JPH10510428A - アデノウイルスベクターが仲介する髄性運動ニューロンへの遺伝子導入 - Google Patents

アデノウイルスベクターが仲介する髄性運動ニューロンへの遺伝子導入

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JPH10510428A JP8518369A JP51836996A JPH10510428A JP H10510428 A JPH10510428 A JP H10510428A JP 8518369 A JP8518369 A JP 8518369A JP 51836996 A JP51836996 A JP 51836996A JP H10510428 A JPH10510428 A JP H10510428A
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フイニエル,フランソワーズ
ジムネ−リボタ,ミネルバ
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ルバ,フレデリツク
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ローヌ−プーラン・ロレ・エス・アー
アンステイテユ・ナシオナル・ドウ・ラ・サンテ・エ・ドウ・ラ・ルシエルシユ・メデイカル
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Abstract

(57)【要約】 髄性運動ニューロンに核酸を導入させるための、組換えアデノウイルスの使用。

Description

【発明の詳細な説明】 アデノウイルスベクターが仲介する髄性運動 ニューロンへの遺伝子導入 本発明は、遺伝子治療分野に関する。より詳しくは、アデノウイルスベクター が仲介する髄性運動ニューロン(medullary motorneurons)への遺伝子導入によ って、神経系の疾患を治療する新規方法に関する。 神経変性疾患に対する遺伝子治療およびベクターとしての改変ウイルスの使用 は、特に有望な新規治療法を構成する。先行技術においてこの目的のために使用 されるウイルスとして、特に、アデノウイルス(Le Gal La Sall eら、Science 259,988−990)、ヘルペスウイルス、アデノ 関連ウイルス、およびレトロウイルスを挙げることができる。先行文献に開示さ れている研究によると、これらのベクター、特にアデノウイルスが、非常に高い 効率で、中枢神経系の細胞を感染させることができることを示している。従って 、これらの結果により、治療遺伝子を含む組換えアデノウイルスの中枢神経系へ の直接注入によって(特に、走触性(stereotaxis)によって)、中 枢神経系の疾患を治療す る方法を開発することが可能である。 脊髄に関して、ある種の神経変性疾患または損傷との関連において、例えば成 長因子をコードするある種の遺伝子を供給することにより、遺伝子治療によって 、運動ニューロン(motoneurons)の変性を治療することも可能であ る。しかし、遺伝子を髄(marrow)に特異的に導入する簡単な方法がないために 、これらの用途は未だに制限されている。本発明は、この問題を克服することを 可能にするものである。 本発明は、髄への遺伝子の選択的導入の、特に有効な方法を開示する。本発明 は特に、遺伝子を組み込んでいるアデノウイルスベクターの筋肉への投与によっ て、遺伝子を運動ニューロンへ特異的に導入することができるということの確証 に由来するものである。事実、本出願人は、特に有益な方法においてアデノウイ ルスが、神経筋接合部(運動終板)のレベルで吸収され、運動ニューロン軸索に 沿った逆行性輸送によって運動ニューロンの細胞体(脊髄の腹側角)に輸送され ることを示す。従って、本発明によるアデノウイルスベクターの筋肉内投与は、 逆行性輸送による運動ニューロンの感染の、新規な、非常に特異的な方法を構成 し、この方法は、外傷および/または変性の 位置に従って作用するのが望ましい髄段階を正確に標的にすることを可能にする 。 