【発明の詳細な説明】
電力および光の複合架空伝送システム
本発明は、電力ケーブルを支えるためにも用いられる塔、柱またはその他の直
立支持体によって当システムの経路にそって支えられる光ケーブルに関するもの
である。
この種のシステムにおいては、塔、柱またはその他の支持体(以後、単に塔と
呼ぶ)で光ケーブルまたはケーブルを接地するのが一般的やり方である。電力線
が負荷されているとき、ケーブルと電力線との分布キャパシタンスによって電流
は光ケーブルに容量性誘導されることがある。光ケーブルに誘導された電圧は、
塔と塔との間のスパン中央で最大に達するであろうが、このケーブルにそって流
れる電流は塔の区域で最大になるであろう。乾燥状態では、このケーブルの比較
的高い縦方向の抵抗、例えば1012ohm m-1度の抵抗によって誘導電流は比較的
に小さくなるであろうが、湿度が高い状態では、このケーブルの表面抵抗は非常
に低く、例えば10Mohm m-1度になるとき、はるかに高い電流が誘導されるであ
ろう。誘導電流によるケーブル表面のジュール熱によって、通常は電流が最も高
い塔の区域で、ケーブル表面の短い区間が乾燥してくる。これが起こると、ケー
ブルにおける誘導電圧の大部分が、その高い縦方向の抵抗のために短い乾燥帯を
通して電圧降下し、そしていわゆる「乾燥帯アーク放電」が起こることがあり、
そのためケーブルに重大な損傷を与える恐れがある。
この光ケーブルにおける乾燥帯アーク放電の問題は縦方向に延びている導電路
をケーブルに備えつけることによって、克服することができる。しかしながら、
このような導電路を有する光ケーブルは、架線されている架空送電線の塔間に設
置されているので、それが架空送電線の1つに接触する恐れがあって、相当な安
全措置を考慮しなければならないという欠点があり、更に、このような光ケーブ
ルを設置するのに十分な時間、架空送電線によって伝送される電力を中断するこ
とは、必ずしも可能でもないし、または望ましくもない。
例えば、欧州特許出願第214,480号には、抵抗体と107〜1012ohm
m-1の線形抵抗を有するケーブルを使用することが提案されている。しかし、老
化、汚染、ケーブルのひずみなどによって抵抗体の電気特性が時と共に変化し、
そしてその結果その有効性を失うという欠点(幾つかの欠点の内の一つ)が、こ
のようなシステムにある。
例えば、欧州特許出願第403,285号には、ケーブルのアーク放電および
ジュール熱を減少させるために塔に隣接する光ケーブルに抵抗フィッティングを
取付けるることも提案されている。しかし、このようなフィッティングは持続性
の乾燥帯アーク放電の発生を止めることはできない。
本発明によると、塔と塔との間に延びておりかつ塔によって支えられている多
相送電の架空電気相線と、そして塔と塔との間に延びておりかつ塔によって支え
られている少なくとも1本の光ケーブルとを含む電力および光の複合架空伝送シ
ステムであって、この1本以上の光ケーブルはそれぞれ、取り外し可能なように
塔によって支えられ、そしてこの光ケーブルのスパンにそった経路の接地部分で
ある塔から延びている抵抗体を有し、この抵抗体の先端にあたるケーブルに乾燥
帯が生じた場合、この乾燥帯域通しての電位差はアークを形成するには不十分で
あり、そして/あるいは、乾燥帯域通して生じることがあるアークを保持するに
は誘導電圧は不十分であるような長さと導電率を有する電力および光の複合架空
伝送システムが供される。
本発明によるシステムは、持続性の乾燥帯アーク放電現象をほぼ除去すること
ができるいう利点を有している。これは、上記抵抗体が乾燥帯アークが形成され
る可能性のある地点を塔から離し、容量性誘導電流の比較的低い位置まで移動さ
せることによって、一部分達成される。更に、抵抗体の先端における電圧は、発
生するかもしれない乾燥帯の全域にアークが形成されるのを防止できるほど十分
に、(相線との容量結合によって、またこの抵抗体を流れる誘電電流のために)
上昇させることができ、また抵抗体は、アークと地面との間で抵抗器として作用
し、そしてこのようにして、アークを維持できない値にまでアークの電流を制限
する。そのうえ、この抵抗体は、例えばその電気特性が老化および/または汚染
