオチド」とは、代表的な核酸に
水素結合し得る塩基を支持する骨格を有するポリマー性分子を意味し、ここで、
このポリマー骨格は、ポリマー性分子と代表的な核酸(例えば、1本鎖DNA)との
間で配列特異的な様式でこのような水素結合を可能にするように、塩基を提示す
る。このような塩基は、代表的に、イノシン、アデノシン、グアノシン、シトシ
ン、ウラシルおよびチミジンである。多くのポリヌクレオチドの改変は、当該分
野で公知であり、例えば、標識、メチル化、および天然に存在する1つまたはそ
れ以上のヌクレオチドのアナログでの置換がある。
ポリマー性分子は、2本鎖および1本鎖のRNAおよびDNA、およびそれらの骨格
修飾体(例えば、メチルホスホネート結合)を包含する。さらに、このようなポリ
マー性分子は、ポリビニル骨格(Pitha、1970a/b)、モルホリノ骨格(Summertonら
、1992、1993)のような別のポリマー骨格構造を包含するが、これらに限定され
ない。種々の他の荷電または荷電していないポリヌクレオチドアナログが報告さ
れている。多くの骨格修飾体は当該分野で公知であり、荷電していない結合(例
えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、およびカ
ルバメート)および荷電結合(例えば、ホスホロチオエートおよびホスホロジチオ
エート)を包含するが、これらに限定されない。さらに、結合は、以下の代表的
な修飾を含み得る:ペンダント部分、例えば、タンパク質(例えば、ヌクレアー
ゼ、トキシン、抗体、シグナルペプチドおよびポリ-L-リジンを含む);インター
カレーター(例えば、金属、放射活性金属、ホウ素および酸化性金属)、アルキル
化剤、および他の修飾された結合(例えば、αアノマー核酸)。
5.本明細書中の「HGVポリペプチド」は、HGVポリペプチドに相同的な任意の
ポリペプチドとして定義される。本明細書中で使用されている「相同性」は以下
のように定義される。1つの実施態様では、ポリペプチドは、これがHGVまたは
その変異体の配列に選択的にハイブリダイズする核酸によりコードされる場合、
HGVポリペプチドに相同的である。
別の実施態様では、ポリペプチドは、これがHGVまたはその変異体によりコー
ドされる場合、上記で定義されるように、HGVポリペプチドに相同的であり、こ
のグループのポリペプチドは、代表的に、15個、好ましくは25個、またはより好
ましくは35個より大きい、連続するアミノ酸である。さらに、約60アミノ酸より
長いポリペプチドについては、「ポリペプチド相同性」を決定する目的のための
配列比較は、局部のアライメントプログラムLALIGNを用いて行われる。このポリ
ペプチド配列は、HGVアミノ酸配列またはその任意の変異体に対して、上記で定
義されたように、ktupを1とすること、省略時のパラメーターおよび省略時のPA
MでLALIGNプログラムを用いて比較される。
60アミノ酸より長い最適なアライメント、および65%、好ましくは70%、また
はより好ましくは80%より大きい同一的にアライメントされたアミノ酸を有する
任意のポリペプチド(代表的には、HGV抗体と特異的に免疫反応しないポリペプチ
ド)は、「相同的ポリペプチド」であると考えられる。LALIGNプログラムは、配
列比較プログラムのFASTAバージョン1.7セットに見出される(Pearsonら、1988;
Pearson、1990;William R.Pearsonから入手可能なプログラム、Department of
Biological Chemistry,Box 440,Jordan Hall,Charlottesville,VA)。
6.ポリヌクレオチドは、これが、HGVゲノムの領域、HGVのcDNAまたはその相
補体と同じまたは実質的に同じ塩基対配列を有する場合、あるいはこれが上記の
「2」、「3」または「4」に記載のような相同性を提示する場合、HGV「に由
来する」。
ポリペプチドまたはポリペプチド「フラグメント」は、これが、(i)HGVポリヌ
クレオチドのオープンリーディングフレームによりコードされ、または(ii)上記
の「2」および「5」に記載のようなHGVポリペプチドに対して相同性を提示し
、または(iii)HGV陽性血清と特異的に免疫反応する場合、HGV「に由来する」。
7.「実質的に単離された」および「精製された」は、いくつかの文脈で使用
され、そして代表的には、関連のないまたは混入成分(例えば、血清細胞、タン
パク質、非HGVポリヌクレオチドおよび非抗HGV抗体)からのHGVウイルス粒子、成
分(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)、または関連化合物(例えば
、抗HGV抗体)の少なくとも部分的な精製を意味する。目的の化合物または成分の
単離および精製のための方法および手順は、以下に記載される(例えば、融合タ
ンパク質のアフィニティー精製およびHGVポリペプチドの組換え産生)。
8.本発明の文脈で、用語「核酸配列」は、タンパク質、ポリペプチド、また
はペプチドをコードする配列を示す場合、相同的なタンパク質、ポリペプチド、
またはペプチドの配列、および開示された配列をコードする縮重核酸配列を包含
することを意味する。
9.「エピトープ」は、抗原の特異的部分として定義される抗原性決定因子で
ある。特異的抗体の抗原結合部分は、この特異的部分と相互作用する。
10.抗原またはエピトープは、エピトープ/抗原がHGV感染血清に存在する
抗体と結合するが、HGVに感染していないか、または感染したことがない個体か
らの血清の大部分(約90%以上、好ましくは95%以上)に存在する抗体と反応しな
い場合、HGV陽性な血清と「特異的に免疫反応的」である。「特異的に免疫反応
的」抗原またはエピトープはまた、特定のHGVエピトープまたは抗原に対して産
生されるモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体と免疫反応的であり得る
。
抗体または抗体組成物(例えば、ポリクローナル抗体)は、この抗体または抗体
組成物がHGV抗原と免疫反応するが、HAV、HBV、HCV、HDVまたはHEV抗原と免疫反
応しない場合、HGVと「特異的に免疫反応性」である。さらに、「特異的な免疫
反応性抗体」は、HGV、HAV、HBV、HCV、HDVまたはHEVに感染していないかまたは
曝されていない被験体から得られた正常な血清に代表的に存在する抗原と免疫反
応しない。
II.N-(ABCDE) 血清
抗HCVに対する血清学的試験の有用性およびHCV-RNAに対するRT-PCRアッセイの
開発(Kawasakiら;Wangら、1990)により、輸血後獲得型および地域獲得型の非
HCV肝炎の両方のいくつかの症例の同定を可能にした。Centers for Disease Con
trol and Preventionの支援による地域獲得型肝炎のSentinel Counties Studyを
介して、ヒト肝炎の症例(PNF 2161)がNANB型肝炎(NANBH)を有することが初
めて確認された(Alterら、1989b)。PNF 2161は、高齢のコーカサス人男性患者
から得られたサンプルであり、この患者は輸血約8週後、急性肝炎を発症し、11
41 IUの最高血清ALT(正常レベル、<45 IU)を示した。急性肝炎のエピソード
の消散後、患者は変動があるものの、以後7年間にわたって高ALTレベルが持続
し、慢性肝炎と一致したが、この診断の組織病理学的確証は得られなかった。
HGVのクローン化(本明細書中に記載)に使用した血漿試料は、急性肝炎のエ
ピソードから約4年半後の1989年6月に得、そして冷凍保存した。患者のPNF 21
61は当初、HCVに感染したとは思われなかった。これは、第一世代の免疫アッセ
イ試験(Ortho HCV ELISA Test System; Ortho Diagnostics,Raritan,NJ)で
一貫して陰性の結果であったことに基づく。しかし、第二世代のHCV免疫アッセ
イ(Ortho)およびHCV 5'非コード領域プライマーによるPCRを用いるその後の試
験では、患者がHCVに感染したことが認められた。
III.HGV 関連配列の単離
HGV配列を含むクローンを同定するための1つのアプローチとして、発現ベク
ター、λgt11においてHGV感染血清からcDNAライブラリーを調製した(実施例1
)。次いでポリヌクレオチド配列を、血清PNF2161と免疫反応するペプチドの発
現について選択した。PNF 2161血清(ファージライブラリーを作製するのに使用
される)を用いて、一次スクリーニングを典型的に実施した。他のN-(ABCDE)と
疑われる血清でスクリーニングするのもまた可能である。
このアプローチによって同定される組換えタンパク質は、候補物に、診断検査
において基質となり得るペプチドを提供する。さらに、このアプローチによって
同定される核酸のコード配列は、さらなるHGVコード配列の同定のための有用な
ハイブリダイゼーションプローブとして働く。
上記の血清を用いて、λgt11におけるcDNAライブラリーを作製した(実施例1
)。実施例1に例示した方法では、感染血清を、希釈せずに8%PEG中で沈殿さ
せ、そして得られたペレット化ウイルスからライブラリーを作製した。感染ヒト
供給源由来の血清を、同様の様式で処理した。
PEG沈殿に対する有利な代替法として、超遠心分離を用いて感染血清または他
の生物学的試料から粒子因子をペレット化し得る。核酸を抽出し得るウイルス粒
子を単離するために、血清(2mlまでの範囲)をPBSで約10mlに希釈し、3Kで10
分間スピンし、そして上清をTi70.1ローター(Beckman Instruments,Fullerton
,CA)内で最低2時間、40,000rpm(約110,000×g)、4℃で遠心分離する。次い
で上清を吸引し、そして標準的な核酸抽出技術でペレットを抽出する。
出発物質としてペレット化した血清から抽出されるRNAとの逆転写反応におけ
るランダムプライマーを用いて、cDNAライブラリーを作製した。得られた分子を
配列独立シングルプライマー増幅(SISPA;Reyesら、1991)リンカープライマー
に連結し、そして非選択的方法で増幅し、次いでペプチド抗原の発現およびスク
リーニングのために適切なベクター(例えば、λgt11)にクローン化した。ある
いは、λgt10ベクターもまた、使用し得る。
λgt11は、β-ガラクトシダーゼ遺伝子の翻訳終止コドンの53塩基対上流に唯
一のEcoRI挿入部位を含む、特に有用な発現ベクターである。それゆえ、挿入配
列は、β-ガラクトシダーゼ遺伝子産物のN末端部分を含むβ-ガラクトシダーゼ
融合タンパク質(ヘテロペプチド)および必要に応じてβ-ガラクトシダーゼペ
プチドのC末端領域を含むβ-ガラクトシダーゼ融合タンパク質として発現され
る(ヘテロペプチドのコード配列が翻訳終止コドンを含まない場合は、C末端部
分が発現される)。
このベクターはまた、許容温度(例えば、32℃)でウイルスの溶原性を生じ、
そして高温(例えば、42℃)でウイルスによる溶原化に至る温度感受性リプレッ
サー(cI857)を生産する。このベクターの利点としては、(1)高い効率の組
換えクローンの作製、(2)許容温度での宿主細胞増殖において溶原化宿主細胞
を選択するが、非許容温度では選択しない能力、および(3)組換え融合タンパ
ク質の生産が挙げられる。さらに、ヘテロの挿入物を含むファージは、不活性な
β-ガラクトシダーゼ酵素を生産することから、挿入物を含むファージは、β-ガ
ラクトシダーゼを使用する発色基質変換反応を用いて典型的に同定される。
実施例1は、N-(ABCDE)肝炎血清PNF 2161に対するcDNAライブラリーの調製を
記載している。PNF 2161を用いて、このライブラリーを免疫スクリーニングした
(実施例3)。多くの免疫反応性のλgt11クローンを同定した。免疫陽性のクロ
ーンをプラーク精製し、そしてそれらの免疫反応性を再試験した。また、正常ヒ
ト血清のクローンとの免疫反応性もまた、試験した。
これらのクローンをまた、クローン化挿入配列の「外因性の」性質について調
べた。この基礎的試験から、クローン化フラグメントが、ヒトの一部または他の
潜在的な混入核酸(例えば、E.coli、S.cerevisieaおよびミトコンドリアの核
酸)を示さないことが確認される。ポリメラーゼ連鎖反応増幅後、EcoRI消化に
よってクローン挿入物を単離した。挿入物を精製し、次いで放射性標識し、そし
て膜結合正常ヒトDNA、正常マイスタックスDNA、および細菌DNA(コントロールD
NA)に対するハイブリダイゼーションプローブとして使用した(実施例4A)。
クローン470-20-1(PNF 2161 cDNA供給源)は、PNF 2161血清を用いる免疫ス
クリーニングにより単離されたクローンの1つであった。このクローンは、正常
ヒト血清とは反応しなかった。このクローンは、インフレーム(in-frame)でλgt
11ベクターのβ-ガラクトシダーゼ遺伝子を伴う大きなオープンリーディングフ
レーム(203塩基対;配列番号3)を有する。このクローンは、ヒト、酵母、お
よびE.coliゲノムDNAを用いる、ゲノムDNAハイブリダイゼーション分析および
ゲノムPCR分析により外因性である(実施例4B)。
この配列は、RT-PCRにより決定されるように、PNF2161血清中に存在した(実
施例4C)。系列希釈したPNF 2161 RNAのRT-PCRは、1mlあたり少なくとも約105
コピーの470-20-1特異的配列を示唆した。この配列はまた、ウイルス様粒子と
関連して集まる配列と一致する密度で、ショ糖密度勾配画分中で検出された(実
施例5)。
第2のクローンであるクローン470-exp1(配列番号37)を発現するE.coliの
細菌溶解物はまた、クローン470-20-1に相当するレベルでPNF 2161血清と特異的
に免疫反応することが示された。470-exp1のコード配列は、終止コドンに隣接し
(配列番号14との配列の比較に基づく、図1もまた参照のこと)、そして内部に
メチオニンを有した。
さらに、配列番号14に含まれる配列(クローン470-20-1に隣接する)は、クロ
ーン470-20-1由来のプライマーを用いるアンカーポリメラーゼ連鎖反応(Anchor
PCR)によって得た(実施例6)。この場合、PNF 2161 2-cDNA供給源ライブラ
リーをテンプレートとして用いた。この場合、cDNA/相補2本鎖DNA生成物をλア
ームに連結したが、混合物はパッケージされなかった。
470-20-1特異的プライマーは、テンプレートとしてSISPA増幅PNF 2161 cDNAを
用いる増幅反応に使用された(実施例4)。増幅DNAフラグメントの同一性を、
(i)大きさおよび(ii)470-20-1特異的オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号
16)とのハイブリダイゼーションにより確認した。SISPA増幅PNF 2161からのPCR
により増幅されたcDNAに、470-20-1特異的シグナルが検出され、供給原材料中に
470-20-1の配列が存在することが明らかにされた。
470-20-1特異的プライマーはまた、基質として以下のRNA供給源を用いる増幅
反応に使用された:正常マイスタックス肝臓RNA、正常タマリン(Sanguins labo
riatis)肝臓RNA、およびMY131肝臓RNA(実施例4)。これらの実験からの結果
は、470-20-1配列が、親血清サンプル(PNF2161)中およびPNF 2161を抗原投与
した動物由来の肝臓RNAサンプル(MY131)中に存在することを示す。両方の正常
コントロールRNAは、470-20-1配列の存在について陰性であった。
さらに、PNF 2161血清および他のクローニング供給源または関連の供給原材料
を、選択されたクローン化配列由来のプライマーを用いるPCRにより直接試験し
た。特異的オリゴヌクレオチドプローブ470-20-1-152F(配列番号16)に対する
ハイブリダイゼーションにより、特異的増幅産物を検出した。PNF 2161の多数の
抽出物中で、470-20-1特異的プライマーにより、特異的シグナルを再現的に検出
した。
HGVと肝疾患との間の病的関連は、実施例4Fのデータによってさらに支持され
る。肝炎患者由来の血清および肝機能異常の血液ドナー由来の血清を、HGV特異
的プライマーを用いるRT-PCRスクリーニングにより、HGVの存在について評価し
た。これらの血清サンプルのうち6/152に、HGV特異的配列を検出した。コントロ
ールサンプル間では、HGV陽性は検出されなかった(n=11)。
上記の結果は、肝臓のN-(ABCDE)ウイルス感染(すなわち、肝炎)および/ま
たは他の組織および細胞タイプの感染(およびその結果生じる疾患)に関連する
ウイルス因子の単離を示す。
IV.HGV 組換え抗原のさらなる特徴付け
A.組換え体ライブラリーのスクリーニング。
さらなる候補HGV抗原は、上記のスクリーニング方法を用いて本発明のライブ
ラリーから入手し得る。上記のcDNAライブラリーは、アメリカンタイプカルチャ
ーコレクション(American Type Culture Collection)、12301 Parklawn Dr.,
Rockville,MD,20852に寄託されており、そして以下の名称が割り当てられてい
る:PNF 2161 cDNA供給源、ATCC 75268。
第1のPNF 2161 cDNAライブラリーについての記載と本質的に同様に、第2のP
NF 2161 cDNAライブラリーを作製した。ただし、第2のPNF 2161 cDNA供給源ラ
イブラリーをλgt11アームに連結したが、パッケージはしなかった。この非パッ
ケージ化ライブラリーを用いて、以下に記載の拡張クローン(extension clone
)を得た。この第2のライブラリーのパッケージ化バージョン(PNF 2161 2-cDN
A供給源ライブラリー)は、アメリカンタイプカルチャーコレクション、12301 P
arklawn Drive,Rockville,MD,20852に寄託されており、そして以下の名称が
割り当てられている:PNF 2161 2-cDNA供給源、ATCC 75837。
上記で作製した組換えライブラリーに加えて、N-(ABCDE)肝炎血清由来の他の
組換えライブラリーも同様に本明細書に記載のように作製され、そしてスクリー
ニングされ得る。
B.エピトープマッピング、クロスハイブリダイゼーション、およびゲノム配
列の単離
抗原をコードするDNAフラグメントは、(i)上記の免疫スクリーニングまた
は(ii)潜在的な抗原性領域を同定するためのアルゴリズム(例えば、「ANTIGE
N」,Intelligenetics,Moutain View,CA)を用いるコード配列(例えば、配列
番号14)のコンピュータ分析により同定され得る。抗原をコードするDNAフラグ
メントは、サブクローン化され得る。次いで、サグクローン化挿入物は、DNase
Iによる部分消化によってフラグメント化されてランダムフラグメントを作製し
得るか、または特異的制限エンドヌクレアーゼ消化によってフラグメント化され
て特異的サブフラグメントを生成し得る。得られたDNAフラグメントはλgt11ベ
クターに挿入され得、そしてクローン化挿入物のエピトープマップを提供するた
めに免疫スクリーニングに供され得る。
さらに、DNAフラグメントをハイブリダイゼーション実験のプローブとして使
用し、重複するHGV配列を同定し得、そしてこれらは順番にさらにプローブとし
て使用して一組の連続クローン(contiguous clone)を同定し得る。数組の連続
クローンを作製すれば、HGVゲノムの配列の解明が可能になる。
上記のクローン配列(例えば、配列番号14またはクローン470-20-1由来)のい
ずれかを用いてcDNAおよびDNAライブラリー(λgt10または「LAMBDA ZAP II」(
Stratagene,San Diego,CA)のようなベクター内で作製される)をプローブ化
し得る。公知の配列の特異的サブフラグメントは、ポリメラーゼ連鎖反応によ
り、またはこのような配列を保有するベクターの制限エンドヌクレアーゼ切断後
、単離され得る。得られるDNAフラグメントは、任意の選択されたライブラリー
に対する放射性標識プローブとして使用され得る。特に、クローン挿入物の5'お
よび3'末端配列は、さらなるクローンを同定するためのプローブとして有用であ
る。
さらに、クローン化挿入物の5'末端により提供される配列は、第1ストランド
cDNAまたはDNA合成反応中の配列特異的プライマーとして有用である(Maniatis
ら;Scharfら)。例えば、特異的にプライム(primed)したPNF 2161 cDNAおよびD
NAライブラリーは、PNF 2161核酸上の配列番号14由来の特異的プライマーをテン
プレートとして用いることによって調製され得る。第2ストランドの新たなcDNA
は、RNaseHおよびDNAポリメラーゼIを用いて合成される。上記の手順は、既知
のクローン挿入配列に5'隣接する核酸領域に対応するDNA/cDNA分子を同定するか
、または生成する。これらの新たに単離された配列を順次使用してさらに接する
配列などを同定し、HGVの全ゲノムを含む配列を同定し得る。上記のように、新
たなHGV配列の単離後、ポリヌクレオチドをクリーン化し、そして免疫スクリー
ニングして、特異的配列をコードするHGV抗原を同定し得る。
拡張クローンの配列(配列番号14)(目的とするさらなる配列を含む)を、実
施例6に記載の「アンカーPCR」法を用いてクローンPNF 470-20-1(配列番号3
)について得た。簡単に説明すると、ストラテジーは、PNF 2161 SISPA cDNAを
λgt11アームに連結する工程、およびgt11特異的プライマーと2つの470-20-1特
異的プライマーのうち1つとで連結反応物を増幅する工程を包含する。
増幅産物を電気泳動的に分離し、フィルターに移し、そしてフィルターに結合
したDNAを470-20-1特異的プローブでプローブした。ハイブリダイゼーション陽
性バンドシグナルに対応するバンドをゲル精製し、クローン化し、そして配列決
定した。
C.抗原ポリペプチドおよび抗体の調製
本発明の組換えペプチドは、標準的なタンパク質精製手順により精製され得る
。この精製手順としては、分画沈殿(differential precipitation)、分子ふる
いクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、等電点フォーカシング
、
ゲル電気泳動、およびアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。
本発明の1つの実施態様において、本発明の抗原のポリヌクレオチド配列は、
プラスミドp-GEX(実施例7A)またはその種々の誘導体(pGEX-GLI)内でクローン
化されている。プラスミドpGEX(Smithら、1988)およびその誘導体は、タンパ
ク質のグルタチオン-S-トランスフェラーゼに対してインフレームで融合したク
ローン化挿入物(sj26)のポリペプチド配列を発現する。1つのベクター(プラ
スミドpGEX-hisB)の構築では、6個のヒスチジンのアミノ酸配列を融合タンパ
ク質のカルボキシ末端で導入する。
種々の組換えpGEXプラスミドをE.coliの適切な株に形質転換し得、そして実
施例7Aに記載のように、IPTG(イソプロピル-チオガラクトピラノシド)の添加
によって、融合タンパク質の生産を誘導し得る。次いで、可溶化した組換え融合
タンパク質を、グルタチオンアガロースアフィニティークロマトグラフィーを用
いて、誘導培養の細胞溶解物から精製し得る(実施例7A)。
プラスミドpGEX-hisBによって発現される不溶性の融合タンパク質は、6M尿素
または6Mグアニジンイソチオシアネート(これらの両者とも、タンパク質の可
溶化に有用である)を含有する緩衝液中での固定化金属イオンアフィニティーク
ロマトグラフィー(Porath)により精製され得る。あるいは、pGEX-GLIまたはそ
の誘導体において発現される不溶性タンパク質は、可溶性タンパク質を除去する
ための遠心分離に続いて不溶性タンパク質の可溶化と、標準的なクロマトグラフ
方法(イオン交換またはサイズ排除クロマトグラフィーなど)との組合せを用い
て精製され得、そして他のこのような方法は、当該分野において既知である。
β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質(λgt11クローンによって生産されるよ
うな)の場合、融合タンパク質は、アフィニティークロマトグラフィーによって
、細胞溶解材料を表面結合抗β-ガラクトシダーゼ抗体を有する固相支持体上に
通過させることにより、容易に単離され得る。例えば、アフィニティークロマト
グラフィーによる470-20-1コード配列由来のβ-ガラクトシダーゼ/融合タンパク
質の精製が、実施例7Bに記載されている。
HGVコード配列および適切な宿主内でのコード領域の発現を可能にする発現制
御因子を含む、上記のλgt11またはpGEXベクターのような発現ベクターもまた、
本発明に含まれる。制御因子は、一般にプロモーター、翻訳開始コドン、ならび
に翻訳および転写終止配列、ならびに挿入物をベクターに導入するための挿入部
位を含む。
所望の抗原ポリペプチドをコードするDNAは、多くの市販のベクターにクロー
ニングされ得、適切な宿主系内でポリペプチドの発現をもたらす。これらの系に
は、限定はされないが、以下のものが含まれる:バキュロウイルス発現(Reilly
ら;Beamesら;Pharmingen;Clontech,Palo Alto,CA)、ワクシニア発現(Ear
l、1991;Mossら)、細菌における発現(Ausubelら;Clontech)、酵母における
発現(Gellissen、1992;Romanos、1992;Goeddel;GuthrieおよびFink)、哺乳
動物細胞における発現(Clontech;Gibco-BRL,Ground Island,NY)(例えば、
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(Haynes、1983、Lau、1984、Kaufma
n、1990))。これらの組換えポリペプチド抗原は、直接発現されるか、または
融合タンパク質として発現され得る。多くの特徴を発現ベクターに取り入れるこ
とができる(例えば、発現された配列の培養培地への分泌を促進するリーダー配
列)。
多くのこれらの系を用いる、大きなHGVポリペプチドの発現については、実施
例16に記載している。
酵母系での発現は、商業的生産に有利である。ワクシニアおよびCHO細胞株に
よる組換えタンパク質の生産は、哺乳動物発現系である点で有利である。さらに
、ワクシニアウイルス発現は、以下を含むいくつかの利点を有する:(i)広範
な宿主範囲;(ii)組換えタンパク質の正確な転写後修飾、プロセッシング、折
り畳み、分泌、および構築(assembly);(iii)比較的可溶な組換えタンパク質
の高レベルの発現;および(iv)外来DNAを収容する大きな能力。
組換え体から発現されるポリペプチドから生産されるHGVポリペプチド抗原は
、溶解した細胞または培養培地から典型的に単離される。精製は、当該分野にお
い公知の方法によって行われ得、これらには、塩分画、イオン交換クロマトグラ
フィー、およびアフィニティークロマトグラフィーが含まれる。免疫アフィニテ
ィークロマトグラフィーは、本発明の方法によって同定されるHGV抗原に基づい
て作製される抗体を用いて、使用され得る。
HGVポリペプチド抗原もまた、HGV粒子から単離され得る(下記を参照のこと)
。
ポリペプチドの連続抗原決定基は、一般に比較的小さく、代表的に6個から10
個のアミノ酸の長さである。より小さいフラグメントが、例えば、配座エピトー
プ内で抗原領域として同定されている。HGVポリペプチド抗原は、上記のように
同定される。いずれかのストランドの得られるDNAコード領域は、融合タンパク
質または単離されたペプチドのいずれかとして組み換え的に発現され得る。さら
に、アミノ酸配列は、市販の合成機(Applied Biosystems,Foster City,CA)
または「PIN」技術(Applied Biosystems)を用いて簡便に化学的に合成され得
る。
別の実施態様において、本発明は多数のエピトープを含有するモザイクタンパ
ク質を包含する。HGVモザイクポリペプチドは、代表的に、HGVの少なくとも2つ
のエピトープを含有する。ここで、このポリペプチドは、通常、ネガティブなHG
Vコード配列中のエピトープ間に介在するアミノ酸を実質的に欠く。多数のタン
デムなエピトープをコードする合成遺伝子(Crea;Yoshioら;Eatonら)が構築さ
れ得る。この合成遺伝子は、上記のポリペプチド発現ベクター/宿主系を用いる
標準的な組換えDNA技術を用いてモザイクタンパク質を産生する。
さらに、多数の抗原ペプチドが、以前に記載された方法(Tam,J.P.,1988; Bri
andら)により化学的に合成され得る。例えば、α-アミノ基およびe-アミノ基を
有するリジン残基の小さな免疫学的に不活性なコアマトリックスを用いて、目的
のエピトープを提示する多コピーの同一または異なる合成ペプチド(代表的には
6〜15残基の長さ)をつなぎ止め得る。モザイクタンパク質または多数の抗原ペ
プチド抗原は、免疫アッセイにおいて多数のエピトープの分布により生じるシグ
ナル増幅に起因するより高い感度および特異性を与える。
これらの方法のいずれかにより得られる抗原は、抗原生成、診断試験、および
ワクチン開発に用いられ得る。
別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチド抗原に対する特異抗体を
包含する。これらの方法のいずれかにより得られる抗原は、抗体の生成に直接用
いられ得るか、またはこれらの抗体は適切なキャリア分子に結合され得る。この
ような多くのキャリアが当該分野で公知であり、そして市販されている(例えば
、
Pierce,Rockford IL)。代表的には、抗体を調製するために、宿主動物(例えば
、ウサギ)が、精製抗原または融合タンパク質抗原で免疫される。ハイブリッド
タンパク質または融合タンパク質は、他のタンパク質(例えば、グルタチオン-S
-トランスフェラーゼまたはβ−ガラクトシダーゼ)に由来する種々のコード配
列を用いて生成され得る。適切な時間間隔を置いた後に宿主の血清または血漿を
収集し、そしてこの血清を抗原に対して特異的な抗体について試験する。実施例
8は、ウサギ血清抗体の産生を記載する。この抗体は、sj26/470-20-1ハイブリ
ッドタンパク質中の470-20-1抗原に対して特異的である。これらの技術は、配列
番号14として示されるコード配列に由来する配列を包含するがこれに限定されな
い、HGVに由来する全ての免疫原性配列に平等に適用できる。
免疫動物のγグロブリン画分またはIgG抗体は、例えば、飽和硫酸アンモニウ
ム沈澱またはDEAEセファデックスクロマトグラフィー、アフィニティークロマト
グラフィー、またはポリクローナル抗体を産生するための当業者に公知の他の技
術の使用により得られ得る。
あるいは、精製抗原または融合抗原タンパク質は、モノクローナル抗体を産生
するために用いられ得る。ここで、免疫動物に由来する脾臓またはリンパ球が取
り出され、そして不死化されるか、またはこれを用いて当業者に公知の方法によ
りハイブリドーマを調製する。ヒト由来のハイブリドーマを生成するために、ヒ
トリンパ球ドナーが選択される。HGVに感染したことが公知であるドナーは、適
切なリンパ球ドナーとして供され得る。リンパ球は、末梢血サンプルから単離さ
れ得る。Epstein-Barrウイルス(EBV)を用いてヒトリンパ球を不死化し得るか、
または適切な融合パートナーを用いてヒト由来ハイブリドーマを生成し得る。ウ
イルス特異的ポリペプチドでの一次インビトロ感作はまた、ヒトモノクローナル
抗体の生成に用いられ得る。
不死化細胞により分泌される抗体は、所望の特異性の抗体を分泌するクローン
を決定するために、例えば、ELISAまたはウェスタンブロット法(実施例10;Aus
ubelら)を用いることによりスクリーニングされる。
HGV陽性の血清または血漿、あるいは本発明の抗体を用いて、他の抗原性ペプ
チドおよびエピトープが単離され得る。例えば、多くのペプチドの同時合成のた
めに多くの異なる方法が開発されている(Geysenら; Houghten; FrankおよびDori
ng; Hudson)。Geysenらにより開発された方法は、特に有用である。なぜなら、
比較的簡単に多くの異なるペプチド配列が生成され、そして抗原性について試験
され得るからである。Geysen法(MULTI-PINペプチド合成ともいう)においては、
ペプチドは、マイクロタイタープレートに結合したポリアクリルアミド酸グラフ
ト化ポリエチレンロッド上で合成される。MULTI-PINストラテジーは、本発明の
ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体、ならびに市販の試薬および装置
を用いて免疫学的にスクリーニングされる多数の合成を可能にする(プレートあ
たり96ペプチド)。
報告によれば、6,000オリゴペプチドまでは、2週間の期間で合成され得、従
って単一のアミノ酸が決定するエピトープについてのウイルス抗原配列のスクリ
ーニングを(特定の抗原の全ての可能な重複するアミノ酸配列を合成することに
より)実施可能にする(Geysenら)。
免疫優勢な(immunodominate)ペプチドを精査するための別の方法は、従来の自
動ペプチド合成を用いてHGV配列に対応するより長いペプチド(例えば、10〜30
アミノ酸)を合成することである(Carterら,1994; Obeidら,1994; Commandaeu
rら,1994)。この方法は、より長いペプチドは構造的なエピトープを真似る形に
折り畳まれ得るという利点を有する。
また、HGV抗体、特にモノクローナル抗体を用いて、それらのウイルスがコー
ドする標的ポリペプチドを真似るランダムポリペプチドを同定し得る(Scottおよ
びSmith,1990; Smith,1991)。例えば、ファージで提示されるランダムペプチ
ドライブラリー(RPL)(ScottおよびSmith,1990)は、抗体生成またはワクチン開
発のペプチドリガンド供給源として用いられ得る。RPLのアプローチにより、フ
ァージ表面での融合タンパク質を含有するペプチドリガンドの発現、および抗体
を用いるアフィニティー選択によりこれらのリガンドをコードするファージの富
化が可能となる(Smith,J.P.,1991; Christianら; Scottら,1992; Folgoriら)
。特異抗体により検出されるこれらのランダムペプチドエピトープは、エピトー
プ提示の間に、天然の抗原性エピトープを真似る(ミモトープ(mimotope))。HGV
抗原性模倣物(ミモトープ)は、RPLから単離され得る。RPLを発現するヘキサペ
プ
チドからデカペプチドファゴトープ(phagotope)(ファージ上に提示されたミモ
トープ)は、公表された方法(ScottおよびSmith; Smith,J.P.,1991; Christian
ら; Scottら; DeGraafら; Folgoriら)により作成され得、そしてHGV関連ヒト血
清または本発明の抗体によりスクリーニングされ得る。
470-20-1ミモトープの単離のためのRPLの使用の1例は、以下の通りである。
ランダムデカペプチド-pIII融合ファージディスプレーライブラリーは、以前に
記載された方法(DeGraafら,1993)に従って構築される。簡略に述べると、化学
的に合成した1本鎖変性挿入物を、SfiI制限突出を生成するより短いオリゴヌク
レオチドにアニールする。アニールしたDNAを、SfiI切断fUSE-5ベクターDNA中に
連結する。
E.coli MC1061を、連結したDNAで形質転換する。ライブラリーを、20mg/mlテ
トラサイクリンを有するLB培地中の約10集団の倍加により増幅する。このライブ
ラリーを、1つ以上の470-20-1免疫反応性血清(または本発明の抗体)を用いて
アフィニティー選択する。ポリスチレンビーズ(Precision Plastic Ball Compan
y,Chicago.Il)を、50mM NaHCO3(pH9.6)中の硫酸アンモニウム分画の陽性血清(
例えば、PNF 2161)で一晩、4℃にてコートする。抗体コートビーズを、PBSで完
全に洗浄し、そしてBSAでブロックする。
これらの血清コートし、ブロックしたビーズを、過剰量のM13K07-UV死滅ファ
ージで4℃にて4時間、プレインキュベートする。次いで、ライブラリーファー
ジを上記のプレインキュベーション混合物に添加し、そして4℃にて12時間イン
キュベートする。非結合のファージを除去し、そしてビーズを大量のTTB(50mM T
ris(pH7.5)、150mM NaCl、0.5%「TWEEN 20」(v/v)、1mg/ml BSA)緩衝液で洗浄
する。結合したファージを溶出緩衝液(2M Tris-HCl(pH9.0)でpH2.2に調整した0.
