【発明の詳細な説明】
部位特異的結合のための官能化されたポリマー序論 技術分野
本発明は、官能化されたポリマーの調製に関する。より詳しくは、本発明は、
官能化されたポリマー、特にポリアルキレンオキシドポリマーの共有結合による
、標的分子、たとえば生物高分子、特に生物学的に重要なポリペプチド、及び他
の多分散高分子、たとえばプラスチック(たとえば、ポリエチレン又はナイロン
)の部位特異的化学改変のための試薬及び方法に関する。背景
ポリエチレングリコール改変ポリペプチドの調製物は、親ポリペプチドに比較
して、免疫原性及び抗原性を減じ、そしてまた、血流においてより長い寿命を有
する(Abuchowski and Davis(1981)“Enzymes as Drugs”,Holcenberg and R
oberts,eds.,p367-383,John Wiley & Sons,N.Y.)。改変されたポリペプチ
ドのそれらの有益な性質は、種々の治療用途、たとえば酵素治療においてそれら
をひじょうに有用にする。タンパク質へのポリエチレングリコール(“PEG”)
の結合をもたらすためには、ポリマーのヒドロキシル末端基が、最初に反応性官
能基に転換されるべきである。この工程は時々、“活性化”として言及され、そ
してその生成物は“活性化されたPEG”と呼ばれる。保護基により一端をキャッ
プされ、そしてタンパク質分子上のアミンに対して反応性である求電子基を他端
上に担持するメトキシポリエチレングリコール(“mPEG”)誘導体
が、ほとんどの場合に使用されて来た。治療用酵素の調製のために使用される活
性化されたPEG の最とも通常の形の1つは、メトキシ−ポリ(エチレングリコー
ル)スクシノイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステルである(Abuchowski
など.(1984)Cancer Biochem.Biophys.7:175-186)。しかしながら、1つ
の主な欠点は、ポリマーと琥珀酸残基との間のエステル結合が水性媒体において
制限された安定性を有することである。ウレタン結合のPEG−タンパク質の調製
のためへのPEG−フェニルカーボネート誘導体の使用は報告されている(Verones
e、など、1985)。しかしながら、その疎水性フェノール残基(p−ニトロフェ
ノール又は2,4,5−トリクロロフェノール)は毒性であり、そしてタンパク
質に対する親和性を有する。
タンパク質へのリポーター基、リガンド、等の結合は通常、リシン残基の側鎖
上の一次アミノ酸を通してランダム態様で進行する。リシン残基により結合され
たいくつかのPEG−誘導体が合成されている。PEGのヒドロキシル末端基は典型的
には、興味あるタンパク質にPEG を共有結合できる反応性官能基に転換される。
それらの PEG−誘導体は、次のものを包含する:2−(アルコキシポリエチレン
グリコキシ)−4,6−ジクロロトリアジン(Abuchowskiなど.(1977)J.Biol
.Chem.252:3578-3581);2−(アルコキシポリエチレングリコキシ)−N−
スクシンイミジルスクシネート(Abuchowskiなど.(1984)Cancer Biochem.Bi
ophys.7:175-186);2−(アルコキシポリエチレングリコキシ)−2,2,
2−トリフルオロエタン(Delgado など.(1990)Biotech.Applied Biochem.
12:119-128);2−アルコキシポリエチレンアルデヒド(Andresなど.(199
0)Biotech.Tec.4:49-54);2−アルコキシポリエチレングリコキシメチル
エポキシド(Andrews など.(1990)Biotech
.Tec.4:49-54)。EP539167(1993)は、タンパク質のアミノ基との反応のた
めに末端イミデート基により改変されたPEGを報告している。
タンパク質PEG 化の上記方法のすべてに関する主な欠点は、ポリマー接合がラ
ンダムに及び非部位特異的に、典型的にはアミノ基、たとえばリシン側鎖及びN
−末端アミノ基で生じることであり、そのような結果、複数のポリマー基が生物
学的活性、たとえば基質結合又はリポーター結合を潜在的に妨害し、そして接合
体の調製物が、特に、その反応がランダムであり、そして種々の標的残基の選択
的な活性又は接近性のために完全でない事実の観点から、典型的には不均一にな
る。さらに、標的分子の電荷の変更が典型的にはカップリング反応により、特に
遊離アミノ基の改変に基づいてポリペプチドに引き起こされる。アミノ酸残基上
の荷電されていない残基への電荷の導入又はアミノ酸残基上に存在する電荷の除
去又はマスキングに基づいての電荷の変化は、タンパク質の三次構造の破壊及び
活性部位の破壊を包含するいくつかの機構によりそのタンパク質の生物学的活性
に悪影響を与える。電荷のそのような変化は典型的には、誘導体化が完結まで実
施されるので、累積する。典型的には、上記方法を用いてポリペプチドの分子当
たりのポリマーの数を低めることは、しばしば、活性部位の接近性を立体的に減
じ、そして従って、改変されていないポリペプチドにより所有される生物学的活
性を低める。ポリエチレングリコール改変 TNF−αは、広範な改変が生物活性の
完全な損失をもたらした典型的な例である(Tsutsumiなど.(1994)Jpn.J.Ca
nc.Res.85,9-12)。
ポリマー接合分子の多くの可能性ある用途を考慮して及び特に、PEG−ポリペ
プチドに対する技術的な焦点から、標的高分子又は材料、たとえば表面の改変へ
の使用のために官能化されたポリマーの
レパートリを高める必要性が当業界において存在する。従って、官能化されたPE
G の他に官能化されたポリマー、及びポリマー結合の現方法に固有であり、そし
てその方法に観察される欠点の克服を可能にするための方法のための必要性が当
業界において存在する。たとえば、残基上に存在する電荷を劇的に変えないで、
又は標的分子の結合性質を妨害する傾向がある位置で基を導入しないで、標的分
子の残基、たとえばポリペプチドのアミノ酸残基に結合することができ、そして
種々の条件、特に生理学的に相当する条件下で安定する連鎖を通して結合される
官能化されたポリマーを供給する必要性が当業界において存在する。従って、安
定した連結連鎖を有する定義された構造の容易に合成された高分子の均質調製物
を構成するための試薬及び方法の必要性が存在し、ここでそれらの試薬及び方法
は、合成の迅速性及び温和さ;実質的に多量の収量;企画の多様性;及び生化学
クラスの化合物の多様性を用いての構成への適用性を容易に提供する。本発明に
提供される試薬及び方法は、適切なそれらの必要性及び他の必要性を提供する。発明の要約
本発明は、標的高分子上のユニーク部位でのオキシム連鎖を通して、有機ポリ
マー、好ましくは水溶性有機ポリマー、より好ましくはPEG 又はデキストランの
アミノ−オキシ又はアルデヒド(又はケトン)誘導体により、標的高分子、たと
えばタンパク質、ペプチド、他の有機化合物、たとえばプラスチック、又は表面
材含有高分子を穏やかな条件下で部位特異的且つ化学選択的に改変するための方
法及び化合物を提供する。“官能化された”ポリマーとして言及される、PEG 及
び他の水溶性ポリマーの新規アミノ−オキシ誘導体(オキシム−連鎖を形成する
ことができる)が提供される。本発明の
二又は多一ポリマー含有の官能化されたポリマーの使用を通して、1又は複数の
水溶性ポリマーが、穏やかな条件下で個々の標的高分子上の予備選択された単一
の部位に部位特異的且つ化学選択的に結合され得る。
本発明のもう1つの観点は、官能化された水溶性ポリマー誘導体の部位特異的
共有結合により改変されたタンパク質を調製するための方法を提供することであ
る。本発明は、ポリマー反復単位の数が5〜2000の整数である官能化されたポリ
マーを提供する。
本発明はまた、ポリマー反復単位の数が5〜2000の整数であるポリマー化合物
と、オキシム形成基がポリマーに共有結合され、そしてそのオキシム−形成基が
任意に、保護解除できる形で存在する、オキシム−形成基を含む化合物とを反応
せしめる段階を包含する、オキシム−形成基を含む官能化されたポリマーを調製
するための方法を提供する。
本発明はさらに、部位特異的反応性及びオキシム−連鎖形成が生じるように、
本発明の官能化されたポリマーに対して、反応性において相補的なオキシム−形
成反応基を有する官能化された改変標的分子、好ましくはポリペプチドを提供す
る。
本発明はさらに、改変された標的高分子、すなわちポリマー又は複数のポリマ
ーが標的高分子上のユニーク部位に単一のオキシム連鎖を通して共有結合されて
いる、少なくとも1つの有機ポリマーをそれに部位特異的に結合している、ポリ
ペプチドを含んで成るポリマー接合体を提供する。
本発明はまた、活性的に相補的な第1のオキシム−形成官能基を供給するため
に標的高分子を、本発明の官能化されたポリマー上に存在する第2のオキシム−
形成官能基により官能化し、そしてオキシム結合が前記第1官能基と第2官能基
との間に形成されるように
、前記官能化された標的高分子と前記官能化されたポリマーとを反応せしめる段
階を包含する、穏やかな条件下で上記ポリマー接合体を調製するための方法を提
供する。
オキシム結合を通して標的高分子上の単一の部位への穏やかな条件下での構造
体(及び従ってそのポリマーのすべて)の部位特異的化学選択性連結を可能にす
る、多ポリマー含有アミノ−オキシ−官能化された又はアルデヒド(又はケトン
)−官能化されたポリマー構造体がまた供給される。個々の構造体が同じ系統に
おいてトポロジー的には他と異なっているが、しかし分子量(平均)的には異な
っていない官能化されたポリマー構造体の系統がまた供給される。それらの使用
方法は、所望する生物学的又は物理学的性質、たとえば増強された薬物動力学的
挙動性を有する高分子として同定され得る系統とは、トポロジー的には異なるが
、しかし分子量的には異なっていない標的高分子、好ましくは生物学的に重要な
タンパク質の系統を急速に創造するために標的高分子の組織的改変を包含する。
従って、本発明は、標的高分子のストークス半径を組織的に改変する方法を提供
し、ここで前記方法は、官能化された標的高分子と、本発明の一連の官能化され
たポリマー、好ましくは多ポリマー含有の官能化されたポリマーとを、別の反応
において接合せしめ、そして次に、ストーク半径に対する接合の効果を決定する
段階を包含する。本発明のこの観点の好ましい態様においては、標的分子の薬物
動力学的挙動性が組織的に改変される。
本発明の方法を実施するための適切な試薬を有するキットが提供される。図面の簡単な説明
図1は、異なった官能化されたPEG ポリマーと酸化されたIL−8
との接合体の移動を示す、非還元条件下での SDS−PAGEゲルを示す。すべての場
合、単一の誘導体がその接合体反応において得られた。レーン1,3,5,7:
それぞれ AoA−PEG5KD,AoA-PEG10KD,AoA−PEG20KD及び AoA−N−(PEG5KD)2
と酸化されたIL−8との20時間のインキュベーションの結果。AoA−N−(PEG5K D
)2は、(PEG5KD−CONH(CH2)2)2N−(CH2)2−NH−AoA である。レーン2,4,
6,8:精製された接合体PEG5KD−IL−8,PEG10KD−IL−8,PEG20KD−IL−8
及び(PEG5KD)2−IL-8。レーン9:酸化されたIL−8。レーン10、すなわちタ
ンパク質分子量マーカー:上部から底部の方に、ホスホリラーゼB(97.4KD)、
ウシ血清アルブミン(66.2KD)、オボアルブミン(45KD)、カルボニックアンヒ
ドラーゼ(31KD)、大豆トリプシンインヒビター(21.5KD)、リゾチーム(14.4
KD)。“KD”はキロダルトンを示す。
図2は、異なった官能化されたポリマーにより得られるIL−8の移動を示す S
DS−PAGEゲルを示す。レーン1:IL−8。レーン2,3,4:PEG5KD−IL−8,
PEG10KD−IL−8,PEG20KD−IL−8。レーン5:IL−8−PEG20KD−IL−8(ダ
イマー、“ダンベル”)。レーン6,7:(PEG10KD)2 Lys−IL−8,(Lys−P
EG5KD)−IL−8。レーン8:デキストラン9KD−IL−8。レーン9:タンパク質
分子量マーカーは図1におけるのと同じである。PEG5XD−PEG10KD−PEG20KD−IL
−8,IL−8−PEG20KD−IL−8及び(PEG10KD)−Lys−IL−8は単一のバンド
として移動し、そして(Lys−PEG5KD)5−IL−8及びデキストラン9KD−IL−8は
ゲル上に形跡を与えた。
図3は des−Met−G−CSF と官能化されたPEG5KD及びPEG20KDとの接合体の移
動を示す SDS−PAGEゲルを示す。レーン1:des−Met −G−CSF。レーン2:Ao
A−PEG5KDと酸化された des−Met
−G−CSF との24時間のインキュベーションの結果。レーン3:精製されたPEG5 KD
−des−Met−G−CSF。レーン4:24時間のインキュベーションの後、酸化さ
れた des−Met−G−CSFへの AoA−PEG20KD のカップリング。レーン5:精製さ
れたPEG20KD−des−Met−G−CSF。レーン6:タンパク質分子量マーカーは図1
における通りである。
図4。インターロイキン−1レセプターアンタゴニストタンパク質(“IL−1
ra”)への官能化されたAoA−PEG5KD,AoA−PEG10KD及び AoA−PEG20KDの接合。
レーン1:IL−1ra。レーン2:室温で48時間のインキュベーションの後、アミ
ノ基転移されたIL−1raへの AoA−PEG10KDのカップリング。レーン3,4,5
:精製された接合体PEG10KD−IL−1ra,PEG5KD−IL−1ra及びPEG20KD−IL−1
ra。レーン6:タンパク質マーカーは図1における通りである。
図5A,5B及び5Cは、低下する濃度のIL−1ra誘導体の存在下で皮膚線維
芽細胞によりIL−1β誘発されたプロスタグランジンE2生成の阻害を示す用量
−応答曲線を示す。図5AはPEG5KD−IL−1raについての曲線であり、図5Bは
PEG10KD−IL−1raについての曲線であり、そして図5CはPEG20KD−IL−1raに
ついての曲線である。個々の場合、接合体は、活性化されたタンパク質を供給す
るためにアミノ基転移を用いて例8に記載のようにして調製された。個々の点は
、3つのプロスタグランジン測定の平均に起因し、これから、緩衝液が単に、IL
−1ra(また、本明細書においては“Antril”(Synergen,Inc.からの)とも称
する)及び誘導体の代わりに使用される場合に得られる3つのプロスタグランジ
ン測定の平均が引き算された。平均値のばらつきは、このアッセイにおいては、
異例ではない。明確にするために、3種のAntril誘導体について
の用量−応答曲線が別々にプロットされ(点線及び誤差バー)、個々の時点で、
Antrilにより得られた同じ標準曲線がプロットされた(実線及び誤差バー)。
図6A及び6Bは、改変されていないIL−1raの薬物動力学に比較しての、ラ
ットにおけるPEG10KD−IL−1ra(図6A)及びPEG20KD−IL−1ra(図6B)の
薬物動力学を示す。明確にするために、2種の誘導体に関する結果が別々にプロ
ットされ(点線)、個々の時点で、改変されていないAntrilに関して得られた同
じ組の結果がプロットされた(実線)。血液サンプルを、3,10及び30分で、並
びに1,3,7,12及び24時間で採取した。個々の点は、一匹の動物による単一
の決定を示す。改変されていないAntrilの場合、初期低下が30〜180 分の間で示
された後、血液レベルでの遅い上昇が見られた。そのような予測できない挙動は
、同じ実験条件下で使用される他の調査されたタンパク質に関して観察されなか
った。注射液のいくらか又はほとんどが尾の静脈を外れ、そして皮下に蓄積され
た明白な証拠を示した動物(過剰の放射能が注射部位で残存し、続いて、通常の
二相性の指数株低下よりもむしろ、初期の低下の後、血液レベルでの遅い上昇が
続く)は、廃棄された。
図7は、IL−8,PEG20KD−IL−8,IL−8−PEG20KD−IL−8及び(PEG20KD
)2 Lys−IL−8の薬物動力学を示す。血液サンプルを3,7,15及び30分で、
並びに1,3及び7時間で採取した。個々の点は4匹の動物の平均値を表わす。
ダンベル及び複数アーム構造体は、血流におけるIL−8の寿命を改良するために
最とも効果的な接合体として見える。特定の態様の記載
本発明は、ポリマー、好ましくは水溶性ポリマー、たとえばPEG
、すなわちポリエチレングリコールのアミノ−オキシ誘導体である新規の改変試
薬を提供する。本発明の試薬は、興味ある標的高分子に種々のポリマーを共有結
合するために使用され得る。
特に、生物学的に重要な高分子、たとえばポリペプチドの場合、本発明の重要
な利点は、標的高分子が、その高分子の生物学的活性を実質的に減じないで水溶
性ポリマーの結合により改変され得、又は前記生物学的活性よりも低い程度への
その生物学的活性の低下が、本発明の部位特異的作用性化合物以外の活性化され
たポリマーを用いての、高分子(典型的には、ポリペプチドのためのリシン残基
)に位置する複数の残基への前記同じ水溶性ポリマーの結合により減じられるこ
とである。
用語“生物学的活性”とは、酵素活性、レセプター(抗体を包含する)への結
合能力、リガンドを結合する能力、免疫応答を誘発する能力及び同様のことを包
含する。
“相補的反応性官能基”とは、対の相補的メンバーと化学特異的に反応する一
対の官能基の1つとして定義される。たとえば、アミノ−オキシ−アセチル(“
AoA”)及びグリオキシリル(“GXL”)は、オキシム結合を形成するために反応
する相補的反応性官能基である。
用語“化学選択的に連結”とは、相補的に直交する化学的反応性基間に生じる
特異的連結を示す。
本発明において使用される相補的官能基とは、存在する他の基、又は適用され
る他の化学を妥協しないで使用され得る基である。従って、本出願の情況におけ
る例によれば、“アミノ−オキシ−アセチル基が最とも好ましい官能基である。
もちろん、標的ポリペプチドの複数の残基が本発明のポリマー上の官能基と特
異的且つ相補的に反応する官能基を含むようにそれら
の個々の残基が最初に改変される場合、官能化されたポリマーは適切に改変され
た標的分子への非部位特異的結合のために使用され得ることが明らかである。
官能化されたポリマーは、オキシム連鎖を通しての共有接合により部位特異的
に標的高分子に結合される。“共有接合された”又は“接合された”とは、官能
化されたポリマーを通して標的へのポリマーの結合を意味する。“官能”又は“
官能化された”とは、本発明のためには、ポリマーが相補的な官能化された標的
高分子に部位特異的に接合され得るようにそのポリマー上へのオキシム−形成反
応基の結合を説明する。一般的に、PEG 又はPOG(すなわち、ポリオキシエチル
化されたグリセロール)分子は、末端ヒドロキシル基に反応性基を結合すること
によって活性化され又は官能化され、そして次に、官能化されたポリマーは、標
的分子中に部位特異的に導入されているアルデヒド基に共有結合される。接合が
タンパク質上のいづれかの反応性アミノ酸間で生じ、前記反応性アミノ酸が典型
的にはリシンであり、そしてリシンがその遊離ε−アミノ基を通してPEG 又はPO
G 上の反応性基に連結されている、接合の典型的な従来の方法に比べて、本発明
の官能化されたポリマー試薬は、標的分子上の単一の予備選択された部位への安
定したオキシム連鎖を通して部位特異的に結合されている。
“標的高分子”とは、本明細書で用いられる場合、少なくとも500、より好ま
しくは少なくとも2000、さらにより好ましくは少なくとも5000、最とも好ましく
は少なくとも10,000の分子量を有する有機分子(生物起源の分子及び無機成分を