本発明の方法は、神経筋接合部の正確なマップに従って、異なる髄機能段階の 運動ニューロンを特異的および一方的に感染させることを可能にするので、特に 有益である。さらに、髄実質組織への走触性注射よりも外傷がかなり少ないこと が見い出され、どのような場合においても、より広汎性であり、運動ニューロン に限定されない。 従って、本発明の第一の目的は、筋肉内投与によって髄性運動ニューロンに核 酸を導入させる医薬組成物の製造に、ゲノムに目的とする核酸を有する組換えア デノウイルスを使用することである。 前記に示すように、本発明の方法は、各髄機能段階の運動ニューロンを正確に 標的にすることができるので、非常に有益である。従って、治療すべき障害の部 位により、その部位と神経結合を有する筋肉への投与がなされる。本発明によれ ば、種々の注射の賢明な選択によって、種々のレベルに分布する多数の髄性運動 ニューロンを特異的および一方的に感染させることが可能である。好ましい実施 態様によれば、上肢筋肉内(二頭筋、 三頭筋)への投与によって、頸部レベルの運動ニューロンに遺伝子を導入するこ とができ;胸郭筋肉内(胸筋)への投与によって、胸部レベルの運動ニューロン に遺伝子を導入することができ;または、下肢筋肉内(腓腹筋)への投与によっ て、腰部レベルおよび仙骨部レベルの運動ニューロンに遺伝子を導入することが できる。これらの運動ニューロンへの投与のために、当然、他の筋肉も使用する ことができ、他の運動ニューロンも標的にすることができる。この目的のために 、標的にされる髄段階に依存して、投与のための最も適切な筋肉を決めるために 、神経筋接合部の正確なマップを使用することができる。当業者は、そのような マップを利用することができる(特に、Nicholopoulosら、J. Comp. Neurol. 217, 78−85; Peyronnard et Charon, Exp. Brain Res. 50, 125−1 32を参照)。感染させることが有益であることが証明される髄段階に依存して 、問題とする段階によって神経刺激されることが知られている1つまたはそれ以 上の筋肉を選択することができる。 アデノウイルスの筋肉内投与は幾つかの方法により実施でき る。第一の実施態様は、極めて多数の運動終板に作用することができるよう同一 筋肉のいくつかの箇所に注射するものである。本実施態様は特に問題となる筋肉 への神経の進入箇所を特定することができない場合に効果的である。神経の進入 箇所が限定できる場合には、当該箇所、またはその近傍に1回以上の注射をもっ て実施することが有益である。本実施様態によれば、投与されたベクターの多く が神経筋接合部のレベルで吸収されることから遺伝子導入の効率はより大きくな る。 本発明の第一の好ましい実施態様は、同一筋肉の数箇所での注射により筋肉内 投与を行うものである。 本発明の他の好ましい実施様態は、神経進入部あるいはその近傍に注射をもっ て筋肉内投与を行うものである。 その特定の目的によれば、本発明は、上肢筋肉内(例:二頭筋、三頭筋)への 投与により頸部髄性運動ニューロン内に該核酸を導入するための医薬組成物の製 造への、目的の核酸をゲノム内に含む組み換え体アデノウイルスの使用に関する ものである。 別の特定の目的によれば、本発明は胸郭筋肉内(例:胸筋)への投与により胸 部髄性運動ニューロン内に該核酸を導入する ための医薬組成物の製造への、目的の核酸をゲノム内に含む組み換え体アデノウ イルスの使用に関するものである。 さらに特定の目的によれば、本発明は下肢筋肉内(例:腓腹筋)への投与によ り腰部ないし/あるいは仙骨部の髄性運動ニューロン内に該核酸を導入するため の医薬組成物の製造への、目的の核酸をゲノム内に含む組み換え体アデノウイル スの使用に関するものである。 本発明の方法は多様な起源のアデノウイウルスを用いて実施できる。これまで に、その構造や性質が幾分異なる様々なアデノウイルスの血清型の特徴付けがな されてきた。本発明の範囲では、これら血清型のなかのタイプ2あるいは5ヒト アデノウイルス(Ad2あるいはAd5)または動物起源のアデノウイルス(出 願FR93 05954参照)を使用することが好ましい。