JPH10504225A - デジタル画像定量化のための自動化された方法 - Google Patents
デジタル画像定量化のための自動化された方法Info
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- JPH10504225A JPH10504225A JP9502203A JP50220397A JPH10504225A JP H10504225 A JPH10504225 A JP H10504225A JP 9502203 A JP9502203 A JP 9502203A JP 50220397 A JP50220397 A JP 50220397A JP H10504225 A JPH10504225 A JP H10504225A
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Abstract
(57)【要約】
ほぼ楕円形状の器官のデジタル画像、特に心エコー像の定量的解析方法。第1の好適な実施態様においては、本発明により画像データに一連の円弧状フィルタを適用して得られる最大値を用いることにより楕円形器官の中心点および境界検出のための探索範囲が自動的に決定される。第2の好適な実施態様においては、1対の楕円弧状フィルタを用いて左右心外膜の位置を推定し、整合楕円形フィルタを用いた前方心外膜の位置の推定を可能にする。推定された前方心外膜位置と後方心外膜位置とから左心室の中心点が求められる。ついで中心点に基づく多数の円形のセグメントの各々に沿って振幅分布を生成することにより器官境界の位置を推定する。近似的に求められた境界を、境界のモデルとして使用される楕円弧の対と比較して最も良く適合するものを求める。このモデル化された境界を画像と重ねて表示する。造影剤注入の前後に一連の拡張終期画像を得る自動ビデオ濃度測定法も開示されている。
Description
【発明の詳細な説明】
デジタル画像定量化のための自動化された方法
発明の背景
本発明は米国国立衛生研究所(NIH)より許可/契約番号HL-35927として供与さ
れた政府支援によりなされたものであり、本発明に関して政府は一定の権利を有
する。
1 発明の分野
本発明はほぼ楕円体状の器官のデジタル画像、特に二次元心エコー像の定量的
解析法に関する。
2 関連技術
二次元超音波画像化は各種器官の広範囲な特徴づけのための重要な非侵襲的技
術として用いられている。超音波画像化においては、画像化しようとする器官に
向かってトランスデューサから音波パルスをビーム状に送出する。パルスはそれ
が伝播する媒体と異なる音響インピーダンスを持つ媒体に当たると減衰して反射
される。パルスの通過に要する時間はその境界のトランスデューサからの距離を
表し、反射されるエネルギーの量は境界の両側での音響インピーダンスの差を表
す。(実際にはパルスが伝播する過程でエネルギーが減衰するので、反射信号の
後処理として信号の時間的減衰を補償する時間利得制御が行われる。)パルスの
体内での伝播速度が一定と仮定し、平面を横切る2つの異なったビームを利用す
ることにより、空間座標上における受信エネルギーの二次元記録が器官の断面を
示す。
心エコー検査法は超音波画像化を心臓に適用したものであり、心臓病の推定や
心臓の構造と機能の特徴づけに広く用いられている。このように普及したのは主
として、非侵襲的であること、心臓の構造と運動を共にリアルタイムで観測でき
ることによる。心エコー検査法によれば、心臓の構造、心室の直径と容積、心臓
壁の厚さ、弁膜の構造、駆出率などに関する大量の定量的情報が得られる。
心エコー検査法のリアルタイム機能は心臓周期内の心臓構造の形状変化の測定
に利用される。この解析のためには、心臓壁、特に左心室の内側(心内膜)及び
外側(心外膜)の境界を完全に決定する必要がある。現在得られている証拠によ
れば、二次元心エコー検査法によって虚血性疾患を高感度で検出するためには、
心エコー図のフレーム(画面)上の心内膜境界を、拡張終期および収縮終期のみ
ならず心臓周期全体にわたって知る必要がある。
左心室の全体的および局所的機能は心臓疾患の予後を決める重要な変数である
から、心エコー像から定量的な機能指数が得られることが強い関心を呼んでいる
。現在そのような指数(例えば、左心室容積および左心室駆出率)は、ライトペ
ンまたはデジタル化タブレットでなぞられた、測定者の定めた心臓の境界から計
算されている。しかし二次元心エコー図上で心内膜境界をなぞることは手間がか
かり、境界の選定も甚だ主観的なものである。事実大部分の系統的研究において
、境界に関しては測定者間にも、同一測定者の繰り返しの間にも相当の変動が認
められている。
収縮期および拡張期の壁の運動パターンの描写のため心臓周期全体にわたる解
析が必要になり、あるいは心臓機能の長期的履歴を得るために多数の心エコー像
の処理が必要になるにつれて、手作業による境界の確定はますます労働集約的と
なっており、したがって心エコー像における境界の確定をできるたけ自動化する
ことが望まれる。境界を自動的に決定できれば、手作業によるなぞりに伴う主観
性が排除でき、定量的解析の信頼性を高めることができる。
心エコー像の境界領域をコンピュータによって自動的に認識することは、心エ
コー像の品質が低いために困難な場合が多い。境界領域が明確な輪郭を持たない
のは、強度コントラストが弱いこと、画像中の信号のドロップアウト、あるフレ
ームでの境界の不連続性など、エコー画像に固有な制約のためである。(ドロッ
プアウトは、音波が1つの構造中の2つの異なるレベルで反射され、位相の異な
る反射波が同時にトランスデューサに到達してそれらの振幅が相殺されるために
発生する。したがってその深さに対しては反射信号が検知されない。)
心エコー像の品質が低い原因には、最初の音波パルスの残響や、入射波面が組
織の微細構造に当たって生ずるスペックルノイズ(画像に重なって細かい「胡麻
塩状」のパターンが現れる)などもある。心エコー画像化のもう一つの制限は、
心臓壁と超音波ビームのなす角度が小さいとき音波の反射がかなり弱くなること
である。このため心エコー像では心臓の側面壁の境界は通常不明瞭であり、左心
室の画像化では心臓壁の前壁および後壁のみが明瞭に示されるのが一般的である
。
過去数年の間にコンピュータによるデータ処理技術が進歩した結果、心エコー
像における境界の検出を行ういくつかの方法が適用できるようになった。しかし
心エコー像は信号/ノイズ(S/N)比が低く、著しい不連続性があるため、多くの
研究者は画質改善と境界検出には困難を感じている。例えば、二次元心エコー像
の自動的境界検出法が報告されているが、画質が良好でなければ適用できず、ま
た境界検出に先立って心内膜の縁の像をより連続的なものとするため平滑化処理
が必要である。この分野の総説がリチャード・イー・ケルバー(Richard E.Kerb
er)編”Echocardiography in Coronary Artery Disease”の第22章として、イ
ー・エー・ガイザー(E.A.Geyser)により”Applications of Automatic Edge De
tection and Image Enhancement Techniques to Two-Dimensional Echocardiogr
aphy and Coronary Disease”の標題で発表されている(Futura Publishing Com
pany, Mount Kisco, N.Y. 1988,ISBN 087993-325-9)。
以上の理由で、超音波像、特に心エコー像の定量的特性を自動的に決定する方
法に対してのニーズがある。また画像化された構造の中心を求め、境界を近似す
る自動的な方法が特に必要とされる。心エコー像に関して言えば、利用者による
入力を必要とせず、左心室の中心を定め、心内膜および心外膜境界を近似し、心
臓壁の運動を推定する自動的システムが要請されている。さらに右心室からの圧
力または容積のオーバーロードによって生ずる心室中隔の扁平化の存在を自動的
に検出できることが望ましい。
本発明はそのような方法を提供するものである。本発明においては、コンピュ
ータ・ソフトウェアとして実現される数学的方法を用いて、心臓壁の運動、心臓
壁の厚さ、二次元短軸心エコー像における面積変化率をほぼリアルタイムで自動
的に定量化する。このシステムは病院で患者のベッドサイドで使用することもで
き、あるいは患者の心臓の健康状態を詳細に評価することが必要とされる心エコ
ー室においても使用することができる。本発明の他の用途は手術室での使用であ
り、顕著な冠状動脈疾患を有する高齢患者の手術に際して利用することも可能で
ある。さらに本発明は手術の間、患者の心臓を連続的かつ自動的に監視し、虚血
性変化の発生を検出する手段を提供するものである。即ち、医師による連続的監
視や侵襲的なカテーテル挿入を必要とせず、介助医が危険の可能性について警告
をうけることができる。
発明の要旨
本発明はその一つの好適な実施態様において、極めて大型の円弧状フィルタを
用いて左心室の中心および心内膜の境界に囲まれた部分の面積を自動的に決定す
る。左心室後壁に沿った心内膜境界領域を近似的に決定するのに用いられる円弧
状フィルタは、中心点に向かう方向に取った隣接方向微分の総和の近似と考える
ことができる。図示した実施態様において、本発明の方法によれば1対の円弧状
フィルタを用いて心室後壁に沿った心外膜および心内膜の境界領域を同時に決定
する。
他の好適な実施態様においては、本発明による方法は1対の楕円弧状フィルタ
を用いて左右心外膜の位置の第一近似を定め、ついで楕円形フィルタによって心
室前壁に沿う心外膜境界領域を推定し、推定された前方の心外膜境界位置と後方
の心外膜境界位置とから左心室の中心点を決定する。
中心点を自動的に決定した後、一つの実施態様においては、セクター(扇形領
域)の一次微分振幅分布を生成・解析して心外膜および心内膜の境界の最も確か
らしい位置を決定する。ついで6個の楕円弧を選んで接続し、心外膜および心内
膜の境界をモデル化する。6個の弧のうち4個は心外膜境界のモデル化に用いら
れ、残る2個は心室前壁に沿う心内膜境界のモデル化に用いられる。こうして得
られた2本の最良適合曲線の間隔が前壁の厚さを表す。弧の対を用いることによ
って、心内膜境界を心外膜境界として認識したり、その逆に認識したりする等の
混同が防止される。
次に、中心点を起点とする多数のセクターのそれぞれに対応する一次元一次微
分振幅分布を生成し、収縮終期の心エコー像フレームの振幅分布と拡張終期の心
エコー像フレームの振幅分布との間の相互相関を用いて各セクター内での心臓壁
の運動を検出する。この相互相関技術は、完全な心内膜境界の推定を必要としな
い動的整合性フィルタを提供する。このように本発明の方法によれば、実際に境
界を検出することなく、局所的な心臓壁の運動をリアルタイム、またはこれに近
い条件で定量的に測定することができる。この手法は定量化に利用できる画像情
報を最大にできる。
他の好適な実施態様においては、中心点を自動的に決定した後、楕円フィルタ
を用いて心外膜および心内膜の境界の第二次近似位置を求める。第二次近似を行
うには、前方および後方の心外壁への半径、半長軸、および計算で求めた中心点
と左右心外膜境界との距離に基づいて楕円フィルタを動的に決定する。中心点と
心外膜境界が近似されたら、左心室をいくつかの等角領域に分割し、各領域につ
いて、計算された中心点から任意の半径位置における平均グレーレベル(gray le
vel)の累積分布を計算する。この累積分布を用いて心外膜境界の位置の近似を調
整し、心内膜境界を定義する。
次に心外膜および心内膜位置の決定手順の一つとして、心外膜および心内膜境
界についての良さの指数(figure of merit)を計算する。空洞ないし心室の平
均グレーレベルを計算する領域が心室内に定められる。心外膜を定める楕円弧に
沿った画素の強度(intensity)値を領域内の心室平均グレーレベルと比較し、
その結果に基づいて心外膜および心内膜の位置を推定する。
本発明は右心室からの圧力または容積のオーバーロードによって生ずる心室中
隔の扁平化の存在を自動的に検出する手段をも含む。このためには、前方の心外
膜および心内膜境界の検出のために円弧フィルタ対を用いたのと同様な方法で、
心エコー像に1対の直線フィルタを適用する。本発明はまた左心室中隔における
信号の欠如(ドロップアウト)を検出するためのテスト方法を含む。このテスト
は、心室内の像の小領域の平均グレーレベルの最小値と、心室中心から中隔へ向
かう線分に沿って選んだ同様の大きさの領域の平均グレーレベルの最大値とを比
較することによって行う。最小値領域に対する最大値領域のグレーレベルの比が
2未満であれば信号ドロップアウトが検出されたものと考える。本発明はさらに
、画素ごとに血液プールの分類を行う方法を含む。この方法は心室中心の自動的
決定から始まる。
以上に加えて、本発明は造影剤注入の前後に一連の拡張終期像を得ることがで
きる自動ビデオ濃度測定方法を開示する。各一連の像の取得において、造影剤注
入前の基底線期間からコントロール(対照)フレームを得る。患者データ、心電
図その他の無関係な情報を削除した後、セクター走査の側部と最後の行を検出し
、ついで心内膜および心外膜境界の近似的な位置を検出する。左心室については
、コントロール期間中に定義された心内膜境界を対象領域とする。右心室流出路
についても対象領域を定義する。造影剤を注入した後、各画面上で後側の円弧フ
ィルタを計算することにより後方心外膜の位置を近似する。左右心室の対象領域
が呼吸周期全体を通じてすべての画面に正しく記録されていることを確実にする
ため、後側円弧フィルタの位置を最初のコントロールフレーム上の位置からのず
れに従って平行移動する。左心室の画素の平均強度を近似心外膜境界によって囲
まれた画素について計算し、同様にして右心室流出路における画素の平均強度も
計算する。一連の拡張終期画面の平均画素強度をバックグランド画素の平均強度
