【発明の詳細な説明】
ネイセリア(Neisseria)菌からのヘモグロビン受容体
本発明は、National Institute of Health 許可R01 AI32493および
R01 AI22933の下に政府支援によりなされた。米国政府は本発明につ
いて一定の権利を有する。発明の背景
1.発明の分野
本発明は、ある細菌種、特にNeisseria菌種についてのヘモグロビン受容体遺
伝子およびそれからコードされるタンパク質に関する。より特定的には、本発明
は、ヘモグロビン受容体遺伝子Neisseriaに対するワクチンおよび抗体を製造す
るのに有用なポリペプチドおよびペプチド、およびインビトロでこれらのポリペ
プチドおよびペプチドを製造する方法および手段に関する。更に、Neisseria感
染を検定し処置するのに有用な診断および治療方法および試薬、新規かつ効果的
な抗Neisseria剤を開発する方法も提供する。
2.発明の背景
Neisseriaeは、ヒト病原性のpyogenic cocciの2種のグラム陰性菌、すなわ
ちNeisseria meningitidisおよびNeisseria gonorrhoeaeを含む細菌の1属で
ある。N.meningitidisはヒトの細菌髄膜炎の主な原因であり、特に小児に多い
。この疾患は、感染者の鼻咽腔に細菌が無症状で保持され、血液および脳脊髄膜
へ侵入することを特徴とする。
Neisseria meningitidisは、世界中で小児および健常成人における細菌髄膜
炎の主な原因の一つである。この疾患が重篤なのは、髄膜炎菌感染が健康であっ
た者を24時間以内に死に至らしめることから明らかである。N.meningitidis
はポリサッカライド莢膜を有し、その成分の抗原性ポリサッカライド分子は多種
であって様々な血清型(serotype)に分類されている。そのうち、血清型Aは代
表的な流行株であり、BおよびC株は一般的な流行株であり、C株は時に爆発的
な流行をもたらす。A株として知られるすべては、その外側の膜上に同じタンパ
ク質抗原を有し、一方血清型Bは主な外側膜タンパク質抗原(ポリサッカライド
に対して)の存在に基づく多くの血清型すなわち分類型を有する。
N.meningitidisなどの病原体の生存は、その宿主の一連の防衛メカニズムを
打破する能力にかかっている。侵入細菌に対する非特異的防衛メカニズムは、鉄
が殆どの細菌病原体に必要な栄養であるので、組織における鉄の活性を制限する
ことにある(Weinberg,1984,Physiological.Rev.64;65-102)。ヒトの非常
に大部分の鉄は、ヘモグロビン(76%)またはフェリチン(23%)の形で細
胞外に存在している。残りは、トランスフェリンおよびラクトフェリンなどの宿
主の鉄−結合タンパク質に細胞外で結びついて発見され得る(Otto et al.,1992
,Crit.Rev.Microbiol.18:217-233)。
病原細菌は、非常に特殊でかつ効果的な鉄同化システムをつくりあげてこの鉄
−制限的環境に適応している。これら細菌の大多数はサイドローフォア、小さい
非タンパク質鉄キレートを分泌し、これは、その鉄に対する非常に高い親和性(
III)によって、環境からごく少量の鉄を集め、細菌細胞に鉄をもどす(Baggs a
nd Neilands,1987,Microbiol.Rev.51:509-518; Braun and Hantke,1991,i
n Winkelmann(ed.),Handbook of Microbial Iron Chelates,CRC Press: Boca
Raton,Fla.,pp107-138)。
一方、Neisseriae種(Archilbald and DeVoe,1979,FEMS Microbiol.Lett.6:
159-162;Mickelson et al.,1982,Infect.Immun.35:915-920; Dyer et al.,198
7,Infect.Immun.55:2171-2175),Haemophilus influenzae(Coulton and Pa
ng,1983,Curr.Microbiol.9:93-98; Schryvers,1988,Mol.Microbiol.2:467
-472; Jarosik et al.,1994,Infect.Immun.62:2470-2477),Vibrio cholerae(
Stoebner and Payne,1988,Infect.Immun.56:2891-2895;Henderson and Payne
,1994,J.Bacteriol.176:3269-3277),Yersiniae(Stojiljkovic and Hantke,1
992.EMBO J.11:4359-4367)およびActinobacillus pleuropneumoniae(Gerlach
et al.,1992,Infect.Immun.60:3253-3261)などのいくつかの病原細菌は、宿
主から鉄を引き離すのに、より洗練されたメカニズムを発展させている。これら
の
病原体は、ラクトフェリン、トランスフェリンおよびヘム含有化合物などの宿主
の鉄結合タンパク質と直接的に結合することができ、そしてこれらを鉄の唯一の
供給源として利用する。
N.meningitidisの悪性における鉄の重要性は、動物モデルシステムとしてマ
ウスを用いたインビボ研究によって明らかにされた(Calver et al.,1976,Can.
J.Microbiol.22:832-838; Holbien et al.,1981,Infect.Immun.34:120-125)。
特殊な鉄−調節外膜受容体は、Neisseriaeにおいてラクトフェリン−およびト
ランスフェリン−鉄の結合および利用に関与していることが示されている(Schr
yvers and Morris,1988,Infect.Immun.56:1144-1149 and Mol.Microbiol.2:28
1-288; Legrain et al.,1993,Gene 130:81-90; Pettersson et al.,1993,Infe
ct.Immun.61:4724-4733 and 1994,J.Bacteriol.176:1764-1766)。これらの受
容体は、他のグラム陰性菌のサイドロフォアおよびビタミンB12の受容体と、
有意のアミノ酸類似性を、および、おそらく鉄取り込みメカニズムをも共有して
いる(Cornelissen et al.,1993,J.Bacteriol.174:5788-5797)。対照的に、ヘ
モグロビン、ヘモ鉄および同様の成分を利用するNeisseriaeのメカニズムは、
現在のところ報告されていない。
最近、ヘモグロビン−結合および/またはヘミン−結合活性を有するいくつか
のタンパク質が鉄制限N.meningitidisおよびN.gonorrhoeaeのすべての膜にお
いて見い出されている。
Lee and Hill,1992,J.gen.Microbiol.138:2647-2656は、N.meningitidisの
分離した外側膜によって特殊なヘモグロビン結合を開示している。
Martek and Lee,1994,Infect.Immun.62:700-703は、N.meningitidisによるヘ
ム鉄の取得が髄膜炎トランスフェリン−結合タンパク質に関係していないことを
開示している。
Lee,1994,Microbiol.140:1473-1480は、N.meningitidisからのヘミン結合タ
ンパク質の生化学的分離および特徴について記載している。
これらのタンパク質はN.meningitidisにおけるヘミン利用システムの成分の
ようではあるが、ヘミンおよび/またはヘモグロビン利用についてのこれらタン
パク質の正確な役割は現在も明白でない。
Neisseriaの生長が宿主の保有する鉄に依存していることは、新しく、効果的
な治療戦略の開発について有望な道程を示すものである。歴史的に、N.meningi
tidisおよびN.gonorrhoeae両者の感染は、スルホン剤で化学予防的に処置され
て来た。しかし、スルホンアミド抵抗性株の発生と共に抗生物質療法などの他の
治療法の必要が生じて来た。さらに最近では、薬剤療法では高価ペニシリンの投
与が選択さえている。しかし、感染後早く治療を始めないと、抗菌療法の成功率
は低くなっている。
淋菌感染もペニシニン、アミノシリン、アモニシリン、テトラサイクリン塩酸
塩およびスペクチノマイシンで治療されている。不幸なことに、ペニシリナーゼ
−生産菌による感染の発症が増加しているので、いくつかの新しい、より高価な
β−ラクタム抗生物質が治療に用いられている。存在している抗生物質が淋病の
重症を軽減しているという事実にもかかわらず、これらの使用は全人口における
感染の発症を低下していない。
髄膜炎感染症の予防は、化学的予防法および免疫予防法によって試みられた来
た。現在、リファンピンおよびミノサイクリンが使用されているが、この治療の
感染者に密に接触するヒトについてのみであり、多くの欠点がある。meningococ
cal髄膜炎に対する唯一の市販ワクチンはその主要成分として細菌ポリサッカラ
イド莢膜を有する。成人でこのワクチンは血清型A、C、YおよびWI35に対
して効く。血清型Bに対しては効果がなく、また小児で血清型C株に対して効果
がない。このように、N.gonorrhoeaeに対しては免疫的予防処置はなされていな
い。
従って、必要なのは、より効果的で、長い効力のワクチンを含むmeningococca
l髄膜炎および淋病に対する予防的療法であり、これはN.meningitidisのすべて
の血清型およびN.gonorrhoeaeのすべての血清型に交叉して有効でありたい。付
言すると、meningococcalおよびgonococcal感染に対するよりよい方法を必要と
している。本発明の要約
本発明は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質をコードする遺伝子のクローニ
ング、発現および機能的特徴付に関する。より特定的には、本発明は、Neisser
ia種特にNeisseria meningitidisおよびN.gonorrhoeaeからのヘモグロビン受
容体タンパク質をコードする遺伝子に関する。本発明は、新規の細菌ヘモグロビ
ン受容体タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核酸の種類を含む。
本発明はまた、これらの細胞遺伝子の同核ヘモグロオビン受容体タンパク質の推
論アミノ酸配列を提供する。
本発明は、形質転換細胞の培養物、望ましくは細菌細胞であり、本発明のヘモ
グロビン受容体タンパク質を発現する形質転換細菌細胞の培養物において、核酸
、核酸ハイブリッド化プローブ、ヘモグロビン受容体タンパク質を発現し得る組
換え発現構築物を供給する。本発明はまた細胞特にNeisseriaなどの細胞におい
てヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子を不活性化するための遺伝子ノックアク
トベクター、例えば、相同遺伝子組換えおよび他のメカニズム、およびヘモグロ
ビン受容体タンパク質帰無ミュータント細胞の培養物を提供する。
本発明は、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質の相同的製法およびヘ
モグロビン受容体タンパク質に対する抗体およびそのエピトープを提供する。こ
の受容体タンパク質を特徴化する方法、およびこの受容体に関する薬理学的利用
特に殺菌的、静菌的利用の薬剤の開発においてタンパク質を使用する方法もまた
本発明により提供されるものである。
他の本発明の実施態様において、本発明の抗Neisseriaヘモグロビン受容体タ
ンパク質抗体の使用を含括する診断法およびその試薬が提供される。さらなる実
施態様において、本発明の抗Neisseriaヘモグロビン受容体タンパク質抗体の使
用を含括する治療法およびその薬剤が提供される。さらに、核酸ハイブリッド化
法および/またはインビトロ増幅方法を用いて、Neisseria感染の存在を知るた
めのプローブとして本発明の抗Neisseriaヘモグロビン受容体タンパク質抗体の
使用を含括する診断法およびその試薬が提供される。本発明の追加の実施態様と
して、本発明のNeisseriaヘモグロビン受容体遺伝子およびそのフラグメントの
アンチセンス転写および形質転換ノックアウトベクターを生産するための形質発
現構築物を含む、本発明のNeisseriaヘモグロビン受容体タンパク質をコードす
る核酸の使用からなる治療方法およびその薬剤がある。本発明はまた、Neisser
ia種細菌に病原感染に対する非発症関連免疫の発生のためのワクチンの成分とし
て、Neisseriaヘモグロビン受容体タンパク質およびそのエピトープを提供する
。
第1の観点では本発明は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子をコード
するヌクレオチド配列を有する核酸を提供する。望ましい実施態様として、細菌
ヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子をNeisseria種の細菌から分離する。特定
的に望ましい実施態様においてヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子はNeisser
ia meningitidis血清型Cから分離する。この実施態様の特定例において、核酸
は、N.meningitidis遺伝子DNAの3.3kilobase(kb)BamHI/HindIIIフラ
グメントを有している。この実施態様において、ヌクレオチド配列は、ヘモグロ
ビン受容体遺伝子を含有する、792アミノ酸をコードするN.meningitidis遺
伝子DNAの2376ヌクレオチドの開放読み枠を含む。本発明の実施態様にお
いてN.meningitidisヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は図2(配
列番号1)に示した配列である。ここに開示されたN.meningitidis遺伝子は、
必要な程度に、そこにコードされたタンパク質のアミノ酸配列によって定義され
ていることが分かるであろう。このアミノ酸配列は図2に示す(配列番号2)。
図2(配列番号1)に示した特定のヌクレオチド配列は、遺伝子暗号の縮重によ
り、ヘモグロビン受容体タンパク質をコードする均等のヌクレオチド配列の多く
の一つにすぎないこと、およびこのような他のすべての均等のヌクレオチド配列
が本発明の開示したヌクレオチド配列の範囲に明らかに入ること、が理解される
であろう。また、このヌクレオチド配列のいかなるミュータントあるいは対立遺
伝子変形も、天然に生じたものあるいはインビトロでの化学的あるいは遺伝子学
的修飾によるもののいずれであっても、本発明に含まれる。かかる変種は、ここ
に開示したN.meningitidisヘモグロビン受容体タンパク質に対応するヌクレオ
チド配列として、基本的に同じヌクレオチド配列を有すると理解される。
本発明の本観点の他の特定的に望ましい実施態様において、ヘモグロビン受容
体ヌクレオチド遺伝子はNeisseria meningitidis、血清型Aから分離される。
この実施態様の特定例において、核酸は、N.meningitidis、血清型A遺伝子D
NAの2373basepair(bp)ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントを含む。
