JPH10509491A - 電気的に制御されるマルチコイルハイドロリックバルブを備えたコンプレッションリリースエンジンブレーキ - Google Patents
電気的に制御されるマルチコイルハイドロリックバルブを備えたコンプレッションリリースエンジンブレーキInfo
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-
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Abstract
(57)【要約】
関連する内燃機関から入手可能なブレーキングを増加させるコンプレッションリリースエンジンブレーキにおいて、少なくとも2つのコイル(54a、54b)と少なくとも2つの位置とを有する電気的に制御されるハイドロリックバルブ(30)が、エンジン内でコンプレッションリリースイベントが望まれるときにエンジン内の排気バルブ(82)を開放するために、高圧ハイドロリック流体をハイドロリックアクチュエータ(70)に印加するために用いられる。コンプレッションリリースイベントが起こる毎にその後、バルブ(70)が、ハイドロリック流体がハイドロリックアクチュエータから排出されることを可能にする状態に切り換わり、それにより、関連するエンジン排気バルブ(82)が閉塞することが可能になる。
Description
【発明の詳細な説明】
電気的に制御されるマルチコイルハイドロリックバルブを備えた
コンプレッションリリースエンジンブレーキ 発明の背景
本発明は、コンプレッションリリースエンジンブレーキに関し、特に、Pitzi
の米国特許第5,012,778号に示される一般的なタイプのコンプレッションリリー
スエンジンブレーキに関する。
Cumminsの米国特許第3,220,392号などからよく知られているように、コンプレ
ッションリリースエンジンブレーキは、エンジンへの燃料供給がオフになりエン
ジンブレーキがオンになったときに、関連する内燃機関を動力源から動力低下エ
アーコンプレッサ(power sinking air compressor)に一時的に変えるように動作
する。この動作は、エンジンブレーキが、シリンダ内に圧縮空気があるときであ
って且つエンジンが上記空気を圧縮することによる作用を得ることができる前に
、エンジンの少なくとも1つのシリンダ内の排気バルブ(または他の特別なバル
ブ)を開放するようにして行われる。例えば、エンジンブレーキは、排気バルブ
が備えられたエンジンシリンダの各圧縮ストロークの終端近傍において、その排
気バルブを開放し得る。このことは、圧縮空気をシリンダからリリースして、エ
ンジンがシリンダの次の「パワー」ストローク中に上記空気を圧縮することによ
る作用を得ることを防止する。そのため、エンジンは、そうでない場合よりもは
るかに多くのエネルギを吸収し且つ放散し、エンジンが設置された車両を減速さ
せるためにより有効になる。
ほとんどの従来のコンプレッションリリースエンジンブレーキにおいて、エン
ジン排気バルブは機械的またはハイドロリックに(油圧を介して)開放される。
例えば、上記Cummins特許に示されたタイプのエンジンブレーキにおいては、ハ
イドロリックに動作するスレーブピストンが、各排気バルブを開放する。エンジ
ンの別の部分によって駆動されるハイドロリックマスタピストンは、各スレーブ
ピストンにハイドロリックに連結される。そのため、マスタピストンの各フォワ
ードストロークは、関連するスレーブピストンのフォワードストロークを引き起
こし、関連するエンジン排気バルブを開放する。マスタピストンを駆動するエン
ジン部分は、関連する排気バルブの開放が、良好なコンプレッションリリースエ
ンジンブレーキングを行うために必要なタイミングを有するように、選択される
。例えば、マスタピストンは、同一のまたは他のエンジンシリンダの燃料インジ
ェクタ機構、あるいは吸入バルブまたは排気バルブ開放機構により動作し得る。
上記のタイプのマスタースレーブハイドロリックシステムを用いて、最適なタ
イミングのコンプレッションリリースイベントを引き起こすことは、困難である
か又は不可能でさえもあるため、Pitziの米国特許第5,012,778号に示されるよう
な別の選択肢が工夫されている。(Pitzi特許を参考のためここに援用する。)P
itzi型システムにおいては、一定の比較的高い圧力のハイドロリック流体源が提
供される。高圧力源をハイドロリックアクチュエータシリンダに選択的に連結す
るために、ポペット型ハイドロリックバルブ(電気コイルにエネルギを付与する
ことにより「開放」され、コイルにもはやエネルギが付与されなくなったときに
リターンばねにより「閉塞」される)もまた提供される。アクチュエータシリン
