【発明の詳細な説明】
ペプチジルアルギニナールの合成方法関連出願の相互参照
本出願は1994年6月17日に出願された米国特許出願番号第08/261,380号の一部
継続出願であり、その開示は参照として本明細書中に援用される。技術分野
本発明は、ペプチジルアルギニナール(argininal)の溶相および固相合成方法
、ならびにそのために有用な新規の試薬に関する。本発明の開示される方法およ
び試薬を用いて、ペプチジルアルギニナールを迅速かつ効率的に生成し得る。ペ
プチジルアルギニナールは、酵素インヒビター、インビトロでの診断試薬、およ
びインビボでの薬剤として有用である。背景
セリンプロテアーゼのトリプシンサブファミリー(トリプシン様セリンプロテ
アーゼと言われる)は、ペプチド結合を加水分解してアルギニン残基またはリシ
ン残基にするプロテアーゼを含有する。これらのプロテアーゼは、消化、凝集、
フィブリン溶解、血圧調整、生殖、および炎症において重要な生理学的役割を有
する。「Design of Enzyme Inhibitors as Drugs」、Oxford Science Publicati
ons、(Sandler、M.、Smith、H.J.編、1989)。トリプシン様セリンプロテアーゼ
の選択的インヒビターは、これらのプロテアーゼが関連して影響を与える多くの
疾患に介入する薬剤として有用であると考えられる。
酵素の触媒機構を利用するペプチドアナログ(例えば、遷移状態のインヒビタ
ー)は、トリプシン様セリンプロテアーゼのインヒビターとして示唆されている
。これらのプロテアーゼの触媒機構は、基質の切断されやすいアミノ結合を有す
る活性部位セリンがカルボニルに攻撃し、四面体中間体を生成し、その後ペプチ
ド結合の切断が生じることに関連すると考えられる。この四面体中間体(すなわ
ち、
遷移状態アナログ)の安定な模倣体であるペプチドアナログが、選択的な酵素イ
ンヒビターであり得ることが報告されている。Delbaere、L.T.J.、Brayer、G.D.
、J.Mol.Biol.183:89-103、1985および「プロテアーゼおよび生物学的コント
ロール」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、429頁〜454頁、(Aoyagi、T
.およびUmezawa、H.編1975)。それゆえ、トリプシン様セリンプロテアーゼの
選択的遷移状態インヒビターは、これらのプロテアーゼが関連して影響を与える
多くの疾患状態に介入する薬剤として有用であり得る。
特に有用であり得る遷移状態インヒビターの1つの候補群は、ペプチドアナロ
グのC末端上にアルデヒド基を有するペプチドアナログである。ペプチドアルデ
ヒドは、最初、多くの放射菌株によって産生する天然物として発見された。天然
物のいくつかの誘導体は、種々のタイプのセリンおよびシステインプロテアーゼ
の選択的インヒビターであると報告されている。Aoyagi、T.上記。例えば、ペプ
チド(アラニンのエラスタチナール)は、強力なエラスターゼインヒビターであ
るが、トリプシンまたはトリプシン様セリンプロテアーゼのインヒビターではな
いと報告された。Hassall、C.H.ら、FEBS Lett.、183:201-205(1985)。エラス
ターゼインヒビターは、疾患(例えば、気腫)の治療に重要であり、そして合成
ペプチドアルデヒドは、ヒト白血球エラスターゼの優良なインヒビターと報告さ
れている。Sandler、M.、Smith、H.J.、上記。これらの天然に存在するアナログ
の選択性は、ペプチドの配列を改変することにより強化されることが報告されて
いる。Bajusz、S.ら、J.Med.Chem.33:1729-1735(1990);およびMcConnell、R.M
.ら、J.Med.Chem 33:86-93(1990)。
ペプチジルアルギニナール(ロイペプチン(アセチル-L-Leu-L-Leu-L-Arg-アー
ル)は、トリプシン様セリンプロテアーゼの選択的インヒビターであると報告さ
れている。「微生物起源のプロテアーゼインヒビターの構造および活性」、プロ
テアーゼおよび生物学的コントロール、Cold Spring Harbor Laboratory Press
、429頁〜454頁(Aoyagi、T.、Umezawa、H.編1975)。ロイペプチンは、その天
然に存在する変異体および合成アナログと共に、凝集カスケード内でいくつかの
トリプシン様セリンプロテアーゼの強力なインヒビターであると報告されている
。
ペプチジルアルギニナール(D-Phe-L-Pro-L-Arg-アール)およびそのアナログ
は、特異的凝集因子について顕著な選択性を示すことが報告されている。例えば
、(N-メチル-D-Phe-Pro-Arg-アール)のような1つのアナログは、トロンビン
インヒビターとして開発され、そしてインビボで重要な抗凝集活性を有すること
が報告されている。米国特許第4,316,889号(1982)、第4,399,065号(1983)、
第4,478,745号(1984)、第4,346,078号(1982)、および第4,708,039号(1987
)。
ペプチジルアルデヒドを、トリプシン様セリンプロテアーゼが影響を与える多
くの疾患状態に介入する強力な薬剤として使用することに関する医学的研究に関
する主要な問題は、ペプチジルアルギニナールを合成する難しさである。その合
成方法のための溶相方法が報告されているが、これらの合成は、大きな労働力を
要し、そして時間がかかるプロセスである。
ペプチジルアルギニナール(Arg-アール)の溶相合成方法(各方法とも、異な
る中間体を用いる)が、報告されている。
L-Leu-L-Arg-アールジブチルアセタールを中間体として使用することは、30を
超えるペプチジルアルギニナールの合成において報告されている。特に、L-Leu-
L-Arg-アールは、ロイペプチン(アセチル-L-Leu-L-Leu-L-Arg-アール)のサー
モリシン消化、消化物のラセミ体ジブチルアセタール(L-Leu-D、L-Arg-ジブチル
アセタール)への形質転換、次いでジアステレオマーの分離により調製されるこ
とが報告されている。Saino.Tら、Chem.Pharm.Bull.、30(7):2319(1982);
T.Sainoら、J.Antibiotics、41:220(1988)。
Nw-カルボベンジルオキシ-アルギニンラクタムをペプチジルアルギニナールの
合成における中間体として使用することが報告されている。ラクタムは、種々の
ペプチドと高収率で良好に結合することが報告された。生じたペプチジル-Nw-カ
ルボベンジルオキシ-アルギニンラクタムをLiAlH4で還元し、ペプチジル-Nw-カ
ルボベンジルオキシ-アルギニナールを形成し、次いで水素添加してペプチジル
アルギナールを得た。Basjusz、S.ら、J.Med.Chem.、33:1729(1990);Shuman、R
.T.ら、J.Med.Chem.、36:314(1993);Balasubramanian、N.ら、J.Med.Chem.
、36:300(1993)。
セミカルバゾン中間体の使用は、ペプチジルアルギニナールの合成に報告され
ている。非置換セミカルバゾン(Ng-ニトロ-L-アルギニナールセミカルバゾン)
は、ペプチジルアルギニナールの合成における中間体として用いられた。McConn
ell、R.M.ら、J.Med Chem.、33:86(1990);R.M.McConnell、J.L.York、D.Fr
izzell、C.Ezell、J.Med Chem.、36:1084-1089(1993)。Ng-ニトロ-L-アルギニ
ナールセミカルバゾニル-4-メチルシクロヘキサンカルボン酸は、固相方法によ
るペプチドアルデヒドの調製における中間体として報告された。Murphy、A.M.ら
、J.Am.Chem.Soc.、114:3156(1992);およびWebb、T.R.、米国特許第5,283,
293号(1994年2月1日)。Ng-ニトロ-L-アルギニナールセミカルバゾニル-4-ジ
フェニルメタンは、ペプチジルアルギニナールの溶相合成のための中間体として
報告された。Brunck、T.K.ら、WO93/14779(1993)。発明の要旨
1つの局面で、本発明は、ペプチジルアルギニナールの溶相合成に対して有用
な新規化合物に関する。これらの化合物は以下の式を有する:
ここで、
R1は、水素、ベンジルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル
、2-クロロベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、
t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボ
ニル、アダマンチルオキシカルボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカ
ルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、およびメチルスルホニルエトキ
シカルボニルからなる群から選択され;
R2は、1〜約12個の炭素原子のアルキル、および約7〜約15個の炭素原子の
アラルキル(どちらもヒドロキシまたは-CO-Yで置換され得、ここでYは、ヒド
ロキシ、1〜約12個の炭素原子のアルコキシ、約7〜約15個の炭素原子のアラル
コキシ、O-ポリマーサポート、またはNH-ポリマーサポートである)からなる群
から選択され;
R3は、水素、Fmoc、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボ
ニル、およびアダマンチルオキシカルボニルからなる群から選択され;および
R4は、水素、1〜約12個の炭素原子のアルキル、約6〜約14個の炭素原子の
アリール、および約7〜約15個の炭素原子のアラルキル、およびそれらの塩から
なる群から選択される。
別の局面では、本発明は、本発明の化合物の塩に関する。
さらに別の局面では、本発明は、ペプチジルアルギニナールの調製方法に関し
、その方法は以下を包含する:
(a)以下の式を有する第1の中間体と、該第1の中間体からR5基を化学的に除
去するR5除去剤とを反応させ、:
ここで、
R5は、ベンジルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、2-ク
ロロベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、t-ブト
キシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、
アダマンチルオキシカルボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニ
ル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、およびメチルスルホニルエトキシカル
ボニルからなる群から選択され;
R6は、1〜約12個の炭素原子のアルキル、および約7〜約15個の炭素原子の
アラルキル(どちらもヒドロキシまたは-CO-Yで置換され得、ここでYは、ヒド
ロキシ、1〜約12個の炭素原子のアルコキシ、または約7〜約15個の炭素原子の
アラルコキシル、O-ポリマーサポートまたはNH-ポリマーサポートである)から
なる群から選択され;
R7は、水素、Fmoc、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボ
ニル、およびアダマンチルオキシカルボニルからなる群から選択され;および
R8は、水素、1〜約12個の炭素原子のアルキル、約6〜約14個の炭素原子の
アリール、および約7〜約15個の炭素原子のアラルキルからなる群から選択され
;
以下の式の第2の中間体を得る工程:
(b)工程(a)の第2の中間体に、保護アミノ酸、保護アミノ酸アナログ、あるい
は約2〜約30個のアミノ酸、アミノ酸アナログ、ならびにアミノ酸とアミノ酸ア
ナログとの組み合わせの保護ペプチドを、カップリング剤を用いて化学的にカッ
プリングさせ、以下の式の第3の中間体を得る工程:
ここで、
Xは保護基であり、kは1〜30の整数であり、および
AA1-AA2...AAkは、アミノ酸、アミノ酸アナログ、あるいはk個のア
ミノ酸、アミノ酸アナログまたはアミノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わせを
含有するペプチドであり;
(c)R7が既に水素でない場合、第3の中間体とR7除去剤とを反応させ、化学
的にR7基を除去し、以下の式を有する第4の中間体を得る工程:
:および
(d)該第4の中間体と、該第4の中間体を化学的に加水分解する酸水溶液を含
有する加水分解剤とを反応させ、該ペプチジルアルギニナールを得る工程。
従って、以下の工程を包含するペプチジルアルギニナールの生成方法が提供さ
れる:
(a)以下の式を有する第1の中間体を調製する工程:
ここで、
R5は、ベンジルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、2-ク
ロロベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、t-ブト
キシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、
アダマンチルオキシカルボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニ
ル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、およびメチルスルホニルエトキシカル
ボニルからなる群から選択され;
R6は、1〜約12個の炭素原子のアルキル、および約7〜約15個の炭素原子の
アラルキル(どちらもヒドロキシまたは-CO-Yで置換され得、ここでYは、ヒド
ロキシ、1〜約12個の炭素原子のアルコキシ、または約7〜約15個の炭素原子の
アラルコキシ、O-ポリマーサポートまたはNH-ポリマーサポートである)からな
る群から選択され;
R7は、水素、Fmoc、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボ
ニル、およびアダマンチルオキシカルボニルからなる群から選択され;および
R8は、水素、1〜約12個の炭素原子のアルキル、約6〜約14個の炭素原子の
アリール、および約7〜約15個の炭素原子のアラルキルからなる群から選択され
;
(b)該第1の中間体からR5基を化学的に除去し、遊離アミノ基を有する第2の
中間体を得る工程;
(c)R5基が除去した第2の中間体に、保護アミノ酸、保護アミノ酸アナログ、
あるいは約2〜約30個のアミノ酸、アミノ酸アナログ、およびアミノ酸とアミノ
酸アナログとの組み合わせを含有する保護ペプチドを化学的にカップリングさせ
、以下の式の第3の中間体を得る工程:
ここで、
Xは保護基であり、kは1〜30の整数であり、および
AA1-AA2...AAkは、アミノ酸、アミノ酸アナログ、あるいはk個のア
ミノ酸、アミノ酸アナログ、またはアミノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わせ
を含有するペプチドであり;
(d)R7が水素でない場合、該第3中間体から化学的にR7基を除去し、以下の
式を有する第4の中間体を得る工程:
(e)酸水溶液を含有する液体中で、該第4の中間体を化学的に加水分解し、生
成物ペプチジルアルギニナールを得る工程。
さらに他の局面では、本発明は開示された方法により生成されるペプチジルア
ルギニナールに関する。定義
本発明に従い、かつ本明細書で用いられるように、以下の用語が、他に明確に
述べない限り、以下の意味を有すると定義される。
用語「アルキル」は、直鎖、分枝鎖、および環状基を包含する飽和脂肪族基を
指す。
用語「アルコキシ」は、式R-O-を有する官能基を指し、ここでRはアルキル基
である。
用語「アリール」は、共役π電子系を有する少なくとも1つの環を有する芳香
族基をいい、炭素環アリール、ヘテロ環アリール、およびビアリール(biaryl)基
が挙げられ、これらの全てが必要に応じて置換され得る。
用語「アリールオキシ」は、式R-O-を有する官能基を指し、ここでRはアリー
ル基である。
用語「アラルキル」は、アリール基で置換されたアルキル基を指す。適切なア
ラルキル基は、ベンジル、ピコリルなどが挙げられ、これらの全てが必要に応じ
て置換され得る。
用語「アラルコキシ」は、式R-O-を有する官能基を指し、ここでRはアラルキ
ル基である。
用語「アミノ酸」は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸の両方、およびアミ
ノ酸アナログを指し、それらの構造が立体異性体形態を可能とする場合、全ての
D体およびL体の立体異性体を指す。天然アミノ酸としては、以下が挙げられる
:アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)
、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒ
スチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン
(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr
)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、およびバリン(Val)。非天然アミノ酸
としては、以下が挙げられるが、以下に限定されない:アゼチジンカルボン酸、
2-アミノアジピン酸、3-アミノアジピン酸、β−アラニン、アミノプロピオン酸
、2-アミノ酪酸、4-アミノ酪酸、6-アミノカプロン酸、2-アミノヘプタン酸、2-
アミノイソ酪酸、3-アミノイソ酪酸、2-アミノピメリン酸、2,4-ジアミノイソ酪
酸、デスモシン、2,2'-ジアミノピメリン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸、N-エ
チルグリシン、N-エチルアスパラギン、ヒドロキシリシン、アロ−ヒドロキシリ
シン、3-ヒドロキシプロリン、4-ヒドロキシプロリン、イソデスモシン、アロ−
イソロイシン、N-メチルグリシン、N-メチルイソロイシン、N-メチルバリン、ノ
ルバリン、ノルロイシン、オルニチンおよびピペコリン酸。アミノ酸アナログと
しては、それらのN末端アミノ基または側鎖基を、可逆的または不可逆的に、化
学的にブ
ロックまたは改変した天然または非天然アミノ酸が挙げられ、例えば、メチオニ
ンスルホシキド、メチオニンスルホン、S-(カルボキシメチル)-システイン、S-(
カルボキシメチル)-システインスルホキシドおよびS-(カルボキシメチル)-シス
テインスルホンが挙げられる。
用語「アミノ酸アナログ」は、N末端アミノ基、C末端カルボキシル基、また
は側鎖基が、他の官能基に化学的にブロックまたは改変されたアミノ酸を指す。
用語「アミノ酸残基」は、以下の構造を有するラジカルを指す:(1)-HN-R-C(O
)-、ここでRは代表的に-CH(R')-であり、R'はHまたは置換基を含有する炭素で
あるか、または(2)
ここで、pは、1、2、または3であり、それぞれアゼチジンカルボン酸残基、
プロリン残基、またはピペコリン酸残基を表す。
用語「L-アルギニナール」は、カルボキシル基がアルデヒド基で置換されたL-
アルギニンを指す。L-アルギニナールは、以下の式を有する:
用語「D-アルギニナール」は、カルボキシル基がアルデヒド基で置換されたD-
アルギニンを指す。D-アルギニナールは、以下の式を有する:
用語「無害条件」は、ペプチドアナログおよび/またはそのアミノ酸(および
/またはアミノ酸アナログ)成分の骨格に、実質上悪影響を及ぼさない反応また
は合成の条件を指す。
用語「ペプチド」は、ペプチド結合により連結されるアミノ酸のオリゴマーを
指す。ペプチドを定義するのに用いられる命名法は、SchroderおよびLubke「The
Peptide」Academic Press(1965)で詳述されるものであり、ここで通常の表現に
従って、N末端のアミノ基は左に、そしてC末端のカルボキシル基は右に示す。
用語「ペプチジルアルギニナール」は、C末端アミノ酸が、L-アルギニナール
またはD-アルギニナールのいずれかであるペプチドを指す。
用語「ポリマーサポート」は、アミノ酸およびアミノ酸誘導体がカップリング
し得る強固な支持台を指す。
さらに、以下の略称は、以下のことを表す。
「N-Boc-Ng-ニトロ-L-アルギニン」は、以下の式を有する化合物を指す。
「L-Arg-アール」は、L-アルギニナールを指す。
「D-Arg-アール」は、D-アルギニナールを指す。
「Boc」は、t-ブトキシカルボニルを指す。
「BOP」は、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス-(ジメチルアミノ)-ホ
スホニウム-ヘキサフルオロホスフェートを指す。
「ブライン」は、塩化ナトリウムの飽和水溶液を指す。
「DCC」は、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミドを指す。
「DMF」は、ジメチルホルアミドを指す。
「EDC」は、エチル-3-(3-ジメチルアミノ)-プロピルカルボジイミド塩酸塩を
指す。
「Fmoc」は、9-フルオレニルメトキシカルボニルを指す。
「HBTU」は、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロ
ニウム(uronium)-ヘキサフルオロホスフェートを指す。
「HCl」は、塩酸を指す。
「HF」は、フッ化水素酸を指す。
「HOBt」は、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物を指す。
「2-PrPen」は、2-プロピルペンタノイルを指す。
「LiAlH4」は、水素化リチウムアルミニウムを指す。
「LiAlH2(OEt)2」は、二水素化リチウムアルミニウムジエトキシドを指す。
「MBHA」は、4-メチルベンズヒドリルアミン樹脂を指す。
「TBTU」は、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロ
ニウムテトラフルオロボラートを指す。図面の簡単な説明
図1は、本発明の化合物Ng-ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロールの生成
反応スキームを示す。この図では、(i)〜(iv)は以下のように定義される:i)イ
ソブチルクロロホルメート、1-メチルピペリジン、テトラヒドロフラン;iia)イ
ソブチルクロロホルメート、1-メチルピペリジン、O,N-ジメチルヒドロキシルア
ミン、塩酸塩、テトラヒドロフラン;LiAlH4、テトラヒドロフラン;IIb)LiAlH2
(OCH2CH3)2、テトラヒドロフラン;iii)濃HCl、エタノール;およびiv)無水の酸
、エタノール。
図2は、本発明の化合物Ng-ベンジルオキシカルボニル-L-アルギニナールエチ
ルシクロールの生成反応スキームを示す。この図では、(i)〜(v)は以下のように
定義される:i)ベンジルクロロホルメート、水酸化ナトリウム水溶液;ii)イソ
ブチルクロロホルメート、N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、テトラヒド
ロフラン;iii)LiAlH4、テトラヒドロフラン;iv)濃HCl、エタノール;v)無水塩
酸、エタノール。
図3は、本発明の化合物を用いてペプチジルアルギニナールを生成する方法を
示す。この図では、(i)〜(iv)は以下のように定義される:i)ジクロロメタン中
のトリフルオロ酢酸または無水エタノール中の無水塩酸;ii)HBTU、HOBt、N-メ
チルモルホリン、アセトニトリル;iii)H2、10%パラジウムカーボン、エタノー
ル、酢酸、水;iv)HPF6、アセトニトリル水溶液。発明の詳細な説明
1.好ましい化合物
1つの局面では、本発明は、ペプチジルアルデヒドの合成のための中間体とし
て有用な化合物に関する。これらの化合物は、以下の式を有する:
ここで、R1、R2、R3、およびR4は、本明細書中で以前に定義されている。
本発明の好ましい化合物としては、R4が水素または1から約12個の炭素原子
のアルキルであるものが挙げられる。R4についての適切なアルキルとしては、
以下が挙げられる:メチル、エチル、1-プロピル、2-メチル-1-プロピル、2,2-
ジメチル-1-プロピル、2-プロピル、2-メチル-2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル
、3-ブチル、3-メチル-1-ブチル、1-ペンチル、シクロペンチル、1-ヘキシル、
シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、1-ヘプチル、
4-ヘプチル、オクチル、ノナニル、ドデカニル、アダマンチルまたはアダマンチ
ルメチル。特に好ましい化合物としては、R4が水素、メチル、エチル、または
プロピルであるものが挙げられる。さらに特に好ましい化合物としては、R4が
水素であるものが挙げられる。
本発明の好ましい化合物としては、R3がFmoc、ニトロ、ベンジルオキシカル
ボニル、t-ブトキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、2,2,5,7,8-ペ
ンタメチルクロマン-6-スルホニル、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスル
ホニル、および4-メチルベンゼンスルホニルであるものが挙げられる。