本発明の範囲で使用 可能な動物起源のアデノウイルスとしては、ネコ、ウシ、ネズミ(例:Mavl , Beardら、Virology 75(1990)81)、ヒツジ、ブタ 、トリ、あるいは類人猿(例:SAV)起源の既知アデノウイルスがある。好ま しくは、動物起源アデノウイルスはネコアデノウイルスであり、より好ましくは CAV2アデノウイルスであ る[例えば、Manhattan株あるいはA26/61(ATCC VR−8 00)] 。 本発明の特に好ましい実施態様では、使用するアデノウイルスはヒト起源のア デノウイルスである。他の有益な態様では、使用するアデノウイルスは動物起源 である。 アデノウイルスのゲノムは、特にその両端に逆位の繰り返し配列(ITR)を 、そしてエンカプシデーション配列(Psi)、初期遺伝子ならびに後期遺伝子 を含む。主な初期遺伝子はE1、E2、E3ならびにE4領域に含まれている。 この中にあってE1領域(特にE1aとE1b)に含まれる遺伝子はウイルスの 複製に必要である。例えば、E4とL5領域は、その働きとして、ウイルスの増 殖に関係している。主な後期遺伝子はE1からL5の領域に含まれている。Ad 5アデノウイルスのゲノムの配列は完全に決定されておりデータベース上で利用 可能である(特にGenebank M73260を参照)。同様に、別の血清 型アデノウイルス(Ad2、Ad7、Ad12等)のゲノムの一部あるいは全部 の配列もまた決定されている。本発明を実施するために使用したアデノウイルス ベクターにはエンカプシデーションと所望の核酸を許容する配列であるITRs を含む。 本発明の好ましい実施様態では、使用するアデノウイルスのゲノムはE1領域 の全てあるいは一部を欠くものである。E1領域はウイルス複製に実際必須であ り、その不活性化によって、感染細胞内で自律複製ができないいわゆる複製欠陥 ウイルスの形成を誘導する。E1領域、あるいは他の特定のウイルス領域は、当 業者に公知の技術、特に特定遺伝子内の1個以上の塩基を付加、置換、部分欠失 、又は全体抑制することにより機能させないようにできる。この様な改変は、例 えば遺伝子工学技術、あるいは突然変異誘発剤処理によってin vitro( あるいは分離したDNA上)あるいはin situで得ることができる。使用 するアデノウイルスのゲノムが残基454から3328(PvuII−BglI I断片)あるいは382から3446(HinfII−Sau3A断片)に相当 するE1領域部分を欠くことが有益である。 特に有益な実施様態は、使用するアデノウイルスのゲノムがさらにE3および /またはE4領域の全てあるいは一部を欠くものである。本出願人は、これら異 なるタイプの欠失を持つベクターが構築できることを示している。これらの欠失 を加える ことでベクターの安全性を増すことができ、またその能力を高めることができる 。 所望の核酸はアデノウイルスゲノムの様々な部位に挿入される。E1、E3あ るいはE4領域に挿入することが有益である。しかし、その他の部位も利用でき ることは明確である。特に、ゲノムのヌクレオチド配列が判かれば、当業者であ れば本目的に使用できる制限部位を特定あるいは作成できる。 本発明の欠陥組み換え体アデノウイルスは当業者に公知の技術により調製する ことができる(Levreroら、Gene101(1991)195、EP 185 573;Graham, EMBO J.(1984)2917)。特 に上記組み換え体アデノウルイスは、アデノウイルスと、特に所望のDNA配列 を持つプラスミドとの間で相同組換えさせることで調製することができる。相同 組換は該アデノウイルスとプラスミドを適当な細胞系に同時トランスフェクショ ンさせると起こる。好ましくは細胞系は(i)該エレメントにより形質転換可能 なものを使用し、また(ii)欠陥アデノウイルスゲノム部分を補完することが できる配列を、好ましくは組換えのリスクを回避するため組み込まれた形で、含 むものを使用する。系の1例 としては、そのゲノム中に組み込まれた形で、特にAd5アデノウイルスのゲノ ムの左側(12%)を含むヒト胚性腎細胞系293(Grahamら、J. G en. Virol.36(1977)59)を挙げることができる。 第一の方法は、in vitroで組換体(欠陥)ウイルスのDNAを、いわ ゆる欠陥ウイルスを補完するのに必要な機能を全てトランスで持っているコンピ テント細胞系にトランフェクションさせるものである。