【発明の詳細な説明】
ボレリア・ブルグドルフェリのOspGを含有するワクチン
本発明は、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)由来の新規
抗原ならびにその誘導体、それらの製造、ヒトおよび動物の医薬ならびに診断に
おけるそれらの使用、そしてそれらを含有する医薬組成物に関する。
詳細には、本発明は、新規多型性のビー・ブルグドルフェリのリポ蛋白Osp
Gのクローニング発現に関する。この蛋白はかつて1p77として知られていた
。この蛋白の推定アミノ酸配列は、OspA、OspB、OspC、OspD、
OspE、OspFおよびP27のごとき他の既知ボレリア抗原とは有意な相同
性を示さない。これらの外表面蛋白は、OspGとは41%ないし65%の類似
性を有す(表1)。
ライム病(Lyme disease)は、最も通常の、ベクターにより生じる温和な性質
の感染症である。病因論上の病原体であるスピロヘータのボレリア・ブルグドル
フェリは、ヒトにおいて多症状疾患を引き起こし、それは皮膚、神経系、関節お
よび心臓に影響しうる(8、44)。異なる生物学的起源および地理的地域から
単離されたビー・ブルグドルフェリ(B.burgdorferi)株は異種混交であり(2
、19、38、45、50)、疾病発現のパターンは該スピロヘータ株の抗原的
相違により影響されると考えられる。免疫学的または分子的な判断基準によりビ
ー・ブルグドルフェリを分類するいくつかの試みが最近報告されているが、ビー
・ブルグドルフェリの分類学はやはり論争および活発な研究の的である。
現在に至るまで、外表面蛋白A(OspA)、OspB、pCおよびp100
のごとき種々のビー・ブルグドルフェリ抗原が血清学的診断に用いられ、あるい
はワクチン開発のための推定上の候補として用いられている(13、14、36
、38、40、41)。しかしながら、種特異的診断標準物質の製造およびいず
れの亜種に対しても防御を行うポリペプチドワクチンの開発のためには、それら
は明らかに異種混交であるので、あいまいでない判断基準はまだない。
本発明者らは、OspGと命名されたビー・ブルグドルフェリ由来のさらなる
リポ蛋白を見い出した。この分子は、約22kDaの分子量、等電点PI=5.
2を有することにより特徴づけられ、196個のアミノ酸を含む。
OspGのアミノ末端部分に約20個のアミノ酸の1つの大型の疎水性ドメイン
を有するとして、その成熟蛋白がさらに特徴づけられている。このN−末端ペプ
チドは、典型的な原核細胞のリポ蛋白前駆体に見られるリーダーシグナルペプチ
ドに対応する。その疎水性コアのカルボキシ末端に、ビー・ブルグドルフェリの
シグナルペプチダーゼによっておそらく認識される開裂部位が存在する。Osp
G中の可能性のある開裂部位は位置19のセリンと位置20のシステインとの間
に見い出されている。OspGの開裂部位周辺の配列はL−I−I−S−Cであ
る。
OspA、B、C、D、E、FおよびP27に関する遺伝子とは異なり、Os
pG遺伝子は本質的にはビー・ブルグドルフェリZS7中の55kbのプラスミ
ド上に存在する。OspGプローブと45kbプラスミドとの弱い交差反応性が
記録された。OspGは実質的に図1に示されるアミノ酸配列を有する。それは
、感染の間においてのみ発現されることによりさらに特徴づけられ、インビトロ
で培養されたビー・ブルグドルフェリにおいては検出されない。
したがって、本発明は、2次元SDSゲル電気泳動により測定した場合、20
〜22kDaの間の分子量および4.9ないし5.4の間の等電点を有することを
特徴とするビー・ブルグドルフェリ由来の単離蛋白を提供する。
本発明者らは、図1に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%の相同
性を有する蛋白またはその免疫学的もしくは抗原的に同等なフラグメントまたは
誘導体を提供する。
蛋白ならびに対応DNAおよびRNA配列は、ワクチンおよび診断の分野にお
いて有用性が見い出されている。
好ましくは、本発明は、図1に示す蛋白に対して少なくとも85%の相同性、
より好ましくは90%の相同性、最も好ましくは少なくとも95%の相同性を有
する蛋白を提供する。
本発明蛋白は融合蛋白であってもよく、その場合、融合蛋白はそのアミノ酸配
列の一部またはそのフラグメントを有することにより特徴づけられる。好ましく
は、その部分は、図1の蛋白配列に対して少なくとも80%、好ましくは85%
、より好ましくは90%、最も好ましくは95%の相同性を有する。
好ましくは、該蛋白はSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定した
場合、少なくとも70%、より好ましくは80%、最も好ましくは少なくとも9
0%の純度である。
本発明蛋白はリポ蛋白であってもよく、あるいは何ら結合脂質を有していない
蛋白として製造されてもよい。組み換え法により製造される場合、該リポ蛋白は
シグナル配列を伴って発現されるであろう。N−末端の19個のアミノ酸を除去
するためのシグナル配列の開裂は、脂質が結合していない分子の生成を引き起こ
すであろう。
イムノブロット分析は、無傷のスピロヘータに前以て感染させられたマウス由
来の血清によりOspGが認識されることを示し、そのことは、この種において
本来の蛋白は免疫原性であることを示唆する。