によって変化してしまったとき、必要ならば取り外すことも、また取り替えるこ
ともできる。抵抗体は、その一方の先端をケーブルに取り付けそして塔からケー
ブルにそってこの抵抗体を滑動させることによって、光ケーブルに設置すること
ができる。このような抵抗体とその設置方法であるので、たとえ電力線が負荷状
態であっても、抵抗体に関する作業はその取外しおよび取替えを行う間、塔から
行うことが可能になる。こうして例えば、抵抗体は十分に可とう性があるので、
塔に運び上げるときは巻回しておくことができるが、十分に剛性もあるので、一
旦その先端とその中間の位置とをケーブルに滑動できるように取り付けた後に、
ケーブルにそってその長さの限度まで単に押せばよい。1つの例として、曲げ弾
性率は20〜50GPa、好ましくは30〜45GPaそして特に40GPaであって、
直径は2〜10mm、好ましくは4〜6mmそして特に5mmの(例えばガラス強化プ
ラスチック製)ロッドが適当であろう。
乾燥帯が抵抗体の先端におけるケーブルに形成されているとき、抵抗体の先端
における電圧は、乾燥帯を通して持続性のアークが形成されるのを防止できるほ
ど十分に、(相線への抵抗体の容量結合によって、またこの抵抗体を流れる電流
のために)上昇させることが好ましい。このようにして抵抗体の導電率とその長
さを適宜に選択することによって、乾燥帯の両端に発生する電圧を持続性のアー
クを形成させるには不十分な値に減少させることができ、そしてアークを通って
流れるこのとある電流をこのアークを維持するには不十分な値にまで減少させる
ことができる。実際には、この抵抗体は少なくとも20m、好ましくは少なくと
も40mではあるが、100mを越えず、そして特に60mを越えない長さを有す
る。抵抗体は、この程度の長さを有するとき、ケーブルにそってこのケーブルの
スパンのかなりな部分を越えて、例えばスパンの10%から30%まで延びるこ
とになるが、ケーブルのスパン中央部を越えて延びることはないであろう。
光ケーブルは相線よりも低い弾性率と重量を有する傾向があるので、強風時に
は相線より大きく側方に移動され易く、そのため高い電界域に向かって動かされ
易い。ケーブルがその長さ全体に沿って導体または半導体を備えていれば、その
電位は、塔と塔との間の全スパンを通して相線の電位と相当に異なるであろうし
、その結果、強風の間はコロナ放電が発生する恐れがある。ケーブルが相線に非
常に近接してしまい、相線とケーブルとの間にフラッシュオーバーが起こり、そ
のため電力供給が始まる可能性さえある。
しかしながら、本発明よるシステムにおいては、ケーブルのスパン中央域は誘
電性であり、そしてそのためにその誘導電圧は相線の電圧にむかって上昇するこ
とが許されるので、ケーブルのスパン中央域においてはコロナ放電の発生は減じ
られる。また、スパン中央域で相線とケーブルとの衝突があっても、損傷を与え
るような電流を発生させることはないであろう。
抵抗体は、乾燥条件における光ケーブルの縦方向の導電率より相当に大きい線
形導電率、好ましくはケーブルのそれより約100倍の導電率を有していなけれ
ばならず、その結果、容量性誘導された電流はケーブルの外被の代わりに抵抗体
によって地面に導かれる。通常、抵抗体は2Mohm m-1未満、より好ましくは50
0kohm m-1未満ではあるが、少なくとも200kohm m-1、そして特に少なくとも
300kohm m-1の線形抵抗を有するであろう。
抵抗体は、このような半導体の製品を作るのに用いられる材料、例えば炭素入
りのプラスチック材または炭素入りの不織テープから作ることができる。この抵
抗体は、導電性の炭素質繊維を組み込まれたプラスチック材から作られることは
有利な点である。このような繊維は、ポリマー、例えば少なくとも85%モルパ
ーセントのアクリルニトリルと15モルパーセントまでのコポリマー(PAN)
との含有率を有するポリアクリルニトリル(PAN)またはアクリルニトリルの
コポリマーを部分的に熱分解することによって作ることができる。このような繊
維は65%〜92%、好ましくは85%未満の炭素含有率と、約5%〜20%、
好ましくは16%〜20%の窒素含有率を有することができる。本発明における