これらの機能は細胞のゲ ノム中に組み込まれることが好ましく、これにより組換えのリスクが低減し、ま た細胞系の安定性増加が得られる。E1領域のみに欠陥のあるアデノウイルスの 場合、好ましい系は293系である。 第二の方法は適当な細胞系に、in vitroで調製した欠陥組換体ウイル スより得たDNAと1種類以上のヘルパープラスミドあるいはウイルスから得た DNAを同時トランスフェクションするものである。この方法では、組換体アデ ノウイルスの欠陥機能を全て補完することのできるコンピテント細胞系を使用す る必要がない。これらの機能の一部はヘルパーウイルスにより補完される。この あるいはこれらのヘルパーウイルスは、それ自体は欠陥体である。 アデノウイルス由来のベクターの構築方法の体系については出願番号FR93 /05954ならびにFR93/08596にも記載されている。 次に、増殖したアデノウイルスを、実施例に示した様な従来の分子生物学的手 法を用いて回収、精製した。 本発明により使用するためには、アデノウイルスを注射可能な製剤とするよう 医薬上許容される1つ以上の賦形剤と組み合わせることが好ましい。これらは、 特に、等張の、無菌の生理食塩水溶液(1ナトリウム−あるいは2ナトリウム− リン酸塩、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、あるいは塩化マグ ネシウム等あるいはこれら塩の混合体)、あるいは場合により滅菌水あるいは生 理食塩水を加えると注射可能な溶液となる、乾燥した、特に凍結乾燥した組成物 である。投与に用いられるウイルス量は、様々なパラメーター機能、特に想定さ れる投与部位(筋肉)の機能、注射回数、発現遺伝子あるいは望まれる治療期間 に依存する。一般的には、本発明による組換体アデノウイルスは、104から1 014pfuの間、好ましくは106から1010pfuの間の投与量にて処方され 投与される。pfu(プラーク形成単位)という用語はウイルス溶液の 感染性を表しており、適当な細胞培養に感染させ、通常15日後に感染した細胞 のプラーク数を測り求める。ウイルス溶液のpfu力価を測定する技術について は文献中に詳しく記載されている。 本発明の方法は、髄損傷あるいは運動ニューロン変性疾患の治療に特に有益で ある。より詳しくは、髄損傷とは運動ニューロンのレベルでの切断によりニュー ロンがより高位の中枢からの求心性を遮断され、変性したものである。本発明に より、成長因子をコードする遺伝子を損傷を受けている運動ニューロン内に逆行 性に輸送することで、上記変性を減じさせる可能性、あるいは阻止する可能性さ えある。運動ニューロンが原因の神経疾患としては、筋萎縮性側索硬化症、I型 脊髄性筋萎縮症(ウエルドニッヒホフマン病)、IIあるいはIII型脊髄性筋萎縮 症(キューゲルベルグ−ベランダー病)、延髄性脊髄筋萎縮症(ケネディー病等 )などが例として挙げられる。本発明の方法により成長因子をコードする遺伝子 、あるいは変性しつつある運動ニューロンに対して神経栄養的に作用することが 知られている他の分子、を導入することは、上記のタイプの疾患に対する新しい 治療方法も提供する。本発明の方法の効果は特に動物モデル で示すことができる:すなわち、脊髄を部分あるいは完全切断したモデル、ウブ ラーマウス(筋萎縮性側索硬化症を研究するための動物モデル(Leestma J.E.、Am. J. Pathol.,100,821−824));mn dマウス(motor neuron degeneration(運動ニュー ロン変性):筋萎縮性側索硬化症研究用動物モデル(Messerら、1992 , Genomics. 18, 797−802))あるいはpmnマウス( progressive motor neuron neuropathy( 進行性運動ニューロン病):発生中の運動ニューロン変性の研究用動物モデル) を実施例に示した。人間への取り込みや寛容性、ならびに安全性についてはヒト 胚性髄神経の培養体を用いたin vitroモデルで試験できる。 