本発明者らは、OspGに関する遺伝子をさらに同定し、配列決定した。した
がって、本発明は、OspGまたはそのフラグメントもしくは誘導体をコードし
ているDNA配列を提供する。好ましくは、該DNA配列は実質的に図1に示さ
れるものである。
用語「実質的に」とは、図1に示す配列に対して少なくとも70%の同一性、
好ましくは80%の同一性、より好ましくは少なくとも85%の同一性、最も好
ましくは少なくとも95%の同一性を意味する。詳細には、本発明は、実質的に
図1に示される配列を有するDNA配列、またはそのフラグメント、あるいは該
配列にハイブリダイゼーションし、OspG抗原性を示す蛋白をコードしている
DNA配列を提供する。
酵素的DNAポリマー化により本発明DNAを製造することができ、一般的に
は体積50μlまたはそれ未満として、温度10℃〜37℃において、必要なヌ
クレオシドトリホスフェートdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPを含
有する適当なバッファー中で、DNAポリメラーゼ(クレノウフラグメント)の
ごときDNAポリメラーゼを用いて、これをインビトロで行うことができる。一
般的には50μlまたはそれ未満の体積として、4℃ないし周囲温度において、
0.05M Tris(pH7.4)、0.01M MgCl2、0.01Mジチオ
スレイトール、1mMスペルミジン、1mM ATPおよび0.1mg/mlウ
シ・血清アルブミンのごとき適当なバッファー中で、T4 DNAリガーゼのご
ときDNAリガーゼを用いて酵素的DNAフラグメント結合を行うことができる
。固相法を用い、慣用的なホスホトリエステル、ホスファイトまたはホスホラミ
ダイト化学によってDNAポリマーまたはフラグメントの化学合成を行うことが
でき、例えば、固相法は、Chemical and Enzymatic Synthesis of Gene Fragmen
ts-A Laboratory Manual(H.G.GassenおよびA.Lang編),Verlag Chemie,Weinheim(
1982)、または他の科学刊行物、例えば、M.J.Gait,H.W.D.Matthes,M.Singh,B.S.
SproatおよびR.C.Titmas,Nucleic Acids Research,1982,10,6243;B.S.Sproatお
よびW.Bannwarth,Tatrahedron Letters,1983,719;M.D.MatteucciおよびM.H.Car
uthers,Journal of the American Chemical Society,1983,105,661;N.D.Sinha,
J.Biernat,J.McMannusおよびH.Koester,Nucleic Acids Research,1984,12,4539
;およびH.W.D.Matthesら,EMBO Journal,1984,3,801に記載されている。
別法として、既知方法(例えば、mRNAを逆転写して相補的なcDNA鎖を
得る)および市販cDNAキットを用いて、コーディング配列をビー・ブルグド
ルフェリmRNAから誘導することができる。
本発明は特別に開示された配列に限定されないが、上記蛋白またはその免疫学
的誘導体をコードしているすべての分子を包含する。
本発明蛋白をコードするcDNAに対する部位特異的突然変異法、例えば、G.
Winterら,Nature,1982,299,756〜758またはZollerおよびSmith,1982,Nucl.Acids
Res.,10,6487〜6500により記載された慣用的方法により行うことができ、ある
いはChanおよびSmith,Nucl.Acids Res.,1984,12,2407〜2419またはG.Winterら,B
iochem.Soc.Trans.,1984,12,224〜225により記載されたような欠失突然変異法に
より本発明蛋白の変異体をコードするDNAポリマーを製造することができ
る。
1の態様において、本発明は下記工程:
i)宿主細胞中において該OspG蛋白またはその免疫学的誘導体をコードする
ヌクレオチド配列を含むDNAポリマーを発現しうる、複製可能または統合的な
発現ベクターを調製し、
ii)該ベクターで宿主細胞を形質転換し、
iii)該DNAポリマーを発現可能にする条件下で該形質転換された宿主細胞を
培養して該蛋白を生成させ、次いで、
iv)該蛋白を回収する
を含む方法を提供する。
本明細書の用語「形質転換」は、例えば、Genetic Engineering;S.M.Kingsman
およびA.J.Kingsman編;Blackwell Scientific Publications;Oxford,England,19
88に記載された慣用的方法を用いて、適当なプラスミドまたはウイルスベクター
での形質転換、トランスフェクションまたは感染により宿主細胞中に外来DNA
を導入することを意味する。以後、用語「形質転換された」または「形質転換体
」は、対象とする外来遺伝子を含有し発現する、得られた宿主細胞をいうのに用
いる。
該発現ベクターは新規であり、さらに本発明の一部を形成する。
宿主に適合するベクターを開裂して無傷のレプリコンを有する直鎖状DNAセ
グメントを得て、次いで、連結条件下で該直鎖状セグメントを1またはそれ以上