含む有機分子を包含する)を意味する。“官能化された標的高分子”とは、オキ
シム−形成官能基を含むように部位特異的に改変されている標的高分子である。
標的高分子は、天然源、組換え源又は合成源に由来することができ
る。
用語“官能化された水溶性ポリマー試薬”とは、本明細書で用いられる場合、
オキシム連鎖を通して標的高分子への水溶性ポリマーの部位特異的接合を提供す
る官能基を含むように改変された水溶性ポリマーを意味する。本発明の方法によ
れば、標的高分子は、ポリマー上に、好ましくはその末端の1つで(又は二官能
ポリマーの場合、その両末端で)導入されるアミノ−オキシ又はアルデヒド官能
基とのオキシム−形成反応性において相補的である官能基を含むように部位特異
的に改変される。アミノ酸残基で、好ましくはC−又はN−末端でポリペプチド
に部位特異的に結合され得る水溶性ポリマー試薬を供給することによって、タン
パク質じゅうに位置するアミノ酸残基での複数のカップリングを通して悪影響を
及ぼされるタンパク質の生物学的活性を実質的に悪影響を及ぼさないで、タンパ
ク質に水溶性ポリマーを接合することが可能になる。
本発明の“均質”ポリマー接合体組成物とは、実質的にすべての接合体分子が
実質的に同一の化学構造(個々は、結合されたポリマーの分子量における範囲が
存在するが、結合されたポリマーの同一の数及び位置を有する)を有する化学組
成物を言及する。分子量範囲の平均とは典型的には、官能化のために本明細書で
使用されるポリマーの市販の調製物に見出されるようなものであり;好ましくは
その範囲は、市販の調製物のさらなるサイズ分別の後に得られるものである。こ
れは、個々の分子が結合されたポリマーの位置及び数において少なくとも異なる
典型的なポリマー接合体組成物と鋭い対比をもたらす。本発明の組成物はまた、
ポリマー接合体中の個々の分子の実質的にすべてがお互い実質的に同一であるよ
うな“自己一同一性”組成物としても言及され得る。ここで、“実質的にすべて
”とは、個々の結合されたポリマーは同じサイズのものではないが
、それらのすべては結合されたポリマーの同じ位置及び数を有する合計の接合体
分子の少なくとも80%を意味する。純度の程度の上昇、たとえば90%,95%,98
%,99%,99.5%,99.8%、等からはるかな100%までの純度の上昇は、“実質
的にすべて”のますますの好ましい意味である。
本発明の観点から容易に理解されるであろうように、均質ポリマー接合体組成
物は、ホモ−又はヘテロ−ポリマーから構成され得、ここでヘテロ−ポリマーと
は、本明細書で定義される場合、結合されるポリマーの化学タイプ又はMW(平均
)の相異を意味し、前記ポリマーの個々はその分子量平均で存在することができ
る。本出願の残りで論議されるように、ヘテロ二又はヘテロ多−ポリマー官能化
−ポリマーが標的分子に結合される場合、その単一の部位で結合されるポリマー
分子のすべては同一ではないが、それにもかかわらず、その組成物は本明細書で
定義されるように均質であり得る。
本発明の1つの態様において、オキシム連鎖を通して、官能化された相補的標
的高分子、たとえばポリペプチドにポリマーを結合するために有用な化合物の式
は下記の通りである:
P−X−O−NH2
〔ここで、Pは有機ポリマー、好ましくは水溶性ポリマーを表わし、Xはスペー
サー基を表わし、−O−NH2はアミノ−オキシを表わす〕。興味ある水溶性有機
ポリマーは好ましくは、官能化のための便利な部位である、ポリマー主鎖に付加
されるヒドロキシ基を有し、そして次の既知の水溶性ポリマーから選択され得る
(但し、それらだけには限定されない):(a)デキストラン及びデキストラン
誘導体、たとえばデキストランスルフェート、P−アミノ架橋されたデキストリ
ン及びカルボキシメチルデキストリン、(b)セルロース及びセルロース誘導体
、たとえばメチルセルロース及びカルボ
キシメチルセルロース、(c)スターチ及びデキストリン、並びにスターチの誘
導体及び加水分解物、(d)ポリアルキレングリコール及びそれらの誘導体、た
とえばポリエチレングリコール、メトキシポリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコールホモポリマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレン
グリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ここで前記ホモポリマー及
びコポリマーは非置換性であり、又はアルキル基により一端で置換され得、(e
)ヘパリン及びヘパリンのフラグメント、(f)ポリビニルアルコール及びポリ
ビニルエチルエーテル、(g)ポリビニルピロリドン、(h)α,β−ポリ〔(
2−ヒドロキシエチル)−DL−アスパラギン酸アミド〕、(i)ポリオキシエチ
ル化されたポリオール、及び(j)ポリヌクレオチド、たとえばデオキシリボヌ
クレオチド、リボヌクレオチド及びそれらのリン酸−主鎖−改変誘導体、たとえ
ばホスホロチオエート誘導体。好ましいポリヌクレオチドは、生物学的に重要な
ポリペプチドに対して相同の、好ましくはウィルス又は哺乳類起源のオリゴヌク
レオチドであり、そしてアンチセンス配列を含むことができる。
水溶性ポリマー試薬は、ポリプロピレングリコール(“PPG”)、ポリオキシ
エチル化されたポリオール(“POP”)、ヘパリン、ヘパリンフラグメント、デ
キストラン、多糖類、ポリアミノ酸、たとえばプロリン、ポリビニルアルコール
(“PVA”)、及び他の水溶性有機ポリマーを包含するが、但しこれらだけには
限定されない。本発明の水溶性ポリマー試薬は、ポリエチレングリコールホモポ
リマー、ポリプロピレングリコールホモポリマー、エチレングリコールとプロピ
レングリコールとのコポリマー(ここで前記ホモポリマー及びコポリマーは非置
換性であり、又はアルキル基により一端で置換される)、ポリオキシエチル化さ
れたポリオール、ポリビニ
ルアルコール、多糖類、ポリビニルエチルエーテル、及びα,β−ポリ〔(2−
ヒドロキシエチル)−DL−アスパラギン酸アミド〕;並びに他の水溶性有機ポリ
マーのアミノ−オキシ誘導体を包含する。アメリカ特許第 4,179,337号;第 4,6
09,546号;第 4,261,973号;第 4,055,635号;第 3,960,830号;第 4,415,665号
;第 4,412,989号;第 4,002,531号;第 4,414,147号;第 3,788,948号;第 4,7
32,863号;第 4,745,180号;ヨーロッパ特許第 152,847号;ヨーロッパ特許第98
,110号(1984年1月11日に公開された);日本特許第 5,792,435号は、本発明に
従って官能化され得る種々のポリマーを記載しており、そしてそれらは引用によ
り本明細書に組込まれる。好ましくは、水溶性ポリマーPは、デキストラン及び
デキストラン誘導体、デキストリン及びデキストリン誘導体、ポリエチレングリ
コール及びその誘導体から選択される。最とも好ましくは、水溶性ポリマーPは
、ポリエチレングリコール及びその誘導体類から選択され、ポリエチレングリコ
ールのモノメチルエーテルが特に好ましい(タンパク質間の架橋を回避するため
に)。ポリオキシエチル化された水溶性ポリオールはまた、本発明において有用
である。それらは、ポリオキシエチル化されたソルビトール、ポリオキシエチル
化されたグルコース、ポリオキシエチル化されたグリセロール(“POG”)、等
を包含する。POGが好ましい。ポリオキシエチル化されたグリセロールのグリセ
ロール主鎖は、たとえば動物及びヒトにおいて、モノ−、ジ−、トリ−グリセリ
ドとして天然に存在するのと同じ主鎖である。従って、この枝分れは、身体にお
いて外来性物質として必ずしも見出されない。POG は、PEG と同じ範囲での好ま
しい分子量を有する。POG についての構造は、Knauf など.(1988)J.Biol.Che
m.263:15064-15070 に示されており、そして一般的には、本明細書に記載され
る式においてPEG 又はその誘導体を置
換することができる。
本発明の水溶性ポリマー試薬により改変されたポリペプチドが医薬として使用
される場合、ポリマーPは非毒性及び好ましくは非免疫原性であるべきである。
ポリマーPは種々の量の複数の反復単位を含むので、Pの分子量は相当に変化
することが理解されるであろう。さらに、Pが一定の分子量を有すると言われる
場合、その分子量は単に近似値であり、分子に存在するサブユニットの数に関し
てお互いに対して異なる分子Pの集団の平均分子量を表わしている。一般的に、
Pは約 200〜200,000、好ましくは約 400〜50,000、より好ましくは 1,000〜60,
000、さらにより好ましくは 2,000〜40,000の範囲での分子量を有するであろう
。Pについての適切な分子量は、官能化されたポリマーがポリペプチドに結合さ
れる場合、改変される特定のタンパク質及び改変の目的に従って変化するであろ
う。
スペーサー基Xは任意に存在する。本発明は、オキシム−連鎖を形成できる相
補的反応性基がアミノ−オキシ基である官能化されたポリマーを供給する。好ま
しいものは、アミノ−オキシ−アセチル(“AoA”)である。事実、興味あるポ
リマーにアミノ−オキシ基を連結する追加の構造体(X又はスペーサー基)が使
用され得る。スペーサー基Xは、置換された、又は置換されていない、枝分れ又
は直鎖状の脂肪族又は芳香族基、たとえばフェニル又はC1−C10アルキレン成
分、C1−C10アルキル基、又はそれらの組合せ、又はアミノ酸鎖(たとえば柔
軟なヒンジ又はループ配列(たとえば、Argos,J.Mol.Biol.(1990)211:94
3-958を参照のこと)、又は核酸鎖又は糖鎖又は脂質鎖、又はそれらの組合せを
含んで成る非反応性基を表わし、そしてヘテロ原子を含むことができる。P−X
−ONH2の好ましい態様において、Xは−CH2−又は−CHOH−、又は
より好ましくは−CO−CH2−又は−NH−CO−CH2−を含んで成る。たとえば、下記
例1において、Xは、AoA-MPEG:CH3−O−(CH2CH2O)nCH2CH2−NH−CO−CH2−
O−NH2において−NH−CO−CH2−である。アミノ−オキシ基が追加の連結構造体
に存在する官能化されたポリマー基上に存在する場合、そのアミノ−オキシ官能
基に隣接するスペーサー基は臨界ではなく;しかしながら、それらのスペーサー
基の必要条件は、それらがアミノ−オキシ基とその相補的アルデヒド基との間で
のオキシム連鎖の形成を妨害しないことである。それらは、アミノ−オキシ基に
優先してアルデヒド基と反応すべきではなく、又はその反応に立体的な妨害も付
与せず、又は反応性基を不活性化もすべきでない。接合されたポリマーが抗原又
は免疫原目的のために使用される場合、それら自体、強い免疫原性でないスペー
サー基が選択されることは当業者に明らかであろう。接合されたポリマーが結合
目的のために使用される場合、好ましいスペーサー基は、結合、結合活性、生成
物の安定性又は溶解性のような性質を増強し、又はそのような性質を少なくとも
妨害しない。
スペーサー基Xは、オキシム連鎖の加水分解安定性を増強するように選択され
得る。オキシムの加水分解安定性は、それらの構造により影響され;データは、
オキシム安定性が次のような順序で上昇することを示す:−CO−NH−CH2−CH=
N−O−CH2−≦−CO−NH−CH2−C(R)=N−O−CH2−<−NH−CO−CH=N
−O−CH2−<−C6H4−CH=N−O−CH2−。高められたオキシム安定性は、Xに
おける芳香族基の存在により得られる。
本発明のさらなる態様においては、官能化されたポリマーは二官能であり、す
なわち2つのオキシム−形成基を有するであろう。それらの基は反応性において
お互いに対して相補的ではない。好ましくは、2つの基は、ポリマー上の遠位の
非妨害(オキシム結合を形
成する能力をお互い有する)部位で、より好ましくは個々の末端で存在する。た
とえば、ジヒドロキシポリアルキレングリコールは、その個々の末端でアミノ−
オキシオキシム形成基を有するポリマーを得るために本明細書に教授されるよう
に官能化される。ビス−アミノオキシポリマーは、本発明の部位特異的に官能化
された標的高分子と反応せしめられ、“ダンベル”構造が得られ、ここでオキシ
ム連鎖を通してのポリマーが第1の官能化された標的高分子及び好ましくは、第
1のものと同一の第2の官能化された標的高分子を、それらの部位特異的オキシ
ム−形成基の個々を通して連結するように作用する。前記第1及び第2の高分子
が異なる場合、ヘテロ−ダイマーが形成され得る。ヘテロ−ダイマーは、たとえ
ば、第1及び第2の官能化された高分子の連続的反応により(たとえば、2種の
ポリマー反応性基の1つのみが第1の標的高分子に連結されているポリマー接合
体を単離する中間段階により)、又は同じモル比で存在する第1及び第2の官能
化された高分子の混合物とポリマーとの一回の反応により形成され得る。本発明
のダンベル構造体及びその組成物は、部位特異的に連結される標的高分子、好ま
しくは生物学的に重要なポリペプチドを有し、従って、従来のポリマー接合法に
比較して、定義された構造及び均質の組成の構造体を提供する。二官能ポリマー
の好ましい態様は、2つのアミノ−オキシアセチル(AoA)基を含む。特に好まし
いものは、AoA−PEG −AoA(ここでPEG 又はその誘導体はポリマー成分を含む)
である。
本発明のさらなる態様においては、アミノ−オキシ基の酸素原子が硫黄原子に
より置換され得、この場合、標的高分子上のアルデヒド又はケトン官能基による
化学選択性連結がチオ−オキシム結合−C(R)=N−S−を生成する。
本発明のもう1つの態様においては、二及び多−ポリマー含有の
官能化されたポリマーが提供される。それらの態様の官能化されたポリマーは、
下記一般式:
(P)m L−X−O−NH2又は(P)m L−X−C(R)O〔式中、Pは本明
細書で定義されたような有機ポリマーであり、mは2〜10、より好ましくは2〜
5の整数であり、Xは本明細書で定義されたようなスペーサー基であり、−O−
NH2はアミノ−オキシであり、−C(R)Oは、Rが水素である場合、アルデヒ
ドであり、そしてLは、個々のP(mの数)が別々に及び共有的に結合されてい
る多価結合基であり、そしてそのLの原子価は少なくともm+1である〕を有す
る。−C(R)Oがケトンである場合、Rは好ましくはC1〜C10、より好まし
くはC1〜C4の直鎖又は枝分れアルキル基である。アルデヒド又はケトン官能化
ポリマーにおいて、そのアルデヒド又はケトン官能基に隣接するXスペーサーに
存在する基は臨界ではなく;しかしながら、それらの基の必要条件は、アルデヒ
ドとその相捕的なアミノ−オキシ基との間でのオキシム連鎖の形成を妨害しない
ことである。それらはアルデヒド基に優先してアミノ−オキシと反応すべきでな
く、反応に対して立体的な妨害を付与せず、又は反応性基を不活性化すべきでな
い。結合基は存在する他の官能基と反応しないが、しかしそのようにするように
企画される場合、所望しない手段(すなわち、生成物の均質性又は活性を減じる
手段)でそのようにすべきでない。スペーサー基は好ましくは、置換された又は
置換されていない脂肪族又は芳香族基、たとえばフェニル又はC1−C10アルキ
レン成分、C1−C10アルキル基、又はそれらの組合せ、又はアミノ酸鎖(たと
えば柔軟なヒンジ又はループ配列(たとえばArgos,J.Mol.Biol.(1990)211:
943-958を参照のこと)、又はヌクレオチド鎖又は糖鎖、又は脂質鎖又はそれら
の組合せを含んで成る非反応性基を表わし、そしてヘテロ
原子を含むことができる。好ましくは、オキシム−形成基が−X−C(R)Oを
含んで成る場合、XはCH2−,−CO−、又は−CHOH、より好ましくは−C6H4−を
含んで成るスペーサー基である。アルデヒド、及び OHC−CO−又はグリオキシリ
ル(“GXL”)を含んで成るスペーサーがまた好ましい。
本発明のさらなる態様において、アミノ−オキシ基の酸素原子は硫黄原子によ
り置換され得、この場合、アルデヒド又はケトン官能基との反応がチオ−オキシ
ム結合−C(R)=N−S−を生成する。
本発明の二及び多−ポリマー官能化ポリマーの場合、標的高分子への官能化さ
れたポリマーの部位特異的接合が、多価L構造体に結合される−O−NH2又は−C
HO 基を経て単一のオキシム連鎖を通して複数のポリマーの部位特異的結合をも
たらす。アミノ−オキシ−官能化ポリマーは、標的高分子上にアルデヒド(又は
ケト)官能基を導入するために利用できる方法及び本明細書に教授される方法の
ために、アルデヒド態様よりも一部好ましい。
従って、二又は多−ポリマー含有の官能化されたポリマーは、同じか又は異な
った、好ましくは同じ複数のポリマーの、標的高分子上への単一の予備選択され
た部位への結合を可能にする。Lが三価の基である場合、nは2である(本明細
書における例2又は10を参照のこと)。好ましくは、Lの原子価はm+1であ
り、ここでLの1つの原子価がXを通して任意にオキシム−形成基により占領さ
れ、そしてLの残る原子価は1又は複数の、すなわちm個のポリマーにより占領
される。Lの構造は臨界ではなく、Lが続くオキシム反応に対して立体的な妨害
を与えない限りポリマーにLを連結する連鎖は存在せず、又は反応性基を不活性
化もしない。Lは存在する他の官能基と反応しない。官能化されたポリマーにお
ける結合基Lの
個々のアーム又は原子価は好ましくは、置換された又は置換されていない脂肪族
又は芳香族基、たとえばフェニル又はC1−C10アルキレン成分、C1−C10アル
キル基、又はそれらの組合せ、又はアミノ酸鎖(たとえば柔軟なヒンジ又はルー
プ配列(たとえばArgos,J.Mol.Biol.(1990)211:943-958を参照のこと)、
又はヌクレオチド鎖又は糖鎖、又は脂質鎖又はそれらの組合せを含んで成る非反
応性基を含んで成り、そしてヘテロ原子を含むことができる。ポリマーとの接合
の前、好ましくは、Lの1つのアーム又は原子価を除くすべては、ポリマー上の
、好ましくはポリマーの末端に位置する基と特異的に反応することができる官能
基を含む。残る原子価は、オキシム−形成官能価(前記官能価は所望には、保護
解除できる状態で存在する)を提供する化合物との後での反応のために保護され
ており、又は他方では、前記化合物により占領されている。ポリマー接合体が抗
原性又は免疫原性の目的のために使用される場合、それ自体、強い免疫原性でな
いリンカー基が選択されることは当業者に明らかである。ポリマー接合体が結合
目的のために使用される場合、好ましいリンカー基は、結合、結合活性、生成物
安定性又は溶解性のような性質を増強し、又はそれらの性質を少なくとも妨害し
ない。結合構造体は、本発明の相補的な官能化されたポリマーとのオキシム形成
を通しての類似するアセンブリーが(P)mL−構造体をアセンブルするために
使用されるよう、オキシム形成基により占領される原子価をそれ自体含むことが
できる。従って、同時継続のアメリカ特許出願08/057,594号、08/114,877号及び
08/057,594号及び同時継続の国際出願PCT/IB94/00093(これらは引用により本明
細書に組込まれる)に記載される基本的な構造体が、L構造体としての使用のた
めに適切である。前記基本的構造体のオキシム−形成基は、他の相補的な反応性
基により置換され得るが;しかしな
がら、最とも好ましくは、オキシム形成がアセンブリーのために使用される。非
オキシム化学が(P)m L−アセンブリのために使用される例に関しては、本明
細書中の例4を参照のこと、ここでLは、共有結合されたポリマーを含む個々の
リシル残基を有するペンタリシルペプチド(ここで、mは5である)であり、そ
してそのペプチドN−末端はオキシム−形成基を含む。好ましいL構造体は、ト
リ−アミン化合物に由来し、ここでいづれか2つのアミノ基がポリマーへの結合