1M HCl)で溶出する。溶出した富化ファージを第2の陽性血清(例えば、Mys 136
血清)でプラーク免疫スクリーニングによりスクリーニングする。
選択されたファゴトープのさらなるスクリーニングを、陽性および陰性の血清
、または特異的なHGVモノクローナル抗体のより大きなパネルを用いて実施し得
る。選択されたファゴトープは、直接ELISAアッセイまたは抗体生成に用いれら
得る。あるいは、ファゴトープをコードするヌクレオチドの配列は、従来のベク
ター/
宿主系において決定および発現され得、そして抗原として使用され得る。
上記のように同定された模倣ポリペプチドを、次に検出アッセイにおいて抗原
として供され得るか、または抗原特異的抗体の生成に使用され得る。
D.ELISAおよびタンパク質ブロットスクリーニング
HGV抗原が同定される場合、代表的には上記のプラーク免疫スクリーニングに
より、抗原は発現され、そして精製され得る。次いで、抗原は、別の免疫アッセ
イ(例えば、単離された抗原ペプチドを用いるELISAまたはタンパク質ブロット
アッセイ(ウェスタンブロット))を用いて、多数の疑わしいHGV肝炎血清に対
して迅速にスクリーニングされ得る。抗原ポリペプチド融合物は、通常、融合パ
ートナー(例えば、β−ガラクトシダーゼまたはグルタチオン-S-トランスフェ
ラーゼ)に対するアフィニティークロマトグラフィーにより上記のように単離さ
れ得る。あるいは、抗原自体が、それに対して生成された抗体を用いて単離され
得る(以下を参照のこと)。
一般的なELISAアッセイ形式は、実施例10に示されている。Harlowらは、免疫
アッセイおよび抗体/抗原スクリーニングのための多数の有用な技術を記載する
。
精製抗原ポリペプチドまたは目的の抗原を含有する融合ポリペプチドを、固体
支持体(例えば、マルチウェルポリスチレンプレート)に結合する。試験される
血清を希釈し、そしてウェルに添加する。抗体が結合抗原に結合するのに十分な
時間が経過した後、血清をウェルから洗い流す。標識レポーター抗体を適切な基
質とともに各ウェルに添加する:精製抗原ポリペプチドまたは抗原を含有する融
合ポリペプチドと結合した抗体を含有するウェルを、陽性シグナルにより検出す
る。
本発明のポリペプチド抗原を用いるタンパク質ブロット分析の代表的な形式を
実施例10に示す。一般的なタンパク質ブロット法は、Ausubelらにより記載され
ている。実施例10において、470-20-1/sj26融合タンパク質を用いて多数の血清
サンプルをスクリーニングした。実施例10に表す結果は、いくつかの異なる供給
源のN-(ABCDE)肝炎血清がポリペプチド抗原と免疫応答することを示す。
上に示す結果は、HGVの検出のために、本発明のポリペプチド抗原が、HGV感染
が疑われる血清サンプルのパネルに対してこれらの方法により迅速にスクリーニ
ングされ得ることを示す。
E.細胞培養系、動物モデル、およびHGVの単離
HGV伝染性研究が、チンパンジー、カニクイザル、および4つのマイスタック
ス被験体において行われてきた(実施例4H)。これらの研究により、これらの動
物モデルにおけるHGV伝染性についてのさらなる情報を得ている。本明細書で記
載のHGVは、タマリン、カニクイザル属のサル、およびチンパンジーに感染し得
るという利点を有する。
あるいは、感染動物(チンパンジー、ヒヒ、サル、またはヒト)から得た初代
肝細胞を、インビトロで培養し得る。分化した霊長類肝細胞の長期維持を可能に
する成長因子およびホルモンを添加した無血清培地が記載されている(Lanfordら
; Jacobら,1989,1990,1991)。初代肝細胞培養に加えて、感染細胞の不死化培養
物もまた生成され得る。例えば、初代肝培養物は、(HepG2のような)種々の細
胞に融合されて、安定的な不死化細胞株を提供し得る。初代肝細胞の細胞培養物
もまた、オンコジーンまたはトランスフォーム表現型を生じる遺伝子の導入によ
り不死化され得る。このようなオンコジーンまたは遺伝子は、SV40、ヒト細胞性
オンコジーン、およびEpstein Barrウイルスを包含する当該分野で公知の多くの
供給源に由来し得る。
さらに、非感染肝細胞(例えば、初代肝細胞株または継続性肝細胞株)は、培
養中の細胞を部分的に精製した粒子調製物(例えば、感染した血清から分別遠心
分離および/または分子量ふるいにより調製される)としてか、または感染性血
清中でHGVに曝すことにより感染され得る。次いで、これらの感染細胞を増殖さ
せ、そしてウイルスを当該分野で公知の方法で継代する。さらに、他の細胞タイ
プ(例えば、リンパ球様細胞株)は、HGVの増殖に有用であり得る。
HGVのタンパク質相同性研究により、フラビウイルス科の他のウイルスに類似
したアミノ酸領域が検出されている。この科のウイルスのメンバーは、種々の組
織培養系中で増殖可能であることが公知である(ATCC-ウイルスカタログ,1990)
。類推によれば、HGVは、1つ以上の以下の組織培養系において増殖され得るよ
う
である:Hela細胞、初代ハムスター腎臓細胞、サル腎臓細胞、vero細胞、LLC-MK
2(アカゲザル腎臓細胞)、KB細胞(ヒト口部類表皮ガン細胞)、アヒル胚細胞
、初代ヒツジ軟髄膜細胞、初代ヒツジ脈絡叢細胞、ブタ腎臓細胞、ウシ胚腎臓細
胞、ウシ鼻甲介細胞、ヒヨコ胚細胞、初代ウサギ腎臓細胞、BHD-21細胞、または
PK-13細胞。
HGVの発現に加えて、HGVポリヌクレオチド配列の領域、cDNA、またはインビト
ロ転写RNAは、組換え手段により組織培養細胞中に導入され得る。このような組
換え操作により、HGVの個々の成分の別々の発現が可能となる。
RNAサンプルは、感染組織、または特に感染細胞培養物から調製され得る。RNA
サンプルは、ゲルで分画され、そしてクローン化されたHGV配列に由来するプロ
ーブを用いるハイブリダイゼーション分析のためにメンブレンに転写され得る。
HGV粒子は、感染血清、感染組織、上記の細胞培養培地、または培養した感染
細胞から当該分野で公知の方法により単離され得る。このような方法は、サイズ
分画に基づく技術(例えば、限外濾過、沈澱、沈降法)、陰イオンおよび/また
は陽イオン交換物質を用いる技術、密度、親水性を基礎とする分離、およびアフ
ィニティークロマトグラフィーを包含する。単離手順の間、HGVは、(i)本発明の
抗HGV肝炎会合試薬抗体を用いて、(ii)同定されたHGV核酸配列(例えば、実施例
5)に基づくハイブリダイゼーションプローブを用いて、または(iii)RT-PCRに
より同定され得る。
HGVに対する抗体は、免疫アフィニティークロマトグラフィー(Harlowら;Pier
ce)によるHGV粒子の精製に使用され得る。HGVポリペプチドまたは融合ポリペプ
チド(例えば、470-20-1)に対する抗体は、抗体がその免疫選択性を維持するよ
うな方法で固体支持体に固定される。固体支持体への抗体のこのような結合を達
成するために、スペーサー基を含有する2官能性カップリング剤(Pierce;Pharm
acia,Piscataway,NJ)は、しばしば抗体の抗原結合部位への接近し易さを保持す
るために用いられ得る。
HGV粒子は、免疫蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法、粒子を構成するタンパク質の
ウェスタンブロット分析、部分的に精製した粒子を用いる動物および/または細
胞系における感染研究、および沈降特性を包含するが、これらに限定されない標
準的な手順によりさらに特徴付けられ得る。実施例5に示す結果は、本発明のウ
イルス粒子が非エンベロープウイルス粒子よりも、エンベロープウイルス粒子に
類似していることを示唆する。
HGV粒子を破砕してHGVゲノムを得る。粒子の破砕は、例えば、キレート剤の存
在下での界面活性剤処理により達成され得る。次いで、ゲノムの核酸は、さらに
特徴付けられ得る。特徴付けは、DNaseおよびRNase感受性の分析を包含し得る。
ゲノムの撚り性(strandedness)(実施例41)および形態(例えば、環状)は、
当該分野の技術により決定され得、これらは、電子顕微鏡での可視化および沈降
特性を包含する。
単離されたゲノムはまた、ゲノム全体の配列決定を可能にし、それがセグメン
ト化されているか否か、およびそれがRNAゲノムであるかDNAゲノムであるか(例
えば、RT-PCR、染色体歩行技術、または近隣のクローン化配列由来のプライマー
を利用するPCRを用いて)を決定し得る。HGVの全配列の決定により、ゲノム構成
研究ならびに公知のウイルス病原体のコード配列および調節配列とHGV配列との
比較を可能にする。
F.抗HGV肝炎活性を有する薬剤についてのスクリーニング
HGVの増殖のための細胞培養および動物モデル系の使用は、感染性HGVの産生を
阻害する抗肝炎剤:特に、HGVの複製を阻害する薬物についてスクリーニングす
る能力を提供する。細胞培養および動物モデルは、正常な細胞機能および生存性
へのこのような抗肝炎薬物の効果の評価を可能にする。潜在的な抗ウイルス剤(
天然の産物または合成化合物を包含する;例えば、低分子、真菌抽出物のような
複雑な混合物、およびアンチセンスオリゴヌクレオチド)は、代表的に濃度範囲
にわたる抗ウイルス活性についてスクリーニングされる。次いで、HGV複製およ
び/または抗原産生への効果が、代表的には、ウイルスの高分子の合成または高
分子(例えば、DNA、RNA、またはタンパク質)の蓄積をモニターすることにより
評価される。この評価は、正常な細胞機能(DNA複製、RNA転写、一般的なタンパ
ク質翻訳など)への抗ウイルス剤の効果としばしば相関する。
HGVの検出は、本明細書に記載の方法を包含する多くの方法により達成され得
る。例えば、抗体は本発明の抗原に対して生成され得、そしてこれらの抗体は、
細胞培養物中のHGV抗原を同定および定量するために抗体に基づくアッセイ(Harl
owら)に用いられた。HGV抗原は、培養中に競合アッセイを用いて定量され得る:
クローン化HGV配列によりコードされるポリペプチドがこのようなアッセイに用
いられ得る。代表的には、組換えにより産生されるHGV抗原ポリペプチドを生成
し、そしてこれを用いてモノクローナル抗体およびポリクローナル抗体を生成す
る。組換えHGVポリペプチドは、レポーター分子を用いて標識される。次いで、
この標識ポリペプチドのその同族抗体への結合の阻害が、HGV抗原を含有するサ
ンプル(例えば、細胞培養培地または血清)の存在下で評価される。サンプル中
のHGV抗原のレベルは、既知濃度の非標識組換えタンパク質を用いて作成した標
準曲線に対する阻害レベルの比較により決定される。
本発明のHGV配列は、細胞培養系で産生されるHGV核酸配列の量を定量するため
に用いられ得るポリヌクレオチドプローブ/プライマーの生成に特に有用である
。このような定量は、種々の方法により達成され得る。例えば、レポーター分子
で標識したプローブは、標準的なドットブロットハイブリダイゼーションまたは
標識プローブと感染細胞の核酸との競合アッセイに用いられ得る。さらに、サン
プル中の標的核酸レベルを定量するためにポリメラーゼ連鎖反応を用いる種々の
方法が存在する(Osikowiczら)。
保護抗体はまた、上記の細胞培養および動物モデル系を用いて同定され得る。
例えば、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体は、本発明の抗原に対し
て生成される。次いで、これらの抗体は、細胞培養または動物の感染前に感染性
HGV含有接種原(例えば、血清)を前処理するために用いられ得る。細胞培養物
または動物を感染から保護する単一の抗体または抗体の混合物の能力が評価され
る。例えば、細胞培養および動物においては、ウイルス抗原および/または核酸
産生が存在しないことが、スクリーニングとして供される。さらに動物において
は、HGV肝炎疾患症状(例えば、ALT値の上昇)の不在はまた、保護抗体の存在の
指標である。
あるいは、回復期の血清が、保護抗体の存在についてスクリーニングされ得、
次いで、これらの血清は抗体と結合するHGV肝炎関連病原体抗原を同定するため
に用いられる。次いで、同定されたHGV抗原は、組換えによりまたは合成により
生成される。保護抗体を生成する抗原の能力が上記のように試験され得る。
最初のスクリーニング後、保護抗体を生成し得ると同定された抗原(単数また
は複数)を、(単独または組み合わせてのいずれかで)ワクチンとして用いて試
験動物を接種し得る。次いで、動物に感染性HGVで抗原投与する。感染からの保
護は、それらを感染から保護する抗体を生成するための動物の能力を示す。さら
に、動物モデルを用いることにより、細胞免疫を活性化する抗原の同定が可能と
なる。
動物モデルでの研究において、ウイルス調製による抗原投与に応答した保護免
疫応答(例えば、感染血清)は、(i)動物を感染から保護するか、または(ii)疾
患の発現を防ぐ。
G.ワクチンおよび防御免疫の発生。
ワクチンは、本発明の方法により同定された1つまたはそれより多いの免疫原
性ポリペプチドから調製され得る。HGVから単離された配列と他の既知のウイル
スタンパク質との間のゲノム構成類似性は、有効なワクチンの候補となるような
ポリペプチドに関する情報を提供し得る。さらに、多くのコンピュータプログラ
ムを、タンパク質抗原決定領域をコードする単離された配列の有望な領域を同定
するために用い得る(例えば、Hoppら、;「ANTIGEN」、Intelligenetics,Mount
ain View CA)。
活性成分として免疫原性ポリペプチドを含むワクチンは、代表的には溶液また
は懸濁液としてのいずれかで注入可能なように調製される。さらに、免疫原性ポ
リペプチドは、注入前の水性形態中への再懸濁に適する固体または凍結乾燥状態
で調製され得る。免疫原性ポリペプチドはまた、乳化またはリポソーム中にカプ
セル化され得る。ポリペプチドはしばしばポリペプチドと適合可能な薬学的に受
容可能な賦形剤と混合される。このような賦形剤は、以下のものおよび以下のも
のの組合せを含むがこれらに限定されない:生理食塩水、水、糖(例えば、デキ
ストロースおよびソルビトール)、グリセロール、アルコール(例えば、エタノー
ル[EtOH])、および当該技術分野で公知の他の物。さらに、ワクチン調製物は、
湿潤剤、乳化剤(例えば、界面活性剤)、およびpH緩衝剤のような他の少量の補助
物質を含み得る。さらに、多くのアジュバントが利用可能であり、ワクチン調製
物の有効性を増強し得る。このようなアジュバントの例は以下のものを含むがこ
れらに限定されない:N-アセチル-ムラニル-L-トレオニル-D-イソグルタミンお
よびN-アセチル-ノル-ムラニル-L-アラニル-D-イソグルタミンを含む関連化合物
の群、および水酸化アルミニウム。
本発明のワクチンに用いられる免疫原性ポリペプチドは、組換え体であり得、
合成物であり得、または例えば弱毒化されたHGV粒子から単離され得る。ポリペ
プチドは通常ワクチン中に中性または塩の形態で処方される。薬学的に受容可能
な有機塩および無機塩が当該技術分野で周知である。
HGV肝炎関連因子ワクチンは、代表的には皮下または筋肉内注射により非経口
投与される。他の可能な処方物は、経口処方物および坐剤処方物を含む。経口処
方物は通常、賦形剤(例えば、医薬グレードの糖、サッカリン、セルロースなど)
を用い、通常10〜98%内の免疫原性ポリペプチドを含む。経口組成物は、丸剤、
カプセル剤、錠剤、溶液、懸濁液、粉剤などの形態をとり、徐放性または長期放
出を可能にするように処方され得る。坐剤処方物は従来の結合剤およびキャリア
を用い、代表的には0.1%と10%との間の免疫原性ポリペプチドを含む。
上記の情報を考慮すると、HGV肝炎関連因子に対する多価ワクチンが生成され
得、これは1つまたはそれより多い構造性または非構造性のウイルス因子ポリペ
プチドから構成される。これらのワクチンは、例えば、組換え発現HGVポリペプ
チド、HGVビリオンから単離されたポリペプチド、合成ポリペプチド、またはモ
ザイクポリペプチドの形態でアセンブルしたエピトープを含み得る。さらに、不
活性化HGVの使用を介してHGV肝炎感染に対する防御を与えるワクチンを調製する
ことが可能であり得る。このような不活性化は、ウイルス溶解物の調製、次いで
適切な有機溶媒、界面活性剤、またはホルマリンで溶解物を処理することにより
達成され得る。
ワクチンはまた、弱毒化したHGV株から調製され得る。このような弱毒化したH
GVは、上記の細胞培養物および/または動物モデル系を用いて得られ得る。代表
的には、弱毒化された株がインビトロまたはインビボでの多回継代後単離される
。
弱毒化された株の検出は当該技術分野で公知の方法により達成される。弱毒化さ
れたHGVを検出する1つの方法は、HGV抗原に対する抗体プローブ、配列特異的ハ
イブリダイゼーションプローブの使用、あるいは感染動物またはHGV感染したイ
ンビトロ培養物のアッセイについての配列特異的プライマーを用いる増幅である
。
あるいは、または上記方法の他に、弱毒化されたHGV株は、本明細書中に示さ
れた情報から得られ得るゲノム情報に基づいて構築され得る。代表的には、例え
ばウイルス発病学に関連するポリペプチドをコードする感染因子ゲノムの領域が
欠失され得る。欠失はウイルス複製を妨害すべきではない。さらに、組換え弱毒
化HGV構築物は、HGVに対する防御免疫応答の惹起を与え得る1つあるいは複数の
エピトープの発現を可能にする。所望の免疫応答は体液性免疫および細胞性免疫
の両方を含み得る。次いで、弱毒化HGVのゲノムは細胞を形質転換するために用
いられ、ウイルス複製を可能にする条件下で細胞が増殖される。このような弱毒
化株は、ワクチンとしてのみならずウイルス抗原および/またはHGV粒子の産生
ソースとしても有用である。
HGVエピトープを含むハイブリッド粒子免疫原も生成され得る。HGVエピトープ
の免疫原性は、真核生物系(例えば、哺乳類系または酵母系)中にエピトープを発
現することにより増強され得、ここでこのエピトープは公知の粒子形成タンパク
質と融合またはアセンブルされる。このようなタンパク質の1つは、B型肝炎表
面抗原である。HGVエピトープが粒子形成タンパク質のコード配列に直接連結さ
れる組換え構築物は、HGVエピトープおよび粒子形成タンパク質に関して免疫原
性であるハイブリッドタンパク質を生成する。あるいは、粒子形成に関連しない
粒子形成タンパク質コード配列の選択された部分が、HGVエピトープに対応する
コード配列に置き換えられ得る。例えば、粒子形成タンパク質に対する特異的免
疫反応性領域がHGVエピトープ配列に置き換えられ得る。
B型肝炎表面抗原は、酵母のSaccharomyces cerevisiea中および哺乳類細胞中
で発現し、そしてアセンブルされて粒子となることが示された(Valenzuelaら、1
982および1984;Michelleら)。これらの粒子は免疫反応性を増強したことが示さ
れた。ハイブリッドタンパク質(すなわち、異種のウイルス配列を有する組換え
構築物)を用いるこれらの粒子の形成が以前に開示されていた(ヨーロッパ特許第
175,261号、1986年3月26日に公開)。HGVエピトープを含むこのようなハイブリッ
ド粒子もワクチン適用に有用であり得る。
本発明のワクチンは、処方方法に適合する用量でならびに予防処置または治療
処置に薬理学的に有効であるような量で投与される。投与される免疫原の量は、
処置される被験体、防御免疫応答の発生についての処置被験体の免疫系の能力、
および所望の防御レベルに依存する。
本発明のHGVワクチンは単回または複数回の用量で投与され得る。用量レジメ
はまた、処置被験体の必要および耐性に関連して決定される。HGV免疫原性ポリ
ペプチドに加えて、ワクチン処方物は他の免疫調節剤と共に投与され得る。
HGVワクチン接種へのさらなるアプローチでは、適切な調節制御下にHGVタンパ
ク質をコードするDNA構築物は、哺乳類組織にインビボで直接導入される。この
ような構築物の導入は「遺伝学的免疫」を生じる。同様のDNA構築物が細胞に取
り込まれ、コードされたタンパク質が発現されることが示された(Wolfら;Ascad
iら)。注入されたDNAは宿主細胞クロマチンへ組み込みまたは複製しないようで
ある。この発現は、動物系におけるインビボでのウイルス抗原投与からの防御を
含む、実質的な体液性および細胞性免疫応答を惹起する(Wangら、1993;Ulmerら
)。1つの実施態様では、局所麻酔(例えば等張性食塩水中メチルパラベンを含む
塩酸ブピバカイン)での前処置に続いてDNA構築物を骨格筋に注入し、細胞のDNA
取り込みを促進する。注入したDNA構築物が筋肉細胞に取り込まれ、コードされ
たタンパク質が発現される。
可溶性ウイルスサブユニットタンパク質でのワクチン接種に比較して、遺伝学
的免疫はウイルスタンパク質の確実なインビボ発現の有利性を有する。これらの
ウイルスタンパク質は、宿主細胞組織適合性抗原、および天然のウイルス感染で
起こるような他のタンパク質と関連して発現される。このタイプの免疫は、多く
の可溶性サブユニットタンパク質ワクチンに対比して、体液性および細胞性免疫
応答の両方を誘導し得る。従って、このタイプの免疫は、生弱毒化ワクチンの有
利な特徴の多くを、ワクチン接種のための感染剤の使用および付随の安全性の心
配なしで、維持する。
所望のワクチン抗原をコードするプラスミドまたは他のDNA構築物のインビボ
での組織中への直接注入は1つの送達手段である。DNA構築物の他の送達手段が
同様に用いられ得る。これらは種々の脂質ベースのアプローチを含み、ここでDN
Aはリポソーム、カチオン性脂質試薬、またはサイトフェクチン(cytofectin)(例
えばリポフェクチン)を用いてパッケージされる。これらのアプローチは、Felgn
erおよびRhodes(1991)により要約されたようにインビボでの取り込みおよび発現
を促進する。これらの基本のアプローチへの種々の改変は次を含む:(i)特定の
細胞の標的化、(ii)取り込みに続くDNA構築物の細胞内配置、または(iii)発現を
促進することを促進するためのペプチドまたは他の部分の取り込み。あるいは、
所望のワクチン抗原をコードする配列は適切なレトロウイルスベクターに挿入さ
れ得る。得られた組換えレトロウイルスベクターをワクチン抗原のインビボ発現
のために被験体に接種した。次いで、抗原は免疫応答を誘導する。上記のように
、このアプローチはウイルス抗原に対する体液性および細胞性免疫の両方を誘導
することを示している(Irwinら)。
さらに、本発明のHGVワクチンは、他のワクチン剤、例えば他の肝炎ワクチン
と組み合わせて投与され得る。
H.合成ペプチド。
HGVポリペプチドのコード配列を用いて、合成ペプチドがこれらのポリペプチ
ドに対応して生成され得る。合成ペプチドは、商業的に合成され得るか、または
当該技術分野における標準的な方法および装置(Applied Biosystems,Foster Ci
ty CA)を用いて調製され得る。
あるいは、ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオ
チド合成の標準的な方法により直接合成されるか、または、大きなコード配列の
場合、コード配列に対応する複数のオリゴヌクレオチドフラグメントのタンデム
配列(array)を含む一連のクローニング工程により合成されるかのいずれかであ
り得る(Crea;Yoshioら;Eatonら)。オリゴヌクレオチドコード配列は標準的組
換え手順により発現され得る(Maniatisら;Ausubelら)。
V.ウイルスゲノムの特徴付け。
実施例4に示すように、HGVゲノムはRNA分子であるようであり、ウイルスのフ
ラビウイルス科のカテゴリーに分類されるウイルス配列に最も近い配列類似性を
有する。この科はFlavivirus属、Pestivirus属、および1つのメンバー(C型肝
炎ウイルス)から構成される非分類属を含む。HGVウイルスは、フラビウイルス科
の他の認められたメンバー(下記のタンパク質モチーフを除く)との著しく広範な
(すなわち、ウイルスの長さを通して)配列同一性を有さない。
一般的には、フラビウイルス科のメンバーは、1.1〜1.23g/mlの間のショ糖濃
度勾配密度を有する包膜ウイルスであり、熱、有機溶媒、および界面活性剤に感
受性である。実施例5に示すように、HGVは包膜フラビウイルス科のウイルス(HC
V)に類似の密度特性を有する。無傷のHGVビリオンも有機溶媒に感受性であるよ
うである(実施例5)。
フラビウイルス科のビリオンは直鎖状1本鎖(ss)RNAの単一分子を含み、これ
もまたウイルスタンパク質をコードする唯一のmRNAとして働く。ssRNA分子は代
表的には9キロベース長と12キロベース長との間のサイズである。
ウイルスタンパク質は、続いて成熟ウイルスタンパク質にプロセシングされる
1つのポリタンパク質前駆体に由来する。フラビウイルス科のほとんどのメンバ
ーは、その3'末端にポリ(A)テイルを含まない。ビリオンは重量で約15〜20%脂
質である。
フラビウイルス科中のメンバーは、コアタンパク質および2つまたは3つの膜
結合タンパク質を有する。3つの属のフラビウイルス科中のメンバーの類似の構
造タンパク質は、配列レベルで互いにほとんど類似性を示さない。非構造タンパ
ク質は、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RDRP)、ヘリカーゼ、およびセリンプロテア
ーゼについて保存されたモチーフを含む。これらの保存されたアミノ酸またはモ
チーフの短いブロックは、「MACAW」のように当該技術分野で公知のコンピュー
タアルゴリズムを用いて検出され得る(Schulerら)。これらのモチーフは、おそ
らくこれらのタンパク質によりプロセシングされた基質により課せられる束縛に
関連する(KooninおよびDolja)。これらのモチーフの順番は、フラビウイルス科
の全メンバーにおいて保存される。HGVのゲノムは、フラビウイルス科のメンバ
ーにおいて見られるタンパク質モチーフを含む;例えば、(i)ヘリカーゼ遺伝子
、
(ii)セリン様プロテアーゼドメイン、および(iii)RNA依存性RNAポリメラーゼ(RD
RP)(実施例5、「GDD」配列を参照のこと)。
配列情報は、HGVのいくつかの異なる株/単離物において本明細書中で開示され
る。この情報は、本明細書中に記載したような(例えば、開示されたHGV変異体配
列に基づく縮重プライマーを用いる)ハイブリダイゼーション、プライマー伸長
、およびRT-PCRの技法を用いて新規の株/単離物を単離するために、当業者によ
り用いられ得る。
この場合では、HGVは、フラビウイルス科のメンバーであると考えられる新規
の単離物である。このウイルス科内で、ウイルスによりコードされる構造タンパ
ク質の試験は、ウイルス単離物が別種のウイルスのメンバーであるかどうかの最
も明確な決定を可能にする。非構造タンパク質は、ある科のウイルス種内の異な
る種のウイルス間で最も保存される。これは例えば次のような酵素機能を保存す
る必要性の結果であると考えられる:ウイルスポリタンパク質のタンパク質分解
的切断、ならびにウイルスヘリカーゼおよびウイルスのRNA依存性RNAポリメラー
ゼによるRNAゲノムの複製。
フラビウイルス科の任意の属(例えば、フラビウイルス属)内の数種の試験は、
これらの保存された機能のための遺伝子が構造タンパク質よりも種間でより高度
に保存されることを示す。従って、ウイルス単離物が既知の種の「変異体単離物
」に対して新規の種を示すかどうかの主要な決定ファクターの1つは、既知のウ
イルス種と新規のウイルス単離物との間の構造タンパク質の全体的な相同性の決
定である。
非構造タンパク質中に見られる約200アミノ酸またはそれより少ない領域内で
見られた局所的相同性は、単離物が変異体または新規の種かどうかの不確定の指
標である。代表的には、広範な構造タンパク質の約40%またはそれより少ない相
同性を有するウイルス単離物は、異なる種(ウイルス)または異なる属のいずれか
として分類される。各HGVの構造領域は、「GENBANK」に記載されたあらゆるウイ
ルスと比較して40%より少ない相同性を有する(比較は当該技術分野の標準方法に
より行った)。従って、HGVは、ポジティブストランドRNAウイルスの新規の種お
よびおそらく新規の属であると考えられる。
ウイルス単離物の系統発生学的な位置の決定において試験される他の重要な領
域は、5'および3'非翻訳領域(UTR)である。これらの領域はウイルス単離物の間
で比較される。例えば、全メンバーのHCV(フラビウイルス科の非分類属)は、そ
の属中の他の全メンバーと約90%より多く保存された5'非翻訳領域を有する。さ
らに、HCVのメンバーは約24ヌクレオチド長と約50ヌクレオチド長との間の3'非
翻訳領域を共有する。
5'非翻訳領域がBLASTN上のFASTAを用いる疑問の(query)配列として用いられる
場合、「GENBANK」(Ver.86)中のいかなるウイルスとも重要な配列は見られない
。さらに、HGVは、あらゆる他の公知のウイルスに対する相同性もほとんど含ま
ない少なくとも約250ヌクレオチド長である3'非翻訳領域を含む。
フラビウイルス科のメンバーは、(i)食血性節足動物ベクター(ダニおよび蚊)
(ここでそれらは疾病を引き起こさない)から(ii)広範囲の脊椎動物宿主(ヒト
、霊長類、他の哺乳類、有袋類、および鳥類)までの範囲にわたる広範囲の動物
において複製することが知られている。フラビウイルス科の30をこえるメンバー
は、ヒトにおいて熱病または発疹から、出血熱、脳炎、または肝炎のような潜在
的な致死疾患までの範囲にわたる疾患を引き起こす。フラビウイルス科の少なく
とも10のメンバーは、家畜において重篤なおよび経済的に重大な疾患を引き起こ
す。
VI.利用
A.発明
1つの局面では、本発明は実質的に単離された形態でのG型肝炎ウイルス(HGV
)ポリヌクレオチド由来のポリヌクレオチドに関する。1つの実施態様では、HGV
ポリヌクレオチドは、(i)霊長類における伝搬、(ii)A型肝炎ウイルス(HAV)、B
型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイルス、およびE型
肝炎ウイルス(HEV)から血清学的に区別し得ること、ならびに(iii)フラビウイル
ス科のメンバーであることにより特徴付けられる。本発明のポリヌクレオチドは
、DNAまたはRNA(あるいはそのアナログまたはその変異体)から構成され得、そし
て当該技術分野で公知の方法に従って、組換え産生され得、単離され得、または
合成され得る。
一般的には、本発明のHGVポリヌクレオチドは少なくとも10ヌクレオチド長で
ある。別の実施態様では、HGVポリヌクレオチドは少なくとも15ヌクレオチド長
である。さらに別の実施態様では、HGVポリヌクレオチドは少なくとも20ヌクレ
オチド長である。
より詳細な実施態様では、本発明のポリヌクレオチドは、HGVゲノムのcDNAま
たはcDNA相補物を含む。より詳細な実施態様では、このようなcDNAまたはcDNA相
補物は、配列番号14、配列番号37、および配列番号19またはその相補物からなる
群より選択されるポリヌクレオチドに対して少なくとも40%の配列相同性を有す
る。さらに他の実施態様では、このようなcDNAは、配列番号14、配列番号37、お
よび配列番号19、またはその相補物からなる群より選択されるポリヌクレオチド
に対して少なくとも55%の配列相同性を示す。より詳細な実施態様では、本発明
のcDNAまたはcDNA相補物ポリヌクレオチドは、配列番号14、配列番号37、および
配列番号19、またはその相補物からなる群より選択される配列由来の配列を有す
る。
他の一般的な実施態様では、本発明のポリヌクレオチドは、HGVに特異的にハ
イブリダイズするポリヌクレオチドプローブである。さらに他の一般的な実施態
様では、本発明のポリヌクレオチドは、HGVのエピトープをコードする。より詳
細には、ポリヌクレオチドをコードするこのようなエピトープは、配列番号14、
配列番号19、または配列番号37由来の配列を含み得る。
他の一般的な実施態様では、本発明のポリヌクレオチドは、HGVポリヌクレオ
チドに選択的にハイブリダイズし得るヌクレオチドの隣接する配列を含む。この
ことについては、HGVは、次のアミノ酸配列の1つに少なくとも40%の配列相同性
を有するアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む
ゲノムとして特徴付けられる:配列番号15の2873アミノ酸配列、配列番号38の19
0アミノ酸配列、または配列番号20の67アミノ酸配列。より詳細には、ポリヌク
レオチドプローブはHGVに特異的にハイブリダイズする。このようなポリヌクレ
オチドプローブは、検出用標識または他の改変を有し得るか、または固相支持体
に固定され得る。
上記のDNAポリヌクレオチドはまた、HGV特異的免疫反応性抗原決定基をコード
し得る。このことについては、HGVは、アミノ酸配列をコードするオープンリー
ディングフレーム(ORF)を含むゲノム、cDNAまたはその相補物を有するとして特
徴付けられる。このような次のアミノ酸配列の1つに少なくとも40%の配列相同
性を有するアミノ酸配列:配列番号15の2873アミノ酸配列、配列番号38の190ア
ミノ酸配列、または配列番号20の67アミノ酸配列。
他の詳細な実施態様では、本発明に従ってHGV抗原決定基と特異的に反応性で
あるHGVコードDNAポリヌクレオチドは、配列番号15の2873アミノ酸配列、または
配列番号38の190アミノ酸配列、または配列番号20の67アミノ酸配列に少なくと
も55%の配列相同性を有するアミノ酸配列を含む。
さらに他の詳細な実施態様では、DNAポリヌクレオチドは、配列番号14、配列
番号37、および配列番号19、またはその相補物からなる群より選択されるポリヌ
クレオチドに少なくとも40%の配列相同性を示し得る。
さらなる実施態様では、本発明は、HGV誘導ポリペプチドをコードするDNAポリ
ヌクレオチドを包含する。より詳細には、ポリヌクレオチドにコードされるポリ
ペプチドは、HGVゲノム、cDNAまたはその相補物にコードされる少なくとも15〜6