のDNA分子と連結することにより本発明により複製可能発現ベクターを調製す
ることができるが、該DNA分子は該直鎖状セグメントと一緒になって所望生成
物、例えばOspG蛋白またはそのフラグメントをコードしているDNAポリマ
ーをコードするものである。
よって、所望により、ベクター構築の間にDNAポリマーを前もって形成して
もよく、あるいはベクター構築中に形成してもよい。
ベクターの選択は、一部には、宿主細胞によって決定され、それは原核細胞で
あっても真核細胞であってもよい。適当なベクターは、プラスミド、バクテリオ
ファージ、コスミドおよび組み換えウイルスを包含する。
DNAの制限的切断、ポリマー化および連結用の適当な酵素を用いて、例えば
、上で引用したManiatisらに記載の方法により、複製可能発現ベクターの調製を
慣用的に行うことができる。
形質転換条件下で本発明複製可能発現ベクターで宿主細胞を形質転換すること
により、本発明により組み換え宿主細胞を調製する。適当な形質転換条件は慣用
的なものであり、例えば、上で引用したManiatisら、あるいは「DNAクローニ
ング」第2巻、D.M.Glover編、IRL Press Ltd、1985年に記載されている。
形質転換条件の選択は宿主細胞により決定される。よって、イー・コリ(E.co
li)のごとき細菌宿主を、CaCl2溶液(Cohen et al,Proc.Natl.Acad.Sci.,1
973,69,2110)またはRbCl、MnCl2、酢酸カリウムおよひグリセロールの
混合物を含む溶液で処理し、次いで、3−[N−モルホリノ]−プロパン−スル
ホン酸、RbClおよびグリセロールで処理することができる。ベクターDNA
の細胞上への共沈により培養中の哺乳動物細胞を形質転換することができる。ま
た本発明は本発明複製可能発現ベクターで形質転換された宿主細胞を包含する。
DNAポリマー発現可能条件下での形質転換宿主細胞の培養を、例えば、上で
引用したManiatisら「DNAクローニング」に記載のごとく慣用的に行う。よっ
て、好ましくは、細胞に栄養を与え、45℃以下で培養する。
宿主細胞に応じた慣用的方法により生成物を回収する。よって、宿主細胞がイ
ー・コリのごとき細菌細胞である場合には、それを化学的または酵素的に溶解し
、得られた溶解物または上清から蛋白生成物を単離することができる。宿主細胞
が哺乳動物細胞である場合には、一般的には、生成物を栄養培地または無細胞抽
出物から単離することができる。慣用的な蛋白単離方法は、選択的沈殿、吸着ク
ロマトグラフィー、およびモノクローナル抗体アフィニティーカラムを包含する
アフィニティークロマトグラフィーを包含する。
別法として、バキュロウイルスのごとき適当なベクターを用いて昆虫細胞にお
いて発現を行ってもよい。本発明の特別な態様において、蛋白をレピドプテラ
(Lepidoptera)細胞において発現させて免疫原性ポリペプチドを得る。レピド
プテラ細胞における蛋白発現のためには、バキュロウイルス発現系の使用が好ま
しい。かかる系において、典型的には、バキュロウイルスプロモーターに作動可
能に結合した蛋白コーディング配列を含む発現カセットをシャトルベクター中に
入れる。かかるベクターは、イー・コリまたはいくつかの他の適当な原核宿主に
おいてシャトルベクターを増殖させるに十分量の細菌DNAを含有する。かかる
シャトルベクターは、所望蛋白コーディング配列に隣接した十分量のバキュロウ
イルスDNAをも含み、野生型バキュロウイルス遺伝子と異種遺伝子との間の組
み換えを可能にする。次いで、組み換えベクターを野生型バキュロウイルス由来
のDNAとともにレピドプテラ細胞中に同時トランスフェクションする。次いで
、相同的組み換えにより生じた組み換えバキュロウイルスを選択し、標準的方法
によりプラーク精製する。Summersら,TAES Bull(テキサス農業試験場公報)NR1
555,1987年5月参照。
昆虫細胞におけるCS蛋白発現方法は、SmithKline RITのUSSN287,9
34(WO/US89/05550)に詳細に記載されている。
昆虫細胞における生産を、昆虫の幼虫を感染させることにより行うこともでき
る。例えば、本発明組み換えバキュロウイルスを痕跡量の野生型バキュロウイル
スとともに与え、次いで、約2日後に血液リンパから蛋白を抽出することにより
、蛋白をヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)の幼虫において生産
させることができる。例えば、Millerら,PCT/WO88/02030参照。
本発明新規蛋白を、EP−S−0278941においてCS蛋白に関して記載
されているように酵母細胞において発現させてもよい。
また本発明は、OspGまたはそのフラグメントもしくは誘導体を含むワクチ
ン組成物に関する。
本発明ワクチンにおいて、蛋白水溶液を直接用いることができる。別法として
、前以て凍結乾燥した、あるいはしていない蛋白を、種々の既知アジュバントの
いずれかと混合または吸着させることもできる。かかるアジュバントは水酸化ア
ルミニウム、ムラミルジペプチドおよびQuil Aのごときサポニンを包含す
る
が、これらに限らない。特に好ましいアジュバントはMPL(モノホスホリルリ
ピドA)および3D−MPL(3デ−O−アシル化モノホスホリルリピドA)で