上記観点より、本発明によりアデノウイルスベクターに取り込ませる所望の核 酸は、神経活性物質、即ち神経細胞に有益な作用を及ぼすことのできる物質をコ ードしていることが好ましい。この物質は、内因性の物質の不足あるいは過剰を 補正し、あるいは細胞に新たな特質を与えることができる物質であってもよい。 特に、成長因子、神経栄養因子、サイトカイン、神経 伝達物質あるいは酵素、あるいは神経伝達物質受容体あるいはホルモン受容体で ある。 好ましくは、成長因子の中では、コロニー刺激因子(G−CSF、GM−CS F、M−CSF、CSF等)、あるいは繊維芽細胞成長因子(FGFa,FGF b)あるいは血管細胞(VEGF)である。神経栄養因子の中では、好ましい因 子は毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞成熟因子(GMFa,b)、 GDNF,BDNF、NT3,NT5等である。好ましいサイトカインはインタ ーロイキン類とインターフェロン類であり、酵素では、神経伝達物質の生合成に 関連するもの(チロシン水酸化酵素、アセチルコリン転移酵素、グルタミン酸デ カルボキシラーゼ)、ライソゾーム酵素(ヘキソサミニダーゼ、アリールスルフ ァターゼ、グルコセレブロシダーゼ、HGPRT)、フリーラジカルの解毒化に 関連した酵素(スーパーオキサイドジスムターゼI、IIあるいはIII、カタラー ゼ、グルタチオンパーオキシダーゼ)の使用が好ましい。レセプターでは、とり わけ、アンドロゲン受容体(ケネディー病に関連している)を利用できる。 これら多様な因子は天然形、あるいは天然型の活性を有する 変異体あるいは断片の形で利用できる。 さらにアンチセンス配列を導入することも可能である。 核酸は天然起源でもあるいは人工的起源のものでもよい。特にゲノムDNA( gDNA)、相補的DNA(cDNA)、ハイブリッド配列、または合成もしく は半合成配列が利用できる。ヒト、動物、植物、細菌、あるいはウイルス起源の もの等が利用できる。これらは当業者に公知の技術、特にライブラリースクリー ニング、化学合成、あるいはライブラリーのスクリーニングで得た配列を化学的 あるいは酵素的に改変することを含む複合方法により得ることができる。cDN AあるいはgDNAが好ましい。 通常、核酸は運動ニューロンの機能的転写のためのプロモーター領域、ならび に所望遺伝子の3’の領域、すなわち転写の停止シグナルとポリアデニレーショ ン部位を規定する領域からなる。これらのエレメント全てで発現カセットを構成 する。プロモーター領域に関しては、該領域が感染細胞中で機能できる場合には 、目的の遺伝子の発現を当然引き起こすものである。さらに、(他のタンパク質 の発現あるいは合成物の場合にも関係する)異なる起源の領域を使用することが できる。特に、真 核生物遺伝子あるいはウイルス遺伝子のプロモーターである。例えば、感染を望 む細胞のゲノムより得たプロモーター配列である。同様に、使用するアデノウイ ルスを含むウイルスのゲノム由来のプロモーター配列も利用できる。これに関し 、E1A、MLP、CMVおよびRSV遺伝子等のプロモーターを挙げることが できる。さらに、これらプロモーター領域は、活性化配列、制御配列、あるいは 組織特異的発現または優先発現させる配列(エノラーゼやGFAPプロモーター 等)を付加して改変することができる。さらに異種の核酸がプロモーター配列を 含まない場合には、そのような配列をウイルスゲノムの下流に挿入することがで きる。 本発明の主題はまた、核酸をゲノム内に組み込んだアデノウイルスベクターを 筋肉内投与することを含む、運動ニューロンへの核酸導入のための方法である。 好ましくは、本発明の方法は、同一筋肉の数箇所の部位に注射すること、あるい は神経進入部位が限定される場合には該部位のレベルあるいはその近傍に1回以 上の注射により実施される。 本発明について、以下の実施例により詳細に説明するが、これらは例示であり 何ら限定するものではない。図面の説明 図1(写真A): アデノウイルス−β−ガラクトシダーゼを腓腹筋に筋内注射後の、腰部レベル のラット脊髄の縦方向切片(50μm)のβ−ガラクトシダーゼ標識、 −多数の運動ニューロン細胞体の拡散標識(△) −運動ニューロンの典型形態を表す、細胞体および神経突起レベルの幾つかの運 動ニューロンのより強度の標識(▲)。