この場合、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む790アミノ
酸をコードするN.meningitidis遺伝子DNAの2373ヌクレオチドの開放読
み枠を含む。本発明のこの実施態様においてN.meningitidisヘモグロビン受容
体遺伝子のヌクレオチド配列は、図7(配列番号3)に示す配列である。ここに
開示されたN.meningitidis遺伝子は、必要な程度に、そこにコードされたタン
パク質のアミノ酸配列によって定義されていることが分かるであろう。このアミ
ノ酸配列は図7に示す(配列番号4)。図7(配列番号3)に示した特定のヌク
レオチド配列は、遺伝子暗号の縮重により、ヘモグロビン受容体タンパク質をコ
ードする均等のヌクレオチド配列の多くの一つにすぎないこと、およびこのよう
な他のすべての均等のヌクレオチド配列が本発明の開示したヌクレオチド配列の
範囲に明らかに入ること、が理解されるであろう。また、このヌクレオチド配列
のいかなるミュータントあるいは対立遺伝子変形も、天然に生じたものあるいは
インビトロでの化学的あるいは遺伝子学的修飾によるもののいずれであっても、
本発明に含まれる。かかる変種は、ここに開示したN.meningitidisヘモグロビ
ン受容体タンパク質に対応するヌクレオチド配列として、基本的に同じヌクレオ
チド配列を有すると理解される。
本発明の本観点の他の特定的に望ましい実施態様において、ヘモグロビン受容
体ヌクレオチド遺伝子はNeisseria meningitidis、血清型Bから分離される。
この実施態様の特定例において、核酸は、N.meningitidis、血清型A遺伝子D
NAの2376basepair(bp)ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントを含む。
この場合、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む791アミノ
酸をコードするN.meningitidis遺伝子DNAの2373ヌクレオチドの開放読
み枠を含む。本発明のこの実施態様においてN.meningitidisヘモグロビン受容
体遺伝子のヌクレオチド配列は、図8(配列番号5)に示す配列である。ここに
開示されたN.meningitidis遺伝子は、必要な程度に、そこにコードされたタン
パク質のアミノ酸配列によって定義されていることが分かるであろう。このアミ
ノ酸配列は図8に示す(配列番号6)。図8(配列番号5)に示した特定のヌク
レオチド配列は、遺伝子暗号の縮重により、ヘモグロビン受容体タンパク質をコ
ードする均等のヌクレオチド配列の多くの一つにすぎないこと、およびこのよう
な他のすべての均等のヌクレオチド配列が本発明の開示したヌクレオチド配列の
範囲に明らかに入ること、が理解されるであろう。また、このヌクレオチド配列
のいかなるミュータントあるいは対立遺伝子変形も、天然に生じたものあるいは
インビトロでの化学的あるいは遺伝子学的修飾によるもののいずれであっても、
本発明に含まれる。かかる変種は、ここに開示したN.meningitidisヘモグロビ
ン受容体タンパク質に対応するヌクレオチド配列として、基本的に同じヌクレオ
チド配列を有すると理解される。
本発明の本観点の他の特定的に望ましい実施態様において、ヘモグロビン受容
体ヌクレオチド遺伝子はNeisseria gonorrhoeaeから分離される。この実施態様
の特定例において、核酸は、N.gonorrhoeae遺伝子DNAの2378basepair(
bp)ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントを含む。この場合、ヌクレオチド配
列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む791アミノ酸をコードするN.gonorrh
oeae遺伝子DNAの2373ヌクレオチドの開放読み枠を含む。本発明のこの実
施態様においてN.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は
、図9(配列番号7)に示す配列である。ここに開示されたN.gonorrhoeae遺伝
子は、必要な程度に、そこにコードされたタンパク質のアミノ酸配列によって定
義されていることが分かるであろう。このアミノ酸配列は図9に示す(配列番号
8)。図9(配列番号7)に示した特定のヌクレオチド配列は、遺伝子暗号の縮
重により、ヘモグロビン受容体タンパク質をコードする均等のヌクレオチド配列
の多くの一つにすぎないこと、およびこのような他のすべての均等のヌクレオチ
ド配列が本発明の開示したヌクレオチド配列の範囲に明らかに入ること、が理解
されるであろう。また、このヌクレオチド配列のいかなるミュータントあるいは
対立遺伝子変形も、天然に生じたものあるいはインビトロでの化学的あるいは遺
伝子学的修飾によるもののいずれであっても、本発明に含まれる。かかる変種は
、ここに開示したN.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体タンパク質に対応するヌ
クレオチド配列として、基本的に同じヌクレオチド配列を有すると理解される。
本発明はまた細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を提供する。望ましい実施態
様において細菌ヘモグロビン受容体タンパク質はNeisseria種の細胞から分離さ
れる。特定の望ましい実施態様において、ヘモグロビン受容体タンパク質はNei
sseria meningitidisから分離される。この具体的な特定の例においてタンパク
質はN.meningitidis血清型Cから由来し、792のアミノ酸配列を含んでいる
。本発明のこの実施態様において、N.meningitidis血清型Cヘモグロビン受容
体タンパク質のアミノ酸配列は図2に示す配列である(配列番号2)。他の実施
態様においてタンパク質はN.meningitidis血清型Aから由来し、790のアミ
ノ酸配列を含んでいる。本発明のこの実施態様において、N.meningitidis血清
型Aヘモグロビン受容体タンパク質のアミノ酸配列は図7に示す配列である(配
列番号4)。さらに他の実施態様においてタンパク質はN.meningitidis血清型
Bから由来し、791のアミノ酸配列を含んでいる。本発明のこの実施態様にお
いて、N.meningitidis血清型Bヘモグロビン受容体タンパク質のアミノ酸配列
は図8に示す配列である(配列番号6)。本発明の実施態様においてタンパク質
はN.gonorrhoeaeから由来し、791のアミノ酸配列を含んでいる。本発明のこ
の実施態様において、N.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体タンパク質のアミノ酸
配列は図9に示す配列である(配列番号8)。また、本発明の範囲に明示的に含
まれるのは、関係の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質、とくにNeisseria種か
ら分離されたタンパク質であり、これらは、基本的におなじアミノ酸配列を有し
、ここに記載したN.meningitidisおよびN.gonorrhoeaeのヌクレオチド配列に
よりコードされるヘモグロビン受容体タンパク質として基本的に同じ生物的性質
を有する。
他の観点では、本発明は大略85.5kiloDalton(kD)の細菌ヘモグロビン
受容体タンパク質またはその誘導体を提供し、この大きさは、その翻訳後修飾前
のタンパク質の大きさであると理解される。また、還元条件下でのドデシル硫酸
ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動により測定したところでは90k
Dの受容体を提供する。望ましい実施態様において細菌ヘモグロビン受容体タン
パク質がNeisseria種の細菌から分離される。特に望ましい実施態様において細
菌ヘモグロビン受容体タンパク質がNeisseria meningitidis種の細菌から分離
される。本発明の本観点の1実施態様において、タンパク質はN.meningitidis
血清型Cから分離され、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質および望ましいその
誘導体のアミノ酸配列は、図2に示す細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のアミ
ノ酸配列である(配列番号2)。本発明の本観点の第2の実施態様において、タ
ンパク質はN.meningitidis血清型Aから分離され、細菌ヘモグロビン受容体タ
ンパク質および望ましいその誘導体のアミノ酸配列は、図7に示す細菌ヘモグロ
ビン受容体タンパク質のアミノ酸配列である(配列番号4)。本発明の本観点の
第3の実施態様において、タンパク質はN.meningitidis血清型Bから分離され
、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質および望ましいその誘導体のアミノ酸配列
は、図8に示す細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のアミノ酸配列である(配列
番号6)。本発明の本観点の1実施態様において、タンパク質はN.gonorrhoeae
から分離され、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質および望ましいその誘導体の
アミノ酸配列は、図9に示す細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のアミノ酸配列
である(配列番号8)。
本発明は、ここに提供されるヌクレオチド配列から誘導されるヌクレオチドプ
ローブを提供する。本発明は、細菌メッセンジャーRNA(mRNA)または細
菌ゲノムDNA(gDNA)の相補的DNA(cDNA)から分離されるプロー
ブ、およびここに提供される配列情報を利用して合成的にまたはインビトロ増幅
法によりつくられるプローブを含む。本発明は、オリゴヌクレオチド、ニック−
トランスレート ランダム プライム オリゴヌクレオチドまたは本発明を具体
化するcDNAあるいはゲノムクローンを用いて作製したインビトロ増幅プロー
ブ、および本発明を具体化するcDNAあるいはゲノムクローンのヌクレオチド
配列情報を用いて化学的に合成したオリゴヌクレオチドおよび他の合成プローブ
を特に含むが、これらに限定されない。
本発明の別の対象は、ヒトのNeisseria感染の診断の生物学的試料におけるN
eisseria種の細菌、特にN.meningitidisおよびN.gonorrhoeaeの存在を検出す
るため、ヌクレオチド ハイブリダイゼーション プローブを提供することであ
る。これらの生物学的試料には、血液、尿、精液、粘液、脳脊髄液、腹膜液、腹
水を含み、同様に口腔、尿道、肛門、直腸および他の器官の上皮から収集した細
胞も含む。
本発明は、本発明の核酸実施態様におけるヌクレオチド配列によりコードされ
るペプチドも含む。本発明は、ヘモグロビン受容体タンパク質−特異抗体の産生
のための抗原として用いられる、天然のおよび合成のペプチドのいずれをも含む
。本発明はまた、モノクローナル抗体などの抗体、かかる抗体を産生する細胞お
よび細胞培養物をも含む。
本発明はまた、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対する、または
そのエピトープ抗体を提供する。本発明の対象は、本発明の細菌ヘモグロビン受
容体タンパク質に免疫学的に活性な抗体を提供することでもある。本発明のより
特定の対象は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対するモノクローナル抗体
を提供することである。望ましい実施態様において、Neisseria種の細菌から分
離された細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対する抗体が得られる。特に望ま
しい実施態様において、この抗体は、Neisseria meningitidis血清型A、Bま
たはCから分離された細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。別の
特に望ましい実施態様において、この抗体は、Neisseria gonorrhoeaeから分離
された細胞ヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。
かかる抗体を産生するハイブリドーマ細胞ラインも本発明の対象である。かか
る細胞ラインは、非免疫グロブリン産生マウスミエローマ細胞ラインと本発明の
精製ヘモグロビン受容体タンパク質により免疫されたマウス由来の脾細胞または
細菌ヘモグロビン受容体タンパク質の抗原またはエプトープを発現する細胞との
融合の結果として生産され得る。本発明はまた、かかる抗体を産生するハイブリ
ドーマ細胞ラインを提供し、生きているマウスに注射されて、かかる抗体を含む
腹水をマウスから提供する。望ましい実施態様において、提供される抗体はNei
sseria種の細菌から分離された細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対する。特
に望ましい実施態様において、かかる抗体は、Neisseria meningitidis血清型
A、BまたはCから分離されたヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。
別の特に望ましい実施態様において、かかる抗体は、Neisseria gonorrhoeaeか
ら分離されたヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。
本発明の更なる対象は、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質の免疫活
性エピトープを提供することである。本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク
質に対する免疫活性のキメラ抗体も本発明の範囲内である。望ましい実施態様に
おいて、提供される抗体およびエピトープは、Neisseria種細菌から分離される
細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対してつくられるかあるいは誘導されるも
のである。望ましい特定的実施態様において、提供される抗体およびエピトープ
は、Neisseria meningitidis血清型A、BまたはCから分離される細菌ヘモグ
ロビン受容体タンパク質に対してつくられるか、あるいは誘導されるものである
。望ましい実施態様において、提供される抗体およびエピトープは、Neisseria
gonorrhoeaeから分離される細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対してつくら
れるか、あるいは誘導されるものである。
本発明は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質をコードするヌクレオチドを含
む組換え発現構築物を提供し、この構築物は、構築物で形質転換された細胞の培
養においてコードヘモグロビン受容体タンパク質を発現し得る。かかる構築物の