ある。さらなる好ましいアジュバントはQS21として知られている。Ribi Imm
unochemから、あるいは英国特許第2220211号開示の方法により3D−M
PLを得ることができ、QS21をCambridge Biotechから、あるいは米国特許
第5,057,540号開示の方法により得ることができる。さらなる典型的な別
法として、蛋白をリポソームのごときマイクロカプセル中に封入することができ
、あるいは水中油エマルジョンと混合することができる。もう1つの典型的な別
法において、蛋白を、死滅ボルデテラ(Bordetella)または破傷風トキソイドの
ごとき免疫刺激高分子と抱合させることができる。本発明の好ましい具体例にお
いて、本発明抗原は他のボレリア(Borrelia)抗原、詳細にはOspAを含有し
ているであろう。
本発明蛋白を、BCG、リステリア(Listeria)またはサルモネラ(Salmonel
la)のごとき生きたベクターにより発現させ、かかるベクターを用いた生ワクチ
ンとして処方してもよい。
ワクチン調合物は、一般的にはNew Trends and Development in Vaccines,Vol
ler et al.(eds.),University Park Press,Baltimore,Maryland,1978に記載され
ている。リポソーム中への封入はFullertonの米国特許第4,235,877号に
より記載されている。高分子への蛋白の抱合は、例えば、Likhiteの米国特許第
4,372,945号およびArmorらの米国特許第4,474,757号により開示
されている。
Quil Aの使用はDalsgaard et al.,Acta Vet Scand,18:349(1977)により
開示されている。
1回分のワクチンに存在する本発明蛋白の量を、典型的なワクチンにおける有
意な副作用を伴わずに免疫防御応答を誘導する量として選択する。どのような特
異的免疫原を用いるのか、およびワクチンがアジュバントと一緒にされているか
否かによって、かかる量は変更されるであろう。一般的には、1回分は1〜10
00μgの蛋白、好ましくは1〜200μgの蛋白を含むであろうと考えら
れる。対象中の抗体力価および他の応答の観察を包含する標準的研究によって個
々のワクチンに関する最適量を確認することができる。最初のワクチン接種後、
さらなる投与を対象に行ってその免疫応答を増強させてもよい。
また本発明はOspGに特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体に関す
る。かかる抗体はライム病の診断および予防にも有用であることがわかる。
本発明の別の具体例において、本発明は、OspG抗原を含む診断キットを提
供する。
I.材料および方法
I.1 ボレリア株
この研究に用いたビー・ブルグドルフェリ株はかつて記載されていたものであ
る(45)。ボレリアを改変Barbour-Stoenner-Kelly II(BSK II)培地(2
)中、33℃で増殖させた。10000xg、4℃、20分の遠心分離によりス
ピロヘータを集め、PBSで2回洗浄し、暗視野顕微鏡により計数した。
ビー・ブルグドルフェリ発現ライブラリーの調製およびスクリーニング
リゾチーム/SDS法によりビー・ブルグドルフェリ株ZS7からゲノムDN
Aを調製し、超音波処理によりDNAフラグメントを得た。アダプタークローニ
ング法(7、31)を用いて、平滑末端化したDNAをpUEX1ベクター中に
挿入した。連結したDNAをイー・コリ MC1061中に形質転換し、次いで
、104個(およびそれ以下)のビー・ブルグドルフェリ(ZS7)生物を接種
されたDBA/2マウスから取った免疫血清を用いて発現スクリーニングを行っ
た。
1.2 サザンブロットハイブリダイゼーション
以前記載されたように(32)、全ゲノムDNAをボレリア生物から抽出した
。製造者(Boehringer,Mannheim)の推奨に従って、100Uの制限ヌクレアー
ゼ(HindIII)で約5μgのDNAを消化した。試料を0.7%アガロースゲ
ル
を用いる電気泳動に供した。DNAフラグメントをHybondTM-Nナイロン膜(Amer
sham)に移し、次いで、UV架橋し、ハイブリダイゼーションを行った。簡単に
説明すると、0.5M NaHPO4/7% NaDodSO4、pH7.2中、6
5℃で一晩、32P標識プローブのハイブリダイゼーションを行った。40nM
NaHPO4/1%NaDodSO4、pH7.2中、室温で30分洗浄後、乾燥
した膜について増強スクリーンを用いるKodak XAR-5フィルム上で、−80℃に
て12時間オートラジオグラムを行った。ハイブリダイゼーションプローブとし
て、LA7コーディング領域を含む500bpのDNAフラグメントを用いた。
対象とする遺伝子フラグメントを低融点アガロースゲルから回収し、エタノール
処理により沈殿させ、次いで、記載されたようにランダムプライム反応により放
射性標識した。
I.5 ゲル電気泳動
Laemmli(21)による1次元SDS/PAGEスラブゲルによる電気泳動の
ために、40μlの各溶解物(約108個の生物と同等)を10μlの5x試料
バッファーと混合した。
O'Farrel(29)により記載されたようにして、第1次元においてIEF(Ph
armacia/LKBアンフォライト:1.45% pH3.5〜10、0.1% pH2.