図2(写真B): Aと同一、より高い倍率。 アデノウイルス−β−ガラクトシダーゼを腓腹筋に筋内注射後の、腰部レベル のラット脊髄の縦方向切片(50μm)のβ−ガラクトシダーゼ標識。図3(写真C): アデノウイルス−β−ガラクトシダーゼを腓腹筋に筋内注射後の、腰部レベル のラット脊髄の縦方向切片(50μm)のβ−ガラクトシダーゼ−免疫細胞化学 共標識(カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP))。実施例 1.無傷ラット、または脊髄の胸部片側切断を受けたラット、におけるアデノウ イルス−b−ガラクトシダーゼの腓腹筋への注射。 この実施例は、b−gal遺伝子を組み込んでいるアデノウイルスを腓腹筋に 投与することによる、腰部運動ニューロンのレベルにおけるb−gal遺伝子の 導入を説明する。 より詳しくは、下肢の一方または両方において動物を麻痺させる効果を有する 、低い胸部レベルにおいて行われたラット脊髄の部分または完全切断のモデルに 関して試験を行った。そのような切断は、上部中枢から来る求心性を運動ニュー ロンから奪い、それらの変性を引き起こす。逆行性輸送によって病巣下の運動ニ ューロンを感染させるように投与を行った。 この実施例で使用するアデノウイルスベクターは、Ad.RSV.βgalベ クターである。このベタターは、その複製に必要な配列を欠いているが、それに もかかわらず、そのベクターによって感染される細胞を貫通するのに必要な配列 、およびこのアデノウイルスのエンカプシデーションに必要な必須の配列を全て 含んでいる。それはまた、RSVプロモーターの制御 下に、大腸菌β−ガラクトシダーゼ遺伝子をも有している。欠陥組換えアデノウ イルスAd.RSVβgalの構築は、文献(stratford−Perri caudetら、J. Clin. Invest. 90(1992)626 )に開示されている。簡単に述べると、アデノウイルスAd.RSVbgalは 、変異体アデノウイルスAd−d1324(Thimmappayaら、Cel l 31 (1982) 543)とプラスミドpAd.RSVbgal(Ak liら、1993)との間のin vivo相同的組換えによって得られる欠陥 組換えアデノウイルスである(E1およびE3領域が欠陥している)。 プラスミドpAd.RSVbgalは、5’→3’方向に、 −ITR配列、複製起点、エンカプシデーションシグナル、およびエンハンサ ーE1Aを含有する、Ad5アデノウイルスの左端に対応するPvuIIフラグメ ント; −RSVプロモーター(ラウス肉腫ウイルス)の制御下にある、b−ガラクト シダーゼをコードする遺伝子; −プラスミドpAd.RSVbgalとアデノウイルスd1324との間の相 同的組換えを可能にするAd5アデノウイル スゲノムの第二フラグメント; を有する。 ClaI酵素での直線化の後、相同的組換えを行うために、プラスミドpAd .RSVbgalとアデノウイルスd1324が、リン酸カルシウムの存在下に 系293中に同時にトランスフェクトされる。このようにして生成する組換えア デノウイルスは、プラーク精製によって選択される。単離後、組換えアデノウイ ルスDNAが細胞系293中で増幅され、これによって約1010pfu/mlの タイターを有する未精製組換え欠陥アデノウイルスを含有する培養上澄み液を生 じる。次に、ウイルス粒子が既知の方法に従って、塩化セシウム勾配遠心分離に よって精製される(特に、Grahamら、Virology 52 (197 3) 456を参照)。次に、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で、アデノウ イルスを精製形態で使用した。 動物が脊髄の片側切断(低い胸部レベル;動物の下肢の一方を麻痺させる作用 を有する)を受けた(または受けない)直後に、Ad−RSV−b−galアデ ノウイルスを、腓腹筋に3回注射した(1回の注射につき107pfu)。1部 位の注射 毎にアデノウイルス9μlを、ハミルトン注射器で注射する。 筋肉から脊髄への逆向性輸送が起こるための最少限の期間である、注射後4日 で動物を殺した(灌流、4%パラホルムアルデヒド)。