0のアミノ酸の隣接する配列に55%の配列相同性を有する少なくとも15〜60のアミ
ノ酸の隣接する配列を含む。
詳細な実施態様では、HGVポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、PNF
2161 cDNAソースλgt11ライブラリー内にコードされ得る。さらに他の詳細な実
施態様では、DNAポリヌクレオチドはHGVのエピトープをコードし得る。さらなる
実施態様では、ポリヌクレオチドはHGVと特異的にハイブリダイズするプローブ
であり得る。
関連する局面では、本発明は、HGVポリペプチドをコードするDNAポリヌクレオ
チドを含む組換えベクターを包含する。他の関連する局面では、本発明は、この
ようなベクターで形質変換された細胞を包含する。
さらに他の関連する局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルスゲノム、cDNAまた
はその相補物に特異的にハイブリダイズするポリヌクレオチドプローブを包含す
る。より詳細な実施態様では、ポリヌクレオチドプローブ配列は、配列番号19、
配列番号37、または配列番号14、あるいはその相補物由来の配列に少なくとも4
0%の相同性を有する。他の詳細な実施態様では、ポリヌクレオチドプローブは、
配列番号19、配列番号37、または配列番号14、あるいはその相補物由来である。
他の関連する局面では、本発明は、被験体においてHGV肝炎ウイルス核酸を検
出する方法を包含する。この方法に従って、核酸含有サンプルは被験体から得ら
れる。次いでサンプルを、HGV肝炎ウイルスゲノムと特異的にハイブリダイズす
る少なくとも1つのポリヌクレオチドプローブと合わせる。次いで、HGV核酸/
プローブ複合体(HGV核酸とプローブとのハイブリダイゼーションにより形成され
る)が検出される。このような検出は、少なくとも1つのリポーター部分を含む
プローブのHGV核酸へのハイブリダイゼーションにより達成され得る。
より詳細な実施態様では、上記の方法は、HGV核酸特異的プローブの使用を包
含する。ここで、2つのプローブ(プライマー)はHGV核酸の内部領域を定義する
。この実施態様では、各プローブはHGV核酸内部領域への3'末端の内部を含む1
本鎖を有する。次いで、核酸/プローブハイブリダイゼーション複合体は、プラ
イマー伸長反応により2本鎖プローブ含有フラグメントに転換される。プローブ
含有フラグメントは、(i)1本鎖フラグメントを生成するために2本鎖フラグメ
ントを変性させる工程、(ii)ストランド/プローブ複合体を形成するために1本
鎖をプローブとハイブリダイズする工程、(iii)DNAポリメラーゼおよび4つの全
デオキシリボヌクレオチドの存在下で、ストランド/プローブ複合体から2本鎖
フラグメントを生成する工程、ならびに(iv)(i)から(iii)の工程を所望の程度の
増幅が達成されるまで繰り返す工程を、首尾良く繰り返すことにより増幅される
。次いで、増幅産物は確立された手法に従って同定される。本発明の方法は、さ
らに上記の内部領域に選択的にハイブリダイズし得るが、増幅に用いられる特異
的なプローブ/プライマー配列にはハイブリダイズしない第3のポリヌクレオチ
ドプローブを包含し得る。
他の詳細な実施態様では、HGV核酸/プローブ複合体の検出は、自己維持(self
-sustained)配列複製、リガーゼ連鎖反応、または鎖置換増幅によるような標的
増幅方法により達成される。さらに詳細な実施態様では、検出は分枝鎖DNAプロ
ーブ法またはQ-βレプリカーゼ法のようなシグナル増幅技法を用いて達成され
る。
さらに他の関連する局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルス由来ポリヌクレオ
チドの存在についてサンプルを分析するキットを包含する。一般的な実施態様で
は、キットは、HGVポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするヌクレオチ
ド配列を含む少なくとも1つのポリヌクレオチドプローブおよび適切な容器を含
む。詳細な実施態様では、キットは、HGVポリヌクレオチドの内部領域を定義す
る2つのポリヌクレオチドプローブを含み、ここで各プローブは3'末端の内部側
領域を含む1本鎖を有する。さらなる実施態様では、プローブはポリメラーゼ連
鎖反応増幅用のプライマーとして有用であり得る。
さらに関連する局面では、本発明は、実質的に単離された形態でのHGV肝炎ウ
イルス粒子を包含する。
本発明はまた、実質的に単離された形態でのHGV肝炎ウイルス由来のポリペプ
チドまたはポリペプチド調製物を包含する。これについては、HGVウイルスは次
のように特徴付けられる:(i)霊長類において伝搬され得る;(ii)A型肝炎ウイ
ルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、D型肝炎ウイル
ス、およびE型肝炎ウイルス(HEV)とは血清学的に区別される;および(iii)フラ
ビウイルス科のウイルスのメンバーである。HGVポリペプチド(上記で定義された
)は、化学合成および組換えDNA発現を含む従来の手段により調製され得る。この
ようなポリペプチドはまた固相に固定され得る。
詳細な実施態様では、ポリペプチドは少なくとも1つの抗HGV抗体と特異的に
免疫反応性である。さらに詳細な実施態様では、ポリペプチドはHGVに特異的に
免疫反応性である抗原決定基を含む。この文脈においては、HGVは、配列番号15
の2873アミノ酸配列、または配列番号38の190アミノ酸配列、または配列番号20
の67アミノ酸配列に少なくとも40%の配列相同性を有するアミノ酸配列をコード
するオープンリーディングフレーム(ORF)を含有するゲノムを有することにより
特徴付けられる。より詳細な実施態様では、ORFは、前述のアミノ酸配列の1つ
に少なくとも55%の配列相同性を有するアミノ酸配列をコードする。さらなる実
施態様では、ポリペプチド配列は、配列番号15の2873アミノ酸配列またはそのフ
ラグメント、配列番号38の190アミノ酸配列またはそのフラグメント、あるいは
配列番号20の67アミノ酸配列またはそのフラグメント由来である。
他の詳細な実施態様では、HGV肝炎ウイルス由来のポリペプチドは、HGVゲノム
、cDNA、またはその相補物によりコードされる少なくとも約60のアミノ酸の隣接
する配列を含む。より詳細には、このようなペプチド配列は、PNF 2161 cDNAソ
ースλgt11ライブラリーによりコードされ得る。
より詳細な実施態様では、組換え発現されるHGVポリペプチドは、配列番号20
、配列番号38、または配列番号15由来のポリペプチド配列を含み得る。他の実施
態様では、このようなポリペプチドは、配列番号14由来、または配列番号14の相
補物由来の配列によりコードされ得る。
さらに関連する実施態様では、本発明に従って、HGV肝炎ウイルスポリペプチ
ドは、HGVポリペプチドおよび第二のポリペプチドを含有する融合ポリペプチド
であり得る。より詳細には、このような融合ポリペプチドは、第二のポリペプチ
ドシグナル配列として、β-ガラクトシダーゼまたはグルタチオン-S-トランスフ
ェラーゼタンパク質配列を含み得る。あるいは、第二のポリペプチドは粒子形成
タンパク質を含有し得る。
上記のポリペプチドは、構造または非構造ウイルスタンパク質由来であり得る
。
さらに関連する局面では、本発明は、適切な条件下で、HGV肝炎ウイルスゲノ
ム、cDNA、またはその相補物由来のcDNAのオープンリーディングフレーム(ORF)
を発現し得るクローニングベクターを包含する。本発明のこの局面では、ORFは
、所望の宿主に適合可能な制御配列に作動可能に連結される。関連する局面では
、本発明はこのようなベクターで形質転換された細胞を包含する。ベクターのよ
り詳細な実施態様では、ORFは配列番号14またはその相補物由来であり得る。さ
らに詳細な実施態様では、ORFは配列番号37または配列番号19由来であり得る。
関連する局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルスポリペプチドを産生する方法
を包含する。この方法は、上記のベクターを含む細胞を、オープンリーディング
フレーム(ORF)配列の発現を達成するに適切な条件下で培養することを包含する
。より詳細な実施態様では、ORF配列は、配列番号15、配列番号38、および配列
番号20からなるポリペプチド配列またはそのフラグメントの群より選択されるポ
リペプチド配列をコードする。さらに、ORF配列は、HGV cDNA、またはその相補
物由来であり得る。さらに他の詳細な実施態様では、ベクターは、Escherichia
co
li細胞中で発現されるλgt11ファージベクターである。
さらに関連する局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルス感染に対して特異的な
抗体を含む血清のスクリーニングに使用する診断キットを包含する。このような
キットは、少なくとも1つの抗HGV抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープ
を含有する実質的に単離されたHGVポリペプチド抗原を含み得る。このようなキ
ットはまた、抗原に対する前記抗体の結合を検出する手段を含む。このようなキ
ットに関して、HGVは、アミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレー
ム(ORF)を含有するゲノム、cDNA、またはその相補物を有することにより特徴付
けられる。このようなアミノ酸配列は、代表的には、配列番号15の2873アミノ酸
配列、または配列番号38の190アミノ酸配列、または配列番号20の67アミノ酸配
列に少なくとも40%の配列相同性を有する。詳細な実施態様では、キットは、組
換え産生されたまたは化学合成されたポリペプチド抗原を含み得る。このキット
のポリペプチド抗原はまた、固相支持体に接着され得る。
より詳細な実施態様では、上記キットの検出手段は、前記ポリペプチド抗原が
接着される固相支持体を含む。このようなキットはまた、非接着リポーター標識
抗ヒト抗体を含み得る。この実施態様では、抗体のHGVポリペプチド抗原への結
合は、リポーター標識抗体が抗体を結合することにより検出され得る。
関連する局面では、本発明は、被験体でのHGV肝炎ウイルス感染を検出する方
法を包含する。この検出方法は、HGV被験体由来の血清を実質的に単離されたHGV
ポリペプチド抗原と反応させる工程、および結合した抗体の存在について抗原を
試験する工程を包含する。詳細な実施態様では、この方法は、固相支持体に接着
されるポリペプチド抗原を含み、血清をその支持体と反応させる。続いて、支持
体をリポーター標識抗ヒト抗体と反応させる。次いで、固相支持体をリポーター
標識抗体の存在について試験する。
さらなる局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルスワクチン組成物を包含する。
この組成物は、実質的に単離されたHGVポリペプチド抗原を含み、ここでこの抗
原は少なくとも1つの抗HGV抗体と特異的に免疫反応性であるエピトープを含む
。ペプチド抗原は、組換え発現または化学合成を含む当該技術分野で公知の方法
に従って産生され得る。このペプチド抗原は、好ましくは薬学的に受容可能なキ
ャ
リア中に薬理学的に有効な用量で存在する。
さらに関連する局面では、本発明は、HGV肝炎ウイルスエピトープと特異的に
免疫反応性であるモノクローナル抗体を包含する。他の関連する局面では、本発
明は、HGVと特異的に免疫反応性のポリクローナル抗体の実質的に単離された調
製物を包含する。より詳細な実施態様では、このようなポリクローナル抗体はア
フィニティークロマトグラフィーにより調製される。
関連する局面では、本発明は、HGVに対する抗体を産生するための方法を包含
する。この方法は、実質的に単離されたHGVポリペプチド抗原を被験体に投与す
ることを包含し、ここでこの抗原は、少なくとも1つの抗HGV抗体と特異的に免
疫反応性であるエピトープを含む。抗原は被験体における免疫応答を生じるに十
分な量で投与される。
さらに他の関連する局面では、本発明は、HGV抗原を含む血清をスクリーニン
グするのに用いるための診断キットを包含する。診断キットは、HGVポリペプチ
ド抗原と特異的に免疫反応性である実質的に単離された抗体、およびポリペプチ
ド抗原の抗体への結合を検出する手段を含む。1つの実施態様では、抗体は固相
支持体に接着される。詳細な実施態様では、抗体はモノクローナル抗体であり得
る。キットの検出手段は第二の標識モノクローナル抗体を含み得る。
あるいは、またはさらに、検出手段は標識された競合抗原を含み得る。
他の関連する局面では、本発明は、被験体におけるHGV感染を検出する方法を
包含する。本発明のこの局面に従って、被験体由来の血清は、上記のキットの実
質的に単離されたHGV特異抗体と反応する。次いでHGV特異抗体は結合した抗原の
存在について試験される。
さらに関連する局面では、本発明は、HGVで感染したインビトロで増殖した細
胞を包含する。詳細な実施態様では、細胞は組織培養で増殖した肝細胞である。
より詳細には、組織培養細胞は、不死化した肝細胞であり得るか、またはHGV感
染した霊長類の肝臓由来の細胞株由来であり得る。
関連する局面では、本発明は、HGVを増殖する方法を包含する。この方法は、
上記のように、インビトロで増殖したHGV感染細胞をHGVの増殖を促進するに有効
な条件下で培養する工程を包含する。他の関連する局面では、本発明はこのよう
な増殖方法により産生されるHGV粒子を包含する。
さらなる局面では、本発明はモザイクポリペプチドを包含する。このようなポ
リペプチドはHGVの少なくとも2つのエピトープを含み得、ここでポリペプチド
は天然のHGVコード配列中のエピトープ間に通常介在するアミノ酸を実質的に欠
失する。より詳細な実施態様では、モザイクポリペプチドは固相支持体に接着さ
れる。さらに関連する局面では、本発明は上記のモザイクポリペプチドをコード
する核酸を包含する。
他の関連する局面では、本発明は、被験体におけるHGV感染を検出する方法を
包含する。この方法は、上記のように、被験体由来の抗体含有サンプルをモザイ
クポリペプチドと接触させる工程、および結合した抗体の存在について抗原を試
験する工程を包含する。
さらに関連する局面では、本発明はHGVワクチン組成物を包含する。ワクチン
組成物は、1つより多いHGVエピトープを含むモザイクポリペプチドを含む。モ
ザイクポリペプチドは薬学的に受容可能なキャリア中に薬理学的に有効な用量で
存在する。
B.HGVについてのイムノアッセイ
本発明の方法により得られた抗原についての1つの有用性は、HGV肝炎ウイル
スに感染した被験体の血清中に存在する抗体の検出(それにより被験体における
感染を示す)のための診断試薬としての利用である;例えば、470-20-1抗原、配
列番号14またはその相補物によりコードされる抗原、および完全なウイルス配列
のいずれかのストランドの部分によりコードされる抗原。本発明の抗原は、HGV
を検出するために、単独でまたは互いに組み合わせて用いられ得る。本発明の抗
原はまた、HAV、HBV、HCV、およびHEVのような他の肝炎因子についての診断アッ
セイと連結され得る。
1つの診断形態(configuration)では、試験血清は、本発明の方法により得
られる表面結合抗原(例えば470-20-1抗原)を有する固相試薬と反応する。試薬に
抗HGV抗体を結合し、洗浄により非結合血清成分を除去した後、試薬をリポータ
ー標識した抗ヒト抗体と反応させ、固相支持体上の結合した抗HGV抗体の量に比
例してリポーターを試薬に結合させる。試薬を再び洗浄して非結合標識抗体を除
去し、そして試薬に会合するリポーターの量を測定する。代表的には、リポータ
ーは適切な蛍光基質または発色基質の存在下で固相をインキュベートすることに
より検出される酵素である(Sigma、St.Louis、MO)。
上記アッセイにおける固相表面試薬を、ポリマービーズ、ディップスティック
、96ウエルプレート、またはフィルター材料のような固相支持体材料にタンパク
質材料を接着するための公知の技法により調製する。これらの接着法は、一般的
に、支持体へのタンパク質の非特異的吸着、または代表的には遊離アミノ基を介
する活性化カルボキシル基、水酸基、またはアルデヒド基のような固相支持体上
の化学反応性基へのタンパク質の共有接着を包含する。あるいは、ストレプトア
ビジンでコートされたプレートが1つまたは複数のビオチン化抗原と組み合わせ
て用いられ得る。
本発明の形成部分はまた、この診断方法を行うためのアッセイ系またはキット
である。キットは一般的には、表面結合組換えHGV抗原(例えば、上記の470-20-1
抗原)を有する支持体、および表面結合抗HGV抗原抗体を検出するためのリポータ
ー標識抗ヒト抗体を含む。
均一アッセイとして公知の第二の診断形態では、固相支持体に結合する抗体は
、培地中で直接検出され得る反応培地中でいくつかの変化を生じる。本明細書中
に提示した公知の一般的なタイプの均一アッセイは、(a)スピン標識されたリポ
ーター(ここで抗原に結合する抗体は報告された移動度における変化(スピン分裂
ピークの拡大)により検出される)、(b)蛍光リポーター(ここで結合は蛍光収率ま
たは蛍光偏光における変化により検出される)、(c)酵素リポーター(ここで抗体
結合は酵素/基質相互作用を生じる)、および(d)リポソーム結合リポーター(こ
こで結合はリポソーム溶解およびカプセル化されたリポーターの放出を引き起こ
す)を包含する。本発明のタンパク質抗原へのこれらの方法の適応は、均一アッ
セイ試薬の調製のための従来の方法に従う。
上記各々のアッセイにおいて、アッセイ方法は、試験個体由来の血清をタンパ
ク質抗原と反応させ、そして結合抗体の存在について抗原を試験することを包含
する。試験は、第一の方法におけるように、標識抗ヒト抗体を(例えば、急性期
、
慢性期、または回復期からの)試験される抗体へ接着する工程、および固相支持
体へ結合したリポーター量を測定する工程を含み得るか、または第二の方法にお
けるように均一アッセイ試薬における抗体結合の効果を観察する工程を包含し得
る。
第三の診断形態は、HGV特異抗原を検出し得るHGV抗体の使用を包含する。HGV
抗原は、例えば抗原捕捉アッセイを用いて検出され得、ここで候補となる血清サ
ンプルに存在するHGV抗原はHGV特異モノクローナル抗体またはポリクローナル抗
体と反応する。抗体は固相基質へ結合し、次いで抗原は第二の異なる標識抗HGV
抗体により検出される。抗体は標準方法により本発明のペプチドを利用して調製
され得る。さらに、実質的に単離された抗体を(反応性に影響し得る血清タンパ
ク質を本質的に含まない)を生成し得る(例えば、アフィニティー精製(Harlowら)
)。
C.HGVについてのハイブリダイゼーションアッセイ。
本発明の方法により得られる核酸配列についての1つの有用性は、血清中に存
在するHGV配列(それにより個体における感染を示す)についての診断剤としての
使用である。本発明のコード配列(特にクローン470-20-1および配列番号14)由来
のプライマーおよび/またはプローブは、HGVを検出するために単独で、または
互いに組み合わせて用いられ得る。
1つの診断形態では、試験血清を、例えば470-20-1配列由来のプライマーを用
いるPCRまたはRT-PCR条件下で反応させる。増幅反応で用いた血清におけるHGVの
存在は、プライマーにより標的された配列の特異的増幅により検出され得る。実
施例4は、異なるソースの材料をスクリーニングするために、本発明のクローン
由来のプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖増幅反応の使用を記載する。これら
の増幅反応の結果は、種々の異なるソースのテンプレートを用いる増幅反応によ
り相同配列を検出するために、本発明のクローン(例えば、470-20-1)由来のプラ
イマーの能力を示す。実施例4における増幅反応は、テンプレート材料としての
血清から直接得られる核酸の使用を含んでいた。
あるいは、プローブは本発明のHGV配列由来であり得る。次いで、これらのプ
ローブは標識され、そして試験血清または組織サンプルから得られる核酸に対す
るハイブリダイゼーションプローブとして用いられ得る。プローブは、種々のリ
ポーター分子を用いて標識され得、従って検出され得る:例えば、放射性アイソ
トープ標識および化学発光検出リポーター系(Tropix、Bedford、Mass.)に。
ポリメラーゼ連鎖反応、自己維持配列複製技法[「3SR」(Guatelliら;Gingera
sら、1990)、「NASBA」(VanGemenら)としても公知である]、リガーゼ連鎖反応(B
arany)、鎖置換増幅[「SDA」(Walker)]、および他の技法を包含する標的増幅法
が、標的配列のコピー数を増加させる。シグナル増幅技法は、分枝鎖DNAプロー
ブ(HornおよびUrdea;Urdea;Urdeaら)およびQ-βレプリカーゼ法(Cahillら;L
omellら)により例示され、まず特異的分子プローブを結合し、次いでこのプロー
ブの全部または一部を複製するかまたはまたはいくつかの他の方法でプローブシ
グナルを増幅する。
本発明で開示された特異的な核酸配列、あるいは同じまたは類似の(関連した)
ウイルスゲノム中の隣接配列の検出について、増幅方法および検出方法は、PCR
による増幅の代替方法として用いられ得る。多くのこのような技法は、核酸診断
の分野で公知である(The 1992 San Diego Conference:Genetic Recognition,C
lin.Chem.39(4):705(1993))。
1.自己維持配列複製。
自己維持配列複製(3SR)技法は、等温であるが、PCRと類似の規模(magnitude)
までの増幅を生じる。温度サイクルで推し進められるPCRよりむしろ、3SRは、a
)逆転写酵素によるcDNA合成、b)RNase HによるRNA鎖分解、およびc)T7 RNAポ
リメラーゼによるRNA転写の協同の3つの酵素反応として作用する。
全部の反応配列は等温(代表的には42℃)で生ずるので、高価な温度サイクル装
置は必要ではない。加熱、有機溶媒、または他のメカニズムを経由する2本鎖の
変性の不在下で、1本鎖テンプレートのみ(すなわち、主にRNA)が増幅される。
3SR増幅における使用のための適切なプライマーは、当業者により本発明のウ
イルス配列から選択され得る。例えば、ウイルス配列の3SR技法による等温増幅
のために、プライマー470-20-1-77F(配列番号9)がT7プロモーター配列およびオ
リゴヌクレオチドの5'末端に好適なT7転写開始部位の添加により改変される。こ
の改変により適切な3SRプライマーT7-470-20-1-77F(配列番号9)が得られる。プ
ライマー470-20-1-211R(配列番号10)は、改変なしまたはT7プロモーターなしの
いずれかでこれらの反応に用いられ得る。
PNF 2161から抽出されたRNAを、20mM Tris-HCl、pH8.1(室温で)、15mM MgCl2
、10mM KCl、2mM 塩酸スペルミジン、5mMジチオトレイトール(DTT)、1mMの各dAT
P、dCTP、dGTP、およびTTP、7mMの各ATP、CTP、GTP、およびUTP、ならびに0.15u
Mの各プライマーを含む100ulの反応液中のAMV逆転写酵素(30U)、RNase H(3U)、T
7 RNAポリメラーゼ(100U)とインキュベートする。増幅は42℃で1-2時間のインキ
ュベーションの間に行われる。
最初に、プライマーT7-470-20-1-77Fは標的RNAにアニーリングし、そしてAMV
逆転写酵素により伸長し、開始RNA鎖に相補的なcDNAを形成する。RNase Hによる
RNA鎖の分解に次いで、逆転写酵素は第二鎖DNAの合成を触媒し、T7プロモーター
配列(2本鎖)を含む2本鎖テンプレートを生じる。RNA転写により、1本鎖RNAを
生成する。次いでこのRNAをさらなる増幅ラウンドのためのサイクルに再導入し
、最終的に、高濃度のRNA産物のプールを得る。この産物は主に、かなり少量のc
DNAとともにT7プロモーターを含むプライマー(T7-470-20-1-77F)と同じ鎖の1本
鎖RNAである。
あるいは、他のプライマー(470-20-1-211R)はT7プロモーターを含み得るかま
たは両プライマーがプロモーターを含み得、反応産物としてRNAの両鎖を生成す
る。3SR反応の産物は、RNA分析についての標準的技法(例えば、ノーザンブロッ
ティング、RNAスロットまたはドットブロット、RNA染色色素を用いた直接ゲル電
気泳動)により検出、特徴付け、または定量され得る。さらに、これらの産物は
ビオチン-アビジンアフィニティ相互作用または核酸プローブの特異的ハイブリ
ダイゼーションを使用する方法により検出され得る。
3SR産物の迅速および特異的な分析のための1つの技法では、放射標識された
オリゴヌクレオチド470-20-1-152R(配列番号21)への産物の溶液ハイブリダイゼ
ーションの後で、非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行う。このアッセイ
(ゲル移動度シフトタイプのアッセイ)により、ハイブリダイズしなかったオリゴ
ヌクレオチドに対応するバンドより遅動性のバンドとして特異的プローブ産物ハ
イブリッドを検出する。
2.リガーゼ連鎖反応(LCR)
他の検出系の例として、HGV配列はリガーゼ連鎖反応(LCR)プライマーの設計の
基礎を形成し得る。LCRは、ニックを閉鎖するDNAリガーゼ活性を使用し、隣接す
る5'リン酸(「ドナー」オリゴ)および3'ヒドロキシル(「アクセプター」オリゴ)
終末を有する2つのすぐ隣りのオリゴヌクレオチドを結合する。テンプレートに
依存する方法で十分に相補的な末端部のみを結合するDNAリガーゼの特性は、連
結される末端が標的鎖に対する配列において完全にマッチしなければ連結が起こ
らない点で、高度の特異性をもたらす。
プライマーと標的核酸との間の単一塩基のミスマッチの識別に対する特異性に
関していくつかの利点とともにPCRに代わる方法として、LCRが、HGV配列に相同
性を有するウイルスの「タイプ」株を検出するために用いられ得る。これらの技
法は、このような塩基変化が薬剤耐性を与えることが知られている場合(例えば
、LarderおよびKemp;Gingerasら、1991)、特異的な変異の存在を評価するため
に適切である。
テンプレートに相補的なドナーおよびアクセプターオリゴヌクレオチドならび
にドナーおよびアクセプターに相補的なオリゴヌクレオチドの存在下では、LCR
による指数関数的増幅が可能である。この実施態様では、連結の各ラウンドはサ
イクル反応における次のラウンドのための追加のテンプレートを生成する。
例えば、プライマー470-20-1-211R(配列番号10)、隣接オリゴヌクレオチド(B
、配列番号22)、ならびに同種のオリゴ(211R'、配列番号23、およびB'、配列番
号24)が、本発明の配列のLCR増幅を行うために用いられ得る。逆転写をまず標準
方法により行い、cDNAを生成し、cDNAを、次いで、25ul反応物中0.1-1μMの4つ
の各LCRプライマー、20mM Tris-HCl、pH8.3(室温)、25mM KCl、10mM MgCl2、10m
Mジチオトレイトール(DTT)、0.5mM NAD+、0.01% Triton X-100、および5ユニッ
トのDNAリガーゼ(Ampligase Epicentre Technologies、Madison、WI、または熱
安定性DNAリガーゼの他の市販供給者)を含む反応物中で増幅する。
熱サイクルを、94℃で1分30秒間;94℃で1分間、65℃で2分間、25-40サイク
ル繰り返して行う。生成物合成の特異性は、3'末端の位置でのプライマーテンプ
レートマッチに依存する。生成物はポリアクリルアミドゲル電気泳動、次いでエ
チジウムブロマイド染色により検出される;あるいは、アクセプターオリゴの1
つ(211R'またはB)が、ゲル電気泳動に続くオートラジオグラフィによる可視化の
ために5'放射標識される。
あるいは、ドナーオリゴは、特異的に結合し得る部分(例えば、ビオチン)で3'
末端標識され、そしてアクセプターは、固相捕捉および検出のために特異的に検
出可能な基(例えば、蛍光色素)で5'標識される。
3.増幅されたDNAの分析のための方法
多くの技法が増幅されたDNAの分析のために記載されている。いくつかのこの
ような技法、例えば高速および高分解能のHPLC技法(KatzおよびDong)は、ゲル電
気泳動が実施不可能である高処理量用途に有利である。しかし、一般に、感染性
疾患生物について核酸プローブを用いてスクリーニングする方法は、病原体検出
について必須の特異性を確実するために別個の増幅後ハイブリダイゼーション工
程を含む。
1つのこのような検出実施態様は、アフィニティに基づくハイブリッド捕捉技
法(Holodniyら)である。この実施態様では、PCRは1つのビオチン化プライマー
を用いて行われる。増幅に続いて、2本鎖生成物を変性し、次いで取り込まれた
ビオチン化プライマーを有する鎖に相補的なペルオキシダーゼ標識されたプロー
ブにハイブリダイズさせる。次いで、ハイブリダイズ生成物を、緩衝液中でイン
キュベートし、それはアビジン(またはストレプトアビジン)でコートされた表面
(例えば、メンブランフィルター、マイクロウエル、ラテックス、またはパラマ
グネットビーズ)と接触する。
この方法により分析されるべきPCR産物容量に接触するコートされた固相の量
は、本質的に全ての遊離のビオチン化プライマーおよびかなり低濃度のビオチン
化PCR産物を捕捉するに十分なビオチン結合部位を含まなければならない。固相
を3〜4回洗浄した後、結合したハイブリダイズ生成物を過酸化水素含有クエン
酸緩衝液中のo-フェニレンジアミンとインキュベートすることにより検出する。
あるいは、捕捉はプローブをコートした表面により媒介され得、次いでビオチ
ン化プライマーおよびアビジンリポーター酵素結合体を介するアフィニティーに
基づく検出を行い得る(Whetsellら)。
4.追加の方法
本発明のウイルス配列はまた、分枝鎖DNAプローブを用いる検出へのシグナル
増幅アプローチの基礎を形成し得る。分枝鎖プローブ(HornおよびUrdea;Urdea)
は、まれなRNAおよびDNA配列の検出および定量について記載している(Urdeaら)
。この方法では、オリゴヌクレオチドプローブ(RNA、DNA、または核酸アナログ)
が、標的RNAまたはDNAに相補的な配列を用いて合成される。このプローブはまた
、特有の分枝配列または標的RNAまたはDNAに相補的ではない配列を含む。
この特有の配列は、分枝した第2の検出プローブのハイブリダイゼーションの
ための標的を構成し、その各々は第3のプローブのための標的として提供される
1つまたはそれ以上の他の特有の配列を含む。シグナル増幅経路における各分枝
ポイントで、異なる特有の配列が第2、第3などの検出プローブのハイブリダイ
ゼーションを指揮する。一連の最後のプローブは、代表的には、検出に有用な酵
素(例えば、アルカリホスファターゼ)に連結される。プライマーの連続的なハイ
ブリダイゼーションは、結局、高度に分枝した構造を構築し、その腕(arm)は酵
素結合プローブで終結する。
酵素的代謝回転は最終増幅を提供し、そして高感度化学発色基質の選択により
、例えば、アルカリホスファターゼ標識のための基質として(LumiPhos、Lumigen
、Detroit、MI)は、アッセイあたり当初の標的配列の10,000分子またはそれより
少ないオーダーで、鋭敏な感度を得る。このような検出方法では、増幅は酵素的
メカニズムよりむしろ分子ハイブリダイゼーションにのみ依存し、従って、例え
ば、PCRより臨床標本中の阻害物質の作用を受けるおそれははるかに少ない。従
って、この検出方法は、アッセイ前の大規模な精製なしで試験サンプル中の核酸
遊離についての粗野な技法の使用を可能にする。
本発明のウイルス配列の高感度検出のための増幅はまた、Q-βレプリカーゼ
技法により達成され得る(Cahillら;Lomellら;Pritchardら)。この方法では、
特異的プローブが、標的配列に相補的であるように設計される。次いでこのプロ
ーブは、標準的な分子クローニング技法によりQ-βファージ由来の複製可能なR
NAの配列中に挿入され得る。レプリコンの特異的領域への挿入はQ-βレプリカ
ーゼによる複製を妨げない。
分子ハイブリダイゼーション、および数サイクルの洗浄に続いて、レプリカー
ゼを添加し、そしてプローブRNAの増幅を確実にする。「可逆的標的捕捉」は、
ハイブリダイズしないプローブの複製由来の潜在的なバックグラウンドを減少す
るための1つの公知の技法である(Morrisseyら)。増幅されたレプリコンは、DNA
、RNA、または核酸アナログプローブを用いる標準的な分子ハイブリダイゼーシ
ョン技法により検出可能である。
希薄なDNAまたはRNA配列の増幅および検出についてのさらなる方法が文献で公
知であり、そして分子的診断学の分野におけるいくつかの用途のためのPCRに好
適である。これらの代替技法は、検出、特徴付け(例えば、本明細書中に記載さ
れた配列の複数の関連する株として存在する配列多様性、薬剤耐性の遺伝子型変
化の特性)、または本発明に開示された配列の定量の基礎を形成し得る。
また、本発明の一部分を形成するのは、直前に記載された増幅/ハイブリダイ
ゼーションアッセイ法を行うためのアッセイ系またはキットである。このような
キットは一般に、増幅反応に用いられる特異的なプライマーまたはハイブリダイ
ゼーションプローブのいずれかを含む。
D.治療用途
上記のように、本発明のHGV抗原はワクチン調製において用いられ得る。
さらに、本発明のポリペプチド抗原に対して生成された抗体は、受動免疫療法
または受動免疫予防に用いられ得る。抗体は、抗体の他の治療投与に用いられる
抗体に類似の量で投与され得る。例えば、プールしたγグロブリンを、0.02〜0.
