【発明の詳細な説明】
ハイブリトープマッピングを用いる不連続プローブの設計技術分野
本発明は、ヌクレオチドプローブおよびアンチセンスプローブ化学の分野に属
する。より具体的には、本発明は、診断用における使用のためにまたはアンチセ
ンス治療として、核酸標的にきつく結合する不連続プローブを決定する方法を提
供する。不連続プローブは、標的核酸の2つ以上の非隣接領域に結合する。不連
続プローブとして、アンチセンス分子、リボザイム、連結(tetherd)プローブお
よび分枝DNA分子が含まれる。発明の背景
DNAおよびRNAの配列特異的認識のための道具は、核酸プローブ技術、ならびに
アンチセンスおよびリボザイム治療学の成長分野において益々重要である。RNA
の配列特異的認識は、その複合な立体配座構造および分子内ハイブリダイゼーシ
ョンに起因して、とりわけ難しい。
CloadおよびSchepartz,J .Am.Chem.Soc.(1991)113:6324-6326は、連結オ
リゴヌクレオチドプローブ(TOP)と呼ばれる、RNAの配列特異的認識および構造
特異的認識のための合成分子のファミリーを開示している。TOPは、柔軟な合成
連結鎖(tether)により分離された2つのオリゴデオキシリボヌクレオチドから
なる。この2つのオリゴヌクレオチドは、RNA分子の非隣接一本鎖領域に結合し、
そして反復する非塩基性ホスホジエステル単位、または反復するポリエチレング
リコール単位によってつながれる。この論文において著者らは、つながれるべき
優れたオリゴヌクレオチドを選択する方法を示唆していない。CloadおよびSchep
artz,J .Am.Chem.Soc.(1994)116:437-442は、標的RNAの非隣接領域に結合
し、TOP中ともに連結される優れたオリゴヌクレオチドを選択するために、無作
為オリゴヌクレオチドライブラリーを使用することを教示している。著者らは、
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)Rev応答エレメント(RRE)中の公知のRev結合部位
を用い、Rev部位に結合するオクタヌクレオチドに無作為なヘプタヌクレオチド
を連結し、RNase Hを用いてスクリーングすることにより、二次結合について最
も強力な部位を決定して、第2のオリゴヌクレオチドを検索した。
欧州公開公報第0 138 855号は、公知のタンパク質内の抗原的に活性なアミノ
酸配列を決定する方法を記載しており、この方法では、そのタンパク質内の配列
に対応する一連の重複ペプチドを合成し、次いでそのタンパク質に対して惹起し
た抗体血清に対してペプチドをスクリーニングし、その血清抗体と反応するペプ
チドを決定する。
本発明者らは、本明細書中で、「ハイブリトープマッピング」と呼ばれる、標
的核酸にオリゴヌクレオチドを結合するための優れた部位を決定する方法を記載
する。ハイブリトープマッピングは、高い結合定数を有する改善された不連続プ
ローブを同定するために使用され得る。発明の開示
本発明の第1の局面において、標的核酸の公知のヌクレオチド配列内で結合す
るヌクレオチド配列を含む結合オリゴヌクレオチドを検出または決定する方法が
提供され、この方法は以下の工程を包含する:
(a)多数のオリゴヌクレオチドを得る工程であって、各オリゴヌクレオチドは
この公知のヌクレオチド配列内の配列に相補的である第1のヌクレオチド配列を
含み、そしてオリゴヌクレオチドは、重複する第1のヌクレオチド配列を有し、
多数のオリゴヌクレオチド中の各オリゴヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列
は、多数のオリゴヌクレオチド中の別のオリゴヌクレオチドの第1のヌクレオチ
ド配列と1〜4ヌクレオチドで重複する、工程;
(b)標的に対するオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能
にする条件下で、各オリゴヌクレオチドを標的核酸と接触させる工程;
(c)各オリゴヌクレオチドが公知のヌクレオチド配列内で結合するかどうかを
示すために、各オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の特異的なオリゴヌクレオ
チド−標的結合の存在の有無を検出または決定する工程であって、それによって
1以上の結合オリゴヌクレオチドを決定または検出する、工程。
本発明の別の局面において、標的核酸内の公知のヌクレオチド配列に結合する
不連続プローブを検出または決定する方法が提供され、不連続プローブは、(i
)標的核酸の異なる領域にそれぞれ相補的である少なくとも2つの結合オリゴヌ
クレオチドを含み、直接または(ii)有機リンカー分子によって共有結合され、
該方法は以下の工程:
(a)標的核酸の第1および第2の領域にそれぞれ相補的である、少なくとも第1お
よび第2の結合オリゴヌクレオチドを決定する工程であって、該第1および第2の
結合オリゴヌクレオチドは、該標的核酸の他の領域に相補的である他のオリゴヌ
クレオチドよりも該標的核酸に強く結合し、該第1および第2の領域は隣接してい
ない、工程;
(b)工程(a)で決定した2つ以上のオリゴヌクレオチドを、少なくとも2つの
組み合わせで、直接または有機リンカー分子を用いて、共有結合し、一組の候補
不連続プローブを得る工程;
(c)標的に対するオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能
にする条件下で、各候補不連続プローブを、該標的核酸と接触させる工程;およ
び
(d)各不連続プローブが標的核酸を結合するかどうかを示すために、各不連続
プローブと標的核酸との間の特異的な不連続プローブ−標的結合の存在の有無を
検出または決定し、それによって1以上の不連続プローブを決定または検出する
工程。
不連続プローブを検出する上記の方法の好ましい局面ににおいて、工程(a)
は以下の工程を包含する:多数のオリゴヌクレオチドを得る工程であって、各オ
リゴヌクレオチドは、公知のヌクレオチド配列内の配列に相補的である第1のヌ
クレオチド配列を含み、オリゴヌクレオチドは、重複する第1のヌクレオチド配
列を有し、多数のオリゴヌクレオチド中の各オリゴヌクレオチドの第1のヌクレ
オチド配列は、多数のオリゴヌクレオチド中の別のオリゴヌクレオチドの第1の
ヌクレオチド配列と、1〜4ヌクレオチドで重複する、工程;
標的に対するオリゴヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にす
る条件下で、各オリゴヌクレオチドを、標的核酸と接触させる工程;
各オリゴヌクレオチドが公知のヌクレオチド配列内で結合するかどうかを示す
ために、各オリゴヌクレオチドと標的核酸との間の特異的なオリゴヌクレオチド
−標的結合の存在の有無を検出または決定し、それにより1つ以上の結合オリゴ
ヌクレオチドを決定または検出する工程;
標的核酸に最も強く結合する少なくとも2つの結合オリゴヌクレオチドを選択
する工程。図面の簡単な説明
図1は、本発明のハイブリトープマッピングアッセイを示す。
図2は、本発明の不連続プローブを至適化する方法を示す。
図3は、本発明のハイブリトープマッピング法を用いてHIV RRE領域に結合する
至適なオリゴヌクレオチドを見出した結果を示す。
図4は、候補結合オリゴヌクレオチドが、HIV RRE領域へ結合する能力に対する
オリゴヌクレオチドの長さの効果を示す。
図5は、HIV RRE領域に対する候補結合オリゴヌクレオチドの結合をRNAse H切
断によって確認した実験の結果を示す。
図6は、標的結合を至適化するための不連続プローブ設計の効果を研究するた
めの実験の計画を示す。
図7および8は、図6に示す実験の結果を示す。発明の実施態様
本明細書中に記載の本発明は、以前刊行された研究および係属中の特許出願を
利用している。例えば、そのような研究は科学論文、特許または係属中の特許出
願からなる。上述および後述において引用するこれらの刊行物および出願はすべ
て、参考として本明細書中に援用する。ヌクレオチドおよびアミノ酸についての
標準的な略号を、本明細書で使用する。
本発明の実施には、特に意図しない限り、分子生物学、微生物学、組換えDNA
、および免疫学の従来技術を用い、これらは当業者の範囲内である。そのような
技術は、文献に十分に説明されている。例えばSambrookら,MOLECULAR CLONING;
A
LABORATORY MANUAL,第2版(1989);DNA CLONING,第1巻および第2巻(D.N.Glov
er編,1985);OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS(M.J.Gait編,1984);NUCLEIC ACID
HYBRIDIZATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編,1984);TRANSCRIPTION AND
TRANSLATION(B.D.HamesおよびS.J.Higgins編,1984);ANIMAL CELL CULTURE
(R.I.Freshney編,1986);IMMOBILIZED CELLS AND ENZYMES(IRL Press,1986
);B.Perbal,A PRACTICAL GUIDE TO MOLECULAR CLONING(1984);シリーズ
、METHODS IN ENZYMOLOGY(Academic Press,Inc.);GENE TRANSFER VECTORS F
OR MAMMALIAN CELLS(J.H.MillerおよびM.P.Calos編,1987,Cold Spring Harbo
r Laboratory),Methods in Enzymology、第154巻および第155巻(それぞれWu
およびGrossman,ならびにWu編),MayerおよびWalker編(1987),IMMUNOCHEMIC
AL METHODS IN CELL AND MOLECULAR BIOLOGY(Academic Press,London),Scop
es,(1987),PROTEIN PURIFICATION: PRINCIPLES AND PRACTICE,第2版(Spring
er-Verlag,N.Y.)およびHANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY,第I〜IV巻(D.