のためにそれぞれ利用でき、そして残るアミノ基はオキシム−形成基の導入のた
めに利用できる。好ましいトリ−アミンは式N(R5−NH2)3の化合物であり、こ
こでいづれか2つのアミノ基(−NH2)がポリマーへの結合のために利用でき、
そして残るアミノ基はオキシム−形成基の導入のために利用でき、そしてR5は置
換された又は置換されていない脂肪族又は芳香族基、たとえばフェニル又はC1
−C10アルキレン成分、C1−C10アルキル基、又はそれらの組合せ、又はアミ
ノ酸鎖(たとえば柔軟なヒンジ又はループ配列(たとえばArgos,J.Mol.Biol
.(1990)211:943-958を参照のこと)、又はヌクレオチド鎖又は糖鎖、又は脂
質鎖又はそれらの組合せを含んで成る非反応性基を表わし、そしてヘテロ原子を
含むことができる。R5は好ましくは、−CH2−CH2−である。3個の第一アミノ
基は好ましくは、窒素原子から遠位に存在する。最とも好ましくは、トリ−アミ
ン化合物は、トリス−(2−アミノエチル)アミンである。
本明細書に教授されるように、高い柔軟性が、ポリマーの結合のための特異的
に配置された相補的反応性基を有する、所望する配列、構造、原子価及び官能価
のL−構造体を企画し、そして得るために利用できる。本発明者の実験室におい
て開発され、そしてL−構造体の合成のために適切な追加の方法及び化合物は、
Rose(J.Ame
r.Chem.Soc.“Facile synthesis of artificial proteins”(1994)116:30
-33;引用により本明細書に組込まれる)に記載されている。
本明細書に論ぜられるように、本発明の二及び多−ポリマー官能化ポリマーは
、好ましくは、標的高分子の特に所望する性質を改変する、その高分子のストー
クス半径を組織的に改変することに特に使用される。医療的に重要なポリペプチ
ドの場合、好ましくは、その薬物運動学的挙動性及び究極性には、その治療効能
の組織的な改変を可能にするストークス半径が組織的に改変され得る。
本発明の好ましい態様において、官能化されたポリマーは、ポリマー主鎖とし
てPEG 又はその誘導体を含む。1つの態様において、官能化されたポリマーは、
PEG 又はその誘導体を含み、そして下記構造:
R1−O(R2−O)n R2−R3
を有する、−官能価又は二官能価ポリマーであり、ここで前記構造において、n
は5〜2,000の 整数であり、R2は直鎖、枝分れ、置換された又は置換されてい
ない低級アルキル基であり、そして(a)R1及びR3の1つはアミノ−オキシ
オキシム−形成基及び任意のスペーサー基を含んで成り、そしてR1及びR3
の他の1つは水素、−CH3又は保護基であり、又は(b)R1及びR3の両者は
アミノ−オキシ オキシム−形成基及び任意のスペーサー基を含んで成る。ポリ
マーにおける個々の反復単位のR2は独立して、お互い同じか又は異なっている
。7により定義される反復単位の数は、2〜2,000、好ましくは10〜1,000、及び
より好ましくは50〜800である。従って、ポリマーは、約 200〜100,000 、好ま
しくは約 400〜50,000及びより好ましくは約 2,000〜40,000の平均分子量を有す
る。典型的には、出発PEG の分子量(平均)は、市販源(但し、
これらだけには限定されない)から入手できるものであり、そして5,000,10,00
0 及び20,000から成る群を包含する。R1又はR3は、標的の第2有機高分子上
の相補的アルデヒド又はケトン官能基と共にオキシム連鎖を形成することができ
る官能アミノ−オキシ基を含む。そのオキシム−形成基は、−O−NH2 を含んで
成る。好ましくは、オキシム−形成基は、−X−O−NH2(ここで、Xは本明細
書に定義されるスペーサー基である)を含んで成る。好ましくは、オキシム−形
成基が−X−O−NH2を含んで成る場合、Xは−NH−CO−R4−を含んで成るス
ペーサー基であり、ここでR4は直鎖状、枝分れ又は環状低級アルキル(置換さ
れた又は置換されていない)、好ましくはCH2であり、そしてR4は−O−NH2に
直接結合される。保護基は、本発明の官能化法のポリマー又は本発明の標的高分
子に対して非反応性である。好ましくは、保護基は、1〜10個の炭素原子を有し
、より好ましくは、それはアルキル基であり、最とも好ましくは、それはメチル
である。官能化の前、好ましくはPEGの少なくとも1つのヒドロキシ基を有し、
より好ましくは、それは末端ヒドロキシ基である。それは、標的高分子上に部位
特異的に導入される相補的反応性基を共にオキシム連鎖を部位特異的に形成する
ことができる官能基を導入するために、好ましくは活性化される(官能化される
)ヒドロキシ基である。“低級アルキル”基とは、C1〜CI0、好ましくは、C
2〜C4のアルキル基を意味する。
本発明のもう1つの好ましい態様においては、PEG 又はその誘導体を含む、二
及び多−ポリマー含有官能化ポリマーが供給される。それらの態様は、上記で論
ぜられたような二及び多−ポリマー官能化ポリマーであるが、しかしここでは、
複数のPEG ポリマーが連結構造体への個々の結合を通して単一のオキシム形成基
に結合されている。本発明の二及び多−PEG 官能化ポリマーは、医療的に重要な
ポリペプチドの場合、好ましくは、薬物動力学的挙動性及び究極的には、その治
療効能の組織的な改変を可能にするポリペプチドのストークス半径を組織的に改
変することに特に使用される。
より特定には、本発明は官能化されたPEG 及びデキストラン、すなわち一官能
価 MPEG-NH-CO-CH2-O-NH2、デキストラン-O-CH(CHOH-CH2OH)-(CHOH)2-CH2-NH-(C
H2)2-NH-CO-CH2-ONH2、デキストラン-O-CH(CHOH-CH2OH)-(CHOH)2-CH2-NH-(CH2)2
-NH-CO-C6H4-CHO、二官能価 NH2-O-CH2-CO-NH-PEG-NH-CO-CH2-O-NH2、及び多−P
EG 化された(PEG)2Lys-NH-(CH2)2-NH-CO-CH2-O-NH2,HO-((PEG)Lys)5-NH-CO-CH2
-O-NH2、及び(PEG-アミノエチル)2-N-(CH2)2-NH-CO-CH2-O-NH2の調製及び使用に
関する。
本発明の好ましい態様においては、本明細書に教授されるように、ポリマー主
鎖としてデキストラン又はその誘導体を含む官能化されたポリマーが供給される
。もう1つの好ましい態様においては、官能化されたポリマーは、デキストラン
又はその誘導体を含む一官能価又は二官能価ポリマーである。さらにもう1つの
好ましい態様においては、本明細書に教授されるように、デキストラン又はその
誘導体を含む二及び多−ポリマー官能化ポリマーが供給される。それらの態様は
上記で論ぜられたような二及び多−ポリマー官能化ポリマーであるが、しかしこ
こで、複数のデキストランポリマーが、連結構造体への個々の結合を通して単一
のオキシム形成基に結合されている。
本発明のもう1つの態様においては、本発明の官能化されたポリマーを生成す
るための方法が提供される。一般的な場合、少なくとも1つの、好ましくは末端
の反応性基を有する上記のようなポリマーが、オキシム−形成基を含むようにそ
の反応性基で改変される。多くの改変化学のいづれでも、ポリマー上に利用でき
る反応性基に
依存して使用され得る。たとえば、PEG 又はその誘導体の好ましい場合、末端ヒ
ドロキシル基が利用できる。1以上の反応性基が存在すべきであり、すなわち1
つの反応性基を除く他のすべて(又は二官能価ポリマーが所望される場合、2つ
の反応性基を除く他のすベて)が、反応から保護されているポリマーの形が出発
材料として使用され得る。オキシム−形成基への改変は、便利な場合、連続的段
階で生じ得る。たとえば、ポリマー上の反応性基が、保護されたアミノ−オキシ
−含有化合物、たとえば Boc−NH−O−CH2−COOSuにより容易にアシル化され
るもう1つの反応性基に転換され得る。次に、アミノ−オキシ基は、使用の前又
は貯蔵の前、保護され得る。アシル化剤に対するほとんどの反応性基は−NH2で
ある。好ましいPEG 中間体は、CH3−O−(CH2−CH2−O)n−CH2−CH2−N
H2であり、又は二官能価ポリマーが所望される場合、H2N−(CH2−CH2−O)n
−CH2−CH2−NH2である。MPEGは、カルボキシメチル化の段階によりCH3−O
−(CH2−CH2−O)n−CH2−COOHに容易に転換され得る(Royer and Anantha
nmaiah(1979)J.Am.Chem.Soc.101:3394-3396)。
上記中間体 PEG-NH2化合物を用いて、オキシム−形成基が、BOC−NH−O−CH
2−COOSu によるアシル化により個々のアミノ官能基で導入される。例1に示さ
れるように、PEG−NH2は、すでに記載されている方法(Zalipskyなど.,(1983)
,Eur.Polym.J.,19,1177-1183)に従って、次の一連の反応 PEG−OH→ PEG−
C1→ PEG→N3→ PEG−NH2を通して調製された。
もう1つの態様において、二及び多−ポリマー官能化ポリマーは、所望する多
価の、通常、保護された一価のL構造体をまず獲得し、そして次に、当業界にお
いて知られている連結化学を用いて適切に活性化されたポリマー中間体、又はオ
キシム化学を通しての本発
明の官能化されたポリマーと前記保護されたL−構造体とを反応せしめることに
よって合成される。二又は多−ポリマー生成物の単離の後、生成物は、Lの保護
された残る原子価の保護解除、続く反応、たとえば、アミノ基の場合、適切に保
護された−アミノ−オキシ又は保護された−アルデヒド含有アシル化基によるア
シル化により、本発明に従って官能化される。オキシム−形成官能基の保護解除
の後、最終生成物、すなわち二又は多−ポリマー官能化ポリマーが得られる。
他方では、Lはまず、適切に保護された−アミノ−オキシ又は保護された−ア
ルデヒド含有基により誘導体化され、一置換された誘導体が単離され、次に、一
置換されたL誘導体が、ポリマー中間体(たとえば、LがNH2を含む場合、COOH
、又はLがCOOHを含む場合、NH2基を有する中間体)、又は本発明の官能化され
たポリマー(P〜Lをアセンブルするためにオキシム化学が使用される場合)と
、個々の残存する原子価で反応せしめられる。たとえば、L−構造体上の遊離ア
ミノ基と反応することができるMPEG−COOH中間体ポリマーが供給される。カップ
リングは、HOBt及びDCC の存在下で、又はMPEG−COOHのスクシンイミジル誘導体
が前もって調製されている場合、それらの試薬の不在下で起こるであろう。オキ
シム−形成官能基の保護解除の後、最終生成物、すなわち二及び多−ポリマー官
能化ポリマーが得られる。
L基がアミノ酸から形成される場合、L構造体のペプチド配列は通常の固相ペ
プチド合成(“SPPS”)により合成され、そしてペプチドが固相にまだ結合され
ている間、活性化された形での PEG−COOH、たとえばN−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステルが新生ペプチド鎖に付加され得る。たとえば、L構造体は、6個の
反応性基、たとえば5個のリシン残基及びN−末端アミン基を有するペプチドか
ら成ることができる。PEG−COOSu ヒドロキシスクシンイミドエステルは、リシ
ン残基の個々のε−アミノ基を反応することができる(N−末端α−アミノ基が
保護されたまま存続する間)。次に、十分にアシル化されたペプチドのN−末端
アミン基は保護解除され、そしてポリマー含有構造体が Boc−AoA −含有活性エ
ステルと反応せしめられ、Boc の除去及び樹脂からの緩和切断の後、本発明のペ
ンタ−ポリマー含有官能化ポリマーを生成するAoA 基が導入される。この方法が
合成構造体(及びたぶん、一定の組換え生成物)に関して特に使用されることは
注目すべきである。なぜならば、それらの構造体はその工程の間、保護を必要と
する追加の残基、たとえばアミノ酸残基を排除するように企画され得るからであ
る。他方、活性化された形での Boc−Ser(ベンジル)−OH又は Boc−Ser(t−ブ
チル)−OH、たとえばN−ヒドロキシスクシンイミドエステルがリシン残基のε
−アミノ酸に結合され得る。次に、N−末端α−アミノ基が保護解除され、アミ
ノ−オキシ基、たとえばAoA が導入され、その結果、Boc 除去の後、ε−Ser−
ペンタリシンを含む前駆体L構造体が得られる。緩和酸化剤、たとえばpH7での
過ヨウ素酸による、タンパク質に接合される前駆体L構造体の処理は、ε−Ser
−ペンタリシンをε−GXL −ペンタリシンに転換し、従って、ペンタ−GXL L構
造体を生成し、これは次に、本発明のアミノ−オキシ官能化ポリマーと反応せし
められ得る。酸化反応は、1,2結合の囲いで比較的自由な回転を有するいづれ
かの1,2−ジオール又は1−アミノ−2−オール又は1−オール−2−アミノ
化合物、たとえばエチレングリコールを用いて終結され得る。他方、酸化反応は
過ヨウ素酸の急速な除去により、たとえば逆相高性能液体クロマトグラフィー(
RP−HPLC)により終結せしめられ得る。酸化反応は第一アミノ基を含むセリン残
基に関して単に生じるので、ε−セリン
残基のみがグリオキシリルに転換される。当業者は、そのような保護が所望され
る場合、酸化からN−末端セリンを化学的に保護するための方法を知っている。
次に、N−末端アミン基が保護解除され、そしてポリマー含有構造体が Boc−Ao
A −含有エステルと反応せしめられ、Boc 除去の後、本発明のペンターポリマー
官能化ポリマーを生成するAoA 基が導入される。生成物に対して緩和な条件下で
続いて除去され得る、ペプチド合成に使用されるBOC 又は典型的なアミノ保護基
が適切である(たとえば、Green and Wats(1991)“Protectine groups in org
anic synthesis”,2nd ed.,Wiley,New York,NY を参照のこと)。
官能化された標的高分子は、同時継続アメリカ特許出願08/057,594号、08/114
,877号、08/057,594号、07/869,061号及び08/241,697号、及び同時継続国際特許
出願PCT/IB94/00093(これらは引用により本明細書に組込まれる)に見出される
方法を包含する、当業界において知られている方法を用いて、オキシム形成基を
部位−特異的に導入するために企画され、そして調製され得る。標的高分子は、
組換え法により得られ、又は天然源から単離され得、そしてオキシム形成相補的
反応性基、アルデヒド又はアミノ−オキシ基が、その高分子の所望する位置で部
位特異的に形成される。
本発明の好ましい態様においては、ポリペプチド化合物、又はアミノ酸を含む
化合物又は材料と部位特異的に反応性である官能化されたポリマーが調製され、
前記ポリマーにおいては、アミノ酸はポリマー上に導入されるオキシム−形成官
能基と特異的に反応するオキシム−形成基を得るために改変されている。好まし
くは、ポリペプチドのN−末端又はC−末端残基は、本明細書に示される方法を
用いて改変される。同時継続アメリカ特許出願08/114,877号(1993年8月31日に
出願された);08/105,904号(1994年5月12日に出願
された)及びPCT/IB94/0093 号(1994年5月5日に出願された)(これらは、引
用により本明細書に組込まれる)は、本発明の官能化されたポリマー化合物及び
本明細書に教授されるような標的分子へのそれらの接合法を用いる、化学的及び
酵素的手段による標的化合物、特にポリペプチドの部位特異的改変のための追加
の方法を提供する。
ポリペプチドの場合、オキシム形成基は、好ましくは、選択的酵素触媒された
逆タンパク質加水分解によりペプチドのC−末端で、又は緩和酸化によりN−末
端セリン又はトレオニンで導入される(たとえば、Geoghegan など.(Bioconju
gate Chem.(1992)3:138-146);Gaertnerなど.(Bioconjugate Chem.(1992
)3:262-268);EP243929;及びWO90/02135(これらは、引用により本明細書に
組込まれる)を参照のこと)。組換え又は天然ペプチドは、それぞれ官能化され
得る、ダイマー又はテトラマーに存在する複数のC−又はN−末端を有すること
ができる。
本発明の水溶性ポリマー試薬は、ポリマー上の官能基とオキシムを形成できる
相補的官能基を含むように部位特異的に改変された種々のポリペプチド又は類似
する分子を改変するために使用され得る。興味あるポリペプチドは次のものを包
含する:抗体、モノクローナル及びポリクローナル抗体;サイトカイン、たとえ
ばM−CSF ,GM−CSF ,G−CSF 、幹細胞増殖因子;リンホカイン、IL−2,IL
−3、成長因子、たとえばPDGF,EGF ;ペプチドホルモン、たとえばhGH、エリ
トロポエチン;血液凝固因子、たとえば第VIII因子;免疫原;酵素;酵素インヒ
ビター;リガンド及び同様のもの。水溶性ポリマーアミノ−オキシ又はアルデヒ
ドによる水溶性ポリマー誘導体化のための興味あるポリペプチドは次のものを包
含する:ホルモン、リンホカイン、サイトキン、成長因子、酵素、ワクチン抗原
、
及び抗体。エリトロポエチン(EPO)、特にヒトエリトロポエチンの水溶性ポリマ
ー誘導体化が特に興味あるものである。興味あるポリペプチドは、それらの天然
源、遺伝的に構築された細胞から単離され、又は種々のインビトロ合成法により
生成され得る。次の特許出願(引用により本明細書に組込まれる)は、種々の生
物学的に重要なタンパク質のPEG 化改変を報告している:アメリカ特許出願第 4
,179,337号;第 4,609,546号;第 4,261,973号;第 4,055,635号;第 3,960,830
号;第 4,415,665号;第 4,412,989号;第 4,002,531号;第 4,414,147号;第 3
,788,948号;第 4,732,863号;第 4,745,180号;ヨーロッパ特許第 152,847号;
1984年1月11日に公開されたヨーロッパ特許第98,110号;日本特許第 5,792,435
それらの非改変された状態でのタンパク質は、本明細書に教授されるように、部
位特異的官能化及び続く部位特異的ポリマー接合のための標的高分子である。
ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質(本明細書において交換可能的に使用
される)は、天然に存在する形及び組換え形、並びに類似する生物又は化学活性
の獲得を可能にするために天然に存在するペプチド又はタンパク質と十分に同一
であるペプチド又はタンパク質の他の天然に存在しない形を意味する。当業界に
おいて知られているように、ペプチドは、天然に存在しないか又は非タンパク質
原性アミノ酸残基から形成され得る。さらに、当業界において良く知られていな
いように、アミノ酸残基は非アミド連鎖を通して連結され得る。ペプチド又はタ
ンパク質はまた、そのペプチド又はタンパク質のインビボ分解を妨ぎ又は最少に
するいづれかの末端で保護基を含むことができる。
本発明の水溶性ポリマー試薬はほとんどのポリペプチドを改変するために使用
され得るが、(1)薬物としての使用のためのポリペ
プチド及び(2)アッセイへの使用のためのポリペプチドを改変することが特に
興味あることである。アッセイへの使用のためのポリペプチドは、特異的結合タ
ンパク質、特異的結合タンパク質により認識されるポリペプチド、及び酵素を包
含する。特異的結合タンパク質とは、抗体、ホルモンレセプター、レクチン及び
同様のものを意味する。用語“抗体”とは、天然のイムノグロブリン配列を有す
るポリクローナル及びモノクローナル抗体、合成抗体誘導体、及び同様のものを
意味し;抗体は種々のラベル、螢光、放射能、酵素、ビオチン/アビジン又は同