5〜4.0、0.2% pH4〜6、0.2% pH9〜11)を用いて2次元ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を行った。1次元ゲル電気泳動の場合と同量の溶
解物を適用した。ゲルを銀染色するかまたはウェスタンブロッティング(15)
用に処理した。
Barbourら(20)の方法に従って、プロテイナーゼK(Boehringer-Mannheim
,ドイツ)を用いる表面蛋白分解を行った。次いで、蛋白をSDS−PAGEに
より分離し、イムノブロッティングにより個々の抗原を同定した。
I.6 ウェスタンブロッティング
2次元SDS−PAGE後、製造者の推奨に従って、セミドライ燥電気ブロッ
ティングチャンバ(BIO-RAD,ミュンヘン,ドイツ)を用い、定電流(60mA)
で1時間、Hybond Cニトロセルロースシート(Amersham)上に蛋白を電気ブロッ
ティングした。ブロッキングバッファー(50mM Tris−HCl、150
mM NaCl、5%脱脂乾燥乳)中で一晩インキュベーション後、50mM
Tris−HCl、150mM NaCl、1%乾燥乳、0.2%ツイン20中
のマウスおよびヒト抗血清の1:100(v/v)希釈物、あるいはマウスmA
bs(LA7)培養上清とともにイムノブロットを室温で2時間インキュベーシ
ョンした。ニトロセルロースフィルターを希釈バッファーで5回洗浄し、アルカ
リホスファターゼ抱合ヤギ・抗−ウサギ抗血清(Dianova,ハンブルグ,ドイツ、
1:400 v/v)とともにさらに1時間インキュベーションした。ブロット
を上記バッファーで4回洗浄し、TBSで2回洗浄し、次いで、基質として5−
ブロモ−4−クロロ−3−インドールホスフェート(BCIP,Sigma;165μ
g/ml)およびニトロブルーテトラゾリウム(NBT,Sigma:330μg/m
l)を補足した20mlのDEAバッファー(0.1M ジエタノールアミン(S
igma)、0.02% NaN3、5mM MgCl2、pH9.0)を添加すること
により免疫反応性バンドを可視化した。膜を50mM Tris−HCl、15
0mM NaCl、5mM EDTAで洗浄することにより反応を停止した。
I.7 DNA配列
pUEX1プラスミド(Amersham)中にクローン化されたビー・ブルグドルフ
ェリのゲノムDNAフラグメントを、製造者の推奨に従って、T7Sequencing kit
(Pharmacia)を用いることにより配列決定した。
I.8 アミノ酸配列分析
HUSARソフトウェアを用いることにより蛋白配列の並置比較および系統樹
構築を行った。
I.9 抗体蛍光法
ビー・ブルグドルフェリ生物をPBS中で2回洗浄し、付着スライド(Superi
or,Bad Mergentheim,FRG)上に移し(スピロヘータ1x105個/反応フィール
ド)、無水エタノールで固定し(2分、−20℃)、次いで、風乾した。固定さ
れたスピロヘータを希釈された個々のモノクローナル抗体(mAbs)とともに
インキュベーションし、スピロヘータをフルオレセインイソチオシアネートとと
もに加湿チャンバ中で30分インキュベーションした。PBS中で3回洗浄後、
蛍光顕微鏡を用いて調製物を試験し、400ASA白黒フィルム(HP5;Illford,
英国)を用いて写真に取った。
I.10 抗体蛍光法
ビー・ブルグドルフェリ生物をPBS中で2回洗浄し、付着スライド(Superi
or,Bad Mergentheim,FRG)上に移し(スピロヘータ1x105個/反応フィール
ド)、無水エタノールで固定し(2分、−20℃)、次いで、風乾した。固定さ
れたスピロヘータをPBS中で希釈された個々のmAbsとともに加湿チャンバ
中で30分インキュベーションした。PBS中で3回洗浄後、フルオレセインイ
ソチオシアネート標識ヤギ・抗−マウス免疫グロブリン抗血清(Medac,ハンブル
グ,ドイツ)とともにスピロヘータを暗加湿チャンバ中で30分インキュベーシ
ョンした。PBSで3回洗浄後、蛍光顕微鏡を用いて調製物を試験し、400A
SA白黒フィルム(HP5;Illford,英国)を用いて写真に取った。
ELISA
以前記載されたようにして(15)ビー・ブルグドルフェリB31抗原を用い
る固相ELISA系においてビー・ブルグドルフェリ特異的抗体を測定した。
2.1 ospG遺伝子の一部分についてのPCR増幅
疎水性リーダーペプチドをコードしている配列を欠くospG遺伝子を、オリ
ゴヌクレオチドプライマー
(ヌクレオチド61から79に対応)および
(ヌクレオチド560から590に対応)を用いてPCR増幅した。プラスミド
pZS7 DNAを、DNA Thermal Cycler(Bio-Med60)における30サイクル
のPCRに供した。94℃で60秒変性を行い、48℃で90秒アニーリングを
行い、次いで、72℃で90秒伸長を行った。増幅フラグメントをグルタチオン
Sトランスフェラーゼ遺伝子とフレーム中で結合し、BamHIおよびEcoR
Iでの消化後pGEX−2Tベクター中に挿入し、DH5α宿主細胞の形質転換
に使用した。
2.2 組み換えOspGの発現および精製
イー・コリDH5αにおけるグルタチオンS−トランスフェラーゼ−OspG
融合蛋白の発現、アフィニティー精製、および融合蛋白のエンドペプチダーゼス
ロンビン開裂を、製造者(Pharmacia)の推奨に従って行った。
2.3 [3H]パルミテート標識およびトリトンX−100相分配
切断(pOspG)バージョンのospG遺伝子の全長(pZS77)を有す
るプラスミドで形質転換したイー・コリ生物を[9,10−(n)−3H]パルミ
チン酸(比活性約50Ci/mmol、Amersham)存在下で増殖させ、以前記載