望ましい実施態様は、図2に示されるNeisseria meningitidis血清型Cヘモグ
ロビン受容体タンパク質であり(配列番号1)、かかる構築物は、構築物で形質
転換された細胞の培養においてコードヘモグロビン受容体タンパク質を発現し得
る。かかる構築物の望ましい他の実施態様は、図7に示されるNeisseria menin
gitidis血清型Aヘモグロビン受容体タンパク質であり(配列番号3)、かかる
構築物は、構築物で形質転換された細胞の培養においてコードヘモグロビン受容
体タンパク質を発現し得る。かかる構築物の他の望ましい実施態様は、図8に示
されるNeisseria meningitidis血清型Bヘモグロビン受容体タンパク質であり
(配列番号5)、かかる構築物は、構築物で形質転換された細胞の培養において
コードヘモグロビン受容体タンパク質を発現し得る。本発明はまた、ZN.gonor
rhoeaeから分離されるヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子をコードする組換え
発現構築物を提供する。かかる構築物の望ましい特定的実施態様は、図9に示さ
れるNeisseria gonorrhoeaeヘモグロビン受容体タンパク質であり(配列番号7
)、かかる構築物は、構築物で形質転換された細胞の培養においてコードヘモグ
ロビン受容体タンパク質を発現し得る。
本発明はまた、本発明の組換え発現構築物で形質転換された細胞、望ましくは
細菌細胞の培養物を提供する。かかる形質転換は、形質転換構築物中でコードさ
れた細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を発現することができ、また発現した。
本発明はまた、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を含む原始核細胞
膜のタンパク質調製物をその範囲に含む。原始核細胞膜は、本発明の組換え発現
構築物で形質転換した原始核細胞膜の培養物から誘導される。
本発明はまた、ヒトにおけるNeisseria種の細菌感染の存在の検定のための診
断試薬およびその試薬を用いた方法を提供する。望ましい実施態様において、か
かる診断試薬は、細胞ヘモグロビン受容体タンパク質に免疫学的に活性な抗体を
含む。望ましい実施態様においてかかる抗体は、Neisseria種の細菌から分離さ
れた細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対してつくられる。特に望ましい実施
態様において、かかる抗体は、Neisseria meningitidis血清型A、BまたはC
から分離された細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。他の特に望
ましい実施態様において、かかる抗体は、Neisseria gonorrhoeaeから分離され
た細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。
本発明の本観点の他の実施態様は、診断用試薬および試薬を用いた方法を提供
し、この試薬は細菌ヘモグロビン受容体遺伝子を含む核酸ハイブリダイデイショ
ン プローブである。望ましい実施態様においてヘモグロビン受容体タンパク質
遺伝子はNeisseria種の細菌から分離される。特定の望ましい実施態様において
ヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子はNeisseria meningitidisから分離され
る。本発明のこの実施態様の特定の例において、核酸プローブは、N.meningiti
dis血清型CゲノムDNAの3.3kilobase(kb)BamHI/HindIIIフラグメン
トの特殊にハイブライズされたフラグメントを含む。この実施態様において、ヌ
クレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む792アミノ酸をコードす
るN.meningitidis血清型CゲノムDNAの2376ヌクレオチドの開放読み枠
のすべてまたは特殊にハイブライズされたフラグメントを含む。本発明のこの実
施態様において、N.meningitidis血清型Cヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレ
オチド配列は、図2に示される配列である(配列番号1)。本発明のこの他の実
施態様の特定の例において、核酸プローブは、N.meningitidis血清型Aゲノム
DNAの2373bp、ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントの特殊にハイブ
ライズされたフラグメントを含む。この実施態様において、ヌクレオチド配列は
、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む790アミノ酸をコードするN.meningitidi
s血清型AゲノムDNAの2370ヌクレオチドの開放読み枠のすべてまたは特
殊にハイブライズされたフラグメントを含む。本発明のこの実施態様において、
N.meningitidis血清型Bヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は、図
7に示される配列である(配列番号3)。本発明の他の実施態様の特定の例にお
いて、核酸プローブは、N.meningitidis血清型BゲノムDNAの2376bp
、ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントの特殊にハイブライズされたフラグメ
ントを含む。この実施態様において、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体
遺伝子を含む791アミノ酸をコードするN.meningitidis血清型BゲノムDN
Aの2373ヌクレオチドの開放読み枠のすべてまたは特殊にハイブライズされ
たフラグメントを含む。本発明のこの実施態様において、N.meningitidis血清
型Bヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は、図8に示される配列であ
る(配列番号5)。本発明はまたN.gonorrhoeaeから分離された細菌ヘモグロビ
ン受容体遺伝子を含む核酸ハイブリダイデイション プローブを提供する。本発
明のこの実施態様の特定の例において、核酸プローブは、N.gonorrhoeaeゲノム
DNAの2378bp、ポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントの特殊にハイブ
ライズされたフラグメントを含む。この実施態様において、ヌクレオチド配列は
、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む791アミノ酸をコードするN.meningitidi
s血清型AゲノムDNAの2373ヌクレオチドの開放読み枠のすべてまたは特
殊にハイブライズされたフラグメントを含む。本発明のこの実施態様において、
N.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は、図9に示され
る配列
である(配列番号7)。用語“特殊な−ハイブリダイズ”は、細菌ヘモグロビン
受容体遺伝子をコードする核酸フラグメントを記述するのに用いられているとき
は、かかるフラグメントの核酸ハイブリダイデイションが高ストリンジェンシイ
条件で安定であることを意味している。“高ストリンジェンシイ”は分子生物学
の当業者に理解されているところである。
本発明はまた、ヒトにおけるNeisseria種の細菌感染を処置する薬剤およびそ
れを用いる方法を提供する。望ましい実施態様において、かかる薬剤は、細菌ヘ
モグロビン受容体タンパク質に免疫学的に活性な抗体を含む。特定の望ましい実
施態様において、かかる抗体はNeisseria meningitidis血清型A、BまたはC
から分離されたヘモグロビン受容体タンパク質に特異的である。他の望ましい実
施態様において、かかる抗体はNeisseria gonorrhoeaeから分離されたヘモグロ
ビン受容体タンパク質に特異的である。本発明のこの観点において提供される薬
剤は、適当なアジュバントなどの薬学的に許容される担体中の抗体である。他の
実施態様において、かかる抗体は、Neisseria種の細菌、とくにN.meningitidi
sおよびN.gonorrhoeaeに対して有効な殺菌または静菌剤と共有的に共役してい
る。
本発明のこの観点の他の実施態様は、治療薬剤およびかかる薬剤を使用する方
法を提供し、この薬剤は本発明の組換え発現構築物またはアンチセンス方向にヘ
モグロビン受容体をコードする核酸を発現するその相同体を含む。望ましい実施
態様において細菌ヘモグロビン受容体タンパク質遺伝子はNeisseria種の細菌か
ら分離される。特に望ましい実施態様において細菌ヘモグロビン受容体タンパク
質遺伝子はNeisseria meningitidisから分離される。本発明のこの実施態様の
特定の例において核酸は、N.meningitidis血清型CゲノムDNAの3.3kiloba
se(kb)BamHI/HindIIIフラグメントの特殊なハイブリダイズ フラグメン
トを含む。この実施態様において、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺
伝子を含む792アミノ酸をコードするN.meningitidis血清型CゲノムDNA
の2376ヌクレオチドの開放読み枠のすべてのまたは特殊な−ハイブリダイズ
フラグメントを含む。本発明のこの実施態様において、N.meningitidis血清
型Cヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は図2に示すヌクレオチド配
列である(配列番号1)。本発明のこの実施態様の他の例において、ヌクレオチ
ドプローブは、血清型AゲノムDNAの2373bpポリメラーゼ連鎖反応増幅
フラグメントの特殊な−ハイブリダイズフラグメントを含む。この実施態様にお
いて、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む790アミノ酸を
コードするN.meningitidis血清型AゲノムDNAの2370ヌクレオチドの開
放読み枠のすべてのまたは特殊な−ハイブリダイズ フラグメントを含む。本発
明のこの実施態様において、N.meningitidis血清型Aヘモグロビン受容体遺伝
子のヌクレオチド配列は図7に示すヌクレオチド配列である(配列番号3)。本
発明のこの実施態様の他の例において、ヌクレオチドプローブは、血清型Bゲノ
ムDNAの2376bpポリメラーゼ連鎖反応増幅フラグメントの特殊な−ハイ
ブリダイズフラグメントを含む。この実施態様において、ヌクレオチド配列は、
ヘモグロビン受容体遺伝子を含む791アミノ酸をコードするN.meningitidis
血清型BゲノムDNAの2373ヌクレオチドの開放読み枠のすべてのまたは特
殊な−ハイブリダイズ フラグメントを含む。本発明のこの実施態様において、
N.meningitidis血清型Bヘモグロビン受容体遺伝子のヌクレオチド配列は図8
に示すヌクレオチド配列である(配列番号5)。本発明はまた、本発明の組換え
発現構築物またはアンチセンス方向にヘモグロビン受容体をコードする核酸を発
現するその相同体を提供し、その核酸はN.gonorrhoeaeから分離された細菌ヘモ
グロビン受容体遺伝子をコードする。本発明の望ましい実施態様において、ヌク
レオチドプローブは、N.gonorrhoeaeゲノムDNAの2378bpポリメラーゼ
連鎖反応増幅フラグメントの特殊な−ハイブリダイズフラグメントを含む。この
実施態様において、ヌクレオチド配列は、ヘモグロビン受容体遺伝子を含む79
1アミノ酸をコードするN.gonorrhoeaeゲノムDNAの2373ヌクレオチドの
開放読み枠のすべてのまたは特殊な−ハイブリダイズ フラグメントを含む。本
発明のこの実施態様において、N.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体遺伝子のヌク
レオチド配列は図9に示すヌクレオチド配列である(配列番号7)。
本発明はまた、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質の生化学的活性を
阻害し、助長し、または調節する能力を有する化合物をスクリーニングする方法
、およびヘモグロビン受容体タンパク質に特異である新規アゴニストおよびアン
タゴニスト化合物、および殺菌および静菌薬剤をインビトロでスクリーニングす
るのに使用する方法を提供する。望ましい実施態様において、本発明の組換え発
現構築物で形質転換した細胞はかかる化合物と結びついており、その化合物の結
合能力および他の既知ヘモグロビン受容体アゴニスト、ヘモグロビンおよびヘミ
ンなど、およびアンタゴニストとの結合についての化合物の効力を検定した。他
の望ましい実施態様に、これらの効力の定量的分析がある。
本発明はまた、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質、望ましくはNeisseria種
、特に望ましくはN.meningitidisから誘導されるタンパク質の既知または未知
の殺菌性または静菌性相同体、アゴニストまたはアンタゴニストの検定に有用で
ある。
本発明はまた、Neisseria種の病原菌の感染に対してヒトを免疫にするワクチ
ンを提供し、このワクチンは、本発明のヘモグロビン結合タンパク質またはその
抗原性フラグメントを含む。望ましい実施態様において、本発明のワクチン、本
発明のヘモグロビン受容体結合タンパク質またはその抗原性フラグメントを発現
する細胞を含み、かかる細胞はヒトで生長するのに適応する弱毒化細菌であり、
すなわちかかる細胞は非病原性であり、細菌症、エンドトキシン症または敗血症
をおこさない。かかる弱毒化細胞には、Salmonella種の弱毒化株、例えばSalm
onella typhiおよびSalmonella typhimuriumあるいは他の弱毒化細菌種が含ま
れる。本発明はまたワクチンとして有用なここに開示した組換え発現構築物を提
供する。このワクチンは、動物に与えられて、そこのコードされた細菌ヘモグロ
ビン受容体タンパク質抗原に対する免疫反応を生じる。
本発明の特定の望ましい具体例は、下記のいくつかの望ましい実施態様につい
ての詳細な記述および請求の範囲から明らかにされるであろう。図面の説明
本発明の上記およびその他の目的、本発明の様々な特徴、並びに、本発明自身
は、添付の図面と照らして読めば下記の説明から一層充分に理解できる。
図1は、実施例2に記載した、N.meningitidisコスミドクローンおよびその
サブクローンの制限酵素消化地図の略図である。
図2は、3.3kbBamHI/HindIII DNAフラグメントにコードされている
N.meningitidisヘモグロビン受容体タンパク質のヌクレオチド配列(配列番号
1)および推定アミノ酸配列を例示説明するものである。
図3は、N.meningitidisヘモグロビン受容体遺伝子産物のイン・ビトロ発現
の結果を示すおよそ90キロダルトンのタンパク質と、分子量マーカーとして使
用した約30.0キロダルトンの分子量を有するβ−ラクタマーゼタンパク質の
染色SDS/10%PAGE電気泳動ゲルの写真を表す。
図4は、N.meningitidisトランスフェリン受容体Tbp1(配列番号9)、N.