M.WeirおよびC.C.Blackwell編,1986)を参照のこと。定義
:
用語「アンチセンス」は、RNA分子またはDNA分子の「センス」鎖と相補的であ
り、それと2本鎖複合体を形成し得る核酸分子、好ましくはDNAをいう。mRNAと
アンチセンス核酸とのハイブリダイゼーションは、例えば、タンパク質へのその
翻訳を阻害する。アンチセンス核酸は、(例えば、ウイルスタンパク質mRNAまた
は活性オンコジーンから転写されたmRNAを相補する場合)保護的であり得、また
は(必須の宿主細胞酵素(例えば、効果的でない代替経路を有するハウスキーピ
ング酵素)を相補する場合)破壊的であり得る。G.Zonら、EP288,163(これはレ
トロウイルス複製およびオンコジーンを増殖する阻害のためのオリゴデオキシヌ
クレオチドの使用を開示する)もまた参照のこと。
本明細書で使用する用語「標識」は、検出(好ましくは、定量)シグナルを提
供するために使用され得、そして核酸分子またはタンパク質に接着され得る任意
の原子または分子をいう。標識は、蛍光、放射活性、比色分析、X線回析または
X線吸収、磁気、酵素活性などにより検出可能なシグナルを提供し得る。適切な
標識としては、蛍光体、発色団、放射活性原子(特に32Pおよび125I)、電子
密度試薬、酵素、および特異的結合対を有するリガンドが挙げられる。例えば、
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)は、通常、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジ
ン(TMB)を、分光光度計で定量し得る青色色素に変換する、その能力により検出
される。同じ標識がいくつかの異なる方法において作用し得るので、上記の記載
は、種々の標識を異なるクラスに分類することを意味しないことが理解されるべ
きである。例えば、125Iは放射活性標識として、または電子密度試薬として作
用し得る。HRPは、酵素として、またはモノクローナル抗体(MAb)に対する抗原と
して作用し得る。さらに、望ましい効果のために種々の標識を組合せ得る。例え
ば、MAbおよびアビジンはまた、本発明の実施において標識を必要とする:従っ
て、ビオチンを用いてプローブを標識し、そして125Iで標識したアビジンを用
いて、あるいはHRPで標識した抗ビオチンMAbを用いて、またはアビジンまたはス
トレプトアビジン結合HRP分子を用いて、その存在が検出され得る。他の変更お
よび可能性は、当業者には容易に明白であり、そして等価物として考慮される。
本明細書中で使用される用語「オリゴヌクレオチド」または「ポリヌクレオチ
ド」は、診断プローブ、アンチセンスプローブ、検出されるためのオリゴマーフ
ラグメント、オリゴマーコントロール、またはリボザイムをいい、そして2つ以
上(好ましくは、3つ以上)のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチ
ドからなる分子として定義される。その正確な大きさは、多くの因子に依存し、
順に最終的な機能またはオリゴヌクレオチドの使用に依存する。本明細書中に使
用する用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、および「核酸」は
、ポリマーが、DNAおよびRNAで見出されるような、塩基対および塩基の積み重ね
(base stacking)が可能な形態において、ヌクレオ塩基を含む場合、ポリデオキ
シヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(
D-リボースを含む)、プリン塩基またはピリミジン塩基のNグリコシドである
任意の他のタイプのポリヌクレオチド、および非ヌクレオチド骨格(例えば、Ne
ugeneTMポリマーとしてAnti-Gene Development Group,Corvallis,Oregonから市
販されているタンパク質核酸および合成配列特異的核酸ポリマー)、または標準
的でない結合を含む他のポリマーにあてはまるべきである。用語「ポリヌクレオ
チ
ド」と「オリゴヌクレオチド」とを長さで区別することは意図されず、そしてこ
れらの用語は互換的に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみをいう
。従って、これらの用語は、2本鎖および1本鎖DNA、ならびに2本鎖および1
本鎖RNAおよびDNA:RNAハイブリッドを含み、そして公知のタイプの修飾物(例え
ば、当業者には公知の標識、メチル化、「キャップ」、1以上の天然に存在する
ヌクレオチドのアナログでの置換)、ヌクレオチド間修飾物(例えば、非荷電結
合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、カ
ルバメートなど)を有するもの、および荷電結合(例えば、ホスホロチオエート
、ホスホロジオエートなど)を有するもの))、付属部分(例えば、タンパク質
(ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナル配列、ポリLリジンなど)を含むもの、
インターカラター(アクリジン、プソラレンなど)を有するもの、キレーター(
例えば、金属、放射活性金属、ホウ素、酸化金属など)を含むもの、アルキレー
ターを含むもの、修飾結合(アルファアノマー核酸など)を有するもの、ならび
にポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの非修飾形態を含む。
用語「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」は、公知のプリン塩
基およびピリミジン塩基だけでなく、改変された他のヘテロサイクリック塩基も
また含むそれらの部分を含有することが認識される。このような改変は、メチル
化プリンまたはピリミジン、アシル化プリンまたはピリミジン、あるいは他のヘ
テロサイクルを含む。改変ヌクレオシドまたはヌクレオチドはまた、糖部分の改
変を含み、例えば、ここで、1以上の水酸基はハロゲン、脂肪基で置き換えられ
るか、またはエーテル、アミンなどで官能化される。
本明細書中で使用する設計された配列に「由来する」ポリヌクレオチドは、設
計されたヌクレオチド配列の領域に対応する、およそ少なくとも約6ヌクレオチ
ドの配列、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチドの配列、さらに好ましくは少
なくとも約10〜12ヌクレオチドの配列、そしてなおより好ましくは少なくとも約
15〜20ヌクレオチドからなるポリヌクレオチド配列をいう。「対応する」は、相
同であり、相補的であり、または実質的に設計された配列に対して相補的である
ことを意味する。得られたポリヌクレオチドは、示されたヌクレオチド配列に必
ずしも物理的に由来するものではないが、任意の様式(例えば、化学合成または
DNA複製または逆転写あるいは転写を含む)で生成され得る。さらに、設計され
た配列の領域に対応する領域の組合せが、意図される方法と一致するように当業
者には公知の方法で改変され得る。
結合配列は、ホモ二本鎖を提供するために完全な相補性を有する必要はないこ
とが認識される。多くの状況において、二本鎖は、約10%より少ない塩基がミス
マッチである場合、十分であり、5以上のループは考慮しない。従って、本明細
書中で使用する用語「相補的な」は、正確な相補性を意図し、ここで、結合領域
中の各塩基は正確に対応し、そして「実質的に相補的な」は、90%以上のホモロ
ジーを意図する。
本明細書中で使用する用語「オリゴマー」は、プライマーおよびプローブの両
方をいい、本明細書中で用語「ポリヌクレオチド」と互換的に使用される。用語
オリゴマーは、分子の大きさを意味しない。しかし、典型的には、オリゴマーは
、長さにおいて1000ヌクレオチドよりも大きくはなく、より典型的には、500ヌ
クレオチドよりも大きくはなく、なおより典型的には、250ヌクレオチドよりも
大きくない;それらは、100ヌクレオチドよりも大きくなくてよく、75ヌクレオ