と比較すれば、各注入に対する時間−平均輝度曲線が得られる。心筋層領域を冠
状動脈の分布を近似する領域に分割し、本発明による方法を用いて造影剤注入前
後の画素平均輝度を比較すれば、潅流の有無を推定することができる。
本発明の好適な実施態様の詳細を以下に説明する。本発明の詳細が理解されれ
ば、当業者にとってはその他多数の改良や変更も明らかとなるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、心臓短軸に沿って画像化した左心室および右心室の一部を示す図であ
る。
図2は、本発明の実施態様において用いられる後側円弧フィルタの模式図であ
る。
図3a、図3bは、計算速度を向上させるため、本発明に従って心内膜および心外
膜境界領域の探索範囲が制限される様子を示す。
図4は、本発明による後側円弧フィルタを用いて計算された画素の位置を示す
。
図5は、画像上で各列に1点のみを持つ後側円弧フィルタの適切な推定によっ
て、対象領域の後方心外膜位置付近に点が自然に集中することを示す模式図であ
る。
図6は、本発明の一つの好適な実施態様において使用される前側円弧フィルタ
の対を示す。
図7は、本発明で使用される、前方心外膜の探索範囲を制限する上下の限界を
示す。
図8は、本発明の方法により決定した前方心外膜と後方心外膜の中点として計
算される中心点の決定方法を示す模式図である。
図9は、本発明によって心エコー像上で心外膜および心内膜の境界をモデル化
するための6個の楕円弧を示す。
図10aは心エコー像の写真であり、本発明による自動化された方法で定義され
る拡張終期における中心点、心内膜および心外膜の境界を示している。
図10bは心エコー像の写真であり、本発明による自動化された方法で定義され
る収縮終期における中心点、心内膜および心外膜の境界を示している。
図11は、本発明に従って心エコー像の左右の心外膜境界をモデル化するために
用いられる楕円弧の模式図である。
図12は、心外膜境界がどの様にして幾つかの等角領域に分割されるのかを示す
もので、この等角領域の累積強度分布が本発明に従って楕円弧モデルの良さの指
数を計算するのに用いられる。
図13は、本発明に従って楕円弧モデルの良さの指数を計算するのに用いられる
、心室空洞内の小領域の定義を示す。
図14は、本発明による楕円弧モデルの良さの指数によるフィードバックを採用
した超音波画像化システムのデータ経路を示すブロック図である。
図15は、良さの指数の計算と心外膜位置の推定のために後側フィルタと仮想座
標データが本発明に従ってどの様にして処理されるかを示す模式図である。
図16は、本発明に従って推定対象領域と良さの指数が画質改善の自動化にどの
様にして用いられるかを示す模式図である。
図17は、本発明に従って良さの指数の計算と対象領域の推定に仮想座標がどの
様に使用されるかを示す模式図である。
図18は、本発明によって心臓壁運動の測定のために生成される、8セクター相
互相関パワー曲線の例を示す。各セクターについての可変オフセット値は、その
セクターにおいて心内膜が移動した半径方向ユニット数の計算推定値を示す。
図19は、本発明の実施態様において心室中隔における信号消失を検出するため
に使用される比較領域と、心臓に対する向きを示す模式図である。
図20は、本発明により実現される自動ビデオ濃度測定に用いられる、各造影剤
注入に対する時間−平均画素輝度曲線の模式図である。
図面中の同一番号および同一記号は、同一の要素を示す。
好適な実施態様の詳細な説明
以下の説明において記述する好適な実施態様および実施例は、本発明の方法を
限定するものではなく、例示と考えるべきものである。概観
以下の説明では512×480画素のイメージを想定する。しかし以下の説明がいか
なる解像度のイメージにも容易に適用できることは、当業者には明らかである。
図1は左心室および右心室の一部の心臓短軸に沿って見た図である。左心室に
おいては前方心内膜境界10、前方心外膜境界11、後方心内膜境界12、後方心外膜
境界13が示されている。後方心内膜境界12の近くで左心室内に突起している組織
部分は乳頭筋14である。左心室の断面は、外膜境界、内膜境界ともほぼ楕円形で
ある。
左右心室の図に重ねて、左心室を45°のセクター8個に任意に分割する直線が
示されている。セクターは左心室の前方自由壁を含むセクター1から反時計方向
に、左心室前方自由壁を含むセクター8まで、順に1から8までの番号がつけら
れる。セクター2、3、4は左右の心室を隔てる心室中隔16を含む。
好適な実施態様においては、本発明の方法はコンピュータに搭載したプログラ
ムによって実行される。心エコー像は超音波装置によって、約30枚/秒の速度で
得られる。そのような超音波装置は当技術分野では周知である。フレームはデジ
タル化され、適当な保存媒体(磁気ディスク、光ディスクなど)に保存される。
好適な実施態様においては、フレームのデジタル化は512×480画素のマトリック
スを用いて行われる。そのような画像データのサンプリングとデジタル化は当技
術分野では周知であり、一般にいわゆるフレーム・グラッバー(frame grabber)
回路によって行われる。検査対象とする心臓周期全体にわたるビデオフ
レームをデジタル化することが望ましい。
本発明による自動化手順の第1段階は、左心室の中心点、および境界識別のた
めの探索範囲の決定である。一つの実施態様においては、円弧状フィルタを用い
て心外膜および心内膜の境界の近似的位置を決定することにより中心点を推定す
る。他の好適な実施態様においては、まず円弧状フィルタを用いて後方心外膜の
位置を決定し、ついで左右心外膜の位置を楕円弧フィルタを用いて近似すること
により中心点を推定する。中心点と探索範囲が推定されたならば、心外膜および
心内膜の境界の確からしい位置をより厳密に近似する。本発明の第1の実施態様
においては、心外膜および心内膜の境界の確からしい位置を、計算された中心点
に基づく多数の円弧状セグメントの各々に沿った振幅分布を生成することにより
近似する。本発明の第2の好適な実施態様においては、心外膜および心内膜の境
界の確からしい位置を、前壁および後壁への半径、半長軸、および中心点と左右
境界との間の距離に基づいて動的に決定した整合(matched)楕円フィルタを用
いて近似する。ついで、各々が4つの楕円弧によって形成された閉じた輪郭線に
よって心外膜および心内膜の境界を近似する。これにより、心エコー像にモデル
化した境界を重ねて表示することができる。
心外膜と心内膜の位置を推定する過程で良さの指数を計算する。この良さの指
数は画質改善のために利用することができる。画質改善は技術者の手作業で行う
ことも、自動的に行うこともでき、後者の場合は良さの指数を超音波装置へのフ
ィードバックデータとして利用することができる。
下記の語および変数は本明細書全体を通して下記の意味を有する。
m=セクター走査における行の数
n=セクター走査における列の数
後側フィルタに関係する主要な変数
reach_p =後側フィルタに関連する範囲
inner_radius_p =後側フィルタに関連する内径
outer_radius_p =後側フィルタに関連する外径
band2_p =後側フィルタにおける計算の第2長方形に関連するバン
ド幅
band3_p =後側フィルタにおける計算の第3長方形に関連するバン
ド幅
前側フィルタに関係する主要な変数
reach_a =前側フィルタに関連する範囲
inner_radius_a =前側フィルタに関連する内径
outer_radius_a =前側フィルタに関連する外径
reach_b_a =前側フィルタ内のバンドに関連する範囲
min_wall =壁の最小厚さ
定義
reach_p =m/50
outer_radius_p =m/4
inner_radius_p =outer_radus_p-7 * reach_p
band2_p =m/6+1
band2_p =m/24+1
reach_a =m/60
outer_radius_a =m/5
inner_radius_a =outer_radius_a-7 * reach_a
reach_b_a =m/25
min_wall =2 * reach_p円弧状フィルタを用いる後方境界の決定
この項ではm×nのイメージについて記述する。二次元心エコー像の最も大き
な特徴は、後壁の後ろの心膜を表す強度値が大きいことである。したがって後方
の心外膜境界13は通常明瞭である。しかし心臓内下部には乳頭筋14その他の内部
構造が存在するため、後方の心内膜境界12の位置は不明瞭となっている。
このため、第1の好適な実施態様においては、1個の円弧フィルタを用いて後
方心外膜境界13に対して対象領域を計算する。その基本的な手順は、各画素(xi
,yj)毎に数の集合 S2-S1,S3-S2,...,S8-S7 の最大値を計算するこ
とである。ここにSkは、図において半径が画素数inner_radius
_p, inner_radius_p+reach_p,...,outer_radius_p個分の半円弧に沿って
均一に分布する33本の半径上の画素値の和を示す。半円弧に沿った画素の位置に
対応する角は180°〜360°の範囲で、図示の実施態様では各セクターの中心角は
約5.6°である。後方心外膜境界13領域の近似位置を決定するための円弧フィル
タは、中心点に向かう方向にとった隣接方向微分の総和の近似と考えることがで
きる。図2は本発明の図示の実施態様において用いられる後側円弧フィルタの模
式図であり、(xi,yj)から2つの異なった距離にある画素位置の外側の弧20
と内側の弧21が示されている。
このようにして、33本の半径に対して、(xi,yj)から予め定めた距離にあ
る半径上の画素の強度値の和をとり、これを次の距離に対する同様の和から差し
引く。例えば、各半径を(xi,yj)から画素inner_radius_p個分の長さから
始め、画素reach_p個分ずつ増やして各々の弧についての計算を行うとすれば、
各半径上で(xi,yj)から画素inner_radius_p個分の距離にある画素の強度
の和を求めてs1とし、次に各半径上で画素inner_radius_p+reach_p個分の距
離にある画素の強度の和をS2 とし、以下同様にする。
本発明の利点の一つは、それぞれ零でない重み66個を持つ7個のフィルタ(図
示した実施態様)による最大値を用いることである。通常のエッジ検出方法では
標準的演算子、例えば、3×3のSobel, Laplace, Prewitt, またはKirsch演算子
を用いる。したがってこれら演算子の零でない重みの最大数は9である。3×3よ
り大きいエッジ・ディテクターもこれらの標準演算子の拡大にすぎないことが多
い。本発明の方法では、フィルタの寸法が大きいため、定量化において画像情報
を最大限に利用することができる。
このような円弧フィルタを用いることは、心エコー像上の各画素を中心とする
、厚さが画素reach_p個分の半円弧7個を重ね合わせる効果を持つ。高強度の画
素を最も多く覆う半円を求めれば、左心室の中心点の最初の候補である画素(x0
,y0)と、後方心外膜境界13までの距離を近似する半径が定まる。
本発明の他の実施態様においては、フィルタ値についての計算の必要性を減少
させるため、上記よりも洗練された方法を使用する。即ち1回でなく3回の計算
によって最良適合フィルタを定める。最初の計算においては画像上のx,y位置
の2つおきに演算子を推定し、和(Sk-Sk-c)+(Sk-Sk-2c)の最大のものを実際
の計算演算子とする。ここに各Skは前記の方法で求め、cは定数で、本実施態様
では1単位分の増分(好適な実施態様においてはc=画素min_wall/2個分、即
ち心臓壁の最小厚さ(即ち、何れの像にも含まれることか予想される約min_wal
l個の画素)の約1/2)に設定されている。さらに外側の円弧の中央の位置(図2
に示すように画面下端に最も近い画素位置)の強度は画像中に存在すると期待さ
れる最高強度の1/2以上でなければならないとする。この新たな条件によって、
心外膜境界の位置の候補として高強度の位置のみが考慮されることになる。
追加項Sk-Sk-2cは心外膜が完全な円でないことを考慮して追加したものである
が、この項も通常後側心膜の付近に存在するスペックルノイズの高い画素値を強
調するように働く。
以上の第1回計算では近似的中心(x0,y0)は必ずしも最適値とはならない
が、推定中心が確かに心室内にあることが経験から知られている。
第2回の計算では、第1回計算で最良適合解として求めたy0列を中心とする
、幅が画素band2_p個分である帯域(即ち最初の近似中心(x0,y0)の両側そ
れぞれにあるband2_p/2個の画素によって形成される帯域)の中にあるx,yを
一つおきにとってフィルタを計算する。この場合も演算子は和(Sk-Sk-c)+(Sk
-Sk-2c)の最大値として計算される。この演算子の推定から再び最良適合中心(
x0,y0)が求められる。第3回の計算では、第2回計算で最良適合解として求
めたy0の列を中心とする、幅が画素band3_p個分である帯域(即ち第2回の近
似中心(x0,y0)の両側それぞれにあるband3_p/2個の画素によって形成され
る帯域)の中にあるx,yすべてについてフィルタを計算する。今度は追加項を
用いず、演算子はSk-Sk-cの和の最大値として計算する。この推定演算子から同
じく最良適合中心(x0,y0)が決まる。追加項Sk-Sk-2cの省略により、心外膜
境界の推定精度を向上できる。
この3段階演算の技術によれば、(x0,y0)の最良適合値を得るための計算
時間は、同一のコンピュータで計算したとき第1の実施態様の1/3に減少する。
最初の暫定的な心室中心点および後方探索範囲を定義する半円弧を決定するの
に用いる半径の増分および半径の数としては他の値を選択することもできる。さ
らに、心エコー像上のすべての画素について円弧状フィルタの値を計算するので
なく、予め画素の部分集合を選択しておくこともできる。例えば、左心室中心は
画像の周縁部でなく中央部にあるものと仮定してよいから、画像のエッジ部分に