1つの局面では、本発明の好ましい化合物としては、R3がニトロまたはベン
ジルオキシカルボニルであるものが挙げられる。この場合、好ましい化合物とし
ては、R1が以下であるものが挙げられる:水素、t-ブトキシカルボニル、t-ア
ミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカ
ルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピ
ルオキシカルボニル、またはFmoc。さらに特に好ましい化合物としては、R1が
水素またはt-ブトキシカルボニルであるものが挙げられる。特に好ましい化合物
としては、R3がt-ブトキシカルボニル、およびR1が水素、ベンジルオキシカル
ボニルであるものが挙げられる。
他の局面では、本発明の好ましい化合物としては、R3がt-ブトキシカルボニ
ルまたはアダマンチルオキシカルボニルであるものが挙げられる。この場合、好
ましい化合物としては、R1が以下であるものが挙げられる:水素、ベンジルオ
キシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカ
ルボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、またはメチルスルホニルエトキ
シカルボニル。特に好ましい化合物としては、R1が、水素、またはベンジルオ
キシカルボニルであるものが挙げられる。さらに特に好ましい化合物としては、
R3がt-ブトキシカルボニル、およびR1が水素、またはベンジルオキシカルボニ
ルであるものが挙げられる。
本発明の好ましい化合物としては、R2が、必要に応じて-CO-Yで置換される1
個〜約12個の炭素原子のアルキルであるものが挙げられる。R2についての適切
なアルキルとしては、以下が挙げられる:メチル、エチル、1-プロピル、2-メチ
ル-1-プロピル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-プロピル、2-メチル-2-プロピル
、1-ブチル、2-ブチル、3-ブチル、3-メチル-1-ブチル、1-ペンチル、シクロペ
ンチル、1-ヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル
メチル、1-ヘプチル、4-ヘプチル、オクチル、ノナニル、ドデカニル、アダマン
チルまたはアダマンチルメチル。特に好ましい化合物としては、R2がエチル、
メチル、プロピル、またはイソプロピルであるものが挙げられる。さらに特に好
ましい化合物としては、R2がエチルであるものが挙げられる。
本発明の好ましい化合物としてはまた、R3がFmocであり、かつR2が-CO-Yで
置換されたものが挙げられ、ここでYはO-ポリマーサポートまたはNH-ポリマー
サポートである。好ましいポリマーサポートとしては、メリフィールド樹脂およ
びMBHA樹脂が挙げられる。この場合、好ましい化合物としてはR1が以下である
ものが挙げられる:水素、t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、
イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、4-メトキシベ
ンジルオキシカルボニル、または2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニ
ル。さらに特に好ましい化合物としては、R1が水素またはt-ブトキシカルボニ
ルであるものが挙げられる。特に好ましい化合物としては、R3がFmocであり、
R1が水素またはt-ブトキシカルボニルであるものが挙げられる。
特定の本発明の好ましい化合物としては以下が挙げられる:
他の局面では、本発明は、式(I)の化合物の塩に関する。「塩」としては、そ
の定義されるものの中で、本発明の化合物と有機酸または無機酸との組み合わせ
から誘導される本発明の化合物の塩が挙げられる。実際、塩の形態での使用は、
塩基の形態での使用に等しい。本発明の化合物は、遊離塩基および塩の形態の両
方で有用であり、両方の形態が本発明の範囲内であると考えられる。これらの塩
としては、酸付加塩(acid addition salt)(例えば、塩酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸)、および他の好ましい酸付加塩が挙げられる。
2.好ましい化合物の調製
本発明の化合物は、溶相法または固相法により合成される。
合成に用いられる多くの出発物質は、Aldrich、Sigma、Nova Biochemicals、B
achem Bioscience、Incなどの化学ベンダーより容易に入手できる。
図1は、本発明の化合物(N-α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニ
ナールエチルシクロール、およびNg-ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロール
)の溶相合成のための好ましい道筋を説明する。後者は、そのトリフルオロ酢酸
塩または塩酸塩のいずれかとして調製され得る。これらの化合物の合成に対する
さらなる詳細は、実施例1から5において開示される。
図2は、さらに2つの本発明の化合物(N-α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ベン
ジルオキシカルボニル-L-アルギニナールエチルシクロール、およびNg-ベンジル
オキシカルボニル-L-アルギニナールエチルシクロール)の溶相合成のための好
ましい道筋を説明する。後者は、その塩酸塩として調製され得る。これらの化合
物の合成に対するさらなる詳細は、実施例24から29において開示される。
図1および図2で例証されるように、特定の保護アルギニナール(図1のA3お
よび図2のB4)は、環化により本発明の化合物に変換される。図1は、A4を与え
るA3の環化についての好ましい反応スキームを提供する。同様に図2は、B5を与
えるB4の環化についての好ましい反応スキームを提供する。
式(I)の化合物は、特定の保護アルギニナール(例えば、A3またはB4)を酸およ
びアルコールを含有する混合液中で処理することにより、特定の保護アルギニナ
ール(例えば、A3またはB4)の環化により調製され得る。好ましい方法としては、
HClおよびアルコール、p-トルエンスルホン酸およびアルコール、p-トルエンス
ルホン酸ピルジニウム(pyrdinium p-toluenesulfonate)およびアルコール、なら
びにカンフルスルホン酸およびアルコールを含有する混合液中で処理することが
挙げられる。特に好ましい方法としてとしては、濃HClおよびアルコールを含有
する混合液中で、0〜30℃好ましくは20〜25℃で処理することが挙げられる。
R2としてメチルが所望される場合、さらに特に好ましい方法としては、無水
メタノール中の濃HCl中で、0〜30℃好ましくは20〜25℃で処理することが挙げ
られる。R2としてエチルが所望される場合、さらに特に好ましい方法としては
、無水エタノール中の濃HCl中で、0〜30℃好ましくは20〜25℃で処理すること
が挙げられる。R2としてn-プロピルが所望される場合、さらに特に好ましい方
法としては、n-プロパノール中の濃HCl中で、0〜30℃好ましくは20〜25℃で処
理することが挙げられる。R2としてイソプロピルが所望される場合、さらに特
に好ましい方法としては、イソプロパノール中の濃HCl中で、0〜30℃好ましく
は20〜25℃で処理することが挙げられる。
3.用途
本発明の化合物および方法は、ペプチジルアルギニナールを生成するために有
用である。特定のペプチジルアルギニナールは、酵素インヒビターまたはインビ
トロでの診断試薬として有用である。例えば、本明細書中の実施例11(2-PrPen-A
sp(OCH3)-Pro-Arg-アール)および実施例14(2-PrPen-Asp-Pro-Arg-アール)に記載
されたペプチジルアルギニナールは、トロンビンインヒビターおよび血液凝固の
インヒビターであることが報告されている。Vlasukら、WO93/15756(1993年8月1
9日)。従って、本発明の化合物および方法を用いて生成される特定のペプチジル
アルギニナール(例えば実施例11および14のもの)は、トロンビンの活性酵素を抑
制する溶液への添加剤として有用である。
インビトロでの診断試薬としての抗凝血剤の使用は、周知である。例えば、抗
凝血剤を含有し、そして静脈穿刺により得られる血液を試験管の中へ吸引する方
法としてその内部が真空を有する共栓試験管は、医療分野で周知である。Kasten
、B.L.、「Specimen Collection」、Laboratory Test Handbook、第2版、Lexi-
Comp Inc.、CleveLand 16-17頁(Jacobs、D.S.ら編1990)。このような試験管は、
凝血抑制添加剤(例えばヘパリン塩、EDTA塩、クエン酸塩、シュウ酸塩)を含有し
、
そして血液からの哺乳動物血漿の単離のために有用である。凝血の強力なインヒ
ビターとして、特定のペプチジルアルギニナール(例えば、この出願の実施例11
および14で記述されたもの)はまた、血液採取管への添加用のインビトロでの診
断試薬として有用である。
4.適切な方法
他の局面では、本発明は、ペプチジルアルギニナールを生成する方法に関する
。図3は、本発明の好ましい方法に対する反応スキームを示す。この反応スキー
ムの例は、実施例9〜11および21〜23に開示される。
本発明の好ましい方法は、以下の工程を包含する:
(a)以下の式を有する第一の中間体を調製する工程:
ここで、
R5は、ベンジルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、2-ク
ロロベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、t-ブト
キシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、
アダマンチルオキシカルボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニ
ル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、およびメチルスルホニルエトキシカル
ボニルからなる群から選択され;
R6は、1〜約12個の炭素原子のアルキル、および約7〜約15個の炭素原子の
アラルキル(どちらもヒドロキシまたは-CO-Yで置換され得、ここでYは、ヒド
ロキシ、1〜約12個の炭素原子のアルコキシ、約7〜約15個の炭素原子のアラル
コキシ、O-ポリマーサポート、またはNH-ポリマーサポートである)からなる群
から選択され;
R7は、水素、Fmoc、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボ
ニル、およびアダマンチルオキシカルボニルからなる群から選択され;および
R8は、水素、1〜約12個の炭素原子のアルキル、約6〜約14個の炭素原子の
アリール、および約7〜約15個の炭素原子のアラルキルからなる群から選択され
;
(b)R5除去剤を用いて、該第1の中間体からR5基を化学的に除去し、第2の
中間体を得る工程;
(c)カップリング剤を用いて該第2の中間体に、保護アミノ酸、保護アミノ酸
アナログ、あるいは約2〜約30個のアミノ酸、アミノ酸アナログ、あるいはアミ
ノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わせを含有する保護ペプチドを化学的にカッ
プリングさせ、以下の式の第3の中間体を得る工程:
ここで、
Xは保護基であり、kは1〜30の整数であり、および
AA1-AA2...AAkは、アミノ酸、アミノ酸アナログ、またはk個のアミ
ノ酸、アミノ酸アナログ、あるいはアミノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わせ
を含有するペプチドである。
(d)R7が水素でない場合、R7除去剤を用いて、該第3の中間体から化学的に
R7基を除去し、以下の式を有する第4の中間体を得る工程:
;および
(e)該第4の中間体を化学的に加水分解する酸水溶液を含有する加水分解剤で
、該第4の中間体を化学的に加水分解し、ペプチジルアルギニナールを得る工程
。
本明細書中で用いられるように、用語「ペプチジルアルギニナール」は、C末
端アミノ酸が、L-アルギナールまたはD-アルギナールのいずれかであるペプチド
を指す。用語「ペプチド」は、ペプチド結合により連結されるアミノ酸のオリゴ
マーを指す。通常の表現に従って、N末端のアミノ基は左に、そしてC末端のカ
ルボキシル基は右に示す。
a.中間体の調製
本発明の方法を用いる好ましい第1の中間体(上記および図3の式1で示す)は
、上記のように調製される。好ましい第1の中間体としては、R8が水素または