ダに関連するエンジンシリンダに対してコンプレッションリリースイベントが望
まれる毎に、ハイドロリックバルブが、そのコイルにエネルギを付与することに
より開放される。その結果起こる、アクチュエータシリンダへの高圧ハイドロリ
ック流体の付与により、シリンダ内のアクチュエータピストンがフォワードスト
ロークを行う。このことにより、関連するエンジンシリンダ内の排気バルブが開
放される。コンプレッションリリースイベントが起こる毎にその後、ハイドロリ
ックバルブは、そのコイルにエネルギを付与しないようにすることにより「閉塞
」される。このことにより、アクチュエータシリンダは高圧力源から切り離され
、代わりにアクチュエータシリンダは比較的低圧のハイドロリック流体シンクに
連結される。これにより、ハイドロリックアクチュエータ内のピストンは、リタ
ーンストロークを行うことができるようになり、そのことにより、エンジン排気
バルブが閉塞することが可能になる。Pitzi特許のシステムは電気的に制御され
るため、システム設計者はコンプレッションリリースイベントのタイミングを選
択し且つ使用する際により大きな自由を有する。
いくつかの応用においては、Pitziのハイドロリックバルブにおいて用いられ
るリターンばねを排除することが好適であり得る。リターンばねの排除は、ハイ
ドロリックバルブを動作させるために必要な電流および/または電圧を減少させ
ることを補助し得る。なぜなら、リターンばねが排除されると、電気コイルはリ
ターンばねの力に打ち勝つ必要がないからである。リターンばねの排除はまた、
ハイドロリックバルブをより高速に且つ精密に動作させることを容易にする。こ
れもまた、リターンばねの力および慣性が電気コイルに打ち負かされる必要がな
いからである。
上記を鑑みて、本発明の目的は、上記のPitzi特許に示されるタイプのコンプ
レッションリリースエンジンブレーキを改善することである。
本発明の目的は特に、上記のPitzi特許に示されるタイプのコンプレッション
リリースエンジンブレーキにおいて用いられるタイプのバルブを改善することで
ある。発明の要旨
本発明のこれらおよび他の目的は、本発明の原理に従って、Pitzi特許に示さ
れる単一コイル型ハイドロリックバルブを、少なくとも2つの電気コイルを有す
るハイドロリックバルブと置換することにより達成される。上記コイルの各々は
、バルブ内の可動エレメントを、関連する位置まで移動させる。例えば、第1の
位置において、各可動バルブエレメントは、比較的高圧のハイドロリック流体源
とハイドロリックアクチュエータシリンダとの間に、ハイドロリックな連結を形
成する。第2の位置において、各可動バルブエレメントは、アクチュエータシリ
ンダと比較的低圧のハイドロリック流体シンクとの間に、ハイドロリックな連結
を形成する。好適には、ハイドロリックバルブは、可動バルブエレメントをシフ
トさせるために、その電磁コイルが如何なるばね力をも打ち負かすことを必要と
しない。このことは、比較的小さい電力を要するだけで、バルブを小さく且つ迅
速に作用するように維持することを可能にする。適切なコイルに比較的小さい保
持電流を印加することにより、可動バルブエレメントが2つの位置のうちのいず
れかに保持され得るか、あるいは、残留磁気が、保持電流を必要とすることな
く可動バルブエレメントを2つの位置のいずれかに保持するために十分であり得
る。
本発明の更なる特徴、性質、および様々な利点は、添付の図面および以下の好
適な実施形態の詳細な説明から明らかになる。図面の簡単な説明
図1は、本発明の原理によって構成された説明用のコンプレッションリリース
エンジンブレーキの代表的な部分の模式的ブロック図である。内燃機関における
、エンジンブレーキに関連する部分もまた図1に示される。
図2aおよび図2bは、図1に示す装置の一部において生成され得る説明用の
電気パルス列の簡素化された図である。図2aおよび図2bは、どのようにして
互いに同期し得るかを示すために、同一の時間軸に対してプロットされている。
図2cおよび図2dは、図1または他の同様の図面に示す装置またはシステム
の一部において生成され得る、他の説明用の電気パルストレインの簡素化された
図である。図2cおよび図2dもまた、どのようにして互いに同期し得るかを示
すために、図2aおよび図2bと同一の時間軸に対してプロットされている。
図2eは、図1または他の同様の図面に示すコンポーネントまたはシステムの
1つの動作の一部として、本発明により行われ得る説明用動作シーケンスステッ
プのフローチャートである。
図3は、本発明により用いられ得る別のタイプのハイドロリックバルブを示す
、図1と同様の図である。
図4は、本発明により用いられ得る更に別のタイプのハイドロリックバルブを