近い画素については計算しなくてもよい。別の例として、図示した実施態様にお
いては円弧は画素30個以上の半径を持つから、画像の下から画素30個分以下しか
離れていない画素は省略してよい。さらに、円弧フィルタはすべての画素につい
て計算する必要はなく、適当な距離だけ離れた画素についてのみ計算すればよい
。これによって中心点の候補位置の数を減らし、計算の必要性を軽減することが
できる。これ以外にも同様な考察によって単純化のための仮定を行うことができ
る。別の円弧状フィルタを用いる後方境界の決定
別の実施態様においては、デジタル像の下半分における後側円弧フィルタの計
算を、画像中の画素の最大強度レベルの60%以上であるような点についてのみ実
行する。前述した後側フィルタの計算と同様に、この別の後側フィルタも3段階
に分けて計算する。後側フィルタの計算の度に、計算点の占めるゾーン(例えば
、図3a、図3bにおけるゾーン1、2、3)に基づいて円弧の半径を決定する。ゾ
ーンがトランスデューサから遠いほど、円弧フィルタの半径は大きい。第1回の
計算では、複数のフレームを通じて最も適合性の高い列(最良列)を決定する。
第2回の計算では、求めた最良列の両側の狭い帯域を探索し、複数の画面を通じ
て最も適合性の高い行(最良行)を決定する。最後に各画面について、最良列と
最良行のまわりの狭い領域の円弧フィルタの最大値を決定する。
後側円弧フィルタを用いる理由は、左心室の物理的構造、超音波装置の計装、
超音波装置の発生する信号の反射形状に基づく。左心室を短軸側から見ると、横
断面は卵形であり、円弧は心外膜境界のかなり広い範囲にわたって妥当な近似と
なる。
この画像化システムの基礎にある基本原理の一つは、超音波が2つの組織の境
界に達すると一部は両組織の界面で反射され、残りは第2の組織内を伝播すると
いう観測事実である。界面が反射鏡面として働くためには、界面が入射波の波長
よりも大きくなければならない。界面が平滑であることも重要な条件である。こ
の2つの条件が満たされているとき、反射波の強度(I)は次式で与えられる。
ここにrは反射波、iは入射波を示し、Zk(Kは1または2)は各組織の特性
インピーダンスである。心筋層と肺の特性インピーダンスは大きく異なるため(
それぞれ1.7rayle、0.26rayle)、肺後部と心筋層/心膜界面との境界は入射エ
ネルギーを極めて高い比率で反射する。したがって超音波とほぼ垂直なこの境界
がイメージ上では常に最も明瞭な像となる。イメージ上で最も明瞭な像は心臓後
壁の後ろの心膜を表す高い強度値である。このようなイメージのいま一つの特徴
は、心臓後壁の後ろのスペックルノイズが同じく顕著で、かつ頻繁に現れること
である。このノイズをエッジ検出による画質改善で除去する代わりに、後側フィ
ルタは心外膜境界の探索にスペックルノイズを取り込むように設計されている。
後側円弧フィルタの計算の第1段階は、画面上で心筋層と肺の境界が存在する
と推定される部分の画素の最大値を求めることである。収縮終期のフレームでは
、この領域は側壁から離れた画像の下半分の画素を含むと予想される。拡張終期
のフレームでは、この領域は収縮終期フレームで見出された位置を中心とする小
さい長方形であるが、その面積は心臓運動における平行移動と収縮運動を表し得
る程度には充分大きい。この最大画素値の分数として2つの閾値を選択する。好
適な実施態様においてはこの2つの閾値t1、t2はそれぞれ1/2、3/4にとる。次
にその位置における画素の値がt1より小さいが、t1とt2の間にあるか、t2よ
り大きいかによって、画素の値が整数0、1、2の何れかであるような新しい暫
定的画面を作成する。即ち元の画素値がt1より小さければ、その位置の新しい
画素値を0とし、元の画素値がt1とt2の間にあれば新しい画素値を1とし、元
の画素値がt2より大きければ新しい画素値を2とする。この領域に属する画素
で強度がt1以上であるものはすべて、心臓後壁に沿った心外膜境界を
表わしている可能性があると考える。
後側円弧フィルタの計算の次の段階は、患者の心筋層の垂直方向の直径を予想
することである。患者の心筋層の予想される直径は多数の要因に依存する。例え
ば、予想される直径は、入力される極座標の走査データを直交座標に変換するた
めに用いられる走査変換の行の数、典型的患者の心臓の大きさ、作業者の選択し
た深さの設定に依存する。予想される半径は患者の心筋層の垂直方向の予想直径
の1/2にとり、この予想半径の1/2から3/2まで変化する半径を用いて、180°の円
弧に沿って等間隔に位置する100個の画素のグレーレベルの値を合計する。この
加算は画素reach_p個分のステップで行うことが望ましい。
半径50に対するこれらの画素の位置を図4に示した。図にはグレーレベルの値
の減算が行われる画素の位置を示すため半径45の半円も併せて示した。そのよう
な任意の半径をrとすると、sum(r)は円弧に沿った画素値の和である。この円弧
を分割した90°の円弧(y軸に関して対称)に沿った画素値の和をsum2(r)で示す
。このような弧の各々に対して、それに沿った同数の画素値を加算する。画素値
が閾値t1より大きければ、その位置におけるフィルタの出力値は
totalsum=sum(r)+2sum(r+step)−sum(r−step)−
sum(r−2step)−(r−3step)−sum2(r−step)
で定義される。
この和を計算した後、変数totalsumにmin(r, expectedradius)を乗ずる。この
フィルタは上記位置の大部分において重み+1を持つ不変テンプレートによる暫定
的配列の畳み込みである。例外は、重みが2である半径r+stepの弧に沿うもの
である。重みが2である理由は、後壁の後ろのスペックルノイズは関係ないが、
後壁に沿う心外膜境界の位置をよく示す傾向があるためである。sum2(r- step)
の項を差し引かないと、心外膜境界の推定値が小さすぎることが多い。因子min(
r, expectedradius)は半径の推定値が小さくなりすぎることを防ぐ。後側円弧フ
ィルタの返す出力は最良の中心(x0,y0)、心外膜境界の最良の推定位置(x0
. yrowepidown)および最良半径r0を含んでいる。
図5に示すように、後側円弧フィルタは画像上で1列あたり1点を持つものと
して計算することが望ましい。このようにして対象範囲である後方心外膜位置50
の付近の点の自然な集中(重みづけ)が得られるのである。しかしフィルタ自体
は円形即ちx2+y2=r2にとどまる。
上に述べたように、後側円弧フィルタは画像下半分における、最大強度値の60
%以上の点において計算することが望ましい。各フレーム毎に3つの半径におい
てフィルタを計算することが望ましい。最も矛盾のない結果を生じたフレームを
最良フレームとし、以後の計算はこのフレームに基づいて行う。図3a、図3bは計
算速度を向上させるために心外膜および心内膜境界領域の探索範囲をどの様に限
定するかを示している。例えば、図3aに示すように、後側フィルタの計算の最初
の2段階の後で、複数のフレームにわたる後方心外膜の位置の最終的な計算を限
定するために、最初の2段階で得られた最良列302と最良行304の回りの小領域30
0を用いる。各画面の小領域300の中で計算された円弧状フィルタの最大値が後方
心外膜の近似的な位置を決定する。前方境界の決定
図1を再び参照すると、後方の探索領域を計算した後、前方の心内膜境界10お
よび心外膜境界11を、本発明の第1の好適な実施態様においては基本的に後側円
弧フィルタによる方法と類似の方法によって同時に近似する。(x0,y0)近傍
の一群の画素を出発点として円弧状フィルタを生成させる。一つの好適な実施態
様においては、出発画素のx値はx0から画素reach_b_a個分の長さ以内の値で
あり(即ち|x−x0|<10)、y値はy0より大きく長さが画素2 * reach_b_a
個以下(即ちy<y0+2*reach_b_a)である。これによって円弧の対を計算
すべき画素の数が限定される。
前方領域に対しては、心外膜境界10は一般に後方領域におけるよりも明瞭であ
るため、1対の円弧状フィルタが同時に計算され、内側の円弧状フィルタが前方
心内膜境界10の位置を近似し、外側のフィルタが前方心外膜境界11の位置を近似
する。円弧状フィルタの対を用いることにより、心外膜境界11が心内膜境界10と
、あるいはその逆に誤解される可能性が減少する。
図6は本発明の図示の実施態様における前側円弧フィルタの模式図である。図
には内側の弧の対22a, 22bと外側の弧の対24a, 24bおよび画素の位置が示されて
いる。内側の弧22a, 22bは心内膜に対する円弧フィルタ、外側の弧24a, 24bは心
外膜に対する円弧フィルタとなる。好適な実施態様においては、弧の対のそれぞ
れの間の画素の数はreach_a個に選ばれる。
前方心内膜境界10に対する基本的な手順は、各画素(xi,yj)に対して数の
集合S2-S1, S3-S2,...,S8-S7 の最大値を計算することである。ここにSk
は、図示の実施態様において、半径が画素数inner_radius_a, inner_radius
_a=reach_a,...,outer_radius_a個分の90°の弧に沿って均一に分布する17
本の半径上の画素値の和を示す。この90°の弧に沿った画素の位置に対応する角
度は45°〜135°の範囲である。
前方心外膜境界11に対する手順は、非対称フィルタを生成するためにプロセス
が若干変更されている。フィルタの心外膜部分の右側を非対称とする物理的な理
由は、胸郭を横断する二次元心エコー像においては、心臓とトランスデューサの
間では低強度信号が戻るが、肺を表す部分で高強度信号へのシフトすることがし
ばしば見られることである。そこで前壁心外膜境界11に対する円弧フィルタにつ
いては中心角によって重みをつける。各画素(xi,yj)に対して、数の集合に
対する最大値max(Sk-Sk+1, 2 * Sk-Sk-1-Sk+1)+tk-tk+1を定める。ただし Skは4
5°〜67°の範囲の5本の半径に均一に分布する画素値の和、tkは67°〜135°
の範囲の12本の半径に均一に分布する画素値の和である。図示の実施態様におい
て、セクターの弧の半径の範囲は画素inner_radius_a, inner_radius_a+rea
ch_a, ..., outer_radius_a個分である。
前方領域での画素の重複計数を避けるため、図示の実施態様においては心外膜
フィルタに対する半径は心内膜フィルタに対する半径よりも画素7 * min_wall/
10個以上長いものに限定する。
以上で得られた、円弧状フィルタ対に対する最大値を示す画素の位置を(x1
,y1)とする。これは第2の暫定的左心室中心である。フィルタの対に対する
2つの半径は前壁に沿った心内膜および心外膜境界10,11の推定位置を与え、両
半径の差は心室壁の厚さの推定値となる。中心点の決定
円弧状フィルタを用いる本発明の方法を各種の心エコー像に対して試みると、
暫定的中心の計算値(x0,y0)、(x1,y1)はやや高すぎる傾向が見出され
る。実験によれば、真の中心点はx0で定義される垂直軸に沿った前方および後
方の境界11、13の間隔の中点により近い。したがって中心点の位置は(x0,y2
)となる。ただしy2=(y0+r0+y1-r1)/2であり、r0とr1はそれぞれ対応する暫定
的中心の心外膜境界からの距離である。
本発明の他の実施態様においては、前方心外膜および心内膜境界の検出方法が
、点yが実際に境界点となる確率の大きさを与える重みづけ関数を含むように変
更されている。この手法では前壁領域内で反射性ターゲットの確からしい位置を
決定する。この手続きの目的は、像中の構造物でない位置が心外膜として誤認さ
れる可能性を減らすことである。
この代替の手続きでは、上記段階で求めたy0値の前後の狭い帯域(望ましくは
画素2 * min_wall+1個分)を選択し、その中で位置(x0,y0)を中心とする
円弧に沿った画素の値を加算して一次元の分布D(y)を生成する。位置yの分布値
が分布全体の最大値の2/3を超えるならば、その位置の心外膜の重みづけ関数epi
W(y)の値を1とし、そうでないときには0とする。前方領域では心内膜は心外膜
ほど目立たないので、心内膜の重みづけ関数endoW(y)には、その位置の分布値が
分布全体の最大値の1/2を超えるとき1、それ以外のとき0の値を与える。
探索の目的は境界点であるから、特定の位置が空洞内にあるかどうかのテスト
方法を考案した。まず平均値(D(y-10)+D(y-9)+...+D(y+9)+D(y+10)/21によっ
て定義される第2の一次元分布E(y)を作り、その最大値をEmax、最小値をEminと
する。endoW(y)=1で、かつE(y-10)<(2 * Emin+Emax)/3 ならば、endoW(y)の値
を1から2へ増加させる。この値はyの位置のすぐ内側の画素値が空洞内にある
ことを示す。同様の方法でepiW(y)の値も1から2へ増加させる。したがってend
oW(y)とepiW(y)は位置yが境界点である確率の大きさを与える。
帯域の幅として画素21=2 * min_wall+1個分をとることは任意的と見え
るかも知れないが、この選択は、前述の方法で決定した最良列y0が真の中心から
多少左右にずれていても、心内膜および心外膜の境界が検出できるようにするの
に充分な幅が必要であることを考慮したものである。帯域はまた心筋層の直径に
比べて狭くとらねばならない。本実施態様において選んだ比は予想直径の20〜25
%である。
重みづけ関数endoW(y), epiW(y)が決定されたならば、フィルタ演算子を適用
して前壁に沿う心内膜および心外膜境界を同時に検出する。本実施態様において
は、(x0,y0)を含む列の近傍にある画素の位置をQ(x,y)とすれば、(
x,y)におけるフィルタの値は次式で定まる。
V(x,y,k,k+c)=[(Sk-SK+C)・epiW(y1)・(Sk+c-Sk)・endoW(y2)]
(k-(k+c))