1ml/lb体重で、狂犬病、麻疹、およびB型肝炎のような他のウイルス疾患の初期
のインキュベーションの間、感染の確立を妨害するために投与される。従って、
HGV抗原に反応性の抗体は、感染を処理する宿主の能力を増強するために、単独
でまたは他の抗ウイルス剤と組み合わせて、HGVに感染した宿主に受動的に投与
され得る。
本明細書に開示されたHGV配列は、HGVをフラビウイルス科のメンバーとして同
定する(上記参照)。フラビウイルス科は3つの属、フラビウイルス(Flavivirus)
属、ペスチウイルス(Pestivirus)属、C型肝炎ウイルス属に分類される(Francki
ら)。全てのフラビウイルス科は、3000〜4000アミノ酸の単一の長いポリペプチ
ドをコードする9.0〜12kb長のポジティブストランドRNAゲノムを有する。このポ
リペプチドは、ウイルスキャプシドタンパク質、ウイルスエンベロープタンパク
質、および最小限5つの非構造タンパク質(NS)を含む、約10のタンパク質にタン
パク質分解的に切断される。非構造タンパク質は、キモトリプシン様セリンプロ
テアーゼ、RNAヘリカーゼ(NS3)、およびRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5)を含む
。フラビウイルス科のNS3タンパク質は、ウイルスポリペプチドのタンパク質分
解的切断に必要である。NS5タンパク質はウイルスゲノムの複製に必要である(Ch
ambersら、1990a)。
さらに、いくつかの細胞タンパク質はフラビウイルス科の複製に関連すると同
定されている。例えば、細胞性シグナルペプチダーゼ酵素は、いくつかの切断部
位でウイルスポリペプチドを切断し、ウイルスプロテアーゼの発現を可能にする
ために必要であり得る(Hijikataら)。
これらのタンパク質がフラビウイルス複製に必要な機能を遂行することを妨害
するインヒビターもまた、HGVの感染の処置に治療的価値を有し得る。最後に、
サイトカインあるいは抗ウイルス活性を有するおよび/またはヒト免疫系を調節
することが知られている他のポリペプチドが、HGV感染の処置に有効であり得る
。
フラビウイルス科のRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することが知られている
1つの化合物は、類推によりHGVのNS5タンパク質の活性を阻害すると予測され得
、ヌクレオチドアナログ1-B-D-リボフラノシル-1-2,4-トリアゾール、3-カルボ
キシアミドであり、またリバビリン(ribavirin)として知られている(Patterson
ら)。リバビリンの作用方法は、細胞内グアニンプールの枯渇およびウイルスRNA
のキャッピングの妨害を含むと考えられている(Pattersonら)。
HCVで感染した個体において、ウイルス力価およびアラニンアミノトランスフ
ェラーゼ(ALT・・・肝機能障害についての指標酵素)の血清レベルの有意な低減
が、リバビリンが投与された間に観察された(Reichardら;Di Bisceglieら、199
2)。リバビリンはフラビウイルス科感染を処置する広い効力を有するようであり
、従って、有益な結果がHGV由来肝臓疾患を患う個体へのリバビリンの投与後に
予測される。
フラビウイルス科感染を処置するために有効であることが知られている他のク
ラスの化合物は、サイトカイン類、インターフェロンα、インターフェロンβ、
およびインターフェロンγ(Baronら;Gutterman)を含む。インターフェロンは、
(i)ウイルスRNAの複製および翻訳を妨害する細胞タンパク質の発現を誘導するこ
と、および(ii)ヒト細胞免疫系の成分の活性化の両方により抗ウイルス薬として
作用すると考えられている(Baronら)。これらのインターフェロン類は、HBV、HD
V、およびHCVの感染を含むウイルス感染の治療に広範な用途を有する(Gutterman
;Farciら)。特に、複数の研究が、インターフェロン(単独または他の抗ウイル
ス療法と組み合わせてのいすれか)がC型肝炎ウイルスの感染を処置するために
有効であることを示している(Di Bisceglieら、1989;KaKumuら)。HGVの明かな
肝親和性の性質およびフラビウイルス科中のその分類の両方のため、HGV感染は
類似のインターフェロン療法に応答すると予測され得る。
強力な抗ウイルス活性を有するさらに他のクラスの化合物は、ウイルスプロテ
アーゼのインヒビターである(Krausslichら)。全てのフラビウイルス科は、非構
造領域における複数の部位でゲノムポリペプチドの複数の部位を切断するために
必要であるキモトリプシン様セリンプロテアーゼをコードする。このプロテアー
ゼの触媒部位を構成するアミノ酸残基はよく記載されており、そしてヒスチジン
、アスパラギン酸、およびセリン残基を含む(Grakouiら)。フラビウイルス(黄熱
ウイルス)のさらなる研究は、活性部位のセリン残基の変異がウイルス複製を阻
害することを示した(Chambersら、1990b)。
HGV NS3タンパク質のインヒビターは、酵素切断の遷移状態を模倣するように
設計され得る。あるいは、このようなインヒビターは、先に合成された化合物の
大量スクリーニングにより単離され得る。推定のHGV NS3プロテアーゼインヒビ
ターの活性は、フラビウイルス調査において広く用いられているインビトロ転写
/翻訳系の使用により測定され得る(Hijikataら;Grakouiら)。
あるいは、HGVゲノムは、バキュロウイルスまたはワクシニアのような真核生
物のタンパク質発現のための適切なベクター中にクローニングされ得、そしてこ
の化合物の効力は組織培養系で測定され得る(Grakouiら)。同様のアプローチが
、HIVプロテアーゼの強力なインヒビターを得るために首尾良く用いられている(
Vaccaら;Robertsら)。
HGV感染により引き起こされた疾患を治療する他のアプローチは、アンチセン
スオリゴヌクレオチド(TonkinsonおよびStein)または本発明で開示されたHGVの
配列の一部分をコードするオリゴヌクレオチドアナログの合成による。全てのフ
ラビウイルス科について真実であるように、HGVゲノムは9〜12kbサイズのポジテ
ィブストランドRNA分子であることが予測され得る。ウイルスゲノムの1本鎖の
性質がアンチセンスオリゴヌクレオチドに対してHGVを鋭敏な感受性にする。ウ
イルス複製を阻害するために用いられ得る可能な標的配列には、HGVの5'非翻訳
領域、HGVのリボソーム結合部位、またはHGVゲノムの翻訳を妨害し得る他の配列
が含まれる。
アンチセンスオリゴヌクレオチドは、市販の合成器を用いて合成され得る。好
ましくは、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ切断に耐える利点を有するホス
ホロジチオエート(phosphorodithioate)骨格を用いて合成される(Marshall & Ca
ruthers)。さらに他のオリゴヌクレオチドアナログ(例えば、非荷電またはアミ
ド型骨格(Egholmら)を有するアナログ)が用いられ得る。これらのオリゴヌクレ
オチドは市販されており(Biosearch、Millipore、Bedford、MA)、そしてそれら
の荷電の欠落が、代表的には荷電高分子の通過に抵抗する生物学的な膜をそれら
が横断し得るという点で有利である。
アンチセンス用途のためのオリゴヌクレオチド(またはそのアナログ)は、代表
的には、HGVゲノム内の標的配列へのハイブリダイゼーションを促進するために8
ヌクレオチド長より大きい。例えばDNAオリゴマーのウイルスRNA標的配列へのハ
イブリダイゼーションに際し、ハイブリダイゼーション複合体はRNase Hのよう
な細胞酵素により分解され得る。次いでHGVテンプレートの減少がHGV関連疾患の
重篤度を小さくする。
上記の治療方法の有用性および効力は、インビトロで上記の細胞系を用いて、
およびインビボで上記の動物モデル系を用いて評価され得る。
以下の実施例は例示であり、いかなる方法においても本発明を制限する意図は
ない。
材料および方法
合成オリゴヌクレオチドリンカーおよびプライマーを市販の自動化オリゴヌク
レオチド合成器を用いて調製した。あるいは、注文設計された合成オリゴヌクレ
オチドが市販供給者から購入され得る。
標準的な分子生物学およびクローニング技法は、本質的にはAusubelら、Sambr
ookら、およびManiatisらに以前に記載されたように行った。
免疫反応性タンパク質抗原のスクリーニングおよび検出に抗血清および/また
は抗体を用いることに関連する通常の操作は、本質的には記載されたように行っ
た(Harlowら)。同様に、抗ウイルス抗体の検出のためのELISAおよびウエスタン
ブロットアッセイを、それらの製造者(Abbott,N.Chicago、IL、Genelabs Diag
nostics、Singapore)に記載されたように、または当該技術分野で公知の標準的
技法(Harlowら)を用いてのいずれかで行った。
実施例
実施例1
PNF 2161 cDNA ライブラリーの構築
A.血清由来RNAの単離
1ミリリットルの非希釈PNF 2161血清を、PEG(分子量6,000)を8%になるよう
に添加することにより沈殿させ、そしてミクロ遠心器において4℃で15分間12K
で遠心分離した。本質的にChomczynskiにより記載されるように得られた血清ペ
レットからRNAを抽出した。
ペレットを4Mのグアニジウムイソチオシアネート、0.18% 2-メルカプトエ
タノール、および0.5%サルコシル(sarcosyl)を含有する溶液で処理した。処理
したペレットを酸性フェノールクロロホルムで数回抽出し、そしてRNAをエタノ
ールで沈殿させた。この溶液を約10分間−70℃で保持し、次いで4℃で10分間ミ
クロ遠心器で回転させた。得られたペレットを100μlのDEPC処理(ジエチルピロ
カーボネート)水中に再懸濁させ、そしてこの溶液に10μlの3M NaOAc(pH=5.2)
、2容量の100%エタノールおよび1容量の100%イソプロパノールを添加した。
この溶液を−70℃で少なくとも10分間保持した。5℃で15分間、12,000×gでの
ミクロ遠心器における遠心分離によりRNAペレットを回収した。このペレットを7
0%エタノール中で洗浄し、そして減圧下で乾燥した。
B.cDNAの合成
(i)第1鎖の合成
cDNA分子の合成を以下のように行った。Gublerらの方法に従い、ランダムヌク
レオチドヘキサマープライマー(cDNA合成キット、BMB、Indianapolis、INまたは
GIBCO/BRL)を用いて上記のRNA調製物をcDNAに転写した。
第2鎖cDNAの合成後、T4 DNAポリメラーゼを混合物に添加してcDNA分子の平滑
末端数を最大にした。反応混合物を室温で10分間インキュベートした。この反応
混合物をフェノール/クロロホルムおよびクロロホルムイソアミルアルコールで
抽出した。
cDNAを2容量の100%エタノールの添加により沈殿させ、そして−70℃で15分
間冷却した。遠心分離によりcDNAを採集し、70%エタノールでペレットを洗浄し
、そして減圧下で乾燥した。
C.2本鎖cDNA分子の増幅
cDNAペレットを12μlの蒸留水に再懸濁させた。再懸濁したcDNA分子に以下の
成分を添加した:5μlのリン酸化リンカー(Linker AB、配列番号1および配列
番号2からなる2本鎖リンカーであり、ここで配列番号2は、配列番号1に対し
て部分的に相補的な配列として、配列番号1に対して3'→5'方向にある)、2
μlの10×ライゲーション緩衝液(0.66M Tris.Cl pH=7.6、50mM MgCl2、50mM D
TT、10mM ATP)および1μlのT4 DNAリガーゼ(0.3〜0.6ワイス単位(Weiss Unit))
である。代表的には、cDNAとリンカーとは1:100の割合で混合した。反応物を1
4℃で一晩インキュベートした。次の朝、反応物を70℃で3分間インキュベート
して、リガーゼを不活性化した。
1.5mM MgCl2および50mM KClを含有する100μlの10mM Tris-Cl緩衝液、pH8.3(
緩衝液A)に、約1μlのリンカー連結-cDNA調製物、2μMの配列番号1で示され
る配列を有するプライマー、各200μMのdATP、dCTP、dGTP、およびdTTP、および
2.5ユニットのThermus aquaticus DNAポリメラーゼ(Taqポリメラーゼ)を添加し
た。この反応混合物を変性のために94℃で30秒間加熱し、プライマーのアニーリ
ングのために50℃で30秒間冷却し、次いでTaqポリメラーゼによるプライマー伸
長を可能にするために72℃で0.5〜3分間加熱した。連続的な加熱、冷却、およ
びポリメラーゼ反応を含む増幅反応を、Perkin-Elmer Cetus DNA熱サイクラー(M
ullis;Mullisら、;Reyesら、1991;Perkin-Elmer Cetus、Norwalk、CT)を用い
てさらに25回〜40回反復した。
増幅反応後、次いで溶液をフェノール/クロロホルム、クロロホルム/イソアミ
ルアルコール抽出し、そして2容量のエタノールで沈殿させた。得られた増幅cD
NAペレットを20μlのTE(pH=7.5)中に再懸濁させた。
D.cDNAのλベクターへのクローニング
cDNAの構築に使用されたリンカーは、λgt11ベクター(Promega、Madison WIま
たはStratagene、La Jolla、CA)への増幅cDNAの直接挿入を可能にするEcoRI部位
を有していた。λベクターを製造業者(Promega)から購入したが、これらは既にE
coRIで消化され、そしてアルカリホスファターゼで処理されて5'リン酸が除去
され、そしてベクターの自己ライゲーションが防止されていた。
EcoRI消化cDNA調製物をλgt11(Promega)に連結した。ライゲーション反応の条
件は以下の通りである:1μlのベクターDNA(Promega、0.5mg/ml);0.5μlまた
は3μlのPCR増幅挿入cDNA;0.5μlの10×ライゲーション緩衝液(0.5M Tris-HC
l、pH=7.8;0.1M MgCl2;0.2M DTT;10mM ATP;0.5mg/mlのウシ血清アルブミ
ン(BSA)、0.5μlのT4 DNAリガーゼ(0.3〜0.6ワイス単位)であり、蒸留水で最終
反応容量を5μlにした。
ライゲーション反応物を14℃で一晩(12〜18時間)インキュベートした。連結さ
れたcDNAをλDNAパッケージングシステム(「GIGAPAK」、Stratagene、LaJolla、
CA)を用いる標準的な手順によりパッケージングし、次いで種々の希釈度でプレ
ーティングして、力価を測定した。標準的なX-galブルー/ホワイトアッセイを
用いてライブラリーの組換え頻度を測定した(Miller;Maniatisら)。
各ライブラリーの組換えのパーセントはまた、以下のように測定した。多くの
ランダムなクローンを選択し、そして対応するファージDNAを単離した。次いで
、テンプレートとして単離したファージDNA、およびプライマーとしてcDNA分子
のEcoRI挿入部位に隣接するλ配列由来のλDNA配列を用いて、ポリメラーゼ連鎖
反応(Mullis;Mullisら)を行った。挿入物の存在または非存在は、ポリメラーゼ
連鎖反応生成物のゲル分析から明らかであった。
血清サンプルPNF2161から作製したcDNA挿入ファージライブラリーは、America
n Type Culture Collection、12301 Parklawn Dr.、Rockville MD 20852に寄託
され、そして受託番号ATCC 75268(PNF 2161 cDNA供給源)が与えられている。
実施例2
組換えライブラリーのイムノスクリーニング
実施例1で作製したλgt11ライブラリーを、ライブラリーを作製したPNF2161
血清により認識可能な抗原の産生についてイムノスクリーニングした。Escheric
hia coli細菌プレーティング株E.coli KM392を用いてプラーク形成のためにフ
ァージをプレート化した。あるいは、E.coli Y1090R(Promega、Madison WI)を
使用し得る。
λgt11クローンにより発現される融合タンパク質を、本質的にAusubelらによ
り記載される血清抗体を用いてスクリーニングした。
各ライブラリーを、150mmプレートあたり約2×104個のファージでプレート化
した。プレートをニトロセルロースフィルターで一晩覆った。このフィルターを
TBS(10mM、Tris pH7.5;150mM NaCl)で洗浄し、AIB(1%ゼラヂンを有するTBS緩
衝液)でブロックし、そしてAIB中で100倍に希釈した一次抗体とインキュベート
した。
TBSを用いて洗浄した後、このフィルターを二次抗体であるアルカリホスファ
ターゼ(Promega)に結合したヤギ抗ヒトIgGとインキュベートした。反応性のプラ
ークを、基質(例えば、BCIP、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ホスフェート)
を用いて、NBT(ニトロブルーテトラゾリウム塩(Sigma))を用いて発色させた。一
次スクリーニングの陽性な領域を再プレート化し、そして純粋なプラークが得ら
れるまでイムノスクリーニングした。
実施例3
PNF 2161 ライブラリーのスクリーニング
λgt11中のPNF2161のcDNAライブラリーを、実施例2に記載されるように、PNF
2161血清を用いてスクリーニングした。スクリーニングの結果を表1に示す。
上記のスクリーニングにより単離されたクローンの1つ(PNF 2161クローン470
-20-1、配列番号3;βガラクトシダーゼのインフレーム融合翻訳配列、配列番
号4)を用いて実施例6に記載のように拡大クローンを作製した。クローン470-2
0-1の核酸配列は配列番号3として表される(タンパク質配列配列番号4)。SISPA
クローニングリンカーを用いずに単離された核酸配列は配列番号19として表され
る(タンパク質配列番号20)。
実施例4
免疫反応性470-20-1クローンの特徴付け
A.免疫反応性クローンのサザンブロット分析
免疫反応性クローンの挿入物を、以下のコントロールDNA供給源にハイブリダ
イズするそれらの能力についてスクリーニングした:正常なヒト末梢血液リンパ
球(Stanford University Blood Bank、Stanford、Calforniaから購入)DNA、およ
びEscherichia coli KM392ゲノムDNA(Ausubelら;Maniatisら;Sambrookら)。10
マイクログラムのヒトリンパ球DNAおよび2マイクログラムのE.coliゲノムDNAを
EcoRIおよびHindIIIで消化した。制限消化産物を電気泳動によりアガロースゲル
で分画し(Ausubelら)、そして製造業者の指示に従い、ナイロンまたはニトロセ
ルロース膜(SchleicherおよびSchuell、Keene、NH)に移した。
免疫反応性クローン由来のプローブを以下の様に調製した。gt11ベクターのEc
oRIクローニング部位に隣接するλgt11配列に対応するプライマーを用いて各ク
ローンを増幅した。各免疫反応性クローンをテンプレートとして用いるポリメラ
ーゼ連鎖反応により増幅を行った。得られた増幅産物をEcoRIで消化し、増幅フ
ラグメントをゲル精製し、そしてゲルから溶出した(Ausubelら)。次いで、得ら
れた免疫反応性クローン由来の増幅フラグメントを、32P-dNTPを用いる市販のキ
ット(BMB)を使用してランダムプライム標識した。
次いで、ランダムプライムされたプローブを、上記で調製したナイロン膜にハ
イブリダイズさせて、挿入配列のコントロールDNAに対するハイブリダイゼーシ
ョンについて試験した。470-20-1挿入物は、いずれのコントロールDNAともハイ
ブリダイズしなかった。
陽性のハイブリダイゼーションコントロールとして、ヒトC-κ遺伝子フラグ
メント(Hieter)由来のプローブをヒトDNAに対する単一遺伝子コピーコントロー
ルとして使用し、E.coli DNAに対しては、E.coliのポリメラーゼ遺伝子フラグ
メントを同様に使用した。
B.ゲノムPCR
ライブラリーの構築の間に偶然クローニングされ得るいくつかのゲノムDNAに
関する外因性を確認し、次いでクローニング供給源および関連の標本材料におけ
るクローニングされた配列の存在を試験するためにまずPCR検出を行った。SISPA
増幅核酸および一次供給源から抽出された核酸、および関連の供給源材料から抽
出した核酸(例えば、動物継代研究由来)を含む、いくつかの異なるタイプの標本
を試験した。
用語「ゲノムPCR」は、相当する生物由来のゲノムDNAにおける特定の配列の存
在について試験することをいう。例えば、マイスタックス由来クローンについて
のゲノムPCRは以下のようなゲノムDNAを包含し得る:
1.ヒトDNA(1μg/rxn.)
2.マイスタックスDNA(0.1〜1μg/rxn.)
3.E.coli(10〜100ng/rxn.)
4.酵母(10〜100ng/rxn.)
ヒトDNAおよびマイスタックスDNAを、因子についての直接かつ究極の供給源と
して試験する。市販の酵素調製物の常習的な混入物として、E.coliのゲノムDNA
が試験された。遍在動物として酵母もまた試験され、そのDNAが試薬を汚染し得
、そしてそれ故クローニングされる。
さらに、陰性コントロール(すなわち緩衝液または水のみ)および約105細胞/rx
n.を有する陽性コントロールもまた増幅する。
増幅条件は、個々の配列について決定され得るように変化するが、以下の標準
的なPCRプロトコルに厳密に従う:10mM Tris、pH8.3、50mM KCl、1.75mM MgCl2
、1.0uMの各プライマー、それぞれ200uMのdATP、dCTP、およびdGTP、ならびに30
0μM dUTP、2.5ユニットのTaq DNAポリメラーゼ、および100ulの反応物あたり0.
2ユニットのウラシル-N-グリコシラーゼを含有する反応物中でPCRを行った。サ
イクルは94℃で少なくとも1分間、続いて変性(92℃〜94℃、15秒間)、アニーリ
ング(55℃〜56℃、30秒間)、および伸長(72℃、30秒)を30〜40回反復した。増幅
DNAの存在しないように維持された特別に指定された実験室でPCR試薬を合わせ、
そして増幅反応物を構成した。
増幅配列による汚染およびそれによる「偽陽性」による試験の弱体化に対する
さらなる防御として、増幅配列を生化学的に天然DNAと区別可能にするために、d
UTPをTTPと置き換えてPCRを行った。任意の汚染PCR産物を酵素的に増幅不可能に
するために、ウラシル-N-グリコシラーゼ酵素を全てのゲノムPCR反応に含ませた
。熱サイクルの終わりに際して、反応物を72℃に保持して、ウラシル-N-グリコ
シラーゼの再性を防ぎ、かつ増幅U-含有配列の分解の可能性を防いだ。
最大の感度および特異性のためには異なる増幅条件を理想的には必要とする種
々の配列の増幅のために、上記の一般的なプロトコルをさらに強力にするめに、
標準的な技法を用いて(「AMPLIWAX」Perkin-Elmer Biotechnology;あるいは、
手動技法を用いた)「ホットスタートPCR」を行った。
2つのPCRプライマー配列の内部に位置し、そしてプライマーとの重複を有さ
ないかまたは最小限の重複を有する特定のオリゴヌクレオチドプローブへのハイ
ブリダイゼーションにより、増幅DNAの検出を行った。いくつかの場合では、臭
化エチジウム蛍光を用いて電気泳動されたPCR産物の直接可視化を行うが、特異
的な増幅産物と非特異的な増幅産物との間の識別を確実にするのを助けるために
、各々の場合で、プローブハイブリダイゼーションを行った。溶液中の放射標識
プローブへのハイブリダイゼーションに続いて、8〜15%のポリアクリルアミド
ゲルでの電気泳動(増幅配列のサイズに対して適切なように)およびオートラジオ
グラフィーを行った。
クローン470-20-1を、ゲノムPCRによりヒトDNA、E.coli DNA、および酵母DNA
に対して試験した。陰性コントロール反応物および試験したいずれのゲノムDNA
においても特異的配列は検出されず、そして反応あたり105コピーのDNAが容易に
検出可能なシグナルを生じた。この感度(すなわち、105/反応)が1μgの総DNAを
含有する反応物における単一コピーヒト配列の検出に適切であり、約1.5×105細
胞由来のDNAであることを表す。
C.直接血清PCR
血清または他のクローニング供給源または関連する供給源材料を、選択したク
ローンニング配列由来のプライマーを用いるPCRにより直接試験した。これらの
実験において、HGVウイルス粒子をポリエチレングリコール(PEG)を用いて血清か
ら直接沈殿させるか、またはPNFおよび特定の他の血清の場合は、超遠心分離に
よりペレット化した。RNAの精製のために、ペレット化した材料をグアニジニウ
ムチオシアネートに溶解させ、そして酸性グアニジニウムフェノール技法(Chomc
zynskiら)により抽出した。
あるいは、市販の試薬(例えば、「TRIREAGENT」(Molecular Research Center
、Cincinnati、OH)または「TRIZOL」(Life Technologies、Gaithersburg、MD)の
使用により実施および補充される本方法の改変、ならびに関連のプロトコルを用
いてRNAを単離した。さらに、「PURESCRIPT」試薬およびプロトコル(Gentra Sys
te
ms、Minneapolis、MN)の使用により、血清またはウイルスを含有する他の液体か
ら、予めウイルス粒子を濃縮またはペレット化することなく、PCR分析に適切なR
NAを直接単離した。
単離したDNAをPCRのためにテンプレートとして直接用いた。RNAを逆転写酵素(
Gibco/BRL)を用いて逆転写し、次いでcDNA産物を次のPCR増幅のためのテンプレ
ートとして用いた。
470-20-1の場合、20μl〜50μlのPNF血清由来の核酸を、各RT-PCRまたはPCR反
応中へのインプットテンプレートとして用いた。プライマーを以下のように470-
20-1配列に基づいて設計した:470-20-1-77F(配列番号9)および470-20-1-211R(
配列番号10)。MMLV-RT(Gibco/BRL)およびランダムヘキサマー(Promega)を用い、
室温で約10分間、42℃で15分間、そして99℃で5分間インキュベートし、急速に
4℃まで冷却することにより逆転写を行った。100μlの反応物あたり1.75mM MgC
l2、0.2μM〜1μMの各プライマー、各々200μMのdATP、dCTP、dGTPおよびdTTP
、および2.5〜5.0ユニットのTaq DNAポリメラーゼ(「AMPLITAQ」、Perkin-Elmer
)を含有する反応物中のPCRにより、精製することなく、合成cDNAを直接増幅した
。サイクルは、「GENEAMP SYSTEM 9600」熱サイクラー(Perkin-Elmer)において
、94℃で少なくとも1分間、続いて変性(10サイクルについては94℃で15秒間;
続くサイクルについては92℃または94℃で15秒間)、アニーリング(55℃で30秒間
)、そして伸長(72℃で30秒間)の40〜45反復であるか、または他の熱サイクラー(
Perkin-Elmer;MJ Research、Watertown、MA)において相当するサイクル条件で
あった。
陽性コントロールは、(i)Hoechst 33258蛍光アッセイを用いて推定された濃度
を有する先に増幅したPCR産物、(ii)目的のDNA配列を有する精製プラスミドDNA
、または(iii)T7、T3、またはSP6のようなファージRNAプロモーターの転写制御
下に置かれる目的のDNA配列を含むプラスミドクローン由来の精製RNA転写物、お
よび市販のインビトロ転写キットの使用により調製されたRNAから構成した。さ
らに、DNA増幅反応物のインヒビターの存在についてのコントロールとして、約1
0〜100コピー/rxn.に相当する陽性コントロールDNAのアリコートをクローニング
供給源標本から抽出した核酸を含有する反応物中に加え得る。それぞれ別々の抽
出物を少なくとも1つの陽性コントロールを用いて試験した。
特異性の確認のために、特異的産物を特異的なオリゴヌクレオチドプローブ47
0-20-1-152F(配列番号16)へのハイブリダイゼーションにより検出した。10μlの
PCR産物のハイブリダイゼーションを、約1×106cpmの32P-標識470-20-1-152Fを
含有する20μlの反応物中溶液で行った。特異的ハイブリッドを、ポリアクリル
アミドゲルでハイブリダイズしなかったオリゴから電気泳動分離およびオートラ
ジオグラフィーの後検出した。
PNFに加えて、「血清PCR」プロトコル配列を用いて、正常血清から抽出された
核酸もまた逆転写し、そして増幅した。正常ヒト血清からはシグナルが検出され
なかった。PNF血清における特異的なシグナルを、470-20-1特異的プライマーを
用いて複数の抽出物中で再現可能に検出した。
D.SISPA非クローニング核酸からの増幅
SISPA(配列非依存単一プライマー増幅)増幅したcDNAをテンプレートとして使
用した(実施例1)。選択されたクローニング配列から設計された配列特異的プラ
イマーを用いてテンプレート由来の目的のDNAフラグメントを増幅した。代表的
には、テンプレートはクローニング操作において使用されるSISPA増幅されたサ
ンプルであった。例えば、増幅プライマーである470-20-1-77F(配列番号9)およ
び470-20-1-211R(配列番号10)をクローン470-20-1配列(配列番号3)から選択し
た。テンプレートとしてSISPA-増幅PNF 2161 cDNAを用いてこれらのプライマー
を増幅反応に用いた。
増幅されたDNAフラグメントの同一性は、(i)470-20-1配列(配列番号3)に基づ
いて設計された特異的なオリゴヌクレオチドプローブ470-20-1-152F(配列番号16
)とのハイブリダイゼーション、および/または(ii)サイズにより確認した。DNA
ブロット検出のために使用されるプローブを、製造業者(BMB)の推奨に従い末端
トランスフェラーゼを用いてジゴキシゲニンで標識した。次いで、増幅したDNA
へのハイブリダイゼーションを、サザンブロット分析または液体ハイブリダイゼ
ーション(Kumarら、1989)分析のいずれかを用いて行った。
増幅反応において使用した陽性コントロールDNAは、その濃度をHoechst 33258
蛍光アッセイにより推定した先に増幅したPCR産物、またはそれに代わってクロ
ーニングした目的の挿入物を含む精製プラスミドDNAであった。
470-20-1特異的シグナルが、SISPA-増幅PNF 2161からPCRにより増幅したcDNA
で検出された。陰性コントロール反応物は非反応性であり、そして陽性コントロ
ールDNAテンプレートが検出された。
E.肝臓RNAサンプルからの増幅
肝臓生検材料から、Cathalらの方法に従ってRNAを調製した。ここでは、組織
を5Mのグアニジンチオシアネート中で抽出し、次いで4M LiClによりRNAを直
接沈殿させた。RNAペレットを2M LiClで洗浄した後、残留する混入タンパク質
をフェノール:クロロホルム抽出により除去し、そしてRNAをエタノール沈殿に
より回収した。
基質として以下のRNA供給源を用いる増幅反応では470-20-1特異的プライマー
もまた使用した:正常なマイスタックス肝臓RNA、正常なタマリン(Sanguinus la
biatus)の肝臓RNA、およびMY131肝臓RNAである。MY131は、1mlのPNF 2161血漿
で静脈内に接種したマイスタックスである。肝臓酵素(SCID)の明らかな増加およ
び明白なウイルス感染の組織学的な証拠が存在した。組織学的相関は、肝臓がSC
ID活性がピーク時またはピーク時近くで得たMY131の肝臓において最も明らかで
あった。マイスタックス131の肝臓RNAは、HCVの非コードプライマー(配列番号7
および配列番号8)を用いては増幅産物を生じなかった。
増幅反応を2回の実験について重複して行った。これらの増幅反応の結果を表
2に示す。
これらの結果は、470-20-1配列が親の血清サンプル(PNF 2161)およびPNF 2161
サンプルの継代動物由来の肝臓RNAサンプル(MY131)中に存在することを示す。し
かし、コントロールRNAは両方とも、470-20-1配列の存在について陰性であった
。
F.RNAテンプレートを用いたポリメラーゼ連鎖反応による、HGV配列についての
血清パネルのスクリーニング
1.高-ALTドナー
HGV特異的プライマーを用いる、肝炎患者由来の血清および肝機能異常の血液
ドナー由来の血清のポリメラーゼ連鎖反応スクリーニングにより、HGVと肝臓疾
患との間の疾患関連性を評価した。後者は、血清ALTレベルが1ml当たり45国際
単位(International Unit)を超えるドナー血液由来の血清より構成された。
総数152の血清よりなる血清パネルを選択した。以下の血清を血清パネルとし
て選択した:Stanford University Blood Bank(SUBB)でスクリーニングしたドナ
ー血液由来の104の高-ALT血清;北カリフォルニア、エジプト、およびペルーか
らの34の N-(ABCDE)肝炎血清;および肝臓疾患および/または肝炎ウイルス感染
の疑いのある他のドナー由来の14の血清である。パネルに対する陰性コントロー
ルは以下の通りであった:ウイルス感染の危険因子の非存在が明らかである9名
の高度にスクリーニングされた血液ドナー(SUBB)(例えば、O-陰性、Rh陰性;HIV
、既知の肝炎因子、およびCMVに対して陰性;その複数の以前のドナー血液が疾
患を引き起こすことなく輸血された「スーパーノーマル(super normal)」血清)
;および2名のランダムな血液ドナーである。これらの血清を、470-20-1プライ
マ
ー77F(配列番号9)および211R(配列番号10)を用いるRT-PCRにより、HGV特異的配
列の存在についてアッセイした。
RNA抽出およびRT-PCRを、プライマー470-20-1-211Rの5'末端をビオチン化し
、溶液中のハイブリダイゼーションを含む方法により、次いでストレプトアビジ
ンでコートした常磁性ビーズを用いて、ハイブリダイズされたプローブの親和性
捕捉により増幅産物の迅速なスクリーニングを促進した以外は、本質的に実施例
4Cに記載されるように行った。親和性相互作用によりハイブリダイズした配列
の捕捉を用いて特異的に標識したプローブへのハイブリダイゼーションによる核
酸の分析方法は、核酸分析の技術分野で周知である。
試験に利用可能な血清の量に応じて、30μl〜50μlの血清由来のRNAをRT/PCR
反応に用いた。反応あたり10コピー、100コピーまたは1000コピーのRNA転写物に
相当する陽性コントロールおよび適切な陰性コントロール(緩衝液)を用いて各々
の血清を重複して試験した。陰性コントロールは反応せず、そして反応あたり少
なくとも10コピーが各PCR反応において検出可能であった。特異的なハイブリダ
イジングシグナルが2つの重複する反応物の1つのみに存在するとき、不確かな
結果であると定義した。
この血清パネルの増幅分析由来の産物の、効率的で高い感度の分析を、電気化
学発光オリゴヌクレオチドプローブを用いる親和性に基づくハイブリッド捕捉の
ために特別に設計された器具(QPCR System 5000TM、Perkin-Elmer)を用いて行っ
た。QPCR 5000TMを利用するアッセイは先に記載されている(DiCesareら;Wages
ら)。
各反応の産物を、プローブ470-20-1-152F(電気化学発光ルテニウムキレートを
用いて5'末端標識した)に対するハイブリダイゼーション、および「QPCR 5000
」を用いる測定によりアッセイした。所定の増幅反応における陰性コントロール
の平均値の合計および標準偏差の3倍のカットオフに基づいて、総数34の陽性の
可能性を有するサンプルを確認試験のために選択した。
34のサンプルを溶液ハイブリダイゼーションおよび電気泳動により分析した(
実施例4C)。これら34のサンプルのうち、6つの血清(すなわち、6/152)が重複
反応で特異的にハイブリダイズする配列を有することが示された。これらの6
個のサンプルのうち、3個は陽性コントロールとの比較により強く反応性であっ
た:SUBBからの1つの高-ALT血清、およびエジプトからの2つのN-(ABCDE)血清
である。
第2の血液サンプルを、最初のサンプルが採血されてから1年後の高度に陽性