されたようにして(46)放射性標識したリポ蛋白をトリトンX−114相分配
により抽出した。
2.4 免疫血清の生成および血清学
前以て108個(C.B−17;IS抗−108)または103個(DBA/2;
IS抗−103)のZS7株の生きたビー・ブルグドルフェリスピロヘータを尾
に接種され、あるいはアジュバント(ABM2;Sebac,アイデンバッハ,ドイツ
)中の5〜10μgの脂質結合した(lip)LipOspA(BALB/c;I
S抗−lipOspA)もしくは組み換え(rec)recOspG(BALB/
c;IS抗−recOspG)を皮下注射することによりプライムされ、次いで
、10日後および20日後に追加免疫されたたマウスから免疫血清を得た。以前
記載されたようにして(39)、全スピロヘータ溶解物(ボレリア・ブルグドル
フェリ(B.b.)Ig)またはrecOspA(OspA Ig)またはrec
OspG(OspG Ig)のいずれかに対するスピロヘータ特異的免疫グロブ
リン(Ig)量に関してすべての血清をELISAにより分析した。
2.5 防御実験
SCIDマウスを未処理のままとするか、または正常マウス血清(NMS)も
しくは貯留された免疫血清(IS)のいずれかで再構築した。個々のISととも
に移されたスピロヘータ特異的IG量(ビー・ブルグドルフェリ全細胞溶解物に
関するELISA)は以下のとおり:IS抗−108,4.4μg Ig/マウス;
IS抗−103,4.5μg/マウス;IS抗−lipOspA,5μg/マウス;
IS抗−recOspG,72ng/マウス。recOspGについて試験した
場合、特異的Ig量は、IS抗−103と比較すると、IS抗−recOspG
中で約10〜20倍多かった。ISを腹腔内注射し、1時間後、レシピエントを
105個のスピロヘータ(ビー・ブルグドルフェリZS7)で攻撃した。盲検条
件下での臨床的な関節炎の発生について、そして以前記載されたようにして(3
7、40)耳の生検をBSK培地で培養することによりスピロヘータの存在につ
いて、マウスを調べた。
2.6 病理学
脛足根関節における臨床的な関節炎の発生を、以前記載されたようにして(3
7、40)盲検条件下でモニターした。用いた評点は以下のとおり:++,重症
;+,あまり重症でない;(+),中程度;+/−,軽度の腫れ;(+/−),
最小限の腫れで赤みを帯びている;−,関節炎の臨床的徴候なし。
結果
OspGのクローニングおよび組み換え構築物の分析
前以て103個のスピロヘータ(IS抗−103)に感染したマウス由来の免疫
血清を用いてビー・ブルグドルフェリZS7ゲノムDNA発現ライブラリーをス
クリーニングした。以前、このISはOspAおよびOspBに対する抗体を欠
くが、引き続いて起こる感染に対してSCIDマウスに防御をもたらすことが示
されていた(35)。さらにそのうえ、このISは、2次元ゲル電気泳動により
分離されたZS7株の全細胞溶解物からのイムノブロットにより試験した場合、
相対分子量19〜20kDaの4つの個々の蛋白および約40kDaの2つの蛋
白を認識した。約20個のクローンは1のクローンであると同定され、pZS7
7と命名され、特に反応性が高かった。組み換えプラスミドpZS77を制限分
析に供し、サブクローン化し、配列決定した。OspGの推定アミノ酸配列とと
もにOspGのヌクレオチド配列を図1に示す。コンセンサスリボゾーム結合部
位(GGAG)は、ospG遺伝子のATG開始コドンの10bp上流に存在す
る。この翻訳開始配列のさらに上流には、位置−70ないし−64に−10領域
(TATATT)、および位置−105ないし−100に−35領域(TTGT
TA)がある。配列ATATTTおよびTTACATTTを伴う2つの短い逆の
反復がこの上流領域の位置−118ないし−49に含まれている。ospG遺伝
子の位置+1のATGスタートコドンの後には588個のヌクレオチドの読み枠
が続いており、それは分子量22,049と計算される196個のアミノ酸の蛋
白に対応する。可能なrho−非依存的ターミネーターが位置620と656と
の間に同定された。ospG遺伝子のATGスタートコドンの上流のDNA配列
を、最近報告されたospE−ospFオペロンのプロモーター領域と並置比較
すると、GAPアルゴリズムにより決定されるように94%の同一性が明らかと
なる。ospGプロモーターは2つの非常に保存された8量体DNAモチーフA
TGTATTT(位置−187ないし−180)およ
びAATTACAT(位置−120ないし−113)を含み、それらはMATα
2と命名された負のレギュレーター分子に対する蛋白結合部位に結合し、酵母の
分裂の間の遺伝子発現を調節することが以前に示されていることに注意(5、2
5)。これらのDNAモチーフは、2つのサッカロマイセス・セレビシエ(Sacc
haromyces cerevisiae)遺伝子MFα2およびBAR1の上でそれぞれ同定され
ており、免疫グロブリン8量体モチーフATTTGCATに類似のモチーフの不
完全な逆の反復を含む。最も興味深いことには、さらなる免疫グロブリン(Ig
)8量体様配列ATTTGCAA(位置−154ないし−147)が両方のエス
・セレビシエ様モチーフの間に存在し、たった1個のトランジション置換により
Ig−8量体モチーフと異なっている。
OspGのアミノ酸配列分析
OspGのヒドロパシーのプロフィールは、該蛋白が非常に親水的であり、ア
ミノ末端部分に約20個のアミノ酸の1つの疎水的ドメインを有することを示唆
する。このN−末端領域は、典型的な原核細胞のリポ蛋白に存在するリーダーシ
グナルペプチド(51、52)に類似していることが明らかである。シグナル配