示す、図1または図3の一部分と同様の図である。
図5は、本発明により用いられる更に別のタイプのハイドロリックバルブの簡
素化された断面図である。
図6は、本発明により用いられる更に別のタイプのハイドロリックバルブの簡
素化された断面図である。
図7は、本発明の、より包括的な実施形態を示す、図1と同様の別の図である
。好適な実施形態の詳細な説
明
図1に示す説明用の実施形態において、高圧のハイドロリック流体源20は、
上記Pitzi特許における要素10、14、16および18と同様であり得る。そ
のため、ハイドロリック流体源20は、約3000psiの圧力でハイドロリッ
ク流体を供給し得る。この高圧ハイドロリック流体は、スプールバルブ30の吸
入ポート32に供給される。Pitzi特許におけるように、ハイドロリック流体は
エンジン潤滑油であり得る。
スプールバルブ30は、ハウジング50内の相補的(complementary)であり且
つ実質的に円筒状である孔内に設けられた実質的に円筒状の可動バルブエレメン
トまたはスプール40を有する。スプール40は、ハウジング50に対して、ス
プールと孔とに共通の長手方向中心軸42に平行に往復運動可能である。スプー
ル40の外側面は、通路44以外は、ハウジング50内の孔の、隣接する内側面
に対して相補状態にある。要素40と50との互いに隣接する側面間は、はめ合
い(lap fit)がなされており、スプール40がハウジング50に対して軸42に
平行に摺動可能ではあるが、要素40と50との間にはハイドロリック流体漏れ
がほとんど又は全くないようになっている。スプール40は、好適には強磁性体
材料から形成されるか、又は少なくとも強磁性軸方向端部を有する。
ハウジング50の各端部には、強磁性極片(pole piece)52aおよび52bが
ある。コイル状ワイヤ54aまたは54bは、各極片の一部分の周りに設けられ
る。エンジンブレーキコントロールモジュール60がコイル54aに電流を印加
すると、スプール40は図1に示すように、極片52aに電磁的に引き付けられ
る。この位置において、吸入ポート32は、スプール40内の通路44を介して
排出ポート34にハイドロリックに連通される。他方、エンジンブレーキコント
ロールモジュール60がコイル54bに電流を印加すると、スプール40は極片
52bに電磁的に引き付けられ、そのため図1に示す位置から下降する。この位
置において、バルブ30は、スプール40内の通路44を介して排出ポート34
をドレインポート36に連通させる。好適には、ポート32、34および36の
相互間の、ハウジング50の内側面上での距離、およびバルブ30の他の関連す
る寸法は、ポート34とポート36との間にハイドロリックな連通が形成される
前に、バルブ30がポート32とポート34との間のハイドロリックな連通を切
断するようなものである。スプール40が逆方向に移動する際も同様である(す
なわち、好適には、ポート32とポート34との間のハイドロリックな連通が形
成される前に、ポート34とポート36との間のハイドロリックな連通が切断さ
れる)。
スプールバルブ30の排出ポート34は、エンジンブレーキ内のハイドロリッ
クアクチュエータ70のシリンダ72に連通している。スプールバルブのドレイ
ンポート36は、比較的低い圧力を有するハイドロリック流体シンク22に連通
している。
ハイドロリックアクチュエータシリンダ72は、往復運動可能なアクチュエー
タピストン74を含む。ピストン74は、予め力を与えられた圧縮コイルばね7
8をリターンストップ76に向かって上方に弾性的に付勢する。しかし、スプー
ルバルブ30がシリンダ72に高圧ハイドロリック流体を供給すると、ピストン
74がエンジン排気バルブ開放機構80の一部分に接するまで上記流体がピスト
ン74を下方へ駆動し、それにより図1に示すように排気バルブ82が開放され
且つエンジンブレーキに関連する内燃機関内でコンプレッションリリースイベン
トが起こる。
コンプレッションリリースイベントが起こる毎にその後、エンジンブレーキコ
ントロールモジュール60がスプールバルブ30を、ポート34がポート36に
連通する状態に切り換える。このことにより、排気バルブリターンばね84が排
気バルブ82を閉塞すること、およびアクチュエータピストンリターンばね78
との組み合わせによりアクチュエータピストン74がリターンストロークを行う
ことが可能になる。このようなリターンストローク中に、ハイドロリック流体が
アクチュエータシリンダ72からバルブ30を介してシンク22に流出する。図
1には比較的簡素なアクチュエータ構造70を示すが、所望であれば、Pitzi特
許に示される、より複雑なアクチュエータ構造のいずれもが代わりに用いられ得