meningitidisラクトフェリン受容体LbpA(配列番号10)、およびN.meningi
tidisヘモグロビン受容体HmbR(配列番号2)の部分間のアミノ酸配列比較を
表す。
図5は、DIG非放射性DNA標識および検出キット(Boehringer Mannheim
Biochemicals、インディアナ州、インディアナポリス)を用いて標識したプロー
ブとしてhmb遺伝子のBamHI−SalIフラグメントを用いる、N.meningitidis
8013およびMC8013hmbR変異体由来の染色体DNAのサザンハイブリ
ダイゼーション分析を例示説明するものである。レーン1は、ClaIで消化した
N.meningitidis株MC8013由来のDNAを含有し、レーン2は、ClaIで
消化したMC8031hmbR DNAであり、レーン3は、BamHIおよびSalI
で消化したMC8013DNAであり、レーン4は、BamHIおよびSalIで消
化したMC8013hmbR DNAである。
図6は、インビトロラット乳児感染モデルにおけるN.meningitidis野生型(
MC8013)およびhmbR変異株を用いる感染過程を示すグラフである。各株
を3匹の乳児同系交配ルイスラットに腹膜内注射した(2×106CFU)。結
果は、同様に実施した2つの実験の平均を表している。
図7は、2373bpポリメラーゼ連鎖反応増幅DNAフラグメント上にコード
されているN.meningitidis、血清型Aヘモグロビン受容体タンパク質のヌクレ
オチド配列(配列番号3)および推定アミノ酸配列(配列番号4)を例示説明す
るものである。
図8は、2376bpポリメラーゼ連鎖反応増幅DNAフラグメント上にコード
されているN.meningitidis、血清型Bヘモグロビン受容体タンパク質のヌクレ
オチド配列(配列番号5)および推定アミノ酸配列(配列番号6)を例示説明す
るものである。
図9は、2376bpポリメラーゼ連鎖反応増幅DNAフラグメント上にコード
されているN.gonorrhoeaeヘモグロビン受容体タンパク質のヌクレオチド配列(
配列番号7)および推定アミノ酸配列(配列番号8)を例示説明するものである
。
図10は、N.meningitidis、血清型A(配列番号3)、血清型B(配列番号
5)、および血清型C(配列番号1)に由来する、およびN.gonorrhoeae(配列
番号7)に由来する、ヘモグロビン受容体タンパク質間の核酸配列比較の略図を
表し、ここで、遺伝子転写の方向は、矢印の方向であり、下記の略字は、制限エ
ンドヌクレアーゼ部位を表す:HはHind IIIを表し、NはNotIを表し、Bgは
BglIを表し、Bsは、BssHIを表し、Nrは、NruIを表し、ClはClaIを
表し、PはPstIを表し、SaはSacIを表し、AvはAvaIを表し、BはBamH
Iを表し、SはSalIを表し、EVはEcoRVを表し、ShはSphIを表し、Sy
はStyIを表す。
図11は、N.meningitidis、血清型A(配列番号4)、血清型B(配列番号
6)、および血清型C(配列番号2)由来の、およびN.gonorrhoeae(配列番号
8)由来のヘモグロビン受容体タンパク質間のアミノ酸配列比較を表す。好ましい実施態様の詳細な説明
本明細書で使用した“細菌ヘモグロビン受容体”の用語は、特にヘモグロビン
誘導化ヘミン、同じくその他に由来するヘミンのかかる細菌の外膜からペリプラ
ズム間隙への転移を媒介する、グラム陰性菌の外膜からなる細菌のタンパク質を
表す。本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質は、まず、実質的に図2(配
列番号2)、図7(配列番号4)、図8(配列番号6)、および図9(配列番号
8)に表した配列であるアミノ酸配列を特徴とする。本発明の細菌ヘモグロビン
受容体タンパク質は、更に、図2(配列番号2)、図7(配列番号4)、図8(
配列番号6)、および図9(配列番号8)に表したアミノ酸配列を有するタンパ
ク質と実質的に同じ生物学的活性を有することを特徴とする。この定義は、天然
由来の変種および変異タンパク質、並びに、ヒトにより遺伝子工学的に作られた
変種を包含することを意図する。
本発明により提供される、クローン化し、単離し、さらに精製した核酸は、最
も好ましくはNeisseria meningitidis種、およびそれらの各種血清型、およびNe
isseria gonorhoeae種を含む、Neisseria種の生物体の細菌ヘモグロビン受容体
タンパク質をコードするものであることができる。
本発明により提供される核酸ハイブリダイゼーションプローブは、図2(配列
番号1)、図7(配列番号3)、図8(配列番号5)、および図9(配列番号7
)に表したようなヘモグロビン受容体タンパク質のヌクレオチド配列の全部また
は特異的にハイブリダイズするフラグメント、または核酸ハイブリダイゼーショ
ンに効果的なそれらのあらゆる部分を有するDNAまたはRNAを含む。このよ
うな核酸ハイブリダイゼーションプローブの混合物もまた、本発明のこの実施態
様の範囲内である。本明細書に与えた核酸プローブは、とりわけ、感染の結果と
してヒトにおいて、汚染された生物学的試料および標本において、食料品および
供給水において、またはヒトと接触するに至る場合があるあらゆる物質において
、細菌の存在を検出するのに有用である。特定のハイブリダイゼーションは、本
発明の核酸プローブが、高ストリンジェンシー条件下で細菌由来のDNAまたは
RNAに対して安定な特異的ハイブリダイゼーションを形成できることを意味す
ると理解され、ここで“高ストリンジェンシー”と云う用語は、当業者には理解
されるはずである(例えば、Sarnbrook等、1989、Molecular Cloning:A Laborat
ory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.
およびHames and Higgins編、1985、Nucleic Acid Hybridization,IRL Press,
Oxford,U.K.)。ハイブリダイゼーションは、これらに限定されないが、サザン
・ブロット・ハイブリダイゼーション、ノーザン・ブロット・ハイブリダイゼー
ション、インシツ・ハイブリダイゼーション、およびポリメラーゼ連鎖反応生成
物D
NAに対するサザン・ハイブリダイゼーションを含む常套技術を用いて達成され
ると理解される。こうして、本発明は、細菌ヘモグロビン受容体遺伝子およびm
RNA転写物のインビトロ増幅を擁護するプライマーとして使用するためのオリ
ゴヌクレオチド類、特にオリゴヌクレオチド対を提供するものと理解される。
遺伝子工学手段によりクローン化遺伝子から細菌ヘモグロビン受容体タンパク
質などのタンパク質を生産することは、当分野ではよく知られている。従って、
下記は、この分野の概観として解釈されるものであり、本分野の十分な現状を反
映するものではない。本発明のヘモグロビン受容体タンパク質は、Neisseria種
以外の細菌を含む細菌によるかかるタンパク質の発現が、該形質転換細菌のある
種の栄養要求性変異株を補完できることから、特に有利である。これらの変異株
は、補完できなければ、鉄(III)を含む生長培地を補足せずには生存できないも
のである。
本開示では、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質をコードするDNAは、化学
合成によるか、適切な細胞からmRNAの逆転写物をスクリーニングすることに
よるか、適切な細胞からゲノムライブラリーをスクリーニングすることによるか
、または、これらの方法を組み合わせることによる。mRNAまたはゲノムDN
Aのスクリーニングは、本明細書に開示した細菌ヘモグロビン受容体タンパク質
の核酸配列情報から創製したオリゴヌクレオチドプローブを用いて実施できる。
プローブは、既知の方法に従い、検出可能な基、例えば、蛍光基、放射性原子、
または化学発光基で標識して、在来のハイブリダイゼーションアッセイに使用す
ることもでき、詳細は下記実施例に記載している。別法として、細菌ヘモグロビ
ン受容体タンパク質をコードする核酸は、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タン
パク質から導かれる核酸配列情報に対応する適切なPCTオリゴヌクレオチドプ
ライマー対を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法の使用により得ること
もできる。特に下記実施例9に開示している、Mullis等の米国特許4,683,1
95号およびMulisの4,683,202号参照。またあるいは、このような細菌
ヘモグロビン受容体タンパク質をコードする核酸は、細菌ヘモグロビン受容体タ
ンパク質遺伝子で形質転換させた栄養要求性細胞から単離し、それによって、鉄
(I
II)の不足に対する栄養要求性を緩和できる。
本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質は、いずれも、細菌ヘモグロビン
受容体タンパク質をコードする核酸を含む組換え発現構築物で形質転換させた宿
主細胞中で合成できる。このような組換え発現構築物は、複製可能なDNA構築
物であるベクターを含むこともできる。ベクターを用いて、細菌ヘモグロビン受
容体タンパク質をコードするDNAを増幅させるか、および/または細菌ヘモグ
ロビン受容体タンパク質をコードするDNAを発現させるかのいずれかである。
本発明のためには、組換え発現構築物は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を
コードする核酸が、適切な宿主細胞において細菌ヘモグロビン受容体タンパク質
の発現をもたらし得る適切な制御配列に実施可能に連結している、複製可能なD
NA構築物である。
このような制御配列の必要性は、選択した宿主細胞および選んだ形質転換法に
よって変わる。一般に、細菌の制御配列は、転写プロモーター、転写を制御する
所望のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位(シャイン−ダル
ガノ配列)配列、および転写および翻訳の終止を制御する配列を含む。増幅ベク
ターは、発現制御ドメインを必要としない。必要とされるのは、通常は複製の起
点により与えられる宿主内複製能力、および形質転換体の認識を容易ならしめる
ための選択遺伝子のみである。Sambrook等、1989、上記、参照。
本発明を実施するのに有用なベクターには、プラスミドおよびウイルス由来の
構築物があり、ファージおよび特にバクテリオファージ、および組み込み可能な
DNAフラグメント(即ち、相同的組換えにより宿主ゲノムに組み込み可能なフ
ラグメント)を含む。
ベクターは、宿主ゲノムから独立して複製および機能するか、または、ある場
合では、ゲノム自身に組み込まれることもある。適切なベクターは、目的の発現
宿主と適合する種に由来するレプリコンおよび制御配列を含有する。好ましいベ
クターはpLAFR2である(Riboli等、1991、Microb.Pathogen.10:393-403参
照)。
形質転換宿主細胞は、組換えDNA技術を用いて製造され、かつ細菌ヘモグロ
ビン受容体タンパク質をコードする核酸を含む組換え発現構築物で形質転換させ
たか、またはトランスフェクションさせた細胞である。好ましい宿主細胞は、Ne
isseria種、特に、N.meningitidis、同じく、Salmonella typhi、およびSalmone
lla typhimurium種、およびEsherichia coli栄養要求性変異細胞(hemA aroB)
の細胞である。形質転換宿主細胞は、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を発現
できるが、核酸ハイブリダイゼーションプローブDNAをクローニングまたは増
幅する目的で形質転換した宿主細胞は、受容体タンパク質を発現する必要はない
。発現に際し、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質は、典型的には、宿