ここにskは前記と同様で、y1<y2, y1=y-k, y2=y-(k+c)であり、cは定数で
好適な実施態様では増分1単位に設定されている。因数Sk-Sk+cは第一微分の値
を負にしたものであり、厚さの因子k-(k+c)(即ち定数c)は心外膜境界と心
内膜境界の推定値を強制的に離間させる。この因子は、壁の厚さの無意味な推定
値を防ぐため、前方領域における予想壁厚の最大値と最小値の間の値に限定され
る。好適な実施態様においては、この値は画素reach_a個分に選ばれる。
このようにして得られた、円弧フィルタの対に対して最大値を与える画素の位
置を(x1,y1)とする。これが第2の暫定的左心室中心である。上記のように
中心点は(x0,y2)に定められる。ただしy2=(y0+r0+y1-r1)/2であり、r0とr1
はそれぞれの暫定的中心点から対応する心外膜境界までの距離である側方境の決定
第1の好適な実施態様において、中心点が決定されたならば、1対の整合円弧
状フィルタを用いて側方の心内膜および心外膜境界を決定することができる。後
方心外膜境界13までの近似距離は既に分かっており、フィルタの計算は1個の画
素(即ち中心点)についてのみ行えばよいから、計算の必要性は極めて小さい。
図示の実施態様において、側方の心外膜および心内膜の境界の両方に対して、基
本的な手順は各画素(xi,yj)に対して、数の集合S2-S1, S3-S2, . . . の最
大値を定めることである。ただし Skは、半径が後方心外膜までの距離±m/80画
素に等しい半径を有する1対の90°円弧に沿って均一に分布する17本の半径上の
画素値の和である。この90°円弧に沿う画素位置に関しての角度は右側壁につい
ては 315°〜45°、左側壁については135°〜225°である。
以上のようにして、本発明による方法の第1段階において左心室の中心点と、
心外膜境界、ならびに前方および前側方の心内膜境界の妥当な推定位置が円弧状
フィルタを用いることにより決定される。次節では円弧状フィルタの代わりに楕
円弧状フィルタを用いて中心点を決定する方法を説明する。楕円弧状フィルタを用いる中心点および探索範囲の決定
本発明の他の好適な実施態様においては、円弧状フィルタの代わりに楕円弧状
フィルタを用いて中心点を決定し、前方心外膜および心内膜の境界を探索する。
前壁に沿う心外膜および心内膜の境界はしばしば非常に細長い外観をしているの
で、円弧ではモデルとして不適切な場合がある。経験によれば、楕円形演算子に
よって、心室前壁に沿う心外膜および心内膜の境界のより良い推定が得られる。
心外膜および心内膜境界領域の探索に楕円フィルタを用いるだけでなく、好適な
実施態様においては、拡張終期および収縮終期のフレームに対しての1つの統合
的な中心点についての探索方法を示している。この拡張終期と収縮終期のフレー
ムの中心点の統合は、後側フィルタによる後方心内膜および心外膜境界の推定は
拡張終期フレームよりも収縮終期フレームの方が信頼性が高いのに対して、前側
フィルタによる前方心内膜および心外膜境界の推定は収縮終期フレームよりも拡
張終期フレームの方が信頼性が高いという観測事実を利用するものである。
前記のいずれかの方法で後方心外膜境界と中心点を近似的に求めた後、左右心
外膜の最初の推定位置を計算する。この推定は、一つの好適な実施態様において
は楕円弧状フィルタを用いて行われる。処理速度を速めるため、左右心外膜境界
の探索に用いる行は、上記したように前もって決定した中心点の第1近似の行の
みに限定する。中心点の第1近似は最良列と同じ列に置く。中心点は最良列内で
走査線上の行数に比例する半径に位置決めされる。走査線上の行の数は、後方心
外膜面に沿う点の存在する領域(図3a、図3b参照)によって異なる。図3bに示す
ように、勾配フィルタを含む弧の半短軸bは走査の深さ(セクターに含まれる行
の数)の比として決まる。第1近似の側面フィルタは楕円形で形状的に適合可能
であり、図3bに示すようにx2/a2+y2/b2=1の楕円式に従って形成される。
左右心外膜の位置の推定値を見い出した後、次の段階は前方心外膜の位置の推
定である。この推定はいくつかのサブステップを通じて行われる。第1のサブス
テップは探索範囲の限界を確立することで、これによって重要でない画像上の要
素による混同、例えば、前胸壁のアーチファクト(時としてホットスポットとも
呼ばれる)と前方心外膜の混同を避ける。すでに求めた中心点からの距離と暫定
的左右心外膜境界によって決まる楕円弧を通じた総和によって、前方向の強度レ
ベルの累積分布を生成する。ついでこの分布の閾値を、分布の平均に標準偏差を
加えたもの(即ち、threshepi=mean+1 std. dev.)と定める。前壁の存在する可
能性のある最大および最小の行は、すべてのフレームを通じて閾値以上の一貫し
た値を示す最初と最後の行として定まる。こうして前方心外膜の探索はすべての
フレームを通じて定められた閾値を超える一貫した値を示す最初と最後の行の範
囲内で行われる。このことは図7に領域700として模式的に示されている。
心臓壁(筋肉)の厚さの第1近似は走査の深さを15で割った値である。成人に
対する心エコー検査法は大部分の場合走査深さ16cmで行われるので、この第1近
似は通常の成人の左心室壁の予測厚さ(約1cm)の近似値として妥当なものであ
る。もとよりこの除数は条件(例えば、小児の心エコー像、種々の走査深さなど
)が異なればそれに応じて変更することができる。上記のように限定した探索範
囲の内部で第2の微分を行う。微分値が平均値と標準偏差の2倍との和(mean+2
std. dev.)を超えるような位置は前壁の内側にあると考える。拡張終期から収
縮終期までの各フレームでのそのような位置の上限が各フレームにおける前側の
位置の第1推定値である。後方心外膜位置の推定値と同様に、他のフレ
ームに比べて変化の少ない前側の位置がが見出される。全フレームを通じての前
側の位置の最後の探索はこの点の回りの小さい長方形領域内で行われる。
前側フィルタの計算の主要なサブステップは次のとおりである。まず中心点(
x0,y0)の上方垂直線に沿う最大値Vmaxを集合Lv={(x0,y): y≦y0}として
定める。画素値がVmax/2よりも大きい最初の点(x0,y1)を求め、y0をmin(y0,
(y1+y0+r0)/2)で置き換える。したがって中心が低い位置にあるときは多少高い
位置に移される。この新たに調整した中心も(x0,y0)で表す。半径r0をyrow epidown
-y0として再計算する。
次に2つの水平ビームLr+{(x, y0):x≧x0+r0/2}およびLt+{(x, y0):x≦x0-
r0/2}の各々に沿った最大画素値を計算する必要がある。この2つの最大値が生
ずる位置をそれぞれ(xl, yo)、(xi, yo)とする。再び垂直ビームLv={(x0,
y): y≦y0}に沿った最大値Vmaxを見出す。
次にLv上に中心を持ち、y≧y0-r0である小長方形(寸法は等しい)すべての最
小平均値Vminを計算する。Vminの値は空洞内の平均グレーレベルを表す。ついで
2つの心外膜閾値threshepi1=2Vmax/4,threshepi3=3Vmax/4および2つの心内膜
閾値threshendo2=(2Vmax+2Vmin)/4,thershendo3=(3Vmax+Vmin)/4を定める。
値がそれぞれthreshepi. threshendoよりも大きい画素位置の対(x0, yepi),
(x0, yendo)に対して、形状がx2/b2+y2/a2=1の楕円弧に沿うx∈[x0-2/3r0, x0+
2/3r0]の値の和を計算する。但し、x≧x0, a=x1-x0のとき b=yepi-y0, a=x1-x0
である。前壁に沿った心筋外側の領域は画素値が通常低いいことを考慮して、b=
yepi-stepである同様な楕円弧に沿った画素値の和を差し引く。心内膜境界に沿
った和に対してもb=yendo-y0である同様な同心楕円弧を作り、空洞の強度値が小
さいことから、b=yendoy-y0-stepである楕円弧に沿った画素値を差し引く。フィ
ルタの出力値は、特に収縮終期フレームにおいて、yendoが心外膜の内側にある
とき最大になることが多いので、結果に因子yendo-yepiを乗ずる。
フィルタの出力値が最大となるyの2つの位置yepi yendoを見出す。次に後側
指数と同様にして前側指数を計算する。後側フィルタの返す中心の座標x0は
通常信頼度の極めて高い推定値であるから、前側指数はyがy0よりも大きい位置
(x0, y)についてのみ計算すればよい。
上に述べたように、xおよびy座標(xp, yp)は画像上で後側整合円弧フィルタ
の返す(後側心外膜を定義する)出力値が最大値に達するような位置を定義する
。後側フィルタによって左心室中心を通る垂直線が高い信頼度で推定できること
が分かっているので、前側フィルタはx=xpであるような(x, y)位置についての
み計算すればよい。こうして左心室の中心は(xp, (ya'+yp)/2)で定義される。
ただし ya'は前側楕円弧フィルタの返す値が最大になるような限界点のy座標で
ある。
本発明による前方心外膜の探索の重要な点の一つは、探索を粗い推定から始め
、最終的選択に向けて処理を段階的に行うことである。本発明の他の重要な点は
、必要とする画像と構造によって異なる規模の累積分布および微分操作を用いる
ことである。本方法はまた最終的選択の過程で複数フレームによるデータの一時
的な冗長性を利用している。
図8に示すように、全てのフレームの前側境界が決定されたならば、全てのフ
レームの中心点800は上記によって決定された前方心外膜と後方心外膜の中点と
して計算される。最終的な中心点は収縮終期フレーム上で決定される。左心室の
運動による中心点の平行移動は中心点の経時的運動として計算することができる
。残る収縮期フレームの最終的な心外膜および心内膜の境界の探索は収縮終期の
中心点に基づいて行われる。
このように、本発明のこの好適な実施態様における第1のステップは、左心室
の中心点、ならびに心外膜境界および前方・前側方の心内膜境界の妥当な推定位
置が自動的に決定される。第1の望ましい方法においては、前方心外膜境界の位
置の推定に円弧状フィルタを用い、第2の望ましい方法においては楕円弧状フィ
ルタを用いる。楕円弧モデルによる最良適合の決定
心外膜および心内膜の境界は外観上卵形であるが、これを正楕円形としてモデ
ル化することは、心臓の運動および表面が多数の不規則性を示すことから無理が
ある。このような方法に伴う不安定性を避けるため、本実施態様においては心外
膜および心内膜の境界を6つの楕円弧を接続して得られる曲線でモデル化する。
4つの弧は心外膜全体をモデル化し、残る2つは前方心外膜10をモデル化するた
めに用いる。内外の最良適合弧の間の距離は前壁に沿った壁の厚さを表す。内外
の弧の対を用いることによって、心内膜を心外膜と、あるいはその逆に誤認する
危険が避けられる。
上記いずれかの方法によって決定される中心点(x0, y2)を用いて、一つの好
適な実施態様においては心エコー像をセクターに分割する(例えば、中心角11.2
5°のセクター)。各セクターに対して、中心点に中心を持つ狭い円弧領域の所
定の間隔における累積的グレーレベル(強度)を示す一次元振幅分布を生成させ
る。
振幅分布の計算において半径を例えば画素inner_radius_a個分から始めてre
ach_a個分ずつ増加させるとすると、11.25°の弧各々において画素inner_radi
us_a個分の位置にあるすべての画素の強度を加算し、中心点から画素inner_ra
dius_a個分の距離までの楔形領域内のすべての画素値の累積強度レベルに対し
てスケーリングする。ついで画素inner_radius_a+reach_a個分の位置にある
各弧上の全ての画素の強度を加算し、中心点から画素inner_radius_a+reach_
a個分の距離までの楔形領域内のすべての画素値の累積強度レベルに対してスケ
ーリングし、以下同様に進める。
この方法では、弧に沿った画素の数が外側の弧ほど多いので外側の弧に内側よ
り大きい重みがつけられる。このような重みづけは、心外膜境界と心内膜境界を
区別する上で多少とも有利である。しかし必要に応じて画素計数値を規準化して
半径に関わらず等しい重みを持たせることも、振幅分布において1本のビーム(
例えば、セクターの境界の一方を定義する半径)のみに沿った画素の和をとるこ
とも可能である。
顕著な強度差を持つ振幅分布計数値をさらに区別するため、各振幅分布につい
て一次微分を計算する。図示の実施態様においては、新たに値Hi'の振幅分布を
式Hi'=Hi-Hi-1によって計算する。一次微分振幅分布を計算することにより、画
素値の差の大きさが強調される。
各セクターについて一次微分振幅分布を計算した後、各振幅分布の値を調べて
2つのピーク値を検出する。ただしピークは少なくとも画素7 * min_wall/10個
分離れているという制約条件をつける。角45〜155°(心室中隔の近似的位置)
に対応する振幅分布においては、一次微分を負にしたものの2つの最大ピークの
位置も決定し保存する。
次の段階は心外膜境界および前方心内膜境界に最もよく適合する接続楕円弧の
組を選ぶことである。単一の楕円は何れの境界にも十分よく適合しないので、本
実施態様では図9に示すように、端で接続された6個の最良適合楕円弧(各々楕
円の1/4に相当する)の組を選択する。6個の弧は31〜36で示されている。
原点に中心を持つ縦向きの楕円の方程式は、半長軸の長さをa、半短軸の長さ
をbとすれば、x2/b2+y2/a2=1である。したがって楕円の四半弧も同パラメータa,
bで決まる。解析しようとする心エコー像に関して、楕円の1/4に相当する暫定
的な楕円弧を、対応する心外膜または心内膜境界の1/4に対する一次微分振幅分
布と比較して最良適合を求める。
好適な実施態様においては、単純化のための制約条件を置いて計算の必要性を
軽減する。各楕円弧の原点は中心点とする。円弧フィルタ法によって求めた、中