使用に適している炭素質の繊維綱は例えば英国のチェシア州、ストックポート、
ヒートンノリスのR.K.テクノロジー社から市販されている。
もう一つの側面によると、本発明は、電力および光の複合架空伝送システムの
塔と塔との間に自由に延びておりかつ塔によって支えられている1本の光ケーブ
ルに取外し可能なように設置されている抵抗体であって、この抵抗体には、この
光ケーブルに抵抗体を支持するための複数の支持手段であって、ケーブルにそっ
てこの抵抗体を滑動させることができ、この抵抗体の先端にあたるケーブルに乾
燥帯が生じた場合、一般的に、この帯域の両端間の電位差はアークを形成するに
は不十分であり、そして/あるいは、誘導電流は乾燥帯を通して生じる恐れがあ
るアークを保持するには不十分であるような長さと導電率を有する支持手段が含
まれる抵抗体を供する。
本発明による伝送システムの1つの形態は、添付の図面を参照しながら、例証
として以下に説明されるであろう。
図1は、分布キャパシタンスを示す従来の全誘電光ケーブルと電力線の略図であ
る。
図2は、乾燥状態における光ケーブルの誘導電圧と誘導電流のグラフである。
図3は、乾燥帯のない湿度の高い条件における光ケーブルの誘導電圧と誘導電流
を表すグラフである。
図4は、乾燥帯が形成されている従来の光ケーブルの略図である。
図5は、本発明による関連の抵抗体を備えた光ケーブルの一部の略図である。
図6は、本発明のシステムにおける誘導電流と誘導電圧とを示す。
添付の図面を説明すると、図1は、電力ケーブル2を支持するためにも使用さ
れている1対の塔の間に支えられている「全誘電体自立」(ADSS)光ケーブ
ル1を表す。ADSSケーブル1は、塔によって接地されている金属クランプま
たは取付け具4により塔に支えられている。このシステムには、光ケーブル1と
、そのうちの1本の導線2が示されている幾本かの相線との間に分布されている
キャパシタンスがあり、これは集中キャパシタンスC1として表示されており、そ
して光ケーブル1と地面との間に分布しているキャパシタンスは、集中キャパシ
タンスC2として示されている。更に、ケーブルには、集中抵抗器Rにより表され
ている長くはあるが有限の縦長の抵抗がある。
図2に示されているように、乾燥状態では誘導電圧(Vd)と誘導電流(Id)が
ケーブルに発生する。誘導電圧はスパン中央で最も高く、典型的には400kV線
で30kVまでの値に達し、そして明らかに塔においては大地電位であるが、一方
電流は塔において最大になり、それは例えば100マイクロアンペアまでの数値
を有する。高湿度の条件では、光ケーブルの縦方向の抵抗は相当に低く、その結
果、光ケーブルの最大電圧(Vw)はより低くいが、誘導電流(Iw)は相当に上昇
し、図3に示されているように、典型的な数値0.1〜10mAになる。
こうした状態において、図4に示されているように、典型的な長さ50mmの乾
燥帯6が、ケーブル上の表面水のジュール熱のために、塔においてクランプ4の
区域のケーブル1に形成されることがある。これは、ほとんど全体の誘導電圧が
ケーブルの長さ全域において低下し、そしてこの地点においてアーク放電が発生
し、その結果ケーブル外被に損傷を与えることがある。もし点弧するのに十分な
電位差が存在するならば、(約0.5mA)のアークを維持するのに十分な電流が
ある場合にのみこれが持続的になる。
図5は、塔におけるケーブルクランプ4から延びている全誘電光ケーブル1を
含む、本発明による電力および光の複合架空伝送システムの塔10の一部を模式
的に示している。半剛性のロッドの形態をしている抵抗体12は、その長さにそ
って延びている多くのクリップ14をそれぞれ約400mmごとに備えている。こ
のロッドは垂直方向に塔を通って上に伸び、塔のところで光ケーブル1に平行な
方向に曲がり、そしてエンドクリップ14によりケーブルに固定される。このロ
ッドは十分に可とう性であるので、塔のところで曲がることができるが、十分に
剛性があるので、矢印の方向に塔からケーブルにそって押すことができる。画ク
リップ14は、ケーブルに隣接する所で、ケーブルに留められ、そしてこの抵抗
体は更にケーブルにそって押される。抵抗体とケーブルを近接させるために、相
線に対するよりもはるかに大きい範囲まで抵抗体12は、光ケーブル1に容量連