主細胞外膜に局在するであろう。Sambrook等、上記、参照。
細菌細胞、特に、Neisseria種の細胞およびある種のE.coli変異体の細胞の培
養物は、組換え細菌ヘモグロビン受容体タンパク質合成に望ましい宿主である。
主に、不足の鉄(III)に対して栄養要求性の細菌細胞はいずれも、細菌ヘモグ
ロビン受容体タンパク質形質転換細胞を選択的に生育させるのに有用である。し
かしながら、このためには、E.coli hemA aroB変異体のような十分な特徴を有す
る栄養要求体が好ましい。
本発明は、本発明の形質転換細胞により産生される細菌ヘモグロビン受容体タ
ンパク質の均質組成物を提供する。このような均質組成物はいずれも、かかる均
質組成物中に少なくとも90%含まれる細菌ヘモグロビン受容体タンパク質から
なることを意図する。本発明は、また、本明細書に記載したように、本発明の組
換え発現構築物による形質転換の結果として細菌ヘモグロビン受容体タンパク質
を発現する細胞由来の膜調製物を提供する。
本発明による、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質、それらのペプチドフラグ
メントおよびかかるタンパク質を発現する細胞由来の膜は、かかる細菌ヘモグロ
ビン受容体タンパク質を発現する病原性微生物によるヒトでの細菌感染に対して
効果的なワクチンの生産に使用することができる。このようなワクチンは、好ま
しくは、Neisseria種、最も好ましくはN.meningitidis、およびN.gonorhoeae
の細菌に対する免疫学的応答を生じるのに効果的である。本明細書に開示したよ
うに、組換え発現構築物もまた、動物へ導入して、そしてコードされた細菌ヘモ
グロビン受容体タンパク質抗原に対する免疫学的応答を産生せしめるために、そ
れ自身がワクチンとして、本発明により生産されるワクチンの範囲内に包含され
る。
有効成分としてポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を含有するワクチン
の調製は、当分野では十分に理解されている。典型的には、このようなワクチン
は、注射用製剤として、液体溶液または懸濁液のいずれかで調製される。しかし
ながら、注射の前に、液体溶液または懸濁液状態にするのに適した固体形態もま
た調製できる。この製剤は乳剤化してもよい。免疫学的有効成分は、医薬的に許
容でき、かつ有効成分と適合する賦形剤と混合されることも多い。適切な賦形剤
は、例えば、水、塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール、または同
等物、およびそれらの組み合わせである。更に、所望ならば、ワクチンは、湿潤
剤または乳化剤、pH緩衝剤、またはワクチンの有効性を高めるアジュバントな
どの少量の補助物質を含有してもよい。このワクチンは、通常、注射、例えば、
皮下または筋肉内注射のいずれかにより、非経口投与される。その他の投与方法
に適した別の製剤には、坐剤、およびある場合では、経口製剤がある。坐剤の場
合、典型的な結合剤および担体として、例えば、ポリアルカレングリコール類、
またはトリグリセライド類が含まれ、そのような坐剤は、0.5%ないし10%
、好ましくは1ないし2%の範囲の有効成分を含有する混合物から形成すること
ができる。経口製剤は、例えば、医薬品に適した等級のマンニトール、ラクトー
ス、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭
酸マグネシウム、および同等物などの通常使用される賦形剤を含む。これらの組
成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、遅延放出製剤、または粉末の形
態を取り、有効成分を10%ないし95%、好ましくは25ないし75%含有す
る。
本発明のポリペプチドは、中性または塩形態としてワクチン製剤にすることが
できる。医薬的に許容され得る塩類には、酸付加塩類(ペプチドの遊離アミノ基
で形成される)および例えば、塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シ
ュウ酸、酒石酸、マンデル酸、および同種物などの有機酸により形成されるもの
がある。遊離カルボキシル基で形成される塩類は、例えば、ナトリウム、カリウ
ム、
アンモニウム、カルシウム、または水酸化鉄(III)などの無機塩基、およびイ
ソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジ
ン、プロカイン、および同種物などの有機塩基から誘導するこができる。
その他の実施態様では、本発明に従い、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質ま
たはそれらのペプチドフラグメントが、かかるタンパク質を発現する細胞の無傷
の細胞膜に存在するようなワクチンを提供する。好ましい実施態様では、これら
の実施態様に有用な細胞は、ヒトでの生育に適応させた細胞の弱毒化変種を含む
。最も好ましくは、該細胞は、ヒトでの生育に適応させた細胞の弱毒化変種、即
ち、明らかな疾病、または菌血症、内毒血症、または敗血症などのその他の病理
学的症状を引き起こさないような細胞である。本発明では、“弱毒化”細胞とは
、かかる細胞を動物に導入したときに、かかる細胞が生存可能であるか、生存す
るか、加熱弱毒化、化学的弱毒化、または遺伝子的弱毒化または不活性化される
か、または死滅するかどうかにかかわらず、感染、疾病、敗血症、内毒素性ショ
ック、発熱性ショック、またはその他の、動物、最も好ましくはヒトへのワクチ
ン投与に対する深刻かつ不都合な反応を引き起こさない原核細胞および真核細胞
を包含すると理解される。当業者ならば、ワクチン接種のある種の僅かな副作用
、例えば、短期間発熱、筋肉痛、全身倦怠、および異なるタイプの様々なワクチ
ンを用いるワクチン接種に対するその他のよく知られた反応が、本発明のワクチ
ンを用いる動物への、好ましくはヒトへのワクチン接種に付随することが予想で
きると認識されるであろう。このような、急性の短期間かつ生命を脅かさない副
作用は、本発明のワクチン、および本明細書に表した“弱毒化”の定義内にある
ような副作用を引き起こすワクチンの本明細書定義に包含される。このような弱
毒化細胞の好ましい例は、Salmonella種、好ましくはSalmonella typhiおよびSa
lmonella typhimuriumの弱毒化変種、同じくその他の弱毒化細菌種を含む。特に
、本発明のこれらの実施態様のワクチンは、いわゆる“生の”弱毒化細胞製剤、
並びに、熱または化学的不活性化細胞製剤を包含すると理解されるものである。
本発明のその他の実施態様は、動物に導入したときに、ヘモグロビン受容体タ
ンパク質の直接発現にコンピーテントな組換え発現構築物中、本発明の核酸から
なるDNAワクチンであるワクチン類を提供する。好ましい実施態様では、この
ようなDNAワクチンは、本発明のヘモグロビン受容体をコードする核酸がプロ
モーター要部、最も好ましくはサイトメガロウイルスの初期遺伝子プロモーター
またはサルウイルス40の初期遺伝子プロモーターに実施可能に連結している、
組換え発現構築物からなる。本発明のDNAワクチンは、好ましくは筋肉内注射
により投与するが、当業者によれば、経口、経皮、直腸、経鼻、肺へのエアロゾ
ル投与を含む適切な投与経路、またはその他の臨床的に許容され得る投与経路は
どれでも使用できる。
一般に、本発明のワクチンは、投与形態に適合する方法、および治療上有効で
あり、かつ免疫原性である量で投与する。投与量は、処置される対象、対象の免
疫系が抗体を合成する能力、および望まれる保護の度合いによって変わる。投与
に必要とされる有効成分の正確な量は、実施者の判断に左右され、また、各個人
に特有である。しかしながら、適切な投与量範囲は、個体当たり数百ミクログラ
ムの有効成分のオーダーである。初回投与および追加免疫注射に適した様式もま
た変わり得るが、典型的には、初回投与に続いて1または2週間間隔で二次注射
または他の投与を行う。
本発明の組換え発現構築物は、普通はヘモグロビン受容体タンパク質を発現し
ない細菌細胞を形質転換させて、その後この受容体を発現させるという分子生物
学においても有用である。このような細胞は、とりわけ、受容体結合活性アッセ
イ、ワクチン生産などに有用な細胞膜調製物を製造するための中間体物として有
用であり、ある実施態様では、とりわけそれら自身が、上記のワクチンまたはワ
クチン成分として使用できる場合もある。そのため、本発明の組換え発現構築物
は、在来のスクリーニングプロトコールよりも有利に低い費用で有用な可能性の
ある殺菌剤および静菌剤をスクリーニングする方法を提供する。本発明の構築物
および培養物は、究極的なインビボ活性および毒理学アッセイに対する要望を完
全に満たしてはいないが、毎年、天然源から合成、発見、または抽出される莫大
な数の有用な可能性のある殺菌剤および静菌剤についての重要な第1スクリーニ
ング段階を提供するものである。更に、このような殺菌剤または静菌剤を選抜し
て、下記により詳細に開示したとおり、これらのタイプの細菌における感染毒性
に関連する栄養物摂取経路を利用し、そうして、インビボで重い感染の発症に関
連する細菌を選択的にターゲティングする。
また本発明は、両方の機能性細菌ヘモグロビン受容体タンパク質、かかるタン
パク質を含む膜、かかるタンパク質を発現する細胞、およびかかるタンパク質の
アミノ酸配列を提供する。それによって、本発明は、目下利用可能な技術(Walt
ers,“Computer-Assisted Modeling of Drugs”,Klegerman & Groves編、1993
、Pharmaceutical Biotechnology、Interpharm Press:イリノイ州、バッファロ
ー・グローブ、165-174頁参照)を用いて新規な治療上有効な抗菌剤の合理的薬
剤デザインを可能にするのに十分な構造的および機能的活性情報を提供する。
本発明の核酸およびオリゴヌクレオチド類は、Neisseria種のヘモグロビン受
容体タンパク質発現病理学的生物体により引き起こされる、ヒトにおける細菌感
染を検出するための診断手段として有用である。このような診断用試薬は、上記
のとおり、本発明の核酸ハイブリダイゼーションプローブからなり、対になった
オリゴヌクレオチドPCRプライマーを包含する。本発明により提供される方法
は、生物学的試料中の病原性細菌の存在を検出するためのブロットハイブリダイ
ゼーション、インシツ・ハイブリダイゼーション、およびインビトロ増幅技術を
含む。本明細書に記載した方法を用いて有利にスクリーニングされる適切な生物
学的試料には、血漿、血清、リンパ、髄液、精液、粘膜組織試料、生検試料、お
よびその他の細菌感染の可能性のある部位がある。本発明の方法が、水、食糧、
医薬品、および感染の可能性のある供給源をスクリーニングするために使用する
こともできることも期待される。
本発明は、また、本発明により提供された、細菌ヘモグロビン受容体タンパク
質またはそれらのエピトープに対して免疫学的に反応性である抗体を提供する。
本発明により提供された抗体は、当分野ではよく知られた方法を用いて、細菌ヘ
モグロビン受容体タンパク質またはそれらのエピトープを発現する細胞、粗製膜
調製物であるかまたは当分野でよく知られた方法を用いて精製した膜のいずれか
である、かかる細胞由来の細胞膜、または異種タンパク質と融合させ、かつ細菌
、
酵母、または真核細胞における遺伝子工学手段を用いて発現させた、融合タンパ
ク質、特に本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質タンパク質のエピトープ
からなる融合タンパク質を含むタンパク質で常用の生化学的手段を用いて様々な
均質度でかかる細胞から単離したものの精製調製物を接種することにより動物に
産生させることができる。確立されたインビトロ合成法を用いて製造し、所望に
よっては、アミノ酸の異種配列とコンジュゲートさせた合成ペプチドもまた、本
発明のこれらの抗体産生法に包含される。このような接種のために使用される動