心点から後方心外膜面境界13までの距離は信頼性が高いことが見出されているの
で、本発明の好適な実施態様においては、その距離を一定と考え、図9の楕円弧
33、34の半長軸とする。中心点から前方心外膜境界11までの距離の推定は信頼性
が低いので、計算値の前後の小範囲(例えば、3〜5)も楕円弧31、32の半長軸と
して可能性がある。中心点から左右心外膜境界までの距離の計算値はそれぞれ楕
円弧32、33および31、34の半短軸として用いる。(必要があれば計算値前後の値
を用いてもよい。)同様に、楕円弧35、36の半長軸および半短軸は前方心内膜境
界10および側方心外膜境界の位置の計算値から選択する。
いま一つの制約条件は、前方心外膜面と心内膜に相当する楕円弧の半長軸およ
び半短軸は各々差が画素7 * min_wall/10個分以上であることである(即ち、壁
の最小厚さが画素7 * min_wall/10個分である)。さらに他の制約条件は、パラ
メータaの値がパラメータbの2倍を超えないことである。即ち心外膜面の形状は
あまり細長くはなく、むしろ円に近いと推定することになる。最後に、
振幅分布データへの最良適合を決定するため、内側の楕円弧35、36と外側の楕円
弧31〜34とを組み合わせて使用する。
以上の制約条件によって、弧の対として可能なのは、これら制約条件を満たす
四半楕円弧の組み合わせのみに限定される。
上記制約の範囲内で、可能な楕円弧の対(即ち内側の弧35、36および外側の弧
31〜34)の座標を一次微分振幅分布のピーク値と比較し、各対に対して「良さの
指数」Nを計算する。図示の実施態様において、Nは次の4つの規則に基づいて計
算される。(1)Nの初期値は評価しようとする弧の対すべてに対して0とする。(2
)0〜180°の間の角度に対する一次微分振幅分布が、心内膜境界を表す弧35、36
の画素3個分の長さ範囲でピークを持つならば、Nを1だけ増やす。(3)155°〜4
27°の角度(即ち155°から反時計方向に67°まで)に対する一次微分振幅分布
が、心外膜境界を表す弧32、33、34、31の画素m/80個分の長さ範囲でピークを持
つならば、Nを1だけ増やす。(4)45°〜155°の角度に対する一次微分振幅分布
を負にしたものが、前方心外膜境界を表す弧31、32の画素m/80個分の長さ範囲で
ピークを持つならば、Nを1だけ増やす。
パラメータa, bは上記の通り一連の弧の対を定義するために変化させられる。
Nが最大となる内側の弧の対35、36および外側の弧31〜34が振幅分布データに対
する最良適合と判定され、したがって心外膜境界および前方心内膜境界の楕円弧
モデルを定義する。
解析した3つの収縮終期フレームのうち、Nが最大のものを最適の収縮終期フ
レームとして選ぶ。
中心点を自動的に決定し、心外膜および心内膜の境界を楕円弧の組合せでモデ
ル化する上記の手順を、収縮中期および拡張終期から選んだ3つの心エコー像に
ついて繰り返す。
次に、収縮終期・収縮中期・拡張終期に対して以上のようにして決定した心室
中心と楕円モデルを、対応する心エコー像に重ねて画面に表示させることができ
る。図10aは心エコー像の写真であり、本発明による自動化された方法によって
決定した、拡張終期における中心点40、心内膜境界41、心外膜境界42が示されて
いる。図10bは心エコー像の写真であり、本発明によって決定した、収縮終期に
おける中心点40、心内膜境界41、心外膜境界42が示されている。
以上の手順は周知の数学的方法によって心内膜のモデルを生成するので、楕円
モデルによって囲まれる容積を計算することができる。楕円弧モデルの良さの指数を決定する別の方法
本発明の方法の他の好適な実施態様においては、中心点を決定した後、左右心
外膜の探索を繰り返す。左右心外膜の第2回の探索では、心臓前後壁までの半径
、半長軸、および中心点から左右境界領域までの距離によって動的に決定される
楕円フィルタを用いる。左右の心外膜境界領域は図11に模式的に示されている。
図11に示すように、左右フィルタの計算範囲は、上記で決定した心室の外膜長
径の約25%に限定される。この限定は処理時間を短縮し、誤った画像データの悪
影響を減らすためのものである。フィルタの零でない重みの半径方向の分離は動
的であり、左心室の垂直方向直径に対する比として計算される。フィルタの零で
ない重みの半径方向の分離を計算する目的は、分離を最適化して最良の勾配情報
を得ることである。また計算によって、探索の結果心内膜の内側から心外膜の外
側に至るような勾配が生ずることを避けることができる。図11には3つの楕円弧
を示した。楕円弧の形状は各画素値で左右に調整される。楕円フィルタは動的で
あり、各フレーム上において非零要素の寸法、形状、および間隔を適合させる。
楕円弧モデルの最良適合を求める方法の詳細を以下に説明する。
図12に示すように、心外膜境界領域を推定するための接続楕円弧を定義する中
心点と心外膜の点とを決定したならば数個の等角セクターを計算する。このセク
ターは、中心点から適当に選んだ半径距離にある画素の累積グレーレベル分布を
含む。以下に詳説するように、これらの等角領域は心外膜境界を調節し、心内膜
境界の定義を助けるために使用される。一つの好適な実施態様においては64個の
等角領域を計算する。楕円弧フィルタの良さの指数ないし適合指数を計算するた
めには、領域を8つの等角領域に分割することが望ましい。各領域内でこれを含
む累積分布を各半径において平均する。平均はここでも推定された心外膜に平行
な楕円弧に沿って計算する。分布は心外膜境界に平行な楕円弧に沿って加算する
。上記8個の領域で心外膜に対応する弧に沿って強度の総平均を計算する。半径
方
向の平均ないし規準化分布の計算は、中心点付近のクラッターやノイズの小領域
の重みを減らすことを目的とする。
このようにして、楕円弧フィルタの良さの指数は心外膜および心内膜の位置の
推定の過程の一部として計算される。この好適な実施態様においては、良さの指
数は中心点から8つの方向に向かって計算される。良さの指数は多数の領域にお
ける境界データの質を示すものであり、以下に詳述するように、手動操作により
、または超音波装置の自動フィードバック機構を利用して画質を改善するのに利
用することができる。
楕円弧モデルの良さの指数の計算の次の段階は心室空洞内に小領域を定義する
ことである。図13に示すように、心外膜の推定位置で定義される心室空洞114の
内部に領域112を定義する。領域112は中心点116の行を下限、前側方向の半径の1
/2を上限とし、幅が中心点の列から左右それぞれ半径の1/4であることが望まし
い。このように定義した領域112はバックグランド・エコー信号レベル(血液プ
ールとも呼ばれる)の最適近似値を持つことが期待される。
領域112の平均強度、即ち心室グレーレベルを計算し、心外膜を定義する楕円
弧の強度値と比較する。多数の領域、望ましくは8個について境界データの質を
求める。心外膜の強度データが心室の8分円のグレーレベル以下であれば、その
心外膜データは不良と評価される。8分円内の心外膜のグレーレベルが心室の平
均より大きく、しかし8分円の平均グレーレベルとその標準偏差の1/2との和よ
り小さいならば、その心外膜データには疑問があり注意を要する。8分円内の心
外膜のグレーレベルが、8分円の平均とその標準偏差との和よりも大きければ、
推定位置は適切である可能性が高い。超音波装置における良さの指数を用いた画質改善
上述のように、良さの指数は画質改善のためのフィードバック情報を提供する
ために使用できる。図14は上記の方法で計算された良さの指数によるフィードバ
ックを採用した超音波画像化システム200のデータ経路を示す。図14に示すとお
り、良さの指数は画質の調節・改善のために画像化システムの幾つかの工程で導
入することができる。望ましくは、超音波画像化システム200は、整相素子アレ
ートランスデューサ202、線型増幅器204、時間利得補償ブロック206、アレイラ
イン時間遅れブロック208、単一要素入力を加算しRF走査線を形成する加算ブロ
ック210、ダイナミックレンジ制御入力214を持つ対数圧縮増幅器212、整流およ
び包絡線検出ブロック216、極座標走査ラインデータを出力し極点像を形成する
ローパスフィルタ218、前処理ブロック222、イメージを極座標から直交座標に変
換するデジタル走査変換ブロック224、後処理ブロック226、ビデオディスプレイ
230に表示されるRS-170ビデオ信号を発生するデジタル・アナログ変換器228を含
む。
既存の超音波装置で良さの指数を利用しようとするときの問題点の一つは、イ
メージデータが通常極座標形式で保存されているため、イメージの寸法が512×1
28画素、即ち512行128列の図となることである。したがって胸骨傍の短軸方向か
らみた心臓の像は円形または卵形でなく、トランスデューサ202から遠ざかるに
つれて狭くなる、いわゆる西洋梨形となる。このため計算を極座標形式の像につ
いて行うならば、心外膜境界領域の形状に対する適合性を改善するため、上記の
方法で後側フィルタの計算に用いた円弧状フィルタの代わりに放物線弧フィルタ
を用いなければならない。後方心外膜の位置をリアルタイムで推定するには高速
フーリエ変換(FFT)コンボルバを利用することもできる。
図14に示し以下に図15を用いて詳説するように、後側フィルタは極座標イメー
ジデータ220を用いて計算することができる。後側フィルタの計算は、超音波画
像化システム200の中では単に索引として存在している、いわゆる「仮想イメー
ジ」に対して行うことができる。図15に模式的に示すように、後側フィルタと仮
想座標データを処理して良さの指数を計算し、上記の方法で心外膜の位置を推定
することができる。
図14に示すように、標準時間利得補償ブロック206の代わりに二次元時間利得
補償プロックを使用することもできる。二次元時間利得補償ブロックは、各走査
線に適用される真の二次元アクセス利得補償装置、あるいはフレイザー(Frazer
)らに許可された米国特許 5,257,624に記載されているのと同様なラテラル利得
補償装置を含むことが望ましい。フレイザー特許によれば、時間利得補償ブロッ
ク206は、超音波画像化システム200のための、オペレータによって調整される方
式
に変更されたラテラル利得制御機構を含むこともできる。これによって1本また
はそれ以上の走査線の利得を、他の走査線の利得とは独立にオペレータが調節で
きる。したがって、一組の走査線を手動で選択するオプションを提供する。これ
により、最適とはいえない像に対しても、問題の領域をカバーする走査線を予め
選んでそれに沿っての利得を増加させることが可能になる。代表的にはそのよう
な走査線は16本の組である。図14においてブロック206として示されている装置
をこのようなものとすれば、ランダムな深さにおいてランダムな横方向位置に、
例えば、後方心外膜、前方左心室壁、左右側壁などの構造の存在を示す画像の特
徴がある場所に、利得を設定することができる。このように利得補償は画像の各
走査線に適用することができる。自動制御は心外膜点の位置とそれに関連する良
さの指数に基づく。
図14および図15において、後側フィルタは極座標形式のデータ220によって計
算される。前方の左右の心外膜境界領域の探索などの画像の精密化は仮想メージ
内で行われる。この計算によって心外膜の点、前壁の厚さ、楕円弧フィルタに対
する良さの指数が推定される。図15に示すように、良さの指数は種々の方法で利
用することができる。例えば、一つのオプションにおいては、良さの指数を用い
て前処理段階の一つとして自動領域増幅を容易にすることができる。図14、図15
に示すように、領域増幅または上記の画質改善法は前処理ブロック222によって
前処理段階として実行することができる。別のオプションでは、良さの指数を用
いて、時間利得補償ブロック206について上述したように、領域の二次元利得調
整を自動的に行う。システムが手動調整可能に設定されていれば、技術者は良さ
の指数を利用して利得補償ブロック206の二次元利得制御を手動操作により最適
化することができる。図15に示すように、良さの指数は画像の特性が最適でない
ことをオペレータに警告するためにも用いられる。超音波システム200において
、良さの指数によって最適ではないことが示された領域の利得を調節すれば画質
を改善することができる。この作業をオペレータの介入なく行わせるためには、
フィルタの計算と二次元時間利得補償ブロック206との間にフィードバック・ル
ープを設けることが必要である。
良さの指数のその他の用法も現在考えられている。例えば、良さの指数は画質
改善のための他の画像処理技術の実施を自動的に起動することに利用できる。例
えば、リッジ検出や運動解析のような画像処理技術を用いて、左心室側壁に沿っ
た画素を強化することができる。運動解析の結果を既知の方法によってカラーコ
ード化すれば、左心室中心へ向かう運動とこれから離れる運動を区別することが
できる。例えば、境界の中心へ向かう運動には青、中心から遠ざかる運動には赤
のカラーコードを用いることができる。
画像信号のドロップアウトが最も頻繁に生ずるのは胸骨傍の短軸方向からみた
像においてであるから、側壁の位置を推定し、それらの領域での利得を画像の他
の部分よりも増強することができる。このような画質改善の方法を図16、図17に
模式的に示す。図16は推定した対象領域と良さの指数が前処理としての画質改善
ステップを自動化するのに利用される模様を示す。図15について上述したように
、良さの指数は一つの方法として前処理としての自動領域増幅に利用することが
できる。図16に模式的に示すように、画質を改善しようとする領域250、252は左
右の心外膜境界領域の推定位置254、256から決定できる。領域250、252は極座標
形式のイメージデータ220によって決定される(図14)。図14および図16に示す
ように、領域250, 、252は前処理段階222において、デジタル走査変換ブロック2
24による画像の直交座標系への走査変換の前に行うことができる。領域250,252