る。
エンジンブレーキコントロールモジュール60は、好適には、従来のマイクロ
プロセッサおよびメモリまたは同様のデバイスである。モジュール60は、典型
的には、バルブ30の各コイルにいつエネルギを付与すべきかをモジュール60
が決定することができるようにする、いくつかの信号を受信する。例えば、モジ
ュール60へのこれらの入力信号は、ドライバがエンジンブレーキングが望まれ
るか否かを示すためのドライバコントロール信号90(例えば、車両のダッシュ
ボード上のスイッチから入力される)を含み得る。従来のエンジンコントロール
モジュール92は、典型的には、エンジンがエンジンブレーキの動作に適した状
態にあることを示す別の単数または複数の信号を供給する。例えば、この信号は
、エンジンへの燃料供給が停止されたとき、トランスミッションが適切なギアで
あるとき、およびクラッチがかみ合っているときにのみ、生成され得る。エンジ
ンブレーキコントロールモジュール60が、エンジン速度、シリンダ圧力、ター
ボチャージャブースト圧力、周囲の空気の温度、および/または周囲の気圧など
のエンジン動作パラメータに基づいてコンプレッションリリースイベントのタイ
ミングを自動的に調整するようにプログラムされている場合、エンジンコントロ
ールモジュール92もまた、これらのエンジン動作パラメータを示す1以上の信
号を供給する。コントロールモジュール60への更に別の入力は、従来のエンジ
ンカムシャフト位置センサ94の出力である。この信号は、モジュール60がコ
ンプレッションリリースイベントのタイミングとエンジンシリンダ内のピストン
の位置とを同期させることができるようにするために必要とされる基本的情報を
供給する。モジュール60もまた典型的には、電源96から電力を受け取り、且
つ接地98を介して接地電位を受け取る。
上記より、本発明の装置は、いつでも所望のときにコンプレッションリリース
イベントを起こすために排気バルブ82を開放することができることが明らかに
なる。コントロールモジュール60は、所定のアルゴリズムに従って受け取る入
力パラメータ値を処理して、これらの入力パラメータ値に最も適した排気バルブ
開放タイミングを計算するようにプログラムされることができる。あるいは、コ
ントロールモジュール60は、モジュール60のメモリ内に格納されているルッ
クアップテーブル内で適切な対応排気バルブ開放タイミングを調べるために、入
力パラメータ値を用いることもできる。それにより、コントロールモジュール6
0は、様々なエンジン動作条件に適するように排気バルブ開放タイミングを自動
的に調整することができる。例えば、比較的遅いエンジン速度においては、排気
バルブ開放タイミングは、使用可能なエンジンブレーキング馬力を最大にするた
めに多少遅延され得る。他方、比較的速い速度においては、排気バルブ開放は、
エンジンブレーキまたはエンジンブレーキが作用するエンジンコンポーネントに
付与される過剰な力を防止するために多少早められ得る。高い周囲空気温度また
は低い周囲気圧においては、排気バルブ開放タイミングは多少遅延されて、この
ような条件下でエンジンが典型的に受け取る、減少した質量の空気を補償し得る
。エンジンのパワーモード動作中のいわゆる「クルーズコントロール」に類似の
別の例として、車両の運転手は、エンジンブレーキング中の所望のエンジンまた
は車両の速度を設定することができ、且つコントロールモジュール60は、その
エンジンまたは車両の速度を維持するために必要とされる方法で排気バルブ開放
を早めるか又は遅らせることができる。さらに別の例として、コントロールモジ
ュール60は、より低い量のエンジンブレーキングが望まれるとき、1以上のバ
ルブ30を動作させないことにより、行われるエンジンブレーキングの量を自動
的に調整することができる。
バルブ30の説明用の電気的制御に関する追加の情報は、本出願と同一の譲受
人に譲渡された同時係属中の出願シリアルナンバ第08/320,049号(ドケットナン
バDP-161)に見られる。上記出願を参考のためここに援用する。上記出願で述べ
られる、コントロールに関する特徴のいずれもが、本発明のシステムにおいて用
いられ得る。
スプールバルブ30は、切り換えのために、比較的小さい電力しか必要としな
い。理由のひとつは、打ち勝つべきリターンばねの力がないからである。この事
実はまた、スプール40を比較的低い保持電流で、2つの位置のいずれかに保持
することを可能にする。例えば、コイル54aおよび54bに与えられる信号は
、それぞれ図2aおよび図2bに示されるようなものであり得る。コイル54a
に与えられる各パルスは、スプール40を極片52a方向に移動させる、初期の