様のもののいづれかに連結するために改変され得る。合成抗体誘導体は、変更さ
れた結合特異性のために突然変異され、そして選択された天然の免疫グロブリン
配列、遺伝子的に改変された細菌により生成された、典型的には一本鎖の種々の
免疫グロブリン遺伝子由来のポリペプチド、改変された不変領域を含むように改
変された抗体及び同様のものを包含し;抗体形成の原理に基づくそのような抗体
誘導体のレビューは、Winter and Milstein,Nature ,349:293-299(1991)に
提供される。抗体は、抗原の投与に応答して動物に形成され、そして前記抗原と
特異的に組合され得る、グロブリンタイプの糖タンパク質である。抗体フラグメ
ントは、それらの抗原又はハプテンと選択的に結合する能力を保持することがで
きる。抗原又はハプテンと結合する能力は、抗原−結合アッセイにより決定され
る(たとえば、Antibodies:A Laboratory Manual,Harlow and Lane,eds.,Co
ld Spring Harbor,New York(1988)(引用により本明細書に組込まれる)を参
照のこと)。そのような抗体フラグメントは、Fab,Fab’及び(Fab’)2を包含す
るが、しかしこれらだけには限定されない。活性抗体は、動物から、又はハイブ
リッド動物(ハイブリドーマ)細胞系から単離されるものである。
官能化されたポリマー上に存在するアルデヒド官能基又はアミノ−オキシ官能
基に隣接する追加の連結構造体(スペーサー基)に存在する基を記載する本明細
書における教授は、官能化された標的分子上に存在するいづれかのスペーサー基
に適合する。
本発明の1つの態様において、C−末端は、ポリペプチド又はタンパク質(た
とえば抗体)におけるC−末端で特異的に、適切な反応性基により二官能価試薬
を指図することができる酵素により、好ましくは改変される。ポリペプチド鎖の
カルボキシル末端は、少なくとも一次構造体によれば、ほとんどの場合、タンパ
ク質の活性部位から遠く離れている。本発明のもう1つの態様において、適切な
反応性基を有する特定の二官能価試薬がポリペプチド分子の非カルボキシ末端部
位で好ましくは又は特異的に反応する事実が利用される。最とも好ましい態様に
おいては、アミノ末端基は、ペプチド上のN−末端部位を活性化する反応の後の
部位特異的標的である。好ましい反応においては、N−末端セリン(“Ser”)
及びトレオニン(“Thr”)残基が、ひじょうに緩和な反応下で、過ヨウ素酸に
より酸化される(たとえば、20℃、26μMのタンパク質、10mMのイミダゾール緩
衝液pH6.95,2倍過剰の過ヨウ素酸、5分間)。N−末端のSer は、他のタンパ
ク質基よりも約1000倍早く反応し(Field and Dixon,(1968)Biochem.J.108
:883)、その結果、高い程度の特異性が得られる。より高い一般化のためには、
N−末端のSer 又はThr は、組換えDNA 技法により、又は適切な場合、天然のSe
r 又はThr N−末端を有する興味あるタンパク質源を選択することにより、又は
Ser 又はThr を暴露するために非必須の末端アミノ酸のアミノペプチダーゼ、ジ
ペプチジルペプチダーゼ、又はプロリン特異的エンドペプチダーゼによる酵素切
断により導入され得る。第2の好ましい反応は、好ましくはグリオキシレートと
の反応により
タンパク質のN−末端残基を活性カルボニル官能基に転換するためにアミノ基転
移の使用である。この反応は比較的緩和な条件下で進行する(たとえば、Dixon
and Fields,(1979)Methods in Enzymology,25:409-419を参照のこと)。広範
囲の種類のN−末端残基がアミノ基転移され得る。前述の文献(Methods in Enz
ymol.,25:409-419)に言及されるタンパク質のアラニン、アスパラギン、グル
タミン酸及びフェニルアラニンの他に、メチオニンは、例8に記載されるように
、Antrilの特定の場合、アミノ基転移された、それらの技法により生成されるポ
リペプチジルN−末端脂肪族アルデヒド又はケトンが、好ましくはアミノ−オキ
シ−アセチル基により官能化されたポリマーと反応せしめられ得る。
保護されたアミノオキシアセチル基は、ダンベルの構成のためにメトキシポリ
エチレングリコール(例1)又はデキストラン(例5)によくあるようにユニー
クアミノ基により、又はH2N−PEG−NH2(例2)によくあるように2つのアミノ
基によりすでに官能化されたポリマーに、又は単一の部位でタンパク質に接合さ
れる多枝分れ構造体を合するために(例3,4,10)、多官能化されたリンカー
に直接的に結合された。記載された構造体は次のものである:
(PEG-CONH-(CH2)2)2-N-(CH2)2-NHCO-CH2-O-NH2
PEGLys(PEG)-NH-(CH2)2-NHCO-CH2-O-NH2
H2N-O-CH2-CO-(Lys(PEG))5。
小さな二価のアミノオキシタグはまた、タンパク質に単一の部位で部位特異的
に結合され得るので(例14)、接合されるべきポリマーは、たとえばアミノ官能
化されたPEG とカルボキシ(ベンズアルデヒド)OSu とを反応せしめることによ
って得られる、例12に記載されるような、相補的アルデヒド官能基、たとえば P
EG−O−CH2−CHO 又は PEG−NHCO−C6H4−CHO により官能化されるべきである
。
同じ手段で、ポリアミノオキシタグは、(H2N−OCH2CONH(CH2)2)3N 及び PEG−
CHOにより、例18に示されるように、単一部位で導入され、マルチアーム−接合
体が得られる。
好ましい態様ではないが、部位特異的標的は、ポリペプチドの側鎖基、すなわ
ち単一のコピーで存在し、又は他方では、選択的に利用でき、そして改変に対し
て敏感な、必ずしも必要ではないが非末端の、好ましくはアミノ酸残基である。
他方、ユニークな残基が、組換え法により導入され得る。側鎖基は、官能化され
たポリマー上の相補的反応性基(たとえばAoA 又はアルデヒド)と続いて特異的
に反応するであろう反応性基を適切な位置に配置するために、本明細書に教授さ
れる方法を用いて改変され得る。
本発明のもう1つの態様においては、標的高分子、特にポリペプチドは、その
末端以外の位置で部位特異的に改変される。翻訳の間、配列に導入されるアミノ
酸の欠失、付加又は変更による一次構造自体への改変が、タンパク質の活性を破
壊しないで行なわれ得る。“ムテイン”として知られているそのような改変され
たタンパク質を製造するための方法は、1985年5月21日に公開されたアメリカ特
許第 4,518,584号及び1985年6月21日に公開されたアメリカ特許第 4,752,585号
に記載されており(これらは、引用により本明細書に組込まれる)、そして当業
界において良く知られている(Current Protocols in Molecular Biology,ed.
,Ausubel(1994),Greene Pub.Associates and Wiley-Interscience,J.Wiley
,New York,NY;これらは引用により本明細書に組込まれる)。たとえば、生物
学的活性に必須ではなく、そして生物学的活性のタンパク質に存在する少なくと
も1つのアミノ酸残基が、本発明の官能化された標的高分子を製造するために、
続く部位特異的改変を受けるもう1つの
アミノ酸により置換され得る。
ヒドラジド基により官能化されたポリマーはまた、ヒドラゾン連鎖を形成する
ために、特異的に導入されたアルデヒド又はケト基と反応することができる。こ
の結合は、特に酸性条件下で、オキシム結合よりも低い安定性であることが知ら
れているが、それは、タンパク質がインビボで後で開放されるべきであるいくつ
かの特別な場合において興味あるものである。
標的高分子ポリペプチドは、好ましくはヒト起原の天然又は改変されたポリペ
プチドコードのDNA配列により形質転換された原核微生物又は真核細胞により生
成され得る。アミノ酸配列の実質的な同一性が維持されている天然に存在するポ
リペプチドの変異体(すなわち、前記配列は、同一であるか、又は突然変異的に
変更されたタンパク質と生来のタンパク質との間に実質的に逆の機能的な相違を
引き起こさない1又は複数のアミノ酸の変更(欠失、付加、置換)により異なっ
ている)は、本明細書において有用である。
本発明のもう1つの態様においては、オキシム連鎖を通して標的高分子上の単
一の部位で1又は複数の水溶性ポリマーに共有結合されるために、ポリマー試薬
分子、すなわち本発明の水溶性官能化ポリマーアミノ−オキシ又はアルデヒド試
薬により改変された標的高分子が供給される。それらは、本明細書において、“
ポリマー接合体”として言及される。上記で論ぜられたように、好ましくは、標
的分子は、ポリペプチド、より好ましくは生物学的に重要なポリペプチドである
。
好ましい接合体態様においては、オキシム連鎖を通して、水溶性ポリマーPEG
又はその誘導体により誘導体化されたポリペプチドが供給される。
本発明は、1又は複数のポリマーが単一の独特に位置するオキシ
ム連鎖を通して共有結合されている、上記で論ぜられた官能化されたポリマー分
子との反応により改変された上記官能化された標的高分子を包含する。1つの態
様において、それらのポリマー接合体は、次の式:B−C(R)=N−O−X−
P又はB−C(R)=N−O−X−L(P)m又はB−O−N=C(R)−X−
L(P)mにより表わされ、ここでPは本明細書に記載されるような、好ましく
は水溶性の有機ポリマーであり、Bは本明細書に記載されるような官能化された
標的高分子、好ましくはポリペプチドであり、mは2〜10の整数であり、X及び
L並びにRは本明細書で定義された通りであり、そして−C(R)=N−O−は
オキシム結合である。Rは好ましくはHである。Rは、アミノ基転移により活性
カルボニルに転換されているポリペプチドのN−末端残基の側鎖であり得る。好
ましくは、mは約2〜10であり、2〜5の範囲が特に好ましい。好ましくは、B
はポリペプチドであり、ここで好ましくはPはB上の官能化されたN−又はC−
末端残基に部位特異的に共有結合されている。本発明のさらなる態様においては
、前記式のオキシム結合の酸素原子は、C(R)=N−S−チオ−オキシム結合
を得るために硫黄原子により置換される。
個々の官能化された標的高分子は、本発明のポリマー化合物の異なった態様と
の反応の手段により1又は複数の異なった水溶性ポリマーにより誘導体化され得
る。個々の標的高分子は、mが1以上である場合、単一の部位で複数の水溶性ポ
リマーにより改変され得る。好ましくは、Pはポリアルキレングリコール又はデ
キストラン誘導体である。
PEG 又はデキストランポリマーにより改変されたタンパク質の生物学的活性は
、下記例により示されるように、かなりの程度まで保持される。
本明細書に記載されるいづれかの高分子、たとえばポリペプチド、水溶性ポリ
マー及びその誘導体の塩は、そのような分子が種々のpHの水溶液に存在する(又
は水溶液から単離される)場合、天然において生じるであろう。上記生物学的活
性を有するペプチド及び他の高分子のすべての塩は、本発明の範囲内であると思
われる。例は、カルボン酸残基のアルカリ、アルカリ土類及び他の金属塩、アミ
ノ残基の酸付加塩(たとえばHCl)、及び同じ分子内のアミノ残基とカルボン酸と
の間での反応により形成されるZwitteriuns を包含する。
本発明から容易に理解されるであろうように、均質のポリマー接合体組成物は
、ホモ−又はヘテロ−ポリマーから構成され得る。本出願の残りに論ぜられるよ
うに、ヘテロ二又はヘテロ多−ポリマー官能化ポリマーが標的高分子に結合され
る場合、単一部位で結合されるすべてのポリマー分子は化学タイプ又はMW(平均
)に関して同一ではないが、それにもかかわらず、組成物は本明細書において定
義されるように均質であり得る。たとえば、連結構造体(“L”)上へのポリマ
ーの段階的なアセンブリー(同時継続アメリカ特許出願08/057,594号、08/114,8
77号及び08/057,594号、同時継続国際特許出願PCT/IB94/00093;引用により本明
細書に組込まれる)は、ヘテロポリマーの均質組成物を製造するために個々の段
階で異なったポリマーの導入を可能にする。
上記で示されたように、化学選択性連結による多ポリマー構成体の同様のアセ
ンブリーは、定義された高分子構造体を有する多ポリマー構成体の均質調製物を
形成するために、連結構造体(L)上のGXL 基と官能化されたポリマー上のAoA
基との間の相補的な化学反応の結果である。多ポリマー官能化ポリマーの他の態
様は、逆相補的構造体、すなわち上記のものからのアミノ−オキシ連鎖構造体及
びアルデヒド官能化ポリマーを有する。
本発明の追加のポリマー接合体態様は、同じか又は異なっている2種の標的高
分子が、好ましくはポリマーの末端を通して介在ポリマーにオキシム連鎖により
それぞれ結合される。好ましい態様は、介在ポリマーとしてPEG 又はその誘導体
を包含する。
オキシム連鎖を形成するために、官能化されたポリマー及び官能化された標的
分子を反応せしめる段階を包含するポリマー接合体形成の方法が、本発明により
提供される。オキシム化反応は、ポリマーがオキシム連鎖により標的高分子に付
加されるよう、2種の試薬間で部位特異的に生じるであろう。たとえば、オキシ
ム化反応は、オキシム接合体を形成するために、標的高分子上に導入された XXL
−官能基とpH4.6 でポリマー上に導入されたその相補的AoA 基との間で生じ得る
。オキシムは広範囲のpH値にわたって形成し、そして約5のpH以下のpH値で急速
に形成する。オキシム形成の程度は、RP−HPLCによりモニターされ得、そしてそ
の反応は分離用RP−HPLCにより終結され得る。得られる化合物の分子量は、ゲル
電気泳動又はマトリックス−助力のレーザー脱着イオン化質量分析法により決定
され得る。他方では、AoA−標的高分子が使用され得、そしてオキシム化反応が
、AoA 基とアルデヒド基を有するポリマーとの間で生じ得る。他方では、オキシ
ム化は 4.6以下のpHで実施される。より低いpHが、いくつかのペプチドの溶解性
のために好都合である。2.1のpHが、いくつかのペプチドの溶解性を高めるため
に好ましい。さらに、オキシム化は、pH4.6 でよりもpH2.1 で一層早く生じる。
当業者は、オキシム−接合体の形成のためにポリマー及び標的のpH vs.溶解性プ
ロフィールを決定することができ、そしてオキシム化反応の期間の間、分子のpH
定性を考慮して、特定のオキシム化反応のための適切なpHを選択することができ
る。相補的化学基の化学選
択性連結によるオキシム化は、AoA 及びGXL 対が使用される場合、定義された構
造体のオキシム接合体の均質調製物の形成を急速且つ実質的に定性的にもたらす
。
オキシム−形成の相補的な化学的反応性基は、保護された又は保護されていな
い形のいづれかで結合され得る。標的高分子にオキシム−形成の相補的な化学的
反応性基を結合する方法は、化学的に反応性の側鎖基を通しての結合を包含する
。たとえば、オキシム−形成の相補的な化学的反応性基は、アルキル化又はジス
ルフィド形成によりS原子を通してシステイン−含有標的高分子に結合され得る
。次に、アルデヒド官能基を有する官能化されたポリマーへのオキシム化に基づ
いて、標的高分子が、ポリマーにチオエーテル結合(又はジスルフィド結合)及
びオキシム結合を通してそのCys 残基を経て結合される。好ましいアルキル化化
合物は、結合されるAoA 基を有するアルキルハロゲン化物である。特に好ましい
ものは、BOC保護されたアミノ−オキシ基、好ましくはAoA 基を有するものであ
る。好ましくは、Br−CH2−CO−NHCH2CH2NH−CO−CH2O−NH−Boc(ここでAoA
基は保護され、そしてオキシム段階の前、除去され得る)及びBr−CH2−CO−NHC
H2CH2NH−CO−CH2−O−NH2である。もう1つのアルキル化試薬は、Br−CH2CH2C
H2NH−COCH2ONH−Boc である。ブロモアセチル基は、たとえばCys 残基のチオー
ル基のアルキル化のためにより一層反応性である。ヨードアセチル基は、それが
時々、過反応性であり、そして光分解により失なわれるので、あまり好ましいも
のではない。ブロモアセチル基の他に、他のアルキル化基は、マレオイル基を包
含する。本明細書に教授されるように、この基を用いてのタンパク質改変のため
のリンカーが、AoA−Lys(マレオイル−β−アラニル)−OH及びマレオイル−β
−アラニル−NHCH2 CH2NH−COCH2ONH2として例示される。マレオイル
基は高分子接合体を製造するために有用であるけれども、それは重大な安定性の
問題(環の加水分解性開環)を有することが知られており、そしてその結果、均
質のポリオキシムを製造するためにほとんど適切ではない。さらに、マレオイル
基を包含するアルキル化は、ブロモアセチル基によるアルキル化により形成され
る結合よりもより硬性且つ巨大であるリンカーを付与し、そして従って、免疫シ
ステムに対してすぐ使える。インビボ用途のための好ましいリンカーは、免疫応
答が指図されていないものである。ジスルフィド結合を通してシステインの側鎖
へのオキシム−形成の相補的な化学的反応性基の結合のための化合物の例は、2
−ピリジル−S−S−基を含むものである。好ましい例は、2−ピリジル−S−
S−CH2CH2NH−CO−CH2−O−NH−Boc及び2−ピリジル−S−S−CH2CH2NH−CO
−CH2−O−NH2である。得られるCys 含有誘導体は、ジスルフィド結合を通して
結合されるアミノオキシアセチル(又は保護されたアミノオキシアセチル)基を
有する。本明細書に開示される改変は、ジスルフィド及びオキシム結合を通して
Cys 側鎖を経てポリアルデヒドベースプレートに官能化されたポリマーを連結す
るために有用である。この形の結合により、標的高分子、たとえばペプチドは、
ジスルフィド還元、すなわち身体において存在することが知られている工程によ
りポリマーから解放され得る。
本発明のオキシム−結合されたポリマー接合体、及びポリオキシムに基づく多
−ポリマー官能化ポリマーは、いくつかの新規特徴を有する。1つの新規特徴は
、調製物が均質であることである。オキシム−結合された化合物は、水溶液又は
半水溶液において安定しており、そして−3℃〜50℃の温度で、但し最とも好都
合には、室温で調製され得る。本発明のオキシム−結合された化合物は、それら
の個々の成分部分の特定の生物学的反応性、及び特定の化学的及び
物理的反応性に関連して有用である。
本発明の官能化されたポリマー(たとえば、一官能価ポリマー、二官能価ポリ
マー、二ポリマー官能化ポリマー、又は多ポリマー官能化ポリマー)が得られた
後、それはオキシム化反応を通して、官能化された標的高分子により接合される
。オキシム連鎖は、ポリマー及び標的高分子上に導入された相補的官能基から形
成される。標的分子へのポリマーの結合は、標的高分子上のオキシム形成官能基
の選択された配置により指図されるように部位特異的に生じる。
本発明の1つの態様において、接合の方法は、次の態様で実施される。官能化
されたポリマー溶液が、最終の酸性pHで官能化された標的高分子溶液と組合され
る。オキシム化反応が可能にされ、所望する接合体の形成が進められる。上記で
論ぜられたように、オキシム化反応は、広範囲のpH、好ましくは約pH2、特に急
速な形成が所望される場合、より好ましくは約pH5以下で生じ得る。より好まし
くは、pHは4以下であり、最とも好ましくは約 3.6である。オキシム化反応は、
標的分子の安定性又は溶解性を維持するために必要である場合、より低いpHに適
合する。反応温度は好ましくは、室温であるが、しかし標的高分子の安定性及び
溶解性のための特定の必要性を満たすよう調整され得る。反応時間は、10分〜72
時間、より好ましくは3〜48時間、及び最とも好ましくは6〜24時間である。官