1個〜約12個の炭素原子のアルキルであるものが挙げられる。R8についての適
切なアルキルとしては、以下が挙げられる:メチル、エチル、1-プロピル、2-メ
チル-1-プロピル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-プロピル、2-メチル-2-プロピ
ル、1-ブチル、2-ブチル、3-ブチル、3-メチル-1-ブチル、1-ペンチル、シクロ
ペンチル、1-ヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシ
ルメチル、1-ヘプチル、4-ヘプチル、オクチル、ノナニル、ドデカニル、アダマ
ンチル、またはアダマンチルメチル。特に好ましい化合物としては、R8が水素
、メチル、エチル、またはプロピルであるものが挙げられる。さらに特に好まし
い化合物は、R8が水素であるものが挙げられる。
好ましい第1の中間体としては、R7が、Fmoc、ニトロまたはベンジルオキシ
カルボニルであるものが挙げられる:この場合、好ましい化合物としては、R5
が以下であるものが挙げられる:t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボ
ニル、イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、4-メト
キシベンジルオキシカルボニル、または2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカ
ルボニル。特に好ましい第1の中間体としては、R5がt-ブトキシカルボニルの
ものが挙げられる。さらに特に好ましい第1の中間体としては、R3がニトロで
、かつR1がt-ブトキシカルボニルであるものが挙げられる。
あるいは、好ましい第1の中間体としては、R7が、t-ブトキシカルボニルま
たはアダマンチルオキシカルボニルであるものが挙げられる。この場合、好まし
い第1の中間体としては、R5が、以下であるものが挙げられる:ベンジルオキ
シカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカル
ボニル、9-フルオレニルメトキシカルボニル、またはメチルスルホニルエトキシ
カルボニル。特に好ましい第1の中間体としては、R5がベンジルオキシカルボ
ニルであるものが挙げられる。さらに特に好ましい第1の中間体としては、R7
がt-ブトキシカルボニルで、かつR5がベンジルオキシカルボニルであるものが
挙げられる。
好ましい第1の中間体としては、R6が必要に応じて-CO-Yで置換される1〜約
12個の炭素原子のアルキルであるものが挙げられる。R6についての適切なアル
キルとしては、以下が挙げられる:メチル、エチル、1-プロピル、2-メチル-1-
プロピル、2,2-ジメチル-1-プロピル、2-プロピル、2-メチル-2-プロピル、1-ブ
チル、2-ブチル、3-ブチル、3-メチル-1-ブチル、1-ペンチル、シクロペンチル
、1-ヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル
、1-ヘプチル、4-ヘプチル、オクチル、ノナニル、ドデカニル、アダマンチル、
またはアダマンチルメチル。特に好ましい第1の中間体としては、R6がメチル
、エチル、プロピル、またはイソプロピルであるものが挙げられる。さらに特に
好ましい第1の中間体としては、R6がエチルであるものが挙げられる。
本発明の好ましい第1の中間体としてはまた、R7がFmocで、かつR6が-CO-Y(
ここでYはO-ポリマーサポートまたはNH-ポリマーサポート)であるものが挙げら
れる。好ましいポリマーサポートとしては、アミノメチル化ポリスチレン樹脂、
p-ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、リンク(Rink)アミド樹脂、メリフィ
ールド樹脂、およびMBHA樹脂が挙げられる。この場合、好ましい化合物としては
、R5が、以下であるものが挙げられる:水素、t-ブトキシカルボニル、t-アミ
ルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカル
ボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、または2-(4-ビフェニル)-2-プ
ロピルオキシカルボニル。さらに特に好ましい化合物としては、R5が水素また
はt-ブトキシカルボニルであるものが挙げられる。特に好ましい化合物としては
、R7がFmocで、かつR5が水素またはt-ブトキシカルボニルであるものが挙げら
れる。
特定の特に好ましい第1の中間体としては、以下の式を有するものが挙げられ
る:
b.R5基を化学的に除去する工程
図3に示したように、第1の中間体1のR5基を化学的に除去し、第3の中間
体2を得る。
R5が、t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソボルニルオ
キシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカ
ルボニル、または2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニルである場合、
このような第1の中間体からR5基を化学的に除去する好ましい方法としては、
酸および溶媒を含有する混合液で処理することが挙げられる。例えば、好ましい
方法としては、以下で処理することにより、このようなR5基を化学的に除去す
ることが挙げられる:アルコール中のHCl、塩素化炭化水素溶媒中のトリフルオ
ロ酢酸、酢酸中のHCl、エーテル類溶媒中のHCl、酢酸エチルまたは酢酸メチル中
のHCl、トルエン中のp-トルエンスルホン酸。R5基を化学的に除去する特に好ま
しい方法としては、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸で、0〜30℃、さらに
好ましくは20〜25℃で処理することが挙げられる。R6がメチルである場合、R5
基を化学的に除去する他のさらに特に好ましい方法としては、無水メタノール中
のHClで、0〜10℃、好ましくは0〜5℃で処理することが挙げられる。R6がエ
チルである場合、R5基を化学的に除去する他のさらに特に好ましい方法として
は、無水エタノール中のHClで、0〜10℃、好ましくは0〜5℃で処理すること
が挙げられる。R6がn-プロピルである場合、R5基を化学的に除去する他のさら
に特に好ましい方法としては、n-プロパノール中のHClで、0〜10℃、好ましく
は0〜5℃で処理することが挙げられる。R6がイソプロピルである場合、R5基
を化学的に除去する他のさらに特に好ましい方法としては、イソプロパノール中
のHClで、0〜10℃、好ましくは0〜5℃で処理することが挙げられる。
あるいは、R5が、ベンジルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボ
ニル、または2-クロロベンジルオキシカルボニルである場合、このような第1の
中間体のR5基を化学的に除去する好ましい方法としては、触媒および溶媒を含
有する混合液中で、水素ガス、または水素ガス源で処理することが挙げられる。
例えば、このようなR5基を化学的に除去する好ましい方法としては、以下で処
理することが挙げられる:アルコールを含有する混合液中の水素ガスおよび白金
またはパラジウム、アルコールを含有する混合液中の1,4-シクロヘキサジエンお
よび白金またはパラジウム、あるいは酢酸水溶液を含有する混合液中のギ酸アン
モニウムおよび白金またはパラジウム。R5基を化学的に除去するさらに好まし
い方法としては、アルコールおよび酸を含有する混合液中で水素ガスおよびパラ
ジウムで処理することが挙げられる。R6がメチルである場合、R5基を化学的に
除去する他のさらに特に好ましい方法としては、メタノールおよびHClを含有す
る混合液中で、水素ガスおよび10%パラジウムカーボンで処理することが挙げら
れる。R6がエチルである場合、R5基を化学的に除去する他のさらに特に好まし
い方法としては、エタノールおよびHClを含有する混合液中で、水素ガスおよび1
0%パラジウムカーボンで処理することが挙げられる。R6がn-プロピルである場
合、R5基を化学的に除去する他のさらに特に好ましい方法としては、n-プロパ
ノールおよびHClを含有する混合液中で、水素ガスおよび10%パラジウムカーボ
ンで処理することが挙げられる。R6がイソプロピルの場合、R5基を化学的に除
去する他のさらに特に好ましい方法としては、イソプロパノールおよびHClを含
有する混合液中で、水素ガスおよび10%パラジウムカーボンで処理することが挙
げられる。
c.化学的カップリング
図3に示したように、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHを、2にカップリングさせ、第
3の中間体3を得る。
X-HN-AA1-AA2...AAk-OHは、保護アミノ酸、保護アミノ酸アナログ、あるいは
アミノ酸、アミノ酸アナログ、またはアミノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わ
せを含有する保護ペプチドを表し、ここでX-HN-AA1-AA2...AAk-OHは、遊離C末
端カルボキシ基を有し、そして「k」は整数であり、「k」はX-HN-AA1-AA2...A
Ak-OHを含有するアミノ酸、アミノ酸アナログ、またはアミノ酸とアミノ酸アナ
ログとの組み合わせの数である。kが1である場合、X-HN-AA1-OHは、保護アミ
ノ酸または保護アミノ酸アナログである。kが2〜20の場合、X-HN-AA1-AA2...A
Ak-OHは、kに等しい総数のアミノ酸、アミノ酸アナログ、またはアミノ酸およ
びアミノ酸アナログを含有する保護ペプチドである。好ましいX-HN-AA1-AA2...A
Ak-OHとして
は、kが1〜約20のものが挙げられる。特に好ましいX-HN-AA1-AA2...AAk-OHと
しては、「k」が約2〜約10のものが挙げられる。さらに特に好ましいX-HN-AA1
-AA2...AAk-OHとしては、「k」が約2〜約5のものが挙げられる。「X」は、X
-HN-AA1-AA2...AAk-OHのN末端アミノ酸またはアミノ酸アナログに対する保護基
を指す。カップリングのための好ましい保護アミノ酸としては、保護L-アミノ酸
が挙げられる。
X-HN-AA1-AA2...AAk-OHを2に化学的にカップリングさせる好ましい方法とし
ては、当該分野では公知の通常のカップリング剤を用いることによる、ペプチド
結合の形成が挙げられる。Bodanszky、N、Peptide Chemistry、55-73頁、Spring
er-Verlag、New York(1988)、およびこれらに引用される文献を参照のこと。化
学的カップリングは、1工程カップリング方法または2工程カップリング方法の
いずれかであり得る。1工程カップリングでは、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHを、2
に直接カップリングさせる。1工程カップリングのための好ましいカップリング
剤としては、DCCおよびHOBt、EDCおよびHOBt、HBTU、TBTU、HBTUおよびHOBt、あ
るいはTBTUおよびHOBtが挙げられる。2工程カップリングでは、X-HN-AA1-AA2..
.AAk-OHの2へのカップリングの前に、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHのC末端カルボキ
シ基の活性エステルまたは無水物を形成する。
X-HN-AA1-AA2...AAk-OHは保護され、副反応を防止し、正常なカップリングを
強化する。正常なカップリングでは、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHのC末端カルボキ
シ基のみが、2の遊離アミノ基に化学的にカップリングされることが要求される
。特に、N末端アミノ基、および必要であれば、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHの側鎖
基が、適切な保護基により保護される。
所望されるペプチジルアルギニナールの合成が、N末端アミノ基上に「X」の
ような非除去性保護基を有する単一のX-HN-AA1-AA2...AAk-OHの化学的カップリ
ングにより行われる場合が用いられる。非除去性基としては、アシル基またはス
ルホニル基が挙げられる。好ましい非除去性保護基としては以下が挙げられる:
アセチル、2-プロピルペンタノイル、4-メチルペンタノイル、t-ブチルアセチル
、3-シクロヘキシルプロピオニル、n-ブタンスルホニル、ベンジルスルホニル、
4-メチルベンゼンスルホニル、2-ナフタレンスルホニル、3-ナフタレンスルホニ