の増幅度は使用者が設定することも、自動的に設定することも可能である。改善
されたイメージはビデオディスプレイ230に転送される。
図17は、図14について上述した方法で決定した仮想イメージを、良さの指数の
計算および対象領域の探索に利用する方法を示す。前述の探索技術を利用して、
ブロック220(図14)で生成された極座標形式のイメージを用いて後側フィルタ
を計算することができる。後側フィルタが計算されれば、直交座標系(仮想イメ
ージ)の索引データを用いて前後左右の心外膜および前壁の位置を推定すること
ができる。図14に示すように、極座標形式イメージはデジタル走査変換ブロック
224によって走査変換することができる。上記のように良さの指数は心外膜およ
び心内膜位置の推定の手順の一部として計算される。良さの指数が十分小さけれ
ば、図17に示した領域260、262において上記の二次元利得前処理を実行する。推
定位置と改善された画像は極座標に戻して更に処理を行う。
上記のフィードバックの利用は短軸像に用いるために考えられたものであるが
、これに限られるものではなく、円弧またはその他の整合フィルタが形成できる
ならば他の方向の像にも利用できる。本発明はまた良さの指数をインテリジェン
ト超音波画像化システムの実現に利用することをも考えている。これによって患
者データの最適化や、実験室間の患者の検査の一貫性を保証することができる。
フィードバックの利用はまたオフラインによる自動化フィードバックシステム
に適用して、いずれのメーカーの超音波装置を用いても画質を改善することがで
きる。例えば、既存の超音波装置の標準ビデオ出力にフィードバック機構を接続
し、装置のユーザーにフィードバックを提供できる。上記の内部的自動利得補償
その他の画質改善技術はそのような装置では利用できないが、そのようなオフラ
イン形の装置においてもある程度の画質改善は達成でき、このような実施が現在
考えられている。心室内中隔の扁平化の検出
また、本発明は、右心室からの圧力または容量のオーバーロードによって引き
起こされる心室内中隔の扁平化を検出するための手段を含む。
一般に、中心点から中隔を通る半径に垂直な直線フィルタ対の組を、前方の心
外膜および心内膜境界の検出に使用した円弧フィルタ対と同様の方法で心エコー
像データに適用する。対にした内側と外側の直線フィルタの使用により、中隔の
右心室側を左心室側として認識したり、また中隔の左心室側を右心室側として認
識したりすることを防止するのに役立つ。同様な方法で、中心点に中心が置かれ
、90°〜180°の角度で中隔に向かって方向付けられた一対の円弧フィルタが心
エコー像データに適用される。像データに対して最もよく適合した円弧フィルタ
と最もよく適合した直線フィルタとの比較により、中隔が扁平になっているか否
かを示す。
特に、中隔が扁平になっている場合、一対の直線フィルタは一対の円弧フィル
タよりもデータに対して良く適合する。2組のフィルタの内の何れがより良く適
合するかは、2個の整数Nc(円弧フィルタについての良さの指数)とNs(直
線フィルタについての良さの指数)の内の大きい方を見つけることで決定される
。
Ncは、上記の最適合楕円弧モデルを決定する時に計算した整数Nと同じ方法で
計算するが、計算は90°〜180°の象限内の角度に制限されている点が相違する
。
Nsは、中心点から中隔を通る半径方向に沿って方向付けられた帯域内におい
て発生した一次元の振幅分布に基づいて計算する。この振幅分布は、帯域に沿っ
た中心点からの選択された半径距離までの画素の累積グレーレベル(または強度
)に対する帯域に沿った所定距離における狭い領域の画素のグレーレベルの合計
を表す。NsはN1とN2の合計として計算する。N1は180°における心外膜
の境界を表す点P1と90°における心外膜の境界を表す点Q1(これらの点は上
記したように心外膜の境界を決定することで分かる)との間に引いた直線の3個
の画素ユニット内の振幅分布データの一次微分を負にしたもののピークの数であ
る。N2は180°における心内膜の境界を表す点P2と90°における心内膜の
境界を表す点Q2(これらの点は上記したように心内膜の境界を決定することで
分かる)との間に引いた直線の3個の画素ユニット内の振幅分布データの一次微
分のピークの数である。もしNs>Ncである場合、中隔は扁平になっていると
考える。壁運動の検出
本発明による方法の他の実施態様では、時間的に変化する一組の心エコー像か
ら動きの情報を抽出することができる。心内膜表面の基本的な動きは、胸骨傍短
軸二次元心エコー像に関して半径方向に方向付けされている。即ち、心内膜表面
の動きは左心室の中心を起点とする半径に平行であり、心内膜の向きは任意の時
点において半径に対して直角である。
上記した手続きに従って決定した中心点を使用することにより、中心点を起点
とする8個の45°のセクター領域の各々について8個の一次元振幅分布を形成す
る。拡張終期におけるフレームと収縮終期におけるフレームとの間におけるこれ
らの振幅分布の各々について相互相関技術を適用し、異なる領域の各々における
壁の動きを検出する。この方法の新規な特徴は、振幅分布の相互相関により、心
内膜の境界の完全な推定を必要としない動的整合フィルタを提供できることであ
る。
心外膜および心内膜の境界を決定するめたに使用する32個の半径方向振幅分布
に関して上述したと基本的に同じ方法で振幅分布を形成する。同じ方法で、振幅
分布の各々の半径一次微分を発生し、この一次微分振幅分布に相互相関技術を適
用する。一次微分の使用により、もし有意のピークが発生した場合、このピーク
の位置は、最大相互相関の位置として現れるであろう。心外膜および心内膜の境
界をモデル化するための上記方法と同じ方法を使用することにより、各振幅分布
の2個のピーク値を決定することで心外膜および心内膜の境界の位置を推定する
。
心外膜は心内膜の約半分の速度でしか移動しないため、推定した心内膜および
心外膜の境界の間の中間点を越えると振幅分布値はゼロになる。心外膜の動きの
ダンピング効果を無くすことにより、この技術は、壁の動きをより正確に定量化
するのに役立つ。こうして、本発明による方法は、境界の検出を実際に行うこと
なく局部的な壁の動きを定量化できる。また、この操作方法は、定量化を行う上
で画像情報を最大限利用している。
その後、一つの期間(例えば、拡張終期)からの振幅分布値を、異なる半径距
離だけ段階的にシフトし、第2の期間(例えば、収縮終期)からの対応する振幅
分布と比較する。最大の相互相関(即ち、同様に位置決めされた第1期間からの
振幅分布を第2の期間と比較した場合の統計的一致性)を最大にする半径方向の
シフト量は、検討した2つの時間フレームの間における各セクターでの壁の運動
量の推定値を与える。より詳しくは、振幅分布の各シフト位置についての相互相
関は、第1期間と第2期間からの対応する振幅分布値の積の合計値として計算さ
れる。シフトの平均速度は、半径シフト量を検討した2つの時間フレームの間の
時間差で割ることによって計算できる。
各シフト計算についての積の合計値はパワー曲線として表示できる。図18は、
心臓の壁運動を測定するために本発明によって発生した8セクターの相互相関パ
ワー曲線の例を示す。各セクターの可変オフセット値は、セクター内で心内膜が
移動した半径方向の距離を表すユニット数の計算推定値を示す。オフセット値は
、パワー曲線が最大となる画素シフト量として計算する。このピーク値は振幅分
布の比較において最良の相関が得られた位置である。心室内中隔での信号の消失の検出
また、本発明は、左右心室の間の心室内中隔での信号の消失(“ドロップアウ
ト”)を検出するためのテストを含む。中隔の構造と収縮状態は、心臓の状態を
決定するうえでの重要なファクタとなる。中隔でのドロップアウトは、そのよう
な構造的および作動的特性を適切に決定するのに充分な情報的内容が心エコー像
から欠けている可能性があることを示している。
中隔信号ドロップアウトテストは、(1)心臓の空洞内における決定された中
心点の回りの小さな像領域の最小平均グレーレベル(これはバックグランド信号
レベルを決定する)を、(2)心室の中心点から中隔の方向へ向かう線に沿った
、同様に大きさが決められた領域群の最大平均グレーレベル(これはピーク信号
レベルを決定する)と比較することを含む。もし、一連の比較についてのバック
グランドレベルに対するピークレベルの割合の最大値が2未満である場合、信号
のドロップアウトが検出したと考える。
図19は、中隔でのドロップアウトを決定するための本発明の実施態様において
使用した比較領域、および心臓に対するそれらの向きをを表す図である。第1領
域60は、中心点から約135°の角度で中隔16を通過して延びる線61上に中心を有
する長方形として定義され、この第1領域60は画素2 * min_wall+1個分の幅と
、10画素に対応する高さを有している。第2領域62も同様な寸法である。第2領
域62の最初の配置についてピーク対バックグランド比を計算し、そして第2領域
62を線61に沿って所定量(例えば、1画素の長さ)だけずらし、その比を再計算
する。第2領域62が中隔を必ず含むようになる点に第2領域が移動するまで(例
えば、中心点から60〜70画素分の長さ)、上記のような一連の計算が行われる。
もし比率の最大値が2未満であり、中隔の方向におけるバックグランド信号レベ
ルとピーク信号レベルとの間の差が殆どないことを示している場合、中隔での信
号ドロップアウトが検出されたものと考える。血液プール分類
さらに、本発明は画素毎に血液プール分類を行う方法を含み、これは心室の中
心を自動的に決定することから始まる。
血液プール分類は、画像中の特定の画素が血液を表しているのか組織を表して
いるのかを決定するために行われる。本発明を使用し、左心室の中心(X0,Y2
)を決定でき、また上記の技術を使用して心外膜の境界全体の楕円弧モデルを決
定できる。好適な実施態様においては、その後、モデルのパラメータを、(前方
心内膜の境界の楕円弧モデルから決定される)器官の推定壁厚さの百分率(例え
ば、80%)によって調整し、血液プールを探索するための限定された領域を表す
新しい楕円弧モデルを定義することができる。(壁厚さを示す楕円モデルの面積
を、血液プールの大きさについての大雑把な推定値として使用できるが、このモ
デルは血液プールの大きさを減じる心室内の内部構造を考慮していない。)或い
は、血液プール分類の手続きに適用するために中心点(X0,Y2)のみを使用す
る。
中心点(X0,Y2)を使用して左心室を等角度の複数の領域(例えば32)に
分割する。各領域では、局部的な機能を推定するために血液プール画素の小集合
を決定できる。各等角度領域において、各画素の輝度をその領域内の全画素につ
いての平均値と比較する。もし、画素の値が領域の平均値の所定の百分率(例え
ば、65%)よりも大きい場合、その画素は構造部分であると考え、そうでない場
合、その画素は血液であると考える。平均値は、領域内の画素についての値を全
て合計し、その領域内の画素数で割ることによって簡単に決定できる。もし調整
した楕円弧モデルを使用する場合、モデルによって定義される境界は評価すベき
画素を制限する。
他の実施態様では、位置(X0,Y0)に中心を有する半径に沿った等角度領域
内の円弧状領域内に存在する画素の値を合計し、そして各円弧状領域の面積によ
って合計値を割って、半径に関わらず各円弧状領域に等しい重みを与えることで
正規化した半径方向分布を計算する。各円弧状領域が構造物または血液の何れを
含んでいるかを決定するために、各円弧状領域についての正規化された合計値を
閾値(例えば、等角度領域内の全画素についての平均値の百分率)と比較しても
よい。この方法は、円弧状領域内の画素を平均化し、ノイズによって引き起こさ
れる孤立した高い画素値を最小にできる。
調整した楕円弧モデルによって拘束された画素を評価するための他の方法を適
用することもできる。例えば、公知の方法で、各画素を処理するために円形また
は僅かに楕円形に構成した要素を用いることにより、各領域内の画素に対して拡
張/浸食の画像処理技術を適用することができる。その後、浸食/拡張された画
素を閾値と比較して血液プール内に含まれるか否かをを決定してもよい。
本発明によって発生した計算中心点および/または計算探索領域に関連して、
血液プール画素を分類するための本技術分野で知られた他の技術を同様にして使
用することもできる。例えば、中心点(X0,Y2)を計算し、そして直交座標で
表された探索領域を計算することができる。その後、既知の方法で探索領域を極
座標に変換し、診断画像化装置(例えば、超音波)からの直接極走査線データの
解析を制限するのに使用できる。そのような装置の一つが、Rational-Gain-Comp
ensation for Attenuation in Ultrasonic Cardiac Imaging、メルトン・ジュニ
ア・エッチ・イー(Melton,Jr. H.E.)およびスコートン・ディー・ジェー(Sk
orton, D.J. )、1981年、Ultrasonic Symposium、第607〜611頁(IEEE)に記
載されている。
画像中の画素が血液プールであると分類されると、数々の計算が行うことがで
きる。例えば、拡張終期における血液プール中の画素の数(bPED)と収縮終期
における血液プール中の画素の数(bPES)は、左心室についての面積変化率を
近似するのに使用できる:
ΔALv=100%×(bPED−bPES)/bPED
同様にして、虚血性疾患を示唆する局部的な機能欠陥を捜すために、角度領域
の任意のものについて領域面積の変化率を計算できる。
左心室の面積は、調整された楕円弧モデルまたは最大血液プール計算合計によ
って拘束される面積によって決定できる。心臓の長軸は短軸の長さの百分率(例
えば、約150%〜約160%)で仮定できる。そうすれば、左心室の容量は、
半球−円柱(hemisphere-cylinder)モデルのようなモデルを使用して推定でき
る:
VLv=5/6×ALv×長軸の長さ自動化したビデオ濃度測定法