チドよりも大きくなくてよく、そしてまた50ヌクレオチドより大きくなくてもよ
い。
本明細書で使用する用語「プローブ」は、標的領域中の配列を有するプローブ
における少なくとも1つの配列の相補性により、標的配列とハイブリッド構造を
形成するポリヌクレオチドからなる構造をいう。プローブのポリヌクレオチド領
域は、DNA、および/またはRNA、および/または合成ヌクレオチドアナログからな
り得る。「補捉プローブ」は、以下に定義されるようにプローブ中に含まれる。
本明細書で使用する用語「補捉プローブ」は、結合対または固体支持体に結合
される1本鎖ポリヌクレオチドからなる分子をいう。1本鎖ポリヌクレオチド領
域は、第2のポリヌクレオチドの領域に対して相補的であり、そして直接、また
は固体支持体の表面に結合した第2の結合対に特異的な第1の結合対により、第
2のポリヌクレオチドを固体支持体に固定するに十分な親和性を与えるために十
分長くかつ適合している。
用語「支持体」は、特異的な結合対が固定され得る、任意の固体または半固体
表面をいう。適切な支持体としては、ガラス、プラスチック、金属、ポリマーゲ
ルなどが挙げられ、そしてビーズ、ウェル、計量棒、メンブレンなどの形態をと
り得る。現在、好ましい支持体は、ポリスチレンビーズまたはマイクロタイター
ディッシュウェルとして提供される。
本明細書中で使用する用語「標的領域」または「標的ヌクレオチド配列」は、
標的分子中に含まれる領域に結合するプローブをいう。用語「標的配列」は、所
望の条件下でプローブが適切なハイブリッドを形成する配列をいう。
本明細書中で使用する用語、オリゴヌクレオチドプローブまたは不連続的なプ
ローブの「検出または決定」は、選択の方法をいい、ここでプローブのプールは
、標的に対する結合のような特定の生物学的特性についてアッセイされる。決定
の目的は、プローブ(単数または複数)が所望の特性の最もよい例を示すことで
ある。アンチセンスプローブについて、所望の特性は、好ましくは強い結合であ
る。2段階治療(ここで、第1の薬剤が添加され、複合体され得、次いで、複合
体に標的化された第2のエフェクター分子が添加される)に有用なプローブは、
不変の結合を示すはずであり、不変の結合は、結合のために低いプローブ濃度を
使用し、そして漸増するストリンジェントな洗浄を適用して、さらに弱い結合オ
リゴヌクレオチドを溶出することによりアッセイされ得る。リボザイムプローブ
について、所望の特性は、好ましくは、急速な結合であり、低いプローブ濃度お
よび短いハイブリダイゼーション時間を用いることにより選択され得る。
本明細書中で使用する用語「リボザイム」は、標的核酸基質の切断を触媒する
能力を有するポリヌクレオチドをいう。一般に、本発明のリボザイムは、触媒領
域、および本明細書中に記載のマッピング技術により決定される少なくとも1つ
の基質結合領域を含む。リボザイムは、一般に、米国特許番号第5,144,019号、
同第5,168,053号、同第5,180,818号、同第5,225,337号および同第5,254,678号に
おいて記載される。リボザイムの触媒領域は、当該分野において公知であり、そ
してハンマーヘッド、ヘアピン、ヘパティティスデルタ、およびRNAseP型を含む
。
本明細書中で使用する用語「重複配列」は、部分的な共通配列を共有する2つ
のオリゴヌクレオチド配列をいう。例えば、オリゴヌクレオチドGAATTCおよびAA
TTCCは、それらの共通配列AATTCにおいて重複する。これらの2つのオリゴヌク
レオチドは両方とも、配列GAATTCCに由来するが、1ヌクレオチド離れて開始点
を有する。2つのヌクレオチドは、本明細書で1つのヌクレオチドにより重複す
ることが記載されている。
本明細書中で使用する用語「不連続プローブ」は、標的核酸の2つ以上の不連
続領域に対応する2つ以上の領域を有するオリゴヌクレオチドをいう。2つ以上
の領域は、直接的に、介在ヌクレオチド配列によるか、または有機リンカー分子
によるかのいずれかにより共有結合している。本明細書中で使用する用語「不連
続プローブ」は、有機リンカー分子により共有結合される2つ以上のオリゴヌク
レオチドをいう。「有機リンカー分子」により、2つの異なるオリゴヌクレオチ
ドのその2つの末端に接着され得る、本質的に線状のスペーサー有機分予が意味
される。ハイブリトープマッピング
本発明の1つの局面において、オリゴヌクレオチドプローブに対して最適の標
的領域を構成する標的核酸の配列(単数または複数)を検出または決定する方法
が与えられる。この情報に基づいて、標的の診断的検出用の理想的プローブ、あ
るいはアンチセンスプローブまたはリボザイムのような治療分子が設計され得る
。
本発明に従って、提供されるその方法は次の工程を包含する:(a)多数のオ
リゴヌクレオチドを合成または得る工程であり、ここで各オリゴヌクレオチドが
公知のヌクレオチド配列内の配列に相補的な第1のオリゴヌクレオチド配列を含
み、オリゴヌクレオチドは重複する第1のヌクレオチド配列を有しており、多数
のオリゴヌクレオチド中の各オリゴヌクレオチドの第1のヌクレオチド配列が、
多数のオリゴヌクレオチド中の別のオリゴヌクレオチドの第1のヌクレオチド配
列と1〜4ヌクレオチドで重複する;(b)標的に対するオリゴヌクレオチドの
特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、各オリゴヌクレオチドと
標的核酸とを接触させる工程;および(c)各オリゴヌクレオチドが公知のヌク
レオチド配列内で結合するかどうかを示すため、各オリゴヌクレオチドと標的核
酸との間の特異的オリゴヌクレオチド−標的結合の存在の有無を検出または決定
し、それによって1つ以上の結合するオリゴヌクレオチドを決定または検出する
工程。
A.試験プローブ合成
本発明の方法は、ある所与の標的核酸分子(とりわけRNA標的)がその標的上
の他の場所に位置する他の配列よりも、プローブ結合用で容易に利用しやすいヌ
クレオチド配列を含む特定の領域を有するという考えに基づいている。標的核酸
の重複するフラグメントに対応する多数または候補オリゴヌクレオチドプローブ
(「試験プローブ」)群を合成する工程;その群の各構成要素と標的とを共にイ
ンキュベートする工程;およびプローブ−標的結合の量を決定する工程により、
好ましいプローブが決定される。
試験プローブ群、またはハイブリトープ群は、各オリゴヌクレオチドプローブ
が公知の標的核酸配列内の核酸配列に相補的な第1の標的結合配列を含む、一組
のオリゴヌクレオチドプローブからなる。この一組のオリゴヌクレオチドプロー
ブは、重複するヌクレオチド配列を有しており、ここで群中の各オリゴヌクレオ
チドの第1の標的結合配列は、その群中の別のオリゴヌクレオチドの第1の標的
結合配列と1〜20ヌクレオチド、好ましくは1〜4ヌクレオチド、より好ましく
は1ヌクレオチドで重複している。公知の標的核酸配列に相補的な領域は一般に
6〜30ヌクレオチド、より好ましくは8〜24ヌクレオチド、さらにより好ましく
は8〜16ヌクレオチドである。試験プローブは一本鎖DNA分子であることが好ま
しく、必要に応じて1つ以上のホスホロチオエート結合または2'-O-メチル基を
含む。
さらに、この試験プローブは、標的結合を検出するためのアッセイに有用な他
の配列を含み得る。例えば、オリゴヌクレオチドプローブは必要に応じて、試験
プローブ認識配列に相補的な核酸配列を有するアダプタープローブ認識配列であ
る第2の配列を含み得、これは試験プローブを固体支持体に直接または間接的に
捕捉するために使用される。この領域は一般に6〜30ヌクレオチド、より好まし
くは8〜24ヌクレオチド、さらにより好ましくは8〜16ヌクレオチドである。ま
たこの試験プローブは、1〜50ヌクレオチドのスペーサー配列である第3の配列
を含み得、これは第1の標的結合配列を第2のアダプタープローブ認識配列から
間隔を置いて離されるのに有用である。
試験プローブは公知の方法による個々のオリゴヌクレオチドの合成によって作
成される。一般にオリゴヌクレオチドの合成法に関する背景文献は、β-シアノ
エチルリン酸保護基の使用に基づく5'→3'合成に関するものとして、例えばde N