列のCOOH−末端において、推定上のシグナルペプチダーゼII認識モチーフL
eu−X−Y−Z−Cys(図3a)が存在する。OspG中の可能な開裂部位
は位置19のセリンと位置20のシステインとの間に存在する。計算された等電
点はpI 5.2である。OspGのアミノ酸配列とすべての既知ビー・ブルグド
ルフェリ外表面蛋白OspA〜OspFの配列との比較により、OspFとの最
高の相同性が明らかである(65%)。さらにそのうえ、OspGの塩基性N−
末端ペプチドモチーフM−N−K−K−MはOspEおよびOspFのものと同
じである。
OspGのマッピング
いくつかのビー・ブルグドルフェリ株のプラスミドおよび染色体DNAを、パ
ルス−フィールドゲル電気泳動により分離し、ospAおよびospG特異的プ
ローブとハイブリダイゼーションさせた。我々は、ドイツのビー・ブルグドルフ
ェリ単離体ZS7に関して、ospA含有プラスミドのサイズを53kbと推定
した。ACA−1株のospA含有プラスミドは、ゲルに負荷したDNA量が少
ないことによりほとんど見ることができなかったが、露出を延長した後に見られ
た(データ示さず)。ospGプローブを用いると、約48kbの直鎖状プラス
ミドに伴って主要バンドが見られ、さらにZS7株の45kbのプラスミドに伴
って弱いバンドが見られた。対照的に、アメリカのB31株においては、45k
bおよび約35kbのサイズの2つのプラスミドがospG遺伝子プローブとハ
イブリダイゼーションした。ビー・ガリニイ(B.garinii)ZQ1株および20
047株、並びにビー・ジャポニカ(B.japonica)H014株からのゲノムDN
Aを用いた場合にはハイブリダイゼーションが観察されなかったことに注意。対
照実験において、ZS7由来のospE−ospFプローブを用いて、これらの
ゲノムDNAを用いて異なるバンドが観察されうるかどうかを調べた。この実験
により、ZS7、B31、20047および21038株について45kbおよ
び35kbの2つのプラスミドが明らかとなった。ビー・コリアセアエ(B.cori
aceae)Co53、ビー・ヘルムシイ(B.hermsii)およびビー・ツリカタエ(B.
turicatae)のごとき他のボレリア種、およびトレポネマ・パリドゥム(Trepone
ma pallidum)から単離したDNAはospGプローブとハイブリダイゼーショ
ンせず、種ビー・ブルグドルフェリに関する特異性が示された。
ospG遺伝子のRFLP
エンドヌクレアーゼHindIIIを用いるospGに関する制限フラグメント
長多型性(RFLM)分析により、試験した20種のビー・ブルグドルフェリ単
離体において少なくとも7種の異なるハイブリダイゼーションパターンが明らか
となった。ビー・ブルグドルフェリ・センス・ストリクト(B.burgdorferi sens
u stricto)単離体の大部分は1.8および3.8kbの2つのハイブリダイゼー
ションフラグメントにより特徴づけられ(図6、レーン1);試験した6種のビ
ー・ガリニイのうち3種はospGプローブとハイブリダイゼーションせず、
ビー・ガリニイ20047株およびS90株はそれぞれ1.8kbおよび1.7k
bおよび3kbのフラグメントを示し(データ示さず);種ビー・アフゼリイ(
B.afzelii)においては少なくとも3つの異なるハイブリダイゼーションパター
ン:ACA−1株については2.4kbの1本のバンド(レーン3)、そしてM
MS株については1.9および2kbの2本のバンド(レーン4)、あるいはN
E40株については2および5kbの2本のバンド(レーン5)が観察された。
イー・コリにおけるOspG組み換え蛋白の発現
PCRによりOspGを増幅するために、最終組み換え生成物がリーダーペプ
チドを含む20個のアミノ酸残基(46)を欠くようにプライマーを選択した。
増幅されたOspGコーディング生成物を発現ベクターpGEX−2T(Pharma
cia,フライブルク,ドイツ)のキャリア蛋白に関してフレーム中に挿入し、IP
TGで誘導後、約44kDAのGST−OspG融合蛋白を得た。グルタチオン
−アガロースビーズを用いることによりGST−OspG融合蛋白をイー・コリ
溶解物から豊富化し、部位特異的プロテアーゼを用いて、結合したGST−Os
pG融合蛋白の引き続いての消化を行った。
[3H]パルミテート標識
イー・コリDH5αにおいてOspGがリポ蛋白として発現されているかどう
かを調べるために、細胞をプラスミドpZS77またはpOspGのいずれかで
形質転換し、[3H]パルミテートで標識した(図8)。プラスミドpZS77
は、正常なN−末端シグナルペプチドを伴った全長のOspG前駆体蛋白をコー
ドしているが、pOspGは、OspG前駆体の最初の21個の残基が配列Me
t−Lysで置き換えられた蛋白を示す。界面活性剤相分配による抽出およびS
DS−PAGEによる分離の後、放射性生成物をフルオログラフィーにより可視
化した。全長のospG遺伝子(プラスミドpZS77)を含むイー・コリ細胞
は、界面活性剤相中に分配する20kDaのリポ蛋白を発現したが、リポ蛋白は
切断されたospG遺伝子を含むDH5α細胞においては観察できなかった。
OspGの細胞内局在化
無傷の生物スピロヘータにおけるOspGの細胞内局在化を調べるために、ス
ピロヘータをプロテイナーゼKで処理し、次いで、発現ライブラリーからosp
G単離するのに用いられる抗−103血清を用いるイムノブロッティングにより
分析した。抗−103免疫血清により4つの低分子蛋白が検出され、それらは蛋
白分解後に部分的に消失したが、約40kDaの範囲の分子量の2つの構造はプ
ロテイナーゼ処理(17)により影響されなかった。rOspGが抗−103血