なSUBB血清ドナーから得た。第2の血清サンプルは、上記のPCR法によりHGV陽性
であることが確認された。この結果は、ヒトにおけるHGVによる持続性感染を確
証する。この血清を「JC.」と称した。さらに、この血清ドナーはHCV陰性であり
(血清反応性試験およびPCRにより測定された)、そしてHAVおよびHBVに対して抗
体陰性であった。
さらに、エジプトからの第3のN-(ABCDE)血清、N-(ABCDE)肝炎の北カリフォル
ニア血液ドナー血清およびN-(ABCDE)肝炎血清もまた、この方法により弱く陽性
であることが示された。2つの他の血清は、2つの増幅反応物の1つにおける特
異的配列の存在として定義される不確かな結果を与えた。
これらのHGV陽性血清および不確かな血清由来の重複した血清のアリコートの
後のPCR分析は、試験した8つの血清うち6つがHGV陽性の結果を与え、そして残
りの2つの血清が不確かな結果を与えた。
第2のプライマーセットをHGV陽性サンプルの確認のために使用した。診断増
幅のためのこのプライマーセット(GV57-4512MF、配列番号121、およびGV57-4657
MR、配列番号122)を、推定のNS5コード領域に由来するHGVの保存領域から選択し
た。約2.2kbのフラグメントを5つの別々のHGV単離物から増幅した。増幅反応に
使用したプライマーは、470EXT4-2189R(配列番号119)および470EXT4-29F(配列番
号120)であった。増幅したDNAフラグメントを配列決定し、そして配列を並べた
。並びから高度に保存された領域が同定された。そして最適プライマー配列を、
5つの配列にわたって相違したままであるような位置で、混合された塩基合成を
取り込んで設計した。得られたNS5プライマーは以下の通りであった:GV57-4512
MF、配列番号121、およびGV57-4657MR、配列番号122。これらのプライマーを用
いて試験サンプルから165bpの診断用フラグメントを増幅した。
内部プローブ配列であるGV22dc-89MF(配列番号123)は、特異的に増幅された産
物の検出のために、他の高度に保存された領域に由来した。このプローブはまた
、
低いストリンジェンシー条件下で相違が最小限であるHGV配列の検出を可能にす
るに十分な長さである。
診断用NS5配列の存在についての標本の分析は、470-20-1プライマーについて
記載されたような、サンプル調製、増幅、および液体ハイブリダイゼーションと
同一条件(実施例4C)に従った。470-20-1およびNS5の両プライマー対を用いるP
CRにより分析した血清サンプルの結果の一致を表3に示す。
HGV陽性であると上で同定された8つの血清から得た別のアリコートのさらな
るPCR分析を、470-20-1プライマーセット(配列番号9および配列番号10)およびN
S5プライマーセットを用いて行った。これらのアッセイにおいて、HGV PCR分析
は一致して8つの血清のうち5つにおいて陽性の結果を与えた。これらの結果を
表4に表す。
対照的に、2つのランダムドナー血清または9の高度にスクリーニングされた
「スーパーノーマル」血清はどちらのセットのPCR分析においても陽性でなかっ
た。
これらの結果は、HGVと肝臓疾患との間の疾患関連性を強める。
高-ALTドナー由来の血清のさらなる試験は以下の結果を与えた。上記の104の
血清の最初のパネルに加えて、総数495の血清を試験した。これら495の標本のう
ち、6つはプライマー対470-20-1-77F(配列番号9)および470-20-1-211R(配列番
号10)を用いてHGV陽性と同定された。これら6つの血清は以下のHCVプロファイ
ルを有する:R25342、HCV陰性;R17749、HCV陽性;J53171、HCV陽性、HBV陽性;
J54406、HCV陰性;R08074、HCV陰性;およびX31049、HCV陰性。陽性のスコアは
、少なくとも2回の別の反応における繰り返された反応性を基準とする。R25342
を試験し、そしてNS5プライマー対を用いるPCRにより陽性であることが確認され
た。従って、約1.2%の検出率が観察された(試験した599のうち7)。
PCR(470-20-1プライマー対)によるHGV RNAについての試験のために、ALTが上
昇した血液ドナー由来の新たに得た血漿サンプルをまた、SUBB、Peninsula Bloo
d Bank(Burlingame、CA)、およびNew York Blood Center(New York、NY)から得
た。試験した総数214のドナー血液のうち、総数5つ(約2.3%)がHGV RNA陽性で
あった。これらの5つの血清は以下のHCVプロファイルを有する:T55806、HCV陽
性;T55875、HCV陰性;T56633、HCV陰性;R38730、HCV陰性;および3831781、HC
V陰性である。これらのドナーの2名(T55806およびT55875)からの後のドナー血
液もまた、HGV RNA陽性であった。T55806、T55875およびT56633を試験し、そし
てNS5プライマー対を用いるPCRにより陽性であることが確認された。
2.受託された血液ドナーのスクリーニング
正常な血液ドナー集団におけるHGVの流行を評価するために、SUBBで輸血のた
めにスクリーニングされた血液ドナーから血清を採血した。総数968の標本(769
名の個体ドナーを表す)をHGV RNAについて試験した。サンプルを470-20-1プライ
マー対を用いるPCRによりスクリーニングした。
総数16の血清が検出可能なHGV RNAを有すると同定された。これらのうち、6
つは3名のドナー由来の重複した血清であり、試験された769名中総数13名の個
体ドナーがRNA PCRによりHGV陽性であった。すべての陽性なサンプルを試験し、
そしてNS5プライマー対を用いるPCRにより陽性であることが確認された。これら
のドナーは、正常なALTレベル、ならびにそうでなければ通常の血清学により特
徴付けられた。従って、正常な血液ドナー集団中で試験した血清の約1.7%がHGV
陽性であった。従って、HGVの存在は受託された血液ドナーおよび拒否された血
液ドナーの両方で検出された。
3.種々の地理的な場所からの標本
地理的に広範な供給源からの肝炎患者の集団におけるHGV感染の存在をPCRによ
り評価した。PCR反応は、470-20-1 PCRプライマー対を用いて本質的に実施例4
Cに記載されるように行った。エジプト、ギリシャ、オーストラリア(実施例4
F-4を参照のこと)、ペルー、イギリス、イタリア、ドイツ、韓国、アメリカ合
衆国、および日本からの血清サンプルを試験した。試験した全ての集団のサブセ
ットでHGV RNAが検出可能であった。
4.輸血後関連HGV感染および非経口伝染
HGV RNAがいくつかの輸血後肝炎症例において検出された(実施例4F-3に含
められた日本およびヨーロッパからの症例)。日本からの1つ、アメリカからの
2つ、およびオーストラリアからの1つの総数4つの症例について、HGV RNAの
存在について、複数の時点でアッセイした。これらの症例の3つについては、(i
)輸血前サンプルが利用可能であり患者の以前のHGVの状態を確認し、そして(ii)
これらの3つの症例に対する個々の血液ドナーからのサンプルが利用可能であり
ドナーのHGVの状態を確認した。
第1の症例は1980年12月2日に輸血された日本人患者である。輸血後、この患
者は非B型、非C型肝炎を発症した。この患者からの総数5つの血清を、470-20
-1プライマー対を用いるPCRによりHGV RNAについて試験した。HGV RNAは、輸血
後約2週間から約8ヶ月検出可能であった。輸血後1年を超えて採取されたサン
プルは不確か(すなわち、重複する反応の1つにおいてのみ陽性)であった。輸血
前のサンプルは試験に利用可能でなかった。
症例BIZおよびSTO(それぞれ、表5および表6)は、将来を見通して追跡したNI
Hで行われた心臓手術研究(Alterら、1989)からの患者である。これらの患者の各
々について、輸血後血清が利用可能であり、そして470-20-1プライマー対を用い
るPCRによりHGV RNAについて陰性であると測定された。BIZを試験すると、輸血
後1日目から輸血後198週目までHGV RNAについて陽性であった。BIZについては
総数9名の血液ドナーのうち、試験した8名のうち2名がHGV陽性であることが
見出された。STOを試験すると、輸血後5週目から輸血後92週目までHGV RNAにつ
いて陽性であった。
4番目の症例はまた、オーストラリアのシドニーで行われた輸血後肝炎研究に
参加した、将来を見込んで追跡された心臓手術患者であった。他の同定可能な危
険因子を有さない患者(PA-124)に、手術の間に14ユニット(4ユニットのパック
された赤血球細胞、10ユニットの血漿板)の血液が輸血された。これらの14ユニ
ットのうち、1つはHGV陽性であり、他の13はHGV陰性であった。14名の血液ドナ
ーのHBVおよびHCV血清学分析は、反応性のHCV EIA(第1世代試験)を除いて陰性
であった。他のHCV試験では陽性の知見は確認されなかった。
患者PA-124(表7)では、手術後2週間目に採血されたサンプルから血清ALTが
上昇し始め、そして14週間の期間に少なくとも手術前の10倍のレベルが観察され
た。PA-124由来の輸血前4週間目、および8週間目の血清において行われたHCV
についてのPCRの結果は、全て陰性であった。この患者由来の血清を470-20-1 PC
Rプライマーを用いてHGV RNAについて試験した。輸血前サンプルはHGV RNAにつ
いて陰性であった。輸血後に陽性の結果が示され、ALTの上昇に伴い、そしてそ
れに一致した。HGV RNAの存在は、輸血後1年まで検出された。これらのデータ
はHGVは非経口的に伝染し得るという結論を支持する。
将来を見込んで追跡した輸血後の症例に加えて、複数の輸血および静脈内薬剤
使用(IVDU)により定義される危険グループにおいてさらなるHGV感染の症例が同
定された(表8)。
100名の複数回輸血された鎌形細胞性貧血患者および地中海貧血患者中、19名(
19%)が検出可能な血清HGV RNAを有することが見出された。同様に、49名の血友
病患者中9名(18%)が、470-20-1およびNS5プライマーを用いるとHGV陽性である
ことが見い出された。重要なことに、54名のIVDU中15名(28%)がHGV RNAについ
てPCR陽性であった。これらの非経口危険グループにおける感染率(18%〜28%)
は、ALTの上昇した血液ドナーの感染率(1%〜2%)より高いようである。これ
らの結果は、HGV伝染について非経口的経路の重要性を増援する。
5.選択された肝炎疾患グループのPCRスクリーニング
急性および慢性肝炎、造血細胞ガン、HBV感染またはHCV感染の患者由来の血清
を、ポリメラーゼ連鎖反応を用いてHGVの存在について試験した(データを表8に
示す)。肝臓疾患の患者由来の標本のセットの各々で、HGV陽性の標本が示された
(自己免疫性肝炎および原発性胆硬変を除く;両方の病態は感染因子と強く関連
していないと考えられる)。
輸血後の肝臓患者由来の血清のコレクションにおいて示されるように(実施例
4F-4)、HGV感染が急性肝炎の間に確認されているが、循環するウイルスRNAは
月単位から年単位で測定された期間について慢性感染の間継続して検出される。
HBV感染およびHCV感染患者において、約10%〜20%の同時感染率が観察された
。従って、HGV感染は、他の肝炎ウイルスとの同時感染を伴う肝炎または伴わな
い肝炎と関連することを示す。同時感染は、これらの肝炎ウイルスの伝染と類似
の危険因子および経路を反映し得る。上記のように、血友病患者、IVDU患者、お
よび複数回輸血された貧血患者のような非経口危険グループでは、(他の肝炎危
険グループに比較して)HGVの罹患率がより高かった。
6.ヒトにおけるHGVによる持続性感染
輸血後の肝炎症例であるBIZ、STO、およびPA-124は、輸血後および急性肝炎後
、それぞれ3.8年、1.8年、および1.0年までPCRで検出可能なウイルスRNAを有す
ることが示された。さらなる血清サンプルを、ドナーJC(実施例4F-1)から、
最
初の陽性サンプルの後1年目および1.5年目に得た。これらの追跡血清サンプル
もまたHGV陽性であった。他の高ALTドナー(T55806、T55875、R25342)から、最初
にHGV感染が検出された血清サンプルの数カ月後に得られたさらなる血清もまた
、陽性であった。同様に、HGV感染が実験霊長類(CH1356、実施例4H)において
確認された場合、HGV RNAは接種後1.5年にわたって検出された。これらのデータ
は、ヒトおよび実験霊長類における持続性HGVウイルス血症を確立する。
G.配列決定のための患者RNA由来の長いフラグメントの増幅
種々のHGV単離体の配列情報を得るために、PCRプライマーを設計してHGVゲノ
ムのいくつかの有益な領域を増幅した。当初の470-20-1配列を含んでいた2.2kb
のフラグメントを増幅するためにプライマー470EXT4-2189R(配列番号119)および
470EXT4-29F(配列番号120)を設計した。サンプル由来のRNAを「SUPERSCRIPT II
」逆転写酵素(Gibco/BRL、Gaithersburg、MD)を用いて逆転写した。得られたcDN
Aを、効率的な長範囲PCRのための試薬(「XL PCR BUFFERS」および「rTth-XL」、
Perkin Elmer/Applied Biosystems Div.、Foster City、CA)を用いて増幅した。
アガロースゲル電気泳動で正しいサイズのバンドが検出される場合、増幅反応
は陽性と考えられる。増幅産物の予備的DNA配列決定によりサンプルを陽性とし
て確認した。以下の血清サンプルを試験したところ、この増幅法によりHGV RNA
について陽性であった:PNF2161;R10291(JC);および北アメリカ人、エジプト
人、および日本人グループのそれぞれ由来の標本。しかし、ペルー人の血清から
は陽性サンプルは検出されなかった。
種々のHGV陽性標本からの成功した増幅により、上記の470-20-1プライマー対
を用いるPCR増幅により得られた結果が確認された。しかし、増幅が得られない
ことは、乏しいRNA量または低コピー数、または選択されたプライマーセットが
全般的に機能しないため単離体間の局部的な配列の差異を反映し得る。
HGVゲノムの推定の5'非翻訳領域から配列情報を得るために、プライマーを設
計して5'非翻訳領域由来のフラグメント(HGV PNF2161変異体に基づく)を増幅し
た。2つのフラグメントを以下のプライマーセットにより規定した:FV94-22F(
配列番号124)およびFV94-724R(配列番号125)、728塩基対のフラグメントを生じ
る;およびFV94-94F(配列番号126)およびFV94-912R(配列番号127)、847塩基対の
フラグメントを生じる。
効率的な長範囲PCRを促進するために記載された方法をそのまま使用した。試
験したほとんどのサンプルから産物が得られ、サンプル中のHGV RNAの存在のさ
らなる確認を提供した。
H.霊長類におけるHGVの感染力
2匹のチンパンジー(CH1323およびCH1356と称する)、6匹のカニクイザル(CY1
43、CY8904、CY8908、CY8912、CY8917、およびCH8918)、および6匹のマイスタ
ックス(MY29、MY131、MY98、MY187、MY229、MY254)被験体にPNF2161を接種した
。接種前血清および接種後血清を、ALTおよびHGV RNA配列の存在(上記のPCRスク
リーニングにより決定される)についてモニターした。
1匹のカニクイザル(CY8904)が総数17の別々の採血血液から陽性のRNA PCR結
果(接種後39日)、および1つの不確かな結果を示した。CH1356と称する1匹のチ
ンパンジーにおいて、持続性ウイルス血症がRT-PCRにより観察された。表9に示
されるように、有意なALTの上昇は観察されず、そして循環するウイルスは、接
種のかなり後の時点でのみ検出された。ウイルス血症は接種後118日目およびそ
れ以後に観察された。最初の接種後時点(8日目)において示唆的な反応性もまた
観察されたが、これは接種物の残留を示し得る。
上に表す結果は、実験霊長類においてHGV感染から1.7年まで持続したことを示
す。
I.ウイルスゲノムの特徴付け。
cDNAライブラリー(実施例1)からの470-20-1の単離は、PNF 2161において検出
されたウイルスゲノムがRNAであったことを示す。HGVウイルスゲノムのRNAとし
ての同一性を確認するさらなる実験は以下を包含する。
最初のクローニング供給源におけるRNAまたはDNAのいずれかの選択的な分解
(例えば、DNaseフリーのRNaseまたはRNaseフリーのDNaseによる)に続くHGV特異
的プライマーを用いる増幅、およびRNAテンプレートをDNAテンプレートと区別す
る役割をする増幅産物の検出。
代替方法は、増幅反応物(テンプレートとして最初のクローニング供給源由来
の核酸、およびHGV特異的プライマー)を利用する。この方法は、(i)反応物中のR
NA依存性DNAポリメラーゼ(すなわち、逆転写酵素)の非存在下で、DNA依存性DNA
ポリメラーゼ、および(ii)反応物中のDNA依存性DNAポリメラーゼおよびRNA依存
性DNAポリメラーゼを用いる。この方法では、HGVゲノムがDNAであるまたはDNA中
間体を有する場合、増幅産物は両方のタイプの増幅反応物で検出される。HGVゲ
ノムがRNAのみである場合、増幅産物は逆転写酵素含有反応物のみにおいて検出
される。
実施例4Cに記載されるように、プロテイナーゼKおよびSDSに続いてフェノ
ール抽出を用いてPNF 2161から総核酸(すなわち、DNAまたはRNA)を抽出した。こ
の精製された核酸を、次いでポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて増幅した。こ
こで、(i)PCRに先だって逆転写工程を行うか、または(ii)逆転写工程を省略した
。PCR反応に先だって逆転写を行った場合のみ増幅が再現性良く得られた。コン
トロールとして、DNAテンプレートが別の反応でうまく増幅された。これらの結
果は、HGVウイルスゲノムの本質はRNAであることを示す。
本来PNF 2161に存在していたクローン化された鎖である2本鎖DNA配列は、以
下を含む種々の手段により推定され得る。感染した供給源血清由来の増幅されな
かったゲノムRNAのノーザンブロッティングまたはドットブロッティングに続い
てクローン化配列の各鎖に対応するプローブに対する重複ブロットハイブリダイ
ゼーションを行い得る。あるいは、感度を高めるために、M13ベクター(Messing)
から単離された1本鎖cDNAプローブ、または複数の鎖に特異的なオリゴヌクレオ
チドプローブを使用する。供給源血清が1本RNAを含有する場合、1つのプロー
ブのみ(すなわち470-20-1クローンの1つの鎖由来の配列)が、適切な条件のハイ
ブリダイゼーションストリンジェンシーの下でシグナルを生じる。供給源血清が
2本鎖RNAを含有する場合、両鎖プローブがシグナルを生じる。
逆転写を先に行い、1つまたは他の特異的なプライマーを用いるポリメラーゼ
連鎖反応は、ノーザンブロッティングよりもはるかに高い感度を示す。PNF 2161
血清に存在する精製ビリオンから抽出したゲノムRNAを、各RT/PCRにおいてイン
プットテンプレートとして用いる。ランダムヘキサマーを用いるcDNA合成よりむ
しろ、HGV配列特異的プライマーを用いた。1つのcDNA合成反応を、クローン化
配列の1つの鎖に相補的なプライマー(例えば、470-20-1-77F)を用いて行い;第
2のcDNA合成反応をさらに、対向する鎖に由来するプライマー(例えば、470-20-
1-211R)を用いて行った。
得られた第1鎖cDNAを、2つのHGV特異的プライマーを用いて増幅した。PCRに
よる首尾良い増幅のためにコントロールを含めた(例えば、DNAコントロール)。
記載される特異的プライマーを用いる場合、クローン化配列の各鎖のRNA転写物
もまた、得られた逆転写効率についてのコントロールとして用いた。
臭化エチジウム染色を用いて、アガロースゲル電気泳動により特異的産物を検
出した。DNAコントロール(すなわち、PCR増幅についての2本鎖DNAコントロール
)は、逆転写に用いられるプライマーに関係なく首尾良く増幅された。1本鎖RNA
転写物(すなわち、逆転写効率および鎖特異性についてのコントロール)は、対向
鎖プライマーがcDNA合成に使用された場合にのみ増幅された。
PNF由来HGVポリヌクレオチドは、プライマー470-20-1-211Rが逆転写に用いら
れた場合のみ特異的な増幅産物を生じた。従って、これは、血清に存在する当初
のHGVポリヌクレオチド配列は470-20-1-211Rに相補的であり、そしておそらく1
本鎖RNAであることを示す。
実施例5
PNF 2161 のスクロース密度勾配分離
A.PNF-2161因子のバンド化
TNE(50mM Tris-Cl、pH 7.5、100mM NaCl、1mM EDTA)中の連続勾配の10%〜60
%スクロース(「ULTRAPURE」、Gibco/BRL)を、Hoefer Scientific(San Francisc
o、CA)製の勾配メーカーを用いて調製した。−70℃で保存し、37℃で迅速に解凍
させ、次いでTNEで希釈した0.4mlのPNF血清を、約12.5mlの勾配に重層した。
次いで、この勾配をSW40ローター(Beckman Instruments)中で、4℃で約18時
間、40,000rpm(ravで約200,000×g)で遠心分離した。容量約0.6mlの画分をチ
ューブの底から採集し、そして密度の算定のために、超遠心分離チューブ中で直
接0.5mlの重さを計量した。
次いで、推定ウイルス粒子を、Ti70.1ローター中で、4℃で2時間、40,000rp
m(約110,000×g)で遠心分離することによりペレット化し、そして酸性グアニジ
ニウムフェノール技法(「TRI REAGENT」、Molecular Research Center、Cincinn
ati、OH)を用いて抽出し、そして回収を改善するためのキャリアとしてグリコー
ゲンを用いてアルコール沈殿した。この精製核酸を、2mM DTTおよび1U/μlの組
換えRNasinを含有する緩衝液(RNaseを含まない)に溶解した。
RNA PCR(実施例4C)による勾配画分の分析は、1.126g/ml〜1.068g/mlの範囲
の密度の画分に局在化する470-20-1特異的シグナルの明瞭なピークを示した(表1
0)。従って、これらの条件下で、470-20-1シグナルは、スクロース勾配における
ウイルス粒子の予想される挙動と一致する分離したバンドを形成することが示さ
れた。
B.ウイルス粒子相対密度
PNF 2161はHCVと同時感染することが示された(上記参照)。他の概知の肝炎ウ
イルス粒子に対する470-20-1ウイルス粒子の性質を比較するために、血清PNF216
1および精製A型肝炎ウイルスのサンプルを(上記のように)スクロース勾配上に
載せた。画分(0.6ml)を採集し、ペレット化し、そしてRNAを抽出した。各画分由
来の単離したRNAを、HAV(配列番号5;配列番号6)、HCV(配列番号7;配列番号
8)および470-20-1(配列番号9、配列番号10)特異的プライマーを用いる増幅反
応(PCR)に供した。
アガロースゲル上の増幅反応物の電気泳動的分離と後の臭化エチジウム染色に
より産物バンドを同定した。この分析の結果を表11に示す。
これらの結果は、470-20-1粒子がHAVよりもHCV粒子に類似することを示唆する
。
さらに、血清PNF 2161およびHAV粒子をスクロース勾配遠心分離の前にクロロ
ホルムで処理した。これらの実験の結果は、470-20-1因子がエンベロープウイル
スであり得ることを示唆する。なぜならそれは非エンベロープウイルス(HAV)よ
りもエンベロープしたフラビウイルス科のメンバー(HCV)に類似の性質を有する
からである。
実施例6
470-20-1 伸長クローンの作製
A.アンカーPCR
実施例1に記載されるように、PNF 2161血清から直接RNAを抽出した。RNAを「
CHROMA SPIN」100ゲル濾過カラム(Clontech)を通過させて小分子量の不純物を除
去した。cDNAをBMB cDNA合成キットを用いて合成した。cDNA合成の後、PNF cDNA
を、50倍〜100倍過剰のKL-1/KL-2 SISPAリンカーまたはJML-A/JML-Bリンカー(そ
れぞれ、配列番号11/配列番号12、および配列番号17/配列番号18)に連結し、そ
してプライマーKL-1またはプライマーJML-Aのいずれかを用いて35サイクルの増
幅を行った。
EcoRI消化(脱リン酸化)λgt11アーム(1μg)およびEcoRI消化PNF cDNA(0.2μg
)を含有する10μlライゲーション反応物からの1μlのアリコートのアンカーPCR
により470の伸長クローンを作製した。ライゲーション反応物のPCR増幅(40サイ
クル)を、470-20-77F(配列番号9)または470-20-1-211R(配列番号10)のいずれか
と組み合わせたλgt11逆プライマー(配列番号13)を用いて行った。PCRについて
全てのプライマー濃度は0.2μMであった。
増幅産物(9μl/100μl)を1.5%アガロースゲルで分離して、「NYTRAN」(Schl
eicher and Schuell、Keene、NH)にブロットし、そして470-20-1に特異的なジゴ
キシゲニン標識されたオリゴヌクレオチドプローブを用いてプローブした。ジゴ
キシゲニン標識はターミナルトランスフェラーゼ(BMB)を用いて製造業者の推奨
に従って行った。ハイブリダイズしたバンドをゲル精製し、「TA CLONING VECTO
R pCR II」(Invitrogen)にクローン化し、配列決定した。
470-20-1の5'側および3'側の両方の伸長部を有する多くのクローンが同定さ
れた。全ての配列は、少なくとも2つの独立した単離体の配列決定からのコンセ
ンサス配列に基づく。このアンカーPCRアプローチを同様の方法で反復してさら
なる5'および3'伸長配列を得た。λgt11逆プライマー(配列番号13)を先の伸長
クローンから得た配列に由来するHGV特異的プライマーと組み合わせてこれらのP
CR増幅反応を行った。これらの反応の基質は、パッケージされていないPNF 2161
2-cDNA供給源DNAであった。
配列決定を、Applied Biosystemsモデル373A DNA配列決定システムを用いて製
造業者(Applied Biosystems、Foster City、CA)の推奨に従って「ジデオキシタ
ーミネーターサイクル配列決定法」(Sangerらの手順の改変法)により行った。配
列データを配列表に示す。配列を、「GENBANK」、EMBLデータベースおよびdbEST
(National Library of Medicine)の配列と核酸レベルおよびアミノ酸レベルの両
方で比較した。サーチプログラムFASTA、BLASTP、BLASTNおよびBLASTX(Altschul
ら)は、これらの配列が核酸およびアミノ酸配列の両方で新規であることを示し
た。
選択されたプライマー対を用いて得た個々のクローンを並べてコンセンサス配
列を得た。HGV-PNF 2161変異体の配列を構築するために用いた1連のコンセンサ
ス配列は以下の通りである:4E3、配列番号26;3E3、配列番号27;2E5、配列番
号28;1E5、配列番号29;4E5、配列番号30;3E5、配列番号31;2E3、配列番号32
;1E3、配列番号33、4E5-20、配列番号34;5E3、配列番号39;6E3、配列番号40
;7E3、配列番号42;5E5、配列番号43、6E5(44F)、配列番号44;8E3、配列番号9
8;9E3、配列番号109;10E3、配列番号110;11E3、配列番号116;12E3、配列番
号118;5'末端、配列番号175;および3'末端、配列番号167。
個々のコンセンサス配列を並べ、重複する配列を同定し、そしてHGV-PNF2161
変異体のコンセンサス配列を決定した。このコンセンサス配列を4つの他のHGV
変異体:JC(配列番号182)、BG34(配列番号176)、T55806(配列番号178)、およびE
B20-2(配列番号180)について得られた配列と比較した。
HGV-PNF 2161変異体のコンセンサス配列は配列番号14に示される9391塩基対か
らなる。この配列は連続するオープンリーティングフレームを表す(配列番号15)
。
ポリタンパク質のKyte-Doolittle疎水性プロットを図11に示す。
当初の470-20-1クローンと伸長により得られた配列との間の関係を図1に概略
的に示す。図に見られるように、このDNA鎖は長い連続するオープンリーディン
グフレームを含む470-20-1のタンパク質コード配列とは反対の極性を有する。
HGVのアミノ酸配列を、PIRデータベース(IntelliGenetics,Inc.、Mountain V
iew、CA)のタンパク質配列中の全てのウイルス配列の配列に対して比較した。プ
ログラムバージョン1.7(Pearsonら)の「FASTA」スーツ(suite)の「SSEARCH」プ
ログラムを用いて比較を行った。HGV配列と、フラビウイルス科ウイルスの2つ
のウイルスとの間に局部的に配列が類似する領域を見出した。類似性アラインメ
ントを図5Aおよび図5Bに示す。
これらのアラインメントには、これらのウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ
(RDRP)のモチーフが存在する。保存されたRDRPアミノ酸モチーフを図5Aおよび
図5Bに星印および上付き太字で示す(KooninおよびDolja)。これらのアラインメ
ントは、HGVコード配列のこの部位がRDRPに対応することを示す。HGVのRNAゲノ
ムに関するデータと組み合わると、このアラインメントデータはフラビウイルス
科のメンバーとしてのHGVの位置づけを支持する。
HGVポリタンパク質(配列番号15)と、HoCV(ブタコレラウイルス)およびHCVとの
全体的なアミノ酸配列同一性は、それぞれ17.1%および25.5%である。このよう
なレベルの全体的な配列同一性は、HGVがHoCVおよびHCVの両方とは別のウイルス
実体であることを示す。例示すると、フラビウイルス科の2つのメンバーのウイ
ルスであるBVDV(ウシジフテリアウイルス)およびHCVでは、16.2%のアミノ酸がH
GVと全体的に並べられ得る。
一般的に高い相同性を示す属内のメンバーは、全体的に並べられた場合、例え
ば、BVDVとHoCVは71.2%の同一性を示す。HCVがメンバーである命名されていな
い属の種々のメンバー(変異体)は、全体的に並べられた場合、65%から100%同
一である。
B.RACEPCR:5'末端のクローニング
HGVゲノムの5'末端を代表するクローンを、改変したアンカーPCRアプローチ
により得た。このアプローチはRACE(cDNA末端の迅速な増幅)技法を利用した。RA
CE法はFrohmanら(1988)およびBelyauskyら(1989)により最初に記載された。簡単
に述べれば、HGVの5'末端クローンを以下のように得た。
第1鎖cDNA合成をランダムヘキサマーを用いてプライムし、そして「SUPERSCR
IPT II」または「rTth」逆転写酵素(GIBCO/BRL)のいずれかを用いて合成を行っ
た。第1鎖の合成後、RNAテンプレートを塩基加水分解(NaOH)により分解した。c
DNAサンプルを酢酸の添加により中和し、そしてガラスマトリックス支持体(「GE
NO-BIND」、Clontech、Palo Alto、CA)への吸収により精製した。精製後、cDNA
をエタノール沈殿により濃縮し、そして80%エタノールで2回洗浄した。
最初に記載されたRACE法を以下のように改変した。1本鎖オリゴヌクレオチド
アンカー(配列番号174))(Clontech)を、塩化コバルトの存在下てT4 RNAリガーゼ
を用いて第1鎖cDNAの3'末端に連結した。オリゴヌクレオチドアンカーを製造
業者から得、2回改変した:(i)アンカーの3'末端をアミノ基で修飾し、コンカ
テマー形成を防ぐ、そして(ii)5'末端はリン酸基を有し、第1鎖cDNAへのライ
ゲーションを可能にする。
アンカーのライゲーションの後、いくつかのHGV特異的プライマーをアンカー
配列に相補的なプライマー(APプライマー、配列番号134)と組み合わせて用いるP
CR増幅のテンプレートとして、cDNAを用いた。得られた増幅産物をアガロースゲ
ル電気泳動により分離し、フィルターに移し、そしてネストしたHGV特異的オリ
ゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせた。HGVプローブにハイブリダイ
ズしたバンドを単離し、「pCR-II」(Invitorogen、San Diego、CA)にクローン化
し、そして配列決定した。
C.HGV 3'末端のクローニング
HGVゲノムの3'末端を代表するクローンを、改変したアンカーRT-PCR法により
得た。簡単に述べると、ポリAポリメラーゼ(GIBCO/BRL、Gaithersburg、MD)を用
いてcDNA合成の前にPNF 2161 RNAにポリ(A)テール(tail)の付加を触媒した。ポ
リ(A)付加は製造業者の推奨に従って行った。ポリ(A)修飾RNAの精製の後、「SUP
ERSCRIPT II」(GIBCO/BRL)を用いる逆転写をプライマーGV-5446IRT(配列番号18
4)を用いて行った。得られたcDNAを以下のプライマーセットを用いるPCRにより
増幅した:GV59-5446F(配列番号171)およびGV-5446IR(配列番号172)。
増幅後、産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、フィルターに移し、そ
してジゴキシゲニン標識オリゴヌクレオチドプローブ(E5-7-PRB、配列番号173)
とハイブリダイズさせた。オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした産物を単離
し、精製し、「pCR-II」にクローン化して配列決定した。この方法により単離さ
れた2つのクローンはMP3-3(配列番号168)およびMP3-7(配列番号169)であった。
実施例7
470-20-1 融合タンパク質の単離
A.470-20-1/グルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質の発現および
精製
470-20-1ペプチドを含有するグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(sj26)融合
タンパク質の発現を以下のように達成した。当初のλgt11 470-20-1クローンに
対応する237塩基対挿入物(両側に17ヌクレオチドのSISPAリンカーを有する)を、
プライマーgt11 F(配列番号25)およびgt11 R(配列番号13)を用いるポリメラーゼ
連鎖反応および続くEcoRI消化により当初のλgt11 470-20-1クローンから単離し
た。
挿入物を改変pGEXベクターであるpGEX MOVにクローン化した。pGEX MOVはカル
ボキシ末端で6つのヒスチジンが融合したsj26タンパク質(sj26his)をコードす
る。この470-20-1ポリペプチドコード配列を、ベクター中のsj26hisコード配列
の下流に位置するコード部位でベクターに導入した。従って、470-20-1ポリペプ
チドは、sj26his/470-20-1融合タンパク質として発現される。融合タンパク質の
sj26タンパク質および6つのヒスチジン領域は、グルタチオン結合ビーズ(Smith
,D.Bら)および固定化金属イオンビーズ(Hochula;Porath)を用いる2重クロマト
グラフィー法による融合タンパク質のアフィニティー精製を可能にする。
E.coli W3110株(ATCCカタログ番号27352)をpGEX MOVおよび470-20-1挿入物を
含むpGEX MOVで形質転換した。sj26hisタンパク質および470-20-1融合タンパク
質は2mM イソプロピル-β-チオガラクトピラノシド(IPTG)の添加により誘導さ
れる。従来のイオン交換クロマトグラフィーと組合わせた公開された方法(Smith
,D.Bら;Porath)に従って、融合タンパク質をグルタチオンアフィニティークロ