物には、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、ヤギ、お
よび霊長類を含む各種の個体がある。接種に好ましい動物は、齧歯動物(マウス
、ラット、ハムスターを含む)およびウサギである。最も好ましい動物は、マウ
スである。
かかる接種または本発明で使用されるその他のあらゆる手段に使用できる細胞
は、分子または遺伝子工学の結果として本発明により提供される細菌ヘモグロビ
ン受容体タンパク質を自然に発現するあらゆる細胞、または本発明の細菌ヘモグ
ロビン受容体タンパク質を発現するあらゆる細胞または細胞ライン、またはそれ
らの任意のエピトープ、または、物理的、生化学的、または遺伝子的手段により
内生または異種細菌ヘモグロビン受容体タンパク質の発現を増大するように処置
されているあらゆる細胞を含む。好ましい細胞は、本発明の組換え発現構築物で
形質転換させ、かつ唯一の鉄(III)源としてヘミンまたはヘモグロビンを補足
した培地で生育させたE.coli栄養要求性変異株hemA aroB細胞、およびNeisseria
種の細胞である。
本発明は、また、このような細胞、好ましくはE.coli細胞の表面に提示され
る、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質またはそのフラグメントのエピ
トープと免疫学的に反応性のモノクローナル抗体を提供する。このような抗体は
、当業者に既知の方法を使用して製造される。本発明により提供されるモノクロ
ーナル抗体は、本発明によりまた提供され、当分野で既知の方法で製造される、
ハイブリドーマ細胞ラインにより製造される(HarlowおよびLane,1988,Anti
bodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press
,
Cold Spring Harbor,N.Y.参照)。
ハイブリドーマ細胞ラインは、ミエローマ細胞ラインの個々の細胞と、細菌ヘ
モグロビン受容体タンパク質の均一調整物、それからなる膜、該タンパク質を発
現する細胞または細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のエピトープで免疫化した
動物由来の脾臓細胞の融合により製造される。これらは、それ自体を使用するか
、または上記のように、異種または融合タンパク質構築物を含んで使用される。
本発明で使用するミエローマ細胞ラインは、マウス、ラット、ハムスター、霊長
類およびヒト由来の系を含む。好ましいミエローマ細胞ラインは、マウス由来で
あり、最も好ましいマウスミエローマ細胞ラインは、P3X63-Ag8.653である。免
疫化後に脾臓を得る動物は、ラット、マウスおよびハムスター、好ましくはマウ
ス、最も好ましくはBalb/cマウスである。脾臓細胞とミエローマ細胞は、不活
性化Sendaiウイルスとのインキュベーションおよびポリエチレングリコール(P
EG)存在下でのインキュベーションを含むがこれらに限定されない、当分野で
既知の多くの方法を使用して融合する。細胞融合に最も好ましい方法は、45%
(w/v)PEG−1450溶液存在下でのインキュベーションである。ハイブリ
ドーマ細胞ラインから産生されるモノクローナル抗体は、インビトロ細胞成育由
来の細胞培養上清液から回収できる;あるいは、ハイブリドーマ細胞を動物、最
も好ましくはマウスの皮下および/または腹腔洞に注射でき、モノクローナル抗
体を血液および/または腹水から得る。
本発明により提供されるモノクローナル抗体は、また、当業者に既知の組換え
遺伝子法で製造される。本発明は、このような方法で製造された抗体を含み、こ
の抗体は本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質に対し免疫学的に活性であ
る。本発明はまた、このような抗体のF(ab)およびF(ab)2フラグメントを
含むが、これらに限定されない。フラグメントは、タンパク質分解的開裂、化学
的合成または遺伝子工学法によるこのようなフラグメントの製造を含むが、これ
らに限定されない多くの方法で製造される。本発明はまた、当業者に既知の方法
で製造される、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のエピトープと免疫学的に反
応性の一本鎖抗体も含む。
本明細書で使用する抗体およびフラグメントは、種々の方法により標識、好ま
しくは放射標識できる。例えば、生物学的に活性な分子はまたジエチレントリア
ミン五酢酸(DPTA)またはブロモアセチルアミノベンジルエチルアミンジアミ
ン四酢酸(BABE)の環状無水物との結合により、放射ヌクレオチドでも標識で
きる。放射技術の更なる記載は、両方とも、本明細書に参考として包含させる、
Hnatowich et al.(1983,Science 220:613-615)およびMeares et al.(1984,
Anal.Biochem.142:68-78)参照。
本発明は、また、受容体分子内に存在する配列および/または配列の構造を含
む、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質のエピトープも含む。このエピ
トープは、天然に存在し得るかまたは受容体分子のタンパク質分解的開裂および
エプトープ含有ペプチドの単離により得られるか、または当業者に既知の方法を
使用したエピトープ含有ペプチドの合成により得られる。本発明はまた、遺伝子
工学技法の結果産生され、遺伝子工学的原核または真核細胞により製造されるエ
ピトープペプチドも含む。
本発明はまた、細菌ヘモグロビン受容体タンパク質由来エピトープに免疫学的
に反応性の軽鎖および重鎖ペプチドからなるキメラ抗体も含む。本発明の態様の
キメラ抗体は、天然に存在する抗体由来のものおよび当業者に既知の遺伝子工学
法により製造されたキメラ抗体も含む。
本発明により、またヒトにおける細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を発現す
る病原性生物による感染の検出および処置についての診断および治療法も提供さ
れる。このような方法に使用する診断試薬は、本発明の抗体、最も好ましくはモ
ノクローナル抗体を含む。このような抗体は、固相酵素免疫測定法(ELISA)、放
射免疫測定(RIA)、ウエスタンブロット検定、免疫学的滴定検定、免疫学的分
散検定(Ouchterlony検定のような)および当業者に既知の他の方法を含むが、こ
れらに限定されない慣用の免疫学的方法で使用される。本明細書に記載の免疫学
的方法においては、本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質由来で、このよ
うな抗体に免疫学的に交差反応性のエピトープもまた含む。
更なる診断的検定は、本発明の核酸またはその特異的ハイブリダイズフラグメ
ントを使用した、細菌ゲノムDNAおよび/またはmRNAの感受性検出のため
の核酸ハイブリダイゼーション検定を含む。このような検定は、サザンブロット
、ノーザンブロット、ドットブロット、スロットブロット等のような種々のブロ
ット検定およびポリメラーゼ連鎖反応検定(PCR)、逆転写酵素−ポリメラーゼ
連鎖反応検定(RT−PCR)、リガーゼ連鎖反応検定(LCR)のようなインビト
ロ増幅検定および当業者に既知のものを含む。本発明の方法に使用する検出され
た診断フラグメント、ポリモルフィスム検定結合制限フラグメント(RFLP)の
アナログの特異的制限エンドヌクレアーゼ消化はまた本発明の範囲内である。
本発明はまた本発明の細菌ヘモグロビン受容体タンパク質を発現する微生物、
最も好ましくはNeisseria種の細菌により引き起こされる、ヒトにおける感染の
処置に使用される治療法および薬剤も提供する。このような方法に使用する薬剤
は、それ自体または感染細菌に対して有効な殺細菌または静細菌試薬または他の
抗生物質化合物と組み合わせた本発明の抗体を含む。このような態様において、
本発明の抗体は、更に、好適な薬学的に許容可能な担体およびアジュバントまた
は必要に応じて他の補助的成分を含む医薬組成物を構成する。好適な担体は、例
えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノール等およびこれら
の組み合わせである。加えて、所望により、医薬製剤は、湿潤または乳化剤、p
H緩衝剤または他の抗体の効果を促進する化合物のような少量の補助物質を含み
得る。これらの態様において、本発明の薬剤は、ヒト免疫系の細胞毒性細胞によ
り認識される抗体で細菌に免疫学的に“付箋を付ける”か、または細菌ヘモグロ
ビン受容体タンパク質により感染微生物に抗微生物薬を特異的に送達することに
より、感染細胞を標的とするのに働く。
更なる治療試薬は、本発明の核酸またはそのフラグメント、このような核酸の
特異的アンチセンスを含む。このようなアンチセンス核酸は、それ自体またはア
ンチセンス発現に特異的な組換え発現構築物に包含されて使用し得、構築物は、
感染に応答可能な細菌病原体に伝染性の細菌ウイルス、好ましくはバクテリオフ
ァージの一部に組み入れられるように遺伝子操作される。これらの態様において
、本発明のアンチセンス核酸の細菌細胞への挿入は、細菌ヘモグロビン受容体の
発
現を阻害、弱めまたは廃止し、それにより細菌感染の毒性を減少させ、より有効
な抗細菌介在を可能にする。更なる態様において、バクテリオファージは、細菌
ヘモグロビン受容体遺伝子の“ノックアウト”コピーを有して提供され、それに
よりファージは感染細菌の内因性ヘモグロビン受容体遺伝子の遺伝子的変異を、
例えば、細菌ヘモグロビンの受容体遺伝子の外因性のノックアウトコピーと感染
微生物の内因性ヘモグロビン受容体遺伝子の同種組換えにより達成する。
以下の実施例は、本発明の具体的態様およびその種々の使用を説明する。それ
らは、説明の目的でのみ記載し、本発明を限定するものと取るべきではない。
実施例1
プラスミド、細菌および培養物
本明細書で使用するプラスミドおよび細菌は、表1に記載する。E.coli株は
、慣用的に、5−アミノレベルリン酸および50mg/Lヘミンクロリドを必要に
応じて添加したルリア−ベルタニ(LB)ブロスで成育させた。N.meningitidis
8013は、血清グループC臨床単離体であった(Nassif et al.,1993,Mol
.Microbiol.8:719-725)。髄膜炎菌は、慣用的に、Kellogg et al.(1963,M
ol.Microbiol.6:591-597)記載のように添加された、GCB寒天(Difco)で慣
用的に成育させ、37℃で5%CO2雰囲気下インキューベトした。髄膜炎菌の
形質転換を、Nassif et al.(1992,Mol.Microbiol.6:591-597)記載のよう
に行った。必要な場合、以下の抗生物質をE.coliに対して使用した:リファン
ピシン、100mg/L;テトラサイクリン、15mg/L;カナマイシン、30mg
/L;クロラムフェニコール、20mg/L;カルベニシリン、100mg/L。N
eisseriaeに対しては、100mg/Lのカナマイシンを必要な場合使用した。
実施例2
Neisseria meningitidisからのヘモグロビン受容体遺伝子の
栄養要求株補足性クローニング
ヘミンおよび/またはヘモグロビン鉄取り込みに関与する、N.meningitidis
外膜を同定するために、Y.enterocokiticaおよびV.choleraeヘミン受容体を
同定するために以前試みられたのと同様の、栄養要求株補足性クローニングを使
用した(StojiijkovicおよびHantke,1992,EMBO J.11:4359-4367;Hen
dersonおよびPayne,1994,J.Bacteriol,176:3269-3277参照)。この概念は
、グラム陰性菌の外膜がヘミン不浸透性であり(McConvilleおよびCharles,1
979,J.Microbil.,113:165-168)、従って、E.coliポルフィリン生合成変
異株は外因的に供給されたヘミン上では成育できないという事実に基づく。N.