比較的高電圧の部分110を含む。その後、はるかに低い電圧パルス部分112
がコイル54aに与えられて、スプール40を極片52aに接した状態に保持す
る。同様に、コイル54bに与えられる各パルスは、スプール40を極片52b
方向
に移動させるための、初期の比較的高電圧の部分120を含み、その後、スプー
ル40を極片52bに接した状態に保持するための、より低い電圧保持パルス部
分122が与えられる。あるいは、コイル内の保持電流の補助なしに、スプール
40を2つの端位置のいずれかに保持するために、パルス部分110および12
0の後に十分な残留磁気があってもよい。このことは、パルス部分112および
122を省略することを可能にする。
バルブ30に関して可能な別の改善は、スプール40がいつコイルから離れる
方向にシフトしたかを検出するために各コイル54を用いることである。スプー
ル40のこのような動きは、隣接するコイル内に小さい電流を誘導する傾向があ
る。これは、それぞれコイル54aおよび54b内に誘導される電流を示す、図
2cおよび図2dに示される。例えば、図2aの各パルス部分110が与えられ
ている間に、スプール40はコイル54bから離れてコイル54aに向かってシ
フトする。スプール40のこの動きは、コイル54b内の小さい電流パルス12
5bを誘導する。コントロールモジュール60は、このような各パルス125b
を検出することができる。そして、その情報を、スプール40が意図した通りに
シフトしたことを確認する目的、および/またはスプールの動きを生成するパル
ス部分110をいつ終了させるべきかを決定する目的などに用いることができる
。同様に、図2bの各パルス部分120が与えられている間に、スプール40は
コイル54aから離れてコイル54bに向かってシフトする。コントロールモジ
ュール60は、その結果起こった電流パルス125aであって、スプール40の
意図した動きを確認するため、および/またはスプールの動きを引き起こすパル
ス部分120をいつ終了させるべきかを決定するなどのために、コイル54a内
に誘導された電流パルス125aを検出することができる。
図2eは、図2aおよび図2bに示す各パルス部分110または120を、コ
ントロールモジュール60がいつ終了させるべきかを決定するために、図2cお
よび図2dに示されるタイプの信号を利用する、コントロールモジュール60の
説明用動作シーケンスを示す。ステップ100において、プロセッサ60は、パ
ルス部分110または120をバルブ30内の関連するコイルに印加しはじめる
。ステップ102において、プロセッサ60は、バルブ30の他方のコイル内に
お
いて誘導電流パルス125が検出されるまで、上記他方のコイルをモニタし、そ
れによりスプール40がシフトしたことを示す。そしてコントロールがステップ
102からステップ104に進む。ステップ104において、プロセッサ60は
、ステップ100で印加開始されたパルス部分110または120を終了させる
。ステップ106において、プロセッサはステップ100および104で述べた
パルスの一部分である部分112または122を開始する。パルス部分112ま
たは122は、プロセッサ60が解読されて次のパルス(バルブ30の上記他方
のコイルに印加される)の一部分である部分110または120を開始する少し
前まで続く。別の選択肢として、残留磁気が、スプール40がパルス部分110
または120によりシフトした後スプール40を適所に保持するに十分であれば
、ステップ106は省略され得る。
図3は、2コイル型ポペットタイプバルブ130が、図1に示す実施形態にお
ける各スプール型バルブ30の代わりに用いられる、別の実施形態を示す。異な
るタイプのハイドロリックバルブを用いること以外は、図3の装置は図1の装置
と同様に構成され得、且つ動作し得る。図3のうち、図1の部分と実質的に同一
の部分には、両方の図面において同一の参照符号を付し、図3に関連して再び記
載することはない。図3のうち、図1の部分と概して類似の部分には、図1に1
00を加えた参照符号を付す。
図3をより特定して参照すると、ハウジング150内に可動バルブエレメント
またはプランジャ140が、ハウジングに対して左右に移動するように設けられ
る。エンジンブレーキコントロールモジュール60がコイル154aにエネルギ
を付与して極片152aを磁化すると、プランジャ140は電磁的に右方向に引
き付けられる。コントロールモジュール60がコイル154bにエネルギを付与
して極片152bを磁化すると、プランジャ140は左方向に引き付けられる。
プランジャ140が右方向に引き付けられると、プランジャの広がった部分上の
ショルダ146aは、ハウジング150の内側のショルダ148aに接する。こ