apoliら、Gazz Chim Ital(1984)114:65、Rosenthalら、Tetrahedron Lett(19
83)24:1691、BelagajeおよびBrush、Nuc Acids Res(1977)10:6295などが含ま
れ、液相5'→3'合成を記述している文献としては、HayatsuおよびKhorana、J Am Chem Soc
(1957)89:3880、GaitおよびSheppard、Nuc Acids Res(1977)4:113
5、CramerおよびKoster、Angew Chem Int Ed Engl(1968)7:473、およびBlackb
urnら、J Chem Soc(1967)Part C 2438を含む。
さらに、MatteucciおよびCaruthers,J Am Chem Soc(1981)103:3185-91はオ
リゴヌクレオチドの製造におけるホスホクロリダイトの使用について記述してい
る。BeaucageおよびCaruthers、Tetrahedron Lett(1981)22:1859-62および米
国4,415,732号はオリゴヌクレオチドの製造に関するホスホルアミダイトの使用
について記述している。Smith,ABL 15-24(1983年12月)は、自動固相オリゴデ
オキシリボヌクレオチド合成を記述している。また、そこに引用されている文献
およびWarnerら、DNA(1984)3:401-11も参照のこと(これらの開示は参考とし
て本明細書の中に援用される)。T.HornおよびM.S.Urdea,DNA(1986)5:421-
25は、ビス(シアノエトキシ)-N,N-ジイソプロピルアミノホスフィンを用いる固
体支持DNAフラグメントのリン酸化について記述している。T.HornおよびM.S.U
rdea,Tetrahedron Lett(1986)27:4705-08もまた参照のこと。
B.試験プローブのハイブリダイゼーションおよび検出
一旦、試験プローブ群の組が合成されれば、標的に対する試験プローブオリゴ
ヌクレオチドの特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件下で、個々の試
験プローブが標的核酸との接触に供され、そして次いで各プローブ−標的対に関
する結合量が決定される。ハイブリダイゼーション技術に関する文献としては一
般に以下ものが挙げられる:MeinkothおよびWahl、Anal Biochem(1984)138:26
7-84(ハイブリダイゼーション技術の総説);Learyら、Proc Natl Acad Sci US A
(1983)80:4045-49(特異的オリゴヌクレオチド配列検出用のアビジン−酵素
結合と組み合わせるビオチニル化DNA);Rankiら、Gene 21:77-85(サンドイッ
チ
ハイブリダイゼーションアッセイ)。PfeufferおよびHelmrich、J Biol Chem(1
スフェート)のカップリングについて記述している。Baumanら、J Histochem an d Cytochem
29:227-37は、蛍光剤を用いたRNAの3'-標識化について記述している
。PCT出願WO/8302277は、DNAフラグメントに対する標識用修飾リボヌクレオチド
の付加とそのようなDNAフラグメントの分析法について記述している。Renzおよ
びKurz、Nuc Acids Res(1984)12:3435-44はオリゴヌクレオチドへの酵素の共
有結合について記述している。Wallace、DNA Recombinant Technology(Woo,S.
編)CRC Press、Boca Raton,Floridaは、診断におけるプローブの使用に関する
一般的背景を提供している。ChouおよびMerigan、N Eng J of Med 308:921-25は
、CMV検出用放射性同位体標識プローブの使用について記述している。Inman、Me th Enzymol
(1974)34B,24:77-102は、ポリアクリルアミドへ連結するための手
順を記述しており、一方Parikhら、Meth Enzymol(1974)34B,24:77-102は、ア
ガロースとのカップリング反応について記述している。Alwineら、Proc Natl Ac ad Sci USA
(1977)74:5350-54は、ゲルからハイブリダイゼーション用固体支持
体にオリゴヌクレオチドを移す方法を記述している。Chuら、Proc Natl Acad Sc i USA
11:6513-29は、末端ヌクレオチドを誘導体化する技術について記述してい
る。Hoら、Biochemistry(1981)20:64-67は、エステルを形成するためにリン酸
によって末端ヌクレオチドを誘導体化することを記述している。AshleyおよびMa
cDonald、Anal Biochem(1984)140:95-103は、表面結合テンプレートからプロ
ーブを調製する方法を報告している。HebertおよびGravel,Can J Chem(1974)52
:187-89およびRubinsteinら、Tetrahedron Lett(1975)17:1445-48は、光感
受性保護基としてのニトロフェニル含有化合物の使用について記述している。K
.Groegkeら、Helvetica Chimica Acta(1990)73:608-617は、ヒドロキシル官
能基を保護するためのt-ブチルジメチルシリルの使用を開示している。
本発明の好ましい実施態様において、試験プローブのハイブリダイゼーション
および検出は、Urdeaらの米国特許第4,868,105号および第5,124,246号に開示さ
れた方法の改良により行われる。このような液相サンドイッチハイブリダイゼー
ションアッセイは、下記および図1に示すように一般的に行われる。各アッセイ
においては、一本鎖標的核酸は、ハイブリダイゼーション条件下で過剰の2つの
一本鎖核酸プローブとともにインキュベートされる:(1)標的に対して相補的
な第1の結合ヌクレオチド配列およびアダプタープローブ認識配列である第2の
結合配列を有する、前記の試験プローブ;および(2)試験プローブ上のアダプ
タープローブ認識配列に相補的な試験プローブ認識配列である第1の結合配列、
固相に結合されたオリゴヌクレオチドに特異的にハイブリダイズし得る第2の結
合配列とを有し、そして必要に応じて1〜50ヌクレオチドのスペーサー配列を含
むアダプタープローブ。得られる生成物は、標的とアダプタープローブとの間に
挟まれた試験プローブの三成分核酸複合体である。第2の結合配列および必要に
応じて付加されるアダプタープローブのスペーサー配列は一本鎖テイルとして残
る。
次に、ハイブリダイズする条件下で、この複合体は次に、それに結合する捕捉
プローブを有する固相に添加される(またはその固相と同時にインキュベートさ
れる)。その捕捉プローブはアダプタープローブの第2の結合配列に実質的に相
補的な一本鎖オリゴヌクレオチドである。得られる生成物は、固相に結合した捕
捉プローブおよびアダプタープローブの第2の結合配列により形成される二本鎖
を介して固相に結合した複合体を含む。次に、結合した複合体を有する固相が、
洗浄により未結合の物質から分離される。
試験プローブ上のアダプタープローブ認識配列に実質的に相補的な試験プロー
ブ認識配列であるアダプタープローブの結合配列は、少なくとも5ヌクレオチド
、通常は少なくとも10ヌクレオチドであって、約20ヌクレオチドを超えない。代
表的には約10ヌクレオチドである。
アダプタープローブの第2の結合配列は、固相に接着したオリゴヌクレオチド
に実質的に相補的であり、標的内の内在配列により出遭わないように選択される
。第2の結合配列は第1の結合配列に隣接し得るか、または0〜50ヌクレオチド
の間の中間非相補的スペーサー配列により第1の結合配列から間隔を置いて離さ
れ得る。1〜10ヌクレオチドの短いスペーサー領域(または全くなし)を使用す
ると、アダプタープローブを介して固体支持体に結合したときに、試験プローブ
の標的核酸分子内部への伸長が妨害され、そしてそれゆえ標的分子の外表面にの