マトグラフィーまたは固定化金属イオンクロマトグラフィー(IMAC)のいずれかに
より精製した。
精製470-20-1融合タンパク質はPNF 2161と免疫反応性であった。しかし、精製
sj26hisタンパク質はPNF 2161と免疫反応性ではなった。これは470-20-1ペプチ
ドとPNF 2161との間の特異的な免疫反応の存在を示す。
B.470-20-1/B-ガラクトシダーゼ融合タンパク質の単離
λファージgt11またはgt11/470-20-1のいずれかで感染したKM392溶原菌を、培
養のODが0.4に到達するまで32℃でインキュベートする。次いで、培養を43℃の
水浴中で15分間インキュベートしてgt11ペプチド合成を誘導し、そして37℃で1
時間インキュベートした。細菌細胞をペレット化し、そして細胞溶解緩衝液(10m
M Tris、pH 7.4、2%「TRITON X-100」および1%アプロチニン)中で溶解した
。細菌溶解物を遠心分離(10K、10分間、Sorvall JA20ローター)により清澄化し
、そして清澄化溶解物を抗β-ガラクトシダーゼと結合したSepharose 4Bビーズ(
Promega)とインキュベートする。
β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質の結合および溶出を製造業者の指示に従
って行う。代表的には、タンパク質の結合およびカラムの洗浄は細胞溶解緩衝液
で行った。結合したタンパク質を0.1M炭酸/重炭酸緩衝液(pH10)で溶出する。精
製470-20-1/b-ガラクトシダーゼタンパク質はPNF2161および抗b-ガラクトシダー
ゼ抗体の両方と免疫反応性である。しかし、gt11溶原菌により発現され精製され
たβ-ガラクトシダーゼはPNF2161とは免疫反応性でなく、抗β-ガラクトシダー
ゼ抗体とは免疫反応性である。
実施例8
470-20-1 融合タンパク質の精製および抗470-20-1抗体の調製
A.グルタチオンアフィニティー精製
材料は、50mlのグルタチオンアフィニティーマトリックス還元型(Sigma)、XK
26/30 Pharmaciaカラム、2.5×10cm Bio-Rad「ECONO-COLUMN」(Richmond、CA)、
Gilson(Middleton、WT)HPLC、DTT(Sigma)、グルタチオン還元型(Sigma)、尿素、
および二塩基性リン酸ナトリウムを含んでいた。
融合タンパク質の精製には以下の溶液を用いた:
緩衝液A:リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、および
緩衝液B:50mM Tris pH8.5、8mMグルタチオン(還元型グルタチオン)
ストリップ緩衝液:8M尿素、100mM Tris pH8.8、10mMグルタチオン、1.5 Na
Cl。
470-20-1挿入物を含むプラスミドpGEX MOVを有するE.coliを発酵槽(20リット
ル)中で増殖させた。細菌を採集し、そしてマイクロフリューダイザーを用いて
2mMフッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)を含有するリン酸緩衝化生理食塩
水(PBS)中で溶解した。他に示さない限り、以下の全ての手順は4℃で行われた
。
溶解細菌を「OAKRIDGE」チューブに入れそしてBeckmanモデルJA-20ローター中
で20Krpm(40k×g)で回転させることにより、充填のための粗溶解物を調製した
。上清を0.4μmのフィルター、次いで0.2μmフィルターを通して濾過した。
2.5×10cmの「ECONO-COLUMN」に、室温で2時間PBS中で膨潤させたグルタチオ
ンアフィニティーマトリックスを詰めた。カラムを4ベッド量のPBSで洗浄する
ことにより平衡化した。
このカラムを1分当たり8mlの流速で粗細胞溶解物を充填した。続いて、カラ
ムを5カラム容量のPBSを用いて同じ流速で洗浄した。
流速を0.75〜1ml/分に設定して緩衝液Bを導入することによりカラムを溶出し
た。5カラム容量の緩衝液Bをカラムにポンプで送り、そして2分間毎の画分を
採取した。例示の溶出プロファイルを図2に示す。画分に存在するタンパク質の
含有量および純度を標準的なSDS PAGEで評価した(図3)。470-20-1/sj26his融合
タンパク質を、その推定分子量およびPNF 2161血清に対するその免疫反応性に基
づいて同定した。さらなる操作のために、タンパク質を、融合タンパク質を含有
する画分から、または融合タンパク質を含有するゲル領域の抽出によりゲルから
単離し得る。
B.アニオン交換によるクローン470-20-1融合タンパク質の精製
溶液は以下を含む:
緩衝液A(10mMリン酸ナトリウム(pH8.0)、4M尿素、10mM DTT);
緩衝液B(10mMリン酸ナトリウム(pH8.0)、4M尿素、10mM DTT、2.0M NaCl);
および
ストリップ緩衝液(8M尿素、100mM Tris pH8.8、10mMグルタチオン、1.5 NaC
l)。
粗溶解物(または上記からのプールした画分のような他のタンパク質供給源)を
、「HIGH-Q-50」(Biorad、Richmond、CA)カラムに4.0ml/分の流速で充填した。
次いで、カラムを4.0ml/分の流速で5カラム容量の緩衝液Aで洗浄した。
これらの洗浄の後、グラジエントを開始し、そして15カラム容量で緩衝液Aか
ら緩衝液Bへと移行した。次いで、グラジエントは1カラム容量の100%緩衝液B
へと進んだ。例示のグラジエントを図4Aに示す。画分を10分ごとに採取した。4
70-20-1/sj26his融合タンパク質の純度を標準的なSDS-PAGEにより評価し(図4B
および図4C)、そして関連する画分をプールした(ほぼ画分34〜37、図4C)。
C.抗470-20-1抗体の調製
精製470-20-1/sj26his融合タンパク質をウサギにフロインドアジュバントで皮
下注射した。0日目および21日目に約1mgの融合タンパク質を注射し、そしてウ
サギ血清を、代表的には6週目および8週目に採取した。
第2のウサギを精製sj26hisタンパク質で同様に免疫化した。
470-20-1/sj26his融合タンパク質、sj26hisタンパク質、およびβ-ガラクトシ
ダーゼ/470-20-1融合タンパク質を発現する細菌から小量の溶解物を調製した。
この溶解物をゲルで分画し、そして膜に移した。2匹のウサギ由来の血清を用い
て別々のウエスタンブロットを行う。
470-20-1誘導タンパク質で免疫化した動物由来の血清は、pGEX MOVまたは470-
20-1挿入物含有pGEX MOVのいずれかを用いて形質転換した、IPTG誘導E.coli W31
10の少量の溶解物中の全てのsj26his融合タンパク質と免疫反応性である。この
血清はまた、470-20-1λgt11構築物由来の少量の溶解物中の融合タンパク質と免
疫反応性である。
第2のウサギ血清は少量の溶解物中のsj26hisおよび470-20-1/sj26his融合タ
ンパク質の両方と免疫反応性てある。この血清は、470-20-1λgt11構築物由来の
少量の溶解物中の470-20-1/β-ガラクトシダーゼ融合タンパク質と免疫反応性で
あるとは予想されない。血清はいずれもβ-ガラクトシダーゼと免疫反応性であ
るとは予想されない。
融合タンパク質で免疫化した動物由来の血清に存在する抗470-20-1抗体を(470
-20-1リガンドを用いた)アフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
あるいは、融合タンパク質を切断してsj26タンパク質配列を含まない470-20-1
抗原を提供し得る。次いで、470-20-1抗原を単独で用いて上記のように抗体を作
製する。
実施例9
ウサギ抗ペプチド血清
HGV配列全体を含むように、特に非構造遺伝子および構造遺伝子中の各々の官
能基を含むようにペプチドを設計した。ペプチドを従来の技術により商業的に合
成させた。代表的なペプチドを表12に示す。
ペプチドをKLHに連結した。ウサギを宿主として用いて、結合ペプチドを複数
の部位に皮下注射した。抗ペプチドウサギ血清を商業機関に作製させた。2週間
の免疫化プロトコルを用い、採血を隔週に行った。
ウサギ抗ペプチド血清はペプチド特異的であり、そして高い力価を有すること
が示された。ウサギ抗ペプチド血清はまた、E.coliおよびバキュロウイルスにお
いて発現される対応する組換えタンパク質を認識する。抗体の終点力価は1:50
,000希釈から1:625,000希釈の範囲である。ウサギ抗ペプチド7(NS4a)は、わ
ずか1:1,000の低い終点力価を有していた。従って、例えば、バキュロウイル
ス系で発現されたNS4aタンパク質に対するウサギ抗血清は、より有用な試薬であ
り得る。
ウサギ抗ペプチド血清は、例えばバキュロウイルスおよびワクシニアウイルス
において発現される対応するHGVタンパク質の免疫沈降に有用である。ウサギ抗
ペプチド血清はまた、HGV抗原を検出するためのEIAにおける捕捉抗体としても有
用である。ウサギ抗ペプチド血清はさらに、HGVタンパク質の特徴付けに有用で
ある。
実施例10
血清学
A.血清パネルのウエスタンブロット分析
470-20-1融合抗原(上記)を用いて血清パネルをスクリーニングした。多くのパ
ネルは、肝炎を患う個体および非感染コントロールの両方に由来するヒト血清で
あった。
アフィニティー精製した470-20-1融合抗原(実施例8)を2μg/cmで12% SDS-P
AGEに充填した。ゲルを200Vで2時間電気泳動した。抗原をゲルからニトロセル
ロースフィルターへ移した。
次いで、1%のウシ血清アルブミン、3%の正常なヤギ血清、0.25%のゼラチ
ン、100mM NaPO4、100mM NaCl、および1%の脱脂粉ミルクの溶液を用いて2時
間ブロックした。次いで膜を乾燥し、そして1mm〜2mmの細片に切り出した;各
細片は470-20-1融合抗原を含んでいた。細片を、代表的には、TBS(150mM NaCl;
20mM Tris HCl、pH7.5)を用いて再水和し、そして室温に保持して一晩パネル血
清(1:100)中でインキュベートした。
細片を2回、各回ともTBSプラス「TWEEN 20」(0.05%)中で5分間洗浄し、次
いで2回(各回ともTBS中で)5分間洗浄した。次いで、細片を室温に保持して1
時間二次抗体(Promega 抗ヒトIgGアルカリ性ホスファターゼ結合体、1:7500)
中でインキュベートした。次いで、細片を、TBS+「TWEEN 20」中での細片5分
間の洗浄を2回行い、次いでTBS中での5分間の洗浄を2回行った。
pH9.5の緩衝液(100mM Tris、100mM NaCl、5mM MgCl2)中にBCIP(実施例2)お
よびNBT(実施例2)を含有する基質溶液中で細片をインキュベートすることによ
り、結合した抗体を検出した。発色を約15分間進行させ、その時点で蒸留H2O中
で3回の洗浄により発色を停止させた。
試験血清は以下のグループの個体に由来した:(i)血液ドナー、HBV Ab、表面A
gについて陰性、HCV、HIV、HTLV-1 Abについて陰性;(ii)HBV、B型肝炎ウイル
スに感染した個体由来の血清;(iii)HCV、第2世代HCV ELISAアッセイにおいて
反応性であるためC型肝炎ウイルスに感染した個体由来の血清;および(iv)HXV
、HAV、HBV、HCV、またはHEVについて血清学的に陰性な個体。
これらのスクリーニングの結果を表13に示す。
これらの結果は、多くの異なる血清サンプルにおける470-20-1抗原の存在を示
唆する。抗原は正常なヒト血清とは免疫反応性でない。
B.抗体の検出のための一般的なELISAプロトコル
ポリスチレン96ウェルプレート(「IMMULON II」(PGC))を、0.1M 重炭酸ナト
リウム緩衝液(pH9.5)中の5μg/ml(1ウェル当たり100μL)の抗原でコートする
。プレートを「PARAFILM」でシールし、そして一晩4℃で保存する。
プレートを吸引し、そして300μLの10%の正常なヤギ血清でブロックし、そし
て37℃で1時間インキュベートする。
プレートをPBS 0.5%「TWEEN 20」で5回洗浄する。
抗血清を1×PBS、pH7.2で希釈する。1つまたは複数の抗血清(0.1mL)の所望
の希釈液を各ウェルに添加し、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートす
る。次いで、プレートをPBS 0.5%「TWEEN 20」で5回洗浄した。
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合ヤギ抗ヒト抗血清(Cappel)をPBSで1/5
,000に希釈する。この溶液の0.1mLを各ウェルに添加する。プレートを37℃で30
分間インキュベートし、次いでPBSで5回洗浄する。
Sigma ABTS(基質)をプレートへの添加の直前に調製する。
試薬は、50ml、0.05Mのクエン酸(pH4.2)、0.078ml 30%の過酸化水素溶液お
よび15mgのABTSからなる。0.1mlの基質を各ウェルに添加し、次いで室温で30分
間インキュベートする。0.050mLの5% SDS(w/v)の添加により反応を停止させる
。相対吸光度を410nmで測定する。
実施例11
選択されたHGV抗原の発現
HGVのコード配列全体を50より多い別個の重複するcDNAフラグメントにサブク
ローン化した。ほとんどのcDNAフラグメントの長さは約200bp〜約500bpの範囲で
あった。cDNAフラグメントを別々に発現ベクターpGEX-HisBにクローン化した。
このベクターは上記のpGEX-MOVに類似する。
pGEX-hisBは、pGEX-2T(Genbank受託番号A01438;市販の発現ベクター)を改変
したものである。ベクターpGEX-2Tは、トロンビン切断部位の下流に直接NcoIを
挿入することにより改変されている。この部位には、BamHI部位が続き、それに
ポリヒスチジン(6つのヒスチジン)コード配列が続き、そこにpGEX-2Tに見出さ
れるEcoRI部位が続く。目的のコード配列は、代表的には、NcoI部位とBamHI部位
の間に挿入される。図6(配列番号115)において、挿入される配列はGE3-2抗原を
コードする。ベクター配列の残りはpGEX-2Tと同一である。融合タンパク質の発
現は本質的に他のpGEX由来発現ベクターを用いた上記のように行う。
全ての50のフラグメントのクローニングを本質的に以下に記載するように行っ
た。ここで、特異的プライマーは50のコード領域の各々について選択した。PNF2
161または他のHGV(+)血清から抽出したRNAから、実施例4Cに記載されるように
特異的なプライマーセットを用いて各HGV挿入DNAをPCR増幅した。代表的には、
5'プライマーはNcoI制限部位を含み、そして3'プライマーはBamHI制限部位を
含んでいた。増幅フラグメント中のNcoIプライマーにより、発現ベクターpGEX-H
isbまたはpGEX MOV中のGST-sj26コード配列に対する増幅コード配列のインフレ
ーム融合が可能になった。
増幅HGV挿入DNAを制限酵素NcoIおよびBamHIで消化する。消化した挿入DNAをゲ
ル精製し、そしてNcoIおよびBamHI消化したpGEX hisBまたはpGEX MOVと連結する
。E.coli W3110株(ATCC #27325、American Type Culture Collection、Rockvill
e、MD)をライゲーション産物で形質転換した。アンピシリン耐性コロニーを選択
した。挿入された分子に隣接するpGEXベクター配列に相同なプライマー(プライ
マーGLI F(配列番号235)およびGLI R(配列番号236)を用いてアンピシリン耐性コ
ロニー由来の挿入物のPCR増幅により、挿入物の存在を確認した。
PCR増幅産物のサイズは挿入物のサイズ+ベクター由来の約160bpである。適切
な挿入物による形質転換体を選択し、そして実施例7に記載されるようにIPTGに
よるタンパク質誘導に供した。発現された組換えタンパク質を、ウエスタンブロ
ットにより、推定のHGV感染ヒト血清に対する特異的免疫反応性について分析し
た。
GE3、GE9、GE15、GE17、GE4、EXP3、GEI-NおよびGE-57と称する8つのフラグ
メントが、推定のHGV感染ヒト血清と反応させたとき明らかな免疫原性反応を与
える抗原をコードしていた。
A.GE3、GE9、GE15、GE17、GE4、EXP3、GEI-NおよびGE57のクローニング
クローンGE3、GE9、GE15、GE17、GE4、EXP3、GEI-NおよびGE57のコード配列挿
入物を、PNF2161またはT55806から得たSISPA増幅2本鎖cDNAまたはRNAから、各
フラグメントに特異的なPCRプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応により作
製した。以下の表14に、各クローンの配列番号14に対する位置および各クローン
挿入物の作製に使用したプライマーセットを列挙する。
GE57のアミノ酸配列を配列番号241として表されている。
GE3-5'プライマー(GE-3F、配列番号46)において、サイレント点変異を導入し
て、天然のNcoI制限部位を修飾した。上記のプライマーを用いて、PCR増幅産物
を作製した。増幅産物をゲル精製し、NcoIおよびBamHIで消化し、そして再びゲ
ル精製した。精製NcoI/BamHI GE3、GE9、GE15、GE17、GE4、GE1-NおよびGE57フ
ラグメントを、脱リン酸化、NcoI/BamHI切断pGEX-HisBベクターに独立に連結し
た。精製NcoI/BamHI EXP3フラグメントを、脱リン酸化、NcoI/BamHI切断pGEX-MO
Vベクターに連結した。
各ライゲーション混合物をE.coli W3110株に形質転換し、そしてアンピシリン
耐性コロニーを選択した。アンピシリン耐性コロニーをTris/EDTA緩衝液中に再
懸濁し、そしてプライマーGLI F(配列番号235)およびGLI R(配列番号236)を用い
るPCRにより分析し、挿入配列の存在について確認した。8つの候補クローンを
それぞれ、GE3-2、GE9-2、GE15-1、GE17-2、GE4-8、EXP3-7、GE1-NおよびGE57と
名付けた。
B.GE3-2、GE9-2、GE15-1、GE17-2、GE4-8、EXP3-7、GE1-NおよびGE57融合タン
パク質の発現
GE3-2、GE9-2、GE15-1、およびGE17-2、GE4-8、EXP3-7、GE1-NおよびGE57を含
むベクターを有するアンピシリン耐性細菌のコロニーを、個々に、アンピシリン
を含有するLB培地に播種した。培養をODが0.8〜0.9になるまで増殖させ、この時
点でタンパク質発現を誘導するために、IPTG(イソプロピルチオ-β-ガラクトシ
ド;Gibco-BRL)を最終濃度が0.3mM〜1mMになるように添加した。IPTGの存在下
でのインキュベーションを3〜4時間継続した。
細菌細胞を遠心分離により回収し、そしてSDSサンプル緩衝液(0.0625M Tris(
pH6.8)、10% グリセロール、5% メルカプトエタノール、2.3% SDS)中に再懸
濁した。再懸濁したペレットを5分間煮沸し、次いで、不可溶性細胞片を遠心分
離により除去した。GE3-2、GE9-2、GE15-1、GE17-2、GE4-8、EXP3-7、GE1-Nおよ
びGE57のIPTG誘導培養物から得た上清液を、非誘導溶解物と共にSDS ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(PAGE)により分析した。次いでこれらのゲルからタンパク
質をニトロセルロースフィルターに移した(すなわち、ウエスタンブロットによ
る)。
フィルターをまず、GSTタンパク質に対して惹起されたウサギポリクローナル
抗体またはマウスモノクローナル抗体(RM001、Sierra Biosource、CA製)とイン
キュベートして、適切なサイズのGST融合タンパク質発現を検出した。上記クロ
ーンの予想されるタンパク質サイズは、それぞれ40、38、39、32、42、64、42お
よび33KDaである。融合タンパク質に対して適切な分子量のバンドとRM001の免疫
反応性は、細菌細胞による上記クローンの融合タンパク質の成功した発現を示し
た。クローンタンパク質の発現はまた、クマシーブルー染色ゲル上のIPTG誘導に
際して適切なサイズの過剰発現タンパク質の出現によりモニターされる。
C.HGVタンパク質のウエスタンブロット分析
一旦、HGVクローンタンパク質の発現を、抗GST抗体を用いるウエスタンブロッ
ト分析により確認されたなら、次に上記のように調製した第2のフィルターセッ
トをいくつかのHGV(+)およびHGV(-)ヒト血清に曝した。全細胞溶解物のウエスタ
ンブロット分析のために使用されたヒト血清はλ-gt11-ニトロセルロースフィル
ターに予め吸着させた。λ-gt11-ニトロセルロースフィルターは以下のように調
製した。簡単に述べると、KM392培養の一晩培養物をLB中に調製した。この培養
物を。0.2%マルトースを含有する新鮮なLBで10倍希釈し、そして37℃で1時間
振とうしながらインキュベートした。
1時間後、培養物を等量のMgCa溶液(0.01M MgCl2および0.01M CaCl2)と混合し
た。この混合物に2×104PFU/mlの力価になるようにλgt11を添加し、そして振
とうすることなく30分間インキュベートした。30分後、(このファージ/E.coli混
合物の各ml当たり)15mlの溶解(55℃)LB上層寒天(0.8%寒天を有するLB)を加えた
:この混合物の8mlを、各15cm LB寒天プレート上に播いた。上層寒天が固化し
た後、プレートを37℃で3〜5時間インキュベートした。
プラークが生じた後、ニトロセルロースフィルターをプレート上に置き、そし
てプレートをさらに一晩37℃でインキュベートした。ニトロセルロースフィルタ
ーを除去し、そしてTBS(50mM Tris-HCl(pH7.5)、150mM NaCl)プラス0.05%の「T
WEEN 20」を用いて完全に洗浄した。洗浄したフィルターをTBS中の1%ゼラチン
でブロックした。次いで、このフィルターをTBSで3回洗浄した(各洗浄5分)。
ヒト血清の前吸着のために、各血清をブロック溶液(実施例10に記載)に100倍
希釈した。次いで、10mlの希釈血清を、上記のように調製した2つのλgt11フィ
ルターと一晩インキュベートした。λgt11フィルターを除去し、そして前吸着し
た血清をウエスタンブロット分析に用いた。
ウエスタンブロット分析は、クローンGE3-2、GE9-2、GE15-1、GE17-2、GE4-8
、EXP3-7、GE1-NおよびGE57がHGV(+)血清に対して特異的な免疫反応性を示した
ことを明らかにした。GE-4-8タンパク質はJ21689血清と免疫反応性であった。J2
1689はHGV PCR(実施例4)により測定されたようにHGV(+)血清であり、そしてHCV
PCRおよび血清学的分析により測定されたようにHCV(+)であった。EXP3-7タンパ
ク質はJCおよびT55806と免疫反応性であった。JCは、血液バンクにより高ALTで
あ
るため拒絶されている、実施例4Fにおいて同定されたHGV陽性血清である。最
初の血清サンプルの1年後に採血された第2のJCサンプルもまた、PCR分析によ
りHGV陽性であった。T55806もまた、血液バンクにより高ALTであるため拒絶され
ている、実施例4Fにおいて同定されたHGV陽性血清てある。この血清はHCVにつ
いても同時に陽性である。
さらに、GE15-1およびGE-17は、PNF2161およびT55806に対して弱いが、しかし
特異的な免疫反応性を示した。GE1-NはPNF2161、JC、T55806、T56633、T27034お
よびR0001に対して免疫反応性であった。T56633、T27034およびR0001は実施例4
Fで同定されたHGV(+)血清である。GE57はE57963およびR0001と免疫反応性であ
った。E57963はHGVおよびHCVについて同時に陽性の血清である。GE3-2およびGE9
-2もまた、HGV血清と特異的に免疫反応性であった。しかし、8つの抗原はいず
れも、HGV陰性血清であるT43608およびR05072と免疫反応性でなかった。
グルタチオン結合ビーズ(Smith,D.Bら)および固定化金属イオンビーズ(Hochul
iら;Porath)を使用する二重クロマトグラフィー法を用いて、本質的に実施例7
のように細菌細胞溶解液からGE3-2およびGE9-2融合タンパク質を精製した。精製
タンパク質を以下のようにウエスタンブロット分析に供した。
種々の量の精製HGVタンパク質(例えば、GE3-2およびGE9-2タンパク質)を12%
アクリルアミドゲルに充填した。PAGEの後、標準的な手順を用いてタンパク質を
ゲルからニトロセルロース膜へ移した。個々の膜を、多くのヒト血清またはマウ
ス血清のうちの1つとインキュベートした。過剰な血清は膜を洗浄することによ
り除去した。
これらの膜を、スクリーニングに使用された血清に応じて、アルカリホスファ
ターゼ結合ヤギ抗ヒト抗体(Promega)またはアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗
マウス抗体(Sigma)とインキュベートした。再び膜を洗浄して過剰なヤギ抗ヒトI
gG抗体を除去し、そしてNBT/BCIPに曝した。GE3融合タンパク質を有する染色さ
れた膜の例示の写真を図7A〜図7Dに示す。
これらの図は、以下の血清を用いる精製GE3-2タンパク質のウエスタンブロッ
ト分析の結果を示す:N-(ABCDE)ヒト(JC)血清(図7A)、N-(ABDE)ヒト(PNF 2161)
血清(図7B)、スーパーノーマル(SN2)血清(図7C)、およびGST-sj26タンパク質
に対して惹起されたマウスモノクローナル抗体(RM001)(図7D)。
各図において、レーン1は予め染色した分子量標準(Bio-Rad)を含み、そして
レーン2〜5はそれぞれ以下の量のGE3-2融合タンパク質を含む:4μg、2μg
、1μgおよび0.5μg。数字は0.6cmのゲル(ウェルサイズ)当たりのマイクログラ
ム単位の充填量を表す。ヒトJC、PNF 2161およびスーパーノーマル2血清の希釈
は1:100であった。抗sj26希釈は1:1000であった。JCブロットにおいて約97K
に見られたバンドは、GE3.2融合タンパク質調製物における少量の混入物に対し
て反応性である。タンパク質マーカーサイズは142.9KD、97.2KD、50KD、35.1KD
、29.7KDおよび21.9KDである。
図7A〜図7Dに示されるように、GE3-2はJC血清と特異的な免疫反応性を示し
た。GE3-2は、PNF 2161血清とは弱く反応し、そして不確かまたは陰性としてス
コアされ得る。
平行実験において、GE9-2は、PNF 2161血清に対して弱いがしかし特異的な免
疫反応性を示した。
実施例12
例示のエピトープライブラリーの構築
A.Y5ライブラリー
ポリメラーゼ連鎖反応を用いて、PNF 2161 SISPA増幅cDNAから3つの重複する
DNAフラグメントを増幅した。PNF 2161 SISPA増幅cDNAを、JML-A/Bリンカー(配
列番号54および配列番号55)を用いて調製した。1μlのこの物質を、1μMのJM
L-Aプライマーを用いて、30サイクル(94℃で1分、55℃で1.5分および72℃で2
分)で再増幅した。総反応容量は100μlであった。3つのこれらの増幅からの産
物を合わせ、そして製造者の指示に従って、「WIZARD PCR COLUMN」(Promega)
に1回通すことにより過剰のPCRプライマーから分離した。「WIZARD PCR COLUMN
」はシリカベースの樹脂であり、高イオン強度緩衝液中でDNAを結合し、そして
低イオン強度緩衝液中でDNAを遊離する。増幅したDNAを、100μlの蒸留水でカラ
ムから溶出した。
溶出したDNAを1.5%アガロースTBEゲルで分画し(Maniatisら)、エチジウム
ブロミド染色後にUV光で可視化した。強い不鮮明な(smear)なDNAフラグメントが
、150〜1000bpの間で観測された。1μlの再増幅cDNAを、表15に示す各プライマ
ー対によるPCR反応において、テンプレートとして使用した。
プライマーを、表15に示すサイズのHGV特異的DNAフラグメントの増幅が生じる
ように設計した。増幅反応において、プライマー対を1μMの濃度で使用した。
増幅は、94℃で1分、54℃で1.5分および72℃で3分の30サイクルで、100μlの
総反応容量であった。3つの異なるプライマー対のPCR反応のそれぞれは、予測
されるサイズを有する産物の特異的増幅を生じた。各プライマー対の反応につい
て、3つの独立したPCR反応からの増幅産物を合わせ、そして上記の「WIZARD PC
R COLUMN」を用いて精製した。精製産物を50μlのdH2Oで溶出した。
各精製産物からのサンプル(14μl、約1〜2μgの各プライマー対の増幅DNA
フラグメントを含む)を合わせた。3つの異なる増幅フラグメントのすべてを合
わせたサンプルを、5μlの10×DNAse消化緩衝液(500mM Tris PH 7.5、100mM M
nCl2)および2μlのdH2Oに添加した。この消化混合物から、10μlのサンプルを
取り出し、そして5μlのストップ溶液(100mM EDTA、pH8.0)を含むチューブ内
に置いた。このサンプルを、0「分消化」の時点とした。残りの消化反応物を、
25℃に置いた。消化反応物に、1/25希釈のRNAseを含まないDNAse(Stratagene)
の1μlを添加した。種々の時点で10μlのアリコートを取り出し、そして5μl
のストップ溶液と混合した。DNAseI消化DNA産物を、1.5%アガロースTBEゲルで
分析した。
いくつかの消化実験の結果は、40分の消化により100〜300bpの範囲のサイズの
DNAフラグメントの良好な分布が得られることを示した。次いで、DNAseI消化を
繰り返し、室温で40分間放置して完全に消化した。消化を18μlのストップ緩衝
液の添加により停止し、そして消化DNA産物を「WIZARD PCR COLUMN」を用いて精
製した。「WIZARD PCR COLUMN」を50μlのdH2Oで溶出し、そして溶出DNAを以下
の反応混合物に添加した:7μlの制限酵素緩衝液C(Promega、10mM MgCl2、1
mM DTT、50mM NaCl、10mM Tris(pH 7.9)、1×濃度);11μlの1.25mM dNTP;お
よび2μlのT4 DNAポリメラーゼ(Boehringer-Mannhiem)。この反応混合物を37
℃で30分間保った。その時点で、70μlのpH 8.0のフェノール/CHCl3を添加し、
そして混合した。フェノール/CHCl3を除き、そして1回抽出して、DNAサンプル
を含む150μlの水性の総容量を得た。DNAを、2容量の無水エタノールおよび0.5
容量の7.5M酢酸NH4を用いてエタノール沈澱した。DNAを、「EPPENDORF MICROFU
GE」で、15分間、14,000rpmでの遠心分離によりペレット化し、42℃で5分間乾
燥し、そして25μlのdH2O中に再懸濁した。
DNAを、5'リン酸化したSISPAリンカ−KL1(配列番号62)およびKL2(配列番号
63)に連結した。いくつかの異なる濃度のSISPAリンカーおよびDNAを試験した。
最も高い連結度(下記の通りの評価した)が、以下の連結反応条件下で生じた:
10μlの総反応容量において、6μlのDNA、2μlの5.0×10-12M KL1/KL2リンカ
ー、1μlの10×連結緩衝液(New England BioLabs)、および1μlの400ユニッ
ト/μlのT4 DNAリガーゼ(New England BioLabs)。連結を、16℃で一晩行った
。
2つの反応を、以下のように並行して行った。2μlの連結物質を、100μlの
総反応容量においてKL1 SISPAプライマーを用いて増幅した。(94℃で1分、55
℃で1.5分および72℃で2分の25サイクル)。連結度を、1.5%アガロースTBEゲ
ルを用いる電気泳動によって、1/5のPCR反応増幅産物を分離することにより評価
した。ゲルをエチジウムブロミドで染色し、そしてバンドをUV光で可視化した。
2連反応からの増幅産物を「WIZARD PCR COLUMN」を用いて精製し、そして精
製DNAを50μlのdH2Oで溶出した。25μlアリコートのPCR KL1/KL2増幅DNAを、30
μlの総容量中36ユニットのEcoRI(Promega)で消化した。反応を、37℃で一晩
行った。消化DNAを「セファデックスG25」スピンカラムを用いて精製した。
EcoRI消化DNAを、一晩の反応でλgt11アームに連結した。λgt11アームは、Ec
oRIで予め消化し、そしてウシ小腸アルカリホスファターゼ(Stratagene、La Jo
lla、CA)で処理した。連結混合物を、製造者の指示に従って、「GIGAPACK GOLD
PACKAGING EXTRACT」(Stratagene)を用いてパッケージした。得られた組換え
ファージの力価量の測定を、KM-392のローン(lawn)上に、1/10希釈のパッケージ
されたファージをプレート化することにより行った。この場合、プレートは、10
0mg/ml溶液のx-gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトシド;Sig
ma)の20μlおよび0.1M溶液のIPTG(イソプロピル-1-チオ-β-D-ガラクトシド
;Sigma)の20μlを含有した。75%を超える組換えファージを含有する、1.2×1
06ファージ/mlの力価を得た。
組換えプラークの割合を、プライマー11F(配列番号25)および11R(配列番号
13)を用いて、8個の無作為に選んだプラークのPCR分析により確認した。増幅D
NA(F1/R1、F2/R3、およびF4/R4)の消化物由来のDNAフラグメントを含有するこ
のパッケージされたライブラリーはDNAを増幅し、そしてY5ライブラリーと称し
た。
B.ENVライブラリー
発現ライブラリー(ENVライブラリーと称する)を、以下のように作製した。
1μlのPNF 2161 SISPA増幅DNAを、以下のプライマー対を用いるポリメラーゼ連
鎖増幅反応におけるテンプレートとして用いた:GEP-F15(配列番号128)および
GEP-R15(配列番号129)、これらは525ヌクレオチドのHGVフラグメントを生成す
る;ならびにGEP-F17(配列番号130)およびGEP-R16(配列番号131)、これらは
765ヌクレオチドのHGVフラグメントを生成する。
PCR増幅は、94℃で1分間、52℃で1.5分間、そして72℃で3分間の35サイクル
であった。増幅産物を精製し、そしてDNAseIで消化した。KL1およびKL2リンカ
ーのcDNAへの連結、DNAフラグメントの増幅およびλgt11におけるライブラリー
の構築は、実質的に実施例12Aに記載の通りに行った。ライブラリーの組換え頻
度は、70%を超えた。λgt11のフランキング領域由来のプライマーを用いたポリ
メラーゼ連鎖反応による挿入物の分析によって、組換え頻度を確認し、そして挿
入物のサイズ範囲が150〜500ヌクレオチドであることが示された。
C.NS3ライブラリー
NS3と称する発現ライブラリーを、以下のように構築した。第一のフラグメン
トを、プライマー470ep-F9(配列番号132)および470ep-R9(配列番号133)なら
びに(テンプレートとして)PNF 2161 SISPA増幅核酸を用いたポリメラーゼ連鎖
反応により増幅した。この増幅反応の予測される産物は777塩基対であった。増
幅フラグメントを、TAEゲルでの分離によりゲル精製した。フラグメントを、「G
ENECLEAN」(Bio 101、La Jolla、CA)を用いてさらに精製した。
フラグメントF9/R9もまた、供給源物質として伸長クローンGE3L-11(配列番号
41)を用いて増幅した。増幅反応において、約25ngのGE3L-11を、テンプレート
として、F9およびR9プライマーをともに用いた。
両方のF9/R9増幅は、94℃で1分間、52℃で2分間、および72℃で3分間の30
サイクルで、「TAQSTART」(Clonetech、Pala Alto、CA)を用いた。両反応から
の増幅産物を合わせた。産物をDNAseIで消化した(10μlのGE3L産物および25μ
lのPNF SISPA産物)。GE3Lに基づく増幅産物は、大多数の増幅産物出発物質を表