能化されたポリマーは、官能化された標的高分子よりもモル過剰で、好ましくは
約3〜20倍のモル過剰、より好ましくは、約4〜15倍のモル過剰で、及び最とも
好ましくは、約5〜10倍のモル過剰で存在する。
官能化されたポリマーは好ましくは、酸性のpHでの水溶液、好ましくは緩衝液
に希釈される。pH4.6 の 0.1M酢酸塩の溶液が好ましい。任意に、カオトロピッ
ク剤が、官能化されたポリマーへの標的
高分子の官能基の接近性を助けるために存在する。好ましい剤は、オキシム化反
応に対して不活性であり、ポリマー及び標的分子の両者に対して不活性であり、
そして最終生成物から除去される場合、生物学的活性の戻りを妨害しないであろ
う(それがカオトロピック剤により影響されるなら)。好ましい剤は、グアニジ
ン塩酸塩(“GuHCl”)であり、好ましくは、最終反応において約1〜8モル濃
度で、より好ましくは約4〜6モル濃度で存在する。アミノオキシ誘導体が水に
水溶性である場合、接合反応は有機溶媒の存在下で行なわれ得る。その溶媒及び
その濃度は、標的高分子の興味ある生物学的活性を逆に妨げるべきでない。適切
な溶媒は当業界において良く知られている。たとえば、ある低い溶解性のペプチ
ドに関しては、50%までのアセトニトリルが、カップリングのために使用され得
る。
所望には、ポリマー接合体は、反応混合物から精製され得る。当業者に知られ
ている多くの精製方法、たとえばサイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作
用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、分離用等電点電気泳動
、等が存在する。1つの特に好ましい方法は、サイズ分離方法と電荷分離方法と
を組合すことであり、たとえばサイズ排除クロマトグラフィー処理、続いてイオ
ン交換クロマトグラフィー処理を行なうことである(アメリカ特許第 253,708号
を参照のこと;これは引用により本明細書に組込まれる)。好ましくは、サイズ
分離法は、それらの分子の流体力学半径に基づいて分子間を区別するサイズ排除
クロマトグラフィーである。流体力学半径とは、水性環境下での粒子の効果的分
子半径として定義される。好ましくは、電荷分離法は、固定した不活性の荷電さ
れた物質に対する溶液における荷電されたイオン又は分子の示差親和性に基づい
て分子間を区別するイオン交換クロマトグラフィーで
ある。サイズ排除クロマトグラフィー法及びイオン交換クロマトグラフィー法は
、適切な緩衝液及び適切な条件下で、ポリマー接合体の混合された溶液といづれ
かのカラムとを接触せしめることを含んで成る。
本発明のもう1つの態様において、接合の方法は“ワン−ポット(one-pot)”
合成を包含する。官能化されたポリマー溶液が、緩和な反応条件下で、本明細書
に記載されるように官能化に対してひじょうに敏感である、セリン又はトレオニ
ンのN−末端残基を有する標的高分子及び過ヨウ素酸溶液と共に同時に混合され
得る。標的高分子のN−末端アミノ酸にオキシム連鎖を通して部位特異的に結合
されるポリマーによる所望するポリマー接合体の形成は、追加の操作の必要性を
伴わないで生じるであろう。ワン−ポット反応のpHは、約2〜9、好ましくは約
3〜7、より好ましくは約 4.5〜7、最とも好ましくは約6〜7であり、そして
好ましい態様は約6.5 のpHである。ポリマー及び過ヨウ素酸の両者は、標的分子
に対してモル過剰で存在する。過ヨウ素酸は好ましくは、2〜5倍のモル過剰で
、より好ましくは2〜3倍のモル過剰で存在する。約3時間以下の反応時間が達
成される。所望には、ポリマー接合体は、本明細書に記載されるようにして単離
される。反応温度は好ましくは、凍結を回避するための約0℃〜標的分子を改変
する温度以下であり、一般的には、改変を回避するために約 100℃以下であり、
そしてほとんどのタンパク質の場合、約50℃である。より好ましくは、反応は約
15〜25℃、さらにより好ましくは約20℃で行なわれる。標的分子に対する官能化
されたポリマーのモル比は、約3〜50倍、より好ましくは4〜30倍、さらにより
好ましくは約5〜25倍の範囲での値である。過ヨウ素酸に対する標的分子のモル
比は、好ましくは約1〜約6倍、より好ましくは約2〜4倍の範囲で存在する。
特定の態様に
おいて、IL−8:NaIO4:AoA は、約1:4:10である。
画分が所望する接合体を含んでいるかを決定するために、画分は種々の基準に
対してスクリーンされ得る。好ましいスクリーン法は、SDS−PAGE、等電点電気
泳動、生物活性及び薬物動力学を包含する。
画分が所望する接合体を含むことが知られた後、それらの画分はさらに精製さ
れ得る。
たとえば、ポリマー/タンパク質接合体混合物は、サイズ排除クロマトグラフ
ィーカラムにより分別され、画分が集められ、次に画分が所望するポリマー/タ
ンパク質接合体を含むことを決定するために SDS−PAGEゲル上で分析される。次
に、興味ある画分がイオン交換クロマトグラフィーとの接触によりさらに精製さ
れ、画分が集められ、そして画分が所望するポリマー/タンパク質接合体を有す
ることを決定するために等電点電気泳動により分析される。ポリマー接合体混合
物がクロマトグラフィー処理にゆだねられる前、それは不純物を除去され得る。
たとえば、塩及びケオトロピック剤は予備カラムにより除去され得、又は適切な
緩衝液に対して透析され得る。
ポリマー接合体が精製された後、それは当業界において知られている方法を用
いて生物活性について試験され得る。
本発明の好ましい態様によれば、タンパク質及び他の有機標的高分子は、水溶
性有機ポリマー、たとえばポリエチレングリコール(PEG)への接合により化学的
に改変され得る。そのようなタンパク質接合体の生成は、水溶性ポリマーの結合
により付与される所望する性質のために、興味あるものである。それらの所望す
る性質は、水溶液における高められた溶解性、貯蔵の間の高められた安定性、減
じられた免疫原性、酵素分解に対する高められた耐性、広範囲の種
類の薬物投与システムとの適合性、及び高められたインビボ半減期を包含する。
PEG 又は他の水溶性ポリマーによるポリペプチドの誘導体化によりもたらされる
それらの性質は、そのポリペプチドが身体中に注入される治療剤として使用され
る予定である場合、又はそのポリペプチドが、アッセイ、通常イムノアッセイに
、興味ある化合物の検出及び/又は定量化のために使用される予定である場合、
特に興味あるものである。
もちろん、本発明の官能化されたポリマーの利用は、低分子量のペプチド、及
びポリマー上の官能基に対して相補的な官能基を含み、又は含むように改変され
る他の材料のポリマー接合体の調製に及ぶ。
官能化されたポリマー、特にPEG 化されたタンパク質の非医学的使用は、アッ
セイ、たとえばイムノアッセイのためへのポリペプチドの調製を包含する。
官能化されたポリマーは、固相、たとえば珪素チップの表面、組織培養プレー
ト、細胞又は膜、又は合成又は天然樹脂に結合され得る。固相に導入される相補
的官能基の使用により固相に官能化されたポリマーを化学選択的に連結すること
ができる。
本明細書で示されるように、官能化されたポリマーは、標的高分子又は固相上
の官能基の出現(又は消出)をモニターするために有用である。
ポリマー接合体が生成され、そして精製された後、それは、ヒト及び家畜使用
、たとえば癌治療及び感染性疾病の処理のために治療的に効果的であると思われ
る標的高分子が使用される場合、医薬組成物中に導入され得る。
治療剤は、動物に投与される場合、疾病を予防し、又は緩和し、又は動物にお
ける疾病状態を阻止し、又は緩和するいづれかの分子
である。治療剤は、抗腫瘍性抗生物質、抗ウィルス性タンパク質、放射性同位体
、医薬又は毒素を包含するが、但しこれらだけには限定されない。
ポリマー接合体は、非毒性で不活性の医薬的に許容できる水性キャリヤー媒体
に配合され得る。“医薬的に許容できるキャリヤー”とは、標準の医薬キャリヤ
ーのいづれか、たとえばリン酸緩衝溶液;水又はエマルジョン、たとえば油/水
エマルジョン;種々のタイプの湿潤剤を実質的に含むものを意味する。ポリマー
接合体は、非毒性で不活性な医薬的に許容できるキャリヤー媒体において、好ま
しくは3〜8のpH、より好ましくは6〜8のpHで配合され得る。インビボ治療の
ために使用される場合、滅菌されたポリマー接合体組成物は、再構成に基づいて
許容できるpHを有する水性緩衝液に溶解されたタンパク質を含んで成る。ポリマ
ー接合体は、多くの賦形剤、たとえばアミノ酸、ポリオール、糖、緩衝液、保存
剤、他のタンパク質、等と共に配合され得る。特定の例は次のものを包含する:
オクチルフェノキシポリエトキシエタノール化合物;ポリエチレングリコール−
ステアレート化合物;ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;スクロー
ス;フルクトース;デキストロース;マルトース;グルコール;デキストラン;
マンニトール;ソルビトール;イノシトール;ガラクチトール;キシリトール;
ラクトース;トレハロース;ウシ又はヒト血清アルブミン;シトレート;アセテ
ート;リンガー及びハンクス溶液;塩溶液;リン酸塩;システイン;アルギニン
;カルニチン;アラニン;グリシン;リシン;バリン;ロイシン;ポリビニルピ
ロリドン;ポリエチレングリコール;等。好ましくは、この配合物は、4℃で少
なくとも6ヵ月間、安定している。
組成物として、それは当業界において知られている方法により対
象に対して非経口投与される。有効量の化合物又は医薬組成物を対象に供給する
投与手段は知られている。動物への投与方法は、当業者に良く知られており、そ
して経口、皮下及び非経口投与を包含するが、但しこれらだけには限定されない
。投与は他の処理の間じゅう、連続して又は断続的にもたらされ得る。投与の最
とも効果的な手段及び投与量を決定するための方法は、当業界者に良く知られて
おり、そして処理のための化合物又は組成物、治療の目的及び処理される動物又
は患者により変化するであろう。この組成物は、特定の標的高分子タンパク質の
有効性を高め、又はその所望する性質を促進する他の化合物を含むことができる
。その組成物は、選択される投与路のために安全であり、無菌性であり、且つ効
果的であるべきである。ポリマー接合体の無菌性を維持するために及びその安定
性を高めるために、組成物は凍結乾燥され、使用の前、再構成され得る。
好ましくは、その配合物は、治療的有効量でのヒト又は動物への非経口投与の
ために適切である。それらの量は、興味ある疾病状態の動物モデルについての予
備臨床学的試験の後に得られるインビボ効能データにより又はインビボ効能と相
互関係するような一般的に許容できるインビトロアッセイにより決定され得る。
興味ある標的高分子の便利且つ再生できる誘導体を供給するために、本発明の
水溶性の官能化されたポリマー試薬をキットの形で供給することもまた興味ある
ことである。興味あるキットは、本発明の水溶性の官能化されたポリマー試薬を
含んで成る溶液、緩衝液、反応インジケーター化合物、説明書、たとえばBradfo
rdアッセイのためのタンパク質濃度測定試薬、及び同様のものを含むことができ
る。試薬溶液は好ましくは、予備測定された量で供給されるであろう。
キットは、好ましくは緩和条件下で、興味ある標的高分子上に相補的官能基を
部位特異的に導入するための試薬を含むことができる。そのような試薬は、官能
化反応のモニターを可能にする(ポリマー接合体の形成によるように)本発明の
官能化されたポリマー、N−末端切断のためのペプチダーゼ、C−末端部位特異
的接合のためのプロテアーゼ、保護されたアミノ−オキシ基を含むリンカー基、
過ヨウ素酸、分子量マーカー(既知の分子量のポリマー接合体の形でのような)
、及び場合によっては、標的高分子の官能化を実施するためのいづれかの緩衝液
又は溶媒を含むことができる。
キットは、一連の個々の溶液(又は粉末形)、既知の分子量の標的高分子に結
合される、既知の組成、分子量及び形態のポリマー接合体含有ポリマー(一−ポ
リマー、二−ポリマー、又は多−ポリマーのいづれか)、及びたとえば接合反応
の完結及び/又は収率を評価し、又は分子量標準を供給するために対照として使
用され得る組成物を含むことができる。
本発明のポリマー−接合体の態様は、診断目的のための改良されたキットに使
用され、又はたとえば結合アッセイ、たとえばイムノアッセイにおけるアッセイ
のための改良された試薬として使用され得る。たとえば、抗原ペプチドを担持す
るポリマー接合体組成物は、固相イムノアッセイにおいて高められた検出感度を
提供する。大きな二価又は多価のポリマー接合体は、表面、たとえばイムノアッ
セイに使用される複数ウェルのプレートに容易に付着することができる。ポリマ
ー接合体、特に多−ポリマー含有ポリマー接合体は、たとえば枝分れ DNA(“bD
NA”)基礎のアッセイにおけるように、分析物の検出のためのシグナル改変段階
を用いるインビトロアッセイに使用される。増幅は、単一の分析物分子への複数
のポリマー(単一のポリマーよりもむしろ)の結合により達成され、ここで個々
のポリマーは続くアッセイ段階における検出可能なシグナルに寄与する。分析物
へのポリマー接合体の標的化は、たとえば分析物結合基を含んで成る連結L基の
使用により、又はその構造体上の少なくとも1つのポリマーが分析物結合を提供
する、本発明のヘテロ−ポリマー構造体の使用により、容易に付与される。本発
明の多−ポリマー含有ポリマー、特にラベルが当業界において知られているよう
な放射能、螢光、酵素結合され、又は同様のものであり得る、ラベルされた第2
オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションにより続いて検出される反復単
位として特定のヌクレオチド配列をその中のポリマーが含んで成るものが好まし
い。他方、官能化されたポリマーは、検出可能なマーカー酵素−結合体、又は他
のレポーター基を含むようにそれ自体、誘導化され得る。
高分子の精製、特にタンパク質の精製のための一般的な方法及び原理は、たと
えば“Protein Purification:Principles and Practice”(1987),Scopes,2nd
ed.,Springer-Verlag,New York,NY(引用により本明細書に組込まれる)に
見出され得る。
有機標的高分子のストークス半径を組織的に改変する方法がまた、本明細書に
提供されており、ここで前記方法は、(a)第1のオキシム−形成基を含んで成
る部位特異的に官能化された標的高分子を獲得し、(b)一連の官能化された有
機ポリマーにおけるトポロジーがお互い異なっているが、しかし標的高分子上の
前記第1のオキシム−形成基に対して相補的な第2のオキシム−形成基を包含す
る本発明の前記一連の官能化された有機ポリマーを獲得し、そして次に(c)一
連の接合されたポリマーを得るために、本明細書に教授されるような緩和な条件
下で、化学選択性部位特異的オキシム化を通して個々の官能化されたポリマーに
より、官能化された標的高分子を別々に接合せしめる段階を含んで成る。前記段
階(a)及び
(b)は、いづれの順序でも実施される。所望には、好ましくはサイズ分離方法
により前記一連の官能化された有機ポリマー中の個々の接合されたポリマーにつ
いてのストークス半径の変化を同定することができる。前記方法はさらに、スト
ークス半径と標的高分子の興味ある生物学的又は物理的性質の変化とを関連づけ
ることを包含することができる。他方、前記方法は、興味ある生物学的又は物理
的性質、たとえば興味ある標的高分子の薬物動力学的挙動性、治療効能、インビ
トロアッセイシステムへの使用、分子量標準としての挙動性の変化を同定するこ
とを包含する。好ましくは、第2のオキシム−形成基は、−O−NH2である。
高分子のインビボ血液クリアランス挙動性は、そのストークス半径に一部、依
存するにちがいない。ゲル濾過カラムからの高分子の溶出体積は、ストークス半
径に理論的には関連するが、しかしその分子量には関連しない。
移動する分子の濾過のための種々のサイズの孔を、三次元網状構造のフィラメ
ントが形成しているゲル電気泳動にゆだねられる場合、高分子の移動度は、高分
子のストークス半径の変化に影響を及ぼすことができる。典型的には、分子量で
異なるポリマーは、分子量の対数の線状関数として移動するであろう(そしてこ
こで、個々のポリマーについての質量比の変化はほぼ同じである)。
本発明の1つの態様においては、標的高分子のストークス半径の所望する変化
の付与を可能にする、より好ましくは、ストークス半径の一連の変化の組織的な
導入によりある種類の分子を創造する、類似する分子量を除く、種々のトポロジ
ーの官能化されたポリマーが供給される。
一−ポリマー、二−ポリマー又は多−ポリマー含有官能化ポリマー構造体がユ
ニーク部位で部位特異的、化学選択的に結合され、こ
こで個々の結合された官能化ポリマー構造体が標的高分子に、他のものと同じ分
子量及びポリマー組成を、但し異なったトポロジーで付与する、一連の接合され
た標的高分子が急速に調製され得る。しかしながら、本明細書において発見され
たように、それらの得られる種々のポリマー形態のために、個々のポリマー接合
体の移動度は驚くべき異なっている。本明細書に教授されるように、標的高分子
のストークス半径を組織的に改変することによって、高められた又は所望する挙
動性を有するそれらの接合された分子をより容易に創造し(そして“細かに調整
し”)、そして同定することができる。
タンパク質への水溶性ポリマー、特にポリエチレングリコールのカップリング
の利点は、十分に記録されており、そして次のものを包含する:活性タンパク質
が生理学的pHで不溶性であるか又は単に部分的に溶解性である場合、生理学的pH
でのその活性タンパク質に比較しての接合されたタンパク質の高められた溶解性
、活性タンパク質により生成される免疫応答の低下、高められた薬物動力学的プ
ロフィール、高められた保存寿命、及び高められた生物学的半減期。
標的高分子、特に本明細書で教授されるような医薬的に重要なタンパク質のス
トークス半径を組織的に改変することによって、高められた又は所望する挙動性
又は治療効能を有するそれらの接合された分子のより容易な創造及び同定を可能
にする、分子の薬物動力学的挙動性の組織学的に重要な変化をもたらすことがで
きる。従って、分子量(平均)を一定に保持しながら、異なったポリマートポロ
ジーを有する官能化されたポリマーが供給される。たとえば、異なったトポロジ
ーを有するが類似する分子量のPEG のある種の官能化されたPEG ポリマーが、そ
のストークス半径、及び従って、生物学的に重要な標的分子の薬物動力学的挙動
性が断定でき且つ再生でき
る手段で変更され得るように供給される。
類似する分子量を有するが、しかしポリマー構造体に存在するポリマーの数に
おいては異なるポリマー構造体を含んで成る、興味ある標的への結合のための一
連の官能化されたポリマーを含むキットが提供される。たとえば、一連の官能化
されたポリマーは、2つの20KDのMW(平均)のポリマー、4つの10KDのMW(平均
)のポリマー及び5つの8KDのMW(平均)のポリマーの多−ポリマー含有構造体
及び40KDのMW(平均)のポリマーの構造体を含んで成る。
本発明の方法は、標的へのポリマーの結合が断定でき、そして選択できるので
、好都合である。
本発明のさらなる利点は、試薬化合物により改変された高分子、たとえばポリ
ペプチドが、同じ標的が非−オキシム及び非−部位特異的化学を用いることによ
り水溶性ポリマーを連結することによって同じ程度に改変される場合よりも高い
程度のそれらの生物学的活性を保持することである。従って、本発明は、改変に
関連する生物学的活性の損失を最少にしながら、水溶性ポリマーの接合に関連す
る利点を有する改変された標的を提供する。結果的に、多−ポリマー官能化ポリ