meningitidis外膜ヘミン受容体遺伝子を備えている場合、E.coliポルフィリン
変異株はそのポルフィリン源として外因的に供給されたヘミンを使用できる。
N.meningitidis 8013のコスミドバンクが、既知のコスミドクローニング法
を使用して製造された(Sambrook et al.,1989,同書)。N.meningitidis細菌
DNAをMboIで部分的に消化し、シュークロース勾配でサイズ分画し、コスミ
ドベクターpLAFR2(Riboli et al,1991,Microb.Pathogen.10:393-4
03)のBamHI部位にクローン化した。このコスミドバンクをE.coli hem A
aroB Rifr受容株に、結合プラスミドpRK2013::Tn9を使用した3親交配によ
り移動させた。交配混合物を、ヘミンクロリド(50mg/L)、0.1mM 2,2
’−ジピリジルおよびリファンピシン(100mg/L)含有選択プレートにおいた
。外因的供給ヘミン上で成育する幾つかのクローンを一晩のインキュベーション
後に単離した。
これらの形質転換体のヘミン利用表現型を、コスミドを天然E.coli hemA a
roB細胞のコスミドに再挿入することにより、およびヘミン−供給プレートでの
成育を追跡することにより試験した。E.coli株のヘミンまたはヘモグロビンを
単独鉄源として利用する能力を、先に記載のように試験した(Strojiljkovicお
よびHantke,1992,同書)。50μM デフェロキサミンメシレート(鉄キレー
ト化剤、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MOから得た)含有LB寒天上
で細胞を成育させた。試験化合物(特記しない限り、5mg/ml貯蔵溶液20μL)
を浸み込ませたフィルターディスク(1/4インチ、Schleichner&Schuell,
Inc.,Keene,NH)をこれらのプレート上においた。一晩、37℃、5%CO2
で成育させた後、ディスクの回りの成育ゾーンを追跡した。この検定で試験し
た鉄結合タンパク質(すべてSigma Chemical Co.から得た)は、ヒト、ヒヒ、
ウシおよびマウス由来のヘモグロビン、ウシヘミン、ヒトラクトフェリン(90
%鉄飽和)およびヒトトランスフェリン(90%鉄飽和、Boehringer Mannheim
Biochemicals,Indianapolis,IN)であった。全6個のヘミン利用陽性コス
ミドを、これらのプロトコールを使用して得た。このような検定を使用した結果
を表IIに示す。
実施例3
ヘミン利用陽性コスミドの制限酵素消化地図作製
実施例2のようにして得た6個のヘミン利用陽性コスミドのコスミドDNAを
、ClaIで消化し、得られたフラグメントをClaI−消化pSU(SK)ベクター
(Stratagene,LaJolla,CA)にクローン化した。コスミドcos22由来の6k
bClaIフラグメントを含む一つのサブクローン(得られたプラスミドは、pIR
S508と命名)を測定し、実施例2記載のようなE.coli hemA aroB検定に
より、ヘミンおよびヘモグロビンの利用を確認した。cos44の11kb ClaIフ
ラグメントを含む他のこのようなクローンをまた測定し、これらの栄養要求変異
細胞のヘミン利用を確認した。制限分析およびサザンハイブリダイゼーションは
、cos22およびcos44由来のDNAフラグメントが関連していないことを示す
。
コスミドクローンpIRS508の推測される制限酵素消化地図を図1に示す
。
プラスミドpIRS508は、E.coli hemA aroBが、ヘモグロビン上での成
育がヘミン上よりいくらかは弱いが、ヘミンおよびウシヘモグロビンを鉄源とし
て使用することを可能にした(表II)。更なるサブクローニングがその挿入物のB
amHI/HindIIIフラグメントのヘミン/ヘモグロビン利用部位に位置する。ヘ
モグロビン受容体遺伝子をコードする配列(hmbRと命名)に加えて、Neisseria
挿入物要素(IS1106)の配列およびNeisseria小反復要素(IR1)をまたその図1
に示す。
実施例4
Neisseriaヘモグロビン受容体遺伝子をコードするコスミドクローンの
ヌクレオチド配列分析
hmbR遺伝子およびそのプロモーター領域を有する3.3kb BamHI−HindI
II DNAフラグメントのヌクレオチド配列を、Sequenase 2.0キット(U.S
.Biochemicals,Cleveland,OHから得た)を用いたジデオキシ連鎖反応停止
法を使用して測定し、BioRad電気泳動システムおよびAutoReadキット(Phar
macia,Uppsala,SEから得た)およびALF−370自動sequenator(Pharma
cia,Uppsala,Sweden)を使用して分析した。配列決定のためのプラスミドサ
ブクローンは、hmbR遺伝子の異なる制限部位を用いたErase-a-Baseキット(P
romega Biotech,Madison,WIから得た)を使用したネステッド欠損(nested
deletion)アプローチにより製造した。hmbR遺伝子のヌクレオチドおよび推測さ
れるアミノ酸配列を図2に示す。
開放読み枠(ORF)は、N.meningitidis、配列の470位で開始し、罫線分
子量85.5kDaの791アミノ酸のアミノ酸配列を有するタンパク質をコード
する血清型Cヘモグロビン受容体タンパク質をコードする。シン−デルガーノ配
列(SD)が460位で見られる。HmbR受容体タンパク質は、タンパク質の残基
22から24にシグナルペプチダーゼI認識配列を含み(下線)、外膜タンパク質
であるという事実と一致する。
典型的Fur結合ヌクレオチド配列(“Fur ボックス”と命名)が、hmbR遺伝
子のプロモーター領域に見られた(図2)。YersiniaeおよびVivrioにおけるヘ
ミン利用と同様に、Neisseriaにおけるヘミンおよびヘモグロビン利用は、鉄誘
発可能表現型として知られている(WestおよびSparling,1985,Infect.Imm
un.47:388-394;Dyer et al.,1987,Infect.Immun.55:2171-2175)。グラ
ム陰性細菌において、多くの鉄利用遺伝子の条件発現は、Fur−抑制遺伝子のプ
ロモータ部位における19bp不完全二分子反復(Fur−ボックス)を認識するFur
リプレッサーにより制御されている。近年、異なるグラム陰性細菌のFur−制御
遺伝子の同定のための遺伝子スクリーン(FURUTA)が記載され(Stojiljkovic et
al.,1994,J.Mol.Biol.236:531-545)、この検定をhmbR発現がこの方法
で制御されているか試験するために使用した。簡単に、Fur−ボックス配列を有
するプラスミドを、Fur−制御lac融合を染色体中に有するE.coli株(H171
7)に形質転換する。このFur−制御lac融合の発現は通常抑制される。多重コピ
ーFur−ボックス配列のプラスミドへの挿入は、利用可能Furリプレッサーを力
価測定し、すなわち、Fur−制御lac融合の発現を確認する(この表現型はFURTA
陽性と呼ぶ)。このスクリーンを使用して、FURTA陽性結果を産生するコスミドp
IRS508由来の最小挿入フラグメントは、プラスミドpIRS528に含ま
れる0.7kb BamHI−NotI DNAフラグメントであった(図1参照)。この
結果は、0.7kb BamHI−NotIフラグメントがFur−ボックスを有し、hmb
Rプロモーター由来の遺伝子発現がfur−タイプオペロンにより制御されること
を示す。
N.meningitidis、血清型Cヘモグロビン受容体タンパク質を、Promega Bi
otech(Madison,WI)のE.coli S30抽出系を使用してインビトロで発現させ
た。インビトロで発現された3.3kb BamHI−HindIIIフラグメントは90k
Daタンパク質をコードし、それは非処理HmbR受容体の予定された分子量に大
きさで対応する。観察された90KのMrを示すSDS/10%PAGE分析を
、図3に示す。
hmbR遺伝子の直ぐ下流(図2の位置の2955から3000bp)が、N.gonor
rhoeaeのPIII遺伝子(Gotschlich et al.,1987,J.Exp.Med.165:471-4
82)のフランキング配列を99%同一の短いヌクレオチド配列であるこが判明し
た。この最初の26bpは、N.gonorrhoeae小反復要素の逆反復(IR1)の半分
を示す。この要素は、N.gonorrhoeaeおよびN.meningitidisの両方の約20
コピーに見られる(Correia et al.,1988,J.Biol.Chem.263:12194-121
98)。3027からClaI(3984)制限部位のヌクレオチド配列の分析(BamHI(
1)からHindIII(3370)の配列のみ図2に示す)は、IS1106要素の存在
を示す(Knight et al.,1992,Mol.Microbiol.6:1565-1573)。興味深いこ
とに、IS1106逆反復と同じ配列は、IR1要素とIS110の相同性の始
めとの間に見られなかった。
これらの結果は、N.meningitidis由来の、N.meningitidisゲノムDNAの
3.3kbのBamHI/HindIIIフラグメントに含まれる、新規ヘモグロビン受容
体タンパク質遺伝子のクローニングおよび同定と矛盾しない。
実施例5
N.meningitidisヘモグロビン受容体タンパク質とNeisseriaラクトフェリン
およびトランスフェリン受容体タンパク質のアミノ酸配列の比較
トランスフェリン(Tbp1;Legrain et al.,1993,Gene 130:81-90)、ラ
クトフェリン(LbpA;Pettersson et al.,1993,Infect.Immun.61:4724
-4733および1994,J.Bacteriol.176:1764-1766)とN.meningitids由来の
ヘモグロビン受容体(HmbR)の比較を図4に示す。比較は、PC/GENEプロ
グラムパッケージ(Intelligenetics,Palo Alto,CA)のCLASTALプ
ログラムで行った。タンパク質のアミノ末端およびカルボキシル末端セグメント
のみを示す。星印は同一性を示し、点はアミノ酸レベルの同一性を示す。ラクト
フェリンおよびトランスフェリン受容体は、アミノ酸配列で44.4%の同一性
を共有することが判明した。他方、これらのタンパク質と本明細書に記載のヘモ
グロビン受容体の相同性は有意に弱いことが判明した(ラクトフェリンと22%
アミノ酸配列同一性およびトランスフェリン受容体と21%)。
実施例6
N.meningitidisヘモグロビン受容体によるヘミン輸送の
TonB/ExbBD−依存性
鉄含有鉄媒体物、あるコリシンおよびビタミンB12のE.coli外膜を通過し
ての輸送は、3つの細胞質膜タンパク質:TonB、ExbBおよびExbDに依存す
ることが知られている(Postle 1990,Mol.Microbiol.133:891-898;Brau
nおよびHantke,1991,Winkelmann(ed.),Handbook of Microbial Iron C
helates,CRC Press,Boca Raton,Fla.,pp.107-138)。Yersiniaおよび
Hemophilusにおいて、ヘミン取り込みはTonB−依存性方法であることが示さ
れた(StojiljkovicおよびHantke,同書;Jarosik et al.,1994,Infect.