した。KL1およびKL2リンカーのcDNAへの連結、DNAフラグメントの増幅およびλg
t11におけるライブラリーの構築は、本質的に実施例12Aに記載の通りに行った。
得られた力価は2.5×106ファージ/mlであった。そして組換えファージの割合
は、99%を超えると測定された。挿入物のサイズのポリメラーゼ連鎖反応分析に
よって、組換え頻度を確認し、そして挿入物のサイズ範囲が150〜550ヌクレオチ
ドであることが示された。
さらに、第二のフラグメントもまた、GEP-F10/GEP-R10プライマー(それぞれ
、配列番号135および配列番号136)を用いて増幅した。1μlのPNF 2161 SISPA
増幅核酸をテンプレートとして使用した。570ヌクレオチドの予測されるフラグ
メントサイズが得られた。得られた増幅産物を、F9/R9増幅についての記載の通
り操作した。このフラグメントについて得られた力価は、λgt11に挿入された場
合、
1.47×106ファージ/mlであり、組換え頻度は90%であった。
D.NS2ライブラリー
NS2エピトープライブラリーを、実施例12Aに記載の方法論を用いて構築した
。HGVタンパク質(NS2、NS3、およびNS5b)のすべてまたは一部を含有する4つ
のDNAフラグメントを、1μlのPNF 2161 SISPA DNA(本質的に、実施例12Aに記
載の通りに調製した)から増幅した。ライブラリーを表16に示されるプライマー
、およびテンプレートとしてSISPA増幅PNF 2162 DNAを用いて作製した。
すべての増幅は、94℃/1分間、48℃/2分間、および73℃/3分間の35サイ
クルであった。すべての増幅により、予測されるサイズのフラグメントが少なく
とも得られた。増幅産物を混合して、約1:1:1:1の比にし、そして部分的にDNAse
Iで消化した。上記のように、消化産物をKL1 SISPAリンカーに連結し、増幅し
、そしてEcoRI消化した。消化フラグメントをλgt11内に連結した。連結産物を
パッケージした。
パッケージされた連結産物をプレート化した。得られたライブラリーを測定し
たところ、ライブラリーは約70%の組換えファージを含有し、150〜500bpの挿入
サイズが観測された。
E.VNS5Aライブラリー
プライマー470EXT4-2189R(配列番号119)および470EXT4-29F(配列番号120)
を用いて、2.1kb DNAフラグメントを単離した。このフラグメントは、HGVタンパ
ク質(NS4bおよびNS5a、ならびにNS4aの3'末端およびNS5bの5'末端)の全コード
配列を含有した。これらのプライマーを用いるPCR増幅を、実施例4Gに記載の通
りに行った。以下のものを含む複数のHGV感染血清を用いて、首尾良い増幅が観
察された:T56633は、カットオフ値を超えるALT値のために献血が拒否された献
血者由来であった;サンプルE21-AおよびE20は、肝炎を患っているエジプト人個
体由来であった;そして、サンプルAH0591は、劇症肝炎を発症したオーストラリ
ア人由来である。
E21-AおよびE20の増幅産物を、本質的には実施例6に記載の通り、ベクターT/
A(InVitrogen、San Diego、CAから入手した)のT突出部位にクローン化した。
次いで、これらの2つのプラスミドからの2.1kb HGV挿入物を、約150ユニットの
制限酵素(EcoRI)で、約20μgのプラスミドDNAを消化することにより単離した
。37℃で一晩のインキュベーション後、消化産物を、TAEアガロースゲル電気泳
動により分離した。産物を、目的のフラグメントを含有するアガロースゲルの切
片から切り出した。アガロースを溶かし、そして遊離したDNAの抽出を、製造者
の指示に従って「GENECLEAN II」キット(Bio 101、La Jolla、CA)を用いて行
った。
E21-AおよびE20のサンプルに由来する精製した2.1kbフラグメント、ならびに
サンプルT56633およびAH0591のPCR増幅から得られたDNAフラグメントを、実施例
12Aに記載の通りに、DNAseIで別個に消化した。4つのすべてのサンプルについ
て、消化条件を決定し、その結果、サイズが100〜1000ntの間のフラグメントを
単離した。精製およびトリミング(trimming)(実施例12A)の後、4つのHGV感染
サンプルのそれぞれに由来するフラグメントを、異なる組のSISPAリンカーに別
個に連結した。連結後、DNAをSISPA増幅した。
増幅DNAを、約100ユニットのEcoRIで37℃で一晩、別個に消化した。次いで、
消化DNAを、G25樹脂(5'3'Inc、Boulder、CO)を用いてスピンカラムクロマト
グラフィーにより精製した。T56633、AH0591、およびE21-Aのサンプル由来の消
化DNAを1:1:1の比で合わせ、そしてDNA混合物を、実施例12Aに記載の通りに、λ
gt11のEcoRI部位に連結した。「GIGAPACK III XL」抽出物(Stratagene、La Jol
la、CA)を用いてパッケージした後、得られたライブラリーをIPTGおよびXGALの
存在下でプレート化し、そして約1.0×106ファージ/mlの力価および約70%の組
換え頻度であることが測定された。
実施例13
エピトープライブラリーの免疫スクリーニング
A.免疫反応性Y5クローンの単離
2つのHGV陽性血清(PNF 2161およびJC)を、本質的には実施例2に記載の通
りに、Y5ライブラリーの免疫スクリーニングのために使用した。Y5ファージライ
ブラリーを、1プレート当たり、約15、000ファージで20個のプレートにプレート
化した。プレートを約5時間インキュベーションし、そしてニトロセルロースフ
ィルター(Schleicher and Schuell)で一晩覆った。フィルターを、約6時間、
AIB(1%ゼラチン+0.02%アジ化Na)中でのインキュベーションによりブロッ
ク処理した。ブロックしたフィルターをTBSで一回洗浄した。
10枚のY5ライブラリーフィルターを、攪拌しながら、PNF 2161血清とともに一
晩インキュベーションした。そして10枚のY5ライブラリーフィルターを、攪拌し
ながら、JC血清とともに一晩インキュベーションした。両血清は、AIBで1:10に
希釈した。非特異的な抗体結合を減少させるために、希釈した血清を、野生型λ
gt11を吸着させたニトロセルロースフィルターと一晩インキュベーションするこ
とにより前処理した。
フィルターを血清から取り出し、TBSで3回洗浄し、そしてヤギ抗ヒトアルカ
リホスファターゼ結合2次抗体(Promega;AIBで1/7500に希釈した)で1時間イ
ンキュベーションした。フィルターを4回TBSで洗浄した。結合した2次抗体を
、NBTおよびBCIPを含有するAP緩衝液(100mM NaCl、5mM MgCl2、100mM Tris pH
9.5)中でフィルターをインキュベーションすることにより検出した。
1次スクリーニングで陽性と判定されたプラークを拾い、そして500μlのPDB
(100mM NaCl、8.1mM MgSO4、50mM Tris pH 7.5、0.02%ゼラチン)中に溶出し
た。免疫反応性のファージを、100mmプレート当たり100〜500プラークの総密度
で溶出ファージを再プレート化することにより精製した。プレートを、本質的に
は上記の通りに、適切なHGV陽性血清で再度、免疫スクリーニングした。発色後
、いくつかの単離された陽性プラークを拾い、そして500μlのPDB中に入れた。
1時間のインキュベーション後、2μlの再精製ファージPDB溶液を、11F(配列
番号25)および11R(配列番号13)PCRプライマーを含有するPCR反応におけるテ
ンプレートとして使用した。これらのプライマーは、λgt11のEcoRI部位の70ヌ
クレオチド(nt)の5'および90ntの3'に位置する配列に対して相同的である。PC
R反応物は、94℃で1分間、55℃で1.5分間および72℃で2分間の30サイクルによ
り増幅された。
PCR増幅反応物をアガロースゲルでサイズ分画した。精製プラークのPCR増幅に
より、単一プラーク増幅反応のそれぞれについて単一のバンドが得られた。この
場合、増幅フラグメントは、DNA挿入物+140bpの5'および3'のファージのフラン
キング配列を含有した。単一のバンドを生じるPCR反応物由来の増幅産物を、製
造者の指示に従って「S-300 HR」スピンカラム(Pharmacia)を用いて精製した
。DNAを定量し、そしてApplied Biosystems自動化シーケンサー373Aおよび適切
なプロトコルを用いてDNA配列決定をした。
JC血清によるY5ライブラリーの上記のスクリーニングの結果、表17に示すポジ
ティブストランドのクローンを精製し、そしてDNA配列決定をした。ポジティブ
ストランドクローンは、配列番号14に示すHGV配列−−ポリタンパク質リーディ
ングフレームの5'から3'への翻訳物に対応する。
これらのクローンは、HGVの推定NS5タンパク質内の2つの免疫原性領域を示し
た。これらの2つの領域は、配列番号14として示される配列に関連し、6636〜68
21位および7278〜7385位である。
さらに、PNF 2161血清によるY5ライブラリーのスクリーニングの結果、表18に
示す以下のネガティブストランドクローンを精製し、そしてDNA配列決定をした
。ネガティブストランドクローンは、配列番号14に示すHGV配列に相補的な配列
の5'から3'への翻訳物に対応する。
すべてのこれらの配列は、PNF 2161血清を用いて単離された元のHGVクローン4
70-20-1の部分を含有する。
Y5ライブラリー由来のさらなるエピトープクローンを、以下のように単離した
。Y5ライブラリーを、実施例13に記載の方法を用いて、HGV感染血清J21689およ
びT56633でスクリーニングした。400を超える陽性プラークを得た。このことは
、こ
れらのHGV感染血清の両者により認識される強い免疫原性配列の存在を示す。こ
れらの陽性プラークの10個を精製し、そしてDNA配列決定をした。DNA配列決定か
ら得られた結果を、表19に示す。
これらの配列の結果とこのライブラリーのスクリーニングから以前に得られた
結果との比較により、これらのクローンは、すべて同一のエピトープを含有する
ことを示した。このエピトープは、以前に単離されたエピトープクローンY5-10
内に含まれる。2つのクローン(Y5-114-2BおよびY5-121-19A)は、それらの5'
末端が、Y5-10、Y5-12、およびY5-26の以前に観察された開始より、NS5aのカル
ボキシ末端の方に14アミノ酸近い所に位置するという事実により区別される。上
記クローンのいずれも、クローンY5-10で観察されたエピトープに対してその3'
末端を内部に有しない。従って、このエピトープの最小配列は、アミノ酸配列(
配列番号272)内に含有される。
B.ENVライブラリー由来の抗原性クローン
ENVライブラリーをHGV血清J21094てスクリーニングした。この血清(J21094)
は、第1世代(c-100)HCV試験に基づき、HCV陽性と同定された。PCRおよび他の
HCV抗原を用いて、最初のJ21094血清サンプル、およびその後得られたJ21094サ
ンプルのその後の試験は、血清供給源の個体はHCV感染していたことを確認した
。HGV核酸の存在についての証拠が、470-20-1とNS5とのプライマーの組を用いる
PCR分析により得られた。
多数のファージクローンが、J21094血清と免疫反応性であると同定された。フ
ァージをプラーク精製し、そして配列決定した。7個のクローン(Q7-12-1、Q7-
16-2-2、Q7-15-2、Q7-17-2-1、Q7-19-1、およびQ-7-19-2-1)は、同一の挿入物
を含有した。Q7-12-1のヌクレオチド配列を、配列番号143(ポリペプチド配列、
配列番号144)として示す。
さらに1個のクローン(Q7-16-1)を上記の方法により得た。これは、Q7-12-1
と同じ5'末端を有するが、3'末端で26アミノ酸短い。
C.NS3ライブラリー由来の抗原性クローン
F9/R9ファージおよびF10/R10ファージの1:1混合物を、以下の血清を用いて
スクリーニングした:PNF 2161、J21689およびE57963。J21689およびE57963の両
者は、(複数のプライマーを使用する)PCRによりHCVおよびHGVについて共に陽
性と判定される血清である。それぞれの免疫スクリーニングは、10個のプレート
すなわち約150、000個のファージからであった。これらのスクリーニングにおい
て同定された免疫陽性クローンのいくつかは、以下の通りである。
クローンY12-10-3(ポリヌクレオチド配列、配列番号145;ポリペプチド配列
、配列番号146)を、J21689血清との免疫反応性により同定した。このクローン
は、HGV NS3由来の88アミノ酸挿入物を発現する。
クローンY12-15-1(ポリヌクレオチド配列、配列番号147;ポリペプチド配列
、配列番号148)を、E57963血清との免疫反応性により同定した。このクローン
は、HGVのNS3タンパク質由来の64アミノ酸挿入物を発現する。この配列は、クロ
ーンY12-10-3に対して約70アミノ酸の5'側に位置する。
D.NS2ライブラリー由来の抗原性クローン
複数の陽性プラークを、HGV陽性血清T56633でNS2ライブラリーをスクリーニン
グすることにより単離した。11個のこれらのプラークを引き続き精製し、そして
DNA配列決定をした。これらのプラーク内に含有される挿入物の位置(配列番号1
4と比較して)を、表20に示す。
すべての免疫クローンは、同じオープンリーディングフレーム(ORF)の部分
を発現する。このリーディングフレームは、ポリタンパク質をコードする配列に
相補性であるHGVポリヌクレオチドストランドによりコードされる。このORFは、
配列番号14に相補的な配列のnt6322とnt6865との間に広がる。相補ストランドの
nt6388に位置する翻訳開始部位として作用し得るメチオニンが存在し、このメチ
オニンは、159個のアミノ酸タンパク質の産生を可能にする。
11個の配列決定したすべてのクローンに共通な最小のアミノ酸配列は、(配列
番号14の相補ストランドと関連して)nt6342からnt6606の間に位置している。HG
V-PNF 2161のネガティブストランドのこの領域によりコードされるアミノ酸配列
を、配列番号273として示す。
免疫反応性ネガティブストランド領域のサブクローニングおよびその後のウェ
スタンブロット分析を、以下に記載する。
E.VNS5Aライブラリー由来の抗原性クローン
VNS5aライブラリー由来の約1.5×105ファージをプレート化し、そして引き続
いて実施例13に記載の手順を用いてHGV陽性血清J29374でスクリーニングした。V
NS5aライブラリーのJ29374による免疫スクリーニングの結果、複数の陽性プラー
クを単離した。これらのプラークの6個を精製し、そして引き続いてDNA配列決
定をした。得られたDNA配列の元の株を、いずれのSISPAリンカー配列がクローン
の5'および3'末端に存在するかによって決定し得た。(配列番号14と関連して)
得られたクローンの開始および終了の位置ならびにそれらの供給源の血清を、表
21に要約する。
これらのすべてのクローンは、共通してクローンQ11-22-1の配列(配列番号27
4)を含有する。このアミノ酸配列は、Y5-10エピトープの最小配列に対してすぐ
5'側に位置する。従って、このアミノ酸配列は、HGV NS5aのもう1つの独特なエ
ピトープを(Y5-10およびY5-5とともに)定義する。これらの3つのHGV変異体の
観察されたアミノ酸配列とPNF-2161単離物およびJC単離物のアミノ酸配列との比
較では、アミノ酸置換はほとんど見られない。
実施例14
免疫反応性クローンのさらなる特徴付け
A.サブクローニング
1.Y5クローン
Y5-10、Y5-16、およびY5-5クローンを選択し、発現ベクターpGEX-HisBにサブ
クローニングした。これらのクローンの末端での無関係のリンカー配列を除いた
PCRプライマーを設計した。これらのプライマーはまた、(i)各挿入物の(コード
配列に対して)5'末端でのNcoI部位、および(ii)各挿入物の3'でのBamHI部位が
導入された。これらのプライマー(表22を参照のこと)を用いて、DNAフラグメ
ントを2μlの純粋なプラークストックから増幅した。
増幅を、以下の通りに行った:94℃で1分間、50℃で1.5分間、および72℃で
の2分間の30サイクル。増幅後、得られたDNAを、「WIZARD PCR」、スピンカラ
ムを用いて精製し、サンプルを50μlで溶出し、そしてNcoIおよびBamHIで一晩消
化した。30ユニットの各酵素の最少量を、制限エンドヌクレアーゼ消化において
使用した(NcoI、Boehringer Mannheim;BamHI、Promega)。
消化したPCRフラグメントを、NcoIおよびBamHIで消化した発現ベクターpGEX-H
isBに一晩連結した。各セットの連結したプラスミドを別個に用いて、E.coli W3
110株を熱ショックプロトコル(Ausubelら;Maniatisら)を用いて形質転換した
。形質転換体を、100μg/mlのアンピシリンを含有するLBプレート上で選択し、
そして耐性クローンを用いて、100μg/mlのアンピシリンを含有するLBの2mlに
接種した。非組換えsj26/hisタンパク質を発現する培養物もまた、調製した。
37℃で一晩インキュベーション後、培養物を2mlの新鮮なLB+アンピシリン中
に1/10に希釈し、そして37℃でさらに1時間増殖させた。IPTGを、0.2mMの最終
濃度に加え、そして培養物を37℃でさらに3時間増殖させた。細菌を遠心分離に
よりペレット化し、そして細菌ペレットを100μlのPBS中に再懸濁した。ペレッ
トに、100μlの2×SDSサンプル緩衝液(0.125M Tris、pH6.8、10%グリシン、
5%β-メルカプトエタノール、2.3% SDS)を加えた。得られた溶解物をボルテ
ックスし、そして5分間100℃に加熱した。各溶解物のアリコート(15μl)を12
%アクリルアミドSDS-PAGEゲルに載せた。
発現したタンパク質を、電気泳動によりサイズ分画した。分離したタンパク質
を、標準的技術(Harlowら)を用いてゲルからニトロセルロースフィルターに移
した。発現タンパク質を含有するもう1つのゲルを、クマシーブルータンパク質
染色を用いて染色した。
Y5-10、Y5-5およびY5-16のプラスミドを有する形質転換体は、著量の正しいサ
イズの組換え融合タンパク質を発現した。組換え融合体の同一性を、sj26と特異
的に免疫反応するマウスモノクローナル抗体(Sierra BioSource、Gilroy、CA)
を用いてウェスタンブロット(上記のように調製した)のインキュベーションに
より確認した。
拾ったコロニーが適切な挿入物を含有することを、以下の通りにしてさらに確
認した。各コロニーのファージ溶液を、組換えクローンが接種されて発現が予想
される細菌の少量を含有する爪楊枝で40μlのTE溶液に接種することにより調製
した。5μlのサンプルを各溶液から取り出し、そして別個にPCR増幅した。
増幅には、適切な正方向プライマー(例えば、Y5-10の発現が予想されるコロ
ニーについてのY5-10F)およびプラスミドpGEX-HisBのクローニング部位の3'に
位置する配列に相同的な逆方向プライマー(配列番号104)を用いた。PCR増幅は
、以下の25サイクルであった:94℃で1分間、50℃で1.5分間および72℃で2分
間。
さらに分析するために選択したすべてのコロニーは、これらの条件下で他の明ら
かなバンドは全くなく、正しいサイズのDNAバンドを与えた。
Y5-10、Y5-16、およびY5-5の挿入物から発現した抗原(sj26-his融合タンパク
質として発現した)の免疫反応性を、以下のように測定した。上記のように調製
した各粗溶解物のアリコート(15μl)を、12%アクリルアミドゲルを用いるSDS
-PAGEによりサイズ分画した。タンパク質を、ニトロセルロースフィルター上に
エレクトブロットした(「NOVEX MINICELL MINIBLOT II」、San Diego、CA)。
次いで、フィルターを、以下の血清の1つで、個別にインキュベーションした:
JC、PNF 2161、および陰性コントロールとしてスーパーノーマル血清4(SN4)(RO
5072)。さらに、1枚のフィルターを抗sj26モノクロナール抗体(RM001;Sierra
BioSource)とインキュベーションした。
予想されるように、Y5-10、Y5-5、およびY5-16の挿入物によりコードされる抗
原を発現する細菌により産生される組換えタンパク質はすべて、JC血清と反応し
た。PNF2161血清またはSN4血清のいずれによっても反応性は観測されなかった。
すべてのタンパク質は、抗sj26モノクローナル抗体に対するそれらの反応性によ
り測定されるように、同じようなレベルで発現されるようであった。Y5-5および
Y5-10によってコードされるタンパク質を選択し、そしてさらに精製した。
Y5-5およびY5-10含有pGEX-HisBベクターを保有するE.coliを培養し、そして融
合タンパク質の発現を上記のように誘導した。細胞を、フレンチプレスを用いて
1500psiで、PBS(2mM PMSFを含有する)中で溶解した。粗溶解物をスピンし、
細胞破砕物を除いた。上清を、高流速でグルタチオンアフィニティーカラムに載
せ、そしてカラムを10カラム容量のPBSで洗浄した。Y5-5およびY5-10融合タンパ
ク質を、10mMグルタチオンを含有する10mM Tris(pH 8.8)で溶出した。
それぞれの融合タンパク質サンプルを緩衝液A(10mM Tris pH 8.8、8M尿素
を含有する)で1/10に希釈し、そしてニッケルキレート化「SEPHAROSE」ファー
ストフロー(fast flow)カラムに載せた。それぞれのカラムを、夾雑物がそれ以
上溶出されなくなるまで、緩衝液Aで繰り返し洗浄した。融合タンパク質を、緩
衝液A中においてイミダゾールのグラジェントを用いて溶出した。イミダゾール
グラジェントは、20カラム容量において0〜0.5Mイミダゾールで行った。画分
を集めた。
分画のそれぞれのセットを、12%ポリアクリルアミドゲルを用いる標準的なSD
S-PAGEにより分析した。Y5-5およびY5-10融合タンパク質含有画分を、別々にプ
ールした。
図8A〜図8Dに、以下のサンプル(μg/レーン)のウェスタンブロット分析の結
果を示す:レーン1、Y5-10抗原1.6μg;レーン2、Y5-10抗原0.8μg;レーン3
、Y5-10抗原0.4μg;およびレーン4、Y5-10抗原0.2μg。ヒト血清JC(図8A)お
よびスーパーノーマル2血清(図8B)を1:100に希釈した。抗GSTマウスモノク
ロナール抗体RM001(図8C)を1:1000に希釈した。図8Dに、Y5-10抗原を示す。
これは、SDS-PAGEにより分離され、ニトロセルロースメンブレン上に移され、そ
してポンソーSタンパク質染色で染色される(Kodak、Rochester、NY;Sigma)
。矢印は、Y5.10抗原の位置を示す。これらの結果は、Y5-10がN-(ABCDE)ヒト血
清JCと特異的に免疫反応することを示す。
図9A〜図9Dに、以下のサンプルのウェスタンブロット分析の結果を示す:レー
ン1、Y5-5抗原3.2μg;レーン2、Y5-5抗原1.6μg;レーン3、Y5-5抗原0.8μg
;レーン4、Y5-5抗原0.4μg;レーン5、Y5-5抗原0.2μg;レーン6、GE3-2抗原
0.4μg;およびレーン7、Y5-10抗原0.4μg。ヒト血清JC(図9A)、T55806(図9
B)、およびスーパーノーマル2血清(図9C)を1:100に希釈した。RM001なる抗
GSTマウスモノクローナル抗体(図9D)を1:1000に希釈した。矢印は、抗原Y5.
5、GE3.2およびY5.10の位置を示す。これらの結果は、Y5-5抗原のJC血清との特
異的免疫反応性を示す。さらに、抗原GE3-2およびY5-10は、T55806と反応した。
しかし、Y5-5抗原は、HGV陽性血清のT55806と反応しなかった。
Y5-10抗原をまた、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によりサイズ分画した
。ゲルをクマシーブルータンパク質染色を用いて染色した。ゲルを、レーザーデ
ンシトメーターを用いて純度のために走査した。Y5-10融合タンパク質の純度は
、約95%であった。
2.ENVクローン
免疫クローン(Q7-12-1)を、ENVエピトープライブラリーをHGV陽性血清のJ21
094でスクリーニングすることにより、最初に単離した。配列特異的プライマー
を用いて、Q7-12-1λgt11クローン内に含有されるHGV挿入物を単離した。Q7-12-
1挿入物を切り出し、そしてpGEX-Ndeにクローン化した。挿入物の配列をDNA配列
決定により確認した(配列番号275)。
3.NS3クローン
免疫クローン(Y12-15-1)を、NS3エピトープライブラリーをHGV陽性血清のE5
7963でスクリーニングすることにより、最初に単離した。配列特異的プライマー
を用いて、Y12-15-1λgt11クローン内に含有されるHGV挿入物を単離した。Y12-1
5-1挿入物を切り出し、そしてpGEX-Ndeにクローン化した。挿入物の配列をDNA配
列決定により確認した(配列番号276)。
免疫クローン(Y12-10-3)を、NS3エピトープライブラリーをHGV陽性血清のJ2
1689でスクリーニングすることにより、最初に単離した。配列特異的プライマー
を用いて、Y12-10-3λgt11クローン内に含有されるHGV挿入物を単離した。Y12-1
0-3挿入物を切り出し、そしてpGEX-Ndeにクローン化した。選択したクローンに
よる融合タンパク質の産生を、ウエスタンブロット分析により評価した。挿入物
の配列をDNA配列決定により確認した(配列番号277)。
4.NS2クローン
配列番号14のNS2領域の配列に対して相補的な配列由来の複数のネガティブス
トランドの免疫クローンを単離した。HGVのネガティブストランドによりコード
される、少なくと2つの重要なORFが存在する。これらのORFの第1は、Q9系列の
クローンにより示され、上記に記載した。これらのORFの第2は、配列番号14の
相補体のnt6723とnt7259との間に位置し、そしてまた、nt6774に5'メチオニンを
有する。第2のORFは162アミノ酸タンパク質をコードする。
これらのネガティブストランドORFの両方の配列の選択された部分を、発現ベ
クターpGEX-Ndeにクローン化した。これらのすべてのサブクローンを、適切なオ
リゴヌクレオチドプライマーを用いてPNF 2161 SISPA物質のPCR増幅により得た
。従って、これらは、HGV-PNF 2161変異体の配列を含有する。表23に、配列番号
14
の相補体に関連して、ORFの名称、サイズおよび位置を示す。
この表の最初の2行は、配列番号14の相補体に関連して、NS2領域の5'および3
'ネガティブストランドのORFの位置と同一である。残りの行は、9クローンのす
べてにより発現された特定のヌクレオチド配列を示す。これらのクローンのいく
つかは、推定されるHGVの開始メチオニンのORFに対して5'に位置するアミノ酸を
発現することに留意されたい。さらに、最後に示したクローンのK3p-KF2/KR1は
、指示部分の3’ORFが続く5’ORFの指示部分を発現するキメラ体であることに留
意されたい。
これらのDNAフラグメントのすべてを、引き続きpGEX-Ndeにクローン化した。
挿入物を含有するクローンもまた、同定し、そして確認した。
5.NS5Aクローン
表24に、いくつかのNS5aクローンおよびそれらが対応する配列番号14の領域を
示す。
これらの配列を、コードタンパク質抗原の発現のために、ベクターpGEX-Ndeに
クローン化した。
B.選択されたHGVサブクローンのウェスタンブロット分析
上記のネガティブおよびポジティブの両ストランド構築物の反応性を測定する
ために、種々のHGVサブクローンを発現する細菌由来の細胞全体の溶解物を、本
質的に実施例13Bに記載の通りに調製した。次いで、発現タンパク質のアリコー
トをSDS-PAGEにより分画し、タンパク質をニトロセルロースフィルターに移し、
そしてフィルターをHGV陽性血清またはコントロール血清(例えば、抗SJ26 MAB
RM01)でプローブした。ブロットを、適切なリポーター抗体でインキュベーショ
ンした。
試験したHGVタンパク質に関して、タンパク質NORF-F3/R2に対して明瞭な免疫
反応性を、J21689およびT56633のHGV血清で検出した。NORF-F3/R2サブクローン
は、Q9系列のネガティブストランドのエピトープクローンによってもコードされ
るアミノ酸配列を発現する。HGV血清T56633で観測された強い反応性により、HGV
のネガティブストランドのこの領域の免疫反応性が確認される。NORF-F3/R2タン
パク質の反応性は、HGV陰性個体のR04316または他の5つの試験したHGV陰性スー
パーノーマル血清のいずれかに由来する血清では観測されなかった。
さらなるブロットにより、他の主要な5’ORFクローンであるNORF KF2-R4(こ
れは、5'ネガティブストランドに位置するORFのカルボキシ末端半分のアミノ酸
を発現する)は、HGV陽性血清のT56633と反応しないことが示される。この観測
と上記のQ9エピトープクローンの位置とを一緒にすることにより、ネガティブス
トランドのこの領域の免疫原性エピトープが上記の55アミノ酸(配列番号273)
内に含有されることを示唆する。この配列が、他のHGV抗血清(J21689を含む)
により認識されるという事実は、この配列に対する免疫反応性がHGV感染個体間
に比較的広がっていることを示す。
さらに、Y12-10-3タンパク質との明瞭な免疫反応性がHGV感染血清のJ21689、J
29374、およびE57963で観測された。この反応性の特異性は、IPTGによるY12-10-
3タンパク質発現の誘導の非存在下において、HGV抗血清J29374またはE57963との
免疫反応性が観測されないことにより、さらに支持される。Y12-10-3に対する反
応性は、7つの試験したスーパーノーマル血清のいずれを用いても観測されなか
った。
実施例15
マルチ抗原HGV診断アッセイ
上記のエピトープクローンはすべてのHGV PCR陽性血清と反応しないようであ
るが、これらのクローンの多くは、それらを試験したHGV感染血清の実質的な画
分と反応する。そのうえ、これらのタンパク質は、HGV陰性血清と実質的な交差
反応性を示してない。従って、タンパク質の個々の反応性を足し合わせるように
、これらのタンパク質のいくつかを組み合わせる診断アッセイを構築し得る。こ
のようなアッセイは、HGV陽性血清の検出のための比較的高い感度およびHGV陰性
血清との比較的低いバックグランドの反応性を有することが予想される。
このようなアッセイにおいて有用なエピトープ/抗原の例として、NORF-F3/R2
(NS2ネガティブストランド)、Y12-10-3(NS3)、Q11-F2-R1(NS5a)、Y5-10(
NS5a)、Y5-5(NS5a)、Q11-F2-R2(NS5aの2つのエピトープを組み合わせる)
が挙げられるが、これらに限定されない。
このアッセイについて、個々の抗原は、典型的には、HGV陽性血清の異なる部
分(subset)を認識した異なる独特のエピトープを含有する抗原から選択される。
さらに、このような抗原は、典型的には、HGV陰性血清と有為に反応しない。本
発明のガイダンスに従って、有用なさらなる免疫原性クローンを単離し得る。
マルチ抗原診断アッセイは、多くの形式を取り得る。1つの実施態様において
、このアッセイは、5つのHGVタンパク質のそれぞれならびにニトロセルロース
短片(strip)または他の便利な固相形式上の離れた位置でのコントロールタンパ
ク質の固定化を必要とし得る。あるいは、例えば、HGV融合タンパク質の非ウイ
ルス部分は、挿入または欠失のいずれかにより改変され得る。その結果、それら
は、SDS PAGEおよびその後のウェスタンブロット分析に際して容易に識別し得る
位置に自然に移動する。次いで、短片を、試験血清中でインキュベーションする
。結合した抗体の検出後、次いで血清は、(i)免疫反応性である抗原の数、およ
び(ii)免疫学的反応の強度に基づいて評価される。非HGVコントロールタンパク
質に対する反応性は、血清判定ができないことを示す。非HGVタンパク質との反
応性により、血清はHGV陰性と分類される。
ELISAに基づくスクリーニングアッセイを、単一の反応区域において精製した
抗原タンパク質を組み合わせることにより、または2つ以上の反応性エピトープ
を単一タンパク質(例えば、HGVモザイクポリペプチド)として発現するタンパ
ク質構築物を作製することにより形成し得る。モザイクポリペプチドを構築する
方法は、本明細書中に記載されている。上記のQ11-F2-R2構築物は、実際、単一
のポリペプチド鎖中に2つの個別的なエピトープをコードする「マトリックスタ
ンパク質」を表す。ウェスタンブロット分析は、このようなELISAスクリーニン
グ試験のための確認アッセイとして作用し得る。
あるいはまたはさらに、全長のHGVタンパク質(例えば、E2、NS5aおよびNS3)
は、単一反応区域内に置かれ得る。このようなタンパク質と反応性である血清は
また、ウェスタンブロットアッセイによりHGV陽性と確認され得る。
実施例16
大きなHGVポリペプチドの発現
A.より大きなHGV抗原のE.coliにおける発現
1.クローニングおよび発現
HGVエピトープ(小さな重複するHGV構築物により、またはファージライブラリ
ースクリーニングによりカバーされない)の立体配置を同定するために、より大
きなHGVタンパク質構築物を、予想される切断部位(Bazanら、1989;Chambersら
、1990b;Grakouiら、1993;KyteおよびDoolittle、1982)に基づいて、pET-21a
(+)ベクター(Novagen、WI)内に作製した。個々のHGVタンパク質構築物を、pGE
Xベクターにクローン化したHGV配列と同様の様式で作製した。
簡潔に記すと、選択したHGV配列を、HGV配列特異的プライマーを用いて、HGV(
+)ヒト血清供給源からRT-PCR増幅した。プライマーは、pETベクターにおけるク
ローニング操作のために、適切な制限部位を含むように操作した。目的のコード
配列を、典型的には、ベクター内のEcoRI部位とHindIII部位との間に挿入し、T7
.Tagリーダー配列を伴う5'インフレーム融合およびヘキサマーヒスチジン配列を
伴う3'インフレーム融合を作製した。T7.Tag(11個のアミノ酸配列)は、抗T7.T
agモノクローナル抗体(Novagen、WI)を用いる融合タンパク質の検出を可能に
する。融合タンパク質のカルボキシル末端のヒスチジンヘキサマーは、固定化金
属イオンアフィニティークロマトグラフィーを用いるタンパク質の精製を可能に
する。
HGVフラグメントを、適切に消化したpET-21a(+)ベクター内に連結した。連結
産物を、コンピテントE.coli(HMS174;Novagen、WI)に形質転換した。形質転
換したHMS174由来のプラスミドDNAを、プライマーT7F(配列番号157)およびT7R
(配列番号158)を用いるPCRによりHGV配列の存在について分析した。これらの
プライマーは、挿入分子に隣接するpET-21a(+)ベクターの配列に相同である。PC
R産物のサイズは、挿入サイズ+ベクター由来の約260bpであった。
各構築物について、PCR結果は挿入配列の存在を確認した。適切な挿入物を有
する形質転換体を選択し、HGV挿入物を有するプラスミドDNAを調製し、そしてHG
Vタンパク質の発現のために、コンピテントなE.coli HMS174(DE3)(Novagen、WI
)に導入した。
HGVタンパク質の発現を、1mM IPTGで誘導した。T7.Tag融合タンパク質の発現
を、クマシーブルー染色ゲル上で、予想されるサイズのタンパク質の出現により
追跡した。融合タンパク質の発現を、抗T7.Tag抗体(Novagen、WI)を用いるウ
ェスタンブロット分析により確認した。pET-21a(+)ベクターにおいて発現したHG
Vタンパク質を、表25に示す。発現した配列の開始点および終了点は、配列番号1
4に関連して示す。GE-Capのアミノ酸配列を、配列番号185に示す。