マーの使用によりより高く誘導体化され、そして従って、高い程度の誘導体化に
関連する利点を有する標的が生成され、これはさらに、より低い程度に水溶性ポ
リマーにより誘導体化されたポリペプチドと同じレベルの生物学的活性を有する
。
第一アミン以外の求核試薬、たとえばタンパク質上のヒドロキシル基、フェノ
ール基、及びスルフヒドリル基と反応することができる活性カルバメート、たと
えば活性エステルの使用、及びリシン残基の第一アミンと選択するイミデートの
使用に関する、タンパク質に水溶性ポリマーを結合する他の方法よりも本発明の
さらなる利点は、本発明の特定化学の高い選択的性質により交差反応性が回避さ
れることである。
さらなる利点は、部位特異性が、本明細書に供給され、そして教授されるよう
な部位特異的官能化方法及びリンカーの使用により標的高分子上に正確に配置さ
れ得ることである。
本明細書に示されるように、ポリマーと標的との間にオキシム連鎖を形成する
ために相互作用する相補的反応性基は、ひじょうに特異的である。本明細書に教
授されるオキシム化反応は、反応生成物の完全な又は実質的に高い収率を提供し
た。そのような複雑な分子形成は、ひじょうに緩和な条件下で生じる。急速性は
、不活性−分子凝集又は反応を最少にするためにしばしば有用である希釈条件下
で特に驚くべきことである。オキシム化反応は、ポリマー接合体の自己アセンブ
リーが生じるように、単独で生じ得る。ポリマー接合体は実質的に量的な収量に
より容易に精製され、そして微量中間体及び最終生成物は典型的には実質的に異
なるので(すなわち、少なくとも1つのポリマー単位の存在又は不在により)、
それらの分離のためのそのような方法は容易に選択され、そして適用される。オ
キシム連鎖は、ヒドラゾン又は同様のものに比較して、広範囲の生理学的条件下
で卓越した加水分解安定性を有する。オキシム連鎖は、通常、酵素加水分解を受
けない。従って、ポリマー接合体は、複合体の統合性及び安定性が所望される場
合の用途に特に適切である利点を有する。例に示されるように、オキシム化反応
はひじょうに緩和であり、そして従って、生物学的活性又は機能を保持する生物
学的高分子を調製するために好都合である。オキシム化学は、サブユニットの可
逆的化学保護を有する必要性を不要にする。高い柔軟性が、オキシム連鎖を形成
することができる反応性基を創造するために、ポリマー及び標的の両者の部位特
異的改変のために提供される。この柔軟性及び可逆的保護の必要性の不在のため
に、ポリマー
及び標的の企画は、人工的な及び天然の分子及びそれらの誘導体まで及ぶ。ポリ
マー接合体は、ペプチドの溶解性を改良し、そして多価及び/又は強制された形
で動物中のレセプター又は抗体、又は免疫システムにペプチドを与えるよう企画
され得る。合成又は組換えポリマー及び標的高分子から形成されるポリマー接合
体は、ウィルスフリーのさらなる利点を有する。
従って、好ましくは、本発明の官能化されたポリマー及び本明細書に提供され
る方法は、アルデヒドとアミノ−オキシ化合物との間の縮合反応によりポリマー
のポリペプチド及びタンパク質誘導体への接合を可能にする。最とも好ましくは
、相補的反応は、アルデヒド又はケトンとアミノ−オキシ−アセチルとの間に存
在する。すべての場合、オキシム結合が形成される。
本発明はさらに、ポリマー、たとえばPEG のインビトロ使用を提供する。官能
化されたポリマーは、標的分子に“標識を付ける”ために使用され得、そして従
って、多くの手段での分子の続く検出及び/又は定量化を可能にする。最とも単
純には、結合されたポリマーは、混合物中の他の分子からポリマー標識された一
標的分子を分離するであろう単純なサイズ分離の実施を可能にする。たとえば、
ポリマー標識された標的の出現として検出される、官能化されたポリマー上の反
応性官能基と反応する能力により測定されるように、所望する官能部位の生成の
ために標的分子の改変を容易に従えることができる。有機ポリマーの異なった物
理化学性質がポリマーの単純な変更によりこの手段における利点を有することが
現在容易に明らかになる。たとえば、わずかに疎水性のポリマーは、疎水性に基
づいての分離を可能にし、又は次に、所望のポリマー接合体について又はそれに
対して選択するポリマー結合カラムを用いることができる。さらに、ポリマーは
、直接的に検出され得るように、選択す
ることができ、又は改変され得る。これは、ポリマーが複数の検出可能な部位(
又は反復単位)を含み、その結果、ポリマーに存在する個々の部位が結合し、又
は検出システムにより認識され、従って検出シグナルの増幅をもたらす利点を付
与する。枝分れ DNA(“bDNA”)含有試験は、個々のポリマー単位、この場合、
特定のヌクレオチド配列又は反復単位が第2の測定可能な試薬を特異的に結合す
ることによって検出される場合を例示する(Urdea(1994)Bio/Technology 12:
926-928)。たとえば、本明細書に提供される銅触媒されたアミノ基転移の割当に
おいては、標的タンパク質のN−末端での反応性ケト基の出現は容易には査定さ
れ得ない。N−末端アミノ基の消出は、銅アダクトのみが同定され得るので、質
量分析法、又は酢酸セルロース電気泳動のいづれかにより査定され得ない。しか
しながら、反応性ケト基の出現は、検出される本発明の官能化されたPEG 誘導体
と反応するその能力により、たとえば SDS−PAGEシステムにおける単純なサイズ
分離により容易に査定された。例 例1.メトキシポリエチレングリコールの官能化:MPEG−NH−CO−CH2−O−NH2 (”AoA−NH−PEG”)の合成
MPEG5KD(5g,1mモル;Mr(平均)5KD)を、トルエン(30ml)に溶解し
、そして共沸蒸留により乾燥せしめた。乾燥ピリジンを添加し、そして塩化チオ
ニル(4mモル)を、還流下で10分間にわたって滴下した。その混合物を4時間
加熱し、室温に冷却し、ピリジン塩酸塩から濾過し、そしてトルエンを真空下で
蒸発した。残留物をCH2Cl2に溶解し、K2CO3上で乾燥し、そして濾過した。濾液
を酸化アルミン(40g)により処理し、そして冷エーテルにより沈殿せしめ、ポ
リマーをトルエン/ヘキサンから再結晶化した;収量4.6g(92%)。
DMF(20ml)中、MPEG5KD−Cl(4g,0.8mモル)の溶液に、アジ化ナトリウム(
8mモル)を添加し、そしてその混合物を120℃で2時間撹拌した。その溶液を
冷却し、濾過し、そしてDMF を真空下で蒸発した。残留物をトルエンに取り、濾
過し、そしてヘキサンにより沈殿せしめた。生成物をトルエン/ヘキサンから2
度再結晶化した;収量 3.6g(90%)。
MPEG5kD−N3(3.5g)を無水エタノール(100ml)に溶解し、10% Pd/C(0.
3g)を添加し、そしてその混合物を低圧水素化装置において一晩、水素化した
。触媒を濾過し、そしてエタノールを真空下で蒸発した。ポリマーを、トルエン
/ヘキサンから再結晶化した;収量3g(86%)。
MPEG5KD−NH2(1g,0.2mモル)及びBoc-NH-O−CH2−COOSu(0.5mモル)
を、DMSO(4ml)に溶解し、見掛けのpHをN−メチルモルホリンにより8〜9に
調整し、そしてその混合物を一晩混合した。MPEG−NH2アシル化を、定量的なニ
ンヒドリン方法(Sarin など.1981,Anal.Biochem.117:147-157)により、
反応混合物の10μlアリコートに対して調節した。改変されたMPEGを、水5体積
による希釈により回収し、続いて、水に対して透析し、そして凍結乾燥せしめた
。Boc 基を、TFA 10mlに前記生成物を室温で1時間、溶解することによって除去
した。TFA を真空下で除去し、残留物を水に取り、水に対して広範に透析し、そ
して最終的に、凍結乾燥せしめた;収量0.93g(93%)。
同じ方法を、対応するPEG−NH2からのAoA−NH−PEG10KD及び AoA-NH−PEG20KD
の合成のために用いた。例2.メトキシポリエチレングリコールの官能化:NH2−O−CH2CONH −PEG −N HCO−CH2−O−NH2(“AoA NH−PEG −NH−AoA”)の合成
Boc−NH−O−CH2−COOSu(86mg,0.3mモル)を、無水DMSO1mlに溶解し、同
じ溶媒4ml中、1g(50μモル)のNH2−PEG20kD−NH2の溶液に添加し、そして
見掛のpHをN−メチルモルホリンにより8〜9に調整した。その混合物を室温で
一晩撹拌し、そしてアシル化を、標準のニンヒドリン分析により調節した。次に
、その溶液を5体積の希釈水により希釈し、水に対して広範な透析を行ない、そ
して最終的に凍結乾燥した。Boc 基を切断し、そしてその材料を例1に記載のよ
うにしてさらに処理した;収量0.9g(90%)。
このポリマーとの接合は、ダイマー、たとえば“ダンベル”形成を導びく。例3.メトキシポリエチレングリコールの官能化:多価リンカー(PEG)2Lys−NH −(CH2)2−NH−CO−CH2−O−NH2(“(PEG)2Lys−AoA”)の合成
Z−Lys(Z)−OSu 2.0g(3.9mモル)に、エチレンジアミン4ml(60mモ
ル)を添加し、そしてその混合物を室温で2時間撹拌した(ここで、Zはベンジ
ルオキシ−カルボニルである)。カップリング反応は、0〜100%のBの線状グ
ラジエントを用いるC8カラム上での分析HPLCにより50分間にわたって調整され
るように定量的であった(tR=Z−Lys(Z)−OSuのために48.5分の代わりに4
1.5分)。カップリング生成物を、CHCl3/MeOH(9/1,v:v)により平衡化
されたシリカカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、そして
回転蒸発により乾燥せしめ、1.4gの生成物を得た。生成物は、ESIMS により測
定される場合、予測される分子量を有した(計算されたM+H,m/z457.2;
実測されたm/z458.0)。
Z−Lys(Z)−NH-(CH2)2−NHCO-CH2−O−NH-Boc を、無水DMSO 3mlに溶
解された0.9g(1.9mモル)のZ−Lys(Z)
−NH−(CH2)2−NH2に1.1g(3.8mモル)のBoc−NH−O−CH2−COOSu を添加する
ことによって合成し、そして見掛のpHをN−メチルモルホリンにより8〜9に調
節した。その溶液を室温で5時間撹拌し、0.1% TFA 10体積により希釈し、そ
して生成物を、3ml/分の流速で30分間にわたって、40〜80%Bの線状グラジエ
ントを用いての分離用HPLCカラム 250×25nm i.d.(Nucleosil 300A,7μ
m C8,Macherey Nagel,Oensingen,Switzerland)上で精製した。凍結乾燥
の後、生成物(重量 1.1g;収率90%)をESIMSにより特徴づけた(計算された
M+H,m/z 630.2、実測されたm/z 630.9)。
z基を触媒水素化により切断した。このためには、材料を、無水エタノール(
50ml)に溶解し、100μlのCH3COOH により酸性化し、10% Pd/C(0.1g)を
添加し、そしてその混合物を水素化装置により一晩、水素化した。触媒を濾過し
、そして溶媒を回転蒸発により除去した。生成物を、0〜50%Bの線状グラジエ
ントにより25分間にわたって、前記で使用されたのと同じカラム上で精製した。
凍結乾燥の後、(重量、600mg;収率95%)生成物を、ESMSにより特徴づけた:
計算されたM+H,m/z 360.2;実測されたm/z 361.8)。
Lys−NH−(CH2)2−NHCO−CH2−O−NH−Bocを、PEG5KD−COOH,PEG10KD−COOH
及び PEG20KD−COOHによりアシル化した。
典型的な実験においては、14mgのLys−NH−(CH2)2−NHCO−CO2−O−NH-Boc・
2HCl(33μモル)を、無水DMSO 2mlに溶解し、PEG5KD−COOH(0.4g,80μモル
)、ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(80μモル)及びDCC(21mg,100μモル)
を添加し、見掛けのpHをN−メチルモルホリンにより8〜9に調節し、そしてそ
の混合物を一晩撹拌した。標準のニンヒドリン試験は、アシル化が定量的
であることを示した。次に、その溶液を5体積の水により希釈し、蒸留水に対し
て透析し、濾過し、そして水により平衡化されたDEAE Sephadex A25 カラム上に
適用した。アシル化されたリンカーを、蒸留水により最初の画分に溶離し、そし
て凍結乾燥せしめた。
次に、Boc 基を、TFA 10mlに前記生成物を室温で1時間、溶解することによっ
て切断した。TFA を真空下で除去し、残留物を水に取り、水に対して広範に透析
し、そして最終的に凍結乾燥せしめ(収量 300mg,90%)、次の誘導体を得た:
PEG5KD−Lys(PEG5KD)−NH−(CH2)2−NHCO−CH2−O−NH2。
比較できるリンカーを、PEG10KD−COOH及び PEG20KD−COOHによるリシン誘導
体のアシル化により得た。例4.メトキシポリエチレングリコールの官能化:多価リンカー AoA−(Lys(PEG 5KD))5−OHの合成
Z−(Lys(Boc))5−OHを出発材料として使用した。ペプチドを、Boc−基を除去
した後すぐに、10mMのHClに再溶解し、再凍結乾燥し、そして次に、HOBt及びDCC
の存在下でDMSO中、2倍過剰のPEG5KD−COOHにより完全にアシル化した。その
反応混合物を蒸留水により希釈し、透析し、そして可溶性画分をさらに、DEAE−
A25 及びCM−C25 Sephadexカラム上でのイオン交換クロマトグラフィーにより精
製し、そして凍結乾燥せしめた。Z基を2時間のHBr 処理により切断し、そして
次に生成物を Boc−AoA −OSu によりアシル化した。最後に、リンカーのAoA 官
能基をTFA 処理により保護解除した。官能化の程度は、495nmでTNBSによる反応
性アミノオキシ基の決定により評価され、そして80%であることが見出された。例5.デキストランの官能化。デキストラン−O−CH(CHOH−CH2OH)−(CHOH)2 −CH2−NH−(CH2)2−NH−CO−CH2−O−NH2の合成
ユニーク反応性基を、還元性アミノ化による還元糖の改変によりデキストラン
(Mr(平均)9.3KD 及び39KD)に導入した。
デキストラン39KD(1g,25μモル)を、軽く加熱しながら(45℃)、無水
DMSO(4.5ml)に溶解し、そして25℃に戻した。エチレンジアミン(500μl,7.5m
モル)及び粉砕された4−A分子篩(200mg)を添加した。フラスコをN2によりフ
ラッシュし、そして次に密封し、そして37℃で24時間インキュベートした。NaBH4
(80mg,2.1mモル)を添加し、フラスコをN2によりフラッシュし、そしてそ
の溶液を37℃で24時間さらにインキュベートした。その粘性溶液を5体積の水に
より希釈し、pHを氷酢酸の添加により5.0に調節し、蒸留水に対して広範に透析
し、そして最後に、凍結乾燥し、生成物 800mgを得た(出発デキストランに基づ
いて80%の回収率)。官能化の収率は、420nmでの2,4,6−トリニトロベン
ゼンスルホン酸誘導体の吸光度から評価された(Fields,R.,1972,Methods En
zymol.,25B,464-468)。比較できる程度の末端基改変を、デキストラン9KD及
びデキストラン39KDのために獲得し(1モルのポリマー当たり0.9〜1.0 モルのNH2
)、そして一官能化された市販のMPEG10KD−NH2及びMPEG20KD−NH2のために得ら
れた改変と一致した。
NH2−誘導体化されたデキストラン39KD(800mg,20μモル)DMSO(5ml)に溶
解し、同じ溶媒(1ml)に溶解されたBoc−NH−O−CH2−COOSu(19mg,60μモ
ル)を添加し、見掛のpHをN−メチルモルホリンにより8〜9に調節し、そして
その溶液を室温で一晩撹拌した。その溶液を5体積の水により希釈し、蒸留水に
対して広範に透析し、そして凍結乾燥せしめた。末端改変されたデキストランを
、TNBS試験により調整されるようにして定量的にアシル化した。前記物質を、保
護解除のために20mlのTFA に1時間、溶解し、TF
A を真空下で除去し、水により希釈し、広範に透析し、そして凍結乾燥した。
それらのすでに導入された末端アミノ基側の単一のアミノオキシ基により官能
化されたポリマーは、好ましくは酸性条件下で、最とも好ましくは pH3.0〜5.0
で、過ヨウ素酸酸化又はアミノ基転移により(タンパク質の特定のN−末端配列
により指図されるような)、タンパク質のN−末端で位置し又はそのN−末端で
部位特異的に導入されたカルボニル官能基と反応することができ、安定したオキ
シム結合を形成することができる。タンパク質のN−末端でのカルボニル基の部
位特異的配置は、下記例に示されている。IL−8,G−CSF 及びIL−1raが、ア
ミノオキシ官能化された合成ポリマーの部位特異的接合のためのこの新規アプロ
ーチを示すために使用された。例6.タンパク質のNH2−末端残基の部位特異的改変:IL−8の改変及び接合
IL−8の短い形のN−末端セリン残基(72個の残基;2〜5mg/ml)を、50モ
ル過剰のメチオニンの存在下で、pH8.3 での1% NH4HCO3緩衝液中、10倍過剰の
過ヨウ素酸ナトリウムにより、室温で10分間、酸化した。IL−8はいづれのメチ
オニンも含まないけれども、それらの標準の条件を開発し、過ヨウ素酸処理の間
、メチオニン酸化のすべての危険性を排除した(Gaertnerなど.1992,Peptides
1992,Schneider and Eberle,eds.,239-240 p,ESCOM,Leiden,The Netherl
ands)。その反応を、過ヨウ素酸に対して2000倍過剰のエチレングリコールの添
加、及び室温での15分間のさらなるインキュベーションにより停止し、そしてタ
ンパク質を最後に、pH4.6の 0.1MのAcONa 緩衝液に対して透析した。透析管は
、1%炭酸水素ナトリウム中で30分間、前もって煮沸された。酸化は、ESI−MS
により確認された(計算されたm/z 8351.3;実測されたm/z 8351.3±1.4
)。酸化されたタンパク質を、3〜4mg/mlまで濃縮し、そしてタンパク質主鎖
のN−末端への官能化されたポリマーの部位特異的結合のためにその形で使用し
た。
ポリマーとの接合。ポリマーの10mM水溶液10倍モル過剰を、酸化されたタンパ
ク質に添加し、そのpHを、氷酢酸により3.6に調節し、そして室温で20時間イン
キュベートした。図1に示されるように、SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動
は、単一ポリマー鎖の結合に対応する均質接合生成物が形成されたことを明確に
示す。その接合体の分子量は、カップリング反応に使用されるポリマーのサイズ
に直接的に関連している。
接合生成物を、0〜2MのNaClの線状グラジエントを用いて、pH4.7 の25mMの
AcONa 緩衝液により平衡化されたPharmacia MonoS カラム上での20分間にわたる
イオン交換クロマトグラフィーにより、続いて、30〜65%Bの線状グラジエント
を用いての分析用C8カラム上での逆相HPLCにより35分間にわたって精製した(
図2)。
接合体のインビトロ活性。IL−8接合体の生物学的活性を、すでに記載された
ように、Micro−Boydenチャンバーを用いてヒト好中球走化性アッセイにより決
定した(Ribaudo and Kreutzer(1985),Practical Methods and Clinical Immuno
logy(Yoshida T.ed.)p.116-125,Churchill Livingston,Edinburgh,U.K.)