脊髄の3つのブロックを 、頸部、胸部、および腰部レベルで縦に切り、50mM厚の切片にした。β−ガ ラクトシダーゼを顕現するために切片を処理し、これによって、ウイルスによっ て感染した細胞を視覚化することができる。いくつかの切片はさらに、アンチ− カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)免疫細胞化学にかけられ、これに よって、運動ニューロンを特異的に標識することができる。 基質であるX−galを用いてβガラクトシダーゼが顕現され、反応生成物は 青色を示す。 カルシトニン遺伝子関連ペプチド、CGRPは、神経伝達物質であり、運動ニ ューロンの特異的マーカーである。それは、ペルオキシダーゼと結合した二次抗 体および酵素基質ジアミノベンジジンを用いて免疫細胞化学によって顕現され、 反応生成物は栗色を示す。 b−ガラクトシダーゼの顕現化は、専ら、片側切断ラットの場合の病巣下の腰 部レベルにおいて、および注射に対応する側 において、感染した運動ニューロンの存在を視覚化することを可能にした。 2種類の標識が得られ、1つは多数の運動ニューロンの細胞体の拡散標識であ り、もう1つは、より制限された数の運動ニューロンの細胞体および神経突起の より強度の標識であった(写真AおよびB)。標識強度におけるこの違いは、お そらく、注射部位に非常に近い少しの運動ニューロンだけがウイルスを強く吸収 するという事実によるものであろう。 b−ガラクトシダーゼの顕現化と組み合わせたアンチ−CGRP免疫細胞化学 は、二重染色によって、事実上、全てのCGRP陽性細胞体(即ち、運動ニュー ロン)がウイルスによって感染されたことを示すことができた(写真C)。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年12月31日 【補正内容】 請求の範囲 1. 上肢筋肉(例えば、二頭筋、三頭筋)内への投与によって頸部髄性運動ニ ューロンに核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的とする核酸をゲノ ムに含む組換えアデノウイルスの使用。 2. 胸郭筋肉(例えば、胸筋)内への投与によって胸部髄性運動ニューロンに 核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的とする核酸をゲノムに含む組 換えアデノウイルスの使用。 3. 下肢筋肉(例えば、腓腹筋)内への投与によって腰部髄性および/または 仙骨部髄性運動ニューロンに核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的 とする核酸をゲノムに含む組換えアデノウイルスの使用。 4. 筋肉内投与によって髄性運動ニューロンに核酸を導入させる医薬組成物の 製造のための、ゲノムが、E1領域の全てまたは一部ならびにE3および/また はE4領域の全てまたは一部を欠失し、目的とする核酸を含む組換えアデノウイ ルスの使用。 5. 筋肉内投与によって髄性運動ニューロンに核酸を導入さ せる医薬組成物の製造のための、NT3をコードする核酸をゲノムに含む組換え アデノウイルスの使用。 6. アデノウイルスがヒト起源のアデノウイルスであることを特徴とする請求 項1〜5のいずれか1項に記載の使用。 7. アデノウイルスが動物起源のアデノウイルスであることを特徴とする請求 項1〜5のいずれか1項に記載の使用。 8. 目的とする核酸が、E1、E3、またはE4領域のレベルで、アデノウイ ルスのゲノムに挿入されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載 の使用。 9. 目的とする核酸が、神経細胞に有益な作用を及ぼすことができる物質をコ ードすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。 10. 目的とする核酸が、成長因子、神経栄養因子、サイトカイン、神経伝達 物質または酵素、あるいはレセプターをコードすることを特徴とする請求項9に 記載の使用。 11. 目的とする核酸が、運動ニューロン中で物質を発現させるシグナルをさ らに含むことを特徴とする請求項9に記載の使用。 