のことは、ハイドロリック流体が高圧ハイドロリック流体源20またはアクチュ
エータ70のいずれかから、低圧ハイドロリック流体貯蔵部22に流れることを
防止する。しかし、プランジャ140がこの位置にある場合、高圧ハイドロリッ
ク流体が源20からバルブ吸入ポート132およびバルブポート134を介して
アクチュエータ70まで流れることができて、アクチュエータ内のピストンを下
方に駆動し、それにより関連するエンジン内でコンプレッションリリースイベン
トを引き起こす。
コンプレッションリリースイベントが起こりアクチュエータ70がリターンス
トロークを行うことを可能にすることが望まれるとき、エンジンブレーキコント
ロールモジュール60は、コイル154aではなくコイル154bにエネルギを
付与する。これにより、プランジャ140が左方向にシフトし、それによりプラ
ンジャショルダ146bがハウジングシート148bに接触する。プランジャ1
40がこの位置にある場合、高圧ハイドロリック流体サプライ20は、アクチュ
エータ70から切り離される。代わりに、ハイドロリック流体はアクチュエータ
70からバルブポート134および136を介して貯蔵部22まで流れることが
でき、それによりアクチュエータ70がリターンストロークを行うことが可能に
なる。
バルブ130はバルブ30とは多少異なった構造を有するが、バルブ30に関
して上述した動作原理の多くは、バルブ130にも同等に適用可能である。例え
ば、図2aおよび図2bに示すタイプのコイルにエネルギを付与する信号は、バ
ルブ130を動作させるためにも用いられ得、図2cおよび図2dに示すバルブ
モニタ信号はバルブ130内でも検出され得る。
図4に別の実施形態を示す。この実施形態においては、ハイドロリックバルブ
230内の可動エレメントはボール240である。ボール240は、バルブ内の
コイル254aに電気的にエネルギを付与することによりハウジング250内で
右方向に押され得る。このことは、ピン256aの頭部を接極子に引き付ける極
片252aを磁化する。次いで、ピン256aの、極片252aから遠い端部が
、ハウジング250内のシート248bに対してボール240を押しつける。こ
のことは、ハイドロリック流体がバルブ230から貯蔵部22へ流れることを防
止するが、高圧ハイドロリック流体が源20からバルブ230を介してアクチュ
エータ70に流れることを可能にし、それによりアクチュエータのフォワードス
トロークを引き起こして関連するエンジン内においてコンプレッションリリース
イ
ベントを引き起こす。コンプレッションリリースイベントが起こった後、エンジ
ンブレーキコントロールモジュール60はコイル254aではなくコイル254
bにエネルギを付与する。これにより、ピン256bの頭部が極片252bに引
き付けられ、それによりボール240がハウジング250内のシート248aに
対して押しつけられる。ボール240がシート248aに対して押しつけられた
状態において、源20からの高圧ハイドロリック流体の供給が停止され、代わり
にアクチュエータ70がバルブ230を介して貯蔵部22へ排液を行うことがで
きる。
バルブ230はバルブ130とは多少異なった構造を有するが、バルブ130
に関して上述した動作原理のすべては、バルブ230のようなバルブを採用する
システムに同等に適用可能である。また、エレメント240は上記ではボールと
して述べたが、当業者であればエレメント240は他の形状を有し得ることを理
解する。例えば、要素240は、長手方向軸が図4の紙面に直交するシリンダで
あってもよい。
図5は、本発明のシステムにおいて用いることができる、別のタイプの複数コ
イル型ハイドロリックバルブ330を示す。バルブ330において、ボールまた
はシリンダ340はハウジング350に対して、図5の紙面に直交する中心軸の
回りに回転可能である。永久磁石341は、ボールまたはシリンダ340により
担持される。コイル354aにエネルギが付与されると、ボール340が図5に
示す位置まで反時計方向に回転し、それによりボールまたはシリンダ340を通
る通路344を介して高圧ハイドロリック流体吸入部332がハイドロリックア
クチュエータ連結部334に連通する。他方、コイル354aではなく354b
にエネルギが付与されると、ボールまたはシリンダ340が、図5に示す位置か
ら時計方向に約36度回転する。このことは、コンジット332をコンジット3
34から切り離し、代わりにコンジット334を低圧ハイドロリック流体貯蔵連
結部336に連結する。
この場合も、他のタイプのハイドロリックバルブに関して上述した動作原理が
、図5に示すタイプのバルブを採用するシステムに適用可能である。