ル、
および1-カンフルスルホニル。
所望されるペプチジルアルギニナールの合成が、多数のX-HN-AA1-AA2...AAk-O
Hの段階的な付加により行われる場合、「X」のような適切な保護基およびX-HN-
AA1-AA2...AAk-OHを含有するアミノ酸またはアミノ酸アナログの側鎖官能基のた
めの適切な保護基が選択され、この保護基は、無害条件下で除去され得る。無害
条件とは、このペプチドの骨格および/またはそのアミノ酸成分に、実質的に悪
影響を与えない反応または合成条件を意味する。
無害条件下で除去され得る適切なN末端アミノ保護基としては、以下が挙げら
れる:(a)ベンジルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル、9-
フルオレニルメチルオキシカルボニル、イソニコチニルオキシカルボニル、およ
び4-メトキシベンジルオキシカルボニルを包含する芳香族ウレタン型保護基;(b
)t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカル
ボニル、2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニル、アリルオキシカルボ
ニル、およびメチルスルホニルエトキシカルボニルを包含する脂肪族ウレタン型
保護基;(c)アダマンチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル
、シクロヘキシルオキシカルボニル、およびイソボルニルオキシカルボニルを包
含するシクロアルキルウレタン型保護基。好ましいN末端保護基としては、ベン
ジルオキシカルボニルおよびt-ブトキシカルボニルが挙げられる。特に好ましい
保護基としては、t-ブトキシカルボニルが挙げられる。
無害条件下で除去し得る適切な側鎖保護基としては、以下が挙げられる:(a)
リシンに存在する側鎖アミノ基についての保護基としては、上記のいずれの基も
挙げられる;(b)アルギニンのグアニジノ基のための保護基としては、ニトロ、
ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニル、2,2,5,7,8-ペンタメチル-
クロマン-6-スルホニル、および2,3,6-トリメチル-4-メトキシ-フェニルスルホ
ニルが挙げられる;(c)セリン、トレオニンまたはチロシンのヒドロキシル基の
ための保護基としては、t-ブチル、ベンジル、p-メトキシベンジル、p-ニトロベ
ンジル、p-クロロベンジル、o-クロロベンジル、および2,6-ジクロロベンジルが
挙げられる;(d)アスパラギン酸またはグルタミン酸のカルボキシル基のための
保護基としては、メチルエステル、エチルエステル、t-ブチルエステル、および
ベンジルエステルが挙げられる;(e)ヒスチジンのイミダゾール窒素のための保
護基としては、ベンジルオキシメチル基が挙げられる;(f)チロシンのフェノー
ル性ヒドロキシル基のための保護基としては、テトラヒドロピラニル、t-ブチル
、トリチル、ベンジル、クロロベンジル、4-ブロモベンジル、および2,6-ジクロ
ロベンジルが挙げられる;および(g)システインのスルフヒドリル基のための保
護基としては、トリチル、ベンジル、4-メトキシベンジル、および2,4,6,-トリ
メチルベンジルが挙げられる。上記で開示されたようなN末端アミノ酸のための
保護基、ならびにアミノ酸およびペプチドの側鎖基のための保護基は、当該分野
で周知である。Bodanszky、N.、Peptide Chemistry、74-103頁、Springer-Verla
g、New York(1988)および、これらに引用される文献を参照のこと。
保護基を化学的に除去するための条件が変化することは、当業者には自明であ
る。例えば、トリフェニルメチルおよび2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカ
ルボニルのような特定の保護基は非常に不安定であり、そして弱酸(mild acid)
条件下で切断され得る。t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、ア
ダマンチルオキシカルボニル、および4-メトキシベンジルオキシカルボニルのよ
うな他の保護基は、より安定であり、そしてそれらの除去のためにはトリフルオ
ロ酢酸、塩酸または酢酸中のトリフルオロホウ素のような適度の強酸が必要とさ
れる。ベンジルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル、4-ニト
ロベンジルオキシカルボニル、およびイソプロピルオキシカルボニルのようなさ
らに他の保護基は、さらにより安定であり、それらの除去のためにはフッ化水素
、臭化水素、トリフルオロ酢酸中のトリフルオロ酢酸ホウ素、トリフルオロ酢酸
中のトリフルオロメタンスルホン酸ような、より強い酸が必要とされる。
X-HN-AA1-AA2...AAk-OHにおいては、本発明の方法で用いるために選択される
N末端アミノ酸のための保護基(X)を、X-HN-AA1-AA2...AAk-OHを含有するアミノ
酸、アミノ酸アナログ、またはアミノ酸とアミノ酸アナログとの組み合わせの側
鎖官能基上の保護基の存在下で、化学的に除去し得る。
ペプチジルアルギニナールの合成における特定の側鎖保護基と共に用いられる
N末端アミノ保護基を選択することにおいては、以下の考察が、確定的であり得
る。N末端アミノ保護基は:(a)カップリング反応で用いられる条件下でN末端
アミノ酸を不活性にし、(b)側鎖保護基を除去せず、かつペプチドフラグメント
の構造を変化させない条件下でのカップリング反応後、容易に除去し得、および
(c)カップリングの直前の活性化時に、ラセミ化の可能性を排除する。側鎖保護
基は:(a)カップリング反応において用いられる条件下で側鎖官能基を不活性に
し、(b)N末端アミノ保護基の除去において用いられる条件下で安定であり、そ
して(c)ペプチルアルギニナールの構造を変化させない反応条件下でペプチジル
アルギニナールの合成完了時に容易に除去される。他の保護基の存在下で保護基
「ペプチド合成における異なる保護および選択的保護」、The peptides、3巻、
203-252頁、Academic Press、New York(Gross,E.Meienhofer,J.編1981)参照。
X-HN-AA1-AA2...AAk-OHのN末端アミノ酸またはアミノ酸アナログのための保
護基Xの選択は、用いられる第1の中間体において、どのような保護基R7が使
用されたかに依存する。
R7がニトロ基またはベンジルオキシカルボニル基である場合、好ましい基と
しては以下が挙げられる:t-ブトキシカルボニル、t-アミルオキシカルボニル、
イソボルニルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、4-メトキシベ
ンジルオキシカルボニル、または2-(4-ビフェニル)-2-プロピルオキシカルボニ
ル。特に好ましい保護基としては、t-ブトキシカルボニルが挙げられる。あるい
は、R7がt-ブトキシカルボニルまたはアダマンチルオキシカルボニルの場合、
好ましい保護基としては以下が挙げられる:ベンジルオキシカルボニル、イソニ
コチニルオキシカルボニル、2-クロロベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニ
ルメトキシカルボニル、またはメチルスルホニルエトキシカルボニル。特に好ま
しい保護基としてはベンジルオキシカルボニルが挙げられる。
d.R7基の化学的除去
R7が水素でない場合、図3に示すように、第3の中間体3のR7基が化学的に
除去され、第4の中間体4を与える。R7が水素の場合、この工程は必要とされ
ない。
R7基がニトロまたはベンジルオキシカルボニルの場合、第3の中間体からR7
基を化学的に除去する好ましい方法としては、触媒、アルコール、および酸を
含有する混合液中で、水素ガスで第3の中間体を処理することが挙げられる。特
に好ましい方法としては、エタノールおよび酢酸を含有する混合液中で、パラジ
ウム上の水素ガスで処理することにより、このようなR7基を化学的に除去する
ことを包含する。
R7基がt-ブトキシカルボニルまたはアダマンチルオキシカルボニルの場合、
第3の中間体からR7基を化学的に除去する好ましい方法としては、酸および溶
媒を含有する混合液で、第3の中間体を処理することが挙げられる。特に好まし
い方法としては、塩素化炭化水素溶媒中のトリフルオロ酢酸で処理することが挙
げられる。さらに特に好ましい方法としては、0〜30℃、好ましくは20〜25℃で
、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸で処理することが挙げられる。
Freidingerら、J.Org Chem. 43:4800-4803(1978)の手法に従って、R7基をま
た、MeOH、CH2Cl2、またはDMF中で三塩化チタンを用いて除去し得る。
e.加水分解
図3に示したように、第4の中間体4を加水分解し、ペプチジルアルデヒド5
を得る。第4の中間体を加水分解する好ましい方法としては、酸水溶液で処理す
ることが挙げられる。好ましい酸水溶液としては、以下が挙げられる:HCl、HPF6
、メタンスルホン酸、過塩素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、トルエンスルホン酸。第4の中間体が、アスパラギン酸のβエス
テルまたはグルタミン酸のγエステルのいずれかを含有する場合、特に好ましい
酸としては、HPF6が挙げられる。第4の中間体が、アスパラギン酸のβエステル
またはグルタミン酸のγエステルを含有しない場合、特に好ましい酸としては、
HClおよびHPF6が挙げられる。
本発明の理解を助けるために、一連の実験の結果を包含する実施例を以下に挙
げる。本発明に関する以下の実施例は例示的であり、もちろん本発明を特に限定
することとして解釈されない。さらに、現在公知のまたは後に開発される本発明
のこのような変形は、当業者の範囲内であり、本願で請求される本発明の範囲内
であると考えられる。実施例 実施例1 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニンラクタムの調製
N-α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロアルギニン(2.00g、6.3ミリモル)を、
溶液を50℃まで加熱することによりテトラヒドロフラン(100ml)に溶解した。溶
液を室温まで冷却した。N-メチルピペリジン(0.84mL、6.9ミリモル)を添加し
、そして溶液を氷浴中で冷却した。イソブチルクロロホルメート(0.83mL、6.3
ミリモル)を添加し、反応混合物を0℃で6時間撹拌した。そしてジュワー中の
氷を一晩溶解しながら、反応混合物を18時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した
。粗生成物を20%酢酸エチル/ジクロロメタン(10mL)に溶解し、そして20%酢
酸エチル/ジクロロメタンを溶離液として用い、3×5cmカラムのシリカゲルを
通すフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。125mLの溶離液を回収した
。溶媒を減圧下で除去し、1.39g(粗収率74%)の表題化合物を白色発泡体とし
て得た。Rf=0.44(シリカゲル、ジクロロメタン中の5%イソプロパノール)。
イソブタノールが不純物として存在した。さらに、この化合物をジクロロメタン
/ヘキサンまたはエタノール/水からの再結晶により精製した。実施例2 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナールの調製
(a)手順1.
LiAlH4のテトラヒドロフラン溶液(1.0M溶液の3.8mL、3.8ミリモル)を撹拌
し、氷浴で冷却し、これにテトラヒドロフラン(5mL)中の酢酸エチル(0.43mL
、3.8ミリモル)を滴下した。溶液を0℃で30分間撹拌し、LiAlH2(OEt)2を前も
って形成した。
このLiAlH2(OEt)2の溶液を、実施例1の化合物(0.92g、3.1ミリモル)のテ
トラヒドロフラン溶液(5mL)に撹拌しながら滴下した。30分後、反応を1.0N H
Cl/テトラヒドロフラン(2mLの1:1混合物)でクエンチする。1.0N HCl(20
mL)を添加し、そして溶液を3回、酢酸エチル(各回20mL)で抽出した。一緒に
した有機層を水(5mL)、飽和重炭酸ナトリウム(5mL)で洗浄し、そしてブラ
イン(各回5mL)で2回、洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そし
て溶媒を減圧下で除去し、0.94g(収率100%)の表題化合物を白濁色の固形物
として得た。
(b)手順2.