み
結合する試験プローブを決定する場合にはこれが好ましい。所望であれば、この
プローブは、他の非相補的配列を含み得る。これらの非相補的配列は、結合する
配列の結合を妨害するか、または非特異的結合が発生する原因になってはならな
い。アダプタープローブは、オリゴヌクレオチド合成手順またはクローニングに
より調製され得るが、前者が好ましい。
このアッセイにおいて使用される固相は、微粒子または種々のあらゆる容器(
例えば遠心管、カラム、マイクロタイタープレートウェル、フィルター、管類な
ど)の固体壁面であり得る。微粒子を使用する場合、それらは約0.4〜200ミクロ
ン、より通常には約0.8〜4.0ミクロンの範囲の大きさであることが好ましい。こ
の微粒子は、ラテックスまたはガラスのようなあらゆる便利な物質であり得る。
マイクロタイタープレートは好ましい固体表面である。アダプタープローブの第
2の結合配列に実質的に相補的なオリゴヌクレオチドは、公知の手順により、官
能基を介して固体表面に安定に接着させ得る。
アダプタープローブの第2の結合配列および固相に結合されたオリゴヌクレオ
チドを、捕捉プローブの第1の結合配列に固相を接合する安定な結合を形成する
適切なリガンド−受容体対で置換し得ることは理解される。そのような対の例は
ビオチン/アビジン、チロキシン/チロキシン-結合グロブリン、抗原/抗体、炭水
化物/レクチンなどである。
予期される標的のモル数に対するアダプタープローブおよび試験プローブの比
率はそれぞれ少なくとも化学量論的、好ましくは過剰である。この比率は少なく
とも約1.5:1であることが好ましく、そして少なくとも2:1であることがより好
ましい。通常は2:1〜106:1の範囲である。各プローブの濃度は、一般に約10-9
〜10-2Mの範囲であり、試料核酸濃度は10-10〜10-8Mの範囲で変化する。この
アッセイのハイブリダイゼーション工程は一般に約10分〜20時間を要し、約1時
間内に完了することが多い。ハイブリダイゼーションは穏やかに上昇させた温度
、一般的には約20℃から80℃、より通常は約35℃〜70℃(特には65℃)の範囲で
行なわれ得る。
ハイブリダイゼーション反応は通常、水性媒体(特に緩衝化水性媒体)中で行
われ、この媒体は種々の添加物を含み得る。使用され得る添加物として、低濃度
の界面活性剤(0.1〜1%)、塩(例えば、クエン酸ナトリウム)(0.017〜0.17
M)、フィコール、ポリビニルピロリドン、キャリア核酸、キャリアタンパク質
などが挙げられる。ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール
、およびホルムアミドなどの非水性溶媒がその水性媒体に添加され得る。これら
の他溶媒は、一般に2〜50%の範囲の量で存在する。
ハイブリダイゼーション媒体のストリンジェンシーは、温度、塩濃度、溶媒系
などによって制御され得る。従って、問題の配列の長さと性質に依存して、その
ストリンジェンシーは変化する。生理学的条件に近い好ましいハイブリダイゼー
ション条件は、37℃、0.15M一価陽イオン、16mM Mg++、および1mMスペルミジン
である。
このアッセイの分離工程において使用される手順は、固相の性質に依存して変
化する。微粒子については、遠心分離やろ過によって微粒子の分離、上清の廃棄
、または上清の単離が提供される。その微粒子がアッセイされる場合、その微粒
子は、適切な緩衝化媒体(例えば、SDSのような界面活性剤を含むリン酸緩衝化
生理食塩水(PBS))で十分に(通常は1〜5回)洗浄される。分離手段が壁ま
たは支持体である場合は、上清は単離または廃棄され、微粒子用に示したものと
同じ様式で壁が洗浄され得る。
次に、その複合体は、結合した複合体中の標的の標識化によって検出される。
その標的は、複合体形成の前または後に標識され得る。標識化された標的は、検
出可能なシグナルを直接または間接的に提供する1つ以上の分子(「標識」)を
含む。その標識は、標的配列の個々の構成要素に結合され得るか、または複数の
標識を有する末端構成要素または末端テイルとして存在され得る。配列に結合し
た標識を提供する種々の手段が文献に報告されている。例えば、Learyら、Proc Natl Acad Sci USA
(1983)80:4045;RenzおよびKurz,Nucl Acids Res(1984)12
:3435;RichardsonおよびGumport、Nucl Acids Res(1983)11:6167;Smithら
、Nucl Acids Res(1985)13:2399;MeinkothおよびWahl、Anal Biochem(1984
)138:267を参照のこと。標識は、相補的配列に共有結合または非共有結合のい
ずれかにより結合され得る。使用され得る標識としては、放射性核種、蛍光剤、
化学発光剤、色素、酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素阻害剤、酵素サブユニッ
ト、
金属イオンなどが挙げられる。例示的な特定の標識として、フルオレセイン、ロ
ーダミン、テキサスレッド、フィコエリスリン、ウンベリフェロン、ルミノール
、NADPH、α-β-ガラクトシダーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホ
スファターゼなどが含まれる。好ましい実施態様においては、標的配列は、天然
のrUTPまたはdTTPヌクレオチドの画分へのビオチン-UTPの取り込むことにより標
識化され、そして次にこれをストレプトアビジン結合アルカリホスファターゼ(
AP)と共にインキュベートされる。
標識の性質に依存して、種々の技術が標識の存在を検出するために用いられ得
る。蛍光剤については、多くの異なる蛍光計が利用可能である。化学発光剤につ
いては、ルミノメーターやフィルムが利用可能である。酵素を用いて、蛍光、化
学発光、または着色生成物が提供され得、これは蛍光測定法、発光測定法、分光
測光法、または肉眼で測定され得る。免疫アッセイに使用されてきた種々の標識
および免疫アッセイに適用可能な技術が本アッセイに関して使用され得る。
すべてのハイブリダイゼーションアッセイが、試験プローブ群の各構成要素に
ついて行なわれた後、標的に対して最も高い程度の結合を示す構成要素が決定さ
れ、最適な候補プローブとする。あるいは、この方法は、最速のハイブリダイザ
ーを(短時間のインキュベーションおよび低濃度のプローブを使用することによ
り)同定するか、または最も持続性の高いハイブリダイザーを(低濃度のプロー
ブを使用し、洗浄条件のストリンジェンシーを増大させることによって)同定す
る。
C.試験プローブサイズの測定
一旦、前記の方法で、試験プローブが最適な候補の間にあることが同定されれ
ば、さらなる実験が、標的配列に相補的なプローブの第1のヌクレオチド配列に
関して理想的なサイズを決定するため行われ得る。標的核酸の同じ領域に相補的
な配列および候補試験プローブと同一の第1の末端を有する第2の試験プローブ
群が、標準的な方法により合成される。しかし、第2の試験プローブ群の各構成
要素は、図2に示すように異なる第2の末端を有する。従って、代表的な第2の
試験プローブ群は、約6〜50、より好ましくは約6〜18ヌクレオチドのサイズの
範囲にあり、最適な候補試験プローブ(単数または複数)により同定される標的
核酸の領域にひろがる第1のヌクレオチド配列を有する。次いで、この第2の試
験プローブは、標的に対する最も高度な結合について前記のようにスクリーニン
グされる。不連続プローブ
前記のハイブリトープマッピングの結果、理想化された配列および長さの2つ
以上の候補プローブが同定される。本発明の別の局面において、2つ以上の候補
プローブが直接的にまたは種々の長さと組成の有機リンカーを用いて互いに共有
結合的に接合され、そして次に、それらを前記のようにアッセイすることによっ
て、標的に対して最も高度な結合を持つものを決定する。
不連続プローブは前記の試験プローブハイブリトープのように構築され、これ
は必要に応じて先に定義したアダプタープローブ認識配列および/またはスペー