結されるので、クリップは電気的に導体であるか、まはは半導体であるか、また
は電気的に絶縁体であってさえもよい。抵抗体12は、その限度まで展開された
とき、その近位端を接地するために、ケーブルクランプ4に接続される。抵抗体
を取り外すには、上記の段階を端に逆にするだけである。
抵抗体は、その長さにそって接地するために、電流が流れるスパンに送り込ま
れる。このために、塔の区域内の抵抗体のある点に位置する、抵抗体と大地との
間に接地路を与えることが望ましいが、これを越えて塔に配置されている施設要
員が触れてはならない。図6は、当システムの塔10と、この塔からスパンの中
央点まで延びている光ケーブル1の部分を模式的に示している。このシステムの
相線のような当システムの他の要素は、簡明を期すために削除されている。更に
、容量性誘導されている電圧と電流は、本発明によるシステムと従来のシステム
との双方に対して、同じ水平スケールでグラフによって示されている。
高湿度状態で、図3に示されているように、塔に向かって誘導電圧Vwは低下し
、そして電流Iwは増加し、そのため従来のシステムにおいては(地点10)塔に
隣接するケーブル部分にジュール熱および乾燥帯の形成を引き起こす。乾燥帯が
発生すると直ちに、全誘導電圧Vbが乾燥帯の両端に発生し、その結果アークが形
成されて、誘導電圧は形態Vw BAND、を有している。アークが形成されると直ち
に、電圧の分布は曲線Vwに戻り、そしてアークは点Aにおいて比較的に高い誘導
電流(曲線Iw)の値によって維持される。高湿度条件下で、本発明によるシステ
ムにおいては、誘導電圧と誘導電流は同じ形態(VwおよびIw)を有する。乾燥帯
が塔に隣接するケーブルの一部に形成されていれば、抵抗体はアーク生成に必要
な数値より十分下の値(50mm全域で25Vしか与えない500kohm m-1まで1m
A)にまで乾燥帯の両端の電圧降下を制限するであろう。しかし、乾燥帯はまだ
抵抗体の先端(点B)を越えて形成されるかもしれず、その場合誘導電圧分布は
曲線Vw BANDによって示されている電圧に変化するであろう。この場合、一部分
は抵抗体と相線との間の容量性結合によって、また一部は抵抗体を通って流れる
誘導電流のために、抵抗体VSEの先端における電圧がかなり(例えば、10kV)
上昇することによって、抵抗体の線端を越えた帯域部分全域で低下する電圧Vb’
は、Vbよりかなり小さくなる。抵抗体の先端を越える乾燥帯の部分全域の電圧の
低下が減少するばかりでなく、点Bにおける誘導電流Iwは、点Aにおける誘導電
流よりもかなり低く、その結果アークは維持されない。抵抗体の単位長さごとの
抵抗が適宜に選択されれば、そのときジュール熱は避けることができる。例えば
、500kohm m-1と1mAとは0.5W m-1の出力を生じるが、抵抗体またはケー
ブル上の湿気を温めるには不十分である。このようにして、乾燥帯が乾燥するに
したがって、その抵抗が増大することによって、プラスのフィードバックによる
単一の乾燥帯の形成も避けられる。これは、本発明に利点を加えるものである。
抵抗体がケーブルから離れており、そしてケーブル外装の下にはないことによ
って、熱を発散させる能力が増大される。これはジュール熱の効果を低下させ、
そして熱による損傷効果なしに、より大きな電流を引き出すことを可能にする。
底部4相送電線間の中間において、懸垂ADSSケーブルのために通常は好ま
しい場所に対称にABCABCと配置されている相を有する回路を備えたL6の
塔を用いる典型的な400kV出力分布システムでは、ADSSケーブルはスパン
中央で課せられた35kVを有することができ、これは乾燥帯のアーク形成のため
に利用可能である。汚染が、ケーブルの表面抵抗が500Mohm m-1である条件で
は、持続性の乾燥帯アークの形成を許しそしてケーブルの劣化を引き起こすのに
十分な2.5mAの誘導電流が流れることがある。しかしながら、このシステムに
は、本発明による線形抵抗300kohm m-1の長さ50mの長い抵抗体が含まれる
ならば、この抵抗体の先端における乾燥帯アーク放電のために利用できる電圧(
Vb')は19kVに減少し、電流は0.8mAに下がる。抵抗体の線形抵抗が400k