図6は、本発明のシステムにおいて用いられ得る、さらに別のタイプの複数コ
イル型ハイドロリックバルブ430を示す。このバルブは、図1のバルブ30ま
たは図3のバルブ130などの上記バルブと同様であり得るが、バルブ430に
おいては、電磁コイル454aおよび454bの両方が可動バルブエレメント4
40の同一の側部または端部にある点が異なる。コイル454aにエネルギが付
与されると、可動接極子部材458が固定極片452aに電磁的に引き付けられ
て、その方向にシフトする。このことは、可動バルブエレメント440を、コン
ジット436を閉塞するがコンジット432と434との間のハイドロリック連
結を形成するように、シフトさせる。他方、コイル454bにエネルギが付与さ
れると、可動接極子458が固定極片452bに電磁的に引き付けられて、その
方向にシフトする。このことは、可動バルブエレメント440を、コンジット4
32を閉塞するがコンジット434と436との間のハイドロリック連結を形成
するように、シフトさせる。
いくつかの説明用のハイドロリックバルブを説明し且つ述べてきたが、当業者
であれば、他のタイプの複数コイル型ハイドロリックバルブも所望であれば用い
られ得ることを理解する。従って、図7は、本発明による包括的なタイプのバル
ブ530を示す。この場合も、図7に示す要素のうち上述した要素には、他の図
面で用いたものと同一の参照符号を付し、再び説明することはない。バルブ53
0は、「オン」コイル554aと「オフ」コイル554bとを有する。エンジン
ブレーキコントロールモジュール60により「オン」コイル554aにエネルギ
が付与されると、バルブ530が高圧ハイドロリック流体源20をアクチュエー
タ70に連結する。このことにより、アクチュエータ70がフォワードストロー
クを行い、それにより関連するエンジン内においてコンプレッションリリースイ
ベントが起こる。コンプレッションリリースイベントが起こった後、コントロー
ルモジュール60は、「オフ」コイル554bにエネルギを付与する。このこと
は、アクチュエータ70をハイドロリック流体源20から切り離し、代わりにア
クチュエータ70をハイドロリック流体貯蔵部22に連結させる。これにより、
アクチュエータ70はリターンストロークを行うことができる。
当業者であれば、上記は本発明の原理を説明するためだけのものであり、本発
明の範囲および思想から逸脱することなく様々な改変がなされ得ることを理解す
る。例えば、様々な図面は、ある程度、1つのエンジンシリンダ内においてコン
プレッションリリースイベントを起こすために必要な要素のみを示している。し
かし、これらの要素は、望まれる数のエンジンシリンダ内でコンプレッションリ
リースイベントを起こすために複製され得る。上記の説明においてはバルブ82
が従来の排気バルブであるとしたが、当業者であれば、バルブ82は、例えばGo
bertらの米国特許第5,146,890号に示されるようにエンジンブレーキング中に使
用するためだけに追加された特定の目的のバルブであってもよいことを理解する
。このような追加のバルブは、従来の排気バルブに酷似しており、従って、本明
細書および添付の請求の範囲における「排気バルブ」というような用語は、従来
の排気バルブと、コンプレッションリリースイベントを起こすために用いるため
に追加された特定の目的のバルブとの両方を含むことが理解される。所望であれ
ば、本発明の装置は、エンジンシリンダの圧縮ストロークの端部近傍においてコ
ンプレッションリリースイベントを起こすのみならず、別の目的として又は追加
の目的として、エンジンがエンジンブレーキ動作中に通常の排気ストロークにお
ける排気バルブ開放を抑制することができる場合には、エンジンシリンダの排気
ストロークの端部近傍においてコンプレッションリリースイベントを起こすため
にも用いることができる。例えば、エンジンブレーキング中には4サイクルエン
ジンを2サイクルエアーコンプレッサに変えることを示す、Sicklerの米国特許
第4,572,114号を参照されたい。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.