サー領域である核酸配列を有する領域を含有し、そしてまた直接もしくは有機ス
ペーサー-Z-により共有結合的に接合した2つ以上のオリゴヌクレオチドを含む
。ただし-Z-は糖、塩基、またはリン酸部分を介してオリゴヌクレオチドに結合
され、O、S、N、Si、およびSeからなる群より選択される0〜6個のヘテロ原
子および-CO-、-COO-、-CONH-、-NHCO-、-S-S-、-SO2-、-CH(OH)-CH(OH)-、-CH(
OR1)-CH(OR1)-、-O-PO(O-)-O-、-O-PO(R1)-、-O-PO(OR1)-O-、-O-PO(OR1)-R2-、
-PO(OR1)-O-R2(ここでR1は低級アルキルであり、R2は低級アルキレンである)
、-O-((CH2)n-A-)mおよび
(ここで-A-は-O-または-PO4-を表し、nは2〜4までの整数であり、mは1〜2
0までの整数を表す)からなる群より選択される0〜6つの結合とを含むアリーレ
ン、C6−C18アラルキレン、C6−C18アラルケニレン、C6−C18アラルキニレン、C1
−C30アルキレン、C1−C30アルケニレン、またはC1−C30アルキニレンからなる
群より選択される。
有機リンカーの好ましい実施態様は、柔軟度が制限されるリンカーである「リ
ジッドリンカー(rigid linker)」である。リジッドリンカーは当該技術分野で公
知であり、1つ以上の二重または三重結合または環構造を含有するリンカー(置
換または非置換アリーレン、C6−C18アラルキレン、C6−C18アラルケニレン、C6
−C18アラルキニレン、C1−C30アルケニレン、またはC1−C30アルキニレンを含
む)が挙げられる。
次に不連続プローブ群が、最適な候補試験プローブの異なる組み合わせを選択
し、そしてリンカーの長さおよびタイプを変えることにより構築される。例えば
、ハイブリトープマッピングが4つの候補試験プローブオリゴヌクレオチドA、
B、CおよびDを同定する場合、A-B、A-C、A-D、B-C、B-DおよびC-Dという二重
連結不連続試験プローブが構築され得る。図2に示すように、A-B-C、A-C-B、B-
A-C、A-B-D、A-D-Bなどの三連結不連続試験プローブも構築され得る。連結鎖の
特性も変えられ得る。好ましい連結鎖のバリエーションは、種々の長さに接合さ
れた単量体の系列である。例えば、ある連結鎖系列は、トリエチレングリコール
、ヘキサエチレングリコール、ノナエチレングリコールである。別の系列は下図
の通りである。
本発明の別の実施態様において、不連続プローブは、Urdeaらの米国特許第5,1
24,246号に記載の分枝DNA技術を用いて、3つ以上の候補試験プローブ配列を分
枝構造結合することにより、形成され得る。この技術により形成される「分枝不
連続プローブ」において、2つの候補試験プローブ配列は、上記特許第5,124,24
6号に記載の、第3の候補試験プローブ配列の接合を許容する分枝単量体を含む
有機リンカー分子により接合される。3つの結合点を持つ分枝単量体の例を下図
に示す。
次に、構築した不連続プローブ群が、標的核酸に対して最高の結合を有するも
のについて、前記のようにスクリーニングされる。次いで、最も高度な結合を有
する不連続プローブが最適な候補プローブであることが決定される。あるいは、
この方法は、(短時間のインキュベーションおよび低濃度のプローブを用いるこ
とにより)最速のハイブリダイザーを同定するために、または(低濃度のプロー
ブを使用し、洗浄条件のストリンジェンシーを増大させることにより)最も持続
性の高いハイブリダイザーを同定するために使用される。不連続プローブの使用
不連続プローブは、例えばUrdeaらの米国特許第4,868,105号および第5,124,24
6号に記述されているように、診断用プローブとして使用できる。
また、不連続プローブをアンチセンスプローブまたはリボザイムとして製剤化
することもできる。不連続プローブをアンチセンスプローブとして改良してもよ
い。不連続アンチセンスプローブは、一般的には前記のようなアダプタープロー
ブ認識配列またはスペーサー領域である核酸配列を持つ領域を含まない。さらに
、本発明のアンチセンス核酸はRNA、DNAまたは修飾核酸である。修飾核酸の例は
、核酸の分解耐性硫化誘導体およびチオリン酸誘導体ならびにポリヌクレオシド
アミド(StecらのPCT公報WO91/16331;ZonらのPCT公報WO88/07544;P.E.Nelsen
ら,Science(1991)254:1497-1500;M.Egholm,JACS(1992)114:1895-1897)
であるが、これらに限定されない。特に好ましい本発明アンチセンス核酸の設計
変更は、(1)該核酸の細胞内安定性を増大させるため、(2)該核酸の細胞透過
性
を増大させるため、(3)センス鎖に対する該核酸の親和性を増大させるため、
あるいは(4)該核酸に毒性があるならば、その毒性を減少させるために設計さ
れる変更である。ANTISENSE RESEARCH AND APPLICATIONS(S.T.CrookeおよびB.
Lebleu編,CRC Press,1993)に記述されているように、このような改良の多く
は当該技術分野で公知である。したがって、核酸は、改変または修飾された塩基
、糖または結合を含有し得、リポソームのような特殊化した系で送達され得、ま
たは結合部分を有し得る。このような結合部分には、細胞膜との相互作用を促進
する脂質のような疎水性部分、またはリン酸骨格の電荷中和剤として働くポリリ
ジンのようなポリカチオン性部分が含まれる。結合され得る特に好ましい脂質は
コレステロールである。これらの結合部分は、核酸の3'末端か5'末端に結合し得
、かつ、塩基、糖またはヌクレオシド結合を介して結合し得る。
その他の部分は、エキソヌクレアーゼ分解を防止するための、特に核酸の3'末
端または5'末端に配置されるキャッピング基であり得る。このようなキャッピン
グ基には、当該技術分野で公知のヒドロキシル保護基(ポリエチレングリコール
、テトラエチレングリコールなどのグリコールを含む)が含まれるが、これらに
限定されない。投与
本発明のアンチセンス化合物またはリボザイム化合物は、様々な方法(例えば
静脈内、経口、筋肉内、腹腔内、気管支、鼻孔内など)によって投与することが
できる。好ましい投与経路は、化合物の性質と処置しようとする症状に依存する
。化合物が摂取時に十分に吸収され、実質的に分解されない場合は、経口投与す
ることができる。化合物を医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて、医薬組成
物として投与してもよい。そのような組成物は水溶液、乳剤、クリーム、軟膏、
懸濁液、ゲル、リポソーム懸濁液などであり得る。したがって、適切な賦形剤に
は、水、生理食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液およびエタノールの溶
液、グルコース、ショ糖、デキストラン、マンノース、マンニトール、ソルビト
ール、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスフェート、アセテート、ゼラチン
、コラ
剤、抗菌剤および緩衝剤(例えばBHA、BHT、クエン酸、アスコルビン酸、テトラ
サイクリンなど)を追加してもよい。調剤に有用なクリームまたは軟膏基材には
、
まれる。他の局所製剤にはエアロゾル、包帯、徐放性パッチなどが含まれる。ま
た、化合物を適切なポリマーの基質または膜に取り込むか、またはカプセル化す
ることによって、局所的に処置しようとする部位近くへの移植に適した徐放送達
ような装置が含まれる。さらに、化合物を固形で(とりわけ凍結乾燥粉末として
)提供することもできる。凍結乾燥製剤は代表的には安定化剤と増量剤(例えば
ヒト血清アルブミン、ショ糖、マンニトールなど)を含む。医薬的に許容される
賦形剤に関する詳細な議論はRemington's Pharmaceutical Sciences(Mack Pub
.Co.)に記載されている。
本発明のアンチセンス組成物を医薬的投与のために調製することができる。注