あるいは、表題化合物を以下の手順によって生成した。
オーバーヘッド撹拌装置を備える12リットル4つ口丸底フラスコを、窒素の強
い気流下で火にかけて乾燥した。フラスコを冷却した後、120.0gのN-α-t-ブト
キシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニン(376ミリモル、1当量)を窒素ブラン
ケット下で添加し、次いで6リットルの無水テトラヒドロフラン(Aldrich sure
-seal)をカニューレにより添加した。次いで、フラスコに温度計を備え、そし
て得られた懸濁液を50℃まで熱線銃で撹拌しながら加温した。反応混合物を5℃
まで氷浴で冷却し、さらに氷/アセトン浴で-5℃まで冷却した。
この溶液を-5℃に到達するためにかかる時間の間に、36.66gのN-メチル-O-メ
チルヒドロキシアミン塩酸(376ミリモル、1.0当量)を500mLフラスコ中で計量
し、そして300mLジクロロメタン中に懸濁した。この懸濁液を5分間窒素でスパ
ージし、0℃で46mLのN-メチルピペリジン(1.0当量)を窒素下、シリンジで添
加した。混合物を短時間、音波処理し、完全な溶解/遊離塩基の形成を確実にし
、
なお窒素下で氷浴中で0℃まで再冷却した。得られた遊離塩基の溶液を後に用い
た。
上記のアルギニン溶液が-5℃に到達したとき、45mLのN-メチルピペリジンをシ
リンジにより添加し、次いで5分後、46mLのイソブチルクロロホルメート(0.95
当量)をシリンジから添加した。得られた溶液を-5℃で15分間で15分間撹拌した
。この時間の後、生じた上記のN-メチル-O-メチルヒドロキシアミンの遊離塩基
の溶液をカニューレにより、約15分かけて添加した。-5℃でさらに1.5時間撹拌
し、このとき、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、1:10:90酢酸/メタノ
ール/ジクロロメタン)は、反応が完了したことを示した。反応混合物を冷却し
たまま濾過し、塩を400mLの冷テトラヒドロフランで洗浄し、そして濾液を減圧
下で回転エバポレーターで濃縮し、黄色の発泡体を得た。
粗中間体を300mLのジクロロメタンに溶解し、そしてシリカゲルカラム(70−2
30メッシュ、7×50cm)にかけた。まず、カラムを2リットルのジクロロメタン
で、次いで2リットルのジクロロメタン中の2%メタノールで溶出した。次いで
、全生成物が溶出する(溶離液をUV活性についてチェックし、そしてUV活性が明
らかになると5つの1リットル画分を集めた)までジクロロメタン中の5%メタ
ノールで溶出した。精製生成物を含有する画分をプールし、そして減圧下で濃縮
し、そして一晩ポンプにかけ、120.1g(収率88%)のN-α-t-ブトキシカルボニ
ル-Ng-ニトロ-L-アルギニン-(N-メチル、N-メトキシアミド)を明るい黄色の発泡
体として得た。この発泡体を300mLジクロロメタン、300mLトルエンに溶解し、そ
して揮発分を減圧下で再び除去し、残留した任意の水またはメタノールを除去し
た。
120.1gのN-α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニン-(N-メチル、N
-メトキシアミド)(331.4ミリモル)を、2.8リットルの乾燥(Aldrich sure-sea
l)テトラヒドロフランに溶解し、そしてメカニカルスターラーおよび低温温度
計を備える乾燥5リットル4つ口丸底フラスコに移した。溶液を-70℃までドラ
イアイス/アセトン浴で冷却し、そして100mLのAldrich sure-sealビンから直接
移したテトラヒドロフラン中の300mLの1M LiAlH4をカニューレで添加した。さら
に50mLのテトラヒドロフラン中の1M LiAlH4をシリンジで添加した(計331mL)。
添加中、反応温度を-60℃未満に維持した。反応を-70℃で0.5時間かけて撹拌し
、
冷却浴を除去し、そして反応物を0℃まで徐々に加温した(約2.5時間)。-30℃
と-20℃との間で、濃いスラリーが生じた。反応混合物を0℃に達したとき、少
量のアリコートを除去し、そして酢酸エチル/2M 重硫酸カリウムとの間で分割
した。有機層を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)により分析
した。
反応が完了したと判断したとき、-70℃まで反応物を冷却し、そして503mLの2M
重硫酸カリウムを滴下漏斗から、反応温度を-30℃未満で維持するに十分ゆっく
りな速度で添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を2時間を越える間かけて0
℃にし、このとき、白色沈殿を濾過して取り出した。固体を500mLの冷テトラヒ
ドロフランで洗浄した。濾液を減圧下で回転エバポレーターで、ほとんどのテト
ラヒドロフランを除去し、そして残存する白色スラッジがほとんど水性になるま
で濃縮した。粗生成物を1.5リットルの酢酸エチルに溶解し、そして0.2M HCl(
2×200mL)で洗浄した。HClの抽出液を400mLの酢酸エチルで逆抽出(back-extra
ct)し、そして有機液を一緒にし、そして飽和重炭酸ナトリウム(2×200mL)で
抽出した。重炭酸抽出液もまた、400mL酢酸エチルで逆抽出した。次いで、有機
液を一緒にし、ブライン(200mL)で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。溶液を濾過し、減圧下で回転エバポレーターで濃縮し、一晩ポンプにかけ
、粗表題生成物の白色固形物(89.0g)を得た。これをシリカゲル上のクロマト
グラフィーにかけ、ジクロロメタン中の0%〜100%メタノールのグラジエント
で溶出した。精製画分を一緒にし、エバポレートし、表題白色固形物(75g、74
%)として得た。実施例3 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロールの調 製
実施例2の化合物(41.60g、0.137モル)をエタノール(200mL)に溶解し、
そして濃HCl(1mL)を添加した。TLC(シリカゲル、ジクロロメタン中の10%メ
タノール)による反応終了後、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をシリカゲル
カラム(230〜400メッシュ)を通し、0%〜10%の酢酸エチル/ジクロロメタン
を溶離液として用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。画分を一
緒にし、36.88g(81%)の表題化合物を薄暗い黄色の発泡体として得た。Rf=0.
62(シリカゲル、ジクロロメタン中の5%メタノール)。実施例4 Ng- ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロールトリフルオロアセテート塩の調製
実施例3の化合物(1.26g)を50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(10mL
)で35分にわたって処理した。溶液を撹拌しながら、ジエチルエーテル(100mL
)に滴下した。得られた沈殿物を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。明るい
黄色の粉末を減圧下で乾燥し、表題化合物(1.20g、91%)を得た。実施例5 Ng- ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロール塩酸塩の調製
0℃の実施例3の化合物(35g)の500mL無水エタノール溶液に、HCl(g)で飽
和した500mL無水エタノールをゆっくりと添加した。この混合物を25℃まで加温
し、そして薄層クロマトグラフィーでチェックした。出現した非常に極性の高い
生成物が所望の化合物であった。ほとんどのHClを、乾燥窒素を流して除去した
。残った有機溶媒を減圧下で除去した。得られた33gの表題化合物を黄白色固体
物として、これ以上精製することなく用いた。実施例6 Boc-L- アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリン-O-ベンジルエステルの 調製
0℃のイソブチルクロロホルメート(40.2mL、0.310モル)および1000mLの酢
酸エチルの溶液に、N-メチルモルホリン(51.2mL、0.465モル)をゆっくりと添
加した。この混合物を10分間メカニカルスターラーで撹拌した。Boc-L-アスパラ
ギン酸-β-メチルエステル(75g、0.283モル)を固体として添加した。得られ
た溶液を、15分間撹拌した。次いで、固体L-プロリン-O-ベンジルエステル塩酸
塩(75g、0.310モル)を添加し、次いでN-メチルモルホリン(44.4mL、0.403モ
ル)をゆっくりと添加した。30分後、氷浴を除去し、反応を薄層クロマトグラフ
ィー(シリカゲル、5:95メタノール/ジクロロメタン)によりモニターした。
約2時間後、反応を完了し、そして得られた有機相を1リットルの水に注ぐ。有
機相を分離し、300mLの1N HClで3回、300mL飽和重炭酸ナトリウムで1回、そし
て100mLのブラインで1回、洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去した。表題化合物の黄色オイルの収率は12
0.2g(91%)であった。Rf=0.76(シリカゲル、5:95メタノール/ジクロロメ
タン)。実施例7 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリ ン-O-ベンジルエステル
0℃の実施例6の化合物(112.6g、0.259モル)および400mLの酢酸エチルの溶
液に、HCl(g)で飽和した700mLの酢酸エチルを撹拌しながら添加した。約1時間
後、反応を薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、5:95メタノール/ジクロロ
メタン)により完了した。溶媒を減圧下で除去した後、得られた固形物を500mL
の酢酸エチルに懸濁し、L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリン-O-
ベンジルエステルの塩酸塩の溶液を得た。
0℃のイソブチルクロロホルメート(28.6mL、0.220)および300mLの酢酸エチ
ルの溶液に、N-メチルモルホリン(31.3mL、0.285モル)をゆっくりと添加した
。この混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで2-プロピルペンタン酸(34.5mL、0.
220モル)を添加した。得られた溶液を、30分撹拌し、次いで上記で調製した0
℃のL-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリン-O-ベンジルエステル塩
酸塩の懸濁液に添加した。この懸濁液にN-メチルモルホリン(31.3mL、0.389モ
ル)をゆっくりと添加した。30分後、氷浴を除去しそして反応混合物を25℃まで
加温した。約3時間後、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、5:95メタノー
ル/ジクロロメタン)により反応終了を決定し、そして得られた有機相を1リッ
トルの水に注いだ。有機相を分離し、1N HCl(3×100mL)で3回(thee times)
、飽和重炭酸ナトリウムで3回(3×100mL)洗浄し、そしてブライン(100mL)
で1回、洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶
媒を減圧下で除去し、残渣を得た。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(230〜400メッシュ、14×70cm カラム
)にかけ、そしてジクロロメタン中の0%〜3%メタノールのグラジエントで
溶出した。溶媒をエバポレートし、黄色オイルとして106.8g(90%)の表題化
合物を得た。Rf=0.73(シリカゲル、5:95メタノール/ジクロロメタン)。実施例8 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリン
実施例7の化合物(111.6g、0.242モル)、500mLのメタノール、11gの10%
パラジウムカーボン(ジクロロメタンで湿らせた)の溶液に、風船により水素ガ
スを添加した。反応物を25℃で一晩撹拌した。次の日、薄層クロマトグラフィー
(シリカゲル、5:95メタノール/ジクロロメタン)によって反応終了を決定し
た。溶液をセライトで濾過し、そしてセライトをジクロロメタン(200mL)で洗
浄した。有機溶媒を減圧下でエバポレートした。得られた白色固形物を300mLジ
エチルエーテルで破砕し、濾過し、乾燥して47.3g(58%)の表題化合物を得た
。Rf=0.23(シリカゲル、20:80メタノール/ジクロロメタン)。実施例9 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリ ル-Ng-ニトロ-L-アルギニナールエーテルシクロールの調製
実施例8の化合物(N-(2-プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチ
ルエステル)-L-プロリン)(4.50g、12ミリモル)、HBTU(4.61g、12ミリモ
ル)、およびHOBt(1.64g、12ミリモル)のアセトニトリル溶液(70mL)を撹拌
し、これに4-メチルモルホリン(5.30mL、48ミリモル)を添加した。10分後、ア
セトニトリル(80mL)中の実施例4の化合物(Ng-ニトロアルギニナールエチルシ
クロール、トリフルオロ酢酸塩)を添加した。16時間後、反応混合物を濃縮し、
酢酸エチル(500mL)および水(300mL)で希釈した。有機相を一緒にし、10%ク
エン酸(3×300mL)、水(2×300mL)、飽和重炭酸ナトリウム(3×300mL)
、およびブライン(2×100mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶液を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、そして生成物を沈
殿させた。溶液を濾過し、空気乾燥して表題化合物(4.39g、収率62%)を黄色
粉末として得た。HPLCによる分析によると、tR=16.1分(0.1%トリフルオロ酢酸
を含有する20%〜60%CH3CN/水、25mm Vydac C-18 カラム)。Rf=0.85(シリカ