清によって認識されるかどうかを調べるために、ウェスタンブロッティングを行
った。抗−103血清とのrOspGとの吸着の後、吸着した抗−103血清によ
りサイズが同じである同じ主要蛋白が認識され(図7A)、インビトロ培養され
たZS7からの溶解物中に含まれる低分子蛋白中にはOspGは存在することが
できないか、あるいは、OspGの蛋白分解が起こりうることが示された。Os
pGの同一性を確認し、OspGがインビトロ培養されたビー・ブルグドルフェ
リZS7において発現されうるかどうかを調べる目的では、高度免疫ネズミ・抗
−rOspG血清は、109個のインビトロ培養されたZS7生物からのOsp
Gを検出しなかった。いくつかの実験において、予期されない弱い反応性が40
kDaポリペプチドに関して観察され、それはOspG変種であるか、またはい
くつかのエピトープをOspGと共有しているビー・ブルグドルフェリ蛋白を示
すかのいずれかである可能性がある。インビトロ培養されたビー・ブルグドルフ
ェリZS7からのospG遺伝子の発現を評価するために、全RNAを単離し、
ノーザンブロット分析によりospG転写物の存在について分析した。インビト
ロ発現およびRNA分解の対照として、NCフィルターをospA遺伝子プロー
ブで探索した。単一の約2kbの転写物に結合したospAプローブとは対照的
に、ospGプローブはospG転写物を検出しなかった。これらの結果は、イ
ンビトロ培養の間におけるOspG発現不足は、mRNA安定性に対するosp
G転写レベルにあると思われる。OspGはインビトロ培養されたビー・ブルグ
ドルフェリZS7からの溶解物において検出できないが、OspGの発現
は哺乳動物宿主中での増殖の間においては異なっている可能性がある。ヒト・ラ
イム病患者および実験的に感染させられたマウスの両方からの試料典型的な血清
試料を用いるイムノブロット分析により、OspGに特異性を有する抗体が存在
したことが明らかとなった。ライムボレリオシス(Lyme borreliosis)であるこ
とが実証されている患者からの13種の血清試料のうち6種が、抗−OspG抗
体を含むことが示された。対照的に、健康なドナー(n=8)からのすべての血
清は、rOspGを認識する抗体を含まなかった(データ示さず)。これらの知
見は、OspGは感染の過程においてのみ発現されることを示唆する。
抗−OspG免疫血清によるSCIDマウスの部分的防御
抗−OspG免疫血清の防御能を試験するために、SCIDマウスを下記量の
貯留されたIS(免疫血清)調製物由来のビー・ブルグドルフェリ特異的Igで
処理した:C.B.−17 IS抗−108(4.4μgB.b.Ig/マウス)、D
BA/2 IS抗−103(4.5μgB.b.Ig/マウス)、BALB/cIS
抗−lipOspA(5μgB.b.Ig/マウス)、およびBALB/c IS
抗−recOspG(72μgB.b.Ig/マウス)。しかしながら、IS 抗
−recOspGは、IS 抗−103と比較すると、recOspGに対する抗
体を10倍より多く含んでいた。上記ISのいずれかをSCIDマウスに腹腔内
注射し、次いで、105個のビー・ブルグドルフェリ生物で攻撃した。臨床的関
節炎の発生および耳の生検におけるスピロヘータの存在をモニターした。接種さ
れたが未処理のSCIDマウス、あるいは正常マウス血清(NMS)で処理され
たSCIDマウスについては、接種6日目から開始する臨床的関節炎が発生し、
脛足根関節の重い腫れが13日目から24日目(終了時)の間に発生した。上記
のごとくIS 抗−108またはIS 抗−103およびIS 抗−lipOspA
で受動免疫されたSCIDマウスは、臨床的関節炎を示さないかまたは最小限の
徴候を示した。対照的に、IS 抗−recOspGで受動免疫されたSCID
マウスについては、6日目から18日目の間の穏やかな腫れの発生により示され
るように関節炎の発生はわずかに抑えられた。期間の
後半において、これらのマウスはより重い形態の関節炎を発生し、感染抑制に関
してこのISは他のISよりも有効でないことが示された。IS 抗−recO
spGは、recOspGに対する抗体をIS 抗−103よりも10倍より多く
含んでいるがあまり防御的でないという事実は、IS 抗−103における感染抑
制に対するさらなる特異性の貢献を示唆する。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12P 21/02 G01N 33/569 F
G01N 33/569 C12N 5/00 A
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO
,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,
TT,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ヴァリッヒ,ラインハルト
ドイツ連邦共和国デー−69120ハイデルベ
ルク、イム・ノイエンハイマー・フェルト
280番 デパートメント・アプライド・イ
ムノロジー、ジャーマン・キャンサー・リ
サーチ・センター
(72)発明者 ズィーモン,マルクス・エム
ドイツ連邦共和国デー−79108フライブル
ク、シュトゥーベヴェーク51番 マック
ス・プランク・インスティトゥート・フュ
ーア・イムーンビオロギー
(72)発明者 クラマー,ミヒャエル・デー
ドイツ連邦共和国デー−69120ハイデルベ
ルク、イム・ノイエンハイマー・フェルト
305番 ウニヴェルズィテート・ハイデル
ベルク、インスティトゥート・フューア・
イムノロギー