エンジンブレーキに関連する内燃機関のシリンダ内の排気バルブを開放し て該シリンダ内で圧縮された空気をリリースする、コンプレッションリリースエ ンジンブレーキであって、 比較的高圧のハイドロリック流体源と、 比較的低圧のハイドロリック流体シンクと、 アクチュエータピストンシリンダ内で往復運動可能なアクチュエータピストン であって、該排気バルブは、該比較的高圧のハイドロリック流体が該アクチュエ ータピストンシリンダ中に導入されることに応答して該アクチュエータピストン が行うフォワードストロークにより開放され、該アクチュエータピストンは、該 アクチュエータピストンシリンダがハイドロリック流体の該シンクにハイドロリ ックに連結されたときに該排気バブルが閉塞することを可能にするリターンスト ロークを行う、アクチュエータピストンと、 ハウジングに対して第1の位置と第2の位置との間で移動可能な可動構造を有 するバルブであって、該可動構造は、該第1の位置にあるときに該ハイドロリッ ク流体の源と該アクチュエータピストンシリンダとの間のハイドロリック連結を 開通させ、該第2の位置にあるときに該アクチュエータピストンシリンダと該ハ イドロリック流体シンクとの間のハイドロリック連結を開通させ、該バルブは該 可動構造を該第1の位置と該第2の位置とに各々移動させる第1の電磁石と第2 の電磁石とを有する、バルブと、 該第1の電磁石および該第2の電磁石に選択的にエネルギを付与する電気的コ ントロールと、 を含むコンプレッションリリースエンジンブレーキ。 2.前記第1の電磁石および第2の電磁石の各々は、 第1の電気コイルおよび第2の電気コイルのうち対応する一方を含み、該第1 の電気コイルおよび該第2の電気コイルは、電流が該第1の電気コイルまたは該 第2の電気コイル内を通過するときに、それぞれ前記第1の位置または前記第2 の位置まで前記可動構造を移動させる、請求項1に記載の装置。 3.前記電気的コントロールは、 電気パルスを前記コイルのうち少なくとも1つに印加するコントローラであっ て、該パルスは前記可動構造を関連する位置まで移動させる第1の電気的に強い 部分と、該関連する位置に該可動構造を保持する第2の電気的に弱い部分とを含 む、請求項2に記載の装置。 4.前記第1の電磁石および前記第2の電磁石の各々は、 第1の極片と第2の極片とのうち対応する一方をさらに含む、請求項2に記載 の装置。 5.前記可動構造は、前記第1の電磁石と前記第2の電磁石のうち、前記第1 の位置と前記第2の位置との少なくとも一方において該可動構造に隣接する電磁 石の極片と、該可動構造との間の残留磁気による引き付けにより、該第1の位置 と該第2の位置とのうちの少なくとも一方に保持される、請求項4に記載の装置 。 6.前記電気的コントロールは、前記コイルの少なくとも一方に電気パルスを 印加しながら、該コイルに対する該可動構造の動きにより該コイルのうちの他方 に誘導された電気信号を検出するために該コイルのうちの該他方をモニタする、 請求項2に記載の装置。 7.前記電気的コントロールは、前記コイルの前記少なくとも一方に印加され た電気パルスの強さを少なくとも実質的に減少させることにより、前記誘導され た電気信号の検出に応答する、請求項6に記載の装置。 8.前記電気的コントロールは、前記コイルの前記少なくとも一方に印加され た電気パルスを終了させることにより、前記誘導された電気信号の検出に応答す る、請求項7に記載の装置。 9.前記可動構造は、長手方向軸を有するスプールを含み、前記スプールは、 前記第1の位置と前記第2の位置との間を前記軸に平行に往復運動する、請求項 1に記載の装置。 10.前記スプールは、前記軸に実質的に平行である外側面を有し、前記ハウ ジングは該軸に実質的に平行であり、該外側面と相補的であり、且つ該軸に実質 的に平行な該外側面に摺動的に接する内側面を有する、請求項9に記載の装置。 11.前記ハウジング部材は、前記内表面を通過する第1、第2および第3の ポートを有し、該第1のポートは前記ハイドロリック流体源にハイドロリックに 連結し、該第2のポートは前記ハイドロリック流体シンクにハイドロリックに連 結し、該第3のポートは前記アクチュエータシリンダにハイドロリックに連結し 、前記スプールは、前記第1の位置にあるときには該第1のポートと該第3のポ ートとをハイドロリックに連結し且つ第2の位置にあるときには該第2のポート と該第3のポートとをハイドロリックに連結する通路を有する、請求項10に記 載の装置。 12.前記可動構造は、第1のバルブシートと第2のバルブシートとの間を移 動可能なポペット部材を含み、該ポペット部材は、該可動構造が前記第1の位置 にあるときに該第1のバルブシートを通る通路を閉塞し、従って該ポペット部材 は該第1のバルブシートに接し、該ポペット部材は、該可動構造が前記第2の位 置にあるときに該第2のバルブシートを通る通路を閉塞し、従って該ポペット部 材は該第2のバルブシートに接する、請求項1に記載の装置。 13.前記ポペット構造はボールである、請求項12に記載の装置。 14.前記ポペット構造はシリンダである、請求項12に記載の装置。 15.前記可動構造は電磁気的に回転可能な部材を含む、請求項1に記載の装 置。
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