また、本発明は、ビデオ濃度測定を自動化する、即ち、走査した像の光学的ま
たは写真的濃度を自動的に測定する方法を含む。本発明による方法の最初の工程
は、画像をデジタルフォーマットで得ることである。拡張終期の一連の像(ビデ
オテープに録画されるか、または超音波装置の映像出力からの生映像)がデジタ
ル化される(通常、256×240画素、256グレーレベル)。好ましくは、
造影剤の対象部位への注入時から始まる64個の連続拡張終期フレームがデジタ
ル化される。一連の工程において、造影剤の注入前の基底線期間においてコント
ロールフレームが最初に設定される。
次に、映像源からデジタル化した像は、患者データ、心電図、および他の関係
のない情報を含んでいるため、セクター走査の側部および最後の行が認識され、
セタク走査データ(超音波データ)のみが処理される。
次に、アルゴリズムにより、一連の拡張終期コントロールフレーム上の心内膜
を右心室および左心室を介して頻繁に通すため、信号の減衰が何度も生じ、画像
中の心筋層の構造が消失する。このため、造影剤の周囲への注入後に得た一連の
拡張終期フレーム中の左心室についての対象領域として、コントロール期間に定
義された心内膜の境界が使用される。
アルゴリズムにより、右心室流出管についての対象領域が確立される。この領
域は台形形状である。右心室領域の下側の境界は前方隔膜表面として定義される
。残る3つの境界は、左側の走査縁、左心室心外膜直径の10%だけ前方隔膜より
前方にある前方境界、および左心室直径の10%だけ左心室の中央線から右側ずれ
た位置の右側境界によって定義される。
対象領域である左心室心内膜の境界と右心室流出管領域が、呼吸サイクル全体
を通して全てのフレーム上に適切に記録されることを確実にするため、造影剤の
注入後の各フレーム上における後方心外膜の位置は、後側円形円弧フィルタを計
算し、最初のコントロールフレーム上での位置と比較した場合のフィルタ位置の
差により、対象領域を移動させることによって近似される。
左心室チャンバーについての平均画素強度は、近似の心内膜の輪郭によって囲
まれた画素について計算する。同様にして、右心室流出管についての平均画素輝
度が計算される。コントロール拡張終期フレーム各々においては、平均画素輝度
がバックグランド輝度と考えられる。
そして、造影剤注入後の拡張終期フレームについての平均画素輝度を上記のバ
ックグランド輝度と比較する。これにより、図20に示すように各注入について
の時間−平均画素輝度曲線が得られる。
その後、右心室平均画素輝度の最大値を記録し、右心室の時間−輝度曲線より
下でバックグランドより上の面積を各注入について計算する。左心室については
、最小平均輝度、最大平均輝度、左心室の時間−輝度曲線より下でバックグラン
ドより上の面積、および平均空洞輝度がバックグランド以上である拡張終期フレ
ームの数を計算する。
胸骨傍短軸に沿って見た心外膜の輪郭と心内膜の輪郭の両方が近似されるため
、二つの境界の間の平均画素輝度も計算できる。これは左心室の心筋層の平均画
素輝度を表す。心筋層の領域を冠状動脈の分布を近似する領域に分割することに
より、この方法を領域内に灌流が存在しているか否かを推定するために使用でき
る。この推定は、造影剤注入前の平均画素輝度を、経肺による超音波コントラス
ト剤の一つの周囲への注入の後に計算された平均画素輝度と比較することによっ
て行う。
上記のビデオ濃度測定のための自動化された方法は、心筋用の造影剤の改良が
行われれば、広範な用途を見いだせるであろう。灌流している心筋領域を認識し
たり、急性心筋梗塞の血栓崩壊治療に続く心筋の再灌流の発生を検出するために
特定の領域が従前のモデルで設定されるであろう。安定した造影剤を使用するこ
とにより、左心室についての輝度曲線は、色素希釈法に類似の手段による心拍出
量の計算を可能にするであろう。上記した方法を長軸方向図へ適用し、例えば、
左心房および左心室全体に領域を設定することにより、僧帽弁逆流等の弁閉鎖不
全の程度の評価を容易にし、逆流の量の計算を可能にするであろう。まとめ
本発明は、臨床および手術室環境での非常に高い実用的な可能性を有している
。益々高齢化する患者の負荷、および益々増加している心臓血管疾患を心配して
い
る麻酔科医は、虚血の早期の徴候を知る手掛りを得るために彼らの患者をモニタ
ーする自動化された非侵襲的な心エコー像システムの恩恵を受けるであろう。そ
のような装置は、麻酔の深さや技術を変更する必要があることを医者に警告する
であろう。最近の文献は、現在の技術では麻酔科医は虚血の早期の徴候を容易に
検出することは不可能であることを示している。
二次元の短軸心臓画像のより高速でより正確な分析を提供するシステムが利用
可能になったことにより、心臓病専門医は、より長い時間に亘ってより様々な状
況で患者を検査できるようになるであろう。手術前の虚血や手術後の虚血は、危
険を示す重大な徴候であるとの認識がより高まっており、上記のようなシステム
は手術前と手術後の両方において患者を自動的にモニターすることを可能にする
であろう。
本発明の多くの実施態様を述べた。しかし、本発明の精神と範囲から逸脱する
ことなく種々の変形が可能であることは理解されるであろう。例えば、本発明は
、主として直交座標で記載したが、記載された方法の全ては極座標での心エコー
像データに適用できる。
上記したように、他の例としては、上記の円形および楕円形円弧フィルタを用
いて決定した中心点、心内膜および心外膜の壁探索領域は、エル・ザング(L.Zh
ang)およびイー・エー・ガイザー(E.A. Gelser)、An Effective Algorithm f
or Extracting Serial Endocardial Borders From 2-D Echocardiograms、IEEE
、Transactions Biomed. Eng.、Vol. BMIE-3 1、第441〜447頁、1984年に記載さ
れたもの等、既に開発された他の縁検出アルゴリズムのための探索領域を表すも
のとして使用できる。したがって、従来必要とされていた広範なオペレータ入力
は、上記の中心点および対象領域の自動決定により、その使用がより便利になっ
た。
さらに他の例としては、本発明は、完全に自動化された方法で超音波画像から
楕円形の対象物を検出するための手段を提供するため、胎児の成長にも適用でき
る。これは現在、産科用超音波検査によって胎児の頭の直径、周囲、および面積
を手作業によって測定することで行われている。本発明は、これらの測定をリア
ルタイムまたはリアルタイムに近い状態で全自動で行うことができる。
さらに他の例としては、本発明の方法は、写真、X線(平面および断層)、お
よび磁気共鳴による画像化等、超音波以外の手段によって発生されたデジタル画
像から完全に自動化された方法で楕円形の対象物を検出するための手段を提供す
る。
したがって、本発明は具体的に記載された実施態様によって限定されるもので
はなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定されるものであると理解されな
ければならない。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,BB
,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,DE,
DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,IL,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,UZ,VN
(72)発明者 ウィルソン,デビッド,シー.
アメリカ合衆国 32603 フロリダ州,ゲ
インズヴィル,エヌ.ダブリュー.7ス
レーン 1905
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.a.後方の心外膜境界と前方の心外膜を有する左心室の画素行列を含むデ ジタル形式の少なくとも一つの診断画像フレームを生成する工程、 b.各画像フレームを円弧フィルタの組を用いてフィルタリングする処理 を円弧フィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより、左心 室の第1の暫定的中心点と診断画像中に描かれた左心室の後方心外膜境界の位置 を決定する工程、 c.各画像フレームを整合楕円弧フィルタの組を用いてフィルタリングす る処理を整合フィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより 、左心室の第2の暫定的中心点と各診断画像中に描かれた左心室の前方心外膜の 位置を決定する工程、 d.第1と第2の暫定的中心点を通る線分に沿う、前方心外膜境界および 後方心外膜境界の間の中間点を診断画像中に描かれた左心室の最終的な中心点と して決定する工程、及び e.最終中心点の位置を左心室の診断画像フレームに関連して表示する工 程 を含む左心室の診断画像を定量的に分析するための方法。 2.左心室の後方心外膜境界の位置を決定する工程が、セクター走査の下側半 分の領域において、画像の最大強度値が60%を越える強度を有する画素位置で更 に各画像フレームのフィルタリングを行うことを含む、請求項1記載の方法。 3.左心室の後方心外膜境界の位置を決定する工程が、更に各画像フレームの フィルタリングを複数の段階で行うことを含み、その第1段階では、全ての画像 フレームを通じて最も安定した最大フィルタ出力値が得られる列に対応する最良 列を得るものである、請求項1記載の方法。 4.第2段階は、最良列に隣接した小さい行の帯域を探索し、全ての画像フレ ームを通じて最も安定した最大フィルタ出力値が得られる行に対応する最良行を 得る、請求項3記載の方法。 5.第3段階は、最良列と最良行に隣接した列および行の小さい領域を探索し 、これにより各画像フレームに描かれた左心室の後方心外膜境界の位置を決定す る、請求項4記載の方法。 6.各画像フレームに描かれた左心室の前方心外膜の位置を決定する工程は、 a.各画像フレームを楕円弧整合フィルタの組を用いてフィルタリングす る処理をフィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより、右 および左側の心外膜の第1の暫定的位置を近似する工程、 b.(1)第2の暫定的中心点と右および左側の心外膜の第1の暫定的位 置との間の距離によって決定される複数の楕円弧においての強度の和を求めるこ とにより前方向への累積強度レベル分布を計算し、 (2)強度レベル分布についての閾値を確立し、 (3)全ての画像フレームを通じて一貫して閾値を越える強度値を含 む最初と最後の行を決定することにより前方心外膜が存在するであろう行を決定 する ことにより前方心外膜についての探索領域を確立する工程、及び c.(1)探索領域内に存在する画素に対して二次微分演算を行って、所 定の閾値を越える複数の前方心外膜画素位置を発生し、 (2)全ての画像フレームを通して位置の変化が最も少ない前方心外 膜画素位置を決定する ことにより探索領域を探索する工程と を含む請求項5記載の方法。 7.a.全ての画像フレームを通して位置の変化が最も少ない前方心外膜画素 位置を更に定めるために前記探索を繰り返し工程、及び b.前方および後方の壁までの距離、半長軸、および前記第2の暫定的中 心点から右および左側の境界領域までの距離によって動的に決定される楕円フィ ルタを用いて、更に定められた心外膜境界領域を探索する工程 を更に含む請求項1記載の方法。 8.ほぼ曲線で囲まれた器官の診断用であって画素からなるデジタル画像を定 量的に分析する方法であって、 a.ほぼ曲線で囲まれた器官の診断用画像を得る工程、 b.診断用画像を楕円弧フィルタの組を用いてフィルタリングする処理を フィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより、診断画像中 に描かれたほぼ曲線で囲まれた器官の中心点を決定する工程、及び e.左心室の中心点の位置を診断画像に関連して表示する工程 を含む方法。 9.診断画像をフィルタリングする工程は、 診断画像の選択された画素(xi,yj)の組について、数の集合(Sk-Sk-1) の最大値を計算する(但し、Skは、左心室の中心からの距離kにおける楕円弧に 沿って分布した選択された点群上の画素値の和を表す)ことを含む請求項8記載 の方法。 10.診断画像をフィルタリングする工程は、 a.診断画像の選択された画素(xi,yj)の組内の点2つおきに、数の 集合(Sk-Sk-c)+(Sk-Skー2c)の最大値を計算する(但し、Skは、中心からの距 離kにおける楕円弧に沿って分布した選択された点群上の画素値の和を表し、c は1単位分の増分を示す)工程、 b.第1段階において最も適合するとして認識された列yoの回りに中心 を持つ第1の点帯域内の点1つおきに、数の集合(Sk-Sk-c)+(Sk-Sk-2c)の 最大値を計算する工程と、及び c.第2段階において最も適合するとして認識された列yoの回りに中心 を持つ、前記第1の帯域よりも狭い第2の点帯域内の点1つおきに、数の集合( SkーSk-c)の最大値を計算する工程 を含む請求項8記載の方法。 11.a.中心点に中心を有し、ほぼ曲線で囲まれた器官の境界の最も良く適合 する楕円弧モデルを決定する工程、及び b.楕円弧モデルの位置を診断画像に関連して表示する工程 を更に含む請求項8記載の方法。 12.a.円弧フィルタの組を用いて診断画像をフィルタリングする処理をフィ ルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより、診断画像中に描 かれた左心室の第1の暫定的中心点と後方心外膜境界についての探索領域を決定 する工程、 b.組み合わせ楕円弧フィルタの組を用いて診断画像をフィルタリングす る処理を組み合わせフィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すこと により、診断画像中に描かれた左心室の第2の暫定的中心点と前方の心内膜と心 外膜の境界についての探索領域を決定する工程、 c.