12. 筋肉内投与が、同じ筋肉の数箇所の部位における注射 によって行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。 13. 筋肉内投与によって髄性運動ニューロンに核酸を導入させることによっ て、筋萎縮性側索硬化症を治療する医薬組成物の製造のための、神経栄養因子を コードする核酸をゲノムに含む組換えアデノウイルスの使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AM,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,J P,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MN,MX,NO,NZ,PL,RO, RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA,U G,US,UZ,VN (72)発明者 ジムネ−リボタ,ミネルバ フランス国、エフ−34000・モンペリエ、 アブニユ・ドウ・ラ・ジユステイス−ドウ −カストウノー、474 (72)発明者 マレ,ジヤツク フランス国、エフ−75013・パリ、リユ・ シヤルコ、18 (72)発明者 プリバ,アラン フランス国、エフ−34980・サン−クレマ ン−ドウ−リビエール、リユ・デ・グラー ブ、300 (72)発明者 ルバ,フレデリツク フランス国、エフ−92160・アントニー、 リユ・ドウ・シヤトウネ、49

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 上肢筋肉(例えば、二頭筋、三頭筋)内への投与によって頸部髄性運動ニ ューロンに核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的とする核酸をゲノ ムに有する組換えアデノウイルスの使用。 2. 胸郭筋肉(例えば、胸筋)内への投与によって胸部髄性運動ニューロンに 核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的とする核酸をゲノムに有する 組換えアデノウイルスの使用。 3. 下肢筋肉(例えば、腓腹筋)内への投与によって腰部髄性および/または 仙骨部髄性運動ニューロンに核酸を導入させる医薬組成物の製造のための、目的 とする核酸をゲノムに有する組換えアデノウイルスの使用。 4. 筋肉内投与によって髄性運動ニューロンに核酸を導入させる医薬組成物の 製造のための、ゲノムが、E1領域の全てまたは一部ならびにE3および/また はE4領域の全てまたは一部を欠失し、目的とする核酸を含む組換えアデノウイ ルスの使用。 5. アデノウイルスがヒト起源のアデノウイルスであること を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。 6. アデノウイルスが動物起源のアデノウイルスであることを特徴とする請求 項1〜4のいずれか1項に記載の使用。 7. 目的とする核酸が、E1、E3、またはE4領域のレベルで、アデノウイ ルスのゲノムに挿入されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載 の使用。 8. 目的とする核酸が神経活性物質をコードすることを特徴とする請求項1〜 4のいずれか1項に記載の使用。 9. 目的とする核酸が、成長因子、神経栄養因子、サイトカイン、神経伝達物 質または酵素、あるいはレセプターをコードすることを特徴とする請求項8に記 載の使用。 10. 目的とする核酸が、運動ニューロン中で神経活性物質を発現させるシグ ナルをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の使用。 11. 筋肉内投与が、同じ筋肉の数箇所の部位における注射によって行われる ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
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