ゲル、ジクロロメタン中の10%メタノール)。実施例10 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリル -L-アルギニナールエチルシクロール酢酸塩の調製
実施例9(4.39g、8ミリモル)の化合物、酢酸(1.72mL、30ミリモル)およ
びエタノール(75mL)中の水(20mL)を、10%パラジウムカーボン(0.44g)上
で72時間45psiで水素添加した。反応混合物をセライトで濾過し、水で洗浄した
。溶媒を減圧下で除去し、5.2g(収率100%)の表題化合物を得た。HPLC分析に
よるとtR=13.3分(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する20〜60%CH3CN/水、25mm
Vydac C-18カラム)であった。実施例11
N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリ ル-L-アルギニナールトリフルオロ酢酸塩の調製
実施例10の化合物(10.0g、17ミリモル)を50%アセトニトリル水溶液(200m
L)中に溶解し、氷浴中で冷却した。HPF6(60重量%、150mL)をゆっくりと添加
し、そして冷却浴を除去した。30分後、反応混合物を氷浴中で再冷却し、そして
酢酸ナトリウム水溶液(1.25リットルの2.5M 溶液)でpHを4にしてクエンチし
、次いで2ミクロンのフィルターで濾過した。濾液をBiotage HPLC、Vydac カラ
ム #3、C-18、4×60cmカラム、0.1%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリ
ル中の酸/0〜40%水を用いて精製した。純度について、画分をHPLC分析(0.1
%トリフルオロ酢酸を含有する20〜60%CH3CN/水、25mm Vydac C-18 カラム)
により分析し、一緒にし、そして減圧下でアセトニトリルを除去した。残った水
を凍結乾燥により除去し、表題化合物(4.26g、収率41%、純度99%)を白色粉
末として得た。1.03g(10%、純度91%)を、添加画分から回収した。高速原子
衝撃質量分析により、510の理論分子量を確認した。実施例12 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-L-プロピル-Ng-ニトロ-L-アルギ ニナールエチルシクロールの調製
実施例9の化合物(0.24g、0.41ミリモル)をメタノール(2mL)に懸濁し、そ
して1.0M LiOH(1.0mL)を滴下した。1時間後、反応混合物を水(10mL)で希釈
し、そして2×3mLの酢酸エチルで洗浄した。水層を1.0N HClでpH1.5に調整し
、3×5mlの酢酸エチルで抽出した。有機層を一緒にし、そして2×1mLのブラ
インで洗浄し、そして無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を約10mLまで減ら
し、そして固体を結晶化した。固体を濾過し、空気乾燥して表題化合物(110mg
、収率47%)を白濁色結晶として得た。HPLC分析によると、tR=13.3分であった
(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する20〜60%CH3CN/水、25mm Vydac C-18 カラ
ム)。実施例13 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-L-プロリル-L-アルギニナールエ ーテルシクロール酢酸塩の調製
エタノール/酢酸/水(4:1:1、150mL)中の実施例12の化合物(1.4g、
2.2ミリモル)を、10%パラジウムカーボン(0.70g)で、22.5時間かけて40psi
で水素添加した。溶液をセライトで濾過し、そしてセライトを水で洗浄した。溶
媒を減圧下で除去し、1.3g(収率100%)の表題化合物を得た。HPLC分析による
と、tR=11.2分であった(0.1%トリフルオロ酢酸を含有する20〜60%CH3CN/水
、25mm Vydac C-18 カラム)。実施例14 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-L-プロリル-L-アルギニナールト リフルオロ酢酸塩の調製
実施例13の化合物(0.400g、0.68ミリモル)を水(30mL)中に溶解し、氷浴
中で冷却した。濃HCl(12N、10mL)を添加し、そして冷却浴を除去した。3.25時
間後、反応混合物を酢酸ナトリウム水溶液(2.5M、10mL)でクエンチし、次いで
2ミクロンのフィルターで濾過した。濾液を分取HPLC(5×25cm Vydac C-18 カ
ラム、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する0〜40%アセトニトリル/水)により
精製した。画分を一緒にし、120mg(収率29%)の表題化合物を得た。高速原子
衝撃質量分析により、496の理論分子量を確認した。実施例15 S-(t- ブチルアセテート)-L-システインの調製
市販の(Aldrich)L-システイン塩酸塩1水和物(60.0g、341.7ミリモル)およ
び水酸化ナトリウム(27.33g、683.4ミリモル)の360mL水溶液(室温)を、ブ
ロモ酢酸t-ブチル(72.3g、370.6ミリモル)のジオキサン溶液130mLで30分かけ
て処理した。反応物を18時間撹拌し、その間に濃い沈殿物が形成された。固体を
濾過して取り出し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、超減圧下、40℃で乾
燥し、82.5g(吸蔵無機塩を含む粗収率103.8%)の表題化合物を得た。実施例16
N-Boc-S-(t- ブチルアセテート)-L-システイン
実施例15の化合物(82.5g、341.7ミリモル)および重炭酸ナトリウム(33.96
g、404ミリモル)を600mLの脱イオン水に懸濁した。ジ-t-ブチルジカーボネー
ト(80.88g、370ミリモル)のジオキサン溶液350mLを添加し、そしてスラリー
を18時間撹拌した。
スラリーをジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。スラリーを酢酸エチ
ル(200mL)を用いて層にし、1N 塩酸でpH2(pH紙)で酸性化した。得られた有
機層を保存し、そして残った水層をさらに酢酸エチル(2×200mL)で抽出した
。有機抽出液を一緒にし、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
そして溶媒を減圧下でエバポレートし、84.3g(収率74.6%)の表題化合物を透
明オイルとして得た。表題化合物の薄層クロマトグラフィー分析は、1つのスポ
ットを示し、Rf=0.55であった(シリカ、90:10:2 ジクロロメタン/メタノール
/酢酸)。実施例17 N-Boc-S-(t- ブチルアセテート)-L-システイン-L-プロリン-O-ベンジルエステル の調製
実施例16の化合物(31.89g、95.06ミリモル)およびL-プロリン-O-ベンジル
エステル塩酸塩(22.98g、95.06ミリモル)を0℃で140mLのアセトニトリル、
および120mLのジメチルホルムアミドに懸濁し、次いでBOP(42.0g、95.06ミリ
モル)およびN-メチルモルホリン(28.84g、285.18ミリモル)を添加した。氷
浴を30分後除去し、そして反応物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下
、25℃で体積を減らし、オイルを得た。オイルを酢酸エチル(250mL)に溶解し
、次いで連続して1N 塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×50mL)そ
してブライン(1×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し
、そして減圧下でエバポレートし、粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーでで、55:45のヘキサン/
酢酸エチルで溶出して精製し、27.91g(収率57.9%)の表題化合物をオイルと
して得た。表題化合物の薄層クロマトグラフィー分析は、1つのスポットを示し
、Rf=0.65であった(シリカ、3:2酢酸エチル/ヘキサン)。実施例18 N-Boc-S-(t ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L-プロリン-O-ベンジル エステルの調製
実施例17の化合物(27.9g、55.07ミリモル)を300mLの氷酢酸に溶解し、パー
ポレートテトラヒドレートナトリウム(sodium perborate tetrahydrate)(42.36
g、273.35ミリモル)を添加し、そして混合物を55℃まで加熱した。この温度で2
.5時間後、反応混合物を1リットルのブラインで希釈し、水層を酢酸エチル(4
×250mL)で抽出し、そして一緒にした有機抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。この溶液を濾過し、減圧下でエバポレートし、次いで減圧下、トルエン
(200mL)で繰り返し共沸させ、酢酸を除去した。残渣のスラリーを酢酸エ
チル(200mL)に溶解し、濾過し、濾液をエバポレートして29.7g(収率100%)
の表題化合物を白色固体として得た。表題化合物の薄層クロマトグラフィー分析
は、1つのスポットを示し、Rf=0.60であった(シリカ、3:2酢酸エチル/ヘ
キサン)。実施例19 N-(2- プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L -プロリン-O-ベンジルエステルの調製
実施例18の化合物(5.0g、9.28ミリモル)のシーブ乾燥酢酸エチルの溶液105
mLを調製した。これに、26mLの5.7N 無水塩酸/酢酸エチル(これは、塩化アセ
チルおよびメタノールからインシチュで生成される)を添加した。この混合物を
、室温で数時間、全ての前出発物質が消費されるまで撹拌した。混合物を減圧下
でエバポレートし、そして得られたオイルをアセトニトリルに溶解し、次いで減
圧下でエバポレートした。これを3回行った。
残存するオイルを35mLのアセトニトリルに懸濁し、氷浴の温度まで冷却し、次
いで2-プロピルペンタン酸(1.60g、11.4ミリモル)、BOP(4.10g、9.28ミリ
モル)およびN-メチルモルホリン(3.75g、37.1ミリモル)を添加した。30分後
、反応物を氷バスから取り出し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で
体積を減らし、オイルにした。オイルを200mLの酢酸エチルに溶解し、そして1N
塩酸(1×50mL)、飽和重炭酸ナトリウム(1×50mL)、およびブライン(1×
50mL)で連続的に洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、有機層を減圧
下、エバポレートして粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで、3:2ヘキサン/酢酸エ
チルで溶出して精製し、1.81g(収率34.5%)の表題化合物を固体として得た。
表題化合物の薄層クロマトグラフィー分析は、1つのスポットを示し、Rf=0.50
であった(シリカ、3:2酢酸エチル/ヘキサン)。実施例20 N-(2- プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン- プロリンの調製
実施例19の化合物(1.81g、3.2ミリモル)をテトラヒドロフラン(50mL)に
溶解し、0.5gの10%パラジウムカーボンを添加し、そして混合物を水素ガス下
で、大気圧で18時間撹拌した。
触媒を濾過により反応混合物から除去した後、溶媒を減圧下で除去し、そして
得られたオイルを飽和重炭酸ナトリウムの溶液に溶解した。次いで、この溶液を
酢酸エチル(1×150mL)で抽出し、そして有機層をデカントした。残存する水
層を、100mLの酢酸エチルで層にし、そして1N 塩酸でpH2(pH紙)に酸性化した。
相を分離後、有機層を保存し、次いで水層を酢酸エチル(3×100mL)でさらに
抽出した。
有機抽出液を一緒にし、そしてブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートして1.30g(収率85.6%)の表題化
合物を発泡状固体として得た。表題化合物の薄層クロマトグラフィー分析は、1
つのスポットを示し、Rf=0.35であった(シリカ、90:10:2 ジクロロメタン/メ
タノール/酢酸)。実施例21
N-(2- プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L -プロリン-Ng-ニトロ-L-アルギナールエチルシクロールの調製
実施例5の化合物(Ng-ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロール塩酸塩)(0.7
0g、2.6ミリモル)を6mLの乾燥ジメチルホルムアミドおよび13mLの乾燥アセト
ニトリルを撹拌しながら溶解した。この混合物に、N-メチルモルホリン(1.4mL
、13.1ミリモル)、次いで実施例20の化合物(0.96g、1.9ミリモル)、HOBt(0
.53g、3.9ミリモル)、およびHBTU(1.5g、3.9ミリモル)を添加した。16時間
後、反応混合物を600mL酢酸エチルで希釈し、各150mLの水、1M HCl水溶液、水、
飽和重炭酸ナトリウム、およびブラインで抽出した。有機相を無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧下で除去し、1.3g(収率95%)の表
題化合物を白濁色発泡体として得た。Rf=0.50(1:9 メタノール/ジクロロメ
タン)。実施例22 N-(2- プロピルペンタノイル)-S-(t-ブチルアセテート)-L-システインスルホン-L -プロリン-Ng-ニトロ-L-アルギニナールエチルシクロール酢酸塩の調製
1.0gの10%パラジウムカーボンを500mLパー(Parr)ビンに入れ、次いで10mLの
水および3.7mLの氷酢酸を添加した。この混合物に、実施例21の化合物(1.3g、
1.85ミリモル)のメタノール溶液100mLを添加した。次いで混合物を水素雰囲気
下、40psiで3日間振盪した。次いで触媒を濾過により除去し、そして濾液を減
圧下で濃縮し、オイルを得た。残渣を分取HPLC(5×25cm Vydac C-18カラム、0
.1%トリフルオロ酢酸を含有する10〜40%アセトニトリル/水)により精製した