。
IL−8は2nMのEC50(最大の化学誘引剤活性の50%に対応する濃度)を示す
が、すべての調査された PEG−誘導体(PEG5KD−,PEG10KD−,PEG20KD−、及び
(PEG20KD)2 Lys−IL−8及びIL−8−PEG20KD−IL−8)は、3〜10nMの範囲のE
C50と同じ程度の大きさの活性を有することが示された。
薬物動力学テータ。好中球走化性により決定されるように、十分
な生物学的活性を保持することがすでに示されている、IL−8及びその誘導体を
、ヨウ素化した(Grobなど.(1990)J.Biol.Chem.265:8311-8316)。
手短に言及すれば、約 0.5mCiのNa 125Iを、1mlのポリプロピレン管におい
て、50μgのIL−8を含むpH7.4 の 0.1Mリン酸ナトリウム溶液50μlと共に混
合した。ヨウ素化を、2mMのクロラミンT15μlの添加により開始せしめた。
20℃で90秒間のインキュベーションに続いて、ヨウ素化反応を、2mM亜硫酸水
素ナトリウム15μ1及び50(v/v)ヨウ化カリウム10μlの添加により停止し
た。放射性タンパク質を、PBSにより平衡化され、そして0.1%ウシ血清アルブミ
ンを含む同じ緩衝液により前もって洗浄されたGF5カラム(Pierce)上の遊離12 5
Iから分離した。得られる比放射能は、1mgタンパク質当たり5〜10mCiの範
囲で存在した。
125I−ラベルされたIL−8又はその誘導体を、雌のWistarラットの尾の静脈
に注射し(10μg/kg)、そして血液サンプルを例8に記載のようにして集めた
。
ラットに静脈内投与される、IL−8,PEG20KD−IL−8,IL−8−PEG20KD−IL
−8及び(PEG20KD)Lys−IL−8についての相対的血液レベルの曲線が図7に示
されている。単一の20KDのPEG鎖の接合は、薬物動力学曲線下での領域に対して
ほとんど影響を及ぼさなかった。最とも重要なことには、ダンベル及び(PEG20KD
)2Lys−誘導体は、相当にこの領域を高める。
それらの曲線は、IL−8について約10分、PEG20KD−IL−8について17分、IL
8−PEG20KD−IL8について30分及び(PEG20KD)2 Lys−IL8について60分の見掛
けの第1のT1/2値を付与する。
検出可能な差異は、すべてのタンパク質誘導体間で見掛けの第2
のT1/2値に観察されなかったが、しかし1%以下の初期に観察される放射能は2
4時間後、IL−8についての循環に残存すると共に、初期量の6%が(PEG20KD)2L
ys−IL−8の場合、まだ存在した。例7.タンパク質のNH2−末端残基の部位特異的改変及び接合:rh−G−CSFの改 変及び接合
G−CSF の改変への同じ方法論の適用は、過ヨウ素酸酸化の標的であるトレオ
ニン(IL−8の場合、セリン)を示すために、N−末端メチオニンの除去を包含
する。
N−末端メチオニンの酵素分解。メチオニン残基を、腎臓ミクロソームアミノ
ペプチダーゼによる酵素消化により特異的に除去した(EC3.4.11.2)。G
−CSF を、50mMのトリス、0.3%ナトリウムラウリルサルコシネート、pH8の緩
衝液において5mg/Lに濃縮し、そして次に、アミノペプチダーゼ(酵素/基質
比、1/20)と共に37℃で20時間、10mMのMgCl2,2.5mMのPMSF及びベンズアミジ
ン並びに2mg/mlのアプロチニンの存在下でインキュベートした。すべてのそれ
らのインヒビターが添加され、市販のアミノペプチダーゼ調製物に存在するいづ
れかの汚染性タンパク質分解性酵素によるポリペプチド鎖のいづれかの分解が妨
げられた。次に、アミノペプチダーゼを、10mMの濃度でEDTAを添加することによ
って不活性化し、そしてその溶液を20mMのトリス(pH8.0)に対して及び水に対し
て4℃で透析し、そして生成物を、最終的に、3ml/分の流速及び50〜80%溶媒
Bの線状グラジエントを用いて、250×10nm i.d.Nucleosil C8カラム上で
の逆相HPLCにより15分間にわたって精製した。改変されたタンパク質を、ESI−M
Sにより特徴づけた。ESI質量スペクトルは、2つの一連の多−電荷イオンを示し
、その主な1つは des− Met1−rhG−CSFに対応し(計算された.,m/z 18820.8
;実測された、m/z 18821.7±2.2)、そしてマイナーな1
つはMetI−rh−G−CSF に対応する(計算された、m/z 18951.9;実測された
、m/z 18956.1±5.5)。
des − MetI−G−CSF の酸化。凍結乾燥された材料を、6Mの塩化グアニジ
ンの存在下で、5mg/mlで、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)に溶解し、そ
して酸化を、ペプチドに対して5倍過剰の過ヨウ素酸により行なった。暗室にお
いて室温で10分間のインキュベーションの後、反応されなかった過ヨウ素酸を、
1000倍過剰のエチレングリコールにより破壊した。酸化を ESI−MSにより確認し
た(計算された、m/z 18775.3;実測された、m/z 18777±2.7)。
ポリマーの接合。5倍過剰の AoA−NH−PEG を反応混合物に添加し、6Mの塩
化グアニジンを含む 0.1MのAcONa 緩衝液(pH4.6)5体積により希釈し、そしてC
entricon マイクロ濃縮機上で1体積に濃縮した。希釈及び濃縮を2回くり返し
た。次に、そのpHを3.6 に調節し、そして第2の5倍過剰の AoA−NH−PEG を添
加し、そしてその溶液を室温で24時間インキュベートした。その溶液を、20mMの
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に対して透析し、塩化グアニジンを除去し、そ
して接合生成物をC8カラム上でのHPLCにより単離した。図3に示されるように
、PEG5KD及び PEG20KD−G−CSF の両者を逆相HPLCにより単離したが、しかしPE
G5KD−G−CSF の場合、この段階の前、20mMのリン酸ナトリウム、1.2MのNa2SO4
,pH6.3,50mM のリン酸ナトリウム、5%(v/v)のイソプロパノール、pH7
.4 の線状グラジエントを15分間にわたって用い、続いて、25mMのリン酸ナトリ
ウムを含む25%の第3緩衝液〜50% MeOH,pH7.1の線状グラジエントを25分間に
わたって用いて、0.6ml/分の流速で、ポリプロピルアスパルタミドカラム上で
の疎水性相互作用クロマトグラフィーにより処理した。例8.タンパク質のNH2−末端残基の部位特異的改変及び接合:IL−1−raのア ミノ基転換及び接合による改変
アミノ基転移。IL−1raのN末端配列は Met-Arg-Pro-Ser-Gly-であるので、
銅触媒されたアミノ基転移を、タンパク質のN−末端の活性化のために用い、続
いて、異なった分子量の官能化されたPEG の接合を行なった。濃縮されたタンパ
ク質溶液(40mg/ml)を、2.5Mの酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)により10倍に希
釈し;CuSO4及びグリオキシル酸を添加し、それぞれ、2mM及び 0.1Mの最終濃
度にした。室温での1時間のインキュベーションの後、反応を、固体EDTAの添加
により停止した。次に、その混合物を 0.1MのNaOAc 緩衝液(pH4.6)に対して広
範に透析し、そして可溶性画分を接合反応のために使用した。
ポリマーの接合。反応性ケト基の出現を、AoA−NH−PEGと反応するその能力に
より特徴づけた。10倍過剰のポリマーをアミノ基転移されたタンパク質に添加し
、そのpHを酢酸により3.6 に調節し、そしてその反応混合物を室温で48時間イン
キュベートした。このようにして構成されたPEG5KD−IL−1ra,PEG10KD−IL−
1ra及び PEG10KD−IL−1raを、図4におけるようにして確認した。
タンパク質接合体を、ポリ−プロピルアスパルタミドカラム(200×4mm,5μ
m,1000A,PolyLC Inc.,Columbia,MA)を用いての疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、続いて、BioSep−SecS−2000 Phenomenex カラム(600×7.8mm)上での
ゲル濾過、及び Mono Qカラム上でのイオン交換クロマトグラフィーにより精製
した。
接合体のインビトロ活性。IL−1raは、用量−応答の態様において、皮膚又は
滑液線維芽細胞によるプロスタグラジン2(PG2)生成の誘発に対するIL−1βの効
果を阻害する(Arend など.(1990)J.Clin.Invest.85:1694-1699)。このバ
イオアッセイは、IL−
1β誘発された生物学的応答の阻害を研究するために、IL−1βに対して1000倍
過剰の濃度のIL−1raを用いることによって、改変されたIL−1raの生物学的活
性の評価を可能にした。表1は、1つのそのような初期アッセイの結果を示す。
表1に列挙されるPEG20KD−des(MRP)IL−1ra形は、下記例9において論ぜら
れるように酵素分解及び過ヨウ素酸酸化により誘導されるものである。
図5A,5B及び5C(用量−応答曲線)に示されるように、IL−1β効果は
、すべての接合体により用量−応答態様で阻害され、そしてIC50値(IL−1β応
答の50%を阻止するのに必要な濃度)を決定し:その値は、それぞれPEG5KD−IL
−1ra(図5A),PEG10KD
−IL−1ra(図5B)及びPEG20KD−IL−1ra(図5C)のために約13,10及び
9であった。接合体は、アミノ基転移方法により調製された。純粋なIL−1raの
ためのIC50値は、約6ng/mlであることが見出された。それらの結果から推定さ
れ得るIL−1ra:IL−1βの必要な比は、天然のタンパク質に関するよりもPEG
誘導体に関して高いけれども、多くの場合、10:50の範囲で存続し、その範囲は
、異なった細胞系(Arend など.,1990,J.Clin.Invest.85:1694-1697)に
関してのIL−1ra(また、Synergen,Inc.により医薬Antrilとも称する)につい
ての文献に記載されている。
薬物動力学データ。Antril及びその誘導体を、良く知られているクロラミン−
T法(Hunter,W.M.and Greenwood,F.C.(1962)Nature,194:495-496)によ
り標識した。タンパク質(約 0.5mg)を、0.1Mのトリス・HCl ,0.15MのNaCl
,pH7.0 の緩衝液に対して透析し、そして約300μlに濃縮した。次に、この溶
液に、500μCiのNaI 及び前記タンパク質のための緩衝液と同じ緩衝液において
調製された1%(w/v)クロラミンT溶液30μlを添加した。インキュベーシ
ョンを、5%(w/v)メタ亜硫酸ナトリウム溶液30μl及び50%(w/v)KI
溶液25μlの添加により90秒後に停止した。放射性ヨウ素化されたタンパク質を
、PBS により平衡化され、そして 0.1%ウシ血清アルブミンを含む同じ緩衝液に
より前もって洗浄されたGF5カラム(Pierce)上で遊離125Iから分離した。こ
のようにして得られた比放射能は、mgタンパク質当たり100〜300 μCiの範囲で
あった。
150 g〜200 gの体重を有する、Iffa-Credo(L'Arbresle,France)から得られ
た雌のWistarラットを用いた。約50μgの125I−ラベルされたタンパク質を尾
の静脈にボーラスとして注射し、そして血液サンプルを選択された時間(できる
だけ、3,10分、30分、
1,3,7及び24時間)で尾から集めた。サンプルの重量を計り、それらの余分
な体積を測定し、そしてそれらの放射能を測定した。ラットに静脈内注入された
、IL−1ra,PEG10KD−IL−1ra及び PEG20KD−IL−1raについての相対的血液
レベルの曲線を、図6A及び6Bにおいて比較した。図から明らかなように、An
trilの見掛けの第1のT1/2(実線を参照のこと)はひじょうに短かく、そして
見掛けの第2のT1/2はより一層長く、従って、薬物動力学曲線下での領域に対
しての強い影響は有さなかった。最とも重要なことには、それらの予備実験にお
いてさえ、2種の誘導体の見掛けの第1のT1/2値とAntrilのT1/2との間にはっ
きりした差異が存在する。両誘導体についての見掛けの第1のT1/2値は、改変
されていないタンパク質についてのT1/2値よりも有意に長かった。それらの曲
線から、純粋なIL−1raについての見掛けの第1のT1/2値は約3分であり、PEG10KD
−IL−1raについてのその値は14分であり、そして PEG20KD−IL−1raにつ
いてのその同じ値は20分であった。
すべての3種のタンパク質間の見掛けの第2のT1/2には、検出できる差異は
観察されず、そしてすべての動物において、初期に観察された放射能の2%以下
の放射能が24時間後、循環中に残存した。
ポリマーの質量を高めることによって、すなわちその長さを増すことにより、
又は上記で論ぜられたように、1つの部位でポリマーの複数のコピーを付加する
ことにより(多−リンカー型を通して)、その活性に有害な効果を引き起こさな
いで、接合体の循環半減期を高めることができることは、本明細書に示される結
果から明確である。本発明の部位特異的改変法及び試薬のこの結果は、標的分子
がポリマーにより、たとえばリシン残基でランダムにラベルされる方法を用いて
しばしば見られる結果と鋭く対照をなしている。これ
までの技法と異なって、本発明の試薬及び方法を用いれば、生物学的比活性の過
度にきびしいさらなる低下を伴なわないで、T1/2のさらなる上昇を予測するこ
とができる。たとえば、Antrilへの40KDのポリマーの付加(直接的に又は小さい
が、しかし連結されているポリマーを用いて得られるようにして)は、生物学的
比活性の突然の不良な損失を伴なわないで見掛けの第1のT1/2のさらなる上昇
をもたらすであろう。実際、本発明の方法を用いれば、付加されたPEG のMrの機
能としての生物学的比活性の傾向が、他の方向に存在することが観察された(図
5A,5B及び5Cを比較すること)。さらに、本明細書に示されるように、多
−リンカーの使用は、多−リンカーの分子量よりも思いがけなく高い分子量の単
一の線状ポリマーについて観察される効果と類似する効果を達成することができ
る。たとえば、2種のPEG 鎖が多−リンカ−上に置かれ、そしてIL−8のN−末
端で部位特異的に配置される場合、その得られる誘導体PEG2x5KD−IL−8は、20
KDのPEG 鎖の付加に対応する見掛けの分子半径を有する誘導体についてのゲル電
気泳動挙動性とほとんど同等のその挙動性を有した(図1を参照のこと)。例9.タンパク質のNH2−末端残基の部位特異的改変及び接合:IL−1raの酵素 切断/過ヨウ素酸酸化及び接合による改変
Met-Arg-Pro の酵素切断及び過ヨウ素酸酸化。セリンを現わすために3個のN
−末端残基の除去はまた、例6及び7にすでに記載される方法に従っての官能化
されたポリマーの接合のためにも考慮され得る。プロリン特異的エンドペプチダ
ーゼ(Seikagaku Corp.,Toko)を、N−末端トリペプチドの切断のために使用し
た。消化はPro2残基のカルボキシル側で効果的に生じることが示されたが、しか
しひじょうに遅かった。従って、タンパク質を1/10の比での酵素/基質と共に
50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)において30
mg/mlの濃度で、37℃で20時間インキュベートした。次に、タンパク質をBioSep
−SecS−2000 Phenomenex カラム上でのゲル濾過により単離し、そしてアリコー
トを ESI−MSによる特徴づけのためにHPLCにより精製した。異なった類似体に対
応する3種の一連の連続したピークが同定され:1つの主要ピーク(16874.5±5.