Immun.62:2470-2477)。外膜受容体と機械的TonB細胞質の直接相互作用を通
して、受容体に結合した基質は、周辺質に吸収される(Heller et al.,1988,
Gene 64:147-153;SchofflerおよびBraun,1989,Molec.Gen.Genet.2
17:378-383)。この直接相互作用は、機械的TonBと関連した膜タンパク質の特
異的アミノ酸配列に関連する。
グラム陰性細菌の全てのTonB依存性受容体は、その一次構造に幾つかの高い
相同性の領域を含む(LundriganおよびKadner,1986,J.Biol.Chem.261
:10797-10801)。実施例5に記載のアミノ酸配列比較において、全ての2つのタ
ンパク質の推定TonB−ボックスは下線を引く。HmbR受容体のカルボキシル末
端は、非常に保存された末端フェニルアラニンを含み、782位アルギニン残基
は外膜局在シグナルの一部であると考えられる(Struyve et al.,1991,J.M
ol.Biol.218:141-148;Koebnik,1993,Trends Microbiol.1:201)。成
熟HmbRタンパク質の6残基において、アミノ酸配列−ETTPVKA−は幾つ
かのグラム陰性受容体のいわゆるTonB−ボックスの配列と同じである。興味深
いことに、HmbRの推定TonB−ボックスは、E.coli鉄媒体物受容体のTonB
−ボックスよりむしろN.gonorrhoeaeトランスフェリン受容体のTonB−ボッ
クスとより相同性である(Cornelissen et al.,1992,J.Bacteriol.174:5
788-5797)。HmbR受容体の配列を他のTonB−依存性受容体と比較した場合、
Y.enterocolitica HemR受容体と最も高い相同性が見られ、Neisseria受容
体とでは相同性はそれほど高くなかった。
N.meningitidis、血清型Cヘモグロビン受容体のTonB−依存性性質を証明
するために、hmbRをE.coli EB53のexbBおよびtonB変異株に挿入し、ヘ
ミンおよびヘモグロビンをポルフィリンおよび鉄源として使用する株の能力を測
定した。これらの検定においてE.coli EB53の両方の変異株は、機能的hm
bR存在下で、ヘミンをポルフィリン源としても鉄源としても使用できなかった(
表2)。ヘモグロビンの鉄源としての使用はまた影響を受けた(表2)。これらの
結果は、野生型E.coliのTonBにおけるこの遺伝子の発現が、実施例2に記載
の実験において、ヘミンおよびヘモグロビンの単一鉄源としての使用によると支
持されているため、本発明のN.meningitidisヘモグロビン受容体タンパク質で
あるhmbR遺伝子生産物が、TonB依存性であるという見解と一致する。
実施例7
hmb R遺伝子生産物がN.meningitidisにおけるヘモグロビン受容体
タンパク質であるという機能的証明
表IIに記載のデータに示されるように、E.coliに発現された場合、hmbRは
ヘミンおよびヘモグロビンの両方の使用を媒体するが、ヘモグロビン使用はヘミ
ン使用より少ない。HmbR受容対がN.meningitidisにおいて同じ特性を有する
か調べるために、hmbRを1.2kbカナマイシンカセット(aphA-3;Nassif et al
.,1991同書)で不活性化し、野生型N.meningitidis8013クローン6(血清型
C)細胞に形質転換した。これらのKm−耐性形質転換体の染色体hmbRコピーの
不活性化は、図5に示すようにサザンハイブリダイゼーションによって確認した
。図5に見られるように、野生型N.meningitidisゲノムDNAは、hmbR遺伝
子のコピー1つのみを含む(レーン1および3)。Kmr形質転換体において、野
生型遺伝子を含むDNAフラグメントのサイズは、1.2kb増加し、これはKan
カセットのサイズである(図5、レーン2および4)。異なる鉄含有化合物の利用
の能力を試験する場合、これらの変異細胞は、源(ヒト、ウシ、ヒヒ、マウス)に
拘わらず、ヘモグロビン−結合鉄を利用できないことが判明した。変異株のヘモ
グロビン−ハプトグロブリンの利用の能力は、野生型N.meningitidis株が鉄源
としてヘモグロビン−ハプトグロブリンを使用できないため、試験しなかった。
し
かしながら、変異株は、ヘミン鉄、ラクトフェリンおよびトランスフェリン−結
合鉄ならびにクエン酸−鉄は使用できた(表II)。ヘモグロビンの鉄含有要素がヘ
ミンであるため、ヘモグロビン受容体は、ヘミンを周辺質に輸送できることが予
期される。実際、本明細書に記載のクローニング概念は、クローン場合髄膜炎菌
受容体がヘミンをE.coli周辺質に輸送できる能力に依存している。これらの結
果は、N.meningitidisが、ヘミン−含有化合物の取り込みに関与する少なくと
も2つの受容体を有することにより強く示される。一つは本明細書に記載のヘモ
グロビン受容体であり、ヘミンをよびヘモグロビンの両方の鉄源としての使用を
可能にする。他方のN.meningitidisの推定受容体は、ヘミン受容体であり、ヘ
ミンのみの利用を可能にする。この概要は、E.coli EB53のヘミン利用を
可能にする幾つかのコスミドクローンの単離とまた矛盾しない。これらのコスミ
ドのDNAは、我々のhmbRとハイブリダイズせず、これらのクローンは、ヘミ
ンのN.meningitidis細胞の周辺質への輸送を可能にする構造的に別の受容体タ
ンパク質をコードすることが示される。
実施例8
hmb R変異N.meningitidis細胞のビルレンスのインビボ弱毒化
N.meningitidisにおけるインビボのヘモグロビンおよびヘミン清掃系の重要
性を試験するために、N.meningitidis、血清型CのhmbR変異株および野生型
を、5日令仔ラットに接種し、血液および脳脊髄液から回収される細菌の数を追
跡した。これらの実験において、N.meningitidis,血清型Cのビルレンス効果
は、仔近交系Lewisラット(Charles River,Saint Aubin les Elbeufs,F
rance)を使用したNassif et al.(1992,同書)の記載と本質的に同じであった。
近交系ラットは、個体差異を最小にするために使用した。簡便に、8013株を
3動物継代により反応性にした。この3回目の継代後、一定量の細菌を−80℃
に凍結した。感染中の変化が一つの本質的無毒変異株の選択により起こり得ると
いう可能性を避けるために、8013の動物継代凍結ストック由来の一つの一定
量をhmbR変異株由来の染色体DNAに形質転換し、得られたKanr形質転換体を
更に精製することなく貯蔵し、−80℃で凍結した。各実験において、全ての仔
ラットは同じ同腹仔であった。N.meningitidis8013を一晩成育させ、2×
106細菌を仔ラットに腹腔内注射した。これらのラットを各髄膜炎菌株に使用
した。感染経過を、表示時間における血液回収により24時間にわたり追跡した
。24時間目にラットを殺し、脳脊髄液(CSF)を回収し、コロニー形成単位(
CFU)を測定した。各実験を繰り返した;同じ結果がどちらでも得られた。
これらの実験結果を図6に示す。ヘモグロビンを鉄源として使用できないhmb
R-株は、野生型株と比較した場合、感染動物の血液から有意に少ない数で回収
された。変異株および野生型株の両方とも脳脊髄液からの細菌の単離により示さ
れるように、血液−脳関門をまだ通過できた。これらの結果は、ヘモグロビンが
インビボ成育中のN.meningitidisの重要な鉄源であることを示す。
実施例9
N.meningitidis血清型およびN.gonorrhoeae由来のヘモグロビン受容体
遺伝子のポリメラーゼ連鎖反応増幅
hbR遺伝子およびそのプロモーターを有する3.3kb BamHI−HindIIIDN
.meningitidisAフラグメントのヌクレオチド配列から、N.meningitidis血清
型AおよびBならびにN.gonorrhoeae MS11A由来の相同性ヘモグロビン受
容体タンパク質のインビトロ増幅の特異的オリゴヌクレオチドプロマー(promer)
の領域を下記のように決定した。
以下のオリゴヌクレオチドプライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR;Saik
i et al.,1988,Science 230:1350-1354)を使用したインビトロ増幅のために
開発した;
N.meningitidis、血清型Aのヘモグロビン受容体タンパク質増幅のために
5'-AAACAGGTCTCGGCATAG-3'(センスプライマー)(配列番号11)
5'-CGCGAATTCAAACAGGTCTCGGCATAG-3'(アンチセンスプライマー)(配列番号12);
N.meningitidis、血清型Bのヘモグロビン受容体タンパク質増幅のために
5'-CGCGAATTCAAAAACTTCCATTCCAGCGATACG-3'(センスプライマー)(配列番号13)
5'-TAAAACTTCCATTCCAGCGATACG-3'(アンチセンスプライマー)(配列番号14);
N.gonorrhoeae MS11Aのヘモグロビン受容体タンパク質増幅のために
5'-AAACAGGTCTCGGCATAG-3'(センスプライマー)(配列番号15)
または
5'-CGCGAATTCAAACAGGTCTCGGCATAG-3'(センスプライマー)(配列番号16)
および
5'-CGCGAATTCAAAAACTTCCATTCCAGCGATACG-3'(アンチセンスプライマー)(配列番号
17)
または
5'-TAAAACTTCCATTCCAGCGATACG-3'(アンチセンスプライマー)(配列番号18)。
N.meningitidis血清型AまたはBまたはN.gonorrhoeae種由来のゲノムD
NAは、細菌細胞壁の酵素消化、タンパク質分解、プロテアーゼおよびRNase
消化、フェノールおよび/またはクロロホルムのような有機溶媒での抽出および
エタノール沈殿を含む標準技術(Sambrook et al.,同書)を使用して製造した。
粗DNA調整物もまた使用した。ゲノムDNAの量(典型的に約0.1μg)を各
増幅反応に使用した。PCR増幅反応は、約20ピコモルの各増幅プライマーお
よび200ナノモルの各デオキシヌクレオチド三リン酸を含む好適な緩衝液中で
のPfuポリメラーゼ(Stratagene,LaJolla,CA)および/またはTaqポリメ
ラーゼ(Boehringer Mannheim,Germany)を含む。増幅反応は、以下のスキー
ムに従って行った:
最初のサイクル 95℃で5分
51℃で2分
72℃で6分
2−13サイクル 95℃で45秒
49℃で35秒
72℃で10分
14−30サイクル 95℃で25秒
47℃で35秒
72℃で10分
増幅反応が終了すると、DNAフラグメントを平滑末端、またはEcoRI消化
後、EcoRI消化pSUKSまたはpWKS30ベクターにクローン化し、細菌
に形質転換した。次いで、陽性選択クローンを、上記実施例4のように配列した
組換え挿入体の存在について分析した。
これらの実験の結果、N.meningitidis血清型AおよびBおよびN.gonorrho
eae MS11Aのヘモグロビン受容体遺伝子をコードする3つのクローンをクロ
ーン化し、これらの遺伝子の配列を測定した。これらの遺伝子の各核酸配列を図
7(N.meningitidis、血清型A)、8(N.meningitidis、血清型B)および9(
N.gonorrhoeae MS11A)に示す。
異なるN.meningitidis血清型およびN.gonorrhoeae MS11A由来のクロ
ーン化ヘモグロビン受容体間の相同性の割合を、上記実施例5に記載のように核
酸およびアミノ酸比較により検討した。これらの比較の結果をそれぞれ図10お
よび11に示す。3つのN.meningitidis血清型およびN.gonorrhoeae MS1
1A由来のヘモグロビン受容体遺伝子は、86.5%から93.4%の相同性であ
ることが分かった;最も相同な核酸はN.meningitidis血清型BとCおよび最も
異なる核酸はN.meningitidis血清型BとN.gonorrhoeae MS11Aであった
(図10および表III)。すべての4つのNeisseria種由来のヘモグロビン受容体
タンパク質は、相互に、N.gonorrhoeae MS11AとN.meningitidis血清型
Bの87%相同からN.meningitidis血清型AとBの93%相同の範囲の高い割
合の相同性を示す(図11)。この比較において、すべての4つの受容体は84.
7%アミノ酸配列同一性および11.6%までの配列類似性(すなわち、アミノ酸
配列中の同じ部位の化学的に関連したアミノ酸残基)を有することが判明した。
非保存アミノ酸残基は、ヘモグロビン受容体タンパク質の予定された地形学的構
造における外部ループに対応するアミノ酸配列の領域に集まって発見された。
上記の記載は本発明のある具体的な態様を記載し、それに相当なすべての修飾
または置換が添付の請求の範囲に記載のように本発明の精神および範囲内である
ことは理解されるべきである。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 39/395 ADZ A61K 39/395 ADZD
C07K 14/22 C07K 14/22
C12N 5/10 C12P 21/02 C
C12P 21/02 21/08
21/08 C12N 5/00 B
//(C12N 15/09 ZNA
C12R 1:01)
(C12N 5/10
C12R 1:91)
(C12P 21/02
C12R 1:19)
(C12P 21/08
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 ソ,マグダレーン
アメリカ合衆国97221オレゴン州ポートラ
ンド、サウス・ウエスト・フォーティエイ
ス・ドライブ 777番
(72)発明者 ファ,ビビアン
アメリカ合衆国97219オレゴン州ポートラ
ンド、サウス・ウエスト・フォース・アベ
ニュー7011番
(72)発明者 ヘフロン,フレッド
アメリカ合衆国97068オレゴン州ウエス
ト・リン、ヒルサイド・ドライブ17887番
(72)発明者 ナッシ,グザビエール
フランス、エフ−75015パリ、リュ・ミオ
リ36番