ohm m-1であれば、電圧の低下Vb'は16kVになり、そして誘導電流は0.6mAで
あるが、一方抵抗体の線形抵抗が500kohm m-1であれば、電圧の低下Vb'は1
3kVになり、そして誘導電流は0.5mAである。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年9月29日
【補正内容】
補正明細書
電力および光の複合架空伝送システム
本発明は、電力ケーブルを支えるためにも用いられる塔、柱またはその他の直
立支持体によって当システムの経路にそって支えられる光ケーブルに関するもの
である。
この種のシステムにおいては、塔、柱またはその他の支持体(以後、単に塔と
呼ぶ)で光ケーブルまたはケーブルを接地するのが一般的やり方である。電力線
が負荷されているとき、ケーブルと電力線との分布キャパシタンスによって電流
は光ケーブルに容量性誘導されることがある。光ケーブルに誘導された電圧は、
塔と塔との間のスパン中央で最大に達するであろうが、このケーブルにそって流
れる電流は塔の区域で最大になるであろう。乾燥状態では、このケーブルの比較
的高い縦方向の抵抗、例えば1012ohm m-1程度の抵抗によって誘導電流は比較
的に小さくなるであろうが、湿度が高い状態では、このケーブルの表面抵抗は非
常に低く、例えば10Mohm m-1程度になるとき、はるかに高い電流が誘導される
であろう。誘導電流によるケーブル表面のジュール熱によって、通常は電流が最
も高い塔の区域で、ケーブル表面の短い区間が乾燥してくる。これが起こると、
ケーブルにおける誘導電圧の大部分が、その高い縦方向の抵抗のために短い乾燥
帯を通して電圧低下し、そしていわゆる「乾燥帯アーク放電」が起こることがあ
り、そのためケーブルに重大な損傷を与える恐れがある。
この光ケーブルにおける乾燥帯アーク放電の問題は縦方向に延びている導電路
をケーブルに備えつけることによって、克服することができる。しかしながら、
このような導電路を有する光ケーブルは、架線状態にある架空送電線の塔間に設
置されているので、それが架空送電線の1つに接触する恐れがあって、相当な安
全措置を考慮しなければならないという欠点があり、更に、このような光ケーブ
ルを設置するのに十分な時間、架空送電線によって伝送される電力を中断するこ
とは、必ずしも可能でもないし、または望ましくもない。
例えば、欧州特許出願第214,480号には、抵抗体と107〜1012ohm
m-1の線形抵抗を有するケーブルを使用することが提案されている。しかし、老
化、汚染、ケーブルのひずみなどによって抵抗体の電気特性が時と共に変化し、
そしてその結果その有効性を失うという欠点(幾つかの欠点の内の一つ)が、こ
のようなシステムにある。
例えば、欧州特許出願第403,285号には、ケーブルのアーク放電および
ジュール熱を減少させるために塔に隣接する光ケーブルに抵抗フィッティングを
取付けるることも提案されている。しかし、このようなフィッティングは持続性
の乾燥帯アーク放電の発生を止めることはできない。
本発明によると、塔と塔との間に延びておりかつ塔によって支えられている多
相送電の架空電力相線と、そして塔と塔との間に延びておりかつ塔によって支え
られている少なくとも1本の光ケーブルとを含む電力および光の複合架空伝送シ
ステムであって、この1本以上の光ケーブルはそれぞれ、取り外し可能なように
ケーブルによって支えられ、そしてこの光ケーブルのスパンにそった経路の塔部
分から延びている抵抗体を有し、この抵抗体は塔において接地されそして乾燥状
態にあるケーブルの縦方向の導電率より相当に大きい線形導電率を有するので容
量性誘導された電流は抵抗体によって接地されるように導かれ、この抵抗体の先
端にあたるケーブルに乾燥帯が生じた場合、この乾燥帯域の両端間の電位差(Vb
')はアークを形成するには不十分であり、そして/あるいは、乾燥帯を通して
生じることがあるアークを保持するには誘導電圧は不十分であるような長さと導
電率を有する電力および光の複合架空伝送システムが供される。
本発明によるシステムは、持続性の乾燥帯アーク放電現象をほぼ除去すること
ができるという利点を有している。これは、上記抵抗体が乾燥帯アークが形成さ