射製剤と座剤は通常、1アンプルまたは1カプセルあたり1〜10mgの核酸または
核酸アナログを含む。ヒト患者の場合、日用量は約0.1〜1,000mg、好ましくは1
〜100mg(10〜20mg/kg体重から1000〜2000mg/kg体重まで)である。しかし、各
患者に関する特定の投与量は、例えば、使用する特定の核酸または核酸アナログ
の効力、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間と投与形式、排出
速度、一緒に使用される他の薬物との組み合わせ、および治療を適用する特定の
疾患の重篤度など、広範な因子に依存する。
本発明に包含される医薬製品には、その活性成分が意図する目的を達成するの
に有効な量で含まれている製品が含まれる。好ましい範囲は前記したが、処置に
最も有効な量の決定は当該分野の技術に包含される。
医薬製剤は、本発明の核酸とその硫化およびチオリン酸化アナログに加えて、
適切な賦形剤と活性化合物の加工を容易にする助剤を含み得る。製剤、とりわけ
経口投与でき、好ましい投与法に使用できる製剤(錠剤、糖衣錠、カプセルなど
)および直腸内に投与できる製剤(座剤など)ならびに非経口投与や経口投与に
適した溶液剤および頬または舌下に投与できる組成物は、0.1〜99重量%の活性
成分を賦形剤と共に含み得る。好ましい投与法は非経口投与、とりわけ静脈内
投与である。
非経口投与に適した製剤には、水溶型もしくは水分散型活性化合物の水溶液が
含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液も適切な油状注射懸濁液として投与でき
る。適切な親油性の溶媒または担体には脂肪油(例えば、ごま油)または合成脂
肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリド)が含まれる。
水性注射懸濁剤は懸濁液の粘性を増大させる物質(例えば、ナトリウムカルボキ
シメチルセルロース、ソルビトール、および/またはデキストラン)を含んでも
よい。また懸濁剤は必要に応じて安定化剤を含んでもよい。
さらに、本発明の化合物をリポソーム中にカプセル化して、脂質層に付着した
同心円状の水層からなる微粒子中に活性成分が分散または多様に存在して含まれ
ている医薬組成物として投与してもよい。活性成分はその溶解度によって、水層
と脂質層の両方に存在するか、あるいはいわゆるリポソーム性懸濁液として存在
し得る。疎水層は一般に(必ずしもそうではないが)レクチンやスフィンゴミエ
リンなどのリン脂質、コレステロールなどのステロイド、リン酸ジセチル、ステ
アリルアミンまたはホスファチジン酸のような多かれ少なかれイオン性を有する
界面活性剤、および/または他の疎水性物質を含む。リポソームの直径は一般に
約15nm〜5ミクロンの範囲である。リポソームおよび/または脂質懸濁剤の調製
にとりわけ好ましい脂質はDOTMAとDOTAPである。
DOTAPはBoehringer Mannheimから市販されているし、L.Stamatatosら,Bioch em
27:3917-25(1988);H.Eiblら,Biophys Chem 10:261-71(1979)に記述さ
れている方法に従って製造することもできる。DOTMAはLipofectin*(BRL,Gaithe
rsburg,MDから入手できる)という名前で市販されており、P.L.Felgnerら,Pr oc
Nat Acad Sci USA 84:7413-17(1987)に記述されている。
次に、とりわけ有利な実施態様を説明する下記実施例を参照して本発明を説明
するが、これらの態様は単なる実例であって、決して本発明を限定するものと解
釈してはならない。実施例
実施例1
ハイブリトープ合成
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)ゲノムのsf2単離物のRev応答要素(RRE)内の
113ヌクレオチド領域に対応するハイブリトーププローブプールを作成した。こ
の領域はHIV sf2ゲノム内のヌクレオチド7769-7881を含み、(nt7769)5'-ATA G
TA GGA GCT ATG TTC CTT GGG TTC TTG GGA GCA GCA GGA AGC ACT ATG GGC GCA G
TG TCA TTG ACG CTG ACG GTA CAG GCC AGA CAA TTA TTG TCT GGT ATA GTG CAA C
A-3’(nt7881)という配列を持つ。このプールは96個のデオキシリボヌクレオ
チドプローブからなり、各プローブは28量体である。プール中の各プローブの5'
部分は同一で、5'-CCG ACG GAC C-3'という配列の10量体からなる。この高GC含
有配列は固体支持体への結合に使用されるアダプタープローブにハイブリダイズ
する。各プローブの3'側の18量体部分はHIV RREの一部にハイブリダイズし、こ
の部分のそれぞれはプール中のもう1つのプローブの配列と1ヌクレオチドづつ
重複している。例えばプローブ1はヌクレオチド7769-7786にハイブリダイズす
る3'部分を持ち、プローブ2はヌクレオチド7770-7787にハイブリダイズする3'
部分を持つというように、ヌクレオチド7864-7881にハイブリダイズする3'部分
を持つプローブ96まで続く。このプローブプールはGenosys Biotechnologies,I
nc.(The Woodlands,TX)による標準的ホスホルアミダイト化学で合成した。
実施例2
HIV RRE 領域のハイブリトープマッピング
A.プローブ合成
HIV RRE領域の113ヌクレオチドに対応するハイブリトーププローブプールを実
施例1のように合成した。標準的な方法を用いて、5'-G GTC CGT CGG-(N)54-CT
CTT GGA AAG AAA GT-3'という配列を持つアダプタープローブも合成した。アダ
プタープローブの5'末端はハイブリトーププローブにハイブリダイズし、3'末端
は固体支持体に結合した捕捉プローブにハイブリダイズする。そして中間は54個
の無作為な塩基からなるスペーサー領域である。5'-CA CTT CAC TTT CTT TCC AA
G AG-3'という配列を持つ捕捉プローブを合成し、その3'末端を微量滴定プレー
トのウェルに結合した。
B.標的の標識化
DNAプラスミドpBKBH10SはLTR領域を欠くHIVのHXB2株のゲノムの9.2kbコピーを
含有する。pBKBH10SをSac Iで切断し、ゲノムの全長RNA転写物をT7 RNAポリメラ
ーゼと4種類のrNTPを用いて30UTPにつき1ビオチニル化UTPを組込みながら作成
して、全長転写物あたり約75ビオチニル化UTPとした。このビオチニル化ヌクレ
オチドはストレプタビジンに結合したアルカリホスファターゼとの複合体を形成
することができる。
C.マッピング操作
実施例2-Bで調製した標識標的と、各ウェルに結合した捕捉プローブ(実施例2
-Aで調製したもの)で覆われた96ウェル微量滴定プレートを用い、実施例1の96
ハイブリトーププローブプールでHIV RRE領域をマッピングした。標的(10フェ
ムトモル)、500フェムトモルの各試験プローブ、および1ピコモルのアダプタ
ープローブを、37℃のハイブリダイゼーション緩衝液(0.1M NaCl,0.05M KOAc,
16mM MgCl2, 1mMスペルミジン,50mM Tris-HCl pH7.5,0.2%アセチル化BSA)中
で別々に1時間平衡化した。標的とプローブを混合し、さらに1時間平衡化させ
た。
ウェルを洗浄液P(0.5×SSC,0.1%SDS)で3回洗浄した。ストレプタビジン結
合アルカリホスファターゼ(BMB,1:10,000希釈)を加え、37℃で5分間インキ
ュベートした。洗浄液Pでさらに3回洗浄した後、0.5×SSCで3回洗浄した。
次に、乾燥ウェルに50μl/ウェルのLumiphos-plus(Lumigen,Southfield,MI
)を加え、37℃で30分間インキュベートし、発光カウント数を決定した。96プロ
ーブプールに対するこのアッセイの結果を図3に示す。B6、C6、D7およびF8と命