4D)は予測される生成物 des(Met-Arg-Pro)IL−1ra(計算された値、16872.1D)
に対応し;そして他の2種のマイナーなピークの1つのピーク(16785.1±1.5D
)は des(Met-Arg-Pro-Ser)IL−1ra類似体(計算された値、16785.0D)に対応
し、そして他の1つのピーク(17125.9±2.ID)はdes-Met IL−1ra(計算され
た値、17126.4D)に対応する。活性タンパク質(17257.6D)の形跡は検出されな
かった。それらの結果は、市販の酵素における汚染性のアミノペプチドの存在と
一致する。それにもかかわらず、この方法は、過ヨウ素酸酸化及びポリマー接合
を実施するために位置3に十分な量のセリンを現わす良好な手段として思える。
タンパク質を、例6に記載される条件と同じ条件下で、1% NH4HCO3緩衝液に溶
解された切断されたIL−1raタンパク質に対して5倍過剰のNaIO2を用いて酸化
し、これにより、タンパク質材料の50%がN−末端セリンを有することを想定で
きる。
ポリマーへの接合。0.1MのNaOAc 緩衝液(pH4.6)に対する広範な透析の後、改
変されたタンパク質を、10倍過剰のPEG20KD−NH−CO−CH2−O−NH2と共に混合
し、そしてそのpHを酢酸により3.6にした。室温での40時間のインキュベーショ
ンの後、接合生成物を疎水性相互作用クロマトグラフィーにより単離した。その
カップリング反応は、アミノ基転移されたタンパク質との反応よりも明確である
ことが示された。
接合体のインビトロ活性。代表的な接合体PEG20KD−des(MRP)
IL−1raのインビトロ活性は、上記表1に示されている。例10.メトキシポリエチレングリコールの官能化:多価リンカー(PEG−アミノ エチル)2−NH−CO−CH2−O−NH2の合成
この多価リンカーは、例3に記載されるリンカーに比較でき、そしてDMSO中、
1当量の Boc−NH−O−CH2−CONSu によるトリス−(2−アミノエチル)アミ
ンのアシル化により得られた。−置換された誘導体をHPLCにより単離し、ESIMS
により特徴づけた(計算されたM+H,m/z 319.4、実測されたm/z 320.6
)。この材料を10mMのHCl に溶解し、そして凍結乾燥せしめ、そしてさらに、等
モル量のヒドロキシベンゾトリアゾール及びDCC の存在下で、DMF中、PEG5KD−C
OOH(残るアミノ基に対して1.2モル過剰)によりアシル化した。その溶液を室
温で一晩撹拌し、そして十分にアシル化された誘導体を、蒸留水に対する広範な
透析の後、DEAA−A25 及び CMC−25上でのイオン交換クロマトグラフィーにより
精製し、そして最後に、保護解除し、次の誘導体を得た:
酸化されたIL−8への接合を、線状PEG ポリマーについて使用される条件と同じ
条件下で実施し、そしてその得られる誘導体を、図1に示されるのと同じ方法に
従って単離した。例11.“ワン−ポット”改変及び接合反応
上記反応において示されるように、オキシム形成の間の副反応は問題ではなか
った。たとえば、図3のレーン1及び2を比較すること。しかしながら、“ワン
−ポット”反応が、取り扱い、汚染、装置、時間、等を最少にし、反応間での再
生能力及び均一性を提供し
、労力時間及び費用を低め、大規模及び商業的製造の開発を促進し、そして診断
方法又はキットの場合、使用を単純にするために、所望される。IL−8を、過ヨ
ウ素酸及びアミノオキシ化合物(Nα−アミノオキシアセチル、NεLC−ビオチ
ニルリシン)の両者と共に同時に混合し、そして適切な反応時間の後、所望する
生成物(そのN−末端でIL−8により特異的にビオチニル化された)を同定した
。驚くべきことには、その反応は、pH8,6.5 及び4.6 で進行した。pH6.5 で、
所望する分子のおおよその定量的生成(質量分析法により同定される場合)を伴
って、生成物の製造が約3時間で達成された。その反応は他の2つのpHでは、幾
分遅く、そしてほとんど定量的ではなかった。その結果は驚くべきことであった
。なぜならば、たとえば過ヨウ素酸酸化が保護解除されたアミノ基を必要とし、
そして従って、アルカリ性pHを好むが、ところが、オキシム形成は酸性pHでより
早いからである。さらに、相当の過剰量で必ず存在するアミノオキシ化合物が、
過ヨウ素酸を破壊することが予測された。
室温(約20℃)で行なわれる典型的な実験においては、IL−8の溶液(40mMの
リン酸(Na)(pH6.5)250μl中、2.5mg)20μlを用いた。この溶液に、最初
に、41.5mMのNaIO4 2μlを添加し、続いてすぐに、混合しながら、NαAoA,
Nε−LCビオチニルリシン(下記で調製された)の10mM水溶液17μlを添加した
。3時間後、その反応混合物2μlを、10Mの水性エチレングリコール4μlと
共に急冷せしめた。さらに10分後、その急冷された溶液を、0.1%水性トリフル
オロ酢酸500μlに急速に希釈した。(これは、いづれかのさらなるオキシム化
反応を最少にするために希釈により行なわれた。)完全なサンプルを逆相HPLCに
より分析した。実質的なピークのみが、所望するビオチニル−IL−8誘導体の既
知位置で溶離
した。大規反応の生成物は、単離される場合、予想される質量又はエレクトロス
プレー質量分光測定を付与した(計算されたm/z8891.8;実測されたm/z 8
892.8±1.2)。
AoA−LCビオチニルリシンを、Nα(BOC−AoA)リシン、及びLC(長鎖)ビオチ
ン(Pierce Chemical Corp.から得られた)のN−ヒドロキシスクシンイミドエ
ステルから製造した。Nα(BOC−AoA)リシンを、次の通りに2段階工程により製
造した。最初に、N−d−tert−ブチルオキシカルボニルアミノオキシアセチル
、N−ε−トリフルオロアセチル−リシンを、DMSO 3mlに懸濁されたN−ε−
トリフルオロアセチルリシン(NovaBiochem,4448 Laefelfingeu,Switzerland)
371mgに、前に記載されたようにして調製され(Pochon、など.(1989)Int.J
.Cancer 43:1188-1194)、そして記載されるようにして改変された(Vilaseca
など.(1993)Bioconjugate Chem.4:515-520)、アミノオキシ酢酸のN−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステル 576mgのDMSO 1mlにおける懸濁液を添加する
ことによって得た。次に、N−エチルモルホリンを、前記懸濁液に撹拌しながら
、湿った狭い範囲のpH紙に基づいて外部から示されるような見掛けのpHが約8に
なるまで、添加した。その懸濁液は、pH8への調整に基づいてほとんどすぐに透
明になり、そしてその得られる溶液を室温で一晩放置した。小サンプルの続く薄
層クロマトグラフィー(Vilasecaなど.(1993)Bioconjugate Chem.4:515-520
)処理は、ほとんど又はまったく、ニンヒドリン−陽性材料が残存しないことを
示した。反応混合物における残留ヒドロキシスクシンイミドエステルを、同体積
の水による希釈及び37℃での1時間のインキュベーションにより破壊した。次に
、その混合物を、水32mlにより希釈し、0℃に冷却し、そして酢酸により3.0 の
見掛けpH(ガラス電極)にした。次に、その溶液を2つに分け、そして個々の半
分
を、0.1%水性TFA により平衡化されたChromabond 1000mg(Machery−Nagel,Du
ren,52348,Germany)上に配置した。次に、個々のChromabondを前記同じ溶液2
0mlにより洗浄し、そして 0.1% TFA:アセトニトリル(4:6,v/v)の混
合物4mlにより溶離した。アセトニトリルを、濾過された空気の流れ下で溶離物
から除去し、そして残る液体を、真空遠心分離により除去した。第2に、トリフ
ルオロアセチル基を、個々の乾燥された溶離物に水3mlを添加し、次にピペリジ
ン330μlを添加することによりリシンのε−アミンから除去した。その混合物
を、時おり撹拌しながら、氷浴に3時間維持した。反応を、氷酢酸500μlを注
意して添加することにより停止し、そして溶液をこの点で凍結保存した。前記方
法を続けるために、個々の混合物を水により希釈し、10mlにし、そしてpHを、必
要なら、酢酸により3.0 に調節した(ガラス電極)。混合物を、前のようにして
2つのChromabonds に適用した。但し、(a)所望する画分の溶離を、0.1% TF
A:アセトニトリル(7:3,v/v)の混合物4mlにより行ない、そして(b
)個々のChromabondのために、調べられていない材料を続く20mlの洗浄画分と共
にプールし、そして再平衡化の後、同じChromabond上に2度通した。個々のChro
mabondのために、2つの溶離物をプールし、そして乾燥せしめ、それぞれ約40mg
の所望する生成物N−α−tert−ブチルオキシカルボニルアミノオキシアセチル
−リシンを得た。
AoA−LCビオチニルリシンを、まず、DMSO 478μlにNα(BOC−AoA)リシン15.
3mgを溶解し、そしてN−エチルモルホリン5μlを添加することにより製造し
た。これに、DMSO 478μlに溶解された、LC(長鎖)ビオチンのN−ヒドロキシ
スクシンイミドエステルのビオチン化合物53.2mgを添加した。いづれかの成分が
、混合の前、溶解しにくい場合、その後、すべてを溶液にする。室温での18時間
後、いづれかの過剰活性のエステルを、956μlのNaHCO3(水において1%)を
添加し、そして2.5時間、待つことにより破壊した。反応混合物を水10μlによ
り希釈し、そして60μlの酢酸の0℃での注意した添加により酸性にした(pH3
)。その混合物を、0.1% TFAにより平衡化されたChromabond分離用カートリッ
ジ、0.1% TFA 20ml により洗浄されたカートリッジ次に、CH3CN/0.1% TFA(1
:4,v/v)4mlにより洗浄されたカートリッジ上に負荷した。所望する生成
物を、CH3CN/0.1% TFA(2:3,v/v)4mlにより希釈し、そして乾燥せし
めた。収量は23.8mgであった。
乾燥された画分を、CH3CN 200μl及び0.1%TFA 1800μlに溶解した。その
溶液を、必要なら、遠心分離により透明にし、そしてその1mlを、上記C8分析
カラム上に一度に注入した。カラムを、上記20%の第2溶媒により平衡化し、そ
してこれを、注入の後、最初の5分で40%にした。次に、その値を、次の100分
間にわたって80%にした。所望する生成物は、グラジエントの2つの後者の部分
上の主要ピークであった。そのピークを乾燥せしめた。質量分析法は、予想され
る質量を示した。BOC 基を、TFA 200μlに前記生成物1mgを溶解することによ
って除去した。20℃での45分後、その溶液を乾燥せしめ、そしてさらなる精製を
伴わないで使用した。例12.メトキシポリエチレングリコールの官能化:PEG−CHOの合成
末端ヒドロキシル基を酸化するためには、いくつかの方法がすでに記載されて
来たけれども(Wirthなど.,(1991)Bioorganic Chem.19,133-142;Harris M
.M.など.(1984)J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.222,341)、アルデヒド官
能基は、カルボキシ(ベンズアルデヒド)OSu によりPEG−NH2をアシル化するこ
とにより導入された。PEG−NH2(1g,50μモル)及びカルボキシ(ベンズ
アルデヒド)OSu(62mg,250μモル)をDMSO(4ml)に溶解し、その見掛けのpH
を、M−メチルモルホリンにより8〜9に調節し、そしてその混合物を一晩撹拌
した。アシル化を、標準のニンヒドリン分析により調節した。次に、その溶液を
5体積の蒸留水により希釈し、水に対して広範に透析し、そして最終的に凍結乾
燥せしめた。例13.タンパク質のシステイン残基の部位特異的改変及び接合:システイン17で のrh−G−CSFの改変及び接合
G−CSF を部位特異的に改変するためのもう1つのアプローチは、Cys17位置
で反応性AoA を配置するために、AoA 官能基を担持するリンカーによるCys17の
アルキル化であった。G−CSF の場合、単一のCys 残基のみが存在した。このた
めには、次のリンカー化合物を用いた:
Boc−NH−O−CH2−COHN−(CH2)2−NH−CO−CH2−Bro
Boc 基を除去し、そしてリンカーを、20mMの濃度で、0.1Mのリン酸緩衝液(Na
)、pH7.0,5mNのEDTA及び6MのGuHCl に溶解されたrh−G−CSF に急速に添
加した。30分間のインキュベーションの後、その溶液を酸性にした。アルキル化
されたG−CSF を、逆相HPLCにより精製し、そして質量分析法により特徴づけた
(計算されたm/z 18971.8;実測されたm/z 18978.2±7.8)。次に、そのタ
ンパク質を、6MのGnHCl を含む酢酸緩衝液(0.1MのNa)(pH4.6)に再溶解し、
そして PEG−CHO(上記例12からの)と反応せしめた。ポリマー接合の程度は、
前の例に記載されるN−末端での二段階カップリングで得られたものと比較でき
た。前記リンカーによるアルキル化が高いpH値(たとえば、pH8.0,pH9.0)で行
なわれる場合、ヒスチジン及びメチオニン残基がまた改変されるであろう。例14.タンパク質の部位特異的改変及び接合:rh−G−CSFの改変及び接合
本発明の官能化されたポリマーと反応性の基を含む小さな二価タグを、タンパ
ク質を過剰に添加し、そして従って、タンパク質におけるその創造されたグリオ
キシリル官能基と急速に反応するであろう。第2段階においては、官能化された
ポリマーが、前記タグを通してタンパク質への接合を達成するために添加される
。この2段階アプローチは、たとえば立体的な問題及び副反応により引き起こさ
れる問題の両者を回避し、又は最少にすることが所望される場合、有用である。
例示される小さな二価のタグは、ビスアミノオキシタグである。H2N-O−CH2CO
−Lys(CO-CH2−O−NH2)を、Lys−OMe への Boc−AoA −ONSuの結合、続く、NaO
H処理及びTFA 保護解除により合成した(計算されたM+H,293:1;実測され
たM+H 293.9)。タンパク質上にAoA 基を補充するためには、反応性カルボニ
ル基を有する官能化されたポリマーを接合のために使用した。PEG−NH2をカルボ
キシ−(ベンズアルデヒド)−ONSuと反応せしめ、AoA−ダグされたG−CSF と
の反応のための必要なアルデヒド官能基を有するポリマー;すなわち次の最終生
成物を得た:
PEG−NH−CO−C6H4−CH=N−O−CH2−CO−Lys CO−CH2−O−N=CH−CO−d
es Met1mG−CSF 。例15.多−アミノオキシリンカーの合成及びタンパク質への接合
例10で使用されるトリス(2−アミノエチル)アミンを、DMSO中、Boc−NH−
O−CH2−COOSu 3当量によりアシル化した。十分に置換された誘導体をHPLCに
より単離し、ESIMS により特徴づけた(計算されたM&M,m/z 665.5、実測
されたm/z 665.3)。その材料を、1時間のTFA 処理により保護解除し、そし
てTFA を回転蒸発により除去した。その材料を水に再溶解し、そして次に、15モ
ル過剰(架橋を回避するために)で、0.1MのAcoNa(pH3.6)における酸化され
たIL−8と反応せしめた。その接合生成物(2つの遊
離AoA 基を担持する)を、HPLCにより単離し、そしてESIMS により特徴づけた(
計算されたM&M,m/z 8698.6、実測されたm/z 8696.0±0.5)。
この接合体を PEG−CHO と反応せしめ、2つのポリマーをアームに持つ誘導体
、すなわちビーポリマー含有官能化ポリマーが生成され得る。
他の多アーム構造体、すなわち多−ポリマー含有官能化ポリマー構造体は、特
に、ポリマー接合体のアームがタンパク質の免疫原性を低める場合に構成され得
る。実際、3〜10個のアーム、好ましくは4〜6のアームを担持するリンカーが
より適切であろう。そのような構成は、最初の反応において、タンパク質に、下
記構造:
H2N−O−CH2−CO−X−(Lys(Ser))n
〔ここで、Xは未反応タンパク質からの接合生成物の分離を促進するペプチト又
は非ペプチド構造体であり、そしてnは上記で定義されたような結合されるポリ
マーの数である〕で表わされるペプチドリンカー、又はN−末端セリン残基を有
するその対応する樹枝状形リンカーを結合することによって得られる。追加のス
ペーサー基は、リシン残基間に導入され得る。
第2の反応においては、導入されたリンカーのセリン残基が酸化され、そして
次に、前記例に記載されるように、タンパク質にn個の鎖を共有結合するために
、PEG−AoA 官能化ポリマーと反応せしめられる。
本明細書に記載されるすべての出版物及び特許出願は、引用により本明細書に
組込まれる。
本発明は十分に記載されて来たが、多くの変更及び修飾が、本発明の範囲内で
行なわれ得ることは、当業者に明らかであろう。