れる可能性のある地点を塔から離し、容量性誘導電流の比較的に低い位置まで移
動させることによって、一部分達成される。
補正請求の範囲
1.塔(10)間に延びておりかつ該塔(10)によって支えられている架空
電気相線(2)と、そして前記塔間に延びておりかつ前記塔によって支持されて
いる少なくとも1本の光ケーブル(1)とを含む電力および光の複合架空伝送シ
ステムであって、1本以上の前記光ケーブルはそれぞれ抵抗体(12)を有し、
該抵抗体は取り外し可能なように前記ケーブルによって支えられ、そして前記光
ケーブルのスパンに沿った経路の塔(10)部分から延びていおり、該抵抗体は
前記塔において接地されそして乾燥状態にあるケーブルの縦方向の導電率より相
当に大きい線形導電率を有するので容量性誘導された電流は前記抵抗体によって
接地されるように導かれ、該抵抗体の先端にあたる前記ケーブルに乾燥帯(6)
が生じた場合、前記乾燥帯の両端間の電位差(Vb')はアークを形成するには不
十分であり、そして/あるいは、前記乾燥帯全域に生じることがあるアークを保
持するには誘導電圧が不十分であるような長さと導電率を有する電力および光の
複合架空伝送システム。
2.前記抵抗体(12)は、乾燥帯(6)が前記抵抗体の先端を越えて光ケー
ブル上に形成されようとするとき、前記抵抗体の前記先端における電圧(VSE)
はアークの形成を妨げるほど十分に上昇させるに足る長さを有する請求の範囲第
1項記載のシステム。
3.前記抵抗体(12)が少なくとも20mの長さを有する請求項1または2
のいずれか1項に記載のシステム。
4.前記抵抗体(12)は少なくとも30mの長さを有する請求の範囲第3項
記載のシステム。
5.前記抵抗体(12)が60m未満の長さを有する請求項1から4までのい
ずれか1項に記載のシステム。
6.前記ケーブルに沿った前記抵抗体の滑動を可能にする複数の支持手段(1
4)によって前記抵抗体(2)が前記ケーブルに支えられるように、抵抗体の一
方の先端を前記ケーブルに配置しそして前記ケーブルに沿って前記抵抗体を前記
塔から滑動させることによって、前記抵抗体(12)が光ケーブルに設置するこ
とができる請求項1から5までのいずれか1項に記載のシステム。
7.前記抵抗体(12)が、高湿度条件において前記光ケーブルの線形抵抗よ
りも小さい線形抵抗を有する請求項1から6までのいずれか1項に記載のシステ
ム。
8.前記抵抗体(12)が200kohm m-1から10Mohm m-1までの範囲の線形
抵抗を有する請求項1から7でのいずれか1項に記載のシステム。
9.前記抵抗体(12)の線形抵抗が300kohm m-1から500kohm m-1まで
の範囲である請求の範囲第8項記載のシステム。
10.電力および光の複合架空伝送システムの塔(10)間に非固定的に延び
ておりかつ該塔(10)によって支えられている1本の光ケーブル(1)に取り
外し可能なように設置されている抵抗体(12)であって、
前記光ケーブルに前記抵抗体を支持し、かつ前記光ケーブルに沿って前記抵抗
体(12)を滑動させることができる複数の手段(14)と、
前記抵抗体の先端にあたる前記ケーブルに乾燥帯が生ずると、前記乾燥帯域の
両端間の電位差(Vb')はアークを形成するには不十分であり、そして/あるい
は、誘導電流は前記乾燥帯を通して生ずる恐れがあるアークを保持するには不十
分であるような長さと導電率とを有する抵抗体(12)。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,ES,FI,GB,GE,HU
,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,
LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO,N
Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,SK
,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 ニコルズ, イーアン, ヴィクター
イギリス国 エル14 6ティーワイ リヴ
ァプール ハイトン チャイルドウォール
レイン 76