名した4つのハイブリトープを最適な結合性18量体として選択した。これらのプ
ローブに相補的なHIV RRE領域はそれぞれ7787、7798、7811および7837を5'末端
とする。
実施例3
ハイブリトープサイズの最適化
A.ハイブリダイゼーション分析
実施例2で選択したハイブリトープのうち3つ、すなわちB6(7787)、C6(77
98)およびD7(7811)をサイズの最適化についてスクリーニングした(括弧内の
数字は相補的なHIV RRE領域の5'末端を示す)。選択した(一次)ハイブリトー
プのそれぞれについて、一組の二次ハイブリトープを合成した。各二次ハイブリ
トープは実施例1に記載の一次ハイブリトープと同じ5'高GC含有領域を含有し、
一次ハイブリトープと同じHIV RRE領域(同じ5'末端に始まるが長さは6〜23ヌ
クレオチドの間で変化する)にハイブリダイズする3'領域を含有した。これらの
二次ハイブリトーププールを実施例2に記載のHIV RRE標的に対してスクリーニ
ングしたが、スクリーニングは37℃と53℃で並行して行なった。その結果を図4
に示す。生理学的条件では最適ハイブリトープ長が12ヌクレオチド付近のようで
あり、53℃での最適長は20ヌクレオチド付近である。10ヌクレオチド以下のハイ
ブリトープの有意な検出できる結合が生理学的温度で起こり、このような長さを
使用した場合の非特異的ハイブリダイゼーションの潜在的に有意な原因の存在が
示される。そこで、より短い二次ハイブリトープに対してRNAse H分析を行なっ
た。
B.RNAse H分析
205量体のHIV RRE RNAミニ転写物を、Promega Riboprobe II Core Systemを用
いて、比活性8×106cpm/pmolの32P-GTPを組込みながら、pBKBH10Sから作成した
。ミニ転写物をNensorbカラムにかけて、50%エタノール中に溶出させ、沈降させ
、水に再懸濁し、凍結保存した。
各RNase H反応液は105cpmのミニ転写物を含み、これを50mM Tris pH7.5,16mM
MgCl2,1mMスペルミジン,50mM KOAc,0.1M NaClおよび1単位のインヒビター
ゼ(ヌクレアーゼ阻害剤)を含む20μl緩衝液中、37℃で1時間予備インキュベ
ートした。0.5μMの各二次ハイブリトープを加え、37℃で1時間インキュベート
した。10単位のRNase Hを各反応液に加え、30分間インキュベートした。5μlの
停止緩衝液(5% SDS,250ng/μlプロテイナーゼK,75mM EDTA)を各反応液に
加え、65℃で15分間インキュベートした。5%変性ポリアクリルアミドゲルにか
けた生成物のAmbis走査から切断効率を計算した。図5に示す結果は、6量体と
8量体の有意なハイブリダイゼーションが37℃で起こることを立証しているが、
最適プローブ選択によってより低いプローブ濃度を可能にする。
実施例4
不連続プローブ
実施例3で分析したいくつかの二次ハイブリトープを図6に図式化する不連続
プローブ設計の基礎として利用した。HIV RREの37量体領域を、連続にもしくは-
O-(CH2CH2-O-CH2CH2-O-CH2CH2-O-)2スペーサー(「Z-Zスペーサー」)を用いて
連結したB6、C6およびD7に対応する様々な長さの二次ハイブリトープ(図7の表
で説明するように、標的にされないヌクレオチドが介在する)を用いて調べた。
例えば図7のプローブ#1は、図6に示す標的のヌクレオチド1-25にハイブリダ
イズする連続プローブである。プローブ#8は、ヌクレオチド1-7、14-23および2
6-34に対応する3つのオリゴヌクレオチドを含有する不連続プローブであり、各
セグメントがZ-Zスペーサーで連結されている。不連続プローブは実施例1Aに記
載の5'高GC含有領域をも含む。実施例2のアッセイで不連続プローブを用いた結
果を図8に示す。これらの結果は、スペーサーを持たない連続プローブがあまり
機能しないのに対して、ハイブリダイズする領域間に4〜6ヌクレオチド間隔を
持つ不連続なプローブが、同じヌクレオチド数を持つ連続プローブよりも高いハ
イブリダイゼーション効率を発揮することを示している。
実施例5
抗HIV活性を持つリード化合物を発見するための
ハイブリトープマッピングの使用
A.仮トランフェクションアッセイ
HeLa細胞を6ウェルにプレートした。翌日、培養上清を除去し、0.2、0.4、0.
6または1mMのチオリン酸オリゴマー(16量体;下記実施例5-Bに記載)を含む培
地を2つ一組のウェルに加えた。次に、リン酸カルシウム沈降HIV-1プロウイル
ス(およびキャリアー)DNAを各ウェルに加えた。翌日、細胞を洗浄し、適切な
オリゴマーを含む新鮮な培地を加えた。トランスフェクション開始の3日後に培
養培地を収集し、HIV-1 p24のレベルを決定した。そのHIV-1 p24レベルを、オリ
ゴマーを加えなかった培養物のレベルおよび同じぐらいの長さの完全に無作為化
したオリゴマーの調製物(N)17を加えた場合のレベルと比較した。オリゴヌクレ
オチドがp24レベルを無作為オリゴヌクレオチド対照の少なくとも2倍減少させ
る場合に、それをこのアッセイにおける阻害剤と見なした。
B.ハイブリトープマップから選択したプローブのアンチセンス効力の試験
実施例1に記載のHIV RREに対する合計11種類のプローブを16量体チオリン酸
オリゴヌクレオチドとして合成した。このプローブの5'末端の位置は効果的なハ
イブリダイゼーションにとって最も重要なので、前記のスクリーニングに使用し
た18量体プローブの2ヌクレオチドを3'末端から欠失させた。この修飾は非特異
的効果の減少に役立つ。各候補プローブを0.2と1μMとの間の濃度でHeLa細胞と
共にインキュベートし、細胞にHIV-1 DNAをトランスフェクションした。3日後
、プローブと共に連続的にインキュベートした後、p24レベルを決定した。
以下の表1はその結果を示している。オリゴヌクレオチドがp24レベルを無作
為オリゴヌクレオチド対照の少なくとも2倍減少させれば、それをこのp24生物
学的アッセイにおける阻害剤と見なし、平均プローブのRLUを少なくとも2倍に
するならば、それをこのマッピングアッセイにおける効果的ハイブリダイザーと
見なした。
上記表1中の「番号」は18量体の親プローブの3'末端が結合するHIV SF2標的
の5'位置である。転写物とウイルスRNAに対する結合は共に、試験オリゴで結合
したRLU/平均オリゴで結合したRLUとして表す。両方は、18量体DNAプローブを用
いて決定した。阻害倍率(I)は、1μMプローブを用いて、I=p24無作為オリゴ
/p24試験オリゴと計算した。
4つのプローブがいくつかの生物学的効力を示した(7806、7807、7811および
7843)。2つのプローブは転写物にもウイルスRNAにもハイブリダイズせず(778
1,7822)、これらは生物学的にも無効であった。2つのプローブが転写物に効
果的にハイブリダイゼーションし(7786,7811)、そのうちの1つ(7811)は生
物学的に有効であった。他の7つのプローブはウイルスRNAに効果的にハイブリ
ダイズし(1.9〜2.0を与える)、そのうちの3つは生物学的に有効であった。転
写物かウイルスに対するハイブリダイゼーションアッセイで「勝者」となったプ
ローブをスクリーニングすることによって、試験したたった9種類のプローブの
うち全部で4種類の生物学的勝者が検出された。
HIVに対するプローブの正確な「成功率 (hit rate)」はわかっていない(こ
の数字を知るには何百というプローブを生物学的に試験する必要がある)が、4/
9などということはまずないだろう。当業者は、(タンパク質を除去したウイル
スRNAまたはインビトロ転写物よりもむしろ)細胞から単離したリボヌクレオタ
ンパク質複合体を使用すれば、さらに高い成功率を持つアクセスし得る部位のよ
り正確なハイブリトープマップが得られるはずであることを理解するだろう。
特定の実施態様に言及して本発明を説明したが、本願は、添付の請求の範囲と
思想から逸脱することなく当業者がなし得る変化や置換をも包含すると解釈され
る。