図12に、T7.Tagモノクローナル抗体を用いたウェスタンブロット分析により示
される各HGVタンパク質の発現を示す。図12のレーンは、以下の通りである:レ
ーン1、予め染色された分子量マーカー(Bio-Rad);レーン2、非誘導GE-Cap
の溶解物;レーン3〜11、それぞれIPTG誘導溶解物であるGE-Cap、E1a、E2、NS2
b、NS3、NS4a、NS4b、NS4、およびNS5bの溶解物。レーン12は1μgの精製NS5aを
含有した。各抗原の位置を矢の先で示す。図12に示すように、すべてのHGVタン
パク質が、E.coliにおいて発現された。
2.pET ベクターにおいて発現したHGVタンパク質のウェスタンブロット分析
pETベクターにおいて発現したHGVタンパク質のウェスタンブロット分析を、実
施例11Cに記載の通りに、E.coliの全細胞溶解物および前吸着させた血清を用い
て行った。これらの分析の結果により、いくつかのpET HGVタンパク質がHGV陽性
ヒト血清と特異的に免疫反応性であるが、しかしHGV陰性ヒト血清とは免疫反応
性でないことが示された。GE-NS2b-1タンパク質は、J21689血清と免疫反応性で
あった。GE-NS5a-3タンパク質は、ウェスタンブロット分析において、JC、T5580
6、T56633、J21689、E57963およびR0001を含む、いくつかのHGV(+)血清と免疫反
応性であった。これらの血清の中で、T55806、J21689およびE57963は、(PCR分
析により)HCVとも同時に陽性である。GE-NS2b-1またはGE-NS5a-3はいずれも、
いくつかの試験したHGV陰性血清と免疫反応性でなかった。
図10A〜図10Fに、抗原GE-NS2b 1およびGE-NS5a3の反応性を試験する、一連の
ウェスタンブロット実験の例示的な結果を示す。図10A〜図10Fの各ブロットにお
けるレーンは、以下の通りである:レーン1、非誘導GE-NS2bの溶解物;レーン
2、IPTG誘導GE-NS2bの溶解物;レーン3、非誘導GE-NS5aの溶解物;およびレー
ン4、IPTG誘導GE-NS5aの溶解物。各ブロットを、ヒト血清またはマウスのモノ
クローナル抗体でインキュベートした:図10A、J29374;図10B、J21689;図10C
、T56633;図10D、T43608(スーパーノーマル血清);図10E、抗T7.Tag;および
図10F、クマシーブルー染色ゲル。用いた血清またはモノクローナル抗体を、各
ブロットの上部に示す。ヒト血清は1:100に希釈し、そして抗T7.Tagマウスモ
ノクローナル抗体は1:1000に希釈した。
上記に挙げた血清に加えて、GE-NS5aを用いて、さらにHGV-PCR陽性血清をスク
リーニングした。これらのすべての分析の結果により、GE-NS5a抗原と複数のHGV
感染血清との反応性が示された。GE-NS5bは、HGV(+)血清のJCおよびT55806と免
疫反応性であったが、試験したHGV(-)陰性血清とは免疫反応性でなかった。図13
A〜図13Eに、抗原GE-NS5bの反応性を試験する、一連のウェスタンブロット実験
の結果を示す。図の各ブロットにおけるレーンは、以下の通りである:レーン1
、
予め染色された分子量マーカー(Bio-Rad);レーン2、非誘導GE-NS5bの溶解物
;レーン3、IPTG誘導GE-NS5bの溶解物。
各ブロットを、ヒト血清またはマウスのモノクローナル抗体でインキュベート
した:図13A、抗T7.Tagモノクローナル抗体;図13B、JC;図13C、T55806;およ
び図13D、T43608(スーパーノーマル血清)。図13Eはクマシー染色である。
図14A〜図14Dに、抗原GE-E2の反応性を試験する、一連のウェスタンブロット
実験の結果を示す。図14A〜図14Dの各々におけるレーンは、以下の通りである:
レーン1、予め染色された分子量マーカー(Bio-Rad);レーン2、非誘導GE-E2
の溶解物;レーン3、IPTG誘導GE-E2の溶解物。各ブロットを、ヒト血清または
マウスのモノクローナル抗体でインキュベートした:図14A、抗T7.Tagモノクロ
ーナル抗体;図14B、3831781;および図14C、T43608(スーパーノーマル血清)
。図14Dはクマシー染色である。用いた血清またはモノクローナル抗体を、各ブ
ロットの上部に示す。GE-E2タンパク質は、HGV陽性血清3831781と免疫反応性で
あったが、スーパーノーマル血清のT43608とは免疫反応性でなかった(それぞれ
、図14Bおよび図14C)。
抗原GE-CapおよびGE-NS4aはまた、HGV(+)血清J21689と特異的に免疫反応性で
あった。
B.より大きなHGV抗原の昆虫細胞における発現
組換えバキュロウイルスを用いるタンパク質発現は、以下の利点を提供する:
(i)高レベルの組換えタンパク質の発現、そして(ii)効率的なタンパク質の輸送
および修飾を含む高等真核生物系の利点。この系は、輸送されるタンパク質(例
えば、HGV E1、E2およびNS2a)の発現に特に有用である。
1.クローニングおよび発現
Spodoptera frugiperdaの昆虫細胞培養物であるSf21およびAutografa califor
nicaの核多角症(nuclear polyhedrosis)ウイルスの誘導体である「BACULOGOLD」
(Pharmingen、San Diego、CA)を、HGVポリペプチドの発現のために用いた。確
立されたプロトコルを用いて、昆虫細胞を培養し、そしてバキュロウイルスプラ
スミド転移ベクターと線状化バキュロウイルスDNAとの同時トランスフェクショ
ンにより、組換えバキュロウイルスを作製した(King、1992)。バキュロウイル
スプラスミド転移ベクターの構築には、従来技術を用いた(Maniatisら;Sambro
okら)。
バキュロウイルス転移ベクターpAcYM1(Kingら、1992)を、ヒスチジンヘキサ
マーをコードする2本鎖オリゴヌクレオチドをベクターのBamHIクローニング部
位に連結することにより改変した(ベクターをpAcYMIHと名付けた)。停止コド
ン(TAA)を、ヒスチジンヘキサマー配列の後に置いた。これにより、ヒスチジ
ンヘキサマーが発現タンパク質のカルボキシ末端に置かれる。親ベクターpAcYMI
のBamHIクローニング部位は、pAcYMIH内にそのまま残り、ヒスチジンヘキサマー
と種々の遺伝子をインフレームでクローン化するために使用し得た。ヒスチジン
ヘキサマーは、発現タンパク質の迅速で効率的な精製方法を提供する(Janknech
tら、1991)。
第二のバキュロウイルス転移ベクター(pVT-Bac)もまた、同様に改変し、発
現タンパク質のカルボキシ末端にヒスチジンヘキサマーが置かれる。pAcYMIベク
ターと同様にpVT-Bacは、強力な後期ポリヘドリンプロモーターを含有する。さ
らに、pVT-Bacはまた、強力な昆虫の輸送シグナル配列を備え、発現タンパク質
の効率的な輸送を確実にする(Tessierら、1991)。pVT-Bacベクターを、ヒスチ
ジンヘキサマーをコードするの2本鎖オリゴヌクレオチドをベクターのBamHIク
ローニング部位に連結することにより改変した(pVT-BacHベクターを得る)。親
ベクターpVT-BacのBamHIクローニング部位は、得られたpVT-BacH内にそのまま残
り、昆虫のリーダー配列およびヒスチジンヘキサマー配列と遺伝子とともにイン
フレームでクローン化するために使用し得る。
種々のHGV遺伝子をコードするDNAフラグメントを、逆転写PCRにより得た。HGV
ゲノムの領域を、予想される切断部位(Bazanら、1989;Chambersら、1990b;Gr
akouiら、1993;KyteおよびDoolittle、1982)に従って選択した。以下のプライ
マー対を、PNF 2161起源の核酸を用いるRT-PCR増幅反応において使用した:E1、
配列番号242、配列番号243;E2B(HGVシグナル配列)、配列番号244、配列番号2
45;E2C(昆虫シグナル配列)、配列番号246、配列番号247;NS2a、配列番号248
、
配列番号249;NS2b、配列番号250、配列番号251;NS3、配列番号252、配列番号2
53;NS4a、配列番号254、配列番号255;NS4b、配列番号256、配列番号257;NS5a
、配列番号258、配列番号259;NS5b、配列番号260、配列番号261;およびE1-E2-
NS2a、配列番号262、配列番号263。
増幅したDNAフラグメントを、BamHIまたはBglIIエンドヌクレアーゼで消化し
、そしてBamHI切断したpAcYMI、pAcYMIH、pVT-BacまたはpVT-BacHベクターにク
ローン化した。E1およびE2のカルボキシ末端のアンカー(anchor)をコードする配
列ならびにNS5bのカルボキシ末端での疎水性配列を、その後のタンパク質精製を
容易にするために除いた。
HGV配列を含有する組換えバキュロウイルスプラスミド転移ベクターを、線状
化したバキュロウイルスDNAとともに同時トランスフェクションした。そして組
換えウイルスを、X-galの存在下で白斑として選択した(Kingら、1992)。組換
えウイルスを、2回プラーク精製し、そして増殖させた。単層のSf21細胞は、細
胞当たり5p.f.uの多重度で組換えバキュロウイルスを感染させ、そして27℃で6
0時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、TNN緩衝液(50mM Tris-HCl pH8
.0、150mM NaCl、0.5%「NONIDET-P40」)中で溶解した。封入体を、14Kで5分
間細胞サンプルをスピンすることにより単離した。封入体をタンパク質解離緩衝
液(10%2-メルカプトエタノール、10%SDS、25%グリセロール、10mM Tris-HC
l pH 6.8、0.02%ブロムフェノールブルー)中に再懸濁し、そして100℃で10分
間インキュベートした。
タンパク質の発現パターンを、SDS-PAGEにより分析した。タンパク質を、0.1
%SDS-18%PAGEにより分離し、そしてクマシーブリリアントブルーで染色した。
大部分のHGVタンパク質は高レベルに発現し、そしてクマシーブルー染色ゲル上
で容易に検出し得た。NS5aおよびNS2aポリペプチドを、35Sメチオニンタンパク
質標識により検出した(Kingら、1992)。
HGV E2タンパク質のグリコシル化を、以下のように試験した。Sf21細胞を組換
えバキュロウイルスで感染させ、そして上記のようにプロセスした。タンパク質
を0.1%SDS-12%PAGEにより分離し、「IMMOBILON-P」膜(Millipore、Bedford、
MA)上にエレクトロブロットし、そしてマンノース残基に特異的なGalanthus ni
valis凝集素(Boehringer Mannheim DIGグリカン識別キット)と反応させた。自
身のシグナル配列を伴って発現したHGV E2タンパク質は、広範にグリコシル化さ
れていた。このことは、予想されるE2シグナル配列がそのごとく機能し得ること
を示す。
2.免疫蛍光アッセイ分析
SF21昆虫細胞を、上記のバキュロウイルスHGV構築物で感染させた。細胞を集
め、1.5Krpmで3分間スピンし、1×PBSで洗浄し、そして再度スピンした。
免疫蛍光アッセイ(IFA)(Kingら、1992)について、細胞をPBS中に再懸濁し
、そしてガラススライドのウェルに載せ、細胞がスライドガラスのウェル内でサ
ブコンフルエント層を形成するようにした。スライドガラスを風乾した。細胞を
-70℃で予冷したアセトンで10分間固定し、PBSで5分間再度水和させた。過剰の
PBSをブロッティングにより除いた。固定した細胞を、以下の「ブロッキング」
緩衝液で1時間処理した:40mM Tris-HCl pH 7.5、3%ヤギ血清、1%BSA、1
%脱脂ミルクおよび0.1%ゼラチン。
次いで、一次抗体を固定化細胞に加えた。一次抗体は、一連のヒトHGV陽性血
清および陽性のコントロールモノクローナル抗体を含んだ。使用前に、血清を、
昆虫細胞溶解物を用いて、非特異的タンパク質について前吸着させた。前吸着は
、4℃で一晩行った。非感染のSF21細胞を、陰性コントロールとして用いた。選
択した一次抗体(血清)の添加後、スライドガラスを2時間インキュベーション
し、次いでPBSで数回洗浄し、そして過剰の緩衝液を除いた。次いで、フルオレ
セイン(0.5μg/mlの濃度)で結合させた二次抗体を、スライドガラス上のサン
プルに添加した。二次抗体についてのインキュベーション時間および温度は、一
次抗体と同じであった。インキュベーション後、スライドガラスをPBSで洗浄し
、そしてカバースリップ(cover slip)を載せた。次いで、細胞の蛍光を、蛍光顕
微鏡を用いて測定した。
この分析の結果は、以下の通りであった。HGV抗原E1-E2-NS2aを発現する細胞
は、4/10のHGV陽性血清と免疫反応性であり、そしてさらに2/10の血清と弱い免
疫反応性であった。E1を発現する細胞は、1/10の血清と弱い免疫反応性であった
。
E2を発現する細胞は、3/10の血清と免疫反応性であり、そして1/10の血清と弱い
免疫反応性であった。HGV抗原を有する細胞のいずれも、スーパーノーマルコン
トロール血清と免疫反応性でなかった。
3.バキュロベクターで発現したHGVタンパク質のウェスタンブロット分析
組換えバキュロウイルス感染Sf21昆虫細胞で発現したHGVタンパク質のウェス
タンブロット分析もまた、実施した。封入体を上記のように調製し、そしてウェ
スタンブロット分析に供した。ウェスタンブロット分析を、前吸着させた血清を
用いて実施した。この分析の結果より、E2タンパク質(内在性のHGVシグナル配
列(E2B)を有する1つの変異体、および昆虫のシグナル配列を有する第2の変
異体(E2C))はHGV(+)血清の3831781と特異的に免疫反応性であることを示した
。
図15A〜図15Dに、バキュロ抗原E2BおよびE2Cの反応性を試験した、一連のウェ
スタンブロット実験の結果を示す。図15A〜図15Dの各ブロットにおけるレーンは
、以下の通りであった:レーン1、予め染色された分子量マーカー(Bio-Rad)
;レーン2、E2B溶解物;レーン3、E2C溶解物;レーン4、β-ガラクトシダー
ゼ溶解物。各ブロットを、ヒトまたはウサギの血清でインキュベートした:図15
A、ウサギ抗E2抗体;図15B、3831781(HGV-PCR陽性血清);図15C、3838857(HG
V陰性血清)。図15Dはクマシー染色である。用いた血清またはウサギ抗体は、各
ブロットの上部に示す。ヒト血清は1:100に希釈し、そしてウサギ血清は1:1
000に希釈した。
さらに、昆虫細胞で発現したHGV抗原NS2bタンパク質は、J21689と免疫反応性
であった。これらの結果は、pET発現HGVタンパク質で得られた結果と一致する。
C.より大きい抗原のワクシニアでの発現
1.クローニングおよび発現
HGVゲノムの種々の領域を、発現のためにワクシニアウイルスゲノムに組み込
んだ。例示的なHGVポリペプチド発現ストラテジーを、図16に示す。ワクシニア
ウイルスで発現したHGV(PNF 2161変異体)タンパク質を、図16に模式的に図示
する。完全長のポリタンパク質を、予想されるタンパク質の領域を示す四角枠に
より示す(比率は合っていない):C=塩基性の高いタンパク質、4A=NS4A、4B
=NS4B、5a=NS5A、5b=NS5B。ヌクレオチドの位置(ポリタンパク質の下部)を
有する個々の四角は、ワクシニアウイルスでの発現についてのHGVの例示的な領
域を表す。四角内の数字は、組換えウイルスの命名を表す。ウイルス#1は、HGVT
55806株の塩基性の高いタンパク質領域(配列番号185)由来であった。
2組の組換えウイルスを作製した。第一の組は、HGV cDNAの配列分析に基づく
個々のタンパク質ドメインに対応するHGV配列を含有した(図16、フラグメント#
1〜#9)。第二の組は、複数のタンパク質ドメインに広がる、全長のHGVゲノムに
までのHGV配列を含有した(図16、#10、#11、#14)。
HGVゲノムの種々の領域を、ワクシニア発現ベクターのマルチクローニング部
位にクローン化した。組換えワクシニアウイルス発現系を用いた。これには、細
菌性ファージのT7系および高レベルの誘導発現のためのE.coli lacリプレッサー
を含んでいた(Fuerstら、1986;Elroy-stein、1989;Alexander、1992;Mossら
)。従って、組換えタンパク質は、誘導剤(例えば、イソプロピルβ-D-チオガ
ラクトシド(IPTG))の存在下においてのみ発現される。直接的クローニングおよ
びPCRの両方を用いて、プラスミドを構築した。後者において、ワクシニアベク
ターへのクローニングに適切な制限エンドヌクレアーゼ部位を、使用したプライ
マー内に取り入れ、個々のDNAフラグメントを増幅した。
ポリヒスチジンタグもまた、発現タンパク質を精製する際に使用するために、
個々のHGVドメインを含む各クローン内に取り入れた。HGV-PCR増幅産物適切な制
限酵素で消化し、そしてワクシニアベクター内に連結した。標的HGV cDNAフラグ
メントを、相同組換えおよび薬剤(ミコフェノール酸)選択によりワクシニアウ
イルスゲノム内に組み込んだ(Falkner、1988、Earl、1991)。組換えウイルス
を4回プラーク精製した後、ウイルスストックを作製した。
ヌクレオチド中の各クローンの長さを図16に示す。小さなクローンの群(#1
〜#9)は、HGVエピトープマッピングに有用である。大きなクローン(例えば
、#10、#11および#14)もまた、HGVポリタンパク質の切断部位を実験的にマ
ッピングするのに有用である。さらに、図16に示すクローンの他に、NS3からNS5
bの多数のドメインを含む他の組換えウイルスが構築され得る。
発現プラスミドを、親のワクシニアウイルスを感染させていた哺乳動物細胞に
トランスフェクトした。CV-1およびBS-C-1細胞を、10%ウシ胎児血清を補充した
最少必須培地(MEM)中で維持した。この細胞を用いて、トランスフェクション
し(CV-1)、そして組換えウイルスの選択および増殖(BS-C-1)を行った。
2.組換えタンパク質発現の評価
BS-C-1細胞を、IPTGの存在下または非存在下において7時間、組換えウイルス
で感染させた。その後、細胞を35S-メチオニンでさらに1時間標識した(Zhang
、1991)。簡潔に記すと、1×106個のBS-C-1細胞を細胞当たり10プラーク形成
ユニット(PFU)の感染多重度(MOI)で1時間、組換えウイルスで感染させ、次
いで、さらに6時間、5mM IPTGの存在下または非存在下で培地を補充した。細
胞を、メチオニンを含まない培地に2.5%の透析したウシ胎児血清+60uCiの35S-
メチオニン(「TRAN 35S-LABEL」、ICN、Costa Mesa、CA)を補充した600ulの培
地を用いて、5mM IPTGの存在下または非存在下でさらに60分間パルス標識した
。次いで、標識細胞を、100mM Tris pH 8.0、150mM NaCl、および1%「TRITON
X-100」の存在下で、氷上で10分間溶解させた。核をスピンダウン(spin down)し
、そして上清を分析のために集めた。
細胞溶解物をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した(Fling、1
986;Schagger、1987)。ゲルを50%メタノールおよび10%酢酸で固定した後、
フルオログラフ溶液「AMPLIFY」(Amersham、Arlington Heights、IL)で処理し
た。ゲルを乾燥し、そしてX線フィルムに感光させた。
この方法を用いて、挿入物#4〜#11、および#14(図16)を含有するウイルスに
よるHGVポリペプチドの発現が確認された。他の領域に対応するポリペプチドの
発現を、同様に確認した。例えば、NS5a構築物において、IPTGの誘導の際に、特
別なポリペプチドが産生され、これは46kDaタンパク質標準のすぐ下に移動した
。このタンパク質は、IPTGの非存在下での感染においては見られなかった。この
ことより、NS5a組換えタンパク質としての、このタンパク質の同一性を確証した
。
さらに、個々のウイルス感染物由来の35S-Met標識細胞溶解物に対するHGV領域
特異的抗血清(例えば、目的の領域由来の単離されたHGVポリペプチドに対して
惹起したウサギ抗血清)を用いる限定された免疫沈降を、組換えウイルス由来の
タンパク質発現を評価するために行った。例えば、NS2、NS3、NS4B、NS5A、およ
びNS5Bの発現が確認された。組換えタンパク質発現を評価するための代替方法は
、HGV領域特異的抗血清でウェスタンブロット分析を行うことである。
#14ウイルスにおいて全長のHGVのポリタンパク質が発現された場合(図16)、
NS2、NS3およびNS5Aのプロセスされた産物が、HGV領域特異的抗血清での免疫沈
降を用いて検出された。このことは、ポリタンパク質のプロセシングを評価する
ための全長のHGVクローンの有用性を示す。
図16に示す発現ストラテジーと類似の発現ストラティジーを用いて、候補のHG
Vタンパク質/抗原を、酵母またはCHO細胞で発現し得る。酵母は、高レベルの発
現、経済的な操作、および商業的生産のための規模拡大の容易さを提供する。CH
O細胞株は、例えば、ワクチン開発に有用な大規模なタンパク質生産および精製
のための組換えタンパク質の増殖培地への分泌を可能にする。
実施例17
塩基性の高いタンパク質をコードするHGV
A.PNFおよびT55806由来のHGVの翻訳における開始のために使用されるメチオニ
ンの決定
HGV-PNF 2161変異体において、(配列番号14に関連して)ヌクレオチド(nt)
459に位置するメチオニンは、ポリタンパク質に関してインフレームである。「
カプシド」領域は、32アミノ酸の長さであるようである。単離した他のHGV(例
えば、T55806)では、この領域はさらに長い(例えば、約83アミノ酸)。HGV-PN
F 2161変異体において、(配列番号14に関連して)nt349に位置するメチオニン
は、ポリタンパク質配列に関してインフレームでない。しかし、HGV-T55806変異
体における同じ位置のメチオニンは、ポリタンパク質に関してインフレームであ
る。HGV-PNF 2161において、この位置で読み通しまたはリボゾームのフレームシ
フトが存在するかを確認するために、以下の実験を行った。
以下のものを含む構築物を作製した:(i)HGV E1領域の上流のすべてのMETコ
ドンを有するHGVゲノム配列(例えば、HGV-PNF 2161では6個のこのようなMETが
存在し、そしてT55806では5個のこのようなMETが存在する)、(ii)リボゾーム
のシフトまたは読み通しを生じるか否かの決定を可能にする各構築物についての
2つの異なる3'末端。所定のゲノムDNAについて、両方の翻訳産物が同じサイズ
であれば、そのことは、翻訳産物が停止コドンで早まって停止したことを示唆す
る。一方、読み通しまたはフレームシフトが生じれば、2つの産物は55アミノ酸
違うことが予想される。
HGV-PNF 2161変異体およびHGV-T55806変異体由来の配列を含有する合計21個の
構築物をpGEXベクターにサブクローン化し、そして対応するタンパク質をE.coli
で発現させた。得られた翻訳産物のサイズを、クマシー染色ゲルならびにモノク
ローナル抗GST抗体でブロットされるウェスタンとの両方により測定した。誘導
サンプルおよび非誘導サンプルを、各構築物について調製した。
この結果は、タンパク質産物のサイズが、ポリタンパク質に関してインフレー
ムにある最初のMETでの翻訳開始により予想されるサイズに対応したことを示し
た。フレームシフトまたは読み通しの証拠はなかった。
B.塩基性の高いタンパク質をコードする代替物
Fickett(1982)の方法を用いて、(i)前記のポリタンパク質に代わり得る、(i
i)HGV-PNF 2161とHGV-JCとの間の保存性を示す、そして(iii)pH 10以上に予想さ
れる等電点を有する、タンパク質を潜在的にコードし得る配列についてHGV-PNF
2161およびHGV-JCのゲノム配列を走査した。2つのこのような可能性を有するタ
ンパク質が同定された。
第一のタンパク質は、HGV-PNF 2161において(配列番号14に関連して)残基62
8〜残基882により、そしてHGV-JCにおいて(配列番号182に関連して)残基556〜
残基810によりコードされる。このタンパク質は85アミノ酸の長さであり、HFV94
-1とJC9Bとの間の相同性は75%より大きく、そして予想されるpIは11.6〜12.3で
ある。
第二のタンパク質は、HGV-PNF 2161において(配列番号14に関連して)残基68
44〜残基7125により、そしてHGV-JCにおいて(配列番号182関連して)残基6772
〜残基7053によりコードされる。このタンパク質は94アミノ酸の長さであり、HG
V-PNF 2161とHGV-JCとの間の相同性は88%より大きく、そして予想されるpIは12
.4〜12.7である。
これらの2つのタンパク質の例は、HGVの塩基性の高いタンパク質が潜在的に
発現され得ることを表す。
実施例18
さらなるHGV単離物のクローニングおよび診断プライマーの設計
A.HGV-PNF 2161のcDNAクローンの構築
PNF 2161由来のほぼ完全長のHGVゲノムのcDNAクローンを、3個の重複したPCR
産物をプラスミドベクターpGEM3Z(Promega、Madison、WI)にクローン化するこ
とにより構築した。この構築に用いたPCR産物は、「SUPERSCRIPT II」(Gibco/B
RL、Gaithersburg、MD)を用いる逆転写、その後の長い標的配列の増幅を可能に
する反応条件を用いたPCR(「rTth-XL」ポリメラーゼおよび「XL PCR BUFFERS」
、Applied Biosystems、Foster City、CA)により得た。これらの「長範囲(long
-range)」PCR反応のために使用したrTth酵素は、誤って取り込まれたヌクレオチ
ドを訂正する校正活性(すなわち、3'から5'のエキソヌクレアーゼ活性)を有し
、従って高い忠実度のPCRを提供する。
以下の3つの産物を用いて、HGVゲノムを構築した:(i)GV75-36FE(配列番号2
28)およびGV75-7064RLE(配列番号229)のプライマーを用いて増幅した6.7kbの
内部産物(配列番号14のnt2101〜nt8834)、(ii)28F(配列番号230)およびFV94
-2864R(配列番号231)を用いて増幅した2.8kbの5'末端産物(配列番号14のnt38
〜nt2899)、および(iii)FV94-6439F(配列番号232)およびFV94-9331R(配列番
号233)を用いて増幅した2.9kbの3'末端産物(配列番号14のnt6449〜nt9366)。
最初に、6.7kbの内部フラグメントを「TA-ベクター」pCRIIにクローン化し、
クローンHGV7を作製した。続いて、6.1kb KpnI/EcoRIフラグメントをHGV7から除
き、KpnI/XbaI消化した2.8kbの5'末端産物(プライマー28Fは、人為的なXbaI部
位を含有する)と合わせ、そしてXbaI/EcoRI消化したpGEM3Zにクローン化した。
この8.8kbクローン(これは、HGVゲノムの3'部分の約0.6kbを欠く)を、HGV-KEX
-2と称した。ほぼ完全長のHGVゲノムを構築するために、3'末端HGV産物をNheIお
よびEcoRI(プライマーFV94-9331Rは、人為的なEcoRI部位を含有する)で消化し
、そしてNheI/EcoRI消化したHGV-KEX-2プラスミドにクローン化し、9329ntのク
ローン化HGV-PNF2161配列(配列番号14のnt38〜nt9366)を作製した。これを3Z-
HGV94-6と称する。3Z-HGV94-6の完全配列を、配列番号234として示す。
クローン3Z-HGV94-6を用いて、インビトロ転写された完全長のHGV RNAまたは
その一部分を作製し得る(例えば、SP6ポリメラーゼを用いる)。RNA分子を用い
て、ヒト細胞株をトランスフェクトし得る。このアプローチを用いて、ウイルス
ゲノムの種々の領域をマップし、その複製を研究し、そしてヒト細胞におけるHG
V病原性の機構を理解し得る(Riceら、1989;Sumiyoshiら、1992;Yooら、1995
)。
B.JC変異体のクローニング
1mlのJC血清を、40,000rpmで2時間スピンした(Beckman、Spinco Rotor 70.
1Ti)。得られたペレットを「TRIREAGENT」(MRC、Cincinnati、OH)を用いて抽
出した結果、3つの相が形成された。上相はRNAのみを含有した。この相を取り
出し、そしてRNAをエタノール沈澱により回収した。
HGV cDNA分子を2つの方法によりJCサンプルから生成した。第一の方法は、特
異的かつネスト(nested)プライマーを用いるJC核酸サンプルの増幅(RT-PCR)で
あった。プライマー配列は、PNF 2161血清から得られたHGV配列に基づいた。プ
ライマーを選択するために用いた判断基準は、(i)高いG/C含量を有する領域、お
よび(ii)非反復配列、であった。
HGV cDNA分子を生成するために用いた第二の方法は、HGV(PNF 2161)特異的
プライマーを用いる増幅、その後の32P標識オリゴヌクレオチドプローブを用い
るHGV特異的配列の同定であった。このようなDNAハイブリダイゼーションを、本
質的にSambrookら(1989)により記載されるように行った。PCR由来のクローン
は、以下のいずれかを行った:(i)「TA」ベクター(Invitrogen、San Diego、CA
)へのクローン化およびベクタープライマー(TARおよびTAF)を用いた配列決定
、または(ii)PCR増幅後の直接の配列決定。プローブ配列およびプライマー配列
の両方は、PNF 2161血清から得られたHGV変異体に基づいた。
これらの2つのアプローチにより、JC血清由来の多数の重複HGVフラグメント
を得た。これらのフラグメントのそれぞれを、クローン化し、そして配列決定し
た。配列をアライン(align)して、配列番号182(ポリペプチド配列、配列番号18
3)として示されるHGV(JC変異体)のコンセンサス配列を得た。HGV(JC変異体
)ウイルスの各領域の配列は、少なくとも3つの異なる、重複した独立クローン
からのコンセンサスに基づいた。
C.他のHGV変異体
HGV PNF 2161変異体配列およびJC変異体配列に加えて、3つの部分的なHGV単
離物を、上記と同様の方法により、BG34、T55806およびEB20の血清から得た。こ
れらの単離物の部分配列を以下に示す:配列番号176(BG34核酸)、配列番号177
(BG34ポリペプチド)、配列番号178(T55806核酸)、配列番号179(T55806ポリ
ペプチド)、配列番号180(EB20-2核酸)、および配列番号181(EB20-2ポリペプ
チド)。
D.診断PCRのための代わりのプライマー
PCRプライマーおよび対応するアッセイ開発は、保存領域の解析に典型的に基
づく、HGVゲノムの領域に由来し得る。HGV-JC変異体とHGV-PNF 2161変異体との
比較に基づいて、HGVの5'非翻訳領域を、HGV単離物の検出についてのさらなるPC
Rに基づく診断試験の開発のために、このような領域の1つとして選択した。2
つの例示的なプライマーは、FV-94-22F(配列番号124)およびFV94-724R(配列
番号125)である。これらのプライマーは、HGVゲノムの約728bpフラグメントを
増幅する。
配列分析を、HGVの36個の単離物(PNF 2161およびJCを含む、表26参照)につ
いてこれらの2つのプライマーを用いた反応からの増幅産物に対して行った。複
数の配列アラインメント(表26)、および保存領域のさらなる決定について、約
728bp増幅産物の約400bpの領域(配列番号14のnt69〜nt469)を用いた(下記参
照)。
サンプル中のHGV単離物の検出のために、増幅に基づく(例えば、PCR)または
プローブに基づく方法/アッセイの開発には、適切なプライマー/プローブ配列
の選択が包含される。このようなアッセイのための2つの判断基準は、低コピー
の感度およびHGV配列に対する特異性である。配列のアラインメント(上記のよ
うな)は、プライマー/プローブ選択および設計を手助けし得る。
プライマー選択のためのいくつかの判断基準は、以下の通りである:(i)正方
向および逆方向プライマー対は、配列中に有意な相補性がないこと、および(ii)
プライマーは有意な自己相補性または二次構造の形成能を有さないこと。これら
の予防により、プライマーのダイマーまたはオリゴマー生成の可能性を最小にす
る。
プライマーは、必要に応じて、異なる単離物間で変異を示さない配列領域から
設計されるが、既知の単離物の相違の原因である塩基位置で、混合塩基合成また
は中和(neutral)塩基(例えば、イノシン)を組み込むことにより、相同性のよ
り低い領域からもまた設計され得る。以下の2群のプライマーは、HGVゲノムの
検出のためのPCRに基づくアッセイの開発において用いられ得るプライマーの例
である:正方向プライマー(配列番号222、配列番号223および配列番号224);
ならびに逆方向プライマー(配列番号225、配列番号226および配列番号227)。
種々の組合せのプライマーが、HGV診断アッセイの開発において用いられ得る
。
最適な組合せのプライマーは実験的に決定され、そして代表的には、アッセイ感
度およびアッセイ特異性について考慮される。このような考慮には、以下が挙げ
られる:(i)効率的な増幅および容易な産物検出のための100bp〜300bp長のPCR産
物;(ii)少なくとも10コピーの標的HGVを再現よく検出する能力、および(iii)大
部分のHGV変異体を再現よく検出する能力。
さらに、プローブ配列は、混合塩基合成または中和塩基合成を伴って同様に設
計され得、および/またはストリンジェンシーを下げて大部分のHGV変異体を検
出し得る。
本発明を特定の方法および実施態様について参考文献とともに記載したが、本
発明から逸脱することなく、種々の改変および変更をなし得ることが理解される
。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12P 21/08 C12P 21/08
C12Q 1/70 C12Q 1/70
G01N 33/53 G01N 33/53 D
33/569 33/569 L
33/576 33/576 Z
(31)優先権主張番号 08/285,558
(32)優先日 1994年8月3日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/329,729
(32)優先日 1994年10月26日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/344,271
(32)優先日 1994年11月23日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/357,509
(32)優先日 1994年12月16日
(33)優先権主張国 米国(US)
(31)優先権主張番号 08/389,886
(32)優先日 1995年2月15日
(33)優先権主張国 米国(US)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,
LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,M
W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD
,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 ヤング, ラボンネ マリー
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94306,
パロ アルト,カレッジ アベニュー
1450
(72)発明者 リネン, ジェフリー エム.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404,
フォスター シティ,カタマラン スト
リート ナンバー1 1017
(72)発明者 ウェイジーズ, ジョン
アメリカ合衆国 カリフォルニア 94070,
サン カルロス,チェリー ストリート
ナンバー6 1244