。画分を一緒にし、0.7g(58%)の表題化合物を得た。実施例23 N-(2- プロピルペンタノイル)-S-(カルボキシメチル)-L-システインスルホン-L- プロリン-Ng-ニトロ-L-アルギニナールトリフルオロ酢酸塩の調製
実施例22の化合物(0.7g、1.1ミリモル)を、30mLの50:50水/アセトニトリ
ルに撹拌しながら溶解し、そして0℃で氷水浴中で冷却した。この溶液に、40mL
のHPF6の60重量%水溶液をゆっくりと添加した。1時間後、HPLC分析(0.1%ト
リフルオロ酢酸を含有する20〜60%CH3CN/水、25mm Vydac C-18 カラム)は、
反応が完了したことを示し、そして反応混合物のpHを、2.5M 酢酸ナトリウム水
溶液を用いて約pH=4に下げた。この混合物をセライトの栓で濾過し、次いで分
取HPLC(1"×8" C18、22mL/分、0.1%トリフルオロ酢酸を含有する12%〜30
%アセトニトリル/水)により精製し、プールした画分を凍結乾燥させて表題化
合物を得た。高速原子衝撃質量分析により、574の理論分子量を確認した。実施例24
N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-カルボベンゾイルオキシ-L-アルギニンの調製
α-N-tert-ブチルオキシカルボニル-L-アルギニン塩酸塩水和物(82.1g、250
ミリモル)を、5.0N 水酸化ナトリウム(240mL)中に溶解し、そして-5℃〜0℃ま
で冷却する。激しく撹拌しながら、ベンジルクロロホルメート(143mL、1モル
)を55分かけて滴下しながら、5.0N 水酸化ナトリウム(250mL)を、混合物のpH
を13.2〜13.5に維持する速度で溶液に添加する。クロロホルメートの添加完了後
、0℃で1時間、撹拌を続けた。反応混合物を水(100mL)、およびジエチルエ
ーテル(500mL)で希釈する。水層を分離し、そしてジエチルエーテル(2×40m
L)で抽出する。水層を3N 硫酸(約560mL)でpH3.0まで酸性化し、そして酢酸エ
チル(550mL)で抽出する。水層を酢酸エチル(250mL)で抽出する。一緒にした
酢酸エチル抽出液を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧下
でエバポレートする。沈殿物をジエチルエーテルで粉砕し、濾過し、ジエチルエ
ーテルで洗浄し、空気乾燥し、表題化合物を得る。実施例25 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-カルボベンジルオキシ-L-アルギニンラクタムの 調製
実施例24の化合物(66.0g、162ミリモル)をテトラヒドロフラン(230mL)に
溶解し、そして混合物を-10℃に氷-アセトン浴中で冷却する。冷却溶液に、N-メ
チルモルホリン(18.7mL、170ミリモル)、次いでイソブチルクロロホルメート
(22.5mL、170ミリモル)を添加する。5分間撹拌した後、トリエチルアミン(2
3.5mL、170ミリモル)を添加する。反応混合物をさらに1時間-10℃で撹拌し、
次いで室温で1時間撹拌する。反応混合物を氷水(1リットル)に注ぐ。沈殿し
た物質を濾過し、冷却水で洗浄し、減圧下で乾燥し、そして酢酸エチルから結晶
化し、表題化合物を得る。実施例26 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-カルボベンジルオキシ-L-アルギニナールの調製
氷浴中で冷却したLiAlH4のテトラヒドロフラン溶液(1.0M 溶液の4.8mL、4.8
ミリモル)を撹拌し、これにテトラヒドロフラン(5mL)中の酢酸エチル(0.54
mL、4.8ミリモル)を滴下する。溶液を30分間、0℃で撹拌し、LiAlH2(OEt)2を
前もって形成する。
このLiAlH2(OEt)2の溶液を、実施例25の化合物(1.50g、3.8ミリモル)のテ
トラヒドロフラン溶液(10mL)に撹拌しながら滴下する。30分後、反応を1.0N HCl
/テトラヒドロフラン(2.5mLの1:1混合物)でクエンチする。1.0N HCl(20m
L)を添加し、そして溶液を3回、酢酸エチルで抽出する(3×20mL)。一緒に
した有機層を水(5mL)、飽和重炭酸ナトリウム(5mL)で洗浄し、そしてブラ
インで2回(2×5mL)洗浄する。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾
過し、そして溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を得る。実施例27 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-カルボベンジルオキシ-L-アルギニナールエチル シクロールの調製
実施例26の化合物(1.00g、2.5ミリモル)をエタノール(10mL)に溶解し、
そして濃HCl(0.05mL)に添加する。反応完了後、溶媒を減圧下で除去した。粗
生成物をシリカゲル(230〜400メッシュ)のカラムを通すフラッシュクロマトグ
ラフィーによって精製し得る。溶媒を減圧下で一緒にした画分から除去後、表題
化合物を得る。実施例28 Ng- カルボベンジルオキシ-L-アルギニナールエチルシクロールトリフルオロ酢酸 塩の調製
実施例27の化合物(0.80g)を、50%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン(8
mL)で30分間かけて処理する。溶液をトルエンで希釈し、そして溶媒を減圧下で
除去する。残渣を再びトルエンで希釈し、そして溶媒を減圧下で除去し、表題化
合物を得る。得られた表題化合物は、さらに精製することなく用いられる。実施例29
Ng- カルボベンジルオキシ-L-アルギニナールエチルシクロール塩酸塩の調製
0℃の実施例27の化合物(3.5g)の無水エタノール溶液50mLに、HCl(g)で飽
和した50mL無水エタノールをゆっくりと添加する。この混合物を25℃まで加温し
、そして薄層クロマトグラフィーによってチェックする。HClを乾燥窒素気流で
除去し、そして残存する有機溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を得る。表題化
合物は、さらに精製することなく用いられる。実施例30 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロピル -Ng-カルボベンジルオキシ-L-アルギニナールエチルシクロールの調製
実施例8の化合物(4.50g、12ミリモル)、HBTU(4.61g、12ミリモル)、お
よびHOBt(1.64g、12ミリモル)のアセトニトリル溶液(70mL)を撹拌し、これ
に4-メチルモルホリン(5.30mL、48ミリモル)を添加する。10分後、アセトニト
リル(80mL)中の実施例29の化合物(5.2g、12ミリモル)を添加する。16時間
後、反応混合物を濃縮し、酢酸エチル(500mL)および水(300mL)で希釈する。
有機層を一緒にし、そして10%クエン酸で3回(3×300mL)、水で2回(2×3
00mL)、飽和重炭酸ナトリウム(3×300mL)で3回、そしてブラインで2回(
2×100mL)で洗浄した。溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒
を減圧下で除去する。粗生成物をシリカゲルのカラム(230〜400メッシュ)を通
すフラッシュクロマトグラフィーにより精製し得る。溶媒を減圧下で除去し、一
緒にした画分から表題化合物を得る。実施例31 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリル -L-アルギニナールエチルシクロール酢酸塩の調製
エタノール(75mL)中の、実施例30の化合物(4.39g、8ミリモル)、酢酸(
1.72mL、30ミリモル)、および水(20mL)を、10%パラジウムカーボン(0.44g)
上で5時間、水素雰囲気で水素添加する。反応混合物をセライトで濾過し、そし
てセライトを水で洗浄する。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物を得る。実施例32 N-(2- プロピルペンタノイル)-L-アスパルチル-β-(メチルエステル)-L-プロリ ル-L-アルギニナールトリフルオロ酢酸の調製
実施例31の化合物(10.0g、17ミリモル)を50%アセトニトリル水溶液(200m
L)に溶解し、そして氷浴中で冷却した。HPF6(60重量%、150mL)をゆっくりと
添加し、そして冷却浴を除去した。30分後、反応混合物を氷浴中で再冷却し、そ
して酢酸ナトリウム水溶液(2.5Mの溶液、1.25リットル)でpH4にしてクエンチ
し、次いで2ミクロンフィルターで濾過した。濾液を、Biotage HPLC、Vydac カ
ラム #3、C-18、4×60cm カラム、0.1%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニ
トリル中の酸/0〜40%水を用いて精製した。画分を純度についてHPLC分析(0.
1%トリフルオロ酢酸を含有する20〜60%アセトニトリル-水、25mm Vydac C-18
カラム)により分析し、一緒にし、そしてアセトニトリルを減圧下で除去する。
残存する水を凍結乾燥により除去し、表題化合物を得る。実施例33 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナール(カルボエトキシメチ ル)シクロールの調製
実施例2の化合物(4.99g、16ミリモル)およびエチルグリコレート(2.0mL
、21ミリモル)のジクロロメタン(20mL)懸濁液に、カンフルスルホン酸(0.20
g、1ミリモル)を添加した。24時間後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)で
希釈し、飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥し、そして溶媒を除去した。残渣を2%イソプロパノール/ジクロロメタンを
用いるフラッシュシリカゲルを通すクロマトグラフィーにかけた。画分を一緒に
し、全量2.59gの表題化合物(収率40%)を得た。Rf=0.39(シリカゲル、クロ
ロホルム中の10%イソプロパノール)。実施例34
N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナール(カルボキシメチル) シクロールの調製
実施例33の化合物(2.00g、5.1ミリモル)をメタノール(2mL)に懸濁し、
氷浴中で冷却し、そして1.0M 水酸化リチウム(10.2mL、10.2ミリモル)を滴下
する。氷浴を除去する。1〜16時間後、溶液を水(100mL)で希釈し、そして酢
酸エチル(2×30mL)で洗浄する。水層を1.0N HClでpH1.5で酸性化し、次いで
酢酸エチル(3×50mL)で抽出する。一緒にした有機層を2回、ブライン(各回
1mL)で洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥する。溶媒を除去し、そして表
題化合物を単離する。実施例35 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナール[カルボ(メリフィー ルド(Merrifield)樹脂)オキシメチル]シクロールの調製
メリフィールド樹脂(0.78ミリモル/g 置換、1.0g、0.78ミリモル)を、ジ
メチルホルムアミド(20mL)、およびフッ化カリウム(181mg、3.1ミリモル)中に
懸濁し、そして実施例34の化合物(0.56g、1.6ミリモル)を添加する。反応混
合物を80℃のオイル浴で、撹拌しながら24時間加熱し、次いで室温まで冷却す
る。樹脂の置換を少量の置換樹脂のサンプルおよびピクリン酸アッセイ(John M
. Stewart、Janis D.Young、Solid Phase Peptide Synthesis、Pierce Chem Co
.(1984)107頁)を用いて決定する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン(3×)
、ジメチルホルムアミド(4×)、水(3×)、およびメタノール(3×)で洗
浄し、そして減圧下で乾燥し、表題化合物を得る。実施例36 N- α-t-ブトキシカルボニル-Ng-ニトロ-L-アルギニナール[カルボ(MBHA 樹脂)オ キシ-メチル]シクロールの調製
実施例35の化合物(8.1g、22.4ミリモル)をMBHA樹脂(1.12ミリモル/g置
換、20.0g、22.4ミリモル)をBOP試薬(9.91g、22.4ミリモル)および4-メチ
ルモルホリン(2.26mL、22.4ミリモル)とともに、標準プロトコールを用いて結
合する。(John M.Stewart、Janis D.Young、Solid Phase Peptide Synthesis
、Pierce Chem Co.(1984)、73頁)。24時間後、樹脂をジクロロメタン(3×)
、ジメチルホルムアミド(4×)で洗浄し、ジメチルホルムアミド中の10%ジイ
ソプロピルエチルアミンで粉砕し(最初の洗浄は10分、次の洗浄は20分)、次い
でジメチルホルムアミド(4×)で洗浄する。結合能率を、少量の結合樹脂およ
びニンヒドリン試験を用いて決定する。樹脂を実施例35の化合物(8.1g、22.4
ミリモル)、BOP試薬(9.91g、22.4ミリモル)および4-メチルモルホリン(2.2
6mL、22.4ミリモル)と2回、前回と同じプロトコールを用いて結合させる。24
時間後、樹脂をジクロロメタン(3×)、ジメチルホルムアミド(4×)、およ
びメタノール(4×)で洗浄する。結合能率を、少量の結合樹脂およびニンヒド
リン試験を用いて決定する。樹脂を減圧下で乾燥し、表題化合物を得る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,US,UZ,VN
(72)発明者 タムラ, スーザン ワイ.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92129,
サンディエゴ,ガインスボロウ アベニ
ュー 8997
(72)発明者 リプカ, ウイリアム シー.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92131,
サンディエゴ,レッド ロック ドライ
ブ 10819
(72)発明者 ダグニノ, レイモンド ジュニア
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92126,
サンディエゴ,スルコ ドライブ
11365
(72)発明者 ナット, ルース エフ.
アメリカ合衆国 ニューメキシコ 87501,
サンタフェ,コリブリ ティエラ 4