第1と第2の暫定的中心点を通る線分に沿う、前方心外膜境界および 後方心外膜境界の間の中間点を診断画像中に描かれた左心室の最終的な中心点と して決定する工程、及び d.最終中心点の位置を左心室の診断画像に関連して表示する工程 を含む左心室の診断像を定量的に分析するための方法。 13.心臓の診断用であって画素行列を含むデジタル画像を定量的に分析するた めの方法であって、 a.心筋層と肺の間の界面の存在が予想される前記画像の一部において最 大画素値を認識する工程、 b.前記最大画素値の分数である2つの閾値t1とt2を選択する工程、 c.i.画素値がt1未満である画像中の位置に零を割当て、 ii.画素値がt1とt2の間である画像中の位置に1を割当て、 iii.画素値がt2よりも大きい画像中の位置に2を割当てることに より画素値を有する第1の像を作り出す工程、 d.前記心筋層の予想垂直直径を決定する工程、 e.前記予想直径の1/4から3/4まで変化する半径rを有する180 °円弧に沿う画素位置のグレーレベルの和を求める工程、 f.totalsumを下記式により計算する工程、 totalsum=sum(r)+2sum(r+step)−sum(r−step)− sum(r−2step)−(r−3step)−sum2(r−step) ただし、sum(r)は円弧に沿った画素値の和であり、sum2(r)は左心室の 垂直中央線に対して対称な90°円弧に沿った画素値の和である。 g.t=totalsum * min(r,expectedradius)を計算する工程、及び h.各行についてのtの値を比較し、tの値が最も大きい行を前方心外膜 境界として選択する工程を含む方法。 14.左心室の後方心外膜境界の位置を決定する工程が、画像の下側半分の領域 において、画像の最大強度値を60%以上越える強度を有する画素位置で各画像フ レームのフィルタリングを行うことを更に含む、請求項13記載の方法。 15.左心室の後方心外膜境界の位置を決定する工程が、各画像フレームのフィ ルタリングを複数の段階で行うことを更に含み、その第1段階では、全ての画像 フレームを通じて最も安定した最大フィルタ出力値が得られる列に対応する最良 列を発生する、請求項13記載の方法。 16.第2段階は、最良列に隣接した小さい行の帯域を探索し、全ての画像フレ ームを通じて最も安定した最大フィルタ出力値が得られる行に対応する最良行を 発生する、請求項15記載の方法。 17.第3段階は、最良列と最良行に隣接した列および行の小さい領域を探索し 、これにより各画像フレームに描かれた左心室の後方心外膜境界の位置を決定す る、請求項16記載の方法。 18.前記閾値t1とt2は、それぞれ1/2と3/4である請求項13記載の方法。 19.前記領域は、心室の心外膜楕円長径の約25%の範囲に制限されている請求 項6記載の方法。 20.a.幾つかの等角度領域を計算する工程、 b.推定された心外膜境界と平行な楕円弧に沿って前記第1、第2、およ び最終中心点を再び計算する工程、 c.心外膜境界と平行な楕円弧に沿った振幅分布を合計する工程、及び d.心外膜位置の推定値をより良く定義するために楕円弧フィルタの良さ の指数を計算する工程を含み、 前記等角度領域は、領域群にグループ化され、中心点から選択された半径距離 に位置する画素の累積グレーレベル分布を含むものである、請求項5記載の方法 。 21.前記等角度領域の数は64である請求項20記載の方法。 22.前記等角度領域は8領域にグループ化されている請求項21記載の方法。 23.各半径長さにおける前記レベル分布を平均化する工程を更に含む請求項20 記載の方法。 24.推定された心外膜境界と平行な楕円弧に沿って前記平均化工程を繰り返す 工程を更に含む請求項23記載の方法。 25.心外膜の推定された位置を使用して空洞内の小領域を定義することによっ て良さの指数を計算する工程を更に含む請求項20記載の方法。 26.前記小領域は、中心点の行と等しい下限、前方半径の1/2に等しい上限、 および列中心点から左右に±1/4半径の位置にある列と等しい幅によって定義さ れるものである請求項25に記載の方法。 27.前記小領域の平均強度、即ち空洞グレーレベルが計算されるとともに、心 外膜を定義する楕円弧の強度値と比較され、もし心外膜強度データがその領域内 における空洞グレーレベル以下である場合、心外膜データは良くないと判断し、 もし領域内における心外膜のグレーレベルが空洞の平均より大きいが、その領域 についての平均グレーレベル+その標準偏差の1/2よりも小さい場合には、心外 膜データは良いか否か疑問であり、領域内についての心外膜のグレーレベルがそ の領域の平均グレーレベル+その標準偏差よりも大きい場合には、推定位置は良 い可能性が高いとする請求項25記載の方法。 28.a.前方および後方の壁までの距離、半長軸、および中心点から右および 左側の境界領域までの距離によって動的に決定される楕円フィルタを用いて、左 右の心外膜境界領域を再度探索する工程、及び b.フィルタの零でない重みの半径方向の離間量を左心室の垂直方向直径 に対するの比として計算し、これにより離間量を最適にし、最良の傾斜情報を得 、そして心内膜の内側から心外膜の外側に横切って延びる傾斜が探索によって発 生しないようにする工程 を更に含む請求項1記載の方法。 29.a.中心点から選択された半径距離に位置する画素の累積グレーレベル分 布を含み、心外膜の境界を調整するために使用される幾つかの等角度領域を計算 する工程、 b.各領域について、各半径位置における累積分布を平均化する工程、 c.推定された心外膜境界と平行な楕円弧に沿った平均値を再び計算する 工程、 d.心外膜境界と平行な楕円弧に沿った分布を合計する工程、及び e.各領域について、心外膜曲線に対応する弧に沿った全体的な平均強度 レベルを計算する工程 を更に含む請求項5記載の方法。 30.a.心外膜の位置を推定する空洞内の小領域であって、左心室の中心点の 行と等しい下限、前方半径の1/2に等しい上限、および中心点の列から左右に±1 /4半径の位置にある列と等しい幅を有する領域を定義する工程、 b.領域の平均強度値を計算する工程、及び c.前記平均を心外膜を定義する楕円弧の強度値と比較する工程 を含み、もし心外膜強度データがその八分円内における空洞グレーレベル以下で ある場合、心外膜データは良くないと判断し、もし八分円内における心外膜のグ レーレベルが空洞の平均より大きいが、その八分円についての平均グレーレベル +その標準偏差の1/2よりも小さい場合には、心外膜データは良いか否か疑問で あり、八分円についての心外膜のグレーレベルが八分円の平均+その標準偏差よ りも大きい場合には、推定位置は良い可能性が高いとする、左心室について良さ の指数を計算する方法。 31.前記等角度領域の数は64である請求項30記載の方法。 32.推定された対象領域と良さの指数を使用して画像の質を向上させる工程を さらに含む請求項30記載の方法。 33.良さの指数を使用して自動領域増幅を容易にする工程を更に含む請求項30 記載の方法。 34.時間的に変化する心エコー画像群を使用し壁の運動を測定する方法であっ て、 a.左心室の中心点を決定する工程、 b.中心点を起点とする8個の45°セクターの各々について8個の一次元 振幅分布を形成する工程、及び c.異なる領域の各々における壁運動を検出するために拡張終期のフレー ムと収縮終期のフレームとの間の前記振幅分布について相互相関を求める工程 を含み、最大の相互相関を生じさせる半径方向のシフト量を、検討した2つの時 間フレームの間における各セクターでの壁の運動量の推定値とする方法。 35.左心室と右心室との間の中隔でのドロップアウトを検出するための方法で あって、 a.左心室の空洞内における中心点の回りの小さな画像領域の最小平均グ レーレベルを、心室の中心点から中隔の方向へ向かう線に沿った、同様に大きさ が決められた領域群の最大平均グレーレベルと比較する工程を含み、 b.一連の比較についてのバックグランドレベルに対するピークレベルの 割合の最大値が2未満である場合、信号のドロップアウトを検出したと判断する 方法。 36.a.基底線期間からコントロールフレームを得る工程、 b.セクター走査の側部および最後の行を認識する工程、 c.コントロール期間の間に左心室についての対象領域として得た心内膜 境界を使用して心内膜と心外膜の境界の概略位置を検出する工程、 d.造影剤を注入する工程、 e.造影剤注入後のフレームを得る工程、 f.後側円弧フィルタを計算することにより各フレーム上での後方心外膜 の位置を推定する工程、 g.後側円弧フィルタ位置と最初のコントロールフレーム上での後側円弧 フィルタ位置間の差に基づき対象領域を移動させる工程、 h.近似の心内膜の境界によって囲まれた画素について、左心室の平均画 素強度を計算し、同様にして、右心室流出管についての平均画素輝度を計算する 工程、 i.一連の拡張終期フレームについての平均画素強度を各注入についての 時間平均輝度曲線から得たバックグランド画素強度平均と比較する工程、 j.心筋層の部分を冠状動脈の分布を近似する領域に分割する工程、及び k.造影剤注入前の平均画素輝度を造影剤注入後の計算された平均画素輝 度と比較することによって領域内に灌流が存在しているか否かを推定する工程 を含む自動化されたビデオ濃度測定方法。 37.a.後方の心外膜境界と前方の心外膜を有する左心室の少なくとも一つの 診断画像フレームを生成する工程、 b.各画像フレームを円弧フィルタの組を用いてフィルタリングする処理 を円弧フィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより、前記 左心室の第1の暫定的中心点(x0,y0)と前記後方心外膜境界の位置を決定す る工程、 c.各画像フレームを整合楕円弧フィルタの組を用いてフィルタリングす る処理を整合フィルタの組についての最大値が得られるまで繰り返すことにより 、前記左心室の第2の暫定的中心点(x1,y1)と前記前方心外膜の位置を決定 する工程、及び d.第1と第2の暫定的中心点と重み付け関数を用いて前記左心室の最終 的な中心点として決定する工程 を含む左心室の診断画像を定量的に分析するための方法。 38.最終中心を決定する工程は、 a.y0値の前後の狭い帯域を選択する工程、 b.(x0,y0)を中心とする円弧に沿った帯域内の画素の値を加算して 一次元の分布D(y)を形成する工程、 c.位置yの心外膜重み付け関数epiW(y)に数値を与える工程であって、D (y)が分布全体の最大値の2/3を超えるならば、前記epiW(y)の値を1とし、そう でないときには0とする工程、及び d.位置yの心内膜重みづけ関数endoW(y)に数値を与える工程であっ て、D(y)が分布全体の最大値の1/2を超えるならば、前記endoW(y)の値を1とし 、そうでないときには0とする工程 を含む請求項37記載の方法。 39.a.平均値(D(y-10)+D(y-9)+...+D(y+9)+D(y+10)/21によって定義される 第2の一次元分布E(y)を形成し、 b.E(y)の最大値Emaxと最小値Eminを決定し、 c.endoW(y)=1で、かつE(y-10)<(2 * Emin+Emax)/3ならば、endoW(y)の 値を2へ増加させ、 d.epiW(y)=1で、かつE(y-10)<(2 * Emin+Emax)/3ならば、epiW(y)の値 を2へ増加させる ことにより空洞をテストする工程を更に含む請求項38記載の方法。 40.a.前記点(x0,y0)を含む列の近傍の画素Q(x,y)を見出す工程 、 b.(x,y)におけるフィルタの値を次式で計算する工程と、 V(x,y,k,k+c)=[(Sk-SK+C)* epiW(y1)*(SK+C-Sk)* endoW(y2)](k-(k+c)) (ただし、skは中心からの距離がkの楕円弧に沿って分布する選択さ れた点群上の画素値の和を表し、y1<y2,y1=y-k,y2=y-(k+c)であり、cは増 分定数である) c.最大値を与える画素位置として左心室の第2の暫定的中心点(x1, y1)を見出す工程、及び d.左心室の中心点(x0,y2)を定める工程であって、y2=(y0+r0+y1-r1 )/2であり、r0は第1の暫定的中心点から心外膜境界までの距離であり、r1 は 第2の暫定的中心点から心外膜境界までの距離である工程 を更にふくむ請求項39記載の方法。 41.a.造影剤の注入前の基底線期間からコントロールフレームを得る工程、 b.前記画像から患者データまたは無関係な情報を除去する工程、 c.前記コントロールフレーム上の心内膜と心外膜の境界の位置を近似す る工程、 d.右心室流出管についての対象領域を確立する工程、 e.造影剤を注入し、拡張終期フレームを得る工程、 f.近似の心内膜の境界によって囲まれた画素について、左心室の平均画 素強度を計算し、同様にして、右心室流出管についての平均画素強度を計算して 左右心室の時間−輝度曲線を得る工程、 g.右心室平均画素輝度の最大値と、右心室の時間−輝度曲線より下でバ ックグランドより上の面積を決定する工程、 h.左心室平均画素輝度の最小値と、左心室の時間−輝度曲線より下でバ ックグランドより上の面積を決定する工程、 i.造影剤注入に続く前記拡張終期フレームについての平均画素輝度をバ ックグランドフレームと比較して時間−平均画素輝度曲線を得る工程、 j.胸骨傍短軸図の心外膜の輪郭と心内膜の輪郭を近似する工程、及び k.左心室の心筋層の平均画素輝度を心外膜と心内膜の境界の間の画素の 平均画素輝度として計算する工程 を含む左心室のデジタル画像の光学密度を測定するための方法。 42.造影剤注入前の平均画素輝度を造影剤注入後の計算された平均画素輝度と 比較することによって領域内に灌流が存在しているか否かを推定する工程を更に 含む請求項41記載の方法。
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